(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6039654
(24)【登録日】2016年11月11日
(45)【発行日】2016年12月7日
(54)【発明の名称】レーザからの光ビームを光学的に分離する装置及び方法
(51)【国際特許分類】
H01S 3/00 20060101AFI20161128BHJP
G02B 27/28 20060101ALI20161128BHJP
G02B 27/30 20060101ALI20161128BHJP
【FI】
H01S3/00 Z
G02B27/28 A
G02B27/30
【請求項の数】19
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2014-510873(P2014-510873)
(86)(22)【出願日】2012年5月21日
(65)【公表番号】特表2014-517519(P2014-517519A)
(43)【公表日】2014年7月17日
(86)【国際出願番号】GB2012000451
(87)【国際公開番号】WO2012156678
(87)【国際公開日】20121122
【審査請求日】2015年2月2日
(31)【優先権主張番号】1108470.4
(32)【優先日】2011年5月19日
(33)【優先権主張国】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】503443773
【氏名又は名称】エスピーアイ レーザーズ ユーケー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100141254
【弁理士】
【氏名又は名称】榎原 正巳
(72)【発明者】
【氏名】マイケル ケバン ダーキン
(72)【発明者】
【氏名】ステュワート トーマス イングラム
【審査官】
廣崎 拓登
(56)【参考文献】
【文献】
特開2009−195976(JP,A)
【文献】
特開平07−077640(JP,A)
【文献】
特開平10−039257(JP,A)
【文献】
特開平02−206189(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23K 26/00−26/70
G02B 6/42− 6/43
27/28
H01S 3/00− 5/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーザからの光ビームを光学的に分離する装置であって、該光ビームはM2値によって規定されたビーム品質を有し、該装置は、
入力レンズと、
該光ビームを分離するように構成された光学アイソレータと、
基準プレーンと、
該光学アイソレータの出力に配置された出力コネクタであって、該基準プレーンを機械的に参照し得るコリメータに共通コリメータインタフェースで接続するように構成された出力コネクタと、
該出力コネクタの遠端の近位に配置された第1レンズ構成と、
を具備し、
該M2値は、1〜25であり、
該光学アイソレータは、偏波無依存型アイソレータであり、
該光ビームは、該光学アイソレータにおいてコリメートされず、
該入力レンズは、該光ビームを受領し且つ該光学アイソレータを通じて該第1レンズ構成へと該光ビームを合焦するように配置され、
該入力レンズは、1mm未満の該光学アイソレータ内光ビーム直径を提供し、該光ビーム直径は、該M2値に依存しており、
該第1レンズ構成は、該M2値から独立した既定の広がりを有する出力光ビームを提供し、
該コリメータインタフェースと該M2値から独立した該既定の広がりとは、相互交換自在のコリメータの一群が該装置において使用されることを可能にし、各コリメータは、該コリメータが該装置に取付けられるとき、M2から独立した異なる既定のビーム直径を提供する、
装置。
【請求項2】
該第1レンズ構成は、該基準プレーンから既定の距離にあるビームウエストを提供するように位置決めされている、請求項1に記載に装置。
【請求項3】
該第1レンズ構成は、該光ビームと同心状である、請求項2に記載に装置。
【請求項4】
該第1レンズ構成は、焦点距離によって規定され、且つ、該ビームウエストは、該焦点距離に略等しい距離だけ該第1レンズ構成から離隔している、請求項2に記載の装置。
【請求項5】
該ビームウエストは、仮想的ビームウエストである、請求項2に記載の装置。
【請求項6】
該第1レンズ構成は、該光ビームと同心状である、請求項1に記載に装置。
【請求項7】
前記第1レンズ構成は、負のレンズである、請求項1に記載に装置。
【請求項8】
該既定の広がりを有する該光ビームを既定のビーム直径を有するコリメートされたビームに変換するための第2レンズ構成を具備するコリメータを包含し、該装置は、該コリメータが該出力コネクタに装着されると共に該基準プレーンを基準として機械的に参照された際に、該既定のビーム直径が該ビーム品質M2値から独立するようになっている、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
該第2レンズ構成は、単一の正のレンズである、請求項8に記載に装置。
【請求項10】
該第2レンズ構成は、空気によって離隔した二重レンズである、請求項8に記載の装置。
【請求項11】
一つのレーザを包含し、該レーザは該入力レンズを介して該光学アイソレータに接続されている、請求項1に記載の装置。
【請求項12】
該レーザは、1kW超のピーク出力強度によって特徴付けられる、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
複数の請求項11に記載の装置を具備するとともに一つのコリメータを包含するシステムであって、該装置の各々が同一の既定の広がりを有し、該レーザの各々が、同一の既定のビーム直径を有する出力光ビームを提供するべく該コリメータにプラグ挿入され得る、システム。
【請求項14】
複数のレーザは、各々、異なるM2値によって規定される、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
複数の請求項11に記載の装置を具備するとともに複数のコリメータを包含するシステムであって、各コリメータが異なる既定のビーム直径を有し、該レーザのいずれもが、独自の既定のビーム直径を提供するべく任意の一つのコリメータにプラグ挿入され得る、システム。
【請求項16】
複数のレーザは、各々、異なるM2値によって規定される、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
該入力レンズは、該光ビーム直径が0.5mm未満となるように、該光学アイソレータ内光ビーム直径を提供するべく選択される、請求項1に記載の装置。
【請求項18】
光学的に分離された光ビームを提供する装置であって、該光ビームは第1M2値によって規定されたビーム品質を有し、該装置は、
該第1M2値を有する第1入力光ビームを分離するように構成された第1光学アイソレータと、
基準プレーンと、
機械的インタフェースを有する出力コネクタであって、コリメートされたビーム直径を有するコリメートされたビームを提供するためのコリメーティングレンズを具備するコリメータに接続されている出力コネクタと、
位置とビームウエスト直径とを有するビームウエストと、
該第1M2値と該ビームウエスト直径と該ビームウエストの該位置とに基づいて広がりを提供するように選択された第1レンズであって、該装置内の該第1レンズの位置は、第1出力光ビームが、該基準プレーンから既定の距離にあるアパーチャから出力されるように見えるように、選択される、第1レンズと、
を具備し、
該第1M2値は、1〜25であり、
該第1光学アイソレータは、偏波無依存型アイソレータであり、
該光ビームは、該光学アイソレータにおいてコリメートされず、
それによって、該装置は、該第1M2値と異なる第2M2値によって規定される第2入力光ビームを分離するように構成された第2光学アイソレータを具備するが、実質的に同一の機械的インタフェースを有する第2出力コネクタと、実質的に同一の既定の広がり及び実質的に同一の既定の距離を提供するように選択且つ位置決めされた第2レンズと、を有する、異なる装置が、実質的に同一のコリメートされたビーム直径を有するコリメートされたビームを提供するべく、同一のコリメータに接続される、ことを可能にする、
装置。
【請求項19】
該ビームウエストと該第1レンズとがアライメントされている、請求項18に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レーザからの光ビームを光学的に分離する装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
レーザを損傷するか又は望ましくない光学的相互作用を生成する後方反射を防止するためにレーザの出力ビームの光学的分離を必要としているレーザの多数の用途が存在している。例には、材料の、特に、銅、真鍮、金、銀、及びダイアモンドなどの高度な反射性を有する材料の、溶接、切断、穿孔、被覆、ろう付け、マーキング、彫刻、及びスライシングが含まれる。光学的分離は、通常、レーザの出力ビームを結合する光学アイソレータを使用して実行されている。この結果、後方反射光がレーザに戻ることが光学アイソレータによって防止される。
【0003】
低出力のレーザシステムの場合には、通常、レーザ光ビームを、光学アイソレータを通じてコリメートすれば十分である。次いで、この光ビームは、ビーム拡張テレスコープ(beam expanding telescope)によって拡張され、且つ、次いで、ビームを加工対象の材料に導く機械的走査光学系に結合される。
【0004】
機械的走査光学系は、特定のビーム直径のコリメートされた光ビームを受光するようにそれぞれが最適化されている標準フォーマットを有する。5mm、7.5mm、及び10mmのビーム直径(1/e
2)が非常に一般的な選択肢である。従って、レーザ製造者は、これらのビーム直径を有するコリメートされた光ビームを出力するビーム拡張テレスコープを提供する必要がある。
【0005】
光学アイソレータのサイズは、一般に、レーザシステムの平均出力が約1W超において増大するのに伴って、アイソレータ内の結晶の光学表面におけるレーザ誘発損傷を回避する必要性に起因し、増大する。個々のアイソレータのサイズ、コスト、及び分離性能が重要ではない場合には、光ビームを、光学アイソレータを通じて依然としてコリメートすることが可能であり、且つ、ビーム拡張テレスコープによって拡張することができる。
【0006】
但し、(例えば、消費者用電子回路やマーキング用途のために大量生産されるレーザの場合のように)コストが課題である場合には、アイソレータの結晶サイズを最小値に維持しなければならない。この結果、分離性能を最適化するために光学アイソレータを通じて光ビームを合焦するという要件が生じる。従って、光学アイソレータから出力される光ビームは、コリメートされない。従来の方式は、光学アイソレータからの光を標準的なビーム拡張テレスコープに適合した標準ビーム直径にコリメートするためのコリメーティングレンズを提供するこということになろう。この方式の利点は、その結果、設計作業が軽減されるという点にあり、その理由は、標準的な光学系を使用することができるからである。
【0007】
状況は、この同一の光学アイソレータが高出力レーザのグループと共に使用される際に、更に複雑なものとなり、この場合には、そのグループ内のそれぞれのレーザタイプは、異なるビーム品質を有する。その理由は、光学アイソレータを通じたビームプロファイルの最適化は、通常、それぞれのレーザごとに異なっており、且つ、更には、標準的なビーム拡張テレスコープに適合するように出力光をコリメートするべく、異なるコリメーティングレンズを選択しなければならないからである。
【0008】
ビーム品質は、通常、M
2又はビームパラメータ積(Beam Parameter Product:BPP)の観点において規定される。光ビームのM
2は、ビームが、同一のアパーチャからの1のM
2を有するガウスビームと比べた場合に、所与のアパーチャからどれだけ迅速に広がるかを規定しており、2のM
2は、ビームが2倍だけ速く広がることを意味しており、且つ、3のM
2は、ビームが3倍だけ速く広がることを意味している。ビームパラメータ積(BPP)は、次式によってM
2と関係付けられている。
BPP=M
2・λ/π(mm.mrad) (1)
ここで、波長λは、マイクロメートルμmを単位として与えられる。従って、1.06μmにおいて放出されると共にM
2=1.0を有するイッテルビウムドーピングファイバレーザは、BPP=0.338mm.mradを有することになろう。このレーザがM
2=2を有する場合には、BPP=0.672mm.mradであり、且つ、このレーザがM
2=3を有する場合には、BPP=1.01mm.mradである。
【0009】
レーザの製品グループが、M
2=1、M
2=2、及びM
2=3を有する3つのレーザを有するように設計されている場合には、ビーム品質(並びに、従って、ビームの広がり)の相違により、結果的に、個々の光学アイソレータに対する入力において3つの異なるビーム最適化が必要とされることになろう。出力ビームをビーム拡張テレスコープに整合させるべく、レーザのそれぞれに1つずつ、合計3つの異なるコリメータ設計が必要となる。
【0010】
但し、この従来の方式は、商業上の要件に起因して製品を可能な最低コストにおいて製造する必要がある際には、満足できる選択肢ではない。その理由は、アイソレータの出力に位置したコリメータが、ビーム拡張テレスコープ内の第1レンズと同様の目的に奉仕しているからである。即ち、システム内に冗長な光学要素が存在している。これは、特殊な光学系の設計に伴う追加支出が標準的なビーム拡張テレスコープの使用に伴うコストを上回っている少量生産されるシステムの場合には、受け入れ可能であるが、製品のコスト及び空間が貴重である大量の製品生産の場合には、商業的に受け入れ可能な解決策ではない。
【0011】
従って、アイソレータの出力に位置した追加のコリメータを除去する光学アイソレータ設計に対するニーズが存在している。残念ながら、この追加のコリメータの除去は、異なるビーム品質によって規定されたレーザの製品グループの場合には、大きな設計上の問題点を生成する。先程の例においては、3つのレーザのそれぞれごとに、3つの異なりビーム拡張テレスコープが存在する必要があろう。これら3つの異なるビーム拡張テレスコープは、例えば、追加レンズの形態において追加の機能が提供されることなしには、即ち、調節可能性が提供されることなしには、レーザの間において相互交換自在とならないであろう。従って、3つのビームを3つの機械的スキャナユニットに整合させるためには、9つの異なるビーム拡張テレスコープを提供することが必要となろう。このような複雑さは、想定される異なるレーザビーム品質の数及び機械的スキャナユニットの数に伴って、急激に増大する。大量生産要件を有する従来技術によるレーザシステムに様々なビーム適合アクセサリが提供されている理由は、この点にあり、これらのアクセサリは、顧客の用途に使用されるように設計及び製造する必要がある。更には、顧客は、このようなビーム適合アクセサリを自身の特定の用途用に選択する際に支援を必要とすることにもなろう。
【0012】
異なるレーザタイプの間におけるレーザクセサリの更に大きな共通性を実現する光学アイソレータ及びレーザシステムが存在することが有利であろう。このような進歩は、レーザ製造者による設計、製造、及び制御を要するアクセサリの数の低減をもたらすことになろう。
【0013】
パルスレーザシステム、特に、主発振器電力増幅器(Master Oscillator Power Amplifier:MOPA)構成におけるファイバレーザ、又は低い品質係数(Q)を有するパルスモードファイバレーザ発振器は、材料加工などの有用な用途のために十分なエネルギーを有し且つ強力である出力パルスを実現するために、活性媒質内における高度なエネルギー保存及び分布反転を必要としている。活性媒質内の利得の増大に伴って、パルスレーザシステムは、(例えば、加工対象の反射性材料からの)後方反射の影響を非常に受け易くなる可能性があり、後方反射は、放射されるパルスの混乱を、或いは、いくつかのケースにおいては、レーザシステムに対する損傷を、結果的にもたらす可能性がある。
【0014】
通常の材料加工システムは、検流計スキャナ及び合焦レンズを使用して被加工品上におけるレーザビームの場所を操作している。材料を光学的に加工するために十分な強度を有するレーザビームスポットサイズ(例えば、10〜100μm)を被加工品において生成するには、このような検流計スキャナに対する入力において、5〜10mmの範囲内の一般的なビームサイズが必要とされる。必要とされる5〜10mmのコリメートされたレーザビーム直径を直接的に通過させるべく必要とされる透明な光学アパーチャを有するアイソレータを利用することは、通常、サイズ及びコストの観点において実際的ではない。従って、通常は、相対的に小さな直径のコリメートされたレーザビームを分離し、且つ、次いで、スキャナシステムの手前において、ビーム拡張テレスコープ構成を使用することにより、レーザビームのビーム直径を拡張している。
【0015】
最も一般的なスキャナアプリケーションと整合するようにレーザビームを拡張する従来の方法は、2レンズのガリレイタイプのビーム拡張テレスコープを使用とするというものであり、この場合には、コリメートされた入力ビームが必要とされ、且つ、この入力ビームは、次式に従って拡張される。
倍率=f
2/f
1 (2)
及び
光学レンズの離隔距離=f
1+f
2 (3)
ここで、f
1及びf
2は、2つのレンズの焦点距離である。その出力ビームが良好にコリメートされている一般的な1μmの赤外線レーザシステムは、物理的な自由空間ビーム伝播の法則による自由空間回折が無視可能となるように、略1mm超のビーム直径を有することになる。次いで、材料加工システムの光学入力における5〜10mmという一般的なビーム直径要件を実現するべく、このようなビームをガリレイタイプのビーム拡張テレスコープによって操作することができる。
【0016】
但し、この方式の場合にも、1mm直径のコリメートされたレーザビームを受光しうる光学アイソレータが必要である。このようなアイソレータは、相対的に大きくて高価なアイソレータ結晶、磁石、及び全体的なパッケージサイズを必要とする。これは、テルビウムガリウムガーネット(TGG)が事実上のファラデー回転子である1μmレーザの場合に、特に当て嵌まる。TGGは、レーザ波長における低吸収率と、高損傷閾値と、を提供するが、これは、高価な結晶である。又、TGGは、低Verdet定数をも有しており、且つ、従って、必要とされるファラデー回転を実現するために強力な磁界が必要とされる。
【0017】
コンポーネントのコスト及びサイズが重要である大量生産用途の場合には、TGG結晶のサイズ及び磁石の容積を低減することにより、光学性能のみならず、コストをも低減するべく、アイソレータ設計を更に最適化するニーズが存在している。これを実現するには、1mm直径よりも格段に小さなアパーチャサイズを有する光学アイソレータを使用することが必要である。この低減された光学アパーチャのサイズは、レーザビーム直径を、1mmよりも格段に小さなものに低減することと、特定のケースにおいては、アイソレータ内のビームウエストに対して合焦することと、を必要としている。この結果は、アイソレータを通じてレーザビームをコリメートすることがもはや可能ではないということであり、且つ、レーザビームは、アイソレータの後において、使用している特定の光ビームのビーム品質(M
2)に依存する量だけ、広がることになる。
【0018】
光ビームの直径が小さく(約1mm未満)、且つ、もはやコリメートされてはいないアイソレータ設計の場合には、ビーム拡張テレスコープに対する入力の広がりが大きくなる可能性があり、且つ、このようになるのに伴って、最適なコリメーションを実現するのに必要とされるレンズの離隔距離が変化する。この場合には、拡張器の倍率は、次式によって付与される。
倍率=f
2/f
1+dZ/(f
1+f
2) (4)
ここで、dZは、最適なコリメーションを実現するのに必要とされるレンズの離隔距離の変化である。従って、ビーム拡張テレスコープの振る舞いは、式(2)及び式(3)により、且つ、従来のカタログ説明文において、記述されているガリレイビーム拡張テレスコープのものとは異なるものになる。これに加えて、ビーム拡張テレスコープに対する入力における相対的に小さなビームは、所与の出力ビーム直径を実現するために、相対的に大きな倍率を必要とすることになろう。これは、サイズ又は光学的複雑さの増大を結果的にもたらすことになろう。
【0019】
所与のアイソレータ設計の場合に、レーザ波長、入力ビーム直径、並びに、アイソレータの後の且つビーム拡張テレスコープに対する入力におけるレーザビームの広がりは、レーザビームのビーム品質であるM
2だけ、増大することになる。この倍率は、ビームの自由空間回折が最小である従来のコリメートされた(1mm超の)ビームを使用する最適化されてはいないアイソレータシステムにおいては、格段に小さい。
【0020】
パルスファイバレーザの場合には、レーザビーム品質(M
2)は、通常、レーザ光をファイバレーザから光学アイソレータまで搬送する光ファイバの影響を受ける。更には、光学アイソレータの手前の最後の光ファイバが、しばしば、実現されるビーム品質(M
2)を規定する。更には、サイズ、コスト、及び安定性の理由から、最後のファイバ(又は、アイソレータに対する入力ファイバ)は、通常、ファイバレーザに対する後続の融着接続のために、アイソレータ装置に対して永久的に装着されている。
【0021】
これらの要素は、コスト及びサイズが最適化されたアイソレータ設計が、小さくてコリメートされていない、或いは、場合によっては、合焦された、レーザビームを使用するという要件に起因し、後続のビーム調節光学系の設計、複雑さ、及び必要とされる多様さにおいてかなりの複雑さを生成することを意味している。
【0022】
アイソレータの後の広がったビームをビーム調節する1つの方式は、従来のビーム拡張テレスコープを使用してもよいように、アイソレータの出口においてビームをコリメートするというものになろう。これは、標準的なテレスコープの手前に、それぞれのM
2ごとに異なる追加の光学要素を結果にもたらすことになろう。これは、支出、複雑さ、及び光学損失を増大させる。更には、約1μmの波長において良好にコリメートされたビームは、約1mm超のビーム直径を有していなければならないため、ビームウエストからのその距離(mmを単位とする)とビームの全角遠視野発散(full angle far-field divergence)(ラジアンを単位とする)の積が約1mmを上回るという条件を満足させるように、追加の光学要素を配置しなければならない。高ビーム品質(M
2<1.3)を有するレーザの場合には、これは、望ましくない長尺の装置をもたらす可能性がある(通常は、130mm超であって、これは、アイソレータの長さに加わる長さである)。
【0023】
一代替方式は、それぞれのM
2タイプごとに、且つ、それぞれのスキャナアプリケーションごとに、ビームを拡張及びコリメートするための特注の光学系を設計するというものになろう。
【0024】
これらの方式は、ビーム経路内における光学要素の数、コスト、サイズ、光学損失、異なるビーム品質のレーザをカバーするための異なるビーム調節ユニットの増加、システムインテグレータのための設置及び稼働の容易性、光学系及びレーザシステムの相互交換性などの特徴の観点において、最善のものではない。
【0025】
本発明の目的は、上述の問題点を低減する光学的分離のための装置及び方法を提供するというものである。
【発明の概要】
【0026】
本発明の非限定的な一実施形態によれば、レーザからの光ビームを光学的に分離する装置が提供され、この装置は、光ビーム用の光学入力と、入力レンズと、光学アイソレータと、出力コネクタと、第1レンズ構成と、を有し、光学アイソレータは、約1W超の平均出力を有する光ビームを分離するように選択され、この光ビームは、M
2値によって規定された既定のビーム品質を特徴としており、入力レンズは、アイソレータの手前に位置決めされ、既定のビーム品質に基づいて選択され、且つ、光ビームのビーム直径が光学アイソレータ内において5パーセント超だけ変化するようにアイソレータを通じて光ビームを合焦し、出力コネクタは、光学アイソレータの出力に配置され、出力コネクタは、基準プレーンを形成する表面を有し、第1レンズ構成は、アイソレータからの光ビームを受光するように位置決めされており、本装置は、出力コネクタが、複数のコリメータのうちのいずれかのコリメータに接続することができるコネクタインタフェースを有するように形成され、それぞれのコリメータは、基準プレーンを基準として参照することが可能であり、且つ、それぞれのコリメータは、異なるコリメートされたビーム直径のコリメートされたビームを出力するための異なる設計を有しており、第1レンズ構成は、既定の広がりを有する出力光ビームを供給するように、光ビームの既定のビーム品質に基づいて選択され、第1レンズ構成は、基準プレーンからの既定の距離においてビームウエストを形成するように位置決めされ、コネクタインタフェース、既定の広がり、及び既定の距離は、共通的なコリメータインタフェースを有し、これにより、複数のコリメータを出力コネクタに個別に接続し、光ビームのビーム品質から独立したコリメートされたビーム直径を有するコリメートされたビームを供給することができることを特徴としている。
【0027】
本発明の装置によれば、通常のレーザグループに必要されるコリメーションアクセサリの徹底的な単純化が可能である。例えば、通常の既知の商用レーザグループは、それぞれが異なるビーム品質によって規定された3つのファイバレーザであってもよい。所与の光学アイソレータ設計の場合に、アイソレータを通じたビーム経路が最適化されるように、アイソレータに対する入力ビームをそれぞれのファイバレーザのビーム品質に従って適合させなければならない。次いで、産業標準の走査光学系と整合するように、ビームをビーム拡張テレスコープによって拡張する必要がある。通常のビーム直径は、5mm、7.5mm、及び10mmである。この結果、異なるビーム拡張テレスコープ設計が必要となり、これらの設計のそれぞれは、ファイバレーザのビーム品質と、必要とされる最終的なコリメートされたビームのビーム直径と、に依存している。付与されている例においては、最大で9つの異なるビーム拡張テレスコープ設計が必要とされよう。或いは、この代わりに、様々なビーム品質をカバーするべく、ビーム拡張テレスコープに調節を追加してもよい。
【0028】
本発明の装置は、ビームウエストから既定の広がりを有するビームを供給するための第1レンズ構成の最大で3つの設計と、5mm、7.5mm、及び10mmのコリメートされたビームを提供するための第2レンズ構成を有するコリメータの3つの設計と、を必要とすることのみにより、この複雑さを除去している。更には、10mmのコリメータを、あるビーム品質を有するファイバレーザから取り外し、且つ、異なるビーム品質を有するファイバレーザ上において使用することにより、同一の10mmのコリメートされたビーム直径を有する出力ビームを供給することができる。
【0029】
本発明のコスト上の利点は、かなりのものである。これらには、(i)相対的に大きなアイソレータと比べた場合の相対的に小さな内部結晶を使用した結果としての相対的に安価な相対的に小さなアイソレータを使用する能力、(ii)既定の広がりを有する出力ビームの供給に起因した必要とされるアクセサリ(コリメータ及びビーム拡張テレスコープなど)の数の低減、及び(iii)コリメータをレーザ加工装置と統合すると共に着脱自在且つ相互交換自在のレーザを有する能力が含まれる。
【0030】
本発明の装置は、以下の内容を実現するものであってもよい。
・結晶サイズ及び磁石サイズを極小化するべく、アイソレータを通じた光ビームが、小さく、コリメートされず、或いは、場合によっては、合焦されるように、光学アイソレータ設計がコスト/サイズの面において最適化される。
・装置の出力を非常に広がったものにするべく、光学アイソレータハウジングの出力において負の要素が導入される。
・出力の広がりが実質的にM
2との関係において正規化されるように、負の要素の仕様が入力光ビームのビーム品質M
2に従って選択される。
・この広がりの供給源(「仮想的ウエスト」)が、明確に規定された空間内の位置に配置される。
・光ビームが、コリメーションレンズグループにより、必要とされるサイズにコリメートされ、コリメーションレンズグループは、機械的担持体内において保持されており、機械的担持体は、仮想的なウエスト及び光学アイソレータの光学軸との関係においてコリメーションレンズグループを正確に配置する方式によって光学アイソレータシステムに対して正確に結合するように設計されている。
【0031】
この結果、以下の内容が可能となる。
・光学アイソレータの出力が、明確に規定された出力の広がりを有し、且つ、ビームウエストが、明確に規定された位置を有していることに起因した、スキャナアプリケーションごとの、すべてのビーム品質M
2タイプ(ビーム直径)と適合した1つのコリメーティングレンズタイプのみに対するニーズ
・コリメーションの「プラグアンドプレイ」の許容範囲及び基準プレーンとの関係におけるビームの位置決め
・同一のコリメータ/スキャナシステムとの間における異なるビーム品質(M
2)を有するレーザの相互交換性
・負の光学レンズからの大きな広がりに起因したコンパクトなビーム拡張
・ビーム拡張の結果としてもたらされる最小限の光学損失
・新しいコリメータ要件の迅速且つ相対的に低コストのプロトタイプ化
・レーザ及びコリメータの既存の製品範囲に対する異なるビーム品質を有するレーザ源の迅速且つ容易な導入
【0032】
第1レンズ構成は、負のレンズであってもよい。これは、レーザ出力のピークパワーが1kW超であるレーザの場合に、特に有利であり、その理由は、これにより、真の焦点に伴って発生しうる空気のイオン化と関連した問題点が回避されるためである。
【0033】
ビームウエストは、仮想的なビームウエストであってもよい。
【0034】
第1レンズ構成は、光ビームと同心状であってもよい。
【0035】
第1レンズ構成は、焦点距離によって規定してもよく、且つ、ビームウエストは、焦点距離に略等しい距離だけ、第1レンズ構成から離隔してもよい。
【0037】
コリメータは、既定の広がりを有する光ビームを規定のビーム直径を有するコリメートされたビームに変換するための第2レンズ構成を有してもよく、装置は、コリメータが出力コネクタに装着されると共に機械的に基準プレーンを基準として参照した際に、既定のビーム直径が光ビームのビーム品質から独立するようになっている。
【0038】
第2レンズ構成は、単一の正のレンズであってもよく、或いは、マルチ要素レンズ構成であってもよい。第2レンズ構成は、結合二重レンズであってもよく、或いは、結合三重レンズであってもよい。第2レンズ構成は、好ましくは、空気によって離隔した二重レンズであってもよく、或いは、空気によって離隔した三重レンズであってもよい。
【0039】
装置は、レーザを含んでもよい。レーザは、光ファイバケーブルを介して光学入力に接続してもよい。レーザは、1kW超のピーク出力強度を特徴としてもよい。
【0040】
レーザは、ファイバレーザ、ディスクレーザ、及びロッドレーザを有する群から選択してもよい。
【0041】
既定の広がりは、50mrad〜200mradであってもよい。既定の広がりは、約90mrad〜125mradであってもよい。
【0042】
第1レンズ構成は、少なくとも20mmの距離だけ、光学アイソレータから離隔してもよい。
【0043】
又、本発明は、レーザからの光ビームを光学的に分離する方法をも提供し、この方法は、光ビーム用の光入力を提供するステップと、約1W超の平均出力を有する光ビームを分離するように光学アイソレータを選択するステップであって、この光ビームは、M
2値によって規定された既定のビーム品質を特徴としている、ステップと、既定のビーム品質に基づいて入力レンズを選択するステップと、光ビームを光学アイソレータ内において略0.5mm未満のビーム直径に合焦するステップと、光学アイソレータの出力に出力コネクタを提供するステップであって、この出力コネクタは、基準プレーンを形成する表面を有する、ステップと、アイソレータからの光ビームを受光するように第1レンズ構成を位置決めするステップと、を有し、本方法は、出力コネクタが、複数のコリメータのうちのいずれかのコリメータに接続することができるコネクタインタフェースを有するように形成され、それぞれのコリメータは、基準プレーンを基準として参照することが可能であり、且つ、それぞれのコリメータは、異なるコリメートされたビーム直径のコリメートされたビームを出力するための異なる設計を有し、第1レンズ構成は、既定の広がりを有する出力光ビームを供給するように、光ビームの既定のビーム品質に基づいて選択されており、第1レンズ構成は、基準プレーンから既定の距離においてビームウエストを形成するように位置決めされ、コネクタインタフェース、既定の広がり、及び規定の距離は、共通的なコリメータインタフェースを有し、これにより、複数のコリメータを出力コネクタに個別に接続し、光ビームのビーム品質から独立したコリメートされたビーム直径を有するコリメートされたビームを供給することができることを特徴としている。
【0044】
方法は、第1レンズ構成が負のレンズとなるようなものであってもよい。
【0045】
方法は、レーザを提供するステップと、レーザを光ファイバケーブルによって光学入力に接続するステップと、を含んでもよい。
【0046】
方法は、コリメータを提供するステップを含んでもよい。
【0047】
本発明の装置は、異なるビーム品質を有する光ビームをその他の光ビームに対して分離するようにそれぞれが構成された複数の光学アイソレータと、光学アイソレータのうちの異なる光学アイソレータにそれぞれが接続された複数の出力コネクタと、光学アイソレータのうちの異なる光学アイソレータとそれぞれが関連付けられた複数の基準プレーンと、光学コネクタのうちの異なる光学アイソレータの遠端の近位にそれぞれが配置された複数の第1レンズ構成と、を有してもよく、第1レンズ構成は、それぞれ、同一の既定の広がりを有する出力光ビームを供給するように選択されており、第1レンズ構成は、それぞれ、その個々の基準プレーンから既定の距離においてビームウエストを提供するように位置決めされ、これにより、コリメータは、同一の既定のビーム直径を提供するように出力コネクタのうちのいずれかのものに接続することができる。
【0048】
第1レンズ構成は、それぞれ、その個々の基準プレーンから同一の既定の距離においてビームウエストを提供するように位置決めしてもよい。
【0049】
本発明の装置は、異なる既定のビーム直径を提供するように出力コネクタのうちの任意の出力コネクタに接続された異なる第2レンズ構成を有するコリメータを含んでもよい。
【0050】
本発明の装置は、アイソレータのうちの異なるアイソレータの光学入力にそれぞれが接続された複数のレーザを有してもよい。レーザは、それぞれ、異なるビーム品質によって規定してもよい。
【0051】
一態様においては、本発明の装置は、複数のレーザであってもよく、これらの複数のレーザは、既定のビーム直径を提供するべく、相互交換自在のコリメータをレーザに装着することができるように、既定のビームの広がりを有するレーザ放射を放出するべく構成された異なるビーム品質を有するレーザを有する。複数のレーザは、それぞれのレーザが、異なるビーム品質によって規定されたレーザ放射を放出するように構成されているようなものであってもよく、この場合に、それぞれのレーザは、光学アイソレータ、出力コネクタ、基準プレーン、及び第1レンズ構成を有し、それぞれのレーザごとに、レーザは、ファイバレーザ、ディスクレーザ、及びロッドレーザを有する群から選択され、光学アイソレータは、レーザ放射を分離するように構成され、出力コネクタは、光学アイソレータの出力に配置され、第1レンズ構成は、出力コネクタの遠端の近位に配置され、出力コネクタは、コリメータに接続するように構成されており、コリメータは、機械的に基準プレーンを基準として参照することができるようになっている。それぞれのレーザは、第1レンズ構成が、既定の広がりを有する出力光ビームを供給するように選択されており、第1レンズ構成が、基準プレーンから既定の距離においてビームウエストを提供するように位置決めされており、この場合に、既定の広がりは、レーザのそれぞれごとに同一であることを特徴としてもよい。
【0052】
第1レンズ構成は、負のレンズを有してもよい。
【0053】
ビームウエストは、仮想的なビームウエストであってもよい。
【0054】
コリメータは、既定の広がりを有する光ビームを規定のビーム直径を有するコリメートされたビームに変換するための第2レンズ構成を有してもよく、且つ、既定のビーム直径は、光ビームが同一のコリメータによってコリメートされた際に、レーザのそれぞれごとに同一であってもよい。
【0055】
複数のレーザは、複数のコリメータを有してよく、この場合に、それぞれのコリメータは、レーザうちの1つのレーザの出力コネクタに対して接続された際の第2レンズ構成とビームウエストの間の異なる距離を特徴としており、且つ、コリメータのそれぞれは、異なる既定のビーム直径を有するコリメートされたビームを放出する。
【0056】
既定の広がりは、50mrad〜200mradであってもよい。既定の広がりは、約90mrad〜125mradであってもよい。
【0057】
第1レンズ構成は、少なくとも20mmの距離だけ、アイソレータから離隔してもよい。
【0058】
一態様においては、本発明は、複数の別個のビーム品質(M
2)を有する入力光ビームを使用し、同一の既定の広がり及び基準プレーンからの同一の既定の距離を有する光ビームをコリメータに供給することが可能であり、これにより、同一のコリメータが、複数の異なるビーム品質を有する入力光ビームを供給するレーザを使用することにより、実質的に同一のコリメートされたビーム直径を有するコリメートされたビームを供給することができるように、プラグアンドプレイコンポーネントを使用する方法を更に提供する。本発明のこの方法は、光学アイソレータ、出力コネクタ、基準プレーン、及び第1レンズ構成を含むレーザと共に使用してもよい。出力コネクタコンポーネントの一端は、光学アイソレータの出力に配置され、且つ、別個のコンポーネントとして光学アイソレータに対して解放自在に固定されてもよく、或いは、光学アイソレータの一体的な部分として形成されてもよい。第1レンズ構成は、出力コネクタ内において、出力コネクタの反対側の端部に配置される。出力コネクタは、コリメータが基準プレーンを基準として参照することができるように、コリメータに対する接続のための機械的インタフェースを含む。任意の特定の出力コネクタコンポーネント内のレンズ構成は、異なるレンズ構成を有するがそれぞれが同一の機械的インタフェースを有する出力コネクタコンポーネントが存在するように、複数の光学的に異なるレンズ構成から選択される。異なる出力コネクタが共通的な機械的インタフェースを有しているため、これらは、それぞれ、適合したインタフェースを有するコリメータに接続してもよい。従って、必要に応じて特定のレンズ構成を選択及び使用してもよい。
【0059】
本発明の一態様によれば、複数の異なるビーム品質(M
2)を有する入力光ビームを使用し、同一の既定の広がり及び基準プレーンからの同一の既定の距離を有する光ビームをコリメータに供給することができるように、プラグアンドプレイコンポーネントを使用する方法は、入力光ビームのビーム品質M
2を判定するステップと、光ビームの位置及びビームウエストの直径を判定するステップと、出力光ビームが既定の広がりを有し、且つ、出力光ビームが、基準プレーンから既定の距離におけるアパーチャから出力されるように見えるように、光ビームのM
2、ビームウエストの直径、及びビームウエストの位置に基づいて、複数の光学的に異なるレンズ構成のうちから1つのレンズ構成を選択するステップと、選択されたレンズ構成を光学アイソレータの出力において出力コネクタ内に提供するステップと、を有する。
【0060】
本発明の装置を使用してプラグアンドプレイ互換性を可能にしてもよく、この場合には、異なるM
2を有する光ビームを特徴とするが、同一の機械的インタフェースを有する出力コネクタと、同一の既定の広がり及び同一の既定の距離を提供するように選択及び位置決めされたレンズと、を有する異なる装置を同一のコリメータに接続し、実質的に同一のコリメートされたビーム直径を有するコリメートされたビームを供給することができる。ビームウエスト及びレンズは、好ましくは、プラグアンドプレイ互換性を可能にするべく、機械的インタフェースとの関係においてアライメントされている。
【0061】
以下、添付の図面を参照し、本発明の実施形態について説明することとするが、これは、一例に過ぎない。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【
図1】レーザからの光ビームを光学的に分離する本発明による装置を示す。
【
図4】それぞれ、同一の既定のビームの広がりを有する光ビームを放出するアイソレータに接続されると共に同一の直径を有するコリメートされた光ビームを放出する同一のコリメータ設計に接続された、異なるビーム品質を有する2つのレーザを有する装置を示す。
【
図5】それぞれ、同一の既定のビームの広がりを有する光ビームを放出するアイソレータに接続されると共に異なる直径を有するコリメートされた光ビームを放出する異なるコリメータ設計に接続された、異なるビーム品質をそれぞれが有する4つのレーザを有する装置を示す。
【
図6】コリメータ及び相互交換自在のレーザを有するレーザ加工装置を示す。
【発明を実施するための形態】
【0063】
図1は、レーザからの光ビームを光学的に分離する装置を示しており、この装置は、光ビーム2用の光学入力1と、入力レンズ25と、光学アイソレータ3と、出力コネクタ4と、第1レンズ構成6と、を有する。光学アイソレータ3は、約1W超の平均出力を有する光ビーム2を分離するように選択されており、この光ビーム2は、M
2値によって規定された既定のビーム品質7を特徴としている。入力レンズ25は、アイソレータ3の手前において位置決めされ、且つ、既定のビーム品質7に基づいて選択されており、且つ、光ビーム2のビーム直径19が光学アイソレータ3内において5%超だけ変化するようにアイソレータ3を通じて光ビーム2を合焦している。出力コネクタ4は、光学アイソレータ3の出力8に配置されている。出力コネクタ4は、基準プレーン5を形成する表面を有する。第1レンズ構成6は、アイソレータ3から光ビーム2を受光するように位置決めされている。
【0064】
本装置は、出力コネクタ4が、複数のコリメータ9のうちのいずれかに接続することができるコネクタインタフェース37を有するように形成されており、それぞれのコリメータ9は、基準プレーン5を基準として参照することが可能であり、且つ、それぞれのコリメータ9は、異なるコリメートされたビーム直径17のコリメートされたビーム16を出力するための異なる設計を有することを特徴としている。第1レンズ構成6は、規定の広がり12を有する出力光ビーム11を供給するように、光ビーム2の既定のビーム品質7に基づいて選択されている。第1レンズ構成6は、基準プレーン5から既定の距離14においてビームウエスト13を形成するように、位置決めされている。コネクタインタフェース37、既定の広がり12、及び既定の距離14は、共通的なコリメータインタフェースを有し、これにより、複数のコリメータ9を出力コネクタ4に個別に接続し、光ビーム2のビーム品質7から独立したコリメートされたビーム直径17を有するコリメートされたビーム16を供給することができる。
【0065】
プラグアンドプレイ接続性のために必要な機械的許容範囲を提供する出力コネクタ4のために提供可能ないくつかの適切な機械的コネクタインタフェース37が存在している。プラグアンドプレイとは、異なるレーザシステム40を異なるコリメータ9に接続することが可能であり、且つ、動作の前の更なるアライメントを必要とすることなしに、異なるコリメータ9を同一のレーザシステム40に対して接続することができることを意味している。好適な機械的インタフェース37の一例は、Molndal, Sweden に所在する Optoskand AB 社が提供するファイバケーブル内に実装された TRUMPF LLK-B 光ファイバコネクタ上の機械的インタフェースである。高精度で機械加工されたプラグの形態を有するコネクタ4が好ましいが、その他のコネクタインタフェース37も可能である。例えば、プラグの形態を有するコリメータ9に結合するための高精度で機械加工されたソケットである。或いは、この代わりに、機械加工されたプレート又はキネマティックマウントの形態を有するコネクタインタフェース37を提供することもできよう。
【0066】
本発明の装置は、任意選択により、光ビーム2をコリメータ9に対してアライメントさせるべく、ファイバケーブル27、入力レンズ25、第1レンズ構成6、出力コネクタ4、及びコリメータ9のうちの少なくとも1つのものの上部に機械的アライメントメカニズム(図示されてはいない)を含んでもよい。
【0067】
出力コネクタ4は、光学アイソレータ3の一体的な部分を形成してもよい。或いは、この代わりに、又はこれに加えて、出力コネクタ4は、光学アイソレータ3から解放自在であってもよい。
【0068】
出力コネクタ4をコリメータ9と結合させるべく、アダプタ(図示されてはいない)を設けてもよい。
【0069】
出力コネクタ4には、電気接点(図示されてはいない)を装着することができる。これは、出力コネクタがコリメータ9との接触状態にない場合に警告信号を供給する安全システム(図示されていない)において使用することができる。
【0070】
第1レンズ構成6は、出力コネクタ4の遠端10において位置決めしてもよい。
【0071】
コリメータ9は、既定の広がり12を有する出力光ビーム11を規定のビーム直径17を有するコリメートされたビーム16に変換するための第2レンズ構成15を有する。コリメータ9が、出力コネクタ4に装着されると共に機械的に基準プレーン5を基準として参照した際に、既定のビーム直径17は、光ビーム2のビーム品質7から独立している。その理由は、ビーム品質7に伴う出力の広がり12の変動が第1レンズ構成6の選択によって補償されているからである。
【0072】
コリメータ9と出力コネクタ4との間における公差は、ビームの安定性を提供すると共に温度の変化に起因した熱の影響を極小化するようなものになっている必要がある。コリメータ9及び出力コネクタ4上における円錐形化及びテーパー化された結合表面(図示されてはいない)を利用することにより、場所の精度及び損耗抵抗力を支援してもよい。
【0073】
基準プレーン5と第2レンズ構成15との間の距離18を変化させることにより、様々なビーム直径17を実現することができる。これは、異なる焦点距離を有するコリメータにより、例えば、ねじ山や機械的挿入による長さの調節を付与することにより、第2レンズ構成15の位置を変化させることにより、基準プレーン5の位置を変化させることにより、或いは、これらの組合せにより、実現することができる。
【0074】
第1レンズ構成6は、好ましくは、光ビーム2と同心状である。
【0075】
第1レンズ構成6は、任意選択により、
図2に示されているように、負のレンズ21を有することができる。平行光線24は、レンズ21から焦点距離f23において仮想的焦点22を形成する。
【0076】
第1レンズ構成6は、任意選択により、
図3に示されているように、正のレンズ31を有することができる。平行光線24は、レンズ31から焦点距離f33において真の焦点32を形成する。
【0077】
再度
図1を参照すれば、図示されている装置は、1W超の、又は、好ましくは、10W超の、平均出力を有する高出力レーザの場合に、特に有用である。これらは、高出力動作の能力を有する特殊な光学アイソレータ3を必要としている。光学アイソレータ3は、米国の Traverse City, Michigan に所在する Electro-Optics Technologies, Inc. 社が提供している型番 PI-9.0-YB-300 であってもよく、これは、本発明において使用するべく適合させてもよい。アイソレータ3は、楔に基づいたアイソレータであってもよく、或いは、変位アイソレータであってもよい。アイソレータ3は、偏波無依存型アイソレータであってもよく、或いは、偏光ビームを分離するように構成されたアイソレータであってもよい。
【0078】
図1を参照すれば、第1レンズ構成6は、負のレンズであるものとして示されており、ビームウエスト13が、
図2に示されている焦点距離23に略等しい距離29だけ、第1レンズ構成6から離隔している。ビームウエスト13は、仮想的なビームウエストであり、これは、レーザ出力のピーク出力が1kW超であるレーザと共に使用するのに特に有利であり、その理由は、その結果、
図3に示されているレンズ31などの正のレンズによって得られる真のビームウエストに伴って発生しうる空気のイオン化と関連した問題点が回避されるからである。
【0079】
第2レンズ構成15は、単一の正のレンズであるものとして示されている。或いは、この代わりに、レンズの組合せを使用することもできる。好ましくは、第2レンズ構成15は、空気によって離隔した二重レンズである。
【0080】
又、
図1は、光学入力1を介して光学アイソレータ3に接続されたレーザ28をも示している。レーザ28は、光ファイバケーブル27と接続された状態で示されており、光ビーム2は、この光ファイバケーブル27から広がっている。アイソレータ3を通じて光ビーム26を合焦又はコリメートするべく、入力レンズ25が提供されている。入力レンズ25は、ハウジング35内において保持されている。
【0081】
レーザ28は、ファイバレーザ、ディスクレーザ、ロッドレーザ、又はガスレーザを有する群から選択することができる。
【0082】
レーザ28は、英国の Southampton に所在する SPI Lasers UK Limited 社が製造している SP-20P パルスファイバレーザなどのイッテルビウムパルスレーザであってもよい。これらのレーザは、1kW超のピーク出力強度を有し、且つ、異なる平均パワー出力と、異なるビーム品質と、を特徴している。M
2=1、2、及び3によって付与されるビーム品質を有する3つの基本的なタイプが提供されている。これらのレーザの出力ビーム2の広がりは、互いに非常に異なっており、且つ、これに起因し、アイソレータ3を通じた経路と、従って、アイソレータ3によって提供される光学分離の程度と、を最適化するために、それぞれのレーザ28ごとに入力レンズ25を最適化させる必要がある。入力レンズ25が最適化されたら、既定の広がり12及びビームウエスト13を提供するべく、第1レンズ構成6を選択及び位置決めすることができる。
【0083】
入力レンズ25は、光ビーム26が光学アイソレータ3を通じて伝播するのに伴って、光ビーム26の直径19を制御する。光学アイソレータ3内の光ビーム26の小さな直径19は、コストの理由から最適であり、その理由は、その結果、光学アイソレータ3内において使用する結晶のコストが低減されるからである。但し、ビーム直径19が小さ過ぎる場合には、結晶内の材料損傷閾値を超過する場合がある。この材料損傷は、通常、結晶の表面上において発生することになろう。従って、これら2つの競合する要件について、入力レンズ25の最適化をトレードオフする必要がある。異なるビーム品質7ごとに異なる最適化が必要である。又、異なるファイバケーブル27ごとに異なる最適化が必要となろう。
【0084】
本発明のコストに伴う利点は、光学アイソレータ3のサイズの減少に伴って増大する。相対的に小さなアイソレータ3は、相対的に小さなビーム直径19を必要し、これは、光ビーム2のビーム品質7が、例えば、異なるレーザ28又は異なるファイバケーブル27を使用することによって変化するのに伴って、入力レンズ25及び第1レンズ構成6の設計の変動の増大をもたらす。ビーム直径19は、好ましくは、1mm未満であり、且つ、更に好ましくは、0.5mm未満である。本発明の装置は、アイソレータ3からの光ビーム26の全角遠視野ビーム発散(図示されてはいない)が2mrad超である際に、特に有利である。その理由は、この角度においては、第1レンズ構成6の変動がビーム品質7の変動に伴って感知可能なものとなるからである。
【0085】
本発明によれば、異なるビーム品質7を有する光ビーム2を分離するようにそれぞれが設計されている光学アイソレータ3のグループを設計することができる。光学アイソレータ3の異なる設計は、光学アイソレータ3の光学分離を最適化するべく、入力レンズ25の設計及び構成における相違を必要としている。第1レンズ構成6の設計及び構成は、入力レンズ25及び光学アイソレータ3の設計のそれぞれの組合せごとに、同一の既定の広がり12を提供するように設計及び構成されている。好ましくは、光学アイソレータ3は、レーザ28に対して、且つ、特に、ファイバレーザに対して、便利な結合手段を提供するファイバケーブル27を利用することにより、その入力においてファイバ結合されている。
【0086】
又、本発明によれば、光学アイソレータ3のそれぞれに適合したコリメータ9のグループを製造することができる。それぞれのコリメータ9は、出力ビーム11の既定の広がり12及びビームウエスト13の位置により、アイソレータ3のそれぞれごとに、同一の既定のビーム直径17を提供する。アイソレータ3に装着された際に、それぞれのコリメータ9は、第2レンズ構成15と基準プレーン5の間に異なる距離を有し、且つ、従って、その他のコリメータ9によって得られるものとは異なる出力ビーム直径17を提供する。光学アイソレータ3は、それぞれ、異なるビーム品質7を有する異なるレーザ28に対して装着することができる。レーザ28のビーム品質は、光ファイバケーブル27によって劣化する可能性があるため、第1レンズ構成6によって補償することを要するビーム品質7は、光学入力1における入力光ビーム2のビーム品質7である。
【0087】
図1の上述のコンポーネントは、同一の既定の広がり12によって規定された光ビーム11を放出するように構成されたレーザシステム40を形成してもよい。コリメータ9をレーザシステム40に装着することにより、既定のビーム直径17を有する出力ビーム16を供給することができる。有利には、ビーム直径17は、光学スキャナに適合するように、且つ、特に、5mm、7.5mm、及び10mmの入力ビーム直径を有する入力ビームのために規定された産業用の標準的な光学スキャナに適合するように、選択してもよい。
【0088】
光学アイソレータ3は、コリメータ9を伴って又は伴うことなしに製造及び販売してもよい。光学アイソレータ3は、好ましくは、ファイバケーブル27とファイバ結合されている。
【0089】
光学アイソレータ3を有するレーザシステム40は、コリメータ9を伴って又は伴うことなしに製造及び販売してもよい。
【0090】
本発明によれば、コリメータ9は、レーザシステム40との間において相互交換自在にすることが可能であり、出力ビーム直径は、レーザシステム40のビーム品質7とは無関係に、コリメータ9によって設定される。
【0091】
図4は、異なるビーム品質7を有する2つのレーザ51、61をそれぞれ有するレーザシステム50、90を示している。レーザ51、61は、ファイバケーブル27によって光学アイソレータ3に接続されている。入力ビーム53、63は、アイソレータ3を通じた光ビーム54、64の分離を最適化するように選択された入力レンズ52、62により、調節されている。アイソレータ3のそれぞれは、同一の既定の広がり12を有する光ビーム11を供給するべく第1レンズ構成55、65を有する。レーザ51、61のビーム品質が互いに異なっているため、恐らくは、第1レンズ構成55、65も、異なるレンズを有するであろう。コリメータ56をアイソレータ3のそれぞれに装着することにより、同一の既定の直径58を有するコリメートされたビーム16を供給している。コリメータ56は、基準プレーン5から距離59において第2レンズ構成57を有する。
【0092】
図5は、複数のレーザ51、61、71、81をそれぞれ有するレーザシステム50、60、70、及び80を示している。複数のレーザ51、61、71、81は、異なるビーム品質7を有する。それぞれのレーザ51、61、71、81は、異なるビーム品質7によって規定された個々の光ビーム53、63、73、83を放出するように構成されている。入力レンズ52、62、72、82は、アイソレータ3を通じた光経路を最適化するべく、異なるビーム品質7に基づいて選択されている。
【0093】
それぞれのレーザシステム50、60、70、80は、光学アイソレータ3と、出力コネクタ4と、基準プレーン5と、第1レンズ構成55、65、75、85と、を有する。それぞれのレーザシステム50、60、70、80ごとに、光学アイソレータ3は、光ビーム54、64、74、84を分離するように構成されている。出力コネクタ4は、光学アイソレータ3のうちのそれぞれの光学アイソレータの出力に配置されている。第1レンズ構成55、65、75、85は、個々の出力コネクタ4の遠端10(
図1に示されている)の近位に配置されている。出力コネクタ4は、コリメータ56、66、76、86に接続するように構成されている。コリメータ56、66、76、86は、機械的に基準プレーン5を基準として参照することができるようになっている。
【0094】
第1レンズ構成55、65、75、85は、同一の既定の広がり12を有する出力光ビーム11を供給するように、光ビーム53、63、73、83のビーム品質7に基づいて選択されている。第1レンズ構成55、65、75、85は、基準プレーン5から既定の距離14においてビームウエスト13を提供するように位置決めされている。既定の広がり12は、レーザシステム50、60、70、80のそれぞれごとに、同一である。この結果、既定のビーム直径58、68、78、88を提供するべく、相互交換自在のコリメータ56、66、76、86をレーザシステム50、60、70、80に装着することができる。相互交換自在のコリメータ56は、レーザシステム50、60、70、及び80のいずれかに装着された際に、実質的に同一の既定のビーム直径58を出力することになる。同様に、相互交換自在のコリメータ66、76、86は、それぞれ、レーザシステム50、60、70、及び80のいずれかに装着された際に、実質的に同一の既定のビーム直径68、78、88を出力することになる。
【0095】
光ビーム53、63、73、83が異なるビーム品質7を有する結果として、
図1を参照して上述したように、アイソレータ3を通じて光ビーム54、64、74、84を最適化するべく、異なる入力レンズ構成52、62、72、82が必要である。入力レンズ構成52、62、72、82は、図示のようなレンズを、又は自己収束レンズを、有することができる。
【0096】
好ましくは、アイソレータ3は、その入力においてファイバケーブル27とファイバ結合されている。異なるビーム品質7を有する光を受光するべく、異なるファイバケーブル27を選択してもよい。ファイバケーブル27、入力レンズ52、62、72、82、出力コネクタ4、及び第1レンズ構成55、65、75、85を有するアイソレータシステムは、高精度で製造することが可能であり、且つ、次いで、例えば、融着接続により、レーザ51、61、71、81に結合することができるため、ファイバ結合されたアイソレータは、特に有利である。ファイバケーブル27は、ビーム品質を劣化させる可能性があり、且つ、従って、必要とされるビーム品質7の光ビーム53、63、73、83をその出力において供給するように、その選択の際には注意を要する。
【0097】
第1レンズ構成55、65、75、85は、好ましくは、負のレンズを有し、且つ、ビームウエスト13は、好ましくは、図示のように、仮想的ビームウエストである。負のレンズ及び仮想的ビームウエストは、約1kW超のレーザピーク出力用の有用な設計上の特徴であり、その理由は、その結果、正のレンズによって得られる高光学強度のビームウエストが回避されるからである。このような高光学強度は、ビームの不安定性と、空気のイオン化と、を生成する可能性がある。
【0098】
コリメータ56、66、76、86は、既定の広がり12を有する光ビーム11を規定のビーム直径58、68、78、88を有するコリメートされたビーム16に変換するための第2レンズ構成57、67、77、87を有する。コリメータ56、66、76、86のそれぞれは、レーザシステム50、60、70、80のうちの1つのレーザシステムの出力コネクタ4に接続された際の第2レンズ構成57、67、77、87とビームウエスト13の間における異なる距離59、69、79、89を特徴としている。この結果、コリメータ56、66、76、86のそれぞれは、異なる既定のビーム直径58、68、78、88を有するコリメートされたビーム16を放出する。有利には、コリメータ56、66、76、86は、レーザシステム50、60、70、80の間において相互交換自在である。既定のビーム直径58、68、78、88は、レーザシステム50、60、70、80のうちのいずれに対してコリメータ56、66、76、86が装着されているのかとは無関係に、光ビーム11が同一のコリメータ56、66、76、又は86によってコリメートされた際に、レーザシステム50、60、70、80のそれぞれごとに同一である。
【0099】
図1、
図4、及び
図5を参照すれば、第1レンズ構成6、55、65、75、85は、既定の広がり12が50mrad〜200mradとなるようなものであってもよい。既定の広がり12は、好ましくは、約90mrad〜125mradである。
【0100】
図1、
図4、及び
図5を参照すれば、第1レンズ構成6、55、65、75、85は、好ましくは、少なくとも20mmの距離36(
図1に示されている)だけ、アイソレータ3から離隔している。これは、レーザ加工されている材料の表面から発生しうる後方反射に対する許容範囲を改善するためのものである。
【0101】
図1、
図4、及ぶ
図5を参照すれば、レーザシステム10、51、61、71、81は、ファイバレーザ、ディスクレーザ、又はロッドレーザを有することができる。
【0102】
図4及び
図5を参照すれば、レーザシステム50、60、70、80、90は、異なる供給者から別個に供給されてもよい相互交換自在のコリメータ56、66、76、86を伴って又は伴うことなしに提供してもよい。
【0103】
本発明の装置は、レーザ51、61、71、81を伴って又は伴うことなしに
図4及び
図5に示されているレーザシステム50、60、70、80を有する複数のアイソレータ3と共に製造及び販売してもよい。アイソレータ3のグループ又は単一のアイソレータ3は、好ましくは、ファイバケーブル27とファイバ結合されている。アイソレータ3は、異なる供給者から別個に供給されてもよい相互交換自在のコリメータ56、66、76、86を伴って又は伴うことなしに提供することができる。
【0104】
本発明の装置は、約1〜25のM
2によって規定されるビーム品質7の場合に、且つ、更に好ましくは、10未満のM
2によって規定されるビーム品質7の場合に、特に有用である。
【0105】
有利には、本発明の装置は、
図6に示されているように、レーザ加工装置91に装着されるか又はその一部を形成しているコリメータ9、56、66、76、又は86を含んでもよい。レーザ加工装置91は、レーザ加工対象の材料29上に光ビーム93を走査及び合焦するためのスキャナとして示されている。レーザ加工とは、例えば、マーキング、彫刻、切断、穿孔、刻印、ろう付け、被覆、及び溶接などのプロセスを意味している。異なるレーザ51、61、71をアイソレータ3及び出力コネクタ4を介してコリメータ56に接続することにより、本装置を、相互交換自在のレーザ51、61、71を有するレーザ加工装置91にすることができる。上述のように、従来技術によるシステムは、相対的に大きなレーザビーム及び高価なアイソレータを使用するか、又はコリメートされた光ビームを出力するコリメートされたレーザを使用している。次いで、コリメートされた光ビームは、適切なスキャナに対して適切に結合するべく、ビーム拡張テレスコープを使用することによって拡張されることになろう。
【0106】
サイズ及びコストに伴う利点のために、且つ、
図1、
図4、
図5、及び
図6を参照すれば、光学アイソレータ3は、好ましくは、コリメートされた光ビームと共に動作するには小さ過ぎるものである。好ましくは、光学アイソレータ3は、光ビーム2が光学アイソレータ3を通じて合焦されるものである。ビーム直径19(
図1に示されている)は、好ましくは、1mm未満であり、且つ、更に好ましくは、0.5mm未満である。このような小さなビーム直径を有する光ビーム2は、光学アイソレータ3から出射されるのに伴って広がることになり、光ビーム2は、アイソレータ3内においてコリメートされない。
【0107】
従って、
図1〜
図6を参照して説明した本発明のコストに伴う利点は、かなり大きい。これらには、(i)相対的に大きなアイソレータと比べた場合の相対的に小さな内部結晶を使用した結果としての相対的に安価である相対的に小さなアイソレータ3を使用する能力、(ii)既定の広がり12を有する出力ビーム11の供給に起因した必要とされるアクセサリ(コリメータ及びビーム拡張テレスコープなど)の数の低減、及び(iii)コリメータ56をレーザ加工装置91と統合すると共に着脱自在且つ相互交換自在のレーザを有する能力が含まれる。
【0108】
添付図面を参照して上述した本発明の実施形態は、一例として付与されたものに過ぎず、且つ、変更及び追加のコンポーネントを提供して性能を改善してもよいことを理解されたい。添付図面に示されている個々のコンポーネントは、それらの図面内における使用に限定されるものではなく、且つ、それらのコンポーネントは、その他の図面において、且つ、本発明のすべての態様において、使用してもよい。本発明は、個別に又は任意の組合せとして採用される上述の特徴をも含む。