【実施例】
【0037】
固体材料のBET表面積および多孔性(合計細孔容積)が、物理的吸着および毛管凝縮原理に基づいて取得された。−273℃において、カーボンブラックが、圧力の増分が0.01〜0.3P/P
0の範囲で増加する、一連の精密に制御された圧力において窒素を導入される。大気圧より少し下の圧力において、合計窒素侵入細孔容積またはBET表面積が、当技術分野において知られた方法により計算された。カーボンブラックのメソ細孔およびマクロ細孔に関連する外部表面積(統計的厚さ表面積あるいはSTSA)は、当技術分野において通常知られた統計的厚さ方法に基づいて計算され、その場合、tプロットが使用されて、等温線上の任意のポイントにおける平均厚さを測定するが、それはそのポイントにおける単一層容量の分数V
a/V
mに、窒素分子について3.54Åとして定義される窒素単一層の厚さをかけることによって行われる。本明細書中で報告される、表面積および合計細孔容積は、ASTM D6556−10に従って計算され、これを参照することによって本明細書の内容とする。
【0038】
ラマン測定L
a(微結晶平面寸法)は、Gruberら、”Raman studies of heat−treated carbon blacks”、Carbon、第32巻第7号、p.1377−1382,1994に基づいており、これを参照することによって本明細書の内容とする。カーボンのラマンスペクトルは、約1340cm
−1および1580cm
−1における2つの主要「共鳴」帯を含み、これらは「D」および「G」帯としてそれぞれ表記される。D帯は不規則sp
2カーボンに帰属され、そしてG帯は黒鉛または「規則的」sp
2カーボンに帰属されると通常は考えられている。経験的手法を用いると、X線回折(XRD)により測定されるL
aとG/D帯の比率は高く相関し、そして回帰分析は経験的な関係を与える。
【0039】
【数1】
【0040】
ここで、L
aはオングストロームで計算される。このように、より高いL
aは、より規則的な結晶性構造に対応する。
【0041】
カーボンブラック試料の表面エネルギー(SE)は、質量測定計測器を使って水蒸気吸着量を測定することにより測定された。カーボンブラック試料は、湿度室内の微量天秤上に載せられ、相対湿度の一連の段階的変化において平衡化された。質量の変化が記録された。相対湿度の関数としての平衡質量の増加は、蒸気等温収着曲線を生成するために使用された。試料の拡張厚(mJ/m
2)が、π
e/BETとして計算された。
【0042】
【数2】
【0043】
式中、Rは理想気体定数、Tは温度、Γは吸着された水のモル数、p
0は蒸気圧、そしてpは各増分ステップにおける蒸気の分圧である。拡張圧は、固体の表面エネルギーと関連しており、そして固体の疎水性/親水性の指標であり、より低い表面エネルギー(SE)は、より高い疎水性に対応する。
【0044】
実施例1
ファーネスカーボンブラックを、不活性雰囲気(N
2)の下で、選択された温度で1または2時間の滞留時間の間、1000℃〜1600℃の高温で処理した。処理条件は表1に列挙されている。BET表面積、外部表面積(STSA)、合計細孔容積SE、および結晶化度(L
aラマン)の値は、非熱処理カーボンブラックおよび試料1A〜1Gについて示され、1000℃(1時間)、1150℃(1時間および2時間)、1300℃(1時間)、1400℃(1時間)、1500℃(1時間)、および1600℃(1時間)においてそれぞれ加熱された試料に対応している。概して、処理温度が増加するにつれ、BET表面積(
図2)、外部表面積STSA(
図3)、SE(
図4)、および合計細孔容積(
図5)は減少し、一方結晶化度(L
aラマン、
図6)は増加する。
【0045】
【表1】
【0046】
試料1A、1B、1D、1E、1F、および1G、ならびに非熱処理カーボンブラックに関する値を含むプロットが、
図2〜6に示される。
図2に示されるように、BET表面積は、1000℃における1504m
2/g(試料1A)から1600℃における534m
2/g(試料1G)まで減少し、比較的に急激な減少が、1150℃(試料1B)と1300℃(試料1D)の間で現れている。
図3に見られるように、STSA(外部表面積)は、熱処理温度が増加するにつれて概して減少し、1000℃においては値は563m
2/g(試料1A)であり、そして1600℃においては値は481m
2/g(試料1G)であり、また、比較的に急激な減少が、1300℃(試料1D)と1400℃(試料1E)の間に現れている。
図4は、1000℃における1.60ml/g(試料1A)から1600℃における1.03ml/gへの細孔容積の減少を示す。
図5は、1150℃における11.7mJ/m
2(試料1B)から1600℃における7.0mJ/m
2(試料1G)へのSEの減少を示す。このように、1150℃の処理温度、およびそれより低い可能性のある処理温度から、1600℃の処理温度へと、熱処理カーボンブラックの疎水性は、温度の増加と共に増加する。
図6に見られるように、1000℃(21.1Å)において熱処理されたカーボンブラックの結晶化度は、非熱処理カーボンブラック(20.8Å)のそれと同様である。L
a値は、1000℃における21.1Å(試料1A)から1600℃における33.3Å(試料1G)へ増加する。このようなわけで、熱処理カーボンブラックの導電性もまた、処理温度が増加するにつれて増加すると期待される。
【0047】
表1から、試料1D〜1Gは、100m
2/g〜1100m
2/gの範囲のBET表面積、10mJ/m
2以下のSE、および22Å(または25Å)〜50Åの範囲のラマン微結晶平面寸法(L
a)を含む、性質の組み合わせを有することがわかる。非熱処理試料および試料1A〜1Cは、1100m
2/gを超えるBET表面積、10mJ/m
2を超えるSE、および試料1D〜1Gより低いラマン微結晶平面寸法(L
a)を有することがわかる。
【0048】
実施例2
市販のカーボンブラックVXC72(Cabot Corporationから入手可能)が、2時間の滞留時間で1200℃に加熱され、その後、3時間の滞留時間の間、最終温度で加熱されたが、すべては不活性雰囲気(N
2)の下で行われた。処理条件は表2に列挙されている。試料2A〜2Cは、1200℃、1400℃、および1600℃での最終温度でそれぞれ加熱されたVXC72試料に対応する。概して、最終温度が増加するにつれ、BET表面積(
図7)、STSA(
図8)、および合計細孔容積は減少し、そして結晶化度(L
aラマン、
図9)およびSE(
図10)は増加する。
【0049】
【表2】
【0050】
試料2A、2B、および2Cならびに非熱処理VXC72の値を含むプロットが、
図7〜9に示されている。
図7に見られるように、BET表面積は、207m
2/g(試料2A)から138m
2/g(試料2C)へと、ほとんど直線的に減少する。
図8に見られるように、STSA(外部表面積)は、熱処理温度が増加するにつれて概して減少し、144m
2/gの値(試料2A)および135m
2/gの値(試料2C)を伴う。
図9に見られるように、L
a値は、24.0Å(試料2A)から34.6Å(試料2C)へ増加する。そのようなわけで、熱処理カーボンブラックの導電性も、最終処理温度が増加するにつれて増加すると期待される。
図10に見られるように、SEは、約9mJ/m
2(試料2A)から約5mJ/m
2(試料2C)へと減少する。
【0051】
表2から、それぞれが1200℃〜1600℃の範囲の温度で加熱される試料2A〜2Cは、100m
2/g〜1100m
2/gの範囲のBET表面積、および22Å〜50Åの範囲のラマン微結晶平面寸法(L
a)、ならびに9mJ/m
2以下のSEを含む性質の組み合わせを有することがわかる。
【0052】
比較例
6つの市販の非熱処理カーボンブラックのBET表面積、STSA、および細孔容積、および結晶化度が測定された。その結果は表3に列挙されている。表3に示されるどのカーボンブラックも、100m
2/g〜1100m
2/gの範囲のBET表面積および10mJ/m
2以下のSEを含む性質の組み合わせを有しない。
【表3】
【0053】
実施例3
この実施例は、回転円盤電極(RDE)測定により分析される、本明細書中に開示された熱処理カーボンブラックに関する水素放出からもたらされる低減されたガス発生率を説明する。RDE方法は、さまざまな電位および温度における、カーボン表面上の水素放出の分析のために使用されることが可能である。例えば、固定電圧における水素放出電流は、水素放出の尺度として使用されることが可能であり、熱処理条件に対するカーボンの表面積の関数として、さまざまな種類のカーボンについて比較される。
【0054】
回転円盤電極測定は、EC−Lab v10.21ソフトウェアを使用してPCを介して接続されるPine Speed制御およびPine Analytical回転子を制御するPrinceton Applied ReserachのBiStat定電位装置(potentiostat)により実施された。3つの電極ガラスセル(Pine Analytical)が、プラチナワイヤ対向電極、カロメル参照電極、および試験されている100マイクログラムのカーボンブラック試料で被覆されたガラスカーボン作用電極と共に使用された。
【0055】
電極は、研磨されたガラス質カーボン電極を、H
20:IPA−HPLC等級(4mL:1mL)溶液に20mgカーボンを加え、そして1分間超音波処理することに調製された、25マイクロリットルの4mg/mLカーボンインクで被覆することにより準備された。乾燥後(25℃で、約1分間)、12マイクロリットルの0.05質量%ナフィオン溶液が、結合剤として電極の上に加えられ、そしてその電極は窒素の下で25℃において1時間乾燥された。
【0056】
使用された電解質は、0.5MのH
2SO
4であり、実験を開始する前に、アルゴンで20分間パージされた。本明細書中に報告される水素低減電流は、20mV/sで周期的ボルタンメトリ(CV)走査中に50℃において測定され、3,000rpmの円盤回転速度で、SCEに対して−0.3〜−1Vであった。報告された電流は、SCEに対して−0.65V(SHEに対して−0.4V)と読み取られ、これはカーボンブラックの質量によって正規化され、そして安定状態が達成された後に測定された。CV電流の安定状態を達成するために、100mV/sでの予備形成サイクル(通常10回未満)が実施された。
【0057】
分析されたカーボンブラック試料の性質が、以下の表4に概説されている。試料の比較例A、比較例B、および比較例Cは、熱処理が行われていないファーネスカーボンブラックの比較試料である。試料AおよびBは、試料比較例Aおよび比較例Bを、1300℃で2時間それぞれ熱処理することによって形成される。
【0058】
【表4】
【0059】
図11は、N
2BET−SA(m
2/g)に対する、−0.4Vおよび50℃における質量正規化水素放出電流(iHE/m、A/g)を示すプロットである。比較のN
2BET表面積のカーボンブラックの分析において、熱処理カーボンブラックは、有意により低い水素放出電流を示すことがわかる。例えば、試料Aおよび比較例Aのカーボンブラックが比較された場合に、水素放出電流の50%を超える低減が存在する。同様に、熱処理試料Bに関する水素放出電流は、試料の比較例Bさらには比較例Cに関する水素放出電流よりも50%近く低く、後者は試料Bと同様の表面積を有するが、熱処理はされていないものである。
【0060】
図12は、試料A、B、比較例A、および比較例Bに関する、STSA表面積(m
2/g)に対する、−0.4Vおよび50℃における質量正規化水素放出電流を示すプロットである。
図2から、比較するSTSA表面積において、熱処理カーボンブラックは有意により低い水素放出電流を示すことを理解することができる。例えば、試料Aおよび比較例Aが比較された場合に、水素放出電流の50%を超える低減が存在する。同様に、熱処理試料Bに関する水素放出電流は、試料の比較例B(これは同様のSTSA値を有する)に関する水素放出電流よりも30%近く低い。
【0061】
用語「a」、「an」および「the」の使用は、本明細書中において特に断りのない限り、あるいは文脈から明確に否定されていない限り、単数と複数の両方を包含するものと解釈されなければならない。用語「comprising」、「having」、「including」、および「containing」は、特に断りのない限り、制限のない用語(すなわち、「含むが、それには限定されない」を意味する)として解釈されなければならない。本明細書中の値の範囲の明示は、単に本明細書中で特に断りのない限り、その範囲内に入るそれぞれの値を、個々に参照する省略表現方法として機能するように意図されており、そしてそれぞれの各個々の値は、あたかもそれぞれが本明細書中に明示されているかのように本明細書中に組み込まれる。本明細書中に記述されるすべての方法は、本明細書中に特に断りのない限り、あるいは文脈から明確に否定されない限り、任意の好適な順序で実施されることが可能である。いずれかの、およびすべての例、または本明細書中に提供される例示的言葉(例えば、「など」)の使用は、本発明を単により明快にすることが意図されており、そうではないものとして請求されていない限り、本発明の範囲に対して限定を与えるものではない。明細書中のどの言葉も、特許請求されていないいずれかの要素を、本発明の実施にとって不可欠であると表示しているとして解釈されるべきではない。
本発明は、以下の態様を含んでいる。
(1)100m2/g〜1100m2/gの範囲のブルナウア・エメット・テラー(BET)表面積および10mJ/m2以下の表面エネルギー(SE)を有するカーボンブラック。
(2)前記カーボンブラックが、少なくとも22Åのラマン微結晶平面寸法(La)を有する、(1に記載のカーボンブラック。
(3)前記カーボンブラックが、少なくとも25Åのラマン微結晶平面寸法(La)を有する、(1)に記載のカーボンブラック。
(4)前記カーボンブラックが、50Å以下のラマン微結晶平面寸法(La)を有する、(1〜3)のいずれか1項に記載のカーボンブラック。
(5)前記表面エネルギー(SE)が、9mJ/m2以下である、(1〜4)のいずれか1項に記載のカーボンブラック。
(6)前記表面エネルギー(SE)が6mJ/m2以下である、(1〜5)のいずれか1項に記載のカーボンブラック。
(7)前記表面エネルギー(SE)が、3mJ/m2以下である、(1〜6)のいずれか1項に記載のカーボンブラック。
(8)前記表面エネルギー(SE)が、1mJ/m2〜10mJ/m2の範囲である、(1〜6)のいずれか1項に記載のカーボンブラック。
(9)前記カーボンブラックが、少なくとも100m2/gの統計的厚さ表面積(STSA)を有する、(1〜8)のいずれか1項に記載のカーボンブラック。
(10)前記カーボンブラックが、600m2/gの統計的厚さ表面積(STSA)を有する、(1〜9)のいずれか1項に記載のカーボンブラック。
(11)前記カーボンブラックが、100m2/g〜600m2/gの範囲の統計的厚さ表面積(STSA)を有する、(1〜10)のいずれか1項に記載のカーボンブラック。
(12)熱処理カーボンブラックであって、前記熱処理カーボンブラックを形成するために、不活性雰囲気において1100℃〜1700℃の範囲の温度でカーボンブラックを加熱することを含むプロセスによって調製され、前記熱処理カーボンブラックは100m2/g〜1100m2/gの範囲のブルナウア・エメット・テラー(BET)表面積および10mJ/m2以下の表面エネルギー(SE)を有する、熱処理カーボンブラック。
(13)前記熱処理カーボンブラックが、少なくとも22Åのラマン微結晶平面寸法(La)を有する、(12)に記載の熱処理カーボンブラック。
(14)前記熱処理カーボンブラックが、少なくとも25Åのラマン微結晶平面寸法(La)を有する、(12)に記載の熱処理カーボンブラック。
(15)前記熱処理カーボンブラックが、50Å以下のラマン微結晶平面寸法(La)を有する、(12〜14)のいずれか1項に記載の熱処理カーボンブラック。
(16)前記表面エネルギー(SE)が、9mJ/m2以下である、(12〜15)のいずれか1項に記載の熱処理カーボンブラック。
(17)前記表面エネルギー(SE)が、6mJ/m2以下である、(12〜16)のいずれか1項に記載の熱処理カーボンブラック。
(18)前記表面エネルギー(SE)が、3mJ/m2以下である、(12〜17)のいずれか1項に記載の熱処理カーボンブラック。
(19)前記熱処理カーボンブラックが、少なくとも100m2/gの統計的厚さ表面積(STSA)を有する、(12〜18)のいずれか1項に記載の熱処理カーボンブラック。
(20)前記熱処理カーボンブラックが、600m2/g以下の統計的厚さ表面積(STSA)を有する、(12〜19)のいずれか1項に記載の熱処理カーボンブラック。
(21)前記熱処理カーボンブラックが、100m2/g〜600m2/gの範囲の統計的厚さ表面積(STSA)を有する、(12〜20)のいずれか1項に記載の熱処理カーボンブラック。
(22)熱処理カーボンブラックであって、前記熱処理カーボンブラックを形成するために、不活性雰囲気において1100℃〜1700℃の範囲の温度でカーボンブラックを加熱することを含むプロセスによって調製され、前記熱処理カーボンブラックは100m2/g〜1100m2/gの範囲のブルナウア・エメット・テラー(BET)表面積および22Å〜50Åの範囲のラマン微結晶平面寸法(La)を有する、熱処理カーボンブラック。
(23)前記熱処理カーボンブラックが、少なくとも25Åのラマン微結晶平面寸法(La)を有する、(22)に記載の熱処理カーボンブラック。
(24)前記熱処理カーボンブラックの前記表面エネルギー(SE)が、10mJ/m2以下である、(22または23)に記載の熱処理カーボンブラック。
(25)前記熱処理カーボンブラックの前記表面エネルギー(SE)が、9mJ/m2以下である、(22〜24)のいずれか1項に記載の熱処理カーボンブラック。
(26)前記熱処理カーボンブラックの前記表面エネルギー(SE)が、6mJ/m2以下である、(22〜25)のいずれか1項に記載の熱処理カーボンブラック。
(27)前記熱処理カーボンブラックの前記表面エネルギー(SE)が、3mJ/m2以下である、(22〜26)のいずれか1項に記載の熱処理カーボンブラック。
(28)前記熱処理カーボンブラックが、少なくとも100m2/gの統計的厚さ表面積(STSA)を有する、(22〜27)のいずれか1項に記載の熱処理カーボンブラック。
(29)前記熱処理カーボンブラックが、600m2/g以下の統計的厚さ表面積(STSA)を有する、(22〜28)のいずれか1項に記載の熱処理カーボンブラック。
(30)前記熱処理カーボンブラックが、100m2/g〜600m2/gの範囲の統計的厚さ表面積(STSA)を有する、(22〜29)のいずれか1項に記載の熱処理カーボンブラック。
(31)電極であって、
導電性基材と、
前記導電性基材の表面によって支持された材料であって、(1〜10)のいずれか1項に記載のカーボンブラックまたは(12〜29)のいずれか1項に記載の熱処理カーボンブラックを含む材料、
とを備える、電極。
(32)鉛蓄電池であって、
第1の電極であって、(31)に記載の電極を備える、第1の電極と、
第2の電極と、
前記第1の電極および前記第2の電極とに接触する電解質、
とを備える、鉛蓄電池。
(33)
組成物であって、
酸化鉛と、
(1〜10)のいずれか1項に記載の前記カーボンブラックまたは(12〜29)のいずれか1項に記載の熱処理カーボンブラック、
とを含み、
前記組成物は、前記酸化鉛に対して、0.1質量%〜5質量%の前記カーボンブラックまたは熱処理カーボンブラックを含む、組成物。
(34)前記組成物が、ペーストである、(33)に記載の組成物。
(35)電極であって、
導電性基材と、
前記導電性基材の表面によって支持された材料であって、(33または34)に記載の組成物を含む、材料、
とを備える、電極。
(36)鉛蓄電池であって、
第1の電極であって、(35)に記載の電極を含む、第1の電極と、
第2の電極と、
前記第1の電極および前記第2の電極とに接触する電解質、
とを備える、鉛蓄電池。
(37)熱処理カーボンブラックを形成するために、不活性雰囲気において1100℃〜1700℃の範囲の温度でカーボンブラックを加熱することを含む方法であって、
前記熱処理カーボンブラックは100m2/g〜1100m2/gの範囲のブルナウア・エメット・テラー(BET)表面積および10mJ/m2以下の表面エネルギー(SE)を有する、方法。
(38)前記熱処理カーボンブラックが、少なくとも22Åのラマン微結晶平面寸法(La)を有する、(37)に記載の方法。
(39)前記熱処理カーボンブラックが、少なくとも25Åのラマン微結晶平面寸法(La)を有する、(37)に記載の方法。
(40)前記熱処理カーボンブラックが、50Å以下のラマン微結晶平面寸法(La)を有する、(37〜39)のいずれか1項に記載の方法。
(41)前記熱処理カーボンブラックの前記表面エネルギー(SE)が、10mJ/m2以下である、(37〜40)のいずれか1項に記載の方法。
(42)前記熱処理カーボンブラックの前記表面エネルギー(SE)が、9mJ/m2以下である、(37〜41)のいずれか1項に記載の方法。
(43)前記熱処理カーボンブラックの前記表面エネルギー(SE)が、6mJ/m2以下である、(37〜42)のいずれか1項に記載の方法。
(44)前記熱処理カーボンブラックの前記表面エネルギー(SE)が、3mJ/m2以下である、(37〜43)のいずれか1項に記載の方法。
(45)前記熱処理カーボンブラックが、少なくとも100m2/gの統計的厚さ表面積(STSA)を有する、(37〜44)のいずれか1項に記載の方法。
(46)前記熱処理カーボンブラックが、600m2/g以下の統計的厚さ表面積(STSA)を有する、(33〜45)のいずれか1項に記載の方法。
(47)前記熱処理カーボンブラックが、100m2/g〜600m2/gの範囲の統計的厚さ表面積(STSA)を有する、(33〜46)のいずれか1項に記載の方法。
(48)熱処理カーボンブラックを形成するために、不活性雰囲気において1100℃〜1700℃の範囲の温度でカーボンブラックを加熱することを含む方法であって、
前記熱処理カーボンブラックは、100m2/g〜1100m2/gの範囲のブルナウア・エメット・テラー(BET)表面積および22Å〜50Åの範囲のラマン微結晶平面寸法(La)を有する、方法。
(49)前記熱処理カーボンブラックが、少なくとも25Åのラマン微結晶平面寸法(La)を有する、(48)に記載の方法。
(50)前記熱処理カーボンブラックの前記表面エネルギー(SE)が、10mJ/m2以下である、(48または49)に記載の方法。
(51)前記熱処理カーボンブラックの前記表面エネルギー(SE)が、9mJ/m2以下である、(48〜50)のいずれか1項に記載の方法。
(52)前記熱処理カーボンブラックの前記表面エネルギー(SE)が、6mJ/m2以下である、(48〜51)のいずれか1項に記載の方法。
(53)前記熱処理カーボンブラックの前記表面エネルギー(SE)が、3mJ/m2以下である、(48〜52)のいずれか1項に記載の方法。
(54)前記熱処理カーボンブラックが、少なくとも100m2/gの統計的厚さ表面積(STSA)を有する、(48〜53)のいずれか1項に記載の方法。
(55)前記熱処理カーボンブラックが、600m2/g以下の統計的厚さ表面積(STSA)を有する、(48〜54)のいずれか1項に記載の方法。
(56)前記熱処理カーボンブラックが、100m2/g〜600m2/gの範囲の統計的厚さ表面積(STSA)を有する、(48〜55)のいずれか1項に記載の方法。