特許第6039659号(P6039659)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6039659歯科対象物の3次元光学測定のための方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6039659
(24)【登録日】2016年11月11日
(45)【発行日】2016年12月7日
(54)【発明の名称】歯科対象物の3次元光学測定のための方法
(51)【国際特許分類】
   G01B 11/25 20060101AFI20161128BHJP
   G01B 11/24 20060101ALI20161128BHJP
   A61C 19/04 20060101ALI20161128BHJP
【FI】
   G01B11/25 H
   G01B11/24 K
   A61C19/04 Z
【請求項の数】16
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2014-515166(P2014-515166)
(86)(22)【出願日】2012年6月13日
(65)【公表番号】特表2014-518378(P2014-518378A)
(43)【公表日】2014年7月28日
(86)【国際出願番号】EP2012061154
(87)【国際公開番号】WO2012171935
(87)【国際公開日】20121220
【審査請求日】2015年5月19日
(31)【優先権主張番号】102011077564.1
(32)【優先日】2011年6月15日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】500058187
【氏名又は名称】シロナ・デンタル・システムズ・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】フェイファー,ホアキム
(72)【発明者】
【氏名】シール,フランク
【審査官】 居島 一仁
(56)【参考文献】
【文献】 特開平02−119858(JP,A)
【文献】 特表2011−504230(JP,A)
【文献】 国際公開第2009/139110(WO,A1)
【文献】 特開2010−246899(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01B11/00−11/30
A61C19/00−19/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
歯科対象物(1)の光学3次元測定法であって、前記方法は、
第1の3次元光学測定法を使用して、前記歯科対象物(1)の第1領域(4)測定する工程であって、前記第1の3次元光学測定法、三角測量法及び縞投影法に基づく、工程と、
少なくとも前記第1領域(4)において粉体を適用し、非反射性表面を形成する前処理の工程と、
第1の画像データ(14)生成する工程と、
前記粉体を用いた前処理をすることなく、前記歯科対象物(1)の第2領域(7)を測定する工程と、
第2の画像データ(16)を生成する工程と、更に、
前記第1の画像データ(14)と前記第2の画像データ(16)を組み合わせて、重ね合わせ3次元写真(21)を形成する工程と、
を備える、光学3次元測定法であって、
前記第2の領域(7)を測定する工程は、第2の3次元光学測定を使用して実行され、且つ、前記第2の3次元光学測定は、前記第1の3次元光学測定法と比較して、投影グリッドの1つのグリッド周期がより大きく、また、粉体を前記第2領域(7)に適用しないという相違点を有することを特徴とする、
光学3次元測定法。
【請求項2】
歯科対象物(1)の光学3次元測定法であって、前記方法は、
第1の3次元光学測定法を使用して、前記歯科対象物(1)の第1領域(4)を測定する工程であって、前記第1の3次元光学測定法は、三角測量法及び縞投影法に基づく、工程と、
少なくとも前記第1領域(4)において粉体を適用し、非反射性表面を形成する前処理の工程と、
第1の画像データ(14)を生成する工程と、
前記粉体を用いた前処理をすることなく、前記歯科対象物(1)の第2領域(7)を測定する工程と、
第2の画像データ(16)を生成する工程と、更に、
前記第1の画像データ(14)と前記第2の画像データ(16)を組み合わせて、重ね合わせ3次元写真(21)を形成する工程と、
を備える、光学3次元測定法であって、
前記第2の領域(7)を測定する工程は、第2の3次元光学測定を使用して実行され、且つ、前記第2の3次元光学測定は、共焦点顕微鏡検査法に基づくことを特徴とする、
光学3次元測定法。
【請求項3】
歯科対象物(1)の光学3次元測定法であって、前記方法は、
第1の3次元光学測定法を使用して、前記歯科対象物(1)の第1領域(4)を測定する工程であって、前記第1の3次元光学測定法は、三角測量法及び縞投影法に基づく、工程と、
少なくとも前記第1領域(4)において粉体を適用し、非反射性表面を形成する前処理の工程と、
第1の画像データ(14)を生成する工程と、
前記粉体を用いた前処理をすることなく、前記歯科対象物(1)の第2領域(7)を測定する工程と、
第2の画像データ(16)を生成する工程と、更に、
前記第1の画像データ(14)と前記第2の画像データ(16)を組合わせて、重ね合わせ3次元写真(21)を形成する工程と、
を備える、光学3次元測定法であって、
前記第2の領域(7)を測定する工程は、第2の3次元光学測定を使用して実行され、且つ、前記第2の3次元光学測定は、白色光干渉法に基づくことを特徴とする、
光学3次元測定法。
【請求項4】
歯科対象物(1)の光学3次元測定法であって、前記方法は、
第1の3次元光学測定法を使用して、前記歯科対象物(1)の第1領域(4)を測定する工程であって、前記第1の3次元光学測定法は、三角測量法及び縞投影法に基づく、工程と、
少なくとも前記第1領域(4)において粉体を適用し、非反射性表面を形成する前処理の工程と、
第1の画像データ(14)を生成する工程と、
前記粉体を用いた前処理をすることなく、前記歯科対象物(1)の第2領域(7)を測定する工程と、
第2の画像データ(16)を生成する工程と、更に、
前記第1の画像データ(14)と前記第2の画像データ(16)を組み合わせて、重ね合わせ3次元写真(21)を形成する工程と、
を備える、光学3次元測定法であって、
前記第2の領域(7)を測定する工程は、第2の3次元光学測定を使用して実行され、且つ、前記第2の3次元光学測定は、色パターンを使用する三角測量法に基づくことを特徴とする、
光学3次元測定法。
【請求項5】
前記第2の3次元光学測定法が実行される際、前記歯科対象物(1)についての第2の画像データの色情報が生成されることを特徴とする、請求項1〜のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記歯科対象物の前記第1領域が、患者の口腔内の前処理部位(10)であることを特徴とする、請求項1〜のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記歯科対象物の前記第2領域が、対合歯(9)、前記第1領域(4)に近接する隣接する歯(12、13)、又は顎全体(2)を含むことを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記第2領域(7)が、前記歯科対象物(1)の前記第1領域(4)を含むことを特徴とする、請求項1〜のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記第2領域(7)及び前記第1領域(4)が、互いに重複しないことを特徴とする、請求項1〜のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
歯科対象物の光学3次元測定用の測定装置であって、前記測定装置は、
三角測量法及び縞投影法に基づく第1の3次元光学測定法を使用した第1の測定装置(40、54)であって、前記第1の測定装置は第1のグリッド定数を有する第1の投影グリッド(40、54)を備える、第1の測定装置と、
第1の3次元光学測定法と比較して精度の低い、第2の3次元光学測定法を使用する第2の測定装置(41、54、60、61、62、63)と、
前記第1の測定法による操作に対する第1のモードと前記第2の測定法による操作に対する第2のモードとの間で、前記測定装置を、切り換えるための、スイッチ(31)及び調整装置(44、52、53、55)であって、前記第2の測定装置(41、54、60、61、62、63)は、前記調整装置の手段(44、52、53、55)を用いて前記第1のモードから前記第2のモードへと切り替える期間に、前記測定装置のビーム経路内に前記第1の測定装置(40、54)の代わりに配置されることを特徴とする、スイッチ及び調整装置と、
を備える測定装置であって、
前記第2の測定法は、前記第1の測定法と対応しており、前記第2の測定装置は、第2のグリッド定数を有する第2の投影グリッド(41)を備えるという相違点を有し、前記第2の測定装置は、前記測定装置(30)のビーム経路(45)内に導入可能であり、且つ、前記第2のグリッド定数は、前記第1のグリッド定数よりも大きいことを特徴とする、
光学3次元測定用の測定装置。
【請求項11】
対象面内での、前記第1の投影グリッド(40)の前記第1のグリッド定数が、300μm〜400μmであり、前記対象面内での、前記第2の投影グリッド(41)の前記第2のグリッド定数が、600μm〜800μmであることを特徴とする、請求項10に記載の測定装置。
【請求項12】
前記第1モードから前記第2モードへの前記切り替えの間に、前記第2の投影グリッド(41)が、機械的旋回装置(44)によって、前記第1の投影グリッド(40)の場所の、前記ビーム経路(45)内へと旋回されることを特徴とする、請求項10又は11に記載の測定装置。
【請求項13】
前記第1の投影グリッド(40)及び前記第2の投影グリッド(41)が、デジタル投光器(54)によって生成され、前記デジタル投光器(54)が、前記第1モードから前記第2モードへの前記切り替えの間に、制御装置(55)によって制御され、このことは、前記第2の投影グリッド(41)が、前記第1の投影グリッド(40)の代わりに生成されて、前記対象物上に投影されることを意味することを特徴とする、請求項10又は11に記載の測定装置。
【請求項14】
歯科対象物の光学3次元測定用の測定装置であって、前記測定装置は、
三角測量法及び縞投影法に基づく第1の3次元光学測定法を使用した第1の測定装置(40、54)であって、前記第1の測定装置は第1のグリッド定数を有する第1の投影グリッド(40、54)を備える、第1の測定装置と、
第1の3次元光学測定法と比較して精度の低い、第2の3次元光学測定法を使用する第2の測定装置(41、54、60、61、62、63)と、
前記第1の測定法による操作に対する第1のモードと前記第2の測定法による操作に対する第2のモードとの間で、前記測定装置を、切り換えるための、スイッチ(31)及び調整装置(44、52、53、55)であって、前記第2の測定装置(41、54、60、61、62、63)は、前記調整装置の手段(44、52、53、55)を用いて前記第1のモードから前記第2のモードへと切り替える期間に、前記測定装置のビーム経路内に前記第1の測定装置(40、54)の代わりに配置されることを特徴とする、スイッチ及び調整装置と、
を備える測定装置であって、
共焦点顕微鏡法の使用において前記第2の測定装置は、光源と(60)、第1のアパーチャーと(61)、第2のアパーチャーと(62)、ビームスプリッターと、及び/又は検知器(49)を備え、
前記第2のモードにおいて、前記光源(60)の照明ビームが前記第1のアパーチャー(61)を通過して、測定される焦点面上に収束され、
前記第2のアパーチャー(62)は、前記焦点面内の前記対象物により反射される観測ビーム(47)が、前記第2のアパーチャー(62)を通過して前記検出器(49)に到達するように配置され、且つ
前記焦点面内の外側の前記観測ビームが遮断されることを特徴とする、
光学3次元測定用の測定装置。
【請求項15】
歯科対象物の光学3次元測定用の測定装置であって、前記測定装置は、
三角測量法及び縞投影法に基づく第1の3次元光学測定法を使用した第1の測定装置(40、54)であって、前記第1の測定装置は第1のグリッド定数を有する第1の投影グリッド(40、54)を備える、第1の測定装置と、
第1の3次元光学測定法と比較して精度の低い、第2の3次元光学測定法を使用する第2の測定装置(41、54、60、61、62、63)と、
前記第1の測定法による操作に対する第1のモードと前記第2の測定法による操作に対する第2のモードとの間で、前記測定装置を、切り換えるための、スイッチ(31)及び調整装置(44、52、53、55)であって、前記第2の測定装置(41、54、60、61、62、63)は、前記調整装置の手段(44、52、53、55)を用いて前記第1のモードから前記第2のモードへと切り替える期間に、前記測定装置のビーム経路内に前記第1の測定装置(40、54)の代わりに配置されることを特徴とする、スイッチ及び調整装置と、
を備える測定装置であって、
色光干渉法の使用のための前記第2の測定装置は、広帯域白色光源及び干渉計を含むことを特徴とする、
光学3次元測定用の測定装置。
【請求項16】
歯科対象物の光学3次元測定用の測定装置であって、前記測定装置は、
三角測量法及び縞投影法に基づく第1の3次元光学測定法を使用した第1の測定装置(40、54)であって、前記第1の測定装置は第1のグリッド定数を有する第1の投影グリッド(40、54)を備える、第1の測定装置と、
第1の3次元光学測定法と比較して精度の低い、第2の3次元光学測定法を使用する第2の測定装置(41、54、60、61、62、63)と、
前記第1の測定法による操作に対する第1のモードと前記第2の測定法による操作に対する第2のモードとの間で、前記測定装置を、切り換えるための、スイッチ(31)及び調整装置(44、52、53、55)であって、前記第2の測定装置(41、54、60、61、62、63)は、前記調整装置の手段(44、52、53、55)を用いて前記第1のモードから前記第2のモードへと切り替える期間に、前記測定装置のビーム経路内に前記第1の測定装置(40、54)の代わりに配置されることを特徴とする、スイッチ及び調整装置と、
を備える測定装置であって、
前記第2の測定装置は、色パターンを有する三角測量法の使用のための、種々の色の複数の光源、若しくは種々の色の複数のフィルターを有する1つの光源、及び投影される色パターンを生成するための投影グリッドを含むことを特徴とする、
光学3次元測定用の測定装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、歯科対象物の第1領域が、第1の3次元光学測定法を使用して測定され、粉体が、少なくとも第1領域内に適用されて、第1の画像データが生成される、歯科対象物の3次元光学測定のための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
歯科対象物の3次元光学測定のための幾つかの方法が、従来技術により既知である。具体的には、三角測量法、共焦点顕微鏡検査法、又は白色光干渉法などの3次元光学法が既知である。
【0003】
独国特許第199 63 333(A1)号では、複数のパターン要素からなる既知の構造の色パターンがプロジェクト上に投影される、別の3次元光学法が開示されている。この投影された色パターンを撮影して、更なる処理工程でそれらのパターン要素のそれぞれに投影角を割り当てる。この投影角で、カメラと投影器との相対位置が既知である場合に、観察される物点の3次元座標を確定することができる。
【0004】
国際公開第2004/010076(A1)号では、冗長符号を使用して、色パターンの投影データを符号化する、この方法の改良点が開示されている。
【0005】
既知の縞投影法では、測定のための対象物は、種々の幅の平行光及び暗い縞により照射される。別の工程で、投影された縞パターンは、その投影に対する既知の視野角のカメラによって撮影される。いわゆる位相シフト法を使用して、縞の数を反映する投影座標を決定する。投影器内の縞の数はカメラ内の画像座標に対応する。対象物に対する、既知のカメラ位置及び既知の投影器位置を使用して、カメラ内の座標によって特定される、それぞれの縞及び直線によって特定される交点を計算することができる。この方式で、測定点のそれぞれに関して、表面の3次元座標が決定される。
【0006】
白色光干渉法では、低コヒーレンス長の光が使用され、参照波及び物体波の経路長が殆ど等しい場合に非差異色を生じさせる。この干渉縞は、経路長の変化と共に変化するが、このことは、測定のための対象物の表面までの距離を、干渉縞に基づいて決定することができることを意味する。
【0007】
3次元共焦点顕微鏡検査法では、焦点面を漸進的に移行させつつ、歯科対象物の表面を漸進的に走査する。焦点面の外側の光は、アパーチャーによって、可能な限り遮蔽される。次いで、種々の焦点面の個別の工程の測定画像データから、測定対象物の3次元モデルを計算することができる。
【0008】
縞投影法の1つの不利点は、正確な写真のためには、測定対象物の非反射性表面が必要とされることである。それゆえ歯科対象物は、通常は、写真が撮影される前に、特殊な粉体でコーティングされる。適用された粉体層は、写真が撮影された後に除去される。
【0009】
不均一な反射により写真のエラーが生じるため、粉体が適用されない場合には、単に低い精度が達成されるに過ぎない。
【0010】
粉体の事前適用を使用しない、上述の他の3次元光学法は、歯科修復物を計画するための、前処理区域の測定など特定の用途に関しては、不十分な精度を提供するのみである。
【0011】
しかしながら、最大限の高い測定精度を必要とすることのない測定作業が存在する。そのような測定作業としては、例えば、顎全体の測定、前処理領域内の対合歯の測定、及び概観写真が挙げられる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
それゆえ、本発明の目的は、迅速かつ単純な測定が、それぞれの測定作業の適切な精度を伴って可能となる、歯科対象物の3次元光学測定のための方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、歯科対象物の第1領域が、第1の3次元光学測定法を使用して測定される、歯科対象物の3次元光学測定のための方法に関する。この第1の3次元光学測定法は、三角測量法及び縞投影法に基づく。測定を実行する前に、少なくとも第1領域に粉体を適用して、第1の画像データを生成する。次いで、より精度の低い第2の3次元光学測定法を使用して、最初に粉体を適用することなく、歯科対象物の第2領域を測定することにより、第2の画像データを生成する。次いで、第1の画像データを第2の画像データと組み合わせて、重ね合わせ3次元写真を形成する。
【0014】
第1の3次元光学測定法は、対象物の実際の寸法からの最小限の偏差を伴う、歯科対象物の精密測定を可能にするものであり、例えば、対象物への粉体の事前適用を使用する三角法による縞投影法とすることができる。第1領域は、精密測定を必要とし、例えば、計画された修復物の挿入のための前処理部、及びこの前処理部に近位の隣接する歯を含み得る。第1の画像データは、歯科対象物の第1領域の3次元構造を含み、メモリ内に記憶させることができる。第2の3次元光学測定法は、より低い精度を有するものであるが、第1の測定法よりも容易かつ迅速に実行することができる。第1の測定法と比較した第2の測定法の有利点としては、この第2の測定法は、測定が実行される際のハンドピースの動揺に対して、より感受性が低いという事実と、干渉する反射を防止するための、対象物への粉体の適用が必要とされないことと、測定中の対象物から色情報を取得することができるという事実と、測定が、測定対象物の上を飛び越えて移動する間に継続的に実行され(オンザフライ能力)、空間の種々の角度からの、複数の個別の写真を通じて漸進的に実行されるものではないという事実とを、挙げることができる。この生成された第2の画像データもまた、メモリ内に保存することができる。次いで、コンピュータによって、第1の画像データを第2の画像データと組み合わせることにより、撮影される歯科対象物の第1領域及び第2領域内で必要とされる精度を有する、重ね合わせ3次元写真が形成される。
【0015】
この方法の1つの有利点は、その方法が、この測定作業の精度要件を満たす、単純で迅速な、最適化された3次元法を提供し、特定の測定作業に関して最適化される点である。
【0016】
この方法の別の有利点は、2つの画像データのセットを組み合わせる際に、第1の画像データと第2の画像データとの偏差が、またそれゆえ光学的エラーが検知されるため、次いで、これらのエラーを補正することができる点である。
【0017】
第1の測定法での粉体の適用を通じて、第1領域(前処理部位とすることができる)は、第1工程で、反射を防止するための粉体でコーティングされ、第2工程で、縞投影法による歯科用ハンドピースによって測定される。精度を改善するために、第1の精密測定法で、短波の青色光を使用して、写真の精度を改善することができる。400nm〜500nmの波長を有する青色光を好ましくは使用することができる。
【0018】
第2領域は、反射に関して感受性がより低い、第2の測定法によって測定されるが、このことは、第2領域が、粉体の事前適用を必要としないことを意味する。
【0019】
この第2の3次元光学測定法は、有利には、第1の3次元光学測定法に対応するが、投影グリッドのグリッド周期がより大きく、この第2領域には粉体が適用されないという相違点を有する。
【0020】
この第2の測定法は、それゆえ、第1の測定法と同様に、縞投影法に基づくものであるが、第2の方法では、投影グリッドの第2のグリッド周期は、第1の方法での、投影グリッドの第1のグリッド周期よりも大きく、第2領域には粉体を適用する必要がない。この第2の測定法は、それゆえ、より精度の低いものであるが、より単純に実行することができる。投影グリッドの第1のグリッド周期は、300μm〜400μm、好ましくは350μmとすることができ、投影グリッドの第2のグリッド周期は、600μm〜800μm、好ましくは700μmとすることができる。
【0021】
第2の3次元光学測定法は、有利には、共焦点顕微鏡検査法に基づき得る。
【0022】
この3次元測定のための共焦点顕微鏡検査法は、縞投影法よりも、対象物の表面での反射に関して感受性が低く、それゆえ対象物に粉体を適用することなく、3次元の形状の決定を可能にする。第2領域はそれゆえ、その領域に粉体を適用することなく、共焦点顕微鏡検査法を使用することによって測定することができる。対象物の色も、この方法で検知することができる。この方法の不利点は、共焦点面の寸法に応じて決定される解像度が、縞投影法の場合よりも低く、測定の所要時間が、縞投影法での所要時間よりも遙かに長いという点である。
【0023】
第2の3次元光学測定法は、有利には、白色光干渉法に基づき得る。
【0024】
第2領域は、それゆえ、白色光干渉法に基づく歯科用ハンドピースによって測定することができる。白色光干渉法は、対象物の表面での反射に関してより感受性が低く、それゆえ、いかなる粉体の適用も使用しない、第2領域の3次元の形状の決定を可能にする。この3次元測定に加えて、対象物の表面についての色情報も取得することができる。
【0025】
第2の3次元光学測定法は、有利には、色パターンを使用する三角測量法に基づき得る。
【0026】
色パターンを使用する既知の三角測量法は、その測定が、第2領域への粉体の事前適用を必要とすることなく、歯科対象物についての追加的な色情報を取得することができるという有利点を有する。
【0027】
第2の3次元光学測定法を実行する際に、有利には、歯科対象物についての色情報を生成することができる。
【0028】
それゆえ、測定対象物の3次元寸法に加えて、その対象物についての色情報も取得することができる。第2領域、例えば隣接する歯についての、この色情報は、計画される修復物の色調を、隣接する歯の色調に適合させるように、その修復物を計画するために使用することができる。
【0029】
歯科対象物の第1領域は、有利には、患者の口腔内の前処理部位とすることができる。
【0030】
それゆえ、より精度の高い第1の測定法で撮影されるこの第1領域は、修復物を挿入するための前処理部位を含む。次いで、隣接する歯、対合歯、顎の残りの区域、及び/又は前処理部位を取り囲む歯肉を、より精度の低い第2の測定法によって測定することができる。
【0031】
この歯科対象物の第2領域は、有利には、第1領域の近傍の、隣接する歯を含む対合歯、又は顎全体とすることができる。
【0032】
前述の構造はそれゆえ、より低い精度で検知され、挿入される修復物の配向及び計画に関してのみ役立つものであり、この修復物は、隣接する歯並びに対合歯に、形状及び/又は彩色が適合される。
【0033】
第2領域は、有利には、歯科対象物の第1領域を含み得る。
【0034】
第1領域はそれゆえ、第1の測定法によって検知され、同様に、より精度の低い第2の測定法によっても検知される。
【0035】
第1の画像データは、有利には、第2の画像データと比較することができ、それゆえ第1の画像データ内の不完全な箇所が検知可能である。
【0036】
それゆえ、例えば、第1領域への粉体の不完全な適用によって引き起こされる、光学的エラーを検知することができる。第1の測定法による第1領域の測定の間に使用されるハンドピースの動揺もまた、写真内のエラーを生じさせる恐れがあるが、このエラーは、第2の画像データとの比較によって検知することができる。
【0037】
有利には、この第1の画像データ内の不完全な箇所を補正することができる。
【0038】
この不完全な箇所は、既知のパターン認識アルゴリズムを使用して自動的に、又はユーザーによって手作業で、補正することができる。補正の結果は、第1領域及び第2領域の双方を含む、エラーのない写真である。
【0039】
有利には、第2領域と第1領域が重複しない場合がある。
【0040】
対象物の第1領域はそれゆえ、第1の測定法のみを使用して測定される。
【0041】
本発明の別の主題は、歯科対象物の3次元光学測定のための測定装置であり、この測定装置は、三角測量法及び縞投影法に基づく、第1の精密な3次元光学測定法の使用のための第1の手段を含む。この第1の手段は、第1のグリッド定数を有する第1の投影グリッドを含む。この測定装置は、より精度の低い第2の3次元光学測定法の使用のための、第2の手段を更に含む。この測定装置はまた、第1の方法に従う動作のための第1モードと、第2の方法に従う動作のための第2モードとの間で、測定装置を切り替えるための、スイッチ及び調節手段も含む。この調節手段による、第1モードから第2モードへの切り替えの間に、第2の手段が、第1の手段の代わりに、測定装置のビームの経路内に配置される。
【0042】
この測定装置は、上述の本発明の方法を実行することを可能にする。第1モードでは、第1の精密な光学測定法を使用して、歯科対象物を測定することができ、第2モードでは、より精度の低い第2の光学測定法を使用して、歯科対象物を測定することができる。このモード設定に応じて、第1の手段又は第2の手段が、測定装置のビームの経路内に導入される。第1の投影グリッドは、平行縞などの、種々の投影パターンを有し得る。スイッチは、ユーザーによって、手動で操作可能である。
【0043】
この測定装置の1つの有利点は、第1の測定法又は第2の測定法を使用することによって、歯科対象物を、同じ測定装置で任意選択的に検知することができる点である。それゆえ、測定装置を変更する必要がないため、測定全体の所要時間が短縮される。
【0044】
第2の測定法は、有利には、第1の測定法に対応し得るが、ただし、第2の手段は、測定装置のビームの経路内に導入することができる、第2のグリッド定数を有する第2の投影グリッドを含むという相違点がある。この第2の投影グリッドの第2のグリッド定数は、第1の投影グリッドの第1のグリッド定数よりも大きい。
【0045】
より大きいグリッド定数を有する第2の測定法は、第1の測定法の場合よりも、低い解像度の画像データが生成されるという結果をもたらすが、この第2の測定法は、反射を防止するために、歯科対象物に粉体を適用することを必要としないという有利点を有する。グリッド定数の値は、対象物の面内での、投影パターンの平行線間の距離に関連する。
【0046】
対象面内での、第1の投影グリッドの第1のグリッド定数は、有利には、300μm〜400μm、好ましくは350μmとすることができる。対象物の面内での、第2の投影グリッドの第2のグリッド定数は、600μm〜800μm、好ましくは750μmとすることができる。
【0047】
第1モードから第2モードへの切り替えの間に、有利には、第2の投影グリッドは、機械的旋回装置によって、第1の投影グリッドの場所の、ビームの経路内へと旋回させることができる。
【0048】
この機械的旋回装置は、それゆえ、単純操作での切り替えによって、測定装置のビームの経路内の、第1の手段の場所内に、第2の手段を配置することを可能にする。この機械的旋回装置は、例えば、測定装置のビームの経路と平行に位置合わせされる、旋回軸を有し得、その旋回軸に、第1の手段及び第2の手段が、旋回可能に接続される。第1及び第2の手段は、旋回軸の回転によって、特定の回転角を中心として回転されることにより、それらの手段は、任意選択的に測定装置のビームの経路内へと導入される。この旋回軸は、制御装置によって適宜に制御される、ステッピングモーターなどの電動モーターによって駆動することができる。
【0049】
第1及び第2の投影グリッドは、有利には、デジタル投光器(略称DLP)によって生成することができる。第1モードから第2モードへの切り替えの間に、このデジタル投光器は、制御装置によって制御されるが、このことは、第2の投影グリッドが、第1の投影グリッドの代わりに生成され、対象物の面内に所望のグリッド定数を有する線パターンが、その対象物上に投影されることを意味する。
【0050】
第1モードと第2モードとの間の迅速な切り替えが、このデジタル投光器を使用することによって可能となる。デジタル投光器は、例えば液晶素子を有し得る。1つの有利点は、切り替えを実行するために、機械的調節手段を必要としないことにより、測定装置の耐用年数及び動作信頼性が改善される点である。
【0051】
第2の手段は、有利には、共焦点顕微鏡検査法の使用に好適なものとすることができ、光源、第1アパーチャー、第2アパーチャー、ビームスプリッター、及び/又は検知器を含み得る。第2の手段は、第2モードでは、光源によって放出される照明ビームが、第1アパーチャーを通過して、測定される焦点面上に、焦点調整装置によって集束されるように、配置される。第2アパーチャーは、焦点面内の対象物によって反射されて戻る観測ビームが、第2アパーチャーを通過して検知器に到達するように配置され、焦点面の外側の観測ビームは遮蔽される。
【0052】
第2モードではそれゆえ、共焦点顕微鏡検査法によって測定が実行され、3次元構造の検知に加えて、歯科対象物の色の検知が可能となる。
【0053】
第2の手段は、有利には、白色光干渉法の使用に好適なものとすることができ、広帯域白色光源並びに干渉計を含み得る。
【0054】
この干渉計は、任意の所望の設計を有し得る。白色光源は、好ましくは連続性の広域スペクトルを有する。
【0055】
色パターンを使用する三角測量法の使用のための、第2の手段は、有利には、種々の色の複数の光源、若しくは種々の色の複数のフィルターを有する1つの光源、及び投影される色パターンを生成するための投影グリッドを有し得る。
【0056】
それゆえ、互いに明確に差異化される、種々の色の平行線などの色パターンを生成して、歯科対象物上に投影することができる。第1モード及び第2モードに関して、同じ光源及び同じ投影グリッドを使用することができ、第2モードへの切り替えの間に、色フィルターがビームの経路内へと旋回される。そのような有利な実施形態では、光源は、色パターンに使用される色の波長を有する広域スペクトルを有する。
【図面の簡単な説明】
【0057】
本発明は、以下の図面を参照して説明される。
図1】2つのハンドピースを使用する、本を実行するための装置の図。
図2】1つのハンドピースを使用する、本を実行するための装置の図。
図3図2による測定装置の第1の実施形態の図。
図4図2による測定装置の第2の実施形態の図。
図5図2による測定装置の第3の実施形態の図。
【発明を実施するための形態】
【0058】
図1は、下顎2及び上顎3を含む、歯科対象物1の3次元光学測定の本方法を例示する図を示す。歯科対象物1はまた、下顎2の部分又は上顎3の部分のみを含む場合もある。点線によって囲まれた第1領域4は、第1の精密な3次元光学測定法を実行するために好適な、第1の精密測定装置5を使用して測定される。第1の測定装置5は、歯科用ハンドピースとすることができ、第1の測定法は、三角測量法及び縞投影法に基づく。第1の測定装置5による測定の前に、第1領域4は、測定精度を改善するための、光反射を防止する粉体でコーティングされる。次いで、より精度の低い第2の測定装置6によって、下側の歯の列8の全体、及び対合歯9を含む、歯科対象物1の第2領域7が測定される。第1領域4は、例えば、修復されるべき修復物11のための前処理部10を含み得る。第1領域4は、前処理部10上への修復物11の正確な適合を確実にするために、正確に測定しなければならない。第2の測定装置6は、より精度の低い第2の3次元光学測定法の使用に関して好適である。第1の測定法と同様に、第2の測定法は、例えば、縞投影法とすることができるが、ただし、この第2の測定法は、より大きいグリッド周期を有する投影グリッドを使用し、粉体の事前適用を使用することがない。共焦点顕微鏡検査法又は白色光干渉法などの、他の測定法も、第2の測定法として使用することができる。下側の歯の列8は、隣接する歯12、13も含む。修復物11を計画する際には、第1の測定法によって撮影される前処理部10の形状及び配向と、第2の測定法によって撮影される隣接する歯12、13並びに対合歯9の形状及び配向とが使用される。第1の測定装置5による第1領域4の測定の間に、表示装置15によって表示されるような、その第1領域の第1の画像データ14が生成される。第2の測定装置6による第2領域7の測定の際には、第2の画像データ16が生成され、表示装置15によって、第1の画像データと重ね合わせて表示される。第1の画像データ14及び第2の画像データ16は、コンピュータ17に送信されて、3次元モデルを作り出すようにコンパイルされるが、この3次元モデルは、表示装置15によって、種々の視野角から観察することができる。第1領域4は、歯科対象物1の第2領域8によって覆われており、このことは、前処理帯が、第1の測定装置5によって測定され、かつまた第2の測定装置6によっても測定されることを意味する。第1の画像データ14と第2の画像データ16との比較によって、前処理部の領域内での写真内のエラーを検知して、補正することができる。この補正は、既知のパターン認識法を使用して自動的に、あるいは入力手段18及び入力手段19によって、ユーザーによる手作業で、補正することができる。写真のエラー20は、例えば、粉体の不十分な適用によって、またそれゆえ過度の反射によって生じる、隆起部とすることができる。この写真のエラー20は、パターン認識法によって検知することができ、又は入力手段18、19を使用することによって、手動で標識することができる。第1領域の第1の画像データ14と第2領域7の第2の画像データ16とを組み合わせることにより、表示装置15によって表示される、重ね合わせ3次元写真21が形成される。
【0059】
図2は、代替方法を実行するための、スイッチ31を有する装置を示し、図1による装置と比較すると、単一の測定装置30が使用される。第1の精密測定法が、測定装置30の第1モードで使用され、より精度の低い第2の測定法が、第2モードで使用される。第1モードでは、より小さいグリッド周期を有する投影グリッドを、測定装置30のビームの経路内に導入することができるが、このことには、第1領域4への粉体の事前適用が必要となる。第2モードでは、より大きいグリッド周期を有する投影グリッドが、測定装置30のビームの経路内に定置されるが、このことは、粉体の事前適用を使用せずとも、第2モードで測定を実行することができることを意味する。第1工程では、測定装置は、第1領域4を測定するための第1モードで使用される。第2工程では、測定装置は、第2モードに切り替えられ、歯科対象物1の第2領域7を測定するために使用される。
【0060】
図3は、350mmの第1のグリッド定数を有する第1の投影グリッド40と、より大きい700mmのグリッド定数を有する第2の投影グリッド41とを有する、図2による測定装置30の一実施形態を示す。第1の投影グリッド40及び第2の投影グリッド41は、ウェブ42及びウェブ43によって、旋回軸44に旋回可能に接続される。旋回軸44は、第1光源46によって放出される照明ビームのビーム経路45と平行に配置される。スイッチ31が操作されると、測定装置30は、第1モードにて第2モードに切り替えられる。次いで、旋回軸44が180°回転されるが、このことは、第2グリッド41が、照明ビームのビーム経路45内に位置決めされることを意味する。それゆえ、単一の歯又は歯のグループなどの、歯科対象物1は、より大きいグリッド定数を有する第2の方法を使用する、第2モードで測定することができる。第2モードから第1モードへの切り替えの間に、旋回軸44が、再び180°回転されるが、このことは、第1の投影グリッド40が、ビーム経路45内に再び位置決めされることを意味する。歯科対象物1によって反射された観測ビーム47は、2つのビーム偏向器48によって、検知器49へと偏向される。次いで、その結果、生成された画像データから、歯科対象物1の3次元写真が作り出される。旋回軸44は、第1軸受50及び第2軸受51内に、回転可能に取り付けられ、この軸受50及び軸受51は、玉軸受とすることができる。旋回軸44は、スイッチ31が操作される際に、モーター制御装置53によって適宜に制御される、ステッピングモーターなどの電動モーター52によって駆動される。
【0061】
図4は、図2による測定装置30の別の実施形態を示し、この実施形態は、スイッチ31が第1モード又は第2モードへと切り替えられる際に、制御装置55によって適宜に制御される、デジタル投光器54によって、第1及び第2の投影グリッドが生成されるという点で、図3に例示された実施形態とは異なる。デジタル投光器54は、液晶素子(LCD)を含み得る。
【0062】
図5は、図2による測定装置30の別の実施形態を示し、第2の方法は、共焦点顕微鏡検査法である。第1モードのための第1の手段が、旋回軸44の第1の頂部側に配置され、第2モードのための第2の手段が、旋回軸44の第2の底部側に配置される。第1モードから第2モードに測定装置30が切り替わる際に、旋回軸44が180°回転されるが、このことは、第2の手段が、測定装置30のビーム経路45に到達することを意味する。第1モードのための第1の手段は、第1光源46及び第1の投影グリッド40を含む。第2の手段は、第2光源60及び第1アパーチャー61、第2アパーチャー62及び焦点調整装置63を含む。第2光源60は、レーザーなどの、単色光源とすることができる。旋回軸44を180°回転させることによって第2モードに切り替える際に、第2光源60は、第1光源46の位置に到達し、第1アパーチャー61は、ビーム経路41に到達し、第2アパーチャー及び焦点調整装置63は、観測ビーム47のビーム経路64に到達。それゆえ、共焦点顕微鏡検査法を使用する、歯科対象物1の測定が、この第2モードで可能となる。旋回軸44は、図3の第1の実施形態と同様に、第1軸受50及び第2軸受51内に、回転可能に取り付けられ、この軸受50及び軸受51は、玉軸受とすることができる。旋回軸44は、モーター制御装置53によって適宜に制御される、ステッピングモーターなどの電動モーター52によって駆動される。
図1
図2
図3
図4
図5