(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6039557
(24)【登録日】2016年11月11日
(45)【発行日】2016年12月7日
(54)【発明の名称】棚内照明を有する冷蔵庫棚調整システム
(51)【国際特許分類】
F25D 27/00 20060101AFI20161128BHJP
F21V 33/00 20060101ALI20161128BHJP
F21V 23/00 20150101ALI20161128BHJP
F25D 25/02 20060101ALI20161128BHJP
【FI】
F25D27/00
F21V33/00 110
F21V23/00 160
F25D25/02
【請求項の数】18
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2013-524892(P2013-524892)
(86)(22)【出願日】2011年8月12日
(65)【公表番号】特表2013-540974(P2013-540974A)
(43)【公表日】2013年11月7日
(86)【国際出願番号】US2011047592
(87)【国際公開番号】WO2012021807
(87)【国際公開日】20120216
【審査請求日】2014年8月12日
(31)【優先権主張番号】61/373,410
(32)【優先日】2010年8月13日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】591203428
【氏名又は名称】イリノイ トゥール ワークス インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100102819
【弁理士】
【氏名又は名称】島田 哲郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100147555
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 公一
(74)【代理人】
【識別番号】100130133
【弁理士】
【氏名又は名称】曽根 太樹
(74)【代理人】
【識別番号】100171251
【弁理士】
【氏名又は名称】篠田 拓也
(72)【発明者】
【氏名】アルベルト バッシ
(72)【発明者】
【氏名】マルコ スクリプ
【審査官】
庭月野 恭
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許出願公開第2006/0186774(US,A1)
【文献】
米国特許第04489995(US,A)
【文献】
実開昭63−015507(JP,U)
【文献】
米国特許出願公開第2006/0087207(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2005/0179351(US,A1)
【文献】
特開2003−262462(JP,A)
【文献】
特開2010−065921(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25D 25/02,27/00
F21V 23/00,33/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷蔵庫の調節可能な棚装置において、
棚と、該棚の領域を照明するための少なくとも1つのランプとを備えた棚組立体であって、前記少なくとも1つのランプが該棚組立体に取付けられて成る棚組立体と、
摺動可能に連結される第1と第2のスライド要素を有する摺動部材であって、前記第1のスライド要素は前記冷蔵庫の内壁に取付可能であり、前記第2のスライド要素は前記棚組立体に取付可能となっている摺動部材と、
前記棚組立体を前記冷蔵庫内の第1と第2の高さに配置するように、前記第1と第2のスライド要素を第1と第2の相対位置で係脱自在に保持するデテント機構と、
前記内壁に隣接して前記棚組立体とともに移動するように取付けられたシュラウドであって、前記内壁の近傍で前記デテント機構を閉囲する閉囲空間の少なくとも一部分を形成するシュラウドと、
冷蔵庫の内部空間に露出するシュラウドの表面に取り付けられ前記棚を保持する棚ブラケットであって、前記少なくとも1つのランプが設けられて成る棚ブラケットと、
前記閉囲空間内に保持され、前記内壁上の所定部位から前記棚組立体上の所定部位へ導電性経路を形成する柔軟な導体であって、前記第1の相対位置と前記第2の相対位置との間で前記摺動部材が移動するとき、前記閉囲空間内で収縮、延展するサイズに作られた柔軟な導体とを備える棚装置。
【請求項2】
開口部を有したポケット部を更に具備し、
該ポケット部は、前記開口部を前記冷蔵庫の内側に向けて前記内壁に取付可能となっており、該ポケット部が前記シュラウドと協働して前記閉囲空間を形成する請求項1に記載の棚装置。
【請求項3】
前記シュラウドは、前記ポケット部の鉛直方向の高さと、前記第1と第2の相対位置の間の鉛直方向の高さの差との合計よりも小さい鉛直方向の高さを有し、前記シュラウドは、前記内壁に形成された開口部を通じて前記冷蔵庫の内部に連通するよう前記内壁の外側に設置されており、前記開口部は、前記シュラウドの鉛直方向の高さよりも小さい鉛直方向の高さを有し、前記第1と第2の相対位置の双方において、前記シュラウドによって覆われるようになっている請求項2に記載の棚装置。
【請求項4】
前記デテント機構は、互いに係合するマルチステップトラックとピンとを有して成り、一方は前記第1のスライド要素に取付けられ、他方が前記第2のスライド要素に取付けられて、前記第2のスライド要素の一連の上下動作に応答して、前記第2のスライド要素が、前記第1のスライド要素上の2つの異なる高さに安定して静止することを可能にする請求項1に記載の棚装置。
【請求項5】
前記マルチステップトラックは前記棚表面とともに移動するように取付けられ、前記ピンは前記冷蔵庫の前記内壁に固着される請求項4に記載の棚装置。
【請求項6】
前記シュラウドは、前記マルチステップトラックに取付けられ、前記マルチステップトラックを覆う請求項5に記載の棚装置。
【請求項7】
前記柔軟な導体は、前記第1と第2の相対位置の間の鉛直方向の間隔の少なくとも1.5倍の長さを有する請求項1に記載の棚装置。
【請求項8】
前記内壁上の前記所定部位は、前記第1と第2の相対位置の間の全ての位置において前記棚ブラケット上の前記所定部位よりも高くなっている請求項1に記載の棚装置。
【請求項9】
前記第1と第2の相対位置の間で前記柔軟な導体を係脱自在に接続させる電気コネクタを更に含む請求項1に記載の棚装置。
【請求項10】
前記電気コネクタは、前記第1の相対位置に配置されている請求項9に記載の棚装置。
【請求項11】
調節可能な棚装置を有した冷蔵庫において、
内壁によって囲繞される開口部を有した冷蔵庫ハウジングと、
棚と、該棚の領域を照明するための少なくとも1つのランプとを備えた棚組立体であって、前記少なくとも1つのランプが該棚組立体に取付けられて成る少なくとも1の棚組立体と、
摺動可能に連結される第1と第2のスライド要素を有する第1と第2の摺動部材であって、前記第1のスライド要素は前記冷蔵庫の内壁の異なる内壁に取付けられ、前記第2のスライド要素は前記棚組立体の両側部に取付けられる第1と第2の摺動部材と、
前記棚組立体を前記冷蔵庫内の第1と第2の高さに配置するように、前記第1と第2のスライド要素を第1と第2の相対位置で係脱自在に保持するデテント機構と、
前記内壁に隣接して前記棚組立体とともに移動するように取付けられたシュラウドであって、前記内壁の近傍で前記デテント機構を閉囲する閉囲空間の少なくとも一部分を形成するシュラウドと、
冷蔵庫の内部空間に露出するシュラウドの表面に取り付けられ前記棚を保持する棚ブラケットであって、前記少なくとも1つのランプが設けられて成る棚ブラケットと、
前記閉囲空間の1つに保持され、前記内壁上の所定部位から前記棚組立体上の所定部へ導電性経路を形成する柔軟な導体であって、前記第1の相対位置と前記第2の相対位置との間で前記第1と第2の摺動部材が移動するとき、前記閉囲空間内で収縮、延展するサイズに作られた柔軟な導体とを備える冷蔵庫。
【請求項12】
前記冷蔵庫の前記少なくとも1つの内壁は該少なくとも1つの内壁を貫通する開口を有しており、
前記冷蔵庫はポケット部を更に具備し、
該ポケット部は、前記内壁を貫通する前記開口部の外側に取付可能となっており、該ポケット部は前記開口を通してアクセス可能であり、該ポケット部が前記シュラウドと協働して前記閉囲空間を形成する請求項11に記載の冷蔵庫。
【請求項13】
前記シュラウドは、前記ポケット部の鉛直方向の高さと、前記第1と第2の相対位置の間の鉛直方向の高さの差との合計よりも小さい鉛直方向の高さを有し、前記開口部は、前記シュラウドの鉛直方向の高さよりも小さい鉛直方向の高さはを有し、前記第1と第2の相対位置の双方において、前記シュラウドによって覆われるようになっている請求項12に記載の冷蔵庫。
【請求項14】
冷蔵庫内の棚を調整する方法であって、
前記棚は、
棚と、該棚の領域を照明するための少なくとも1つのランプとを備えた棚組立体であって、前記少なくとも1つのランプが該棚組立体に取付けられて成る棚組立体と、
摺動可能に連結される第1と第2のスライド要素を有する摺動部材であって、前記第1のスライド要素は前記冷蔵庫の内壁に取付可能であり、前記第2のスライド要素は前記棚組立体に取付可能となっている摺動部材と、
前記棚組立体を前記冷蔵庫内の第1と第2の高さに配置するように、前記第1と第2のスライド要素を第1と第2の相対位置で係脱自在に保持するデテント機構であって、該デテント機構は、相互係合式マルチステップトラックおよびピンを有し、一方は前記第1のスライド要素に取付けられ、一方は前記第2のスライド要素に取付けられて、前記第2のスライド要素の一連の上下動作に応答して、前記第2のスライド要素が、前記第1のスライド要素上の2つの異なる高さに安定して静止することを可能にするデテント機構と、
前記内壁に隣接して前記棚組立体とともに移動するように取付けられたシュラウドであって、前記内壁の近傍で前記デテント機構を閉囲する閉囲空間の少なくとも一部分を形成するシュラウドと、
冷蔵庫の内部空間に露出するシュラウドの表面に取り付けられ前記棚を保持する棚ブラケットであって、前記少なくとも1つのランプが設けられて成る棚ブラケットと、
前記内壁上の所定部位から前記棚組立体上の部位まで導電性経路を提供する前記閉囲空間内に保持された柔軟な導体であって、前記第1の相対位置と前記第2の相対位置との間で前記摺動部材が移動するときに前記閉囲空間内で収縮、延展するサイズに作られた柔軟な導体とを有し、
該方法は、
(a)第4の位置から前記棚組立体を持上げて、前記ピンを、前記棚組立体の更なる上動を阻止する第1の位置まで前記相互係合式マルチステップトラックを通して案内する段階と、
(b)前記棚組立体を解放して、該棚組立体の更なる下動を阻止する前記第1の位置と異なる第2の位置で前記ピンによって支持させる段階と、
(c)前記棚組立体を持上げて、前記棚組立体の更なる持上げを阻止する前記第1の位置と異なる第3の位置まで前記ピンを前記相互係合式マルチステップトラックを通して案内する段階と、
(d)前記棚組立体を解放して、前記棚組立体の更なる降下を阻止する前記第2の位置と異なる第4の位置で前記ピンによって支持させるステップとを含み、
前記デテント機構を直接操作することも、電力を切断することもなく得ることができるように照明される棚を移動するようにした冷蔵庫内の棚調整方法。
【請求項15】
前記デテント機構の一部が冷蔵庫の壁によって直接支持されている請求項1に記載の棚装置。
【請求項16】
請求項1に記載の調節可能な棚装置を具備した冷蔵庫であって、該冷蔵庫が壁を有しており前記デテント機構の一部が、該冷蔵庫の壁によって直接支持されている冷蔵庫。
【請求項17】
前記デテント機構の一部が冷蔵庫の壁によって直接支持されている請求項14に記載の棚調整方法。
【請求項18】
冷蔵庫が壁を有しており前記デテント機構の一部が、該冷蔵庫の壁によって直接支持されている請求項11に記載の冷蔵庫。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は冷蔵庫棚に関し、特に棚内照明を設ける調整可能冷蔵庫棚に関する。
【0002】
なお、本出願は、2010年8月13日に出願された米国仮出願第61/373,410号の優先権を主張するものであり、この米国仮出願を本願の一部をなすものとして引用する。
【背景技術】
【0003】
冷蔵庫内の照明ライトは、通常、冷蔵庫コンパートメントの内壁に取付けられる。これらの照明ライトは、冷蔵庫が空であるとき十分な照明を提供するが、棚が品物で一杯になると、光が遮られ、棚の複数の部分に影がかかる。
【0004】
この問題に対する1つの解決策は、例えば、下の棚の内容物を照明するように棚の下側や、或いは、その棚自体の上の製品を照明するように棚の上縁のように、複数の棚自体に照明システムを設けることである。
【0005】
棚に設けた照明に関する問題は、照明ライトへの電力の供給である。冷蔵庫の棚は、通常、位置が調整可能である。棚に電気を接続するために、係脱自在の電気コネクタを設けることができるが、これらのコネクタは、望ましくないことには、必然的に冷蔵庫の連続する内壁に穴を要し、導体が露出し、冷蔵庫の内部表面の清掃をより難しくする。
【0006】
この問題に対する1つの解決策は、本発明の譲受人に譲渡され、本明細書の一部をなすものとして引用する、2008年12月3日に出願された国際公開第2009/079209号「Inductively Powered Light Assembly」に記載されている。この出願に記載されている発明は、冷蔵庫の壁の背後に配設された一次コイルと、棚に設けた対応のコイルとの間の誘導結合式電力伝送を用いる。複数の棚の位置に及ぶ細長い一次コイルを用いて、柔軟な棚の配置構成を提供することができる。
【0007】
2010年3月17日に出願された同時係属中の米国出願第61/314,833号「High-Efficiency Wireless Lighting System」には、上記の発明を改良した発明が記載されており、冷蔵庫の壁の中に一連の別個の小型コイルを設け、棚上の対応する棚コイルとの間の電気的結合が一層集中するようになっている。近接するコイルを検知することによって、用いられていないコイルを効率的に無効にすることができる。この出願はまた、本発明の譲受人に譲渡され、引用することにより本明細書の一部をなすものとする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
無線照明システムのために必要とされる電力コイルを冷蔵庫に組込むことは難しいであろう。冷蔵庫の壁の背後にコイルを配設することには、製造上の難問があろう。また、大きなサイズの電力伝送コイルは、既存の棚ブラケットに容易に組込むことができない。
【0009】
本発明では、2つの位置の間で棚の「ブラインド(blind)」調整を可能にする棚機構に、2つの位置のいずれにあっても棚に電力を提供する柔軟な連続導体が組合せられる。棚調整機構は、ユーザがこの機構へアクセスしなくともよいので、シュラウドによって全体を覆うことができ、シュラウドはまた、柔軟な導体を隔離し保護することができる。本発明は、棚を移動するときに電気導体を破断する必要がなく、また、本発明によれば、一層精巧な無線エネルギー伝送システムが必要なくなる。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明によれば、棚組立体を有した冷蔵庫の調整可能棚装置が提供される。棚装置は、棚と、該棚の領域を照明するために棚組立体に取付けられた少なくとも1つのランプとを備えている。摺動部材が、摺動可能に連結される第1のスライド要素と、摺動可能に連結される第2のスライド要素とを有し、第1のスライド要素が冷蔵庫の内壁に取付けられ、第2のスライド要素が棚組立体に取付けられる。デテント機構が、棚組立体を冷蔵庫内の第1の高さおよび第2の高さに配置するように、第1のスライド要素および第2のスライド要素を第1の相対位置および第2の相対位置に係脱自在に保持する。シュラウドが、内壁に隣接して棚組立体とともに移動するように取付けられており、該シュラウドによって、デテント機構を閉囲する内壁に近接する閉囲空間の少なくとも一部分が形成される。柔軟な導体が、内壁上の部位から棚組立体上の部位まで導電性経路を提供する閉囲空間内に保持され、第1の相対位置と第2の相対位置との間で摺動部材が移動するときに閉囲空間内で収縮、延展するサイズに作られる。
【0011】
棚の簡単な調整を可能にする照明される棚に電力を送出する簡単な方法を提供することが、本発明の少なくとも1つの実施の形態の特徴である。
【0012】
調整可能冷蔵庫棚装置は、開口部を有し、この開口部が冷蔵庫の内側を向いた状態で内壁に取付可能なポケットを更に備えることができ、このポケットは、シュラウドと協働して、閉囲空間を形成する。
【0013】
損傷またはもつれから導体を保護するために全体が閉囲されることができる導体システムを提供することが、本発明の少なくとも1つの実施の形態の特徴である。
【0014】
シュラウドは、ポケットの鉛直方向の高さと、第1の相対位置と第2の相対位置との間の鉛直方向の高さの差との合計よりも小さい鉛直方向の高さを有することができる。加えて、シュラウドは、内壁の外側に設置されて、第1の位置と第2の位置の双方でシュラウドによって覆われる、シュラウドの鉛直方向の高さよりも小さい鉛直方向の高さを有する内壁内の開口部を通して、冷蔵庫の内部に連通することができる。
【0015】
大きな棚分離を必要とする場合があるようなシュラウドの高さを過度に増加させることなく、シュラウドが、全ての調整位置で導体を保持する閉囲空間を覆うことを可能にすることが、本発明の少なくとも1つの実施の形態の特徴である。ポケットに対して開口部を部分的に覆うことによって、中程度のシュラウドサイズで大きなポケットサイズを得ることができる。
【0016】
デテント機構は、相互係合式マルチステップトラックおよびピンとすることができ、一方は第1のスライド要素に取付けられ、一方は第2のスライド要素に取付けられて、第2のスライド要素の一連の上下動作に応答して、第2のスライド要素が、第1のスライド要素上の異なる高さに安定して静止することを可能にする。
【0017】
清掃するのが容易である表面を提供するために、シュラウドの下に全体が含まれることができる調整機構を提供することが、本発明の少なくとも1つの実施の形態の特徴である。
【0018】
柔軟な導体は、第1の位置と第2の位置との間の垂直分離の距離の少なくとも1.5倍の長さを有することができる。
【0019】
その過剰の長さによって容易にされる導体の自然な収縮を可能にすることによって、柔軟な導体に関する牽引器機構の必要性をなくすことが、本発明の少なくとも1つの実施の形態の特徴である。
【0020】
内壁上での柔軟な導体の取付部位は、第1の位置と第2の位置との間の全ての位置において、棚ブラケット上での取付部位よりも高くすることができる。
【0021】
水分凝縮のために自然なトラップを提供する導体のドレープ形成を提供することが、本発明の少なくとも1つの実施の形態の特徴である。
【0022】
調整可能冷蔵庫棚装置は、第1と第2の部位の間で柔軟な電気コネクタ内に係脱自在の結合部を設ける電気コネクタを含むことができる。
【0023】
整備または組立てのために棚の簡単な設置または取外可能にすることが、本発明の少なくとも1つの実施の形態の特徴である。
【0024】
電気コネクタは、柔軟な導体の第1の取付部位とすることができる。
電気コネクタから遠くへ水分を導くことが、本発明の少なくとも1つの実施の形態の特徴である。
【0025】
本発明の他の特徴および利点は、以下の詳細な説明、特許請求の範囲、、面を検討することによって当業者に明らかになる。図面では、同様の数字は同様の特徴を指すために使用される。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】本発明とともに用いるための棚組立体の正面斜視図であり、調整機構であって、消費者がこの機構にアクセスすることなく棚を移動させることによって操作することができる、調整機構を覆うシュラウドを有する棚ブラケットによって冷蔵庫の内壁に接して支持される棚を示す。
【
図2】冷蔵庫壁内のキャビティ内への柔軟な導体の位置決めを示す調整機構およびシュラウドの拡大側立面図である。
【
図3】第1の高さと第2の高さとの間で棚のブラインド調整を可能にするために、可動ピンに係合する
図2のシュラウドの後表面に形成されたカージオイドトラックの正面立面仮想図である。
【
図4】棚のLED照明用の代替の場所を示す
図2の組立て済みのシュラウドおよび機構の断面立面図である。
【
図5】柔軟な導体を保持するための、内壁の外側へのポケット組立体の搭載を示す、冷蔵庫の内壁の組立分解部分図である。
【
図6a】棚が第1の位置にある状態の柔軟な導体の収縮状態を示す、内壁のちょうど外側から冷蔵庫の中を見る
図5の開口部の立面図である。
【
図6b】棚が第2の位置にある状態の柔軟な導体の収縮状態を示す、内壁のちょうど外側から冷蔵庫の中を見る
図5の開口部の立面図である。
【
図7a】複数レベルのトラック調整を可能にする代替のシュラウド設計の正面斜視図である。
【
図7b】複数レベルのトラック調整を実現する代替のシュラウド設計の後面斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明の実施形態を詳細に説明する前に、本発明が、その適用において、以下の説明で述べられるか或いは図面で示される構成要素の構成および配置の詳細に限定されないことは理解されよう。本発明は、他の形態でも実施が可能であり、また、種々の方法で実施または実行することが可能である。同様に、本明細書で使用される言い回しおよび用語は、説明のためのものであり、制限的であるともみなされるべきでないことは理解されよう。「含む」および「備える」並びにその変形の使用は、その後に挙げられる事項およびその均等物並びに更なる事項およびその均等物を包含することを意図される。
【0028】
ここで
図1を参照すると、冷蔵庫10はハウジング12を具備している。該ハウジングは、断熱された左側壁、右側壁、上部壁、下部壁および後側壁を有して、前方に開口する概ね矩形の閉囲された空間を形成するようにできる。ドア14は、一方の側壁の前縁で蝶番式に取付けられており、該ドアを閉じると、圧縮機システムまたは同様な冷凍システム(図示せず)によって所望の温度に維持される冷却された空間が形成される。
【0029】
水平で平坦な1または複数の棚16が、シュラウド20によって覆われた機構18によって、庫内で種々の高さに設置できるように左右側面上に支持されている。機構18によって、棚16と、冷蔵庫10の対面する2つの内側壁22との間が連結される。棚16は、機構18に直接アクセスすることなく、単に棚に力を加えることによって、2つの異なる高さの間で上げ下げすることが可能となっている。
【0030】
ここで
図2を参照すると、冷蔵庫10の内側壁22は、全体が長方形の窪んだポケット26を含むことができる。ポケット26の上端には、該ポケットの外部へ突出するピン28が設けられている。該ピンは、水平に左右方向に移動自在に水平スライドトラック30内に保持されている。ピン28は、シュラウド20の後表面からピン28に対面する略ハート形のマルチステップトラック32に係合することができる。略ハート形のマルチステップトラック32は、以下で述べるように、シュラウド20を上位置と下位置に安定して保持するように協働する。シュラウド20は、垂直案内機構、例えば、シュラウド20に設けられた外側に突出する左右の垂直レール34によってポケット26に対して摺動自在に保持することができる。左右の垂直レール34はポケット26の左側と左側に配設された対応の溝部36に係合する。この機構または種々の他の機構を用いて、ポケット26に対して垂直移動するようにシュラウド20を拘束することができる。
【0031】
棚ブラケット37を冷蔵庫の内部空間に露出するシュラウドの表面に支持させるようにできる。棚ブラケット37は棚16を保持し、例えば棚16の上部、或いは、
図4に示す異なる実施形態では、1つ下の棚の下部を照明する発光ダイオード(LED)を使用した照明器40が設けられている。シュラウド20を移動させることによって、それに対応して棚16が移動する。
【0032】
更に、
図2を参照すると、ポケット26内に設けられたコネクタ42を内側壁22の背後に設けられた電力源に接続して、柔軟な電気ケーブル44を接続するようにできる。柔軟な電気ケーブル44は、シュラウド20の背後のポケット26内で(ジグザグ平面形態で)緩く収縮されポケット26の下部へ延設するようにできる。ポケット26の下方部分は、以下でより詳細に述べるように、冷蔵庫の内側壁22の一部分50によって覆うことができる。ここで、本明細書で使用される用語「収縮」は、ポケット26の中へ柔軟な電気ケーブル44をあらゆる形態に収縮させたり或いは折畳んだりすることを意味する。
【0033】
ここで
図2、3を参照すると、略ハート形のマルチステップトラック32は、シュラウド20の後面からシュラウド20内へ延びる溝とすることができ、一般に、上頂点に結合する2つの下ローブを有する概ね倒立ハート形(カージオイド)を呈している。略ハート形のマルチステップトラック32は、ピン28が、2つの安定位置の間で移動するときにピン28を案内する。2つの安定位置とは、カージオイドのローブ間のノッチである位置46aにピン28がある(シュラウド20に対して)下位置および略ハート形のマルチステップトラック32の最も上の頂点の位置46bにピンがある上位置である。ピン28の上位置は、棚16の最も下の位置を表し、また、その逆の場合は反対のものとなる。下位置にあるシュラウド20(ピン28はシュラウド20の上位置46bにある)で始めると、略ハート形のマルチステップトラック32は、全体が非対称であるため、位置46bで出発して棚16およびシュラウド20の持上げによってシュラウド20に対して下方に移動するピン28は、略ハート形のマルチステップトラック32の最も左の溝に追従して、略ハート形のマルチステップトラック32の最も左のローブの位置46cに至り、そこで、ピン28は、更なる相対的下方移動に抗してトラップされる。
【0034】
位置46cからの棚16およびシュラウド20の下方移動は、ピン28が位置46aまで上昇することを要求し、位置46aで、ピン28は、出発した位置46bにあったときの棚位置に対して高い第2の位置に棚16を保持するように略ハート形のマルチステップトラック32を支持する。
【0035】
新たな、棚16およびシュラウド20の上方移動は、ピン28を、シュラウド20に対して下方に移動させて、略ハート形のマルチステップトラック32の最も右のローブの位置46dに至らしめ、位置46dで、この位置からのピン28のその後の(シュラウド20の下方移動による)上方移動は、ピン28を位置46bに戻らせる。
【0036】
そのため、消費者による棚16(従って、シュラウド20)上での連続する上方および下方移動は、棚16を、上位置と下位置との間で相安定的に移動させる。ピン28は、カージオイドトラックを通って移動するとき、略ハート形のマルチステップトラック32に追従するのに必要なピン28の左右移動に対処するために、スライドトラック30内で僅かに摺動することができる。同様の設計のカージオイドトラックは、本発明の譲受人に譲渡され、2005年2月16日に出願された欧州特許第1563762号「Easy Height Adjustment Device for Refrigerator Shelves」に全体が記載されている。同特許出願は、本願の一部をなすものとして引用する。
【0037】
略ハート形のマルチステップトラック32とピン28の相対位置は、反転されたカージオイドトラックを用いる同様の機構を実現するために反転することができることが理解されるであろう。
【0038】
ここで
図4を参照すると、ケーブル44は、棚ブラケット37内のエントリ部位49を通過した後、棚ブラケット37に保持されたプリント回路基板56および/またはプリント回路基板58に接続することができ、ケーブル44は、透明窓または半透明窓64または66の背後で棚ブラケット37のコンパートメント60または62に含まれる1または複数のLED40に電力を提供する。
【0039】
棚16は、強化ガラス板とすることができるため、棚16の上部のLED40からの光は、棚16を照明することができ、一部の光は、棚16を通過して、下の棚を照明することができる。逆に、棚16の下のLED40からの光は、上の棚を通した反射によって1つ下の棚を照明することができる。
【0040】
ここで
図5を参照すると、ポケット26は、1つの面上で浅いトレー開口部を提供する別個の組立体68とすることができる。組立体68は、内側壁22の外側から内側壁22に取付けることができるため、ポケット26の開口面が、内側壁22に刻まれた開口部70を通して露出される。内側壁22の開口部70は、ポケット26の鉛直方向の高さに比べて、鉛直方向の高さを小さくすることができ、従って、冷蔵庫の内側壁22を通した突破口を最小にする。組立体68は、ピン28を支持し、コネクタ42およびケーブル44を保持することができる。
【0041】
同様に
図6a、6bを参照すると、一実施形態の開口部70の鉛直方向の高さ72は、シュラウド20の鉛直方向の高さ74(
図3に示す)から、略ハート形のマルチステップトラック32によって規定されるその安定静止状態にある棚16の2つの位置(
図3に示す)間の垂直分離76を引いた値より大きくないことになる。こうして、シュラウド20の鉛直方向の高さ74は、棚16が、その最も低い位置(
図6aに示す)およびその最も高い位置(
図6bに示す)の双方にあるときに開口部70を依然として覆いながら、最小にすることができる。この小さな開口部70は、小さなシュラウド20を可能にし、次に、冷蔵庫10における棚16のより密接した間隔を可能にする。より一般的には、シュラウド20は、ポケット26の開口部の鉛直方向の高さ75と棚位置の垂直分離76の和よりも小さい鉛直方向の高さ74を有するように制約することができる。この和に等しい高さを有するシュラウド20は、開口部70がポケット26と同じ高さを有する場合に必要とされることになる。シュラウド20でポケット26が覆われたままにしながら、ポケット26のサイズをこうして増加させることができることは、ケーブル44の屈曲の減少を可能にし、ケーブル44の重量が、牽引機構または同様なものなしで、ポケット26内へのケーブル44の自然な引っ込みを提供することを可能にする。
【0042】
棚16がその最も低い位置にあるとき、ケーブル44は、内側壁22の一部分50の背後に収容することができ、一方、棚16がその最も高い位置にあるとき、ケーブル44は、コネクタ42から下方に単一ループでドレープ形成することができる。全ての場合に、コネクタ42は、棚および棚ブラケット37のエントリ部位49よりも高いことになる。
【0043】
ここで
図7a、7bを参照すると、代替の設計では、棚調整の3つ以上の異なる高さを、上述した略ハート形のマルチステップトラック32と同様の原理に従って働くが、3つ以上の安定静止位置を有する交互対枝式マルチステップトラック32′によって得ることができる。具体的には、交互対枝式マルチステップトラック32′は、ピン28がシュラウド20を支持することができる6つの安定静止位置78a〜78eを提供する。特に、この設計は、(シュラウド20上の最も高いレベルから最も低いレベルの)4つの異なるレベル80a〜80dを提供し、それらのレベルで、シュラウド20、従って棚(
図7に示さず)は、冷蔵庫の内側壁22に対するシュラウド20の順次の上方移動および下方移動によって安定して位置決めすることができる。
【0044】
調整プロセス中、ピン28は、レベル80a(最も低い棚位置)の最も高い静止位置78aから、次に、上方移動、次の下方移動によってレベル80bの静止位置78bに、そして同様にして、その後レベル80cの静止位置78cに、次に、レベル80dの静止位置78dに移動することができる。引き続いての、上方移動、次の下方移動は、ピン28を上方に、最初にレベル80cの静止位置78eに、次にレベル80bの静止位置70fに、最後に再び静止位置78aに循環させる。略ハート形のマルチステップトラック32および交互対枝式マルチステップトラック32′のこれらの2つの例から、同じシュラウド20によって、棚を下方に移動させるときと対照的に、棚を上方に移動させるときに、異なる数のレベルを含む任意の数のレベル80を設けることができることが認識されるであろう。
【0045】
図7a、7bの実施形態はまた、壁搭載式パネル82を使用することによって、冷蔵庫10の内側壁22にシュラウド20を取付ける代替の方法を示し、壁搭載式パネル82は、例えば自己タッピングネジ(図示せず)およびパネル82内の搭載穴84によって内側壁22の内部表面に取付けることができる。壁搭載式パネル82は、ポケット26を提供する別個の構成要素86を、(冷蔵庫10の内部に対して)その後表面上で支持することができ、こうした構成要素86は、内側壁22内の穴を通して嵌合することができるか、または、壁搭載式パネル82の厚さ内に全体的に含めることができる。この実施形態では、垂直レール34は、壁搭載式パネル82上に最も容易に設置することができ、対応する溝部36は、シュラウド20上に設置することができる。別個のコネクタ42′は、ケーブル44(フラットケーブルとすることができる)をプリント回路カード56に取付けることができる。
【0046】
本発明の種々の特徴が、添付特許請求の範囲で述べられる。本発明が、その適用において本明細書で述べる構成要素の構成および配置の詳細に限定されないことが理解されるべきである。本発明は、他の実施形態が可能であり、また、種々の方法で実施または実行されることが可能である。上述の形態の変形形態および変更形態が本発明の範囲内にある。本明細書で開示され規定される発明が、述べられたかまたはテキストおよび/または図面から明らかな個々の特徴のうちの2つ以上の全ての代替の組合せに拡張されることも理解される。これらの異なる組合せは全て、本発明の種々の代替の態様を構成する。本明細書で述べる実施形態は、本発明を実施するために知られている最良の形態を説明し、当業者が本発明を利用することを可能にすることになる。