(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
レンタル用の車体を施錠・解錠するための鍵と、前記車体の借手者が携帯し、当該ユーザ端末装置の位置を含む移動情報を周期的に送信するユーザ端末装置と、前記車体の駐車場を管理する管理者が有する管理者端末装置と、前記ユーザ端末装置及び管理者端末装置と通信可能なサーバ装置とを含む車両レンタルシステムにおける前記サーバ装置であって、
前記ユーザ端末装置から周期的に送信される前記移動情報を受信し、受信した移動情報を記憶する移動情報記憶手段と、
前記管理者端末装置からの要求に応じて、前記移動情報に基づいて作成された移動経路を用いて作成した走行情報であって、前記駐車場の周辺地域における走行情報を、当該管理者端末装置に送信する走行情報送信手段とを備える
ことを特徴とするサーバ装置。
レンタル用の車体を施錠・解錠するための鍵と、前記車体の借手者が携帯するユーザ端末装置と、前記車体の駐車場を管理する管理者が有する管理者端末装置と、前記ユーザ端末装置及び管理者端末装置と通信可能なサーバ装置とを含む車両レンタルシステムの前記ユーザ端末装置であって、
自装置の位置を検出する位置検出手段と、
前記鍵を解錠する解錠手段と、
前記解錠手段により前記鍵が解錠された後に、前記位置検出手段で検出する位置を含む移動情報を、前記サーバ装置に、周期的に送信する移動情報送信手段とを備え、
前記サーバ装置は、前記移動情報を記憶し、前記管理者端末装置からの要求に応じて、前記移動情報に基づいて作成された移動経路を用いて作成した走行情報であって、前記駐車場の周辺地域における走行情報を、前記管理者端末装置に送信する
ことを特徴とするユーザ端末装置。
レンタル用の車体を施錠・解錠するための鍵と、前記車体の借手者が携帯するユーザ端末装置と、前記車体の駐車場を管理する管理者が有する管理者端末装置と、前記ユーザ端末装置及び管理者端末装置と通信可能なサーバ装置とを含む車両レンタルシステムの、前記ユーザ端末装置で用いられるレンタルプログラムであって、
自装置の位置を検出する位置検出手段と、
前記鍵を解錠する解錠手段と、
前記解錠手段により前記鍵が解錠された後に、前記位置検出手段で検出する位置を含む移動情報を、前記サーバ装置に、周期的に送信する移動情報送信手段としてコンピュータを機能させ、
前記サーバ装置は、前記移動情報を記憶し、前記管理者端末装置からの要求に応じて、前記移動情報に基づいて作成された移動経路を用いて作成した走行情報であって、前記駐車場の周辺地域における走行情報を、前記管理者端末装置に送信する
ことを特徴とするレンタルプログラム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、ユーザがレンタル自転車を利用するか否かは、ユーザが利用したい時に近くにレンタル自転車の駐輪場所があって、返却したい時に近くに駐輪場所があることである。つまり、レンタル自転車を普及させるためには、駐輪場所を増やすことが重要である。
【0007】
また、自転車のレンタルのみならず、他の移動手段のレンタル、例えばカーシェアリングの普及にも、その駐車場所が増えることが重要である。
【0008】
本発明は、自転車等の車体のレンタルシステムにおいて、自転車等の車体の駐車場や駐輪場を増やすことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明にかかる一態様の車体レンタルシステムは、レンタル用の車体を施錠・解錠するための鍵と、前記車体の借手者が携帯するユーザ端末装置と、前記車体の駐車場を管理する管理者が有する管理者端末装置と、前記ユーザ端末装置及び管理者端末装置と通信可能なサーバ装置とを含む車両レンタルシステムであって、前記ユーザ端末装置は、自装置の位置を検出する位置検出手段と、前記鍵を解錠する解錠手段と、前記解錠手段により前記鍵が解錠された後に、前記位置検出手段で検出する位置を含む移動情報を、周期的に前記サーバ装置に送信する移動情報送信手段とを備え、前記サーバ装置は、前記ユーザ端末装置から前記移動情報を受信し、受信した移動情報を記憶する移動情報記憶手段と、前記管理者端末装置からの要求に応じて、前記移動情報に基づ
いて作成された移動経路を用いて走行情報を
作成し、
作成した走行情報を当該管理者端末装置に送信する走行情報送信手段とを備え、前記管理者端末装置は、前記駐車場の周辺地域における前記走行情報を、前記サーバ装置に要求して取得する走行情報取得手段を備えることを特徴とする。
【0010】
このような構成の車体レンタルシステムによれば、車体の鍵が解錠されたあと、つまり、車体がレンタルされているときの移動情報が蓄積されるので、駐車場の管理者は、これらの移動情報に基づいた周辺地域の走行情報を管理者端末装置により得ることができる。従って、駐車場の管理者は、走行情報を元に、管理者の利益となること、例えば、駐車場に併設される店舗の品揃えを変えるなどの対策を講じることが可能となる。尚、周辺地域とは、管理者が所望するような範囲であればよい。
【0011】
つまり、駐車場を提供することと交換で有益な情報を得ることができるので、駐車場を提供してくれる店舗等が増えることが期待できる。そして、駐車場所が増えれば、車体を利用したい時に近くの駐車場から車体を利用し、車体を返したい時に近くの駐車場に返却できるような、ユーザにとってより利便性の高いレンタルシステムを構築することが可能となる。
【0012】
また、上述の車体レンタルシステムにおいて、前記走行情報は、所定の道路を走行した前記車体の数であることが好ましい。
【0013】
また、上述の車体レンタルシステムにおいて、前記サーバ装置は、前記借手者に関する個人情報を記憶する個人情報記憶手段を、更に備え、前記移動情報記憶手段は、前記借手者のユーザ端末装置から受信する移動情報を、当該借手者の個人情報と対応付けて記憶し、前記走行情報は、所定の道路を走行した前記車体の借手者の個人情報であることが好ましい。
【0014】
また、上述の車体レンタルシステムにおいて、前記個人情報は、前記借手者の性別、年齢、及び、使用言語のうちのいずれか1つを含むことが好ましい。
【0015】
この構成によれば、走行情報により、所定の道路を走行した車体の数、借手者の性別などの個人情報を知ることができるので、例えば、店舗の前の道路の走行情報と交換で、店舗の駐車場を提供してもらえる可能性が高くなる。また、既に駐車場を提供している店舗では、走行情報に応じて自店舗の利益になるような対策、例えば、年齢層に合わせた品揃えにする、駐車場を広げる等の対策をとることが可能となる。
【0016】
また、上述の車体レンタルシステムにおいて、前記車体は自転車であり、前記駐車場は自転車の駐輪場であることが好ましい。
【0017】
この構成によれば、レンタル自転車の駐輪場を増やせる可能性が高くなるので、環境に優しい自転車を普及させ、また、放置自転車を削減することが可能となる。
【0018】
また、上述の車体レンタルシステムにおいて、前記解錠手段は、前記鍵の識別情報を取得し、取得した鍵の識別情報を前記サーバ装置に送信して、当該鍵を解錠するための解錠情報を前記サーバ装置から取得し、前記サーバ装置は、前記鍵の識別情報と対応付けて解錠情報を記憶する鍵情報記憶手段と、前記ユーザ端末装置から受信した鍵の識別情報に対応して記憶されている解錠情報を、当該ユーザ端末装置に送信する解錠情報送信手段を、更に備えることが好ましい。
【0019】
この構成によれば、車体の鍵の解錠情報をサーバ装置で管理するので、ユーザ端末装置は、サーバ装置と通信さえできれば、鍵の識別情報を取得することができ、解錠することが可能となる。従って、車体をレンタルしようとする者は、鍵を所定の場所に取りに行くなどの手間をかけずに、車体を借りることが可能となる。
【0020】
他の一態様のサーバ装置は、レンタル用の車体を施錠・解錠するための鍵と、前記車体の借手者が携帯し、当該ユーザ端末装置の位置を含む移動情報を周期的に送信するユーザ端末装置と、前記車体の駐車場を管理する管理者が有する管理者端末装置と、前記ユーザ端末装置及び管理者端末装置と通信可能なサーバ装置とを含む車両レンタルシステムにおける前記サーバ装置であって、前記ユーザ端末装置から周期的の送信される前記移動情報を受信し、受信した移動情報を記憶する移動情報記憶手段と、前記管理者端末装置からの要求に応じて、前記移動情報に基づ
いて作成された移動経路を用いて作成した走行情報であって、前記駐車場の周辺地域におけ
る走行情報を、当該管理者端末装置に送信する走行情報送信手段とを備えることを特徴とする。
【0021】
このような構成のサーバ装置によれば、駐車場を増やし、より利便性の高い車体レンタルシステムを構築することが容易となる。
【0022】
他の一態様のユーザ端末装置は、レンタル用の車体を施錠・解錠するための鍵と、前記車体の借手者が携帯するユーザ端末装置と、前記車体の駐車場を管理する管理者が有する管理者端末装置と、前記ユーザ端末装置及び管理者端末装置と通信可能なサーバ装置とを含む車両レンタルシステムの前記ユーザ端末装置であって、自装置の位置を検出する位置検出手段と、前記鍵を解錠する解錠手段と、前記解錠手段により前記鍵が解錠された後に、前記位置検出手段で検出する位置を含む移動情報を、前記サーバ装置に、周期的に送信する移動情報送信手段とを備え、前記サーバ装置は、前記移動情報を記憶し、前記管理者端末装置からの要求に応じて、前記移動情報に基づ
いて作成された移動経路を用いて作成した走行情報であって、前記駐車場の周辺地域における走行情報を、前記管理者端末装置に送信することを特徴とする。
【0023】
このような構成のユーザ端末装置によれば、駐車場を増やし、より利便性の高い車体レンタルシステムを構築することが容易となる。
【0024】
他の一態様のレンタルプログラムは、レンタル用の車体を施錠・解錠するための鍵と、前記車体の借手者が携帯するユーザ端末装置と、前記車体の駐車場を管理する管理者が有する管理者端末装置と、前記ユーザ端末装置及び管理者端末装置と通信可能なサーバ装置とを含む車両レンタルシステムの、前記ユーザ端末装置で用いられるレンタルプログラムであって、自装置の位置を検出する位置検出手段と、前記鍵を解錠する解錠手段と、前記解錠手段により前記鍵が解錠された後に、前記位置検出手段で検出する位置を含む移動情報を、前記サーバ装置に、周期的に送信する移動情報送信手段としてコンピュータを機能させ、前記サーバ装置は、前記移動情報を記憶し、前記管理者端末装置からの要求に応じて、前記移動情報に基づ
いて作成された移動経路を用いて作成した走行情報であって、前記駐車場の周辺地域における走行情報を、前記管理者端末装置に送信することを特徴とする。
【0025】
このような構成のレンタルプログラムによれば、駐車場を増やし、より利便性の高い車体レンタルシステムを構築することが容易となる。
【発明の効果】
【0026】
本発明にかかる車体レンタルシステムを用いることによって、レンタル用車体の駐車場や駐輪場を増やすことすることができる。
【発明を実施するための形態】
【0028】
<実施形態>
実施形態では、自転車のレンタルシステムを例に説明する。尚、自転車に限らず、自動車、バイク、一輪車、車椅子等、人が移動に用いる車両であれば、本システムは適用可能である。
【0029】
以下、本発明にかかる実施の一形態を図面に基づいて説明する。
【0030】
<構成>
図1は、自転車レンタルシステム100の構成例を示す図である。自転車レンタルシステム100は、店舗端末装置(管理者端末装置)1000A、店舗端末装置1000B、1000C、サーバ装置2000、ユーザ端末装置3000A、ユーザ端末装置3000B、ユーザ端末装置3000C、レンタル自転車4000A、レンタル自転車4000B、レンタル自転車4000C、及び、ネットワーク101を備える。尚、破線102は、NFC(Near field radio communication)等による近距離無線通信を示す。
【0031】
以下、店舗端末装置1000A、B、Cを総称して、店舗端末装置1000といい、ユーザ端末装置3000A、B、Cを総称して、ユーザ端末装置3000といい、レンタル自転車4000A、B、Cを総称して、レンタル自転車4000という。尚、
図1では、説明の便宜上、店舗端末装置1000として店舗端末装置1000A、B、Cの3つ、ユーザ端末装置3000としてユーザ端末装置3000A、B、Cの3つ、レンタル自転車4000としてレンタル自転車4000A、B、Cの3つを記載しているが、これらの数に限られない。
【0032】
店舗端末装置1000は、レンタル自転車4000の駐輪場所を提供し、駐輪場所を管理している店舗が有する、いわゆるパソコン等の端末装置である。
【0033】
サーバ装置2000は、自転車レンタルシステム100の管理者により管理され、自転車のレンタル事業を運営するための、いわゆるサーバ装置である。
【0034】
ユーザ端末装置3000は、レンタル自転車4000の借手者が携帯する端末装置である。
【0035】
レンタル自転車4000は、自転車レンタルシステム100における貸出し用の自転車である。
【0036】
店舗端末装置1000、及び、ユーザ端末装置3000は、インターネット等の広域ネットワークであるネットワーク101を介して、サーバ装置2000と接続される。
【0037】
ここで、
図11を用いて、自転車レンタルシステム100でのレンタル自転車4000の利用例を説明する。
図11(a)は、自転車レンタルシステム100のイメージ図であり、
図11(b)は、レンタル自転車4000の移動経路の例を示す図である。
【0038】
図11(a)の「チャリフリー(登録商標)」と書かれた看板10が駐輪場を示す。レンタル自転車4000を結ぶ楕円は、レンタル自転車4000の移動経路を示す。
【0039】
例えば、ユーザは、看板10Aの駐輪場で、レンタル自転車4000を解錠し、レンタル自転車4000に乗って移動を開始する。そして、ユーザは、レンタル自転車4000に乗って移動し、看板10Bの駐輪場で、レンタル自転車4000を施錠し、返却する。レンタル自転車4000の解錠及び施錠は、ユーザが、携帯するユーザ端末装置3000を用いて行う。このように、ユーザは、「チャリフリー」の看板10の駐輪場であれば、いつでも、レンタル自転車4000を借り、また、返却することができる。
【0040】
図11(a)では、看板10Aの駐輪場は駅Aの駐輪場であり、看板10Bの駐輪場は商店街Bの駐輪場であり、看板10Cの駐輪場は郵便局Cの駐輪場であり、看板10Dの駐輪場はコンビニDの駐輪場である。
図11(a)に示すように、駐輪場所の提供者は、駅、コンビニ、商店、郵便局、ガソリンスタンドなど、既存の駐輪場所を有している者を想定する。尚、新たに作成する駐輪場であっても、もちろん良い。
【0041】
実施形態の自転車レンタルシステム100は、レンタル自転車4000が移動した経路の情報及び借手者の情報(以下、「移動情報」という。)を蓄積し、その移動情報に基づいた情報を、駐輪場所の提供者に提供することで、駐輪場所を増やそうとするものである。
【0042】
移動情報には、利用者の年齢、性別、時刻、滞在時間、どの店舗から来たか、どの店舗に行ったかなどの情報を含む。そして、自転車レンタルシステム100は、これらの移動情報に基づいて、駐輪場所を提供している店舗にとって有益な情報を提供する。
【0043】
ここで、
図9、
図10を用いて、駐輪場所を提供している店舗が提供される情報(以下、「走行情報」という。)の例を説明する。
【0044】
図9(a)は、走行情報の抽出条件を設定する画面例を示し、
図9(b)は、
図9(a)で設定した条件により提供される情報の例を示す。
【0045】
条件設定画面WIN1は、店舗端末装置1000に表示される画面である。条件設定画面WIN1は、店舗端末装置1000を管理する店舗が提供している駐輪場の利用者、つまり、その駐輪場でレンタル自転車4000を解錠又は施錠したユーザの、時系列の数についての走行情報を要求するための画面である。条件設定画面WIN1は、走行情報を表示させるためのボタン20、時間帯を設定するエリア21と、性別を設定するエリア22とを有する。
【0046】
図9(a)では、時間帯として「7時から23時」が設定され(エリア21参照)、性別として「女性」が設定されている(エリア22参照)。ボタン20が押下されると、
図9(b)に示すようなグラフが店舗端末装置1000の画面に表示される。尚、ここでは、説明の便宜上グラフとしているが、表形式等の別の形態であっても良い。
図9(b)のグラフは、縦軸に利用者数を示し、横軸に時刻を示す。このグラフでは、女性の利用者は14時頃にもっとも多く、18時以降は少ないことがわかる。従って、この店舗は、昼には女性が好みそうな品揃えや、サービスを提供するなどの対応をとることで、売り上げを増やせる可能性が高くなる。
【0047】
図10(a)は、走行情報の抽出条件を設定する画面例を示し、
図10(b)は、
図10(a)で設定した条件により提供される情報の例を示す。
【0048】
条件設定画面WIN2は、店舗端末装置1000に表示される画面である。条件設定画面WIN2は、店舗端末装置1000を管理する店舗の近隣の道路における、レンタル自転車4000の通行量についての走行情報を要求するための画面である。条件設定画面WIN2は、走行情報を表示させるためのボタン30、時間帯を設定するエリア31と、年齢を設定するエリア32とを有する。
【0049】
図10(a)では、昼休みの時間帯が、時間帯として「11時から13時30分」が設定され(エリア31参照)、近隣の会社の社員の年齢が、年齢として「20歳から50歳」が設定されている(エリア32参照)。ボタン30が押下されると、
図10(b)に示すような、2重円で示す自店舗33の近隣の地図が店舗端末装置1000の画面に表示される。地図内の太線(矢印35参照)が、レンタル自転車4000の通行量が一定量より多い経路を示す。この場合、店舗33は、破線の楕円34で示す場所に昼食のメニューの看板を設置するなどの対応をとることで、売り上げを増やせる可能性が高くなる。
【0050】
このように、自転車レンタルシステム100は、条件設定画面WINの条件を、様々な条件とすることにより、駐輪場の提供者にとって、より有意義な情報を提供することが可能となる。例えば、ユーザの立ち寄り場所を時系列で表示させることにより、ユーザが自分の店から同業者の店に移動して、移動先の店での滞在時間が長ければ、自分の店舗の欠点を探ることが可能となる。また、時系列で自転車の通行量を地図に表示させることにより、配達を行う店舗では、自転車の通行量が少ない時間帯や、自転車の通行量が少ない経路を選んで、迅速に荷物を配達することが可能となる。
【0051】
図11(b)に示すように、駐輪場の提供者ではないが実際に寄り道スポットとなっている店舗には、駐輪場の利用状況等の情報を提供することを条件に、駐輪場所の提供を呼びかけることが可能となる。また、レンタル自転車4000の移動経路上、又は、近傍に存在する店舗であるが、寄り道スポットとなっていない店舗には、店舗の前を通るユーザの情報を提供することを条件に、駐輪場所の提供を呼びかけることが可能となる。
【0052】
実施形態の自転車レンタルシステム100は、このように、店舗にとって有益な情報、たとえば、来店したユーザや、店舗前の道を通り過ぎるユーザに関する情報を提供することで、駐輪場所を提供してもらえる可能性を高め、レンタル自転車の駐輪場所を増やそうとするものである。
【0053】
次に、
図2を用いて、店舗端末装置1000、サーバ装置2000、ユーザ端末装置3000、及び、レンタル自転車4000の構成を説明する。
図2は、店舗端末装置1000、サーバ装置2000、ユーザ端末装置3000、及び、レンタル自転車4000の機能ブロック図である。尚、店舗端末装置1000、サーバ装置2000、及び、ユーザ端末装置3000は、いわゆるパソコン等のコンピュータで構成され、表示部、及び、入力部を有するマンマシンインターフェース(不図示)を備える。表示部は、各記憶部に記憶されているデータや、プログラムによるGUI(Graphical User Interface)等を出力する機器であり、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)ディスプレイ、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等の表示装置である。入力部は、さまざまな操作指示を管理サーバ装置1000に入力する機器、例えば、キーボード、マウス、タッチパネル等である。
【0054】
店舗端末装置1000は、通信部1100、及び、走行情報表示部1200を備える。
【0055】
通信部1100は、ネットワーク101を介して、サーバ装置2000と通信する。
【0056】
走行情報表示部1200は、サーバ装置2000に対して走行情報を要求し、サーバ装置2000から取得した走行情報を、店舗端末装置1000が備える表示部に表示させる。具体的には、例えば、走行情報表示部1200は、
図9(a)に示すような条件設定画面WIN1を表示部に表示させ、ボタン20が押下されたことを検出すると、条件設定画面WIN1のエリア21及びエリア22に入力されている条件をサーバ装置2000に送信する。そして、走行情報表示部1200は、
図9(b)に示すような走行情報をサーバ装置2000から受信し、そのグラフを表示部に表示させる。
【0057】
サーバ装置2000は、レンタルシステム制御部2100、通信部2200、メンバー登録処理部2300、自転車レンタル処理部2400、移動情報取得処理部2410、走行情報送信処理部2500、駐輪場情報記憶部2600、メンバー情報記憶部2700、移動情報記憶部2800、錠情報記憶部2900、及び、地図情報記憶部2990を備える。
【0058】
レンタルシステム制御部2100は、他の機能部を制御して、自転車のレンタル処理を行う。
【0059】
通信部2200は、ネットワーク101を介して、ユーザ端末装置3000、及び、店舗端末装置1000と通信する。
【0060】
メンバー登録処理部2300は、ユーザ端末装置3000からの依頼に応じて、ユーザ端末装置3000の使用者をレンタル自転車4000の借手者としてメンバー登録する処理を行う。具体的には、ユーザ端末装置3000からメンバー登録の依頼があると、メンバー登録処理部2300は、ユーザ端末装置3000からメンバー情報を取得し、取得したメンバー情報をメンバー情報記憶部2700に記憶させる。自転車レンタルシステム100では、自転車を借りようとする者(ユーザ)は、予め、メンバー登録を行う。
【0061】
自転車レンタル処理部2400は、ユーザ端末装置3000からの要求に応じて、レンタル自転車4000を貸し出すための処理を行う。具体的には、自転車レンタル処理部2400は、ユーザ端末装置3000からレンタル自転車4000の解錠情報の要求を受信すると、そのレンタル自転車4000の鍵の解錠情報を送信し、施錠情報の要求を受信すると、そのレンタル自転車4000の鍵の施錠情報を送信する。
【0062】
移動情報取得処理部2410は、位置、時刻などの情報を含む移動情報をユーザ端末装置3000から受信し、移動情報記憶部2800に記憶させる。
【0063】
走行情報送信処理部2500は、店舗端末装置1000からの要求に応じて、移動情報から情報を抽出し、店舗端末装置1000に送信する。具体的には、例えば、走行情報送信処理部2500は、
図9(a)に示すような条件を店舗端末装置1000から受信すると、移動情報記憶部2800等に記憶されているデータを基に、
図9(b)に示すような走行情報を作成し、作成した走行情報を店舗端末装置1000に送信する。
【0064】
駐輪場情報記憶部2600は、レンタル自転車4000の駐輪場として提供されている駐輪場に関する情報を記憶する。
【0065】
メンバー情報記憶部2700は、レンタル自転車4000の借入者として登録されたメンバーに関するメンバー情報を記憶する。
【0066】
移動情報記憶部2800は、レンタル自転車4000が移動した経路、時刻等の移動情報を記憶する。
【0067】
錠情報記憶部2900は、レンタル自転車4000を施錠、解錠するために自転車に備えられている鍵についての鍵情報を記憶する。
【0068】
地図情報記憶部2990は、いわゆる地図の情報であって、道路、店舗、公共機関などを表示、検索等させるためのデータを記憶する。
【0069】
この駐輪場情報記憶部2600、メンバー情報記憶部2700、移動情報記憶部2800、及び、錠情報記憶部2900に記憶されているデータについては、<データ>の項で説明する。
【0070】
次に、ユーザ端末装置3000は、レンタルシステム制御部3100、通信部3200、メンバー登録処理部3300、移動情報送信部3400、位置検出部3500、タイマー3600、及び、施錠解錠処理部3700を備える。
【0071】
レンタルシステム制御部3100は、他の機能部を制御して、自転車のレンタル処理を行う。
【0072】
通信部3200は、ネットワーク101を介して、サーバ装置2000と通信する。
【0073】
メンバー登録処理部3300は、サーバ装置2000のメンバー登録処理部2300と通信を行って、レンタル自転車4000をレンタル(借入)するためのメンバーを登録する処理を行う。具体的には、メンバー登録処理部3300は、メンバー登録を希望するユーザから、入力部を介して、ユーザの年齢、性別等の個人情報であるメンバー情報を取得し、メンバー登録処理部2300に送信し、メンバー番号等のメンバー識別子を受信し、メモリに記憶する。
【0074】
移動情報送信部3400は、レンタル自転車4000の解錠を行ってから施錠を行うまで、つまり、レンタル自転車4000をレンタルしている期間の間、移動情報をサーバ装置2000の移動情報取得処理部2410に所定の周期で繰り返し送信する。
【0075】
位置検出部3500は、いわゆるGPS(Global Positioning System)を有し、自装置であるユーザ端末装置3000の位置を検出する。位置は、緯度経度で検出する。
【0076】
タイマー3600は、いわゆるタイマーであり、他の機能部の要求に応じて、現在の時刻を検出し、また、所定の周期で割り込みをかけるなどの処理を行う。
【0077】
施錠解錠処理部3700は、後述するレンタル自転車4000の施錠解錠処理部4100と通信を行い、レンタル自転車4000を施錠、又は、解錠する処理を行う。具体的には、レンタル自転車4000が備える電子錠4200を施錠するための施錠情報、及び、解錠するための解錠情報をサーバ装置2000から取得して、レンタル自転車4000に送信する。施錠解錠処理部3700は、いわゆるICタグの読み書き装置(リーダ・ライタ)を有し、レンタル自転車4000が有するICタグと近距離無線通信(NFC:Near Field Communication)を行い、ICタグから鍵の識別情報を読み出し、その鍵の施錠情報、又は、解錠情報をICタグに対して送信する。
【0078】
次に、レンタル自転車4000は、施錠解錠処理部4100、及び、電子錠4200を備える。
【0079】
施錠解錠処理部4100は、ユーザ端末装置3000の施錠解錠処理部3700と通信を行い、電子錠4200を施錠するための施錠情報、及び、解錠するための解錠情報を取得する。施錠解錠処理部4100は、取得した施錠情報、又は、解錠情報を電子錠4200に送信することで、レンタル自転車4000の施錠、又は、解錠を行う。具体的には、施錠解錠処理部4100は、いわゆるICタグであり、内蔵する整流回路が、リーダ・ライタ(ユーザ端末装置3000の施錠解錠処理部3700)から送信される電波を整流して直流に直し、それを電源として起動される。そして、施錠解錠処理部4100は、記憶している電子錠4200の識別情報を送信し、リーダ・ライタ(ユーザ端末装置3000の施錠解錠処理部3700)から施錠情報、又は、解錠情報を受信し、受信した施錠情報、又は、解錠情報を、電子錠4200に出力する。
【0080】
電子錠4200は、施錠解錠処理部4100から施錠情報を受信すると、レンタル自転車4000が走行できないように施錠し、解錠情報を受信すると、レンタル自転車4000が走行できるように解錠する。
【0081】
実施形態では、ユーザ端末装置3000とレンタル自転車4000とは、近距離無線通信としてNFCを用いることとしているが、RFID(radio frequency identifier)における他の通信方式を用いても良い。また、実施形態では、レンタル自転車4000の施錠解錠処理部4100が、パッシブタイプのICタグであるとしているが、アクティブタイプのICタグであっても良い。
【0082】
店舗端末装置1000、サーバ装置2000、ユーザ端末装置3000は、上述のようにいわゆるコンピュータで構成され、それぞれハードディスク等の記憶部(不図示)に格納されているソフトウェアプログラムがCPU(Central Processing Unit)により実行されることによって上述の各機能部がコンピュータに機能的に構成される。
【0083】
<データ>
次に、自転車レンタルシステム100で用いる主なデータについて説明する。
【0084】
図3は、サーバ装置2000の駐輪場情報記憶部2600に記憶されている駐輪場情報テーブル2610の構成及び内容の例を示す図である。
【0085】
駐輪場情報テーブル2610には、駐輪場ごとに、1レコードが登録されている。駐輪場情報テーブル2610は、駐輪場ID2611、管理者2612、住所2613、緯度経度2614、及び、台数2615を有する。
【0086】
駐輪場ID2611は、駐輪場を特定するための識別子を示す。
【0087】
管理者2612は、駐輪場ID2611で示される駐輪場を管理している店舗等の管理者を示す。
【0088】
住所2613は、駐輪場ID2611が示す駐輪場の住所を示す。
【0089】
緯度経度2614は、駐輪場ID2611が示す駐輪場の位置を示す。実施形態では、駐輪場のほぼ中心地点を緯度経度で表すものとし、単位は度である。例えば、「34.985458,135.757755」は、緯度が34.985458度、経度が135.757755度であることを示す。
【0090】
台数2615は、駐輪場ID2611が示す駐輪場の駐輪可能台数のうち、自転車レンタルシステム100に提供されている台数を示す。
【0091】
図4は、サーバ装置2000のメンバー情報記憶部2700に記憶されているメンバー情報テーブル2710の構成及び内容の例を示す図である。
【0092】
メンバー情報テーブル2710には、自転車レンタルシステム100に登録したメンバー(レンタル自転車4000の借入者)ごとに、1レコードが登録されている。メンバー情報テーブル2710は、メンバーID2711、性別2712、年齢2713、利用目的2714、国籍2715、及び、言語2716を有する。
【0093】
メンバーID2711は、自転車レンタルシステム100に登録したメンバーを特定するための識別子である。
【0094】
性別2712は、は、メンバーID2711が示すメンバーの性別を示す。
【0095】
年齢2713は、は、メンバーID2711が示すメンバーの年齢を示す。
【0096】
利用目的2714は、メンバーID2711が示すメンバーの、レンタル自転車4000を利用する目的を示す。
【0097】
国籍2715は、メンバーID2711が示すメンバーの国籍を示す。
【0098】
言語2716は、メンバーID2711が示すメンバーの使用可能な言語を示す。
【0099】
例えば、駐輪場を提供している店舗において、
図10(a)の条件設定画面WIN2で「韓国語」が使用可能な利用者の通行量を表示するような条件を設定して、
図10(b)のような交通量を示す走行情報を得たとする。店舗は、店舗前の通行量が多ければ、店舗の看板等に韓国語での表記を追加するなどの措置をとることが可能となる。また、観光目的の利用者の交通量が多ければ、お土産品の看板を提示するなどの措置をとることも可能となる。
【0100】
図5は、サーバ装置2000の移動情報記憶部2800に記憶されている移動情報テーブル2810の構成及び内容の例を示す図である。
【0101】
移動情報テーブル2810は、メンバーがレンタル自転車4000を1回利用するごとに、1テーブルが作成される。詳細には、メンバーがレンタル自転車4000を解錠して施錠すると、1つの移動情報テーブル2810が作成されて記憶されることになる。
【0102】
移動情報テーブル2810には、レンタル自転車4000が貸し出されている間、所定期間ごとに、1レコードが登録される。実施形態では、例えば、2分経過ごとのユーザ端末装置3000の位置等が、1レコードとして登録される。
【0103】
移動情報テーブル2810は、メンバーID2811、鍵ID2812、日付2813、時刻2814、及び、緯度経度2815を有する。
【0104】
メンバーID2811は、レンタル自転車4000を利用しているメンバーを特定するための識別子である。このメンバーの識別子は、メンバー情報テーブル2710(
図4)のメンバーID2711として設定されている識別子のうちのいずれか一つである。
【0105】
鍵ID2812は、レンタル自転車4000の電子錠4200を特定するための識別子である。
【0106】
日付2813は、メンバーID2811が示すメンバーが、鍵ID2812が示すレンタル自転車4000を利用している日付を示す。
【0107】
時刻2814は、メンバーID2811が示すメンバーが、鍵ID2812が示すレンタル自転車4000を利用している、日付2813が示す日付における時刻を示す。
【0108】
緯度経度2815は、メンバーID2811が示すメンバーが携帯しているユーザ端末装置3000の位置を示す。実施形態では、ユーザ端末装置3000の所在地点を緯度経度で表すものとする。
【0109】
図6は、サーバ装置2000の錠情報記憶部2900に記憶されている鍵情報テーブル2910の構成及び内容の例を示す図である。
【0110】
鍵情報テーブル2910には、レンタル自転車4000に備え付けられている電子錠4200ごとに、1レコードが登録されている。鍵情報テーブル2910は、鍵ID2911、施錠情報2912、解錠情報2913、状態2914、及び、借手者2915を有する。
【0111】
鍵ID2911は、レンタル自転車4000の電子錠4200を特定するための識別子である。電子錠4200はレンタル自転車4000に備え付けられているので、鍵ID2911が示す識別子は、レンタル自転車4000を特定する識別子ともなる。
【0112】
施錠情報2912は、鍵ID2911が示す電子錠を施錠するための施錠情報を示す。
【0113】
解錠情報2913は、鍵ID2911が示す電子錠を解錠するための解錠情報を示す。
【0114】
状態2914は、鍵ID2911が示す電子錠が備えられたレンタル自転車4000の、現在の状態を示す。現在の状態とは、レンタル自転車4000がいずれかのメンバーによって利用されている状態、又は、いずれかの駐輪場で貸し出されるのを待っている状態である。「貸出し中」は、鍵ID2911が示す電子錠が備えられたレンタル自転車4000が利用されている状態であること、つまり、解錠されてから、いまだ施錠されていない状態であることを示す。
図6の「S005」等は、レンタル自転車4000が貸し出されるのを待っている、つまり、施錠されて駐輪されている駐輪場の識別子を示す。この駐輪場の識別子は、駐輪場情報テーブル2610(
図3)の駐輪場ID2611として設定されている識別子のうちのいずれか一つである。
【0115】
借手者2915は、鍵ID2911が示す電子錠が備えられたレンタル自転車4000を利用しているメンバーの識別子である。このメンバーの識別子は、メンバー情報テーブル2710(
図4)のメンバーID2711として設定されている識別子のうちのいずれか一つである。
【0116】
<動作>
次に、
図7、
図8を用いて、自転車レンタルシステム100が行う処理について説明する。
【0117】
まず、
図7を用いて、自転車レンタル処理について説明する。
図7は、自転車レンタル処理のフローチャートである。
図7において、破線で記載されている矢印は、データの流れを示す。
【0118】
まず、自転車レンタルシステム100のレンタル自転車4000の利用を希望するユーザは、自分が携帯するユーザ端末装置3000の通信部3200を介して、自転車レンタルシステム100のサーバ装置2000と通信を行い、メンバー登録を行う(ステップS10、S20)。具体的には、例えば、ユーザは、自転車レンタルシステム100を利用するために必要なレンタルシステム制御部3100、メンバー登録処理部3300、及び、移動情報送信部3400等をサーバ装置2000から取得する。そして、メンバー登録を行うためのページを表示させ、マンマシンインターフェースを介して、登録に必要な個人情報(年齢等)を入力する。個人情報をユーザから取得したメンバー登録処理部3300は、取得した個人情報をサーバ装置2000に送信する。サーバ装置2000の通信部2200を介して個人情報を受信したメンバー登録処理部2300は、受信した個人情報をもとに、メンバー情報テーブル2710(
図4)に、メンバー登録を行う。詳細には、メンバー登録処理部2300は、新たなメンバーIDを生成してメンバーID2711として設定し、個人情報に含まれる性別を性別2712として設定し、年齢を年齢2713として設定し、利用目的を利用目的2714として設定し、国籍を国籍2715として設定し、使用可能な言語を言語2716として設定したレコードを作成し、作成したレコードをメンバー情報テーブル2710に追加する。
【0119】
メンバー情報テーブル2710にレコードを追加したメンバー登録処理部2300は、追加したレコードのメンバーID2711として設定したメンバーIDを、ユーザ端末装置3000に送信する。メンバーIDを受信したユーザ端末装置3000のメンバー登録処理部3300は、受信したメンバーIDをユーザ端末装置3000内のメモリ(不図示)に記憶させる。
【0120】
メンバー登録したユーザは、自転車レンタルシステム100の駐輪場、例えば、「チャリフリー」と書かれた看板10がある駐輪場で、レンタル自転車4000の所定箇所(施錠解錠処理部4100と通信できる場所)にユーザ端末装置3000を接近させて、解錠する(ステップS11、S21、S30、S31)。
【0121】
詳細には、ユーザ端末装置3000の施錠解錠処理部3700が送信する電波により、レンタル自転車4000の施錠解錠処理部4100が起動され、施錠解錠処理部4100は電子錠4200の識別子(鍵ID)を送信する(ステップS30)。
【0122】
ユーザ端末装置3000の施錠解錠処理部3700は、施錠解錠処理部4100から電子錠4200の鍵IDを受信し、受信した鍵ID、自装置のメモリに記憶されているメンバーID、及び、解錠情報の要求を、レンタルシステム制御部3100を介して、サーバ装置2000に送信する(ステップS11)。施錠解錠処理部3700は、移動情報送信部3400が移動情報の送信中である場合には、レンタル自転車4000を利用中であると判断して施錠情報を要求し、移動情報の送信中でない場合には、レンタル自転車4000を利用していないと判断して解錠情報を要求する。
【0123】
サーバ装置2000のレンタルシステム制御部2100を介して、ユーザ端末装置3000から鍵ID、メンバーID、及び、解錠情報の要求を受信した自転車レンタル処理部2400は、錠情報記憶部2900に記憶されている鍵情報テーブル2910から、解錠情報を読み出す。詳細には、自転車レンタル処理部2400は、受信した鍵IDが鍵ID2911として設定されているレコードから、解錠情報2913として設定されている解錠情報を読み出し、そのレコードに状態2914として「貸出し中」を設定し、借手者2915としてユーザ端末装置3000から受信したメンバーIDを設定する。そして、自転車レンタル処理部2400は、読み出した解錠情報をユーザ端末装置3000に送信する(ステップS21)。尚、自転車レンタル処理部2400は、受信したメンバーIDが、既に借手者2915として設定されている場合には、解錠情報の代わりにエラー情報をユーザ端末装置3000に送信することとしても良い。
【0124】
サーバ装置2000から解錠情報を受信したユーザ端末装置3000の施錠解錠処理部3700は、受信した解錠情報をレンタル自転車4000の施錠解錠処理部4100に送信する(ステップS11)。
【0125】
ユーザ端末装置3000の施錠解錠処理部3700から解錠情報を受信したレンタル自転車4000の施錠解錠処理部4100は、受信した解錠情報を電子錠4200に送信し、電子錠4200の解錠を行わせる(ステップS31)。
【0126】
レンタル自転車4000に解錠情報を送信した施錠解錠処理部3700は、その旨をレンタルシステム制御部3100に通知する。通知を受けたレンタルシステム制御部3100は、移動情報送信部3400に移動情報の送信の開始を指示する。
【0127】
指示を受けた移動情報送信部3400は、レンタルシステム制御部3100から停止の指示があるまで、移動情報を周期的にサーバ装置2000に送信する(ステップS12)。詳細には、移動情報送信部3400は、移動情報の送信開始の指示を受けると、現在の日時をタイマー3600から取得し、現在の位置を位置検出部3500から取得し、取得した日時、位置、自装置のメモリに記憶されているメンバーID、及び、レンタル自転車4000から受信した鍵IDを含む移動情報を作成し、作成した移動情報をサーバ装置2000に送信する。そして、移動情報送信部3400は、タイマー3600に所定期間(例えば、2分)経過する都度、割り込みをかけるように指示し、割り込みがあると、現在(割り込みがあったとき)の日時をタイマー3600から取得し、現在の位置を位置検出部3500から取得して、移動情報を作成してサーバ装置2000に送信する。
【0128】
移動情報を受信したサーバ装置2000の移動情報取得処理部2410は、受信した移動情報から1レコードを作成し、移動情報テーブル2810(
図5)に登録する(ステップS22)。具体的には、移動情報のメンバーIDをメンバーID2811として設定し、鍵IDを鍵ID2812として設定し、日時を日付2813と時刻2814とに設定し、位置を緯度経度2815として設定したレコードを作成して、移動情報テーブル2810に登録する。
【0129】
レンタル自転車4000の利用を終了して返却しようとするメンバーは、自転車レンタルシステム100の駐輪場、例えば、「チャリフリー」と書かれた看板10がある駐輪場にレンタル自転車4000を置き、レンタル自転車4000の所定箇所にユーザ端末装置3000を接近させて、施錠する(ステップS13、S23、S32。S33)。
【0130】
詳細には、ユーザ端末装置3000の施錠解錠処理部3700が送信する電波により、レンタル自転車4000の施錠解錠処理部4100が起動され、施錠解錠処理部4100は電子錠4200の識別子(鍵ID)を送信する(ステップS32)。
【0131】
ユーザ端末装置3000の施錠解錠処理部3700は、施錠解錠処理部4100から電子錠4200の鍵IDを受信すると、移動情報送信部3400が移動情報の送信中であるので、レンタル自転車4000を利用中であると判断する。そして、施錠解錠処理部3700は、移動情報送信部3400に、現在の移動情報を作成して送信し、移動情報の送信を停止するよう指示する。指示を受けた移動情報送信部3400は、移動情報を作成し、作成した移動情報をサーバ装置2000に送信し、タイマー3600に割り込みの終了を指示する。
【0132】
移動情報送信部3400に移動情報の送信を停止するよう指示した施錠解錠処理部3700は、受信した鍵ID、自装置のメモリに記憶されているメンバーID、及び、施錠情報の要求を、レンタルシステム制御部3100を介して、サーバ装置2000に送信する(ステップS13)。
【0133】
サーバ装置2000のレンタルシステム制御部2100を介して、ユーザ端末装置3000から鍵ID、メンバーID、及び、施錠情報の要求を受信した自転車レンタル処理部2400は、錠情報記憶部2900に記憶されている鍵情報テーブル2910から、施錠情報を読み出す(ステップS23)。
【0134】
詳細には、自転車レンタル処理部2400は、受信した鍵IDが鍵ID2911として設定されているレコードから、施錠情報2912として設定されている施錠情報を読み出し、そのレコードに状態2914として駐輪している駐輪場の識別子を設定し、借手者2915として「−」を設定する。尚、自転車レンタル処理部2400は、受信したメンバーIDが、そのレコードの借手者2915として設定されていない場合には、施錠情報の代わりにエラー情報をユーザ端末装置3000に送信する。
【0135】
また、自転車レンタル処理部2400は、最後に受信した移動情報に含まれる位置から、駐輪されている駐輪場を推定する。つまり、最後の移動情報に含まれている位置が、駐輪場情報テーブル2610(
図3)の緯度経度2614として設定されている位置と最も近いレコードから、駐輪場ID2611として設定されている駐輪場IDを読み出して、鍵情報テーブル2910の状態2914として設定する。そして、自転車レンタル処理部2400は、読み出した施錠情報をユーザ端末装置3000に送信する。
【0136】
サーバ装置2000から施錠情報を受信したユーザ端末装置3000の施錠解錠処理部3700は、受信した施錠情報をレンタル自転車4000の施錠解錠処理部4100に送信する(ステップS13)。
【0137】
ユーザ端末装置3000の施錠解錠処理部3700から施錠情報を受信したレンタル自転車4000の施錠解錠処理部4100は、受信した施錠情報を電子錠4200に送信し、電子錠4200の施錠を行わせる(ステップS33)。
【0138】
次に、
図8を用いて、情報提供処理について説明する。
図8は、情報提供処理のフローチャートである。
図8において、破線で記載されている矢印は、データの流れを示す。また、破線で記載されている矩形の処理(ステップS52)は、人が行う処理である。
【0139】
店舗端末装置1000の管理者は、走行情報条件の入力画面を表示させるためのコマンドを、入力部を介して入力する。
【0140】
走行情報条件の入力画面の表示が指示されたことを検出した店舗端末装置1000は、走行情報表示部1200に、走行情報の表示処理を行うように指示する。指示を受けた走行情報表示部1200は、例えば、
図9(a)で示すような条件設定画面WIN1を表示部に表示させ、ボタン20の押下を検出すると、エリア21等から条件を読み出し、読み出した条件と、走行情報の要求とをサーバ装置2000に送信する(ステップS50)。
【0141】
店舗端末装置1000から走行情報の要求を受信した走行情報送信処理部2500は、受信した条件に従って、移動情報記憶部2800、メンバー情報記憶部2700等の各記憶部に記憶されているデータを必要に応じて参照し、走行情報を作成して店舗端末装置1000に送信する(ステップS40)。例えば、
図9(a)のような条件が「○×菓子店」の店舗端末装置1000に入力されたとすると、走行情報送信処理部2500は、移動情報テーブル2810のメンバーID2811が示す各メンバーのうち、メンバー情報テーブル2710の性別2712が「女」のメンバーの7時から23時までの移動経路を、時刻2814が示す時刻順に緯度経度2815が示す位置をつなげることで作成する。そして、走行情報送信処理部2500は、駐輪場情報テーブル2610から、管理者2612「○×菓子店」の位置が緯度経度2614からわかるので、「○×菓子店」の前を通過するメンバーの時間帯毎の数を走行情報として算出する。
【0142】
走行情報を受信した走行情報表示部1200は、表示部に受信した走行情報を、例えば、
図9(b)に示すような画像で表示する(ステップS51)。
【0143】
店舗端末装置1000の管理者は、表示された走行情報に基づいて、店舗等の改善施策等を実施する(ステップS52)。
【0144】
このように、本発明によれば、駐輪場所を提供することと交換で有益な情報を得ることができるので、駐輪場所を提供してくれる店舗等が増えることが期待できる。従って、メンバー登録すれば、自転車に乗りたい時に近くの駐輪場所から自転車を利用し、自転車を返したい時に近くの駐輪場所に返却できるような、ユーザにとって利便性の高いレンタサイクルシステムを構築することが容易となる。
【0145】
また、レンタルシステムの普及により、放置自転車の問題も軽減されることが期待でき、更には、自転車の機動性を考慮すると、自動車の入れない裏通りの店や商店街の活性化も期待できる。また、更には、レンタル自転車が普及して台数が増えれば、レンタル自転車に広告を掲載し、広告収入を得ることで、レンタサイクルシステムの会員登録およびレンタル自転車の利用料を安価、無料とすることも可能となる。
【0146】
尚、実施形態では、ユーザ端末装置3000の施錠解錠処理部3700が、移動情報送信部3400が移動情報を送信しているときは利用中であると判断して施錠情報を要求し、移動情報を送信していないときは解錠情報を要求することとしているが、サーバ装置2000の自転車レンタル処理部2400が、ユーザ端末装置3000から受信したメンバーIDが鍵情報テーブル2910の借手者2915として設定されている場合には利用中であると判断して施錠情報を送信し、設定されていない場合には解錠情報を送信することとしても良い。
【0147】
また、実施形態では、ユーザ端末装置3000がサーバ装置2000から解錠・施錠情報を取得することとしているが、ほかの方法であっても良い。例えば、サーバ装置2000がレンタル自転車4000に直接解錠・施錠情報を送信することとしても良い。また、メンバー登録した際に、ユーザ端末装置3000が、すべてのレンタル自転車4000に共通する解錠・施錠情報を取得しておくこととしてもよい。
【0148】
また、実施形態では、移動情報をユーザ端末装置3000がサーバ装置2000に送信することとしているが、レンタル自転車4000が移動情報をサーバ装置2000に送信することとしても良い。この場合、レンタル自転車4000は、GPS、タイマー、送信部等の、移動情報を作成して送信する機能を備える。
【0149】
本発明を表現するために、上述において図面を参照しながら実施形態を通して本発明を適切且つ十分に説明したが、当業者であれば上述の実施形態を変更及び/または改良することは容易に為し得ることであると認識すべきである。したがって、当業者が実施する変更形態または改良形態が、請求の範囲に記載された請求項の権利範囲を離脱するレベルのものでない限り、当該変更形態または当該改良形態は、当該請求項の権利範囲に包括されると解釈される。
【解決手段】レンタル用の車体を施錠・解錠するための鍵と、車体の借手者が携帯するユーザ端末装置と、車体の駐車場を管理する管理者が有する管理者端末装置と、ユーザ端末装置及び管理者端末装置と通信可能なサーバ装置とを含む車両レンタルシステムであって、ユーザ端末装置は、自装置の位置を検出し、鍵を解錠した後に、自装置の位置を含む移動情報を、周期的にサーバ装置に送信し、サーバ装置は、移動情報を受信して記憶し、管理者端末装置からの要求に応じて、移動情報に基づく駐車場の周辺地域における走行情報を、管理者端末装置に送信する。