(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記表示部と前記カバーウィンドウとの間に設けられ、前記表示部と重なるタッチセンシング部と、前記タッチセンシング部に接続されると共に前記カバーウィンドウの縁部と重なるタッチパッド部を有するタッチ回路接続部とを含むバリアフィルムと、
前記タッチ回路接続部と前記カバーウィンドウの縁部との間に挿入配置された補助挿入部材とをさらに含み、
前記基板は、前記円弧部から突出して前記タッチ回路接続部を支持する支持部をさらに含む、請求項1乃至5のいずれか1項に記載のディスプレイ装置。
【背景技術】
【0002】
一般に、ディスプレイ装置は、移動通信端末機、電子手帳、電子ブック、PMP(Portable Multimedia Player)、ナビゲーション、UMPC(Ultra Mobile PC)、モバイルフォン、スマートフォン、タブレットPC(Personal Computer)、及びウォッチフォン(watch phone)などのような携帯用電子機器だけでなく、テレビ、ノートブック、及びモニタなどの様々な製品の表示画面に広く使用されている。
【0003】
ディスプレイ装置の中で液晶表示装置、有機発光表示装置及び電気泳動表示装置は薄型化が可能であり、これらをフレキシブルディスプレイ装置として具現するための研究開発が進んでいる。
【0004】
有機発光素子を用いたフレキシブルディスプレイ装置は、データ信号に応じて、画素電源ラインから有機発光素子に流れる電流を制御して、所望の画像を表示する。このような有機発光素子を用いたフレキシブルディスプレイ装置は、信号配線の配置構造、画素駆動電源配線の配置構造、及び駆動回路の配置構造に起因して、平面的に矩形状の表示部を有する。
【0005】
最近は、ディスプレイ装置の外観及びデザインが重視され、ウォッチフォンなどのようなウェアラブル(wearable)機器に対する消費者の関心が高まるにつれて、矩形の形状ではなく、円形の表示部を有するディスプレイ装置に関する研究開発が進んでいる。
【0006】
図1は、従来の円形表示部を有するディスプレイ装置の一部を概略的に示す断面図である。
【0007】
図1を参照すると、従来の円形表示部を有するディスプレイ装置は、プラスチック材質からなり、円形状の表示領域DA及び表示領域DAの周辺に設けられた非表示領域NDAを有する基板10と、基板10の表示領域DA上に設けられた表示部20と、基板10の一端部の非表示領域NDAに設けられたパッド部30と、パッド部30に接続され、パッド部30を介して表示部20に信号を供給する軟性回路基板40と、パッド部30を除く基板10の上面を覆うように表示部20上に設けられたバリアフィルム50と、バリアフィルム50の上面に貼り付けられた偏光フィルム60と、透明接着剤65によって偏光フィルム60の上面に貼り付けられて基板10の上面を覆うカバーウィンドウ70と、軟性回路基板40と基板10のパッド部30とが連結される部位に塗布されて硬化された樹脂コーティング層80とを含む。
【0008】
表示部20は、有機発光素子(図示せず)及びパッド部30を介して軟性回路基板40から供給される信号に応じて有機発光素子を発光させる画素回路(図示せず)を含む。
【0009】
従来の円形表示部を有するディスプレイ装置の駆動回路接続部では、基板10とカバーウィンドウ70との間にギャップ空間GSが存在するようになる。このようなギャップ空間GSは、基板10のパッド部30と軟性回路基板40とを接続しなければならないことに起因して、偏光フィルム60の貼り付け公差と透明接着剤65の塗布公差などによって不可避に駆動回路接続部上に発生することになる。このようなギャップ空間GSが発生する場合、偏光フィルム60の上面にカバーウィンドウ70を貼り付けるダイレクトボンディング工程時に、ギャップ空間GSと重なる基板10に加わる貼り合わせ力及び接着力のような外力によって、基板10にクラック(crack)及び微細な亀裂が発生し、これによって基板10の信頼性が低下する。
【0010】
一方、軟性回路基板40と基板10のパッド部30との接着力を改善するために使用される樹脂コーティング層80を用いてギャップ空間GSを密封してもよいが、この場合、樹脂コーティング層80をギャップ空間GSに充填させるのが困難であった。すなわち、樹脂コーティング層80の厚さが厚くなるほど、樹脂コーティング層80を硬化させるために多くの工程時間が必要となり、これによって生産性が低下してしまう。また、カバーウィンドウ70の貼り付け時に、ギャップ空間GSに充填される樹脂コーティング層80の拡散によって周辺領域が汚染されてしまう。このような周辺領域の汚染を防止するためには、別途の障壁を形成しなければならず、追加工程が必要であった。
【0011】
前述した有機発光素子を用いた円形表示部を有するディスプレイ装置の内容は、本出願の発明者が本発明の導出のために保有し、または本発明の導出過程で習得した技術情報であって、必ずしも本発明の出願前に一般公衆に公開された公知技術とは言えない。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本明細書で述べられる用語の意味は、次のように理解されるべきである。
単数の表現は、文脈上明らかに別の意味として定義しない限り、複数の表現を含むものと理解しなければならず、「第1」、「第2」などの用語は、一つの構成要素を他の構成要素から区別するためのもので、これらの用語によって権利範囲が限定されてはならない。「含む」又は「有する」などの用語は、1つまたはそれ以上の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素、部品、又はこれらを組み合わせたものの存在または付加可能性をあらかじめ排除しないものと理解しなければならない。「少なくとも1つ」という用語は、1つ以上の関連項目から提示可能な全ての組み合わせを含むものと理解しなければならない。例えば、「第1項目、第2項目、及び第3項目のうちの少なくとも1つ」の意味は、第1項目、第2項目、または第3項目のそれぞれだけでなく、第1項目、第2項目、及び第3項目のうちの2つ以上から提示できる全ての項目の組み合わせを意味する。「上に」という用語は、ある構成が他の構成の直ぐ上面に形成される場合のみならず、これら構成の間に第3の構成が介在する場合まで含むことを意味する。
【0026】
以下では、本発明に係るディスプレイ装置の好ましい例を、添付の図面を参照して詳細に説明する。各図面の構成要素に参照符号を付するにおいて、同一の構成要素に対しては、たとえ異なる図面上に表示されても、可能な限り同一の符号を有することができる。また、本発明を説明するにおいて、関連する公知の構成または機能についての具体的な説明が本発明の要旨を曖昧にすると判断される場合には、その詳細な説明は省略可能である。
【0027】
図2は、本発明の一実施形態に係るディスプレイ装置の一端部の断面を簡略に示す断面図である。
【0028】
図2を参照すると、本発明の一実施形態に係るディスプレイ装置は、基板110、表示部120、カバーウィンドウ170、及び挿入部材190を含む。
【0029】
前記基板110は、円形状として定義された表示領域DAと、表示領域DAの周辺に定義された非表示領域NDAとを含む。このような基板110は、柔軟なプラスチック材質、例えば、不透明または有色ポリイミド(PI;Polyimide)材質からなることができる。
【0030】
前記基板110の背面には、支持基板(図示せず)がさらに貼着されてもよく、前記支持基板は、前記基板110の形状を維持させる役割を果たす。このような支持基板は、前記基板110よりも弱い柔軟性を有する高分子樹脂材質、例えば、PET(polyethylenterephthalate)、PC(polycarbonate)、PES(polyethersulfone)、PEN(polyethylene naphthalate)、及びPNB(polynorbornene)のいずれか1つの材質により形成することができる。一方、前記基板110は、柔軟でない材質により形成してもよいが、この場合、前記支持基板は、ディスプレイ装置のスリム化のために省略することが好ましい。
【0031】
前記表示部120は、基板110に定義された表示領域DA上に円形状に設けられ、有機発光素子を有する複数の画素を含む。前記複数の画素は、基板110の一端部に設けられたディスプレイパッド部130を介して供給される駆動信号により駆動される有機発光素子の発光を通じて所定の映像を表示する。このような表示部120は、複数の画素を覆う封止層(encapsulation layer)を含むことができる。
【0032】
前記ディスプレイパッド部130は、軟性回路基板140に接続され、軟性回路基板140を介して供給される駆動信号を各画素に伝達する。
【0033】
前記軟性回路基板140の一端部はディスプレイパッド部130に接続され、前記軟性回路基板140の他端部はディスプレイ装置の駆動システムに接続される。このような軟性回路基板140にはディスプレイ駆動集積回路142が実装されており、前記ディスプレイ駆動集積回路142は、駆動システムから供給される制御信号及びデジタルデータに基づいて、各画素の有機発光素子を発光させるための制御信号及びデータ信号を含む駆動信号を生成して各画素に供給する。
【0034】
前記軟性回路基板140と前記ディスプレイパッド部130との接続部位は、樹脂コーティング層180によって密封されている。前記樹脂コーティング層180は、前記軟性回路基板140と前記ディスプレイパッド部130との接着力を改善すると共に、前記軟性回路基板140と前記ディスプレイパッド部130との接続部位に浸透する水分または湿気を遮断する役割を果たす。このような樹脂コーティング層180は、前記軟性回路基板140と前記ディスプレイパッド部130との接続部位に塗布されて硬化される熱硬化性樹脂または光硬化性樹脂により形成することができる。
【0035】
一方、前記基板110は、表示領域DAの曲率に沿って非表示領域NDAに設けられたゲート内蔵回路(図示せず)を含む。前記ゲート内蔵回路は、前記ディスプレイ駆動集積回路142から供給されるスキャン制御信号に応じてスキャン信号を生成し、生成されたスキャン信号を各画素に供給する。
【0036】
前記カバーウィンドウ170は、円形状を有する透明ガラスまたは透明プラスチック材質からなり、基板110上に設けられたディスプレイパッド部130を除いた残りの表示部120を覆う。このようなカバーウィンドウ170は、透明接着剤165によって表示部120上に貼り付けられることによって、表示部120から放出される映像光を外部に透過させる。
【0037】
前記挿入部材190は、互いに対向する、基板110の縁部とカバーウィンドウ170の縁部との間のギャップ空間に挿入配置される。ここで、前記ギャップ空間は、前記軟性回路基板140と前記ディスプレイパッド部130との接続のために前記ディスプレイパッド部130上に不可避に発生するもので、表示部120上にカバーウィンドウ170を貼り付けるダイレクトボンディング工程において、ギャップ空間と重なる基板110に加わる貼り合わせ力及び接着力のような外力によって基板110にクラック(crack)及び微細な亀裂が発生することがある。これによって、前記挿入部材190は、前記ギャップ空間に挿入されて前記ギャップ空間を密封するか、またはギャップ空間を挟んで対向する基板110とカバーウィンドウ170との間の段差を減少させることによって、カバーウィンドウ170のダイレクトボンディング工程において発生する基板110の損傷を防止し、またはギャップ空間に重なる基板110及び/又はカバーウィンドウ170の縁部に加わる外力によって発生する基板110の損傷を防止することができる。
【0038】
一実施例に係る挿入部材190は、弾性重合体材質を含むことができ、このような挿入部材190は、その下面に設けられた接着剤(図示せず)によって樹脂コーティング層180の上面に貼着される。さらに、前記挿入部材190は、その上面に設けられた接着剤によってカバーウィンドウ170の背面に追加的に貼着されてもよい。
【0039】
他の実施例に係る挿入部材190は、
図2の拡大図のように、ベース部材191と、ベース部材191の下面に設けられた下部層193と、ベース部材191の上面に設けられた上部層195とを含む。ここで、前記ベース部材191は、高分子樹脂材質または弾性重合体材質により形成することができる。そして、前記上部層195と下部層193のそれぞれは、高分子樹脂材質及び弾性重合体材質のうち、前記ベース部材191と異なる材質により形成することができる。このような他の例に係る挿入部材190は、下部層193の下面に設けられた接着剤(図示せず)によって樹脂コーティング層180の上面に貼着されてもよく、さらに、上部層195に設けられた接着剤によってカバーウィンドウ170の背面に追加的に貼着されてもよい。
【0040】
このような、本発明の一実施形態に係るディスプレイ装置は、基板110の縁部とカバーウィンドウ170の縁部との間のギャップ空間に挿入部材190を挿入配置することによって、ギャップ空間によってカバーウィンドウ170の貼り合わせ工程で発生する基板110の損傷を防止し、これによって、基板110の信頼性の低下を防止することができる。
【0041】
図3は、本発明の第1実施形態に係るディスプレイ装置を簡略に示す平面図であり、
図4は、
図3に示されたI−I’線の断面図であり、
図5は、
図3に示された基板を説明するための平面図である。
【0042】
図3乃至
図5を参照すると、本発明の第1実施形態に係るディスプレイ装置は、基板110、表示部120、ディスプレイパッド部130、軟性回路基板140、バリアフィルム150、偏光フィルム160、カバーウィンドウ170、樹脂コーティング層180、及び挿入部材190を含む。
【0043】
前記基板110は、円弧部111及び駆動回路接続部112を含んでなるもので、前述したように、柔軟なプラスチック材質により形成することができる。
【0044】
前記円弧部111は、表示部120の中心部を基準として同一の第1半径r1を有する第1及び第2円周点CP1,CP2によって円弧形状を有し、第1及び第2円周点CP1,CP2の間は直線形状を有する。このような円弧部111は、表示領域DAと、表示領域DAを取り囲む非表示領域NDAとを含む。
【0045】
前記表示領域DAは、円弧部111の中心部を基準として、前記第1半径r1よりも小さい第2半径r2を有する円形状からなる。このとき、前記円弧部111と表示領域DAとは実質的に同心円形状からなり、これによって、本発明は、基板110の外側壁と表示領域DAとの間として定義されるディスプレイ装置のベゼル幅を減少させることができる。
【0046】
前記非表示領域NDAは、前記表示領域DAを除外した円弧部111の縁領域を含んでなる。
【0047】
前記駆動回路接続部112は、第1及び第2円周点CP1,CP2の間として定義される円弧部111の一端部から所定の大きさを有するように突出(または延長)している。
【0048】
前記表示部120は、前記表示領域DA上に円形状に設けられる。このような前記表示部120は、
図6及び
図7に示すように、一定の間隔を有する複数のスキャンラインSL、前記複数のスキャンラインSLと交差しながら一定の間隔を有する複数のデータラインDL、前記複数のデータラインDLと並んだ複数の画素電源ラインPL、及び複数の画素Pを含んでなる。
【0049】
前記複数の画素Pのそれぞれは、マトリックス形状を有するように表示領域DAに配置される。このとき、非表示領域NDAに隣接する画素は、表示領域DAの円周に沿って階段形状に配置され得る。すなわち、四角形状を有する画素Pを表示領域DAの円周に沿って配置する場合、表示領域DAの円周(または最外郭部)は、四角形状の画素により、円形ではなく階段形状を有するようになる。しかし、表示部120が一定以上の解像度を有する場合、階段形状を有する表示領域DAの円周は円形状として認識され得る。これによって、画素の配置によって微細な階段形状を有する表示領域DAの円周は、実質的に円形状と見ることができる。したがって、前記円弧部111と表示部120は、実質的に同心円形状を有するものと見ることができる。
【0050】
追加的に、前記表示部120は、表示領域DAの円周に沿って最外郭の画素Pの周辺に設けられた複数のダミー画素DPをさらに含んでもよい。ここで、前記複数のダミー画素DPは、表示領域DAと非表示領域NDAとの境界部に設けられる。このような複数のダミー画素DPは、映像を表示する実際の画素Pが外部の静電気によって損傷することを防止する役割を果たす。ここで、表示領域DAに設けられた各画素列の両端には、同じ個数または1つ以上のダミー画素DPが配置されてもよく、各画素列に配置されたダミー画素の数は、表示領域DAの円周に沿って同一であってもよく、異なっていてもよい。
【0051】
このような複数の画素Pのそれぞれは、画素回路PC及び有機発光素子OLEDを含んで構成されてもよい。
【0052】
前記画素回路PCは、隣接するスキャンラインSL、データラインDL及び画素電源ラインPLに接続され、画素電源ラインPLに供給される画素駆動電源Vddに基づいて、スキャンラインSLからのスキャン信号に応答して、データラインDLからのデータ信号Vdataに応じて有機発光素子OLEDに流れる電流を制御する。一実施例に係る画素回路PCは、スイッチングトランジスタTsw、駆動トランジスタTdr、及びキャパシタCstを含んでなることができる。
【0053】
前記スイッチングトランジスタTswは、スキャンラインSLに供給されるスキャン信号に応じてスイッチングされ、データラインDLに供給されるデータ信号Vdataを駆動トランジスタTdrに供給する。前記駆動トランジスタTdrは、スイッチングトランジスタTswから供給されるデータ信号Vdataに応じてスイッチングされ、画素電源ラインPLから有機発光素子OLEDに流れるデータ電流を制御する。前記キャパシタCstは、駆動トランジスタTdrのゲート端子とソース端子との間に接続され、駆動トランジスタTdrのゲート端子に供給されるデータ信号Vdataに対応する電圧を蓄積し、蓄積された電圧で駆動トランジスタTdrをターンオンさせる。
【0054】
前記有機発光素子OLEDは、駆動トランジスタTdrのソース端子に接続されたアノード電極(または画素電極)と、アノード電極上に設けられた有機発光層と、有機発光層上に設けられたカソード電極層CEとを含んでなることができる。このような前記有機発光素子OLEDは、駆動トランジスタTdrから供給されるデータ電流により発光することによって、所定の映像を表示する。
【0055】
再び
図3乃至
図7を参照すると、前記表示部120に隣接する円弧部111上には、駆動電源供給ライン113、カソード電源供給ライン114、及びゲート内蔵回路115が設けられている。
【0056】
前記駆動電源供給ライン113は、一定の幅と厚さを有するように、表示部120の周縁に沿って基板110上に設けられ、その両端が、駆動回路接続部112に設けられたディスプレイパッド部130に接続されている。このような駆動電源供給ライン113は、ディスプレイパッド部130から供給される画素駆動電源Vddを表示部120に設けられた複数の画素電源ラインPLに供給するためのメイン電源線の役割を果たす。
【0057】
一実施例に係る駆動電源供給ライン113は、基板110上の位置に応じて円周ライン113aと、第1及び第2ショルダーライン(shoulder line)113b,113cとに区分することができる。
【0058】
前記円周ライン113aは、駆動回路接続部112に隣接する表示部120の一端部を除いた残りの表示部120の周縁に沿って設けられている。前記円周ライン113aは、表示部120及び基板110の外側壁のうちの少なくとも1つと同心円形状を有することが好ましい。このとき、
図8に示すように、前記駆動電源供給ライン113は基板110の最外郭に設けられるので、静電気の流入などを考慮して、基板110の外側壁110aから一定の距離D1だけ離隔しなければならない。もし、前記円周ライン113aが表示部120と同心円形状を有しない場合、基板110の外側壁110aと円周ライン113aとの間の距離D1が不均一となり、これにより、基板110の外側壁110aと相対的に近くに位置した円周ライン113aに静電気が流入することがある。したがって、前記円周ライン113aは、表示部120と同心円形状を有し、さらに、基板110の外側壁110aとも同心円形状を有することが好ましい。
【0059】
前記第1ショルダーライン113bは、駆動回路接続部112に隣接する円周ライン113aの一端部とディスプレイパッド部130との間に一定の曲率で形成され、円周ライン113aの一端部をディスプレイパッド部130に接続する。前記第1ショルダーライン113bは、ディスプレイパッド部130と表示部120との間に設けられる最外郭リンクラインと重ならないと共に、前記第1円周点CP1を取り囲むように相対的に大きい曲率を有することが好ましい。
【0060】
前記第2ショルダーライン113cは、駆動回路接続部112に隣接する円周ライン113aの他端部とディスプレイパッド部130との間に一定の曲率で形成され、円周ライン113aの他端部をディスプレイパッド部130に接続する。前記第2ショルダーライン113cは、ディスプレイパッド部130と表示部120との間に設けられる最外郭リンクラインと重ならないと共に、前記第2円周点CP2を取り囲むように相対的に大きい曲率を有することが好ましい。
【0061】
前記第1及び第2ショルダーライン113b,113cのそれぞれは、ディスプレイパッド部130から供給される画素駆動電源Vddを円周ライン113aの両端に供給することによって、前記駆動電源供給ライン113から発生する位置別電圧降下の偏差を最小化する。
【0062】
このような前記駆動電源供給ライン113は、複数の電源共有ラインPSLを介して、表示部120に設けられた各画素Pの画素電源ラインPLと接続される。
【0063】
前記複数の電源共有ラインPSLのそれぞれは、2つ以上の画素Pからなる複数の画素グループ単位で、各画素グループに含まれた画素電源ラインPLを駆動電源供給ライン113の円周ライン113aに接続する。すなわち、複数の電源共有ラインPSLのそれぞれは、画素駆動電源Vddとデータ信号Vdataとの間の信号の干渉を防止するために、データラインDLと交差することなしに、前記各画素グループに含まれた2つ以上の画素電源ラインPLに共有される。ここで、前記複数の画素グループのそれぞれは、データラインDL及び画素電源ラインPLに接続された画素Pからなる2つ以上の画素列であって、表示部120の曲率に基づいて事前に設定された、同一またはそれぞれ異なる画素列からなってもよい。
【0064】
前記カソード電源供給ライン114は、一定の幅と厚さを有するように、表示部120の周縁に沿って前記駆動電源供給ライン113と表示部120との間の基板110上に設けられ、両端が前記ディスプレイパッド部130に接続される。一実施例に係るカソード電源供給ライン114は、前記駆動電源供給ライン113と同一の構造とし、駆動電源供給ライン113と並列するように配置してもよい。前記カソード電源供給ライン114は、
図8に示したように、前記表示部120を覆うように前記円弧部111上に形成されるカソード電極層CEに電気的に接続される。このような前記カソード電源供給ライン114は、ディスプレイパッド部130から供給されるカソード電源を前記カソード電極層CEに供給することによって、前記カソード電極層CEを介して、前記表示部120に形成された全ての画素Pの有機発光素子OLEDにカソード電源が供給されるようにする。
【0065】
前記カソード電極層CEは、各画素Pの画素回路PCを覆う保護層116上に形成され、各画素Pに形成された有機発光素子OLEDの有機発光層に電気的に接続される。このような前記カソード電極層CEの縁部は、前記カソード電源供給ライン114に直接的に接続される。
【0066】
前記カソード電極層CEは、前記駆動電源供給ライン113と表示部120との間に形成され、これによって、本発明は、ディスプレイ装置のベゼル幅BWを減少させることができる。すなわち、前記保護層116は、水分の伝達が円滑に行われる有機物質からなるので、保護層116に浸透する水分による有機発光素子OLEDの損傷を防止するために、基板110の外側壁110aから一定の距離D2だけ離隔しなければならない。これによって、本発明は、基板110の外側壁110aから一定の距離D2だけ離隔するように、前記駆動電源供給ライン113と表示部120との間に前記カソード電源供給ライン114を配置することによって、保護層116を基板110の外側壁110aから一定の距離D2だけ離隔させながら、基板110の外側壁110aと表示部120との間の幅として定義されるディスプレイ装置のベゼル幅BWを減少させることができる。
【0067】
一方、前記カソード電極層CEは、前記駆動電源供給ライン113よりも基板110の外側壁110aに隣接するように形成してもよい。しかし、この場合、保護層116を基板110の外側壁110aから一定の距離D2だけ離隔させるために、基板110の縁部を外郭側にさらに広げなければならず、これにより、前記ディスプレイ装置のベゼル幅BWが増加するという欠点がある。結果的に、ディスプレイ装置のベゼル幅BWを減少させると同時に、保護層116を基板110の外側壁110aから一定の距離D2だけ離隔させるために、前記カソード電源供給ライン114は、前記駆動電源供給ライン113と表示部120との間に形成されることが好ましい。
【0068】
このようなカソード電極層CEは、封止層(encapsulation layer)117によって覆われる。前記封止層117は、有機物質層、無機物質層、または有機物質層と無機物質層とが交互に積層された複層構造で形成されてもよい。
【0069】
前記ゲート内蔵回路115は、画素Pの薄膜トランジスタの工程時に、表示部120の周縁に沿って円弧形状を有するように基板110上に設けられて、複数のスキャンラインSLのそれぞれに接続される。このようなゲート内蔵回路115は、ディスプレイパッド部130から供給されるスキャン制御信号に応答してスキャン信号を生成し、複数のスキャンラインSLに順次供給する。一実施例として、前記ゲート内蔵回路115は、表示部120の左側縁または右側縁に沿って設けられ、複数のスキャンラインSLのそれぞれの一端または他端にスキャン信号を供給することができる。他の実施例として、前記ゲート内蔵回路115は、表示部120の左側縁及び右側縁に沿って形成され、複数のスキャンラインSLのそれぞれの一端と他端にスキャン信号を同時に供給してもよい。更に他の実施例として、前記ゲート内蔵回路115は、表示部120の左側縁及び右側縁に沿って形成され、奇数番目のスキャンラインSLの一端にスキャン信号を供給し、奇数番目のスキャンラインSLの他端にスキャン信号を供給してもよい。
【0070】
再び
図3乃至
図5を参照すると、前記ディスプレイパッド部130は、前記駆動回路接続部112の外側縁部に設けられる。このようなディスプレイパッド部130は、複数のデータパッドと、第1及び第2ショルダーライン113b,113cのそれぞれに接続される第1及び第2駆動電源パッドと、カソード電源供給ライン114の一端及び他端のそれぞれに接続される第1及び第2カソード電源パッドと、ゲート内蔵回路115に接続される複数のゲートパッドとを含む。
【0071】
前記複数のデータパッドは、複数のデータリンクラインを介して複数のデータラインDLと一対一で接続されている。前記第1及び第2駆動電源パッドは、第1及び第2ショルダーライン113b,113cと一対一で接続されている。第1及び第2カソード電源パッドは、カソード電源供給ライン114の一端と他端に一対一で接続されている。そして、複数のゲートパッドは、複数のゲート制御リンクラインを介してゲート内蔵回路115に接続されている。
【0072】
前記軟性回路基板140は、ボンディング工程により前記ディスプレイパッド部130に接続されるもので、TCP(Tape Carrier Package)またはCOF(Chip On Flexible BoardまたはChip On Film)からなってもよい。このような軟性回路基板140は、基板110の側面を囲むように基板110の背面側に屈曲されて駆動システムと接続される。
【0073】
前記軟性回路基板140には、ディスプレイ駆動集積回路142が実装されている。
【0074】
前記ディスプレイ駆動集積回路142は、駆動システムから供給される映像データ及びタイミング同期信号を受信し、タイミング同期信号に応じて映像データをデータ信号に変換して、前記ディスプレイパッド部130を介して各画素Pのデータラインに供給することと同期されるように、タイミング同期信号に応じてゲート制御信号を生成して、前記ディスプレイパッド部130を介してゲート内蔵回路115に供給する。
【0075】
前記軟性回路基板140とディスプレイパッド部130との接続部位は、樹脂コーティング層180によって覆われてもよい。
【0076】
前記樹脂コーティング層180は、樹脂物質の塗布及び硬化工程によって前記軟性回路基板140とディスプレイパッド部130との接続部位を覆うように設けられることによって、前記軟性回路基板140と前記ディスプレイパッド部130との接着力を改善すると同時に、前記軟性回路基板140と前記ディスプレイパッド部130との接続部位に浸透する水分または湿気を遮断する役割を果たす。一例に係る樹脂コーティング層180は、熱硬化性樹脂または光硬化性樹脂からなることができる。
【0077】
再び
図3及び
図4を参照すると、前記バリアフィルム150は、前記表示部120を覆うように基板110上に設けられる。このとき、バリアフィルム150は、透明接着剤(図示せず)によって、表示部120の上面に設けられた封止層117上に貼り付けられてもよい。このようなバリアフィルム150は、水分透湿度の低い材質、例えば、ポリマー材質からなることができる。一方、ディスプレイパッド部130に隣接する表示部120の側面及びバリアフィルム150のそれぞれの側面は、前記樹脂コーティング層180によって密封されてもよい。
【0078】
前記偏光フィルム160は、前記バリアフィルム150の上面に貼付され、表示部120から放出される光を偏光する。
【0079】
前記カバーウィンドウ170は、円形状を有する透明ガラスまたは透明プラスチック材質からなり、基板110上に設けられたディスプレイパッド部130を除外した残りの基板110の上部を覆う。このようなカバーウィンドウ170は、OCA(Optical Clear Adhesive)のような透明接着剤165によって表示部120、すなわち、偏光フィルム160の上面に貼付されることによって、表示部120から放出される映像光を外部に透過させると共に、表示部120を保護する役割を果たす。このとき、基板110の駆動回路接続部112とカバーウィンドウ170との間には、前記軟性回路基板140と前記ディスプレイパッド部130との接続のために一定のギャップ空間が設けられる。
【0080】
追加的に、前記カバーウィンドウ170は、ローラを用いたダイレクトボンディング工程により基板110上に貼り付けられてもよい。一実施例に係るダイレクトボンディング工程は、ボンディングステージ上にカバーウィンドウ170を配置する工程と、上下に反転された基板110をカバーウィンドウ170上に配置する工程と、加圧ローラを用いて基板110を加圧することで、基板110をカバーウィンドウ170に貼り付ける工程と、紫外線または熱を用いて透明接着剤165に硬化させる工程とを含む。ここで、前記透明接着剤165は、基板110及びカバーウィンドウ170のうちの少なくとも1つに塗布されてもよい。
【0081】
前記挿入部材190は、互いに対向する基板110の縁部、すなわち、駆動回路接続部112とカバーウィンドウ170との間に発生する前記ギャップ空間に挿入配置される。すなわち、挿入部材190は、樹脂コーティング層180とカバーウィンドウ170との間に介在するもので、樹脂コーティング層180の上面に貼着され、さらに、カバーウィンドウ170の背面にも貼着され得る。このような挿入部材190は、前記ギャップ空間を密封するか、またはギャップ空間を挟んで対向する基板110とカバーウィンドウ170との間の段差を減少させることによって、カバーウィンドウ170のダイレクトボンディング工程で発生する基板110の損傷を防止する。
【0082】
再び
図3乃至
図5を参照すると、本発明の第1実施形態に係るディスプレイ装置は、表示部120とディスプレイパッド部130との間に設けられた選択部118をさらに含むことができる。
【0083】
前記選択部118は、ディスプレイパッド部130に隣接する表示部120の上側縁に沿って設けられ、2つ以上のデータライン単位で接続された複数の選択回路118aを含む。前記複数の選択回路118aのそれぞれは、2つ以上のデータライン単位からなる複数のデータグループに一対一で接続されることによって、各データグループに含まれたデータラインを時分割駆動する。一実施例に係る複数の選択回路118aのそれぞれは、1つの入力端子及び2つ以上の出力端子を有する多重化回路、例えば、マルチプレクサーであってもよい。選択回路118aの入力端子には、前記ディスプレイ駆動集積回路142からデータ信号が供給される。選択回路118aの出力端子は、各データグループに含まれたデータラインと一対一で接続される。このような複数の選択回路118aのそれぞれは、時分割選択信号に応答して、入力端子に供給されるデータ信号を各データグループに含まれたデータラインに順次供給する。このような選択部118を含むディスプレイ装置は、ディスプレイパッド部130とデータラインとを接続するデータリンクラインの数が減少することによって、前記データリンクラインの形成領域が減少し、これによって、前記第1円周点CP1と第2円周点CP2との間の長さが減少する。したがって、本発明は、基板110の円弧部111が表示部120とさらに同心円形状を有することができ、円形状の表示部を有しながら、狭いベゼル幅BWを有するディスプレイ装置を具現することができる。
【0084】
本発明の第1実施形態に係るディスプレイ装置において、バリアフィルム150は、ベースフィルム、ベースフィルムに設けられたタッチセンシング部、及びベースフィルムの下側から突出(または延長)したタッチ回路接続部151を含むことができる。
【0085】
ベースフィルムは、水分透湿度の低い材質、例えば、ポリマー材質からなることができる。
【0086】
タッチセンシング部は、表示部120と重なるようにベースフィルム上に定義されたタッチセンシング領域に設けられたタッチ駆動ライン及びタッチセンシングラインを含む。
【0087】
前記タッチ回路接続部151は、ベースフィルムの下側から一定の大きさで突出(または延長)して、基板110に設けられた支持部119上に配置される。ここで、前記支持部119は、表示部120の中心部を基準として同じ第1半径r1を有する第3円周点CP3と第4円周点CP4との間として定義される円弧部111の他端部から、一定の大きさを有するように突出(または延長)してもよい。
【0088】
前記タッチ回路接続部151は、前記タッチセンシング部のタッチ駆動ライン及びタッチセンシングラインのそれぞれと接続される複数のタッチ駆動リンクライン及び複数のタッチセンシングリンクラインと、複数のタッチ駆動リンクライン及び複数のタッチセンシングリンクラインと一対一で接続される複数のタッチパッドを含むタッチパッド部153とを含む。
【0089】
前記タッチパッド部153は、ボンディング工程によりタッチ用軟性回路基板200に接続され、前記タッチ用軟性回路基板200は、基板110の側面を囲むように基板110の背面側にベンディングされてタッチ駆動回路部(図示せず)と接続される。ここで、タッチパッド部153とタッチ用軟性回路基板200との接続部位は、前記樹脂コーティング層180によって密封されてもよく、この場合、樹脂コーティング層180によってタッチパッド部153とタッチ用軟性回路基板200との接着力が改善され、タッチパッド部153とタッチ用軟性回路基板200との接続部位に浸透する水分または湿気の浸透を遮断することができる。
【0090】
一方、前記バリアフィルム150は、タッチセンシング部、タッチ回路接続部151及びタッチパッド部153を含まずに、ベースフィルムのみからなってもよい。この場合、バリアフィルム150と偏光フィルム160との間にはタッチスクリーン(図示せず)が配置されてもよい。タッチスクリーンは、タッチ用ベースフィルムと、タッチ用ベースフィルムに設けられたタッチセンシング部と、ベースフィルムの下側から突出(または延長)し、タッチセンシング部と接続されるタッチパッド部を有するタッチ回路接続部とを含むことができる。
【0091】
以上のように、本発明の第1実施形態に係るディスプレイ装置は、ディスプレイパッド部130に隣接しながら互いに対向する基板110とカバーウィンドウ170との間のギャップ空間に挿入部材190を挿入配置して、前記ギャップ空間を密封するか、またはギャップ空間において基板110とカバーウィンドウ170との間の段差を減少させることによって、基板110とカバーウィンドウ170のダイレクトボンディング工程で前記ギャップ空間により発生する基板110の損傷を防止し、または、外力による、ギャップ空間に重なるカバーウィンドウ170の損傷又は基板110の損傷を防止することができる。また、本発明の第1の例に係るディスプレイ装置は、前記円弧部111と表示部120が実質的に同心円形状を有することによって狭いベゼル幅BWを有し、これによって、ギャップ空間の長さ、すなわち、駆動回路接続部の長辺の長さが減少できる。
【0092】
図9A乃至
図9Cは、本発明に係るディスプレイ装置において、挿入部材の様々な例を説明するための図である。
【0093】
まず、
図9Aに示すように、第1の実施例に係る挿入部材190は、弾性重合体材質からなり、多角形状、例えば、矩形形状を有する。このような挿入部材190の背面は、接着剤(図示せず)により樹脂コーティング層180(
図4参照)の上面に貼着することができ、カバーウィンドウ170(
図4参照)と重なる挿入部材190の上面の一部190uは、カバーウィンドウの縁部の背面によって押圧されるか、または接着剤によりカバーウィンドウの縁部の背面に貼着されてもよい。ここで、挿入部材190の上面の一部190uがカバーウィンドウによって押圧される場合、挿入部材190の厚さは、樹脂コーティング層とカバーウィンドウとの間の距離よりも、所定の厚さだけ厚くしてもよい。このような第1の例に係る挿入部材190は、互いに対向する基板とカバーウィンドウとの間のギャップ空間を密封し、また弾性材質からなるので、ギャップ空間と重なる基板及び/又はカバーウィンドウの縁部に加わる外力を緩衝する役割も果たす。
【0094】
次に、
図9Bに示すように、第2の実施例に係る挿入部材190は、多角形状、例えば、矩形形状を有するもので、ベース部材191、下部層193、及び上部層195を含む。
【0095】
一実施例に係るベース部材191は、高分子樹脂材質、または基板と同じ材質からなってもよい。
【0096】
他の実施例に係るベース部材191は弾性重合体材質からなってもよい。
【0097】
一実施例に係る下部層193は、前記ベース部材191の下面に結合されたもので、高分子樹脂材質及び弾性重合体材質のうち、前記ベース部材191と異なる材質からなってもよい。このような下部層193は、接着剤(図示せず)により樹脂コーティング層180(
図4参照)の上面に貼着されてもよい。
【0098】
一実施例に係る上部層195は、前記下部層193と同じ材質からなってもよい。カバーウィンドウ170(
図4参照)と重なる上部層195の上面の一部195uは、カバーウィンドウの縁部の背面によって押圧されるか、または接着剤によりカバーウィンドウの縁部の背面に貼着されてもよい。
【0099】
このような、第2の実施例に係る挿入部材190は、互いに対向する基板とカバーウィンドウとの間のギャップ空間を密封し、また、弾性材質を含む複層構造を有するので、ギャップ空間と重なる基板及び/又はカバーウィンドウの縁部に加わる外力を緩衝する役割も果たす。
【0100】
次に、
図9Cに示すように、第3の実施例に係る挿入部材190は、弾性重合体材質からなり、曲率部197を有する多角形状、例えば、矩形形状を有する。前記曲率部197は、表示部120と対向する挿入部材190の内側面から前記カバーウィンドウの曲率に沿って凹状に設けられる。前記曲率部197の上面の縁部197uは、カバーウィンドウの縁部の背面によって押圧されるか、または接着剤によりカバーウィンドウの縁部の背面に貼着されてもよい。このような、第3の実施例に係る挿入部材190は、曲率部197が前記カバーウィンドウの曲率に沿って凹状に形成されることによって、駆動回路接続部上で発生するカバーウィンドウと基板との間のギャップ空間全体を密封することができる。
【0101】
追加的に、第3の実施例に係る挿入部材190は、
図9Bに示したように、ベース部材191、下部層193及び上部層195を含む、3層以上の積層構造からなってもよい。
【0102】
図10は、本発明の第2実施形態に係るディスプレイ装置を簡略に示す平面図であり、
図11は、
図10に示されたI−I’線及びIII−III’線のそれぞれの断面図であって、これは、バリアフィルムに設けられたタッチ回路接続部とカバーウィンドウとの間のギャップ空間に補助挿入部材をさらに挿入配置したものである。これによって、補助挿入部材210を除外した残りのディスプレイ装置の構成は、
図3乃至
図8に示した本発明の第1の例に係るディスプレイ装置と同一であるので、同一の構成に対する重複説明は省略する。
【0103】
図10及び
図11を参照すると、前記補助挿入部材210は、バリアフィルム150の下側に設けられたタッチ回路接続部151とカバーウィンドウ170との間に発生するギャップ空間に挿入配置される。ここで、タッチ回路接続部151とカバーウィンドウ170との間のギャップ空間は、タッチ用軟性回路基板200と前記タッチパッド部153との接続のために前記タッチ回路接続部151上に不可避に発生し得る。これによって、補助挿入部材210は、タッチ回路接続部151とカバーウィンドウ170との間のギャップ空間に介在することによって、前記ギャップ空間を密封するか、またはギャップ空間を挟んで対向するバリアフィルム150のタッチ回路接続部151とカバーウィンドウ170との間の段差を減少させることによって、カバーウィンドウ170の貼り合わせ工程で発生する基板110の損傷を防止する。このような補助挿入部材210は、
図9A乃至
図9Cのいずれかに示された挿入部材190と同一の構造を有すると共に、同一の方法でタッチ回路接続部151とカバーウィンドウ170との間に設けられてもよい。
【0104】
一方、前述した挿入部材190と補助挿入部材210は、
図12に示すように、連結リング部材220を介して連結することができる。すなわち、挿入部材190は連結リング部材220の一の側面から突出し、補助挿入部材210は連結リング部材220の他の側面から突出し得る。結果的に、連結リング部材220、挿入部材190及び補助挿入部材210は1つのボディーからなることができる。
【0105】
前記連結リング部材220は、カバーウィンドウ170(
図11参照)の縁部と重なるようにリング状に形成され、カバーウィンドウの縁部と重なる基板110の円弧部111(
図11参照)の縁部の間のギャップ空間に挿入配置されることによって、カバーウィンドウの縁部と基板110の円弧部111の縁部との間のギャップ空間に異物が浸透することを遮断する。
【0106】
以上のような、本発明の第2実施形態に係るディスプレイ装置は、基板110とカバーウィンドウ170のダイレクトボンディング工程において、ディスプレイパッド部130及びタッチパッド部153のそれぞれに隣接する基板110とカバーウィンドウ170との間のギャップ空間により発生する基板110の損傷を防止し、または、外力による、ギャップ空間に重なるカバーウィンドウ170の損傷又は基板110の損傷を防止することができる。
【0107】
以上で説明した本発明は、前述した実施例及び添付の図面に限定されるものではなく、本発明の技術的事項を逸脱しない範囲内で様々な置換、変形及び変更が可能であるということが、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者にとって明らかである。したがって、本発明の範囲は、後述する特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲の意味及び範囲、そして、その等価概念から導かれる全ての変更又は変形した形態が本発明の範囲に属するものと解釈しなければならない。