(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
始動入賞口への入賞を契機として特賞状態を生起させるか否かの抽選を行う抽選手段と、前記抽選手段の抽選結果に基づいて複数の変動パターンのうちからいずれかを決定する変動パターン決定手段と、前記変動パターン決定手段で決定した変動パターンにより図柄表示手段で複数の図柄を変動表示する図柄変動手段と、停止図柄の態様を決定する停止図柄決定手段と、前記変動パターン決定手段で決定した変動パターンが、前記抽選手段の抽選結果が前記特賞状態を生起させないものであった場合に比べ前記特賞状態を生起させるものであった場合に選択される可能性が高い特定の変動パターンであるときは、前記停止図柄決定手段で決定した停止図柄の態様で変動する図柄の一部を停止させ、前記図柄の変動中に所定の変動演出を行う特定変動演出手段と、を備え、前記抽選手段で前記特賞状態を生起させると判定したときは、変動する前記図柄の全部を所定の態様で停止させた後に前記特賞状態を生起させる遊技機であって、
前記停止図柄決定手段は、
前記変動パターン決定手段で決定した変動パターンが前記特定の変動パターンのうち、前記特賞状態を生起させないときの変動パターンである特定はずれ変動パターンであるか否かを判定する特定はずれ変動パターン判定手段と、
前記特定はずれ変動パターン判定手段で前記特定はずれ変動パターンであると判定すると、前回前記特定はずれ変動パターンであると判定したときに前記停止図柄決定手段で決定した停止図柄の態様と異なる停止図柄の態様を選択候補とする候補設定手段とを有し、
前記候補設定手段は、電源投入後最初に前記抽選手段で前記特賞状態を生起させないと判定したときには、全ての停止図柄の態様を選択候補とすることを特徴とする遊技機。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。
図1ないし
図16は、本発明に係る遊技機の実施の形態を示す図である。
本実施の形態は、本発明に係る遊技機を、
図1に示すように、演出図柄表示装置104で複数の図柄を変動表示するパチンコ機に適用したものである。
まず、パチンコ機における遊技盤面102の構成を説明する。
【0019】
図1は、パチンコ機における遊技盤面102の正面部、特に説明に必要な部分を模式的に示した図である。
図1において、遊技盤面102のほぼ中央部には、3つの領域にそれぞれ演出図柄を独立に変動させながら表示する演出図柄表示装置104が設けられている。演出図柄表示装置104は、例えば、液晶ディスプレイまたはCRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ等の可変表示装置、7セグメントLED、ドットマトリクス表示装置、モータの回転により可変表示するドラム等であり、複数の数字や図柄等からなる演出図柄を変動表示する。本実施の形態では、演出図柄表示装置104は、背景等の画像および複数の図柄を動画として表示可能な可変表示装置とし、多彩な演出図柄を演出図柄表示装置104に表示可能としている。
【0020】
演出図柄表示装置104の上方には、特別図柄作動記憶表示灯116が設けられている。特別図柄作動記憶表示灯116は、特別図柄等の変動中に始動入賞口111または普通電動役物112に入賞した各遊技球の情報を、主制御装置のRAM上にある各遊技球ごとの保留領域に記憶するのと連動して点灯し、連続して図柄変動可能な回数を通知する。
特別図柄作動記憶表示灯116の上方には、遊技球を常時入賞可能とする天入賞口121が設けられている。
【0021】
演出図柄表示装置104の左右両側にはそれぞれ、遊技球を常時入賞可能とする左肩入賞口122および右肩入賞口123が設けられており、それら入賞口122、123の下方にはそれぞれ、遊技球を常時入賞可能とする左袖入賞口124および右袖入賞口125とが設けられている。
演出図柄表示装置104の下方には、遊技球を常時入賞可能とする始動入賞口111が設けられている。始動入賞口111は、遊技球が入賞すると、パチンコ機内部の始動入賞口スイッチ131(不図示)の検出信号により遊技球の入賞を検知し、演出図柄表示装置104および特別図柄表示装置106の変動表示開始の契機を与える。特別図柄および演出図柄の変動表示は、所定の変動時間経過後に停止し、抽選結果の通知や演出が行われる。
【0022】
始動入賞口111の右方には、2つの領域にそれぞれ特別図柄を独立に変動させながら表示する特別図柄表示装置106が設けられている。特別図柄表示装置106は、例えば、液晶ディスプレイまたはCRTディスプレイ等の可変表示装置、7セグメントLED、ドットマトリクス表示装置等であり、複数の数字や図柄等からなる特別図柄を変動表示する。本実施の形態では、特別図柄表示装置106は、2桁の7セグメントLEDとする。ここで、特別図柄表示装置106の停止図柄が特定の組み合わせとなって生起する遊技状態を「特賞状態」(大当たりまたは小当たり)といい、「特賞」とは、遊技状態が、遊技者へ多数の賞球を払い出す等の所定の遊技価値を付与する有利な状態に移行するポイントをいう。また、特別図柄は、演出図柄表示装置104で表示される演出図柄と対応している。
【0023】
特別図柄表示装置106の右側には、大当たりまたは小当たり中(特賞状態中)や図柄変動時間短縮制御中(いわゆる時短中)等のパチンコ機の状態を通知する遊技状態表示装置109が設けられている。遊技状態表示装置109は、例えばLEDからなる表示装置であり、点灯や点滅等で遊技状態を通知するものである。
始動入賞口111の下方には、普通図柄作動記憶表示灯117が設けられている。普通図柄作動記憶表示灯117は、普通図柄の変動中に作動ゲート113、114を通過した各遊技球の情報を、主制御装置のRAM上にある各遊技球ごとの保留領域に記憶するのと連動して点灯し、連続して普通図柄の変動可能な回数を通知する。
【0024】
普通図柄作動記憶表示灯117の下方には、「0」から「9」までの1桁の数字等からなる普通図柄を変動させながら表示する普通図柄表示装置108が設けられている。普通図柄表示装置108は、例えば、7セグメントLED等である。
普通図柄表示装置108の左右両側にはそれぞれ、遊技球を常時通過可能とする作動ゲート113、114が設けられている。作動ゲート113、114は、遊技球が通過すると、内部の作動ゲートスイッチの検出信号により遊技球の通過を検知し、普通図柄表示装置108の変動表示開始の契機を与える。
【0025】
普通図柄表示装置108の下方には、通常時は閉止状態であるが演出図柄表示装置104の3つの領域に表示された図柄が大当たり図柄となったときは、所定パターンで開放状態となって遊技球を入賞可能とする大入賞口115が設けられている。大入賞口115は、特別図柄表示装置106の停止図柄が特定の組み合わせとなったとき(すなわち、特賞となったとき)は、その後の特賞状態において、大入賞口115の全面に設置された開閉部材が開放および閉鎖の動作を行う。特賞状態の生起中は、開閉部材がほぼ水平に開き、多数の遊技球の入賞を受け付ける。大入賞口115は、遊技球が入賞すると、パチンコ機内部の大入賞口スイッチ132(不図示)の検出信号により入賞した遊技球数を計数し、入賞に伴って賞球を払い出す。大入賞口115の開放は、所定の時間(例えば、30秒)経過するか、所定数(大入賞口入賞規定数、例えば10個等)の遊技球が入賞するまで継続する。大入賞口115の一回の開放をラウンドと呼ぶ。ラウンドは、1R→2R→…と継続し、最大ラウンドまで継続する。
【0026】
大入賞口115の左右両側にはそれぞれ、遊技球を常時入賞可能とする左落し入賞口126および右落し入賞口127とが設けられており、大入賞口115の下方には、通常時は閉止状態であるが普通図柄表示装置108に表示された数字が特定の態様となったときは、所定パターンで開放状態となって遊技球を入賞可能とする普通電動役物112が設けられている。普通電動役物112は、遊技球が入賞すると、パチンコ機内部の入賞口スイッチの検出信号により遊技球の入賞を検知し、特別図柄表示装置106の変動表示開始の契機を与える。
【0027】
そして、普通電動役物112の下方であって遊技盤面102の最下方には、上記入賞口等のいずれにも入賞しなかった遊技球を回収するためのアウト口110が設けられている。
なお、以下、大当たりの終了後に大当たり抽選の当選確率が規定値となる遊技状態を「低確率状態」といい、大当たりの終了後に大当たり抽選の当選確率が低確率状態よりも高くなる遊技状態を「確率変動状態」という。また、特別図柄および演出図柄の変動時間が短縮する機能と、作動ゲート113、114の通過に伴って抽選される普通図柄の抽選確率を通常時の抽選確率と比較して高確率(例えば10倍)にするとともに普通電動役物112の開放時間を通常時の開放時間と比較して延長する(開放時間が長くなる)機能の2つの機能(以下、時短機能という。)が作動する遊技状態を「時短作動状態」といい、時短機能が未作動となる遊技状態を「時短未作動状態」という。
【0028】
次に、パチンコ機における遊技制御装置200の構成を説明する。
図2は、遊技制御装置200の構成を示すブロック図である。
遊技制御装置200は、
図2に示すように、主に、主制御装置210(主制御部)、演出制御装置150(演出制御部)、および図柄制御装置152(演出図柄表示制御部)の3つの制御部から構成される。不正行為防止等のため、通常、各制御部は別々の基板に実装され、直接・間接的に接続されて相互にまたは一方向にデータが送信可能である。
【0029】
主制御装置210は、始動入賞口111への入賞による遊技球の検出に基づいて内部で発生させた乱数に応じて制御コマンドの送信および遊技全体の制御を行い、また、特別図柄表示装置106を直接制御する。
演出制御装置150は、主制御装置210から送信される制御コマンド(第1の制御コマンド)に応じて図柄制御装置152を制御するための制御コマンド(第3の制御コマンド)を送信する。
【0030】
図柄制御装置152は、演出制御装置150から送信される制御コマンド(第3の制御コマンド)に応じて演出図柄表示装置104を制御する。
主制御装置210は、CPU220、ROM230、RAM240、入力ポート250および出力ポート255を備える。
出力ポート255は、特別図柄表示装置106への出力を行う特別図柄表示用出力ポートと、普通図柄表示装置108への出力を行う普通図柄表示用出力ポートと、特別図柄作動記憶表示灯116への出力を行う特別図柄作動記憶表示灯用ポートと、普通図柄作動記憶表示灯117への出力を行う普通図柄作動記憶表示灯用ポートと、演出制御装置150への出力を行う演出制御装置用コマンド出力ポート(図柄指定コマンドや変動パターンコマンド等の第1の制御コマンドを送信)と、賞球払出装置に対して賞球の払出制御を行う賞球払出制御装置156への出力を行う賞球払出用コマンド出力ポートと、大入賞口115を開閉させる大入賞口ソレノイド158への出力を行う大入賞口ソレノイド出力ポートと、遊技状態表示装置109への出力を行う遊技状態表示用出力ポートと、外部のホールコンピュータへの出力を行う外部情報出力ポート256とからなる。図柄指定コマンド(第1の制御コマンド)とは、演出図柄の停止図柄の組み合わせ態様(時短、確変1、確変2、確変3、小当たり)を指定するための制御コマンドであり、変動パターンコマンド(第1の制御コマンド)とは、演出図柄表示装置104に表示されるリーチ、はずれ、特賞等の画面変動の態様および演出時間を指定するための制御コマンドである。
【0031】
外部情報出力ポート256は、図示しないが、少なくとも第1信号生成手段である第1信号生成部と、第2信号生成手段である第2信号生成部とを備える。
第1信号生成部は、大当たり情報信号等のある状態を識別できるようにその状態中は出力されている信号を生成する。また、出力時間は、その状態等によって随時可変するものである。なお、確率変動状態が生起することを報知せずに確率変動状態を生起させる大当たり(確変大当たり)が決定された場合には、第1信号生成部は、確変大当たりであることを識別可能な大当たり信号を出力しない(大当たり信号出力禁止設定)ので、確率変動状態を非報知状態とすることができる。具体的には、大当たり中であることを示す大当たり信号は出力するが、大当たりの終了後に生起する確率変動中であることを示す確率変動中信号は出力しないように制御(通知禁止手段)している。
【0032】
第2信号生成部は、例えば、図柄確定回数情報信号等の状態の変化を検出して信号を生成する。また、出力時間は、その検出を知らせるものであるため、あらかじめ設定された期間(具体的には、検出のたびに248[ms]間出力し、出力された信号が連続しないように同一の間隔を設けて)出力されるものである。
主制御装置210は、入力ポート250を介して、始動入賞口スイッチ131、大入賞口スイッチ132、その他各種入賞口スイッチ133から検出信号を入力し処理する。
【0033】
主制御装置210は、出力ポート255を介して、特別図柄表示装置106、特別図柄作動記憶表示灯116、普通図柄表示装置108、普通図柄作動記憶表示灯117、大入賞口ソレノイド158、外部情報出力部および遊技状態表示装置109を制御する。なお、ここでの「制御」とは、例えば、主制御装置210が出力ポート255から特別図柄表示装置106に対して直接的に表示駆動に関わる制御信号を送ること(スタティック出力やダイナミック出力)により特別図柄を変動させる処理のことであり、例えば、CPU220からの信号(命令)を他のCPUによる判断なしで直接送ることや、割り込み等による時間遅れ(タイムラグ)なしで制御することが含まれる。
【0034】
主制御装置210は、演出制御装置150に演出制御コマンド(図柄指定コマンドや変動パターンコマンド等の第1の制御コマンド)を送信して演出制御装置150をコマンド送信により制御する。
ROM230には、主制御装置210で実行されるパチンコ機を制御するためのプログラムが記憶される。ROM230には、さらに、演出制御装置150を制御するための図柄指定コマンド、変動パターンコマンドを始めとするパチンコ機を制御するための各種パラメータの値が格納されている。
【0035】
RAM240は、主制御装置210に対する入出力データや演算処理のためのデータ、遊技に関連する乱数カウンタを始めとする各種カウンタ等を一時記憶し、および各保留球の情報を記憶する保留メモリを有する。
RAM240には、出力予定の制御コマンドを所定領域に格納し、電源断から復帰したときは、RAM240の内容を電源断前の状態に復元し、RAM240の出力予定の制御コマンドを出力することにより、電源断前の状態に遊技状態を復帰させる。
【0036】
主制御装置210には、電源供給を行うための電源回路212が接続されている。電源回路212は、主制御装置210全体(すなわち、主制御装置210に設けられた各IC等)に供給されていた電源ラインの電圧が所定の電圧値以下になったことを検出したときは、電源が遮断された旨を示す電源断検出信号をCPU220に出力する。電源断が検出された場合は、主制御装置210全体に供給されていた電源ラインから電源断に伴ってCPU220に直接つながる電源ライン(バックアップ電源につながる電源ライン)に切り換えられる(復帰情報保存手段)。バックアップ電源としては電源回路212に設けられたコンデンサでもよい。
【0037】
これにより、RAM240には、CPU220に直接つながる電源ラインから電源が供給されるので、情報を保持することができる。なお、RAM240およびバックアップ電源に代えて、フラッシュROM等のデータ書換可能な不揮発性の記憶素子を利用することもできる。
電源回路212は、主制御装置210、演出制御装置150、図柄制御装置152等に電源電圧を供給するためのものであり、電源回路212には、電源回路212を駆動させるための電源スイッチ(不図示)と、主制御装置210のRAMデータをクリア、すなわち、RAM240を初期化するためのRAMクリアスイッチ(不図示)が接続されている。また、主制御装置210、演出制御装置150、図柄制御装置152等に接続し、電源スイッチがオン操作されることにより、各装置に所定の電源電圧が供給され、RAMクリアスイッチの操作状態を示すRAMクリア信号が、電源回路212から主制御装置210に送信される。
【0038】
パチンコ機の電源をオフしたとき、すなわち、電源スイッチをオフ操作したときは、それまでに記憶しているRAM240のデータを保持するために、電源回路212から主制御装置210にRAM240用の電源電圧が供給される。電源回路212には、主制御装置210、演出制御装置150、図柄制御装置152等に電源電圧を供給する電源部と、この電源部の電源が遮断されたときに主制御装置210にRAM240用の電源電圧を供給するバックアップ電源部が設けられている。すなわち、通常時は、電源電圧の供給を受けている演出制御装置150や図柄制御装置152は、バックアップ電源を備えていないため、電源断時には、電源電圧の供給が主制御装置210のRAM240に切り換えられて電源電圧の供給が停止する。そのために記憶した演算結果や読み込んだ情報は消失するようになっている。
【0039】
電源投入時にRAMクリアスイッチがオン操作されると、その操作信号が電源回路212から主制御装置210に送信され、CPU220により検出され、RAM240に記憶されていたデータがクリアされて初期化される。ただし、RAMデータのクリアは、電源投入時にのみ行うことができるように設定されており、電源が投入されてパチンコ機が通常の動作をしているとき、例えば、遊技者が発射ハンドルを操作して遊技を行っているときは、RAMクリアスイッチの操作は受け付けないようになっている。
【0040】
演出制御装置150は、主制御装置210と同様に、CPU、ROM、RAM、入力ポートおよび出力ポートを備える。主制御装置210から送信される制御コマンド(図柄指定コマンド等の第1の制御コマンド)を受信し、その制御コマンドに従って、液晶表示制御コマンド(第3の制御コマンド)を生成し、図柄制御装置152に送信する。
演出制御装置150は、さらに、少なくとも2つのチャネルを有し各チャネルの合成音をスピーカ155から出力するシーケンサ160と、シーケンサ160によりスピーカ155から音声を出力する音声制御を行う音声制御部162と、ランプ153を点灯させるランプ制御を行うランプ制御部164とを備える。なお、音声制御部162およびランプ制御部164は、演出制御装置150において内部コマンドによるコマンド通信により制御されるものである。しかしながら、コマンド通信によらず直接的な制御でも実現可能でる。
【0041】
このように、演出制御装置150は、液晶表示、ランプ点灯、効果音の生成等の演出に関する制御を専門的に行うことにより、主制御装置210の処理負荷を軽減するのに役立っている。
図柄制御装置152は、演出制御装置150から送信される液晶表示制御コマンド(第3の制御コマンド)を受信し、その液晶表示制御コマンドに従って演出図柄表示装置104の演出図柄を変動・停止させ、または演出制御装置150により選択・送信された予告指定コマンドを受信して予告表示する機能を有する。
【0042】
次に、特別図柄および演出図柄の停止図柄の態様を説明する。
図3は、特別図柄の停止図柄の態様を示す図である。
パチンコ機においては、
図3に示すように、大当たりまたは小当たりの種別として、「時短大当たり」、「確変1大当たり(第1の確率変動状態)」、「確変2大当たり(第2の確率変動状態)」、「確変3大当たり(第3の確率変動状態)」および「小当たり」の5つが規定されている。各種別は、当たり種別番号「0」〜「4」により識別される。
【0043】
時短大当たりとなったときは、特別図柄表示装置106に時短図柄を停止させるとともに演出図柄表示装置104に時短図柄で演出図柄を停止させるように制御する。時短図柄は、例えば、演出図柄表示装置104においては、「222」、「444」、「666」といった偶数のぞろ目からなる組み合わせとなる。また、大当たり時における大入賞口115の最高開放回数、すなわちラウンドの最高継続回数が15回となり、大当たり後において時短作動状態となるとともに確率状態が低確率状態となるように制御する。
【0044】
確変1大当たりとなったときは、特別図柄表示装置106に確変1図柄を停止させるとともに演出図柄表示装置104に確変1図柄で演出図柄を停止させるように制御する。確変1図柄は、例えば、演出図柄表示装置104においては、「111」、「333」、「555」といった奇数のぞろ目からなる組み合わせとなる。また、ラウンドの最高継続回数が15回となり、大当たり時に確率変動状態である旨を報知し、大当たり後において時短作動状態となるとともに確率状態が確率変動状態となるように制御する。
【0045】
確変2大当たりとなったときは、特別図柄表示装置106に確変1図柄を停止させるとともに演出図柄表示装置104に確変2図柄で演出図柄を停止させるように制御する。また、ラウンドの最高継続回数が2回となり、大当たり時に確率変動状態である旨を報知せず、大当たり後において時短作動状態となるとともに確率状態が確率変動状態となるように制御する。
【0046】
確変3大当たりとなったときは、特別図柄表示装置106に確変1図柄を停止させるとともに演出図柄表示装置104に確変3図柄で演出図柄を停止させるように制御する。また、ラウンドの最高継続回数が2回となり、大当たり時に確率変動状態である旨を報知せず、大当たり時(大当たり発生を報知する図柄変動パターンが開始された時点)に時短未作動状態である場合は、大当たり後において時短未作動状態となるとともに確率状態が確率変動状態となるように制御し、大当たり時(大当たり発生を報知する図柄変動パターンが開始された時点)に時短作動状態である場合は、大当たり後において時短作動状態を継続させる(時短継続制御)とともに確率状態が確率変動状態となるように制御する。
【0047】
確変2大当たり、確変3大当たりは、ラウンドとラウンドの間の大入賞口閉鎖時間が他の大当たりの時間と同様であるが、1ラウンドの期間(開放時間)が通常の大当たりと比較して短くラウンドの最高継続回数も2回しかないので、遊技者に対しては、大当たりとならずに確率変動状態に突然移行したかのような意外性を与えることができる。さらに、遊技店にとっても当たり時の確率と稼働とのバランスが作りやすいものとなる。また、大入賞口115の開放時間が数ms程度であり、時短大当たり、確変1大当たりよりも極端に短い。
【0048】
小当たりとなったときは、特別図柄表示装置106に小当たり図柄を停止させるとともに演出図柄表示装置104に小当たり図柄で演出図柄を停止させるように制御する。確変3図柄および小当たり図柄は、演出図柄表示装置104においては、1または複数の特定の図柄の組み合わせからなり、両者を区別することができないようになっている。また、ラウンドの最高継続回数が1回となり、小当たり後において時短機能の作動・未作動および確率状態が変化しないように制御する。なお、確変2大当たり、確変3大当たりと小当たりにおける大入賞口115の開放時間、開放回数を同一にし、さらにその演出も同じ内容に制御することにより、大当たりと小当たりの区別を困難にさせて、新たな遊技の演出を作り出すこともできる。
【0049】
次に、主制御装置210から演出制御装置150に出力される制御コマンドの構造および内容を説明する。
図4は、制御コマンドのデータ構造を示す図である。
制御コマンドは、
図4に示すように、制御コマンドの分類を識別するための識別子で1バイト長のディジタルデータであるモード(MODE)と、実行される制御コマンドの内容(機能)を示す1バイト長のディジタルデータであるイベント(EVENT)とからなる。
【0050】
図5は、制御コマンドの入出力タイミングを示すタイミングチャートである。
主制御装置210では、
図5に示すように、コマンド変化時に自身が生成するストローブ信号(DUSTB)の1つ目の立ち上がりを契機として、モード(MODE)データが出力され、次いでストローブ信号(DUSTB)の2つ目の立ち上がりを契機として、イベント(EVENT)データが出力される。これに対応して、演出制御装置150では、CPUにより、ストローブ信号(DUSTB)の入力に応じて割込を発生させ、割込処理によって制御コマンドが演出制御装置150のRAMに格納される。
【0051】
図6は、主制御装置210から演出制御装置150に出力される制御コマンドの内容を示す図である。
制御コマンドには、
図6に示すように、はずれ演出図柄、時短図柄、確変1図柄、確変2図柄、確変3図柄および小当たり図柄のいずれかの態様を指定するための図柄指定コマンドがある。図柄指定コマンドは、特別図柄の変動開始時に出力される。そして、大当たりを生起させるか否かの大当たり抽選に用いる乱数(以下、当たり決定乱数という。)に基づく判定の結果、はずれの場合には、はずれ演出図柄指定が決定され、大当たりの場合には、時短図柄指定、確変1図柄指定、確変2図柄指定および確変3図柄指定のなかからいずれかが決定され、小当たりの場合には、小当たり図柄指定が決定される。なお、図柄指定は、表示する図柄を直接指定するものではなく、選択された当たり種別に対応する図柄態様を指定するものであり、図柄指定コマンドに代えて、選択された当たり種別の情報を当たり種別指定コマンドとして演出制御装置150に送信するようにしてもよい。また、二重チェックの意味で、図柄指定コマンドと当たり種別指定コマンドの両方を送信すれば、確実に図柄情報を確認することも可能になる。
【0052】
制御コマンドには、さらに、複数の基本変動パターンのうちいずれかを指定するための変動パターンコマンドがある。基本変動パターンは、複数の遊技状態のそれぞれに対応している。例えば、基本変動パターン5は、ノーマルリーチを表示した後にはずれとなる遊技状態に対応し、主制御装置210でそのような遊技状態が決定されたときは、基本変動パターン5を指定するための変動パターンコマンドが出力される。また、基本変動パターンは、演出図柄の具体的な変動パターンを決定するコマンドではなく、演出図柄の変動時間を規定するコマンドである。具体的な変動パターンは、基本変動パターンおよびリーチ図柄の態様によって決定される。変動パターンコマンドは、図柄指定コマンドとともに特別図柄の変動開始時に出力される。
【0053】
制御コマンドには、さらに、演出図柄の停止を指定するための図柄停止コマンドがある。図柄停止コマンドは、演出図柄の停止時に出力される。
次に、演出制御装置150から図柄制御装置152に出力される制御コマンドの構造および内容を説明する。
制御コマンドのデータ構造および入出力タイミングは、
図4および
図5に示すように、主制御基板210からの制御コマンドと同様である。
【0054】
図7は、演出制御装置150から図柄制御装置152に出力される制御コマンドの内容を示す図である。
制御コマンドには、さらに、
図7に示すように、通常変動および時短変動1〜3の各基本変動パターンに対応する共通の変動パターンをそれぞれ指定するための共通液晶表示制御コマンドと、ノーマルリーチおよびスーパーリーチの基本変動パターンごとに、その各基本変動パターンおよびリーチ図柄1〜8に対応する図柄別変動パターンをそれぞれ指定するための図柄別液晶表示制御コマンドとが規定されている。
【0055】
各リーチ図柄1〜8のそれぞれには、演出を実行する時間として同一時間(共通演出時間)が設定されているが、他のリーチ図柄とは異なる背景画像と、各背景画像に対応するそれぞれ異なるキャラクタが設定されており、あるリーチ図柄が選択された場合には、そのリーチ図柄に対応した背景画像およびキャラクタを表示するように制御する。すなわち、リーチ図柄の変更により、背景画像やそれに伴って表示されるキャラクタが変更され、遊技者が長時間遊技しても飽きることがなく、リーチ図柄ごとにそれぞれ独自の演出を楽しむことができるとともに、演出時間が同一であるために制御的にも簡易にすることができる。
【0056】
例えば、主制御基板210から基本変動パターン5を指定するための変動パターンコマンドが送信され、それに基づいて演出制御装置150でリーチ図柄1が決定されたときは、図柄別変動パターンA5を指定するための図柄別液晶表示制御コマンドが図柄制御装置152に出力される。その結果、演出図柄表示装置104に表示される背景画像およびキャラクタがリーチ図柄1に対応するものとなり、基本変動パターン5およびリーチ図柄1に対応する変動パターンで演出図柄が変動表示される。
【0057】
次に、ROM230のデータ構造を説明する。
図8は、変動パターン決定テーブル440のデータ構造を示す図である。
ROM230には、
図8に示すように、基本変動パターンを決定するのに用いる変動パターン決定テーブル440が格納されている。
変動パターン決定テーブル440は、大当たり、小当たりおよびはずれの抽選結果の態様に応じてそれぞれ設けられている。大当たりおよび小当たりに対応する変動パターン決定テーブル440については、さらに、現在の遊技状態(時短作動状態または時短未作動状態)、大当たりまたは小当たりの種別、入賞遊技球数(保留領域の記憶数)「0」〜「3」、およびリーチ抽選に用いる乱数(以下、リーチ決定乱数という。)の値に対応して複数設けられている。はずれに対応する変動パターン決定テーブル440ついては、現在の遊技状態、入賞遊技球数およびリーチ決定乱数の値に対応して複数設けられている。
【0058】
変動パターン決定テーブル440には、例えば、211個のレコードが登録されている。各レコードは、基本変動パターンを示す変動パターン番号を登録するフィールドを含んで構成されている。「0」〜「210」の数値範囲でいずれかの値を取り得る乱数(以下、変動パターン決定乱数という。)を取得し、取得した乱数値の順位のレコードから変動パターン番号を読み出し、読み出した変動パターン番号により特定される基本変動パターンに決定する。例えば、乱数値が「30」である場合は、30段目のレコードから変動パターン番号を取得する。
図8の例では、変動パターン決定テーブル440から「18」が読み出されるので、基本変動パターン18に決定される。
【0059】
なお、
図7に示す液晶表示制御コマンドは、この基本変動パターンに基づいて選択される。
次に、主制御装置210で実行される遊技制御処理を説明する。
CPU220は、マイクロプロセッシングユニット等からなり、所定の動作クロック(例えば、4[ms])で1サイクルを実行可能な遊技制御プログラムに基づいて動作し、ROM230の所定領域に格納されている遊技制御プログラムを起動させ、
図9のフローチャートに示す遊技制御処理を実行する。
【0060】
初めに、遊技制御処理を説明する。
図9は、遊技制御処理を示すフローチャートである。
遊技制御処理は、CPU220において実行されると、
図9に示すように、まず、ステップS100に移行する。
ステップS100では、CPU220の初期化処理を実行し、ステップS102に移行して、
図10の割込処理を実行すべき割込許可命令をCPU220に対して出力する。これにより、
図10の割込処理は、所定の周期(例えば、2[ms])で遊技制御処理と並列に実行される。
【0061】
次いで、ステップS104に移行して、演出に関わる演出制御用乱数(例えば、リーチ決定乱数、変動パターン決定乱数、表示する図柄の種類を決定するための乱数、予告演出乱数)を更新する乱数更新処理を実行し、ステップS106に移行する。
ステップS106では、遊技制御処理が実行されてから
図10の割込処理が所定回数(例えば、2回)実行されたか否かを判定し、割込処理が所定回数実行されたと判定したとき(Yes)は、ステップS108に移行して、大当たりの判定を行うとともに演出図柄の基本変動パターンを決定する大当たり判定処理を実行し、ステップS110に移行する。
【0062】
ステップS110に移行して、大入賞口115を所定パターンで開放させる電動役物制御処理を実行し、ステップS112に移行して、賞球払出制御装置156に対して払出し動作を行わせるための制御コマンドをRAM240の所定領域に格納する賞球払出管理処理を実行し、ステップS114に移行する。
ステップS114では、外部情報出力ポート256を介して、遊技制御に関する外部情報信号をホールコンピュータに出力する外部情報出力処理を実行し、ステップS116に移行する。
【0063】
ステップS116では、パチンコ機の検査に必要な遊技機検査信号を出力する遊技機検査信号出力処理を実行する。ステップS116では、遊技機検査信号を出力するが、遊技店に設置される場合、パチンコ機は、遊技機検査信号を受信する制御部を備えていない。これは、検査機関での検査時に必要とされる信号であるためである。場合によっては、ステップS116の処理は省略することもできる。
【0064】
次いで、ステップS118に移行して、演出制御装置用コマンド出力ポートを介して、RAM240に格納した制御コマンドを演出制御装置150に出力するポート出力処理を実行する。演出制御装置150に対しては、まず、ストローブ信号を出力し、モードおよびイベントからなる制御コマンドを出力する。これにより、演出制御装置150に制御コマンド(第1の制御コマンド)が出力される。また、特別図柄表示装置106、大入賞口ソレノイド158、遊技状態表示装置109等へも主制御装置210からの制御情報がそのまま出力される。
【0065】
次いで、ステップS120に移行して、電源回路212から電源断検出信号を入力したか否かを判定し、電源断検出信号を入力したと判定したとき(Yes)は、ステップS122に移行する。
ステップS122では、RAM240の内容を復元するために必要な復帰情報を生成し、生成した復帰情報をRAM240に格納し、CPU220を省電力モードに切り換えるバックアップ処理を実行する。バックアップ処理には、バックアップフラグを設定する処理およびチェックサムを行う処理が含まれる。
【0066】
一方、ステップS120で、電源断検出信号を入力しないと判定したとき(No)、およびステップS106で、遊技制御処理が実行されてから割込処理が所定回数実行されていないと判定したとき(No)はいずれも、ステップS104に移行する。
次に、割込処理を説明する。
図10は、割込処理を示すフローチャートである。
【0067】
割込処理は、CPU220において実行されると、
図10に示すように、まず、ステップS150に移行する。
ステップS150では、出玉の決定等に直接関わる出玉制御用乱数(例えば、当たり決定乱数、大当たり種別決定乱数、停止図柄決定乱数)を更新する乱数更新処理を実行する。また、ステップS104で更新される演出制御用乱数も併せて更新する。
【0068】
次いで、ステップS152に移行して、始動入賞口スイッチ131からの検出信号を入力して入賞をチェックする入賞スイッチ入力処理を実行し、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
次に、ステップS150の乱数更新処理を説明する。
図11は、乱数更新処理を示すフローチャートである。
【0069】
乱数更新処理は、CPU220において実行されると、
図11に示すように、まず、ステップS172に移行する。
ステップS172では、当たり決定乱数を更新し、ステップS174に移行して、当たり決定乱数が所定の上限値(例えば、398)に達したか否かを判定し、所定の上限値に達したと判定したとき(Yes)は、ステップS176に移行して、当たり決定乱数の初期値を更新するための当たり決定乱数用初期値更新乱数を当たり決定乱数に設定し、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
【0070】
一方、ステップS174で、当たり決定乱数が所定の上限値に達しないと判定したとき(No)は、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
これにより、当たり決定乱数が一巡するたびに初期値が変化するため、当たり決定乱数値を容易に予測することができない。
なお、図示は省略したが、大当たり種別決定乱数、停止図柄決定乱数その他の出玉制御用乱数を更新する処理もこれと同様にこの乱数更新処理にて行われる。
【0071】
次に、ステップS152の入賞スイッチ入力処理を説明する。
図12は、入賞スイッチ入力処理を示すフローチャートである。
入賞スイッチ入力処理は、ステップS152において実行されると、
図12に示すように、まず、ステップS200に移行する。
ステップS200では、始動入賞口スイッチ131からの検出信号を、始動入賞口スイッチ131に対応する入力ポート250の所定のポートから読み込む入力ポート読込処理を実行し、ステップS202に移行して、ステップS200の処理結果に基づいて、始動入賞口スイッチ131から検出信号を入力したか否かを判定し、検出信号を入力したと判定したとき(Yes)は、ステップS204に移行する。
【0072】
ステップS204では、始動入賞口111への入賞遊技球数が「4」以上であるか否かを判定し、入賞遊技球数が「4」未満であると判定したとき(No)は、ステップS206に移行して、入賞遊技球数に「1」を加算し、ステップS208に移行する。
ステップS208では、当たり決定乱数、大当たり種別決定乱数および停止図柄決定乱数を対応の乱数カウンタから取得し、ステップS210に移行して、取得した各乱数値を、入賞遊技球数に対応したRAM240の所定領域にそれぞれ格納し、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。ステップS210では、例えば、入賞遊技球数が「1」である場合は、取得した各乱数値を、RAM240の所定領域であって乱数値を格納するための領域の1番目にそれぞれ格納する。同様に、入賞遊技球数が「2」である場合は、取得した各乱数値を、乱数値を格納するための領域の2番目にそれぞれ格納する。
【0073】
一方、ステップS204で、入賞遊技球数が「4」以上であると判定したとき(Yes)、およびステップS202で、始動入賞口スイッチ131から検出信号を入力しないと判定したとき(No)はいずれも、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
次に、ステップS108の大当たり判定処理を説明する。なお、普通図柄表示装置108の判定処理については説明を省略する。
【0074】
図13は、大当たり判定処理を示すフローチャートである。
大当たり判定処理は、所定確率(例えば、1/399)で特賞状態を生起させるために、所定の数値範囲(例えば、「0」〜「398」)に1個の大当たり値を設定し、始動入賞口111に遊技球が入賞した入賞タイミングで乱数カウンタから当たり決定乱数を取得し、取得した乱数値と大当たり値とが一致しているときに特賞状態を生起させる処理であって、ステップS108において実行されると、
図13に示すように、まず、ステップS300に移行する。
【0075】
ステップS300では、演出図柄表示装置104において演出図柄が変動中か否かを判定し、演出図柄が変動中でないと判定したとき(No)は、ステップS302に移行して、入賞遊技球数が「1」以上であるか否かを判定し、入賞遊技球数が「1」以上であると判定したとき(Yes)は、ステップS306に移行する。
ステップS306では、入賞遊技球数に対応したRAM240の所定領域から当たり決定乱数を読み出し、ステップS308に移行して、読み出した乱数値が大当たり値と一致しているか否かを判定し、それらが一致していると判定したとき(Yes)は、ステップS310に移行する。
【0076】
ステップS310では、大当たりの種別を決定する大当たり種別決定処理を実行する。大当たり種別決定処理では、複数の当たり種別番号を登録した大当たり種別決定テーブルを設定しておき、入賞遊技球数に対応したRAM240の所定領域から大当たり種別決定乱数を読み出し、読み出した乱数値の順位の当たり種別番号を当たり種別決定テーブルから読み出すことにより大当たりの種別を決定する。これにより、時短大当たり、確変1大当たり、確変2大当たりおよび確変3大当たりの種別が決定される。
【0077】
次いで、ステップS312に移行して、大当たりまたは小当たり時に停止させる特別図柄および演出図柄の組み合わせを決定する当たり時停止図柄決定処理を実行する。当たり時停止図柄決定処理では、例えば、演出図柄の停止図柄の組み合わせを示す停止図柄番号を複数登録した停止図柄決定テーブルを各当たり種別番号ごとにROM230に設定しておき、ステップS310、S328で決定または設定した当たり種別番号に対応する停止図柄決定テーブルを読み出す。そして、入賞遊技球数に対応したRAM240の所定領域から停止図柄決定乱数を読み出し、読み出した乱数値の順位の停止図柄番号を停止図柄決定テーブルから読み出し、読み出した停止図柄番号に基づいて図柄指定コマンド(第1の制御コマンド)をRAM240の所定領域に格納する。これにより、ステップS118のポート出力処理では、出力ポート255を介して図柄指定コマンドが演出制御装置150に送信される。
【0078】
特別図柄の停止図柄の組み合わせは、特定図柄の左側の数値および特別図柄の右側の数値を対応付けて複数登録した特別図柄決定テーブルに基づいて、演出図柄の場合と同様の処理により決定する。ただし、特別図柄は、演出図柄に決定に先立って決定される。すなわち、特別図柄を決定した後に、これに対応させて演出図柄を決定する。そのため、いずれも同一の停止図柄決定乱数値に基づいて停止図柄の組み合わせを決定する。特別図柄については、特別図柄の停止図柄の組み合わせを指定するための指令情報をRAM240の所定領域に格納する。これにより、ステップS118のポート出力処理では、出力ポート255を介して特別図柄表示装置106に指令情報が直接送信される。
【0079】
次いで、ステップS314に移行して、大当たりまたは小当たり時に変動表示する演出図柄の基本変動パターンを決定する当たり時変動パターン決定処理を実行する。当たり時変動パターン決定処理では、リーチ決定乱数を乱数カウンタから取得し、現在の遊技状態、ステップS310、S328で決定または設定した当たり種別番号、入賞遊技球数および取得したリーチ決定乱数の値に対応する変動パターン決定テーブル440を読み出す。そして、変動パターン決定乱数を乱数カウンタから取得し、取得した乱数値の順位の変動パターン番号を変動パターン決定テーブル440から読み出し、読み出した変動パターン番号に対応する変動パターンコマンドをRAM240の所定領域に格納する。これにより、ステップS118のポート出力処理では、出力ポート255を介して変動パターンコマンド(第1の制御コマンド)が演出制御装置150に送信される。
【0080】
次いで、ステップS316に移行して、大当たりまたは小当たりの場合は、大入賞口115の開放回数および開放時間を設定する。具体的には、
図3を参照し、当たり種別番号が「0」または「1」であるときは、ラウンド最高継続回数を開放回数に設定し、大入賞口115の開放時間を約30秒に設定する。また、当たり種別番号が「2」〜「4」であるときは、ラウンド最高継続回数を開放回数に設定し、大入賞口115の開放時間を約0.5秒に設定する。また、大当たり、小当たりおよびはずれにかかわらず、演出図柄の変動時間を設定する。演出図柄の変動時間は、ステップS314、S326で決定した変動パターン番号に基づいて決定する。
【0081】
次いで、ステップS318に移行して、演出図柄表示装置104において演出図柄の変動を開始するための制御コマンドをRAM240の所定領域に格納する図柄変動開始処理を実行し、ステップS320に移行して、入賞遊技球数から「1」を減算し、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
一方、ステップS308で、読み出した乱数値が大当たり値と一致しないと判定したとき(No)は、ステップS322に移行して、ステップS306で読み出した乱数値があらかじめ設定した小当たり値と一致しているか否かを判定し、それらが一致しないと判定したとき(No)は、ステップS324に移行する。ステップS308、S322では、一つの乱数で大当たりの判定および小当たりの判定を行う。例えば、当たり決定乱数の値が「7」の場合は大当たり、「11」の場合は小当たりと判定する。これにより、それぞれ別個の乱数を設ける場合に比して、データ容量が少なくて済み、乱数更新処理も簡素となる。
【0082】
ステップS324では、はずれ時に停止させる演出図柄の組み合わせを決定するはずれ時停止図柄決定処理を実行する。はずれ時停止図柄決定処理は、ステップS312と同様に構成される。この決定により、演出図柄表示装置104で表示される具体的なはずれ演出図柄の組み合わせを指定するのではなく、大当たり抽選の結果がはずれであるという旨の結果だけを指定するためのコマンドであるはずれ演出図柄指定コマンドが演出制御装置150を介して図柄制御装置152に送信される。図柄制御装置152は、はずれ演出図柄指定コマンドを入力したときは、はずれになる演出図柄の組み合わせを決定し、その内容を演出図柄表示装置104に表示する。
【0083】
次いで、ステップS326に移行して、はずれ時に変動表示する演出図柄の基本変動パターンを決定するはずれ時変動パターン決定処理を実行する。はずれ時変動パターン決定処理は、ステップS314と同様に構成される。ただし、変動パターン決定テーブル440は、現在の遊技状態、入賞遊技球数およびリーチ決定乱数の値に対応するものを読み出す。ここで、スーパーリーチはずれ(特定態様演出)の実行の有無が決定される。
【0084】
ステップS326の処理が終了すると、ステップS316に移行する。
一方、ステップS322で、読み出した乱数値が小当たり値と一致していると判定したとき(Yes)は、ステップS328に移行して、当たり種別番号を小当たりを示す「4」に設定し、ステップS312に移行する。つまり、小当たり決定時には、入賞遊技球数に対応したRAM240の所定領域に格納した大当たり種別決定乱数を読み出すことなく、あらかじめ設定された固定値である当たり種別番号「4」を設定するものである。
【0085】
一方、ステップS302で、入賞遊技球数が「0」であると判定したとき(No)、およびステップS300で、演出図柄表示装置104において演出図柄が変動中であると判定したとき(Yes)はいずれも、ステップS330に移行する。
ステップS330では、演出図柄の変動を開始してから所定時間が経過したか否かを判定し、所定時間が経過したと判定したとき(Yes)は、ステップS332に移行して、図柄停止コマンドをRAM240の所定領域に格納する図柄停止処理を実行し、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
【0086】
一方、ステップS330で、演出図柄の変動を開始してから所定時間が経過しないと判定したとき(No)は、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
次に、演出制御装置150のROMのデータ構造を説明する。
図14は、図柄番号選択テーブル442のデータ構造を示す図である。
演出制御装置150のROMには、
図14に示すように、各リーチ図柄1〜8ごとに図柄番号選択テーブル442が格納されている。
【0087】
各図柄番号選択テーブル442は、前回のスーパーリーチはずれ(はずれ時に選択されるスーパーリーチ)時に決定したリーチ図柄の態様とは異なる別の態様を今回のリーチ図柄の態様として決定するためのものである。
各図柄番号選択テーブル442には、前回決定したリーチ図柄の図柄番号以外の図柄番号が図柄種別決定乱数の数値範囲と対応付けられて登録されている。すなわち、前回決定したリーチ図柄の図柄番号に対応する図柄番号選択テーブル442が選択され、選択された図柄番号選択テーブル442には今回の選択対象からは除外されるように前回決定したリーチ図柄の図柄番号を未登録とし、前回決定したリーチ図柄とは異なる別のリーチ図柄の図柄番号が必ず選択されるように設定されている。
【0088】
図14の例では、前回決定したリーチ図柄の図柄番号が「1」であるので、図柄番号「1」用の図柄番号選択テーブル442が選択され、今回のリーチ図柄の図柄番号として、前回の「1」は除外されるように未登録となっており、それ以外の別のリーチ図柄の図柄番号である「2」〜「8」が登録されている。
リーチ図柄の図柄番号は、図柄種別決定乱数の値に基づいて決定する。
図14の図柄番号選択テーブル442において各要素の数値は、図柄種別決定乱数の値を示す。図柄種別決定乱数は、「0」〜「255」の数値範囲でいずれかの値を取り得る。例えば、図柄種別決定乱数の値が「0」〜「40」である場合はリーチ図柄の図柄番号として「2」が、図柄種別決定乱数の値が「41」〜「75」である場合はリーチ図柄の図柄番号として「3」が決定される。
【0089】
図15は、アドレス登録テーブル444のデータ構造を示す図である。
演出制御装置150のROMには、さらに、
図15に示すように、各図柄番号選択テーブル442へのアドレスを登録したアドレス登録テーブル444が格納されている。これは、スーパーリーチはずれが選択された場合に、前回のスーパーリーチはずれ時に決定したリーチ図柄の態様とは異なる別の態様を今回のリーチ図柄の態様として決定するために、記憶したリーチ図柄情報の種類(図柄番号別)ごとに図柄番号選択テーブル442へのアドレスを登録するものである。
【0090】
次に、演出制御装置150で実行される演出制御処理を説明する。
演出制御装置150のCPUは、ROMの所定領域に格納されている制御プログラムを起動させ、
図16のフローチャートに示す演出制御処理を実行する。
図16は、演出制御処理を示すフローチャートである。
演出制御処理は、演出制御装置150のCPUにおいて実行されると、
図16に示すように、まず、ステップS400に移行する。
【0091】
ステップS400では、変動パターンコマンドを受信したか否かを判定し、変動パターンコマンドを受信したと判定したとき(Yes)は、ステップS402に移行する。
ステップS402では、受信した変動パターンコマンドが、スーパーリーチはずれに対応する基本変動パターンを指定するための変動パターンコマンドであるか否かを判定し(特定態様判定手段)、スーパーリーチはずれに対応する基本変動パターンを指定するための変動パターンコマンドであると判定したとき(Yes)は、ステップS404に移行する。
【0092】
ステップS404では、前回のスーパーリーチはずれ時に決定したリーチ図柄の図柄番号を示すリーチ図柄情報を演出制御装置150のRAMから読み出し、ステップS406に移行して、アドレス登録テーブル444および読み出したリーチ図柄情報に基づいて、前回のスーパーリーチはずれ時に決定したリーチ図柄に対応する図柄番号選択テーブル442を選択し(同一態様連続禁止手段)、ステップS408に移行する。なお、電源投入時は、前回決定したリーチ図柄の図柄番号を示すリーチ図柄情報が存在しないので、所定のリーチ図柄情報を初期値として設定しておく。なお、電源投入時に初期値を参考にリーチ図柄を決定する場合とは別に、
図15のアドレス登録テーブル444に電源投入時用の図柄番号選択テーブルを追加するようにしてもよい。電源投入時用の図柄番号選択テーブルは、他の図柄番号選択テーブル442の構成とは異なり、すべてのリーチ図柄(図柄番号)が選択されるように図柄種別決定乱数の数値範囲をリーチ図柄(図柄番号)のすべてに対応付けて設定し、電源投入後の最初のスーパーリーチはずれにおいて選択されるように制御する。その結果、電源投入時に初期値に対応した図柄番号も選択されるようになり、さらに遊技の趣向を向上することができる。
【0093】
ステップS408では、選択した図柄番号選択テーブル442のなかから図柄種別決定乱数の値に対応する図柄番号を読み出すことによりリーチ図柄の図柄番号を決定し(特定態様演出決定手段)、ステップS410に移行して、決定したリーチ図柄の図柄番号を示すリーチ図柄情報を演出制御装置150のRAMに格納し(態様決定情報記憶手段)、ステップS412に移行する。
【0094】
ステップS412では、ステップS408で決定したリーチ図柄の図柄番号に対応する変動パターンを指定するための液晶表示制御コマンドを、演出制御装置150のRAMのうち図柄制御装置152に送信する制御コマンドを格納するための液晶コマンド送信バッファに格納し、ステップS414に移行して、液晶コマンド送信バッファに格納されている液晶表示制御コマンドを図柄制御装置152に送信し、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
【0095】
一方、ステップS402で、受信した変動パターンコマンドが、スーパーリーチはずれに対応する基本変動パターンを指定するための変動パターンコマンドでないと判定したとき(No)は、ステップS416に移行する。
ステップS416では、受信した変動パターンコマンドが、その他のリーチ(ノーマルリーチはずれ、ノーマルリーチあたりおよびスーパーリーチあたり)に対応する基本変動パターンを指定するための変動パターンコマンドであるか否かを判定し、その他のリーチに対応する基本変動パターンを指定するための変動パターンコマンドであると判定したとき(Yes)は、ステップS418に移行する。
【0096】
ステップS418では、受信した変動パターンコマンドおよび図柄種別決定乱数の値に基づいてリーチ図柄の図柄番号を決定する。この場合も、ステップS408と同様に、変動パターンコマンドごとに図柄番号選択テーブルを演出制御装置150のROMに記憶しておき、受信した変動パターンコマンドに対応する図柄番号選択テーブルを選択し、選択した図柄番号選択テーブルのなかから図柄種別決定乱数の値に対応する図柄番号を読み出すことによりリーチ図柄の図柄番号を決定する。ここで、1つの図柄番号選択テーブルには、すべてのリーチ図柄の図柄番号が登録されている点がステップS408の処理とは異なる。これにより、任意の図柄番号が所定の選択比率で選択される。すなわち、大当たり抽選の結果がはずれであれば、同じリーチ図柄が連続しないように制御されているが、大当たり抽選の結果が当たりの場合には、すべての図柄番号を選択対象としているので、同じリーチ図柄が連続して選択されたとき(同じ背景画像およびキャラクタが演出図柄表示装置104に表示されたとき)には当たりである旨を遊技者に知らせることができ、さらに遊技の趣向を向上することができる。ただし、確変1大当たり、確変2大当たりおよび確変3大当たり時に選択されるリーチに対応する図柄番号選択テーブルには、偶数の図柄番号が選択されないように奇数の図柄番号のみが登録されている。
【0097】
次いで、ステップS420に移行して、ステップS418で決定したリーチ図柄の図柄番号に対応する変動パターンを指定するための液晶表示制御コマンドを液晶コマンド送信バッファに格納し、ステップS414に移行する。
一方、ステップS416で、受信した変動パターンコマンドがその他のリーチに対応する基本変動パターンを指定するための変動パターンコマンドでないと判定したとき(No)は、ステップS421に移行して、ステップS408、S418と同様に、図柄種別決定乱数の値に基づいて、左端の演出図柄を停止させたときの左停止図柄(第1停止図柄)の図柄番号を決定する。その後は、リーチではないため、図柄制御装置152において、決定した図柄番号の左停止図柄を含むはずれ図柄となるように表示制御が行われる。
【0098】
次いで、ステップS422に移行して、ステップS421で決定した左停止図柄の図柄番号に対応する変動パターンを指定するための液晶表示制御コマンドを液晶コマンド送信バッファに格納し、ステップS414に移行する。
一方、ステップS400で、変動パターンコマンドを受信しないと判定したとき(No)は、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
【0099】
次に、本実施の形態の動作を説明する。
まず、パチンコ機に電源が投入されると、主制御装置210により、遊技制御処理が実行され、遊技可能な状態となる。遊技者は、貸し出しを受けた遊技球をパチンコ機に装填し、発射ハンドルを操作して遊技球を遊技盤面102に発射することにより遊技を行うことができる。
【0100】
遊技可能状態において、遊技盤面102に発射された遊技球が始動入賞口111に入賞すると、始動入賞口スイッチ131により検出信号が出力される。主制御装置210では、始動入賞口スイッチ131から検出信号が入力されると、ほぼそのタイミングで当たり決定乱数が取得される。このとき、取得された乱数値が大当たり値と一致していると判定されると、大当たりとなる。
【0101】
大当たりとなると、ステップS310〜S314を経て、大当たりの種別、特別図柄および演出図柄の停止図柄の組み合わせ、並びに大当たり時の基本変動パターンが決定される。そして、所定の変動パターンで演出図柄が変動表示され、所定の変動時間経過後に、決定された組み合わせで停止する。演出図柄の停止後は、時短大当たり、確変1大当たり、確変2大当たりおよび確変3大当たりのいずれかが生起する。
【0102】
一方、取得された乱数値が大当たり値とは一致しないが小当たり値と一致していると判定されると、小当たりとなる。
小当たりとなると、ステップS328、S312、S314を経て、特別図柄および演出図柄の停止図柄の組み合わせ、並びに小当たり時の基本変動パターンが決定される。そして、所定の変動パターンで演出図柄が変動表示され、所定の変動時間経過後に、決定された組み合わせで停止する。演出図柄の停止後は、小当たりが生起する。
【0103】
大当たりまたは小当たり中は、大入賞口115が所定の開閉パターンで開放制御され、大入賞口115に遊技球が入賞すると、1個当たりの入賞につき所定数の賞球が払い出される。
また、始動入賞口111に遊技球が入賞すると、主制御装置210では、ステップS314、S118またはステップS326、S118を経て、変動パターンコマンドが演出制御装置150に送信される。
【0104】
演出制御装置150では、変動パターンコマンドを受信すると、ステップS402を経て、受信した変動パターンコマンドがスーパーリーチはずれの変動パターンコマンドであるか否かが判定される。その結果、スーパーリーチはずれの変動パターンコマンドであると判定されると、ステップS404〜S410を経て、リーチ図柄の図柄番号が決定され、決定された図柄番号を示すリーチ図柄情報が格納される。そして、ステップS412、S414を経て、決定された図柄番号に対応する変動パターンを指定するための液晶表示制御コマンドが図柄制御装置152に送信される。
【0105】
図柄変動装置152では、液晶表示制御コマンドを受信すると、受信した液晶表示制御コマンドに基づいて、決定されたリーチ図柄の態様で演出図柄の一部を停止させるとともにそのリーチ図柄の態様に対応する背景画像およびキャラクタにより変動演出が行われる。したがって、遊技者に対して、リーチ図柄と変動演出の内容を関連させて印象付けることができる。
【0106】
演出制御装置150では、次回以降の始動入賞口111への入賞を契機として、スーパーリーチはずれの変動パターンコマンドを再び受信すると、ステップS40〜S414を経て、前回のスーパーリーチはずれ時に決定されたリーチ図柄の図柄番号以外の図柄番号が決定され、決定された図柄番号に対応する変動パターンを指定するための液晶表示制御コマンドが図柄制御装置152に送信される。
【0107】
図柄変動装置152では、液晶表示制御コマンドを受信すると、受信した液晶表示制御コマンドに基づいて、前回決定されたリーチ図柄の態様とは異なる別の態様で演出図柄の一部を停止させるとともにそのリーチ図柄の態様に対応する背景画像およびキャラクタにより変動演出が行われる。したがって、スーパーリーチはずれが連続または断続的に続いても、同一内容の変動演出が行われることを防止することができる。
【0108】
このようにして、本実施の形態では、演出制御装置150は、主制御装置210で決定した基本変動パターンが特定の基本変動パターンであるときは、基本変動パターンが前回特定の基本変動パターンであったときに決定したリーチ図柄の態様とは異なる別を決定し、図柄制御装置152は、演出制御装置150で決定したリーチ図柄の態様に対応する変動演出を行う。
【0109】
これにより、基本変動パターンが特定の基本変動パターンであるときは、変動図柄の一部を停止させ、そのリーチ図柄の態様に対応する変動演出が行われるので、遊技者に対して、リーチ図柄と変動演出の内容を関連させて印象付けることができる。また、特定の基本変動パターンと特定の基本変動パターンの間にそれ以外の基本変動パターンによる変動が行われても、基本変動パターンが前回特定の基本変動パターンであったときに決定されたリーチ図柄の態様とは異なる別の態様が決定されるので、同一内容の変動演出が行われることを防止することができる。したがって、従来に比して、遊技の趣向を向上することができる。
【0110】
さらに、本実施の形態では、演出制御装置150は、主制御装置210で決定した基本変動パターンがスーパーリーチはずれの基本変動パターンであるときは、前回のスーパーリーチはずれ時に決定したリーチ図柄の態様とは異なる別の態様を決定する。
これにより、図柄変動後に大当たりまたは小当たりが生起せず、通常状態が継続する場合に、同一内容の変動演出が行われることを防止することができる。
【0111】
上記実施の形態において、演出図柄表示装置104は、請求項1記載の図柄表示手段に対応し、図柄制御装置152は、請求項1記載の特定変動演出手段に対応し、ステップS306、S308は、請求項1または2記載の抽選手段に対応し、ステップS318は、請求項1記載の図柄変動手段に対応している。また、ステップS314、S326は、請求項1または2記載の変動パターン決定手段に対応し、ステップS402〜S410は、請求項1記載の停止図柄決定手段に対応し、図柄番号選択テーブル442は、請求項1記載の停止図柄選択テーブルに対応している。
【0112】
また、上記実施の形態において、ステップS402は、請求項1記載の特定変動パターン判定手段に対応し、ステップS406は、請求項1記載のテーブル選択手段に対応し、ステップS408は、請求項1記載の図柄態様決定手段に対応している。
なお、上記実施の形態においては、主制御装置210で決定した基本変動パターンがスーパーリーチはずれの基本変動パターンであるときは、前回のスーパーリーチはずれ時に決定したリーチ図柄の態様とは異なる別の態様を決定するように構成したが、これに限らず、ノーマルリーチはずれ、ノーマルリーチあたり、スーパーリーチあたりその他特別な演出状態についても同様に適用することができる。
【0113】
また、上記実施の形態においては、特賞状態として小当たりを設けて構成したが、これに限らず、小当たりを設けなくてもよい。
また、上記実施の形態においては、演出制御装置150および図柄制御装置152を別々の基板に実装して構成したが、これに限らず、これらを同一の基板に実装して構成することもできる。
【0114】
また、上記実施の形態において、
図9ないし
図13のフローチャートに示す遊技制御処理を実行するにあたってはいずれも、ROM230にあらかじめ格納されている遊技制御プログラムを実行する場合について説明したが、これに限らず、これらの手順を示したプログラムが記憶された記憶媒体から、そのプログラムをRAM240に読み込んで実行するようにしてもよい。
図16のフローチャートに示す処理についても同様である。
【0115】
ここで、記憶媒体とは、RAM、ROM等の半導体記憶媒体、FD、HD等の磁気記憶型記憶媒体、CD、CDV、LD、DVD等の光学的読取方式記憶媒体、MO等の磁気記憶型/光学的読取方式記憶媒体であって、電子的、磁気的、光学的等の読み取り方法のいかんにかかわらず、コンピュータで読み取り可能な記憶媒体であれば、あらゆる記憶媒体を含むものである。
【0116】
また、上記実施の形態においては、パチンコ機である遊技機に本発明を適用した場合について説明したが、これに限らず、本発明の主旨を逸脱しない範囲で他のアミューズメントゲーム機等の遊技機にも適用可能である。