(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ガス流式衝撃型粉砕機の外側の前記追加量の乾燥ガスが、前記衝撃型粉砕機に供給される前記ガスよりも少なくとも70℃高い温度を有する、請求項1に記載の方法。
錠剤、顆粒子、ペレット、カプレット、ロゼンジ、坐剤、腟坐剤および埋め込み式物品からなる群から選択される物品を被覆する方法であって、請求項6に記載の水性組成物を前記物品と接触させるステップを含む、方法。
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷水中で高い嵩密度、良好な流動性、および/または分散性、ならびに低い溶液色を有する微粒子セルロース誘導体、およびそのような微粒子セルロース誘導体を製造する工程に関する。
【0002】
導入
セルロース誘導体は、産業的に重要であり、例えば、パーソナルケアまたは医薬産業、農業利用、および建設または石油産業などの多種多様な技術分野などの、多くの種類の技術領域および多くの異なる最終用途利用において使用される。それらの調製、特性および利用は、例えば、「Ullmann’s Encyclopedia of Industrial Chemistry」5th Edition(1986),Volume A5,pages 461−488,VCH Verlagsgesellschaft,Weinheim、または「Methoden der organischen Chemie」4th Edition(1987),VolumeE20,Makromolekulare Stoffe,Part Volume 3,pages 2048−2076,Georg Thieme Verlag,Stuttgartなどに記載される。
【0003】
水溶性セルロース誘導体は、広く普及した用途を見出している。これらの水溶性セルロース誘導体は、従来、そのような水溶性セルロース誘導体の所望の最終用途のためにその後水中に溶解する微粒子乾燥材料として供給される。
【0004】
セルロース誘導体が、セルロース誘導体の搬送および処理を促進するために、合理的に高い嵩密度および良好な流動性を有することが所望である。
【0005】
残念なことに、多くの水溶性セルロース誘導体は、冷水に分散しない。非分散性は、セルロース誘導体の大きい表面積および繊維性の性質が原因である。大きい表面積は、水に添加される際、セルロース誘導体の外側の粒子が、粒子の内側よりも前に水和されることにつながる。したがって、水和した外側の粒子のゲル状膜が、内側の粒子の周囲に形成され、内側の粒子を完全な水和から遮断する。水と接触する最初の粒子は、すぐに膨張し、互いに粘着し、残存する粒子を水和から遮断するゲル状の障壁を形成する。水溶性セルロース誘導体のこのゲルブロッキング作用は、水性系におけるセルロースエーテルなどの、微粒子水溶性セルロース誘導体の溶液を含むそれらの利用にとって重大な欠点である。ゲルブロッキング作用は、完全な溶解に長時間を必要とする「塊」の形成として可視である。このゲルブロッキング作用、または塊の形成を克服するために、セルロース誘導体は、典型的には約80℃を超える温水中に分散される。攪拌中、分散液は冷却され、セルロース誘導体の溶解が発生する。特定の温度で、セルロース誘導体は、溶解し、粘度を増大し始める。このいわゆる温/冷水溶解技術は、セルロースエーテルなどの水溶性セルロース誘導体が、置換の種類や程度に応じて一般的に温水に不溶性であり、冷水に可溶性であるという事実を利用する。残念なことに、この温/冷水溶解技術は、セルロース誘導体の水溶液を調製しなければならない者にとっては非常に時間がかかる。したがって、当業者はセルロース誘導体を冷水中、すなわち室温未満、室温、またはそれをわずかに超える水中で、実質的な量の塊の形成なく分散させる方法を集中的に探求している。グリオキサルなどのジアルデヒドと一時的に架橋させること、または界面活性剤による処理などの、様々な方法が提示されている。しかしながら、これらの方法は、医薬、または食品利用におけるセルロースエーテルにとって所望ではない。他の方法は、セルロースに製造中に添加されるテンサイド(界面活性剤)、米国特許第7,361,753B2号を参照のこと、または塩、糖類、界面活性剤、または低分子量水溶性ポリマーなどの添加剤を乾燥工程中に使用する表面被覆、米国特許出願公開第2007/0175361号を参照のこと、の使用を記載する。
【0006】
英国特許明細書GB第804,306号は、2〜35パーセントの繊維性冷水溶性セルロースエーテル、および98〜65重量パーセントの温水を含む湿潤した混合物を、セルロースエーテルのゲル化点を超える温度で形成し、混合物をそのゲル化点未満、例えば20℃に、繊維性構造が実質的に消失し、塊が透明になるまで冷却し、それを超えると離水が発生する点、例えば90℃、まで温度を上昇させ、その後混合物を、ゲル化点を超える点で乾燥するまで、例えばオーブン内で維持し、乾燥した生成物を所望の粒径に、例えば92%以上のセルロースエーテルが42メッシュスクリーン(354マイクロメートルの開口部に対応する)を通過するように、縮小する、工程を開示する。しかしながら、そのような工程は、大規模で使用されるには過度に時間およびエネルギー集中的である。
【0007】
米国特許第2,331,864号は、繊維性冷水溶性セルロースエーテルを、冷水中のその溶液の割合を改良するように処理する方法を開示する。開示される工程において、温水中のメチルセルロースの1〜5重量パーセントの均一なスラリーを作成し、例えば真空下で圧縮することによる、または濾過することによる、過剰水の後続する除去によって、水で湿潤した繊維性セルロースエーテルの含水量を、50℃を超える、好適には70℃を超える温度で72〜88重量パーセントの値に設定する。湿潤した塊を50℃未満の温度まで、好適には5〜23℃まで冷却する。冷却された塊を、所望の程度のゲル形成が発生するまで、すなわち塊が半透明で、可視の繊維性構造が実質的になくなるまで時効させる。その後塊を、50℃を超える温度で、それをトレイ上に広げ、温風流をその上に吹きつけることによって、15%未満の含水量まですぐに乾燥させる。乾燥した生成物を粉砕する。60〜100メッシュの細かさ、またはそれより細かい生成物が得られ、単に冷水と攪拌される際に容易に溶解する自由流動性、非粘結性の粉末であると考えられる。しかしながら、開示される工程は、多くのステップを含み、時間がかかる。さらに、米国特許第2,331,864号に記載されるように、72〜88パーセントの含水量の湿潤した塊は粘着性であり、大規模で均一に処理することが困難であるようである。記載されるトレイ上での部分的な乾燥中の閉塞問題は、大きい塊の形成が材料の搬送を遮断するため、製造工程における動作不能につながるであろう。
【0008】
国際特許出願第WO96/00748号は、40〜75%の含水量および40℃未満の温度を有する水性水和セルロースエーテルが、0.0075〜1mm
2の断面積を有する複数のオリフィスを通して、ストランド形状の伸長したセルロースエーテル押し出し物を形成し、伸長したセルロースエーテル押し出し物を乾燥させ、その後所望の長さに切断する工程を開示する。セルロースエーテルを約25パーセントの含水量まで乾燥させた後、粉砕機中を温風が吹きつける気流式衝撃型粉砕機内で切断を実施し得る。水中で良好な分散性を有するセルロースエーテル粒子が得られるが、不運なことに、工程は、水性水和セルロースエーテルをストランドに押し出し、続けてそれらを気流式衝撃型粉砕機内で切断する際の高い設備経費が原因で大規模では使用されない。
【0009】
本発明の一態様は、合理的に高い非タップ嵩密度と組み合わされた良好な流動性を有するセルロース誘導体を提供することである。
【0010】
本発明の好適な目的は、合理的に高い非タップ嵩密度と組み合わされた良好な流動性を有し、冷水中で良く分散するセルロース誘導体を提供することである。
【0011】
本発明の別の好適な目的は、英国特許明細書GB第804,306号および米国特許第2,331,864号に開示されるような、オーブン内またはトレイ上での乾燥、または後続する粉砕などの時間のかかるステップを必要としない、そのようなセルロース誘導体を製造する工程を提供することである。
【0012】
本発明のさらに別の好適な目的は、WO第96/00748号に開示されるような、セルロース誘導体をストランドに押し出すこと、およびストランドを切断することを必要としない、そのようなセルロース誘導体を製造する工程を提供することである。
【0013】
驚くべきことに、微粒子形態のセルロース誘導体の流動性および/または冷水分散性が、湿潤したセルロース誘導体を粉砕し、乾燥させる新規の工程において改良され得ることが発見されている。特許出願GB第2 262 527A号、EP第0 824 107A2号、EP第B0 370 447号(米国特許第4,979,681と同等)、EP第1 127 895A1号(米国第2001/034441と同等)、およびEP第0 954 536A1号(米国特許第6,320,043と同等)に記載されるような、湿潤したセルロース誘導体の結合された乾燥および粉砕のためのいくつかの工程が、当技術分野で既知であるが、これらの参照のいずれも、セルロース誘導体の冷水分散性を改良する問題に言及せず、またはセルロース誘導体の良好な流動性の証拠を提供しない。
【0014】
2012年3月29日に出願された同時係属中の特許出願PCT/US第12/031112号は、湿潤したセルロース誘導体の全重量に基づいて、25〜95パーセントの含水量を有するセルロース誘導体を、ガス流式衝撃型粉砕機内で粉砕し、部分的に乾燥させる工程であって、衝撃型粉砕機内に供給されるガスが100℃又はそれ未満の温度を有し、粉砕し、部分的に乾燥したセルロース誘導体を、衝撃型粉砕機に供給されるガスより高い温度を有する追加量の乾燥ガスに、ガス流式衝撃型粉砕機の外側で接触させる工程を開示する。同時係属中の特許出願PCT/US第12/031112号に貢献した発明者のうちの何人かは、本特許出願にも又貢献した。
【0015】
カプセルまたは錠剤などの被覆用量形態の製造に使用されるセルロース誘導体は、それらの水溶液としての低い粘度によって明白であるように、通常部分的に解重合される。2重量%水溶液として20℃で測定される、2.4〜200mPa・sの粘度を有するセルロース誘導体は、カプセルの製造に、または被覆用量形態に一般的に使用される。
【0016】
同時係属中の特許出願PCT/US第12/031112号は、その明細書に開示される、高い嵩密度、良好な流動性、および/または冷水で良好な分散性を有するセルロース誘導体を得るために、部分的に解重合したセルロース誘導体を乾燥し、粉砕する工程の有用性を図示する。高い嵩密度、良好な流動性、および/または冷水での良好な分散性に加えて、カプセルまたは被覆用量形態の製造に使用されるセルロース誘導体が、透明の被覆または明色のカプセルを提供するために溶液中で低色を有することが非常に所望である。不運なことに、部分的に解重合したセルロース誘導体の乾燥および粉砕は、乾燥および粉砕中の衝撃および熱が原因で、溶液中のセルロース誘導体の色強度を増大させる。
【0017】
本特許申請の発明者らは、驚くべきことに同時係属中の特許出願PCT/US第12/031112号に開示される工程を、i)高い嵩密度、ii)低い溶液色、およびiii)冷水中での良好な流動性、および/または良好な分散性を有する、乾燥し、粉砕したセルロース誘導体が得られるような方法で修正する方法を発見した。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明は、微粒子セルロース誘導体を、湿潤したセルロース誘導体を乾燥、粉砕することによって製造する工程に関する。
【0028】
本工程で使用されるセルロース誘導体は、一般的に可溶性、または少なくとも溶媒、好適には水に浸漬可能である。それらは、そのうち、例えばヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピル、ヒドロキシブチル、ジヒドロキシプロピルおよび乳酸塩などのいくつかの基がグラフトを形成することができる、好適にはヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピル、ヒドロキシブチル、メチル、エチル、プロピル、ジヒドロキシプロピル、カルボキシメチル、スルホエチル、疎水長鎖分岐および非分岐アルキル基、疎水長鎖分岐および非分岐アルキルアリール基またはアリールアルキル基、カオチン基、酢酸塩、プロピオン酸塩、酪酸塩、乳酸塩、硝酸塩または硫酸塩の型の、1つ以上の置換基を有し得る。本発明に係るセルロースの置換基は、これらの基に限定されない。
【0029】
好適なセルロース誘導体は、セルロースエステルまたはセルロースエーテルである。有用なセルロースエーテルは、例えばカルボキシメチルセルロースなどのカルボキシ−C
1−C
3−アルキルセルロース、カルボキシメチルヒドロキシエチルセルロースなどのカルボキシ−C
1−C
3−アルキルヒドロキシ−C
1−C
3−アルキルセルロースである。
【0030】
セルロースエーテル、好適にはアルキルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロース、またはヒドロキシアルキルアルキルセルロースである。これは、本発明のセルロースエーテルにおいて、アンヒドログルコース単位のヒドロキシル基のうちの少なくとも一部が、アルコキシル基またはヒドロキシアルコキシル基、またはアルコキシルおよびヒドロキシアルコキシル基の組み合わせによって置換されることを意味する。典型的に1つまたは2つの種類のヒドロキシアルコキシル基が、セルロースエーテル中に存在する。好適には単一の種類のヒドロキシアルコキシル基、より好適にはヒドロキシプロポキシルが存在する。
【0031】
特に好適なセルロースエーテルは、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、およびヒドロキシプロピルセルロースなどの、水における熱凝集点を有するものである。セルロースエーテルは好適には水溶性である、すなわち、それらは、100グラムの蒸留水中、25℃および1気圧で、少なくとも1グラム、より好適には少なくとも2グラム、最も好適には少なくとも5グラムの、水中での可溶性を有する。
【0032】
混合アルキルヒドロキシアルキルセルロースを含む好適なアルキルヒドロキシアルキルセルロースは、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、またはヒドロキシブチルメチルセルロースなどのヒドロキシアルキルメチルセルロース;またはヒドロキシプロピルエチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、エチルヒドロキシプロピルセルロース、またはエチルヒドロキシブチルセルロースなどのヒドロキシアルキルエチルセルロース;またはエチルヒドロキシプロピルメチルセルロース、エチルヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシエチルヒドロキシプロピルメチルセルロース、またはアルコキシヒドロキシエチルヒドロキシプロピルセルロース、直鎖または分岐、および2〜8炭素原子含有アルコキシ基である。好適なヒドロキシアルキルセルロースは、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、またはヒドロキシブチルセルロース;または、ヒドロキシエチルヒドロキシプロピルセルロースなどの混合ヒドロキシルキルセルロースである。
【0033】
好適なのはヒドロキシアルキルアルキルセルロース、より好適なのはヒドロキシアルキルメチルセルロース、および最も好適なのは以下に記載されるMS(ヒドロキシアルコキシル)およびDS(アルコキシル)を有するヒドロキシプロピルメチルセルロースである。アンヒドログルコース単位のヒドロキシル基の、ヒドロキシアルコキシル基による置換の程度は、ヒドロキシアルコキシル基、MS(ヒドロキシアルコキシル)のモル置換によって表される。MS(ヒドロキシアルコキシル)は、エステル型セルロースエーテル中のアンヒドログルコース単位当たりのヒドロキシアルコキシル基のモルの平均数である。ヒドロキシアルキル化反応中、セルロース骨格に結合したヒドロキシアルコキシル基のヒドロキシル基は、アルキル化剤、例えばメチル化剤、および/またはヒドロキシアルキル化剤によってさらにエーテル化され得ることが理解されるべきである。アンヒドログルコース単位の同一の炭素原子部分に関する、複数の後続するヒドロキシアルキル化エーテル化反応が側鎖を生み出し、複数のヒドロキシアルコキシル基が互いに共有結合的にエーテル結合によって結合し、各側鎖は全体としてセルロース骨格に対するヒドロキシアルコキシル置換基を形成する。したがって、「ヒドロキシアルコキシル基」という用語は、以上に概説されるように、単一のヒドロキシアルコキシル基、または側鎖のいずれかを含み、2つ以上のヒドロキシアルコキシ単位が互いに共有結合的にエーテル結合によって結合する、ヒドロキシアルコキシル置換基の構成単位として、ヒドロキシアルコキシル基に言及するものとしてのMS(ヒドロキシアルコキシル)の文脈で解釈されなくてはならない。この定義内で、ヒドロキシアルコキシル置換基の末端ヒドロキシル基がさらにアルキル化、例えばメチル化、されるか否かは重要ではなく、アルキル化および非アルキル化ヒドロキシアルコキシル置換基の両方がMS(ヒドロキシアルコキシル)の決定に含まれる。
【0034】
ヒドロキシアルキルアルキルセルロースは、0.05〜1.00、好適には0.08〜0.90、より好適には0.12〜0.70、最も好適には0.15〜0.60、および特に0.20〜0.50の範囲内のヒドロキシアルコキシル基のモル置換を一般的に有する。メトキシル基などのアルコキシル基によって置換されるアンヒドログルコース単位当たりのヒドロキシル基の平均数は、アルコキシル基、DS(アルコキシル)の置換の程度として指定される。上記のDSの定義において、「アルコキシル基によって置換されるヒドロキシル基」という用語は、本発明において、セルロース骨格の炭素原子に直接結合したアルキル化ヒドロキシル基だけでなく、セルロース骨格に結合したヒドロキシアルコキシル置換基のアルキル化ヒドロキシル基をもまた含むと理解されるべきである。本発明に係るヒドロキシアルキルアルキルセルロースは、好適には1.0〜2.5、より好適には1.1〜2.4、最も好適には1.2〜2.2、および特に1.6〜2.05の範囲内のDS(アルコキシル)を有する。最も好適には、セルロースエーテルは、DS(アルコキシル)について以上に示される範囲内のDS(メトキシル)、およびMS(ヒドロキシアルコキシル)について以上に示される範囲内のMS(ヒドロキシプロポキシル)またはMS(ヒドロキシエトキシル)を有するヒドロキシプロピルメチルセルロースまたはヒドロキシエチルメチルセルロースである。アルコキシル基の置換、およびヒドロキシアルコキシル基のモル置換の程度は、セルロースエーテルのヨウ化水素によるZeisel開裂、および後続する定量的ガスクロマトグラフィー分析(G.Bartelmus and R.Ketterer,Z.Anal.Chem.,286(1977)161−190)によって決定され得る。
【0035】
好適なアルキルセルロースは、メチルセルロースである。メトキシル基によって置換されるアンヒドログルコース単位当たりのヒドロキシル基の平均数は、メトキシル基(DS)の置換の程度によって指定される。メチルセルロースは、好適には1.20〜2.25、より好適には1.25〜2.20、および最も好適には1.40〜2.10のDSを有する。メチルセルロース中の%メトキシルの決定は、米国薬局方(USP34)に従って行われる。得られる値は、%メトキシルである。これらは、後続してメトキシル置換基の置換の程度(DS)に変換される。
【0036】
本発明の工程において使用されるセルロース誘導体の粘度は、一般的には、DIN51562−1:1999−01に従って2重量%水溶液として20℃で測定される、200mPa・s、好適には500〜200,000mPa・s、より好適には500〜100,000mPa・s、最も好適には1000〜80,000mPa・s、および特に1000〜60,000mPa・sを超える。
【0037】
セルロース誘導体、好適にはセルロースエーテルおよびセルロースエステルの製造は、当技術分野で既知である。典型的に、製造工程は、例えば水酸化アルカリ金属による処理などによってセルロースを活性化することと、このように処理されたセルロースをエーテル化またはエステル化剤のような誘導体化剤と反応させることと、副生成物を除去するためにセルロース誘導体を洗浄することと、を含む。洗浄ステップ後、セルロース誘導体は、湿潤したセルロース誘導体の全重量に基づいて、25〜60パーセント、典型的には40〜55パーセントの含水量を有する。好適な洗浄液はセルロース誘導体の特定の型に依存し得るが、好ましい洗浄液は、一般に水、イソプロパノール、アセトン、メチルエチルケトン又は食塩水である。より好適な洗浄液は、一般的に水または食塩水である。セルロース誘導体は、一般的に20〜120℃、好適には65〜95℃の温度で洗浄される。洗浄する、および洗浄液からセルロース誘導体を分離する後に、溶媒で湿潤した、好適には水で湿潤した濾過ケーキが得られる。この湿潤したセルロース誘導体は、通常、湿潤した顆粒子、湿潤した塊状、および/または湿潤したペーストの形状で得られる。
【0038】
本発明の一態様によると、セルロース誘導体は、セルロース誘導体を、水などの液体中のその懸濁液から分離することによって得られ、後続して本発明の工程に用いられる。上述のように、液体中の粒子の懸濁液は、製造およびセルロース誘導体を洗浄することに由来し得る。セルロース誘導体を懸濁液から分離することは、遠心分離などの既知の方法で行われ得る。
【0039】
本発明の別の態様によると、乾燥セルロース誘導体および水などの液体は、所望の含水量まで混合機中で混合されることができ、このように得られる湿潤したセルロース誘導体は、後続して本発明の工程に用いられる。
【0040】
冷水に分散するセルロース誘導体が、実質的な量の表面処理添加剤を、セルロース誘導体および水などの液体と混合せずに得られ得ることは、本発明の工程の大きな利点である。したがって、本発明の好適な実施形態によると、実質的に無量の表面処理添加剤がセルロース誘導体に添加される。「実質的に無量の表面処理添加剤」は、セルロース誘導体の表面特性、および特に冷水分散性を有意に変更しない量を意味する。好適には、セルロース誘導体の乾燥重量に基づいて、1パーセント以下、より好適には0.5パーセント以下、最も好適には0.2パーセント以下、および特に無量の表面処理添加剤がセルロース誘導体に添加される。表面処理添加剤は、例えば、ソルビトールまたはラウリル硫酸などの界面活性剤;エステル;KCl、リン酸塩、硝酸塩、または硫酸塩などの塩;または乳糖、果糖、ブドウ糖、ショ糖、またはマルトデキストリンなどの砂糖;またはポリエチレングリコール、またはプロピレングリコールなどの低分子量ポリマーである。混合機は、好適には、完全なおよび集中的な混合が可能である。有用な混合機は、例えば、造粒機、混練機、押出機、圧縮機、またはローラー粉砕機であり、セルロース誘導体および液体の混合物は、二軸スクリュー混合機などの剪断力および混合を適用することによって均一化される。共回転および逆回転機が適する。二軸スクリュー混合機の場合のように、互いに深く噛み合い、相互剥離動作を行う、2つの水平に配置された攪拌ブレードを有する、いわゆる分割トラフ混練機が特に適する。適する単軸連続混練機は、モジュール構造の高性能混合器であり、マルチパートで加熱冷却可能な混合シリンダー、および片側に取り付けられたブレード混合器からなる、いわゆるReflector(登録商標)を含む(製造業者:Lipp、ドイツ)。いわゆるピンシリンダー押出機またはStiftconvert(登録商標)押出機(製造業者:Berstorff、ドイツ)もまた適する。ハウジング内に組み込まれたピンは、混練材料が軸と共に回転するのを防止するための迫台として機能する。水平組み立てのいわゆるダブルブレードシグマ攪拌機(製造業者:Fima、ドイツ)を有する混練混合器が、特に適する。ブレードは異なる速度で動作し、それらの回転方向は反転させ得る。垂直に配置された混合軸を有する撹拌槽もまた、混練された塊が攪拌軸と共に回転するのを防ぐために、適切なフローバッフルが槽の壁に取り付けられ、この方法で集中的な混合動作が混練材料に付与されるような場合には、適する(製造業者:Bayer AG)。遊星式撹拌機およびインラインホモジナイザーを有する二重壁混合槽もまた適する。
【0041】
本発明の工程および方法のステップA)において、湿潤した多糖誘導体の全重量に基づいて、25〜95パーセントの含水量を有するセルロース誘導体が提供される。含水量の好適な下限はそれぞれ、30、35、および38パーセントである。含水量の好適な上限はそれぞれ、80、70、および60パーセントである。最も好適には、含水量は40〜50パーセントである。含水量は、液体、例えば水、イソプロパノール、アセトン、メチルエチルケトン、または食塩水の添加によって調節され得る。最も好適には、水が使用される。水溶性セルロース誘導体に添加される液体の量は、セルロース誘導体が既に有する含水量に調節されるべきである。含水量は、ASTM法D−2363−79(再承認1989)によって決定され得る。ステップA)における湿潤したセルロース誘導体は、好適には上記の表面処理添加剤などの、セルロース誘導体の乾燥時にセルロース誘導体上に残留する実質的な量の表面処理添加剤を含まない。好適には、セルロース誘導体は、セルロース誘導体の乾燥重量に基づいて、1パーセント以下、好適には0.5パーセント以下、最も好適には0.2パーセント以下、および特に無量の表面処理添加剤を含む。塩酸塩などの、セルロース誘導体の製造からの副生成物のいかなる残留量も、「表面処理添加剤」という用語によって網羅されないことが理解されるべきである。
【0042】
乾燥し、粉砕する前のセルロース誘導体の温度は、好適には、5〜60℃、より好適には5〜45℃、最も好適には10〜40℃、および特に10〜30℃の範囲内に制御され、任意で変化または調節される。水などの液体が、乾燥し、粉砕する前にセルロース誘導体に添加される場合、乾燥し、粉砕する前のセルロース誘導体の温度は、好適には添加される液体、および/または混合機のジャケット温度の、制御する、および任意で変化または調節する温度によって制御され、任意で変化または調節される。
【0043】
25〜95パーセントの含水量を有するセルロース誘導体は、通常、湿潤した顆粒子、湿潤した塊、および/または湿潤したペーストの形状である。ステップB)において、それは、ガス流式衝撃型粉砕機、好適には気流式衝撃型粉砕機内で粉砕され、部分的に乾燥され、セルロース誘導体は、衝撃および/または剪断応力を受ける。好適なガス流式衝撃型粉砕機は、Ultra Rotor粉砕機(Altenburger Maschinen Jaeckering、ドイツ)、またはTurbofiner PLM粉砕機(PALLMANN Maschinenfabrik GmbH & Co.KG、ドイツ)である。例えば、Hosokawa Alpine Air Classifier粉砕機−ZPS Circoplex(Hosokawa Micron Ltd.,チェシャー、イギリス)などのガス分別粉砕機もまた有用なガス流衝撃型粉砕機である。乾燥は、ガスおよび機械的エネルギーの組み合わせで典型的に達成される。空気または窒素ガスが使用され得る。本発明の工程において、衝撃型粉砕機に供給されるガスは、100℃以下、好適には75℃以下、より好適には50℃以下の温度を有する。典型的に、衝撃型粉砕機に供給されるガスは、10℃以上、好適には20℃以上、より好適には30℃以上の温度を有する。上記の温度を有するガス流は、様々な方法で作成され得る。発明の一実施形態において、所望の温度を有する新鮮なガス流が、衝撃型粉砕機内に供給され得る。発明の別の実施形態において、所望の温度を有する再生ガス流が、衝撃型粉砕機内に供給され得る。例えば、ガス流は、さらに以下に記載されるように、ステップC)において得られる、粉砕し、乾燥したセルロース誘導体から分離されることができ、結果として生じる固体自由ガス流、またはその一部は、冷却系内で、例えば水を冷却材として使用して冷却されることができる。この結果として生じる冷却ガス流は、粉砕機に供給され得る。代替的に、冷却ガスの全量は、例えば、天然ガスバーナ内で再加熱され得る。再加熱ガスを衝撃型粉砕機に供給ための所望の温度にするために、冷ガスの分離流は、ガス流を粉砕機に供給する前に温ガス流と結合され得る。ガスおよび湿潤した生成物流は、一般的に別個の入口を介して、典型的にガスは底部から、および湿潤した生成物は側入口で、粉砕機に接続される供給スクリュー系を介して、粉砕機に供給される。工程のステップB)の一態様において、湿潤したセルロース誘導体およびガスは、ガス流式衝撃型粉砕機に、セルロース誘導体の乾燥重量に基づいて、10〜90m
3/kg、より好適には20〜50m
3/kgのセルロース誘導体の速度で供給される。ガス流式衝撃型粉砕機の周速は、好適には100m/s以下である。より好適には、ガス流式衝撃型粉砕機は、その周速が30〜100m/s、最も好適には35〜80m/sの範囲内であるような方法で動作する。
【0044】
工程のステップB)において、湿潤したセルロース誘導体が粉砕されるが、部分的にのみ乾燥され、工程のステップC)において、粉砕し、部分的に乾燥されたセルロース誘導体を、ガス流式衝撃型粉砕機の外側で、追加量の乾燥ガスと接触させることが、本発明の工程の本質的な特徴である。好適には、ステップB)におけるガス流式衝撃型粉砕機内のガス流の速度、およびステップC)における追加量の乾燥ガス流、すなわち(ステップBにおけるガス流)/(ステップCにおける追加のガス流)は、1:10〜8:1、好適には1:5〜3:1、より好適には1:3〜2:1、最も好適には1:2〜1:1、および特に1:1.5〜1:1である。本明細書で使用される「追加量の乾燥ガス」という用語は、ガス流式衝撃型粉砕機に供給されていない乾燥ガスを意味する。当業者は、ステップB)における部分的にのみ乾燥することを達成する方法を理解している。例えば、気流式衝撃型粉砕機内で、ガス温度および水分率、および湿潤したセルロース誘導体の温度などの所定の工程パラメータで、セルロース誘導体を本質的に乾燥させるのに必要なガス流量を、決定し得る。不完全な乾燥は、例えば、セルロース誘導体を乾燥し、粉砕するために必要とされるガス量を、ガス流式衝撃型粉砕機内の本質的に乾燥した生成物に供給するよりも、粉砕し、乾燥されるセルロース誘導体単位当たりのより低いガス量を、ガス流式衝撃型粉砕機に供給することによって、ステップB)において達成され得る。本発明の好適な態様において、セルロース誘導体を乾燥させるために使用されるガス流は、スライド弁を介して2つの流に分割され、第1のガス流は、ガス流式衝撃型粉砕機内に供給され、第2のガス流は、衝撃型粉砕機を出る粉砕し、部分的に乾燥したセルロース誘導体に接触させられる。さらに、ステップC)において利用されるガス流式衝撃型粉砕機の外側の追加量の乾燥ガス(すなわち、第2のガス流)が、衝撃型粉砕機に供給されるガス(すなわち、第1のガス流)より高い温度を有する場合、改良した流動性および/または冷水分散性の微粒子セルロース誘導体が得られ得ることが発見されている。好適には、ガス流式衝撃型粉砕機の外側の追加量の乾燥ガスは、衝撃型粉砕機に供給されるガスより、少なくとも70℃高い、より好適には100〜220℃高い、最も好適には100〜280℃高い温度を有する。ガス流式衝撃型粉砕機の外側の追加量の乾燥ガスの温度は、好適には80〜340℃、より好適には100〜220℃、および最も好適には125〜210℃である。ガス流式衝撃型粉砕機の外側の乾燥ガス流は、ガス流式粉砕機に、セルロース誘導体の乾燥重量に基づいて、好適には20〜100m
3/kg、より好適には25〜80m
3/kgの速度をもたらすように選択される。
【0045】
衝撃型粉砕機に残留する第1のガス流は、衝撃型粉砕機に供給されるガス流より高い、またはより低い温度を有し得る。衝撃型粉砕機に残留する第1のガス流の温度は、温度、湿潤したセルロース誘導体の量および含水量、および衝撃型粉砕機内の機械的エネルギーなどの様々な要因に依存する。衝撃型粉砕機に残留する第1のガス流は、粉砕し部分的に乾燥したセルロース誘導体から、セルロース誘導体が第2のガス流と接触する前に部分的にまたは完全に分離され得るが、好適にはセルロース誘導体は、それが第2のガス流に接触する際にガス流式衝撃型粉砕機を退出するガス流の一部分中、またはより好適には全量中で、懸濁される。第2のガス流、すなわちガス流式衝撃型粉砕機の外側の追加量の乾燥ガスの量および温度は、好適には、衝撃型粉砕機に残留する第1のガス流およびステップC)において利用される追加量の乾燥ガスの組み合わせである、ステップC)における結合ガス流が、衝撃型粉砕機に残留する第1のガス流の温度より少なくとも30℃高い、より好適には35〜100℃高い、および最も好適には40〜90℃高い温度を有するように選択される。
【0046】
本発明の工程の乾燥させるステップC)において、セルロース誘導体の含水量は、典型的には、湿潤したセルロース誘導体の全重量に基づいて、1〜20パーセント、好適には2〜10パーセント、より好適には3〜8パーセントまで減少する。
【0047】
ステップC)の後、粉砕し乾燥したセルロース誘導体粒子は、好適には、ガス流式衝撃型粉砕機の下流に配置された分離器内のガス流から分離される。分離器は、好適には、空気分級などのガス分級を実施するように設計される。それは、例えばサイクロンなどの遠心分離器、または篩器などの濾過分離器であり得る。代替的に、ガス流式衝撃型粉砕機の構造に応じて、ガス分級はガス流式衝撃型粉砕機内で既に発生し得る。セルロース誘導体粒子から分離されたガス流は、本発明の工程のステップB)および/またはC)において再生され、再使用され得る。代替的に、セルロース誘導体粒子から分離されたガス流は、本発明の工程のステップB)および/またはC)において再生および再使用されず、周囲からの新鮮なガスがステップB)および/またはC)において使用される。
【0048】
本発明の工程のステップA)〜C)の後に得られるセルロース誘導体は、ステップA)〜C)によって処理されていないセルロース誘導体と比較して増大した嵩密度を有する。増大した嵩密度は、後続する部分解重合ステップD)に使用される、反応器のより高い荷重を可能にする。ステップC)においてセルロース誘導体を乾燥ガスと接触させた後、セルロース誘導体の粘度は、一般的には、DIN51562−1:1999−01に従って2重量%水溶液として20℃で測定される、200mPa・s、好適には、500〜200,000mPa・s、より好適には500〜100,000mPa・s、最も好適には1000〜80,000mPa・s、および特に1000〜60,000mPa・s以上である。
【0049】
本発明の工程の乾燥させるステップC)と部分解重合ステップD)との間の任意の篩過ステップにおいて、粉砕し乾燥したセルロース誘導体を、125〜400、好適には160〜355、より好適には180〜315、および最も好適には200〜300マイクロメートルメッシュサイズの篩、例えば220μmメッシュサイズの篩を通して篩過し得る。任意の篩過ステップは、粉砕し乾燥したセルロース誘導体を、サイクロンなどのガス流式衝撃型粉砕機の下流に配置された分離器内のガス流から分離した後に実施され得る。有用な篩は、当技術分野で既知であり、DIN4188に記載される。篩のメッシュサイズ未満の粒径を有する細粒分、および篩のメッシュサイズを超える粒径を有する粗粒分が得られる。これらの2つの粒分は、本発明に係る最終生成物として別個に使用することができ、細粒分および粗粒分の両方に対して冷水分散性を示す。代替的に、本発明の工程において、粉砕し乾燥したセルロース誘導体は篩を通して篩過されない。本発明の工程によると、冷水に分散するセルロース誘導体は、粉砕し乾燥したセルロース誘導体が篩過されるか否かに関係なく製造可能である。粉砕し乾燥したセルロース誘導体の全量が水に分散する。これは、粉砕し乾燥したセルロース誘導体の全量が有用であり、どの量も乾燥し、粉砕する工程のために再生される、または冷水分散性の重要性が低い他の目的に使用される必要がないため、大きな利点である。
【0050】
セルロース誘導体は、さらなるステップD)において部分解重合される。好適には、セルロース誘導体の部分解重は、部分解重合前の粘度に基づいて、少なくとも10パーセント、好適には少なくとも20パーセント、およびより好適には少なくとも50パーセントの、セルロース誘導体の粘度における減少を達成するような方法で実施される。部分解重合の後、セルロース誘導体の粘度は、一般的には、DIN51562−1:1999−01に従って2重量%水溶液として20℃で測定される、1.2〜200mPa・s、好適には2〜100mPa・s、より好適には2.5〜50mPa・s、および特に3〜30mPa・sである。部分解重合工程は、当技術分野で一般的に既知である。
【0051】
セルロース誘導体は、部分解重合を実施するために、酸、好適には強酸と接触させられ得る。酸の量は、一般的には、開始セルロース誘導体の重量に基づいて、0.1〜5重量パーセントの範囲内である。好適な酸は、塩化水素などのハロゲン化水素である。酸は、例えば欧州特許出願EP第1,141,029号に記載されるように、ガス形態であることができ、または例えば欧州特許出願EP第210,917号に記載されるように水溶液の形態であることができる。酸が水溶液の形態で使用される際、水の量は、一般的には、開始材料として使用されるセルロース誘導体の重量に基づいて、3〜8重量パーセントの範囲内である。部分解重合は、一般的に、50〜130℃、好適には60〜110℃、より好適には65〜90℃の範囲内の温度で実施される。
【0052】
代替的に、セルロース誘導体は、部分解重合を実施するために、酸化剤と接触され得る。典型的な適する酸化剤は、オゾン、過酸化物、岩塩、ハロゲン酸塩、過ハロゲン酸塩、次亜ハロゲン酸塩および過ホウ酸塩、および過酸化水素である。好適な酸化剤は、塩素酸カリウムまたは塩素酸ナトリウムなどの塩素酸アルカリ金属塩、過塩素酸アルカリ金属、過ヨウ素酸アルカリ金属、次亜臭素酸アルカリ金属、次亜塩素酸アルカリ金属、次亜ヨウ素酸アルカリ金属、過酸化アルカリ金属、過酸化水素である。ナトリウムおよびカリウムが好適なアルカリ金属である。酸化剤の量は、一般的には、開始セルロース誘導体に基づいて、0.01〜3重量パーセントの範囲内である。酸化剤の使用は、米国特許第4,316,982号、およびそこで説明される従来技術に記載される。
【0053】
酸および酸化剤は、別個に、または組み合わせで使用され得る。結合された使用が、欧州特許出願EP第1,423,433号に記載される。上述の工程は、微粒子セルロース誘導体の流動性および/または冷水分散性を改良することにとって有用である。
【0054】
本発明の工程に従って製造される微粒子セルロース誘導体は、一般的に、少なくとも370g/l、好適には少なくとも400g/l、およびより好適には少なくとも430g/lもの非タップ嵩密度を有する。最大530g/l、または最適化された条件下で最大600g/lもの非タップ嵩密度が一般的に達成される。本明細書で使用される嵩密度(BD)は、非タップ嵩密度と呼ばれる、取り込まれる材料の見かけ体積:質量の比、およびタップ嵩密度と呼ばれる、取り込まれる材料のタップ体積:質量の比として、定義される。これらの嵩密度を測定するために有用な手段は、米国薬局方24、試験616「嵩密度およびタップ密度」(United States Pharmacopeia Convention,Inc.,Rockville,Maryland,1999)に記載される。
【0055】
本発明の工程に従って製造される微粒子セルロース誘導体は、一般的には、20以下、好適には18以下、より好適には16以下、および最適化された条件下では15未満のカール指数を有する。最小のカール指数は1である。微粒子セルロース誘導体のカール指数は、典型的には5以上、より典型的には8以上である。カール指数Cは、粉末の圧縮性の指標である。それは、式
[数1]
C=100
*(タップBD−非タップBD)/タップBD
(式中、「タップBD」は粉末のタップ嵩密度であり、「非タップBD」は粉末の非タップ嵩密度である)によって計算される。カール指数は、薬学において粉末の流動性の指標としてしばしば使用される。15未満のカール指数は、良好な流動性の指標と見なされる。(Kanig,Joseph L.;Lachman,Leon;Lieberman,Herbert A.(1986)、The Theory and Practice of Industrial Pharmacy(3 ed.)。Philadelphia:Lea & Febiger)。
【0056】
本発明の工程に従って製造される微粒子セルロース誘導体は、冷水中で良好な分散性を有する。「冷水」は、室温未満、室温、またはそれをわずかに超える水、すなわち、一般的に0〜40℃、典型的には5〜30℃、より典型的には10〜25℃の水を意味する。冷水中での分散性は、実施例に記載されるように決定される。不良または無冷水分散性の基準は、冷水中でのセルロース誘導体の塊の形成によって可視である。塊の形成は、生成物の経時的な溶解を強力に妨害する。
【0057】
さらに、本発明の工程は、特定のサイズおよび形状のセルロース誘導体を製造するのに有用である。微粒子セルロース誘導体の粒径および形状は、試料画像の粒径および形状分析を組み合わせる高速画像分析法によって決定され得る。複合粉末のための画像分析法が、W.Witt,U.Kohler,J.List,Current Limits of Particle Size and Shape Analysis with High Speed Image Analysis(PARTEC 2007)に記載される。高速画像分析システムは、Sympatec GmbH、Clausthal−Zellerfeld、ドイツから動的画像分析(DIA)システムQICPIC(商標)として商業的に入手可能である。高速画像分析システムは、数ある中で、粒子の以下の寸法パラメータを測定するのに有用である。
【0058】
EQPC:粒子のEQPCは、粒子の投影面積と同一の面積を有する円の直径として定義される。本発明の目的について、EQPC中央値は、微粒子セルロース誘導体の所定の試料中の全粒子の体積分布の平均であり、EQPC50,3として指定される。体積分布は、コンマの後の数字3によって指定される。EQPC中央値は、粒子分布のEQPCの50%がμmで所定の値より小さく、50%がより大きいことを意味する。
【0059】
LEFI:粒子長LEFIは、粒子の両端を粒子の輪郭内で接続する最長の直接経路として定義される。「直接」とは、ループや分岐がないことを意味する。本発明の目的について、LEFI中央値は、微粒子セルロース誘導体の所定の試料中の全粒子の体積分布の平均であり、LEFI50,3として指定される。体積分布は、コンマの後の数字3によって指定される。LEFI中央値は、粒子分布のLEFIの50%がμmで所定の値より小さく、50%がより大きいことを意味する。
【0060】
本発明の工程に従って製造される微粒子セルロース誘導体は、一般的には、少なくとも50マイクロメートル、好適には少なくとも70マイクロメートル、および本発明のいくつかの好適な実施形態において少なくとも100マイクロメートルの等価投影円直径(EQPC)中央値を有する。微粒子セルロース誘導体は、一般的には、最大500マイクロメートル、好適には最大400マイクロメートル、より好適には最大300マイクロメートル、および最も好適には最大200マイクロメートルのEQPC中央値を有する。
【0061】
本発明の工程に従って製造される微粒子セルロース誘導体は、一般的には、50〜600マイクロメートル、好適には80〜500マイクロメートル、および最も好適には100〜400マイクロメートルのLEFI中央値を有する。
【0062】
さらに、上述のように、セルロース誘導体が、乾燥し、粉砕するステップA)〜C)の後に部分解重合ステップD)を受ける本発明の工程によって、部分解重合が乾燥し、粉砕するステップA)〜C)より前に実施される同等の工程におけるものよりも、溶液中で低い色強度のセルロース誘導体が得られる。本発明の工程に従って製造される微粒子セルロース誘導体は、一般的には、ASTM D1209−05(2011)に従って2重量%水溶液として20℃で決定される、40APHA色単位以下、好適には38APHA色単位以下、および最も好適には35APHA色単位以下の色を有する。本発明の工程に従って製造される微粒子セルロース誘導体は、一般的には、2重量%水溶液として20℃で決定される、20APHA色単位以上、典型的には25APHA色単位以上の色を有する。セルロース誘導体の2重量%水溶液を20℃で調製するために、米国薬局方(USP35,“Hypromellose”pages 3467−3469に記載される手順が適用される。
【0063】
本発明の工程のステップA)〜C)を行う好適な実施形態が、さらなる詳細が以下に記載されるが、本発明の範囲を
図1によって図示される実施形態に限定するものとして理解されるべきではない、
図1によって図示される。
【0064】
図1の記載:
1 全ガス流
2 副行路を通るガス流
3 ガス流式衝撃型粉砕機を通るガス流
4 冷却ガス流
5 バーナ後の加熱ガス流
6 ガス流式衝撃粉砕機前のガス流の温度、℃
7 ガス流式衝撃粉砕機後のガス流の温度、℃
8 結合ガス流
9 濾過器前のガス流
10 ブロア前のガス流の温度、℃
11 ブロア
12 バーナ
13 粉砕機供給ユニット
14 ガス流式衝撃型粉砕機
15 サイクロン
16 濾過器
17 洗浄器/冷却器
18 湿潤したセルロース誘導体
19 弁
20 生成物
【0065】
本明細書で使用されるように、「バーナ後」、「ブロア後」などの用語は、ガス流の方向に関し、「バーナの下流」および「ブロアの下流」などの意味を有する。ブロア11は空気、または好適には窒素を、粉砕機回路を通して循環し、流量計によって測定される、好適には、1000−2200m
3/hの全ガス流1を提供する。ブロア11後、全ガス流1は、バーナ12を通して冷却ガス流4およびガス流に分割され得る。バーナ後のこの加熱ガス流5は、ガス流式衝撃型粉砕機14を通してガス流3に、およびガス流式衝撃型粉砕機の外側で追加量の乾燥ガスとして機能する、副行路を通してガス流2に分割され得る。本発明の一実施形態において、バーナ後の加熱ガス流5の全量を、副行路を通してガス流2に供給し、これは冷却ガス流4のみがガス流式衝撃型粉砕機14に供給され、冷却ガス流4の量はガス流式衝撃型粉砕機を通して流れるガス流3の量に対応することを意味する。本発明の実施例は、この実施形態を使用する。湿潤したセルロース誘導体18を、ガス流式衝撃粉砕機14への供給スクリューシステムを含む、粉砕機供給ユニット13を通して添加し得る。ガス流式衝撃型粉砕機前のガス流3の温度6を測定する。ガス流式衝撃型粉砕機前のガス流7の温度をもまた測定する。副行路を通るガス流2およびガス流式衝撃型粉砕機を通るガス流3の接合部の後、粉砕したセルロース誘導体を含有する結合ガス流8の温度を測定する。粉砕機の後からサイクロン15の開始までの導管を、気流乾燥機と見なす。結合ガス流8を、いくらかの残留量の微粒子(塵埃)を除く実質的に全量のセルロース誘導体がガス流から分離される、サイクロン15に供給する。残留量の塵埃を濾過器16内で除去する。濾過器16前のガス流9の温度を、それがサイクロン15を出た後、およびそれが濾過器16に進入する前に測定する。濾過されたガス流は、洗浄器/冷却器17を通過する。洗浄し、冷却したガス流の温度10を測定し、洗浄し、冷却したガス流はブロア11によって循環される全ガス流1に対応する。上述のようなガス流の流は、弁19の手段によって制御される。これらの各弁の意匠は必ずしも同一ではないが、ガス流の温度および体積に調節される。生成物20を、部分解重合ステップD)を行うのに適する反応器(図示なし)に供給する。
【0066】
本発明は、i)少なくとも370g/l、好適には少なくとも400g/l、およびより好適には少なくとも430g/lの非タップ嵩密度、ii)20以下、好適には18以下、より好適には16以下のカール指数、および本発明のいくつかの実施形態においては15未満ものカール指数、iii)DIN51562−1:1999−01に従って2重量%水溶液として20℃で測定される、1.2〜200mPa・s、好適には2.0〜100mPa・s、より好適には2.5〜50mPa・s、および特に3〜30mPa・sの粘度、およびiv)ASTM D1209−05(2011)に従って2重量%水溶液として20℃で決定される、40APHA色単位以下、好適には38APHA色単位以下、およびより好適には35APHA色単位以下の色、を有する微粒子セルロース誘導体にさらに関する。本発明の微粒子セルロース誘導体は、典型的には最大600g/l、より典型的には最大550g/l、最も典型的には最大510g/lの非タップ嵩密度を有する。
【0067】
微粒子セルロース誘導体のカール指数は、典型的には8以上、より典型的には10以上、および最も典型的には12以上である。微粒子セルロース誘導体は、一般的には20APHA色単位以上の、典型的には25APHA色単位以上の色を有する。
【0068】
本発明の微粒子セルロース誘導体は、一般的には少なくとも50マイクロメートル、好適には少なくとも70マイクロメートル、および本発明のいくつかの好適な実施形態においては少なくとも100マイクロメートルの、等価投影円直径(EQPC)中央値を有する。微粒子セルロース誘導体は、一般的には最大500マイクロメートル、好適には最大400マイクロメートル、より好適には最大300マイクロメートル、最も好適には最大200マイクロメートルのEQPC中央値を有する。本発明の微粒子セルロース誘導体は、一般的には50〜600マイクロメートル、好適には80〜500マイクロメートル、最も好適には100〜400マイクロメートルのLEFI中央値を有する。
【0069】
本発明の工程に従って製造される微粒子セルロース誘導体および本発明の新規の微粒子セルロース誘導体は、冷水中での微粒子セルロース誘導体の良好な分散性が有益である様々な利用において有用である。例えば、微粒子セルロース誘導体は、医薬利用において、好適にはセルロース誘導体および薬剤を含む液体懸濁液において、または硬シェルカプセルの調製のための微粒子セルロース誘導体の水溶液において、有用である。
【0070】
本発明の別の態様は、水、本発明の微粒子セルロース誘導体、および1つ以上の任意の添加剤を配合することによって製造された、水性組成物である。好適には、水、本発明の微粒子セルロース誘導体、および1つ以上の任意の添加剤は、組成物が、水性組成物の全重量に基づいて、好適には5〜40パーセント、より好適には10〜30パーセントの本発明のセルロース誘導体を含むような量で配合される。本水性組成物は、カプセルの製造または用量形態の被覆に特に有用である。着色剤、香味および風味改良剤、抗酸化剤、可塑剤、および界面活性剤などの、任意の添加剤が組成物中に組み込まれ得る。例えば、カプセルを製造する際、弁柄または天然色素などの水溶性食用色素を着色剤として使用することができ、TiO
2を隠蔽剤として使用することができ、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ソルビトール、またはグリセリンを、カプセル皮膜の柔軟性を改良するために可塑剤として、または界面活性剤として使用することができる。固体形態の被覆に特に有用な添加剤は、単層皮膜可塑剤、固体含量増強剤、第2のセルロース誘導体、好適には第2のセルロースエーテル、界面活性剤、潤滑剤、研磨剤、顔料、粘着防止剤、滑剤、乳濁剤、着色剤、およびこれらの任意の組み合わせである。
【0071】
本発明の一態様において、水性組成物は、被覆組成物を形成するために、錠剤、顆粒子、ペレット、カプレット、ロゼンジ、坐剤、腟坐剤、または埋め込み式の用量形態などの、用量形態を被覆するために使用され得る。好適な用量形態は、医薬用量形態、栄養補助剤、または農業用量形態である。
【0072】
本発明の別の態様において、水性組成物はカプセルの製造に使用され得る。カプセルの製造の1つの方法は、「高温ピン法」である。この方法は好適には(a)上記の水性組成物を提供するステップと、(b)水性組成物に浸漬する際に、それらが水性組成物のゲル化温度を超える温度になるように、浸漬ピンを予熱するステップと、(c)予熱浸漬ピンを、ゲル化温度未満の温度に維持された水性組成物に浸漬するステップと、(d)浸漬ピンを水性組成物から引き出し、浸漬ピン上に皮膜を得るステップと、(e)ピン上に成形カプセルシェルを得るために、浸漬ピン上の皮膜を水性組成物のゲル化温度を超える温度で乾燥させるステップと、を含む。カプセルをセルロースエーテルの水性組成物から調製するために使用される高温ピン法は、国際特許公開WO第2008/050209号に詳細に記載される。
【0073】
カプセルの製造の別の方法は、「低温ピン法」である。この方法において、上記の水性組成物は、カラゲナン、ペクチン、ゲランガム、または別の金属イオン封鎖剤などのゲル化剤、またはカリウム、マグネシウム、アンモニウム、またはカルシウムイオンなどのゲル化補助剤を、追加で含む。低温ピン法において、ピンは一般的に室温に維持され、ゲル化温度を超える温度、好適には45〜60℃の温度に維持された水性組成物に浸漬され、浸漬ピンを水性組成物から引き出して浸漬ピン上に皮膜を得、ピン上に成形カプセルシェルを得るために皮膜を浸漬ピン上で乾燥させる。上記の水性組成物からカプセルを調製するために使用される低温ピン法は、欧州特許公開EP第0 714 656号および米国特許第6,410,050号に詳細に記載される。
【実施例】
【0074】
別段言及されない限り、全ての部分および割合は重量による。実施例において、以下の試験手順を使用する。
ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)中の%メトキシルおよび%ヒドロキシプロポキシルの決定を、米国薬局方(USP35,“Hypromellose”,pages 3467−3469)に従って行った。得られた値は%メトキシルおよび%ヒドロキシプロポキシルである。これらは後続してメチル置換基の置換度(DS)およびヒドロキシプロピル置換基のモル置換(MS)に変換され得る。塩の残留量は変換において考慮される。
【0075】
HPMC試料の粘度を、2.0重量%水溶液として20℃で測定した。2.0重量%のHPMC水溶液を、米国薬局方(USP35,“Hypromellose”,pages 3467−3469)に従って調製し、DIN51562−1:1999−01(1999年1月)に係るUbbelohde粘度測定を後続させた。
【0076】
微粒子形態中のHPMCのタップおよび非タップ嵩密度を、Hosokawa Micron(大阪府、日本)から入手可能であるHosokawa Powder Characteristics Tester:モデルPT−Nを使用して測定した。
【0077】
カール指数Cは式、
[数2]
C=100
*(タップBD−非タップBD)/タップBD、(式中「タップBD」は粉末のタップ嵩密度であり、「非タップBD」は粉末の非タップ嵩密度である)によって計算される。
【0078】
LEFI中央値およびEQPC中央値は、微粒子セルロース誘導体の所定の試料中の全粒子のLEFIおよびEQPCの体積分布の平均である。以下の表1においてLEFI50,3およびEQPC50,3と指定されるLEFI中央値およびEQPC中央値を、画像分析器(4mmの内径を有する乾式分散器RODOS/L、および乾式供給器VIBRI/L、およびソフトウェアWINDOX5、5.3.0版、およびM7レンズを有する、Sympatec(ドイツ)の高速画像分析器センサQICPIC)によって測定した。
【0079】
冷水中での分散性(CWD)および60分後の微粒子セルロース誘導体の粘度立ち上がりを反映するトルク立ち上がりを、以下の手順に従って決定した。250mlのジャケット付きガラス槽に20℃の水道水125mlを入れた。層のジャケットを恒温装置によって20℃に維持した。それぞれが8mmの穴で穿孔した2つの長方形のブレードを備える攪拌機を搭載する、トルク測定撹拌装置(Thermo Scientific(Karlsruhe、ドイツ)のHaake VT550)を測定に使用した。撹拌ブレードを軸に対して10度の勾配で反対側に取り付け、層壁から5mmの距離を有する層内の液体で完全に覆った。攪拌機を250rpmに設定した。10重量%のセルロースエーテルを、水を含有する槽内に、一定に撹拌しながら、1度に投与した。不良な冷水分散性の基準は、不規則なトルクピークをもたらす、冷水中でのセルロースエーテルの塊の形成によって可視的であった。塊の形成は、セルロース誘導体の溶解を経時的に強く妨害する。
【0080】
APHA色単位を、2重量%水溶液として20℃で決定した。
【0081】
2.0重量%のHPMC水溶液を、米国薬局方(USP35,“Hypromellose”,pages 3467−3469)に従って調製し、ASTM D1209−05(2011)に係るAPHA色単位の測定を後続させた。
【0082】
実施例1〜5:乾燥〜粉砕ステップA)〜C)
水を添加してセルロース誘導体を乾燥させるために、加熱および冷却ジャケットを有する商用的に入手可能な連続混合機を使用した。実施例1〜5において開始材料として使用したセルロース誘導体は、1%の含水量、81μmの等価投影円直径中央値(EQPC50,3)、249μmの粒子長中央値(LEFI50,3)、294g/lの非タップ嵩密度(BD)、438g/lのタップ嵩密度(BD)、および33のカール指数を有する、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)であった。HPMCは、2.0重量%水溶液として20℃で測定される、29.3%メトキシル基、6.2%ヒドロキシプロポキシル基、および5200mPa・sの粘度を有した。開始材料として使用したHPMCは、冷水中で可溶性ではなく、これは冷水中での分散性(CWD)を決定するための上述の方法において塊として可視的であった。
【0083】
以下の表1に記載されるように、乾燥し、粉砕する前に、混合機ジャケットに、HPMCの温度を適合させるために使用される液体を供給した。HPMCを、連続的に以下の表1に記載される供給速度で混合機に供給した。約5℃の温度の水を、混合機に連続的に添加した。湿潤したセルロース誘導体18(本実施例におけるHPCM)を、搬送ベルトを介して粉砕機供給ユニット13(Altenburger Maschinen Jaeckering GmbH、Hamm、ドイツ)に連続的に搬送した。粉砕機供給ユニットは、ブレードおよび単一のオーガスクリューを有する槽攪拌機を備えた槽であった。槽攪拌機の底部ブレードが、湿潤したHPMCペーストを、槽の底部に取り付けられた単一のオーガスクリューに圧入した。湿潤したHPMCを、穿孔プレートを通して直接ガス流式衝撃型粉砕機14(Altenburger Maschinen Jaeckering GmbH、Hamm、ドイツからの、Ultrarotor II「S」衝撃型粉砕機、第1と第2の粉砕段階との間)の側面に押し込んだ。ガス流式衝撃型粉砕機は、7つの粉砕段階を備えていた。底部の5つの粉砕段階は、標準粉砕棒を備えていた。上部の2つの粉砕段階では粉砕棒は設置されなかった。粉砕機ジャケットの内部は、標準Altenburger波型据え置き粉砕プレートを有した。
【0084】
衝撃型粉砕機の回転子は、以下の表1に記載される周速で動作した。ここで使用される特定のガス流系は、窒素をガスとして利用する閉ループ系であった。ガス流系を、3つの別個に制御可能なガス流で構成した。制御動作を、それぞれのガス流の量を制御することを可能にするスライド弁によって行った。同時に、天然ガスバーナ、および冷水を冷却剤として使用するガス冷却系を介して、ガス流の温度を制御し得た。それぞれのガス流の結果として生じるガス温度を、以下の表1に記載する。実施例1〜5において利用されるガス流の流を以下の表1に記載し、
図1に図示する。
【0085】
本発明の工程のステップA)〜C)の条件、およびステップA)〜C)において調製される、製造された微粒子HPMCの特性を、以下の表1に記載する。
【表1】
【0086】
実施例1〜5について、塊の形成は検出できなかった。セルロース誘導体は、30分後には既に完全に溶解しており、一定のトルクおよび粘度を示した。
【0087】
実施例1〜5:部分解重合ステップD)
上述の実施例1〜5のステップA)〜C)において製造されるHPMCの試料を、粉末状の試料をガス状の塩化水素と共に同時に以下の表2に記載される温度で加熱することによって部分的に解重合した。
【0088】
40kgのHPMCを、ジャケット付配合器(1000L容量)に充填した。窒素ガスとのパージ後、加熱を開始し、85℃の一定のジャケット出口温度に達するまで継続した。その後72gの乾燥塩化水素ガスを、1分間で、1分当たりジャケット付配合器の6全回転で添加した。記載される反応時間を、85℃のジャケット出口温度で、1分当たりジャケット付配合器の6全回転で実施した。その後HClガスを、排出を介して除去し、加熱を停止し、ジャケット付配合器を25℃まで80分間で冷却した。生成物を、83gの炭酸水素ナトリウムの添加、および25℃での60分間の混合、および1分当たり6全回転によって中和した。
【0089】
比較実施例A:ステップD)
比較の目的のため、実施例1〜5のステップA)〜C)の開始材料として使用されたHPMCを、実施例1〜5に記載されるように、以上のステップD)は比較実施例AのHPMCは部分解重合ステップD)を行う前にステップA)〜C)を受けなかったという例外で、部分的に解重合した。
【0090】
実施例1〜5のステップA)〜C)の開始材料として使用されたHPMCは1%の含水量のみを有したため、比較実施例A内の開始材料中で使用される含水量を、実施例1〜5のそれらに適合させるために、HPMCを部分解重合ステップ前に6.0%まで水で湿潤させた。
【0091】
部分解重合工程の条件および結果を、以下の表2に記載する。
【表2】
【0092】
比較実施例B(同時係属中の特許出願PCT/US第12/031112中)
ステップA)〜C)を、2.0重量%水溶液として20℃で測定される、28.4%のメトキシル基、6%のヒドロキシプロポキシル基、および4.3mPa・sの粘度を有するHPMCで行った。開始材料として使用されるHPMCは、Dow Chemical社からMethocel(商標)F4ヒドロキシプロピルメチルセルロースとして商業的に入手可能である。そのような材料は、本発明の工程のステップD)のように乾燥塩化水素ガスを使用した、高い粘度のHPMCの部分解重合によって得られる。
【0093】
ステップA)〜C)における動作手順を、比較の目的のための実施例1〜5において得られる範囲内の非タップおよびタップ嵩密度を有する冷水に分散する微粒子HPMCを得るような方法で実行した。粉砕し、部分的に乾燥させる工程ステップB)は粉砕前73〜75%水分のHPMCで効率的に実行され得たが、比較実施例BのHPMCはより低いHPMC粘度を考慮して43%で効率的に実行され得た。
【0094】
したがって、比較実施例Bは、工程ステップA)〜D)を本発明の工程でのような順で行う代わりに、部分解重合ステップD)が工程ステップA)〜C)に先行する手順を表す。
【0095】
比較材料C)
比較実施例Bにおいて開始材料として使用された商業的に入手可能なMethocel(商標)F4ヒドロキシプロピルメチルセルロースのタップおよび非タップ嵩密度(BD)、粘度、およびAPHA色単位を、測定し、実施例1〜5および比較実施例AおよびBの同一の特性と共に以下の表3に記載した。
【表3】
【0096】
実施例1〜5および比較実施例Aにおいて、固体粒子のガス状HClとの部分解重合前に非タップおよびタップ嵩密度(BD)、およびカール指数を測定した。部分解重合は、非タップおよびタップ嵩密度、およびカール指数に有意には影響を与えない。
【0097】
実施例1〜5間と比較実施例Bとの間の比較は、実施例1〜5でのように部分解重合ステップ(ステップD))を乾燥−粉砕動作(ステップA)〜C))後に実施する場合、部分解重合ステップが乾燥−粉砕動作を先行する場合よりも、驚くべきことに、低い溶液色の冷水に分散するセルロース誘導体が得られることを図示する。
本開示は以下も包含する。
[1] 微粒子セルロース誘導体を製造する方法であって、
A)湿潤したセルロース誘導体の全重量に基づいて、25〜95パーセントの含水量を有するセルロース誘導体を提供するステップと、
B)前記湿潤したセルロース誘導体をガス流式衝撃型粉砕機内で粉砕し、部分的に乾燥させるステップであって、前記衝撃型粉砕機内に供給されるガスが100℃以下の温度を有するステップと、
C)粉砕し、部分的に乾燥したセルロース誘導体を、追加量の乾燥ガスに前記ガス流式衝撃型粉砕機の外側で接触させるステップであって、前記ガス流式衝撃型粉砕機の外側の前記追加量の乾燥ガスが、前記衝撃型粉砕機に供給される前記ガスより高い温度を有するステップと、
D)ステップC)において前記セルロース誘導体を乾燥ガスに接触させた後に、前記セルロース誘導体を部分解重合させるステップと、を含む、方法。
[2] 前記ガス流式衝撃型粉砕機の外側の前記追加量の乾燥ガスが、前記衝撃型粉砕機に供給される前記ガスよりも少なくとも70℃高い温度を有する、上記態様1に記載の方法。
[3] ステップA)における前記湿潤したセルロース誘導体が、前記セルロース誘導体の乾燥時に前記セルロース誘導体上に残留する実質的な量の表面処理添加剤を含まない、上記態様1または上記態様2に記載の方法。
[4] ステップA)で提供される前記セルロース誘導体が、DIN51562−1:1999−01に従って2重量%水溶液として20℃で測定される、200mPa・sより大きい粘度を有し、前記セルロース誘導体が部分解重合され、少なくとも10パーセントの前記セルロース誘導体の粘度における減少を達成する、上記態様1〜3のいずれかに記載の方法。
[5] 部分的に解重合したセルロース誘導体が、DIN51562−1:1999−01に従って2重量%水溶液として20℃で測定される、1.2〜200mPa・sの粘度を有する、上記態様1〜4のいずれかに記載の方法。
[6] 製造される微粒子セルロース誘導体が、少なくとも370g/lの非タップ嵩密度、もしくは20以下のカール指数、または両方を有する、上記態様1〜5のいずれかに記載の方法。
[7] 前記製造される微粒子誘導体が、アルキルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロース、またはヒドロキシアルキルアルキルセルロースである、上記態様1〜6のいずれかに記載の方法。
[8] 上記態様1〜7のいずれかに記載の方法によって製造可能な、微粒子セルロース誘導体。
[9] 微粒子セルロース誘導体の流動性および/または冷水分散性を改良する方法であって、
A)湿潤したセルロース誘導体の全重量に基づいて、25〜95パーセントの含水量を有するセルロース誘導体を提供するステップと、
B)前記湿潤したセルロース誘導体をガス流式衝撃型粉砕機内で粉砕し、部分的に乾燥させるステップであって、前記衝撃型粉砕機内に供給されるガスが100℃以下の温度を有するステップと、
C)粉砕し、部分的に乾燥したセルロース誘導体を、追加量の乾燥ガスに前記ガス流式衝撃型粉砕機の外側で接触させるステップであって、前記ガス流式衝撃型粉砕機の外側の前記追加量の乾燥ガスが、前記衝撃型粉砕機に供給される前記ガスより高い温度を有するステップと、
D)ステップC)において前記セルロース誘導体を乾燥ガスに接触させた後に、前記セルロース誘導体を部分解重合させるステップと、を含む、方法。
[10] i)少なくとも370g/lの非タップ嵩密度と、
ii)20以下のカール指数と、
iii)DIN51562−1:1999−01に従って2重量%水溶液として20℃で測定される、1.2〜200mPa・sの粘度と、
iv)ASTM D1209−05(2011)に従って2重量%水溶液として20℃で決定される、40APHA色単位以下の色と、を有する、微粒子セルロース誘導体。
[11] 少なくとも50マイクロメートルの等価投影円直径(EQPC)中央値を有する、上記態様10に記載の微粒子セルロース誘導体。
[12] ASTM D1209−05(2011)に従って2重量%水溶液として20℃で決定される、35APHA色単位以下の色を有する、上記態様10または11に記載の微粒子セルロース誘導体。
[13] 水、上記態様10〜12のいずれかに記載の微粒子セルロース誘導体、および1つ以上の任意の添加剤を配合することによって製造される、水性組成物。
[14] 上記態様13に記載の水性組成物を浸漬ピンと接触させるステップを含む、カプセルの製造方法。
[15] 用量形態を被覆する方法であって、上記態様13に記載の水性組成物を前記用量形態と接触させるステップを含む、方法。