(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
第4のスイッチトランジスタをさらに有し、前記第4のスイッチトランジスタのゲート極はスキャンラインに接続され、第1極は前記第2のスイッチトランジスタの第1極に接続され、第2極は前記駆動トランジスタの第1極に接続され、前記第4のスイッチトランジスタと前記第1のスイッチトランジスタは同じ類型であることを特徴とする請求項1に記載の画素回路。
前記駆動トランジスタ、補償トランジスタはいずれもN型薄膜トランジスタであり、前記駆動トランジスタと補償トランジスタの第1極はドレイン極であり、第2極はソース極であり、前記補償トランジスタのゲート極は前記補償トランジスタの第1極に接続され、
または、前記駆動トランジスタ、補償トランジスタはいずれもP型薄膜トランジスタであり、前記駆動トランジスタと補償トランジスタの第1極はソース極であり、第2極はドレイン極であり、前記補償トランジスタのゲート極は前記補償トランジスタの第2極に接続されることを特徴とする請求項1または2に記載の画素回路。
前記第2のスイッチトランジスタ、第5のスイッチトランジスタはいずれもN型薄膜トランジスタであり、前記第2のスイッチトランジスタと第5のスイッチトランジスタの第1極はドレイン極であり、第2極はソース極であり、
または、前記第2のスイッチトランジスタ、第5のスイッチトランジスタはいずれもP型薄膜トランジスタであり、前記第2のスイッチトランジスタと第5のスイッチトランジスタの第1極はソース極であり、第2極はドレイン極であることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の画素回路。
前記第1のスイッチトランジスタをオンにし、同時に前記第2のスイッチトランジスタと前記第5のスイッチトランジスタをオフにし、データラインにおけるデータ信号が第1のスイッチトランジスタを通じて前記蓄積コンデンサの第1極板に充電し、前記電源が前記発光デバイスと前記補償トランジスタを通じて前記蓄積コンデンサの第2極に充電するようにするステップは、
前記第1のスイッチトランジスタと第4のスイッチトランジスタを同時にオンにし、同時に前記第2のスイッチトランジスタと前記第5のスイッチトランジスタをオフにし、データラインに、前記第1のスイッチトランジスタを通じて前記蓄積コンデンサの第1極板を充電させ、前記電源に前記第4のスイッチトランジスタと前記補償トランジスタを通じて前記蓄積コンデンサの第2極板を充電させるステップを有し、
前記第1のスイッチトランジスタをオフにし、同時に前記第2のスイッチトランジスタと前記第5のスイッチトランジスタをオンにし、前記発光デバイスが前記電源により提供される、前記発光デバイス、前記駆動トランジスタと前記第5のスイッチトランジスタに順次流れる電流によって発光を駆動されるようにするステップは、
前記第1のスイッチトランジスタと第4のスイッチトランジスタを同時にオフにし、同時に前記第2のスイッチトランジスタと前記第5のスイッチトランジスタをオンにし、前記発光デバイスが前記電源に提供される、前記発光デバイス、前記駆動トランジスタと前記第5のスイッチトランジスタに順次流れる電流によって発光を駆動されるようにするステップを有し、
前記第4のスイッチトランジスタのゲート極はスキャンラインに接続され、第1極は前記第2のスイッチトランジスタの第1極に接続され、第2極は前記駆動トランジスタの第1極に接続され、前記第4のスイッチトランジスタは前記第1のスイッチトランジスタと同じ類型であることを特徴とする請求項7に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に本発明の実施例における図面を用いて、本発明の実施例における技術方案を明確且つ完全に説明するが、説明する実施例は本発明の一部の実施例に過ぎず、すべての実施例ではないことは明らかである。本発明における実施例を基に、当業者が創造的労働を経ずに得られるすべての他の実施例は、いずれも本発明の保護範囲に属する。
【0012】
図1に示すように、本発明の実施例が画素回路は、発光デバイスOLEDと、駆動トランジスタDTFTと、蓄積コンデンサCstと、第1のスイッチトランジスタT1と、第2のスイッチトランジスタT2と、補償トランジスタT3と、第5のスイッチトランジスタT5とを有する。前記駆動トランジスタDTFT、第1のスイッチトランジスタT1、第2のスイッチトランジスタT2、補償トランジスタT3、第5のスイッチトランジスタT5はいずれもN型薄膜トランジスタであり、且ついずれもソース極と、ドレイン極と、ゲート極とを有する。
【0013】
発光デバイスOLEDの一端は電源VDDに接続され、前記駆動トランジスタDTFTのドレイン極(第1極)は前記発光デバイスOLEDの他端に接続され、ソース極(第2極)は前記第5のスイッチトランジスタT5のドレイン極(第1極)に接続され、ゲート極は前記第1のスイッチトランジスタT1のドレイン極(第1極)に接続され、前記第1のスイッチトランジスタT1のソース極(第2極)はデータラインに接続され、ゲート極はスキャンラインに接続され、ドレイン極(第1極)は前記駆動トランジスタDTFTのゲート極に接続され、前記第2のスイッチトランジスタT2のゲート極は制御ラインに接続され、ドレイン極(第1極)は電源VDDに接続され、ソース極(第2極)は前記補償トランジスタT3のソース極(第2極)に接続され、前記補償トランジスタT3のゲート極はドレイン極(第1極)に接続され、ドレイン極(第1極)は前記駆動トランジスタDTFTのドレイン極(第1極)に接続され、ソース極(第2極)は第2のスイッチトランジスタT2のソース極(第2極)に接続され、前記第5のスイッチトランジスタT5のゲート極は制御ラインに接続され、ドレイン極(第1極)は前記駆動トランジスタDTFTのソース極(第2極)に接続され、ソース極(第2極)はグランドに接続され、前記蓄積コンデンサCstの第1極板は駆動トランジスタDTFTのゲート極に接続され、第2極板は補償トランジスタT3のソース極(第2極)に接続される。
【0014】
説明すべきことは、本実施例において、補償トランジスタT3は一つのダイオードに相当し、そのドレイン極(第1極)は、ゲート極に接続された後は当該ダイオードの正極に相当し、駆動トランジスタDTFTのドレイン極(第1極)に接続され、ソース極は当該ダイオードの負極に相当し、第2のスイッチトランジスタT2のソース極(第2極)に接続される。
【0015】
なお、本実施例において、スキャンライン、制御ライン、データラインはそれぞれ異なる信号を伝送し、スキャンラインにおいて伝送するスキャン信号をVscanとし、制御ラインにおいて伝送される制御信号をEMとして、データラインにおいて伝送されるデータ信号をVdataとする。
【0016】
以下、
図2−4を用いて
図1に示す画素回路の作業プロセスを詳しく説明する。駆動するとき、
図1に示す画素回路は補償段階とジャンプ発光段階の二つの駆動段階を有する。
図2は
図1に示す画素回路を駆動するときの各信号ラインのシーケンス図である。
図2に示すように、図において、補償段階とジャンプ発光段階をそれぞれ(丸1)と(丸2)に対応させて表示する。
図1に示す画素回路の駆動方法は具体的には以下のとおりである。
【0017】
第1の段階:補償段階。補償段階において、スキャン信号Vscanは高レベルであり、制御信号EMは低レベルである。第1のスイッチトランジスタT1は入力されるスキャン信号Vscanが高レベルであるためオンになり、第2のスイッチトランジスタT2と第5のスイッチトランジスタT5は制御信号EMが低レベルであるためオフになる。補償トランジスタT3は補償段階において正方向オン状態になる。このとき、
図1に示す画素回路は
図3に示す回路構造と等価である。
【0018】
図1と
図3によれば、補償段階において、第1のスイッチトランジスタT1がオンになり、データ信号Vdataは第1のスイッチトランジスタT1を通じて駆動トランジスタDTFTのゲート極に入力され、且つ蓄積コンデンサCstに充電して駆動トランジスタDTFTのゲート極に入力されたデータ信号Vdataを保持させる。充電が完了した後、A点の電圧VAはデータ信号Vdataとなり、即ち
VA = Vdata (1)
となり、B点の電圧は電源電圧VDDから発光デバイスOLEDの閾値電圧Vothを引いて、更に補償トランジスタT3の閾値電圧Vth3を引いたもの、即ち
VB = VDD−Voth―Vth3 (2)
となり、したがって蓄積コンデンサCstの両極板の間の電圧は
VAB = VA−VB = Vdata−(VDD−Voth―Vth3)
= Vdata−VDD+Voth+Vth3 (3)
となる。
【0019】
同時に、第2のスイッチトランジスタT2のゲート極に入力される制御信号EMは低レベルであるため、第2のスイッチトランジスタT2はオフになり、よって蓄積コンデンサCstと電源VDDとを切断することができ、発光デバイスOLEDと補償トランジスタT3の正方向のオンを保証でき、第5のスイッチトランジスタT5のゲート極に入力される制御信号EMは低レベルであるため、第5のスイッチトランジスタT5はオフになり、よって駆動トランジスタDTFTとグランドGNDとを切断することができ、駆動トランジスタDTFTのゲート極に入力されるデータ信号Vdataが、第5のスイッチトランジスタT5を通じてグランドGNDに接続されて損なうのを防ぐ。
【0020】
第2の段階:ジャンプ発光段階。ジャンプ発光段階において、スキャン信号Vscanは低レベルであり、制御信号EMは高レベルである。第1のスイッチトランジスタT1は入力されるスキャン信号Vscanが低レベルであるためオフになり、第2のスイッチトランジスタT2と第5のスイッチトランジスタT5は制御信号EMが高レベルであるためオンになる。補償トランジスタT3はジャンプ発光段階において逆方向オフ状態になる。このとき、
図1に示す画素回路は
図4に示す回路構造と等価である。
【0021】
図1と
図4によれば、第1のスイッチトランジスタT1のゲート極に入力されるスキャン信号Vscanは低レベルであり、第1のスイッチトランジスタT1がオフになり、こうして駆動トランジスタDTFTのゲート極とデータラインが隔離し、駆動トランジスタDTFTが発光デバイスOLEDに対する駆動は第1のスイッチトランジスタT1のソース極に入力されるデータ信号Vdataの変化によって影響されなくなる。
【0022】
同時に、第2のスイッチトランジスタT2のゲート極に入力される制御信号EMは高レベルであるため、第2のスイッチトランジスタT2はオンになり、よって蓄積コンデンサCstと電源VDDとを接続し、よってB点の電圧VBは瞬時にVDDに変わる。物理の知識から分かるように、コンデンサの両極板の間の電圧は瞬時に変化することはなく、したがって、ジャンプ発光段階において、B点の電圧VBがVDDに変化したばかりのときは、式(3)は依然として成立する。よって、このときのA点の電圧VAはB点の電圧VBにA点とB点の間の電圧VABを加えたもの、即ち、
VA = VB+VAB=VDD+(Vdata−VDD+Voth+Vth3)
= Vdata+Voth+Vth3 (4)
となる。
【0023】
同時に、第5のスイッチトランジスタT5のゲート極に入力される制御信号EMは高レベルであるため、第5のスイッチトランジスタT5はオンになり、よって駆動トランジスタDTFTとグランドGNDとを接続される。このとき、駆動トランジスタDTFTは飽和状態で作業し、駆動トランジスタDTFTのソース極、ドレイン極に流れる電流I即ち発光デバイスOLEDを駆動する駆動電流Iは、駆動トランジスタDTFTのゲート極とソース極の間の電圧Vgsの変化に伴い変化し、具体的な関係は式(5)に示すとおりである。駆動トランジスタDTFTはOLEDの発光の駆動を開始する。
I=K(Vgs−Vth)
2 (5)
ただし、Vgsは駆動トランジスタDTFTのゲート・ソース電圧であり、本実施例において、
Vgs=VA−0=Vdata+Voth+Vth3 (6)
K=μ
eff*Cox*(W/L)/2となり、ただし、μ
effはDTFTの有効キャリヤ移動度を示し、Coxは駆動トランジスタDTFTのゲート絶縁層誘電率を示し、W/Lはチャネル幅とチャネル長の比を示し、ただしWはチャネル幅を示し、Lはチャネル長を示す。同一の構造において、W、L、Cox、μ
effは比較的安定しているため、Kは定数とみなすことができる。
【0024】
したがって、式(6)を式(5)にはめ込めば、本実施例における駆動トランジスタDTFTに流れる電流は、
I=K(Vdata+Voth+Vth3−Vth)
2 (7)
となる。
【0025】
式(7)から分かるように、駆動トランジスタDTFTの電流Iはデータ信号Vdata及び定数Kと関係するほか、補償トランジスタT3の閾値電圧Vth3、駆動トランジスタDTFTの閾値電圧Vth及び発光デバイスOLEDの閾値電圧Vothと関係する。低温ポリシリコン(Low Temperature Poly−silicon:LTPS)技術の近距離秩序の原理に基づき、近距離内の薄膜トランジスタは均一であるとみなすことができ、即ち近距離であり、構造が同一である薄膜トランジスタの特性はほぼ同一である。したがって、本実施例において、補償トランジスタT3と駆動トランジスタDTFTの位置がとても近いことが好ましく、短距離内とになされるため、補償トランジスタT3の閾値電圧Vth3と駆動トランジスタDTFTの閾値電圧Vthがほぼ同一となり、即ちVth3−Vth=0となり、こうして、式(7)によれば、駆動トランジスタDTFTに流れる電流は、
I=K(Vdata+Voth)
2 (8)
となり、すなわち駆動トランジスタDTFTに流れる電流Iはデータ信号Vdataと発光デバイスOLEDの閾値電圧Vothのみと関係する。
【0026】
こうして、本発明の実施例に係る画素回路は、一方で、駆動電流Iは駆動トランジスタDTFTの閾値電圧Vthと関係が無く、バークボードの製造技術の原因及び長時間作業による駆動トランジスタDTFTの閾値電圧のオフセットに起因する駆動電流I即ち発光デバイスOLEDに流れる電流の差異を防止し、よって発光デバイスの発光輝度の均一性を有効的に向上させる。
【0027】
他方で、式(8)によれば、本発明の実施例に係る画素回路は駆動トランジスタDTFTの閾値電圧Vthのオフセットによる駆動電流Iの差異を補償するだけでなく、また、駆動電流Iが発光デバイスOLEDの閾値電圧Vothとも関係するため、発光デバイスOLEDの閾値電圧Vothが高めまたは低めであることによる発光デバイスOLEDに流れる電流の差異をも補償することができ、発光デバイスの発光輝度の均一性を更に向上させることができる。なぜなら、式(8)によれば、本発明の実施例に係る画素回路において、駆動電流Iは発光デバイスOLEDの閾値電圧Vothの減少に伴い減少し、こうしてOLEDが老化し、閾値電圧Vothが上昇した場合は、駆動電流Iもこれに応じて上昇し、閾値電圧Vothの上昇による駆動電流Iの減少を補償する。
【0028】
説明すべきことは、本実施例において、補償段階では駆動トランジスタDTFTは発光デバイスOLEDの発光を駆動していないが、発光デバイスOLEDは蓄積コンデンサCstの充電回路にあるため、データ信号Vdataが駆動トランジスタDTFTのゲート極に入力され、蓄積コンデンサに充電するときは、OLEDは一定光を発する。
【0029】
上記の実施例において、駆動トランジスタDTFT、補償トランジスタT3及び各スイッチトランジスタはいずれもN型薄膜トランジスタであるが、本発明はこれに限定されない。以下の条件を満たせば、上記の各N型薄膜トランジスタの全部または一部をP型薄膜トランジスタに替えることができる。
【0030】
まず、補償トランジスタT3と駆動トランジスタDTFTは同じ類型の薄膜トランジスタである条件、即ちいずれもN型であるかいずれもP型である条件を満たさなければならない。なぜなら、上記の本発明の実施例の二つの作業段階を分析して分かるように、補償トランジスタT3は、駆動トランジスタDTFTの駆動電流Iと駆動トランジスタのオン電圧Vthを無関係にさせるための補償電圧を提供するためのものである。したがって補償トランジスタT3が提供する補償電圧Vth3は駆動トランジスタDTFTのオン電圧Vthと等しいことが要求される、このような効果を達するため、補償トランジスタT3と駆動トランジスタDTFTは同一の構造を有し、LTPS技術の近距離秩序の条件を満たすためのとても近い距離になければならない。
【0031】
次に、第2のスイッチトランジスタT2と第5のスイッチトランジスタT5が同じ類型の薄膜トランジスタである条件、即ちいずれもN型であるかいずれもP型である条件を満たさなければならない。なぜなら、第2のスイッチトランジスタT2と第5のスイッチトランジスタT5は同時にオンまたはオフにならなければならず、これらのオン、オフはいずれも制御ライン上の制御信号EMによって制御される。
【0032】
説明すべきことは、P型薄膜トランジスタとN型薄膜トランジスタとではオンまたはオフの条件が異なるため、上記実施例においてN型薄膜トランジスタに替わってP型薄膜トランジスタを使用する場合、当該画素回路の機能が正常に実現するのを保証するため、相応の薄膜トランジスタのゲート極に入力する、例えば第1のスイッチトランジスタT1に入力するスキャン信号Vscan、第2のスイッチトランジスタT2、第5のスイッチトランジスタT5のゲート極に入力する制御信号EM、及び駆動トランジスタDTFTのゲート極に入力されるデータ信号Vdataなどの信号は、いずれも相応の調整をする必要がある。以下に具体的な実施例を用いて詳しく説明する。
【0033】
図5に示すように、本発明のもう一つの実施例において、画素回路は、発光デバイスOLEDと、駆動トランジスタDTFTと、蓄積コンデンサCstと、第1のスイッチトランジスタT1と、第2のスイッチトランジスタT2と、補償トランジスタT3と、第5のスイッチトランジスタT5とを有する。このうち、前記駆動トランジスタDTFT、補償トランジスタT3はP型薄膜トランジスタであり、第1のスイッチトランジスタT1、第2のスイッチトランジスタT2、第5のスイッチトランジスタT5はいずれもN型薄膜トランジスタであり、且つ各薄膜トランジスタはいずれもソース極と、ドレイン極と、ゲート極とを有する。
【0034】
発光デバイスOLEDの一端は電源VDDに接続され、前記駆動トランジスタDTFTのソース極(第1極)は前記発光デバイスOLEDの他端に接続され、ドレイン極(第2極)は前記第5のスイッチトランジスタT5のドレイン極(第1極)に接続され、ゲート極は前記第1のスイッチトランジスタT1のドレイン極(第1極)に接続され、前記第1のスイッチトランジスタT1のソース極(第2極)はデータラインに接続され、ゲート極はスキャンラインに接続され、ドレイン極(第1極)は前記駆動トランジスタDTFTのゲート極に接続され、前記第2のスイッチトランジスタT2のゲート極は制御ラインに接続され、ドレイン極(第1極)は電源VDDに接続され、ソース極(第2極)は前記補償トランジスタT3のドレイン極(第2極)に接続され、前記補償トランジスタT3のゲート極はドレイン極(第2極)に接続され、ソース極(第1極)は前記駆動トランジスタDTFTのソース極(第1極)に接続され、ドレイン極(第2極)は第2のスイッチトランジスタT2のソース極(第2極)に接続され、前記第5のスイッチトランジスタT5のゲート極は制御ラインに接続され、ドレイン極(第1極)は前記駆動トランジスタDTFTのドレイン極(第2極)に接続され、ソース極(第2極)はグランドに接続され、前記蓄積コンデンサCstの第1極板は駆動トランジスタDTFTのゲート極に接続され、第2極板は補償トランジスタT3のドレイン極(第2極)に接続される。
【0035】
図1に示す実施例に比べ、本実施例では駆動トランジスタDTFTと補償トランジスタT3のみが
図1に示す実施例と異なり、これに対応して、駆動トランジスタDTFTのゲート極に入力するデータ信号Vdataも異なる。
【0036】
図1に示す実施例において、駆動トランジスタDTFTはN型であり、N型駆動トランジスタDTFTのソース極とドレイン極に流れる電流Iはデータ信号Vdataの上昇に伴い増大し、データ信号Vdataの低下に伴い減少し、本実施例において、駆動トランジスタDTFTはP型であり、P型トランジスタDTFTのソース極とドレイン極に流れる電流Iはデータ信号Vdataの上昇に伴い減少し、データ信号Vdataの低下に伴い増大する。したがって、同じ駆動トランジスタDTFTに流れる電流Iに対応する
図1に示す実施例におけるデータ信号Vdataと本実施例におけるデータ信号Vdataは異なってもよい。
【0037】
説明すべきことは、上記の相違点のほか、本実施例における画素回路の他の部分は
図1に示す構造と同一であり、ここでは説明しないこととする。
【0038】
本実施例に係る画素回路は、N型駆動トランジスタDTFTとN型補償トランジスタT3に替えて、対応するP型トランジスタを使用するが、
図1に示す実施例と同一の技術効果を実現でき、ここでは説明しないこととする。
【0039】
図6は本発明の実施例に係る画素回路のもう一つの回路図である。
図6に示すように、本実施例は、第2のスイッチトランジスタT2と第5のスイッチトランジスタT5はN型薄膜トランジスタではなく、P型薄膜トランジスタである点で
図1に示す実施例と異なる。これに対応して、第2のスイッチトランジスタT2のゲート極と第5のスイッチトランジスタT5のゲート極に入力される制御信号EMも
図1に示す実施例と異なる。
【0040】
具体的には、
図6に示すように、本発明の実施例に係る画素回路は、発光デバイスOLEDと、駆動トランジスタDTFTと、蓄積コンデンサCstと、第1のスイッチトランジスタT1と、第2のスイッチトランジスタT2と、補償トランジスタT3と、第5のスイッチトランジスタT5とを有する。このうち、前記駆動トランジスタDTFT、第1のスイッチトランジスタT1、補償トランジスタT3はいずれもN型薄膜トランジスタであり、第2のスイッチトランジスタT2、第5のスイッチトランジスタT5はP型薄膜トランジスタであり、且つ各薄膜トランジスタはいずれもソース極と、ドレイン極と、ゲート極とを有する。
【0041】
発光デバイスOLEDの一端は電源VDDに接続され、前記駆動トランジスタDTFTのドレイン極(第1極)は前記発光デバイスOLEDの他端に接続され、ソース極(第2極)は前記第5のスイッチトランジスタT5のソース極(第1極)に接続され、ゲート極は前記第1のスイッチトランジスタT1のドレイン極(第1極)に接続され、前記第1のスイッチトランジスタT1のソース極(第2極)はデータラインに接続され、ゲート極はスキャンラインに接続され、ドレイン極(第1極)は前記駆動トランジスタDTFTのゲート極に接続され、前記第2のスイッチトランジスタT2のゲート極は制御ラインに接続され、ソース極(第1極)は電源VDDに接続され、ドレイン極(第2極)は前記補償トランジスタT3のソース極(第2極)に接続され、前記補償トランジスタT3のゲート極はドレイン極(第1極)に接続され、ドレイン極(第1極)は前記駆動トランジスタDTFTのドレイン極(第1極)に接続され、ソース極(第2極)は第2のスイッチトランジスタT2のドレイン極(第2極)に接続され、前記第5のスイッチトランジスタT5のゲート極は制御ラインに接続され、ソース極(第1極)は前記駆動トランジスタDTFTのソース極(第2極)に接続され、ドレイン極(第2極)はグランドに接続され、前記蓄積コンデンサCstの第1極板は駆動トランジスタDTFTのゲート極に接続され、第2極板は補償トランジスタT3のソース極(第2極)に接続される。
【0042】
本実施例において、画素回路の作業プロセスは
図1に示す実施例の画素回路の作業プロセスと類似しており、制御信号EMが第2のスイッチトランジスタT2と第5のスイッチトランジスタT5のオンまたはオフを制御するときのみ、
図1に示す実施例と異なる。
【0043】
具体的には、
図1に示す実施例との相違点は、本実施例において、補償段階で制御信号EMが高レベルであり、第2のスイッチトランジスタT2と第5のスイッチトランジスタT5をオフにさせる。本実施例に係る画素回路の補償段階での作業プロセスは
図1−4に示す実施例と類似しているため、ここでは説明しないこととする。
【0044】
これに対応して、
図1に示す実施例とのもう一つの相違点は、本実施例において、ジャンプ発光段階で制御信号EMは低レベルであり、第2のスイッチトランジスタT2と第5のスイッチトランジスタT5をオンにさせる。本実施例に係る画素回路のジャンプ発光段階での作業プロセスは
図1−4に示す実施例と類似しているため、ここでは説明しないこととする。
【0045】
図7に示すように、本発明のもう一つの実施例において、画素回路は、発光デバイスOLEDと、駆動トランジスタDTFTと、蓄積コンデンサCstと、第1のスイッチトランジスタT1と、第2のスイッチトランジスタT2と、補償トランジスタT3と、第5のスイッチトランジスタT5とを有する。このうち、前記駆動トランジスタDTFT、第2のスイッチトランジスタT2、補償トランジスタT3、第5のスイッチトランジスタT5はいずれもN型薄膜トランジスタであり、第1のスイッチトランジスタT1はP型薄膜トランジスタであり、且つ各薄膜トランジスタはいずれもソース極と、ドレイン極と、ゲート極とを有する。
【0046】
発光デバイスOLEDの一端は電源VDDに接続され、前記駆動トランジスタDTFTのドレイン極(第1極)は前記発光デバイスOLEDの他端に接続され、ソース極(第2極)は前記第5のスイッチトランジスタT5のドレイン極(第1極)に接続され、ゲート極は前記第1のスイッチトランジスタT1のソース極(第1極)に接続され、前記第1のスイッチトランジスタT1のドレイン極(第2極)はデータラインに接続され、ゲート極はスキャンラインに接続され、ソース極(第1極)は前記駆動トランジスタDTFTのゲート極に接続され、前記第2のスイッチトランジスタT2のゲート極は制御ラインに接続され、ドレイン極(第1極)は電源VDDに接続され、ソース極(第2極)は前記補償トランジスタT3のソース極(第2極)に接続され、前記補償トランジスタT3のゲート極はドレイン極(第1極)に接続され、ドレイン極(第1極)は前記駆動トランジスタDTFTのドレイン極(第1極)に接続され、ソース極(第2極)は第2のスイッチトランジスタT2のソース極(第2極)に接続され、前記第5のスイッチトランジスタT5のゲート極は制御ラインに接続され、ドレイン極(第1極)は前記駆動トランジスタDTFTのソース極(第2極)に接続され、ソース極(第2極)はグランドに接続され、前記蓄積コンデンサCstの第1極板は駆動トランジスタDTFTのゲート極に接続され、第2極板は補償トランジスタT3のソース極(第2極)に接続される。
【0047】
本実施例において、画素回路の作業プロセスは
図1に示す実施例における画素回路の作業プロセスと類似しており、スキャンラインVscanが第1のスイッチトランジスタT1のオンまたはオフを制御するときのみ、
図1に示す実施例における画素回路と異なる。
【0048】
具体的には、補償段階でスキャン信号Vscanが低レベルであり、第1のスイッチトランジスタT1をオンにさせる。本実施例に係る画素回路の補償段階での作業プロセスは
図1−4に示す実施例と類似しているため、ここでは説明しないこととする。
【0049】
具体的には、ジャンプ発光段階でスキャン信号Vscanが高レベルであり、第1のスイッチトランジスタT1をオフにさせる。本実施例に係る画素回路のジャンプ発光段階での作業プロセスは
図1−4に示す実施例と類似しているため、ここでは説明しないこととする。
【0050】
以上の実施例は、本発明の提供する画素回路の各薄膜トランジスタがいずれもN型の場合、駆動トランジスタDTFTと補償トランジスタT3がP型であり、その他の各薄膜トランジスタがN型の場合、第2のスイッチトランジスタT2と第5のスイッチトランジスタT5がP型であり、その他の各薄膜トランジスタがN型の場合、及び第1のスイッチトランジスタT1がP型であり、その他の各薄膜トランジスタがN型の場合、をそれぞれ詳しく説明した。しかし、本発明はこれに限らず、本発明の他の実施例において、上記各スイッチトランジスタ、駆動トランジスタDTFT及び補償トランジスタT3がいずれもP型薄膜トランジスタであってもよいし、または他の形式の一部の薄膜トランジスタがP型薄膜トランジスタであり、一部の薄膜トランジスタがN型薄膜トランジスタである組み合わせであっても、補償トランジスタT3と駆動トランジスタDTFTが同じ類型の薄膜トランジスタ、すなわち共にN型でありまたは共にP型であり、同時に、第2のスイッチトランジスタT2と第5のスイッチトランジスタT5が同じ類型の薄膜トランジスタであれば足りる。
【0051】
図1に示す回路のいずれか又はいくつかのN型薄膜トランジスタをP型薄膜トランジスタに替える場合、各P型薄膜トランジスタが回路における接続方法は、元のN型薄膜トランジスタの接続方法と類似し、半導体の物理的知識におけるP型トランジスタとN型トランジスタの各ゲート極、ドレイン極、ソース極の電位を対応関係に基づいて接続関係を適宜調整すればよい。例えば、
図1に示す実施例において、各薄膜トランジスタはいずれもN型薄膜トランジスタであり、且つ各薄膜トランジスタの第1極はいずれもドレイン極であり、第2極はいずれもソース極であるが、本発明の他の実施例において、いずれかの薄膜トランジスタをN型からP型に替える場合は、その接続関係は依然として
図1に示す実施例における薄膜トランジスタの第1極と第2極の接続関係の説明を用いてもよいが、具体的に、第1極と第2極が表すものが当該薄膜トランジスタのソース極であるか、ドレイン極であるかは異なる類型の薄膜トランジスタで異なる場合がある。
【0052】
図1に示す実施例において、補償トランジスタT3以外の薄膜トランジスタをN型薄膜トランジスタからP型薄膜トランジスタに替える場合、第1極は当該P型薄膜トランジスタのソース極に対応し、第2極は当該P型薄膜トランジスタのドレイン極に対応し、補償トランジスタT3については、そのゲート極は常にドレイン極に接続されているため、T3がN型薄膜トランジスタであるときはゲート極はドレイン極(第1極)に接続され、T3がP型薄膜トランジスタであるときはゲート極はドレイン極(第2極)に接続され、このときの補償トランジスタT3は一つのダイオードに相当し、そのドレイン極とゲート極が接続された後は当該ダイオードの一極に相当し、ソース極は当該ダイオードの他方の極に相当する。回路を接続するとき、ダイオードの正方向バイアスまたは逆方向バイアスの要求に基づいて対応する電極を回路の高い方の電位または低い方の電位に接続すればよい。
【0053】
説明すべきことは、本発明の実施例に係る回路構造は
図1に示す実施例と類似しており、相違点は各薄膜トランジスタがN型であるかP型であるか違いにより、これに対応して回路における接続も微調整し、どのような変化に対しても、上記実施例における補償段階とジャンプ発光段階の回路の機能が正常に発揮することを補償できればよい。
【0054】
更に、
図8に示すように、本発明の他の実施例において、画素回路は第4のスイッチトランジスタT4を有してもよい。説明すべきことは、第4のスイッチトランジスタT4以外は、本実施例における画素回路は
図1に示す実施例における画素回路と同一である。
【0055】
具体的には、第4のスイッチトランジスタT4のゲート極はスキャンラインに接続され、ドレイン極(第1極)は第2のスイッチトランジスタT2のドレイン極(第1極)に接続され、ソース極(第2極)は駆動トランジスタDTFTのソース極(第1極)に接続され、第4のスイッチトランジスタT4は第1のスイッチトランジスタT1と同じ類型であり、即ち共にN型薄膜トランジスタであるか、又は共にP型薄膜トランジスタである。発光デバイスOLED,駆動トランジスタDTFT,蓄積コンデンサCst、第1のスイッチトランジスタT1、第2のスイッチトランジスタT2、補償トランジスタT3、第5のスイッチトランジスタT5の接続については、
図1に示す実施例の詳細な説明を参照できるため、ここでは説明しないこととする。
【0056】
以下
図2、
図8−10を用いて本発明における画素回路の作業工程を詳しく説明する。
【0057】
図2に示す信号のシーケンスのもとで、
図8に示す画素回路の作業プロセスは同じく二つの段階に分けられる。
【0058】
第1の段階:補償段階。補償段階において、スキャン信号Vscanは高レベルであり、制御信号EMは低レベルであり、
図8に示す画素回路が
図9に示すような回路構造と等価である。
図8と
図9によれば、第1のスイッチトランジスタT1と第4のスイッチトランジスタT4はN型薄膜トランジスタであり、第1のスイッチトランジスタT1と第4のスイッチトランジスタT4のゲート極に入力されるスキャン信号Vscanが高レベルであるため、第1のスイッチトランジスタT1と第4のスイッチトランジスタT4はオンになる。第2のスイッチトランジスタT2と第5のスイッチトランジスタT5もN型薄膜トランジスタであり、これらに入力する制御信号EMが低レベルであるため、第2のスイッチトランジスタT2と第5のスイッチトランジスタT5はオフになる。
【0059】
具体的には、第4のスイッチトランジスタT4がオンになった後、発光デバイスOLEDはオンになった第4のスイッチトランジスタT4によってショートされるため、
図1に示す実施例と異なり、本実施例において、当該段階では発光デバイスOLEDに電流が流れず、発光デバイスOLEDは発光しない。第1のスイッチトランジスタT1がオンになった後、データ信号Vdataは第1のスイッチトランジスタT1を通じて駆動トランジスタDTFTのゲート極に入力され、且つ蓄積コンデンサCstに充電して駆動トランジスタDTFTのゲート極に入力されたデータ信号Vdataを保持させる。
【0060】
充電が完了した後、A点の電圧VAはデータ信号Vdataとなり、即ち
VA = Vdata (9)
となり、B点の電圧VBは電源電圧VDDから補償トランジスタT3の閾値電圧Vth3を引いたもの、即ち
VB = VDD―Vth3 (10)
となり、したがって蓄積コンデンサCstの両極板の間の電圧は
VAB = VA−VB = Vdata−(VDD―Vth3)
= Vdata−VDD+Vth3 (11)
となる。
【0061】
このとき、第2のスイッチトランジスタT2は、入力される低レベルの制御信号EMにより、蓄積コンデンサCstと電源VDDとを切断し、発光デバイスOLEDと補償トランジスタT3の正方向のオンを保証する。第5のスイッチトランジスタT5は、入力される低レベルの制御信号EMにより、駆動トランジスタDTFTとグランドGNDとを切断し、駆動トランジスタDTFTのゲート極に入力されるデータ信号Vdataが、第5のスイッチトランジスタT5を通じてグランドGNDに接続されて損なうのを防ぐ。
【0062】
第2の段階:ジャンプ発光段階。ジャンプ発光段階において、スキャン信号Vscanは低レベルであり、制御信号EMは高レベルである。このときの
図8に示す画素回路は
図10に示すような回路構造と等価である。
【0063】
図8と
図10によれば、第1のスイッチトランジスタT1はゲート極に入力されるスキャン信号Vscanが低レベルであることによりオフになり、駆動トランジスタDTFTのゲート極と第1のスイッチトランジスタT1のソース極、即ちデータラインVdataの入力端とを隔離させる。こうして駆動トランジスタDTFTが発光デバイスOLEDに対する駆動は第1のスイッチトランジスタT1のソース極の信号変化によって影響されなくなる。同時に、第4のスイッチトランジスタT4は入力されるスキャン信号Vscanが低レベルによりオフになり、こうして
発行デバイスOLEDはショートされず、これにより発光デバイスOLEDの発光を駆動することができる。
【0064】
同時に、第2のスイッチトランジスタT2は制御信号EMが高レベルであることにより、オンになり、蓄積コンデンサCstの上極板は電源VDDと直接接続され、よってB点の電圧VBは瞬時にVDDにジャンプする。物理の知識から分かるように、コンデンサの両極板の間の電圧は瞬時に変化することはなく、したがって、B点の電圧VBがVDDにジャンプしたばかりのときは、式(11)は依然として成立する。よって、このときのA点の電圧VAはB点の電圧VBにA点とB点の間の電圧VABを加えたもの、即ち、
VA = VB+VAB=VDD+(Vdata−VDD+Vth3)
= Vdata+Vth3 (12)
となる。
【0065】
第5のスイッチトランジスタT5は制御信号EMは高レベルであることによりオンになり、よって駆動トランジスタDTFTのソース極はグランドGNDと直接接続される。このとき、駆動トランジスタDTFTはOLEDの発光の駆動を開始する。駆動トランジスタDTFTのゲート・ソース電圧は、
Vgs=VA−0=Vdata+Vth3 (13)
であり、式(5)と式(13)により、本実施例において、駆動トランジスタDTFTに流れる電流は、
I=K(Vgs+Vth3−Vth)
2 (14)
となる。
【0066】
前述した実施例の原理と類似するように、補償トランジスタT3が駆動トランジスタDTFTの位置がとても近いとき、補償トランジスタT3の閾値電圧Vth3と駆動トランジスタDTFTの閾値電圧Vthはほぼ同一となり、即ちVth3−Vth=0となる。よって、式(14)は
I=K・Vdata
2 (15)
によって表すことができる。
【0067】
ただし、Kの意義は前述した実施例と同一であり、定数とみなすことができる。こうして、駆動トランジスタDTFTに流れる電流はデータ信号Vdataにのみ関連し、駆動トランジスタDTFTの閾値電圧Vthとは無関係になり、したがってバークボードの製造技術の原因及び長時間作業による駆動トランジスタDTFTの閾値電圧のオフセットに起因する駆動電流I即ち発光デバイスOLEDに流れる電流の差異を防止し、よって発光デバイスの発光輝度の均一性を有効的に向上させる。
【0068】
また、本実施例において、第4のスイッチトランジスタT4は補償段階で発光デバイスOLEDをショートし、即ち補償段階で発光デバイスOLEDに電流が流れず、発光デバイスOLEDは発光しないため、発光デバイスOLEDが補償段階で点滅するのを防ぐ。
【0069】
説明すべきことは、本実施例はOLEDを例にとって説明しているが、本発明の実施例に係る発光デバイスは他の本発明の実施例における画素回路を用いて駆動できる発光デバイスであってもよく、本発明はこれに限定されない。
【0070】
更に説明すべきことは、本発明において、
図1に示す実施例のみ、即ち各薄膜トランジスタがいずれもN型薄膜トランジスタである実施例を基に、第4のスイッチトランジスタT4を追加して説明したが、本発明はこれに限定されない。本発明の他の実施例において、各薄膜トランジスタは、以下の条件を満たせば、全部または一部をP型薄膜トランジスタに替えることができる。その条件とは、補償トランジスタT3と駆動トランジスタDTFTは同じ類型の薄膜トランジスタであり、第4のスイッチトランジスタT4と第1のスイッチトランジスタT1は同じ類型の薄膜トランジスタであり、第2のスイッチトランジスタT2と第5のスイッチトランジスタT5は同じ類型の薄膜トランジスタであればよい。ここで、同じ類型の薄膜トランジスタとは、共にN型薄膜トランジスタであるか、あるいは共にP型薄膜トランジスタであることをいう。
【0071】
前述した画素回路に対応して、
図11に示すように、更に、本発明の実施例は画素回路の駆動方法であって、第1のスイッチトランジスタT1をオンにし、同時に第2のスイッチトランジスタT2と第5のスイッチトランジスタT5をオフにして、データラインにおけるデータ信号Vdataが第1のスイッチトランジスタT1を通じて蓄積コンデンサCstの第1の極板に充電するようにし、電源VDDが発光デバイスOLEDと補償トランジスタT3を通じて蓄積コンデンサCstの第2の極板に充電するようにするS11と、
第1のスイッチトランジスタT1をオフにし、同時に第2のスイッチトランジスタT2と第5のスイッチトランジスタT5をオンにして、発光デバイスOLEDが電源VDDにより提供される、発光デバイスOLED、駆動トランジスタDTFT、第5のスイッチトランジスタT5に順次流れる電流によって発光されるようにするS12とを有する画素回路の駆動方法を提供する。
【0072】
本発明の実施例に係る画素回路の駆動方法は、補償トランジスタT3、蓄積コンデンサと複数のスイッチトランジスタによって回路の開閉及び充放電を制御し、画素回路に対する駆動を二つの段階に分けることにより、駆動トランジスタDTFTを駆動トランジスタDTFTの閾値電圧Vthと無関係にさせ、駆動トランジスタDTFTの閾値電圧Vthの不一致またはオフセットによる発光デバイスに流れる電流の差異を補償し、したがって発光デバイスの発光輝度の均一性を向上させることができる。
【0073】
同時に、OLEDなどの発光デバイスのオン電圧Vothはジャンプ発光段階で駆動トランジスタDTFTのゲート極と第2極の間に印加されてもよく、よって発光デバイスOLEDの閾値電圧の上昇による発光デバイスOLEDに流れる電流の差異を補償することができる。
【0074】
説明すべきことは、本実施例において、発光デバイスはOLEDであるが、本発明はこれに限定されず、他の本発明の実施例に係る画素回路によって駆動できる発光デバイスであってもよく、本発明はこれを制限しない。
【0075】
オプションとして、本発明の一つの実施例において、第1のスイッチトランジスタT1、第2のスイッチトランジスタT2と第5のスイッチトランジスタT5をいずれもN型薄膜トランジスタとし、これらの第1極をドレイン極とし、第2極をソース極とする。ステップS11について、本発明の実施例に係る画素回路の駆動方法は、スキャンラインを通じて高レベルを第1のスイッチトランジスタT1のゲート極に入力して第1のスイッチトランジスタT1をオンにし、同時に制御ラインを通じて低レベルを第2のスイッチトランジスタT2のゲート極と第5のスイッチトランジスタT5のゲート極に入力して第2のスイッチトランジスタT2と第5のスイッチトランジスタT5をオフにすることができ、これに対応して、ステップS12については、スキャンラインを通じて低レベルを第1のスイッチトランジスタT1のゲート極に入力して第1のスイッチトランジスタT1をオフにし、同時に制御ラインを通じて高レベルを第2のスイッチトランジスタT2のゲート極と第5のスイッチトランジスタT5のゲート極に入力して第2のスイッチトランジスタT2と第5のスイッチトランジスタT5をオンにすることができる。
【0076】
オプションとして、本発明のもう一つの実施例において、第1のスイッチトランジスタT1をN型薄膜トランジスタとし、その第1極をドレイン極とし、第2極をソース極とし、第2のスイッチトランジスタT2と第5のスイッチトランジスタT5をいずれもP型薄膜トランジスタとし、第2のスイッチトランジスタT2と第5のスイッチトランジスタT5の第1極をソース極とし、第2極をドレイン極とする。ステップS11について、本発明の実施例に係る画素回路の駆動方法は、スキャンラインを通じて高レベルを第1のスイッチトランジスタT1のゲート極に入力して第1のスイッチトランジスタT1をオンにし、同時に制御ラインを通じて高レベルを第2のスイッチトランジスタT2のゲート極と第5のスイッチトランジスタT5のゲート極に入力して第2のスイッチトランジスタT2と第5のスイッチトランジスタT5をオフにすることができ、これに対応して、ステップS12については、スキャンラインを通じて低レベルを第1のスイッチトランジスタT1のゲート極に入力して第1のスイッチトランジスタT1をオフにし、同時に制御ラインを通じて低レベルを第2のスイッチトランジスタT2のゲート極と第5のスイッチトランジスタT5のゲート極に入力して第2のスイッチトランジスタT2と第5のスイッチトランジスタT5をオンにすることができる。
【0077】
オプションとして、本発明のもう一つの実施例において、第1のスイッチトランジスタT1をP型薄膜トランジスタとし、第1のスイッチトランジスタT1の第1極をソース極とし、第2極をドレイン極とし、第2のスイッチトランジスタT2と第5のスイッチトランジスタT5をいずれもN型薄膜トランジスタとし、これらの第1極をドレイン極とし、第2極をソース極とする。
【0078】
ステップS11について、本発明の実施例に係る画素回路の駆動方法は、スキャンラインを通じて低レベルを第1のスイッチトランジスタT1のゲート極に入力して第1のスイッチトランジスタT1をオンにし、同時に制御ラインを通じて低レベルを第2のスイッチトランジスタT2のゲート極と第5のスイッチトランジスタT5のゲート極に入力して第2のスイッチトランジスタT2と第5のスイッチトランジスタT5をオフにすることができ、これに対応して、ステップS12については、スキャンラインを通じて高レベルを第1のスイッチトランジスタT1のゲート極に入力して第1のスイッチトランジスタT1をオフにし、同時に制御ラインを通じて高レベルを第2のスイッチトランジスタT2のゲート極と第5のスイッチトランジスタT5のゲート極に入力して第2のスイッチトランジスタT2と第5のスイッチトランジスタT5をオンにすることができる。
【0079】
オプションとして、本発明の一つの実施例において、第1のスイッチトランジスタT1、第2のスイッチトランジスタT2と第5のスイッチトランジスタT5をいずれもP型薄膜トランジスタとする。ステップS11について、本発明の実施例に係る画素回路の駆動方法は、スキャンラインを通じて低レベルを第1のスイッチトランジスタT1のゲート極に入力して第1のスイッチトランジスタT1をオンにし、同時に制御ラインを通じて高レベルを第2のスイッチトランジスタT2のゲート極と第5のスイッチトランジスタT5のゲート極に入力して第2のスイッチトランジスタT2と第5のスイッチトランジスタT5をオフにすることができ、これに対応して、ステップS12については、スキャンラインを通じて高レベルを第1のスイッチトランジスタT1のゲート極に入力して第1のスイッチトランジスタT1をオフにし、同時に制御ラインを通じて低レベルを第2のスイッチトランジスタT2のゲート極と第5のスイッチトランジスタT5のゲート極に入力して第2のスイッチトランジスタT2と第5のスイッチトランジスタT5をオンにすることができる。
【0080】
更に、本発明のもう一つの実施例において、ステップS11において、前記第1のスイッチトランジスタT1をオンにするのを第1のスイッチトランジスタT1と第4のスイッチトランジスタT4を同時にオンにする、とすることができ、
【0081】
具体的には、第1のスイッチトランジスタT1と第4のスイッチトランジスタT4を同時にオンにし、同時に第2のスイッチトランジスタT2のゲート極と第5のスイッチトランジスタT5をオフにし、データライン即ちデータ信号Vdataがある信号ラインに、第1のスイッチトランジスタT1を通じて蓄積コンデンサCstの第1極板を充電させ、電源VDDに第4のスイッチトランジスタT4と補償トランジスタT3を通じて蓄積コンデンサCstの第2極板を充電させることができる。
【0082】
これに対応して、ステップS12において、第1のスイッチトランジスタをT1オフにするのを第1のスイッチトランジスタT1と第4のスイッチトランジスタT4を同時にオフにする、とすることができる。具体的には、第1のスイッチトランジスタT1と第4のスイッチトランジスタT4を同時にオフにし、同時に第2のスイッチトランジスタT2と第5のスイッチトランジスタT5をオンにし、発光デバイスOLEDが電源VDDに提供される、発光デバイスOLED、駆動トランジスタDTFTと第5のスイッチトランジスタT5を順次流れる電流によって発光を駆動されるようにし、そして、第4のスイッチトランジスタT4のゲート極はスキャンラインに接続され、第1極は第2のスイッチトランジスタT2の第1極に接続され、第2極は駆動トランジスタDTFTの第1極に接続され、第4のスイッチトランジスタT4は第1のスイッチトランジスタT1と同じ類型である。
【0083】
第4のスイッチトランジスタT4と第1のスイッチトランジスタT1はいずれもスキャン信号Vscanによって制御されるため、第4のスイッチトランジスタT4と第1のスイッチトランジスタT1は同時にオン又はオフになり、本実施例において、第4のスイッチトランジスタT4と第1のスイッチトランジスタT1のオンまたはオフの原理及び詳細なプロセスは前述した実施例を参照できるため、ここでは説明しないこととする。
【0084】
補償段階で第4のスイッチトランジスタT4をオンにするため、発光デバイスOLEDは第4のスイッチトランジスタT4によってショートされ、即ち補償段階では発光デバイスOLEDに電流が流れず、発光デバイスOLEDは発光しないため、発光デバイスOLEDが補償段階で点滅するのを防ぐ。
【0085】
これに対応して、本発明は、前述した実施例に係るいずれかの画素回路を有する表示装置を更に提供し、よって本発明の実施例に係る画素回路がもたらす有益な技術効果を有するが、前記にすでに詳細な説明をしたので、ここで説明しないこととする。
【0086】
当業者が理解するように、上記方法の実施例を実現する全部または一部のフローは、コンピュータプログラムのコマンドに関するハードウェアを通じて行うことができ、前述のプログラムはコンピュータに読み取り可能な媒体に格納することができ、当該プログラムを実行するときに、上記方法の実施例のステップが含まれ、前記格納媒体はROM、RAM、磁気ディスク、光ディスクなどの様々なプログラムコードを格納できる媒体が含まれる。
【0087】
以上の記載は、本発明の具体的な実施形態にすぎず、本発明の保護範囲はこれに限定されず、当業者が本発明が公開する技術範囲内において容易に想到できるいかなる変化や置換も本発明の保護範囲に含まれる。したがって、本発明の保護範囲は前記特許請求の範囲の保護範囲を基準とする。