(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6039316
(24)【登録日】2016年11月11日
(45)【発行日】2016年12月7日
(54)【発明の名称】画像出力装置、その制御方法、画像表示装置、その制御方法、及び記憶媒体
(51)【国際特許分類】
G09G 3/36 20060101AFI20161128BHJP
A61B 6/00 20060101ALI20161128BHJP
G09G 3/20 20060101ALI20161128BHJP
G09G 3/34 20060101ALI20161128BHJP
G02F 1/133 20060101ALI20161128BHJP
【FI】
G09G3/36
A61B6/00 360Z
G09G3/20 680D
G09G3/34 J
G09G3/20 641P
G09G3/20 642E
G09G3/20 642P
G02F1/133 535
G02F1/133 575
【請求項の数】24
【全頁数】25
(21)【出願番号】特願2012-191859(P2012-191859)
(22)【出願日】2012年8月31日
(65)【公開番号】特開2013-140325(P2013-140325A)
(43)【公開日】2013年7月18日
【審査請求日】2015年8月19日
(31)【優先権主張番号】特願2011-267145(P2011-267145)
(32)【優先日】2011年12月6日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100085006
【弁理士】
【氏名又は名称】世良 和信
(74)【代理人】
【識別番号】100100549
【弁理士】
【氏名又は名称】川口 嘉之
(74)【代理人】
【識別番号】100106622
【弁理士】
【氏名又は名称】和久田 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100131532
【弁理士】
【氏名又は名称】坂井 浩一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100125357
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 剛
(74)【代理人】
【識別番号】100131392
【弁理士】
【氏名又は名称】丹羽 武司
(72)【発明者】
【氏名】池西 俊介
(72)【発明者】
【氏名】蒲原 譲司
【審査官】
中村 直行
(56)【参考文献】
【文献】
特開2004−159986(JP,A)
【文献】
特開平11−276441(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09G 3/00 − 3/38
A61B 6/00
G02F 1/133
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
バックライトの光量を制御可能な1つ又は複数の画像表示装置へ複数の画像データを出力する画像出力装置であって、
前記複数の画像データが所定の条件を満たすか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段により前記複数の画像データが所定の条件を満たすと判定された場合、前記複数の画像データの表示に用いられるバックライトの光量及び発光制御単位の少なくとも一方が同じになるように前記1つ又は複数の画像表示装置を制御するか否かをユーザに問合せ、制御するとユーザが回答すると、前記複数の画像データの表示に用いられるバックライトの光量及び発光制御単位の少なくとも一方が同じになるように前記1つ又は複数の画像表示装置を制御する制御手段と、を備える画像出力装置。
【請求項2】
バックライトの光量を制御可能な1つ又は複数の画像表示装置へ複数の画像データを出力する画像出力装置であって、
前記複数の画像データが所定の条件を満たすか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段により前記複数の画像データが所定の条件を満たすと判定された場合、前記複数の画像データの表示に用いられるバックライトの光量が同じになるように前記1つ又は複数の画像表示装置を制御する制御手段と、
前記複数の画像データの各々のピーク信号レベルを取得する第1取得手段と、
を備え、
前記制御手段は、前記複数の画像データのピーク信号レベルのうち最も高いピーク信号レベル、又は前記複数の画像データのピーク信号レベルの平均値を、共通ピーク信号レベルとして、前記複数の画像データの表示に用いられるバックライトの光量を決定するための共通の情報として、前記1つ又は複数の画像表示装置に送信することを特徴とする画像出力装置。
【請求項3】
バックライトの光量を制御可能な1つ又は複数の画像表示装置へ複数の画像データを出力する画像出力装置であって、
前記複数の画像データが所定の条件を満たすか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段により前記複数の画像データが所定の条件を満たすと判定された場合、前
記複数の画像データの表示に用いられるバックライトの発光制御単位が同じになるように前記1つ又は複数の画像表示装置を制御する制御手段と、
前記複数の画像表示装置のバックライトの発光制御単位数に関する情報を取得する第2取得手段と、
を備え、
前記制御手段は、前記判定手段により前記複数の画像データが所定の条件を満たすと判定された場合に、前記複数の画像表示装置の発光制御単位数のうち最小の発光制御単位数を基準として、又は、前記複数の画像表示装置の発光制御単位数の最大公約数を基準として、前記複数の画像データの表示に用いられるバックライトの発光制御単位が同じになるように、前記複数の画像表示装置を制御することを特徴とする画像出力装置。
【請求項4】
前記制御手段は、前記判定手段により前記複数の画像データが所定の条件を満たすと判定された場合に、前記複数の画像データの表示に用いられるバックライトの光量が同じになるように前記1つ又は複数の画像表示装置を制御するか否かをユーザに問合せ、制御するとユーザが回答すると、前記複数の画像データの表示に用いられるバックライトの光量が同じになるように前記1つ又は複数の画像表示装置を制御することを特徴とする請求項2に記載の画像出力装置。
【請求項5】
前記制御手段は、前記判定手段により前記複数の画像データが所定の条件を満たすと判定された場合に、前記複数の画像データの表示に用いられるバックライトの発光制御単位が同じになるように前記1つ又は複数の画像表示装置を制御するか否かをユーザに問合せ、制御するとユーザが回答すると、前記複数の画像データの表示に用いられるバックライトの発光制御単位が同じになるように前記1つ又は複数の画像表示装置を制御することを特徴とする請求項3に記載の画像出力装置。
【請求項6】
前記判定手段は、前記複数の画像データの患者名、撮影部位、モダリティのうち少なくとも1つが同じである場合に、前記複数の画像データが所定の条件を満たすと判定することを特徴とする請求項1から5までのいずれか1項に記載の画像出力装置。
【請求項7】
前記複数の画像表示装置の各々は、画像の表示領域の一部を注目領域として設定可能であり、
前記判定手段は、前記複数の画像表示装置の各々から注目領域の情報を取得し、各画像表示装置の表示領域を共通の座標平面に射影したときの注目領域の射影同士の重複の度合が閾値以上である場合に、前記複数の画像データが所定の条件を満たすと判定することを特徴とする請求項1から6までのいずれか1項に記載の画像出力装置。
【請求項8】
前記複数の画像表示装置の各々が、複数の制御領域の各々の光量を独立に制御するローカルディミング制御が可能である場合、
前記第1取得手段は、制御領域毎に、前記複数の画像データのピーク信号レベルを取得し、
前記制御手段は、制御領域毎に、前記複数の画像データのピーク信号レベルのうち最も高いピーク信号レベル、又は前記複数の画像データのピーク信号レベルの平均値を、共通ピーク信号レベルとして、制御領域毎の共通ピーク信号レベルを、前記複数の画像データの表示に用いられるバックライトの光量を決定するための共通の情報として、前記1つ又は複数の画像表示装置に送信することを特徴とする請求項2又は4に記載の画像出力装置。
【請求項9】
バックライトの光量を制御可能な画像表示装置であって、
前記画像表示装置に入力される第1画像データ、及び他の画像表示装置に入力される第2画像データの情報を取得する取得手段と、
前記取得手段により取得された情報に基づいて、前記第1及び第2画像データが所定の条件を満たすか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段により前記第1及び第2画像データが所定の条件を満たすと判定された場合、前記第1及び第2画像データの表示に用いられるバックライトの光量及び発光制御単位の少なくとも一方が同じになるように前記画像表示装置及び前記他の画像表示装置を制御するか否かをユーザに問合せ、制御するとユーザが回答すると、前記複第1及び第2画像データの表示に用いられるバックライトの光量及び発光制御単位の少なくとも一方が同じになるように前記画像表示装置及び前記他の画像表示装置を制御する制御手段と、を備える画像表示装置。
【請求項10】
バックライトの光量を制御可能な画像表示装置であって、
前記画像表示装置に入力される第1画像データ、及び他の画像表示装置に入力される第2画像データの情報を取得する取得手段と、
前記取得手段により取得された情報に基づいて、前記第1及び第2画像データが所定の条件を満たすか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段により前記第1及び第2画像データが所定の条件を満たすと判定された場合、前記第1及び第2画像データの表示に用いられるバックライトの光量が同じになるように前記画像表示装置及び前記他の画像表示装置を制御する制御手段と、
前記第1及び第2画像データの各々のピーク信号レベルを取得する第1取得手段と、
を備え、
前記制御手段は、前記第1及び第2画像データのピーク信号レベルのうち最も高いピーク信号レベル、又は前記第1及び第2画像データのピーク信号レベルの平均値を、共通ピーク信号レベルとして、前記第1及び第2画像データの表示に用いられるバックライトの光量を決定するための共通の情報として、前記画像表示装置又は前記他の画像表示装置に送信することを特徴とする画像表示装置。
【請求項11】
バックライトの光量を制御可能な画像表示装置であって、
前記画像表示装置に入力される第1画像データ、及び他の画像表示装置に入力される第2画像データの情報を取得する取得手段と、
前記取得手段により取得された情報に基づいて、前記第1及び第2画像データが所定の条件を満たすか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段により前記第1及び第2画像データが所定の条件を満たすと判定された場合、前記第1及び第2画像データの表示に用いられるバックライトの発光制御単位が同じになるように前記画像表示装置及び前記他の画像表示装置を制御する制御手段と、
前記画像表示装置及び前記他の画像表示装置のバックライトの発光制御単位数に関する情報を取得する第2取得手段と、
を備え、
前記制御手段は、前記判定手段により前記第1及び第2画像データが所定の条件を満たすと判定された場合に、前記画像表示装置及び前記他の画像表示装置の発光制御単位数のうち最小の発光制御単位数を基準として、又は、前記画像表示装置及び前記他の画像表示装置の発光制御単位数の最大公約数を基準として、前記第1及び第2画像データの表示に用いられるバックライトの発光制御単位が同じになるように、前記画像表示装置及び前記他の画像表示装置を制御することを特徴とする画像表示装置。
【請求項12】
バックライトの光量を制御可能な1つ又は複数の画像表示装置へ複数の画像データを出力する画像出力装置の制御方法であって、
前記複数の画像データが所定の条件を満たすか否かを判定する判定工程と、
前記判定工程により前記複数の画像データが所定の条件を満たすと判定された場合、前記複数の画像データの表示に用いられるバックライトの光量及び発光制御単位の少なくとも一方が同じになるように前記1つ又は複数の画像表示装置を制御するか否かをユーザに
問合せ、制御するとユーザが回答すると、前記複数の画像データの表示に用いられるバックライトの光量及び発光制御単位の少なくとも一方が同じになるように前記1つ又は複数の画像表示装置を制御する制御工程と、を有する画像出力装置の制御方法。
【請求項13】
バックライトの光量を制御可能な1つ又は複数の画像表示装置へ複数の画像データを出力する画像出力装置の制御方法であって、
前記複数の画像データが所定の条件を満たすか否かを判定する判定工程と、
前記判定工程により前記複数の画像データが所定の条件を満たすと判定された場合、前記複数の画像データの表示に用いられるバックライトの光量が同じになるように前記1つ又は複数の画像表示装置を制御する制御工程と、
前記複数の画像データの各々のピーク信号レベルを取得する第1取得工程と、
を有し、
前記制御工程では、前記複数の画像データのピーク信号レベルのうち最も高いピーク信号レベル、又は前記複数の画像データのピーク信号レベルの平均値を、共通ピーク信号レベルとして、前記複数の画像データの表示に用いられるバックライトの光量を決定するための共通の情報として、前記1つ又は複数の画像表示装置に送信することを特徴とする画像出力装置の制御方法。
【請求項14】
バックライトの光量を制御可能な1つ又は複数の画像表示装置へ複数の画像データを出力する画像出力装置の制御方法であって、
前記複数の画像データが所定の条件を満たすか否かを判定する判定工程と、
前記判定工程により前記複数の画像データが所定の条件を満たすと判定された場合、前記複数の画像データの表示に用いられるバックライトの発光制御単位が同じになるように前記1つ又は複数の画像表示装置を制御する制御工程と、
前記複数の画像表示装置のバックライトの発光制御単位数に関する情報を取得する第2取得工程と、を有し、
前記制御工程では、前記判定工程により前記複数の画像データが所定の条件を満たすと判定された場合に、前記複数の画像表示装置の発光制御単位数のうち最小の発光制御単位数を基準として、又は、前記複数の画像表示装置の発光制御単位数の最大公約数を基準として、前記複数の画像データの表示に用いられるバックライトの発光制御単位が同じになるように、前記複数の画像表示装置を制御することを特徴とする画像出力装置の制御方法。
【請求項15】
前記制御工程では、前記判定工程により前記複数の画像データが所定の条件を満たすと判定された場合に、前記複数の画像データの表示に用いられるバックライトの光量が同じになるように前記1つ又は複数の画像表示装置を制御するか否かをユーザに問合せ、制御するとユーザが回答すると、前記複数の画像データの表示に用いられるバックライトの光量が同じになるように前記1つ又は複数の画像表示装置を制御することを特徴とする請求項13に記載の画像出力装置の制御方法。
【請求項16】
前記制御工程では、前記判定工程により前記複数の画像データが所定の条件を満たすと判定された場合に、前記複数の画像データの表示に用いられるバックライトの発光制御単位が同じになるように前記1つ又は複数の画像表示装置を制御するか否かをユーザに問合せ、制御するとユーザが回答すると、前記複数の画像データの表示に用いられるバックライトの発光制御単位が同じになるように前記1つ又は複数の画像表示装置を制御することを特徴とする請求項14に記載の画像出力装置の制御方法。
【請求項17】
前記判定工程は、前記複数の画像データの患者名、撮影部位、モダリティのうち少なくとも1つが同じである場合に、前記複数の画像データが所定の条件を満たすと判定することを特徴とする請求項12から16までのいずれか1項に記載の画像出力装置の制御方法
。
【請求項18】
前記複数の画像表示装置の各々は、画像の表示領域の一部を注目領域として設定可能であり、
前記判定工程では、前記複数の画像表示装置の各々から注目領域の情報を取得し、各画像表示装置の表示領域を共通の座標平面に射影したときの注目領域の射影同士の重複の度合が閾値以上である場合に、前記複数の画像データが所定の条件を満たすと判定することを特徴とする請求項12から17までのいずれか1項に記載の画像出力装置の制御方法。
【請求項19】
前記複数の画像表示装置の各々が、複数の制御領域の各々の光量を独立に制御するローカルディミング制御が可能である場合、
前記第1取得工程では、制御領域毎に、前記複数の画像データのピーク信号レベルを取得し、
前記制御工程では、制御領域毎に、前記複数の画像データのピーク信号レベルのうち最も高いピーク信号レベル、又は前記複数の画像データのピーク信号レベルの平均値を、共通ピーク信号レベルとして、制御領域毎の共通ピーク信号レベルを、前記複数の画像データの表示に用いられるバックライトの光量を決定するための共通の情報として、前記1つ又は複数の画像表示装置に送信することを特徴とする請求項13又は15に記載の画像出力装置の制御方法。
【請求項20】
バックライトの光量を制御可能な画像表示装置の制御方法であって、
前記画像表示装置に入力される第1画像データ、及び他の画像表示装置に入力される第2画像データの情報を取得する取得工程と、
前記取得工程により取得された情報に基づいて、前記第1及び第2画像データが所定の条件を満たすか否かを判定する判定工程と、
前記判定工程により前記第1及び第2画像データが所定の条件を満たすと判定された場合、前記第1及び第2画像データの表示に用いられるバックライトの光量及び発光制御単位の少なくとも一方が同じになるように前記画像表示装置及び前記他の画像表示装置を制御するか否かをユーザに問合わせ、制御するとユーザが回答すると、前記第1及び第2画像データの表示に用いられるバックライトの光量及び発光制御単位の少なくとも一方が同じになるように前記画像表示装置及び前記他の画像表示装置を制御する制御工程と、を有する画像表示装置の制御方法。
【請求項21】
バックライトの光量を制御可能な画像表示装置の制御方法であって、
前記画像表示装置に入力される第1画像データ、及び他の画像表示装置に入力される第2画像データの情報を取得する取得工程と、
前記取得工程により取得された情報に基づいて、前記第1及び第2画像データが所定の条件を満たすか否かを判定する判定工程と、
前記判定工程により前記第1及び第2画像データが所定の条件を満たすと判定された場合、前記第1及び第2画像データの表示に用いられるバックライトの光量が同じになるように前記画像表示装置及び前記他の画像表示装置を制御する制御工程と、
前記第1及び第2画像データの各々のピーク信号レベルを取得する第1取得工程と、
を有し、
前記制御工程では、前記第1及び第2画像データのピーク信号レベルのうち最も高いピーク信号レベル、又は前記第1及び第2画像データのピーク信号レベルの平均値を、共通ピーク信号レベルとして、前記第1及び第2画像データの表示に用いられるバックライトの光量を決定するための共通の情報として、前記画像表示装置又は前記他の画像表示装置に送信することを特徴とする画像表示装置の制御方法。
【請求項22】
バックライトの光量を制御可能な画像表示装置の制御方法であって、
前記画像表示装置に入力される第1画像データ、及び他の画像表示装置に入力される第2画像データの情報を取得する取得工程と、
前記取得工程により取得された情報に基づいて、前記第1及び第2画像データが所定の条件を満たすか否かを判定する判定工程と、
前記判定工程により前記第1及び第2画像データが所定の条件を満たすと判定された場合、前記第1及び第2画像データの表示に用いられるバックライトの発光制御単位が同じになるように前記画像表示装置及び前記他の画像表示装置を制御する制御工程と、
前記画像表示装置及び前記他の画像表示装置のバックライトの発光制御単位数に関する情報を取得する第2取得工程と、
を有し
前記制御工程では、前記判定工程により前記第1及び第2画像データが所定の条件を満たすと判定された場合に、前記画像表示装置及び前記他の画像表示装置の発光制御単位数のうち最小の発光制御単位数を基準として、又は、前記画像表示装置及び前記他の画像表示装置の発光制御単位数の最大公約数を基準として、前記第1及び第2画像データの表示に用いられるバックライトの発光制御単位が同じになるように、前記画像表示装置及び前記他の画像表示装置を制御することを特徴とする画像表示装置の制御方法。
【請求項23】
請求項12から請求項19までのいずれか1項に記載の画像出力装置の制御方法の各工程をコンピュータに実行させるためのプログラムが格納されたコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【請求項24】
請求項20から請求項22までのいずれか1項に記載の画像表示装置の制御方法の各工程をコンピュータに実行させるためのプログラムが格納されたコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像出力装置、その制御方法、画像表示装置、その制御方法、及び記憶媒体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、液晶画像表示装置は、バックライトの光量を一定に保ち、液晶層に印加する電圧を制御して液晶の透過率を変化させることで液晶層を透過する光量を調節することにより画像を表示している。しかし、液晶の透過率を下げるのは限度があるため、液晶の透過率を最小にしてもバックライトの光が透過し、十分なコントラストが得られない場合があった。これに対し、画像信号に合わせてバックライト光量を調整するディミング制御を行うことでコントラストを向上させる技術が知られている。
【0003】
ディミング制御には、バックライト全体の光量を一様に変化させるグローバルディミングと、バックライトをいくつかの制御領域に分割し、分割した制御領域毎に独立に光量を変化させるローカルディミングがある。グローバルディミング制御では、発光制御単位数は1つであり、ローカルディミング制御では、発光制御単位数が2つ以上である。
【0004】
ディミング制御では、例えば、制御領域毎に、その制御領域に対応する液晶パネルの表示領域に入力される画像データのピーク信号レベルを取得する。液晶の透過率を最大としたときの表示画面の輝度が当該ピーク信号レベルに対応する輝度となるように、その制御領域のバックライト光量が調節される。そして、ピーク信号レベルが最大信号レベルとなるようにゲイン又はルックアップテーブル(LUT)が調節される(例えば特許文献1参照)。ここで、ピーク信号レベルとは、制御領域に対応する液晶パネルの表示領域に入力される画像データの全画素の信号レベルのうちで最も高い信号レベルである。LUTとは、画像表示装置の画像処理部において、入力される信号レベルに対応する出力する信号レベルを定めた表である。LUTに従って画像処理が施された画像データに基づいて液晶パネルが駆動される。
【0005】
近年、医療分野で液晶画像表示装置がモダリティ画像の診断等に使われている。モダリティ画像とはDR(Digital Radiography:デジタルX線撮影)やCT(Computed Tomography:コンピュータ断層撮影)といった医療撮影装置で撮影された画像である。医療診断においては、例えば2台の液晶画像表示装置を並べて設置し、それぞれに異なる画像を表示させて比較診断することがある。例えば、一方の画像表示装置には今回撮影したある部位のモダリティ画像を表示し、もう一方の画像表示装置には過去に撮影した同じ撮影部位の同じ種類のモダリティ画像を表示する。また、モダリティ画像に基づく診断においては、階調間の輝度差を人間観察者が認識できることが重要なため、モダリティ画像を表示する画像表示装置には高いコントラスト特性や階調再現性が求められる。
【0006】
表示可能な輝度範囲の異なる複数の画像表示装置のダイナミックレンジを揃えるために、各画像表示装置の最低輝度の中で最も高い値を共通の最低輝度とし、各画像表示装置の最高輝度のうち最も低い値を共通の最高輝度とする技術がある(例えば特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平11−65531号公報
【特許文献2】特開2005−070080号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ディミング制御は画像表示装置に入力される画像データに応じて行われるため、複数の画像表示装置にそれぞれ異なる画像データが入力される場合、ディミング制御により決定されるバックライトの光量が複数の画像表示装置で同じにならないことがあり得る。そのため、複数の画像表示装置に異なる画像を表示させて比較診断するような使用形態では、複数の画像表示装置でバックライトの光量が同じにならない場合があり得る。そうすると、画像表示装置間で黒浮の程度等の階調再現性が異なってしまうため、精確な画像比較ができなくなる可能性がある。この問題は、ローカルディミングが可能な画像表示装置において、画面を複数の表示領域に分割し、異なる表示領域に表示させた異なる画像同士を比較する場合も同様に発生し得る。
【0009】
そこで本発明は、入力される画像データに応じてバックライト光量を調節する複数の画像表示装置又は複数の表示領域に異なる画像を表示させた場合に、画像同士の比較を精度良く行うことを可能にする技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、バックライトの光量を制御可能な1つ又は複数の画像表示装置へ複数の画像データを出力する画像出力装置であって、
前記複数の画像データが所定の条件を満たすか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段により前記複数の画像データが所定の条件を満たすと判定された場合、前記複数の画像データの表示に用いられるバックライトの光量
及び発光制御単位の少なくとも一方が同じになるように前記1つ又は複数の画像表示装置を制御する
か否かをユーザに問合せ、制御するとユーザが回答すると、前記複数の画像データの表示に用いられるバックライトの光量及び発光制御単位の少なくとも一方が同じになるように前記1つ又は複数の画像表示装置を制御する制御手段と、を備える画像出力装置である。
また本発明は、バックライトの光量を制御可能な1つ又は複数の画像表示装置へ複数の画像データを出力する画像出力装置であって、
前記複数の画像データが所定の条件を満たすか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段により前記複数の画像データが所定の条件を満たすと判定された場合、前記複数の画像データの表示に用いられるバックライトの光量が同じになるように前記1つ又は複数の画像表示装置を制御する制御手段と、
前記複数の画像データの各々のピーク信号レベルを取得する第1取得手段と、
を備え、
前記制御手段は、前記複数の画像データのピーク信号レベルのうち最も高いピーク信号
レベル、又は前記複数の画像データのピーク信号レベルの平均値を、共通ピーク信号レベルとして、前記複数の画像データの表示に用いられるバックライトの光量を決定するための共通の情報として、前記1つ又は複数の画像表示装置に送信することを特徴とする画像出力装置である。
また本発明は、バックライトの光量を制御可能な1つ又は複数の画像表示装置へ複数の画像データを出力する画像出力装置であって、
前記複数の画像データが所定の条件を満たすか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段により前記複数の画像データが所定の条件を満たすと判定された場合、前記複数の画像データの表示に用いられるバックライトの発光制御単位が同じになるように前記1つ又は複数の画像表示装置を制御する制御手段と、
前記複数の画像表示装置のバックライトの発光制御単位数に関する情報を取得する第2取得手段と、
を備え、
前記制御手段は、前記判定手段により前記複数の画像データが所定の条件を満たすと判定された場合に、前記複数の画像表示装置の発光制御単位数のうち最小の発光制御単位数を基準として、又は、前記複数の画像表示装置の発光制御単位数の最大公約数を基準として、前記複数の画像データの表示に用いられるバックライトの発光制御単位が同じになるように、前記複数の画像表示装置を制御することを特徴とする画像出力装置である。
【0011】
本発明は、バックライトの光量を制御可能な画像表示装置であって、
前記画像表示装置に入力される第1画像データ、及び他の画像表示装置に入力される第2画像データの情報を取得する取得手段と、
前記取得手段により取得された情報に基づいて、前記第1及び第2画像データが所定の条件を満たすか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段により前記
第1及び第2画像データが所定の条件を満たすと判定された場合、前記第1及び第2画像データの表示に用いられるバックライトの光量
及び発光制御単位の少なくとも一方が同じになるように前記画像表示装置及び前記他の画像表示装置を制御する
か否かをユーザに問合せ、制御するとユーザが回答すると、前記複第1及び第2画像データの表示に用いられるバックライトの光量及び発光制御単位の少なくとも一方が同じになるように前記画像表示装置及び前記他の画像表示装置を制御する制御手段と、を備える画像表示装置である。
また本発明は、バックライトの光量を制御可能な画像表示装置であって、
前記画像表示装置に入力される第1画像データ、及び他の画像表示装置に入力される第2画像データの情報を取得する取得手段と、
前記取得手段により取得された情報に基づいて、前記第1及び第2画像データが所定の条件を満たすか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段により前記第1及び第2画像データが所定の条件を満たすと判定された場合、前記第1及び第2画像データの表示に用いられるバックライトの光量が同じになるように前記画像表示装置及び前記他の画像表示装置を制御する制御手段と、
前記第1及び第2画像データの各々のピーク信号レベルを取得する第1取得手段と、
を備え、
前記制御手段は、前記第1及び第2画像データのピーク信号レベルのうち最も高いピーク信号レベル、又は前記第1及び第2画像データのピーク信号レベルの平均値を、共通ピ
ーク信号レベルとして、前記第1及び第2画像データの表示に用いられるバックライトの光量を決定するための共通の情報として、前記画像表示装置又は前記他の画像表示装置に送信することを特徴とする画像表示装置である。
また本発明は、バックライトの光量を制御可能な画像表示装置であって、
前記画像表示装置に入力される第1画像データ、及び他の画像表示装置に入力される第2画像データの情報を取得する取得手段と、
前記取得手段により取得された情報に基づいて、前記第1及び第2画像データが所定の条件を満たすか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段により前記第1及び第2画像データが所定の条件を満たすと判定された場合、前記第1及び第2画像データの表示に用いられるバックライトの発光制御単位が同じになるように前記画像表示装置及び前記他の画像表示装置を制御する制御手段と、
前記画像表示装置及び前記他の画像表示装置のバックライトの発光制御単位数に関する情報を取得する第2取得手段と、
を備え、
前記制御手段は、前記判定手段により前記第1及び第2画像データが所定の条件を満たすと判定された場合に、前記画像表示装置及び前記他の画像表示装置の発光制御単位数のうち最小の発光制御単位数を基準として、又は、前記画像表示装置及び前記他の画像表示装置の発光制御単位数の最大公約数を基準として、前記第1及び第2画像データの表示に用いられるバックライトの発光制御単位が同じになるように、前記画像表示装置及び前記他の画像表示装置を制御することを特徴とする画像表示装置である。
【0012】
本発明は、バックライトの光量を制御可能な1つ又は複数の画像表示装置へ複数の画像データを出力する画像出力装置の制御方法であって、
前記複数の画像データが所定の条件を満たすか否かを判定する判定工程と、
前記判定工程により前記複数の画像データが所定の条件を満たすと判定された場合、前記複数の画像データの表示に用いられるバックライトの光量
及び発光制御単位の少なくとも一方が同じになるように前記1つ又は複数の画像表示装置を制御する
か否かをユーザに問合せ、制御するとユーザが回答すると、前記複数の画像データの表示に用いられるバックライトの光量及び発光制御単位の少なくとも一方が同じになるように前記1つ又は複数の画像表示装置を制御する制御工程と、を有する画像出力装置の制御方法である。
また本発明は、バックライトの光量を制御可能な1つ又は複数の画像表示装置へ複数の画像データを出力する画像出力装置の制御方法であって、
前記複数の画像データが所定の条件を満たすか否かを判定する判定工程と、
前記判定工程により前記複数の画像データが所定の条件を満たすと判定された場合、前記複数の画像データの表示に用いられるバックライトの光量が同じになるように前記1つ又は複数の画像表示装置を制御する制御工程と、
前記複数の画像データの各々のピーク信号レベルを取得する第1取得工程と、
を有し、
前記制御工程では、前記複数の画像データのピーク信号レベルのうち最も高いピーク信号レベル、又は前記複数の画像データのピーク信号レベルの平均値を、共通ピーク信号レベルとして、前記複数の画像データの表示に用いられるバックライトの光量を決定するための共通の情報として、前記1つ又は複数の画像表示装置に送信することを特徴とする画像出力装置の制御方法である。
また本発明は、バックライトの光量を制御可能な1つ又は複数の画像表示装置へ複数の画像データを出力する画像出力装置の制御方法であって、
前記複数の画像データが所定の条件を満たすか否かを判定する判定工程と、
前記判定工程により前記複数の画像データが所定の条件を満たすと判定された場合、前記複数の画像データの表示に用いられるバックライトの発光制御単位が同じになるように前記1つ又は複数の画像表示装置を制御する制御工程と、
前記複数の画像表示装置のバックライトの発光制御単位数に関する情報を取得する第2取得工程と、を有し、
前記制御工程では、前記判定工程により前記複数の画像データが所定の条件を満たすと判定された場合に、前記複数の画像表示装置の発光制御単位数のうち最小の発光制御単位数を基準として、又は、前記複数の画像表示装置の発光制御単位数の最大公約数を基準として、前記複数の画像データの表示に用いられるバックライトの発光制御単位が同じになるように、前記複数の画像表示装置を制御することを特徴とする画像出力装置の制御方法である。
【0013】
本発明は、バックライトの光量を制御可能な画像表示装置の制御方法であって、
前記画像表示装置に入力される第1画像データ、及び他の画像表示装置に入力される第2画像データの情報を取得する取得工程と、
前記取得工程により取得された情報に基づいて、前記第1及び第2画像データが所定の条件を満たすか否かを判定する判定工程と、
前記判定工程により前記
第1及び第2画像データが所定の条件を満たすと判定された場合、前記第1及び第2画像データの表示に用いられるバックライトの光量
及び発光制御単位の少なくとも一方が同じになるように前記画像表示装置及び前記他の画像表示装置を制御する
か否かをユーザに問合わせ、制御するとユーザが回答すると、前記第1及び第2画像データの表示に用いられるバックライトの光量及び発光制御単位の少なくとも一方が同じになるように前記画像表示装置及び前記他の画像表示装置を制御する制御工程と、を有する画像表示装置の制御方法である。
また本発明は、バックライトの光量を制御可能な画像表示装置の制御方法であって、
前記画像表示装置に入力される第1画像データ、及び他の画像表示装置に入力される第2画像データの情報を取得する取得工程と、
前記取得工程により取得された情報に基づいて、前記第1及び第2画像データが所定の条件を満たすか否かを判定する判定工程と、
前記判定工程により前記第1及び第2画像データが所定の条件を満たすと判定された場合、前記第1及び第2画像データの表示に用いられるバックライトの光量が同じになるように前記画像表示装置及び前記他の画像表示装置を制御する制御工程と、
前記第1及び第2画像データの各々のピーク信号レベルを取得する第1取得工程と、
を有し、
前記制御工程では、前記第1及び第2画像データのピーク信号レベルのうち最も高いピーク信号レベル、又は前記第1及び第2画像データのピーク信号レベルの平均値を、共通ピーク信号レベルとして、前記第1及び第2画像データの表示に用いられるバックライトの光量を決定するための共通の情報として、前記画像表示装置又は前記他の画像表示装置に送信することを特徴とする画像表示装置の制御方法である。
また本発明は、バックライトの光量を制御可能な画像表示装置の制御方法であって、
前記画像表示装置に入力される第1画像データ、及び他の画像表示装置に入力される第2画像データの情報を取得する取得工程と、
前記取得工程により取得された情報に基づいて、前記第1及び第2画像データが所定の条件を満たすか否かを判定する判定工程と、
前記判定工程により前記第1及び第2画像データが所定の条件を満たすと判定された場合、前記第1及び第2画像データの表示に用いられるバックライトの発光制御単位が同じになるように前記画像表示装置及び前記他の画像表示装置を制御する制御工程と、
前記画像表示装置及び前記他の画像表示装置のバックライトの発光制御単位数に関する情報を取得する第2取得工程と、
を有し
前記制御工程では、前記判定工程により前記第1及び第2画像データが所定の条件を満たすと判定された場合に、前記画像表示装置及び前記他の画像表示装置の発光制御単位数のうち最小の発光制御単位数を基準として、又は、前記画像表示装置及び前記他の画像表示装置の発光制御単位数の最大公約数を基準として、前記第1及び第2画像データの表示に用いられるバックライトの発光制御単位が同じになるように、前記画像表示装置及び前記他の画像表示装置を制御することを特徴とする画像表示装置の制御方法である。
【発明の効果】
【0014】
入力される画像データに応じてバックライト光量を調節する複数の画像表示装置又は複数の表示領域に異なる画像を表示させた場合に、画像同士の比較を精度良く行うことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】実施例1に係る画像表示システムの概略構成図
【
図2】実施例1に係る画像表示システムの機能ブロック図
【
図3】実施例1に係るPCの動作を示すフローチャート
【
図4】実施例1に係る画像表示装置の動作を示すフローチャート
【
図5】実施例1の変形例に係る画像表示装置の機能ブロック図
【
図10】実施例4に係る画像表示システムの機能ブロック図
【
図11】実施例4に係るPCの動作を示すフローチャート
【
図12】実施例4に係る詳細問合わせ画面例を示す図
【
図13】実施例4の変形例に係る画像表示装置の機能ブロック図
【発明を実施するための形態】
【0016】
(実施例1)
以下、図面を参照して本発明の実施例を説明する。ただし、本実施例は本発明の範囲を限定する主旨のものではなく、本発明はその範囲内で種々の構成により実施することができる。
【0017】
図1は本実施例に係る画像出力装置と画像表示装置からなる画像表示システムの概略構成図である。
図1で画像出力装置100としては汎用のPC(Personal Computer)を用いることができる。PC100は、DP(DisplayPort)ケーブル601を介して画像表示装置300へ画像データを出力するとともに、DPケーブル603を介して画像表示装置200へ画像データを出力する。PC100は画像表示装置200と画像表示装置300にそれぞれ異なる画像データを出力することができる(マルチモニタ表示)。画像表示装置200に表示されている画像701は、
図1の例では患者Aの肺の最新のDR画像であり、画像表示装置300に表示されている画像702は、患者Aの肺の1年前のDR画像である。画像701及び画像702は、それぞれ画像表示装置200及び画像表示装置300に全画面表示されている。画像701及び画像702は、撮影部位が同じ且つモダリティの種類が同じであって互いに異なる画像データの一例である。なお、PC100は2つの画像表示装置に同じ画像データを出力することが可能であっても良い。モダリティとは、医療機器分類を示し、DRやCTの他、MRI(Magnetic Resonance imaging:磁気共鳴イメージング)、超音波撮影、マンモグラフィ等が挙げられる。
【0018】
PC100と画像表示装置200はUSBケーブル(Universal Serial Bus)604で接続され、PC100と画像表示装置300はUSBケーブル60
2で接続されており、コマンドの送受信が可能となっている。画像表示装置200及び画像表示装置300はバックライト及び液晶パネルを備え、入力される画像データに応じてバックライトの光量を調節するディミング制御を行う液晶ディスプレイである。画像表示装置200、300は、ディミング制御として、バックライト全体の光量を一様に調節するグローバルディミング制御や、バックライトを複数の制御領域に分割し制御領域毎に独立に光量を調節するローカルディミング制御を実行できるものとする。画像表示装置200及び画像表示装置300への画像データの出力は、PC100上で動作するプログラムである医療画像ビューワにより制御される。
【0019】
画像表示装置200と画像表示装置300で行われる画像処理は同じ設定となっている。画像処理の設定としては、例えば、白輝度、黒輝度、γカーブ等がある。γカーブは、DICOM GSDF(Digital Imaging and Communication in Medicine Grayscale Standard Display Function)、γ値1.8、γ値2.2等を設定できる。
【0020】
図2は
図1のPC100、画像表示装置200、及び画像表示装置300の機能ブロック図である。
PC100の機能ブロックについて説明する。
制御部101は、例えばCPU(Central Processing Unit)であり、記憶部102に記憶されているプログラムに基づきPC100全体を制御する。
画像作成部103は、画像表示装置200と画像表示装置300へ出力する画像データを作成する。画像作成部103は、例えば符号化されたデータをデコードすることにより画像データを生成する。
【0021】
ディミング制御判定部104は、画像表示装置200と画像表示装置300とで共通のディミング制御をすべきか否かを判定する。ここで、「共通のディミング制御を行う」とは、ディミング制御により決定されるバックライトの光量が画像表示装置200と画像表示装置300とで共通となることを表すものとする。すなわち、共通のディミング制御が行われる場合、画像表示装置200に入力される画像データと画像表示装置300に入力される画像データとが異なっていても、両者のバックライトの光量は等しく制御される。ディミング制御判定部104は、画像作成部103で作成された画像データが同じモダリティであるか否か、また、同じ撮影部位であるか否かを判定し、判定結果に応じて共通のディミング制御を行うか否かを判定する。ここで、撮影部位とは、モダリティ画像における撮影対象の身体の部分である。
図1の例では、撮影部位は肺、モダリティはDRである。画像データのモダリティや撮影部位の判定方法については後述する。
【0022】
なお、バックライトの光量が画像表示装置200と画像表示装置300とで共通となるように制御する場合、必然的にバックライトの発光制御単位も共通となる。すなわち、画像表示装置200と画像表示装置300の両方が共通してグローバルディミング制御されるか、両方が共通してローカルディミング制御される。画像表示装置200と画像表示装置300の両方が共通してローカルディミング制御される場合は、バックライトの発光制御単位数は等しくされる。
【0023】
共通ピーク信号レベル決定部105は、ディミング制御判定部104で共通のディミング制御をすべきと判定された場合、画像作成部103で作成された画像表示装置200、300に出力するための2つの画像データからピーク信号レベルを取得する。そして、共通ピーク信号レベルを決定する。ここで共通ピーク信号レベルとは、2つの画像データそれぞれのピーク信号レベルのうち、高い方の信号レベルである。ピーク信号レベルとは、画像データの全画素の中で最も高い信号レベル(例えば、最大輝度信号レベル)である。なお、2つの画像データそれぞれのピーク信号レベルの平均値を共通ピーク信号レベルと
してもよい。
【0024】
画像出力部106は、画像作成部103で作成された画像データを画像表示装置200と画像表示装置300のそれぞれに出力する。
通信部107は、共通ピーク信号レベル決定部105で決定した共通ピーク信号レベルの情報を、バックライトの光量制御を決定するための情報として、画像表示装置200と画像表示装置300のそれぞれに送信する。
【0025】
次に画像表示装置200について説明する。画像表示装置300は画像表示装置200と同じ構成であるから説明を省略する。
制御部201は、例えばCPU(Central Processing Unit)であり、記憶部202に記憶されているプログラムに基づき画像表示装置200の全体を制御する。
画像入力部203は、PC100から出力される画像データを入力する。
【0026】
ピーク信号レベル取得部205は、画像入力部203に入力された画像データのピーク信号レベルを取得する。
信号処理部206は、ピーク信号レベルに基づき、LUT(ルックアップテーブル)を調整し、画像入力部203に入力された画像データに画像処理を適用する。
バックライト制御部207は、ピーク信号レベルに基づき、バックライト光量を調整する。
信号処理部206及びバックライト制御部207がピーク信号レベルに基づき行うLUTの調整及びバックライト光量の調整が、画像表示装置200が行うディミング制御を構成する。
【0027】
制御部201は、ディミング制御が基づくところのピーク信号レベルとして、ピーク信号レベル取得部205が取得するピーク信号レベル、又は、PC100から送信される共通ピーク信号レベルのどちらを用いるか決定する。画像表示装置200、300が、それぞれピーク信号レベル取得部205,305で取得されるピーク信号レベルに基づきディミング制御を行う場合、2つの画像表示装置で独立してディミング制御が行われることになる。画像表示装置200,300が、ともにPC100から送信される共通ピーク信号レベルに基づきディミング制御を行う場合、2つの画像表示装置で共通のディミング制御が行われることになる。
【0028】
次にPC100の動作を
図3のフローチャートに即して説明する。本フローチャートで示される処理は、PC100で動作する医療画像ビューワが新たな画像データを表示するとき、又は表示している画像データを変更するときに開始される。本実施例では、画像データは、モダリティ及び撮影部位により区別される医療用画像データであるとする。
【0029】
S101において、ディミング制御判定部104は、画像表示装置200と画像表示装置300とで共通のディミング制御を行うか否かについて判断する。ディミング制御判定部104は、画像表示装置200と画像表示装置300へそれぞれ出力する入力される2つの画像データが同じモダリティかつ同じ撮影部位である場合に、画像表示装置200と画像表示装置300とで共通のディミング制御を行うと判定する。
【0030】
ここで、2つの画像データのモダリティ及び撮影部位が同じか否かの判定方法としては、画像データのヘッダ情報に基づき判定する方法や、画像データを公知のマッチング処理等により解析して判定する方法を例示できる。ここでDICOM規格に沿った画像データは、メタ情報、データ要素、画像情報から構成される。データ要素は、タグ、VR(Value Representations)、Value Length、及びValu
e Fieldからなるエレメントを順に配列したものである。タグは、例えば(0010,0020)のような16進数のグループ番号とエレメント番号との組み合わせで表される。例えば、(0010、0010)は患者の名前、(0018,0015)は撮影部位、(0008,0060)はモダリティを表す。タグ(0018,0015)のデータ要素のフィールド値を参照することにより、その画像データの撮影部位の情報を取得できる。タグ(0008,0060)のデータ要素のフィールド値を参照することにより、その画像データのモダリティの情報を取得できる。VRは値表現でValue Fieldに含まれる数値、文字列、時刻などのデータ形式を示している。Value LengthはValue Fieldの値の長さをバイトで示し、Value Fieldは値の領域を示している。画像データがDICOM規格のデータの場合、ディミング制御判定部104は、撮影部位やモダリティのタグが付されたデータエレメントのValue Fieldの値を参照することにより、2つの画像データのモダリティや撮影部位が同じであるか否か判定できる。
【0031】
なお、本実施例では、2つの画像データのモダリティと撮影部位が同じである場合に、画像表示装置200と画像表示装置300とで共通のディミング制御を行うと判定する場合を例示するが、これに限定されるものではない。どのような条件を満たせば、共通のディミング制御を行うと判定するかは、任意に設定可能な構成としてもよい。例えば、患者名と、モダリティと、撮影部位とが同じである場合に、共通のディミング制御を行うようにしてもよいし、患者名、モダリティ、撮影部位のうちの1つ以上が同じである場合に、共通のディミング制御を行うようにしてもよい。モダリティや撮影部位に関するメタ情報が必ずしも画像データに付加されているとは限らないので、患者名、モダリティ、撮影部位のうちのいずれか1つだけが同じである場合であっても、共通のディミング制御を行うのが好ましい場合もあり得る。また、撮影時刻を示すメタ情報を加味して判定してもよい。例えば、2つの画像データの撮影時刻が異なり、かつ、患者名、モダリティ、撮影部位のうちの少なくとも1つが同じである場合に、共通のディミング制御を行うようにしてもよい。
【0032】
S101において共通のディミング制御をすべきと判定されなかった場合、S104に進む。
S104において、通信部107は、画像表示装置200及び画像表示装置300に対し、それぞれ独立にディミング制御すべきことを通知し、このフローチャートの処理が終了する。
S101において共通のディミング制御をすべきと判定された場合、S102に進む。S102において、共通ピーク信号レベル決定部105は、画像表示装置200に表示する画像データ及び画像表示装置300に表示する画像データからピーク信号レベルを取得する第1取得手段であり、共通ピーク信号レベルを決定する。
S103において、通信部107は、S102において決定した共通ピーク信号レベルの情報を画像表示装置200及び画像表示装置300へ送信する。
【0033】
画像表示装置200及び画像表示装置300の動作を
図4のフローチャートに即して説明する。ここでは画像表示装置200の符号を用いて説明するが、画像表示装置300についても同様の動作である。本フローチャートの処理は、画像表示装置200の画像入力部203に入力された画像データの垂直同期信号に同期して開始される。
【0034】
S201において、制御部201は、PC100から共通ピーク信号レベルの情報が通知されているか確認する。共通ピーク信号レベルが通知されている場合、その共通ピーク信号レベルは、共通のディミング制御をしないことがPC100から通知されるまで有効である。
【0035】
S201において共通ピーク信号レベルの情報が通知されていると判定された場合、S203に進み、制御部201は、通知された共通ピーク信号レベルをディミング制御に使用するピーク信号レベルとして設定する。
【0036】
S201において共通ピーク信号レベルの情報が通知されていないと判定された場合(S201:No)、S202に進み、ピーク信号レベル取得部205は画像入力部203に入力されている画像データからピーク信号レベルを取得する。そして、S203において、制御部201は、当該取得したピーク信号レベルをディミング制御に使用するピーク信号レベルとして設定する。
【0037】
S204において、バックライト制御部207は、S203で設定されたピーク信号レベルに応じてバックライト光量を調節する。このとき、バックライト光量は、液晶パネルがピーク信号レベルに対応する透過率のときの画面表面の輝度が信号レベル最大値(8bitなら255)の時の画面表面の輝度となるように調整する。
【0038】
S205において、信号処理部206は、S203で設定されたピーク信号レベルに基づいてLUTを調整する。このLUTの調整では、ピーク信号レベルの入力に対応するLUTの出力値を信号レベルの最大値とし、信号レベル0の入力に対応するLUTの出力値を0とする。そして、それ以外の信号レベルnの入力に対応するLUTの出力値はn×γ値とする。なお、γカーブの設定がDICOM GSDFの場合の各入力信号レベルに対応するLUTの出力値の算出の仕方は、以下の通りである。まず、S204での調整により変化したバックライト光量と、調整前の白輝度値及び黒輝度値と、に基づき、白輝度値及び黒輝度値を算出する。そして、算出した新たな白輝度値及び黒輝度値から公知の方法により各信号レベルに対応する目標輝度値を算出する。信号レベルnに対応するLUTの値は次の式で算出する。
(信号レベルnの目標輝度値÷ピーク信号レベルに対応する目標輝度値)×最大信号レベル
【0039】
以上のようにして、画像表示装置200と画像表示装置300が共通のディミング制御をすべきとPC100が判定した場合、画像表示装置200と画像表示装置300の両方で共通ピーク信号レベルに基づく共通のディミング制御が行われる。複数の画像表示装置で異なる画像データを表示する場合でも、黒浮きの程度や階調再現特性が同じになるように調整された状態で各画像データが各画像表示装置で表示されるため、画像の比較に基づく診断を精確に行うことが可能になる。
【0040】
なお,本実施例では、比較診断時に画像表示装置200と画像表示装置300とで共通のディミング制御を行うとして説明した。このディミング制御は上述のようにグローバルディミング制御でもローカルディミング制御でも良い。しかし、画像表示装置200と画像表示装置300がローカルディミング制御可能であっても、異なる画像を2つの画像表示装置に表示させて比較して診断する場合には、ローカルディミング制御をしないようにしてもよい。つまり、画像比較に基づく診断を行う場合には、画像表示装置200と画像表示装置300のディミング制御をグローバルディミング制御としても良い。この場合、2つの画像表示装置の各々のバックライトは全体で一様の光量となり、その光量は2つの画像表示装置同士で等しくなるので、精確な画像比較が可能となる。
【0041】
2つの画像表示装置で、ともにローカルディミング制御を行い、且つ、共通のディミング制御を行う場合は、バックライト光量を独立に制御可能な制御領域毎に2つの画像表示装置同士でバックライト光量が等しくなるようにする。
【0042】
本実施例では、画像表示装置200及び画像表示装置300はグローバルディミング制御を行うものとし、共通ピーク信号レベル決定部105は、2つの画像データそれぞれの全画素のうちで最も高い信号レベルをそれぞれの画像データのピーク信号レベルとした。そして、2つの画像データのピーク信号レベルのうち高い方を共通ピーク信号レベルとして決定した(S102)。画像表示装置200、300がローカルディミング制御を行う場合、共通ピーク信号レベル決定部105は、バックライトの各制御領域に対応する液晶パネルの表示領域内の画素のうちで最も高い信号レベルをその制御領域のピーク信号レベルとして決定する。そして、2つの画像データの対応する制御領域のピーク信号レベルのうち高い方をその制御領域の共通ピーク信号レベルとして決定する。つまり、ローカルディミング制御を行う場合は、共通ピーク信号レベル決定部105は、バックライトの制御領域毎に共通ピーク信号レベルを決定する。そして、S204〜S205のバックライト光量の調整及びLUTの調整は、制御領域毎の共通ピーク信号レベルに基づき制御領域毎に行われる。
【0043】
本実施例ではPC100が共通ピーク信号レベルを抽出する例を説明した。しかし、
図5に示すように、各画像表示装置が上述した共通ピーク信号レベル決定部105を備えた構成としても良い。この場合、各画像表示装置のピーク信号レベル取得部がそれぞれに入力されている画像データのピーク信号レベルを抽出し、一方の画像表示装置がマスター機となって画像表示装置間でピーク信号レベルの情報を通信して共通ピーク信号レベルを決める。画像表示装置200がマスター機となる場合、画像表示装置200は、画像表示装置300のピーク信号レベル取得部305が取得した画像表示装置300に入力されている画像データ(第2画像データ)のピーク信号レベルの情報を画像表示装置300から取得する。画像表示装置200は、次の2つのピーク信号レベル同士の比較を行う。すなわち、画像表示装置300から取得した画像表示装置300に入力されている画像データのピーク信号レベルと、ピーク信号レベル取得部205で取得した自身(画像表示装置200)に入力されている画像データ(第1画像データ)のピーク信号レベルである。そして、画像表示装置200の共通ピーク信号レベル決定部105は、比較の結果レベルの高い方を共通ピーク信号レベルとして決定し、決定した共通ピーク信号レベルの情報を画像表示装置300へ送信する。
【0044】
また、
図5に示すように、各画像表示装置が上述したディミング制御判定部104を備えた構成とし、2つの画像表示装置同士で共通のディミング制御を行うか否かの判定をマスター機となった画像表示装置が行うようにしても良い。例えば、画像表示装置200がマスター機となる場合、画像表示装置200は、画像表示装置300から、画像表示装置300に入力されている画像データの情報を通信により取得する。そして、画像表示装置200のディミング制御判定部104が、DICOMタグ情報や画像解析により、画像表示装置300に入力されている画像データと画像表示装置200に入力されている画像データとが同じモダリティ且つ同じ撮影部位であるか判定する。両者が同じモダリティ且つ同じ撮影部位であると判定した場合、画像表示装置200のディミング制御判定部104は、画像表示装置200と画像表示装置300とで共通のディミング制御を行うことを決定し、その旨を画像表示装置300へ通知する。そして、画像表示装置200が共通ピーク信号レベル決定部105を有している場合、共通ピーク信号レベルの情報を画像表示装置300へ通知する。
【0045】
また、本実施例ではPCが1台、画像表示装置が2台の場合について例示したが、画像表示装置がより多い台数であっても良い。その場合、複数の画像表示装置の中から共通のディミング制御をすべき画像表示装置を上述した
図3のS101と同じ方法により判定する。画像表示装置に共通ピーク信号レベル決定部105やディミング制御判定部104が備わる構成の場合、マスター機となった画像表示装置は、他の複数の画像表示装置から入
力されている画像データの情報を取得する。そして、自身の画像表示装置を含む複数の画像表示装置のうち、共通のディミング制御を行うべき画像表示装置を判断する。共通のディミング制御を行うべきと判断された複数の画像表示装置のうちに自身の画像表示装置が含まれている場合、自身の画像表示装置のバックライト制御部及び他の画像表示装置に対し、バックライトの光量制御を決定するための情報として共通の情報を送信する。共通のディミング制御を行うべきと判断された複数の画像表示装置のうちに自身の画像表示装置が含まれていない場合、当該複数の画像表示装置に対し、バックライトの光量制御を決定するための情報として共通の情報を送信する。マスター機以外の画像表示装置(スレーブ機)は、バックライト制御情報取得のために通信部を介してマスター機の画像表示装置からバックライトの光量制御を決定するための情報を受け取る。スレーブ機は、マスター機からバックライトの光量制御決定するための情報を受け取った場合、その情報に基づきバックライトの光量を制御する。
【0046】
また、
図6のように1台の画像表示装置500の異なる複数の表示領域に複数の画像データに基づく複数の画像を表示可能であり、各表示領域に対応するバックライトの制御領域毎に独立に光量を制御可能な画像表示装置にも本発明を適用できる。1つの画面内で各画像が表示される領域を「ウィンドウ」と称する。この場合のS101での判定は、現在の表示ウィンドウモードを取得し、それぞれのウィンドウに対して共通のディミング制御をすべきか否かの判定となる。ここで、ウィンドウモードは、画面内にいくつのウィンドウが表示されるかを示す。
図6は、2つのウィンドウを表示するウィンドウモードの例を示しているが、画面内に表示するウィンドウの数はこの例に限らない。そして、複数のウィンドウのうち、共通のディミング制御をすべきと判定されたウィンドウに対応するバックライトの制御領域同士については共通のディミング制御を行う。それ以外のウィンドウに対応するバックライトの制御領域に対してはそれぞれ独立のディミング制御を行う。複数台の画像表示装置のそれぞれが複数の画像を表示している場合、画像表示装置毎、ウィンドウ毎に、共通のディミング制御を行うか否かを判定する。
【0047】
これにより、同じモダリティ且つ同じ撮影部位の画像データであって互いに異なる画像データを表示する画像表示装置同士やウィンドウ同士は、共通のディミング制御が適用され、バックライトの光量がこれらの画像表示装置同士やウィンドウ同士で同じとなる。従って、異なる画像同士の比較を精確に行うことが可能となる。
【0048】
(実施例2)
次に本発明の実施例2を説明する。ここでは、実施例1との相違点を主に説明する。本実施例では、画像の表示領域の一部を注目領域として設定可能な画像表示装置に本発明を適用した例である。
医療画像の読影診断では、
図7のように画像の一部領域を注目領域として設定することや、拡大表示指定することがある。
図7の例では、画像表示装置200に表示された画像701に注目領域801が指定されており、画像表示装置300に表示された画像702に注目領域802が指定されている。
図7(A)では注目領域に枠線を描画する例を示しているが、
図7(B)のように注目領域を拡大した画像703,704を、画像701や画像702の上に重畳描画するような場合も考えられる。また、ウィンドウモードで画面内の複数のウィンドウの各々に異なる画像データに基づく画像を表示する構成の場合、各ウィンドウ内に注目領域を設定することがある。
【0049】
この時、
図3のS101での共通のディミング制御をすべきかの判断において、実施例1において説明した条件(モダリティ及び撮影部位が同じか否か)に加え、画像表示装置間やウィンドウ間での注目領域同士の重複の度合についての条件も加える。注目領域同士が重複するとは、2つの画像表示装置の表示領域を共通の座標平面に射影したときに2つの表示領域に設定された注目領域の射影同士が共有部分を有することをいう。
【0050】
注目領域同士が重複していない場合、2つの画像データのモダリティ及び撮影部位が同じであっても、ユーザは2つの画像同士の比較や2つの注目領域同士の比較をしていないと判断し、2つの画像表示装置で独立にディミング制御を行う。
【0051】
注目領域同士が重複している場合、ユーザは2つの画像同士や2つの注目領域同士を比較している可能性が高いと判断し、2つの画像表示装置で共通のディミング制御を行う。注目領域同士が重複しているか否かは、前記共有部分が存在すれば「重複している」と判定しても良いし、前記共有部分の面積や該面積が注目領域の面積に占める割合等を重複の度合として求め、重複の度合が閾値以上の場合に「重複している」と判定しても良い。
【0052】
図7の例では、注目領域801と注目領域802は重複していないので、画像701と画像702がモダリティ及び撮影部位が同じであっても、画像表示装置200と画像表示装置300にはそれぞれ独立のディミング制御を適用すべきと判断される。
【0053】
また、実施例1では、S102又はS202におけるピーク信号レベルの取得は、画像データの全画素の中から最も高い信号レベルを抽出することにより行った。しかし、注目領域が設定されている場合、注目領域内の画素のうち最も高い信号レベルをピーク信号レベルとしても良い。この場合、このピーク信号レベルに基づき注目領域のディミング制御を行い、注目領域以外の領域については実施例1と同様の方法で決定されたピーク信号レベルを用いてディミング制御を行うようにしても良い。
【0054】
(実施例3)
次に本発明の実施例3を説明する。ここでは、実施例1との相違点を主に説明し、同一の内容に関しては詳細な説明を繰り返さない。本実施例では、複数の画像データが所定の条件を満たすと判定された場合に、複数の画像データの表示に用いられるバックライトの光量が同じになるようにバックライトを共通制御するか否かをユーザに問合せる。なお、実施例1で例示したように、例えば、患者名、モダリティ、撮影部位のうちの少なくとも1つが同じであることが所定の条件として設定されるものとする。
【0055】
図8は、画像表示装置200,300に表示された問合せ画面例を示す図である。本実施例では、
図3のS101で、
図1の画像作成部103が、バックライトを共通制御するか否かをユーザに問合せるGUI画像を描画する。そして、バックライトを共通制御するか否かをユーザに問合せるGUI画像が、画像出力部106から画像表示装置200,300に出力される。
【0056】
図8の問合せ画面において、ユーザが「YES」と回答すると、
図3のS101からS102,103に進み、画像表示装置200,300のバックライトの光量が同一になるように制御される。
【0057】
図9は、1台の画像表示装置500の複数の表示領域に複数の画像データが表示される場合に、画像表示装置500に表示される問合せ画面の例を示す図である。この場合、PC400の画像作成部103が、バックライトを共通制御するか否かをユーザに問合せるGUI画像を描画する。そして、バックライトを共通制御するか否かをユーザに問合せるGUI画像が、画像出力部106から画像表示装置500に出力される。
【0058】
本実施例によれば、複数の画像データが所定の条件を満たすと判定された場合に、複数の画像データの表示に用いられるバックライトの光量が同じになるようにバックライトを共通制御するか否かをユーザに問合せるため、ユーザの利便性が向上する。
【0059】
なお、本実施例の内容は、
図5に示したように、2つの画像表示装置同士で共通のディミング制御を行うか否かの判定をマスター機となった画像表示装置が行う場合にも適用可能である。画像表示装置200がマスター機となった場合、画像表示装置200の制御部201が、バックライトを共通制御するか否かをユーザに問合せるGUI画像を描画する。そして、バックライトを共通制御するか否かをユーザに問合せるGUI画像が、画像表示部208に表示される。
【0060】
また、本実施例の内容は、実施例2にも適用可能であり、画像の表示領域の一部を注目領域として設定可能な画像表示装置にも同様の構成で、同様の効果が得られる。
【0061】
(実施例4)
次に本発明の実施例4を説明する。ここでは、実施例1との相違点を主に説明し、同一の内容に関しては詳細な説明を繰り返さない。本実施例では、複数の画像データが所定の条件を満たすと判定された場合に、複数の画像データの表示に用いられるバックライトの光量と発光制御単位の両方又はどちらか一方が同じになるようにバックライトを共通制御する。
【0062】
図10は、実施例4に係るPC100と画像表示装置200,300からなる画像表示システムの概略構成図である。PC100は、画像表示装置200,300のバックライト情報を取得する第2取得手段であるバックライト情報取得部108と、画像表示装置200,300のバックライトの発光制御単位を決定する発光制御単位決定部109を備える。
【0063】
図11は、実施例4に係るPC100の動作を示すフローチャートである。
図3と同じステップ番号では、
図3と同様の動作が行われる。
【0064】
図11のS101で、PC100から画像表示装置200,300に出力する複数の画像データが所定の条件を満たすと判定された場合に、バックライト情報取得部108は、画像表示装置200,300の記憶部202,302からバックライト情報を取得する。なお、実施例1で例示したように、例えば、患者名、モダリティ、撮影部位のうちの少なくとも1つが同じであることが所定の条件として設定されるものとする。また、画像表示装置200,300の記憶部202,302に、画像表示装置200,300において設定されている発光制御単位数に関する情報がバックライト情報として記憶されているものとする。グローバルディミング制御では、発光制御単位数は1つであり、ローカルディミング制御では、発光制御単位数が2つ以上である。
【0065】
続いて、S101で、
図10の画像作成部103が、バックライトを共通制御するか否かをユーザに問合せるGUI画像を描画する。そして、実施例3の
図8に示したように、バックライトを共通制御するか否かをユーザに問合せるGUI画像が、画像出力部106から画像表示装置200,300に出力される。
図8の問合せ画面において、ユーザが「YES」を選択すると、さらに詳細な問合せ画面が表示される。
【0066】
図12は、実施例4に係る詳細問合せ画面例を示す図である。
図12(A)は、画像表示装置200,300において設定されている発光制御単位が同じである場合に、表示される詳細問合せ画面例を示している。この場合、バックライトの発光制御単位が同じであるため、バックライトの光量を共通にするか否かがユーザに問い合わされる。例えば、画像表示装置200,300が両方ともグローバルディミング制御の設定がなされていた場合や、同じ発光制御単位数のローカルディミング制御の設定がなされていた場合に、
図12(A)の詳細問合せ画面が表示される。
【0067】
図12(B)は、画像表示装置200,300において設定されている発光制御単位が異なっている場合に、表示される詳細問合せ画面例を示している。この場合、バックライトの発光制御単位を共通にするか否か、およびバックライトの光量を共通にするか否かがユーザに問い合わされる。例えば、画像表示装置200,300の一方がグローバルディミング制御の設定がなされ、他方がローカルディミング制御の設定がなされていた場合に、
図12(B)の詳細問合せ画面が表示される。また、画像表示装置200,300の両方がローカルディミング制御の設定がなされているが、互いに異なる発光制御単位数のローカルディミング制御の設定がなされている場合に、
図12(B)の詳細問合せ画面が表示される。
【0068】
図12(A)、
図12(B)の詳細問合せ画面において、ユーザが回答した結果に応じて、
図11のS101以降のステップが実行される。
図12(A)、
図12(B)で、バックライトの光量を共通にするとユーザが回答した場合は、S301からS102に進み、共通ピーク信号レベルを決定する処理が実行される。S102の処理については、
図3で説明したとおりである。一方、バックライトの光量を共通にしないとユーザが回答した場合は、S301からS302に進む。
【0069】
また、
図12(B)で、バックライトの発光制御単位を共通にするとユーザが回答した場合は、S302からS303に進み、共通の発光制御単位を決定する処理が実行される。S303では、発光制御単位決定部109が、画像表示装置200と画像表示装置300とで共通とする発光制御単位を決定する。具体的には、画像表示装置200と画像表示装置300のうち最小の発光制御単位数を基準として、画像表示装置200と画像表示装置300のバックライトの制御単位が同じになるようにする。
【0070】
例えば、画像表示装置200,300の一方がグローバルディミング制御の設定がなされ、他方がローカルディミング制御の設定がなされていた場合には、グローバルディミング制御の設定が優先され、発光制御単位数「1」が基準とされる。そして、画像表示装置200と画像表示装置300のバックライトの制御単位数が「1」に設定され、画像表示装置200と画像表示装置300の両方がグローバルディミング制御されることになる。
【0071】
また、画像表示装置200と画像表示装置300の一方が発光制御単位数「8」のローカルディミング制御の設定がなされ、他方が発光制御単位数「4」のローカルディミング制御の設定がなされていたとする。この場合には、発光制御単位数「4」のローカルディミング制御の設定が優先され、発光制御単位数「4」を基準とされる。そして、画像表示装置200と画像表示装置300のバックライトの制御単位数が「4」に設定され、画像表示装置200と画像表示装置300の両方が発光制御単位数「4」でローカルディミング制御されることになる。
なお、ここでは発光制御単位数は小さい方の画像表示装置の設定に合わせるとしたが、小さい方の画像表示装置の発光制御単位数を大きい方に合わせることができる場合は、大きい方に合わせてもよい。
【0072】
また、画像表示装置200と画像表示装置300のバックライトの制御単位が同じになるようにできない場合を考える。この場合は、画像表示装置200と画像表示装置300の発光制御単位数の最大公約数を基準として、画像表示装置200と画像表示装置300のバックライトの制御単位が同じになるようにする。例えば、画像表示装置200と画像表示装置300の一方が発光制御単位数「3」のローカルディミング制御の設定がなされ、他方が発光制御単位数「2」のローカルディミング制御の設定がなされていた場合には、「2」と「3」の最大公約数「1」が基準とされる。そして、画像表示装置200と画像表示装置300のバックライトの制御単位数が「1」に設定され、画像表示装置200と画像表示装置300の両方がグローバルディミング制御されることになる。
【0073】
また、
図12(B)の詳細問合せ画面で、バックライトの発光制御単位を共通にしないとユーザが回答した場合は、S302からS103に進む。S103において、通信部107は、S102において決定した共通ピーク信号レベルの情報、S303において決定した共通発光制御単位の情報を、画像表示装置200及び画像表示装置300へ送信する。
【0074】
本実施例によれば、複数の画像データが所定の条件を満たすと判定された場合に、複数の画像データの表示に用いられるバックライトの光量と発光制御単位の両方又はどちらか一方が同じになるようにバックライトを共通制御することができる。そのため、ユーザの利便性が向上する。
【0075】
なお、本実施例の内容は、
図5に示したように、2つの画像表示装置同士で共通のディミング制御を行うか否かの判定をマスター機となった画像表示装置が行う場合にも適用可能である。この場合の画像表示システムの概略構成図を
図13に示す。
図13に示すように、画像表示装置200,300の各々が、画像表示装置200,300のバックライト情報を取得するバックライト情報取得部108と、画像表示装置200,300のバックライトの発光制御単位を決定する発光制御単位決定部109を備える。
【0076】
また、本実施例の内容は、実施例2にも適用可能であり、画像の表示領域の一部を注目領域として設定可能な画像表示装置にも同様の構成で、同様の効果が得られる。
【0077】
(その他の実施例)
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は当該プログラムが格納されたコンピュータ読み取り可能な各種記憶媒体や各種記録媒体(ROMやRAM等の不揮発性メモリ)を介してシステム或いは装置に供給する。そして、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。したがって、上述した実施形態の機能を実現するためのコンピュータプログラム自体も本発明の一つである。
【符号の説明】
【0078】
100:画像出力装置、104:ディミング制御判定部、200:画像表示装置、300:画像表示装置