特許第6039777号(P6039777)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6039777
(24)【登録日】2016年11月11日
(45)【発行日】2016年12月7日
(54)【発明の名称】手術ツール用ドライブシャフト
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/16 20060101AFI20161128BHJP
【FI】
   A61B17/16
【請求項の数】8
【外国語出願】
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2015-204431(P2015-204431)
(22)【出願日】2015年10月16日
(62)【分割の表示】特願2014-181106(P2014-181106)の分割
【原出願日】2009年8月18日
(65)【公開番号】特開2016-10730(P2016-10730A)
(43)【公開日】2016年1月21日
【審査請求日】2015年10月20日
(31)【優先権主張番号】12/235,045
(32)【優先日】2008年9月22日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】504048135
【氏名又は名称】スミス アンド ネフュー インコーポレーテッド
【氏名又は名称原語表記】SMITH & NEPHEW,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ラファル・ゼット・ジェジエルスキー
(72)【発明者】
【氏名】ピーター・エム・チェザリーニ
【審査官】 宮部 愛子
(56)【参考文献】
【文献】 特表2006−520222(JP,A)
【文献】 国際公開第2004/082490(WO,A1)
【文献】 特開平04−244148(JP,A)
【文献】 米国特許第05133729(US,A)
【文献】 米国特許出願公開第2007/0100362(US,A1)
【文献】 特開昭47−6136(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/16
B25F 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドライブシャフトを備える、手術用ハンドピースであって、
前記ドライブシャフトが、第1突起部および第2突起部を有しており、
前記第1突起部および前記第2突起部が、前記ドライブシャフトから遠位に延在しており、
前記第1突起部および前記第2突起部が、前記第1突起部と前記第2突起部との間にスロットを規定しており、
前記第1突起部は、前記第2突起部よりも長くしており、
前記第1突起部は、第1角度でテーパが付けられているとともに、第1半径で丸められており、
前記第1突起部は、前記第1突起部が回転とそれに続く第1突起部と第2突起部との間に位置するスロットへの駆動部中子の挿入とを生じさせるような、切削ツールの駆動部中子と係合可能である、手術用ハンドピース。
【請求項2】
前記第2突起部は、第2角度でテーパが付けられているとともに、第2半径で丸められている請求項1に記載の手術用ハンドピース。
【請求項3】
前記第1角度が前記第2角度とは異なり、かつ前記第1半径が前記第2半径とは異なる請求項2に記載の手術用ハンドピース。
【請求項4】
前記第1角度が前記第2角度と同じであり、かつ前記第1半径が前記第2半径と同じである請求項2に記載の手術用ハンドピース。
【請求項5】
前記第1角度が約45°と約150°との間であり、かつ前記第1半径が約1.143ミリメートル(0.045インチ)と約6.350ミリメートル(0.250インチ)との間である請求項2から4のいずれか一項に記載の手術用ハンドピース。
【請求項6】
前記第2角度が約45°と約150°との間であり、かつ前記第2半径が約1.143ミリメートル(0.045インチ)と約6.350ミリメートル(0.250インチ)との間である請求項2または3に記載の手術用ハンドピース。
【請求項7】
切削ツールに手術用ハンドピースを結合する方法であって、
ドライブシャフトを含む手術用ハンドピースを提供するステップであって、前記ドライブシャフトが第1突起部および第2突起部を有しており、前記第1突起部および前記第2突起部が前記ドライブシャフトから遠位に延在しており、前記第1突起部および前記第2突起部が前記第1突起部と前記第2突起部との間にスロットを規定しており、前記第1突起部は前記第2突起部よりも長くしており、ならびに前記第1突起部は第1角度でテーパが付けられているとともに第1半径で丸められている、ステップと、
駆動部中子の回転を生じさせるため、前記駆動部中子に前記第1突起部を接触させるステップと、
前記第1突起部と前記第2突起部との間のスロットに前記駆動部中子を挿入するステップと、
を備える方法。
【請求項8】
前記第1角度は約45°と約150°との間であり、かつ前記第1半径は約1.143ミリメートル(0.045インチ)と約6.350ミリメートル(0.250インチ)との間である請求項7に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2008年9月22日に出願された米国特許出願第12/235045の優先権を主張するPCT国際特許出願であり、その内容全体を本発明に参照として組み入れる。
本願の開示は、手術用ハンドピース、特に手術用ハンドピースのためのドライブシャフトに関する。
【背景技術】
【0002】
細長い手術用切削ツールは、内視鏡手術のような非観血的手術、すなわち、関節鏡視下手術において使用されてきた。切削ツールの内側部材の駆動部中子(drive tang)は、切削ツールに結合する手術用ハンドピースのドライブシャフトを介して駆動されるように構成されている。最近では、これらドライブシャフトは、左右対称の駆動部二股設計を利用する。駆動部二股は、ドライブシャフト軸に沿って、かつドライブシャフト軸を中心に配置される、一定幅のスロットを含む。ドライブシャフトに穴を開けることによって作られた2つの突起部は、左右対称であり、先細かつ円形にされた端部を有する。これらの端部は、駆動部中子とドライブシャフトとの嵌合を容易にし、それにより、駆動部中子は、突起部の間に挿入され、次いで、ハンドピースの操作中、突起部によって保持される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第5,871,493号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、駆動部中子が、スロットに一直線に合っていない場合、駆動部中子とドライブシャフトとの完全な嵌合が成されない。さらに、このずれが原因で、オペレータが、知らずにハンドピース内に駆動部中子を無理に入れようとすることによって、駆動部中子を損傷する場合がある。
従って、駆動部中子とハンドピースとの間の改善された嵌合を可能にするドライブシャフトが必要とされる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一態様では、本願発明は、第1突起部および第2突起部を含み、第1突起部と第2突起部とは非対称であることを特徴とする手術用ハンドピースのためのドライブシャフトに関する。一実施形態では、スロットが、前記第1突起部と前記第2突起部との間に位置する。別の実施形態では、第1突起部は第2突起部より長い。また別の実施形態では、第1突起部と第2突起部との両方は、先細かつ円形にされた端部を含む。さらなる実施形態では、第1突起部の端部は、第2突起部が先細かつ円形にされた角度および半径と異なる角度および半径で先細かつ円形にされている。また、さらなる実施形態では、第1突起部の端部は、第2突起部が先細かつ円形にされた角度および半径と同一の角度および半径で先細かつ円形にされている。一実施形態では、前記第1突起部の前記端部は、約45°〜150°の角度で先細にされ、約0.045インチ〜0.250インチの半径で円形にされている。別の実施形態では、前記第2突起部の前記端部は、約45°〜150°の角度で先細にされ、約0.045インチ〜0.250インチの半径で円形にされている。
【0006】
別の態様では、本願発明は、第1突起部と第2突起部とを備えるドライブシャフトを備え、第1突起部と第2突起部とが非対称であることを特徴とする手術用ハンドピースに関する。
【0007】
また、別の態様では、本願発明は、切削ツールへ手術用ハンドピースを結合する方法に関する。この方法は、第1突起部と第2突起部とを有するドライブシャフトを含み、第1突起部と第2突起部とが非対称である、手術用ハンドピースを準備するステップと、内側部材と外側部材とを備える切削ツールを準備するステップと、ドライブシャフトが切削ツールの内側部材上の駆動部中子に結合するように、前記切削ツールに前記ハンドピースを結合するステップとを含み、一実施形態では、駆動部中子への前記ドライブシャフトの結合が成され、それにより、前記第1突起部が、前記ドライブシャフトを回転させ、前記第1突起部および前記第2突起部間に位置するスロットの中へ挿入させる。
【0008】
本願発明のさらなる適用範囲は、以下に記るされる明細書から明らかになるだろう。明細書および具体例は、例示目的に過ぎず、発明の範囲を限定するものではないことが理解されるべきである。
明細書に組み込まれ、その一部を形成する添付図は、本発明の実施形態を示し、記載する説明とともに本発明の原理、特性および特徴を説明するのに役立つ。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本願発明のドライブシャフトの側面図である。
図2】本発明のドライブシャフトの平面図である。
図3A】切削ツールに図1及び図2のドライブシャフトを結合する方法を示す。
図3B】切削ツールに図1及び図2のドライブシャフトを結合する方法を示す。
図3C】切削ツールに図1及び図2のドライブシャフトを結合する方法を示す。
図3D】切削ツールに図1及び図2のドライブシャフトを結合する方法を示す。
図3E】切削ツールに図1及び図2のドライブシャフトを結合する方法を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下の好適な実施形態の説明は、例示目的に過ぎず、本発明、その応用、または用途を限定するものではない。
図1及び図2は本願発明のドライブシャフト10を示す。シャフト10は、第1突起部11、第2突起部12、および第1突起部11と第2突起部12との間に位置するスロット13を含む。第1突起部11は第2突起部12よりも長く、それにより、ドライブシャフト10を非対称にしている。非対称ドライブシャフト10の目的は、以下に詳述される。突起部11、12それぞれは、先細かつ円形にされた端部11a、12aを有する。図3および図2に示すように、端部11aは、角度αおよび半径rで先細かつ円形にされており、それらは、第2突起部12の端部12aが先細かつ円形にされた角度α1および半径r1とは異なる。例えば、第1突起部11の端部11aは、約90°の角度αおよび訳0.095インチの半径rで先細かつ円形にされており、第2突起部12の端部12aは、約130°の角度αおよび約0.050インチの半径rで先細かつ円形にされている。
しかしながら、第1突起部11の端部11aは、第2突起部12の端部12aが先細かつ円形にされた角度α1および半径r1と同一の角度αおよび半径rで先細かつ円形にされてもよい。本発明の目的にために、突起部11、12の端部11a、11bは、約45°〜150°の角度α、α1で先細にされ、約0.45インチ〜0.25インチの半径r、r1で円形にされてもよい。
【0011】
図3A図3Eは、ドライブシャフト10を具備する手術用ハンドピース20の、切削ツール30への結合を示す。本発明の目的のために、切削ツール30の内側部材31のみを示す。しかしながら、実際には、切削ツール30は、その内容全体を本発明に参照として組み入れる特許文献1でより完全に説明されているように、外側部材および内側部材の両方を含む。内側部材31は、シャフト31bに結合した駆動部中子31aを含む。ハンドピース20は、内側部材31に結合し、それにより、図3Bに示すように第1突起部11が、駆動部中子31aに接触し、図3C図3Eに示すように駆動部中子31を回転させ、続いてスロット13内に挿入させ、それにより、駆動部中子31とドライブシャフト10との完全な嵌合を可能にする。
【0012】
上述のように、本発明のドライブシャフト10は、駆動部中子31がドライブシャフト10上のスロット13と一直線に合っていないときでさえ、駆動部中子31とドライブシャフト10との間の完全な嵌合を可能にする。これは、切削ツールが部分的に嵌合する可能性、または損傷した切削ツールがハンドピースから離脱する可能性を減らすことよって、使用者の安全性を改善する。さらに、完全な嵌合を確認するために繰り返す、ハンドピースと切削ツールとの挿入および抜去の必要性も低減する。
【0013】
本発明のドライブシャフト10は金属材料から成る。
突起部11、12およびドライブシャフト10のスロット13は、機械加工、または当業者には既知の任意の別の加工を介して作られる。ドライブシャフト10は、ドライブシャフト10のモータへの直接結合、またはギアボックスのような部品を介したモータへの非直接結合を介してハンドピース20に結合する。内側部材30の駆動部中子31aは非金属材料から成り、射出成形加工、または当業者には既知の任意の別の加工を介して作られる。金属材料からなるシャフト31b、および駆動部中子31aは、成形加工、または当業者には既知の任意の別の加工を介して結合されてもよい。
【0014】
本発明の範囲から逸脱することなく、対応する図を参照して上述のように様々な変更が例示的な実施家形態には適用されるかもしれないが、前述の説明に含まれ、また、添付する図面に示される全事項は、限定するものではなく実例として解釈されるべきものである。従って、本発明の広さと範囲とは上述の実施形態のいずれにも限定されるべきではなく、下記に添付する請求項とその同類物に従って定義されるべきである。
【符号の説明】
【0015】
10 ドライブシャフト
11 第1突起部
11a 端部
12 第2突起部
12a 端部
13 スロット
20 ハンドピース
30 切削ツール
31 内側部材
31a 駆動部中子
31b シャフト
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E