特許第6039256号(P6039256)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6039256
(24)【登録日】2016年11月11日
(45)【発行日】2016年12月7日
(54)【発明の名称】可溶化促進剤
(51)【国際特許分類】
   C09K 3/00 20060101AFI20161128BHJP
   C11B 9/00 20060101ALI20161128BHJP
【FI】
   C09K3/00 Z
   C11B9/00 Z
【請求項の数】15
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2012-135940(P2012-135940)
(22)【出願日】2012年6月15日
(65)【公開番号】特開2014-1268(P2014-1268A)
(43)【公開日】2014年1月9日
【審査請求日】2015年4月14日
(73)【特許権者】
【識別番号】000169466
【氏名又は名称】高砂香料工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100128761
【弁理士】
【氏名又は名称】田村 恭子
(74)【代理人】
【識別番号】100104282
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 康仁
(72)【発明者】
【氏名】畠山 忠英
【審査官】 中野 孝一
(56)【参考文献】
【文献】 特開平10−204408(JP,A)
【文献】 特開2010−037327(JP,A)
【文献】 特許第2602050(JP,B2)
【文献】 特表2009−507027(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09K3/00、
A61K8/00−9/72、
A61K47/00−47/48、
A61Q1/00−90/00、
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
グルコン酸塩を有効成分として含有する、芳香剤に用いられる香料又は忌避剤である難水溶性物質の可溶化促進剤。
【請求項2】
グルコン酸塩が、グルコン酸ナトリウム、グルコン酸カリウム、グルコン酸カルシウム、グルコン酸マグネシウム、グルコン酸マンガン、グルコン酸亜鉛、グルコン酸鉄及びグルコン酸銅からなる群より選ばれた1種又は2種以上である、請求項1記載の可溶化促進剤。
【請求項3】
請求項1又は2記載の可溶化促進剤及び水性溶媒を含有する可溶化促進剤組成物。
【請求項4】
補助塩及び防腐剤の少なくとも1種をさらに含有する、請求項3記載の可溶化促進剤組成物。
【請求項5】
補助塩が、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム及びリンゴ酸ナトリウムからなる群より選ばれた1種又は2種以上である、請求項記載の可溶化促進剤組成物。
【請求項6】
防腐剤が、ソルビン酸カリウム及び安息香酸ナトリウムからなる群より選ばれた1種又は2種以上である、請求項又は記載の可溶化促進剤組成物。
【請求項7】
請求項のいずれか1項記載の可溶化促進剤組成物、陰イオン界面活性剤、非イオン界面活性剤、芳香剤に用いられる香料又は忌避剤である難水溶性物質及び水性溶媒を含有する、可溶化組成物。
【請求項8】
難水溶性物質1質量部に対して、陰イオン界面活性剤及び非イオン界面活性剤の総和が、0.3〜5質量部である、請求項記載の可溶化組成物。
【請求項9】
組成物中の可溶化促進剤の含有量が0.01〜2質量%である、請求項又は記載の可溶化組成物。
【請求項10】
組成物中の陰イオン界面活性剤の含有量が0.05〜20質量%である、請求項のいずれか1項記載の可溶化組成物。
【請求項11】
陰イオン界面活性剤がジアルキルスルホコハク酸塩である、請求項10のいずれか1項記載の可溶化組成物。
【請求項12】
成物中の非イオン界面活性剤の含有量が0.05〜20質量%である、請求項11のいずれか1項記載の可溶化組成物。
【請求項13】
非イオン界面活性剤が、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル及びポリオキシエチレン硬化ヒマシ油からなる群より選ばれた1種又は2種以上である、請求項12のいずれか1項記載の可溶化組成物。
【請求項14】
芳香剤に許容される基剤をさらに含有する、請求項13のいずれか1項に記載の可溶化組成物からなる芳香剤。
【請求項15】
芳香剤に用いられる香料又は忌避剤である難水溶性物質の可溶化促進剤としてのグルコン酸塩の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、難水溶性物質の水性溶媒への可溶化を促進する可溶化促進剤、該可溶化促進剤を水性溶媒に溶解してなる可溶化促進剤組成物、該可溶化促進剤組成物、陰イオン界面活性剤、非イオン界面活性剤、難水溶性物質及び水性溶媒を含有する可溶化組成物に関する。本発明の可溶化組成物は、難水溶性物質を水性溶媒に可溶化するために用いられる界面活性剤の量が低減された組成物に関するものである。
【背景技術】
【0002】
部屋、玄関、トイレ、車中などの生活空間内の臭気に伴う不快感を軽減したり、芳香を付与したりするために香料を配合した芳香剤が広く利用されている。芳香剤としては、液体、ゲル、固体、エアゾールなどの様々な形態が知られている。これらの形態の中で液体タイプは、水性、アルコール性、油溶性に大別でき、噴霧タイプ又は吸上げ揮散タイプの芳香器具とともに利用される。中でも、水性液体芳香剤組成物は、引火性が低く、コスト的にも有利なことから広く一般に用いられている。
香料の多くは水に対して難溶性であるため、水性液体芳香剤組成物においては界面活性剤を用いて香料を可溶化する必要がある。しかし、界面活性剤は不揮発性であるため、使用している間に吸上げ部分に界面活性剤が蓄積し、香料の揮散性が悪くなっていくという欠点を有している。
【0003】
上記の問題を解決するため、水性液体芳香剤組成物の揮散性を向上させる方法がいくつか提案されている。例えば、特許文献1(特開平10−248912号公報)及び特許文献2(特開平4−231058号公報)では、処方中に、香料の可溶化剤として3−メチル−3−メトキシブタノールなどのイソプレン系溶剤を配合することで、不揮発成分である界面活性剤を用いることなく、長期間一定の揮散速度で芳香成分を放出することができることを報告している。
しかし、上記の方法では、界面活性剤を使用する場合と比較して多量のイソプレン系溶剤を使用する必要があり、引火点の低下による安全性の問題やコストの問題がある。また、3−メチル−3−メトキシブタノールなどのイソプレン系溶剤自体が特有の臭気を有しているため、多量に使用することによる創香への影響や揮散に伴う香調の変化が懸念される。さらに、3−メチル−3−メトキシブタノールなどのイソプレン系溶剤は揮発性が低く、多量に使用することにより、芳香成分の揮散速度が低下してしまう場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−248912号公報
【特許文献2】特開平4−231058号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のような状況において、長時間保存しても透明安定性が優れ、商品イメージが良好であり、かつ安全性が高く、市場において高い評価を得ることができる可溶化組成物の提供が望まれている。また、かかる可溶化組成物を調製し得る可溶化促進剤及び該可溶化促進剤を水性溶媒に溶解してなる可溶化促進剤組成物の提供が求められている。こうした可溶化促進剤、可溶化促進剤組成物、さらには可溶化組成物は、水性液体芳香剤組成物のほか、化粧品、トイレタリー製品、医薬品及び医薬部外品等の分野においても好適に用いることができる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討した結果、グルコン酸塩を用いることにより、難水溶性物質の水性溶媒への可溶化を促進し、しかも、水性溶媒中で難水溶性物質が白濁又は相分離することなく安定に保持され、可溶化組成物の透明性が維持されることを見出して、本発明を完成した。
【0007】
すなわち、本発明は、以下に示した可溶化促進剤、該可溶化促進剤を水性溶媒に溶解してなる可溶化促進剤組成物、さらには該可溶化促進剤組成物、陰イオン界面活性剤、非イオン界面活性剤、難水溶性物質及び水性溶媒を含有する可溶化組成物に関するものである。
[1]グルコン酸塩を有効成分として含有する難水溶性物質の可溶化促進剤。
[2]グルコン酸塩が、グルコン酸ナトリウム、グルコン酸カリウム、グルコン酸カルシウム、グルコン酸マグネシウム、グルコン酸マンガン、グルコン酸亜鉛、グルコン酸鉄及びグルコン酸銅からなる群より選ばれた1種又は2種以上である、[1]記載の可溶化促進剤。
[3]難水溶性物質が、香料又は忌避剤である、[1]又は[2]記載の可溶化促進剤。
[4][1]〜[3]のいずれか1項記載の可溶化促進剤及び水性溶媒を含有する可溶化促進剤組成物。
[5]補助塩及び防腐剤の少なくとも1種をさらに含有する、[4]記載の可溶化促進剤組成物。
[6]補助塩が、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム及びリンゴ酸ナトリウムからなる群より選ばれた1種又は2種以上である、[5]記載の可溶化促進剤組成物。
[7]防腐剤が、ソルビン酸カリウム及び安息香酸ナトリウムからなる群より選ばれた1種又は2種以上である、[5]又は[6]記載の可溶化促進剤組成物。
[8][4]〜[7]のいずれか1項記載の可溶化促進剤組成物、陰イオン界面活性剤、非イオン界面活性剤、難水溶性物質及び水性溶媒を含有する、可溶化組成物。
[9]難水溶性物質1質量部に対して、陰イオン界面活性剤及び非イオン界面活性剤の総和が、0.3〜5質量部である、[8]記載の可溶化組成物。
[10]組成物中の可溶化促進剤の含有量が0.01〜2質量%である、[8]又は[9]記載の可溶化組成物。
[11]組成物中の陰イオン界面活性剤の含有量が0.05〜20質量%である、[8]〜[10]のいずれか1項記載の可溶化組成物。
[12]陰イオン界面活性剤がジアルキルスルホコハク酸塩である、[8]〜[11]のいずれか1項記載の可溶化組成物。
[13]組成物中の組成物中の非イオン界面活性剤の含有量が0.05〜20質量%である、[8]〜[12]のいずれか1項記載の可溶化組成物。
[14]非イオン界面活性剤が、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル及びポリオキシエチレン硬化ヒマシ油からなる群より選ばれた1種又は2種以上である、[8]〜[13]のいずれか1項記載の可溶化組成物。
[15]芳香剤に許容される基剤をさらに含有する、[8]〜[14]のいずれか1項に記載の可溶化組成物からなる芳香剤。
[16]化粧品に許容される基剤をさらに含有する、[8]〜[14]のいずれか1項に記載の可溶化組成物からなる化粧品。
[17]トイレタリー製品に許容される基剤をさらに含有する、[8]〜[14]のいずれか1項に記載の可溶化組成物からなるトイレタリー製品。
[18]医薬品に許容される基剤をさらに含有する、[8]〜[14]のいずれか1項記載の可溶化組成物からなる医薬品。
[19]医薬部外品に許容される基剤をさらに含有する、[8]〜[14]のいずれか1項記載の可溶化組成物からなる医薬部外品。
[20]可溶化促進剤としてのグルコン酸塩の使用。
【発明の効果】
【0008】
本発明の可溶化促進剤または該可溶化促進剤を水性溶媒に溶解してなる可溶化促進剤組成物を用いることにより、難水溶性の有効成分の配合量を高めることができ、より機能性を訴求した商品化が可能となり、さらに、界面活性剤の配合量を低減することにより、コストパフォーマンスの優れた可溶化組成物が提供される。また、長時間保存しておいても透明安定性が優れ、商品イメージが良好であり、かつ安全性が高く、市場において高い評価を得ることができる可溶化組成物が提供される。本発明の可溶化組成物は、芳香剤、化粧品、トイレタリー製品、医薬品及び医薬部外品等として好適に用いられる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の可溶化促進剤、可溶化促進剤組成物及び可溶化組成物について具体的に説明する。
【0010】
本発明の可溶化促進剤は、界面活性剤を用いて難水溶性物質を水性溶媒へ可溶化させる際に、界面活性剤の可溶化力を促進するために用いられる添加剤である。本発明の可溶化促進剤組成物は、難水溶性物質と混合する前に、該可溶化促進剤をあらかじめ少量の水性溶媒に溶解させることにより調製された可溶化促進効果を向上させる組成物である。本発明の可溶化組成物は、難水溶性物質と界面活性剤の混合物に該可溶化促進剤または可溶化促進剤組成物を添加し、さらに水性溶媒を加えて調製された組成物である。本発明の好ましい態様において、本発明の可溶化組成物は、透明性が優れ、保存期間中においても透明性が維持されている。
【0011】
本発明の可溶化の対象となる難水溶性物質(以下「成分(A)」と記載する場合がある。)は、特に限定されなく、幅広い各種の難水溶性物質が包含される。例えば、リモネン、シトラール、レモンオイル、オレンジオイル等の香料原料油類;調合香料等の香料;ディート(N,N−ジエチル−トルアミド)、p−メンタン−3,8−ジオールなどの油溶性忌避剤;ビタミンA、ビタミンEなどの油溶性ビタミン類;トリグリセライド、流動パラフィン、スクワランなどの化粧品原料油類;その他、忌避剤、化粧品や医薬品原料として使用される油溶性の難水溶性物質などが挙げられる。中でも、香料原料油類、調合香料等の香料が好ましく例示される。
【0012】
本発明の第一の態様に係る難水溶性物質の可溶化促進剤(以下「成分(B)」と記載する場合がある。)は、グルコン酸塩を有効成分として含有する。
本発明で使用するグルコン酸塩としては、例えば、グルコン酸ナトリウム、グルコン酸カリウム、グルコン酸カルシウム、グルコン酸マグネシウム、グルコン酸マンガン、グルコン酸亜鉛、グルコン酸鉄及びグルコン酸銅を挙げることができる。これらの中から1種または2種以上を選択して用いることができる。中でも、グルコン酸ナトリウム、グルコン酸カリウム、グルコン酸亜鉛またはそれらの組み合わせが好ましく、使用時に透明性をより好適に維持できる点及び安価である点でグルコン酸ナトリウム、グルコン酸カリウムまたはそれらの組み合わせが特に好ましい。
【0013】
本発明の第二の態様に係る可溶化促進剤組成物は、可溶化促進剤(成分(B))及び水性溶媒(以下「成分(G)」と記載する場合がある。)を含有する。本発明の可溶化促進剤組成物においては、可溶化促進剤が、水性溶媒に溶解されていることが好ましい。
本発明の可溶化促進剤組成物は、通常は水性溶媒として水を用いるが、水に、グリコールエーテル類、多価アルコール類及び低級アルコール類等の各種の水溶性有機溶媒を1種または2種以上選択して混合して用いてもよい。
グリコールエーテル類としては、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル及びジプロピレングリコールモノメチルエーテルなどが挙げられる。
多価アルコール類としては、グリセリン、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ペンチレングリコール、ヘキシレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ソルビトール、キシリトール及びエリスリトール等の炭素数3〜6のアルコール類;ブドウ糖、果糖、キシロース等の単糖類;ショ糖、マルトース、トレハロース等の二糖類:が好適である。
また、低級アルコールとしては、メタノール、エタノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール等の一価アルコールが好ましく用いられる。
【0014】
本発明の可溶化促進剤組成物には、可溶化促進の観点から、クエン酸塩などの補助塩(以下「成分(C)」と記載する場合がある。)をさらに含有することが好ましい。可溶化促進剤とクエン酸塩などの補助塩とを併用することにより、可溶化促進剤を単独で使用する場合に比べて、難水溶性物質の可溶化力を高めることができる。
【0015】
補助塩としては、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、リンゴ酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、乳酸カルシウム、酒石酸ナトリウム、酒石酸カリウムナトリウム、コハク酸ナトリウム、アスコルビン酸カルシウム及び硫酸アルミニウムカリウム等を挙げることができ、これらの中から1種または2種以上を選択して用いることができる。中でも、可溶化促進剤の可溶化促進効果を補助するうえで、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、リンゴ酸ナトリウムまたはそれらの組み合わせが好ましい。
【0016】
本発明の可溶化促進剤組成物には、微生物の増殖を抑制する観点から、安息香酸塩などの防腐剤(以下「成分(D)」と記載する場合がある。)を含有することが好ましい。防腐剤をいれることによりカビなどが発生することによる可溶化促進剤組成物の不安定化を抑制することができる。
【0017】
防腐剤としては、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、パラオキシ安息香酸イソブチル、パラオキシ安息香酸イソプロピル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸ブチル、及びパラオキシ安息香酸プロピル等を挙げることができる。これらの中から1種または2種以上を選択して用いることができる。中でも、安全性の面からで安息香酸ナトリウム、ソルビン酸カリウムまたはそれらの組み合わせが好ましい。
【0018】
本発明の可溶化促進剤組成物における各成分の含有量は、難水溶性物質及び後述する可溶化組成物の種類や目的によって異なり一概にいえないが、通常、次のとおりである。
【0019】
可溶化促進剤(成分(B))の含有量は、可溶化促進剤組成物中0.01〜40質量%であることが好ましい。可溶化促進剤の含有量が0.01質量%未満では、後述する可溶化組成物において良好な外観を維持しつつ、界面活性剤の配合量を低減する効果が十分に発揮できない場合がある。特に難水溶性物質が香料である場合は、可溶化組成物において良好な揮散性及び外観を維持しつつ、界面活性剤の配合量を低減する効果が十分に示されない。また、可溶化促進剤が40質量%より多いと、後述する可溶化組成物において難水溶性物質を可溶化できなかったり、たとえ可溶化できたとしても使用時に不溶物が析出したり溶液が濁ってしまう場合がある。
可溶化促進剤の含有量は、可溶化促進剤組成物中0.03質量%以上がより好ましく、0.05質量%以上がさらに好ましい。また、35質量%以下がより好ましく、30質量%以下がさらに好ましく、25質量%以下が特に好ましく、20質量%以下がなお好ましい。
【0020】
補助塩(成分(C))の含有量は、可溶化促進剤組成物中0.01〜40質量%であることが好ましい。補助塩の含有量が0.01質量%未満では、難水溶性物質の可溶化を補助する効果が不十分である場合がある。また、補助塩が40重量%より多いと、低温時に結晶が析出してしまう場合がある。
補助塩の含有量は、可溶化促進剤組成物中0.05質量%以上がより好ましく、0.09質量%以上がさらに好ましい。また、35質量%以下がより好ましく、30質量%以下がさらに好ましく、25質量%以下が特に好ましく、20質量%以下がなお好ましい。
【0021】
防腐剤(成分(D))の含有量は、可溶化促進剤組成物中0.001〜5質量%であることが好ましい。防腐剤の含有量が0.001質量%未満では、防腐効果が不十分なために、可溶化促進剤中にカビなどが増殖してしまい、品質を損ねてしまう場合がある。また、防腐剤が5質量%より多いと、可溶化促進効果を阻害してしまう場合がある。
防腐剤の含有量は、可溶化促進剤組成物中0.005質量%以上がより好ましく、0.01質量%以上がさらに好ましい。また、4質量%以下がより好ましく、3質量%以下がさらに好ましい。
【0022】
水性溶媒(成分(G))の含有量は、他の成分の残部であるが、通常、可溶化促進剤組成物中30〜99.98質量%であることが好ましい。水性溶媒の含有量が30質量%未満では、低温時に結晶が析出してしまう場合がある。また、水性溶媒が99.98質量%より多いと、難水溶性物質の可溶化を補助する効果が十分発揮されない場合がある。
水性溶媒の含有量は、可溶化促進剤組成物中35質量%以上がより好ましく、40質量%以上がさらに好ましい。また、99.69質量%以下がより好ましく、99.49質量%以下がさらに好ましい。なお、水性溶媒中の水溶性有機溶媒は必要に応じて適宜含有させることができるが、通常、可溶化促進剤組成物中、50質量%以下が好ましく、30質量%以下がより好ましい。
【0023】
本発明の可溶化促進剤組成物は、定法により、水性溶媒に各成分を溶解することよって得られる。例えば、水に、可溶化促進剤、補助塩及び防腐剤を溶解する方法が採用される。
【0024】
本発明の第三の態様に係る可溶化組成物は、可溶化促進剤組成物、陰イオン界面活性剤、非イオン界面活性剤、難水溶性物質及び水性溶媒を含有する。
【0025】
本発明の可溶化組成物に使用する陰イオン界面活性剤(以下「成分(E)」と記載する場合がある。)としては、例えば、アルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩(例えば、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム等)、N−アシルアミノ酸塩、アルキルエーテルカルボン酸塩、スルホン酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩及び脂肪酸石けん等を挙げることができ、これらの中から1種または2種以上を選択して用いることができる。
中でも、ジアルキルスルホコハク酸塩が好ましい。ジアルキルスルホコハク酸塩のアルキル基としては、炭素数4〜10の直鎖又は分岐鎖のアルキル基が好ましい。例えば、ノニル基、ペンチル基(アミル基)、オクチル基、シクロヘキシル基、エチルヘキシル基、ヘプチル基、ヘキシル基、イソブチル基、などが好ましい。ジアルキルスルホコハク酸塩の対イオンには、ナトリウムイオン、カリウムイオン、アンモニウムイオンが挙げられる。中でも、ナトリウムイオンが好ましい。
ジアルキルスルホコハク酸塩の具体例としては、ジイソブチルスルホコハク酸ナトリウム、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、ジヘキシルスルホコハク酸ナトリウム、ジアミルスルホコハク酸ナトリウム及びジシクロヘキシルスルホコハク酸ナトリウムなどが挙げられる。中でも、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウムが好ましい。
【0026】
本発明の可溶化組成物に使用する非イオン界面活性剤(以下「成分(F)」と記載する場合がある。)としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、アルキルアルカノールアミド、アルキルポリグルコシド、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール等を挙げることができ、これらの中から1種または2種以上を選択して用いることができる。中でも、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル及びポリオキシエチレン硬化ヒマシ油が好ましく;特にエチレンオキシドの付加モル数が5〜30であるポリオキシエチレンアルキルエーテル、エチレンオキシド及びプロピレンオキシドの付加モル数がそれぞれ5〜20であるポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、エチレンオキシドの付加モル数が10〜100であるポリオキシエチレン硬化ヒマシ油が好ましい。
【0027】
本発明の可溶化組成物に使用する水性溶媒としては、前記可溶化促進剤組成物の水性溶媒(成分(G))で例示したものと同じものを挙げることができる。通常は、水を用いることが好ましい。
【0028】
本発明の可溶化組成物における各成分の含有量は、難水溶性物質及び可溶化組成物の種類や目的によって異なり一概にいえないが、通常、次のとおりである。
【0029】
難水溶性物質(成分(A))の含有量は、可溶化組成物中0.03〜30質量%であることが好ましい。難水溶性物質の含有量が0.03質量%未満では、製品において難水溶性物質の効果を十分に発揮できない場合がある。特に難水溶性物質が香料の場合は、可溶化組成物において満足のいく香りの強さを得られない場合がある。また、難水溶性物質が30質量%より多いと、製品において難水溶性物質を可溶化するための界面活性剤の含有量が多く必要となる。特に難水溶性物質が香料の場合は、使用時における香料の揮散を阻害してしまう場合がある。
難水溶性物質の含有量は、これらの点も考慮し、使用する難水溶性物質の種類等に応じて適宜選択することが望ましい。
難水溶性物質の含有量は、可溶化組成物中0.05質量%以上がより好ましく、0.1質量%以上がさらに好ましい。また、25質量%以下がより好ましく、20質量%以下がさらに好ましく、18質量%以下が特に好ましく、15質量%以下がなお好ましい。
【0030】
可溶化促進剤(成分(B))の含有量は、可溶化組成物中0.01〜2質量%であることが好ましい。可溶化促進剤の含有量が0.01質量%未満では、良好な外観を維持しつつ、界面活性剤の配合量を低減する効果が十分に発揮できない場合がある。特に難水溶性物質が香料である場合は、良好な揮散性及び外観を維持しつつ、界面活性剤の配合量を低減する効果が十分に示されない。また、可溶化促進剤が2質量%より多いと、難水溶性物質を可溶化できなかったり、たとえ可溶化できたとしても使用時に不溶物が析出したり溶液が濁ってしまう場合がある。
可溶化促進剤の含有量は、可溶化組成物中0.03質量%以上がより好ましく、0.05質量%がさらに好ましい。また、1.8質量%以下がより好ましく1.5質量%以下がさらに好ましい。
本発明においては、可溶化組成物中の可溶化促進剤の含有量が、上記範囲になるように可溶化促進剤組成物の含有量を調整することが好ましい。
【0031】
補助塩(成分(C))の含有量は、可溶化組成物中0.005〜2質量%であることが好ましい。補助塩の含有量が0.005質量%未満では、難水溶性物質の可溶化を補助する効果が不十分である場合がある。また、補助塩が2重量%より多いと、低温時に結晶が析出してしまう場合がある。
補助塩の含有量は、可溶化組成物中0.01質量%以上がより好ましく、0.03質量%以上がさらに好ましい。また、1.8質量%以下がより好ましく、1.5質量%以下がさらに好ましい。
【0032】
防腐剤(成分(D))の含有量は、可溶化組成物において防腐効果を機能させる必要がある場合、任意成分として配合することができる。
防腐剤の含有量は、可溶化組成物中0.001〜5質量%であることが好ましい。0.001質量%未満であると、防腐効果が不十分なために、可溶化促進剤中にカビなどが増殖してしまい、品質を損ねてしまう場合がある。また、5質量%以上であると、可溶化促進効果を阻害してしまう場合がある。
防腐剤の含有量は、可溶化組成物中0.005質量%以上がより好ましく、0.01質量%がさらに好ましい。また、4質量%以下がより好ましく、3質量%以下がさらに好ましく、3質量%以下が特に好ましく、2質量%以下がなお好ましい。
【0033】
本発明においては、可溶化組成物中の補助塩または防腐剤の含有量が、上記範囲になるように可溶化促進剤組成物の含有量を調整することが好ましい。あるいは、必要に応じて、補助塩または防腐剤をさらに添加してもよい。
【0034】
陰イオン界面活性剤(成分(E))の含有量は、可溶化組成物中0.05〜20質量%であることが好ましい。陰イオン界面活性剤の含有量が0.05質量%未満では難水溶性物質を水に可溶化するためには不十分な場合がある。また、陰イオン界面活性剤の含有量が20質量%より多いと、経済的に好ましくない。特に難水溶性物質が香料の場合、不揮発分が多くなってしまい、使用時における香料の揮散を阻害してしまう場合がある。
陰イオン界面活性剤の含有量は、可溶化組成物中0.08質量%以上がより好ましく、0.1質量%以上がさらに好ましい。また、18質量%以下がより好ましく、15質量%以下がさらに好ましく、13質量%以下が特に好ましく、11質量%以下がなお好ましい。
【0035】
非イオン界面活性剤(成分(F))の含有量は、可溶化組成物中0.05〜20質量%であることが好ましい。非イオン界面活性剤の含有量が0.05質量%未満では難水溶性物質を可溶化するためには不十分な場合がある。また、非イオン界面活性剤の含有量が20質量%より多いと、経済的に好ましくない。特に難水溶性物質が香料の場合、不揮発分が多くなってしまい、使用時における香料の揮散を阻害してしまう場合がある。
非イオン界面活性剤の含有量は、可溶化組成物中0.08質量%以上がより好ましく、0.1質量%以上がさらに好ましい。また、18質量%以下がより好ましく、15質量%以下がさらに好ましく、13質量%以下が特に好ましく、11質量%以下がなお好ましい。
【0036】
水性溶媒の含有量は、他の成分の残部である。水性溶媒の含有量は用途によって大きく異なるが、通常、可溶化組成物中30〜99.8質量%であることが好ましい。なお、水性溶媒中の水溶性有機溶媒は必要に応じて適宜含有させることができる。可溶化組成物中の水溶性有機溶媒の含有量は、目的に応じて適宜決定されるべきであるが、通常、可溶化組成物中、60質量%以下が好ましく、30質量%以下がより好ましい。
水溶性有機溶媒としては、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール、ベンジルアルコール、エチルカルビトール(ジエチレングリコールモノエチルエーテル)、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ブチレングリコール、へキシレングリコール、グリセリン、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル等が挙げられる。これらの水溶性有機溶媒は、1種単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。
本発明においては、可溶化組成物中の水性溶媒の含有量が、可溶化促進剤組成物中の水性溶媒との合計で上記範囲になるように、水性溶媒の添加量を調整する。
【0037】
本発明で使用する難水溶性物質の具体例については、既に述べたとおりであるが、このうち香料について以下にさらに詳細に説明する。
本発明で使用する香料としては、芳香剤として使用できるものであれば特に制限されない。例えば、「Perfume and Flavor Chemicals 」,Vol.Iand II,Steffen Arctander,Allured Pub.Co.(1994);「合成香料 化学と商品知識」、印藤元一著、化学工業日報社(1996);「香りの百科」、日本香料協会編、朝倉書店(1989);「周知・慣用技術集(香料)第I部」(平成11年1月29日、特許庁発行);「Perfumery Material Performance V.3.3」,Boelens Aroma Chemical Information Service(1996);及び「Flower oils and Floral Compounds In Perfumery」,Danute LajaujisAnonis,Allured Pub.Co.(1993)などの文献に記載されている公知の合成香料及び天然香料を挙げることができる。
【0038】
具体的には、エステル類、アルコール類、アルデヒド類、ケトン類、アセタール類、フェノール類、エーテル類、ラクトン類、フラン類、炭化水素類、酸類、天然香料などを使用できる。
【0039】
エステル類としては、例えば、アクリル酸エステル(メチル、エチル等)、アセト酢酸エステル(メチル、エチル等)、アニス酸エステル(メチル、エチル等)、安息香酸エステル(アリル、イソアミル、エチル、ゲラニル、リナリル、フェニルエチル、ヘキシル、シス−3−ヘキセニル、ベンジル、メチル等)、アントラニル酸エステル(シンナミル、シス−3−ヘキセニル、メチル、エチル、リナリル、イソブチル等)、N−メチルアントラニル酸エステル(メチル、エチル等)、イソ吉草酸エステル(アミル、アリル、イソアミル、イソブチル、イソプロピル、エチル、オクチル、ゲラニル、シクロヘキシル、シトロネリル、テルペニル、リナリル、シンナミル、フェニルエチル、ブチル、プロピル、ヘキシル、ベンジル、メチル、ロジニル等)、イソ酪酸エステル(イソアミル、ゲラニル、シトロネリル、テルペニル、シンナミル、オクチル、ネリル、フェニルエチル、フェニルプロピル、フェノキシエチル、ブチル、プロピル、イソプロピル、ヘキシル、ベンジル、メチル、エチル、リナリル、ロジニル等)、ウンデシレン酸エステル(アリル、イソアミル、ブチル、エチル、メチル等)、オクタン酸エステル(アリル、イソアミル、エチル、オクチル、ヘキシル、ブチル、メチル、リナリル等)、オクテン酸エステル(メチル、エチル、等)、オクチンカルボン酸エステル(メチル、エチル等)、カプロン酸エステル(アリル、アミル、イソアミル、メチル、エチル、イソブチル、プロピル、ヘキシル、シス−3−ヘキセニル、トランス−2−ヘキセニル、リナリル、ゲラニル、シクロヘキシル等)、ヘキセン酸エステル(メチル、エチル等)、吉草酸エステル(アミル、イソプロピル、イソブチル、エチル、シス−3−ヘキセニル、トランス−2−ヘキセニル、シンナミル、フェニルエチル、メチル等)、ギ酸エステル(アニシル、イソアミル、イソプロピル、エチル、オクチル、ゲラニル、シトロネリル、シンナミル、シクロヘキシル、テルペニル、フェニルエチル、ブチル、プロピル、ヘキシル、シス−3−ヘキセニル、ベンジル、リナリル、ロジニル等)、クロトン酸エステル(イソブチル、エチル、シクロヘキシル等)、ケイ皮酸エステル(アリル、エチル、メチル、イソプロピル、プロピル、3−フェニルプロピル、ベンジル、シクロヘキシル、メチル等)、コハク酸エステル(モノメンチル、ジエチル、ジメチル等)、酢酸エステル(アニシル、アミル、α−アミルシンナミル、イソアミル、イソブチル、イソプロピル、イソボルニル、イソオイゲニル、オイゲニル、2−エチルブチル、エチル、3−オクチル、p−クレジル、o−クレジル、ゲラニル、α−又はβ−サンタリル、シクロヘキシル、シクロネリル、ジヒドロクミニル、ジメチルベンジルカルビニル、シンナミル、スチラリル、デシル、ドデシル、テルペニル、グアイニル、ネリル、ノニル、フェニルエチル、フェニルプロピル、ブチル、フルフリル、プロピル、ヘキシル、シス−3−ヘキセニル、トランス−2−ヘキセニル、シス−3−ノネニル、シス−6−ノネニル、シス−3,シス−6−ノナジエニル、3−メチル−2−ブテニル、ヘプチル、ベンジル、ボルニル、ミルセニル、ジヒドロミルセニル、ミルテニル、メチル、2−メチルブチル、メンチル、リナリル、ロジニル等)、サリチル酸エステル(アリル、イソアミル、フェニル、フェニルエチル、ベンジル、エチル、メチル等)、シクロヘキシルアルカン酸エステル(シクロヘキシル酢酸エチル、シクロヘキシルプロピオン酸アリル、シクロヘキシル酪酸アリル、シクロヘキシルへキサン酸アリル、シクロヘキシルデカン酸アリル、シクロヘキシル吉草酸アリル等)、ステアリン酸エステル(エチル、プロピル、ブチル等)、セバシン酸エステル(ジエチル、ジメチル等)、デカン酸エステル(イソアミル、エチル、ブチル、メチル等)、ドデカン酸エステル(イソアミル、エチル、ブチル等)、乳酸エステル(イソアミル、エチル、ブチル等)、ノナン酸エステル(エチル、フェニルエチル、メチル等)、ノネン酸エステル(アリル、エチル、メチル等)、ヒドロキシヘキサン酸エステル(エチル、メチル等)、フェニル酢酸エステル(イソアミル、イソブチル、エチル、ゲラニル、シトロネリル、シス−3−ヘキセニル、メチル等)、フェノキシ酢酸エステル(アリル、エチル、メチル等)、フランカルボン酸エステル(フランカルボン酸エチル、フランカルボン酸メチル、フランカルボン酸ヘキシル、フランプロピオン酸イソブチル等)、プロピオン酸エステル(アニシル、アリル、エチル、アミル、イソアミル、プロピル、ブチル、イソブチル、イソプロピル、ベンジル、ゲラニル、シクロヘキシル、シトロネリル、シンナミル、テトラヒドロフルフリル、トリシクロデセニル、ヘプチル、ボルニル、メチル、メンチル、リナリル、テルペニル、α−メチルプロピオニル、β−メチルプロピオニル等)、ヘプタン酸エステル(アリル、エチル、オクチル、プロピル、メチル等)、ヘプチンカルボン酸エステル(アリル、エチル、プロピル、メチル等)、ミルスチン酸エステル(イソプロピル、エチル、メチル等)、フェニルグリシド酸エステル(フェニルグリシド酸エチル、3−メチルフェニルグリシド酸エチル、p−メチル−β−フェニルグリシド酸エチル等)、2−メチル酪酸エステル(メチル、エチル、オクチル、フェニルエチル、ブチル、ヘキシル、ベンジル等)、3−メチル酪酸エステル(メチル、エチル等)、酪酸エステル(アニシル、アミル、アリル、イソアミル、メチル、エチル、プロピル、オクチル、グアイニル、リナリル、ゲラニル、シクロヘキシル、シトロネリル、シンナミル、ネリル、テルペニル、フェニルプロピル、β−フェニルエチル、ブチル、ヘキシル、シス−3−ヘキセニル、トランス−2−ヘキセニル、ベンジル、ロジニル等)、ヒドロキシ酪酸エステル(3−ヒドロキシ酪酸のメチル、エチル、メンチル等)などを使用できる。
【0040】
アルコール類としては、例えば、脂肪族アルコール(イソアミルアルコール 、2−エチルヘキサノール、1−オクタノール、3−オクタノール、1−オクテン−3−オール、1−デカノール、1−ドデカノール、2,6−ノナジエノール、ノナノール、2−ノナノール、シス−6−ノネノール、トランス−2,シス−6−ノナジエノール、シス−3,シス−6−ノナジエノール、ブタノール、ヘキサノール、シス−3−ヘキセノール、トランス−2−ヘキセノール、1−ウンデカノール、ヘプタノール、2−ヘプタノール、3−メチル−1−ペンタノール等); テルペンアルコール(ボルネオール、イソボルネオール、カルベオール、ゲラニオール、α−又はβ−サンタロール、シトロネロール、4−ツヤノール、テルピネオール、4−テルピネオール、ネロール、ミルセノール、ミルテノール、ジヒドロミルセノール、テトラヒドロミルセノール、ネロリドール、ヒドロキシシトロネロール、ファルネソール、ペリラアルコール、ロジノール、リナロール等);
芳香族アルコール(アニスアルコール、α−アミルシンナミックアルコール、イソプロピルベンジルカルビノール、カルバクロール、クミンアルコール、ジメチルベンジルカルビノール、シンナミックアルコール、フェニルアリルアルコール、フェニルエチルカルビノール、β−フェニルエチルアルコール、3−フェニルプロピルアルコール、ベンジルアルコール等)などを使用できる。
【0041】
アルデヒド類としては、例えば、脂肪族アルデヒド(アセトアルデヒド、オクタナール、ノナナール、デカナール、ウンデカナール、2,6−ジメチル−5−ヘプタナール、3,5,5−トリメチルヘキサナール,シス−3,シス−6−ノナジエナール、トランス−2,シス−6−ノナジエナール、バレルアルデヒド、プロパナール、イソプロパナール、ヘキサナール、トランス−2−ヘキセナール、シス−3−ヘキセナール、2−ペンテナール、ドデカナール、テトラデカナール、トランス−4−デセナール、トランス−2−トリデセナール、トランス−2−ドデセナール、トランス−2−ウンデセナール、2,4−ヘキサジエナール、シス−6−ノネナール、トランス−2−ノネナール、2−メチルブタナール、等);
芳香族アルデヒド(アニスアルデヒド、α−アミルシンナミックアルデヒド、α−メチルシンナミックアルデヒド、シクラメンアルデヒド、p−イソプロピルフェニルアセトアルデヒド、エチルバニリン、クミンアルデヒド、サリチルアルデヒド、シンナミックアルデヒド、o−,m−またはp−トリルアルデヒド、バニリン、ピペロナール、フェニルアセトアルデヒド、ヘリオトロピン、ベンズアルデヒド、4−メチル−2−フェニル−2−ペンテナール、p−メトキシシンナミックアルデヒド、p−メトキシベンズアルデヒド等);
テルペンアルデヒド(ゲラニアール、シトラール、シトロネラール、α−シネンサール、β−シネンサール、ペリラアルデヒド、ヒドロキシシトロネラール、テトラハイドロシトラール、ミルテナール、シクロシトラール、イソシクロシトラール、シトロネリルオキシアセトアルデヒド、ネラール、α−メチレンシトロネラール、マイラックアルデヒド、ベルンアルデヒド、サフラナール等)などを使用できる。
【0042】
ケトン類としては、例えば、環式ケトン(1−アセチル−3,3−ジメチル−1−シクロヘキセン、シスージャスモン、α−,β−又はγ−イロン、エチルマルトール、シクロテン、ジヒドロヌートカトン、3,4−ジメチル−1,2−シクロペンタジオン、ソトロン、α−,β−,γ−又はδ−ダマスコン、α−,β−又はγ−ダマセノン、ヌートカトン、2−sec−ブチルシクロヘキサノン、マルトール、α−,β−又はγ−ヨノン、α−,β−又はγ−メチルヨノン、α―,β−又はγ−イソメチルヨノン、フラネオール、カンファ等);
芳香族ケトン(アセトナフトン、アセトフェノン、アニシリデンアセトン、ラズベリーケトン、p−メチルアセトフェノン、アニシルアセトン、p−メトキシアセトフェノン等);
鎖式ケトン(ジアセチル、2−ノナノン、ジアセチル、2−ヘプタノン、2,3−ヘプタンジオン、2−ペンタノン、メチルアミルケトン、メチルノニルケトン、β−メチルナフチルケトン、メチルヘプタノン、3−ヘプタノン、4−ヘプタノン、3−オクタノン、2,3−ヘキサンジオン、2−ウンデカノン、ジメチルオクテノン、6一メチル−5−ヘプテン−2−オン等)などを使用できる。
【0043】
アセタール類としては、例えば、アセトアルデヒドジエチルアセタール、アセトアルデヒドジアミルアセタール、アセトアルデヒドジヘキシルアセタール、アセトアルデヒドプロピレシグリコールアセタール、アセトアルデヒドエチル シス−3−ヘキセニルアセタール、ベンズアルデヒドグリセリンアセタール、ベンズアルデヒドプロピレングリコールアセタール、シトラールジメチルアセタール、シトラールジエチルアセタール、シトラールプロピレングリコールアセタール、シトラールエチレングリコールアセタール、フェニルアセトアルデヒドジメチルアセタール、シトロネリルメチルアセタール、アセトアルデヒドフェニルエチルプロピルアセタール、ヘキサナールジメチルアセタール、ヘキサナールジヘキシルアセタール、ヘキサナールプロピレングリコールアセタール、トランス−2−ヘキセナールジエチルアセタール、トランス−2−ヘキセナールプロピレングリコールアセタール、シス−3−ヘキセナールジエチルアセタール、ヘプタナールジエチルアセタール、ヘプタナールエチレングリコールアセタール、オクタナールジメチルアセタール、ノナナールジメチルアセタール、デカナールジメチルアセタール、デカナールジエチルアセタール、2−メチルウンデカナールジメチルアセタール、シトロネラールジメチルアセタール、アンバーセージ(Givaudan社製)、アセト酢酸エチルエチレングリコールアセタールおよび2−フェニルプロパナールジメチルアセタールなどを使用できる。
【0044】
フェノール類としては、例えば、オイゲノール、イソオイゲノール、2−メトキシ−4−ビニルフェノール、チモール、カルバクロール、グアヤコールおよびチャビコールなどを使用できる。
【0045】
エーテル類としては、例えば、アネトール、1,4−シネオール、ジベンジルエーテル、リナロールオキシド、リモネンオキシド、ネロールオキシド、ローズオキシド、メチルイソオイゲノール、メチルチャビコール、イソアミルフェニルエチルエーテル、β−ナフチルメチルエーテル、フェニルプロピルエーテル、p−クレジルメチルエーテル、バニリルブチルエーテル、α−テルピニルメチルエーテル、シトロネリルエチルエーテル、ゲラニルエチルエーテル、ローズフラン、テアスピラン、デシルメチルエーテルおよびメチルフェニルメチルエーテルなどを使用できる。
【0046】
ラクトン類としては、例えば、γ−又はδ−デカラクトン、γ−ヘプタラクトン、γ−ノナラクトン、γ−又はδ−ヘキサラクトン、γ−又はδ−オクタラクトン、γ−又はδ−ウンデカラクトン、δ−ドデカラクトン、δ−2−デセノラクトン、メチルラクトン、5−ヒドロキシ−8−ウンデセン酸δ−ラクトン、ジャスミンラクトン、メンタラクトン、ジヒドロクマリン、オクタヒドロクマリンおよび6−メチルクマリンなどを使用できる。
【0047】
フラン類としては、例えば、フラン、2−メチルフラン、3−メチルフラン、2−エチルフラン、2,5−ジエチルテトラヒドロフラン、3−ヒドロキシ−2−メチルテトラヒドロフラン、2−(メトキシメチル)フラン、2,3−ジヒドロフラン、フルフラール、5−メチルフルフラール、3−(2−フリル)−2−メチル−2−プロペナール、5−(ヒドロキシメチル)フルフラール、2,5−ジメチル−4−ヒドロキシ−3(2H)−フラノン(フラネオール)、4,5−ジメチル−3−ヒドロキシ−2(5H)−フラノン(ソトロン)、2−エチル−4−ヒドロキシ−5−メチル−3(2H)−フラノン(ホモフラノオール)、5−エチル−3−ヒドロキシ−4−メチル−2(5H)フラノン(ホモソトロン)、3−メチル−1,2−シクロペンタンジオン(シクロテン)、2(5H)−フラノン、4−メチル−2(5H)−フラノン、5−メチル−2(5H)−フラノン、2−メチル−3(2H)−フラノン、5−メチル−3(2H)−フラノン、2−アセチルフラノン、2−アセチル−5−メチルフラン、フルフリルアルコール、2−フランカルボン酸メチル、2−フランカルボン酸エチル及び酢酸フルフリルなどを使用できる。
【0048】
炭化水素類としては、例えば、α−又はβ−ビザボレン、β−カリオフィレン、p−サイメン、テルピネン、テルピノーレン、カジネン、ファルネセン、リモネン、オシメン、ミルセン、α−又はβ−ピネン、1,3,5−ウンデカトリエン及びバレンセンなどを使用できる。
【0049】
酸類としては、例えば、ゲラン酸、ドデカン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸、乳酸、フェニル酢酸、ピルビン酸、トランス−2−メチル−2−ペンテン酸、2−メチル−シス−3−ペンテン酸、2−メチル−4−ペンテン酸及びシクロヘキサンカルボン酸などを使用できる。
【0050】
天然香料としては、例えば、アニス、オレンジ、レモン、ライム、マンダリン、プチグレイン、ベルガモット、レモンバーム、グレープフルーツ、エレミ、オリバナム、レモングラス、ネロリ、マジョラム、アンゲリカルート、スターアニス、バジル、ベイ、カラムス、カモミール、キャラウエイ、カルダモン、カッシャ、シナモン、ペッパー、シソ、サイプレス、オレガノ、カスカリラ、ジンジャー、パセリ、パインニードル、セージ、ヒソップ、ティートリー、マスタード、ホースラディッシュ、クラリセージ、クローブ、コニャック、コリアンダー、エストラゴン、ユーカリ、フェンネル、グアヤックウッド、ディル、カヤプテ、ワームシード、ピメント、ジュニパー、フェネグリーク、ガーリック、ローレル、メース、ミル、ナツメグ、スプルース、ゼラニウム、シトロネラ、ラベンダー、ラバンジン、パルマローザ、ローズ、ローズマリー、サンダルウッド、オークモス、シダーウッド、ベチバー、リナロエ、ボアドローズ、パチョリ、ラブダナム、クミン、タイム、イランイラン、バーチ、カプシカム、セロリ、トルーバルサム、ジェネ、インモルテル、ベンゾイン、ジャスミン、カッシー、チュベローズ、レセダ、マリーゴールド、ミモザ、オポポナックス、オリス、バニラ及びリコリスなどを使用できる。また、これらの天然香料に含有されている香料成分を抽出して使用することもできる。
【0051】
これらの香料は1種単独で使用してもよく、2種以上を任意に組み合わせて調香して使用することもできる。本発明の可溶化組成物中の香料の含有量は、使用する香料の種類等により異なるので一概にはいえないが、通常は0.1〜30質量%が好ましい。香料の含有量が少なすぎると満足のいく香りの強さが得られない場合がある。また、香料の含有量が多すぎると、香料を可溶化するための界面活性剤の含有量が多くなり、使用時における香料の揮散を阻害してしまう場合がある。香料の含有量は、これらの点も考慮し、使用する香料の種類等に応じて適宜選択することが望ましい。
【0052】
界面活性剤の濃度が高まることによる使用時の香料の揮散への悪影響、さらには香り立ちや香りの持続性への影響を抑えるため、香料1重量部あたりの陰イオン界面活性剤及び非イオン界面活性剤の配合量はできるだけ少ないことが望ましい。本発明では、香料1重量部あたりの陰イオン界面活性剤及び非イオン界面活性剤の含有量の合計が0.3〜1.4重量部であることが好ましい。香料1重量部あたりの陰イオン界面活性剤及び非イオン界面活性剤の合計含有量は少なければ少ないほど好ましく、香料の種類又は含有量によっても異なるので一概にはいえないが、1.2重量部以下がより好ましく、1重量部以下がさらに好ましい。香料1重量部あたりの陰イオン界面活性剤及び非イオン界面活性剤界面活性剤の合計含有量を上記範囲に調整することで使用している間に可溶化組成物の外観が損なわれることがない。香料1重量部あたりの陰イオン界面活性剤及び非イオン界面活性剤の合計含有量が0.3重量部未満では香料を透明な状態で可溶化できない場合がある。また、1.4重量部より多いと、界面活性剤の低減量が少なすぎて、界面活性剤を低減することによる効果を十分に得ることができない場合がある。
【0053】
本発明の可溶化組成物には、上記成分に加えて、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて、他の成分を配合してもよい。
【0054】
例えば、必要に応じて、油溶性有機溶剤を配合してもよい。油溶性有機溶剤としては、イソパラフィン、パラフィン、リモネン、ピネン、トリエチルシトレート、安息香酸ベンジル、ミリスチン酸イソプロピル、トリアセチン、シリコン等が挙げられる。
【0055】
また、必要に応じて、金属イオン封鎖剤、酸化防止剤、消臭剤、除菌剤、紫外線吸収剤、pH調整剤、陽イオン界面活性剤、両性イオン界面活性剤、白濁剤、殺虫成分、防虫成分、忌避成分、色素、甘味料等を配合してもよい。
【0056】
本発明の可溶化組成物は、難水溶性物質、前述した可溶化促進剤組成物、陰イオン界面活性剤、非イオン界面活性剤、水性溶媒及び必要に応じてその他の成分を所定の量比で混合することで調製することができる。なお、可溶化促進剤組成物は、上述した方法で別途調製したものを使用してもよいし、可溶化組成物の調製の際に可溶化促進剤組成物の各成分を所定の量比で混合することで調製してもよい。本発明の可溶化組成物は、特殊な装置を必要とすることなく、混合、攪拌という簡便な方法で製造することができる。
【0057】
本発明の可溶化組成物は、芳香剤基剤、化粧品基剤、医薬品基剤又は医薬部外品基剤をさらに組み合わせて用いることで、芳香剤、化粧品、医薬品又は医薬部外品などの製品を製造することができる。このような製品を調製する望ましい方法は、前述した可溶化組成物の調製の際又は調製後に、当該基剤を所定の量比で混合することである。
芳香剤基剤、化粧品基剤、医薬品基剤又は医薬部外品基剤として許容される成分としては、例えば、油脂、ロウ類、炭化水素、脂肪酸、アルコール、エステル、多価アルコール、フッ素油、保湿剤、皮膜剤、増粘剤、ゲル化剤、無機鉱物類、粉体、金属イオン封鎖剤、単糖、オリゴ糖、アミノ酸、ビタミン、ペプチド、タンパク質、コラーゲン、セラミド、植物抽出物、有機アミン、高分子、酸化防止剤、酸化防止助剤、皮膚栄養剤、細胞賦活剤、血流促進剤、美白剤、育毛剤、肌荒れ防止剤、抗しわ剤、収れん剤、抗炎症剤、薬理活性成分、紫外線吸収剤、有機溶媒、シリコン、酵素、温感剤、冷感剤、メントール、消臭剤、防腐剤、殺菌剤、除菌剤、pH調整剤、界面活性剤、消泡剤、殺虫成分、防虫成分、忌避成分、白濁剤、安定剤、充填剤、色素、香料、精油、甘味料等が挙げられ、必要に応じて適宜用いることができる。
【0058】
本発明の可溶化組成物を含む芳香剤の例としては水性液体芳香剤、スプレー式芳香剤、吸水性樹脂を使用したビーズ芳香剤等を例示することができる。
本発明の芳香剤は、従来から広く使用されている水性液体芳香剤を吸上げる吸液部材と、吸上げた水性液体芳香剤を揮散させるための揮散部材とを備えた容器に収納して水性液体芳香剤の形態で用いることができる。吸液部材及び揮散部材は、通常、植物繊維及びパルプ等の天然繊維;レーヨン、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレンなどの合成繊維;又はそれらの混合繊維などの繊維質材料で構成されている。例えば、特開平9−187495号公報及び特開2001−225884号公報で示されるような容器を使用することができる。また、例えば、特開2003−102825号公報及び特開2003−320005号公報で示されるような吸液部材と揮散部材とが一体化した部材を備えた容器を使用してもよい。
本発明の芳香剤は、部屋、玄関、トイレ、車中などで使用することができる。本発明の芳香剤を使用することにより、生活空間に所望の芳香を付与することができる。
【0059】
本発明の可溶化組成物からなる化粧品の例としては、香水、オーデコロン、ローション、乳液、クレンジング、サンスクリーン剤、アフターシェブローション、デオドラント、ボディローションなどの化粧品;ヘアトニック、ヘアスタイリング剤、ヘアコロンなどの毛髪用化粧品等を例示することができる。
本発明の可溶化組成物からなるトイレタリー製品の例としては、衣類用消臭スプレー、衣類用帯電防止剤、トイレ洗浄剤、住居用クリーナー、床用ワックス等を例示することができる。
本発明の可溶化組成物からなる医薬品の例としては、薬用化粧品、薬用ローション等を例示することができる。
本発明の可溶化組成物からなる医薬部外品の例としては、液体入浴剤、洗口液、忌避剤等を例示することができる。忌避剤の例としてはミストスプレータイプ、水性液体タイプ等を例示することができる。
【実施例】
【0060】
以下、実施例を用いて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定されるものではない。
【0061】
[実施例1〜8]
表1に示した配合処方に従って可溶化促進剤組成物を調製した。表中の配合量は質量%で示す。
【表1】
【0062】
[実施例9〜13、比較例1〜3]
表2に示した配合処方に従って調合香料可溶化組成物を調製し、目視により、配合直後の外観性状を観察した。結果を表2に示す。
【表2】
【0063】
[実施例14〜16、比較例4〜8]
表3に示した配合処方に従ってリモネン可溶化組成物を調製し、目視により、配合直後の外観性状を観察した。結果を表3に示す。
【表3】
【0064】
[実施例17]
表4に示した処方に従って水性液体芳香剤を調製した。
【表4】
【0065】
[実施例18]
表5に示した処方に従って衣類用消臭スプレーを調製した。
【表5】
【0066】
[実施例19]
表6に示した処方に従って洗口剤を調製した。
【表6】
【0067】
[実施例20]
表7に示した処方に従って液体入浴剤を調製した。
【表7】
【産業上の利用可能性】
【0068】
本発明の可溶化促進剤及び可溶化促進剤組成物を用いることにより、長時間保存しておいても透明安定性が優れ、商品イメージが良好であり、かつ安全性が高く、市場において高い評価を得ることができる可溶化組成物が提供される。本発明の可溶化組成物は、芳香剤、化粧品、トイレタリー製品、医薬品及び医薬部外品等として好適に用いられる。