(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
複数のアーチ形フレーム部材の各々がストラクチュラルフォームで充填されていて、フォームにより包囲及び支持されたダクトを含んでいる、請求項1に記載の胴体構造。
胴体本体が、複合パネルから形成された側面と頂部とを有する上部を含んでおり、パネルが、内側表面板と外側表面板との間に挟まれたコアを含み、コアは頂部で高い剛性を有している、請求項1に記載の胴体構造。
【発明を実施するための形態】
【0012】
まず、
図1及び2に示すように、バレル形状の胴体セクション30は、縦方向に延びる継手36に沿って互いに接続された上部胴体部分32と下部胴体部分34とを備えており、これら二つの部分32、34は、継手36によって、一体化されたフロア42と統合されている。航空機(図示しない)を加工する間に、二つ以上のバレル形胴体セクション30は互いの端部で接合されて、完全な胴体(図示しない)を形成する。上部胴体部分32は、側面38と頂部40とを含んでいる。後述で詳細に説明されるように、胴体部分の各々32、34は、互いに接合されて外側本体25を形成する複合サンドイッチパネル(図示しない)から形成することができ、外側本体25は、本体25の内表面を画定する内側外板56と、外側外板64とを含んでいる。他の実施形態では、本体25は、複合サンドイッチパネルではなく、単一の外板56から形成することができる。図示の胴体セクション30は概ね円形断面を有する形状であるが、他の様々の断面形状、及び形状の組み合わせが可能であり、それらには、限定されないが楕円及びその他の形状が含まれる。
【0013】
フロア42は、胴体セクション30の一部を形成する一又は複数のフレーム(図示しない)又は他の支持体(図示しない)によって支持されている。図示の実施形態では、胴体セクション30は、継手36の高さで胴体セクション30を横切って延びて上部客室44を画定する単一のフロア42を含んでいるが、複数のフロア42も可能である。胴体セクション30の上部32は、縦方向に間隔を空けて配置された複数のアーチ形構造フレーム部材48を含む構造フレームワーク46によって強化されており、アーチ型構造フレーム部材48は、内側外板56によって画定される本体25の内表面に接合されている。フレーム部材48は、上部胴体部分32の周囲のほぼ全体にわたって延びているが、側面38の断面内で先端に行くほど細くなる末端50を有することができる。
【0014】
特定の用途及び航空機の形状に応じて、構造フレームワーク46は、胴体セクション30の戸口54などの開口の周囲に追加のアーチ形フレーム部材48aを含むことができる。用途の構造荷重に応じて、アーチ形フレーム部材48の断面の寸法、全体の高さと長さ、及び互いとの間隔を変えることができる。
図1及び2には示されていないが、構造フレームワーク46は、頂部40の領域内に縦方向に延びるバックボーンフレーム部材を含むことができ、このバックボーンフレーム部材は、フレーム部材40を互いに構造的に接合させ、航空機の縦方向に沿って胴体セクション30に剛性を付与する。上述の種類の適切な胴体セクション30の更なる詳細は、2010年6月15日発行の米国特許第7735779号に見ることができ、この特許文献の内容全体は参照により本明細書に包含される。
【0015】
図3及び4は、外側本体25を有する上部胴体部分32の一実施形態を示しており、この外側本体25は、ポリマーをベースとする堅固な積層35、限定しないが例えば、炭素繊維強化エポキシなどの積層板35から形成されている。側面38及び頂部40は、複合材料からなるアーチ形フレーム部材48によって補強されている。フレーム部材48の各々は、用途に適した断面を有することができる。図示の実施例では、フレーム部材48の各々は、帽子形の断面を有し、同時硬化、接着、及び/又はファスナ(図示しない)により内側外板56に固定された外側フランジ58を含んでいる。簡潔に示すために、フランジ58は、
図3、5、7、9、11、13、16、及び17では省略した。フレーム部材48は、適切なストラクチュラルフォーム60で充填することができる。
【0016】
図5及び6は、上部胴体部分32の別の実施形態を示しており、この場合、外側本体25は、サンドイッチパネル構造物から形成されて、内側表面板56と外側表面板64との間に挟まれたコア55を含んでいる。コア55は、限定しないが、フルート(図示しない)又はハニカム(図示しない)といった任意の適切な材料と形状を有することができる。図示の実施例では、コア55は、頂部40の領域に比較的密度の高い部分66を、側面38に比較的密度の低いセクション62を、それぞれ含んでいる。密度の高いコアセクション66は、頂部40に更なる強度と剛性を付与するとともに、航空機が地上又は地上近くにいる間に航空機の頂部(頂部40)に当たる雹などの物体に対する耐衝撃性を付与する。コア55の密度の高いセクション66と密度の低いセクション62とは、スカーフ継手68に沿って互いに接続される。但し、限定しないが、重ね継手、段重ね継手、及び突合せ継手を含め、他の種類の継手も可能である。
【0017】
図7及び8は、上部胴体部分32の更なる実施形態を示しており、この場合、本体25は、頂部40の領域に堅固な積層板70を、側面38に複合サンドイッチをそれぞれ含んでおり、側面の複合サンドイッチは、内側表面板56と外側表面板64との間に挟まれた比較的中程度の密度を有するコア62を含んでいる。複合サンドイッチ側面38は、堅固な積層板70へと、コア62内の傾斜部69により形成されるダブルスカーフ継手68に沿って移行している。他の種類の継手を使用することも可能である。
【0018】
図9及び10は上部胴体部分32の別の実施形態を示しており、この実施形態は
図7及び8に示された実施形態に類似であるが、頂部40内の堅固な積層板70には、縦方向に延びる高密度の一体式補強材72が設けられて、頂部40の領域内の本体25に、必要に応じて縦方向の剛性と安定性を付加している。この実施例では、補強材72は、円周上に互いに間隔を空けて配置され、内側表面板56と外側表面板64との間に挟まれている。
図10では、補強材72は、内側外板56と外側外板64のほぼ中央に位置しているが、補強材72は、その方が望ましい場合、内側外板56に近くても、外側外板64に近くてもよい。更に他の実施形態では、例えば
図11に示されるように、補強材72は内側外板56上に配置されてもよい。
【0019】
図11及び12は、上部胴体部分32の頂部40を強化及び補強するための別の技術を示している。この実施形態では、円周上に間隔を空けて配置されて縦方向に延びる複合補強材74が、頂部40領域の内部外板56に取り付けられている。図示の実施例では、補強材74はJ字形の断面を有しているが、他の様々な断面形状が可能である。補強材74は、接着又はその他の技術により内部外板56に取り付けることができる。補強材74は、本体25に装備品(図示しない)又はサブシステム(図示しない)を取り付ける手段にもなりうる。
【0020】
図13は、上部胴体部分32の別の実施形態を示しており、この場合、頂部40には、中央縦方向に、バックボーンフレーム82が設けられている。このバックボーンフレーム82は、アーチ形フレーム部材48を相互接続し、且つアーチ形フレーム部材48と一体形成されていることにより、内側の構造フレームワーク46を形成し、このフレームワーク46は頂部40の領域において実質的に一体化及び補強されている。この実施例では、バックボーンフレーム82は、一体形成されて縦方向に延びる一対の内部ダクト78を含み、これらのダクト78は中央のパーティション80により互いに分離されている。バックボーンフレーム82は、加工プロセスの間にアーチ形フレーム部材48と一緒に積層されて同時硬化される複合積層板から構成することができる。これについては後述で詳細に説明する。図示の実施形態では、ダクト78は、頂部40に沿って航空機の縦方向にソース(図示しない)から空気を運ぶためのポートと右げん給気ダクトとを形成している。
【0021】
図14に示すように、一又は複数のアーチ形フレーム部材48は、フレーム部材48を充填しているストラクチュラルフォーム60によって所定の位置に保持された分配ダクト84を含むことができる。分配ダクト84の各々は、給気ダクト78の一つに接続されて、矢印76によって示されるように、82において供給された空気を、客室44に向って外側下方へと導く。後述で詳細に説明するように、バックボーンフレーム82によって形成された一又は複数のダクト78は、頂部40に沿って航空機に他のユーティリティを導くために使用することができ、これらのユーティリティには、限定されないが、他の種類の環境制御システム、無線通信、有形電気配線、無線配電、及び水分モニタリングを含む航空機の構造健全性をモニタリングするための様々なシステムが含まれる。
【0022】
図15は、バックボーンフレーム82の下部に取り付けられたトレイ88を示しており、このトレイは、限定しないが、航空機を縦方向に通る電気配線といった機内に搭載されたサブシステムを支持し、且つそれらサブシステムの経路を決めるために使用することができる。
【0023】
図13は一体化されたバックボーンフレーム82によって形成されたダクト78を示しているが、
図16及び17に示されるような、頂部40に沿って配置される半一体化された中央供給コンジット85を使用して、フレーム部材にユーティリティサービスを分配することが可能である。この実施例ではコンジット85は概ね楕円形の断面を有しているが、他の断面形状も可能である。コンジット85は、頂部40の下側中央に位置し、上部胴体部分32を通って縦方向に延びている。フレーム部材48の各々は、コンジット85の形状と概ね一致する凹状部分96を含むことができ、それにより、コンジット85はフレーム部材48側に引っ込むので、客室44内へと下方に不要に延びることがない。コンジット85は、比較的剛性の、任意の適切な材料から形成することができ、このような材料には複合材料が含まれるがこれに限定されない。
【0024】
コンジット85は、アーチ形フレーム部材48及び本体25の一方又は両方に、ファスナ、接着技術、又は連動式機械機構(すべて図示しない)を用いて取り付けることができる。
図17に示されるように、コンジット85は内部空洞90を含み、この空洞を通してユーティリティが導かれる。図示の実施例では、コンジット85には、出口開口92が設けられ、この開口はフレーム部材48の入口開口94に連結される。
【0025】
図18を参照する。上述したように、構造フレームワーク46内に形成されたダクト78、84は、種々のユーティリティのいずれかを航空機全体に分配するために使用することができる。
図18は、導波管空洞として使用されるフレームワークダクト78、84を示しており、この場合、これらのダクトは、データ又は動力の形態で電磁信号を航空機全体に伝送するために使用される。一実施例では、航空機内に縦方向に間隔を空けて配置された一又は複数の無線トランシーバ100が、導波管空洞98(フレームワークダクト78、84)を通してデータ又は動力信号を伝送するために使用される。例えば、無線トランシーバ100を用いることで、104にまとめて示される任意の数の航空機健全性モニタリングセンサ、エネルギーハーベスタ、FRIDタグなどのいずれかを、航空機の別の位置においてモニタリングし、データ信号を伝送することができる。
【0026】
無線トランシーバ100の少なくとも一つを、デバイス104への問い合わせ及び/又はデバイス104のモニタリングを行う適切な航空機搭載コンピュータ106に連結することができる。無線トランシーバ100と導波管空洞98との組み合わせを使用して、電源108によって生成された電力を航空機全体に無線伝送することにより、デバイス104の一又は複数に給電することができる。別の構成では、エネルギーハーベスティングデバイス104によって生成された動力が、導波管空洞98により、電源108の一部を形成しうるバッテリへ伝送される。
【0027】
多機能頂部40を有する上部胴体部分32は、
図19及び20に示される方法に従って製造することができる。まず122において、自動繊維配置マシンを用いて、又は成形された工具上に複合材料をレイアップするためのその他の従来技術を用いて、複合材料を二重マンドレル113の上にレイアップする。124において、積層材112を切開し、二つのほぼ同一の外側外板112a、112bに分割する。126では、二つのほぼ同一の外側モールド線工具114、116の一部の内側に、外側外板112a、112bを配置する。次に、128では、発泡コア118a、118bを、外側外板112a、112bの上にレイアップする。ステップ130では、手動配置技術又は自動繊維配置装備(図示しない)を用いて内側外板120a、120bを対応するコア118a、118bの上にレイアップする。上記の方法により、一つの二重マンドレル113を使用して、ほぼ同時に二つの胴体部分32が加工されるが、必要であれば、二つの別々のマンドレル(図示しない)の上に外側外板112a、112bをレイアップすることもできる。
【0028】
図10に示される加工方法は、プリプレグ繊維プライを積層させることにより実行されるが、乾燥繊維プリフォーム(図示しない)と樹脂注入技術とを用いて胴体の本体部分32、又はそのセクションを加工することもできる。例えば、限定しないが、アーチ形フレーム部材48及びバックボーンフレーム82は、
図19に示される内側外板120a上に配置される乾燥プリフォーム(図示しない)を用いて互いに一体に形成した後、樹脂を用いて同時注入することができる。
【0029】
132では、アーチ形フレーム部材48を内側外板120a、120bの上にレイアップすることにより、二つのほぼ同一の本体部分32を形成する。
図20に示されるステップ133では、レイアップされた上部本体部分32を真空引きし、処理し、硬化させることにより、同時硬化された一体構造を得る。134では、硬化された本体部分32を外側モールド線工具114、116から取り出す。136では、硬化された本体部分32を必要に応じてトリミングした後、上部本体部分32を事前に硬化させた下部本体部分34(
図1)に接合する。
【0030】
次の
図21及び22に示すように、本発明の実施形態は、
図21に示される航空機の製造及び整備方法140、及び
図22に示される航空機142に関して使用することが可能である。製造前の段階では、例示的な方法140は、航空機142の仕様及び設計144と、材料調達146とを含みうる。製造段階では、航空機142のコンポーネント及びサブアセンブリの製造148と、システムインテグレーション150とが行われる。ステップ148の間に、開示される方法と装置を、胴体セクションなどの複合部品を加工するために使用することができ、これらの部品はその後ステップ150において組み立てられる。その後、航空機142は認可及び納品152を経て就航154される。顧客により就航される間に、航空機142は定期的なメンテナンス及び整備156(改造、再構成、改修なども含みうる)を受ける。
【0031】
方法140の各プロセスは、システムインテグレーター、第三者、及び/又はオペレーター(例えば顧客)によって実施又は実行されうる。本明細書の目的のために、システムインテグレーターは、限定しないが、任意の数の航空機製造者、及び主要なシステム下請業者を含むことができ、第三者は、限定しないが、任意の数のベンダー、下請業者、及び供給業者を含むことができ、オペレーターは、航空会社、リース会社、軍事団体、サービス機関などでありうる。
【0032】
図22に示されるように、例示的方法140によって製造された航空機142は、複数のシステム160及び内装162を有する機体158を含むことができる。開示される方法と装置は、機体158の一部を形成する胴体セクションを加工するために使用することができる。高レベルのシステム150の例には、推進システム164、電気システム166、油圧システム168、及び環境システム170のうちの一又は複数が含まれる。任意の数の他のシステムが含まれてもよい。航空宇宙産業の例を示したが、本発明の原理は、自動車産業のような他の産業にも適用可能である。
【0033】
本明細書に具現化された装置は、製造及び整備方法140の任意の一又は複数の段階で採用することができる。例えば、製造プロセス148に対応するコンポーネント又はサブアセンブリは、航空機142が就航中に製造されるコンポーネント又はサブアセンブリと同様の方法で加工又は製造することができる。また、一又は複数の装置の実施形態は、例えば、航空機142の組立てを実質的に効率化するか、又は航空機142のコストを削減することにより、製造段階148及び150の間に利用することができる。同様に、一又は複数の装置の実施形態を、航空機142の就航中に、限定しないが、例えばメンテナンス及び整備156に利用することができる。
【0034】
本発明の実施形態を、特定の例示的な実施形態に関連させて説明したが、これらの特定の実施形態は説明を目的としているのであって、限定を目的としているのではなく、当業者であれば他の変形例が想起可能であろう。
【0035】
本発明は、以下の実施形態にも関連している。
1.内表面を含む胴体本体と、
本体を補強するための構造フレームワークであって、内表面に取り付けられる少なくとも一つのフレーム部材を含み、且つ本体にユーティリティを導くためのダクトを内蔵する構造フレームワークと
を備える胴体構造。
【0036】
2.ユーティリティが、
環境制御システム、
電気配線、
無線通信システム、
無線配電システム、及び
水分モニタリングシステム
のうちの少なくとも一つを含んでいる、実施形態1に記載の胴体構造。
【0037】
3.ダクトが電磁エネルギーの導波管空洞を形成しており、且つ
ユーティリティが、導波管空洞により電磁信号を伝送する無線データ伝送システムを含んでいる、
実施形態1に記載の胴体構造。
【0038】
4.胴体本体が、頂部を有する上部と、頂部の下に位置する客室と、下部とを含んでおり、且つ
構造フレームワークが、胴体本体の上部の内表面に取り付けられて、頂部を横切って横方向に延びる複数のアーチ形フレーム部材を含んでおり、フレーム部材の少なくとも一部が、頂部から客室へと下方に向って延びる一体式の空洞を内部に含んでいる、
実施形態1に記載の胴体構造。
【0039】
5.頂部の領域において本体を縦方向に通って、フレーム部材の空洞に連結する給気ダクト
を更に備える、実施形態4に記載の胴体構造。
【0040】
6.給気ダクトが各アーチ形フレーム部材に統合されて、構造フレームワークの一部を形成している、実施形態5に記載の胴体構造。
【0041】
7.本体及び構造フレームワークが複合材料から形成されている、実施形態1に記載の胴体構造。
【0042】
8.構造フレームワークが、胴体本体に取り付けられて頂部を横切って横方向に延びる複数のアーチ形フレーム部材を含んでおり、各アーチ形フレーム部材が、ストラクチュラルフォームで充填され、発泡材によって包囲及び支持されたコンジットを含んでいる、実施形態1に記載の胴体構造。
【0043】
9.胴体本体が、複合パネルから形成された側面と頂部とを有する上部を含み、パネルが内側表面板と外側表面板との間に挟まれたコアを含んでおり、コアによって頂部の領域の剛性が増している、実施形態1に記載の胴体構造。
【0044】
10.客室を画定する本体と、
本体を強化するために客室を囲む複合材料からなる複数の円形フレーム部材であって、各々が本体に取り付けられており、且つ客室にユーティリティサービスを分配するためのユーティリティ分配ダクトを内蔵しているフレーム部材と
を備える胴体構造。
【0045】
11.本体が、複合パネルから形成されており、頂部を有する上部と、上部に接合された下部とを含んでおり、
各フレーム部材が本体の上部のパネルに接続されて頂部全体にわたっている、
実施形態10に記載の胴体構造。
【0046】
12.本体を縦方向に延びてフレーム部材内の分配ダクトと連結するユーティリティ供給ダクト
を更に備える実施形態11に記載の胴体構造。
【0047】
13.ユーティリティ供給ダクトがバックボーンフレームを形成してフレーム部材と一体化している、実施形態12に記載の胴体構造。
【0048】
14.ユーティリティ供給ダクトが頂部と客室との間に配置されている、実施形態12に記載の胴体構造。
【0049】
15.ユーティリティが、
環境制御、
無線通信、及び
電気制御
のうちの一つである、実施形態12に記載の胴体構造。
【0050】
16.各フレーム部材がストラクチュラルフォームで充填されており、且つ
ダクトがストラクチュラルフォームを通って延びている、
実施形態12に記載の胴体構造。
【0051】
17.頂部を有する本体と、
本体を縦方向に延びて頂部の領域において本体を補強するフレームであって、ユーティリティを本体に導く少なくとも一つのダクトを内蔵するフレームと
を備える胴体構造。
【0052】
18.縦方向に間隔を空けて配置された複数のアーチ形フレーム部材であって、本体を補強するために本体に取り付けられており、それらの少なくとも一部が、縦方向に延びるフレーム内のダクトと連結するダクトを内蔵している複数のアーチ形フレーム部材
を更に備える、実施形態17に記載の胴体構造。
【0053】
19.アーチ形フレーム部材の各々と、縦方向に延びるフレーム部材とが、複合材料から形成されており、且つ
アーチ形フレーム部材と、縦方向に延びるフレーム部材とが、互いに一体形成されている、
実施形態17に記載の胴体構造。
【0054】
20.ユーティリティが、
環境制御システム、
電気配線、
無線通信システム、
無線配電システム、及び
水分モニタリングシステム
のうちの少なくとも一つを含む、実施形態17に記載の胴体構造。
【0055】
21.本体及び縦方向に延びるフレームが、それぞれポリマーベースの複合材料から形成されている、実施形態17に記載の胴体構造。
【0056】
22.航空機の胴体の製造方法であって、
工具の上に複合材料をレイアップすること、
第1の外側胴体外板と第2の外側胴体外板とに複合構造を分割すること、及び
それぞれ第1の外側外板と第2の外側外板とを用いて二つの胴体部分を形成すること
を含む方法。
【0057】
23.それぞれ第1の外側外板と第2の外側外板とを用いて二つの胴体部分を形成することが、
第1の外側外板及び第2の外側外板を、それぞれ第1のモールド線工具及び第2のモールド線工具内に配置すること、
第1の外側外板及び第2の外側外板の各々の上にコアを配置すること、並びに
各モールドの上に複合材料からなる内側外板をレイアップすること
を含む、実施形態22に記載の方法。
【0058】
24.それぞれ第1の外側外板と第2の外側外板を用いて二つの胴体部分を軽視することが、
各内側外板の上にアーチ形複合フレーム部材をレイアップすること、
アーチ形フレーム部材と一体化した各内側外板の上に縦方向に延びるフレームをレイアップすること、並びに
各胴体部分を硬化させること
を含む、実施形態23に記載の方法。
【0059】
25.内側外板と外側外板との間にコアを含む複合サンドイッチパネルから形成された外側本体であって、頂部を有する上部と、縦方向に延びる継手に沿って上部に接合された下部とを含み、コアが頂部の領域内に強度の大きいセクションを有している、外側本体と、
縦方向に間隔を空けて配置された複合材料からなる複数のアーチ形フレーム部材であって、本体上部のパネルの内側外板に接合されて頂部の領域内の本体を補強しており、少なくとも一部が頂部の領域から下方に向って給気するためのダクトを内蔵している複数のアーチ形フレーム部材と、
アーチ形フレーム部材と一体に形成されて、頂部の領域内の内側外板に取り付けられている縦方向に延びる複合バックボーンフレームであって、アーチ形フレーム部材内部のダクトに連結された内側ダクトを含んでいるバックボーンフレームと
を備える航空機胴体。
【0060】
26.航空機の胴体の製造方法であって、
二重マンドレルの上に複合構造をレイアップすること、
複合構造を第1の外側胴体外板と第2の外側胴体外板とに切開すること、
第1の外側外板及び第2の外側外板をそれぞれ第1の外側モールド線工具及び第2の外側モールド線工具内に配置すること、
第1の外側外板及び第2の外側外板の各々の上にコアを配置すること、
各コアの上に複合内側外板をレイアップすること、
各内側外板の上にアーチ形複合フレーム部材をレイアップすること、
アーチ形フレーム部材と一体化された各内側外板の上に、縦方向に延びる複合フレームをレイアップすることにより、二つの上部胴体部分を形成すること、
上部胴体部分の各々を硬化させること、並びに
二つの下部胴体部分をそれぞれ上部胴体部分と接合することにより、二つの胴体セクションを形成すること
を含む方法。