(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
バーベキューは、肉、魚、野菜等(以下、食材)を野外で調理したり、その調理した料理を野外で賞味して楽しむことで、野趣性があり、娯楽性を備えている。
このようなバーベキューは、キャンプ場、河川の河原、海岸等で行われることが多く、調理の際に発生する煙、油煙等は特に問題とはならない。
【0003】
出願人は、バーベキューでしか味わえない野趣性や娯楽性をその場所が限定されずに楽しむことができる可能性を追求すべく、バーベキューコンロの開発を目指した。
例えば、ビルやマンションの屋上、建物間の小さな遊休地でもバーベキューを楽しむことができること、
近隣の住宅が建て込んでいる庭、ベランダ等において、一般住宅でもバーベキューを楽しむことができること、
ホテルやレストラン等でも、その野趣性や娯楽性を来客者に楽しませることができること、
その他、緊急時の調理用の熱源として、災害時での避難所等でも使用できること、等である。
【0004】
かかる課題解決には、次のような問題点の解決が必要であると共に、解決されることが望ましい。
第1に、調理の際に、雨、風、気温等の外気等の影響を受け難くすること、
第2に、調理方法として、食材を焼くだけでなく、その他の調理方法も楽しむことができるようにすること、
第3に、コンロからの油煙等の煙の発生を抑えることができ、また調理の際に油煙等が発生しても、これらを周囲に拡散させることなく、集煙でき、同時に脱臭できること、
第4に、集煙装置及び脱臭装置を備えたコンロとして、コンパクトで、移動し易く、メンテナンスが簡便であること、
第5に、集煙装置及び脱臭装置を介して、煤や臭気物質が除去された清浄な空気は、来客者等の気にならないように、穏やかに排気されること等である。
【0005】
これらの課題の一部については、専らに室内で使用される調理台にその解決方法が示唆されている場合がある。
例えば、特許文献1には、被調理物から発生する汚染空気を捕集するフード5と、前記フードで捕集された汚染空気を吸込口3から吸込み、浄化して吹出口7a、7bから室内に排出する空気処理装置14を備える加熱調理台が開示されている。
【0006】
しかし、本件のコンロに関しては、室内のみならず室外で使用されることが想定されており、外気の影響が考慮されること、また室外での集煙及び脱臭を図ることが必要であり、上記のような専らに室内で使用される加熱調理台をそのままバーベキューコンロに応用することはできない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこで、本願発明(本発明)は、上記各課題を可能な限り解決し、バーベキューでしか味わえない野趣性や娯楽性をその場所が限定されずに楽しむことができるバーベキューコンロを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、本発明は、コンロ本体の左右のスクリーンと、これらのスク
リーンと共にコンロ本体を囲むフードと、このフードを介してコンロ本体からの煙を匡体
内に集め、且つ、脱臭して排気する集煙及び脱臭装置を前記匡体に取付けたことを特徴と
するバーベキューコンロと
した。
【0010】
ここで、「煙」は、調理に使用されるコンロ本体の鉄板等から立ちのぼる、煤、油煙、粒子、気体等である。
また集煙及び脱臭装置としては、少なくともフードに一端が接続され、他端が前記匡体に接続されるホースと、匡体に取付けられるファンとフィルタを備えたものである。
【0011】
上記課題を解決するため、本発明は、匡体と、その匡体上に配置された左右のスクリー
ンと、これらのスクリーン間に配置され、且つ、フードを備えたコンロ本体と、このコン
ロ本体のフードに一端が接続され、他端が前記匡体に設けられる接続口に接続されるホー
スと、前記接続口の匡体内側に取付けられたファンと、前記匡体の一面に取り付けられた
フィルタを備えていることを特徴とするバーベキューコンロとした
(請求項1の発明)。
【0012】
上記発明において、
前記匡体は、前記ファンにより、煙を導き入れる室を備える長方体に構成される共に、前記ファンにより前記匡体内に集められた煙は、前記匡体の各面に当たる等して減速、拡散され、前記フィルタを通過し、前記匡体の外に排気されるコンロとする(請求項1の発明)。
【0013】
上記発明において、前記ファンの取入れ空気と前記接続口から投入される吸着剤が前記匡体内で混合拡散されることにより、前記フィルタは、その表面に均一に添着された吸着剤を備えるコンロとする(
請求項1に記載の発明)。
【0014】
上記発明において、前記フードは、集煙部を備え、その集煙部に前記ホースの一端が接
続されているコンロとしてもよい(請求項2に記載の発明)。
【0015】
上記各発明において、前記フードは、コンロ本体に対して任意の角度で開閉すると共に、その開閉角度に応じて、前記ファンの風量が調整されるコンロとしてもよい(請求項3に記載の発明)。
【0016】
上記各発明において、前記匡体は、キャリアに設けられているようにしてもよい
(請求
項4に記載の発明)。
【発明の効果】
【0017】
以上の発明によれば、コンロ本体の左右のスクリーンと、これらのスクリーンと共にコンロ本体を囲むフードが設けられているので、調理の際に、雨、風、気温等の外気等の影響を受け難く、また、調理方法として、食材を焼くだけでなく、その他の調理方法も楽しむことができる。
集煙及び脱臭装置により、コンロからの油煙等の煙の発生を抑えることができ、また調理の際に油煙等が発生しても、これらを周囲に拡散させることなく、集煙でき、同時に脱臭させることができる。
また、集煙装置及び脱臭装置を介して、煤や臭気物質が除去された清浄な空気は、穏やかに排気される。
さらに、匡体がキャリアに設けられているので、集煙装置及び脱臭装置を備えたコンロとして、コンパクトで、移動し易くなっている。
即ち、上記各課題が解決され、バーベキューでしか味わえない野趣性や娯楽性をその場所が限定されずに楽しむことができるバーベキューコンロを提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
実施例1に係るコンロ1は、
図1〜
図3に示したように、キャリアCに設けられた匡体2と、その匡体2上に設けられた左右のスクリーン3、3と、これらのスクリーン3、3間に配置され、且つ、フード40が取付けられたコンロ本体4を備えたバーベキューコンロにおいて、このコンロ本体4のフード40に設けられた集煙部41、この集煙部41に一端50が接続され、他端51が匡体2に設けられる接続口20に接続されるホース5、前記接続口20の匡体内側に取付けられたファンとしてのブロワユニット6、及び匡体2に取り付けられたフィルタ7からなる集煙及び脱臭装置を備えている。
【0020】
前記匡体2は、前記ブロワユニット6を収容すると共に、そのブロワユニット6により煙等を導き入れる室21を備えるもので、正面22、左右側面23.24、裏面25、平面26及び底面27から長方体に構成されている。
前記左側面23には接続口20が設けられ、前記裏面25にはフィルタ7が取付けられ、その裏面25にはフィルタ7の表面を室21に臨ませる裏面側開口250が形成されている。
かかる前記匡体2は、例えば高さ寸法が概ね約60cm、横幅寸法が概ね約75cm、奥行寸法が概ね約50cm程度に形成されている。
【0021】
前記左右のスクリーン3、3は、コンロ本体4の両サイドから風、雨等がコンロ本体4の鉄板上に入り込まないようにするものである。
即ち、
図2及び
図3の破線で図示したように、フード40がコンロ本体4に設けられている回転軸(図示せず)を中心に約45度程度に開放されたとしても、フード40の開放端40aがスクリーン3、3内に略収まるように構成されている。
従って、かかるスクリーン3、3を設けることにより、前記フード40と協働させて、コンロ本体4の周囲の空間から、風、雨等が鉄板上に吹き込み難いように構成され、調理を行い易いものにしている。
前記スクリーン3、3は、
図1に図示されているように、コンロ本体4の左右において隙間を開けて設けられ、メンテナンスの便宜が図られているが、スクリーンは上記構成に限定されるものではない。例えば、フード40の開閉に追随させる蛇腹構成でもよい。
【0022】
コンロ本体4には、バーナー、バーナー上の鉄板、焼網(それぞれ図示せず)が設けられ、バーナーを操作する操作盤42が設けられている。
【0023】
前記フード40は、コンロ本体4の鉄板上の空間を開閉するもので、食材を焼くだけでなく、蒸す等の調理方法も楽しむことができるようにし、また上述のように、前記スクリーン3、3と共にコンロ本体4での調理作業等が、雨、風、外気の温度等の影響を受けにくくするものでもある。
さらに、このフード40及び前記スクリーン3、3は、集煙部41に煙等を導くためのガイドともなっており、油煙等の拡散を防いでいる。
【0024】
前記フード40は、概ね45度まで回転させることができるが、その約45度までの任意の開放角度に応じて、前記ブロワユニット6の風量を調整できるようにしてもよい。具体的にはコンロ本体側にリミッタSWを取付けて(図示せず)、フード40の開放角度を機械的に検出して、前記ブロワユニット6の動作を制御する。
制御方法として、例えばフード40の全閉時にはコンロ本体4の鉄板の熱が奪われず、且つ、集煙できるように前記ブロワユニット6の風量を抑え、25度の開放時、45度等の開放角度の拡大に応じて、除除に吸引する風量を増やすように制御する。
なお、前記SWの取付位置は、油等の累積による障害を発生させない場所が望ましい。
フード40のメンテナンス時は、全開させることができる。
【0025】
前記集煙部41は、前記フード40の上部を切り欠いて取付けられた凸状部410と、この凸状部410に設けられた集煙口411(
図4参照)とを備えている。
凸状部410は、フード40にホース5を取り付ける場合に、そのホース5の取付を確実に、安定的に行うことができるようにし、且つ、フード40の開閉の際のホース5のスムースな動きをサポートし、また、集煙の効率化を図るもので、略三角柱状に形成されている。
前記集煙口411は、前記凸状部410の三角柱状の裏面に形成された丸孔状のものである。
【0026】
前記ホース5は、伸縮自在に曲げられる蛇腹状のものを使用しているがこれに限定されるものではない。また、集煙口411とホース5の一端50との取付部分等の可動部位のみを伸縮自在に構成したものでもよい。
【0027】
前記ブロワユニット6は、前記ホース5を介して、前記集煙口411に負圧を加えて、煙等を集煙口411から接続口20を介して匡体2内に導入するもので、匡体2の左側面23の内面において前記接続口20に連設されている。
このブロワユニット6が作動することにより、コンロ本体4の鉄板上に空気の流路が形成され、鉄板上の空気の温度が下げられ、それにより鉄板の発熱の上昇を抑えることができる。よって鉄板等の予熱段階、鉄板等に食材を載せて調理する段階、調理中断時や終了後のカラダキの段階等の各段階で、油煙等の煙の発生を抑えることができる。
また、前記ブロワユニット6によって生成される気流が、鉄板周辺の油滓等が着火する場合に必要な熱量を奪うこととなり、火の粉火等の発生を減らすことできる。
【0028】
フィルタ7の集煙・脱臭効果を高めるためには、吸着剤(後述)がフィルタ7に付けられていることが望ましい。そして、吸着剤による集煙・脱臭効果を維持するためには、フィルタ7に付着した煤、粒子、臭気成分等を除去し、新しい吸着剤(以下、粉体とも称する)を添着させてフィルタ7を初期状態に復帰させる必要がある。
この実施例では、吸着剤は、前記ブロワユニット6を用いてフィルタ7に添着される。
即ち、前記ブロワユニット6は、吸着剤をフィルタ7の表面に均一に添着させるもので、ホース5の他端51を外した接続口20から吸着剤を投入して、ブロワユニット6により、取入れ空気と吸着剤とを匡体2内で混合拡散させることで、吸着剤をフィルタ7の表面に均一に添着させることができる。
【0029】
なお、前記匡体2には、商用電源等に接続される電源装置8が設けられており、この電源装置8を介して駆動電力がブロワユニット6に供給される。
また、前記キャリアCには、ガスボンベGが積載可能になっており、コンロ本体4に燃料が供給されると共に、キャスターが付けられて、集煙及び脱臭装置を備えたコンロとして、コンパクトで、移動し易い構成にされている。
【0030】
前記吸着剤は、多孔質構造の粉体状のもので、この実施例ではチャコール粉体とゼオライト粉体の混合したものを用いる。前記フィルタ7による脱臭等の作用効果を維持するため、前記ホース5の他端51が外された接続口20から、適宜、前記ブロワユニット6を作動させて前記フィルタ7に添着させる。
吸着剤としてはチャコール粉体とゼオライト粉体の混合物に限定されるものではなく、一種類の粉体、複数種類による混合物等、粉体の選択、その混合の割合、粉体の種類の交換は、任意に行うことができる。
【0031】
前記フィルタ7は、硬質のろ布をひだ状に折り込んでプリーツ状に成形したものを平面的に配置し、枠体70に取付けたものである。
前記枠体70は、室内側枠体71と室外側枠体72に分割され、それぞれその横幅が前記キャリアCの長手方向の幅に略等しく、その縦幅が匡体2の縦幅より大きく形成され、室内側枠体71が匡体2の裏面25側に固定されると共に、この室内側枠体71に対して、前記フィルタ7を収容した室外側枠体72が開閉可能に取り付けられている。
【0032】
前記フィルタ7により、煙を構成する煤、さらに微細な粒子はフィルタ7で遮られる(フィルタに付着される)。粒子よりさらに微細なガス(気体)状の臭気成分(分子)は、これらの分子と吸着剤の分子が相互に及ぼし合うファンデルワールス力で吸着させることができる。
【0033】
このコンロ1においては、前記ブロワユニット6による「処理風量」を概ね15m
3×minとし、前記フィルタ7による「ろ過精度」を概ね0.5μm×90%として設計されている。
前記ブロワユニット6で生成される風量は、前記匡体2内で拡散された時点で、風速が減速され、さらに大面積の前記フィルタ7を通過して排気されることから、前記ろ過精度をさらに引上げることが可能となる。
また、前記フィルタ7により、前記ブロワユニット6で生成される風圧が分散されて、前記フィルタ7を介して清浄にされた空気は、来客者等の気にならないように、穏やかに排気されることとなる。
【0034】
上記のように構成されたコンロ1の動作例を
図4に基づいて説明する。
前記ブロワユニット6が起動されると、前記集煙口411及び集煙部410に負圧が引かれて、コンロ本体4の周囲の空気がコンロ本体4の鉄板上を通り前記集煙部410まで流れて、常に新鮮な空気の流路が形成される。
よって、鉄板上の空気の温度が下げられ、それにより鉄板の発熱の上昇を抑えることができ、調理の各段階で、油煙等の煙の発生を抑えることができることができる。
【0035】
かかる状態で調理が開始されると、調理により発生する煙は、前記集煙部410の集煙口411から、ホース5、接続口20を経て匡体2内に入り、匡体2の各面22〜27に当たる等して減速、拡散され、順次、枠体70側に押し出される。
そして、煙は裏面側開口250(
図1参照)から、室内側枠体71の枠内に広がり、さらに室外側枠体72のフィルタ7を通過して、排気される。
よって、調理の際に発生した油煙等は、ブロワユニット6によって匡体2内に導かれとともに、フィルタ7の表面に均一に添着した吸着剤により、効率良く集煙され、且つ、同時に脱臭されることとなる。
【0036】
前記枠体70の室外側枠体72と室内側枠体71は、例えばヒンジ結合され、通常時はフック等を用いて室内側枠体71は室外側枠体72に圧着されており、メンテナンス時には、前記室外側枠体72を開ければよい。
匡体2内にたまる煤等は、前記室外側枠体72を開けて、そこから掃除機等で吸引することができる。
前記フィルタ7に対するメンテナンスは、具体的には室外側枠体72側から室内側枠体71側に向けて、エアーガン等で圧縮空気を吹き付けて、フィルタ7に振動を与え、付着している粒子等を匡体内に吹き飛ばし、これを回収する。
さらに、前記フィルタ7を室外側枠体72から取り外して、洗剤で洗浄することもできる。
その後、上述のように、前記フィルタ7に新しい吸着剤を吸着させて、初期状態に復帰させることとなる。
よって、このコンロに対するメンテナンスは、特別の技術等が要求されることなく、簡単に行うことができる。
【0037】
この実施例では、前記枠体7の室内側枠体71と室外側枠体72とのヒンジ結合箇所は、匡体の下端となっているが、左右端、或いは上端でもよい。
また、この実施例のように、前記フィルタ7の配置位置は、匡体2の裏面25に限定されるものではなく、右側面24、正面22、底面27でもよい。また、一面のみに限定されるものでもなく、複数面に設けてもよい。
【0038】
上記コンロ1の作用効果を纏めると次のようである。
(1) 前記スクリーン3、3と前記フード40により、調理の際の風、雨等の影響が抑えられると共に、食材を焼くだけでなく、食材を蒸す等の他の調理方法も楽しむことができる。
ブロワユニット6が作動されるとフード40を介して、煙が匡体2内に集められ、フィルタ7により、清浄な空気が生成されるので、バーベキューでしか味わえない野趣性や娯楽性をその場所が限定されずに楽しむことができる。
(2) ブロワユニット6が作動されることで、コンロ本体4の鉄板の上には、前記フード40の集煙口に向けて、常に新鮮な空気の流れが形成され、鉄板上方の空気の温度を下げ、さらに鉄板の発熱を抑えることができ、油煙等の煙の発生を抑えることができる。
また調理の際に油煙等が発生しても、これらを周囲に拡散させることなく、集煙できる。
さらに、前記ブロワユニット6によって生成される気流が、鉄板周辺の油滓等が着火する場合に必要な熱量を奪うこととなり、火の粉火等の発生を減らすことできる。
(3) 調理の際に発生する煙は、ブロワユニット6により匡体2内に集められ、同時にフィルタ7により脱臭される。
即ち、前記フィルタ7により、煙を構成する煤、さらに微細な粒子として存在する臭気成分は、フィルタで遮られる(フィルタに付着される)。粒子よりさらに微細なガス(気体)状の臭気成分(分子)は、分子が相互に及ぼし合うファンデルワールス力で吸着させることができる。
そして、前記ブロワユニット6で生成される風量は、前記匡体2内で拡散された時点で、その風速が減速され、前記フィルタ7から排気されることから、ろ過精度をさらに引き上げることができる。
(4) 集煙及び脱臭装置は、キャリアCに乗せられており、コンパクトで、移動し易くなっている。
(5) 集煙及び脱臭装置を介して生成される清浄な空気は、フィルタ7から来客者等の気にならないように、穏やかに排気される。
(6) コンロ1のメンテナンスは、匡体2内に貯まる煤等の掃除、フィルタ7の掃除であり、特別な技術を必要とするものではなく、簡単である。
特に、フィルタ7への吸着剤の添着は、接続口20からブロワユニット6を用いて吸着剤を吹き入れることで、取入れ空気と吸着剤とを匡体2内で混合拡散させて、吸着剤をフィルタ7の表面に均一に添着させることができ、フィルタ7の性能を維持することが容易で、且つ、フィルタ7の交換は不要である。
【0039】
次に
図5及び
図6に基づいて、実施例2に係るコンロ1Aの構成例を説明する。
実施例2に係るコンロ1Aが、上記コンロ1と異なる点は、前記フィルタ7用のカバー9を前記室外側枠体72に設けたこと、前記ホース5に耐熱布としてのガラスクロス(図示せず)を巻き付けたこと、前記匡体2に消音材(図示せず)を設けたこと、その他、キャリアCにガスボンベGを載せていないことである。
【0040】
前記カバー9は、前記室外側枠体72から室外側に臨まされるフィルタ7を雨等から保護するもので、前記室外側枠体72の室外面と略等しい寸法で、例えば合成樹脂で形成されている。
かかるカバー9は、前記室外側枠体72からの排気を妨げないように、例えば、カバー9の上端が前記室外側枠体72の室外側の上端に取り付けられている。そして、前記室外側枠体72から室外への排気により、カバー9の左右端及び下端に隙間が形成され、その隙間から排気される。
【0041】
前記ガラスクロスは、火傷防止用のもので、前記ホース5の一端50から他端51にかけて巻き付けられている。
【0042】
前記消音材(吸音材)は、前記匡体2の室21内に貼付されるもので、前記ブロワユニット6のモータ音を吸音するようになっている。
【0043】
実施例2に係るコンロ1Aの他の構成は、実施例1に係るコンロ1と略同一であり、同一の作用効果を奏する。
【0044】
次に
図7に基づいて、実施例3に係るコンロ1Bの構成例を説明する。
上記各コンロ1、1Aの前記スクリーン3、3とコンロ本体4の間には、隙間(
図7において「g」として示すこととする)が設けられ、メンテナンスの便宜が図られているが、フード40を開けて調理する場合、前記隙間gから油煙等が漏れ出てしまう場合がある。
よって実施例3に係るコンロ1Bでは、前記隙間gを埋める構成を加えている。
【0045】
その構成例として、例えば、
図7において左側矢印で示した要部斜視図のように、前記フード40を所定角度(例えば45度)に開けた段階で、そのフード40の左右両端部40b、40bが接近或いは当接する隙間フサギ30、30をスクリーン3、3側に固定している。
前記隙間フサギ30は、前記フード40の左右両端部40b、40bの長さに略等しく形成され、且つ、前記所定角度に合わせて断面L字状の長尺材の一辺が前記スクリーン3、3に固定されている。
【0046】
他の構成例として、例えば、
図7において右側矢印で示した要部斜視図のように、前記フード40の左右両端部40b、40bに沿い、且つ、スクリーン3、3側に接するように突出する矩形状の隙間フサギ40c、40cを前記左右両端部40b、40bに固定している。
【0047】
以上の構成により、前記フード40の両端部40b、40bから外側に漏れ出る油煙等が、前記隙間フサギ30、30又は前記隙間フサギ40c、40cによってその漏出が妨げられ、前記フード40内に集煙されることが期待される。
また、前記隙間gからフード40内に雨、風等が入り込み、コンロ本体4の調理が影響を受ける場合があり得るが、前記隙間フサギ30、40cを設けることにより、雨、風等の影響を受け難くしている。
その他、前記隙間gを埋める構成として、コンロ本体4及びフード40とスクリーン3、3を密着させる等の構成でもよい。
【0048】
上記各コンロ1、1Aにおいては、前記吸着剤としてチャコール粉体とゼオライト粉体の混合したものを用いている。前記吸着剤としては、チャコール粉体とゼオライト粉体の混合物に限定されるものではなく、一種類の粉体、複数種類による混合物等、粉体の選択、その混合の割合、粉体の種類の交換は、任意に行うことができるものとしている。
このコンロ1Bでは、前記吸着剤としてチャコール粉体とラジオライト粉体の混合したものを用いている。
このラジオライトは、油煙等の熱により臭気が発生することなく、脱臭等の作用効果が発揮される。
【0049】
上記各コンロ1、1Aの前記ホース5の素材は、メンテナンス性、耐候性、安全性等を満たす観点から選択されることが望ましく、前記コンロ1Bでは、素材として外力に対して強度があるスチールを選択することとしている。
【0050】
上記各コンロ1、1Aにおいて、前記フィルタ7は、硬質のろ布をひだ状に折り込んでプリーツ状に成形したものを平面的に配置し枠体70に取付けたものであるが、フィルタ7の構成、その取付構成は、上記各コンロ1、1Aの構成に限定されるものではない。
【0051】
実施例3に係るコンロ1Bの他の構成は、実施例1、同2に係るコンロ1、1Aと略同一であり、同一の作用効果を奏する。
【0052】
本発明は以上説明した実施例に限定されるものではなく、多くの変形が本発明の技術的思想内で当分野において、通常の知識を有する者により可能である。