(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記制御手段は、1つの分割領域内に表示する複数の画像の組み合わせが、該分割領域に対応する画像処理部の並列に画質調整処理を実行可能な種類の組み合わせ以外である場合に、各分割領域内に表示する画像の組み合わせが、その分割領域に対応する画像処理部の並列に画質調整処理を実行可能な種類の組み合わせとなるように、前記表示装置に出力する画像の表示サイズ、表示位置、または、その両方を変更する
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の画像出力装置。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本実施形態に係る画像出力装置、画像出力装置の制御方法、及び、プログラムについて説明する。本実施形態に係る画像出力装置は、表示装置に画像を出力する。
【0017】
<実施例1>
図1は、本発明の実施例1に係る画像出力装置および表示装置の概略構成を示すブロック図である。
図1に示すように、画像出力装置101は、画像表示制御部102、表示位置制御部103、接続モニタ情報管理部104、接続モニタ制御部105などを備える。画像出力装置101は、パーソナルコンピュータなどである。上述した各機能部は、例えば、本実施例に係る画像出力装置のCPUがメモリに記録されたプログラムを実行することにより実現される。
表示装置106は、画像分割処理部107、画像処理部108、画像処理部109、画像処理部110、画像処理部111、画像結合処理部112、表示部113、モニタ制御部114、モニタ情報管理部115などを備える。表示装置106は、液晶パネル、プラズマパネル、有機ELパネルなどを有する表示装置(モニタ)である。
【0018】
まず、画像出力装置101の構成について説明する。
画像表示制御部102には、ユーザ操作を表す信号が入力される。具体的には、ユーザが画像出力装置101のマウスやキーボードなどを用いて画像出力装置101を操作すると、該操作に応じた信号が画像表示制御部102へ入力される。
また、画像表示制御部102には、表示対象の画像(画像データ)が入力される。具体的には、画像表示制御部102は、ユーザ操作に応じて表示装置106に出力する画像(表示対象の画像)を選択し、選択した画像をハードディスクやメモリカードなどの記録媒体から読み出す。
【0019】
画像表示制御部102は、ユーザ操作に応じて、表示対象の画像の表示サイズ及び表示位置を設定し、該表示サイズ及び表示位置を表す表示位置情報を生成する。例えば、ユー
ザ操作に応じて、表示対象の画像に対して「画面の左半分に表示する」などの表示位置情報を生成する。
そして、画像表示制御部102は、表示対象の画像をデコードし、デコードされた画像と、その表示位置情報を、表示位置制御部103へ出力する。
【0020】
また、画像表示制御部102は、表示対象の画像の種類を、画像データのデータ拡張子や、画像データ内のヘッダ情報を元に判別し、該画像の種類を示す画像種別情報を生成する。画像の種類は、例えば、医療画像、写真画像、テキストなどである。医療画像(モノクロ画像)の種類例としては、X線画像、CT画像などが挙げられる。写真画像(カラー画像)の種類例としては、内視鏡画像、眼底画像などが挙げられる。テキストの種類例としては、カルテ、Wordテキストなどが挙げられる。
そして、画像表示制御部102は、表示対象の画像の画像種別情報と表示位置情報を、接続モニタ制御部105へ送信する。
【0021】
また、画像表示制御部102は、接続モニタ情報管理部104から、接続されている表示装置の画質調整能力を表す画質調整能力情報を取得する。画質調整能力情報は、例えば、どのような画質調整処理が実行可能かを表す情報である。
【0022】
表示位置制御部103は、DVI(Digital Visual Interface)などの画像信号線を用いて表示装置(画像分割処理部107)に接続される。そして、表示位置制御部103は、画像表示制御部102から入力された画像が、その表示位置情報に応じた領域に配置された画像(以下、出力画像と記載する)を生成して、表示装置へ出力する。
接続モニタ情報管理部104は、接続されている表示装置の解像度情報や画質調整能力情報などのモニタ情報を管理する。接続モニタ情報管理部104は、接続モニタ制御部105からモニタ情報を取得する。
【0023】
接続モニタ制御部105は、USB(Universal Serial Bus)や、DVIのDDC(Display Data Channel)などのデータ信号線を用いて表示装置(モニタ制御部114)に接続される。そして、接続モニタ制御部105は、表示装置とデータ通信処理を行う。
具体的には、接続モニタ制御部105は、画像表示制御部102から入力(指示)された画像種別情報および表示位置情報を表示装置へ送信する。また、接続モニタ制御部105は、接続モニタ情報管理部104からのモニタ情報取得要求を表示装置へ送信し、表示装置からモニタ情報を取得する。そして、接続モニタ制御部105は、取得したモニタ情報を接続モニタ情報管理部104へ送信する。モニタ情報取得要求は、接続モニタ情報管理部104がモニタ情報を取得するために出力する要求(信号)である。
【0024】
次に、表示装置106の構成について説明する。本実施例に係る表示装置は、画像の種類に応じて異なる画質調整処理を実行可能な画像処理部(画像処理エンジン;調整回路)を有する。具体的には、表示装置106は、画面の領域を分割することにより得られる分割領域毎に、その分割領域内の画像に画質調整処理を適用する複数の画像処理部を有する。各画像処理部は、例えばLSI(Large Scale Integration)等のプロセッサで構成さ
れる。
【0025】
画像分割処理部107は、画像出力装置101から入力された出力画像を分割領域毎に分割し、分割された各分割領域の画像(分割画像)を対応する画像処理部へ出力する。
【0026】
画像処理部108〜111は、分割領域毎に対応付けられた画像処理エンジンである。画像処理部108〜111は、画像分割処理部107から入力された分割画像(対応する
分割領域の画像)に、モニタ制御部114からの指示(画質調整処理情報)に応じた画質調整処理を適用する。例えば、分割画像に対して、画質を医療画像用の画質にする画質調整処理が適用される。具体的には、画質調整処理情報としてγ値が入力され、入力されたγ値を用いて分割画像の階調特性が変換される。例えば、モノクロ医療画像にはDICOM(Digital Imaging and Communication in Medicine)−ガンマが適用され、カラー写
真画像にはガンマ2.2(γ値=2.2)が適用され、テキストにはガンマ2.6(γ値=2.6)が適用される。そして、画像処理部108〜111は、画質調整処理が適用された分割画像を画像結合処理部112へ出力する。本実施例では、1つの画像処理部は、1回に1種類の画像に対する画質調整処理を実行するものとする。即ち、本実施例では、1つの画像処理部の、並列に画質調整処理を実行可能な画像の種類数である最大調整数が1であるものとする。画像処理部は、画像の種類が同じであれば、画像の枚数によらず、全ての画像に対する画質調整処理を並列に実行することができる。なお、画質調整処理情報はγ値に限らない。画質調整処理情報は、どのような画質調整処理を行うかを表す情報であればよい。例えば、色補正用の補正係数などを含んでいてもよい。具体的には、色温度変換パラメータが挙げられる。例えば、X線画像とCT画像は、ともにモノクロ医療画像であるが、異なる色温度変換パラメータが適用される(異なる画質調整処理が施される)。また、内視鏡画像と眼底画像は、ともにカラー写真画像であるが、異なる色温度変換パラメータが適用される(異なる画質調整処理が施される)。ただし、画像処理部108〜111が色温度変換処理を行わない場合は、X線画像とCT画像は、同じ画質調整処理が施されるので、同じ画像の種類を有するものとして扱ってもよい。また、画像処理部108〜111が色温度変換処理を行わない場合は、内視鏡画像と眼底画像は、同じ画質調整処理が施されるので、同じ画像の種類を有するものとして扱ってもよい。
【0027】
画像結合処理部112は、画像処理部108〜111から入力された分割画像を結合して表示画像を生成し、表示部113へ出力する。
表示部113は、液晶パネルなどの表示部であり、画像結合処理部112から入力された表示画像を表示する。
【0028】
モニタ制御部114は、画像出力装置101から入力された画像種別情報および画像位置情報に応じて、画像出力装置101から入力された出力画像のどの部分をどの画質で表示するかを判断する。換言すれば、モニタ制御部114は、どの分割画像にどのような画質調整処理を適用するかを判断する。そして、モニタ制御部114は、画像処理部108〜111へそれぞれ画質調整処理の実行を指示する。
例えば、画像種別情報「モノクロ医療画像」、表示位置情報「左半分に表示」が入力された場合には、モニタ制御部114は、画像出力装置101から入力された出力画像の左半分にモノクロ医療画像用の画質調整処理を適用する、と判断する。そして、モニタ制御部114は、画像処理部108〜111の内、画像出力装置101から入力された出力画像の左半分に対応する画像処理部に対して、モノクロ医療画像の階調特性に適した階調特性のγ値(DICOM−ガンマ)を出力する。また、画像種別情報「カラー画像」、表示位置情報「右半分に表示」が入力された場合には、モニタ制御部114は、画像出力装置101から入力された出力画像の右半分にカラー写真画像用の画質調整処理を適用する、と判断する。そして、モニタ制御部114は、画像処理部108〜111の内、画像出力装置101から入力された出力画像の右半分に対応する画像処理部に対して、カラー写真画像の階調特性に適した階調特性のγ値(ガンマ2.2)を出力する。
また、モニタ制御部114は、画像出力装置101からのモニタ情報取得要求に応じて、モニタ情報管理部115からモニタ情報を取得し、モニタ情報を画像出力装置101へ出力する。
【0029】
モニタ情報管理部115は、モニタ情報を保持しており、モニタ制御部114からの要求に応じて、モニタ情報をモニタ制御部114へ送信する。
【0030】
図2は、画像分割制御(画像分割処理部107と画像処理部108〜111の処理)の一例を示す図である。
図2の例では、画面全体が3940×2160ピクセルの解像度であり、画面が1920×1080ピクセルの4つの分割領域201〜204に分割されている。
画像処理部108は、分割領域201内の画像(分割画像1)に対して画質調整処理を適用する。画像処理部109は、分割領域202内の画像(分割画像2)に対して画質調整処理を適用する。画像処理部110は、分割領域203内の画像(分割画像3)に対して画質調整処理を適用する。画像処理部111は、分割領域204内の画像(分割画像4)に対して画質調整処理を適用する。
そのため、
図2の例では、表示装置の最大調整数は、複数の画像処理部(画像処理部108〜111)の最大調整数の総和である4となる。換言すれば、
図2の例では、表示装置106は、最大で4種類(パターン)の画像に対する画質調整処理を並列に実行することのできる能力(画質調整能力)を有する。
【0031】
図3(A),(B)は、表示装置106に入力される出力画像(画像出力装置101が出力する出力画像)の一例を示す図である。
図3(A)の例では、モノクロ医療画像301、カラー写真画像302、テキストエディタ画像303の3つ(3種類)の画像を含む出力画像が表示装置106に入力される場合の例である。
図3(A)の出力画像は、
図2に示す分割領域毎に分割される。モノクロ医療画像301は、分割領域201と分割領域203を跨いでおり、カラー写真画像302は、分割領域201と分割領域202を跨いでいる。
本実施例では、1つの分割領域内の複数の画像のそれぞれに対する画質調整処理を並列に実行することができない。そのため、
図3(A)の例では、分割領域201内のモノクロ医療画像301とカラー写真画像302のいずれか一方にしか適切な画質調整処理を適用することができない(即ち、一方の画質しか調整できない)。例えば、分割領域201内の画像にモノクロ医療画像用の画質調整処理を適用すると、分割領域201内のカラー写真画像302に対してもモノクロ医療画像用の画質調整処理が適用されるため、該カラー写真画像302の画質は調整されない。更に、分割領域202内の画像にカラー写真用の画質調整処理を適用すると、カラー写真画像302は、分割領域201に属す部分と、分割領域202に属す部分とで異なる画質で表示されてしまう。
また、
図2の例では、表示装置の最大調整数は4であるため、5種類以上の画像を含む出力画像が入力されると、各画像の配置によらず、画質が調整されていない画像が、1種類以上表示されてしまう。
【0032】
一方、
図3(B)に示すように、複数種類の画像が1つの分割領域に属さないように各画像の種類数および配置位置を決定することにより、3つの画像全てに対して適切な画質調整処理を実行することが可能となる。
【0033】
図4(A),(B)は、画像分割制御の他の例を示す。
図4(A)は、画面を2つの分割領域に分割して、分割領域毎に画質調整処理を行う場合(即ち、2つの分割領域に対応する2つの画像処理部を有する場合)の例である。この場合、表示装置の最大調整数は2となる。
図4(B)は、画面を分割せず、画面全体に対して画質調整処理を行う場合(即ち、画面全体に対応する1つの画像処理部を有する場合)の例である。この場合、表示装置の最大調整数は1となる。
【0034】
このように、画質の調整方法(例えば、画面の分割方法)は表示装置毎に異なり、画質調整能力(並列に画質調整処理を実行可能な画像の種類数、並列に画質調整処理を実行可
能な画像の配置)は表示装置毎に異なる。そのため、表示する全ての画像に対して適切な画質調整処理を並列に実行するためには、従来は、ユーザが、使用する表示装置の画質調整能力を考慮して、表示する画像の種類数や配置を決定しなければならなかった。本実施例では、ユーザがこのような面倒な操作をすることなく、表示装置の画質調整能力を最大限に利用して、表示する全ての画像に対する画質調整処理を並列に実行することができるように、表示する画像の種類数および配置を制御する。
【0035】
図5は、画像表示開始時の画像出力装置の処理フローを示す。
本フローは、画像出力装置101へユーザが画像の表示開始(出力開始)を指示した際に開始される。
以下、サイズが1920×2160ピクセルのモノクロ医療画像を、画像の開始点(画像の左上の座標)が画面の最も左上の座標(0,0)となるように配置する場合の例について説明する。
【0036】
まず、ステップS601において、画像表示制御部102は、画像出力装置101に接続されている表示装置(接続モニタ)の画質調整能力情報を、接続モニタ情報管理部104から取得する。
図6に接続モニタの画質調整能力情報の例を示す。
図6は、
図2のように、3840×2160ピクセルの画面が1920×1080ピクセルの4つの分割領域に分割される場合の画質調整能力情報の例である。
画質調整能力情報は、各分割領域を表す情報と、各画像処理部(各分割領域)の最大調整数とを含む。
図6の画質調整能力情報では、分割領域201が開始点(0,0)から終了点(1920,1080)の領域、分割領域202が開始点(1920,0)から終了
点(3840,1080)の領域であることが示されている。開始点は領域の左上の座標
、終了点は領域の右下の座標である。また、
図6の画質調整能力情報では、分割領域203が開始点(0,1080)から終了点(1920,2160)の領域、分割領域204
が開始点(1920,1080)から終了点(3840,2160)の領域であることが
示されている。
図6の画質調整能力情報において、各画像処理部の最大調整数が明示されていないことは、各画像処理部では複数種類の画像に対する複数の画質調整処理を並列に実行することができないこと(各画像処理部の最大調整数が1であること)を意味する。
【0037】
次に、ステップS602において、画像表示制御部102は、ステップS601で取得した画質調整能力情報を元に、どの分割領域の画像(分割画像)に対してどのような画質調整処理を適用するかを表す画質調整状況管理テーブルを作成する。
図7に、画質調整状況管理テーブルの例を示す。
図7は、
図6の画質調整能力情報が取得された場合の画質調整状況管理テーブルの例である。
ステップS601で取得した画質調整能力情報から、4つの分割領域201〜204が判断される。そして、各分割領域に表示する画像の種類を表すテーブルを画質調整状況管理テーブルとして作成する。
具体的には、本フローでは開始点(0,0)から終了点(1920,2160)の領域にモノクロ医療画像を表示するため、画像表示制御部102は、
図6で示した画質調整能力情報から、分割領域201,203へモノクロ医療画像が表示されると判断する。そして、画像表示制御部102は、分割領域201,203にモノクロ医療画像が割り当てられたテーブルを画質調整状況管理テーブルとして作成する。
このとき、分割領域202,204へ表示される画像はまだないため、分割領域202,204の分割画像に対して画質調整処理は適用しない。そのため、画質調整状況管理テーブルの分割領域202,204に対しては画像の種類は割り当てられない。
【0038】
そして、ステップS603において、画像表示制御部102は、画像の配置(表示サイズ及び表示位置)を表す表示位置情報と画像種別情報とを含むテーブル(画像配置情報管
理テーブル)を作成する。
図8に画像配置情報管理テーブルの例を示す。
図8の例では、画像配置情報管理テーブルは、表示する画像の種類と、その開始点と終了点の情報を含んでいる。具体的には、
図8の画像配置情報管理テーブルは、モノクロ医療画像を(0,0)から(1920,2160)の領域に表示することを示している。
【0039】
次に、ステップS604において、画像表示制御部102は、表示するモノクロ医療画像をデコードする。そして、画像表示制御部102は、デコードされたモノクロ医療画像と表示位置情報を表示位置制御部103へ出力し、画像種別情報と表示位置情報を接続モニタ制御部105へ出力する。表示位置制御部103は、入力されたモノクロ医療画像が表示位置情報で表される位置に配置された出力画像を生成して表示装置に出力する。接続モニタ制御部105は、画像種別情報と表示位置情報をモニタ制御部114に出力する。
【0040】
そして、モニタ制御部114が、画像種別情報と配置位置情報に基づいて、画像処理部に画質調整処理の実行を指示する。それにより、モノクロ医療画像は、画像処理部で画質が調整され、表示部113に表示される。具体的には、接続モニタの画質調整能力情報が
図6の情報であった場合、モニタ制御部114は、画像処理部108,110へモノクロ医療画像用の画質調整処理を行うよう、指示する。それにより、モノクロ医療画像は、画像処理部108,110で画質が調整され、表示部113に表示される。
【0041】
図9(A)に、ユーザ操作が行われた際の画像出力装置101の処理フローを示す。
本フローは、
図5に示したフローにより画像表示が開始された後に、ユーザが、画像出力装置101を操作して、表示装置に出力する画像の追加や変更、画像の表示サイズや表示位置の変更などをすることにより開始される。
【0042】
まず、ステップS1001において、画像表示制御部102は、選択された画像(表示対象の画像)の種類数が、接続モニタの最大調整数以下(接続モニタが有する画像処理部の最大調整数の総和以下)か否かを判定する。表示対象の画像の種類数が接続モニタの最大調整数以下の場合には(ステップS1001:Yes)、ステップS1002へ進む。表示対象の画像の種類数が接続モニタの最大調整数より多い場合には(ステップS1001:No)、ステップS1006へ進む。具体的には、表示対象の画像の追加や表示対象の画像の変更などのユーザ操作により、表示対象の画像の種類数が接続モニタの最大調整数より多くなった場合には、ステップS1006へ進む。
接続モニタの画質調整能力情報が
図6の情報であった場合、接続モニタの最大調整数は4である。そのため、画像表示制御部102は、表示対象の画像の種類数が4より多いか否かを判定する。
【0043】
ステップS1006では、画像表示制御部102が、所定の通知を行う。例えば、画像表示制御部102は、画像の種類数が接続モニタの最大調整数を超えている旨をユーザに警告する。そして、本フローは終了される。具体的には、画像表示制御部102は、ユーザ操作(ステップS1001のNo判定をもたらしたユーザ操作)をエラーとして扱い、該ユーザ操作に応じた画像の選択処理を取り消す。そして、画像表示制御部102は、表示対象の画像の種類数が接続モニタの画質調整能力を超えてしまう旨のメッセージ画像を作成し、表示位置制御部103を介して表示装置106へ出力する。それにより、表示装置106に上記メッセージ画像が表示され、表示対象の画像の種類数が接続モニタの画質調整能力を超えてしまうことがユーザに通知される。なお、表示対象の画像の種類数が接続モニタの画質調整能力を超えてしまうことをユーザが許容する場合は、画像の種類数に応じた画質調整を行わないことにより、ユーザに選択された画像を表示するようにしてもよい。つまり、複数種類の画像に同一の画質調整を行ってもよい。
【0044】
ステップS1002では、画像表示制御部102は、1つの分割領域内に表示する画像の種類数が、該分割領域に対応する画像処理部の最大調整数(本実施例では1)以下となるように、画像の配置(表示サイズ及び表示位置)が設定されているか否かを判定する。1つの分割領域内に表示する画像の種類数が、該分割領域に対応する画像処理部の最大調整数以下の場合には(ステップS1002:Yes)、ステップS1004へ進む。1つの分割領域内に表示する画像の種類数が、該分割領域に対応する画像処理部の最大調整数より多い場合には(ステップS1002:No)、ステップS1003へ進む。具体的には、追加した表示対象の画像の配置の決定、表示対象の画像の配置の変更などのユーザ操作により、1つの分割領域内に表示する画像の種類数が、該分割領域に対応する画像処理部の最大調整数より多くなった場合には、ステップS1003へ進む。
【0045】
ステップS1003では、画像表示制御部102は、各分割領域内に表示する画像の種類数が、その分割領域に対応する画像処理部の最大調整数以下となるように、設定された画像の表示サイズ、表示位置、または、その両方を変更する。その後ステップS1004へ進む。
【0046】
図10(A),(B)を用いて、ステップS1003の処理の一例を説明する。
図10(A)は、
図3(B)の状態から、モノクロ医療画像の幅(モノクロ医療画像の表示領域の幅)を右(分割領域202側)へ引き延ばすユーザ操作があった場合の例である。
この場合、ステップS1002において、画像表示制御部102は、ユーザ操作に応じた処理を実行すると、分割領域202,204内にそれぞれ2つの画像が含まれるため、画像の配置が接続モニタの画質調整能力を超えてしまうと判断する。
そして、ステップS1003において、画像表示制御部102は、接続モニタの画質調整能力情報を用いて、上記ユーザ操作(画像の引き延ばし操作)を、画像の配置が画質調整能力を超えない位置までの引き延ばし操作に変更する。
図10(A)の例では、分割領域202,204内までの引き延ばし操作が、分割領域201,203と分割領域202,204との境界までの引き延ばし操作に変更される。
【0047】
図10(B)は、
図3(B)の状態から、カラー写真画像302の表示位置を分割領域202内から分割領域204内に移動するユーザ操作があった場合の例である。
この場合、ステップS1002において、画像表示制御部102は、ユーザ操作に応じた処理を実行すると、分割領域204内に2つの画像が含まれるため、画像の配置が接続モニタの画質調整能力情報を超えてしまうと判断する。
そして、ステップS1003において、画像表示制御部102は、ユーザ操作(画像の表示位置の移動)によって画像を含まなくなる分割領域内に、ユーザ操作に応じた画像の表示位置の移動先に既に表示されている画像を移動させる。
図10(B)の例では、分割領域204内に表示されていたテキストエディタ画像の表示位置が、分割領域202内に移動される。
なお、
図10(A),(B)は一例であり、各分割領域内に表示する画像の種類数が、その分割領域に対応する画像処理部の最大調整数以下となれば、画像の表示サイズ、表示位置、または、その両方をどのように変更してもよい。
【0048】
ステップS1004では、画像表示制御部102は、ユーザ操作、または、ステップS1003での変更結果を元に、画質調整状況管理テーブル、画像配置情報管理テーブルを更新する。
そして、ステップS1005において、画像表示制御部102は、表示する画像をデコードし、デコードされた画像と表示位置情報を表示位置制御部103へ出力する。また、画像表示制御部102は、画像種別情報と表示位置情報を接続モニタ制御部105へ出力する。表示位置制御部103は、入力された画像が表示位置情報で表される位置に配置さ
れた出力画像を生成して表示装置に出力する。接続モニタ制御部105は、画像種別情報と表示位置情報をモニタ制御部114に出力する。その結果、表示される画像の数や配置が更新される(表示変更)。また、全ての表示対象の画像は、接続モニタで適切な画質調整処理が適用されて、表示される。
【0049】
なお、
図9(A)の変更例として、
図9(B)に示す処理フローを採用してもよい。
図9(B)のステップS2001,S2002は、
図9(A)のステップS1001,S1002と同様である。
図9(B)のステップS2005〜S2008は、
図9(A)のステップS1003〜S1006と同様である。
【0050】
ステップS2002で、1つの分割領域内に表示する画像の種類数が、該分割領域に対応する画像処理部の最大調整数より多い場合には(ステップS2002:No)、ステップS2003へ進む。具体的には、追加した表示対象の画像の配置の決定、表示対象の画像の配置の変更などのユーザ操作により、1つの分割領域内に表示する画像の種類数が、該分割領域に対応する画像処理部の最大調整数より多くなった場合には、ステップS2003へ進む。
【0051】
ステップS2003で、画像表示制御部102は、1つの分割領域内に表示する画像の種類数が、該分割領域に対応する画像処理部の最大調整数より多いため、ユーザに警告する。具体的には、画像表示制御部102は、ユーザ操作をエラーとして扱い、画像の配置が接続モニタの画質調整能力を超えてしまう旨のメッセージ画像を作成し、表示位置制御部103を介して表示装置106へ出力する。それにより、表示装置106に上記メッセージ画像が表示され、画像の配置が接続モニタの画質調整能力を超えてしまうことがユーザに通知される。
【0052】
そして、ステップS2004に進み、画像の配置が接続モニタの画質調整能力を超えてしまうことをユーザが許容しない場合は(ステップS2004:No)、ステップS2005に進む。
一方、画像の配置が接続モニタの画質調整能力を超えてしまうことをユーザが許容する場合は(ステップS2004:Yes)、ステップS2006に進む。この場合は、例えば、1つの分割領域内に複数種類の画像が混在している場合に、複数種類の画像のうち最も面積が大きい画像に対応したγ値が選択される。
図10(A)に示した例では、分割領域202内においてモノクロ医療画像がカラー写真画像よりも大きい場合に、分割領域202内のモノクロ医療画像とカラー写真画像に、モノクロ医療画像に対応したDICOM−ガンマが適用されることになる。分割領域202内においてモノクロ医療画像のほうがカラー写真画像よりも小さい場合に、分割領域202内のモノクロ医療画像とカラー写真画像に、カラー写真画像に対応したガンマ2.2が適用されることになる。また、分割領域204内においてモノクロ医療画像がテキストエディタ画像よりも大きい場合に、分割領域204内のモノクロ医療画像とテキストエディタ画像に、モノクロ医療画像に対応したDICOM−ガンマが適用されることになる。分割領域204内においてモノクロ医療画像のほうがテキストエディタ画像よりも小さい場合に、分割領域204内のモノクロ医療画像とテキストエディタ画像に、テキストエディタ画像に対応したガンマ2.6が適用されることになる。なお、1種類の画像が複数の分割領域を跨ぐ場合に、その画像全体に該画像に対応したガンマ処理が適用されてもよい。具体的には、モノクロ医療画像が表示される分割領域201〜204の全てにDICOM−ガンマを適用するようにしてもよい。
【0053】
以上述べたように、本実施例によれば、表示装置の画質調整能力を最大限に利用して、表示する全ての画像に対する画質調整処理を並列に実行することができるように、表示する画像の種類数および配置が制御される。それにより、ユーザの負担を招くことなく、表
示装置の能力を最大限に利用して、表示する全ての画像に対する画質調整処理を並列に実行することができる。具体的には、使用する表示装置の画質調整能力を考慮して、表示する画像の種類数や配置を決定するといったユーザの手間が不要となる。それにより、利便性が向上される。
【0054】
なお、本実施例では、画像出力装置が表示装置からモニタ能力情報を取得する構成としたが、この構成に限らない。モニタ能力情報はあらかじめ画像出力装置内に記憶されていてもよいし、接続モニタ以外から取得されてもよい。例えば、モニタ能力情報は、インターネット(メーカーのサイトなど)から取得されてもよい。また、画像出力装置と表示装置とが一体となった構成(表示装置106の全ての機能ブロックを画像出力装置が内蔵する構成)であってもよい。また、表示装置106の表示部113以外の機能ブロックを画像出力装置が内蔵し、画像出力装置が表示部113に接続される構成であってもよい。
なお、本実施例では、表示対象の画像の種類数を用いて種々の判定(例えば、ステップS1001,1002の判定)を行う構成としたが、それらの判定は表示対象の画像の枚数を用いて行われてもよい。例えば、ステップS1001では、選択された画像の枚数が接続モニタの最大調整数以下か否かが判定されてもよい。即ち、選択された画像の枚数が接続モニタの最大調整数より多い場合に、選択された画像の種類数が接続モニタの最大調整数より多いと判断されてもよい。また、ステップS1002では、1つの分割領域内に表示する画像の枚数が、該分割領域に対応する画像処理部の最大調整数以下となるように、画像の配置が設定されているか否かが判定されてもよい。それにより、それらの判定処理を簡易なものにすることができ、処理負荷を軽減できる。
なお、本実施例では、表示する画像の種類数と配置を制御するものとしたが、いずれか一方のみを制御してもよい。そのような構成であっても、上記効果に順じた効果を得ることができる。また、表示する画像の種類数のみを制御する場合には、画質調整能力情報は表示装置の最大調整数のみを含む情報であってもよい。
【0055】
<実施例2>
実施例2では、各画像処理部の最大調整数が2以上である場合の例について説明する。即ち、本実施例では、1つの画像処理部が、複数種類の画像に対する画質調整処理を並列に実行することができる。
なお、実施例2に係る画像出力装置と表示装置の構成は、実施例1(
図1)の構成と同様であるため、説明は省略する。
【0056】
画像表示開始時の画像出力装置の処理フローについて
図5を用いて説明する。
まず、ステップS601において、画像表示制御部102は、画像出力装置101に接続されている表示装置(接続モニタ)の画質調整能力情報を、接続モニタ情報管理部104から取得する。
図11に、本実施例に係る画質調整能力情報の一例を示す。
図11は、
図2のように、3840×2160ピクセルの画面が1920×1080の4つの分割領域に分割される場合の画質調整能力情報の例である。また、
図11は、各画像処理部(各分割領域)の最大調整数が2である場合の画質調整能力情報の例である。
図11の画質調整能力情報では、分割領域201が開始点(0,0)から終了点(1920,1080)の領域、分割領域202が開始点(1920,0)から終了点(384
0,1080)の領域であることが示されている。また、
図11の画質調整能力情報では
、分割領域203が開始点(0,1080)から終了点(1920,2160)の領域、分割領域204が開始点(1920,1080)から終了点(3840,2160)の領
域であることが示されている。また、
図11の画質調整能力情報では、各分割領域の最大調整数が2であることが示されている。
【0057】
次に、ステップS602において、画像表示制御部102は、ステップS601で取得
した画質調整能力情報を元に、画質調整状況管理テーブルを作成する。
図12に、画質調整状況管理テーブルの例を示す。
図12は、
図11の画質調整能力情報が取得された場合の画質調整状況管理テーブルの例である。
ステップS601で取得した画質調整能力情報から、4つの分割領域201〜204が判断される。また、各分割領域の最大調整数が2であることが判断される。そして、各分割領域に表示する画像の種類を表すテーブルを画質調整状況管理テーブルとして作成する。
具体的には、分割領域201に画像A,Bが割り当てられ、分割領域202に画像C,Bが割り当てられ、分割領域203に画像D,Eが割り当てられ、分割領域204に画像F,Gが割り当てられたテーブルを画質調整状況管理テーブルとして作成する。なお、画像A〜Gは、それぞれ種類の異なる画像である。
ステップS603以降の処理については、実施例1と同様のため、説明を省略する。
【0058】
画像表示操作時の処理フローについて
図9(A)を用いて説明する。
まず、ステップS1001において、画像表示制御部102は、選択された画像(表示対象の画像)の種類数が、接続モニタの最大調整数以下か否かを判定する。表示対象の画像の種類数が接続モニタの最大調整数以下の場合には(ステップS1001:Yes)、ステップS1002へ進む。表示対象の画像の種類数が接続モニタの最大調整数より多い場合には(S1001:No)、ステップS1006へ進む。
接続モニタの画質調整能力情報が
図11の情報であった場合、接続モニタの最大調整数は、接続モニタが有する4つの画像処理部の最大調整数2の総和である8となる。そのため、画像表示制御部102は、表示対象の画像の種類数が8より多いか否かを判定する。
【0059】
ステップS1006では、画像表示制御部102が、ユーザ操作をエラーとして扱い、該ユーザ操作に応じた画像の選択処理を取り消す。そして、画像表示制御部102は、表示対象の画像の種類数が接続モニタの画質調整能力を超えてしまう旨のメッセージ画像を作成し、表示位置制御部103を介して表示装置106へ出力する。それにより、表示装置106に上記メッセージ画像が表示され、表示対象の画像の種類数が接続モニタの画質調整能力を超えてしまうことがユーザに通知される。
【0060】
ステップS1002では、画像表示制御部102は、1つの分割領域内に表示する画像の種類数が、該分割領域に対応する画像処理部の最大調整数2以下となるように、画像の配置が設定されているか否かを判定する。1つの分割領域に表示する画像の種類数が2以下の場合には(ステップS1002:Yes)、ステップS1004へ進む。1つの分割領域に表示する画像の種類数が2より多い場合には(ステップS1002:No)、ステップS1003へ進む。
【0061】
ステップS1003では、画像表示制御部102は、各分割領域内に表示する画像の種類数が2以下となるように、設定された画像の表示サイズ、表示位置、または、その両方を変更する。その後ステップS1004へ進む。
【0062】
図13(A),(B)を用いて、ステップS1003の処理の一例を説明する。
図13(A)は、画像A,B,C,D,E,F,Gの7つ(7種類)の画像が表示されており、画像Bが分割領域201と分割領域202を跨いで表示されている表示例を示す。
図13(A)の例では、各分割領域に表示される画像の種類数は2であるため、全ての画像に対する画質調整処理を並列に実行することができる。即ち、全ての画像を、適切な画質調整処理を適用して表示することができる。
【0063】
図13(B)は、
図13(A)の状態から、少なくとも画像B,Cと種類の異なる画像Hを分割領域202内に更に表示するユーザ操作があった場合の表示例を示す。
この場合、ステップS1002において、画像表示制御部102は、ユーザ操作に応じた処理を実行すると、分割領域202内に3種類の画像が含まれるため、画像の配置が接続モニタの画質調整能力を超えてしまうと判断する。
そして、ステップS1003において、画像表示制御部102は、画像Bが分割領域201内にのみ表示されるように、画像Bの表示位置及び表示サイズを変更する。それにより、各分割領域に表示される画像の種類数は2となり、全ての画像に対する画質調整処理を並列に実行することが可能となる。
【0064】
ステップS1004では、画像表示制御部102は、ユーザ操作、または、ステップS1003での変更結果を元に、画質調整状況管理テーブル、画像配置情報管理テーブルを更新する。
そして、ステップS1005において、画像表示制御部102は、表示する画像をデコードし、デコードされた画像と表示位置情報を表示位置制御部103へ出力する。また、画像表示制御部102は、画像種別情報と表示位置情報を接続モニタ制御部105へ出力する。表示位置制御部103は、入力された画像が表示位置情報で表される位置に配置された出力画像を生成して表示装置に出力する。接続モニタ制御部105は、画像種別情報と表示位置情報をモニタ制御部114に出力する。その結果、全ての表示対象の画像が、接続モニタで適切な画質調整処理が適用されて、表示される。
【0065】
以上述べたように、本実施例では、実施例1と同様に、ユーザの負担を招くことなく、表示装置の能力を最大限に利用して、表示する全ての画像に対する画質調整処理を並列に実行することが可能となる。
【0066】
<実施例3>
実施例2では、1つの画像処理部で並列に実行可能な画質調整処理について特に制限は設けていなかった。換言すれば、1つの分割領域内に表示する画像の組み合わせがどのような種類の組み合わせであっても、該分割領域に対応する画像処理部が、それらの画像に対する画質調整処理を並列に実行できるものとした。
しかしながら、1つの画像処理部が、複数種類の画像に対してそれぞれ異なるγ変換処理を実行するためには、該画像処理部が、γ変換処理を実行する複数のγ変換処理ブロックを有する必要がある。また、1つの画像処理部が、複数種類の画像に対してそれぞれ異なる色変換処理を実行するためには、該画像処理部が、色変換処理を実行する複数の色変換処理ブロックを有する必要がある。1つの画像処理部が、画像処理の種類毎に、その種類の画像処理を実行する処理ブロックを複数有する構成では、ハードウェアの回路規模やコストが大きくなってしまう。
【0067】
ただし、画像の種類によっては、適用する必要が無い画像処理もある。例えば、カラー画像に対してはγ変換処理と色変換処理の両方を適用する必要があるのに対し、モノクロ画像に対して色変換処理を適用する必要が無い。そのため、画像処理部の構成として、画像処理の種類毎に、異なる数の処理ブロックを有する構成が考えられる。例えば、画像処理部の構成として、2つのγ変換処理ブロックと1つの色変換処理ブロックを有する構成が考えられる。そのような構成の場合には、1つの画像処理部の並列に画質調整処理を実行可能な種類の組み合わせに制限が生じる。
本実施例では、1つの画像処理部の並列に画質調整処理を実行可能な種類の組み合わせ(実行可能組み合わせ)に制限がある場合の例について説明する。
なお、実施例3に係る画像出力装置と表示装置の構成は、実施例1(
図1)の構成と同様であるため、説明は省略する。
【0068】
画像表示開始時の画像出力装置の処理フローについて
図5を用いて説明する。
まず、ステップS601において、画像表示制御部102は、接続モニタの画質調整能
力情報を、接続モニタ情報管理部104から取得する。
本実施例では、画質調整能力情報は、各分割領域を表す情報と、各画像処理部の実行可能組み合わせを表す情報とを含む。具体的には、画質調整能力情報は、
図11に示す情報の他に、各画像処理部の制限情報を含む。
図14に、本実施例に係る制限情報の一例を示す。
図14は、各画像処理部が、並列に画質調整処理を実行可能な2種類の画像のうち、一方(第1画像)にはγ変換処理、色温度変換処理、色変換処理を実行でき、他方(第2画像)にはγ変換処理、色温度変換処理を実行できることを示す。即ち、
図14は、色変換処理が1種類の画像にしか適用できないことを示す。適用する画像処理の種類は、画像の種類によって決まる。即ち、制限情報は、各画像処理部の実行可能な種類の組み合わせを表す。
ステップS602以降の処理については、実施例2と同様のため、説明を省略する。
【0069】
画像表示操作時の処理フローについて
図9(A)を用いて説明する。
まず、ステップS1001において、画像表示制御部102は、選択された画像(表示対象の画像)の種類数が、接続モニタの最大調整数以下か否かを判定する。表示対象の画像の種類数が接続モニタの最大調整数以下の場合には(ステップS1001:Yes)、ステップS1002へ進む。表示対象の画像の種類数が接続モニタの最大調整数より多い場合には(S1001:No)、ステップS1006へ進む。
但し、
図14に示すように、1つの画像処理部は、色変換処理を1種類の画像にしか適用することができない。そのため、接続モニタの最大調整数は、画像の種類に依存する。具体的には、色変換処理が必要な種類については、画像処理部の最大調整数は1となり、接続モニタの最大調整数は4(=4(画像処理部の数)×1(各画像処理部の最大調整数))となる。それ以外の画像に対しては、接続モニタの最大調整数は8(=4×2)となる。そこで、本実施例では、画像表示制御部102は、選択された画像の種類と、各画像処理部の並列に画質調整処理を実行可能な種類の組み合わせとを比較して、選択された画像の種類数が、接続モニタの最大調整数より多いか否かを判断する。
【0070】
以下、ステップS1001の処理について詳しく説明する。
画像表示制御部102は、
図15の判定テーブルを用いて、接続モニタの最大調整数(各画像処理部の最大調整数)を判断する。
判定テーブルは、画像の種類と、その種類の画像に対して適用する必要のある画像処理の種類とを含むテーブルである。
図15の例では、判定テーブルは、モノクロ画像に対してはγ変換処理と色温度変換処理が必要であり、カラー画像に対してはγ変換処理、色温度変換処理、及び、色変換処理が必要であり、その他の画像に対してはγ変換処理が必要であることを示している。モノクロ画像は、例えば、モノクロ医療画像、モノクロ写真画像などである。カラー画像は、例えば、カラー医療画像、カラー写真画像などである。その他の画像は、例えば、テキスト画像などである。
即ち、
図14の制限情報は、1つの画像処理部がモノクロ画像、カラー画像、その他の画像のいずれか1種類の画像に対する画質調整処理を実行可能であることを示す。また、
図14の制限情報は、1つの画像処理部が2種類のモノクロ画像、2種類のその他の画像、1種類のカラー画像と1種類のモノクロ画像またはその他の画像に対する画質調整処理を並列に実行可能であることを示す。
【0071】
画像表示制御部102は、画質調整能力情報(
図11と
図14)と判定テーブル(
図15)を用いて、接続モニタの最大調整数を算出する。
例えば、モノクロ画像については、接続モニタの最大調整数は8と算出される。具体的には、
図15から、モノクロ画像に必要な画像処理がγ変換処理と色温度変換処理であると判断される。そして、
図14から、γ変換処理と色温度変換処理はそれぞれ2種類を並列に実行することができると判断される。以上の判断結果から、各画像処理部の最大調整数が2であると判断され、接続モニタの最大調整数が8と算出される。
カラー画像ついては、接続モニタの最大調整数は4と算出される。具体的には、
図15から、カラー画像に必要な画像処理がγ変換処理、色温度変換処理、及び、色変換処理であると判断される。そして、
図14から、色変換処理は1回に1種類の画像に対してしか実行することができないと判断される。以上の判断結果から、各画像処理部の最大調整数が1であると判断され、接続モニタの最大調整数が4と算出される。
【0072】
そして、画像表示制御部102は、表示対象の画像の種類数が、接続モニタの最大調整数以下か否かを判定する。具体的には、画像表示制御部102は、表示対象の画像の種類数が8以下であり、且つ、表示対象のカラー画像の種類数が4以下であるか否かを判定する。画像表示制御部102は、表示対象の画像の種類数が8以下であり、且つ、表示対象のカラー画像の種類数が4以下である場合に、表示対象の画像の種類数が接続モニタの最大調整数以下であると判断する。なお、画像表示制御部102は、表示対象のモノクロ画像の種類数及びその他の画像の種類数が8以下であるか否かを更に判定してもよい。
【0073】
ステップS1006では、画像表示制御部102が、ユーザ操作をエラーとして扱い、該ユーザ操作に応じた画像の選択処理を取り消す。そして、画像表示制御部102は、表示対象の画像の種類数が接続モニタの画質調整能力を超えてしまう旨のメッセージ画像を作成し、表示位置制御部103を介して表示装置106へ出力する。それにより、表示装置106に上記メッセージ画像が表示され、表示対象の画像の種類数が接続モニタの画質調整能力を超えてしまうことがユーザに通知される。
【0074】
ステップS1002では、画像表示制御部102は、1つの分割領域内に表示する画像の組み合わせが、該分割領域に対応する画像処理部の実行可能組み合わせとなるように、画像の配置が設定されているか否かを判定する。具体的には、1つの分割領域内に表示する画像の種類数が2以下であり、且つ、1つの分割領域内に表示するカラー画像の種類数が1以下であるか否かを判定する。画像表示制御部102は、1つの分割領域内に表示する画像の種類数が2以下であり、且つ、1つの分割領域内に表示するカラー画像の種類数が1以下である場合に、該分割領域内に表示する画像の組み合わせが実行可能組み合わせであると判断する。
1つの分割領域内に表示する画像の組み合わせが、該分割領域に対応する画像処理部の実行可能組み合わせである場合には(ステップS1002:Yes)、ステップS1004へ進む。1つの分割領域内に表示する画像の組み合わせが、該分割領域に対応する画像処理部の実行可能組み合わせ以外である場合には(ステップS1002:No)、ステップS1003へ進む。
【0075】
ステップS1003では、画像表示制御部102は、各分割領域内に表示する画像の組み合わせが、その分割領域に対応する画像処理部の実行可能組み合わせとなるように、設定された画像の表示サイズ、表示位置、または、その両方を変更する。その後ステップS1004へ進む。
【0076】
ステップS1004では、画像表示制御部102は、ユーザ操作、または、ステップS1003での変更結果を元に、画質調整状況管理テーブル、画像配置情報管理テーブルを更新する。
そして、ステップS1005において、画像表示制御部102は、表示する画像をデコードし、デコードされた画像と表示位置情報を表示位置制御部103へ出力する。また、画像表示制御部102は、画像種別情報と表示位置情報を接続モニタ制御部105へ出力する。表示位置制御部103は、入力された画像が表示位置情報で表される位置に配置された出力画像を生成して表示装置に出力する。接続モニタ制御部105は、画像種別情報と表示位置情報をモニタ制御部114に出力する。その結果、全ての表示対象の画像が、接続モニタで適切な画質調整処理が適用されて、表示される。
【0077】
以上述べたように、本実施例によれば、1つの画像処理部の実行可能組み合わせに制限がある場合であっても、ユーザの負担を招くことなく、表示装置の能力を最大限に利用して、表示する全ての画像に対する画質調整処理を並列に実行することが可能となる。