(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記交差部材の少なくとも1つは、少なくとも1つの前記ハードディスク・ドライブに対する少なくとも1つのガイドを含むことを特徴とする請求項4に記載のデータ記憶装置モジュール。
少なくとも1つの前記交差部材は、前記2つ以上の少なくとも1つのバックプレーン上にある2つの隣接するハードディスク・ドライブの間に少なくとも部分的に位置する1つ以上の開口部を含み、前記1つ以上の開口部は、交差部材の前方から後方に空気が通過できるように構成されることを特徴とする請求項4に記載のデータ記憶装置モジュール。
少なくとも1つの前記ハードディスク・ドライブに接続された1つ以上のガイド・レールをさらに含み、前記ガイド・レールは、少なくとも1つの前記交差部材の少なくとも1つのガイドに接続されるように構成され、前記少なくとも1つのガイド・レールは、前記ハードディスク・ドライブを少なくとも部分的に外部の振動負荷から隔離するように構成されることを特徴とする請求項4に記載のデータ記憶装置モジュール。
前記2つ以上のハードディスク・ドライブの少なくとも1つは、取付け高さが、前記少なくとも1つのハードディスク・ドライブの最大寸法になるように前記少なくとも1つのバックプレーンに取り付けられることを特徴とする請求項1に記載のデータ記憶装置モジュール。
前記1つ以上の大容量記憶装置デバイスの少なくとも1つは、ハードディスク・ドライブであり、前記1つ以上のデータ制御モジュールは前記ハードディスク・ドライブの少なくとも1つをスタンドバイ状態にする、またはオフの状態にし、前記ハードディスク・ドライブに保存されているデータにアクセスするためにスタンドバイまたはオフの状態から起動するように構成されることを特徴とする請求項9に記載のシステム。
前記1つ以上のデータ記憶装置モジュールの少なくとも1つは前記シャーシに接続される少なくとも2つのバックプレーンを含み、前記2つのバックプレーンの少なくとも第1の前記バックプレーンは前記データ制御モジュールに接続され、前記少なくとも2つのバックプレーンの少なくとも第2のバックプレーンは、データ通信のために前記第1のバックプレーンにチェーン接続されることを特徴とする請求項9に記載のシステム。
前記データ制御モジュールと少なくとも前記1つのデータ記憶装置モジュールとの間に少なくとも1つのマルチ・チャンネル接続をさらに含み、前記マルチ・チャンネル接続は、
前記データ制御モジュールと第1の前記バックプレーン上の少なくとも第1のハードディスク・ドライブとの第1のチャンネルの接続と、
前記データ制御モジュールと前記第1の前記バックプレーン上の少なくとも第2のハードディスク・ドライブとの第2のチャンネルの接続と、を含むことを特徴とする請求項11に記載のシステム。
前記少なくとも1つのバックプレーンは、概水平方向であり、前記1つ以上の大容量記憶装置デバイスは、前記少なくとも1つのバックプレーンに概垂直に接続されることを特徴とする請求項9に記載のシステム。
【発明を実施するための形態】
【0009】
コンピュータ・システム、およびコンピューティング・オペレーションを行うためのシステムと方法の様々な実施形態を開示する。ある実施形態では、データを保存するためのシステムには、ラック、ラックに接続された1つ以上のデータ記憶装置モジュール、およびラックに接続された1つ以上のデータ制御モジュールが含まれる。データ記憶装置モジュールには、シャーシ、シャーシに接続された2つ以上のバックプレーン、およびバックプレーンに接続された1つ以上の大容量記憶装置デバイス(例、ハードディスク・ドライブ)が含まれる。データ制御モジュールは、データ記憶装置モジュールにある大容量記憶装置デバイスにアクセスできる。
【0010】
ある実施形態では、データ記憶装置モジュールには、シャーシ、概水平方向にシャーシに接続された2つ以上のバックプレーン、バックプレーンのそれぞれに接続された2つ以上のハードディスク・ドライブ、およびバックプレーンの下にある1つ以上の通気道が含まれる。この通気道には、空気入口と空気出口が含まれる。この通気道によって、空気入口から空気出口に空気が移動できるようになり、少なくとも1つの大容量記憶装置デバイスからの熱を除去することができる。
【0011】
ある実施形態では、データ記憶装置の配備には、共通のシャーシに接続された2つ以上のバックプレーンに大容量記憶装置デバイスを配備することが含まれる。大容量記憶装置デバイスの中には電源を切る、またはスタンドバイ状態になるものがある。1つ以上の大容量記憶装置デバイスの1つにあるデータにアクセスする必要がある場合は、その大容量記憶装置デバイスの電源を入れる、またはスタンドバイ状態を解除する。
【0012】
本明細書では、「空気処理システム(“air handling system”)」は、1つ以上のシステムまたは構成要素に空気を送り込む、移動する、または1つ以上のシステムまたは構成要素から空気を除去する、システムを意味する。
【0013】
本明細書では、「空気移動装置(“air moving device”)」には、空気を移動できるデバイス、要素、システム、またはこれらを組み合わせたものを含む。空気移動装置の例としては、ファン、ブローワ、および圧縮空気システムがある。
【0014】
本明細書では、「アイル(“aisle”)」は、1つ以上の要素、デバイス、またはラックに隣接する空間を意味する。
【0015】
本明細書では、「バックプレーン(“backplane”)」は、大容量記憶装置デバイス、回路基板などの電子部品を取り付け可能なプレートやボードを意味する。ある実施形態では、ハードディスク・ドライブはバックプレーンの面に対して概垂直方向に差し込むことができる。ある実施形態では、バックプレーンには、バックプレーンの構成要素に電力を送ることができる1つ以上の電源バス、およびバックプレーンに取り付けられている構成要素にデータを送信、構成要素からデータを送信できる1つ以上のデータ・バスを含む。
【0016】
本明細書では、「周囲(“ambient”)」とは、システムまたは施設に対して、少なくともその一部の周囲の空気を意味する。例えば、データ・センターに関して、周囲空気はデータ・センター外部の空気であってもよく、例えば、データ・センターの空気処理システムの吸気フードまたはその近くの空気であってもよい。
【0017】
本明細書では、「ケーブル(“cable”)」には、1つ以上の導線を支持し、少なくともその全長の一部に柔軟性があるケーブル、導管、またはラインを含む。ケーブルには、その1つ以上の終端にプラグなどの接続部を含む場合がある。
【0018】
本明細書では、「回路基板(“circuit board”)」は、回路基板上または回路基板に接続されている構成要素から電気、データ、または信号を送る1つ以上の導電体を含むボードまたはプレートを意味する。ある実施形態では、回路基板は1つ以上の導電層を有するエポキシ・ガラス製のボードである。しかし、回路基板は適切な材料を組み合わせたものであってもよい。
【0019】
本明細書では、「シャーシ(“chassis”)」は、他の要素を支持する構造または要素、または他の要素を取り付けられるものを意味する。シャーシは、フレーム、シート、プレート、ボックス、チャンネル、またはこれらを組み合わせたものなど、あらゆる形状または構造であってもよい。ある実施形態では、シャーシは、1つ以上のシート状金属部品から成る。コンピュータ・システム用のシャーシは、回路基板アセンブリ、電源ユニット、データ記憶装置デバイス、ファン、ケーブル、およびコンピュータ・システムの他の構成要素を支持してもよい。
【0020】
本明細書では、「コンピューティング(“computing”)」には、計算、データ記憶、データ取り出し、または通信などコンピュータが行うことができるオペレーションが含まれる。
【0021】
本明細書では、「コンピュータ・システム(“computer system”)」には、様々なコンピュータ・システムまたはその構成要素が含まれる。コンピュータ・システムの例としては、ラック・マウント方式サーバーがある。本明細書では、コンピュータという用語は、コンピュータとして先行技術で言及される集積回路だけでなく、プロセッサ、サーバー、マイクロ・コントローラ、マイクロ・コンピュータ、プログラマブル・ロジック・コントローラ(PLC)、アプリケーション固有の集積回路、および他のプログラマブル回路を広く意味し、本明細書では、こうした用語は相互に置き換え可能に使用される。様々な実施形態では、以下に制限されるものではないが、メモリにはランダム・アクセス・メモリ(RAM)などのコンピュータで読み取り可能な媒体が含まれる。または、コンパクト・ディスク−リード・オンリー・メモリ(CD−ROM)、光磁気ディスク(MOD)、および/またはデジタル・バーサタイル・ディスク(DVD)を使用してもよい。また、追加の入力チャンネルとして、マウスやキーボードなどオペレータのインタフェースに関連するコンピュータ周辺機器を含む場合がある。また、例えば、スキャナなどを含む周辺機器を使用してもよい。さらに、実施形態によっては、追加の出力チャンネルとして、オペレータのインタフェースのモニタおよび/またはプリンタを含んでもよい。
【0022】
本明細書では、「データ・センター(“data center”)」には、コンピュータ・オペレーションが行われる施設または施設の一部を含む。データ・センターには、特定の機能専用または複数の機能用のサーバーが含まれうる。コンピュータ・オペレーションの例としては、情報処理、通信、テスト、シミュレーション、配電と制御、および運用管理が含まれる。
【0023】
本明細書では、「データ・センターのモジュール(“data center module”)」は、データ・センターにコンピューティング・リソースを提供可能な1つ以上のコンピュータ・システムを含む、またはそうしたコンピュータ・システムを収容および/または物理的に支持することに適したモジュールを含む。
【0024】
本明細書では、空気を「向ける(“direct”)」は、空間内の場所またはポイントなどに空気を向ける、または送ることを含む。様々な実施形態では、空気を向けるための空気の動きは、高圧領域、低圧領域をつくる、またはこの2つを組み合わせることで誘引される。例えば、シャーシ底部に低圧領域をつくることによって、空気をシャーシ内で下方に向けることができる。実施形態によっては、空気は、羽、パネル、プレート、バッフル、パイプ、またはその他の構造的要素を用いて方向づけられる。
【0025】
本明細書では、「部材(“member”)」は、構成要素または互いに物理的に接続あれる2つ以上の構成要素である(例、部材には互いに接続された2つ以上のシート状金属部品を含むことができる)。
【0026】
本明細書では、「モジュール(“module”)」は、構成要素または互いに物理的に接続された構成要素を意味する。モジュールには、コンピュータ・システム、回路基板、ラック、ブローワ、ダクト、および配電ユニットなど機能的要素とシステム、およびベース、フレーム、ハウジング、またはコンテナなどの構造的要素を含みうる。
【0027】
本明細書では、「概水平(“primarily horizontal”)」は、垂直よりは水平に近いことを意味する。取り付けられた要素やデバイスの文脈では、「概水平」には、取付け幅が取付け高さよりも大きい要素またはデバイスを含む。
【0028】
本明細書では、「概垂直(“primarily vertical”)」は、水平よりは垂直に近いことを意味する。取り付けられた要素やデバイスの文脈では、「概垂直」には、取付け高さが取付け幅よりも大きい要素またはデバイスを含む。ハードディスク・ドライブの文脈では、「概垂直」には、ハードディスク・ドライブの取付け高さが取付け幅よりも大きく取り付けられることを含む。
【0029】
本明細書では、「ラック(“rack”)」は、1つ以上のコンピュータ・システムを収納または物理的に支持できるラック、コンテナ、フレーム、またはその他の要素または要素の組み合わせを意味する。
【0030】
本明細書では、「部屋(“room”)」は、建物の部屋または空間を意味する。「コンピュータ・ルーム(“computer room”)」は、ラック・マウント式サーバーなどのコンピュータ・システムが稼働する建物の部屋を意味する。
【0031】
本明細書では、「スペース(“space”)」は、空間、領域、または体積を意味する。
【0032】
本明細書では、「棚(“shelf”)」は、物体を置くことができる要素または要素の組み合わせを意味する。例えば、棚には、プレート、シート、トレー、ディスク、ブロック、グリッド、またはボックスが含まれうる。棚は、長方形、正方形、円形または他の形状であってもよい。実施形態によっては、棚は1つ以上のレールである場合がある。
【0033】
本明細書では、「緩衝(“shock absorbing”)」は、他の要素の支持要素に対して使用されるように、支持要素が機械的エネルギーを吸収および/または衝撃および/または振動の負荷を緩和することを意味する。緩衝材は、弾性、粘弾性、粘性、またはこれらを組み合わせたものを有する場合がある。
【0034】
様々な実施形態において、データ記憶装置システムには、データ記憶装置モジュールの外部にあるデータ・コントローラからアクセスされる、および制御される1つ以上のデータ記憶装置モジュールを含む。実施形態の中には、データ制御モジュールおよびデータ制御モジュールに接続される1つ以上のデータ記憶装置モジュールがラック内に入れられる。
図1は、ラック内にデータ制御モジュールとデータ記憶装置モジュールを含む一実施形態を示すブロック図である。システム100は、ラック102、データ制御モジュール104、データ記憶装置モジュール106を含む。データ制御モジュール104及びデータ記憶モジュール106はラック102に含まれている。
【0035】
データ記憶装置モジュール106の大容量記憶装置デバイスは、データ制御モジュール104に接続される。データ制御モジュール104は、データ記憶装置モジュール106a、106b、および106cにある大容量記憶装置デバイスのいずれか、または全てにあるデータにアクセスしうる。
【0036】
様々な実施形態では、データ記憶装置モジュールは、2つ以上の回路基板を含み、各回路基板が複数の大容量記憶装置デバイスのために電気的接続を支持し、提供する。例えば、
図1の実施形態では、データ記憶装置モジュール106には、バックプレーン回路基板108が含まれる。バックプレーン回路基板108は、大容量記憶装置デバイス110を支持する。バックプレーン回路基板108は、大容量記憶装置デバイス110に対して電気、データ、および信号の接続を提供する。様々な実施形態では、大容量記憶装置デバイス110のそれぞれは、ハードディスク・ドライブである。ある実施形態では、大容量記憶装置デバイス110のそれぞれは、3Gbsのインタフェースを持つ500GBのハードディスク・ドライブである。
【0037】
図1の実施形態では、各バックプレーン回路基板108は、16の大容量記憶装置デバイス110を支える。バックプレーンは大容量記憶装置デバイスをいくつでも支えうる。実施形態によっては、データ記憶装置モジュール内の異なるバックプレーンが異なる数の大容量記憶装置デバイスを支える。
【0038】
システム100には、バス112a、112b、および112cが含まれる。バス112aは、データ制御モジュール104をデータ記憶装置モジュール106aに接続する。バス112bは、データ制御モジュール104をデータ記憶装置モジュール106bに接続する。バス112cは、データ制御モジュール104をデータ記憶装置モジュール106cに接続する。バス112a、112b、および112cは、データ制御モジュール104とデータ記憶装置モジュール106a、106b、および106cとの間にそれぞれ1つ以上のケーブルを含むことがある。バス112a、112b、および112cのそれぞれは、データ・コントローラ104とデータ記憶装置モジュールの1つとの間のデータの入出力のための接続を提供しうる。実施形態によっては、バス112a、112b、および112cのそれぞれは、複数チャンネル(例、4チャンネル)上でデータの入出力を提供しうることがある。データ記憶装置モジュール106a、106b、および106cのそれぞれは、別個の識別子を割り当てられる場合がある。
【0039】
様々な実施形態では、システム内のデータ・コントローラとデータ記憶装置モジュールの間のデータのアクセスと転送は適切なコンピュータ・バスによって実施される場合がある。ある実施形態では、データのアクセスと転送は、SAS(Serial attached SCSI)バスによって実施される。ある実施形態では、データ・アクセスと転送は、SATA(Serial Advance Technology Attachment)バスによって実行される。
【0040】
各記憶装置モジュール106a、106b、および106c内の接続には、データ記憶装置モジュール内のバックプレーンのチェーン接続が含まれうる。例えば、
図1のように、最も左側のバックプレーンは、バックプレーン回路基板108上の入力114を介してバス112aに接続される。最も左側の出力116は、隣接するバックプレーンの入力114上に接続される。各追加のバックプレーンの回路基板108は、例えば
図1に示されているように、同様の方法で他のバックプレーン回路基板にチェーン接続することができる。
【0041】
ある実施形態では、バックプレーン108のそれぞれには、エキスパンダ・チップが含まれる。エキスパンダ・チップは、様々な大容量記憶装置デバイス110との通信を可能にする。バックプレーン108のそれぞれには、カスケード・ポートがあり、バックプレーン108を互いにチェーン接続する。いくつかの実施形態では、バックプレーン108は大容量記憶装置デバイス110に電力を調節する電気回路を含む。ある実施形態では、バックプレーン108は、大容量記憶装置デバイス110のための電源がバックプレーン上に含まれる場合がある。
【0042】
わかりやすくするために、バックプレーンと大容量記憶装置デバイスは、データ記憶装置モジュール106aだけを図示している。データ記憶装置モジュール112bと112cのバックプレーンと大容量記憶装置デバイスは、データ記憶装置モジュール112aのものと同様である。
【0043】
各バックプレーンには、取り付けた各大容量記憶装置デバイス110のための出力が含まれうる。ある実施形態では、バックプレーンへのデータの入力/出力のインタフェースには4つのチャンネルがある。ある実施形態では、大容量記憶装置デバイス110はそれぞれ500GBの記憶容量を持つ。
【0044】
図1には、3つのモジュールが示されているが、様々な実施形態では、データ記憶装置モジュールをいくつでもデータ・コントローラに接続してもよい。
【0045】
図2は、大容量記憶装置デバイスが複数のバックプレーン上に取り付けられたデータ制御モジュールとデータ記憶装置モジュールを含むシステムの一実施形態を示している。システム120は、データ記憶装置モジュール122とデータ制御モジュール124を含む。ある実施形態では、データ記憶装置モジュール122とデータ制御モジュール124は、ラックに取り付けられている。
【0046】
データ記憶装置モジュール122は、データ記憶装置モジュールのシャーシ126、データ記憶装置アセンブリ128、電源ユニット130を含む。データ記憶装置アセンブリ128は、バックプレーンの回路基板アセンブリ132およびハードディスク・ドライブ134を含む。バックプレーンの回路基板アセンブリ132は、データ記憶装置モジュールのシャーシ126に水平に取り付けてもよい。ハードディスク・ドライブ134は、バックプレーンの回路基板アセンブリ132に取り付けられる。ハードディスク・ドライブ134は、垂直方向に取り付けてもよい。ある実施形態では、ハードディスク・ドライブ134は、ハードディスク・ドライブの取付け高さが最大寸法になるように取り付けられる。
【0047】
電源ユニット130は、バックプレーンの回路基板アセンブリ132に接続されうる。電源ユニット130は、バックプレーンの回路基板アセンブリ132とハードディスク・ドライブ134に電力を供給しうる。
【0048】
データ制御モジュール124は、データ制御モジュールのシャーシ140、制御回路基板アセンブリ142、および電源ユニット144を含む。制御回路基板アセンブリ142と電源ユニット144は、データ制御モジュールのシャーシ140に取り付けることができる。制御回路基板アセンブリ142は、ハードディスク・ドライブ134上のデータにアクセスできる。
【0049】
電源ユニット144は、制御回路基板アセンブリ142に接続できる。電源ユニット144は、制御回路基板アセンブリ142に電力を供給できる。
【0050】
ある実施形態では、データ記憶装置モジュール122は、高さ4Uであり、データ制御モジュール124は高さ約1Uである。
【0051】
図2では、データ記憶装置モジュールのシャーシ126およびデータ制御モジュールのシャーシ140は、わかりやすくするために単純なボックスのアウトラインで示されている。様々な実施形態では、モジュールのシャーシには、エンクロージャ、取付けプレート、カバー、パネル、または取付けレールなどのモジュールの要素を支持、取付け、および環境保護するために様々な構造的要素と構成要素を含む、またはそれらを使用している場合がある。
【0052】
様々な実施形態では、コンピューティング・ユニットには、業界で認められている規格に合致する電源を含む。ある実施形態では、コンピューティング・ユニットの電源は、業界で認められている規格に従ったフォーム・ファクタを有する。ある実施形態では、電源ユニット130および144は、標準の1Uのフォーム・ファクタを有する。電源および電源のフォーム・ファクタの他の規格の例としては、2U、3U、SFX、ATX、NLX、LPX、またはWTXがある。
【0053】
図2の実施形態では、データ記憶装置モジュール122とデータ制御モジュール124は、それぞれ1つの電源ユニットを含み、データ記憶装置モジュール122は96個のハードディスク・ドライブを含む。しかし、コンピュータ・システムにはハードディスク・ドライブ、電源ユニット、またはその他の構成要素をいくつ含んでもよい。ある実施形態では、データ記憶装置モジュールまたはデータ制御モジュールは、コンピュータ・システム内の空気の流れを促すために1つ以上の内部ファンを持つ場合がある。例えば、ある実施形態では、データ記憶装置モジュール124の後ろ側縁部に沿って一連のファンを取り付けることができる。ある実施形態では、コンピューティング・ユニットは、ファンおよび/またはディスク・ドライブが全くない場合がある。ある実施形態では、電源は記憶装置またはコンピューティング・モジュールの外にあってもよい。例えば、ある実施形態では、データ制御モジュール124の制御回路基板アセンブリ142は、データ制御モジュールのシャーシ140の外部にある電源(ラック・レベルの電源など)から電力を受け取る場合があり、電源ユニット144がない場合がある。
【0054】
ある実施形態では、ラックには、垂直方向に向けられたハードディスク・ドライブを有する2つ以上のデータ記憶装置サブシステムを含む。
図3は、ラック内の3つのデータ記憶装置サブシステムの前面を表す概略図である。システム160は、ラック162とデータ記憶装置サブシステム164を含む。データ記憶装置サブシステム164はそれぞれデータ制御モジュール166と3つのデータ記憶装置モジュール168を含む。各データ記憶装置サブシステム164では、データ制御モジュール166がデータ記憶装置モジュール168を制御し、データ記憶装置モジュール168上のデータにアクセスしうる。
【0055】
ある実施形態では、データ記憶装置モジュール166は2つ以上の水平に取り付けられたバックプレーンを含み、バックプレーンは垂直方向に向けられたハードディスク・ドライブを支える。例えば、データ記憶装置モジュール168は、それぞれ6個のバックプレーンとデータ記憶装置モジュール122に対して上記のように配置されたハードディスク・ドライブを含みうる。
【0056】
ある実施形態では、データ記憶装置モジュール168のそれぞれは、高さ4Uであり、各データ制御モジュール166は、高さ1Uであり、各サブシステムに対して合計の高さが13U、ラックに対して合計で39Uが使用される。しかし、様々な実施形態では、データ記憶装置モジュールとデータ制御モジュールは、いかなる適切な高さであってもよい。
【0057】
図1の実施形態では、データ・コントローラがラック内に図示されているが、データ・コントローラは適切な場所であればどこにあってもよい。
【0058】
ある実施形態では、バックプレーンは各ハードディスク・ドライブとシャーシの間およびモジュール内のハードディスク・ドライブ間の衝撃および/または振動の負荷を減らす、または最小限に抑えるために取り付けられる。
図4は、シャーシのパッドに取り付けられたディスク・ドライブのバックプレーンの一実施形態を表している。パッド180は、データ記憶装置モジュールのシャーシ126底部のレール182上にある。バックプレーンの回路基板アセンブリ132は、パッド180上に取り付けられる。パッド180は、エラストマー材料などの衝撃吸収材からできている。パッド180は、データ記憶装置モジュールのシャーシ126とハードディスク・ドライブ134の間の衝撃および/または振動の伝搬を減らすことができる。
【0059】
ある実施形態では、ディスク・ドライブのバックプレーンの要素とシャーシは組み合わせられてハードディスク・ドライブを取り付けるボックス部を形成する場合がある。例えば、シャーシ底部パネル184、レール186、および1つ以上のバックプレーンの回路基板アセンブリ132は、組み合わせられて長方形のボックス部を形成しうる。このボックス部は、ハードディスク・ドライブ134をデータ制御モジュールのシャーシ126の底部パネル184に直接取り付けた場合に発生しうるシャーシの底部パネル184のたるみなどシャーシの変形を減らすことができる。ある実施形態では、レール、パッド、トレー、または類似の構造要素は、ボックス部の構造、電路のスペース、および空気の流れのための空間を形成するなど複数の機能を果たす場合がある。
【0060】
ある実施形態では、システムは、2つ以上の大容量記憶装置デバイスのバックプレーンの下に空気の流路を含む。
図5は、ライザーを含むデータ記憶装置モジュールを示している。バックプレーンの回路基板132を、バックプレーンの回路基板132に取り付けることができる。ライザー198は、バックプレーンの回路基板132とシャーシのフロアとの間にスペースを作り、間隙200を形成しうる。間隙200により、バックプレーンの回路基板アセンブリ132の下に空気流路202をつくることができる。空気流路202は、一番前のバックプレーンの回路基板108から、一番後ろのバックプレーンの回路基板アセンブリ132に連続して延長されてもよい。
【0061】
図2のように、空気はデータ記憶装置モジュールのシャーシ126の前面にある前面通気口204を通って流れ込んでもよい。
図2の実施形態では、前面通気口204はデータ記憶装置モジュールのシャーシ204の底部近くにある。しかし、前面通気口は、シャーシまたはエンクロージャの前面のどの場所にあってもよい。空気は、1つ以上の空気移動装置によってデータ記憶装置モジュールのシャーシ126の前面から後面に移動しうる。空気移動装置は、データ記憶装置モジュールのシャーシ126の外部に配置されてもよいし、データ記憶装置モジュール126の内部またはその上、または両方に配置されてもよい。空気は、バックプレーンの回路基板アセンブリ132の下の空気流路202を通って流れて、データ記憶装置モジュールのシャーシ126を通って外に出る場合がある。
【0062】
さらに、
図2を参照すると、データ記憶装置モジュール122には、電源の入口プレナム208と電源の出口プレナム210を含む場合がある。データ記憶装置モジュールのシャーシ126前面の空気の一部は、電源の入口プレナム208に入り、電源の前面入口212を通って、電源ユニット130のハウジングに入る場合がある。電源ハウジングを通る空気の流れは、ハウジングを出て電源の出口プレナム210を通過する場合がある。ある実施形態では、空気はシャーシ底部に導かれて送られる場合がある(例、バックプレーンの回路基板132の下)。
【0063】
ある実施形態では、電源出口プレナムからの空気は、バックプレーンの回路基板132を通過する前に、データ記憶装置モジュールのシャーシ126に入ってくる空気と混ざる場合がある。ある実施形態では、電源ユニット144からの排気は、例えば、電源ユニットからの排気をデータ記憶装置モジュールのシャーシ126の後方に運ぶダクトによって、データ記憶装置モジュールのシャーシ130に入ってくる他の空気とは分離することができる。
【0064】
ある実施形態では、モジュールからの排気がシャーシの大容量記憶装置のバックプレーンの下に向けられるような方向で電源がモジュールの中で配置される。例えば、
図2の電源ユニット130は、電源ユニットを通る空気がシャーシ底部近くで電源ユニットから出るように時計と逆回りに90度回転される場合がある。
【0065】
ある実施形態では、大容量記憶装置デバイスのバックプレーンの下を流れる空気は、大容量記憶装置デバイスをからの熱を取り除くように、上方向に排気される場合がある。例えば、
図5のように、空気の流れは大容量記憶装置デバイスのバックプレーンの下から換気される場合がある。空気は、バックプレーンとデータ記憶装置モジュールのシャーシ126の底部との間の空気流路202でバックプレーンの回路基板アセンブリ132の下を流れうる。バックプレーンの回路基板アセンブリ132のそれぞれで、シャーシの前面から背面に流れる空気は、ハードディスク・ドライブ134の間のバックプレーンの回路基板アセンブリ132にある開口部216で排気される。空気は、ハードディスク・ドライブ134の表面を上方向に開口部216を通って上昇しうる。空気の一部は、シャーシの一番上に届く場合がある。ハードディスク・ドライブ134上を上方向に通過する空気は、ハードディスク・ドライブ134からの熱を取り除きうる。ハードディスク・ドライブ134を上方向に横切る空気は、データ記憶装置モジュールのシャーシ126の背面に向かって移動しうる。
【0066】
ある実施形態では、バックプレーンの開口部のサイズと数は、シャーシ内の様々なハードディスク・ドライブ内を通る空気の流れを調整するように選択できる。例えば、ある実施形態では、シャーシ背面近くのバックプレーンの通気口は、シャーシ前面近くのバックプレーンの通気口よりも大きい場合がある。これは、シャーシの背面近くでは比較的暖かい空気があるため、より大きな空気の流れが必要でありうるためである。
【0067】
図6は、ハードディスク・ドライブを棚に取り付けた状態の棚とハードディスク用の交差ブレースを含むデータ記憶装置モジュールの一実施形態を示している。データ記憶装置モジュール220は、シャーシ・アセンブリ222、電源ユニット224、およびハードディスク・ドライブ226を含む。シャーシ・アセンブリ222には、ベース・パネル228、フロント・ハウジング230、棚232、交差ブレース234、および左側パネル236を含む。シャーシ・アセンブリ222には、右側パネル(図示の都合上、
図6では右側パネルは省略されている)も含む場合がある。
【0068】
図6の実施形態では、交差ブレース234は各バックプレーンの回路基板アセンブリ234の間にある。しかし、他の実施形態では、交差ブレースは、ハードディスク・ドライブの一部の列に限り配置されてもよい、または全くなくてもよい。
【0069】
ある実施形態では、棚232は緩衝材の上に取り付けられる。例えば、棚232とベース・パネル228の間に一連の緩衝パッドが配備されてもよい。
【0070】
交差ブレース234は棚232上に取り付けられる。ハードディスク・ドライブ226は、交差ブレース234の間のバックプレーンの回路基板アセンブリ225に取り付けられる。
【0071】
図6の実施形態では、電源ユニット224は、その全長がシャーシ前面に対して横方向になるように取り付けられる(例、長さ方向で左から右)。開口部244は、シャーシ・アセンブリ222の前面に配備される。開口部244は、データ記憶装置モジュール220の前面にある空気が、ベース・パネル228と棚232との間に形成された空気流路245を通過するようにできる。空気流路245は、データ記憶装置モジュール220の前面から背面へと全長にわたる場合がある。空気流路245は、ハードディスク・ドライブ226から熱を取り除くために空気を供給する場合がある。
【0072】
図7は、棚とハードディスク・ドライブ用の交差ブレースを含むデータ記憶装置モジュールの一実施形態であり、図示の目的上、ハードディスク・ドライブを取り外した状態になっている。さらに、交差ブレースの背面向き部材は、わかりやすくするために図では省略されている。ある実施形態では、背面向きの交差ブレース部材は、前面向きの交差ブレース部材と同一である。
【0073】
交差ブレース234はガイド・リム249を含む。ガイド・リム249は開口部246を含む。交差ブレース234は、シャーシ・アセンブリ222を硬化させ、ハードディスク・ドライブ226の重さでシャーシ要素のたわみを防ぎうる。ガイド・リム249は、ハードディスク・ドライブ226のガイドとしての役割を果たす場合がある。開口部246は、隣接するハードディスク・ドライブ226の間の交差ブレース234を通る前から後ろへの空気の流れの経路になりうる。
【0074】
図8は、バックプレーンの回路基板を含むディスク記憶装置アセンブリの一実施形態の上面斜視図である。
図9は、バックプレーンの回路基板を含むディスク記憶装置アセンブリの一実施形態の底面斜視図である。ディスク記憶装置アセンブリ250は、ハードディスク・ドライブ226とバックプレーンの回路基板アセンブリ225を含む。ハードディスク・ドライブ226は、ベース251でバックプレーンの回路基板アセンブリ225に取り付けてもよい。コネクタ252によって、ハードディスク・ドライブ226をバックプレーンの回路基板アセンブリ225に電気的に接続してもよい。
【0075】
ハードディスク・ドライブ226のそれぞれには、一組の対向するレール254があってもよい。ある実施形態では、レール254は、ハードディスク・ドライブ226のためのハンドルとしての役割を果たす場合がある。
【0076】
バックプレーンの回路基板アセンブリ225は、タブ255と取付けパッド256を含む場合がある。ある実施形態では、取付けパッド256は、緩衝材でできている。ある実施形態では、取付けパッド256は、ネジ(例えば、シャーシをバックプレーンに取り付けるためのもの)を含む。タブ260は、交差ブレース234上のスロット247に嵌め込むことができる。
【0077】
図10は、データ記憶装置モジュールへのハードディスク・ドライブの取付けの一実施形態である。バックプレーンの回路基板アセンブリ225の上のタブ255は、交差ブレース234にある対応するスロットに伸びてもよい。パッド256は、棚232のソケット262に取り付けてもよい。
【0078】
ハードディスク・ドライブ226のレール254は、隣接するリム249の端の間をスライドできる。ハードディスク・ドライブ226は、シャーシの上に、およびシャーシの上からスライドしてもよい。ある実施形態では、レール254は、ハードディスク・ドライブに対して衝撃絶縁または防振になっている。ある実施形態では、例えば、レール254は、ゴムなどの弾性材からできているか、または弾性材を含む。レールは、衝撃または振動の負荷を軽減する、および/または特定のドライブを、バックプレーン上またはバックプレーン外部の他のドライブの振動から隔離しうる。
【0079】
図7を参照すると、オペレーション中、データ記憶装置モジュール250の前側の空気は、電源開口部240と開口部244に流れうる。電源開口部240を通る空気は、電源ユニット224のエンクロージャを通過しうる。この空気は、通気口242を通って電源エンクロージャから出る場合がある。電源ユニット224の通気口242からの排気は、開口部244を通してシャーシ・アセンブリ224に入る空気と混合しうる。混合した空気は、続いて空気流路245を通る場合がある。空気流路245の前方から後方に移動する空気の一部は、棚332の棚通気口238を通り、バックプレーンの開口部259を通過しうる(
図9に示されている)。棚通気口238を通って排気された空気は、ハードディスク・ドライブ226を横切って上方向に流れ、交差ブレース234の開口部246を通って後ろ方向に流れうる。これにより、ハードディスク・ドライブ226から熱を取り除く。空気は、交差ブレース234にある開口部246を通ってシャーシ・アセンブリ222の後ろに届くまで流れる場合がある。
【0080】
ある実施形態では、データ記憶装置モジュールは、データ・コントローラおよび複数の大容量記憶装置デバイスを有する2つ以上のバックプレーンを含む。データ・コントローラおよびバックプレーンは、共通のシャーシで支えられる場合がある。ある実施形態では、このモジュールは、バックプレーンに垂直方向に取り付けられたハードディスク・ドライブを含む。
図11は、データ・コントローラと複数のディスク・ドライブのバックプレーンを含むモジュールの一実施形態を示している。データ記憶装置モジュール280は、コントローラ282、データ記憶装置アセンブリ284、電源ユニット286、およびシャーシ288を含む。コントローラ282、データ記憶装置アセンブリ284、および電源ユニット286は、シャーシ288に取り付けられる。
【0081】
データ記憶装置アセンブリ284は、バックプレーンの回路基板アセンブリ290とハードディスク・ドライブ292を含む。バックプレーンの回路基板アセンブリ290は、データ記憶装置モジュールのシャーシ288に水平方向に取り付けてもよい。ハードディスク・ドライブ292は、バックプレーンの回路基板アセンブリ290に取り付けられる。ハードディスク・ドライブ292は、
図2に関して上記で説明したように、垂直方向に取り付けてもよい。バックプレーンの回路基板アセンブリのそれぞれは、複数のハードディスク・ドライブ232を支える、および電気接続を提供してもよい。
【0082】
電源ユニット286は、バックプレーンの回路基板アセンブリ290に接続することができる。電源ユニット286は、バックプレーンの回路基板アセンブリ290とハードディスク・ドライブ292に電力を供給しうる。
【0083】
ある実施形態では、コントローラまたはマザーボード・アセンブリからの下流の空気が、2つ以上の大容量データ記憶装置のバックプレーンの下に流れるように、空気はモジュールの前から後ろに流れる。例えば、
図11の矢印のように、空気はシャーシ288の前の通気口294を通過し、コントローラ282上を通過しうる。コントローラ282から下流への空気は、バックプレーンの回路基板アセンブリ290の下を流れうる。ある実施形態では、電源ユニット286から排気された空気は、バックプレーンの回路基板アセンブリ290を通過する前に、コントローラ282から下流への空気と混合する。
【0084】
図12は、ラック・システム内のデータ記憶装置モジュールからの熱を取り除く一実施形態を示している。空気は、サブフロア・プレナム354からコンピューティング・ルーム352に通気口380を経由して流れ込むことができる。ファン・ドア374にある後部ファン366は、前面アイル368から、データ記憶装置モジュール360とデータ制御モジュール362を介して空気をラック364に引き込むことができる。後部ファン366は、熱風をラックから排気しうる。熱風は、天井部プレナム356を通過しうる。前部またはラック上に空気方向付け装置389が配備される。空気方向付け装置389は、ラックに取り付けられている特定モジュールの空気の流れを促進するために使用できる。空気移動装置のその他の配置は、様々な実施形態に含まれうる。以下に記載する出願は、コンピューティング・モジュール、データ記憶装置モジュール、およびデータ制御モジュールの冷却または取付けのための様々な実施形態で使用できるように、その他の配置、システム、デバイス、および技術を含むように完全に本明細書で開示している。すなわち、2009年12月23日に出願された米国特許出願番号12/646,417「ラック・システム用空気移動装置」、2010年3月30日に出願された米国特許出願番号12/751,212「スクープ付きラック取付け型空気方向付け装置」、2010年9月9日に出願された米国特許出願番号12/886,440「ラック取付け型ACファン付きのシステム」は、本明細書でその概要を開示している。
【0085】
ある実施形態では、大容量記憶装置は、共通のシャーシにある複数のバックプレーン上に配備される。
図13は、共通のシャーシに接続されている2つ以上のバックプレーン上の大容量記憶装置デバイスの配備を含むデータ記憶装置の配備方法を示している。400では、2つ以上の大容量記憶装置のバックプレーンが共通のシャーシに取り付けられている。この大容量記憶装置デバイスは、例えば、ハードディスク・ドライブであってもよい。このバックプレーンは、シャーシ上で水平方向であってもよい。ハードディスク・ドライブは、垂直方向であってもよい。ある実施形態では、データ記憶装置および制御は、
図2に関して上記で説明したものと同様のデータ記憶装置モジュールとデータ制御モジュールで提供される。ある実施形態では、バックプレーンは互いに接続され、そのうち少なくとも1つのバックプレーンがデータ・コントローラに接続される。データ・コントローラは、バックプレーンが取り付けられているシャーシの外部にあってもよい。
【0086】
402では、バックプレーン上の大容量記憶装置デバイスの一部またはすべてが、稼働してもよい。例えば、大容量記憶装置デバイスは、データ・センターに記憶容量を提供しうる。
【0087】
404では、バックプレーン上の大容量記憶装置デバイスの一部またはすべての電源を切るか、またはスタンドバイ状態にしてもよい。電源を切った、またはスタンドバイ状態の記憶装置デバイスは、コールド状態であると考えうる。406では、電源を切ったか、またはスタンドバイ状態であった大容量記憶装置デバイスが起動する。408で、起動した大容量記憶装置のデータがアクセスされる。
【0088】
モジュールでハードディスク・ドライブが故障すると、ラックに取り付けられている場所からそのモジュールを取り除くか、回収することができる。故障したハードディスク・ドライブは、モジュールの一番上から取り外し、交換することができる。
【0089】
以下の節(clauses)について様々な実施形態を説明できる。
付記項1.データを保存するシステムであって、
ラックと、
ラックに接続された1つ以上のデータ記憶装置モジュールと、
少なくとも1つの前記データ記憶装置モジュールのそれぞれは、
シャーシと、
前記シャーシに接続された2つ以上のバックプレーンと、
前記バックプレーンの少なくとも1つに接続された1つ以上の大容量記憶装置デバイスと、を含み、
ラックに接続され、少なくとも1つの前記データ記憶装置モジュールの前記シャーシの外部に接続された1つ以上のデータ制御モジュールと、を含むデータを保存するシステムであって、少なくとも1つの前記データ制御モジュールは、少なくとも1つの前記データ記憶装置モジュールの1つ以上の前記大容量記憶装置デバイスにアクセスするように構成される。
付記項2.少なくとも1つの前記データ記憶装置モジュールの前記2つ以上のバックプレーンは、概水平方向であり、大容量記憶装置デバイスの少なくとも1つは、バックプレーンに概垂直に接続される節1に記載のシステム。
付記項3.前記データ記憶装置モジュールの少なくとも1つに対して、少なくとも第1の前記バックプレーンは、前記データ制御モジュールに接続され、少なくとも第2の前記バックプレーンは、データ通信のために前記第1のバックプレーンにチェーン接続される節1に記載のシステム。
付記項4.前記1つ以上のデータ記憶装置モジュールは、ラックに接続された2つ以上のデータ記憶装置モジュールを含む節1に記載のシステム。
付記項5.前記2つ以上の記憶装置モジュールは3つの記憶装置モジュールを含み、前記記憶装置モジュールの少なくとも1つにある前記大容量記憶装置デバイスの少なくとも1つは、取付け高さが大容量記憶装置デバイスの最大寸法になるように前記バックプレーンに取付けられた節4に記載のシステム。
付記項6.前記大容量記憶装置デバイスの少なくとも1つは、ハードディスク・ドライブであり、前記データ制御モジュールは前記ハードディスク・ドライブの少なくとも1つをスタンドバイ状態にする、またはオフの状態にし、前記ハードディスク・ドライブに保存されているデータにアクセスするためにスタンドバイまたはオフの状態から起動するように構成される節1に記載のシステム。
付記項7.前記データ制御モジュールと少なくとも前記1つのデータ記憶装置モジュールとの間に少なくとも1つのマルチ・チャンネル接続をさらに含み、前記マルチ・チャンネル接続は、
前記データ制御モジュールと第1の前記バックプレーン上の少なくとも第1のハードディスク・ドライブとの第1のチャンネルの接続と、
前記データ制御モジュールと前記第1の前記バックプレーン上の少なくとも第2のハードディスク・ドライブとの第2のチャンネルの接続と、を含む節1に記載のシステム。
付記項8.前記データ制御モジュールと少なくとも1つの前記データ記憶装置モジュールを通るように空気を移動させるように構成された少なくとも1つの空気移動装置をさらに含む節1に記載のシステム。
付記項9.データ記憶装置モジュールであって、
シャーシと、
前記シャーシに概水平方向に接続された2つ以上のバックプレーンと、
少なくとも2つの前記バックプレーンのそれぞれに接続された2つ以上のハードディスク・ドライブと、
少なくとも2つの前記バックプレーン上のハードディスク・ドライブを共通のデータ・コントローラに接続するように構成された1つ以上のケーブルを含むデータ記憶装置モジュール。
付記項10.少なくとも1つの前記バックプレーンの下に1つ以上の空気流路を含み、前記空気流路の少なくとも1つは、1つ以上の空気入口と1つ以上の空気出口を含み、前記少なくとも1つの流路は、少なくとも1つの空気入口から、少なくとも1つの空気出口に空気を移動できるようにし、少なくとも1つの前記ハードディスク・ドライブから熱を取り除くように構成された節9に記載のデータ記憶装置モジュール。
付記項11.前記ハードディスク・ドライブの少なくとも1つは、取付け高さが、前記ハードディスク・ドライブの最大寸法になるように前記バックプレーンに取り付けられる節9に記載のデータ記憶装置モジュール。
付記項12.前記シャーシに接続され、2つ以上の前記ハードディスク・ドライブにアクセスするように構成された1つ以上の回路基板アセンブリをさらに含む節9に記載のデータ記憶装置モジュール。
付記項13.少なくとも2つの前記バックプレーン上のハードディスク・ドライブに電力を供給するように構成された1つ以上の電源ユニットをさらに含む節9に記載のデータ記憶装置モジュール。
付記項14.前記電源ユニットは、シャーシ前面に横方向に取り付けられる節13に記載のデータ記憶装置モジュール。
付記項15.前記2つ以上のバックプレーンは、シャーシに接続された少なくとも6以上のバックプレーンを含み、前記バックプレーンのそれぞれは、2つ以上のハードディスク・ドライブを支え、前記ハードディスク・ドライブは、前記データ記憶装置モジュールの外にあるデータ制御モジュールに接続するように構成された節9に記載のデータ記憶装置モジュール。
付記項16.少なくとも2つの前記バックプレーンの間に1つ以上の交差部材をさらに含む節9に記載のデータ記憶装置モジュール。
付記項17.少なくとも1つの前記交差部材は、少なくとも1つの前記ハードディスク・ドライブに対して少なくとも1つのガイドを含む節16に記載のデータ記憶装置モジュール。
付記項18.前記交差部材の少なくとも1つは、少なくとも1つの前記バックプレーン上にある2つの隣接するハードディスク・ドライブの間に少なくとも一部が存在する1つ以上の開口部を含み、前記1つ以上の開口部は、交差部材の前面から背面に空気が移動できるように構成される節16に記載のデータ記憶装置モジュール。
付記項19.前記ハードディスク・ドライブの少なくとも1つに接続された1つ以上のガイド・レールをさらに含み、前記ガイド・レールは、少なくとも1つの前記交差部材上にある少なくとも1つのガイドと接続するように構成され、前記少なくとも1つのガイド・レールは、前記ハードディスク・ドライブを少なくとも部分的に外部の振動負荷から隔離するように構成された節9に記載のデータ記憶装置モジュール。
付記項20.データ記憶装置モジュールであって、
シャーシと、
前記シャーシに概水平方向に接続された1つ以上のバックプレーンと、
少なくとも1つの前記バックプレーンのそれぞれに接続された2つ以上の大容量記憶装置デバイスと、
少なくとも1つの前記バックプレーンの下に1つ以上の空気流路と、を含み、少なくとも1つの前記空気流路は、1つ以上の空気入口と1つ以上の空気出口を含み、前記少なくとも1つの空気流路は前記少なくとも1つの空気入口から少なくとも1つの前記空気出口に空気が移動できるようにし、少なくとも1つの前記大容量記憶装置デバイスから熱を取り除くように構成されるデータ記憶装置モジュール。
付記項21.前記1つ以上のバックプレーンは、前記シャーシに接続された2つ以上のバックプレーンを含み、大容量記憶装置デバイスの少なくとも1つの列は、前記2つ以上のバックプレーンのそれぞれに接続される節20に記載のデータ記憶装置モジュール。
付記項22.少なくとも1つの前記大容量記憶装置デバイスは、ハードディスク・ドライブであり、前記ハードディスク・ドライブの少なくとも1つは、取付け高さが前記ハードディスク・ドライブの最高寸法になるように前記バックプレーンに取り付けられる節20に記載のデータ記憶装置モジュール。
付記項23.前記バックプレーンの下の前記1つ以上の空気流路の少なくとも1つに空気を移動するように構成された1つ以上の空気移動装置をさらに含む節20に記載のデータ記憶装置モジュール。
付記項24.少なくとも1つの前記空気移動装置は、前記データ記憶装置モジュールの外部にある節23に記載のデータ記憶装置モジュール。
付記項25.前記バックプレーンの下の前記1つ以上の空気流路は、前記シャーシ上の1つ以上の電源ユニットから少なくとも部分的に下流にある節20に記載のデータ記憶装置モジュール。
付記項26.少なくとも2つの前記バックプレーン上にあるハードディスク・ドライブに電力を供給するように構成された1つ以上の電源ユニットをさらに含み、前記電源ユニットを出る前記空気の少なくとも一部は、少なくとも1つの前記バックプレーンから排気される節20に記載のデータ記憶装置モジュール。
付記項27.データ記憶装置を提供する方法であって、
共通のシャーシに接続された2つ以上のバックプレーン上に2つ以上の大容量記憶装置デバイスを提供するステップと、
前記大容量記憶装置デバイスの少なくとも1つ以上の電源を切る、またはスタンドバイ状態にし、前記電源を切った、またはスタンドバイ状態にした前記大容量記憶装置デバイスの少なくとも1つを起動するステップと、
前記起動した大容量記憶装置デバイスの少なくとも1つにあるデータにアクセスするステップと、を含むデータ記憶装置を提供する方法。
付記項28.前記シャーシに接続された前記バックプレーンの少なくとも2つを互いに電気的に接続するステップをさらに含み、前記方法は、前記バックプレーンの少なくとも1つを外部データ・コントローラに電気的に接続するステップをさらに含む節27に記載の方法。
付記項29.少なくとも1つの前記バックプレーンの下に空気を移動し、前記少なくとも1つのバックプレーン上の少なくとも1つの前記大容量記憶装置デバイスから熱を取り除くステップをさらに含む節27に記載の方法。
【0090】
ある実施形態では、コンピューティング・モジュールには、2つ以上の異なる方向に取り付けられた大容量記憶装置デバイスを含む。ある実施形態では、コンピューティング・ユニットには、水平方向に取り付けられた1つ以上のハードディスク・ドライブと垂直方向に取り付けられた1つ以上のハードディスク・ドライブを含む。
【0091】
ある実施形態では、データ記憶装置モジュールのハードディスク・ドライブは、標準の市販のハードディスク・ドライブである。適切なハードディスク・ドライブのフォーム・ファクタには、3.5インチ、5.25インチ、および2.5インチがある。ある実施形態では、標準の3.5インチのハードディスク・ドライブが、取付け高さが最大寸法になるように取付けられる。
【0092】
ある実施形態では、ラック・マウント式コンピューティング・モジュールは、空気をラックに送り込む空気冷却システムによって共通に冷却される。ラックに取り付けられているコンピューティング・モジュールから熱を取り除くために、空気処理システムを稼働して、コンピュータ・ルームとラック・システムに空気が流れ込むようにしてもよい。各コンピューティング・モジュールの前面に空気が到達すると、コンピューティング・モジュールのシャーシをその空気が通過しうる。シャーシを通過後、熱風は、ラック・システムの後部から出て、コンピュータ・ルームの外に出ることができる。ある実施形態では、コンピューティング・モジュールは、中央冷却システムに加えて、または中央冷却システムの代わりに、オンボードのファンを有することがある。ある実施形態では、ラック内のすべてのコンピューティング・モジュールに冷却空気を供給するファンがラックにある場合がある。
【0093】
上記で説明した実施形態では、ハードディスク・ドライブはパッドとレールに取り付けられるが、様々な実施形態では、ハードディスク・ドライブまたはその他のデータ記憶装置デバイスは、他の取付け要素を用いたシャーシに取り付けてもよい。例えば、ハードディスク・ドライブおよび/またはハードディスク・ドライブ用のバックプレーンを、ハードディスク・ドライブを支持し、シャーシ底部の上にハードディスク・ドライブを持ち上げる角管に取り付けてもよい。
【0094】
ある実施形態では、ラック・システムは、ラックのコンピュータ・システムの外側にあるラック・マウント式のファンを含む。ラック・マウント式ファンは、コンピュータ・システムを通る空気の流れを供給することができる。
【0095】
わかりやすくするために、本明細書の多くの図のモジュールは、機能的構成要素の周囲に単純なボックスのアウトラインで示されている。様々な実施形態では、モジュールまたはモジュールのシャーシは、エンクロージャ、トレー、取付けプレート、これらを組み合わせたもの、および様々な構造的要素を含む場合がある。
【0096】
上記で説明した実施形態では、データ記憶装置モジュールの中には、高さ4Uであると言及したが、様々な実施形態では、モジュールは3U、4U、6U、またはその他の高さや寸法であってもよい。
【0097】
上記の実施形態では、かなり詳細に説明したが、上記の開示を十分に理解すれば、様々な変形や改良が当業者にとって明らかになるであろう。以下の請求項は、こうした変形や改良を包含して解釈されることを意図している。