(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6039851
(24)【登録日】2016年11月11日
(45)【発行日】2016年12月7日
(54)【発明の名称】眼鏡
(51)【国際特許分類】
G02C 5/12 20060101AFI20161128BHJP
G02C 5/02 20060101ALI20161128BHJP
【FI】
G02C5/12
G02C5/02
【請求項の数】6
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-106709(P2016-106709)
(22)【出願日】2016年5月27日
【審査請求日】2016年5月30日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】397054897
【氏名又は名称】オプテックジャパン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(72)【発明者】
【氏名】中川 浩孝
【審査官】
小西 隆
(56)【参考文献】
【文献】
実公昭30−009853(JP,Y1)
【文献】
特開2015−222361(JP,A)
【文献】
実開昭58−40718(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02C 5/12
G02C 5/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
眼鏡のフレーム部に設けられ、内側に開口を有し、外側に凹み部を有する取付け部と、
前記開口に挿入されて、前記取付け部に取り付けるための爪部が設けられた鼻パッドと、
を備え、
前記鼻パッドは、前記爪部が前記取付け部の開口に挿入されて、前記開口に引っ掛かることで前記取付け部に固定され、
前記凹み部は、前記開口を挟んで対向する位置に設けられ、前記爪部は、前記凹み部が設けられた方向に折り曲げられる
ことを特徴とする眼鏡。
【請求項2】
前記凹み部は、前記取付け部の外側の中央部分に設けられる
ことを特徴とする請求項1に記載の眼鏡。
【請求項3】
前記取付け部は、金属により構成される
ことを特徴とする請求項1または2に記載の眼鏡。
【請求項4】
前記取付け部は、前記フレーム部に対して、溶接、ネジ留め、埋め込み、または接着にて取り付けられる
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の眼鏡。
【請求項5】
前記フレーム部は、金属または樹脂で構成される
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の眼鏡。
【請求項6】
前記フレーム部が樹脂で構成される場合、前記取付け部を取り付けるための台座が前記フレーム部に設けられる
ことを特徴とする請求項5に記載の眼鏡。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、眼鏡に関し、特に眼鏡の鼻パッドの取り付け構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、眼鏡における鼻当てパッド(以下、鼻パッドとする)のメガネフレームに対する取り付け構造が提案されている。例えば、特許文献1では、突出した留め金延設端部により支持脚端部の凹部を抱持する鼻当てパット取り付け構造が開示されている。また、特許文献2では、樹脂製メガネフレームのフロントフレームに止着穴を形成し、鼻当てパットに設けた止着片を上記止着穴に嵌めて取り付ける鼻当てパット取り付け構造が開示されている。さらに、特許文献3では、樹脂製メガネのフロント部がリムから枝分れして脚を延ばし、脚先端に鼻当てパットを取り付ける鼻当てパット取り付け構造が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−99664号公報
【特許文献2】実登第3061156号公報
【特許文献3】実登第3060667号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1で開示されている鼻パッドの取り付け構造では、鼻パッドを取り付ける取付け部分の形状が複雑で製造(取り付け)が容易ではない。すなわち、複数のパーツを組み合わせる必要があり、位置合わせ等の工程が多くなってしまう。また、眼鏡を装着または脱着する際の取り付け部分に対する外力が断続的に加わることで、鼻パッドの取り付けが緩み、取り外れ易くなってしまう。さらに、鼻パッドは消耗品であるため、その取り換えをする場合がある。店舗等で工具を用いて鼻パッドの取り換えを行う場合、特許文献1で開示される鼻パッドでは、取り換えの際に鼻パッドの取り付け構造が複雑で、容易に取り換えることが難しい。
【0005】
特許文献2や特許文献3では、樹脂による鼻パッドの取り付けが開示されているが、凹凸部分が細かい寸法となってしまうため、製造が難しく、眼鏡を装着または脱着する際の少しの外力などが加わることで容易に取り付け部分が緩んでしまう恐れがある。また、それぞれの構成を金属材料に適用することも難しい。
【0006】
本発明は、このような状況を鑑みてなされたものであり、取り付けが容易であって、眼鏡の装着または脱着等による外力等により取り外れにくく、かつ鼻パッド交換の際には交換のし易い鼻パッドの取り付け構造を有する眼鏡を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の一実施形態に係る眼鏡は、眼鏡のフレーム部に設けられ、内側に開口を有し、外側に凹み部を有する取付け部と、前記開口に挿入されて、前記取付け部に取り付けるための爪部が設けられた鼻パッドと、を備え、前記鼻パッドは、前記爪部が前記取付け部の開口に挿入されて、前記開口に引っ掛かることで前記取付け部に固定され、
前記凹み部は、前記開口を挟んで対向する位置に設けられ、前記爪部は、前記凹み部が設けられた方向に折り曲げられることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、取り付けが容易であって、眼鏡の装着または脱着等による外力等により取り外れにくく、かつ鼻パッド交換の際には交換のし易い鼻パッドの取り付け構造を有する眼鏡を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の一実施形態に係る眼鏡を示す図である。
【
図2】
図1に示す鼻パッド(A部)の拡大図である。
【
図3】取付け部に凹み部を設けた鼻パッド構造を示す図である。
【
図4】第2実施形態に係る鼻パッド構造を示す図である。
【
図5】第3実施形態に係る鼻パッド構造を示す図である。
【
図6】第4実施形態に係る鼻パッド構造を示す図である。
【
図7】第5実施形態に係る鼻パッド構造を示す図である。
【
図8】第6実施形態に係る鼻パッド構造を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の一実施形態に係る眼鏡について、図面を参照して説明する。尚、以下に示す実施例は本発明の眼鏡における好適な具体例であり、施術的に好ましい種々の限定を付している場合もあるが、本発明の技術範囲は、特に本発明を限定する記載が無い限り、これらの態様に限定されるものではない。また、以下に示す実施形態における構成要素は適宜、既存の構成要素等との置き換えが可能であり、かつ、他の既存の構成要素との組合せを含む様々なバリエーションが可能である。従って、以下に示す実施形態の記載をもって、特許請求の範囲に記載された発明の内容を限定するものではない。
【0011】
(第1実施形態)
まず、
図1を参照して、本実施形態に係る眼鏡について説明する。眼鏡1には、レンズが挿入されるフレーム部2と、眼鏡1を装着した際に鼻に当接する鼻パッド3と、鼻パッド3をフレーム部2に取り付ける取付け部4が設けられる。フレーム部2は、例えば、チタンなどの金属や、樹脂で構成されてよく、その他の材料で構成されてもよい。鼻パッド3は、シェル(貝)や樹脂(例えば、CPやアセテートなど)、金属(例えば、チタンなど)で構成されてよく、その他の材料で構成されてもよい。取付け部4は、例えば、金属で構成される場合、フレーム部に対して溶接(融接、圧接、ろう接)または接着などにて取り付けられてもよく、ネジ留めによる固定や、フレーム部2と埋め込みにより一体に成形されてもよい。また、金属に限定することなく、樹脂やその他の材料であってもよい。
【0012】
具体的には、例えば、フレーム部2が金属で、かつ取付け部4が金属である場合、溶接(ろう接)やネジ留め、接着もしくは埋め込みにより一体に形成されてよい。また、フレーム部2が樹脂で、かつ取付け部4が金属である場合、フレーム部2の樹脂に取付け部4を取り付けるための台座(金属や樹脂など)を設けて(例えば、組み込んで)、溶接、接着等で取り付けてもよい。さらに、フレーム部2が樹脂で、かつ取付け部4が樹脂である場合、溶接での取り付けや一体として成形してもよい。
【0013】
次に、
図2を参照して、本実施形態に係る鼻パッド3の取り付け構造について説明する。
図2は、
図1に示す眼鏡1の鼻パッド3(A部)を拡大した図である。まず、
図2(A)に示すように、取付け部4の開口5に鼻パッド3に設けられた爪部6が挿入されて貫通すると、
図2(B)に示すような状態となる。次に、
図2(C)に示すように爪部6を開口5の外側に向かって折り曲げることで、
図2(D)に示すように、開口5に挿入された爪部6が開口5に引っ掛かり、取付け部4に鼻パッド3が固定される。
【0014】
本実施形態において、爪部6は、折り曲げが可能な金属で構成されるが、これに限定することなく、開口5の外側に向かって、折り曲げが可能な折り曲げ構造を有する材料であればよい。また、爪部6は、鼻パッド3と、一体として成形してもよく、爪部6が鼻パッド3に組み込むような構成としてもよい。
【0015】
本実施形態では、取付け部4の開口5が角形であるが、これに限定することなく、丸型や楕円など、鼻パッド3に設けられた爪部6が挿入されればよい。また、本実施形態では、爪部6が半円形であるが、これに限定することなく、長方形や楕円形など、開口5に挿入することができ、開口5の外側に向かって折り曲げられる材料であればよい。
【0016】
また、本実施形態では、鼻パッド3に爪部6が2つ設けられ、開口5の外側に向かって、それぞれ異なる方向で折り曲げられることにより、開口5に引っ掛かり、鼻パッド3を取付け部4に固定する。なお、爪部6の折り曲げ方向は、本実施形態に限定することなく、開口5の外側に向かって折り曲げられればよい。つまり、本実施形態では、開口5を正面とした時、2つの爪部6が図中の左右方向に開くことで、爪部6が開口5に引っ掛かっているが、これに限定することなく、例えば、90度異なる方向(図中の上下方向)に開くことで、爪部6が開口5に引っ掛かる構成としてもよい。
【0017】
なお、鼻パッドの爪部を折り曲げた際に、取付け部4と鼻パッド3との隙間を無くす場合、強固に固定される。一方、該隙間の間隔を開ける場合、眼鏡を装着した際の鼻パッド3の位置を変えることができる。つまり、間隔の調節をすることで、顔の大きさや鼻の高さに合わせた鼻パッド3の位置の調節が可能となる。
【0018】
従って、本実施形態では、取付け部4の開口5に鼻パッド3の爪部6を挿入して、外側に折り曲げて引っ掛けることで、鼻パッド3を取付け部4に固定している。この時、爪部6が金属で構成される場合、爪部6が折り曲がることで、塑性変形し、元に戻ることなく引っ掛かった構造のままでいるので眼鏡の装着または脱着等による外力等により取り外れにくい鼻パッドの取り付け構造を有する眼鏡を提供することができる。
【0019】
なお、眼鏡の鼻パッドは、消耗品であり、必要に応じて交換する必要がある。この場合、上記の構成のみでは、通常使用する際の眼鏡の装着または脱着等により取り外れにくい構造であるが、店舗等において容易に鼻パッドの交換をすることが望ましい。そこで、
図3に示すように、取付け部4の外側の中央部分が凹んだ凹み部(くびれ形状)を有することで、鼻パッド3を交換する際に、所定の工具(ペンチなど)を用いて、容易に交換が可能となる。すなわち、鼻パッド3が取り付けられた状態から鼻パッド3を交換する際には、ペンチなどの工具で折り曲げられた爪部6を外側から挟み、凹み部に工具の先端部がはまる。そのまま爪部6を挟み込んでいくことで、爪部6が開口5に挿入された時と同じ状態(爪部6が折り曲げられる前の状態)になる。このように、この凹み部を設けることで、店舗等において容易に鼻パッドの交換が可能となる。
【0020】
以上、本実施形態によれば、取り付けが容易であって、眼鏡の装着または脱着等による外力等により取り外れにくく、かつ鼻パッド交換の際には交換のし易い鼻パッドの取り付け構造を有する眼鏡を提供することができる。
【0021】
(第2実施形態)
次に、
図4を参照して、本実施形態に係る鼻パッド3の取り付け構造について説明する。第1実施形態では、爪部6を折り曲げるだけの構造である。これに対して、本実施形態では、爪部6に引っ掛け部7を設けることで、より取り外れにくい鼻パッドの取り付け構造となる。具体的には、
図4に示すように、引っ掛け部7が爪部6の先端に設けられている。そして、開口5に挿入された爪部6を開口5の外側に向かって折り曲げられると、引っ掛け部7が取付け部4に引っ掛かる。
【0022】
以上、本実施形態によれば、爪部の先端に引っ掛け部を設けることで、第1実施形態よりも、眼鏡の装着または脱着等による外力等により取り外れにくい鼻パッドの取り付け構造を有する眼鏡を提供することができる。
【0023】
(第3実施形態)
次に、
図5を参照して、本実施形態に係る鼻パッド3の取り付け構造について説明する。第1実施形態では、開口5が1つ設けられているが、本実施形態では、スリット状に2つの開口5が設けられる。具体的には、
図5に示すように、爪部6が2つ設けられた構成とし、スリット状の開口5にそれぞれ1つずつ挿入され、開口5の外側に向かって折り曲げられることで、鼻パッド3が取付け部4に固定される。この時、各開口5に挿入された爪部6の折り曲げ方向は、本実施形態に限定することなく、折り曲げが可能な方向であればよい。つまり、爪部6の折り曲げ方向が、互いに異なる方向であってもよく、同じ方向であってもよい。従って、取り付けが容易であって、かつ眼鏡の装着または脱着等による外力等により取り外れにくい鼻パッドの取り付け構造を有する眼鏡を提供することができる。
【0024】
(第4実施形態)
次に、
図6を参照して、本実施形態に係る鼻パッド3の取り付け構造について説明する。第1実施形態では、2つの爪部6が開口5の外側に向かって折り曲げられることで、鼻パッド3を固定している。これに対して、本実施形態では、爪部6は、1つであり、中が空洞になっている構造を有する。そして、
図6に示すように、爪部6を開口5に挿入し、その後、爪部6を挿入した方向と逆の方向から力を加えることで、爪部6が開口5の外側に向かって折り曲げられ、鼻パッド3が取付け部4に固定される。つまり、爪部6の空洞になっている部分をつぶすことで、爪部6が開口5の外側に向かって折り曲げられ、開口5に爪部6が引っ掛かり、鼻パッド3が固定される。従って、取り付けが容易であって、かつ眼鏡の装着または脱着等による外力等により取り外れにくい鼻パッドの取り付け構造を有する眼鏡を提供することができる。
【0025】
(第5実施形態)
次に、
図7を参照して、本実施形態に係る鼻パッド3の取り付け構造について説明する。第1実施形態では、爪部6が開口5の外側に向かって折り曲げられることで、引っ掛かり、鼻パッド3が取付け部4に固定される。これに対して本実施形態では、鼻パッド3または爪部6を回転させることで、開口5に引っ掛けて固定する。
【0026】
具体的には、
図7(A)では、取付け部4に凹部8が設けられる。まず、鼻パッド3の爪部6を開口5に挿入し、そして、鼻パッド3を90度回転させて、爪部6が凹部8に嵌合することで、爪部6が開口5に引っ掛かり、鼻パッド3が取付け部4に固定される。
図7(B)では、爪部6が回転可能に鼻パッド3に設けられる。まず、鼻パッド3の爪部6を開口5に挿入し、そして、爪部6を90度回転させて、爪部6が開口5に引っ掛かり、鼻パッド3が取付け部4に固定される。従って、取り付けが容易であって、かつ眼鏡の装着または脱着等による外力等により取り外れにくい鼻パッドの取り付け構造を有する眼鏡を提供することができる。
【0027】
(第6実施形態)
次に、
図8を参照して、本実施形態に係る鼻パッド3の取り付け構造について説明する。第1実施形態では、爪部6が開口5の外側に向かって折り曲げられることで、引っ掛かり、鼻パッド3が取付け部4に固定される。これに対して、本実施形態では、開口5の形状は円形または楕円形である。爪部6は、開口5に挿入される方向から見ると円形(または楕円形)であり、鼻パッド3に近い部分が開口5よりも大きく、鼻パッド3から離れた部分が開口5よりも小さく構成される。
【0028】
従って、
図8に示すように、爪部6を、開口5よりも小さい部分から、開口5に挿入して、爪部6の開口5よりも大きい部分が挿入され、貫通した状態となると、開口5に引っ掛かり、鼻パッド3が取付け部4に固定される。従って、本実施形態では、第1実施形態と異なり、爪部6を折り曲げるという製造工程を省略することができる。
【0029】
以上、本実施形態によれば、第1実施形態よりも簡易な方法で取り付けが可能で、かつ眼鏡の装着または脱着等による外力等により取り外れにくい鼻パッドの取り付け構造を有する眼鏡を提供することができる。
【符号の説明】
【0030】
1 眼鏡
2 フレーム部
3 鼻パッド
4 取付け部
5 開口
6 爪部
【要約】
【課題】取り付けが容易であって、眼鏡の装着または脱着等による外力等により取り外れにくく、かつ鼻パッド交換の際には交換のし易い鼻パッドの取り付け構造を有する眼鏡を提供する。
【解決手段】この眼鏡は、眼鏡1のフレーム部2に設けられ、内側に開口5を有し、外側に凹み部を有する取付け部4と、開口5に挿入されて、取付け部4に取り付けるための爪部6が設けられた鼻パッド3と、を備える。鼻パッド3は、爪部6が取付け部4の開口5に挿入されて、開口5に引っ掛かることで取付け部4に固定される。
【選択図】
図2