【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るソーラーパネル用架台は、前後方向が水平方向に対し傾斜していて、ソーラーパネルが配置される下地フレームと、前後方向における本数が複数本であって、それぞれが前記下地フレームを頭部で支持し、この頭部を地上に残して地盤の内部に侵入している基礎杭と、を含んで構成されるソーラーパネル用架台において、前記基礎杭の頭部に、左右方向を軸方向とする中心軸を中心に揺動自在となっている揺動部材が設けられ、この揺動部材を介して前記基礎杭の頭部に前記下地フレームが連結されていることを特徴とするものである。
【0007】
このソーラーパネル用架台では、基礎杭の頭部に、左右方向を軸方向とする中心軸を中心に揺動自在となっている揺動部材が設けられ、この揺動部材を介して基礎杭の頭部に下地フレームが連結されているため、頭部を地上に残して地盤の内部に侵入している複数本の基礎杭のうちに、鉛直姿勢に対して前後方向に傾いた姿勢となっている基礎杭がある場合には、その基礎杭に設けられている揺動部材を中心軸を中心に揺動させることにより、基礎杭の傾き姿勢を揺動部材で修正して基礎杭の頭部で下地フレームを支持できることになり、このため、この下地フレームの前後方向を水平方向に対して所定の傾斜角度にすることができる。
【0008】
以上の本発明において、基礎杭の頭部に対する揺動部材の位置を上下方向に調整可能とすることが好ましい。
【0009】
これによると、前後方向に傾いた姿勢となっている基礎杭がある場合に、上述のようにこの基礎杭の傾き姿勢を揺動部材の揺動により修正したときに、揺動部材の高さ位置が変化しても、この高さ位置の変化を、基礎杭の頭部に対する揺動部材の位置を上下方向に調整することによって打ち消すことができ、また、地盤の内部への基礎杭の侵入深さ(基礎杭の打ち込み深さ)に誤差があっても、この誤差を、基礎杭の頭部に対する揺動部材の位置を上下方向に調整することによって解消することができる。
【0010】
このように基礎杭の頭部に対する揺動部材の位置を上下方向に調整可能とすることは、各種の構造で実施でき、その一例は、基礎杭の頭部と揺動部材との間に、揺動部材が連結された中間部材を介設し、この中間部材を基礎杭の頭部に上下方向に位置調整可能に配置することにより、基礎杭の頭部に対する揺動部材の位置を上下方向に調整可能とすることである。また、他の例は、基礎杭の頭部に揺動部材を直接的に上下方向移動可能に連結することである。
【0011】
また、基礎杭の頭部に対する揺動部材の位置を前後方向に調整可能とすることが好ましい。
【0012】
これによると、複数本の基礎杭のうちに、地盤の内部への侵入位置(打ち込み位置)に前後方向の誤差が生じている基礎杭があっても、この誤差を、基礎杭の頭部に対する揺動部材の位置を前後方向に調整することによって解消することができる。
【0013】
このように基礎杭の頭部に対する揺動部材の位置を前後方向に調整可能とすることも、各種の構造で実施でき、その一例は、基礎杭の頭部と揺動部材との間に、揺動部材が連結された中間部材を介設し、揺動部材をこの中間部材に前後方向に位置調整可能に配置することにより、基礎杭の頭部に対する揺動部材の位置を前後方向に調整可能とすることである。また、他の例は、基礎杭の頭部に揺動部材を直接的に前後方向移動可能に連結することである。
【0014】
また、本発明において、基礎杭の頭部と揺動部材との間に、揺動部材が連結された中間部材を介設し、この中間部材を基礎杭の頭部に上下方向に位置調整可能に配置するとともに、揺動部材を中間部材に前後方向に位置調整可能に配置してもよい。
【0015】
これによると、基礎杭の頭部における中間部材の高さ位置を変化させることにより、基礎杭の頭部における揺動部材の高さ位置を調整することができるとともに、中間部材における揺動部材の前後位置を変化させることにより、基礎杭の頭部における揺動部材の前後位置を調整することができる。
【0016】
また、本発明において、下地フレームを揺動部材に左右方向に位置調整可能に連結することが好ましい。
【0017】
これによると、複数本の基礎杭のうちに、地盤の内部への侵入位置に左右方向の誤差が生じている基礎杭があっても、この誤差を、下地フレームの揺動部材に対する連結位置を左右方向に変化させることによって解消することができる。
【0018】
このように下地フレームを揺動部材に左右方向に位置調整可能に連結することは、各種の構造で実施でき、その一例は、下地フレームが、左右方向が長さ方向となっている大引き部材と、この大引き部材の上に配置され、前後方向が長さ方向となっている根太部材とを含んで構成されている場合には、大引き部材を揺動部材に左右方向に位置調整可能に連結することである。
【0019】
また、本発明は、下地フレームが、前後方向が長さ方向となっている大引き部材と、この大引き部材の上に配置され、左右方向が長さ方向となっている根太部材とを含んで構成されている場合にも適用することができる。
【0020】
以上説明した本発明において、下地フレームが水平方向に対し傾斜している前後方向に複数本が配置される基礎杭は、任意の材料によって形成されたものでよく、この基礎杭は、角型鋼管や丸型鋼管によるものでもよく、あるいは、溝型鋼、H型鋼、I型鋼、L型鋼、Z型鋼によるものでもよい。
【0021】
また、下地フレームが水平方向に対し傾斜している前後方向に配置される基礎杭の本数は、2本でもよく、3本以上でもよい。
【0022】
さらに、基礎杭の頭部に前述した中間部材を設ける場合や設けない場合において、基礎杭の頭部に上方へ延びる長さを有する連結部材を連結し、この連結部材の上下長さにより、地表面から上方へ突出する基礎杭の頭部の突出長さを短くても、地表面から充分離れた位置で下地フレームを基礎杭の頭部で支持するようにしてもよい。
【0023】
また、地盤の内部に侵入する基礎杭の先部の形状を、水平方向の幅寸法が下向きに次第に小さくなる先細り形状としてもよい。これによると、地盤の内部へ基礎杭を打ち込むときに、地盤からの抵抗力を小さくできる。
【0024】
さらに、基礎杭の全長のうち、地盤の内部に侵入する部分に、この地盤からの基礎杭の抜け出しに対する抵抗力を生じさせるための抜け出し抵抗力発生部を設けてもよい。これによると、例えば、水平方向に対し傾斜して下地フレームに配置されたソーラーパネルが後方からの風圧を受けても、地盤の内部に打ち込まれた基礎杭が地盤から抜け出すことを阻止することができる。
【0025】
このような抜け出し抵抗力発生部は、任意の形状のものとして基礎杭に設けることができ、その一例の抜け出し抵抗力発生部は、基礎杭に対して上向きに末広がり状に傾斜した形状で形成されたものである。そして、この抜け出し記抵抗力発生部は、基礎杭の一部の切り起こし加工により形成してもよく、基礎杭に抜け出し抵抗力発生部材を結合することによって形成してもよい。
【0026】
さらに、基礎杭の長さ方向の途中であって地盤の地表面の位置と対応する箇所に、基礎杭が地盤の内部に侵入することに対する抵抗力を発生させる侵入抵抗力発生部を設けてもよい。これによると、基礎杭を杭打ち機等の装置により地盤の内部に侵入させる作業を行うときに、侵入抵抗力発生部により、地盤の内部への基礎杭の侵入深さ(基礎杭の打ち込み深さ)を正確に設定できるようになる。
【0027】
このような侵入抵抗力発生部は、任意の形状のものとして基礎杭に設けることができ、その一例の侵入抵抗力発生部は、基礎杭に結合された水平又は略水平の板状部材により形成されたものである。