特許第6039295号(P6039295)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6039295
(24)【登録日】2016年11月11日
(45)【発行日】2016年12月7日
(54)【発明の名称】加熱調理器
(51)【国際特許分類】
   F24C 3/12 20060101AFI20161128BHJP
   F24C 15/00 20060101ALI20161128BHJP
【FI】
   F24C3/12 S
   F24C15/00 L
【請求項の数】2
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2012-174963(P2012-174963)
(22)【出願日】2012年8月7日
(65)【公開番号】特開2014-35093(P2014-35093A)
(43)【公開日】2014年2月24日
【審査請求日】2015年7月16日
(73)【特許権者】
【識別番号】301071893
【氏名又は名称】株式会社ハーマン
(74)【代理人】
【識別番号】100087767
【弁理士】
【氏名又は名称】西川 惠清
(74)【代理人】
【識別番号】100155745
【弁理士】
【氏名又は名称】水尻 勝久
(74)【代理人】
【識別番号】100143465
【弁理士】
【氏名又は名称】竹尾 由重
(74)【代理人】
【識別番号】100155756
【弁理士】
【氏名又は名称】坂口 武
(74)【代理人】
【識別番号】100161883
【弁理士】
【氏名又は名称】北出 英敏
(74)【代理人】
【識別番号】100167830
【弁理士】
【氏名又は名称】仲石 晴樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162248
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 豊
(72)【発明者】
【氏名】松岡 聡
(72)【発明者】
【氏名】小松 隆之
【審査官】 宮崎 光治
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−355858(JP,A)
【文献】 特開2003−065543(JP,A)
【文献】 特開2009−243763(JP,A)
【文献】 特開平08−315978(JP,A)
【文献】 特開2005−142171(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24C3/00−3/14
F24C9/00−15/14
F23N1/08−1/10
F23N5/02−5/16
F23N5/20−5/22
A47J37/00−37/07
H05B6/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被加熱物を3以上の異なる加熱状態に切り換えて加熱可能な加熱手段と、切換用操作部とを備え、該切換用操作部が操作される度に前記加熱手段の加熱状態を予め設定された順序に従って周期的に切り換えられ前記切換用操作部が前記周期的な加熱状態を切り換える際の操作とは異なる一回の特定の操作がなされたときに、前記加熱手段の加熱状態が、前記3以上の異なる加熱状態の中から予め設定された特定の加熱状態に切り換えられるように設定された加熱調理器であって、前記切換用操作部が一つの押し釦で構成されており、前記切換用操作部が所定の判定時間よりも短い時間押し操作されたときに前記周期的な加熱状態の切り換えが行われ、前記切換用操作部が前記判定時間以上押し操作されたときに前記特定の加熱状態に切り換えられ、前記3以上の異なる加熱状態の全ての種類の加熱状態の中から、前記切換用操作部の特定の操作によって切り換えられる特定の加熱状態を選択的に設定するための特定加熱状態設定用操作部を備えたことを特徴とする加熱調理器。
【請求項2】
前記切換用操作部が常に露出する部位に設けられ、前記特定加熱状態設定用操作部が露出状態と非露出状態とに変更可能な部位に設けられたことを特徴とする請求項1に記載の加熱調理器
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は被加熱物を異なる加熱状態で加熱可能な加熱調理器に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には加熱手段としてグリル庫の上バーナーと下バーナーを備えたガスコンロが開示されている。前記グリル庫における燃焼状態、すなわち、加熱手段による加熱状態は、火力切替スイッチが押し操作される度に、「上火:強/下火:強」、「上火:強/下火:弱」、「上火:弱/下火:強」、「上火:弱/下火:弱」の順に切り換えられるようになっている。また、加熱手段による加熱状態が「上火:弱/下火:弱」の状態にあるときに、火力切替スイッチが押し操作されると、加熱手段による加熱状態は再び「上火:強/下火:強」の状態に切り換えられるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−2632号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、特許文献1では、現在の加熱状態によって、火力切替スイッチを1回操作するだけでは所望の加熱状態に切り換えられない場合がある。例えば現在の加熱状態が「上火:強/下火:弱」であるときに「上火:強/下火:強」に切り換える場合には、火力切替スイッチを3回操作する必要がある。このため、操作回数が多く、ユーザーが煩わしく感じる恐れがある。
【0005】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであって、現在の加熱状態によらず、特定の加熱状態に容易に切り換えることができて使い勝手の良い加熱調理器を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために本発明の加熱調理器は、被加熱物を3以上の異なる加熱状態に切り換えて加熱可能な加熱手段と、切換用操作部とを備え、該切換用操作部が操作される度に前記加熱手段の加熱状態を予め設定された順序に従って周期的に切り換えられ前記切換用操作部が前記周期的な加熱状態を切り換える際の操作とは異なる一回の特定の操作がなされたときに、前記加熱手段の加熱状態が、前記3以上の異なる加熱状態の中から予め設定された特定の加熱状態に切り換えられるように設定された加熱調理器であって、前記切換用操作部が一つの押し釦で構成されており、前記切換用操作部が所定の判定時間よりも短い時間押し操作されたときに前記周期的な加熱状態の切り換えが行われ、前記切換用操作部が前記判定時間以上押し操作されたときに前記特定の加熱状態に切り換えられ、前記3以上の異なる加熱状態の全ての種類の加熱状態の中から、前記切換用操作部の特定の操作によって切り換えられる特定の加熱状態を選択的に設定するための特定加熱状態設定用操作部を備えたことを特徴とする。
【0009】
また、前記切換用操作部が常に露出する部位に設けられ、前記特定加熱状態設定用操作部が露出状態と非露出状態とに変更可能な部位に設けられることが好ましい。
【発明の効果】
【0010】
請求項1に係る発明にあっては、切換用操作部を一回操作するだけで特定の加熱状態に容易に切り換えることができる。このため、切換用操作部の操作回数を抑制することができて使い勝手を良くすることができる。また、切換用操作部の操作による加熱状態の切り換えの信頼性を高めることができる。
【0011】
請求項2に係る発明では請求項1に係る発明が奏する効果に加えて、切換用操作部を押し操作式の釦等で簡単に構成することができる。
【0012】
請求項3に係る発明では請求項1又は請求項2に係る発明が奏する効果に加えて、特定加熱状態設定用操作部を操作することで、例えば前記特定の加熱状態を利用者にとって使用頻度の高い加熱状態に設定することができ、使い勝手をより一層良くすることができる。
【0013】
請求項4に係る発明にあっては、請求項3に係る発明が奏する効果に加えて、切換用操作部を操作しやすい位置に配置すると共に、特定加熱状態設定用操作部を不用意に操作され難い位置に配置することができる。このため、加熱手段による加熱状態を容易に切り換えることができると共に、特定加熱状態設定用操作部が不用意に操作されて前記特定の加熱状態が意図しない加熱状態に変更されることを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の実施形態における加熱調理器の前面部の一部を示す正面図である。
図2】同上の加熱調理器の全体斜視図である。
図3】同上の加熱調理器のグリルを示す概略図である。
図4】同上の加熱調理器の可動部材を引き出した状態を示す全体斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。図2に示される本実施形態の加熱調理器1は、図示しないキッチンキャビネットに組み込まれるビルトイン式のグリル付きガスこんろである。以下では、設置状態の加熱調理器1の方向を基準にし、加熱調理器1を利用する利用者が立つ側を前側として説明する。
【0016】
加熱調理器1の外殻は、上方に開口する左右に長いケース2と、ケース2上に取り付けられてケース2の上開口を塞ぐトッププレート3とで構成されている。加熱調理器1の上面はトッププレート3によって構成され、加熱調理器1の前面はケース2の左右に長い長方形状の前面によって構成されている。
【0017】
トッププレート3には複数のこんろバーナー4が設けられている。図示例では、こんろバーナー4として、標準バーナー40、小バーナー41、及び高火力バーナー42が設けられている。加熱調理器1において、標準バーナー40は向かって左側の前部に設けられ、小バーナー41は左右方向中央の後部に設けられ、高火力バーナー42は向かって右側の前部に設けられている。
【0018】
加熱調理器1が備えるグリル5は、図2及び図3に示される、グリル庫50、グリルバーナー51、及びグリル扉52を有している。グリル庫50はケース2内の左右方向の中央部に設けられ、キッチンキャビネットの前面に露出するケース2の前面部から前方に向かって開口する。グリル庫50内には、グリルバーナー51として、上バーナー510及び下バーナー511が設けられている。上バーナー510はグリル庫50の上部に設けられ、下バーナー511はグリル庫50の下部の左右両側に夫々設けられている。
【0019】
グリル庫50の前開口部を閉塞するグリル扉52の下部には、後方に向かって突出する支持体53(図3参照)が設けられている。支持体53はグリル庫50に対して前後方向にスライド自在に設けられる。図2に示されるようにグリル扉52の前面には取っ手520が設けられている。利用者は取っ手520を掴んでグリル扉52を支持体53と共に前後方向に移動することで、グリル庫50の前開口部をグリル扉52で閉塞したり開放したりすることができる。
【0020】
図3に示されるように支持体53には受皿54が載置され、この受皿54には焼き網55が載置される。支持体53によって支持された受皿54及び焼き網55は、グリル扉52でグリル庫50の前開口部を閉塞した状態においてグリル庫50内に配置することができる。グリル庫50内に配置した受皿54及び焼き網55は、グリル扉52及び支持体53と共にグリル庫50の前開口部より前方に引き出せるようになっている。
【0021】
支持体53によって支持された焼き網55上には魚等の被加熱物9を載置することができる。この被加熱物9は焼き網55と共にグリル庫50内に配置することができ、このように配置された被加熱物9の上側には上バーナー510が位置し、下側には下バーナー511が位置する。このため、上バーナー510及び下バーナー511を点火することで、被加熱物9の上面側を上バーナー510によって加熱すると共に被加熱物9の下面側を下バーナー511によって加熱することができる。すなわち、本実施形態では上バーナー510及び下バーナー511によって、グリル5の加熱手段が構成されている。
【0022】
上バーナー510の火力及び下バーナー511の火力は夫々「強」と「弱」の二段階に切り換え可能となっている。このため、グリル5の上バーナー510及び下バーナー511で構成される加熱手段による加熱状態は、上バーナー510の火力と下バーナー511の火力の組み合わせにより、以下の異なる加熱状態に切り換えられるようになっている。すなわち、上バーナー510の火力及び下バーナー511の火力を共に「強」にした「上火:強/下火:強」の状態、上バーナー510の火力を「強」にすると共に下バーナー511の火力を「弱」にした「上火:強/下火:弱」の状態、上バーナー510の火力を「弱」にすると共に下バーナー511の火力を「強」にした「上火:弱/下火:強」の状態、及び上バーナー510の火力及び下バーナー511の火力を共に「弱」にした「上火:弱/下火:」の状態のいずれかに選択的に切り換えられるようになっている。
【0023】
図2及び図4に示されるようにケース2の前面部には操作部7が設けられている。本実施形態では、操作部7として、点消火用操作部70、火力調整用操作部71、切換用操作部73、調理設定用操作部72、及び特定加熱状態設定用操作部(不図示)が設けられている。
【0024】
点消火用操作部70はケース2の前面部の上部に設けられている。本実施形態では、点消火用操作部70として、標準バーナー40用の点消火用操作部700、小バーナー41用の点消火用操作部701、高火力バーナー42用の点消火用操作部702、及びグリルバーナー51用の点消火用操作部703が設けられている。
【0025】
点消火用操作部700及び点消火用操作部701はグリル扉52の向かって左側に設けられている。点消火用操作部703及び点消火用操作部702はグリル扉52の向かって右側に設けられている。これら点消火用操作部70は、標準バーナー40、小バーナー41、グリルバーナー51及び高火力バーナー42の左右方向における位置関係と対応するように、左側から、点消火用操作部700、点消火用操作部701、点消火用操作部703、点消火用操作部702の順に並べて設けられている。
【0026】
各点消火用操作部70は押し操作式のスイッチで構成されており、各点消火用操作部70を前方から押し操作することで、対応するバーナー40〜42、51の点火と消火の切り換えが行えるようになっている。なお、これらバーナー40〜42、51の点火と消火の切り換えは、加熱調理器1に設けられた図示しない制御手段によってケース2に内装した各種機器の動作を制御することによってなされる。
【0027】
ここで、グリルバーナー51の点消火は、点消火用操作部703が操作される度に、上バーナー510及び下バーナー511の両者を点火した状態と、上バーナー510及び下バーナー511の両者を消火した状態とに交互に切り換えられるものである。また、グリルバーナー51を点火するにあたって点消火用操作部703が操作された場合は、上バーナー510の火力及び下バーナー511の火力は共に「強」になるように設定されている。すなわち、この場合、グリル5の加熱状態は「上火:強/下火:強」となる。
【0028】
ケース2の前面部の上部には火力調整用操作部71及び切換用操作部73が設けられている。本実施形態では、火力調整用操作部71として、標準バーナー40用の火力調整用操作部710、小バーナー41用の火力調整用操作部711、及び高火力バーナー42用の火力調整用操作部712が設けられている。各火力調整用操作部71は対応する点消火用操作部70の上方に配置されている。
【0029】
各火力調整用操作部71は左右方向にスライド操作されるレバーにより構成されている。これら火力調整用操作部71がスライド操作されると、前記制御手段はレバーの左右方向における位置に応じて対応するこんろバーナー4の火力を変更するように設定されている。
【0030】
切換用操作部73は図1に示されるようにグリルバーナー51用の点消火用操作部703の上方に配置されている。この切換用操作部73はグリル5の加熱状態を、「上火:強/下火:強」、「上火:強/下火:弱」、「上火:弱/下火:強」、「上火:弱/下火:弱」の中から選択された一の加熱状態に切り換える際に用いられる。
【0031】
本実施形態の切換用操作部73は押し釦で構成されており、前記制御手段は切換用操作部73が押し操作された際に以下に示すようにグリル5の加熱状態を切り換えるように設定されている。この切り換えは切換用操作部73の押し操作時間が予め設定された所定の判定時間よりも短いか否かに応じて切換方法が異なるように設定されている。なお、前記判定時間は3秒に設定されているが、判定時間はこれに限定されるものではない。また、別途操作部を操作することで前記判定時間を変更できるようにしても構わない。
【0032】
切換用操作部73が前記判定時間よりも短い時間押し操作されたとき、前記制御手段は、グリル5の加熱状態を予め設定された順序に従って周期的に切り換えるように設定されている。具体的には、切換用操作部73が押し操作される度に、上バーナー510の火力及び下バーナー511の火力を切り換え、これによりグリル5の加熱状態が、「上火:強/下火:強」、「上火:強/下火:弱」、「上火:弱/下火:強」、「上火:弱/下火:弱」の順序で切り換わるように設定されている。また、グリル5の加熱状態が「上火:弱/下火:弱」の状態にあるときに切換用操作部73が前記判定時間よりも短い時間押し操作されたときには、再びグリル5の加熱状態が「上火:強/下火:強」の状態に切り換えられるように設定されている。これにより、切換用操作部73の短時間の押し操作を1回又は複数回行うことで、グリル5の加熱状態を「上火:強/下火:強」、「上火:強/下火:弱」、「上火:弱/下火:強」、「上火:弱/下火:弱」の4種類の加熱状態の中から選択された所望の加熱状態に切り換えることができる。
【0033】
一方、切換用操作部73が前記判定時間以上継続して押し操作されたとき、「上火:強/下火:強」、「上火:強/下火:弱」、「上火:弱/下火:強」、「上火:弱/下火:弱」の中から予め設定された特定の加熱状態に切り換えるように設定されている。この切り換えは、グリル5の加熱状態が「上火:強/下火:強」、「上火:強/下火:弱」、「上火:弱/下火:強」、「上火:弱/下火:弱」のいずれの状態にあっても常に行われる。工場出荷時においては、前記切換用操作部73を長押しすることによって切り換えられる特定の加熱状態は、グリルバーナー51の点火時と同じく「上火:強/下火:強」の加熱状態に設定されている。従って、この場合に切換用操作部73が前記判定時間以上押し操作された場合には、グリル5の加熱状態が、特定の加熱状態である「上火:強/下火:強」の状態に切り換わることとなる。
【0034】
ケース2の前面部においてグリルバーナー51用の点消火用操作部703の上方には、切換用操作部73の近傍に位置して、現在のグリル5の加熱状態を表示する表示部82が設けられている。本実施形態の表示部82は発光体820〜823で構成されている。発光体820は上バーナー510の火力が「強」であるときにのみ発光し、発光体821は上バーナー510の火力が「弱」であるときにのみ発光し、発光体822は下バーナー511の火力が「強」であるときにのみ発光し、発光体823は下バーナー511の火力が「弱」であるときにのみ発光する。このような表示部82を設けることで、利用者はこれら発光体820〜823を見て現在のグリル5の加熱状態が「上火:強/下火:強」、「上火:強/下火:弱」、「上火:弱/下火:強」、又は「上火:弱/下火:弱」のいずれの状態にあるかを容易に認識することができる。
【0035】
図4に示されるように調理設定用操作部72はケース2の前端部に設けられた可動部材10に設けられている。可動部材10はケース2の前端部の下部においてグリル扉52を挟んで左右両側に夫々設けられている。各可動部材10はその下端部がケース2に枢支されており、これによって図2に示されるようにケース2内に収納した収納状態から、図4に示されるようにケース2から前方に引き出した使用状態までの範囲で前後に回動自在となっている。
【0036】
各可動部材10の上面部は、前記使用状態において露出し且つ前記収納状態において露出しない部分となる。そして、これら可動部材10の上面部には前記調理設定用操作部72が設けられている。本実施形態では、調理設定用操作部72として、標準バーナー40用の調理設定用操作部720、小バーナー41用の調理設定用操作部721、高火力バーナー42用の調理設定用操作部722、及びグリルバーナー51用の調理設定用操作部723が設けられている。これら調理設定用操作部72のうち、調理設定用操作部720及び調理設定用操作部721は向かって左側の可動部材10に設けられており、調理設定用操作部722及び調理設定用操作部723は向かって右側の可動部材10に設けられている。これら調理設定用操作部72は、標準バーナー40、小バーナー41、グリルバーナー51及び高火力バーナー42の左右方向における位置関係と対応するように、左側から、調理設定用操作部720、調理設定用操作部721、調理設定用操作部723、調理設定用操作部722の順に並べて設けられている。すなわち、各調理設定用操作部72は対応する点消火用操作部70の下方に位置している。
【0037】
各調理設定用操作部72は押し釦で構成されており、各調理設定用操作部72を指で押し操作することで、対応するバーナー40〜42、51によって行われる加熱調理の設定を行えるようになっている。こんろバーナー4用の調理設定用操作部720〜722としては、例えば対応するバーナー40〜42による被加熱物の加熱温度の設定を行うための温度設定釦や、対応するバーナー40〜42で自動調理を行うにあたって予め燃焼条件が設定された湯沸しモードや炊飯モード等の複数のモードの中から任意のモードを選択するためのモード設定釦が設けられる。また、グリルバーナー51用の調理設定用操作部723としては、例えば、グリルの焼き加減を「強」、「中」、「弱」のいずれかに設定するための焼き加減設定釦や、焼成するメニューを「姿焼」、「切身」、「干物」のいずれかに設定するためのメニュー釦、焼成時間を設定するためのタイマー設定釦が設けられる。そして、このように調理設定用操作部72を操作して加熱調理の設定を行うことで、前記制御手段は対応するバーナー40〜42、51の燃焼状態を自動的に制御するように設定されている。
【0038】
図示は省略するが、前記特定加熱状態設定用操作部は向かって右側の可動部材10の上面部に設けられている。特定加熱状態設定用操作部は「お好み火力設定釦」で構成されている。この特定加熱状態設定用操作部を押し操作することで、前記切換用操作部73が前記判定時間以上押し操作されたときに切り換えられる特定の加熱状態を、「上火:強/下火:強」、「上火:強/下火:弱」、「上火:弱/下火:強」、又は「上火:弱/下火:弱」のいずれかに選択的に設定できるようになっている。
【0039】
以上説明した加熱調理器1は、切換用操作部73が操作される度にグリル5の加熱状態を予め設定された順序に従って周期的に切り換えられるものである。そして、このような加熱調理器1において、切換用操作部73が前記周期的な加熱状態を切り換える際の操作とは異なる一回の特定の操作である長押し操作がなされたときに、グリル6の加熱状態が特定の加熱状態に切り換えられるようになっている。このため、例えばグリル5の加熱状態を「上火:強/下火:弱」の状態から「上火:強/下火:強」の状態に切り換えるにあっては、切換用操作部73を短時間押し操作した場合には合計で3回操作する必要があるのに対して、切換用操作部73を長押し操作した場合には一回の操作によって特定の加熱状態に容易に切り換えることができる。このように本実施形態の加熱調理器1では切換用操作部73の操作回数を抑制することができて使い勝手が良くなり、また、切換用操作部73の操作による加熱状態の切り換えの信頼性を高めることができる。
【0040】
また、本実施形態では切換用操作部73が所定の判定時間よりも短い時間押し操作されたときに前記周期的な加熱状態の切り換えが行われ、切換用操作部73が前記判定時間以上押し操作されたときに前記特定の加熱状態に切り換えられる。このため、切換用操作部73を押し操作式の釦等で簡単に構成することができる。
【0041】
また、本実施形態では切換用操作部73の特定の操作によって切り換えられる特定の加熱状態を設定するための特定加熱状態設定用操作部を備えている。このため、特定加熱状態設定用操作部を操作することで、前記特定の加熱状態を利用者にとって使用頻度の高い加熱状態に設定することができ、より一層使い勝手が良くなる。
【0042】
また、本実施形態では切換用操作部73が加熱調理器1において常に露出する部位となる前面部に設けられているため、グリル5の加熱状態を容易に切り換えることができる。これに対して、前記特定加熱状態設定用操作部は、出し入れ自在に収納される可動部材10の上面部、すなわち、加熱調理器1において露出状態と非露出状態とに変更可能な部位に設けられている。このため、不用意に特定加熱状態設定用操作部が操作されて前記特定の加熱状態が意図しない加熱状態に変更されることを防止できる。
【0043】
なお、本実施形態ではグリル5の加熱状態を「上火:強/下火:強」、「上火:強/下火:弱」、「上火:弱/下火:強」、及び「上火:弱/下火:弱」の順に切り換えられるようにしたが、この順序は限定されるものではない。また、グリル5の加熱状態はバーナー511の数や各バーナー511の火力の変更数等を変更することにより、3又は5以上の異なる加熱状態に切り換えられるようにしても構わない。また、切換用操作部73は押し操作以外の他の動作によって操作されるものであってもよい。さらに特定の加熱状態に切り換えるにあたっては切換用操作部73を周期的な加熱状態の切り換えを行う際の動作とは異なる1回の動作で操作するようにする等、適宜変更可能である。また、本実施形態では特定加熱状態設定用操作部を加熱調理器1に出し入れ自在に収納される可動部材10に設けたが、例えば開閉自在なカバーによって覆われる部位に設ける等してもよい。また、本実施形態の加熱調理器はガスコンロであるが、本発明は、3以上の異なる加熱状態に切り換え可能な加熱手段を備えたものであれば、グリル機能のみを有する加熱調理器等、その他の加熱調理器にも適用可能である。
【符号の説明】
【0044】
1 加熱調理器
9 被加熱物
73 切換用操作部
図1
図2
図3
図4