(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6039275
(24)【登録日】2016年11月11日
(45)【発行日】2016年12月7日
(54)【発明の名称】携帯端末
(51)【国際特許分類】
H04M 1/00 20060101AFI20161128BHJP
G06F 13/00 20060101ALI20161128BHJP
【FI】
H04M1/00 K
G06F13/00 610C
【請求項の数】5
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2012-151978(P2012-151978)
(22)【出願日】2012年7月6日
(65)【公開番号】特開2014-17569(P2014-17569A)
(43)【公開日】2014年1月30日
【審査請求日】2015年6月30日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006633
【氏名又は名称】京セラ株式会社
(72)【発明者】
【氏名】▲浜崎▼ 正光
【審査官】
永田 義仁
(56)【参考文献】
【文献】
特開2007−089015(JP,A)
【文献】
特開2008−217731(JP,A)
【文献】
特開2011−066476(JP,A)
【文献】
特開平11−331369(JP,A)
【文献】
特開2009−290304(JP,A)
【文献】
特開2010−114642(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 13/00
H04M 1/00
H04M 1/24− 1/82
H04M 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
メールを受信するメール受信部と、
メールの着信を音または振動による鳴動によってユーザに通知する着信通知部と、
相手先のメールアドレスを格納するアドレス帳とを備える携帯端末において、
メールに含まれた重要度の情報と、該メールの送信元アドレスが前記アドレス帳に含まれているか否かに基づいて評価値を決定する評価部と、
少なくとも当該端末がスリープ状態であるか否かに基づいて、通知すべき評価値の閾値を決定する状況判断部を備え、
前記着信通知部は、前記評価値が前記閾値を満たさないメールの着信通知については鳴動させず、
前記重要度は段階的な重要度であり、
前記評価部は、
該メールの送信元アドレスが前記アドレス帳に含まれていない場合、
前記メールに含まれた重要度が最低の重要度でないときは前記評価値を前記メールに含まれた重要度を1段階下げた評価値とし、
前記メールに含まれた重要度が最低の重要度であるときは前記メールに含まれた重要度と同じ評価値とする、ことを特徴とする携帯端末。
【請求項2】
前記状況判断部は、さらに、時間帯に応じて閾値を決定することを特徴とする請求項1に記載の携帯端末。
【請求項3】
当該端末の位置を測定する位置測定部を備え、
前記状況判断部は、さらに、当該端末が自宅にいるか外出中であるかに応じて閾値を決定することを特徴とする請求項1または2に記載の携帯端末。
【請求項4】
当該端末の動きを検知する動き検知部を備え、
前記状況判断部は、さらに、当該端末が静止しているか移動中であるかに応じて閾値を決定することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の携帯端末。
【請求項5】
前記着信通知部は、前記状況判断部によって決定される閾値が変化したときに、鳴動による通知を行っておらず、かつ未読のメールについて、該メールの評価値が前記閾値を満たす場合には鳴動による通知を行うことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の携帯端末。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メール受信に際してユーザの使い勝手を向上させた携帯端末に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、携帯電話、PHS、スマートフォンなどの携帯端末においては、メールの送受信が可能になっている。現在はメールとして、SMS(Short Message Service)、MMS(Multimedia Messaging Service)、eメールのサービスが提供されている。
【0003】
SMSは着呼のヘッダの空きスペースを利用してデータを送信するものである。SMSはプッシュ式のコンテンツである。MMSは、SMSを先行受信したことを契機として、端末が通信事業者のサーバからhttpベースでデータを取得する仕組みである。MMSの本文はプル式で取得するが、先行受信するSMSがプッシュ式であるから、MMSは全体としてプッシュ式であると考えてよい。eメールは主としてPOP3サーバに端末からアクセスして受信チェックやデータの取得を行う。従ってeメールはプル式のコンテンツであるが、通常の携帯端末では受信チェックから本文取得までをバックグラウンドで自動的に行うようにセッティングされているため、ユーザにとってはプッシュ式と同等の感覚で利用されている。
【0004】
このように、携帯端末においてメールはプッシュ式のコンテンツとして動作し、ユーザの操作を要さずに受信が行われる。そして携帯端末はユーザに対して様々な通知機能で、例えば着信音、バイブレータの振動、ディスプレイ表示、または着信ランプの点滅などによって着信通知を行う。通常の携帯端末では、どの通知機能を用いて通知を行うかはユーザが設定することができる。着信音については、メロディや音量について設定可能になっている場合が多い。上記の通知機能のうち、音または振動、もしくはその両方による通知を、本稿では「鳴動」と称する。「鳴動」には、ディスプレイ表示および着信ランプの点滅を含まない。
【0005】
上記のように携帯端末におけるメールは、プッシュ式コンテンツの動作の特徴として自動的に着信し、ユーザに着信通知が行われる。したがって、ユーザの意図しないタイミングで、常に唐突に、着信通知が行われる。たしかにメールを受信したならば通知が行われることに利便性があるが、しかしながら実際のところ、メールには重要なものと不要なものがあり、また急を要するものとそうでないものがある。例えば広告メールのように重要性が低いメールについても、仕事中や講義中のように忙しいときや就寝中であっても、制限なく鳴動通知が行われてしまう。
【0006】
ここで、完全に不要なメールであって、メールアドレスや件名に含まれる文字列などの条件が事前にわかっていれば、迷惑メールフィルタなどを利用して排除することができる。しかしながら、フィルタの条件に合致しない不要なメールは着信してしまい、着信通知が行われてしまうという問題がある。また、排除されたメールはユーザが目にすることはなく、メールが送られてきたことすら知り得ないため、時間があるときなら見たいと思う場合にはフィルタをかけることができない。
【0007】
また、携帯端末をマナーモードに設定しておけば、着信通知で鳴動しないようにさせることができる。しかしながらこの場合は、いかなるメールについても鳴動が行われないため、重要なメールであっても着信に気づかないという問題がある。
【0008】
これらのことから、ユーザにとって重要なメールは鳴動通知が行われ、重要でないメールについては鳴動通知が行われないように動作することが望まれる。
【0009】
ところでメールには、付加情報(メタデータ)として重要度を設定できるようになっている。POP3のヘッダとしては「Importance」であるが、SMSやMMSにも同様の付加情報が定義されている。この重要度は、受信メール一覧においてユーザにそのメールの重要度を表示するために使用されている。
【0010】
携帯端末において重要度の情報を利用した技術としては、音声通話に関するものであるが、特許文献1がある。特許文献1には、発呼元端末が着呼先端末の電話番号に着信設定の優先度を示す番号を付加して着呼先端末へ送信し、着呼先端末は、送信された番号から着信設定の優先度を検出するとともに、この優先度に応じた着信動作を実行する着信設定通信方法および通信端末が開示されている。「優先度に応じた着信動作」の具体例としては、着信音のパターンやレベル(音量)、着信通知用LEDの動作を優先度に応じて変化させることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2008−141243号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら重要度の情報は、送信側のユーザが任意で付加する情報である。このため重要度の情報のみに頼ると、着信側のユーザにとって重要であるのに送信側が必ずしも重要度を高くして送信するとは限らず、また広告メールのような不要なメールに高い重要度が設定されて送られてくることも想定される。すなわち、重要度の情報は送信側のユーザの意図を反映するものであって、必ずしも受信側のユーザの希望に添うものではない。
【0013】
そこで本発明は、受信側と送信側の双方の意図を反映してそのメールの重要性を評価し、評価値と端末の状況に応じて鳴動を制御することにより、メール受信に際してユーザの使い勝手を向上させた携帯端末を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記課題を解決するために、本発明にかかる携帯端末の代表的な構成は、メールを受信するメール受信部と、メールの着信を音または振動による鳴動によってユーザに通知する着信通知部と、相手先のメールアドレスを格納するアドレス帳とを備える携帯端末において、メールに含まれた重要度の情報と、該メールの送信元アドレスがアドレス帳に含まれているか否かに基づいて評価値を決定する評価部と、少なくとも当該端末がスリープ状態であるか否かに基づいて、通知すべき評価値の閾値を決定する状況判断部を備え、着信通知部は、評価値が閾値を満たさないメールの着信通知については鳴動させないことを特徴とする。
【0015】
状況判断部は、さらに、時間帯に応じて閾値を決定することが好ましい。
【0016】
当該端末の位置を測定する位置測定部を備え、状況判断部は、さらに、当該端末が自宅にいるか外出中であるかに応じて閾値を決定することが好ましい。
【0017】
当該端末の動きを検知する動き検知部を備え、状況判断部は、さらに、当該端末が静止しているか移動中であるかに応じて閾値を決定することが好ましい。
【0018】
着信通知部は、状況判断部によって決定される閾値が変化したときに、鳴動による通知を行っておらず、かつ未読のメールについて、該メールの評価値が閾値を満たす場合には鳴動による通知を行うことが好ましい。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、メールに含まれる重要度の情報と送信元アドレスの登録の有無(評価値)、および携帯電話の状況(閾値)に応じて、重要でないメールについては鳴動通知が行われないように着信通知の鳴動を制御する。これにより、受信側と送信側の双方の意図を反映させることができ、広告メールなどの優先度の低いメールによってユーザが煩わされなくなるため、メール受信に際してユーザの使い勝手を向上させた携帯端末を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】実施形態にかかる携帯端末の構成を説明するブロック図である。
【
図5】閾値が変更されたときの動作を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値などは、発明の理解を容易とするための例示に過ぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
【0022】
図1は本実施形態にかかる携帯端末100の構成を説明するブロック図である。
【0023】
主制御部102は、端末全体の基本的な動作を制御する。主制御部102は、ユーザによって携帯端末100の操作が行われていないときはスリープ状態として画面表示をOFFし、タッチパネル機である場合にはタッチパネルからの入力を無効にする。
【0024】
メール受信部104は、外部のサーバからメールを受信する。通信経路は、3GやWiFiなどの無線通信、イーサネット(登録商標)などの有線通信などを利用する。メールの形式としてはSMS、MMS、eメールなどを利用することができる。
【0025】
着信通知部106は、ユーザに対しメールの着信を通知デバイス108によって通知する。通知デバイス108は、具体的にはスピーカ、バイブレータ、ディスプレイ、もしくは着信ランプである。着信通知部106は後述するように、評価値が閾値を満たさないメールの着信通知については鳴動させず、評価値が閾値を満たす場合に限り鳴動通知を行う。なお鳴動とは、スピーカからの音の出力またはバイブレータの振動をいう。
【0026】
アドレス帳110は携帯端末100が備えるデータベースであって、名称とメールアドレスとを登録することができる。
【0027】
評価部112は、メールの重要性を評価する。評価部112はメール受信部104からメールの送信元アドレスと、そのメールに含まれた優先度の情報とを取得する。そして評価部112は、取得した送信元アドレスに基づいてアドレス帳110を検索し、該メールの送信元アドレスがアドレス帳に含まれているかを判断する。そして、重要度の情報と登録の有無に基づいて評価値を決定する。
【0028】
図2は評価値の決定方法の例を説明する図である。本実施形態では、重要度は高中低の3段階であるものとする。登録ありの場合は、評価値は重要度と同じであるとする。登録なしの場合は、重要度の値にかかわらず評価値は低とする。なおこの例は一例に過ぎず、例えば登録なしの場合は評価を1ランクずつ落として、高中低を中低低とするように評価してもよい。
【0029】
このように、メールに含まれた重要度の情報と、メールの送信元アドレスがアドレス帳に含まれているか否かに基づいて評価値を決定することにより、まず広告メールのような急を有さないメールに重要度の情報が含まれていたとしても、送信元アドレスがアドレス帳に含まれていないのであるから、評価値を下げることができる。すなわち、送信者の意図にかかわらず、受信者の意図を反映させることができる。一方、登録がある場合においては、送信者が付与した重要度の情報を評価値に反映させることができるため、送信者の意図を反映させることができる。
【0030】
図1に戻って、状況判断部114は、携帯端末100の状況(状態)を取得して、着信を通知すべき評価値の閾値を決定する。状況判断部114は、端末の状況に対して閾値を設定した閾値テーブル116を備えている。
【0031】
図3は閾値テーブル116の例を説明する図である。閾値テーブル116は、状況判断部114が取得する携帯端末100の状況(状態)に対して、閾値を記憶したデータベースである。なお閾値は、ユーザが設定変更可能にすることが好ましい。
【0032】
状況判断部114は少なくとも主制御部102から当該端末がスリープ状態であるか否かを取得し、少なくともスリープ状態の有無に基づいて閾値を決定する。
図3に示す例では、携帯端末100が操作中であるとき、すなわちスリープ状態でないときには、閾値は「全て」とする。携帯端末100を操作中であるなら、メールの着信で鳴動しても迷惑になるとは考えにくいためである。携帯端末100がスリープ状態であるときは、さらに細分化して閾値を設定している。
【0033】
状況判断部114は携帯端末100のシステムクロック120から現在時刻を取得し、時間帯に応じて閾値を決定する。時間帯とは、
図3では活動時間帯である「朝/昼」、同じく活動時間帯である「夜」、就寝時間帯である「深夜/早朝」に分けている。
【0034】
また状況判断部114は、携帯端末100が備える位置測定部122(GPSや基地局を用いた測位システムなど)を用いて、携帯端末100が自宅にいるか外出中であるかを判断する。そして、この携帯端末100の位置に応じて閾値を決定する。
【0035】
また状況判断部114はさらに、携帯端末100が備える動き検知部124から、当該端末が静止しているか移動中であるかを取得する。そして、端末の移動中/静止中に応じて閾値を決定する。
【0036】
図3に示す閾値テーブル116の例では、スリープ状態に加えて現在時刻、位置、移動中/静止中の全ての条件に応じて、閾値を設定しうるように示している。しかしこの構成は例示に過ぎず、現在時刻、位置、移動中/静止中の一部の条件を用いてもよいし、1つも用いなくともよい。少なくともスリープ状態に基づいて閾値を決定すればよい。
【0037】
図4はメール着信時の動作を説明する図である。
図4のフローチャートの前提として、状況判断部114は事前に閾値を決定しているものとする。まずメール受信部104がメールを受信する(ステップ200)。これを契機として、評価部112が上記のようにして評価値を決定する(ステップ202)。
【0038】
着信通知部106は、評価部112から評価値を取得し、また状況判断部114から閾値を取得して、評価値と閾値を比較する(ステップ204)。そして評価値が閾値以上であったら、通知デバイス108を制御し、鳴動通知を行う(ステップ206)。
【0039】
一方、評価値が閾値を満たさない場合には、鳴動させない(ステップ208)。ただしこの場合においても、画面表示や着信ランプによる通知は行ってよい。最後に、そのメール着信通知の際に鳴動させたか否かについてのフラグを保存してから(ステップ210)、動作を終了する。
【0040】
図5は閾値が変更されたときの動作を説明する図である。状況判断部114は、継続的に上記のようにして閾値を決定する(ステップ220)。状況判断部114は、閾値が変化したか否かを判断し(ステップ222)、変化していなければ閾値の決定(ステップ220)にループする。閾値が変化していたら、着信通知部106に変化後の閾値を通知する(ステップ224)。
【0041】
着信通知部106は変化後の閾値を取得すると、メール受信部104から、鳴動通知を行っておらず、かつ未読のメールについて抽出する(ステップ226)。そしてそのメールの評価値と変化後の閾値とを比較し(ステップ228)、評価値が閾値以上であったら鳴動通知を行い(ステップ230)、評価値が閾値を満たさない場合には鳴動させない(ステップ232)。抽出したメールの全件について処理を行ったかどうか判断し(ステップ234)、残りがある場合には評価値と閾値の比較に戻り(ステップ228)、全件を処理した場合には動作を終了する。
【0042】
上記説明したように、本発明によれば、メールに含まれる重要度の情報と送信元アドレスの登録の有無(評価値)、および携帯電話の状況(閾値)に応じて、重要でないメールについては鳴動通知が行われないように着信通知の鳴動を制御する。重要度の情報は送信側が付与する情報であるが、その他の情報は受信側の情報(状態または状況)である。これにより、受信側と送信側の双方の意図を反映させることができ、広告メールなどの優先度の低いメールによってユーザが煩わされなくなるため、メール受信に際してユーザの使い勝手を向上させた携帯端末を提供することができる。
【0043】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【産業上の利用可能性】
【0044】
本発明は、メール受信に際してユーザに鳴動通知を行う携帯端末に利用することができる。
【符号の説明】
【0045】
100…携帯端末、102…主制御部、104…メール受信部、106…着信通知部、108…通知デバイス、110…アドレス帳、112…評価部、114…状況判断部、116…閾値テーブル、120…システムクロック、122…位置測定部、124…動き検知部