(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記トレンドグラフとして表示される生体情報と前記ヒストグラムとして表示される生体情報とは、同じ生体情報であることを特徴とする請求項1に記載の生体情報モニタ。
前記トレンドグラフとして表示される生体情報と前記ヒストグラムとして表示される生体情報とは、異なる生体情報であることを特徴とする請求項1に記載の生体情報モニタ。
前記請求項1から3の何れか一項に記載された生体情報モニタの複数台と、これらの生体情報モニタを集中管理するセントラルモニタとが互いにネットワークを介して接続されている生体情報モニタシステムであって、
前記セントラルモニタには、前記生体情報モニタに表示されるトレンドグラフとヒストグラムが、前記ネットワークを介して、前記生体情報モニタと同じ表示態様で表示されることを特徴とする生体情報モニタシステム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示された生体情報記録装置では、呼吸情報や心電図情報の表示を数十分から数時間の単位で行っているため、長期スパンでの患者の容態変化を把握することができず、患者が回復に向かっているのか、現状を維持したままなのか、悪化しているのかを迅速に確認することは困難であった。
【0006】
そこで、本発明は、長期スパンにおける患者の容態変化を迅速かつ容易に確認することができる生体情報モニタおよび生体情報モニタシステムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の生体情報モニタは、被検者から取得された生体情報が表示される生体情報表示画面と、前記生体情報の中から選択された生体情報のトレンドグラフが表示される前記生体情報表示画面に設けられた第1の表示領域と、前記生体情報の中から選択された生体情報のヒストグラムが表示される前記生体情報表示画面に設けられた第2の表示領域と、前記生体情報表示画面に表示される生体情報の内容を制御する表示制御部と、を備え、前記表示制御部は、前記トレンドグラフと前記ヒストグラムとを前記第1の表示領域と第2の表示領域とにそれぞれ同時に複数日分表示することを特徴とするものである。
【0008】
また、本発明の生体情報モニタにおいて、前記トレンドグラフとして表示される生体情報と前記ヒストグラムとして表示される生体情報とは、同じ生体情報であることが好ましい。
【0009】
また、本発明の生体情報モニタにおいて、前記トレンドグラフとして表示される生体情報と前記ヒストグラムとして表示される生体情報とは、異なる生体情報であることが好ましい。
【0010】
また、本発明の生体情報モニタシステムは、生体情報モニタの複数台と、これらの生体情報モニタを集中管理するセントラルモニタとが互いにネットワークを介して接続されている生体情報モニタシステムであって、前記セントラルモニタには、前記生体情報モニタに表示されるトレンドグラフとヒストグラムが、前記ネットワークを介して、前記生体情報モニタと同じ表示態様で表示されることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明の生体情報モニタおよび生体情報モニタシステムによれば、生体情報のバラツキを表すトレンドグラフと最頻値を表すヒストグラムとが同時に複数日分表示されるので、患者の容態変化を迅速かつ容易に確認することができる。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明に係る生体情報モニタおよび生体情報モニタシステムの実施形態の一例を添付図面に基づいて説明する。
【0014】
図1は、生体情報モニタ1の構成を示す図である。生体情報モニタ1は、被検者(患者)から取得した生体情報を演算しその処理結果を表示する装置である。生体情報モニタ1は、患者毎に設置される、いわゆるベッドサイドモニタとして、あるいはネットワーク接続された複数のベッドサイドモニタを管理するセントラルモニタとして用いることができる。
【0015】
生体情報モニタ1には、心電図、心拍数(脈拍数)、血圧値、動脈血酸素飽和度、経皮的酸素飽和度、吸引酸素濃度、呼吸、体温等の生体情報を取得するための生体情報取得手段2が接続される。具体的な生体情報取得手段2としては、例えば
図1に示すように、心電計、血圧計、SpO2プローブ、呼吸計、体温計等の各機器(センサ)を挙げることができる。これら生体情報取得手段2が被検者に装着され、生体情報取得手段2によって取得された生体情報が生体情報モニタ1に入力される。
【0016】
生体情報モニタ1は、当該モニタの動作を制御する制御部10と、測定した生体情報を表示する表示部20と、生体情報に関する操作信号を外部から入力するための入力操作部30を備えている。生体情報取得手段2によって取得された生体情報は、生体情報モニタ1の制御部10に入力される。
【0017】
制御部10は、生体情報取得手段2および入力操作部30から入力される情報に基づいて生体情報モニタ1の各部の動作を制御するものであり、その主構成部としてCPU(Central Processing Unit)11を有している。また、制御部10は、生体情報取得手段2によって取得された生体情報を記憶するための記憶部16を有している。
【0018】
CPU11は、ROM14に記憶されたプログラムに従って各種の数値計算、情報処理等を行ない、生体情報モニタ1の動作制御を実行している。また、CPU11は、RAM15を各種データの格納領域として使用している。
【0019】
CPU11は、演算処理部12と、表示制御部13を備えている。CPU11は、これら演算処理部12および表示制御部13として機能し、数値計算や情報処理、および画面表示の制御等を行なう。
【0020】
演算処理部12は、生体情報取得手段2によって取得された生体情報の信号を解析し演算処理を行なう。具体的には、演算処理部12は、取得された各生体情報を演算処理して生体情報の経時的な変化を表すデータ(トレンドデータ)を作成する。また、演算処理部12は、取得された各生体情報を統計的に処理してその度数分布を表す積分値(ヒストグラムデータ)を作成する。なお、トレンドデータとしては、例えば、心電波形、脈拍波形、SpO2(酸素飽和度)波形、および呼吸流量波形等の波形データを挙げることができる。そして、ヒストグラムデータとしては、これらの波形データを基にして作成された度数分布を表すデータを挙げることができる。
【0021】
トレンドデータおよびヒストグラムデータは、演算処理部12によって、日毎に(日単位で)作成される。すなわち、トレンドデータおよびヒストグラムデータは、連続する24時間分の測定データを一単位として作成される。また、日毎に作成されるこれらのデータは、複数日分連続して作成される。例えば、少なくとも2日以上であり、1週間、2週間等が好ましい。演算処理部12によって作成されたこれらのトレンドデータおよびヒストグラムデータは、記憶部16に記憶される。
【0022】
表示制御部13は、生体情報取得手段2によって取得された生体情報、あるいは演算処理部12によって作成されたトレンドデータやヒストグラムデータ等を表示部20に表示させる制御部である。表示制御部13は、トレンドデータやヒストグラムデータ等を記憶部16から読み出して表示部20に表示させる。表示制御部13は表示内容を制御するための制御信号を表示部20に送信している。トレンドデータはトレンドグラフとして表示部20に表示され、ヒストグラムデータはヒストグラムとして表示部20に表示される。また、トレンドグラフおよびヒストグラムは、上記のように作成された日毎のデータに基づいて、日毎に複数日(例えば、少なくとも2日以上であり、1週間、2週間等が好ましい。)分表示される。
【0023】
また、表示制御部13は、入力操作部30を介して外部から入力される指示(選択)にしたがって、指示された内容の情報を記憶部16から読み出し表示部20に表示させる制御を行なっている。
【0024】
記憶部16は、CPU11の制御に基づいて、取得された生体情報のデータあるいはその解析データを記憶している。すなわち、記憶部16は、生体情報取得手段2によって取得された生体情報をそのままのデータとして、あるいは演算処理部12によって作成されたトレンドデータやヒストグラムデータとして記憶する。記憶部16は、これらの各データを日毎に記憶する。また、日毎の各データを、複数日(例えば、少なくとも2日以上であり、1週間、2週間等が好ましい。)分連続して記憶する。さらに、記憶部16は、被検者の個別データ、例えば、名前、性別、年齢、測定開始日(入院日時)等を記憶している。なお、記憶部16としては、例えば、DVD等のディスクや、メモリカード等のような半導体メモリを用いることができる。
【0025】
表示部20は、表示制御部13から送信されてくる制御信号に基づいて、測定された生体情報を表示する。表示部20は、例えば、LCD、有機ELパネル等から構成することができ、生体情報を表示するための生体情報表示画面21を備えている。そして、生体情報表示画面21には、生体情報のトレンドグラフを表示するための第1の表示領域22と、生体情報のヒストグラムを表示するための第2の表示領域23が設けられている。
【0026】
生体情報表示画面21は、測定された複数種類の生体情報を表示することが可能であり、生体情報表示画面21にはトレンドグラフを表示するための表示領域と、ヒストグラムを表示するための表示領域が、それぞれ複数設けられている。また、入力操作部30を介した外部指定により、トレンドグラフの表示領域とヒストグラムの表示領域の位置を変更することもできるように構成されている。
【0027】
入力操作部30は、キーボード、マウス、あるいはタッチパネル等により構成される。入力操作部30は、制御部10に接続されており、外部から(医療従事者)の入力操作に基づいて、生体情報表示画面21に表示される生体情報を指定するための操作信号を制御部10に送信する。具体的には、生体情報表示画面21に表示される生体情報の選択、トレンドグラフとして第1の表示領域22に表示される生体情報の選択、ヒストグラムとして第2の表示領域23に表示される生体情報の選択等を行うことができる。
【0028】
測定された生体情報の中から医療従事者によって選択された生体情報のトレンドグラフが第1の表示領域22に表示され、また選択された生体情報のヒストグラムが第2の表示領域23に同時に表示される。
【0029】
次に、
図2、
図3に基づいて、表示部20の生体情報表示画面21に表示される生体情報について説明する。
【0030】
図2は、生体情報のトレンドグラフとそのヒストグラムの一例を表す図であり、トレンドグラフとして表示される生体情報とヒストグラムとして表示される生体情報とが、同じ生体情報である場合を表示している。
【0031】
図2に示すように、生体情報表示画面21を上下4段の表示領域22a、22b、23a、23bに分割し、上2段の表示領域22a、22bには生体情報のトレンドグラフが表示され、下2段の表示領域23a、23bには生体情報のヒストグラムが表示されている。トレンドグラフが表示されている上2段の表示領域22a、22bが、
図1で説明した第1の表示領域22に相当し、ヒストグラムが表示されている下2段の表示領域23a、23bが、第2の表示領域23に相当する。なお、分割する表示領域の段数は4段に限定されるものではない。
【0032】
生体情報としては、この実施例では、HR(心拍数)とSpO2(酸素飽和度)が選択されている。そして、HRのトレンドグラフが表示領域22aに表示され、HRのヒストグラムが表示領域23aに表示されている。また、SpO2のトレンドグラフが表示領域22bに表示され、SpO2のヒストグラムが表示領域23bに表示されている。トレンドグラフからは、HRとSpO2のバラツキおよび急激な変化の発生を確実に検出することができる。また、ヒストグラムからは、測定した1日の間に値がどの程度で経過しているのか、およびその生体情報の最頻値を迅速かつ容易に判定することができる。最頻値を確認することで被検者の容態変化を判断することができる。
【0033】
各表示領域22a、22b、23a、23bには、日毎に(日単位で)測定された生体情報のトレンドグラフまたはヒストグラムが、複数日分連続して表示されている。具体的には、2012/09/01から2012/09/07までの1週間に、日毎(00:00から24:00)に測定された心拍数と酸素飽和度のトレンドグラフとヒストグラムが、同じ日毎のスパンで表示されている。1週間の表示日(2012/09/01から2012/09/07まで)は変更可能であり、例えば、生体情報表示画面21上に表示された先送りボタン41または後戻りボタン42を押す(タッチする)ことにより表示日を先または後に変更することができる。
【0034】
また、生体情報の表示期間(表示日数)は、入力操作部30を介して外部から設定・変更可能である。例えば、生体情報表示画面21上に表示された期間設定ボタン43を押すことにより表示期間の選択候補(1日、1週間、2週間等)が表示され、何れかの選択候補を指定することにより表示期間を指定した期間に変更することができる。この例では、表示期間が変更された場合には、トレンドグラフとヒストグラムの表示期間は同時に変更後の表示期間に設定される。すなわち、トレンドグラフとヒストグラムの表示スパンは対比可能に常時同じスパンで表示される。
【0035】
また、生体情報表示画面21上に表示される生体情報の種類は、入力操作部30を介して外部から設定・変更可能である。例えば、生体情報表示画面21上に表示されたパラメータボタン44を押すことにより生体情報の選択候補(血圧値、呼吸数等)が表示され、何れかの選択候補を指定することにより指定した生体情報に変更することができる。
【0036】
また、生体情報表示画面21上に表示される生体情報の表示態様(トレンドグラフまたはヒストグラムの表示)は、入力操作部30を介して外部から設定・変更可能である。例えば、生体情報表示画面21上に表示されたトレンドヒストグラムボタン45を押すことにより、生体情報表示画面21に表示される生体情報の表示態様をトレンドグラフからヒストグラムに(またはトレンドグラフからヒストグラムに)変更することができる。
【0037】
また、生体情報表示画面21上に表示される生体情報の被検者を、入力操作部30を介して外部から変更可能である。例えば、生体情報表示画面21上に表示された患者一覧ボタン46を押すと、被検者名の一覧が表示され、何れかの被検者名を指定することにより指定した被検者の生体情報を生体情報表示画面21上に表示することができる。指定された被検者名は、被検者名表示領域47に表示される。なお、被検者名に対応して付与されているIDが識別符号領域48に表示される。
【0038】
図3は変形例を表す図であり、トレンドグラフとして表示される生体情報とヒストグラムとして表示される生体情報が、相違する生体情報である点で、
図2に示した例と相違している。
図3に示す変形例では、異なる生体情報のトレンドグラフとヒストグラムが、同時に生体情報表示画面21上に表示される。以下、変形例の説明において、
図2に示した例と同一または同様の部分については同一の符号を付し、それらの部分の詳しい説明は省略する。
【0039】
図3に示すように、生体情報表示画面21の上2段の表示領域22a、22bには生体情報のトレンドグラフが表示され、下2段の表示領域23a、23bには生体情報のヒストグラムが表示されている。生体情報の種類としてはHR(心拍数)と、ART(S)(血圧値)と、RESP(呼吸数)と、SpO2(酸素飽和度)の4種類が選択されている。そして、HRのトレンドグラフが表示領域22aに表示され、ART(S)のトレンドグラフが表示領域22bに表示されている。また、RESPのヒストグラムが表示領域23aに表示され、SpO2のヒストグラムが表示領域23bに表示されている。
【0040】
生体情報表示画面21上に表示される生体情報の表示態様(トレンドグラフまたはヒストグラムの表示)は、例えば、生体情報表示画面21上に表示されたトレンドヒストグラムボタン45を押すことにより、トレンドグラフまたはヒストグラムに互いに変更することができる。
【0041】
例えば、
図3に示すようにトレンドグラフが示されている表示領域22aのHRまたは表示領域22bのART(S)を所定の指定ボタンによって指定した後にトレンドヒストグラムボタン45を押すことにより、指定した表示領域の表示態様(トレンドグラフ)をヒストグラムの表示に変更することができる。さらに、その変更された態様においてもう一度トレンドヒストグラムボタン45を押すと、トレンドグラフの表示態様に戻す(変更)することができる。
【0042】
なお、生体情報表示画面21上に表示されたその他のボタンを押すことにより設定・変更することができる生体情報の関連内容については
図2に示す例の場合と同様である。
【0043】
図4は、生体情報モニタシステム50の構成を示す図である。生体情報モニタシステム50は、ネットワーク55を介して互いに接続される複数台の生体情報モニタ(ベッドサイドモニタ)51、52、53、54およびセントラルモニタ56とから構成される。
【0044】
セントラルモニタ56は、ナースステーション等に設置されて、各被検者の生体情報を集中監視することができるモニタである。セントラルモニタ56には、各ベッドサイドモニタ51、52、53、54で表示される全ての情報がネットワーク55を介して送信されてくる。生体情報モニタシステム50においては、セントラルモニタ56が上述した生体情報モニタ1として機能する。したがって、セントラルモニタ56には、上述した生体情報モニタ1と同じ表示態様で生体情報のトレンドグラフとヒストグラムを表示することができる。また、セントラルモニタ56には、ネットワーク55に接続されている被検者(ベッドサイドモニタ51、52、53、54)の中から、医療従事者によって指定された被検者における生体情報のトレンドグラフとヒストグラムを表示することができる。
【0045】
以上の本実施形態の構成によれば、生体情報のバラツキ(振幅)を表すトレンドグラフと、統計的処理の結果である最頻値を表すヒストグラムとを、生体情報表示画面21の第1の表示領域22と第2の表示領域23に、同時に日毎の長期スパンで複数日分(例えば1週間分)表示したことにより、その生体情報のバラツキと最頻値を同時に見ることができ相互的な判断を行うことができるので、患者の容態変化、すなわち容態が回復に向かっているのか、現状維持なのか、悪化しているのかを迅速かつ容易に確認することができる。
【0046】
また、同じ生体情報についてトレンドグラフとヒストグラムによって表示することにより、患者の容態変化をより的確に判断することができる。
【0047】
また、異なる生体情報についてトレンドグラフとヒストグラムによって表示することにより、表示する生体情報に応じて最適な表示態様で表示することができ、患者の容態を的確に判断することができる。
【0048】
ネットワーク接続されたセントラルモニタ56に各患者(ベッドサイドモニタ)のトレンドグラフとヒストグラムを同時に日毎の長期スパンで複数日分表示することにより、医療従事者はそれぞれの患者のところまで足を運ばなくても、患者の容態変化を容易に確認することができ集中管理を行うことができる。
【0049】
以上、本発明を詳細にまた特定の実施態様を参照して説明したが、本発明の精神と範囲を逸脱することなく様々な変更や修正を加えることができることは当業者にとって明らかである。例えば、画面に表示されるトレンドグラフとヒストグラムの一方を共通(SpO2)にし、他方、トレンドグラフ(HR)をヒストグラム(RESP)を異なるようにしてもよい。