(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
擬似的な機器情報を基に、前記シンボルの表示を変更するシミュレーションの結果に関するデータであるシミュレーションログと、前記作画データと、を比較し、予め入力されている検索対象範囲のすべてのシンボルに対する前記シミュレーションが行われた割合であるカバレージ率を算出し、前記シミュレーションログと、前記作画データと、の比較結果に応じて前記シンボルに関する情報の表示形式を変えて表示部に表示させるカバレージ処理部を、
さらに有することを特徴とする請求項1に記載の機器管理システム。
【発明を実施するための形態】
【0011】
次に、本発明を実施するための形態(「実施形態」という)について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
【0012】
[第1実施形態]
まず、
図1〜
図9を参照して、本発明の第1実施形態を説明する。第1実施形態は、
図1のチェック処理部15に関する技術であり、シンボルや、その属性データが記述されている作画データ5のチェックを行うことを目的とする。
【0013】
(システム構成)
図1は、本実施形態に係る道路施設監視システムの構成例を示す図である。
道路施設監視システム(機器管理システム)100は、データ生成端末(チェック端末)1、中央管理装置2及び監視用端末3を有している。なお、道路施設監視システム100は、データ生成端末1、中央管理装置2及び監視用端末3の他に子局端末や、道路設置機器等を有するが、これらの機器については
図1では図示・説明を行わず、
図4で後記する。
データ生成端末1は、監視項目表を基に作画データ5と、項目データ6とを生成し、出力するとともに、生成した項目データ6を用いて作画データ5のチェックを行う。
ここで、監視項目表は、監視対象となる部品に関する情報や、その部品が設置されている場所に関する情報等が記述されている。
そして、データ生成端末1は、作画データ生成部11、作画データ記憶部(記憶部)12、項目データ生成部13、項目データ記憶部(記憶部)14、チェック処理部15、チェック結果データ記憶部16、入力部17及び表示部18を有する。
【0014】
作画データ生成部11は、監視項目表を基に、ユーザが入力部17を介して入力した情報を基に、作画データ5を生成し、生成した作画データ5を作画データ記憶部12に格納する。つまり、作画データ5は、入力部17を介したユーザによる手入力で生成される。なお、作画データ5については、後記して説明する。
【0015】
項目データ生成部13は、監視項目表を基に、ユーザが入力部17を介して入力した情報を基に、項目データ6を生成し、生成した項目データ6を項目データ記憶部14に格納する。つまり、項目データ6は、入力部17を介したユーザによる手入力で生成される。なお、項目データ6については、後記して説明する。
【0016】
チェック処理部15は、生成された項目データ6を基に、作画データ5のチェックを行い、その結果をチェック結果データ記憶部16に格納するとともに、表示部18に表示する。チェック処理部15で行われる処理の詳細は後記して説明する。
【0017】
データ生成端末1で生成された作画データ5は、CD−ROM(Compact Disk-Read Only Memory)や、USB(Universal Serial Bus)メモリといった外部媒体を介して監視用端末3にインストールされる。同様に、データ生成端末1で生成された項目データ6は、CD−ROMや、USBメモリといった外部媒体を介して中央管理装置2にインストールされる。
【0018】
中央管理装置2は、項目データ記憶部21、シミュレータ部22、表示処理部23を有する。
項目データ記憶部21は、外部媒体を介して入力された項目データ6を記憶する。
シミュレータ部22は、項目データ6を基に中央管理装置2の動作確認のためのシミュレーションを行う。シミュレータ部22は、例えば、項目データ6に基づいて道路施設における停電や設備故障の発生等の試験項目を模擬的に発生させる。
表示処理部23は、シミュレータ部22におけるシミュレーションの結果の表示要求を監視用端末3に対して行う。つまり、表示処理部23は、監視用端末3の表示処理部33へシミュレーション結果データを表示要求に含めて送信し、監視用端末3の表示部31にシミュレーション結果を表示させる。
【0019】
監視用端末3は、作画データ記憶部32、表示処理部33、表示部31、ログ記憶部34、カバレージ処理部35、カバレージ結果データ記憶部36及び入力部37を有する。
作画データ記憶部32は、外部媒体を介して入力された作画データ5を記憶する。
表示処理部33は、中央管理装置2から送られたシミュレータ結果の表示要求と、作画データ5を基に、表示部31にシミュレーション結果の表示を行わせる。また、表示処理部33は、シミュレーションログを出力し、そのシミュレーションログをログ記憶部34に格納する。シミュレーションログについては、第2実施形態で後記する。
カバレージ処理部35は、シミュレーションログを基に、すべてのシンボルに対してシミュレータ部22による模擬試験が行われた割合であるカバレージ率を算出する。そして、カバレージ処理部35は、算出したカバレージ率に関する情報をカバレージ結果データ記憶部36に格納すると共に、表示部31に表示される。なお、カバレージ処理部35については、第2実施形態で後記する。
【0020】
(チェック処理部)
図2は、本実施形態に係るチェック処理部の詳細な構成例を示す図である。
チェック処理部15は、作画データ読込部151、項目データ読込部152及び照合部153を有している。
作画データ読込部151は、作画データ記憶部12から作画データ5(
図1)を読み込む。
項目データ読込部152は、項目データ記憶部14から項目データ6(
図1)を読み込む。
照合部153は、読み込んだ作画データ5と、項目データ6とを照合することによって、作画データ5のチェックを行う。照合部153については、後記して説明する。
【0021】
(ハードウェア)
図3は、本実施形態に係るデータ生成端末、中央管理装置及び監視用端末のハードウェア構成の例を示す図である。
データ生成端末1、中央管理装置2及び監視用端末3は、CPU(Central Processing Unit)301、RAM(Random Access Memory)302、ROM(Read Only Memory)303、通信インタフェース304及びHD(Hard Disk)305を有している。
図1及び
図2に示されているデータ生成端末1の作画データ生成部11、項目データ生成部13、チェック処理部15、作画データ読込部151、項目データ読込部152、照合部153、中央管理装置2のシミュレータ部22、表示処理部23、監視用端末3の表示処理部33及びカバレージ処理部35は、HD305に格納されているプログラムが、RAM302に展開され、CPU301によって実行されることによって具現化する。
【0022】
(システム全体構成図)
図4は、本実施形態に係る道路施設監視システムの全体構成の例を示す図である。
道路施設監視システム100は、複数の監視用端末3、中央管理装置2、データ生成端末1、複数の子局装置7及び道路設置機器(機器)8を有する。
道路設置機器8は、例えば、照明や、照明をON/OFFするためのスイッチや、電力を変電するためのトランス等である。
【0023】
ところで、一般的に監視用端末3、中央管理装置2の部分(符号101)と、子局装置7、道路設置機器8の部分(符号102)では、別々の事業者が設計・設置を行う。
これまで、符号101の部分を請け負う事業者は、符号102の部分が完成しないと、中央管理装置2のソフトウェアのチェックを行うことができなかった。
そこで、本実施形態は、前記したような課題を解決することに加え、符号102の部分が完成していなくても、中央管理装置2のソフトウェアの簡易的なチェックを行うことで、効率的な道路施設監視システム100の構築を実現するものでもある。
【0024】
ここで、符号101の部分を請け負う事業者と、符号102の部分を請け負う事業者とでは、どの道路設置機器8の状態をどのシンボルで示すか等について、すり合わせができており、そのすり合わせ内容が監視項目表(
図1)として示されている。
そこで、設計者は、このすりあわせを参考に、
図1に示す監視項目表を作成する。
また、中央管理装置2の設計者は、この監視項目表を基に、項目データ生成部13を操作して項目データ6を生成する。また、監視用端末3の設計者は、この監視項目表を基に、作画データ生成部11を操作して作画データ5を生成する。
なお、データ生成端末1は、
図1で説明した通りであるので、ここでの説明を省略する。
【0025】
実際に道路施設監視システム100が運用されると、子局
装置7を介して道路設置機器8の機器情報が中央管理装置2に入力される。中央管理装置2は、入力された道路設置機器8の機器情報と、項目データ6とを基に、項目名称と警報処理と表示形式とを監視用端末3に送信する。
監視用端末3では、送信された情報と作画データ5とを基に表示部31に表示されているシンボルの表示形式を決定する。
つまり、作画データ5は、道路施設監視システム100に設置されている道路設置機器8から入力された機器情報に応じて、表示部31(
図1)に表示されるシンボルの表示に関する情報が格納されている。
また、項目データ6は、道路設置機器8からの情報である機器情報と、シンボルとを対応付けるための情報である。
【0026】
(シンボル表示画面例)
図5は道路施設の監視時におけるシンボル表示画面例を示す図である。
シンボル表示画面500には、トランスや、スイッチや、回路に流れる電流値等をシンボル化したシンボル501が表示されている。
例えば、正常時にはシンボル501は緑色に表示されているが、道路設置機器8からの入力値に異常が検知されると、これらのシンボル501が赤色等に変更され、監視者に異常を通知するようになっている。
【0027】
(作画データ例)
図6は、本実施形態に係る道路施設監視システムにおける作画データ(属性部分)の構成例を示す図である。
なお、
図6に示すデータは、
図5に示すようなシンボルに付随する属性部分のデータであり、
図6の各エントリの各々が
図5に示すようなシンボルの図形データと結び付けられている。つまり、作画データ5は、シンボルの図形データと、
図6の属性データとが組み合わされているが、本実施形態では属性部分のみを図示・説明することとする。
作画データ5は、
図6に示すように属性部分のデータとして、シンボルID(Identification)、ON/OFF、表示色、項目名称、警報処理及び表示形式の各フィールドを有する。
シンボルIDは、シンボルに対しユニークに付される番号である。
ON/OFFは、シンボルのON、OFFの区別を示している。
表示色は、該当する処理のときにどのような色で監視用端末3の表示部31(
図1)に表示されるかを示している。
項目名称は、対応するシンボルの状態を示している。
警報処理は、該当する状態となった時に、監視用端末3でどのような処理を行われるかを定義しているものである。
表示形式は、該当する状態となった時に、監視用端末3の表示部31に表示される情報である。
【0028】
例えば、符号601におけるシンボルID「I200300104」のシンボルは、受電停電発生時に、ON状態となり、監視用端末3の表示部31に表示されているシンボルが赤く表示される。この時、監視用端末3からブザーが鳴らされ、「故障」と表示される。
【0029】
また、受電停電が回復すると、OFF状態となり、監視用端末3の表示部31に表示されているシンボルが緑色となる。この時、監視用端末3からブザーが鳴らされ、「回復」と表示される。
【0030】
このように、作画データ5には、道路施設監視システム100(
図4)に設置されている道路設置機器8(
図4)から入力された機器情報に応じて、表示部18(
図1)に表示されるシンボルの表示に関する情報が格納されている
【0031】
(項目データ例)
図7は、本実施形態に係る道路施設監視システムにおける項目データの構成例を示す図である。
項目データ6は、
図7に示すように、シンボルID、ON/OFF、項目名称、警報処理及び表示形式の各フィールドを有する。
項目データ6における各項目は、作画データ5における項目と同様であるので、説明を省略する。
なお、作画データ5や、項目データ6のエントリ数は、実際には数十万存在する。
【0032】
このように、項目データ6には、道路設置機器8からの情報である機器情報と、シンボルとを対応付けるための情報が格納されている。
【0033】
(チェック結果データ)
図8は、
図9で後記する処理の結果、表示部に表示されるチェック結果表示画面の例を示す図である。
図8に示すようにチェック結果表示画面800には、チェック結果データ記憶部16に格納されているチェック結果データ801が表示されている。ここで、チェック結果データ
801は、
図6の作画データ5に結果のフィールドが追加された構成をしている。つまり、結果以外のフィールドは作画データ5と同様であるので、ここでは説明を省略する。
結果のフィールドには、
図9で後記するステップS105,S107,S108で入力された情報が記述されている。
【0034】
なお、チェック結果データは、結果のフィールドが記載されていれば、
図5の形式に限らなくてもよい。例えば、シンボルIDと、結果のみでもよいし、シンボルIDに該当するシンボル(図形)と結果とが対応付けられている形式でもよい。
なお、チェック結果表示画面800において、強調エントリ802,803に示されるエントリのように、結果として「誤り」や、「項目なし」がセットされているエントリを強調表示してもよい。
【0035】
(チェック処理)
次に、
図1、
図2を参照しつつ、
図9に沿ってチェック処理部における処理を説明する。
図9は、本実施形態に係るチェック処理部における処理の手順を示すフローチャートである。
まず、作画データ読込部151が、作画データ記憶部12から作画データ5を読み込む(S101)。
次に、項目データ読込部152が、項目データ記憶部1
4から項目データ6を読み込む(S102)。
そして、照合部153が、作画データ5から先頭のシンボルIDを読み込む(S103)。
【0036】
続いて、照合部153は、ステップS103で読み込んだ作画データ5のシンボルIDと同じシンボルIDが項目データ6に存在するか否かを判定する(S104)。
ステップS104の結果、同じシンボルIDが項目データ6に存在しない場合(S104→No)、照合部153は、チェック結果データ801の結果の欄(
図8)に「項目なし」を記述し(S105)、ステップS109へ処理を進める。
【0037】
ステップS104の結果、同じシンボルIDが項目データ6に存在する場合(S104→Yes)、照合部153は、読み込んだシンボルIDに該当する作画データ5のレコードと、項目データ6のレコードの内容を比較し、その内容が一致しているか否かを判定する(S106)。具体的には、照合部153は、読み込んだシンボルIDに該当する作画データ5及び項目データ6それぞれの「ON/OFF」、「項目名称」、「警報処理」及び「表示形式」の内容を比較し、それぞれの内容がすべて一致しているか否かを判定する。
【0038】
ステップS106の結果、作画データ5及び項目データ6のレコードの内容が一致していない場合(S106→No)、照合部153は、チェック結果データ801の結果の欄(
図8)に「誤り」をセットする(S107)。具体的には、
図8の符号802に示すように照合部153は「●●誤り」をセットする。ここで、「●●」は誤りのあったフィールド名である。例えば、「表示色」が作画データ5と項目データ6とで異なっていれば「表示色誤り」が記述される。
【0039】
ステップS106の結果、作画データ5及び項目データ6のレコードの内容が一致している場合(S106→Yes)、照合部153は、チェック結果データ801の結果の欄(
図8)に「OK」をセットする(S108)。
【0040】
ステップS105,S107,S108の後、照合部153は、作画データ5におけるすべてのシンボルIDについてステップS103〜S108の処理を完了したか否かを判定する(S109)。
ステップS109の結果、すべてのシンボルIDについて処理を完了していない場合(S109→No)、照合部153は、ステップS103へ処理を戻し、次のシンボルIDを読み込む。
ステップS109の結果、すべてのシンボルIDについて処理を完了している場合(S109→Yes)、照合部153はチェック結果データを表示部18に表示する(S110)とともに、チェック結果データ記憶部16にチェック結果データを格納し、処理を終了する。なお、
図8でも示されているように、表示する際に、照合部153は、内容が一致していないシンボルIDを赤く表示する等、強調表示をしてもよい。また、表示する際に、「項目なし」のエントリと、「誤り」のエントリとの表示色や、強調表示の形態を変えてもよい。あるい
は、照合部153は、結果が「OK」となっているエントリを緑色等で強調表示してもよいし、結果が「OK」、「項目なし」、「●●誤り」となっているエントリのそれぞれを異なる表示形式で表示するようにしてもよい。また、照合部153は、結果が「OK」、「項目なし」、「●●誤り」となっているエントリのそれぞれの文字を異なるフォントで表示するようにしてもよい。なお、この強調表示は行われなくてもよい。
あるいは、
図8に示すチェック結果表示画面800において、照合部153が誤りや項目抜けがある欄のみを強調表示してもよい。
【0041】
この後、項目データ6と、作画データ5との役割を入れ替えて、同様の作業を行ってもよい。この処理は、項目データ6と、作画データ5との役割が入れ替わっただけで、処理の内容は
図9に示す処理と同じなので、図示及び説明を省略する。このようにすることで、作画データ5と、項目データ6とのチェックを相互に行うことができる。
【0042】
(第1実施形態のまとめ)
第1実施形態によれば、作画データ5を監視用端末3にインストールする前に、チェック処理部15がデータ生成用端末1が作画データ5と項目データ6の整合性をチェックし、結果を出力することで、熟練者によらず精度の高いチェックを行うことができる。さらに、表示部18に表示されているチェック結果表示画面800において、「項目なし」や、「誤り」となっているエントリを強調表示することで、チェック者が項目抜け等のチェックを行いやすくなる。
つまり、これまでは、項目データ6と作画データ5(又はそれを元に出力した帳票)を熟練者が目視にて一点ずつチェックしていたが、本実施形態によれば、
図8に示すチェック結果データを参照することで熟練者でなくとも結果(チェック結果)の正誤判定が容易となる。これにより、作画データ5と、項目データ6の項目チェックの精度・効率を上げることができる。
【0043】
また、例えば、あるトンネル単一の状態を監視する画面と、そのトンネルを含む路線全体を監視する画面とが同時に表示される場合のように、複数のシンボル表示画面500(
図5)に同一の項目を表示する場合がある。このような場合でも、各シンボル表示画面500で使用される作画データ5(
図1)等は共通のデータである。従って、本実施形態によれば、複数のシンボル表示画面500毎にチェックを行わなくても、共通の作画データ5及び項目データ6(
図1)を簡易にチェックできるため、チェック者の負担が大幅に軽減される。
【0044】
[第2実施形態]
次に、
図10〜
図13を参照して、本発明の第2実施形態について説明する。
第2実施形態は、
図1のカバレージ処理部35に関する技術であり、シミュレーションが行われた割合であるカバレージ率を算出する。
【0045】
(カバレージ処理部)
図10は、本実施形態に係るカバレージ処理部の詳細な構成例を示す図である。
カバレージ処理部35は、作画データ読込部351、シミュレーションログ読込部352及びカバレージ算出処理部353を有する。
作画データ読込部351は、作画データ記憶部32から作画データ5(
図5)を読み込む。
シミュレーションログ読込部352は、ログ記憶部34からシミュレーションログを読み込む。シミュレーションログについては、
図11を参照して後記する。
カバレージ算出処理部353は、作画データ5及びシミュレーションログを基に、カバレージ率を算出し、表示部31に表示するとともに、カバレージ結果データ記憶部36に格納する。カバレージ率の算出については、
図13を参照して後記する。
【0046】
なお、作画データ読込部351、シミュレーションログ読込部352及びカバレージ算出処理部353は、
図3のHD305に格納されているプログラムが、RAM302に展開され、CPU301によって実行されることによって具現化する。
【0047】
(シミュレーションログ)
図11は、本実施形態に係る道路施設監視システムにおけるシミュレーションログの例を示す図である。
図11に示すように、シミュレーションログ1101は、シンボルID、ON/OFF、表示色、シミュレーション時刻、警報処理及び項目内容の各フィールドを有する。シンボルID、ON/OFF,表示色は
図6の作画データ5と同様の内容なので説明を省略する。
シミュレーション時刻は、該当するシンボルにおけるシミュレーションが行われた時刻を示す。
項目内容は、シミュレーションが行われた結果、出力されるシンボルの状態を示す。
なお、シミュレーションログ1101は、
図11に示すような内容に限らず、例えば、シンボルID、シミュレーション時刻、項目内容だけでもよい。
【0048】
(カバレージ結果データ)
図12は、
図13で後記する処理の結果、表示部に表示されるカバレージ結果表示画面の例を示す図である。
図12に示すように、カバレージ結果表示画面1200には、カバレージ結果データ記憶部36に格納されているカバレージ結果データ1201が表示されている。ここで、カバレージ結果データ1201は、
図11のシミュレーションログ1101に結果のフィールドが追加された構成をしている。つまり、結果以外のフィールドはシミュレーションログと同様であるので、ここでは説明を省略する。
【0049】
結果のフィールドには、
図13で後記するステップS206、S208,S209でセットされるシミュレーションが行われたか否か、シミュレーションの内容は正しかったか否かに関する情報が記述される。
結果のフィールドにおいて、「未」は該当するシンボルのシミュレーションが行われていないことを示し、「誤り」は該当するシンボルのシミュレーションが行われたものの、その内容が誤っていることを示し、「OK」は該当するシンボルのシミュレーションが正しく行われたことを示す。
なお、カバレージ結果表示画面1200において、結果のフィールドにおいて「未」や、「誤り」が格納されているエントリは、強調エントリ120
3,120
4として強調表示されている。なお、強調エントリ120
4は、
図6の作画データ5においてシンボルID「I200300107」の「OFF」における項目名称が「盤扉開 回復」となっているのに対し、
図11のシミュレーションログ1101におけるシンボルID「I200300107」の「OFF」における項目名称が「盤扉開 発生」となっていることによるものである。
さらに、カバレージ結果データ1201には、
図13において後記するステップS211で算出されるカバレージ率が格納されている(符号1202)。
【0050】
(フローチャート)
次に、
図1、
図10を参照しつつ、
図13に沿ってカバレージ処理部における処理を説明する。
図13は、本実施形態に係るカバレージ処理部における処理の手順を示すフローチャートである。
入力部37を介して、カバレージ算出期間が指定される(S201)。なお、ステップS201でカバレージ算出期間の指定が行われなくてもよいし、ステップS201の処理を省略してもよい。この場合、すべての期間についてステップS202以下の処理が行われる。
まず、作画データ読込部351が作画データ記憶部32から作画データ5を読み込む(S202)。
次に、シミュレーションログ読込部352がログ記憶部34から、ステップS201で指定されたカバレージ算出期間に相当するシミュレーション時刻のシミュレーションログを読み込む(S203)。
そして、カバレージ算出処理部353が、作画データ5から先頭のシンボルIDを読み込む(S204)。
続いて、カバレージ算出処理部353が、読み込んだシンボルIDに一致するシンボルIDが、カバレージ算出期間内のシミュレーションログに存在するか否かを判定する(S205)。
【0051】
ステップS205の結果、一致するシンボルIDがシミュレーションログに存在しない場合(S205→No)、カバレージ算出処理部353はカバレージ結果データの結果の欄に「未」をセットし(S206)、ステップS210に処理を進める。このとき、カバレージ結果データのON/OFF、表示色、シミュレーション時刻、警報処理、項目内容のフィールドは空欄となる。
ステップS205の結果、一致するシンボルIDがシミュレーションログに存在する場合(S205→Yes)、カバレージ算出処理部353は該当する作画データ5のエントリと、該当するシンボルIDにおけるシミュレーションログのエントリとの内容が一致するか否かを判定する(S207)。
【0052】
ステップS207の結果、内容が一致しない場合(S207→No)、カバレージ算出処理部353は、カバレージ結果データのシミュレーション時刻の欄にシミュレーションログにおいて該当するシミュレーション時刻をセットし、さらに、結果の欄に「誤り」をセットし(S208)、ステップS210へ処理を進める。
ステップS207の結果、内容が一致する場合(S207→Yes)、カバレージ算出処理部353は、カバレージ結果データのシミュレーション時刻の欄にシミュレーションログにおいて該当するシミュレーション時刻をセットし、さらに、結果の欄に「OK」をセットし(S209)、ステップS210へ処理を進める。
【0053】
ステップS206、S208、S209の処理の後、カバレージ算出処理部353は、すべてのシンボルIDについてステップS204〜S209の処理を完了したか否かを判定する(S210)。
ステップS210の結果、すべてのシンボルIDについて処理を完了していない場合(S210→No)、カバレージ算出処理部353は、ステップS204へ処理を戻し、作画データ5から次のシンボルIDを取得する。
ステップS210の結果、すべてのシンボルIDについて処理を完了している場合(S210→Yes)、カバレージ算出処理部353はカバレージ率を算出する(S211)。このとき、カバレージ算出処理部353は、カバレージ結果データの結果の欄において「未」、「誤り」、「OK」が記述されているすべてのレコード数に対する「OK」が記述されているレコード数を算出することによってカバレージ率を算出する。このように、「未」のみならず「誤り」のシンボルもカバレージ率の算出対象から除外することにより、シミュレーションが正確に行われたカバレージ率を算出することができる。
そして、カバレージ算出処理部353はカバレージ結果データを表示部31に表示する(S212)とともに、カバレージ結果データ記憶部36にカバレージ結果データを格納し、処理を終了する。このとき、カバレージ算出処理部353は、カバレージ結果データにおいて「未」、「誤り」となっているエントリを赤く表示したり、点滅表示したりする等、強調表示してもよい。あるい
は、カバレージ算出処理部353は、結果が「OK」となっているエントリを緑色等で強調表示してもよいし、結果が「OK」、「未」、「誤り」となっているエントリのそれぞれを異なる表示形式で表示するようにしてもよい。また、カバレージ算出処理部353は、結果が「OK」、「未」、「誤り」となっているエントリのそれぞれの文字を異なるフォントで表示するようにしてもよい。
なお、この強調表示は行われなくてもよい。
【0054】
(第2実施形態のまとめ)
本実施形態によれば、作画データ5を監視用端末3にインストールした後の動的試験(つまり、シミュレーション)において、カバレージ処理部35がカバレージ率を算出し、表示することでシミュレーション漏れを防止することができる。
また、表示されているカバレージ結果データ1201において、シミュレーションがなされていないシンボルや、シミュレーション結果と、作画データ5の内容が異なるシンボルのエントリを強調表示することで、シミュレーションの設定内容等の再確認を効率的に行うことができる。
これまでは、チェック者が項目データ6と、シミュレーション結果を目視チェックしてが、本実施形態によれば、
図12のチェック結果データや、カバレージ率を参照することで熟練者でなくともシミュレーション結果の正誤判定や・試験漏れの確認が容易となり、試験精度・効率の向上が可能となる。
また、ステップS201でカバレージ算出期間が指定されることで、例えば、シミュレーションが行われる期間におけるシミュレーションの動作状況等を分析することができる。
【0055】
本実施形態は道路に設置されている機器を監視するための道路施設監視システム100としているが、これに限らず、例えば、プラントに設置されている機器を監視するためのシステム等に適用されてもよい。
図9の処理で、項目データ6にシンボルIDが存在するが、作画データ5に該当するシンボルIDが存在しない場合、チェック結果データの結果の欄に「作画データに項目なし」がセットされてもよい。
同様に、
図13の処理で、シミュレーションログにシンボルIDが存在するが、作画データ5に該当するシンボルIDが存在しない場合、カバレージ結果データの結果の欄に「作画データに項目なし」がセットされてもよい。
また、
図13の処理
において、すべてのシンボルに対するシミュレーションが行われたシンボルの割合をカバレージ率としているが、すべてのシンボルに複数のシミュレーションの対象項目が設定されている場合、すべての対象項目に対するシミュレーションが行われた対象項目の割合をカバレージ率としてもよい。このようなことは、対象項目毎にシミュレーションが行われる場合に有効となる。
【0056】
さらに、
図13の処理において、作画データ5におけるすべてのシンボルIDが処理の対象となっていたが、例えば、作画データ5に、シミュレーションの予定時刻等がセットされていれば、作画データ5においてステップS201で指定したカバレージ算出期間に該当する作画データ5のシンボルIDが処理の対象となってもよい。
また、
図13の処理では、作画データ5とシミュレーションログとが比較される処理となっているが、項目データ6とシミュレーションログとが比較される処理としてもよい。
図13の処理において、ステップS207の処理が省略されてもよい。この場合、
図12のカバレージ結果データ1201の結果のフィールドには「未」と「OK」のみがセットされることとなる。
【0057】
なお、本発明は前記した実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、前記した実施形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明したすべての構成を有するものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
【0058】
また、前記した各構成、機能、処理部、各記憶部等は、それらの一部又はすべてを、例えば集積回路で設計すること等によりハードウェアで実現してもよい。また、
図3で示すように、前記した各構成、機能等は、CPU301等のプロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによりソフトウェアで実現してもよい。各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、
図3に示すようにHD305に格納すること以外に、メモリや、SSD(Solid State Drive)等の記録装置、又は、IC(Integrated Circuit)カードや、SD(Secure Digital)カード、DVD(Digital Versatile Disc)等の記録媒体に格納することができる。
また、各実施形態において、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしもすべての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には、ほとんどすべての構成が相互に接続されていると考えてよい。