特許第6039817号(P6039817)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6039817
(24)【登録日】2016年11月11日
(45)【発行日】2016年12月7日
(54)【発明の名称】チェーンシャックル
(51)【国際特許分類】
   F16G 15/04 20060101AFI20161128BHJP
   F16G 13/12 20060101ALI20161128BHJP
【FI】
   F16G15/04 Z
   F16G13/12 Z
【請求項の数】14
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2015-535077(P2015-535077)
(86)(22)【出願日】2013年10月7日
(65)【公表番号】特表2015-530547(P2015-530547A)
(43)【公表日】2015年10月15日
(86)【国際出願番号】FI2013050970
(87)【国際公開番号】WO2014057169
(87)【国際公開日】20140417
【審査請求日】2015年4月24日
(31)【優先権主張番号】20126051
(32)【優先日】2012年10月8日
(33)【優先権主張国】FI
(73)【特許権者】
【識別番号】516083449
【氏名又は名称】コネクレーンズ グローバル コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】Konecranes Global Corporation
(74)【代理人】
【識別番号】100079991
【弁理士】
【氏名又は名称】香取 孝雄
(74)【代理人】
【識別番号】100153453
【弁理士】
【氏名又は名称】北島 弘崇
(74)【代理人】
【識別番号】100134061
【弁理士】
【氏名又は名称】菊地 公一
(72)【発明者】
【氏名】クイバマキ、 イスモ
【審査官】 藤村 聖子
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭60−026487(JP,U)
【文献】 米国特許第03967572(US,A)
【文献】 欧州特許出願公開第00672609(EP,A1)
【文献】 米国特許第05644821(US,A)
【文献】 独国特許出願公開第102005044061(DE,A1)
【文献】 仏国特許出願公開第02149016(FR,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16G 15/00−15/14
F16G 17/00
B63B 21/50
B66D 3/26
B66C 1/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
チェーン巻上機のホイストチェーンを巻上部材または前記チェーン巻上機に固定し、前記ホイストチェーンは鎖環を含み、該鎖環は隣り合う鎖環同士によって形成される面によって互いの面に対し主として90度の角度で相互に連結されているチェーンシャックルであり、該チェーンシャックルは互いに対して取付可能な2つの同一なシャックル半体を含み、該シャックル半体は該半体および前記ホイストチェーンの長手方向で協働し、これにより該シャックル半体間に前記ホイストチェーンのうち1つの鎖環または鎖環半体用の第1の空間を形成して前記鎖環または前記鎖環半体を巻上げ方向または力に抗して固定し、第1の空間は前記チェーンシャックルの長手方向の第1方向に開口し、さらに、前記シャックル半体は、第1の空間に通じ、第1の鎖環に結合されているか、または前記鎖環半体に結合される前記ホイストチェーンの第2の巻上鎖環用の第2の空間を形成し、第2の空間は、前記ホイストチェーンの両長手方向に開口し、ホイストチェーンの長手方向周りを第1の空間に対して向きが90度変わっているチェーンシャックルにおいて、該チェーンシャックルはさらにスリーブ状のロックナットを含み、該ロックナットの内部に該チェーンシャックルの外形に合致する空間を形成して該チェーンシャックルおよびそのシャックル半体を協働させ、前記ロックナットの外面には、前記ロックナットに対して支持される前記チェーンシャックルを固定部位に固定するねじ山が含まれることを特徴とするチェーンシャックル。
【請求項2】
請求項1に記載のチェーンシャックルにおいて、第1の空間は、各シャックル半体に設けられ第2の空間まで達する凹溝と、カムとを含み、前記溝は前記カムの表面上を延び、これによって、前記溝および前記カムの表面の形状は前記鎖環または前記鎖環半体の外面形状と実質的に合致することを特徴とするチェーンシャックル。
【請求項3】
請求項1に記載のチェーンシャックルにおいて、第2の空間は該チェーンシャックルの両側において、該チェーンシャックルの第1の空間の開口方向に対向する側で、シャックル端部から所定の距離にわたって該チェーンシャックルの両側で部分的に開口していることを特徴とするチェーンシャックル。
【請求項4】
請求項1に記載のチェーンシャックルにおいて、前記シャックル半体同士を組み合わせて回転対称体を形成することを特徴とするチェーンシャックル。
【請求項5】
請求項1に記載のチェーンシャックルにおいて、該チェーンシャックルを固定位置で支持する支持手段が、各シャックル半体の外縁部のうち第1の空間の開口端側の端部に配設されることを特徴とするチェーンシャックル。
【請求項6】
請求項5に記載のチェーンシャックルにおいて、該チェーンシャックルを固定位置で支持する前記支持手段は、前記シャックル半体の外縁部を取り囲むフランジ構造体の形状を成すことを特徴とするチェーンシャックル。
【請求項7】
請求項に記載のチェーンシャックルにおいて、前記ロックナットは該チェーンシャックルの前記支持手段と協働するように構成されていることを特徴とするチェーンシャックル。
【請求項8】
チェーン巻上機のホイストチェーンを巻上部材または前記チェーン巻上機に固定し、前記ホイストチェーンは鎖環を含み、該鎖環は隣り合う鎖環同士によって形成される面によって互いの面に対し主として90度の角度で相互に連結されているチェーンシャックルであり、該チェーンシャックルは互いに対して取付可能な2つの同一なシャックル半体を含み、該シャックル半体は該半体および前記ホイストチェーンの長手方向で協働し、これにより該シャックル半体間に前記ホイストチェーンのうち1つの鎖環または鎖環半体用の第1の空間を形成して前記鎖環または前記鎖環半体を巻上げ方向または力に抗して固定し、第1の空間は前記チェーンシャックルの長手方向の第1方向に開口し、さらに、前記シャックル半体は、第1の空間に通じ、第1の鎖環に結合されているか、または前記鎖環半体に結合される前記ホイストチェーンの第2の巻上鎖環用の第2の空間を形成し、第2の空間は、前記ホイストチェーンの両長手方向に開口し、ホイストチェーンの長手方向周りを第1の空間に対して向きが90度変わっているチェーンシャックルにおいて、該チェーンシャックルはチェーンの端部から所定の距離を置いた位置で固定されるように構成され、前記シャックル半体を取り囲んでその内表面が該チェーンシャックルの外形に合致するスリーブは、前記シャックル半体を協働させるように配設されることを特徴とするチェーンシャックル。
【請求項9】
請求項に記載のチェーンシャックルにおいて、弾性材料からなる別のスリーブが第1のスリーブを取り囲むように配設されることを特徴とするチェーンシャックル。
【請求項10】
請求項に記載のチェーンシャックルにおいて、第1の空間は、各シャックル半体に設けられ第2の空間まで達する凹溝と、カムとを含み、前記溝は前記カムの表面上を延び、これによって、前記溝および前記カムの表面の形状は前記鎖環または前記鎖環半体の外面形状と実質的に合致することを特徴とするチェーンシャックル。
【請求項11】
請求項に記載のチェーンシャックルにおいて、第2の空間は該チェーンシャックルの両側において、該チェーンシャックルの第1の空間の開口方向に対向する側で、シャックル端部から所定の距離にわたって該チェーンシャックルの両側で部分的に開口していることを特徴とするチェーンシャックル。
【請求項12】
請求項に記載のチェーンシャックルにおいて、前記シャックル半体同士を組み合わせて回転対称体を形成することを特徴とするチェーンシャックル。
【請求項13】
請求項に記載のチェーンシャックルにおいて、該チェーンシャックルを固定位置で支持する手段が、各シャックル半体の外縁部のうち第1の空間の開口端側の端部に配設されることを特徴とするチェーンシャックル。
【請求項14】
請求項13に記載のチェーンシャックルにおいて、該チェーンシャックルを固定位置で支持する前記手段は、前記シャックル半体の外縁部を取り囲むフランジ構造体の形状を成すことを特徴とするチェーンシャックル。
【発明の詳細な説明】
【発明の背景】
【0001】
本発明は、チェーン巻上機のホイストチェーンの端部を巻上部材またはチェーン巻上機に固定するチェーンシャックルに関するものである。ホイストチェーンは鎖環を含み、各鎖環は、隣り合う鎖環同士によって形成される面が互いの面に対し主として90度の角度で相互に固定されるものである。
【0002】
チェーン巻上機では、巻上機の実施形態に応じて、ホイストチェーンの端部を2つの場所で固定する必要がある。一重チェーン式の巻上機では、チェーンシャックルはホイストフックのフックシリンダ内に不可欠である。二重チェーン式の巻上機では、チェーンの端部をチェーン巻上機の枠構造体に固定する必要がある。加えて、ある種の固定部品は、リミットスイッチを形成すべく、および/またはチェーンがチェーン巻上機から完全に送り出されてしまうことを防止すべく、チェーン収納袋に設けられる必要がある。たいていの場合、上述の3ヶ所すべてにそれぞれ固定要素が設けられる。
【0003】
チェーンをフックシリンダおよびチェーン巻上機の枠構造体に固定する一般的な方法はピンを使用するもので、ピンが鎖環を貫通してピン自体をフックシリンダおよびチェーン巻上機の枠構造体に支持させる。ピン方式における問題点は、ピンは曲げを受ける二重支持型の「梁」であり、非常に大きな径を有するピンを押して鎖環内を通すことができないため、その張力度が高くなることである。さらに、チェーンの交換中にピンを当初の位置とは別の位置にはめ込むこともあり得る。これにより、元々圧縮されていたピンの側部に今度は引張応力がかかるように、ピンに負荷がかかる方向が不利になることがある。とりわけ、圧縮中に鎖環によってピンに切欠きができた場合、ピン方式では危険が生じる。ピン方式において、鎖環とピンの間の表面圧力はその幾何学的形状故に不利益となる。なぜならば、原理上この方式は点接触式だからである。
【0004】
多くの場合、フックシリンダ内に直接成形されるか、または形状係合によってフックシリンダもしくはチェーン巻上機の枠構造体に固定する独立した部品として成形される形状係合要素を使用してチェーンを固定する。
【発明の概要】
【0005】
本発明は、主として、チェーンおよびチェーンシャックルにかかる応力を減少させることを目的とする。また本発明は、チェーンの固定に多くの異なる部材が必要となる状況を避けることを別の目的とする。
【0006】
所定の目的は本発明に係るチェーンシャックルにより達成され、このチェーンシャックルは、互いに対して取付可能な2つの同一なシャックル半体を含み、シャックル半体は半体およびホイストチェーンの長手方向に平行な面上で協働し、これによりシャックル半体間にホイストチェーンのうち1つの鎖環または鎖環半体用の第1の空間を形成して鎖環または鎖環半体を巻上げ方向または力に抗して固定し、第1の空間はチェーンシャックルの長手方向の第1方向に開口し、さらにシャックル半体は、第1の空間に連結され、第1の鎖環に結合されているか、または鎖環半体に結合される第2の巻上鎖環用の第2の空間を形成し、第2の空間はホイストチェーンの両長手方向に開口し、ホイストチェーンの長手方向周りを第1の空間に対して向きが90度変わっていることを特徴とする。
【0007】
本発明の好適な実施形態を従属請求項に開示する。
【0008】
本発明の方式によって、例えば、以下の利点が得られる:
− 本発明のチェーンシャックルにより、フックシリンダ構造体をより低い位置に設置できるため、ホイストフックから懸架フックまでの距離測定がより有利となる。
− チェーンを切って作り出されるホイスト鎖環半体を活用することができる。
− シャックル半体によって支持点はチェーン鎖環のほぼ真下に導かれるため、荷重を有するホイストチェーンを固定する鎖環半体が受ける曲げ応力は最小限ですむ。
− 新しいチェーンを取り付けている間、鎖環半体が間違った位置に取り付けられることがない。
− ホイストチェーンと鎖環半体の間でかかる表面圧力(ヘルツ圧)は、断面が円形または楕円形のストレートピンと鎖環の間でかかる表面圧力よりも小さく、それに加えて、鎖環半体とこれに隣接する鎖環の間にかかる表面圧力は、その他すべての環の接点における表面圧力と同じである。
− チェーンシャックルを必要とするあらゆる場所でチェーンホイストに適用できるので、本発明のチェーンシャックルは多目的に使用できる物となる。
− チェーンホイストが二重チェーン式の場合、本発明のチェーンシャックルを使用すれば、どちらの方向からチェーンが巻上機から出てきても(横または縦のホイスト環のどちらが先に出ても)問題とはならない。なぜならば、チェーンシャックルは正しい位置に変化し得るからである。ただし、例えば、チェーンの端部を最も端の鎖環を貫通しているピンで固定している場合はこの限りではない。ピン方式においては、位置が間違っている場合には、チェーンを正しい位置に掛け直さなければならない。
− 2つの同一なシャックル半体を有するチェーンシャックルを1種類だけ使用する場合、大量製造が可能である。すなわち、安価な製造方法を用いて、単価を低く抑えることができることを意味する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本発明について、いくつかの好適な実施例を用いて、添付の図面を参照しながら詳細に述べる。
図1a】本発明に係るチェーンシャックルのシャックル半体の前面図(チェーンシャックルの内側から見た図)である。
図1b図1aによるシャックル半体を下から見た図である。
図1c図1aによるシャックル半体を上から見た図である。
図1d図1aによるシャックル半体を横から見た図である。
図1e図1aによるシャックル半体の断面を示す図である。
図1f】上記各図に示すシャックル半体の透視図である。
図1g】シャックル半体間の協働の概要を示す図である。
図2a図1aおよび図1bに示すシャックル半体の形状を成すチェーンシャックルがホイストフックに連結して使用される、一重チェーン式のチェーン巻上機を示す図である。
図2b図2aに示す固定具の分解組立図である。
図3a図1aおよび図1bに示すシャックル半体の形状を成すチェーンシャックルがホイストチェーンを巻上機の枠構造体に固定する際に使用される、二重チェーン式のチェーン巻上機を示す図である。
図3b図3aに示す固定具の分解組立図である。
図3c図3aおよび図3bに示すスリーブ状ロックナットを下から見た図である。
図4a】チェーン収納袋内のチェーン端部にある図2aおよび図3aに示すチェーンシャックルをより詳細に示す図である。
図4b図4aに示す固定具の分解組立図である。
【発明の詳細な説明】
【0010】
図面は、本発明に係るチェーンシャックル1を示す。チェーンシャックル1は、チェーン巻上機2、20にあるホイストチェーン3の端部を、図2aおよび図2bによる一重チェーン式巻上機2にあるホイストフック4のフックシリンダ5、図3aおよび図3bによる二重チェーン式巻上機20の枠構造体21、ならびに図2a図2b図3aおよび図3bによるチェーン巻上機2、20のチェーン収容袋6、22に固定するものである。本件のホイストチェーン3は複数の鎖環3aを有し、この種の他のチェーンの場合と同様に、各鎖環は、隣り合う鎖環3aに形成される各面で、主として90度の角度で相互に取り付けられている。
【0011】
特に図1a図1fを参照すると、チェーンシャックル1は、互いに対して取付可能な2つの同一なシャックル半体1aを有し、シャックル半体およびホイストチェーン3の長手方向に平行な面上で協働し、これにより、両シャックル半体は両半体間にホイストチェーン3の鎖環3a用または鎖環半体3b用の第1の空間Aを形成して、鎖環または鎖環半体を巻上げ方向または力に抗して固定する。第1の空間Aは、チェーンシャックル1の長手方向の第1方向に対して開口している。また、両シャックル半体は、第1の空間Aとつながり、第1の鎖環3aに結合されているか、または鎖環半体3bに結合されるホイストチェーン3の第2の鎖環3a用の第2の空間Bが形成される。本例では、第2の空間Bは、ホイストチェーン3の両長手方向に対して開口し、さらに、チェーンシャックル1の両側において、チェーンシャックル1の第1の空間Aの開口方向と対向する側でシャックル端部から所定の長さにわたって、チェーンシャックル1の両側にわたって部分的に開口している。第2の空間Bは、必然的に、ホイストチェーン3の隣り合う鎖環3aの位置に対応するように、上述の長手方向周りを第1空間Aに対し向きが90度変わっている。
【0012】
第1の空間Aは、各シャックル半体1aに設けられ第2の空間Bまで達する凹溝1b、およびカム1cを含み、溝1bはカムの表面上に延びている。これによって、溝1bおよびカム1cの表面の形状は鎖環3aまたは鎖環半体3bの外面形状と実質的に合致する。したがって、この構造の本質的事項として、必要に応じて、ホイストチェーン3を、特に図4aおよび図4bに見て取れるように、チェーンシャックル1から両方向の分だけ延ばしてもよい。
【0013】
適切な方法として、図に示すように、両シャックル半体1aを組み合わせて回転対称体を形成する。
【0014】
加えて、各シャックル半体1aの外縁部の、第1の空間Aの開口端側の端部には、チェーンシャックル1を固定位置に支持する手段が設けられている。チェーンシャックルが図に示すような回転対称型である場合、チェーンシャックル1を固定位置に支持する手段は、シャックル半体1aの外縁部を取り囲むフランジ構造体1dであることが最も好ましい。
【0015】
図2aおよび図2bは、本発明のチェーンシャックル1を用いて、ホイストチェーン3の端部を、一重チェーン式巻上機にあるホイストフック4の同じ2つの円筒状半体5aによって形成されるフックシリンダ5に固定する様子を示す。鎖環の切断半体3bはホイストチェーン3の端部にて完全な状態のホイスト環3aを通り抜け、さらに半体の両側にシャックル半体1aが配置される。形成された結合体は円筒状半体5aの間で閉じられる。円筒状半体5aはシャックル半体1aの外面の形状に対応する半円筒状の凹部5bを有し、その内部からシャックル半体1aを形状により係り合わせる。上述のチェーンシャックル1のフランジ構造体1dは、円筒状半体5aの凹部5bに形成された、対応する機械加工体5cに接して支持されるため、ホイストチェーン3の負荷を受け止める。ホイストチェーン3の負荷は、チェーンシャックル1にある第1の空間Aの溝1bおよびカム1cにも向けられ、その耐荷面領域は従来のピン方式における領域よりもはるかに大きい。
【0016】
図3aおよび図3bは、ホイストチェーン3の端部が二重チェーン式巻上機20の枠構造体21の底部に固定される状態を示す。この構造では、フックシリンダ23は鎖車24を有し、鎖車24の周囲にホイストチェーン3が巻き付き、ホイストチェーンの他方端を枠構造体21の底部に固定する。この固定を行うために、スリーブ状ロックナット25が配設され、ロックナット25の内部にはチェーンシャックル1の外形に合致するチェーンシャックル1用の空間25aを形成し、シャックル半体1aが相まって配設するようにする。また、ロックナット25の外面にはねじ山25bがあり、ロックナット25に対して支持されるチェーンシャックル1を枠構造体21の対応するねじ山に固定する。ロックナット25はチェーンシャックル1とともに、ホイストチェーン3に向けられる負荷を受け止める。また、ロックナット25は、ロックナット25の周縁フランジ25cのくぼみ25d内で自ら支持する図3cの締付けねじ26を使用して固定係止してもよい。
【0017】
最後に、図4aおよび図4bは、本発明のチェーンシャックル1が、ホイストチェーンをその端部から所定の長さ分離れた地点にて、図2a図2b図3aおよび図3bに示す巻上機2、20のチェーン収納袋6、22に固定するよう設計されている状態を示す。各シャックル半体1aを協働させるべく、チェーンシャックルの外形に合致する内表面を有するスリーブ7がシャックル半体を包んで配設され、さらに弾性材料からなる別のスリーブ8がスリーブ7の上端に配設され、リミットスイッチを形成し、および/またはホイストチェーン3が巻上機2、20から完全に送り出されてしまうことを防ぐ。
【0018】
本発明の説明は、発明の基本的な概念を例示することを目的とするにすぎない。しかしながら、当業者であれば、添付した特許請求の範囲内でさまざまな方法によって本発明の細部を実現できるであろう。
図1a
図1b
図1c
図1d
図1e
図1f
図1g
図2a
図2b
図3a
図3b
図3c
図4a
図4b