【文献】
社団法人日本コンクリート工学協会,コンクリート便覧,日本,1996年 2月15日,第二版,第212頁〜第213頁
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の生コンクリートの製造方法は、少なくともセメント、骨材、及び水を混合して、混合物を調製する工程(混合物調製工程)と、少なくとも空気連行剤及びカプセル基剤を含む起泡剤溶液と、圧縮空気とを気液混合して、液泡状体を作製する工程(液泡状体作製工程)と、前記混合物と、前記液泡状体とを混合して、液泡状体を含有する生コンクリートを得る工程(生コンクリート製造工程)とを含む。なお、前記混合物調製工程と前記液泡状体作製工程の順番はいずれが先に行われてもよく、また両工程が同時並行で行われても構わない。
【0018】
前記混合物調製工程では、少なくともセメント、骨材(細骨材及び粗骨材を含む)、及び水を混合して混合物を調製する。混合材料としては、通常の生コンクリートに使用され得る材料であれば特に制限なく使用することができ、上記以外にも、例えば、混和材、混和剤を使用することができる。
【0019】
セメントとしては、例えば、普通セメント、中庸熱セメント、低熱セメント、早強セメント、超早強セメント、耐硫酸塩セメント等の各種ポルトランドセメント、高炉セメント、シリカセメント、フライアッシュセメント等の各種混合セメント、超速硬セメント、アルミナセメント、白色セメント、油井セメントなどを使用することができる。
【0020】
細骨材としては、例えば、川砂、山砂、海砂、砕砂等を使用することができる。また、粗骨材としては、例えば、川砂利、砕石、軽量骨材等を使用することができる。
【0021】
混和材としては、例えば、膨張材、高炉スラグ微粉末、石灰石微粉末や、フライアッシュ等の人工ポゾラン、火山灰等の天然ポゾランなどを使用することができる。
【0022】
混和剤としては、例えば、減水剤、AE減水剤、高性能減水剤、高性能AE減水剤等として市販されているセメント分散剤を使用することができる。前記セメント分散剤に含まれる成分としては、例えば、リグニンスルホン酸塩、グルコン酸塩、ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド高縮合物塩、メラミンスルホン酸ホルムアルデヒド高縮合物塩、ポリカルボン酸塩等が挙げられる。中でもセメント分散剤としては、水溶性ビニル共重合体を主成分とするポリカルボン酸塩系のものが好ましい。また、促進剤、遅延剤、防錆剤、収縮低減剤、水和熱低減剤等も、混和剤として使用することができる。
【0023】
混合される各材料の使用量としては、特に制限はないが、各材料の単位量が、生コンクリート1m
3当たり以下となるように混合することが好ましい。セメント200〜400kg/m
3、細骨材500〜1000kg/m
3、粗骨材700〜1700kg/m
3、混和材0〜400kg/m
3、混和剤0.1〜20kg/m
3。
【0024】
各材料の混合は、公知の方法により行うことができる。例えば、各材料をミキサーに投入して30秒〜2分間練り混ぜる方法、或いは、混和剤及び水以外の各材料をミキサーに投入して空練りした後、混和剤及び水を投入して30秒〜2分間練り混ぜる方法等が挙げられる。ミキサーとしては、パン型強制ミキサー、2軸強制ミキサー、可傾式ミキサー等を使用することができる。
【0025】
前記液泡状体作製工程では、起泡剤溶液と、圧縮空気とを気液混合して液泡状体を作製する。起泡剤溶液は、少なくとも空気連行剤、カプセル基剤、及び水を含み、更に抑泡剤を含んでいてもよい。これらの各成分を、発泡装置へ供することにより、多数の微細気泡を含有する液泡状体を作製することができる。
【0026】
起泡剤溶液に含まれる空気連行剤としては、(1)脂肪酸石鹸、アルケニルコハク酸石鹸、アルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ジアルキルスルホサクシネート塩、(ポリ)オキシアルキレンアルキルエーテルスルホン酸塩、(ポリ)オキシアルキレンアルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル硫酸塩、天然油脂の硫酸化物の塩、(ポリ)オキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩、アルキルリン酸エステル塩、(ポリ)オキシアルキレンアルキルエーテルリン酸エステル塩等のアニオン界面活性剤、(2)ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエステル、ポリオキシアルキレンヒマシ油、ポリオキシアルキレン硬化ヒマシ油、ポリオキシアルキレンアルキルアミノエーテル等のポリオキシアルキレン基を有する非イオン界面活性剤、(3)ソルビタンモノラウレート、ソルビタントリオレート、グリセリンモノラウレート、ジグリセリンジラウレート等の多価アルコール部分エステル型の非イオン界面活性剤、(4)アルキルジメチルベタイン、アルキルイミダゾリンのベタイン化合物等の両性界面活性剤、(5)アルキルトリメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルエチルアンモニウム塩、アルキルイミダゾリニウム塩等のカチオン界面活性剤などが挙げられる。中でも、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル硫酸塩、(ポリ)オキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩が好ましい。
【0027】
起泡剤溶液に含まれるカプセル基剤としては、(1)ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルメチルエーテル等の合成高分子、(2)ゼラチン、カゼイン、でんぷん、グアーガム、キサンタンガム等の天然高分子、3)メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、可溶性でんぷん、アルギン酸塩等の半合成高分子などが挙げられる。中でも、ポリビニルアルコール、メチルセルロースが好ましい。
【0028】
起泡剤溶液に含まれる抑泡剤としては、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル系抑泡剤、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル系抑泡剤、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール系抑泡剤、シリコーン系抑泡剤等が挙げられる。中でも、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル系抑泡剤が好ましい。
【0029】
前記液泡状体作製工程では、起泡剤溶液中の各成分(空気連行剤、及び、カプセル基剤、場合により更に抑泡剤)の含有量を調整することにより、運搬を経ても生コンクリート中の空気量を所望の程度に維持することができるような液泡状体を作製する。起泡剤溶液中の各成分の含有量を調整することによって、液泡状体に含まれる空気量や液泡状体の膜厚が変更されて、運搬時の撹拌や振動を受けても液泡状体が破壊されづらくなり、生コンクリート中の空気量の減少が抑制されると考えられる。
【0030】
各成分の含有量の調整は、具体的には、打設現場までの生コンクリートの運搬時間が長くなるほど、起泡剤溶液中の空気連行剤及び/又はカプセル基剤の含有量を増やすことにより行う。また、運搬手段の生コンクリートに対する撹拌力が大きくなるほど、起泡剤溶液中の空気連行剤及び/又はカプセル基剤の含有量を増やすことにより行う。また、生コンクリートの練上がり温度が高くなるほど、起泡剤溶液中の空気連行剤及び/又はカプセル基剤の含有量を増やすことにより行う。上記手段を組み合わせて、前記起泡剤溶液中の空気連行剤及び/又はカプセル基剤の含有量を調整してもよい。
【0031】
空気連行剤は、主に泡を形成する作用を有するため、空気連行剤の含有量を多く調整することによれば、泡が多く形成されることにより、生コンクリート中の空気量が増加すると考えられる。そのため、長時間の運搬時間が予定される場合や撹拌力の大きい運搬手段を選択する場合には、空気連行剤の含有量を多くする方向に調整することが望ましい。予め空気を多く導入しておけば、運搬中にある程度泡が破壊されたとしても、所望の程度の空気量が維持できるためである。逆に、短時間の運搬時間が予定される場合や撹拌力の小さい運搬手段を選択する場合には、空気連行剤の含有量を少なくする方向に調整すればよい。必要以上の剤を使用せずにすみ、少ない剤量で所望の空気量を得ることができる。起泡剤溶液中の空気連行剤の含有量は、0.1質量%〜12質量%の範囲内で調整されることが望ましい。
【0032】
カプセル基剤は、主に気泡膜を厚くする作用を有するため、カプセル基剤の含有量を多く調整することによれば、泡の膜厚が厚くなり、液泡状体の強度が高まって、運搬中の液泡状体の破壊、消失が抑制されると考えられる。そのため、長時間の運搬時間が予定される場合や撹拌力の大きい運搬手段を選択する場合には、カプセル基剤の含有量を多くする方向に調整することが望ましい。泡の膜厚を厚くすることで、泡の強度が増し運搬中の撹拌による泡の破壊、消失が防げるため、運搬前後での空気量を大きく変化させずに生コンクリートを運搬に供することができる。カプセル基剤の含有量を多くして泡の膜厚を厚くすることによれば、運搬によるロス分を考慮して予め多めに空気を導入しておく必要がなく、最初から所望の程度の空気量を導入しておけばよいために空気量の調整がしやすい。また、ロス分を考慮した無駄な成分を使用せずにすむため合理的である。したがって、効率的な空気量調節のためには、主に、カプセル基剤の含有量を調整して泡の膜厚を厚くすることが有効であると考えられる。また、逆に、短時間の運搬時間が予定される場合や撹拌力の小さい運搬手段を選択する場合には、カプセル基剤の含有量を少なくする方向に調整すればよい。必要以上の剤を使用せずにすみ、少ない剤量で所望の空気量を得ることができる。起泡剤溶液中のカプセル基剤の含有量は、4質量%〜50質量%の範囲内で調整されることが望ましい。
【0033】
なお、前記液泡状体作製工程では、起泡剤溶液中の空気連行剤及びカプセル基剤のいずれか一方のみの濃度を調整してもよいし、双方の濃度を調整してもよい。また、いずれか一方のみの濃度を調整する場合には、カプセル基剤の濃度を調整することがより好ましい。液泡状体の膜厚を調整することができ、運搬時間、運搬手段等に応じた必要気泡膜厚を確保することにより、空気の抜けを抑制しつつ、かつ空気連行剤の使用量を少なくできるためである。
【0034】
抑泡剤は、主に泡を少なくする効果を有するため、抑泡剤の量を多く調整することによれば、空気量が少なくなると考えられる。そのため、長時間の運搬時間が予定される場合や撹拌力の大きい運搬手段を選択する場合には、抑泡剤の含有量を少なくする方向に調整することが望ましい。また、逆に、短時間の運搬時間が予定される場合や撹拌力の小さい運搬手段を選択する場合には、抑泡剤の含有量を多くする方向に調整すればよい。なお、抑泡剤は任意成分であり、必ずしも使用しなくともよい。起泡剤溶液中の抑泡剤の含有量は、0質量%〜5質量%の範囲内で調整されることが望ましい。
【0035】
起泡剤溶液中の各成分の含有量を調整するための要因となる、生コンクリートの運搬時間は、練り混ぜから荷降ろしまで90分以内とされている(JIS A5308)。この運搬時間の長短によって空気量の減少度合いは異なり、運搬時間が長いほど、空気量は減少しやすいといえる。生コンクリートの運搬にあたっては、現場までの運搬時間がある程度予測できる場合がほとんどであると考えられるため、本発明では、予測される運搬時間に応じて、適宜、起泡剤溶液の成分含量を調整することができる。運搬予定時間が不明な場合等には、成分含量を多めに(例えば90分を想定して)調整してもよい。なお、本発明では、運搬時間は、液泡状体含有生コンクリートの製造直後から荷下し開始までの時間をいうものとする。
【0036】
また、起泡剤溶液中の各成分の含有量を調整するための要因となる、生コンクリートの運搬手段としては、例えば、アジテータ車、ベルトコンベア、コンクリートバケット等がある。撹拌力の大きさとしては、アジテータ車、ベルトコンベア、コンクリートバケットの順番となり、これらの順に生コンクリート中の空気量が減少しやすい運搬手段であるということができる。また、運搬手段としては、上記に限られるものではなく、例えば、コンクリートポンプやシュート等も使用できる。これらの運搬手段を使用する際にも、生コンクリート中の空気量の減少量に応じて起泡剤溶液の成分含量を調整すればよい。なお、アジテータ車を使用する場合であっても、例えば撹拌機能を作動させないまま運搬する場合等には、空気量の減少は比較的少ないと考えられるため、例えばベルトコンベアを使用する際と同様にして起泡剤溶液の成分含量を調整することができる。運搬時の生コンクリートにかかる撹拌力の大きさを予測して、適宜、起泡剤溶液の成分含量を調整することができる。
【0037】
なお、運搬手段の種類によって、撹拌力の大きさのみならず、運搬時にかかる振動の大きさも変わり得る。振動の大きさとしても、アジテータ車、ベルトコンベア、コンクリートバケットの順番となり、これらの順に生コンクリート中の空気量が減少しやすい運搬手段であるといえる。このような運搬時の振動の大きさも、起泡剤溶液中の成分含量を調整するための要因となり得る。
【0038】
アジテータ車は、生コンクリートを撹拌しながら輸送することができる、荷台部分にミキシング・ドラムを備えた貨物自動車であり、その機能に大きな差はないが、最大積載量2〜11t級のものがあり、用途に応じて使い分けられている。ベルトコンベアは、コンベアベルトにより搬送する設備であり、その種類に特に制限はないが、例えば、水平ベルトコンベア、傾斜ベルトコンベア、垂直ベルトコンベア、箱型ベルトコンベアなどが挙げられる。その他スクリューコンベア等も同等のものである。コンクリートバケットは、コンクリートを運搬する容器であり、アジテータ車とは異なり運搬中にミキシングは行わない。
【0039】
本発明では、上記のような異なる運搬時間、運搬手段を経ても、打設時の生コンクリート中の空気量が所望の程度となるように、起泡剤溶液中の空気連行剤及び/又はカプセル基剤の含有量を調整する。
【0040】
具体的には、一つの態様では、起泡剤溶液中の空気連行剤及びカプセル基剤の含有量は、打設現場までの生コンクリートの運搬時間、及び、運搬手段に応じて、下記表1に基づき以下の(A)〜(D)から選択される。なお、この場合の練上がり温度は5〜20℃を想定している。本態様では、空気連行剤の含有量はあまり変化させず、カプセル基剤の含有量を変化させることで、それぞれの運搬時間、及び運搬手段に対応させた起泡剤溶液とする。カプセル基剤の含有量が増えることで、泡の膜厚が厚くなり、泡の強度が増して運搬中の撹拌による泡の破壊、消失が防げると考えられる。
(A)超低濃度:空気連行剤0.5質量%以上1.5質量%以下、カプセル基剤4質量%以上10質量%未満
(B)低濃度:空気連行剤0.5質量%以上1.5質量%以下、カプセル基剤10質量%以上20質量%未満
(C)中濃度:空気連行剤0.5質量%以上1.5質量%以下、カプセル基剤20質量%以上30質量%未満
(D)高濃度:空気連行剤0.5質量%以上1.5質量%以下、カプセル基剤30質量%以上50質量%未満
【0042】
また、別の態様では、起泡剤溶液中の空気連行剤及びカプセル基剤の含有量は、打設現場までの生コンクリートの運搬時間、及び運搬手段に応じて、下記表2に基づき以下の(a)〜(d)から選択される。なお、この場合の練上がり温度は5〜20℃を想定している。本態様では、カプセル基剤の含有量はあまり変化させず、空気連行剤の含有量を変化させることで、それぞれの運搬時間、及び運搬手段に対応させた起泡剤溶液とする。空気連行剤の含有量を多くすることで、予め空気が多く導入され、運搬中にある程度泡が破壊されたとしても、所望の程度の空気量が維持できると考えられる。
(a)超低濃度:空気連行剤0.1質量%以上0.5質量%未満、カプセル基剤10質量%以上20質量%以下
(b)低濃度:空気連行剤0.5質量%以上1.5質量%未満、カプセル基剤10質量%以上20質量%以下
(c)中濃度:空気連行剤1.5質量%以上6.0質量%未満、カプセル基剤10質量%以上20質量%以下
(d)高濃度:空気連行剤6.0質量%以上12.0質量%未満、カプセル基剤10質量%以上20質量%以下
【0044】
また、本発明では、生コンクリートの練上がり温度も、起泡剤溶液中の各成分の含有量を調整するための要因となる。練上がり温度が高いほど、気泡の膜が壊れやすく、生コンクリート中に空気が入りにくくなる。そのため、練上がり温度が高い場合には、起泡剤溶液中の空気連行剤及び/又はカプセル基剤の含有量を多く設定することが好ましく、中でも空気連行剤の含有量を多く設定することがより好ましい。なお、生コンクリートの練上がり温度は、外気温や材料温度によって決まり、温度計により測定することができる。また、本発明においては、上記の混合物調製工程で調製した混合物(液泡状体を含まない状態の生コンクリート)の練上がり温度を測定し、それを練上がり温度としてもよい。
【0045】
具体的には、練上がり温度が20℃を超えた場合、アジテータ車による運搬(運搬時間:0〜30分)を行う際の各成分の空気連行剤及びカプセル基剤の好ましい含有量は、一例において、下記表3のとおりである。
【0047】
なお、実際の配合においては、空気連行剤、及び、カプセル基剤(必要に応じて更に抑泡剤)の濃度は、その他の要因、例えば、コンクリートの材料特性、運搬時の気温、液泡状体混入のタイミング、打設環境等も考慮して、上記したような範囲内において適切に調整することができる。
【0048】
起泡剤溶液の作製方法に特に制限はないが、予め、空気連行剤及びカプセル基剤の含有量が異なる2種類の溶液を調製しておき、前記2種類の溶液を混合することにより、又はいずれか一方の溶液を水で希釈することにより、所望の空気連行剤及びカプセル基剤の含有量を有する起泡剤溶液を作製することが好ましい。このように、予め調製しておいた濃度の異なる2種類の溶液を用いることで、運搬条件等が変更される都度、新たに一から各成分を計量して起泡剤溶液を作製する手間が省け、より効率的に所望の性質の液泡状体を作製することができる。
【0049】
例えば、4L(リットル)の液泡状体を生成する場合には、以下のように、ベースとなるI液(上記した中濃度(C)に相当)及びII液を準備し、I液の濃度を水で薄めることにより低濃度溶液(B)、超低濃度溶液(A)を、I液とII液を混合することで高濃度溶液(D)を生成することができる。ここでは、空気連行剤の濃度は一定とし、カプセル基剤の濃度を調整する場合を示す。
【0050】
[I液(2L)]
空気連行剤 :0.03L (1.5質量%)
カプセル基剤 :0.50L (25質量%)
抑泡剤 :0.03L (1.5質量%)
水 :1.44L (72質量%)
[II液(2L)]
空気連行剤 :0.03L (1.5質量%)
カプセル基剤 :1.30L (65質量%)
抑泡剤 :0.03L (1.5質量%)
水 :0.64L (32質量%)
【0051】
I液、II液、及び水を組み合わせることで、以下のように簡便に濃度調整をすることができる。
I液(1L)+水(3L) → 超低濃度(A)
I液(2L)+水(2L) → 低濃度 (B)
I液(2L)+I液(2L) → 中濃度 (C)
I液(2L)+II液(2L) → 高濃度 (D)
【0052】
上記のように各成分(空気連行剤、及び、カプセル基剤、場合により更に抑泡剤)の含有量を調整した起泡剤溶液を、圧縮空気と混合することにより、所望の性質を有する液泡状体を作製することができる。液泡状体は、公知の発泡装置を使用して作製することができるが、中でも、
図1に示すような液泡状体製造添加装置を使用することにより、好適に液泡状体を作製し、続いてそれを生コンクリートに添加することができる。
【0053】
以下、
図1を参照しながら液泡状体の作製方法を説明するが、前記液泡状体作製工程はこれらに限定されるものではない。
図1は、液泡状体の製造添加装置の一例を示すブロック図であり、1は計量された起泡剤溶液を貯留する起泡剤溶液槽、2は起泡剤溶液を加圧する加圧ポンプ、3は加圧ポンプの吐出し側に設けられた逆止弁、4は減圧する圧力値を設定できる圧力調整弁、5は(電動または空気圧駆動の)起泡剤溶液供給用の開閉弁、6は液圧力センサー、7は液流量を調整することができる液流量調整弁、8は加圧空気の接続口(圧縮空気が築圧されたレシーバタンク等に接続されている)、9は減圧する圧力値を設定できる圧力調整弁、10は(電動または空気圧駆動の)気体供給用の開閉弁、11は気体流量を調整することができる気体流量調整弁、12は気体圧力センサー、13は逆止弁、14は起泡剤溶液に気体を混合する発泡器、15はフィルタ、16は微細気泡生成器、17は生コンクリート製造プラント、18は液泡状体製造添加装置の制御器、19は生コンクリート製造プラントの制御器を示す。18と19の間の両矢印は制御器間の信号伝達回路を示す。
【0054】
起泡剤溶液槽1には、1回(1バッチ)の生コンクリートの製造に必要な量の起泡剤溶液が計量されて貯留される。起泡剤溶液の濃度の調整方法には、上記のように、2種類の起泡剤溶液の混合比を変更する方法や1種類の起泡剤溶液と水の混合比を変更する方法等がある。計量はコンクリート製造プラントに設けられている添加剤計量タンクで計量する方法や、作業員が計量カップを用いて手作業で計量する方法等があるが、いずれの方法であっても適度に攪拌する等して、均一な液体としておくことが望ましい。
【0055】
起泡剤溶液槽1の起泡剤溶液は、添加開始信号を受けて起動する加圧ポンプ2によって液供給ラインAへと送り出される。起泡剤溶液槽1内の起泡剤溶液には、気泡が混入していることが多く、泡の塊が加圧ポンプ2に吸入されると、吐出圧が低下する。このとき、加圧ポンプへの逆流が起こらないように、その吐出口に逆止弁3が設けられている。
【0056】
加圧ポンプ2の停止は、タイマによって行われる。起泡剤溶液槽1の起泡剤溶液を何回かに分けて供給するときは、制御器からの供給開始信号による加圧ポンプ2の起動と、タイマによる加圧ポンプの停止とが繰り返される。供給終了時のタイマの設定は、長めにして起泡剤溶液槽1の起泡剤溶液がすべて液供給ラインAに吐出されるようにする。起泡剤溶液槽1に液面計を設けて、その液面計で起泡剤溶液槽1が空になったことを検出するようにしたときは、その検出信号によって加圧ポンプ2を停止する。
【0057】
加圧ポンプから送り出された起泡剤溶液は、圧力調整弁4で設定圧に減圧されて開閉弁5を通る。起泡剤溶液供給用の開閉弁5は、加圧ポンプ2の運転開始信号によって開かれ、運転停止信号によって閉じられる。開又は閉信号を受けた後、開閉弁5はゆっくりとした動作で管路を開閉する。これによって急激な弁の開閉による圧力変動を避け、起泡剤溶液と空気との混合が安定的にかつ均一に行われるようにしている。開閉弁5の開動作及び閉動作に要する時間が加圧ポンプ2の吐出圧の立ち上がり時間及び立ち下がり時間とマッチングするように開閉弁5の開閉動作を設定することにより、起泡剤溶液の発泡及び供給を安定的に行うことができる。
【0058】
液圧力センサー6は、液供給ラインA内の圧力を検出している。この圧力が設定された圧力に達したときに、気体供給用の開閉弁10を開いて、発泡器14に発泡用空気を供給する。液流量調整弁7は、供給される起泡剤溶液の流量を制御している。液供給ラインAの圧力調整値は、0.1〜4MPa、流量調整値は0.1〜0.3リットル/secの範囲内であることが好ましい。
【0059】
気体供給用開閉弁10が開かれると、加圧気体接続口8に接続された加圧気体が圧力調整弁9で設定圧に減圧されて、気体供給ラインB上の、気体流量調整弁11、気体圧力センサー12及び逆止弁13を通って発泡器14に供給される。気体供給ラインBの圧力調整値は、0〜1MPa、流量調整値は0.1〜0.6リットル/secの範囲内であることが好ましい。
【0060】
発泡器14には、絡みあった細い金属線の塊が充填されていて、通過する起泡剤溶液と混合した気体が細かい気泡となって突出される。発泡器14での起泡剤溶液と気体の混合状態は、溶液と気体の圧力バランスなどによって変化する。そこで、所望の均質な発泡体が得られるように、各圧力設定弁4、9及び/又は流量調整弁7、11を事前に調整しておくことが好ましい。また、長期間の運転では誤差が生じるので適時キャリブレーション(校正)することが望ましい。ここで、所望の液泡状体を得るために、各圧力センサー6、12の測定値により流量調整弁を適時調整する方法もあるが、制御が複雑であり、均質な発泡体を得ることは難しい。
【0061】
発泡器14で発泡した起泡剤溶液は、フィルタ15を通り、更に微細気泡生成器16を通って生コンクリート製造プラント17に投入される。微細気泡生成器16は、発泡器14と同様に絡まり合った細い金属線の塊が充填されており、ここを通過する発泡液の気泡を微細化し、かつその大きさ及び分布を均一化する作用をしている。
【0062】
例えば、1m
3のコンクリートに対して導入する空気量を4%とした場合の、液泡状体製造添加装置の調整方法を説明する。起泡剤溶液槽1に4リットルの起泡剤溶液を計量して貯留する。起泡剤溶液は添加開始信号を受けて加圧ポンプ2で0.5MPaの圧力で液供給ラインAへと送りだされる。一方、加圧空気は0.6MPaの圧縮空気が蓄圧されたレシーバタンクに接続されている。1m
3のコンクリートに対して導入する空気量が4%(40リットル)の場合、液泡状体は44(40+4)リットル必要となるので、加圧ポンプ2の運転により、起泡剤溶液が4リットル発泡器に送られる間に、発泡器で気体供給ラインBの加圧空気と混合されて微細気泡生成器を経由して生成される液泡状体が44リットル得られるように、各圧力調整弁4、9、流量調整弁7、11の設定値を調整する。調整結果としての各調整値は、例えば、液供給ラインAの圧力調整値が0.3MPa、流量調整値が0.2リットル/secに対して、気体供給ラインBの圧力調整値が0.5MPa、流量調整値が0.5リットル/secである。なお、圧力と流量の調整は微妙なバランスにより成立しているので、設定値は極力変更しないことが好ましい。
【0063】
なお、運搬に伴う空気量の減少を防ぐためには、生コンクリート中の気泡はできるだけ微細な独立気泡とすることが望ましい。また、運搬に伴う空気量の減少を防ぐためには、液泡状体の気泡膜厚は運搬中に気泡がつぶれることなく維持できる程度の厚さを保持することが望ましい。気泡径及び膜厚は、例えば、光学顕微鏡により測定することができる。ただし、気泡径や膜厚は限定されるものではなく、上記のように運搬条件に応じて適宜に起泡剤溶液の成分量を調整することで、必要以上の量の成分を使用することなく、それぞれの運搬条件に適した性質を有する液泡状体が結果として得られることとなる。
【0064】
このようにして得られた液泡状体と、前記混合物調製工程で得られた混合物とを混合して、液泡状体を含有する生コンクリートを製造する。液泡状体は、前記混合物調製工程で得られた混合物1m
3あたり0.1〜20kgの割合となるように混合することが好ましく、1〜5kgとなるように混合することがより好ましい。液泡状体の混合物への添加は、例えば、
図1に示すような液泡状体製造添加装置により行うことができる。
【0065】
得られた生コンクリート中の空気量(運搬前)は、4.0%〜6.0%の範囲内であることが好ましく、4.0%〜5.0%の範囲内であることがより好ましい。なお、生コンクリート中の空気量は、エアメータにより測定することができる。得られた生コンクリートは、その後、打設現場まで運搬に供される。運搬時間、運搬手段としては上記の通りである。また、運搬後(打設前)の生コンクリート中の空気量も、運搬前と同じく、4.0%〜6.0%の範囲内であることが好ましく、4.0%〜5.0%の範囲内であることがより好ましい。すなわち、運搬前と比較して運搬後の生コンクリート中の空気量が大きく減少していないことが好ましく、例えば、運搬前の空気量に対する運搬後の空気量の減少割合は、0%〜0.5%の範囲内であることが好ましい。
【0066】
また、得られた生コンクリートのスランプ値は、3〜18cmであることが好ましく、5〜12cmであることがより好ましい。
【0067】
運搬後、生コンクリートは打設されて所望のコンクリート成形体とされる。打設は従来公知の手法により行うことができ、例えば、予め離型剤を塗布した型枠に打設した後、蒸気養生することによりコンクリート成形体を得ることができる。
【0068】
以下、本発明を具体的に示すために実施例を挙げて説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
【実施例】
【0069】
<実施例1:アジテータ車による運搬時の空気量の経時変化>
実施例1では、成分含量を変化させた4種類の起泡剤溶液を使用して、それぞれについて液泡状体を作製し、得られた液泡状体を含有する生コンクリートについて、アジテータ車による運搬を行った際の生コンクリート中の空気量の経時的な変化を調べた。
【0070】
−混合物の調製−
下記表4に示す配合で、生コンクリートを製造した。下記配合は、寒冷地でのトンネル覆工に供するためのコンクリートとしての配合を想定した。50Lのパン型強制ミキサーに、セメント、膨張材、細骨材、及び粗骨材を順次投入し、更にAd1(混和剤)及び水を投入して、20℃で1.5分間練り混ぜ、混合物を調製した。
【0071】
−液泡状体の作製−
下記(A)〜(D)に示すようにカプセル基剤濃度を変化させた4種類の起泡剤溶液(生コンクリート1m
3あたり4L)を調製し、
図1に示す液泡状体製造添加装置を用いて液泡状体を作製した。4種類の起泡剤溶液は、上記したように、予め成分濃度の異なるI液(中濃度に相当)及びII液を準備し、I液の濃度を水で薄めることにより低濃度溶液、超低濃度溶液を調製し、I液とII液を混合することにより高濃度溶液を調製した。ここで、液泡状体製造添加装置は、液供給ラインAの圧力調整値が0.3MPa、流量調整値が0.2リットル/secに対して、気体供給ラインBの圧力調整値が0.5MPa、流量調整値が0.5リットル/secとなるように設定し、圧力と流量の設定値は一定とした。
(A)超低濃度:空気連行剤(1.5質量%)、カプセル基剤(7質量%)、水(残量)
(B)低濃度:空気連行剤(1.5質量%)、カプセル基剤(15質量%)、水(残量)
(C)中濃度:空気連行剤(1.5質量%)、カプセル基剤(25質量%)、水(残量)
(D)高濃度:空気連行剤(1.5質量%)、カプセル基剤(40質量%)、水(残量)
なお、空気連行剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩を使用し、カプセル基剤としては、ポリビニルアルコールを使用した。
【0072】
−液泡状体含有生コンクリートの製造−
上記で調製した混合物に、上記で作製した各液泡状体(Ad2)を下記表4に示す割合で添加し、混合して、液泡状体含有生コンクリートを製造した。混合は、50Lのパン型強制ミキサーで20℃で1.5分間練り混ぜることにより行った。練上がり温度は22℃であった。また、比較対照として、液泡状体の代わりに従来のAE剤(商品名:マイクロエア202、製造元:BASFジャパン社製)を用い、同様に混合物に添加、混合して、生コンクリートを製造した。
【0073】
【表4】
【0074】
表4中、各成分としては以下を使用した。
・セメント:太平洋セメント社製、中庸熱ポルトランドセメント、密度:3.21g/cm
3
・膨張材:電気化学工業社製、デンカパワーCSA、密度:3.15g/cm
3
・細骨材:5mm以下、表乾密度2.58g/cm
3、F.M:2.85
・粗骨材:25mm〜5mm、表乾密度:2.57g/cm
3、実積率:63.5%
・Ad1(混和剤):高性能AE減水剤(BASFジャパン社製、SP8SBM)
・Ad2(混和剤):上記で作製した液泡状体(超低濃度、低濃度、中濃度、若しくは高濃度)、又は、比較対照としての従来のAE剤(商品名:マイクロエア202、製造元:BASFジャパン社製)
【0075】
得られた液泡状体含有生コンクリート(2.0m
3)を、アジテータ車により撹拌しながら運搬し、0分(製造直後)、30分、60分、及び90分経過後の生コンクリート中の空気量を測定した。空気量の測定はエアメータにより行った。なお、上記時間は液泡状体含有生コンクリートの製造直後から荷下し開始までの時間とした。結果を
図2に示す。
【0076】
経時30分では、カプセル基剤濃度が低濃度、中濃度、高濃度のいずれの場合であっても、空気量の低下はあまり見られなかった。一方、経時60分では、カプセル基剤濃度が低濃度の場合に空気量の低下が見られたが、中濃度、高濃度では、空気量の低下はほとんど見られなかった。また、経時90分では、カプセル基剤濃度が低濃度、中濃度の場合に空気量の低下が見られたのに対し、高濃度では空気量の低下は見られず、所望の程度の空気量を維持していた。
【0077】
図2の結果から、アジテータ車による運搬に供する場合、生コンクリート製造時に使用される起泡剤溶液中のカプセル基剤濃度は、運搬時間が30分以内と予想される場合には低濃度とし、運搬時間が30分を超えて60分以内と予想される場合には中濃度とし、運搬時間が60分を超えて90分以内(或いは90分を超える)と予想される場合には高濃度とすることがよいことがわかる。
【0078】
<実施例2:ベルトコンベアによる運搬時の空気量の経時変化>
実施例2では、ベルトコンベアによる運搬を行った際の、生コンクリート中の空気量の経時変化を調べた。実施例1と同様に液泡状体含有生コンクリートを製造し、得られた生コンクリート(2.0m
3)を、傾斜ベルトコンベアにより運搬し、0分(製造直後)、30分、60分、及び90分経過後の生コンクリート中の空気量を上記同様に測定した。結果を
図3に示す。
【0079】
経時30分では、カプセル基剤濃度が超低濃度の場合に空気量の低下が見られたが、低濃度、中濃度では、空気量の低下はほとんど見られなかった。一方、経時60分では、カプセル基剤濃度が低濃度の場合に空気量の低下が見られたが、中濃度では、空気量の低下はほとんど見られなかった。また、中濃度では、経時90分であっても空気量の低下は見られず、所望の程度の空気量を維持していた。
【0080】
図3の結果から、ベルトコンベアによる運搬に供する場合、生コンクリート製造時に使用される起泡剤溶液中のカプセル基剤濃度は、運搬時間が30分以内と予想される場合には低濃度とし、運搬時間が30分を超えて60分以内と予想される場合には中濃度とし、運搬時間が60分を超えて90分以内(或いは90分を超える)と予想される場合にも中濃度とすることがよいことがわかる。
【0081】
<実施例3:コンクリートバケットによる運搬時の空気量の経時変化>
実施例3では、コンクリートバケットによる運搬を行った際の、生コンクリート中の空気量の経時変化を調べた。実施例1と同様に液泡状体含有生コンクリートを製造し、得られた生コンクリート(2.0m
3)を、5.0m
3積みコンクリートバケットにより運搬し、0分(製造直後)、30分、60分、及び90分経過後の生コンクリート中の空気量を上記同様に測定した。結果を
図4に示す。
【0082】
経時30分、60分では、カプセル基剤濃度が超低濃度、低濃度のいずれであっても、空気量の低下はほとんど見られなかった。一方、経時90分では、カプセル基剤濃度が超低濃度の場合に空気量の低下が見られたが、低濃度では、空気量の低下はほとんど見られず、所望の空気量を維持していた。
【0083】
図4の結果から、コンクリートバケットによる運搬に供する場合、生コンクリート製造時に使用される起泡剤溶液中のカプセル基剤濃度は、運搬時間が60分以内と予想される場合には超低濃度とし、運搬時間が60分を超えて90分以内(或いは90分を超える)と予想される場合には低濃度とすることがよいことがわかる。
【0084】
実施例1〜3の結果から、運搬時間、運搬手段に応じて適切に気泡剤溶液中の空気連行剤及びカプセル基剤の濃度を調整することで、所望の空気量を含有したままの状態で、生コンクリートを運搬し、その後の打設に供することができることがわかる。このような生コンクリートの製造方法によれば、運搬時間、運搬手段等の各種条件に対応させて、必要最小限の空気連行剤及びカプセル基剤を使用することで所望の空気量が確保できるため、材料及び費用の無駄を削減することが可能となる。
出願当初の特許請求の範囲に記載された各請求項は、以下の通りであった。
請求項1:
少なくともセメント、骨材、及び水を混合して、混合物を調製する工程と、
少なくとも空気連行剤及びカプセル基剤を含む起泡剤溶液と、圧縮空気とを気液混合して、液泡状体を作製する工程と、
前記混合物と、前記液泡状体とを混合して、液泡状体を含有する生コンクリートを得る工程とを含み、
前記液泡状体を作製する工程が、打設現場までの生コンクリートの運搬時間、打設現場までの生コンクリートの運搬手段、及び生コンクリートの練上がり温度から選択される1以上に応じて、前記起泡剤溶液中の空気連行剤及び/又はカプセル基剤の含有量を調整することを含む、生コンクリートの製造方法。
請求項2:
前記液泡状体を作製する工程において、打設現場までの生コンクリートの運搬時間が長くなるほど、前記起泡剤溶液中の空気連行剤及び/又はカプセル基剤の含有量を増やす、請求項1に記載の生コンクリートの製造方法。
請求項3:
前記液泡状体を作製する工程において、前記運搬手段の生コンクリートに対する撹拌力が大きくなるほど、前記起泡剤溶液中の空気連行剤及び/又はカプセル基剤の含有量を増やす、請求項1又は2に記載の生コンクリートの製造方法。
請求項4:
前記液泡状体を作製する工程において、生コンクリートの練上がり温度が高くなるほど、前記起泡剤溶液中の空気連行剤及び/又はカプセル基剤の含有量を増やす、請求項1〜3のいずれかに記載の生コンクリートの製造方法。
請求項5:
前記液泡状体を作製する工程において、前記起泡剤溶液中の空気連行剤及び/又はカプセル基剤の含有量を、運搬前の生コンクリート中の空気量、及び、運搬後の生コンクリート中の空気量が、いずれも4.0%〜6.0%の範囲内となるように調整する、請求項1〜4のいずれかに記載の生コンクリートの製造方法。
請求項6:
前記液泡状体を作製する工程において、前記起泡剤溶液中の空気連行剤及び/又はカプセル基剤の含有量を、空気連行剤0.1質量%〜12質量%、カプセル基剤4質量%〜50質量%の範囲内で調整する、請求項1〜5のいずれかに記載の生コンクリートの製造方法。