(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記検査手段は、前記読取手段により読み取られた画像と、前記形成用画像または前記挿入紙画像とを画素ごとの濃度を用いて比較することにより、前記画像形成記録媒体に形成された画像及び前記挿入紙画像の品質を検査することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳述する。以下の実施の形態においては、記録媒体に画像を形成することを印刷と表現することがある。
【0020】
図1は、本発明の実施の形態に係る画像形成装置101を含む画像形成システム1の概略構成を示す図である。
【0021】
図1において、画像形成システム1には、画像形成装置101、プリントサーバ107、及びクライアントPC108、109が含まれ、それらはLAN106により接続されている。
【0022】
画像形成装置101は入力された各種画像を画像処理し、印刷する。画像形成装置101は、画像印刷部102、インサータ部103、画像検査部104、及びフィニッシング部105から構成される。
【0023】
画像印刷部102は画像処理を行い、画像を記録媒体に印刷する。インサータ部103は挿入紙を画像印刷部102から搬送されてきた印刷処理済みの記録媒体と記録媒体との間に挿入する。これらの記録媒体や挿入紙は、画像検査部104に出力され、画像検査処理が行われる。そして、フィニッシング部105は画像検査部104から出力された記録媒体や挿入紙を排紙する。
【0024】
このように、本実施の形態に係る画像形成装置101は、画像印刷、画像検査、フィニッシングまでを一貫して行うインライン画像検査を実現する画像形成装置となっている。
【0025】
ユーザはクライアントPC108,109により、印刷ジョブを作成する。この印刷ジョブはプリントサーバ107、LAN106を介して画像形成装置101に入力される。
【0026】
これにより、画像印刷部102による画像処理、印刷処理、インサータ部103による挿入紙の挿入、画像検査部104による画像検査処理、フィニッシング部105による排紙処理が行われる。
【0027】
従って、画像形成装置101により、印刷ジョブが実行される際に、記録媒体に印刷された画像の検査をインラインで実施して画像形成記録媒体である印刷物が排紙されることになる。
【0028】
上述した説明では、画像形成装置101は、記録媒体、及び印刷物及び挿入紙をインラインで搬送するものとしてきたが、その構成に限定するものではない。つまり、画像形成装置101を構成する機器が物理的に分離され、それぞれの画像形成装置を構成する機器の間の通信が可能なニアライン構成においても、本実施の形態を適用できることは言うまでもない。
【0029】
図2は、
図1における画像印刷部102、インサータ部103、画像検査部104、及びフィニッシング部105の内部機構構造を説明するための断面図である。
【0030】
図2おいて、画像印刷部102は、画像読取部100、操作部200、プリンタ部300、及び印刷装置制御部400から構成される。
【0031】
印刷装置制御部400は、画像形成装置101を制御する。画像読取部100は、原稿搬送装置110で搬送された記録媒体に予め印刷された画像を読み取り、スキャン画像を生成する。操作部200は液晶ディスプレイなどの表示装置とキーなどの入力装置を備え、画像形成装置101の情報をユーザに伝えたり、ユーザの操作を画像形成装置101に伝える。
【0032】
プリンタ部300は記録媒体に画像を形成する画像形成手段に対応し、画像処理を行い、画像を記録媒体に印刷する。印刷装置コントローラ部410は、プリンタ部300を制御して、インサータ部103、画像検査部104、及びフィニッシング部105と通信し、記憶装置420に記憶されている画像を記録媒体に印刷する。また印刷装置コントローラ部410はLANと送受信する。
【0033】
画像読取部100は、原稿搬送装置110で搬送された原稿画像を読み取る。原稿搬送装置110は、原稿トレイ111にセットされた原稿を先頭ページから順に1枚ずつ搬送し、湾曲したパスを介して原稿台ガラス114の上へと搬送する。
【0034】
片面原稿を読取る方法としては、2種類の方法がある。まず1つ目の方法は、原稿台ガラス114上の読取位置R1へ原稿の後端を搬送し停止させ、スキャナユニット121を左から右へ移動させることにより、原稿の読取りを行う原稿固定読取モードである。
【0035】
2つ目の方法は、原稿を一定の読取り速度で読取位置R1へ搬送し、スキャナユニット121を読取位置R1で固定したまま原稿の読取りを行う原稿搬送読取モードである。
【0036】
これら2種類の方法のいずれにおいても、読取った原稿は排紙トレイ112に排出されることとなる。
【0037】
両面原稿を読取る方法としては、スキャナユニット121で表面を読取り、原稿搬送装置110内に配置した光学部113を使用して裏面を読取る方法がある。光学部113内には図示しないイメージセンサ及び光源等が配置されている。
【0038】
レンズ122を介してイメージセンサ123により読取られた原稿画像は、画像処理されて記憶装置420に記憶されるとともに、印刷装置制御部400に転送される。印刷装置コントローラ部410は、プリンタ部300を制御するプリンタ制御部301と通信を行い、記憶装置420に記憶されている画像を記録媒体に印刷する。
【0039】
プリンタ部300は、レーザ露光部3010、感光ドラム302、現像器303、定着部304、排紙ローラ305、転写部306、及び搬送ベルト307〜310を含む。
【0040】
レーザ露光部3010は、印刷装置制御部400で形成される画像に応じて変調されたレーザ光を等角速度で回転する回転多面鏡に入射し、レーザー光は回転多面鏡で反射された反射走査光として感光ドラム302に照射される。
【0041】
感光ドラム302は回転駆動することで、帯電器によって帯電される。現像器303は、感光ドラム302に形成された静電潜像をトナーによって現像する。転写部306は、現像されたトナー像を記録媒体に転写し、その後、転写されずに感光ドラム302に残ったトナーが回収される。これらの動作によって記録媒体にトナー像が転写される。
【0042】
定着部304はローラやベルトの組み合わせで構成され、ハロゲンヒータなどの熱源を内蔵し、トナー像が転写された記録媒体に転写されたトナーを、熱と圧力により溶解、定着させるものである。
【0043】
なお、本実施の形態では、電子写真プロセスのブラック画像印刷を想定して、レーザ露光部3010、感光ドラム302、現像器303の1組で説明しているが、シアン、マゼンタ、イエロ、ブラックの4色で印刷する構成でもよい。この場合、レーザ露光部3010、感光ドラム302、現像器303が4組存在することとなる。
【0044】
さらに、必ずしも電子写真プロセスの必要は無く、インクジェット、ドットインパクト、熱転写、昇華型など、画像を記録媒体に印刷する装置であれば、印刷方式を限定するものではない。
【0045】
記録媒体収納部311〜313は例えば記録媒体カセットやペーパーデッキである。記録媒体収納部311〜313は1つであっても、また、複数種類の記録媒体を使いわけるために、各種の記録媒体をそれぞれ収納できるように複数の記録媒体収納部を備えても良い。印刷を行う際には記録媒体収納部311〜313に収納された記録媒体から1枚の記録媒体が分離されて引き出され、転写部306に搬送される。
【0046】
排紙ローラ305は画像印刷部102から記録媒体を排紙する。すなわち、記録媒体収納部311〜313から引き出され、転写部306でトナー転写され、定着部304で定着された記録媒体は、排紙ローラ305によりインサータ部103に出力される。
【0047】
インサータ部103は、インサートカセット501、及びインサータ給紙502を含む。インサータ部103では、印刷ジョブの設定に従って、搬送される印刷物と印刷物の間に、インサートカセット501またはインサータ給紙502にセットされた挿入紙を1枚ずつ搬送し、挿入する。その後、挿入紙及び印刷物は画像検査部104に出力される。
【0048】
画像検査部104は、画像検査装置コントローラ部610、及び検査スキャナ611を含む。画像検査装置コントローラ部610は、画像検査部104を制御する。検査スキャナ611は印刷物上に印刷された画像をスキャンして読み取りを行う。検査スキャナ611は、読み取り用の光源とラインセンサを備えたイメージスキャナであり、搬送ローラにより搬送される印刷物を走査して、印刷物上の画像を読み取る。
【0049】
画像検査部104の内部を搬送された挿入紙及び印刷物は、フィニッシング部105に出力される。
【0050】
フィニッシング部105は、排紙制御コントローラ710、合格排紙トレイ720、及び不合格排紙トレイ730を含む。
【0051】
排紙制御コントローラ710は、CPUを備えており、フィニッシング部105を制御する。合格排紙トレイ720は検品結果が合格となった挿入紙及び印刷物が排紙される排紙トレイである。不合格排紙トレイ730は検品結果が不合格となった挿入紙及び印刷物が排紙される排紙トレイである。フィニッシング部105において、画像検査部104の検品結果に応じて、フィニッシング部105に送り込まれた挿入紙及び印刷物は、排紙分離機により排紙先が切り替わる。
【0052】
これにより、検品結果が合格であれば、搬送ローラ及び排紙ローラを介して挿入紙及び印刷物が合格排紙トレイ720に排紙される。また、検品結果が不合格であれば、搬送ローラ及び排紙ローラを介して挿入紙及び印刷物が不合格排紙トレイ730に排紙される。
【0053】
図3は、
図2における印刷装置コントローラ部410の構成を説明するためのブロック図である。
【0054】
図3において、印刷装置コントローラ部410は、画像印刷部102、インサータ部103、画像検査部104、及びフィニッシング部105を制御する。さらに印刷装置コントローラ部410は、
図1で説明したLAN106を経由して、プリントサーバ107、クライアントPC108、クライアントPC109と接続され通信を行う。
【0055】
LAN制御部401は、LAN106とのLAN通信を制御する。すなわち、LAN106から例えばPDL(Page Description Language)データを受信したり、画像形成装置101の各種画像や装置情報をLAN106を介して送受信する。
【0056】
RIP(Raster Image Process)処理部402はプリントサーバ107、またはクライアントPC108,109から画像形成装置101に入力されたPDLデータを解読し、印刷用の画像に展開する。
【0057】
画像形成制御部405は、CPUを備えており、印刷装置コントローラ部410の各部を制御する。メモリ404は、本実施の形態では画像形成制御部405が各種の制御を行うための制御メモリ、制御のためのプログラムが記憶されるプログラムメモリ、及びPDLデータ及び画像などが記憶されるデータメモリを兼ね備えているものとする。
【0058】
印刷画像処理部407は、画像印刷部102で印刷するために画像処理を行う。画像検査装置インタフェース408は、画像検査装置コントローラ部610とやり取りする画像や各種情報の通信制御を行う。
【0059】
機構プロセス制御部406は記録媒体に画像を印刷する際に、画像印刷部102、インサータ部103、画像検査部104、フィニッシング部105における印刷、記録媒体の制御を行う。
【0060】
記憶装置420は、画像や挿入紙画像、属性等の各種情報を記憶するHDD等の不揮発性記憶装置である。
【0061】
図4は、
図2における画像検査装置コントローラ部610の構成を説明するためのブロック図である。
【0062】
図4において、検査装置操作部613はユーザが画像検査に係る各種の操作を行う操作パネルを備えている。
【0063】
メモリ614は画像検査装置コントローラ部610の各種処理のプログラムが記憶されるプログラムメモリ、リファレンス画像及び印刷物のスキャン画像が記憶されるデータメモリを兼ね備えている。
【0064】
検査装置表示部615は、表示手段に対応し、画像検査の検査結果に関する内容をユーザに表示する。検査制御部617は、CPUを備えており、画像検査装置コントローラ部610の各部を制御する。
【0065】
検査スキャナ611は、記録媒体に印刷された画像をスキャンして読み取りを行う。本実施の形態では、検査スキャナ611は読み取り用の光源とラインセンサを備えたイメージスキャナであり、記録媒体を走査して画像を読み取るようになっている。
【0066】
記録媒体を検査スキャナ611で読み取られたスキャン画像は、検査スキャナ611または検査制御部617で画像処理され、記憶装置612に記憶される。その際、スキャン画像は、一時的にメモリ614に記憶された後、記憶装置612に記憶されても良い。
【0067】
画像比較判定部616はリファレンス画像とその比較対象となるスキャン画像とを比較し、印刷結果に問題がないか否か判定を行う。
【0068】
印刷装置インタフェース619は、印刷装置コントローラ部410とやり取りする画像や各種情報の通信制御を行う。
【0069】
なお、
図2で説明した画像印刷部102での印刷処理、インサータ部103での印刷物と印刷物の間の挿入紙の挿入処理において、記録媒体への印刷制御、記録媒体の搬送機構制御はすべて機構プロセス制御部406で制御される。また、画像検査部104での画像検査処理、フィニッシング部105での記録媒体の排紙処理において、記録媒体への印刷制御、記録媒体の搬送機構制御はすべて機構プロセス制御部406で制御される。
【0070】
また、画像印刷部102により印刷された印刷物、及びインサータ部103で挿入される挿入紙は、画像検査部104で画像の読み取り、検査が行われ、その検査結果によりフィニッシング部105において排紙分離機の制御に反映される。
【0071】
このように、画像の検査は印刷画像処理部407よって生成されるリファレンス画像と、実際に記録媒体に印刷された画像を検査スキャナ611で読み取ったスキャン画像とを比較して行われる。
【0072】
また、インサータ部103で挿入紙がページ間に挿入される場合、挿入紙画像を取得する必要がある。
【0073】
画像比較判定部616が比較判定を行う際には、リファレンス画像とスキャン画像をビットマップにて、対応する画素ごとに濃度の比較を行う。従って、画像比較判定部616において比較判定を行う前にリファレンス画像を印刷装置コントローラ部410内の記憶装置612またはメモリ614に記憶しておくことが必要となる。
【0074】
図5、
図6は、
図2における印刷装置コントローラ部410及び画像検査装置コントローラ部610により実行される検査処理の手順を示すフローチャートである。
【0075】
図5においては、まず印刷装置コントローラ部410での処理を説明した後に、画像検査装置コントローラ部610での処理を説明する。
【0076】
まずユーザにより、操作部200を用いて、画像印刷部102で実行する印刷ジョブの設定が行われる(ステップS4−1)。このとき、印刷装置コントローラ部410は、画像検査部104で行われる印刷物の画像検査の設定を行う。
【0077】
そして、印刷装置コントローラ部410は、印刷ジョブ及び画像検査設定を、画像検査装置コントローラ部610に送信する(ステップS4−2)。また、印刷装置コントローラ部410は、インサータに挿入紙があるか否か判定する(ステップS4−3)。
【0078】
インサータは、インサータ部103のインサートカセット501、インサータ給紙502を示している。印刷装置コントローラ部410は、それらで用紙の有無を判定する。
【0079】
ステップS4−3の判別の結果、インサータに挿入紙がないと判定されたときは(ステップS4−3でNO)、
図6のステップS4−6に進む。
【0080】
一方、インサータに挿入紙があると判定されたときは(ステップS4−3でYES)、事前に記憶装置420に画像が記憶されていれば、その画像から使用する挿入紙画像をユーザに指定させる。そして、指定された画像を、挿入紙画像として取得し(ステップS4−4)、記憶装置420に記憶する。
【0081】
取得された挿入紙画像、及び挿入紙画像に係る設定情報は、画像検査部104に送信される(ステップS4−5)。これらの設定に基づいて、印刷ジョブが実行される(ステップS4−6)。
【0082】
プリントサーバ107などからLAN106を介してPDLデータ等を受信すると、RIP処理部402はRIP処理を施し、RIP画像を生成し、そのRIP画像はリファレンス画像として画像検査装置コントローラ部610に送信される(ステップS4−7)。また、リファレンス画像として記憶装置420に記憶される。このステップS4−7は、画像形成手段が記録媒体に画像を形成する際に用いる形成用画像を生成する生成手段に対応する。従って、形成用画像はRIP画像に対応するが、仮に画像検査装置コントローラ部610にRIP機能があれば、RIP処理前のデータが形成用画像に対応する。すなわち、形成用画像は画像を形成するためのデータであればよい。
【0083】
次いで、印刷装置コントローラ部410は、プリンタ制御部301と通信を行い、画像を記録媒体に印刷する(ステップS4−8)。その後、印刷物は画像印刷部102から出力され、インサータ部103に送り込まれる。
【0084】
インサータ部103では、印刷ジョブの設定に従って、搬送される印刷物の間に、インサートカセット501、またはインサータ給紙502にセットされた挿入紙を搬送し、挿入する(ステップS4−9)。その後、挿入紙及び印刷物は、画像検査部104に出力さえる(ステップS4−10)。このステップS410は、画像形成手段により画像が形成された画像形成記録媒体、または挿入紙を出力する出力手段に対応する。
【0085】
次いで、印刷装置コントローラ部410は、画像検査装置コントローラ部610から送信された画像判定結果を受信する(ステップS4−24)。印刷装置コントローラ部410は、画像検査装置コントローラ部610から受信した画像判定結果がOKであるか否かを判定する(ステップS4−25)。
【0086】
ステップS4−25の判定の結果、画像判定結果がOKのときは(ステップS4−25でYES)、フィニッシング部105は合格排紙トレイ720に排紙する(ステップS4−26)。一方、ステップS4−25の判定の結果、画像判定結果がOKではないときは(ステップS4−25でNO)、フィニッシング部105は合格排紙トレイ720に排紙する(ステップS4−27)。このように、本実施の形態では、検査結果に応じて画像形成記録媒体、及び挿入紙画像の排紙先を定めるようになっている。
【0087】
その後、印刷装置コントローラ部410は、全ページに対する処理が終了したか否かを判定する(ステップS4−28)。
【0088】
ステップS4−28の判定の結果、全ページに対する処理が終了していないときは(ステップS4−28でNO)、ステップS4−14に進む。一方、ステップS4−28の判定の結果、全ページに対する処理が終了したときは(ステップS4−28でYES)、本処理を終了する。
【0089】
次いで、ステップS4−11から説明する。まず、画像検査装置コントローラ部610は、印刷装置コントローラ部410から送信された、印刷ジョブ及び画像検査設定を受信する(ステップS4−11)。
【0090】
その後、印刷装置コントローラ部410から送信された挿入紙画像データ及び設定情報を受信し、挿入紙画像データとして、記憶装置612に記憶する(ステップS4−12)。
【0091】
図6に移り、印刷装置コントローラ部410から送信されたリファレンス画像を受信し(S4−13)、記憶装置612に記憶する。その後、記録媒体の通過を検知すると(ステップS4−14でYES)、検査スキャナ611によって印刷画像を読み取り(S4−15)、読み取った画像はスキャン画像として、記憶装置612に記憶する。このステップS4−15は、画像形成記録媒体が出力された場合には当該画像形成記録媒体を読み取り、挿入紙が出力された場合には当該挿入紙を読み取る読取手段に対応する。
【0092】
そして、画像検査装置コントローラ部610は、通過した記録媒体が挿入紙であるか否かを判定する(ステップS4−16)。
【0093】
ステップS4−16の判定の結果、通過した記録媒体が挿入紙であるときは(ステップS4−16でYES)、挿入紙画像とスキャン画像とを比較し(ステップS4−17)、ステップS4−19に進む。
【0094】
一方、ステップS4−16の判定の結果、通過した記録媒体が挿入紙ではないときは(ステップS4−16でNO)、リファレンス画像とスキャン画像とを比較し(ステップS4−18)、ステップS4−19に進む。ここでの判定方法については後述する。
【0095】
上記ステップS4−17,4−18は、画像形成記録媒体が出力された場合には、読み取られた画像と形成用画像とを比較し、挿入紙が出力された場合には、読み取られた画像と挿入紙を示す挿入紙画像とを比較することにより、画像形成記録媒体に形成された画像及び挿入紙画像の品質を検査する検査手段に対応する。
【0096】
次いで、画像検査装置コントローラ部610は判定結果を印刷装置コントローラ部410に送信する(ステップS4−19)。
【0097】
次いで、画像検査装置コントローラ部610は、判定結果がOKであるか否か判定する(ステップS4−20)。ステップS4−20の判定の結果、判定結果がOKであるときは(ステップS4−20でYES)、ユーザに判定結果がOKであることを検査装置表示部615に表示する(ステップS4−21)。上記ステップS4−21,4−22は、検査手段による検査結果を表示するように表示手段を制御する表示制御手段に対応する。
【0098】
一方、ステップS4−20の判定の結果、判定結果がOKではないときは(ステップS4−20でNO)、ユーザに判定結果がOKではないことを検査装置表示部615に表示する(ステップS4−22)。
【0099】
その後、画像検査装置コントローラ部610は、全ページに対する処理が終了したか否かを判定する(ステップS4−23)。
【0100】
ステップS4−23の判定の結果、全ページに対する処理が終了していないときは(ステップS4−23でNO)、ステップS4−14に進む。一方、ステップS4−23の判定の結果、全ページに対する処理が終了したときは(ステップS4−23でYES)、本処理を終了する。
【0101】
図5、
図6の処理によれば、画像形成記録媒体が出力された場合には、読み取られた画像と生成された形成用画像とを比較する。一方、挿入紙が出力された場合には、読み取られた画像と挿入紙を示す挿入紙画像とを比較する。これらの比較により、画像形成記録媒体に形成された画像及び挿入紙画像の品質を検査するので、挿入紙を挿入可能な画像形成装置で記録媒体に形成された画像の品質を検査可能となっている。
【0102】
図7は、
図4における画像比較判定部616での判定方法を説明するための図であり、(A)はリファレンス画像、(B)はスキャン画像を示している。
【0103】
このように、
図7では、リファレンス画像とスキャナ画像とを比較判定する例を示しているが、挿入画像とスキャナ画像とを比較判定する場合も同じである。
【0104】
本実施の形態における判定方法は、リファレンス画像及びスキャナ画像の解像度を一致させたビットマップでマッチングを行うようになっている。
【0105】
すなわち、リファレンス画像とスキャン画像を複数の画素ブロック(図では5×5画素ブロック)に分割し、それぞれの画素ブロック内で画素毎にRGBまたはCMYKでの濃度比較を行う。
図7において、濃度は0〜255の多値データとしている。
【0106】
RGBで比較を行うか、CMYKでの比較を行うかは画像に応じて設定変更が可能であるとし、例えばカラー画像データの場合にはRGBでの比較を行い、白黒画像データの場合にはCMYKのKのみでの比較を行うものとする。
【0107】
そして、濃度比較は、比較値=[スキャンデータ画像濃度データ値]−[リファレンス画像濃度データ値]を用いている。
【0108】
この式により算出した比較値の絶対値と、予め設定した許容濃度差を比較して、比較値の絶対値<許容濃度差である場合には、該当画素をOKと判定し、それ以外の場合にはNGと判定する。
【0109】
図7の例の場合は、許容濃度差が40に設定されていて、画素1003の画像濃度データ値が255、画素1004の画像濃度が0であるとすると、比較値(0−255)の絶対値は255である。これは許容濃度差40よりも大きいため、該当画素はNGと判定される。
【0110】
このように5×5画素の画素ブロック内で各画素に対して同等の判定処理を繰り返して、画素ブロック単位でのOK判定率を求める。この画素ブロック単位でのOK判定率と予め定められたOK判定閾値とを比較する。例えばOK判定閾値が80%と定められている場合に、ブロック内のNG画素が1画素であった場合には、判定率は96%となる。
【0111】
従って、判定率(96%)>OK判定閾値(80%)であるから、該当ブロックに関しては、判定結果をOKとする。
【0112】
上述した処理を記録紙全面で行い、全面で、全てのブロックで判定OKとなった場合には当該記録紙はOKと判定され、1ブロックでもNGがある場合にはNGと判定される。このように、本実施の形態では、読み取られた画像と、形成用画像または挿入紙画像とを画素ごとの濃度を用いて比較することにより、画像形成記録媒体に形成された画像及び挿入紙画像の品質を検査するようになっている。
【0113】
図8は、
図6におけるステップS4−21で検査装置表示部615に表示される画面例を示す図である。
【0114】
検査結果1101は検査の結果がOKであることを示している。また、画像1102はステップS4−15において記憶装置612に記憶されたスキャン画像である。ボタン1103はユーザが確認を行うためのボタンであり、ボタン1103が押下されることで、ユーザが結果を確認したものとしてこの画面が消去される。
【0115】
図9は、
図6におけるステップS4−22で検査装置表示部615に表示される画面例を示す図である。
【0116】
図9(A)は、挿入紙に対する検知結果を示す画面例である。検査結果1201は検査の結果がNGであることを示している。また、画像1202はS4−15において記憶装置612に記憶されたスキャン画像である。
【0117】
コメント1203はインサータ部103によって、挿入された挿入紙の異常を検知したことを通知する表示欄である。ボタン1204はユーザが確認を行うためのボタンであり、ボタン1204を押下することで、ユーザが結果を確認したものとしてこの画面が消去される。
【0118】
図9(B)は、印刷物に対する検知結果を示す画面例である。検査結果1205は検査の結果がNGであることを示している。また、画像1206はS4−15において記憶装置612に記憶されたスキャン画像である。
【0119】
図9(B)の場合は、一例としてスキャン画像に汚れ(黒点)があったため比較判定がNGとなった場合の表示例を示している。拡大部1207は比較時に判定NGとなった画素ブロック周辺を拡大して示している。また、汚れ1208は印刷不良により発生した黒点を示している。
【0120】
ボタン1209はユーザが確認を行うためのボタンであり、ボタン1209を押下することで、ユーザが結果を確認したものとしてこの画面が消去される。
【0121】
次いで、挿入紙画像の取得方法について説明する。本実施の形態では、他の印刷ジョブが実行されたことなどにより、事前に記憶装置420に画像が記憶されていれば、記憶装置420に記憶された画像から、使用する挿入紙画像をユーザに指定させる。
【0122】
この指定された画像を、挿入紙画像として記憶装置420に記憶することによって挿入紙画像を取得する。
【0123】
図10は、
図2における印刷装置コントローラ部410により実行される挿入紙画像取得処理の手順を示すフローチャートである。
【0124】
図10において、ユーザにより印刷ジョブの設定が行われると(ステップS5−1)、この印刷ジョブでの印刷画像を他のジョブで利用するか否かを問うメッセージを操作部200に表示する。
【0125】
図11は、
図2における操作部200に表示されるメッセージ表示例を示す図である。
【0126】
図11において、メッセージ601は、ボタン602は、ユーザが印刷画像を他のジョブで利用することを決定するボタンであり、ボタン603は、ユーザが印刷画像を他のジョブで利用しないことを決定するボタンである。他のジョブで利用する場合には、印刷画像は記憶装置420に記憶されることとなる。
【0127】
次いで、ボタン602が選択されたか否か判別する(ステップS5−2)。ステップS5−2の判別の結果、ボタン602が選択されずにボタン603が選択されたときは(ステップS5−2でNO)、本処理を終了する。
【0128】
一方、ステップS5−2の判別の結果、ボタン602が選択されたときは(ステップS5−2でYES)、印刷画像を記憶装置420に記憶する(ステップS5−3)。
【0129】
次いで、上述したステップS4−4で使用する挿入紙画像の取得が必要となったとき、操作部200は、画像指定画面を表示する。
【0130】
図12は、
図2における操作部200に表示される画像指定画面表示例を示す図である。
【0131】
図12の画像指定画面701において、画像702は、記憶装置420に記憶された画像を表示する。指定画像703は、ユーザによって指定された画像を表示する。
【0132】
ボタン704は、ユーザが使用する画像データを決定するボタンである。ボタン705は、選択を取り消すボタンである。
【0133】
画像702で画像を指定することによって、使用する画像データが指定され、ボタン704を押下することで使用する画像が指定される(ステップS5−4)。その後、印刷装置コントローラ部410は、指定された挿入紙画像を取得し(ステップS5−5)、挿入紙画像として記憶装置420に記憶して、本処理を終了する。
【0134】
図13は、
図2における操作部200に表示される挿入箇所指定画面例を示す図である。
【0135】
図13において、挿入箇所指定画面801には、指定画像802、ページ指定803、プレビュー804、及びボタン805,806,807が示されている。
【0136】
指定画像802は、
図10の処理により指定された画像のファイル名を示している。ページ指定803は、挿入するページとして指定されたページを示している。プレビュー804は、指定されたページに挿入紙画像を挿入したときのプレビューを示している。ボタン805は、プレビューを横スクロールさせるためのボタンである。ボタン806は、ページ指定803で示されたページに挿入することを決定するためのボタンである。ボタン807は、取り消すためのボタンである。
【0137】
図14は、
図2における印刷装置コントローラ部410により実行される挿入紙画像指定処理の手順を示すフローチャートである。
【0138】
図14において、挿入紙画像を取得する(ステップS8−1)。その後、
図13に示した挿入箇所指定画面801により挿入箇所が指定される(ステップS8−2)。次いで、印刷装置コントローラ部410は、挿入紙画像に、ジョブIDや情報の付加を行い記憶装置420に記憶し(ステップS8−3)、本処理を終了する。上記ステップS8−2は、複数の記録媒体に画像が形成される場合に、ユーザにより挿入紙を挿入するページを指定させる指定手段に対応する。そして、上記ステップS4−16で説明したように、本実施の形態では、指定されたページを用いて画像形成記録媒体に形成された画像及び挿入紙画像の品質を検査するようになっている。
【0139】
図15は、
図2における検査制御部617により実行される画像切り替え処理の手順を示すフローチャートである。
【0140】
図15において、検査制御部617は、ステップS4−11及びステップS4−12で受信した印刷ジョブや画像検査設定、挿入紙画像設定等を読出す(ステップS9−1)。次いて、ステップS4−15で読み取ったスキャン画像が挿入紙指定箇所として指定されたページであるか否かを判定する(ステップS9−2)。これは、
図3のフローチャートのS4−16に相当する。
【0141】
ステップS9−2の判別の結果、指定されたページのときは(ステップS9−2でYES)、検査制御部617は、記憶装置612に記憶された挿入紙画像を読み出し、挿入紙画像に切り換える(ステップS9−3)。
【0142】
一方、ステップS9−2の判別の結果、指定されたページではないときは(ステップS9−2でNO)、検査制御部617は、記憶装置612に記憶されたリファレンス画像を読み出す(ステップS9−4)。
【0143】
次いで、検査制御部617は、全ページに対する処理が終了したか否か判定する(ステップS9−5)。ステップS9−5の判別の結果、全ページに対する処理が終了していないときは(ステップS9−5でNO)、ステップS9−2に戻る。
【0144】
一方、ステップS9−5の判別の結果、全ページに対する処理が終了したときは(ステップS9−5でYES)、本処理を終了する。
【0145】
このように、挿入紙画像を取得し、リファレンス画像と切換えながら、画像検査を行うことで、インサータによる挿入紙の誤挿入等の検査を含む印刷物の画像検査を行うことが可能となる。
【0146】
図10では、挿入紙画像の取得を印刷ジョブ設定時に印刷画像を記憶するときに行っていたが、画像読取部100によって、予め画像を読み取り、それを挿入紙画像としても構わない。
【0147】
図16は、
図2における印刷装置コントローラ部410により実行される挿入紙画像取得処理の変形例の手順を示すフローチャートである。
【0148】
図16において、画像読取部100によって読取ったスキャン画像は記憶装置420に記憶される(ステップS15−1)。その後、挿入紙画像として指定される(ステップS15−2)。このとき、操作部200に、スキャン画像を表示し、画像の状態を確認することが可能であり、画像データの向き等を変更する等の編集を行うことも可能である(ステップS15−3)。この編集については後述する。
【0149】
次いで、編集された画像は、挿入紙画像として、記憶装置420に記憶され(ステップS15−4)、本処理を終了する。
【0150】
図17は、
図2における操作部200に表示される編集画面例を示す図である。
【0151】
図17において、ページ番号1601は現在編集している挿入紙画像のページ番号を示している。画像1602は、ステップS15−1において、記憶装置420に記憶されたスキャン画像である。
【0152】
ボタン1603は、表示画像のデータを回転させる編集を行うためのボタンであり、入力欄1604は、回転させる角度を入力し、指定するための欄である。ボタン1605は、画像を移動させる編集を行うためのボタンであり、入力欄1606は、移動させる距離を指定し、指定するための欄である。
【0153】
ボタン1607は、各種の画像補正を実行するためのボタンである。ボタン1603,1605,1607を押下することで、編集処理が実行される。ボタン1608は、編集内容を決定するためのボタンである。ボタン1609は、編集を取り消すためのボタンである。ボタン1608を押下することで画像の編集が決定され、次ページがある場合には、次ページの編集が実行され、次ページがない場合には編集処理は終了される。
【0154】
このように、画像読取部100によって読み取られたスキャン画像を挿入紙画像としても、インサータによる挿入紙の誤挿入等の検査を含む印刷物の画像検査を行うことが可能となる。
【0155】
図16の処理では、読み取った画像を挿入紙画像とした変形例について説明したが、他の変形例として、LAN106を介して外部装置から挿入紙画像を取得する例について説明する。
【0156】
ここで外部装置とは、
図18の例では画像形成装置101にLANを介して接続される画像形成装置1000、プリントサーバ107、及びクライアントPC108,109である。
【0157】
画像形成装置1000は、画像形成装置101と同様の構成であり、画像印刷部102、インサータ部103、画像検査部104、フィニッシング部105から構成される。
【0158】
挿入紙画像の取得方法としては以下の処理が挙げられる。すなわち、画像形成装置1000で挿入紙の印刷が行われると同時に、画像形成装置1000、プリントサーバ107、クライアントPC108,109によって画像データを作成する。そして、画像形成装置1000、プリントサーバ107、クライアントPC108、109の記憶装置に記憶する。次いで、例えば、クライアントPC108から挿入紙の印刷が画像形成装置1000によって実行され、その印刷ジョブでの画像として、その画像を画像形成装置1000は記録装置に記憶する。その後、画像形成装置1000は、LAN106を介してクライアントPC108に画像を送信し、クライアントPC108の記憶装置に記憶される。そして、LAN106を介して画像形成装置101に送信されることで、画像形成装置101が挿入紙画像を取得することができる。
【0159】
図19は、
図2における印刷装置コントローラ部410により実行される挿入紙画像取得処理の他の変形例の手順を示すフローチャートである。
【0160】
図19において、画像形成装置1000で、挿入紙の印刷が行われると(ステップS17−1)、この挿入紙画像は、画像形成装置101に存在しないため外部装置から取得する必要がある。上述した例では、画像はクライアントPC108の記憶装置に記憶される。
【0161】
こうしてクライアントPC108に記憶された画像は、LAN106を介して画像形成装置101に送信されることで、画像形成装置101が取得し(ステップS17−2)、記憶装置420に記憶する。
【0162】
その後、ステップS5−4において、挿入紙画像として指定されることで(ステップS17−3)、LANを介して取得した画像を、挿入紙画像として記憶装置420に記憶し(ステップS17−4)、本処理を終了する。このように、挿入紙に形成される画像は、他の装置から得られた情報に応じて画像形成手段により形成されるようにしてもよい。
【0163】
上述したフローチャートでは、クライアントPC108から画像を取得する例を説明をしたが、直接画像形成装置101に印刷ジョブを実行させ、画像を作成させることで取得する方法もある。
【0164】
すなわち、画像形成装置1000で挿入紙を印刷したジョブと同一のジョブをクライアントPC108等によってLAN106を介して、画像形成装置101に入力する。その後、画像形成装置101はそのジョブに基づいて画像を作成し、記憶装置420に記憶する。
【0165】
このように、LAN106を介して外部装置から通信回線を介して取得した画像を挿入紙画像としても、インサータによる挿入紙の誤挿入等の検査を含む印刷物の画像検査を行うことが可能となる。
【0166】
以上説明したように、本実施の形態によれば挿入紙の情報を含む全ての印刷物の画像を取得し、取得した画像と、搬送時に読み込んだ画像とを比較することにより、挿入紙の誤挿入や、印刷物の良否判定などを行うことが可能となる。
【0167】
(他の実施の形態)
本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)をネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(又はCPUやMPU等)がプログラムコードを読み出して実行する処理である。この場合、そのプログラム、及び該プログラムを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。