【実施例】
【0014】
以下に、本発明の実施例について説明する。
[実施例1]
実施例1として、本発明を適用した振動波駆動装置の構成例について、
図1を用いて説明する。
本実施例の振動波駆動装置は、
図1に示すように、円環状に形成されており、振動体2と、この振動体と摩擦接触する移動体3を備えている。
振動体2は、電気量を機械量に変換する電気−機械エネルギー変換素子による圧電素子2aと、この圧電素子2aと結合された弾性体2bとによって形成されている。
そして、圧電素子2aに駆動電圧(交流電圧)を印加し、公知の技術により、振動体2に進行性の振動波により楕円運動を生じさせ、これによって移動体3を振動体2と摩擦駆動により相対的に回転させる。
弾性体2bは、基部2c、突起部2d、及び基部2cから延出し、弾性体2bをハウジング1に固定するためのフランジ部2eから構成されている。
突起部2dは、基部2cの外周側に沿って、弾性体2bの中心軸に対して同心円状に配置されている。突起部2dの移動体3側の面が移動体3との摺動面となっている。
弾性体2bは、金属製の弾性部材であり、本実施例ではステンレス鋼で形成されている。さらに、耐久性を高めるための硬化処理として、突起部2dの移動体3との摺動面を窒化処理している。
【0015】
移動体3は、円環状に形成されており、本体部3a、支持部3b、接触部3c、加圧力調節部(加圧力調節手段)3d、及びばね受け部3eから構成されている。
ばね受け部3eの上面には加圧部材(加圧手段)5が取り付けられており、加圧部材5は、ディスク5aと加圧ばね5b、及び加圧ばねゴム5cからなる。加圧ばね5bの内周部は出力軸6に焼嵌めされたディスク5aに取り付けられており、移動体3の駆動力を出力軸6に伝達している。
【0016】
加圧ばねゴム5cはブチルゴムやクロロプレンゴム等で形成されている。
加圧ばねゴム5cの弾性変形により、移動体3のばね受け部3eの加圧ばねゴム5cが設けられている面の平面度の影響を緩和している。
そのため、加圧ばね5bからの加圧力が移動体3に回転方向のムラなく均一に付与され、振動体2と移動体3の安定した接触が保たれている。
【0017】
出力軸6は、ハウジング1に固定された外輪と、出力軸6の外周に嵌合した内輪とを有する一対の転がり軸受7a、7bによって回転自在に支持される。
転がり軸受7aの内輪は、移動体3を振動体2に適切な力で加圧接触させるための加圧ばね5bの変位量分だけ予圧がかけられている。これにより、転がり軸受7aの径方向のがたが排除され、出力軸6の径方向の振れを抑えることができる。
【0018】
図2に、
図1に示す振動波駆動装置の一部を拡大した断面図を示す。
図2において、移動体3は、2つの本体部3a−1、3a−2、2つの支持部3b−1、3b−2、及び振動体2の突起2dに摩擦接触する摩擦面を有する2つの接触部3c−1、3c−2、2つの加圧力調節部3d−1、3d−2、ばね受け部3eから構成されている。
本実施例では、本体部3a−1、3a−2、支持部3b−1、3b−2、接触部3c−1、3c−2は、焼入処理したステンレス鋼で形成されている。
2つの接触部3c−1、3c−2は、振動体2の中心軸に対して同心円状に配置されるように形成されている。
支持部3b−1、3b−2及び接触部3c−1、3c−2は、ばね性を有する厚みで形成されており、それぞれが片持ち梁断面構造を有する。
そのため、支持部3b−1、3b−2、及び接触部3c−1、3c−2は、移動体3の回転軸方向及び径方向にそれぞれ弾性変形可能となっている。
本発明において、回転軸とは、移動体が相対的に回転する際に回転の中心となる軸を示し、径方向とは回転軸方向と垂直な方向を示す。
【0019】
また、支持部3b−1、3b−2は夫々の本体部3a−1、3a−2から内径側に延出しており、接触部3c−1、3c−2は夫々の支持部端部から外径側に延出している。
さらに、接触部3c−1、3c−2の摩擦面の回転軸方向及び径方向の変位が周方向で一様になるように、支持部3b−1、3b−2及び接触部3c−1、3c−2の厚みは周方向で均一に形成されている。
これにより、振動体2の振動時の突起2dの上面の傾斜と、接触部3c−1、3c−2の摩擦面の傾斜は、平行を保ったまま接触を繰り返す。
そのため、接触部3c−1、3c−2の摩擦面は全面にわたって振動体2との接触が可能となる。
【0020】
加圧力調節部3dは、第1の加圧力調節部3d−1と、第2の加圧力調節部3d−2から構成されている。
第1の加圧力調節部3d−1は、移動体3の外径側に配置された本体部3a−1の上面とばね受け部3eとの間に設けられている。
第2の加圧力調節部3d−2は、移動体3の内径側に配置された本体部3a−2の上面とばね受け部3eとの間に設けられている。
2つの加圧力調節部3d−1、3d−2は、円環状であり、振動減衰性能が高いブチルゴムやシリコーンゴム等の圧力調節部材で形成されている。
そして、ばね受け部3eは、真鍮で形成された円環状の錘部材で構成されている。
そのため、2つの加圧力調節部3d−1、3d−2とばね受け部3eとにより、振動波駆動装置の駆動中に発生する移動体3の不要な振動を抑え、振動波駆動装置の騒音や出力の低下を防止している。
【0021】
さらに、加圧部材5の加圧ばね5bからの加圧力によって、移動体3の2つの支持部3b、接触部3c、及び加圧力調節部3dは加圧力の方向に弾性変形する。ここで、加圧力の方向とは、本実施例においては移動体3の回転軸方向と同一である。
このとき、加圧力調節部3dは、焼入処理したステンレス鋼で形成されている支持部3b及び接触部3cよりも剛性が低いゴム材料で形成されている。
よって、加圧部材5からの加圧力によって加圧力方向に変形する移動体3の外径側に配置された第1の加圧力調節部3d−1の変形量は、該加圧力による移動体3の外径側に配置された支持部3b−1及び接触部3c−1の変形量よりも大きくなっている。
また、同様に、加圧部材5からの加圧力によって加圧力方向に変形する移動体3の内径側に配置された第2の加圧力調節部3d−2の変形量は、該加圧力による移動体3の内径側に配置された支持部3b−2及び接触部3c−2の変形量よりも大きくなっている。
【0022】
これにより、加工の誤差や組立の誤差等により2つの接触部3c−1、3c−2間に高低差が生じても、加圧付与時に2つの加圧力調節部3dが大きく変形することで高低差が緩和される。
よって、高低差によって生じる2つの接触部3cに作用する面圧の変化を抑制することができる。
そのため、従来構造では課題となっていた、接触部の高低差に伴って発生していた局所的な摩耗やモータ性能の劣化を低減することが可能となる。
また、2つの接触部3c−1、3c−2の摩耗の進み方が異なっても、2つの接触部3c−1、3c−2に付与させる加圧力のバランスはほとんど変化しないため、振動波駆動装置の長期にわたる駆動中も安定した出力が得られるようになる。
【0023】
さらに、2つの加圧力調節部3d−1、3d−2の剛性の比を変更することで、移動体3の2つの接触部3c−1、3c−2に付与される加圧力のバランスを容易に調整することができる。
例えば、2つの接触部3c−1、3c−2が発生するトルクを均等にする場合、内径側に配置された加圧力調節部3d−2の径方向の幅を大きくし、加圧力の方向に垂直な面の面積を外径側に配置された加圧力調節部3d−1よりも大きくする。
これにより、外径側に配置された加圧力調節部3d−1よりも内径側に配置された加圧力調節部3d−2の方が、加圧力方向の剛性が高くなる。
よって、外径側に配置された接触部3c−1に作用する加圧力よりも、内径側に配置された接触部3c−2に作用する加圧力が高くなり、接触部の径の比を相殺するような加圧力の比にすることで、発生するトルクが均等になる。
2つの加圧力調節部3dの剛性は、加圧力調節部の径方向の幅だけでなく、厚みやゴムの種類などを変更することでも調整することが可能となっている。
これにより、従来構造のように、振動波駆動装置の性能に影響が大きい移動体3の支持部3bや接触部3cの加圧力方向の剛性を変化させることなく、2つの接触部3c−1、3c−2に作用する加圧力のバランスを調整することができる。さらに、加圧力方向に加圧部材が積み重なることなく加圧力のバランスを調整することができるため、振動波駆動装置が大型化せず、振動波駆動装置の高い制御性能を維持することができる。
【0024】
なお本実施例においては、移動体3の加圧力調節部3dは、第1の加圧力調節部3d−1と第2の加圧力調節部3d−2とから構成されている。
しかし、本発明はこのような構成に限定されるものではない。
例えば、
図3(a)に示すように、1つの加圧力調節部13dから移動体13が構成されてもよい。
移動体13においても、加圧力調節部13dの加圧部材15からの加圧力による加圧力方向の変形量が、2つの支持部13b、及び2つの接触部13cの該変形量よりも大きくなっている。
これにより、2つの接触部13c−1、13c−2の高低差によって生じる面圧の変化が抑制され、移動体の接触部の局所的な摩耗を低減し、長期の駆動による性能の劣化を低減することが可能となる。
さらに、本体部13a側に設けてある凹部の溝の幅を変えることで、2つの接触部13c−1、13c−2に付与される加圧力のバランスを容易に調整することができる。
【0025】
また、本実施例において、移動体3の2つの本体部3a、支持部3b、及び接触部3cは、焼入処理したステンレス鋼で形成されており、支持部3b、及び接触部3cは、ばね性を有する厚みで形成されている。
しかし、本発明はこのような構成に限定されるものではなく、振動体の振動に対して移動体の接触部が安定した接触を得られるばね性を有し、かつ加圧力調節部がその接触部の加圧力方向の剛性よりも低い剛性となるように構成されていればよい。
例えば、振動体2をステンレス鋼にニッケルメッキ処理をして形成し、移動体3の2つの本体部3a、支持部3b、及び接触部3cをアルミニウム合金にアルマイト処理をして形成した振動波駆動装置でも、本発明により同様の効果が得られる。
また、例えば、
図3(b)に示すように、2つの本体部23a−1、23a−2にそれぞれ接着剤による接着等で樹脂製の接触部23c−1、23c−2を結合し、移動体23を構成してもよい。
【0026】
接触部23cは、フッ素樹脂粉末(PTFE:ポリテトラフルオロエチレン)を主材として、添加材としてカーボンファイバ、ポリイミド、二硫化モリブデンを用いて、焼成して製作した樹脂で形成されている。
そのため、接触部23cは振動体22との接触時に弾性変形が可能となり、振動体22と安定した接触が可能となる。
そして、2つの加圧力調節部23dは、加圧部材25からの加圧力による加圧力方向の変形量が、接触部23cの該変形量よりも大きくなるように形成されている。
これにより、2つの接触部23c−1、23c−2の高低差によって生じる面圧の変化が抑制され、移動体の接触部の局所的な摩耗を低減し、長期の駆動による性能の劣化を低減することが可能となる。
【0027】
さらに、接触部23cは、円環状の平板で形成されているため、支持部及び接触部を一体的に形成する場合に比べ、加工が容易で、コスト削減や製作時間の短縮を図ることができる。
ここで、本実施例において移動体3は少なくとも2つの本体部3aと2つの接触部3cから構成されているが、本発明はこのような構成に限定されるものではない。
例えば3つの本体部と3つの接触部とで構成されるなど、2つ以上の本体部と接触部を有する移動体であれば、本発明により同様の効果が得られる。
【0028】
[実施例2]
実施例2として、上記した実施例1とは異なる形態の振動波駆動装置の構成例について、
図4を用いて説明する。
本実施例の振動波駆動装置は、移動体の加圧力調節部を
図4に示す構造とした点において、実施例1のものと構成が相違する。
本実施例のその他の要素(振動体、出力軸等)は、上述した実施例1の対応するものと同一なので、説明を省略する。なお、本実施例の
図4に示す構成は、
図2、
図3(a)、
図3(b)に対応している。
図4は、本実施例における振動波駆動装置の一部を拡大した断面図である。
【0029】
図4において、移動体33は、2つの本体部33a、2つの支持部33b、2つの接触部33c、2つの加圧力調節部33d、2つの回転伝達部33f、及びばね受け部33eから構成されている。
加圧力調節部33dは、第1の加圧力調節部33d−1と、第2の加圧力調節部33d−2から構成されている。
第1の加圧力調節部33d−1は、移動体33の外径側に配置された本体部33a−1の上面に設けられた回転伝達部33f−1とばね受け部33eとの間に設けられており、第1の加圧力調節部33d−1の外周部は、ばね受け部33eに取り付けられている。
第2の加圧力調節部33d−2は、移動体33の内径側に配置された本体部33a−2の上面に設けられた回転伝達部33f−2とばね受け部33eとの間に設けられており、第2の加圧力調節部33d−2の内周部は、ばね受け部33eに取り付けられている。
【0030】
2つの回転伝達部33fは、ブチルゴムやクロロプレンゴム等で形成されており、2つの接触部33cの駆動力をばね受け部33eに伝達している。
2つの加圧力調節部33dは、移動体33の2つの支持部33b及び接触部33cよりも加圧力方向の剛性が低くなるように、薄板状のばね鋼で形成された皿ばねで構成されている。
よって、加圧部材35からの加圧力によって加圧力方向に変形する第1の加圧力調節部33d−1の変形量は、該加圧力による移動体3の外径側に配置された支持部33b−1及び接触部33c−1の変形量よりも大きくなっている。
また、同様に、加圧部材35からの加圧力によって加圧力方向に変形する第2の加圧力調節部33d−2の変形量は、該加圧力による移動体33の内径側に配置された支持部33b−2及び接触部33c−2の変形量よりも大きくなっている。
【0031】
これにより、加工の誤差や組立の誤差等により2つの接触部33c−1、33c−2間に高低差が生じても、加圧付与時に2つの加圧力調節部33dが大きく変形することで高低差が緩和される。
よって、高低差によって生じる2つの接触部33cに作用する面圧の変化を抑制することができ、局所的な摩耗やモータ性能の劣化を低減することが可能となる。
また、2つの加圧力調節部33d−1、33d−2の板厚や形状、及び材質を変更し、剛性の比を調整することで、移動体33の2つの接触部33c−1、33c−2に付与される加圧力のバランスを容易に調整することが可能となる。
さらに、2つの加圧力調節部33dをばね鋼などの金属で形成しており、加圧力調節部をゴム等で形成する場合に比べ、振動波駆動装置の周囲の温度や湿度の変化に対して影響を受けにくくなる。これにより、環境が変化しても振動波駆動装置の安定した性能が得られるようになる。
【0032】
[実施例3]
実施例3として、上記した実施例1とは異なる形態の振動波駆動装置の構成例について、
図5を用いて説明する。
本実施例の振動波駆動装置は、移動体の加圧力調節部を
図5に示す構造とした点において、上記各実施例のものと構成が相違する。本実施例のその他の要素(振動体、出力軸等)は、上記各実施例の対応するものと同一なので、説明を省略する。
なお、本実施例の
図5に示す構成は、
図2、
図3(a)、
図3(b)、
図4に対応している。
図5は、本実施例における振動波駆動装置の一部を拡大した断面図である。
【0033】
図5において、移動体43は、2つの本体部43a、2つの支持部43b、2つの接触部43c、2つの加圧力調節部43d、2つの回転伝達部43f、及びばね受け部43eから構成されている。
2つの本体部43aと2つの支持部43bはそれぞれ別部材で形成されており、支持部43b及び接触部43cは板金プレスにより一体的に形成されている。
支持部43b及び接触部43cはステンレス鋼板からなり、耐久性を高めるための硬化処理として焼入、焼戻処理をした。
【0034】
また、支持部43b及び接触部43cは、ばね性を有する厚みで形成されており、支持部43bおよび接触部43cは、移動体43の回転軸方向及び径方向にそれぞれ弾性変形可能となっている。そのため、接触部43cの摩擦面は全面にわたって振動体42との接触が可能となる。
2つの本体部43aと2つの支持部43bはそれぞれ、接着剤による接着や、はんだ付け等の金属ろう付け、レーザーや電気抵抗熱などによる溶接等の方法で接合している。
加圧力調節部43dは、第1の加圧力調節部43d−1と、第2の加圧力調節部43d−2から構成されている。
第1の加圧力調節部43d−1は、移動体43の外径側に配置された本体部43a−1の加圧部材45側に一体的に形成されており、ばね受け部43eとの間に回転伝達部43f−1を設けている。
第2の加圧力調節部43d−2は、移動体43の内径側に配置された本体部43a−2の加圧部材45側に一体的に形成されており、ばね受け部材43eとの間に回転伝達部43f−2を設けている。
【0035】
2つの回転伝達部43fは、ブチルゴムやクロロプレンゴム等で形成されており、2つの接触部43cの駆動力をばね受け部43eに伝達している。
2つの加圧力調節部43dは、移動体43の2つの支持部43b及び接触部43cよりも加圧力方向の剛性が低くなるように、径方向のスリットを本体部43aに形成し構成されている。
よって、加圧部材45からの加圧力によって加圧力方向に変形する第1の加圧力調節部43d−1の変形量は、該加圧力による移動体43の外径側に配置された支持部43b−1及び接触部43c−1の変形量よりも大きくなっている。
また、同様に、加圧部材45からの加圧力によって加圧力方向に変形する第2の加圧力調節部43d−2の変形量は、該加圧力による移動体43の内径側に配置された支持部43b−2及び接触部43c−2の変形量よりも大きくなっている。
【0036】
これにより、加工の誤差や組立の誤差等により2つの接触部43c−1、43c−2間に高低差が生じても、加圧付与時に2つの加圧力調節部43dが大きく変形することで高低差が緩和される。
よって、高低差によって生じる2つの接触部43cに作用する面圧の変化を抑制することができ、局所的な摩耗やモータ性能の劣化を低減することが可能となる。
また、2つの加圧力調節部43d−1、43d−2のスリット幅などの形状を変更し、剛性の比を調整することで、移動体43の2つの接触部43c−1、43c−2に付与される加圧力のバランスを容易に調整することが可能となる。
さらに、2つの加圧力調節部43dは金属で形成されている本体部43aに一体的に形成されている。そのため、加圧力調節部をゴム等で形成する場合に比べ、振動波駆動装置の周囲の温度や湿度の変化に対して影響を受けにくくなり、環境が変化しても振動波駆動装置の安定した性能が得られるようになっている。
【0037】
また、支持部43b及び接触部43cをプレス加工で一体的に形成しているため、従来の切削加工に比べて大幅なコスト削減や製作時間の短縮を図ることができる。
さらに、板金プレス加工に用いる素材の板厚精度は極めて高いため、支持部43b及び接触部43cの剛性のバラツキを小さくすることができ、振動体42と安定した接触が可能となる。
なお、本実施例において、耐摩耗性を向上させるための表面処理として、焼入、焼戻処理を行ったが、本発明はこれらに限定されるものではなく、窒化処理や溶射等で接触部の摩擦面を硬化してもよい。
以上に説明したように、本発明の上記各実施例の構成によれば、移動体の接触部の局所的な摩耗を低減し、長期の駆動による性能の劣化を低減することが可能となる。