(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1流管の流出部、前記第2流管の流出部、および前記第3流管の流入部が同時に交わる液晶液滴生成部において前記液晶および前記カプセル膜材料は混合されて液晶液滴を生成することを特徴とする、請求項1に記載の液晶表示装置用の液晶カプセル製造装置。
前記第1流管に前記液晶を流入させる第1流入器、および前記第2流管に前記カプセル膜材料を流入させる第2流入器をさらに含むことを特徴とする、請求項1または2に記載の液晶表示装置用の液晶カプセル製造装置。
前記第2流管および前記第3流管は同一直線上に位置し、前記第1流管は前記第2流管および第3流管と前記液晶液滴生成部で直交することを特徴とする、請求項2〜6のいずれか1項に記載の液晶表示装置用の液晶カプセル製造装置。
前記第1流管および前記第3流管は同一直線上に位置し、前記第2流管は前記第1流管および第3流管と前記液晶液滴生成部で直交することを特徴とする、請求項2〜6のいずれか1項に記載の液晶表示装置用の液晶カプセル製造装置。
前記液晶カプセルは、ネマチック液晶および前記ネマチック液晶を囲んでいるネマチックカプセル膜を含むネマチック液晶カプセルであることを特徴とする、請求項14に記載の液晶表示装置。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、添付図面を参照して、本発明の多様な実施形態について、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者が容易に実施できるように詳細に説明する。本発明は多様な形態に具現され、ここで説明する実施形態に限られない。
【0015】
本発明を明確に説明するために、説明に不要な部分は省略し、明細書全体にわたって同一または類似した構成要素については、同一参照符号を付けた。
【0016】
また、図面に示した各構成の大きさおよび厚さは、説明の便宜のために任意に示したものであるため、本発明が必ずしも示されたとおりであるとは限らない。
【0017】
まず、
図1および2を参照して、本発明の一実施形態による液晶カプセル製造装置について詳細に説明する。
【0018】
図1は、本発明の一実施形態による液晶カプセル製造装置の概略図であり、
図2は
図1のI部分の拡大図である。
【0019】
図1および
図2に示すように、本発明の一実施形態による液晶カプセル製造装置は、液晶13が流れる第1流管1、カプセル膜材料14が流れる第2流管2、第1流管1の流出部および第2流管2の流出部に流入部が連結されている第3流管3を含む。
【0020】
液晶13は、コレステリック液晶またはネマチック液晶であることが好ましい。また、カプセル膜材料14は、シリコン系光硬化型界面活性剤、フッ素系光硬化型界面活性剤、他の種類の光硬化型界面活性剤、脱イオン化ゼラチン(deionized gelatin)、ポリビニルアルコール(polyvinyl alcohol)、およびラテックス(latex)からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
【0021】
第1流管1、第2流管2、および第3流管3は、ポリジメチルシロキサン(PDMS、polydimethylsiloxane)、シリコン、ガラスなどから形成される枠(
図1中のT)の中に形成された管パターンであってもよい。このような第1流管1、第2流管2、および第3流管3の直径はマイクロメートル(μm)単位の大きさであることが好ましい。
【0022】
さらに、第1流管1に液晶13を流入させる第1流入器5が第1流管1の流入部に連結されており、第2流管2にカプセル膜材料14を流入させる第2流入器6が第2流管2の流入部に連結されている。第1流入器5は、その圧力を調節して第1流管1を流れる液晶13の流量および流速を調節し、第2流入器6は、その圧力を調節して第2流管2を流れるカプセル膜材料14の流量および流速を調節する。
【0023】
第1流管1の流出部、第2流管2の流出部、および第3流管3の流入部が同時に交わる部分に液晶液滴生成部4が形成されている。
図1では、第2流管2および第3流管3は同一直線上に位置し、第1流管1は、第2流管2および第3流管3と液晶液滴生成部4で直交するが、第1流管1および第2流管2の位置が変わってもよい。このような液晶液滴生成部4で、液晶13およびカプセル膜材料14は混合されて液晶液滴10を形成する。
【0024】
マイクロメートル単位の大きさの第1流管1および第2流管2に、各々液晶13およびカプセル膜材料14を注入すると、第1流管1および第2流管2が交わる液晶液滴生成部4において、流体力学的不安定性(hydrodynamic instability)によって液晶13およびカプセル膜材料14が混合されて液晶液滴10が形成される。カプセル膜材料14は、自己集合(self assembly)効果によって液晶の周囲を囲んでいる。
【0025】
さらに、液晶液滴10を硬化させる硬化器8が、第1流管1、第2流管2、および第3流管3と所定の間隔で離隔して設置されている。硬化器8は、液晶液滴10に紫外線(UV)を照射して液晶液滴10のカプセル膜材料14をカプセル膜15に硬化させ、液晶カプセル30を製造する。
【0026】
この時、液晶13およびカプセル膜材料14の表面張力、粘性、流量、および流速(または流動圧力)を調節して、液晶液滴10または液晶カプセル30の大きさを調節することができる。
【0027】
第1流管1、第2流管2、および第3流管3の直径はマイクロメートル(μm)単位の大きさであるため、第3流管3を流れる液晶カプセル30の直径もマイクロメートル(μm)単位の大きさであることが好ましい。具体的には、液晶カプセル30の直径は、10nm〜100μmであることが好ましい。
【0028】
また、このような液晶カプセル製造装置によって製造された複数の液晶カプセル30の大きさは互いに略均一であり、液晶カプセル30の大きさは、直径の偏差が±6.5%である。
【0029】
従来の撹拌機を利用した液晶カプセル製造装置を使用して液晶カプセルを製造する際、液晶が1mlであり、カプセル膜材料が100mlであり、撹拌機を500rpmで1時間回転させた場合、製造される液晶カプセルのうち、直径が最大の液晶カプセルは直径が4.62μmとなり、直径が最小の液晶カプセルは直径が1.68μmとなり、液晶カプセルの直径の平均値は2.67μmとなる。したがって、このような液晶カプセルは、液晶カプセルの平均直径を基準にして偏差が±50%以上と大きい。よって、このような不均一な大きさの液晶カプセルを利用した液晶表示装置は、液晶カプセルの大きさによって電気光学的特性が変わり、さらに、液晶カプセルを構成する液晶とカプセル膜との間の屈折率の差によって散乱が発生して、光特性が低下する。
【0030】
なお、本願において、液晶カプセルの直径および偏差は粒度分析器(PSA:Particle Size Analyzer)、SEM、TEMなどで測定可能である。
【0031】
しかし、
図1に示す本発明の液晶カプセル製造装置を使用して液晶カプセルを製造する際、液晶13の流速は37μl/minであり、カプセル膜材料14の流速が5000μl/minである場合、製造される液晶カプセル30のうち、直径が最大の液晶カプセル30は直径が56.1μmとなり、直径が最小の液晶カプセル30は直径が49.4μmとなり、液晶カプセル30の直径の平均値は52.9μmとなる。したがって、このような液晶カプセル30は、液晶カプセル30の平均直径を基準にして、偏差が±6.5%と大きさが略均一であることが分かる。
【0032】
このように略均一な大きさを有する液晶カプセル30を含む液晶層を有する液晶表示装置を製造することにより、ブルージング(Bruising)、プーリング(Pooling)などの外部圧力による画面の歪現象を防止することができる。
【0033】
次に、
図1および
図2に示す本発明の液晶カプセル製造装置を利用して液晶カプセルを製造する方法について、
図2〜4を参照して詳細に説明する。
【0034】
図3および
図4は、
図1に示す本発明の液晶カプセル製造装置を利用して液晶カプセルを製造する方法を順に示す概略図である。
【0035】
まず、
図3に示すように、第1流入器5(図示せず)で第1流管1に液晶13を注入し、第2流入器6(図示せず)で第2流管2にカプセル膜材料14を注入する。この時、液晶液滴生成部4で液晶13と接触するカプセル膜材料14は、液晶13の表面に付着する。
【0036】
次に、
図4に示すように、液晶液滴生成部4に流入した液晶13およびカプセル膜材料14が混合される。すなわち、液晶液滴生成部4で液晶13と接触するカプセル膜材料14は、液晶13の表面に付着して液晶13を囲むようになる。この時、カプセル膜材料14の流動圧力によって、液晶13が液滴(droplet)状に分離される。
【0037】
次に、
図4に示すように、カプセル膜材料14が自己集合効果によって液滴状の液晶13を囲むようになって、液晶液滴10を形成する。
【0038】
この時、液晶液滴10に紫外線(UV)を照射して液晶液滴10のカプセル膜材料14をカプセル膜15に硬化させて、液晶カプセル30を製造する。このような液晶カプセル30は、第3流管3に沿って流れる。
【0039】
また、カプセル膜材料14が液滴状の液晶13を囲んでいる液晶液滴10が第3流管3から流出した後、紫外線を照射して液晶液滴10を硬化し液晶カプセル30を製造してもよい。この際、液晶13およびカプセル膜材料14の表面張力、粘性、流量、および流速(または流動圧力)を調節して、液晶カプセル30の大きさを調節することができる。
【0040】
このような製造工程を繰り返して、複数の液晶カプセル30を製造することができ、このような液晶カプセル30は、略均一な大きさに製造されうる。液晶カプセル30の大きさは、直径の偏差が±6.5%である。
【0041】
このように略均一な大きさを有する液晶カプセル30を含む液晶層を有する液晶表示装置を製造することにより、外部圧力による画面の歪現象を防止することができる。
【0042】
図1に示す実施形態においては、カプセル膜材料14が流れる第2流管2および液晶カプセル30が流れる第3流管3は同一直線上に位置し、液晶13が流れる第1流管1は第2流管2および第3流管3と液晶液滴生成部4で直交する構造を有するが、液晶カプセル30の大きさおよび製造条件を最適化するために、第1流管1、第2流管2、および第3流管3を多様な位置に配置することができる。
【0043】
以下、
図5を参照して、本発明の他の実施形態による液晶カプセル製造装置について詳細に説明する。
【0044】
図5は、本発明の他の実施形態による液晶カプセル製造装置の概略図である。
【0045】
図5に示すように、本発明の他の実施形態による液晶カプセル製造装置は、液晶13が流れる第1流管1、カプセル膜材料14が流れる第2流管2、第1流管1の流出部および第2流管2の流出部に流入部が連結されている第3流管3を含む。第1流管1および第3流管3は同一直線上に位置し、第2流管2は液晶液滴生成部4で交わる上部第2流管21および下部第2流管22を含む。上部第2流管21および下部第2流管22は、第1流管1および第3流管3と液晶液滴生成部4で直交する。
【0046】
また、第1流管1に液晶13を流入させる第1流入器5が第1流管1の流入部に連結され、上部第2流管21にカプセル膜材料14を流入させる上部第2流入器61が上部第2流管21の流入部に連結され、下部第2流管22にカプセル膜材料14を流入させる下部第2流入器62が下部第2流管22の流入部に連結されている。
【0047】
第1流管1を流れる液晶13は、上部第2流管21および下部第2流管22を流れるカプセル膜材料14と液晶液滴生成部4で混合される。この時、上部および下部から各々液晶液滴生成部4に向かうカプセル膜材料14の流動圧力によって、液晶13は液滴状に分離される。また、カプセル膜材料14が、自己集合効果によって液滴状の液晶13を囲んで液晶液滴10を形成する。この時、液晶液滴10に硬化器8から紫外線(UV)を照射して、液晶液滴10のカプセル膜材料14をカプセル膜15に硬化させて、液晶カプセル30を製造する。このような液晶カプセル30は、第3流管3に沿って流れる。
【0048】
また、カプセル膜材料14が、液滴状の液晶13を囲んでいる液晶液滴10が第3流管3から流出した後、硬化器8から紫外線を照射して、液晶液滴10を硬化し、液晶カプセル30を製造してもよい。
【0049】
このような製造工程を繰り返して、略均一な大きさを有する複数の液晶カプセルを製造することができる。
【0050】
次に、本発明の一実施形態による液晶カプセル製造装置および液晶カプセルの製造方法によって製造された液晶カプセルを含む液晶表示装置について、
図6を参照して以下で詳細に説明する。
【0051】
図6は、本発明の一実施形態による液晶表示装置の断面概略図である。
【0052】
図6に示すように、本発明の一実施形態による液晶表示装置は、互いに対向する第1基板110および第2基板210、ならびにこれら両基板110、210の間に挿入されているコレステリック液晶層310を含む。第1基板110上には第1電極190が形成され、第2基板210上には第2電極270が形成されていて、第1電極190と第2電極270との間に電界を形成することができる。第1基板110と第2基板210との間にはスペーサが位置して、コレステリック液晶層310の厚さを調節することができる。
【0053】
第1基板110および第2基板210は、透明なガラスまたはプラスチックなどの絶縁基板で形成される。
【0054】
コレステリック液晶層310には、複数の略均一な大きさを有するコレステリック液晶カプセル31が分散しており、コレステリック液晶カプセル31は、コレステリックカプセル膜31aの内部にコレステリック液晶31bを含む。コレステリック液晶31bは、可視光線である380nm〜770nmの波長の光を反射する螺旋ピッチを有し、コレステリックカプセル膜31aの厚さは、好ましくは1nm〜10μmである。コレステリックカプセル膜31aの厚さが薄すぎる場合には、コレステリック液晶カプセル31が割れ易くなる場合があり、コレステリックカプセル膜31aの厚さが厚すぎる場合には、コレステリック液晶カプセル31の弾性力が低下して、外部圧力が発生する時に画面の歪現象が発生する場合がある。このようなコレステリックカプセル膜31aの厚さは、コレステリックカプセル膜の材料の物性により変わりうる。
【0055】
複数のコレステリック液晶カプセル31の大きさは、好ましくは10nm〜100μmであり、互いに略均一であり、直径の偏差は±6.5%である。
【0056】
コレステリック液晶層310は、プレーナ状態(planar state)およびフォーカルコニック状態(focal conic state)の二つの安定した状態を有し、外部から一定の電圧を印加しなくても二つの安定した状態を維持することができる。プレーナ状態では、コレステリック液晶31bは螺旋構造(helical structure)を有して、螺旋ピッチ(helical pitch)によって特定の波長の光を反射し、フォーカルコニック状態では、螺旋軸(helical axis)が第1電極190および第2電極270に水平方向に配列されて、光を透過させる。
【0057】
このように、コレステリック液晶カプセル31を含むコレステリック液晶層310を形成することによって、視野角による色ズレ(color shift)を最小化することができ、液晶表示装置が曲げられる場合や、液晶表示装置の表面に圧力が加えられる場合に発生する画面の歪現象を最小化することができて、コレステリック液晶層310の双安定性を維持することができる。
【0058】
また、略均一な大きさを有するコレステリック液晶カプセル31を含むコレステリック液晶層310を形成することによって、外部圧力による画面の歪現象を防止することができ、電気光学的特性が一定で光特性に優れた液晶表示装置を製造することができる。
【0059】
上記では、垂直電界を印加するために第1基板110上に第1電極190を、大2基板210上に第2電極270をそれぞれ形成したが、水平電界を印加するために第1電極190および第2電極270を第1基板110上に全て形成してもよく、垂直電界および水平電界を全て印加するために3つ以上の電極を形成してもよい。
【0060】
また、赤色、緑色、および青色の光を各々反射する赤色反射コレステリック液晶、緑色反射コレステリック液晶、および青色反射コレステリック液晶を略均一な大きさのコレステリック液晶カプセル31に形成することによって、外部圧力による画面の歪現象を防止して、カラーを実現することができる。
【0061】
上記では、コレステリック液晶層310のコレステリック液晶カプセル31が左旋性および右旋性のうちのいずれか一つの場合であったが、左旋性コレステリック液晶カプセルおよび右旋性コレステリック液晶カプセル312が混合されたコレステリック液晶層310であってもよい。
【0062】
以下、
図7を参照して、本発明の他の実施形態による液晶表示装置について詳細に説明する。
【0063】
図7は、本発明の他の実施形態による液晶表示装置の断面概略図である。
【0064】
図7に示す実施形態は、
図6に示す実施形態と比較して、コレステリック液晶層310が左旋性コレステリック液晶カプセルおよび右旋性コレステリック液晶カプセルを全て含むことを除いては実質的に同様であるため、詳細な説明は省略する。
【0065】
図7に示すように、コレステリック液晶層310には、複数の略均一な大きさを有する左旋性コレステリック液晶カプセル311および右旋性コレステリック液晶カプセル312が分散している。左旋性コレステリック液晶カプセル311および右旋性コレステリック液晶カプセル312は、大きさが略均一で、直径の偏差は±6.5%である。したがって、外部圧力による画面の歪現象を防止することができて、電気光学的特性が一定で、光特性に優れた液晶表示装置を製造することができる。
【0066】
左旋性コレステリック液晶カプセル311は、左旋性コレステリックカプセル膜311aの内部に左旋性コレステリック液晶311bを含み、右旋性コレステリック液晶カプセル312は右旋性コレステリックカプセル膜312aの内部に右旋性コレステリック液晶312bを含む。左旋性コレステリック液晶311bは左円偏光(L)を反射し、右旋性コレステリック液晶312bは右円偏光(R)を反射する。
【0067】
図6に示す液晶表示装置の場合、左旋性コレステリック液晶カプセル311および右旋性コレステリック液晶カプセル312のうちのいずれか一つだけがコレステリック液晶層310に含まれるため、コレステリック液晶層310の反射率が最大50%を超えることができない。しかし、
図7に示す実施形態による液晶表示装置は、左旋性コレステリック液晶カプセル311および右旋性コレステリック液晶カプセル312がコレステリック液晶層310に混在しているため、反射率を最大化することができる。
【0068】
また、
図7に示す実施形態においては、左旋性コレステリック液晶カプセル311および右旋性コレステリック液晶カプセル312をランダムに混在させてコレステリック液晶層310を形成したが、
図8に示すように左旋性コレステリック液晶カプセル311および右旋性コレステリック液晶カプセル312を層状構造に形成してもよい。
【0069】
以下、
図8を参照して、本発明のさらに他の実施形態による液晶表示装置について詳細に説明する。
【0070】
図8は、本発明のさらに他の実施形態による液晶表示装置の断面概略図である。
【0071】
図8に示す実施形態は、
図7に示す実施形態と比較して、コレステリック液晶層310の左旋性コレステリック液晶カプセル311および右旋性コレステリック液晶カプセル312が層状構造であることを除いては実質的に同様であるため、詳細な説明は省略する。
【0072】
図8に示すように、コレステリック液晶層310は、左旋性コレステリック液晶カプセル層313およびその上に配置されている右旋性コレステリック液晶カプセル層314を含む。
【0073】
左旋性コレステリック液晶カプセル層313は、複数の略均一な大きさを有する左旋性コレステリック液晶カプセル311から構成され、右旋性コレステリック液晶カプセル層314は、複数の略均一な大きさを有する右旋性コレステリック液晶カプセル312から構成される。左旋性コレステリック液晶カプセル311および右旋性コレステリック液晶カプセル312は、大きさが略均一で、直径の偏差が±6.5%である。したがって、外部圧力による画面の歪現象を防止することができて、電気光学的特性が一定で光特性に優れた液晶表示装置を製造することができる。
【0074】
また、左円偏光を反射させる左旋性コレステリック液晶カプセル層313および右円偏光を反射させる右旋性コレステリック液晶カプセル層314でコレステリック液晶層310が形成されていて、左円偏光(L)および右円偏光(R)を全て反射することができるため、反射率を最大化することができる。
【0075】
本発明の液晶表示装置は、コレステリック液晶カプセルを含むコレステリック液晶層310を形成したり、ネマチック液晶カプセルを含むネマチック液晶層を形成してもよい。
【0076】
以下、
図9を参照して、本発明のさらに他の実施形態による液晶表示装置について詳細に説明する。
【0077】
図9は、本発明のさらに他の実施形態による液晶表示装置の断面概略図である。
【0078】
図9に示すように、本発明のさらに他の実施形態に係る液晶表示装置は、互いに対向する第1基板110および第2基板210、ならびにこれら両基板110、210の間に注入されているネマチック液晶層320を含む。第1基板110上には第1電極190が形成され、第2基板210上には第2電極270が形成されていて、第1電極190と第2電極270との間に電界を形成することができる。第1基板110の下部および第2基板210の上部に各々第1偏光板111および第2偏光板211が形成されている。第1偏光板111および第2偏光板211の透過軸は、互いに垂直または水平であり、所定の角を成して配置される。第1偏光板111および第2偏光板211には位相遅延フィルムが追加的に形成されて、視野角を向上させることができる。
【0079】
ネマチック液晶層320には、複数の略均一な大きさを有するネマチック液晶カプセル32が分散しており、ネマチック液晶カプセル32は、ネマチックカプセル膜32aの内部にネマチック液晶32bを含む。ネマチック液晶カプセル32の大きさは、直径の偏差が±6.5%である。したがって、外部圧力による画面の歪現象を防止することができて、電気光学的特性が一定で光特性に優れた液晶表示装置を製造することができる。
【0080】
ネマチック液晶32bは、ねじれネマチック(twisted nematic、TN)液晶、水平配列ネマチック液晶、軸対称配列ネマチック液晶などを含むことができ、正の誘電率異方性液晶または負の誘電率異方性液晶でありうる。
図9にはTN液晶が示されている。
【0081】
上記では、垂直電界を印加するために第1基板110上に第1電極190を、第2基板210上に第2電極270をそれぞれ形成したが、水平電界を印加するために第1電極190および第2電極270を第1基板上に全て形成してもよく、垂直電界および水平電界を全て印加するために3つ以上の電極を形成してもよい。
【0082】
また、第1電極または第2電極に開口パターンを形成して、マルチドメインを形成することによって、視野角による色ズレを最小化することができる。
【0083】
さらに、
図9に示す実施形態による液晶表示装置のネマチック液晶層にナノ粒子を追加することによって、カプセル膜による駆動電圧の上昇を最少化することができる。
【0084】
以下、
図10を参照して、本発明のさらに他の実施形態による液晶表示装置について詳細に説明する。
【0085】
図10は、本発明のさらに他の実施形態による液晶表示装置の断面概略図である。
【0086】
図10に示す実施形態は、
図9に示す実施形態と比較して、ネマチック液晶層にナノ粒子が追加されたことを除いては実質的に同様であるため、詳細な説明は省略する。
【0087】
図10に示したように、本発明の第5実施形態に係る液晶表示装置は、互いに対向する第1基板110および第2基板210、およびこれら両基板110、210の間に注入されているネマチック液晶層320を含む。
【0088】
ネマチック液晶層320には複数の略均一な大きさを有するネマチック液晶カプセル32が分散しており、ネマチック液晶カプセル32の間には複数のナノ粒子40が分散している。
【0089】
ナノ粒子40の直径は10nm〜1μmであることが好ましく、ナノ粒子40は金、銀、カーボンナノチューブ、および強誘電性材料からなる群より選択される少なくとも1種の材料から形成される粒子であることが好ましい。
【0090】
ネマチック液晶カプセル32は、カプセル膜32aの内部にネマチック液晶32bを含む。
図10には水平配向ネマチック液晶が示されている。複数のネマチック液晶カプセル32は、大きさが略均一で、直径の偏差が±6.5%である。したがって、外部圧力による画面の歪現象を防止することができて、電気光学的特性が一定で光特性に優れた液晶表示装置を製造することができる。
【0091】
さらに、ナノ粒子40をネマチック液晶層320に分散させることによって、ネマチックカプセル膜32aの誘電率を上昇させることができる。下記の数式1は、ネマチックカプセル膜32aおよびナノ粒子40の混合物の誘電率に関する式が表されている。
【0093】
ここで、ε
mはネマチックカプセル膜32aおよびナノ粒子40の混合物の誘電率、ε
1はカプセル膜32aの誘電率、ε
2はナノ粒子40の誘電率、B
1はネマチックカプセル膜32aの体積、B
2はナノ粒子40の体積である。
【0094】
数式1に示すように、所定の体積を有し、かつカプセル膜とは異なる誘電率を有するナノ粒子40をネマチック液晶層320に追加することによって、ネマチックカプセル膜32aおよびナノ粒子40の混合物の誘電率(ε
m)を上昇させることができる。
【0095】
したがって、ネマチックカプセル膜32aによって電圧の減少が発生するのを防止して、駆動電圧の上昇を防止することができる。また、
図10に示す実施形態による液晶表示装置は、ナノ粒子40がネマチック液晶層320に分散しているが、ナノ粒子40がコレステリック液晶層310に分散していてもよい。
【0096】
また、
図10に示す実施形態による液晶表示装置は、ネマチック液晶カプセル32およびナノ粒子40が互いに分離されてネマチック液晶層320に分散しているが、複数のネマチック液晶カプセル32が一つの層に形成される場合、
図11に示すようにナノ粒子40がネマチック液晶層320と接触してもよい。
【0097】
以下、
図11を参照して、本発明のさらに他の実施形態による液晶表示装置について説明する。
【0098】
図11は、本発明のさらに他の実施形態による液晶表示装置の断面概略図である。
【0099】
図11に示す実施形態は、
図10に示す実施形態と比較して、複数のネマチック液晶カプセルが一つの層に形成されてナノ粒子40がネマチック液晶層と接触する構造であることを除いては実質的に同様であるため、詳細な説明は省略する。
【0100】
図11に示すように、本発明の第6実施形態による液晶表示装置は、互いに対向する第1基板110および第2基板210、ならびにこれら両基板110、210の間に注入されているネマチック液晶層320を含む。
【0101】
ネマチック液晶層320には、複数の略均一な大きさを有するネマチック液晶カプセル32が互いに接触しており、ネマチック液晶カプセル32の間には複数のナノ粒子40が付着している。
【0102】
ネマチック液晶カプセル32は、ネマチックカプセル膜32aの内部にネマチック液晶32bを含む。
図11にはTN液晶が示されている。複数のネマチック液晶カプセル32は、大きさが略均一で、直径の偏差は±6.5%である。したがって、外部圧力による画面の歪現象を防止することができて、電気光学的特性が一定で光特性に優れた液晶表示装置を製造することができる。
【0103】
また、所定の体積および誘電率を有するナノ粒子40をネマチック液晶層320に添加することによって、ネマチックカプセル膜32aおよびナノ粒子40の混合物の誘電率(εm)を上昇させることができる。したがって、ネマチックカプセル膜32aによって電圧の減少が発生するのを防止して、駆動電圧の上昇を防止することができる。
【0104】
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明はこれに限定されず、特許請求の範囲の概念および範囲を逸脱しない限り多様な修正および変形が可能であることを、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者は簡単に理解することができる。