(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6039757
(24)【登録日】2016年11月11日
(45)【発行日】2016年12月7日
(54)【発明の名称】エッジに丸みを付けた電界効果トランジスタおよび製造方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/336 20060101AFI20161128BHJP
H01L 29/788 20060101ALI20161128BHJP
H01L 29/792 20060101ALI20161128BHJP
H01L 21/8247 20060101ALI20161128BHJP
H01L 27/115 20060101ALI20161128BHJP
H01L 21/28 20060101ALI20161128BHJP
【FI】
H01L29/78 371
H01L27/10 434
H01L21/28 301A
【請求項の数】4
【外国語出願】
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2015-132867(P2015-132867)
(22)【出願日】2015年7月1日
(62)【分割の表示】特願2013-544874(P2013-544874)の分割
【原出願日】2011年12月19日
(65)【公開番号】特開2015-173298(P2015-173298A)
(43)【公開日】2015年10月1日
【審査請求日】2015年7月31日
(31)【優先権主張番号】12/973,756
(32)【優先日】2010年12月20日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】507364997
【氏名又は名称】サイプレス セミコンダクター コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ファン,シェンチン
(72)【発明者】
【氏名】チェン,トゥン−シェン
【審査官】
加藤 俊哉
(56)【参考文献】
【文献】
特開2009−176803(JP,A)
【文献】
特開2001−015619(JP,A)
【文献】
特開2007−305966(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/336
H01L 21/28
H01L 21/8247
H01L 27/115
H01L 29/788
H01L 29/792
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
トンネル誘電体領域上に電荷トラップ領域を形成し、当該電荷トラップ領域上にブロッキング誘電体領域を形成することと、
前記ブロッキング誘電体領域の表面を窒化処理することと、
前記窒化処理されたブロッキング誘電体領域上にゲート領域を形成することと、
前記ゲート領域と前記電荷トラップ領域との側壁を酸化することと、を含み、
窒化物層またはシリコンリッチ窒化物層を堆積することと、
前記窒化物層または前記シリコンリッチ窒化物層上に酸化物層を形成することと、
前記酸化物層および前記窒化物層または前記シリコンリッチ窒化物層の一部をエッチバックすることと、
酸窒化物層またはシリコンリッチ酸窒化物層を形成するために、前記窒化物層または前記シリコンリッチ窒化物層の残りの部分を酸化することと、によって、前記トンネル誘電体領域上に前記電荷トラップ領域を形成し、当該電荷トラップ領域上に前記ブロッキング誘電体領域を形成する、
方法。
【請求項2】
前記ブロッキング誘電体領域の前記表面を窒化処理することは、アニール炉において、前記ブロッキング誘電体領域の前記表面を窒素に曝すことを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ゲート領域のエッジ侵食は、前記ブロッキング誘電体領域の窒化処理によって抑制される、請求項1又は請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記ゲート領域のエッジ侵食は、前記ゲート領域の前記側壁への酸化物注入によって抑制される、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
コンピュータ、スマートフォン、デジタルコンテンツプレーヤ(例えば、MP3プレーヤ)、ゲーム機、制御システムなどの数々の電子デバイスにおいて、データ記憶装置は重要な部分である。多くの電子デバイスは、フラッシュメモリなどの不揮発性固体メモリを備える。フラッシュメモリデバイスの一般的なタイプの1つに、電荷トラップ(CT)NAND集積回路(IC)がある。
図1は、例示的なCT−NANDベースのフラッシュメモリICを示す。フラッシュメモリIC100では、CT−NANDメモリセルアレイ110と、制御回路120と、カラムデコーダ130と、ローデコーダ140と、入出力(I/O)バッファ150などが、1枚の基板上に組み立てられている。制御回路120、カラムデコーダ130、ローデコーダ140、I/Oバッファ150などは、メモリセルアレイ110内のアドレス170、175にて、フラッシュメモリIC100により受信された信号、フラッシュメモリIC100内への信号、および/または、フラッシュメモリIC100から出力された信号などの様々な制御信号180に従って、データ160の読み出しおよび書き込みを行うように動作する。フラッシュメモリIC100の回路は本技術分野において公知であるため、本技術の実施形態に特有でないフラッシュメモリIC100の態様については、さらなる説明を省略する。
【0002】
図2を参照すると、例示的なメモリセルアレイが示されている。CT−NANDメモリセルアレイ110は、複数の電界効果トランジスタ(FET)210と、複数のドレイン選択ゲート220と、複数のソース選択ゲート230と、複数のビットライン240と、複数のワードライン250と、ドレイン選択信号線260と、複数のソース選択信号線270と、を備える。アレイ110の各カラムは、ドレイン選択ゲート220と、複数のCT-FET210と、ソース選択ゲート230とを含み、これらは、対応するビットライン240と接地電位280との間でソースからドレインに直列接続される。アレイ110の各ローにおける複数のCT-FET210の各々のゲートは、対応するワードライン250に連結される。各ドレイン選択ゲート220のゲートは、対応するドレイン選択信号線260に接続される。各ソース選択ゲート230のゲートは、対応するドレイン選択信号線270に接続される。一例の実施において、CT−FETは、シリコン酸化窒化酸化シリコン(SONOS)FETなどであってよい。CT−NANDメモリセルアレイ110は、本技術分野において公知であるため、本技術の実施形態に特有でないCT−NANDメモリセルアレイ110の態様については、さらなる説明を省略する。
【0003】
CT−NANDメモリセルアレイ110では、CT−FET210のトンネル誘電体層の全体にわたって、電荷トラップ層に電荷を注入することにより、所与のメモリセルにデータが書き込まれる。所与のメモリセルは、トンネル誘電体層の全体にわたって、電荷トラップ層から電荷が除去されることにより、データが消去される。一例の実施において、CT−FET210は、ファウラーノルドハイム(F−N)トンネリングを使用してデータの書込みおよび消去が行われる。CT−FETメモリセル210に対してデータの書込みおよび消去を行うプロセスは、トンネル誘電体層を損傷する結果、フラッシュメモリIC100に対して、限られた数の書込み・消去サイクルしか実行できなくなる。従って、CT−FETメモリセル210などの改善に対する継続的な需要がある。
【発明の概要】
【0004】
本技術は、以降の説明と、電界効果トランジスタのエンジニアリングに関する本技術の実施形態を図示するために使用される付属の図面とを参照することにより、最適に理解することができる。
【0005】
一実施形態において、製造方法は、基板上にトンネル誘電体領域を形成することを含む。電荷トラップ領域は、トンネル誘電体領域上に形成される。ブロッキング誘電体領域は、電荷トラップ領域上に形成される。ブロッキング誘電体領域の表面は、窒化処理され(nitridate)、その後、ゲート領域がブロッキング誘電体領域の窒化処理された表面上に形成される。その後、ゲート領域は酸化され、このゲート領域のエッジは丸みを付けられ、ブロッキング誘電体領域のゲート領域内への侵食は、窒化処理されたブロッキング誘電体領域によって抑制される。
【図面の簡単な説明】
【0006】
本技術の実施形態は、限定を意図せず、例示を目的として、添付の図面に図示されている。これらの図面において、同一の参照番号は同様の要素を示す。
【0007】
【
図1】
図1は、従来技術に係る例示的なCT−NANDベースのフラッシュメモリICのブロック図を示す。
【
図2】
図2は、従来技術に係る例示的なメモリセルアレイのブロック図を示す。
【
図3】
図3は、本技術の一実施形態に係るメモリセルアレイ構造のブロック図を示す。
【
図4】
図4は、本技術の実施形態に係るCT−FETの拡大した断面のブロック図を示す。
【
図5A】
図5Aは、従来技術に係るCT−FETのブロック図を示す。
【
図5B】
図5Bは、従来技術に係るCT−FETのブロック図を示す。
【
図6A】
図6Aは、本技術の一実施形態に係るメモリセルアレイを製造する方法のフロー図を示す。
【
図6B】
図6Bは、本技術の一実施形態に係るメモリセルアレイを製造する方法のフロー図を示す。
【
図7A】
図7Aは、本技術の一実施形態に係るメモリセルアレイの製造を図示するブロック図である。
【
図7B】
図7Bは、本技術の一実施形態に係るメモリセルアレイの製造を図示するブロック図である。
【
図7C】
図7Cは、本技術の一実施形態に係るメモリセルアレイの製造を図示するブロック図である。
【
図7D】
図7Dは、本技術の一実施形態に係るメモリセルアレイの製造を図示するブロック図である。
【
図7E】
図7Eは、本技術の一実施形態に係るメモリセルアレイの製造を図示するブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
添付の図面に例示されている本技術の実施形態について、以下、詳細に説明する。以下、本技術をこれらの実施形態に関連して説明するが、これらの実施形態は、本発明を限定することを意図したものではないことを理解されたい。逆に、本発明は、添付の請求の範囲によって定義される本発明の範囲に含まれ得る変更、改良および同等物を包含することを意図している。さらに、以下の本技術の詳細な説明では、本技術の完全な理解を提供するために、具体的な詳細を数多く記載する。しかし、本技術は、それらの具体的な詳細がなくとも実現できることを理解されたい。その他の場合、公知の方法、手順、構成部品および回路については、本技術の態様を不必要に不明瞭にしないように、詳細な説明を省略した。
【0009】
本願において、選言的な表現を使用する場合、連言的な表現も含まれることが意図される。定冠詞または不定冠詞の使用は、基数を示すことを意図するものではない。特に、「その(the)」物または「ある(an)」物と言及した場合には、考えられる複数の該物のうちの1つも表すことが意図される。
【0010】
図3を参すると、本技術の一実施形態に係るメモリセルアレイ構造が示されている。一例の実施において、このメモリセルアレイは、CT−NANDメモリセルアレイ110であり得る。しかし、当然のことながら、本技術の実施形態は、あらゆる電界効果トランジスタデバイスに適用することができる。一例の実施において、CT−FETの各カラムは、シャロートレンチアイソレーション(STI)領域305により分離されている。各CT−FETは、ドレイン領域310と、ソース領域315と、チャネル領域320と、トンネル誘電体領域(通常、下部誘電体領域とも呼ばれる)325と、電荷トラップ領域330と、ブロッキング誘電体領域(通常、上部誘電体領域とも呼ばれる)335と、ゲート領域340と、を含み得る。ソース領域およびドレイン領域310、315は、第1タイプの不純物の高ドーピング濃度を有する基板345の半導体領域であり得る。一例の実施において、ソース領域およびドレイン領域310、315は、リンまたはヒ素が高濃度にドープされたシリコンであり得る。チャネル領域320は、第2タイプの不純物の中ドーピング濃度を有する基板345の半導体領域であり、ソース領域315とドレイン領域310との間に横方向に配置される。一例の実施では、チャネル領域320は、ホウ素が中濃度にドープされたシリコンであり得る。トンネル誘電体領域325は、チャネル領域320上と、ソース領域およびドレイン領域310、315のチャネル領域320との隣接部分上とにわたって配置された誘電体層であり得る。一例の実施において、トンネル誘電体領域325は、酸化シリコン、酸窒化物、酸窒化シリコンなどの層であってよい。電荷トラップ領域330は、トンネル誘電体領域325とブロッキング誘電体領域335との間に配置される誘電体、半導体などの層であり得る。一例の実施において、電荷トラップ領域330は、窒化物、シリコンリッチ窒化物などの層であってよい。ブロッキング誘電体領域335は、電荷トラップ領域330とゲート領域340との間に配置された誘電体層であり得る。一例の実施において、ブロッキング誘電体領域335は、酸化シリコン、酸窒化物、酸窒化シリコンなどの層であってよい。ゲート領域340は、電荷トラップ領域330とは反対側のブロッキング誘電体領域335上に配置された半導体層または導体層であり得る。一例の実施において、ゲート領域340は、第1タイプの不純物の高ドーピング濃度を有するポリシリコン層であり得る。
【0011】
ブロッキング誘電体領域335の表面は、ゲート領域340が形成される前に窒化処理される。ブロッキング誘電体領域335の表面の窒化処理は、ブロッキング誘電体領域335の界面において、ゲート領域340内への酸化侵食を抑制する。従って、ブロッキング誘電体335の厚さは、ゲートのエッジが後続の酸化工程において丸みをつけられるため、ゲート領域340の中央およびエッジにおいて実質的に同一である。
【0012】
図4を参照すると、本技術の実施形態に係るCT−FETの拡大断面図が示されている。ブロッキング誘電体領域335の窒化処理410は、ゲート領域340内への酸化侵食を低減させる。侵食が小さくなることにより、ブロッキング誘電体のエッジにおける厚さ420が、ゲート領域340の中央の実効誘電体厚(effective dielectric thickness)425と実質的に同一になり、これにより書込み−消去耐久性が増す。これに比べて、ゲート領域340のエッジ510に相当程度の丸み付けがなされていない、従来技術に係るCT−FETを
図5Aに示す。CT−FETのゲート領域340のエッジ510が相当程度の丸み付けを有さない場合、データ消去中の電界は、ゲート領域340のエッジにおいて実質的により高くなる。エッジにおいて電界が実質的により高いと、ゲートエッジからの電子注入により、CT−FETの書込み‐消去耐久性が低下する。
図5Bにおいて、従来技術に係る、酸化によるゲート領域のエッジの丸み付け520を有するCT−FETが示されている。ゲートのコーナーの丸み付け520のためのゲート側壁の酸化が、侵食を発生させ、ブロッキング誘電体が、ゲートのエッジにおける厚さ530がゲートの中央における厚さ540よりも厚くなっている。酸化の結果、ブロッキング誘電体領域335がゲート領域340内へ侵食することにより、ブロッキング誘電体領域335全体にわたって有効電場が小さくなる。ブロッキング誘電体領域335のゲート領域340内への侵食によりブロッキング誘電体335の実効厚が大きくなると、フラッシュメモリICの書込み‐消去速度が遅くなる。従って、ゲート領域のエッジにおいて酸化侵食を抑制するためのブロッキング誘電体の窒化処理を利用したゲート側壁のエンジニアリングは、従来技術と比較して、フラッシュメモリICにおけるCT−FETの性能を改善する。また、ゲート領域のエッジにおいて酸化侵食を抑制するためのブロッキング誘電体の窒化処理を利用したゲート側壁のエンジニアリングは、FETを含む他の集積回路の性能を改善させるためにも適用できることを理解されたい。
【0013】
次に、
図6Aおよび6Bを参照すると、本技術の一実施形態に係るメモリセルアレイの製造方法が示されている。このメモリセルアレイの製造方法について、本技術の一実施形態に係るメモリセルアレイの製造を図示する
図7A〜7Eを参照して詳細に説明する。
図6Aおよび7Aに示すように、プロセスは、クリーニング、堆積、ドーピング、エッチングなどといった半導体ウェーハ基板702に対する各種初期プロセスを有する工程605から始まる。基板702は、第1タイプのドーパントが第1濃度にドープされた半導体であってよい。一例の実施において、基板702は、ホウ素が中濃度にドープされたシリコンであり得る(P型)。
【0014】
工程610において、トンネル誘電体領域706が基板702上に形成される。一例の実施において、トンネル誘電体領域706は、メモリセルアレイ領域において、基板702の露出した表面を任意の公知の熱乾燥酸化プロセスにより酸化することにより形成され得る。別の実施では、トンネル誘電体領域706は、任意の公知の化学気相蒸着プロセスにより酸窒化シリコン膜を堆積することによって形成されてもよい。一例の実施では、トンネル誘電体領域706は、約3〜8ナノメートルの厚さに形成され得る。
【0015】
次に、
図7Bを参照すると、工程615において、電荷トラップ領域708がトンネル誘電体領域706上に形成される。工程620において、ブロッキング誘電体領域710が電荷トラップ領域708上に形成される。一例の実施において、電荷トラップ領域およびブロッキング誘電体領域は、まず、化学気相蒸着(CVD)または原子層堆積(ALD)など任意の公知のプロセスによって、窒化物層708をトンネル誘電体領域706上に堆積することにより形成することができる。窒化物層は、シリコン:窒素の原子比率が約3:4以上のシリコンリッチ窒化物を含み得る。電荷トラップ領域は、シリコンリッチ窒化物層上に窒化物層などの多層膜を堆積することにより形成することができる。さらに、これらの層のうちの1つ以上が、実質的に一定の濃度および/または段階的な濃度プロファイルを有し得る。その後、任意の公知のプロセスにより、窒化シリコン層上に犠牲酸化物を形成しても良い。犠牲酸化物および窒化物層の一部分は、その後、窒化物層の残りの部分が酸化されて酸窒化物層または酸窒化シリコン層710が形成される前に、エッチバックされてもよい。一例の実施では、結果的に得られた電荷トラップ領域708は、約4〜15ナノメートルの厚さ、結果的に得られたブロッキング誘電体領域710は、約3〜8ナノメートルの厚さに形成され得る。
【0016】
工程625において、ブロッキング誘電体領域710の露出した表面が窒化処理712される。一例の実施において、酸窒化物層または酸窒化シリコン層710の露出した表面は、炉アニールなどのプロセスにおいて、窒素に曝される。
【0017】
次に、
図7Cを参照すると、工程630において、ゲート領域714がブロッキング誘電体領域710上に形成される。一例の実施において、化学気相蒸着などの任意の公知のプロセスによって、窒化処理された酸窒化物層712、710上にポリシリコン層714が堆積される。ポリシリコン層714上には、フォトレジストが堆積され、任意の公知のフォトリソグラフィプロセスによってパターン形成されて、ゲート/電荷トラップマスク716を形成する。
図7Dを参照すると、その後、ゲート/電荷トラップマスク716によって露出したポリシリコン層714と、窒化処理された酸窒化物層712、710と、窒化物層708とは、任意の公知の異方性エッチングプロセスによって選択的にエッチングされる。ゲート/電荷トラップマスク716は、その後、レジスト剥離またはレジストアッシングといった任意の公知のプロセスにより除去することができる。
【0018】
次に、
図6Bおよび7Eを参照すると、工程635において、ゲート領域714(および、任意の電荷トラップ領域708)が酸化されてゲート領域のゲートコーナーエッジの丸み付け718が行われる一方、窒化処理されたブロッキング誘電体領域712、710によって侵食が抑制される。一例の実施において、ゲート領域714(および、任意の電荷トラップ領域708)の側壁が酸化されて、侵食が抑制された状態で、抑制されたエッジの丸み付け718がなされたゲート領域712(および任意で電荷トラップ領域708)と、側壁の誘電体層720とが形成される。
【0019】
工程640において、注入、ドーピング、エッチング、クリーニングなどといった各種後続のプロセスに進み、ソース、ドレイン、およびチャネル領域、ゲート、ソース、およびドレイン端子、周辺回路、相互接続、ビアホール、不活性化層などといった1つ以上の追加領域が形成される。ソース/ドレイン領域704は、第2タイプのドーパントが第2濃度にドープされた基板702の一部分であってもよい。一例の実施において、ソース/ドレイン領域704は、リンまたはヒ素が高濃度にドープされたシリコンであり得る(N+型)。なお、上述したメモリセルアレイの製造方法は、他の追加的なプロセスを含んでもよく、プロセスの順序は、上述した順序とは異なってもよい。
【0020】
本技術の実施形態は、有利なことに、ブロッキング誘電体領域によるゲート領域内への侵食を抑制しつつ、ゲート領域のシャープなエッジおよびコーナーに丸み付けをする。侵食は、ブロッキング誘電体領域の窒化処理によって有利に抑制される。ゲート領域とチャネル領域との間の電気酸化膜圧(EOT)は、ゲートのエッジおよびコーナーを丸み付けする酸化中のエッジ侵食を抑制した結果、ゲート領域の中央とエッジとで実質的に同一になっている。さらに、ゲート領域のエッジ侵食を抑制したことにより、および/または、ゲート領域とチャネル領域との間のEOTがゲート領域の中央とエッジとで実質的に同一であることにより、書込み‐消去速度および耐久性が有利に増加した。
【0021】
本技術の特定の実施形態についての上記記載は、例示および説明を目的として示した。それらの記載は、絶対的であることを意図せず、また、開示した厳密な形態に本発明を限定することも意図しない。当然ながら、上記の教示を踏まえて多くの改良および変形が可能である。実施形態は、本技術の原理とその実用上の用途について、最適に説明し、それにより当業者が、本技術と、考えられる特定の使用に適した多様な改良を伴う多様な実施形態とを最大限に利用することができるように選択および記載された。本発明の範囲は、添付の請求の範囲およびそれらの同等物によって定義されることが意図される。