【課題を解決するための手段】
【0003】
したがって、本発明は、その一態様において、
本体と、
使用時に注射筒から投与分量を放出するよう起動される前記本体内の駆動機構部と、
前記本体に関連付けられていて第1の位置から、前記駆動機構部が起動される第2の位置まで移動可能な作動部材と、
前記作動部材に関連付けられていて前記作動部材が前記第2の位置に到達するのを防ぐロック部材とを備えており、前記ロック部材および前記作動部材は、前記作動部材が前記第1の位置に在るときにロック位置とロック解除位置との間において相対的に移動可能であり、
前記作動部材を前記第2の位置まで移動させた後において前記ロック部材を前記ロック解除位置まで移動させると、前記作動部材が前記第1の位置に戻るのに伴って、前記ロック部材が前記ロック位置まで戻る、自動注射デバイスを提供する。
【0004】
したがって、好適な実施形態において、作動部材が第1の位置、すなわち停止位置に戻るときに、ロック部材はロック位置にリセットされる。
ロック部材は、作動部材および本体に対して移動可能に取り付けられた別離の構成要素であってもよく、或いは本体に関連付けられ、あるいは本体と一体の部品を形成してもよい。
【0005】
好ましくは、作動部材が第1の位置に向かって付勢され、ロック部材は、便宜上ロック位置に向かって付勢されうる。したがって、好適な配列体において、ロック部材はロック解除位置に移動され、作動部材は駆動機構部を起動するために付勢作用に抗して移動される。作動部材にかかる荷重を解放することにより、作動部材が第1の位置に戻り、そうするとロック部材にかかる付勢力によりロック部材がロック位置に戻る。
【0006】
他の配列であってもよいが、作動部材が第1の位置と第2の位置との間において直線的に移動可能であるのが好ましい。
好ましくは、作動部材が注射針被覆部を備えていて、注射が完了して作動部材が第1の位置に戻ることにより、注射筒の注射針を前記注射針被覆部により被覆する。この態様において、作動部材は、駆動機構部を起動するためと、注射針を被覆するためとの両方の二元的な目的に供する。さらに、説明する実施形態において、作動部材が第1の位置に戻るのに従ってロック部材がロック位置に戻るので、この配列体は被覆部を効果的に閉塞(lockout)する。
【0007】
他の配列であってもよいが、ロック部材はロック位置とロック解除位置との間において角度方向に移動可能であるのが好ましい。
作動部材が第2の位置に到達するのを防げるようにするためのロック部材は、多数の異なる配列を採りうるが、特に好適な配列体において、ロック部材が作動部材に対して角度方向に限定的に動けるとともに長手方向において作動部材に対して固定されており、ロック部材およびハウジングが協働する当接面を有し、これら当接面は、ロック部材がロック解除位置に移動するときに閉鎖された整列状態から離れて回転される。
【0008】
好適な実施形態において、作動部材およびロック部材のうちの一方には、ロック位置およびロック解除位置にそれぞれ対応する離間した窪みが形成されており、作動部材およびロック部材のうちの他方は、作動部材が第1の位置に在るときに、ロック窪みからロック解除窪みまで単一の角度方向に移動可能な歯状要素を備えており、作動部材が第2の位置に向かって移動することにより、歯状要素をロック解除窪みから軸線方向に後退させ、それに伴って歯状要素がロック窪みと角度方向に嵌り合うように戻れるようになる。
【0009】
駆動機構部は多数の形態を採れるが、好適な実施形態において、駆動バネと、ハウジング内を長手方向に移動可能な駆動部材と、該駆動部材を準備位置に係止する係止部とを備えており、作動部材が係止部を解放するように動作可能である。
好ましくは、係止部が少なくとも1つの側部を備えており、該側部は、駆動バネの軸線に対して概ね平行に延在するとともに、作動部材の互いに相補形状の傾斜面と協働するように形成された傾斜面を有していて、作動部材が第2の位置に向かって移動するときに前記係止部を解放する。対称な荷重を付与するために、係止部は2つの側部を備えていて、2つの傾斜面が作動部材にそれぞれ形成されるのが好ましい。
【0010】
本体は、便宜上互いに分離可能な前方部および後方部から形成されており、後方部が駆動機構部の少なくとも主要部分を含んでおり、前方部が作動部材およびロック部材を支持する。好ましくは、作動部材は本体の前方に向かって延在していて、注射針を概ね包囲するとともに使用時に注射箇所に接触する。作動部材は、該作動部材に関連付けられていて作動部材の有効長、ひいては使用時における注射筒の注射針の貫通深さを調節する移動調節可能部を備えてもよい。
【0011】
別の態様において、本発明は、互いに分離可能な前方部および後方部を有する本体を具備する自動注射デバイスであって、後方部は係止部によって動作される駆動機構部を備え、前記本体の前方部は本体の前方に向かって延在する作動部材を有しており、該作動部材は、後方に向かって本体内へと駆動されるとともに、注射箇所に付与されて押圧されるときに係止部を解放するように形成される、自動注射デバイスを提供する。
【0012】
別の態様において、本発明は、互いに分離可能な前方ハウジング部および後方ハウジング部を具備する自動注射デバイスであって、後方ハウジング部は、駆動エネルギ蓄積部と、駆動部材と、前方に向かう動きを係止解除する準備位置において該駆動部材を係止する係止配列体とを有する駆動機構部を備えており、前方ハウジング部は、該前方ハウジング部の前方に向かって延在する注射針被覆スリーブ部を有する作動部材を備えており、該作動部材は、駆動部材を係止解除するよう後方に移動可能であり、注射筒キャリアが、作動部材上または作動部材内に取り付けられていて作動部材に対して長手方向に移動する、自動注射デバイスを提供する。
【0013】
以上、本発明について述べたが、本発明は、前掲の特徴または後述する詳細な説明若しくは特許請求の範囲に係る特徴の任意の発明的組合せに及ぶ。