特許第6039276号(P6039276)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6039276
(24)【登録日】2016年11月11日
(45)【発行日】2016年12月7日
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G06F 13/42 20060101AFI20161128BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20161128BHJP
【FI】
   G06F13/42 350Z
   H04N1/00 C
【請求項の数】5
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2012-153692(P2012-153692)
(22)【出願日】2012年7月9日
(65)【公開番号】特開2014-16791(P2014-16791A)
(43)【公開日】2014年1月30日
【審査請求日】2015年7月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099324
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 正剛
(72)【発明者】
【氏名】関 広高
【審査官】 田上 隆一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−213237(JP,A)
【文献】 特開2005−061269(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 13/42
H04N 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1制御手段と、
負荷が接続されており、前記第1制御手段からの指示に基づき該負荷を制御する第2制御手段と、
前記第1制御手段から前記第2制御手段にデータを送信する第1通信ラインと、
前記第2制御手段から前記第1制御手段にデータを送信する第2通信ラインとを有する画像形成装置であって、
前記第1制御手段は、前記第2制御手段に前記指示を送信し、前記第2制御手段から前記指示に対する返信を受信し、
前記第2制御手段は、
データを保持する保持手段と、
前記第1通信ラインを介して前記第1制御手段からの前記指示を受信すると前記第2通信ラインを用いて前記第1制御手段に前記返信を行うとともに、前記第1通信ラインを介して前記第1制御手段から特定のモードに設定するための指示を受信したときに、設定された周期に基づいて、前記保持手段に保持されているデータを、定期的に前記第2通信ラインを介して前記第1制御手段に送信する処理手段と、を有し、
前記処理手段は、前記特定のモードにおいて、
前記周期に基づいて前記保持手段保持するデータを送信するタイミングを決定し、
前記決定されたタイミングが、前記第1通信ラインを介し前記第1制御手段から前記指示受信する第1状態及び前記第2通信ラインを介して前記第1制御手段に前記返信を行う第2状態であるかを判断し、前記第1状態及び前記第2状態のいずれでもない場合は前記保持手段に保持されているデータを送信し、前記第1状態または前記第2状態である場合は、前記保持手段に保持されているデータの送信のタイミングを遅延させて、前記返信と重ならないように前記保持手段に保持されているデータを送信することを特徴とする、
画像形成装置。
【請求項2】
前記第2制御手段は、
前記第1通信ライン介して前記第1制御手段からの前記指示を適切に受信できたか否かを判定する判定手段を有し、
前記返信は、前記判定手段の判定結果であることを特徴とする、
請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記第1制御手段からの前記指示は、コマンドデータと前記保持手段におけるアドレスを示すデータと巡回冗長データとを含み、
前記判定手段は、受信した前記第1制御手段からの前記指示から算出した巡回冗長データと、前記第1制御手段からの前記指示に含まれる巡回冗長データとから、前記第1制御手段からの前記指示を適切に受信できたか否かを判定することを特徴とする、
請求項2記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記処理手段は、前記遅延されたタイミングにて前記保持手段に保持されている前記データを読み出すことを特徴とする、
請求項1乃至3のいずれか1項記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記第1制御手段からの前記指示には書き込み指示と読み出し指示とがあり
前記書き込み指示は、書き込み指示を示すコマンドと、前記保持手段におけるアドレスを示すデータと、前記保持手段におけるアドレスに書き込むデータと、巡回冗長データとを含み
前記読み出し指示は、読み出し指示を示すコマンドと、前記保持手段におけるアドレスを示すデータと、ダミーデータと、巡回冗長データとを含み
前記書き込み指示と前記読み出し指示とは同一のビット長であることを特徴とする、
請求項1記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、第1制御部及び負荷が接続される第2制御部を用いて画像形成を制御する画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式を用いた画像形成装置には、紙等の記録材を搬送する搬送機能、画像を生成する作像機能、記録材に画像を定着させる定着機能等の画像形成に必要な機能がある。これらの機能を1個のCPU(Central Processing Unit)により実現する場合、CPUの処理負荷が増大して、全体の処理が遅くなる問題がある。また、CPUからモータ等のアクチュエータが接続される基板までの配線の配置が複雑になる。そのために、これらの機能を実現する複数の制御モジュールにより、画像形成装置の動作を分散制御する方が望ましい。各制御モジュールは、CPUを有しており、機能実現のための処理を実行する。
【0003】
複数の制御モジュールのCPU間のデータの送受信には、シリアル通信が用いられる。各制御モジュールに内蔵されているCPU(以下、「サブCPU」という。)により、各制御モジュールは、モータ等の負荷ドライバの制御を行う。サブCPUが制御する負荷ドライバの数の増加に伴い、シリアル通信におけるデータの通信量が増加する。
特許文献1には、単一の伝送線において上り方向と下り方向で通信レートを変えることで、シリアル通信による伝送量を増加させる装置が記載されている。特許文献2には、シリアル伝送線に加え、増加するオプション装置に専用線を設けた装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平09−93231号公報
【特許文献2】特開2007−147906号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
画像形成装置のシリアル通信として、送信線と受信線の2線、クロック線と送受信線の2線、あるいはクロック線、送信線、及び受信線の3線を用いた構成が知られている。画像形成装置は、紙をジャムらせることなく搬送する必要があるため、紙搬送を制御するための制御シーケンスが極めて重要である。例えば紙等の記録材を搬送する場合には、まず、搬送するためのモータの速度を決定し、その後にモータの回転を開始する必要がある。しかし、モータの速度を決定するためのシリアル通信がノイズ等により成立せずにモータの速度が決定しなかった場合、モータの速度を決定する前に、モータの回転開始のためのシリアル通信が正常に成立してしまう可能性が生じる。この場合、モータを適切な速度で回転させることができず、ジャム等が発生する。そのために、従来は、毎回、シリアル通信が確実に成立したことを確認した後、次の通信を開始している。シリアル通信をこのように行うことにより、正常に制御シーケンスを実行することができ、正常な画像形成動作を実行することができる。このように、画像形成動作の制御シーケンスを正常に実行するためには、通信が成立したことを確認することが重要である。
一方、画像形成動作の制御シーケンスを正常に実行するためには、ある情報を定期的に取得する必要がある。例えば、記録材の搬送を高精度に制御するためには、記録材の搬送状態を検知するセンサの出力結果を定期的に取得する必要がある。
ここで、この情報を定期的に取得するために、通信が成立したことを確認するための通信が遅延してしまうと、画像形成動作の制御を適切に実行できなくなる可能性がある。
【0006】
本発明は、以上のような従来の問題に鑑み、設定された周期に基づく第2制御部の保持部に保持されているデータの第1制御部への送信が、第1制御部からの指示に対する第2制御部の第1制御部への返信を遅延させないようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決する本発明の画像形成装置は、第1制御手段と、負荷が接続されており、前記第1制御手段からの指示に基づき該負荷を制御する第2制御手段とを有する。また、画像形成装置は、前記第1制御手段から前記第2制御手段にデータを送信する第1通信ラインと、前記第2制御手段から前記第1制御手段にデータを送信する第2通信ラインとを有する。
前記第1制御手段は、前記第2制御手段に前記指示を送信し、前記第2制御手段から前記指示に対する返信を受信する。前記第2制御手段は、データを保持する保持手段と、処理手段とを有する。処理手段は、前記第1通信ラインを介して前記第1制御手段からの前記指示を受信すると前記第2通信ラインを用いて前記第1制御手段に前記返信を行う。また処理手段は、前記第1通信ラインを介して前記第1制御手段から特定のモードに設定するための指示を受信したときに、設定された周期に基づいて、前記保持手段に保持されているデータを、定期的に前記第2通信ラインを介して前記第1制御手段に送信する。
前記処理手段は、前記特定のモードにおいて、前記周期に基づいて前記保持手段が保持するデータを送信するタイミングを決定し、前記決定されたタイミングが、前記第1通信ラインを介し前記第1制御手段から前記指示受信する第1状態及び前記第2通信ラインを介して前記第1制御手段に前記返信を行う第2状態であるかを判断し、前記第1状態及び前記第2状態のいずれでもない場合は前記保持手段に保持されているデータを送信し、前記第1状態または前記第2状態である場合は、前記保持手段に保持されているデータの送信のタイミングを遅延させて、前記返信と重ならないように前記保持手段に保持されているデータを送信することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明は、設定された周期に基づく第2制御手段の保持手段に保持されているデータの第1制御手段への送信のタイミングを遅延させることで、第1制御手段からの指示に対する第2制御手段の第1制御手段への返信の遅延を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施形態の画像形成装置の概観図。
図2】画像形成部の詳細な構成図。
図3】制御モジュールの構成例示図。
図4】作像モジュールの一部の構成図。
図5】データの通信プロトコルの例示図。
図6】スレーブ制御部がデータを受信して返信するまでの処理フローを表すフローチャート。
図7】常時リードデータの転送フローを表すフローチャート。
図8】作像モジュールの準備シーケンスを表すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0011】
図1は、本実施形態のシリアル通信装置を適用した画像形成装置1000の概観図である。
画像形成装置1000は、自動原稿搬送部(DF:Document Feeder)100、画像読取部200、画像形成部300、及び操作部10を備える。画像読取部200は、画像形成部300上に設けられる。画像読取部200上には、自動原稿搬送部100が取り付けられている。画像形成装置1000を構成するこれらの構成要素は、複数の制御部により分散制御される。各制御部には、CPUや専用の半導体装置等を用いることができる。
【0012】
自動原稿搬送部100は、原稿を自動的に原稿台ガラス上に搬送する。画像読取部200は、自動原稿搬送部100から搬送された原稿を読み取って画像データを出力する。画像形成部300は、画像読取部200から出力された画像データやネットワークを介して外部装置から入力された画像データに基づく画像を、紙等の記録材に形成する。操作部10は、ユーザが各種操作を行うためのGUI(Graphical User Interface)を有する。操作部10は、例えばタッチパネル等を備えたディスプレイにより構成されており、ユーザに対して情報を提示可能である。
【0013】
[画像形成部]
図2は、画像形成部300の詳細な構成図である。画像形成部300は、電子写真方式を採用している。図2において、符号末尾のアルファベットY、M、C、Kは、それぞれイエロー、マゼンダ、シアン、ブラックの各色を表す。なお、以下の説明で全色を表す場合には、符号末尾のアルファベットY、M、C、Kを省略して説明する。
【0014】
フルカラー静電画像を形成するための像形成体である感光ドラム(以下、「感光体」と称する。)225は、モータからの駆動力によって図中矢印Aの方向に回転する。感光体225の周囲には、一次帯電部221、露光部218、現像部223、転写部220、クリーナ部222、及び除電部271が設けられている。
【0015】
現像部223Kはモノクロ現像のための現像モジュールであり、感光体225K上に形成された潜像をブラックのトナーで現像する。現像部223Y、M、Cはカラー現像のための現像モジュールであり、現像部223Y、M、Cは、感光体225Y、M、C上に形成された潜像を、それぞれイエロー、マゼンダ、シアンの各トナーで現像する。感光体225上で現像された各色のトナー像は、転写部220によって中間転写体である転写ベルト226に多重転写され、4色のトナー像が重ね合わされる。
【0016】
転写ベルト226は、ローラ227、228、229に張架される。ローラ227は、駆動源からの駆動力により転写ベルト226を駆動する駆動ローラである。ローラ228は、転写ベルト226の張力を調節するテンションローラである。ローラ229は、二次転写部231としての転写ローラのバックアップローラである。転写ローラ脱着ユニット250は、二次転写部231を転写ベルト226に当接、離間するための駆動ユニットである。二次転写部231を通過後の転写ベルト226の下部には、クリーナーブレード232が設けられており、転写ベルト226上の残留トナーが掻き落とされる。
【0017】
カセット240、241及び手差し給紙部253に収納される記録材は、給紙ローラ対235及びレジストローラ255により二次転写部231と転写ベルト226との当接部(ニップ部)に給送される。その際、二次転写部231は、転写ローラ脱着ユニット250によって転写ベルト226に当接される。転写ベルト226上に形成されたトナー像は、ニップ部で記録材上に転写される。記録材に転写されたトナー像は、定着部234によって、記録材に熱定着される。そして、トナー像が定着された記録材は外部に排紙される。
【0018】
カセット240、241及び手差し給紙部253は、それぞれ記録材の有無を検知するための検知センサ243、244、245を備える。また、カセット240、241及び手差し給紙部253は、それぞれ記録材のピックアップ不良を検知するための給紙センサ247、248、249を備える。カセット240、241に収納された記録材は、ピックアップローラ238、239により1枚ずつ縦パスローラ対236、237を介して給紙ローラ対235に搬送される。手差し給紙部253に収納された記録材は、ピックアップローラ254により1枚ずつ給紙ローラ対235に搬送される。
【0019】
画像形成部300の画像形成動作について説明する。画像形成の開始指示に応じて、カセット240、241及び手差し給紙部253に収納された記録材は、ピックアップローラ238、239、254により1枚ずつに給紙ローラ対235に搬送される。記録材は、給紙ローラ対235によりレジストローラ255へ搬送される。レジストセンサ256はレジストローラ255の上流に配置されており、記録材の通過を検知する。
【0020】
レジストセンサ256による記録材の通過の検知に応じて、給紙ローラを停止させる。これにより、記録材は、停止しているレジストローラ255に当接して停止する。このとき記録材の先端が、搬送経路に対して垂直になるように記録材の姿勢が調整される。以下、この処理を位置補正と称する。位置補正は、以降の処理において、記録材に形成される画像の傾きを低減するために行われる。位置補正後、レジストローラ255を起動させて搬送動作を再開し、記録材を二次転写部231へ搬送する。なお、レジストローラ255は、クラッチを介して駆動源に結合されている。
【0021】
一方、感光体225の表面は、電圧が印加された一次帯電部221によって所定の電位で一様にマイナス帯電される。そして、露光部218が帯電された感光体225の表面を露光し、潜像を形成する。露光部218はプリンタ制御I/F(インタフェース)215を介してコントローラ460から送られてくる画像データに基づいてレーザー光をオン、オフする。
【0022】
現像部223の現像ローラには色毎に予め設定された現像バイアスが印加される。現像ローラは、トナーを用いて潜像を現像し、トナー像を形成する。トナー像は、転写部220により転写ベルト226に転写され、さらに二次転写部231で、搬送されてきた記録材に転写される。トナー像が転写された記録材は、搬送パス268を通過し、定着搬送ベルト230によって定着部234へ搬送される。
【0023】
定着部234における定着前帯電器251、252は、トナーの吸着力を補って画像乱れを防止するために、記録材に転写されたトナー像を帯電する。そして、定着ローラ233は、トナー像を記録材に熱定着する。トナー像が定着された記録材は排紙ローラ270により搬送され、排紙フラッパ257により排紙パス258側に切り替えられた搬送パスを介して排紙トレー242に排紙される。
【0024】
感光体225上に残留するトナーは、クリーナ部222によって除去され、回収される。感光体225は、除電部271により一様にゼロボルト付近まで除電される。
【0025】
両面印刷を行う場合には、記録材の表面に画像が形成された後に、記録材を排紙トレー242に排紙せず、引き続き記録材の裏面に画像を形成する。記録材の裏面に画像を形成する場合の動作について詳細に説明する。裏面に画像形成を行なう場合、センサ269の記録材検知に応じて、排紙フラッパ257が搬送パスを裏面パス259側に切り替える。反転ローラ260が裏面パス259を通過した記録材を両面反転パス261に搬送する。記録材は、送り方向幅の分だけ両面反転パス261に搬送された後に、反転ローラ260の逆回転駆動により進行方向が切り替えられる。そして、両面パス搬送ローラ262が、表面が下向きになっている記録材を両面パス263に搬送する。
【0026】
記録材は、両面パス263を再給紙ローラ264に向かって搬送される。再給紙センサ265による記録材の通過検知に応じて(本実施形態では所定の時間経過後)、搬送動作を中断する。記録材は、停止している再給紙ローラ264に当接して停止する。このとき記録材の先端が、搬送経路に対して垂直になるように記録材の姿勢が調整される。以下、この処理を再位置補正と称する。
【0027】
再位置補正は、記録材の裏面に形成される画像の傾きを低減するために行われる。再位置補正後、再給紙ローラ264を起動する。再給紙ローラ264は、表裏が逆転した状態の記録材を、再度、給紙パス266上に搬送する。その後の画像形成動作については、上述した画像形成動作と同じであるため省略する。両面に画像形成された記録材は、排紙トレー242に排紙される。
【0028】
なお、画像形成部300は、両面印刷時においても、記録材の連続給送が可能である。しかしながら、画像形成部300は、記録材への画像形成や形成されたトナー像の定着などを行うための機構は1系統しか有していないため、表面への印刷と裏面への印刷を同時に行うことはできない。したがって、両面印刷時には、画像形成部300に対し、カセット240、241及び手差し給紙部253からの記録材と、裏面印刷のために反転させて再度給送された記録材とが、交互に画像形成される。
【0029】
画像形成部300は、図2を用いて説明した各構成要素を、搬送モジュールA、搬送モジュールB、作像モジュール、定着モジュールの4つのモジュールに仕分けている。そして、4つの制御モジュールが各々自律して、対応するモジュールに属する構成要素を制御する。また、マスタモジュール306が、これらの4つの制御モジュールを連携させて機能させるために、これら4つの制御モジュールを統括して制御する。図3は、これらの制御モジュールの構成例示図である。
【0030】
マスタ制御部301は、プリンタ制御I/F215を介してコントローラ460から送られる指示及び画像データに基づいて画像形成部300全体の動作制御を行う。画像形成を実行するための搬送モジュールA302、搬送モジュールB303、作像モジュール304、及び定着モジュール305は、各モジュールの動作を制御するサブマスタ制御部310、320、330、340を備える。サブマスタ制御部310、320、330、340はマスタ制御部301により制御される。これらの制御モジュールの各々は、機能実現のための構成要素の制御を行うスレーブ制御部311〜314、321、322、331〜335、341、342を備える。スレーブ制御部311〜314はサブマスタ制御部310により制御される。スレーブ制御部321、322はサブマスタ制御部320により制御される。スレーブ制御部331〜335はサブマスタ制御部330により制御される。スレーブ制御部341、342はサブマスタ制御部340により制御される。
【0031】
マスタ制御部301と複数のサブマスタ制御部310、320、330、340とは、1対1接続(ピアツーピア接続)型のシリアル通信バス350〜353を介して接続される。サブマスタ制御部310は、シリアル通信バス360〜363を介して複数のスレーブ制御部311〜314の各々に1対1接続される。同様にサブマスタ制御部320は、シリアル通信バス370、371を介して、スレーブ制御部321、322の各々に接続される。サブマスタ制御部330は、シリアル通信バス380〜384を介して、スレーブ制御部331〜335の各々に1対1接続される。サブマスタ制御部340は、シリアル通信バス390、391を介して、スレーブ制御部341、342の各々に接続される。
【0032】
図4は作像モジュール304の一部の構成図である。
サブマスタ制御部330は、CPU401、サブマスタ通信制御部404、RAM(Random Access Memory)402、及びROM403(Read Only Memory)を有する。CPU401は、画像形成装置1000の機能の一つである作像に関わる動作及びシーケンスの制御を行う。RAM402は、CPU401の一時記憶領域として用いられる。ROM403は、作像に関わる動作及びシーケンス制御を行うためのプログラムを格納する。サブマスタ通信制御部404は、シリアル通信バス380tx、380rxを介して、スレーブ制御部331と1対1のシリアル通信を行う。サブマスタ制御部330は、シリアル通信バス380txを介して、スレーブ制御部331により実行される処理を指示するコマンド、処理に必要なデータ等を含む送信データを送信する。スレーブ制御部331は、サブマスタ制御部330から受信したコマンドおよびデータに基づき、スレーブ制御部331に接続されている負荷を制御する。サブマスタ制御部330は、スレーブ制御部331の動作を制御することにより、スレーブ制御部331に接続されている負荷によって行われている作像に関する処理を統括的に制御する。
【0033】
スレーブ制御部331は、サブマスタ制御部330のCPU401により、シリアル通信バス380を介して制御される。スレーブ通信制御部405は、サブマスタ制御部330から受信したデータを指定されたレジスタ部407に書き込む。転送周期制御部406は、サブマスタ制御部330へレジスタ部407に格納されたレジスタ情報を転送するための基準周期を計測する。レジスタ部407は、サブマスタ制御部330から送信された送信データを格納する。スレーブ制御部331は、CPU412、ROM413、及びRAM414を有する。CPU412は、受信したデータを適切に受信できたか否かの判断、受信した指示に応じた処理および後述する常時リード処理に関する処理を、ROM413に格納されているプログラムに基づき実行する。レジスタ部407は、スレーブ制御部331により動作を制御するポリゴンミラー駆動モータ415、ドラムモータ425、ローラ駆動モータ435、昇圧コイル445等の状態や、スレーブ制御部331の状態を表すデータを格納する。ポリゴンミラー駆動モータ415、ドラムモータ425、ローラ駆動モータ435、昇圧コイル445等の状態や、スレーブ制御部331自身の状態を表すデータがレジスタ情報の一例となる。
【0034】
ACC/DEC制御部408は、ポリゴンミラー駆動モータ415を回転駆動する駆動部である。ACC/DEC制御部408は、予め決められた周期でポリゴンミラーを回転させるためのモータであるポリゴンミラー駆動モータ415の加速制御及び減速制御を行う。
ドラムモータ制御部409は、感光体225Yを回転駆動するモータであるドラムモータ425の駆動部である。図示しないが、感光体225M、225C、225Kの制御に関わるスレーブ制御部も同様の構成である。各スレーブ制御部により、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックが個別制御される。
ローラ駆動制御部410は、転写ベルト226を所定速度で回転させるローラ227の駆動制御を行うために、ローラ227を回転駆動するローラ駆動モータ435を、制御する。
高圧生成制御部411は、昇圧コイル445を駆動するためのPWM(Pulse Width Modulation)信号を生成する。昇圧コイル445は、一次帯電のための電圧を生成する。一次帯電部221M、221C、221Kも同様に図示しない他のスレーブ制御部によって制御される。
これら一連の制御が、サブマスタ制御部330のCPU401により、シリアル通信バス380を介して行われる。なお、ポリゴンミラー駆動モータ415、ドラムモータ425、ローラ駆動モータ435、昇圧コイル445は、駆動部の一例である。
【0035】
スレーブ制御部332〜335の各々も、スレーブ制御部331と同様の構成を有する。また、サブマスタ制御部310、320、340も、各々に接続されるスレーブ制御部との間で同様の接続構成を有する。
【0036】
図5は、シリアル通信バス380を介して行われるデータ通信の例示図である。
図5は、サブマスタ制御部330がスレーブ制御部331に送信するライトを指示する送信データ及びリードを指示する送信データのフレーム構成を例示する。ここで、サブマスタ制御部330のライト指示は、サブマスタ制御部330のレジスタへのデータの書き込み(ライト)を指示する。サブマスタ制御部330のリード指示は、サブマスタ制御部330のレジスタに記憶されているデータの読み出し(リード)を指示する。図5は、さらに、スレーブ制御部331がサブマスタ制御部330に送信する常時リードに関する送信データのフレーム構成を例示する。
【0037】
サブマスタ制御部330がスレーブ制御部331に送信するライトを指示する送信データのフレームは、ライトコマンド(wcmd)、上位アドレス(adrH)、下位アドレス(adrL)、上位ライトデータ(wdatH)、下位ライトデータ(wdatL)、巡回冗長データ(crc:Cyclic Redundancy Check)を含む。ライトコマンド(wcmd)は、この送信データがライトを指示することを示すデータである。上位アドレス及び下位アドレスはレジスタを指定するデータである。上位ライトデータ及び下位ライトデータは、レジスタに書き込むデータである。
サブマスタ制御部330がスレーブ制御部331に送信するリードを指示する送信データのフレームは、リードコマンド(rcmd)、上位アドレス(adrH)、下位アドレス(adrL)、ライト時のフレーム長と合わせるためのダミーデータ(dummy)、巡回冗長データの順(crc)で構成される。本実施例では、リードを指示する送信データの長さが、常時リードに関する送信データの長さより短くならないようにするために、リードを指示する送信データにダミーデータを追加している。これは、常時リードに関する送信データとack(肯定応答)信号やnack(否定応答)信号とが重なることを防止するためである。
【0038】
サブマスタ制御部330からライトを示す送信データを受信した場合は、スレーブ制御部331はack信号及びnack信号を返信する。また、サブマスタ制御部330からリードを示す送信データを受信した場合は、スレーブ制御部331はnack信号、又はack信号及びレジスタからリードしたデータを含むデータを返信する。
図6は、スレーブ制御部331により、送信データの受信からサブマスタ制御部330へデータを返信するまでの処理フローを表すフローチャートである。
【0039】
スレーブ制御部331は、サブマスタ制御部330からデータを受信すると、受信したデータからCRCを算出する(S801:Y、S802、S803)。CRC算出後、スレーブ制御部331は、算出したCRCと受信した巡回冗長データとを比較する(S804)。スレーブ制御部331は、CRCと巡回冗長データとが不一致であれば、受信したデータがノイズ等により正しくないと判断してnack信号をサブマスタ制御部330に送信する(S804:N、S805)。
CRCと巡回冗長データとが一致する場合スレーブ制御部331は、受信したデータがリードコマンドを含むかを確認する(S804:Y、S806)。リードコマンドを含まない場合にスレーブ制御部331は、ack信号をサブマスタ制御部330に送信する(S806:N、S807)。リードコマンドを含む場合にスレーブ制御部331は、ack信号をリードしたデータとともにサブマスタ制御部330に送信する(S806:Y、S808)。
【0040】
つまり、適切に受信することができた場合はack信号を返信し、適切に受信することができなかった場合はnack信号を返信する。サブマスタ制御部330はスレーブ制御部331からnack信号が返信された場合は、指示を再送する。このようにすることにより、画像形成に関する指示を順次適切に実行していくことができる。つまり、正常に画像形成に関する制御シーケンスを実行することができる。スレーブ制御部331からサブマスタ制御部330に送信されるリード時の送信データは、巡回冗長データまで受信した後に送信が開始される。スレーブ制御部331は、受信したリードコマンド、上位アドレス、下位アドレスからCRCを算出し、受信した巡回冗長データと比較を行う。算出したCRCと受信した巡回冗長データとが一致したらack信号を出力し、続けて上位リードデータ(rdatH)、下位リードデータ(rdatL)、巡回冗長データ(crc)を出力する。上位リードデータ(rdatH)、下位リードデータ(rdatL)、巡回冗長データ(crc)を、まとめてリードデータという。算出したCRCと受信した巡回冗長データとが不一致であれば、受信したデータがノイズ等により正しくないと判断し、nack信号のみを出力して通信を終了する。否定応答であるために、nack信号に続けて、上位リードデータ、下位リードデータ、巡回冗長データを出力する必要は無い。
【0041】
スレーブ制御部331からサブマスタ制御部330に送信される、シリアル通信バス380rxを効率的に使用するためのデータの通信プロトコル(以下、「常時リード」という。)について説明する。
常時リードモードはサブマスタ制御部330からの指示に基づき実行される。常時リードはたとえば、搬送モジュールに接続されている紙搬送の状態を検知するためのセンサの出力値を常時監視するときなど、サブマスタ制御部330がリアルタイムに最新情報を取得する必要がある場合に使用される。
サブマスタ制御部330は、常時リードデータにより、スレーブ制御部331のレジスタ情報を取得することができる。サブマスタ制御部330は、レジスタ情報を取得することで、例えば、ライト時の送信データをレジスタ情報に基づいて生成することが可能である。例えば、レジスタ情報がポリゴンミラー駆動モータ415の状態(例えば、回転数)を表す場合、この状態(回転数)が予め定められた状態(回転数)になるようにライト時の送信データを生成する。このようにして、駆動部の状態を適切に調整できる。
常時リードモードによりスレーブ制御部331がサブマスタ制御部330に送信する送信データ(以下、「常時リードデータ」という。)のフレームは、常時リードのデータであることを示す成就リードコマンド(pcmd)を含む。常時リードコマンドに続いて、送信リードデータ番号(id)、上位常時リードデータ(pdatH)、下位常時リードデータ(pdatL)、巡回冗長データ(crc)で構成される。巡回冗長データは、スレーブ制御部331により、常時リードコマンド、送信リードデータ番号、上位常時リードデータ、及び下位常時リードデータから算出される。
【0042】
サブマスタ制御部330は、受信した常時リードコマンド、送信リードデータ番号、上位常時リードデータ、及び下位常時リードデータからCRCを算出し、算出結果と受信した巡回冗長データとの比較を行う。サブマスタ制御部330は、算出したCRCと受信した巡回冗長データが一致したら、送受信が正しく実行されたと判断して、常時リードデータを取り込む。不一致であれば、受信したデータがノイズ等により正しくないと判断し、常時リードデータを取り込まない。
【0043】
図5及び図7により、スレーブ制御部331からサブマスタ制御部330に送信される常時リードデータの転送フローを説明する。図7は、常時リードデータの転送フローを表すフローチャートである。
【0044】
スレーブ通信制御部405は、サブマスタ制御部330からの指示に基づき、常時リードモードを設定するともに、スレーブ制御部331内のレジスタ部407からリードするレジスタ位置(アドレス)を選択する(S701)。さらに、スレーブ通信制御部405は、サブマスタ制御部330からの指示に基づき、転送周期制御部406に転送周期を設定し、常時リードをイネーブルにする(S702)。
スレーブ制御部331のスレーブ通信制御部405は、転送周期制御部406から転送周期に合わせて出力される転送周期信号に基づいて、常時リードデータの転送タイミングを判断する(S703)。スレーブ通信制御部405は、常時リードデータの転送周期のタイミングまで待つ(S703:N)。
【0045】
スレーブ通信制御部405は、常時リードデータの転送周期のタイミングになったら、スレーブ制御部331がシリアル通信バス380txを介してデータを受信中であるか否かを判定する(S704)。スレーブ制御部331がデータを受信中であれば、受信が終了するまで待機する(S704:Y)。
スレーブ制御部331がシリアル通信バス380rxを介してデータを送信中であるか否かを判定する(S705)。スレーブ制御部331がデータを送信中であれば、送信が終了するまで待機する(S705:Y)。送信中でなければ、常時リードデータの転送を行うシーケンスへと遷移する(S705:N)。
このようにすることにより、常時リードモードにおけるリードデータの送信が、サブマスタ制御部330からの指示に対する返信データと重なって返信を阻害することを防止することができる。つまり、サブマスタ制御部330からの指示に対する返信データがない、シリアル通信バス380rxの空時間を利用して常時リードデータを送信することができる。
【0046】
常時リードデータの転送を行うシーケンスでは、まず、スレーブ通信制御部405が、処理S701で選択したレジスタ部407のレジスタ位置から、レジスタ情報を取得する。このタイミングでレジスタ情報を取得するのは、最新のレジスタ情報を取得するためである。レジスタ情報を取得したスレーブ通信制御部405は、図5で説明した常時リードデータの通信プロトコルに従い、取得したレジスタ情報を含む常時リードデータを生成する(S706)。スレーブ通信制御部405は、生成した常時リードデータを、シリアル通信バス380rxを介して、サブマスタ制御部330へ転送する(S707)。
【0047】
処理S703乃至処理S707の処理は、常時リードがイネーブルの間、繰り返し行われる(S708:Y、S703)。常時リードがディスイネーブルになれば、常時リードを終了する(S708:N)。サブマスタ制御部330のCPU401から、常時リードを終了するためのデータが送信された場合に、スレーブ制御部331は、常時リードをイネーブルにする。
【0048】
このように本実施例の常時リードモードでは、転送周期をトリガとして、リードデータの送信を行う。しかしながら、そのタイミングにおいて、スレーブ制御部304がサブマスタ制御部330からのデータを受信していた場合、および、スレーブ制御部304がサブマスタ制御部330からの指示に返信していた場合は、リードデータの送信タイミングを遅延させる。
つまり、サブマスタ制御部330のサブマスタ通信制御部404からシリアル通信バス380txを介してデータの送信が無い場合、スレーブ制御部331のスレーブ通信制御部405が常時リードデータを転送する。よって、サブマスタ制御330との通信を阻害せずに常時リードを実現することができる。また、シリアル通信バス380を効率よく使用して、伝送量を増大することができる。
【0049】
図8は、作像モジュール304の準備シーケンスを表すフローチャートである。
【0050】
作像モジュール304の準備シーケンスが開始されると、スレーブ制御部331がACC/DEC制御部408によりポリゴンミラーの回転制御を開始する。まず、ポリゴンミラーの回転周期を設定するために、図5の通信プロトコルに基づいてサブマスタ制御部330はスレーブ制御部331にデータを送信する。この送信データは、ライトを指示するために、ライトコマンド(0x55)、上位アドレス(0x00)、下位アドレス(0x01)、上位ライトデータ(0x11)、下位ライトデータ(0x11)、巡回冗長データ(0xFE)で構成される。スレーブ制御部331がデータを正しく受信した場合、ACC/DEC制御部408はポリゴンミラーの回転周期を設定する(S601)。そして、スレーブ制御部331は、ack信号をサブマスタ制御部330に送信する。一方、スレーブ制御部331がデータを正しく受信できなかった場合、ACC/DEC制御部408はポリゴンミラーの回転周期を設定せず、nack信号をサブマスタ制御部330に送信する。
サブマスタ制御部330は、スレーブ制御部331からnack信号を受信した場合、或いはack信号を正しく受信できなかった場合、データを再度送信する(S602:N、S601)。
【0051】
サブマスタ制御部330は、ack信号を正しく受信した場合、スレーブ制御部331にポリゴンミラーの回転を開始させる。そのために、サブマスタ制御部330はスレーブ制御部331にポリゴンミラーの回転開始を指示するデータを送信する。この送信データはライトを指示する。送信データは、ライトコマンド(0x55)、上位アドレス(0x00)、下位アドレス(0x02)、上位ライトデータ(0x00)、下位ライトデータ(0x01)、巡回冗長データ(0xFD)で構成される。
スレーブ制御部331は、データを正しく受信した場合、ACC/DEC制御部408によりポリゴンミラーの回転を開始する(S602:Y、S603)。そして、スレーブ制御部331は、ack信号をサブマスタ制御部330に送信する。一方、データを正しく受信できなかった場合スレーブ制御部331は、nack信号をサブマスタ制御部330に送信する。サブマスタ制御部330は、スレーブ制御部331からnack信号を受信した場合、或いはack信号を正しく受信できなかった場合、データを再度送信する(S604:N、S603)。
【0052】
サブマスタ制御部330は、処理S604においてack信号を正しく受信した場合、スレーブ制御部331に感光体225Yの回転周期を設定させる。そのために、サブマスタ制御部330はスレーブ制御部331に感光体225Yの回転周期を設定させるためのデータを送信する。この送信データはライトを指示する。送信データは、ライトコマンド(0x55)、上位アドレス(0x00)、下位アドレス(0x03)、上位ライトデータ(0x33)、下位ライトデータ(0x33)、巡回冗長データ(0xFB)で構成される。
スレーブ制御部331は、データを正しく受信した場合、ドラムモータ制御部409により感光体225Yの回転周期を設定する(S604:Y、S605)。そしてスレーブ制御部331は、ack信号をサブマスタ制御部330に送信する。一方、データを正しく受信できなかった場合スレーブ制御部331は、nack信号をサブマスタ制御部330に送信する。サブマスタ制御部330は、スレーブ制御部331からnack信号を受信した場合、或いはack信号を正しく受信できなかった場合、データを再度送信する(S606:N、S605)。
【0053】
サブマスタ制御部330は、処理S606においてack信号を正しく受信した場合、スレーブ制御部331に感光体225Yの回転を開始させる。そのために、サブマスタ制御部330はスレーブ制御部331に感光体225Yの回転を開始させるためのデータを送信する。この送信データはライトを指示する。送信データは、ライトコマンド(0x55)、上位アドレス(0x00)、下位アドレス(0x04)、上位ライトデータ(0x00)、下位ライトデータ(0x01)、巡回冗長データ(0xFB)で構成される。
スレーブ制御部331は、データを正しく受信した場合、ドラムモータ制御部409により感光体225Yの回転を開始する(S606:Y、S607)。そしてスレーブ制御部331は、ack信号をサブマスタ制御部330に送信する。一方、データを正しく受信できなかった場合スレーブ制御部331は、nack信号をサブマスタ制御部330に送信する。サブマスタ制御部330は、スレーブ制御部331からnack信号を受信した場合、或いはack信号を正しく受信できなかった場合、データを再度送信する(S608:N、S607)。
【0054】
サブマスタ制御部330は、処理S608においてack信号を正しく受信した場合、スレーブ制御部331にローラ227の回転周期を設定させる。そのために、サブマスタ制御部330はスレーブ制御部331にローラ227の回転周期を設定させるためのデータを送信する。この送信データはライトを指示する。送信データは、ライトコマンド(0x55)、上位アドレス(0x00)、下位アドレス(0x05)、上位ライトデータ(0x55)、下位ライトデータ(0x55)、巡回冗長データ(0xFB)で構成される。
スレーブ制御部331は、データを正しく受信した場合、ローラ駆動制御部410によりローラ227の回転周期を設定する(S608:Y、S609)。そしてスレーブ制御部331は、ack信号をサブマスタ制御部330に送信する。一方、データを正しく受信できなかった場合スレーブ制御部331は、nack信号をサブマスタ制御部330に送信する。サブマスタ制御部330は、スレーブ制御部331からnack信号を受信した場合、或いはack信号を正しく受信できなかった場合、データを再度送信する(S610:N、S609)。
【0055】
サブマスタ制御部330は、処理S610においてack信号を正しく受信した場合、スレーブ制御部331にローラ227の回転を開始させる。そのために、サブマスタ制御部330はスレーブ制御部331にローラ227の回転開始を指示するデータを送信する。この送信データはライトを指示する。送信データは、ライトコマンド(0x55)、上位アドレス(0x00)、下位アドレス(0x06)、上位ライトデータ(0x00)、下位ライトデータ(0x01)、巡回冗長データ(0xFB)で構成される。
スレーブ制御部331は、データを正しく受信した場合、ローラ駆動制御部410によりローラ227の回転を開始する(S610:Y、S611)。そしてスレーブ制御部331は、ack信号をサブマスタ制御部330に送信する。一方、データを正しく受信できなかった場合スレーブ制御部331は、nack信号をサブマスタ制御部330に送信する。サブマスタ制御部330は、スレーブ制御部331からnack信号を受信した場合、或いはack信号を正しく受信できなかった場合、データを再度送信する(S612:N、S611)。
【0056】
サブマスタ制御部330は、処理612においてack信号を正しく受信した場合、高圧制御を行うために、スレーブ制御部331にPWMの周期を設定させる。そのために、サブマスタ制御部330はスレーブ制御部331にPWMの周期を設定させるためのデータを送信する。この送信データはライトを指示する。送信データは、ライトコマンド(0x55)、上位アドレス(0x00)、下位アドレス(0x07)、上位ライトデータ(0x77)、下位ライトデータ(0x77)、巡回冗長データ(0xFB)で構成される。
スレーブ制御部331は、データを正しく受信した場合に、高圧生成制御部411によりPWMの周期を設定する(S612:Y、S613)。そしてスレーブ制御部331は、ack信号をサブマスタ制御部330に送信する。一方、データを正しく受信できなかった場合スレーブ制御部331は、nack信号をサブマスタ制御部330に送信する。サブマスタ制御部330は、スレーブ制御部331からnack信号を受信した場合、或いはack信号を正しく受信できなかった場合、データを再度送信する(S614:N、S613)。
【0057】
サブマスタ制御部330は、処理S614においてack信号を正しく受信した場合、スレーブ制御部331にPWMの出力を開始させる。そのために、サブマスタ制御部330はスレーブ制御部331にPWMの出力開始を指示するデータを送信する。この送信データはライトを指示する。送信データは、ライトコマンド(0x55)、上位アドレス(0x00)、下位アドレス(0x08)、上位ライトデータ(0x00)、下位ライトデータ(0x01)、巡回冗長データ(0xFB)で構成される。
スレーブ制御部331は、データを正しく受信した場合、高圧生成制御部411によりPWMの出力を開始する(S614:Y、S615)。そしてスレーブ制御部331は、ack信号をサブマスタ制御部330に送信する。一方、データを正しく受信できなかった場合スレーブ制御部331は、nack信号をサブマスタ制御部330に送信する。サブマスタ制御部330は、スレーブ制御部331からnack信号を受信した場合、或いはack信号を正しく受信できなかった場合、データを再度送信する(S616:N、S615)。
【0058】
サブマスタ制御部330は、処理S616においてack信号を正しく受信した場合、スレーブ制御部331にポリゴンミラーの状態を確認させる。そのために、サブマスタ制御部330は、スレーブ制御部331にポリゴンミラーの状態確認を指示するデータを送信する。この送信データはリードを指示する。送信データは、リードコマンド(0xAA)、上位アドレス(0x10)、下位アドレス(0x01)、ダミーデータ(0x00)、ダミーデータ(0x00)、巡回冗長データ(0xED)で構成される。
スレーブ制御部331は、データを正しく受信した場合、ACC/DEC制御部408によりポリゴンミラーの状態を確認する(S616:Y、S617)。そしてスレーブ制御部331は、ack信号及びポリゴンミラーの状態を表すリードデータをサブマスタ制御部330に送信する。一方、データを正しく受信できなかった場合スレーブ制御部331は、nack信号をサブマスタ制御部330に送信する。サブマスタ制御部330は、スレーブ制御部331からnack信号を受信した場合、或いはack信号及びリードデータを正しく受信できなかった場合、データを再度送信する(S618:N、S617)。
サブマスタ制御部330は、スレーブ制御部331からack信号を正しく受信した場合、リードデータにより、ポリゴンミラーの回転状態を確認する(S618:Y、S619)。ポリゴンミラーの回転状態が異常であれば、サブマスタ制御部330は、再度ポリゴンミラーの回転状態を確認する(S619:N、S617)。
【0059】
ポリゴンミラーの回転状態が正常であれば、サブマスタ制御部330は、スレーブ制御部331に感光体225Yの状態を確認させる(S619:Y)。そのために、サブマスタ制御部330はスレーブ制御部331に感光体225Yの状態確認を指示するデータを送信する。この送信データはリードを指示する。送信データは、リードコマンド(0xAA)、上位アドレス(0x20)、下位アドレス(0x01)、ダミーデータ(0x00)、ダミーデータ(0x00)、巡回冗長データ(0xEC)で構成される。
スレーブ制御部331は、データを正しく受信した場合、ドラムモータ制御部409により感光体225Yの状態を確認する(S620)。そしてスレーブ制御部331は、ack信号及び感光体225Yの状態を表すリードデータをサブマスタ制御部330に送信する。一方、データを正しく受信できなかった場合スレーブ制御部331は、nack信号をサブマスタ制御部330に送信する。サブマスタ制御部330は、スレーブ制御部331からnack信号を受信した場合、或いはack信号及びリードデータを正しく受信できなかった場合、データを再度送信する(S621:N、S620)。
サブマスタ制御部330は、スレーブ制御部331からack信号を正しく受信した場合、リードデータにより、感光体225Yの状態を確認する(S621:Y、S622)。感光体225Yの状態が異常であれば、サブマスタ制御部330は、再度感光体225Yの状態を確認する(S622:N、S620)。
【0060】
感光体225Yの状態が正常であれば、サブマスタ制御部330は、スレーブ制御部331にローラ227の状態を確認させる(S622:Y)。そのために、サブマスタ制御部330はスレーブ制御部331にローラ227の状態確認を指示するデータを送信する。この送信データはリードを指示する。送信データは、リードコマンド(0xAA)、上位アドレス(0x30)、下位アドレス(0x01)、ダミーデータ(0x00)、ダミーデータ(0x00)、巡回冗長データ(0xEB)で構成される。
スレーブ制御部331は、データを正しく受信した場合、ローラ駆動制御部410によりローラ227の状態を確認する(S623)。そしてスレーブ制御部331は、ack信号及びローラ227の状態を表すリードデータをサブマスタ制御部330に送信する。一方、データを正しく受信できなかった場合スレーブ制御部331は、nack信号をサブマスタ制御部330に送信する。サブマスタ制御部330は、スレーブ制御部331からnack信号を受信した場合、或いはack信号及びリードデータを正しく受信できなかった場合、データを再度送信する(S624:N、S623)。
サブマスタ制御部330は、スレーブ制御部331からack信号を正しく受信した場合、リードデータにより、ローラ227の状態を確認する(S624:Y、S625)。ローラ227の状態が異常であれば、サブマスタ制御部330は、再度ローラ227の状態を確認する(S625:N、S623)。
【0061】
ローラ227の状態が正常であれば、サブマスタ制御部330は、スレーブ制御部331に高圧状態を確認させる(S625:Y)。そのために、サブマスタ制御部330はスレーブ制御部331に高圧状態確認を指示するデータを送信する。この送信データはリードを指示する。送信データは、リードコマンド(0xAA)、上位アドレス(0x40)、下位アドレス(0x01)、ダミーデータ(0x00)、ダミーデータ(0x00)、巡回冗長データ(0xEA)で構成される。
スレーブ制御部331は、データを正しく受信した場合、高圧生成制御部411により高圧状態を確認する(S626)。そしてスレーブ制御部331は、ack信号及び高圧状態を表すリードデータをサブマスタ制御部330に送信する。一方、データを正しく受信できなかった場合スレーブ制御部331は、nack信号をサブマスタ制御部330に送信する。サブマスタ制御部330は、スレーブ制御部331からnack信号を受信した場合、或いはack信号及びリードデータを正しく受信できなかった場合、データを再度送信する(S627:N、S626)。
サブマスタ制御部330は、スレーブ制御部331からack信号を正しく受信した場合、リードデータにより、高圧状態を確認する(S627:Y、S628)。高圧状態が異常であれば、サブマスタ制御部330は、再度高圧状態を確認する(S628:N、S626)。高圧状態が正常であれば、作像モジュール304の準備が終了する(S628:Y)
【0062】
以上のように、図5に示す通信プロトコルを用いた制御シーケンスにより、作像モジュール304の準備シーケンスが終了する。
【符号の説明】
【0063】
1000…画像形成装置、100…自動原稿搬送部、200…画像読取部、300…画像形成部、10…操作部、460…コントローラ。215…プリンタ制御I/F、301…マスタ制御部、306…マスタモジュール、310,320,330,340…サブマスタ制御部、302…搬送モジュールA、303…搬送モジュールB、304…作像モジュール、305…定着モジュール。311,312,313,314,321,322,331,332,333,334,335,341,342…スレーブ制御部、401,412…CPU、402,414…RAM、403,413…ROM、404…サブマスタ通信制御部。405…スレーブ通信制御部、406…転送周期制御部、407…レジスタ部、408…ACC/DEC制御部、409…ドラムモータ制御部、410…ローラ駆動制御部、411…高圧生成制御部。415…ポリゴンミラー駆動モータ、425…ドラムモータ、435…ローラ駆動モータ、445…昇圧コイル。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8