(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ビット線が延在する方向に対して平面視において交差する幅方向の前記ビット線の端部において前記ビット線の上面を覆う前記第1の絶縁膜の前記主表面に直交する方向の厚みは、前記ビット線の上面を覆う前記第1の絶縁膜の前記主表面に直交する方向の最大の厚みの0.95倍以上である、請求項1に記載の半導体装置。
前記第1の絶縁膜の前記垂直な部分の前記第1の層間絶縁膜の表面からの高さは、前記ビット線の上面を覆う前記第1の絶縁膜の最上部の前記第1の層間絶縁膜の表面からの高さの0.86倍以上である、請求項1に記載の半導体装置。
前記ビット線の側面よりも外方の領域の真上に位置する前記第1の絶縁膜の部分は、前記ビット線の上面の真上に位置する前記第1の絶縁膜の部分よりも上方に突出している、請求項5に記載の半導体装置。
前記第1の導電層の真上に位置する前記第1の絶縁膜の部分を除去する工程において、前記ビット線が延在する方向に対して平面視において交差する幅方向の前記ビット線の端部において前記ビット線の上面を覆う前記第1の絶縁膜の前記主表面に直交する方向の厚みは、前記ビット線の上面を覆う前記第1の絶縁膜の前記主表面に直交する方向の最大の厚みの0.95倍以上となるように前記第1の絶縁膜が形成される、請求項7に記載の半導体装置の製造方法。
前記第1の導電層の真上に位置する前記第1の絶縁膜の部分を除去する工程において、前記第1の絶縁膜の前記主表面に対して垂直な部分の前記第1の層間絶縁膜の表面からの高さは、前記ビット線の上面を覆う前記第1の絶縁膜の最上部の前記第1の層間絶縁膜の表面からの高さの0.86倍以上となるように前記第1の絶縁膜が形成される、請求項7に記載の半導体装置の製造方法。
前記第1の導電層の真上に位置する前記第1の絶縁膜の部分を除去する工程において、前記第2の絶縁膜は、前記ビット線の上面を覆う前記第1の絶縁膜の最上部よりも上方に突出するようにエッチングされる、請求項7に記載の半導体装置の製造方法。
前記第1の導電層の真上に位置する前記第1の絶縁膜の部分を除去する工程において、前記ビット線の側面よりも外方の領域の真上に位置する前記第1の絶縁膜の部分は、前記ビット線の上面の真上に位置する前記第1の絶縁膜の部分よりも上方に突出するようにエッチングされる、請求項12に記載の半導体装置の製造方法。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、一実施の形態について図に基づいて説明する。
図1を参照して、一実施の形態の半導体装置DVは、たとえばシリコン単結晶からなる半導体ウェハなどの半導体基板SUBの表面上に複数種類の回路が形成された半導体チップである。一例として、半導体装置DVを構成する回路として、メモリセルアレイ(メモリ領域)と周辺回路領域と、パッド領域PDとを有している。
【0015】
メモリセルアレイはSRAM(Static Random Access Memory)を含む、半導体装置DVの主要なメモリ領域である。平面視におけるメモリセルアレイの外部には周辺回路領域およびパッド領域PDが形成されている。パッド領域PDはたとえばメモリセルアレイの外部に、互いに間隔をあけて複数形成されている。
【0016】
次に、本実施の形態としての半導体装置の構成について
図2のメモリセルを挙げて説明する。
【0017】
図2を参照して、本実施の形態における半導体装置は、ビット線対BLおよびZBLと、ワード線WLと、フリップフロップ回路と、1対のアクセストランジスタT5,T6とを有するSRAMをメモリセルとして有する。
【0018】
フリップフロップ回路は、ドライバトランジスタT1,T2と、負荷トランジスタT3,T4とを有している。ドライバトランジスタT1および負荷トランジスタT3は一方のCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)インバータを形成し、ドライバトランジスタT2および負荷トランジスタT4は他方のCMOSインバータを形成している。フリップフロップ回路は、これらの2つのCMOSインバータからなる。SRAMはフリップフロップ回路を有することにより、情報として蓄えられた電荷を所定の周期で元に戻すいわゆるリフレッシュと呼ばれる処理を不要とする半導体記憶装置である。本実施の形態におけるSRAMはさらに、DRAM(Dynamic Random Access Memory)としてのキャパシタC1,C2を有している。
【0019】
フリップフロップ回路を構成するドライバトランジスタT1,T2は、たとえばnチャネル型のMOSトランジスタである。負荷トランジスタT3,T4は、たとえばpチャネル型のTFT(Thin Film Transistor)である。またアクセストランジスタT5,T6は、たとえばnチャネル型のMOSトランジスタである。このように本実施の形態のSRAMは、負荷トランジスタがTFTであり、かつDRAMとしてのキャパシタが付加された、いわゆるAdvanced SRAMである。
【0020】
フリップフロップ回路においては、ドライバトランジスタT1および負荷トランジスタT3のゲート電極とキャパシタC1とが互いに電気的に接続され、これらはアクセストランジスタT6のソース電極Sと電気的に接続される。アクセストランジスタT6のソース電極SはドライバトランジスタT2および負荷トランジスタT4のドレイン電極Dと電気的に接続されており、これらが接続された領域は第1の記憶ノード部として機能する。
【0021】
ドライバトランジスタT2および負荷トランジスタT4のゲート電極とキャパシタC2とが互いに電気的に接続され、これらはアクセストランジスタT5のソース電極Sと電気的に接続される。アクセストランジスタT5のソース電極SはドライバトランジスタT1および負荷トランジスタT3のドレイン電極Dと電気的に接続されており、これらが接続された領域は第2の記憶ノード部として機能する。
【0022】
ドライバトランジスタT1,T2のソース電極SはGND電位に電気的に接続されており、負荷トランジスタT3,T4のソース電極Sは、電圧Vccを印加するVcc配線(電源供給配線)に電気的に接続されている。さらにキャパシタC1,C2は、上記電圧Vccの1/2である電圧Vcc/2を印加するVcc/2配線に電気的に接続されている。1対のビット線対BLおよびZBLのそれぞれは、1対のアクセストランジスタT5およびT6のドレイン電極Dと接続される。
【0023】
次に、
図2に示す半導体装置のより具体的な構成について、
図3の概略断面図を用いて説明する。ただし
図3の断面図は、特定の領域における断面の態様を示す図ではなく、
図2に示すトランジスタやキャパシタなどの各要素が半導体装置内で呈する形を説明するために寄せ集めたものである。
【0024】
図3を参照して、一実施の形態の半導体装置は、たとえばシリコン単結晶からなるn型の半導体基板SUBの一方の主表面に形成されている。
【0025】
半導体基板SUBの主表面にはメモリ領域と周辺回路領域とが形成されている。メモリ領域は上記の
図1のSRAM(特にAdvanced SRAM)が形成される領域であり、周辺回路領域とは
図1のSRAMが形成される領域の周辺の、たとえば信号入出力回路が形成される領域である。なお
図3のメモリ領域は後述する
図4(B)のIII−III線に沿う部分の概略断面図である。
【0026】
メモリ領域は分離領域と活性領域とを有している。メモリ領域の半導体基板SUBの表面の一部には、分離領域としてのSTI(Shallow Trench Isolation)が形成されている。このSTIは、半導体基板SUBの表面に形成された溝内に絶縁層SIを埋め込むことにより形成されている。
【0027】
メモリ領域における分離領域以外のSTIが形成されていない領域はいわゆる活性領域である。活性領域は半導体基板SUBの表面に複数、たとえばその一方の端部側および当該一方の端部側の反対側である他方の端部側に形成される分離領域に挟まれるように、形成される。活性領域には、たとえばp型の導電性不純物が注入されたp型ウェル領域PWLが形成されている。この場合、メモリ領域における1つの活性領域と、当該1つの活性領域と互いに隣り合う他の活性領域とは、当該1つの活性領域と他の活性領域との間に挟まれる分離領域により、互いに電気的に分離されている。
【0028】
それぞれの活性領域における半導体基板SUBの表面には複数の(n型)MOSトランジスタが形成されており、当該トランジスタは、1対のソース/ドレイン領域S/Dを有している。たとえば
図3の左側および右側の活性領域に形成される領域S/Dは、アクセストランジスタのソース領域Sとドライバトランジスタのドレイン領域Dとが平面的に重なりあった領域であり、アクセストランジスタとドライバトランジスタとが当該領域S/Dを共有している。このことは後述する
図4(B)を参照することにより明らかである。また
図3の中央の活性領域に形成される領域Dは、アクセストランジスタT5,T6のドレイン領域Dであり、
図3に示されないが後述するようにビット線BLと接続されている。
【0029】
上記の絶縁層SIなどが形成された半導体基板SUBの主表面を覆うように、たとえばシリコン酸化膜からなる層間絶縁膜II1が形成されている。この層間絶縁膜II1と同一の層として第1のプラグBS(第1の導電層)が複数、互いに間隔をあけて形成されている。第1のプラグBSは、層間絶縁膜II1の一部の領域に形成された開口部内を埋める、たとえば導電性不純物が添加された多結晶シリコンにより形成される。第1のプラグBSは、たとえば半導体基板SUBの主表面の1対のソース/ドレイン領域S/Dに達するように、層間絶縁膜II1を貫通するように形成されている。
【0030】
またメモリ領域における層間絶縁膜II1と同一の層としてコンタクトCT2が形成されている。コンタクトCT2は、第1のプラグBSと同様に、層間絶縁膜II1の一部の領域に形成された開口部内を埋める、たとえば導電性不純物が添加された多結晶シリコンにより形成され、たとえば半導体基板SUBの主表面のドレイン領域Dに達するように、層間絶縁膜II1を貫通するように形成されている。
【0031】
層間絶縁膜II1の上に、すなわち第1のプラグBSの上に、たとえばシリコン酸化膜からなる層間絶縁膜II2(第1の層間絶縁膜)が形成されており、層間絶縁膜II2の上面に接するように、たとえば層間絶縁膜II3が形成されている。さらにその上にはたとえばシリコン酸化膜からなる層間絶縁膜II4,II5,II6が順次形成されている。また層間絶縁膜II6の上面に接するようにたとえばシリコン窒化膜からなる層間絶縁膜I1が形成されている。さらに層間絶縁膜I1の上面に接するように、たとえばシリコン酸化膜からなる層間絶縁膜II7,II8,II9,II10が順次形成されている。
【0032】
層間絶縁膜II2の上には(上面に接するように)、互いに間隔をあけて複数(たとえば5つ)のビット線BLが形成されている。ビット線BLは
図3の紙面奥行き方向に延在している。ビット線BLの上面および側面を覆うように被覆絶縁膜CL(第1の絶縁膜)が形成されており、ビット線BLと被覆絶縁膜CLとを含む配線構造LEが形成されている。
【0033】
ビット線BLは、たとえば図示されないコンタクト導電層により、たとえば
図3のメモリ領域の中央にあるアクセストランジスタT5,T6のドレイン領域Dと電気的に接続されている。
【0034】
層間絶縁膜II2および配線構造LEを覆うように層間絶縁膜II3(第2の層間絶縁膜)が形成されており、層間絶縁膜II3上には、下層配線2Gが形成されている。下層配線2Gは、たとえば第2のプラグSC(第2の導電層)により、より上層に形成されるキャパシタとより下層に形成されたトランジスタとを電気的に接続するために配置される配線である。下層配線2Gは、概ねキャパシタと平面視において重なる領域に形成されることが好ましい。下層配線2Gは、たとえば不純物イオンを有する多結晶シリコン膜から構成されることが好ましい。また下層に形成されるトランジスタがたとえばnチャネル型トランジスタである場合には、下層配線2Gは当該トランジスタTGとの電気的な接続を容易にするため、たとえばn型の不純物イオンを含む多結晶シリコンから構成されていてもよい。
【0035】
層間絶縁膜II4上には、多結晶シリコン層TPが形成されている。多結晶シリコン層TPは不純物イオンが導入された多結晶シリコンよりなる半導体層であり、SRAMの負荷トランジスタT3,T4(
図2参照)としてのTFTのチャネル領域と、そのチャネル領域を挟む1対のソース/ドレイン領域とを有している。また多結晶シリコン層TPには、TFTに電源を供給するための電源供給配線の一部が含まれる。多結晶シリコン層TPは、概ねキャパシタと平面視において重なる領域に形成されることが好ましい。
【0036】
層間絶縁膜II5上には、TFTのゲート電極層TDが形成されている。ゲート電極層TDは不純物イオンを有する多結晶シリコンを含む半導体層であることが好ましい。
【0037】
ゲート電極層TDと下層配線2Gとの電気的な接続は、データノードコンタクトDBと呼ばれる導電層によりなされることが好ましい。このデータノードコンタクトDBはゲート電極層TDから下層配線2Gに向けて延在する途中で、多結晶シリコン層TPの端部と接し、多結晶シリコン層TPと電気的に接続されるものである。データノードコンタクトDBは、SRAMのフリップフロップ回路(クロスカップル)を形成するための導電層であり、たとえばゲート電極層TDと同様に不純物イオンを有する多結晶シリコンを含む半導体層により形成される。データノードコンタクトDBは、ゲート電極層TDから下層配線2Gまで、層間絶縁膜を貫通するように、半導体基板SUBの表面に略垂直な方向に延在するように形成されることが好ましい。
【0038】
データノードコンタクトDBは、ゲート電極層TDより上方の層、たとえばゲート電極層TDとキャパシタとを電気的に接続するように形成されてもよく、下層配線2Gより下方の層、たとえば下層配線2Gと第1のプラグBSとを電気的に接続するように形成されてもよい。この場合データノードコンタクトDBは、たとえばキャパシタからゲート電極層TD、多結晶シリコン層TPおよび下層配線2Gを貫通し、第1のプラグBSに達するように形成されてもよい。
【0039】
層間絶縁膜II6上には、キャパシタが形成される。キャパシタは、データノードコンタクトDBの上面に接することにより、データノードコンタクトDBと電気的に接続されている。
【0040】
キャパシタより上方の、たとえば層間絶縁膜II8上および層間絶縁膜II9上には、メタル配線MTLが形成されている。メタル配線MTLはたとえばアルミニウム、アルミニウム銅の合金、銅、タングステンなどからなり、その上面および下面が、たとえばタンタル、チタン、窒化チタンなどからなるバリアメタルBRLにて覆われることが好ましい。また上記のメタル配線MTL同士の接続や、メタル配線MTLとビット線BLとの接続は、たとえば銅やタングステンなどからなるメタルコンタクト導電層MCTによりなされることが好ましい。
【0041】
一方、周辺回路領域にはたとえばn型の導電性不純物が注入されたn型ウェル領域NWLが形成されているが、これはp型ウェル領域PWLであってもよい。周辺回路領域にもメモリ領域と同様に分離領域と活性領域とを有している。分離領域における半導体基板SUBの表面の一部には絶縁層SIからなるSTIが形成されている。また活性領域における半導体基板SUBの表面には複数の(p型)MOSトランジスタTGが形成されている。トランジスタTGは、1対のソース/ドレイン領域S/Dと、ゲート絶縁膜GIと、ゲート電極GEと、絶縁膜ILとを有している。1対のソース/ドレイン領域S/Dの各々は半導体基板SUBの表面に形成されている。ゲート絶縁膜GIは1対のソース/ドレイン領域S/Dに挟まれる半導体基板SUBの表面上に形成されている。ゲート電極GEおよび絶縁膜ILはゲート絶縁膜GI上に形成されており、ゲート電極GEと絶縁膜ILとの積層構造を有している。ゲート電極GEはたとえば多結晶シリコンとタングステンシリサイド(WSi)とが積層されたいわゆるポリサイド構造となっている。絶縁膜ILはたとえばシリコン酸化膜および/またはシリコン窒化膜からなり、当該絶縁膜ILをマスクとしたいわゆる自己整合処理を行なう際のエッチングのストッパ膜となる。このゲート電極GE、絶縁膜ILの側壁には側壁絶縁膜SWが形成されている。側壁絶縁膜SWも絶縁膜ILと同様に、当該側壁絶縁膜SWをマスクとしたいわゆる自己整合処理を行なう際のエッチングのストッパ膜となる。側壁絶縁膜SWはたとえばシリコン窒化膜からなることが好ましいが、シリコン酸化膜とシリコン窒化膜との組合せでもよい。
【0042】
なお
図3においてはゲート電極GE上に絶縁膜ILが形成されるが、
図3の断面図に示されない紙面奥行き方向に延びる領域において、ゲート電極GEは他の配線と電気的に接続されている。また詳細な説明を省略するが、周辺回路領域のそれぞれのトランジスタTGは、コンタクト導電層CTC、ビット線BLと同一の層としての導電層、およびメタルコンタクト導電層MCT、などを介してメタル配線MTLと電気的に接続されている。
【0043】
次に
図4〜
図5を参照しながら、
図3に示す半導体装置の、特にトランジスタTGが形成される層の態様について、より詳細に説明する。
【0044】
図4(A)(B)を参照して、これらは
図3の半導体装置のメモリ領域内の同一の領域におけるビット線BLおよび第1のプラグBSなどの態様を異なる観点から図示したものである。また図中に示された範囲内においては、各構成要素のパターンは、図の上下方向に関する中央部を左右方向に延在する(点線で示す)直線に関して対称となるように配置されている。また上記(点線で示す)直線の下側の領域においては、図中に矩形で囲んだユニットセルを単位として、ユニットセルにおける各構成要素のパターンが平面的に繰り返されている。
【0045】
図4(A)を参照して、図の上下方向に延在する複数のビット線BLは、
図3の紙面奥行き方向に延在する複数のビット線BLに相当し、ビット線BLの側面に側壁絶縁膜SWが形成されることにより配線構造LEが形成されている。図の左右方向に関して互いに隣り合う1対のビット線BLに挟まれた領域には複数の第1のプラグBSおよび複数のゲート上コンタクトCGが形成されている。なお、ゲート上コンタクトCGはゲート電極GE上に形成されるが、ゲート電極GEと接触すればよい。このためゲート上コンタクトCGは構造上ゲート電極GEの少なくとも一部と平面的に重なるように形成されることにより、ゲート上コンタクトCGとゲート電極GEとが電気的に接続され、かつゲート上コンタクトCGは分離領域の絶縁層SIと構造上接続される。
【0046】
図4(A)においては複数(たとえば6本)のビット線BLが、互いに間隔を隔てて行方向または列方向に沿うように延在(並走)しており、1対のビット線BLに挟まれた領域が5つ示されている。1対のビット線BLに挟まれた5つの領域のうち中央の当該領域にはゲート上コンタクトCGが、それ以外の当該領域には第1のプラグBSが複数、図の上下方向に関して互いに間隔をあけて形成されている。
【0047】
図4(B)を参照して、メモリ領域における半導体基板SUBの表面には複数の活性領域1Fが互いに間隔をあけて形成されている。ここでは各活性領域1Fは概ね図の上下方向(
図3における紙面の奥行き方向)に延在している。平面視においてこれらの活性領域1Fと交差(たとえば直交)するように複数のゲート電極GEが互いに間隔をあけて形成されており、これらはその真上の絶縁膜ILと併せて
図3のトランジスタ(
図2のドライバトランジスタT1,T2およびアクセストランジスタT5,T6)を構成している。
【0048】
たとえば
図4中に矩形で囲まれたユニットセル内において、図の上下方向に3列のゲート電極GE(トランジスタ)が並んでいる。これら3列のゲート電極GEのうち上側および下側の列の各ゲート電極GEは、図の左右方向において複数のゲート電極GEに分割されており、分割されたゲート電極GEごとに独立したドライバトランジスタT1,T2が形成されている。また上記3列のトランジスタのうち中央のゲート電極GEは、図の左右方向において分割されることなく連続しており、ここにアクセストランジスタT5,T6が形成されている。
【0049】
具体的には、ドライバトランジスタT1,T2は、
図4(B)中に丸点線で囲まれた、概ね上記図の左右方向において分割されたゲート電極GEと活性領域1Fとが平面的に重なった領域に形成されている。またアクセストランジスタT5,T6は、
図4(B)中に丸点線で囲まれた、概ね上記図の左右方向において連続するゲート電極GEと活性領域1Fとが平面的に重なった領域に形成されており、これらのアクセストランジスタT5,T6はゲート電極GEを共有している(
図2参照)。
【0050】
概ね活性領域1Fにおいて互いに隣り合う1対のドライバトランジスタT1,T2とアクセストランジスタT5,T6とを跨ぐように、1対のビット線BLの間に第1のプラグBSが形成されている。また概ね活性領域1FにおいてドライバトランジスタT1,T2のゲート電極GEと分離領域とが重なる領域であり、かつ1対のビット線BLに挟まれた領域に、当該ゲート電極GE上にゲート上コンタクトCGが形成されている。
【0051】
図4(B)内の1つのユニットセル内を延在する活性領域1Fに沿う部分の、層間絶縁膜II1およびその下層は
図5に示す態様となっている。
図5を参照して、ユニットセル内の活性領域には図の左側から右側へドライバトランジスタ、アクセストランジスタの順に配置されており、これらは
図4(B)のユニットセル内の屈曲したV−V線に沿う部分の下側から上側に向けて並ぶドライバトランジスタとアクセストランジスタとに相当する。
図5のドライバトランジスタT1,T2およびアクセストランジスタT5,T6は、ソース/ドレイン領域S/D(一部は隣り合う1対のトランジスタ
によって共有される)と、ゲート絶縁膜GIと、ゲート電極GEと、絶縁膜ILと、側壁絶縁膜SWとを有している。
図5の活性領域のドライバトランジスタとアクセストランジスタとに挟まれる領域には第1のプラグBSが形成されている。なお
図5のユニットセルの外側にはユニットセルのドライバトランジスタT1,T2に隣り合うドライバトランジスタT1,T2が部分的に図示されている。
【0052】
図5の分離領域には
図4(B)のV−V線上におけるゲート電極GEとゲート上コンタクトCGとが重なった領域に対応するゲート電極GEが形成されており、これはゲート電極GEと、ゲート絶縁膜GIと、絶縁膜ILと、側壁絶縁膜SWとを有するドライバトランジスタの一部の領域である。ゲート上コンタクトCGはゲート電極GEの上面のみでなく、絶縁層SIとの双方の上面を覆うように形成されていてもよい。また当該トランジスタのゲート絶縁膜GIとゲート電極GEとの側面が追加絶縁膜ETIで覆われていてもよい。追加絶縁膜ETIは当該領域の近傍における電界を緩和する目的で形成され、たとえばシリコン酸化膜により形成されることが好ましい。
【0053】
なお
図5の活性領域のドライバトランジスタの左側(
図4(B)の下側)にはドライバトランジスタが配置されており、このドライバトランジスタとこれに隣り合う(ユニットセル内の最も左側の)ドライバトランジスタとの間にはコンタクトCT1が形成されている。さらに活性領域のアクセストランジスタと、分離領域の層間絶縁膜II1との間にはコンタクトCT2が形成されている。
【0054】
コンタクトCT1は、その右側および左側の双方のドライバトランジスタが共有するソース領域Sの上面と接するように、ソース領域Sの真上に形成されている。
図2を再度参照して、当該ソース領域Sは、接地領域GNDと接続されている。
【0055】
一方、
図5のコンタクトCT2は
図3のV−V線上のコンタクトCT2に相当し、アクセストランジスタのドレイン領域Dと電気的に接続されている。
図3および
図5において図示されないが、たとえば
図3の断面図に示されない紙面奥行き方向に延びる領域において、コンタクトCT2はアクセストランジスタのドレイン領域Dとビット線BLとをコンタクト導電層CTCを通じて電気的に接続している(
図2を再度参照)。
【0056】
なお上記のゲート上コンタクトCGおよびコンタクトCT1は、第1のプラグBSおよびコンタクトCT2と同様に、たとえば導電性不純物が添加された多結晶シリコンにより形成されている。ただしここでは、後述するように第1のプラグBSとは第2のプラグSCと接続する導電層であり、コンタクトCT1,CT2とは第2のプラグSCと接続しない導電層であり、第1のプラグBSとコンタクトCT1,CT2とが区別されている。
【0057】
一実施の形態の半導体装置は基本的に以上に示す構成を有している。次に一実施の形態の半導体装置におけるビット線BLおよびその近傍の構成について、
図6〜
図10を参照しながらより詳細に説明する。
【0058】
図6を参照して、ここでは
図3において複数(5つ)互いに間隔をあけて並ぶ配線構造LEのうち互いに隣り合う2つを抽出し、(たとえば
図4(B)において省略されているビット線BLの側面の側壁絶縁膜SWなども含めるように)
図3および
図4(B)より詳細に示している。
【0059】
配線構造LEは、ビット線BLと、被覆絶縁膜CL(第1の絶縁膜)と、追加側壁絶縁膜SOx(第2の絶縁膜)とを有している。ビット線BLは
図6の紙面奥行き方向に延在し、当該延在する方向に交差する断面が矩形(たとえば長方形状)となっている。ビット線BLはたとえばタングステンにより形成されている。被覆絶縁膜CLは、上部絶縁膜UPと側壁絶縁膜SWとにより構成される。上部絶縁膜UPはビット線BLの上面を覆うように形成されており、側壁絶縁膜SWはビット線BLの側面を覆うように形成されている。被覆絶縁膜CLは、上部絶縁膜UP、側壁絶縁膜SWともに、たとえばシリコン窒化膜により形成されている。また
図6に示すように、上部絶縁膜UPはビット線BLの上面のみを覆い、側壁絶縁膜SWはビット線BL(および上部絶縁膜UP)の側面のみを覆う構成であり、これらの絶縁膜UP,SWは互いに独立した膜であってもよい。またこれらの絶縁膜UP,SWを合わせてここでは被覆絶縁膜CLと定義してもよいこととする。
【0060】
追加側壁絶縁膜SOxは、ビット線BLの側面、より正確には側壁絶縁膜SWの側面の少なくとも一部を覆うように形成されている絶縁膜である。
【0061】
上記の構成を有するビット線の配線構造LEを覆うように層間絶縁膜II3が形成されているため、
図6に示す1対の配線構造LEに挟まれた領域は層間絶縁膜II3で埋められている。
【0062】
なお第1のプラグBSは、概ね1対のビット線BL(配線構造LE)に挟まれた領域の真下に配置されている。第1のプラグBSは、層間絶縁膜II1の一部に(層間絶縁膜II1の上面から当該上面に対向する下面に達する)開口部BS0内を埋めるたとえば多結晶シリコンにより形成されている。
【0063】
なお図示されないが、ビット線BLの下面に接するように(すなわち層間絶縁膜II2の上面に接するように)チタンナイトライド(TiN)、チタン(Ti)などのバリアメタルが形成されていることが好ましく、ここではビット線BLとは当該バリアメタルを含めたものとする。
【0064】
図7は
図6の1対のビット線BLに挟まれた領域に第2のプラグSCが形成された態様を示しており、
図3中に丸点線で囲んだ領域VIIと同一の領域を示している。
図7を参照して、互いに隣り合う1対のビット線BLに挟まれた領域に、第2のプラグSCが形成されている。第2のプラグSCは層間絶縁膜II3の上面から、層間絶縁膜II3およびその下層である層間絶縁膜II2を貫通して第1のプラグBSの上面に達し、第1のプラグBSと接続している。
【0065】
第2のプラグSCは、コンタクトホールSC0内に充填されるたとえば導電性不純物が添加された多結晶シリコンにより形成されている。このコンタクトホールSC0は、互いに隣り合う1対のビット線BLの間において、層間絶縁膜II3の上面から、層間絶縁膜II3および層間絶縁膜II2を貫通して第1のプラグBSの上面に達するように形成されている。
【0066】
なお層間絶縁膜II3も他の各層間絶縁膜と同様にたとえばシリコン酸化膜により形成されてもよい。しかし
図8を参照して、層間絶縁膜II3は、ボロンやリンなどの不純物を含むBPTEOSと呼ばれるシリコン酸化膜からなる第1領域II3aと、TEOS(Tetra Ethyl Ortho Silicate)と呼ばれる有機材料により形成される通常の(導電性不純物を含まない)シリコン酸化膜(SiO
2)を形成することが可能なシリコン酸化膜からなる第2領域II3bとが
図8に示すように積層された構成であることが好ましい。BPTEOSからなる第1領域II3aは通常の(導電性不純物を含まない)シリコン酸化膜(SiO
2)とはエッチング選択比などの性質が異なっている。この場合、第1領域II3aが配線構造LEを覆うことが可能な厚みを有することがより好ましい。その他、層間絶縁膜II3として、いわゆるNSG(None-doped Silicate Glass)やPSG(Phospho-Silicate Glass)と呼ばれるガラスの性質を有するシリコン酸化膜が用いられてもよい。
【0067】
再度
図6および
図7を参照して、被覆絶縁膜CLを構成する側壁絶縁膜SWの側面(
図6における外側の表面)は、半導体基板SUBの主表面に対して垂直な部分を有しており、
図6の上下方向に延在している。すなわちビット線BLと上部絶縁膜UPと側壁絶縁膜SWとを合わせた構造は、その断面形状が、半導体基板SUBの主表面に沿う面と、半導体基板SUBの主表面に垂直な面とにより形成される長方形状となっている。
【0068】
次に上記の「垂直」について、
図9を用いてより具体的に定義する。
図9を参照して、ビット線BLの最下部(層間絶縁膜II2と接する部分)においてビット線BLの側面を覆う被覆絶縁膜CLの厚みをxとする。またビット線BLを覆う被覆絶縁膜CLの最外表面を被覆膜表面CLSとし、被覆膜表面CLSのうち最も上部の点を被覆膜最上部CLT(第1の絶縁膜の最上部)とする。被覆膜最上部CLTは、ビット線BLの幅方向(ビット線BLが延在する紙面奥行き方向に対して平面視において交差する幅方向であり、
図9の左右方向)に関してたとえばビット線BLの中央部に形成されるが、当該中央部以外の位置に被覆膜最上部CLTが形成されてもよい。
【0069】
上記の条件下で被覆膜表面CLSの、半導体基板SUBの主表面に対する角度αが85°以上であれば、当該被覆膜表面CLSは半導体基板SUBの主表面に対して垂直であるということにする。
【0070】
ここでは特に、少なくとも被覆膜最上部CLTからxだけ下方(
図9の下側であり半導体基板SUBに近い側)にある位置よりも下方における被覆膜表面CLSが、その全体において半導体基板SUBの主表面(層間絶縁膜II2の上面)となす角度αが85°以上(垂直)である。しかし上記の被覆膜最上部CLTからxだけ下方(
図9の下側であり半導体基板SUBに近い側)の位置よりも上方(
図9の上側であり半導体基板SUBから遠い側)においてもその一部において被覆膜表面CLSが垂直であってもよい。
【0071】
図9の寸法aは、ビット線BLの上面を覆う被覆絶縁膜CLの、半導体基板SUBの主表面に直交する方向の最大の厚みを示しており、被覆膜最上部CLTとビット線BLの上面との、半導体基板SUBの主表面に直交する方向の距離を示している。また
図9の寸法bは、幅方向に関するビット線BLの端部(
図9におけるビット線BLの左端または右端)においてビット線BLの上面を覆う被覆絶縁膜CLの、半導体基板SUBの主表面に直交する方向の厚みを示している。このときbはaの0.95倍以上、すなわちb≧0.95aであることが好ましい。
【0072】
図9の寸法cは、被覆膜最上部CLTのビット線BLの最下部(層間絶縁膜II2の上側の表面)に対する高さを示している。ここで高さとは、半導体基板SUBの主表面に直交する方向に関する位置の差を示す。また
図9の寸法dは、被覆膜表面CLSが半導体基板SUBの主表面に対して垂直な部分の高さ、すなわち被覆膜表面CLSが半導体基板SUBの主表面に対して垂直な部分のうち最も上部と半導体基板SUBの主表面との、半導体基板SUBの主表面に直交する方向に関する位置の差を示している。このときdはcの0.86倍以上、すなわちd≧0.86cであることが好ましい。
【0073】
再度
図6を参照して、被覆絶縁膜CLを構成するシリコン窒化膜は、ビット線BL(配線構造LE)が形成されない領域(たとえば1対の配線構造LEに挟まれた領域)においては層間絶縁膜II2上に形成されていない。すなわち再度
図4(A)を参照して、当該シリコン
窒化膜は、配線構造LEを構成する被覆絶縁膜CLとして形成されているが、互いに隣り合う1対の配線構造LEに挟まれた領域GP(間隔)においては、配線構造が延在する長手方向(図の上下方向である行方向または列方向)の全体にわたって形成されておらず除去されている。具体的には、
図4(A)において第1のプラグBSおよびゲート上コンタクトCGが並ぶように配置される領域においては、図の上下方向の全体にわたって被覆絶縁膜CLを構成するシリコン窒化膜が形成されていない。
【0074】
追加側壁絶縁膜SOxは、被覆絶縁膜CLと異なる材質からなることが好ましく、具体的にはたとえばシリコン酸化膜からなることが好ましい。このようにすれば、被覆絶縁膜CLと追加側壁絶縁膜SOxとの間でのエッチング選択比を確保し、被覆絶縁膜CLを追加側壁絶縁膜SOxに対するエッチングストッパとすることができる。
【0075】
また層間絶縁膜II2上の被覆絶縁膜CLのエッチング時には、追加側壁絶縁膜SOxがエッチングストッパとなる。このため被覆絶縁膜CLの側壁が保護され、被覆絶縁膜CLの側壁を半導体基板SUBの主表面に対して垂直にすることができる。
【0076】
また追加側壁絶縁膜SOxは、層間絶縁膜II3とは異なる材質であることが好ましい。たとえば上記のように追加側壁絶縁膜SOxが通常の(導電性不純物を含まない)シリコン酸化膜(SiO
2)からなり、層間絶縁膜II3を構成する特に層間絶縁膜II3aがBPTEOSなどにより形成されることが好ましい。このようにすれば、追加側壁絶縁膜SOxと層間絶縁膜II3aとの間でのエッチング選択比を確保し、追加側壁絶縁膜SOxを層間絶縁膜II3aに対するエッチングストッパとすることができる。
【0077】
たとえば
図6に示すように、追加側壁絶縁膜SOxは、ビット線BLの上面を覆う上部絶縁膜UPの最上部よりも上方に突出していることが好ましい。また追加側壁絶縁膜SOxは、ビット線BLの最下部と接しておらず、ビット線BLの最下部から図の上下方向に関して一定の高さ分の領域においては、ビット線BL(側壁絶縁膜SW)の側面に接するように形成されていなくてもよい。
【0078】
再度
図7を参照して、コンタクトホールSC0は、特に1対のビット線BL(配線構造LE)に挟まれる領域の層間絶縁膜II3が自己整合処理によりエッチングされることにより形成される。これは半導体装置の微細化により隣り合うビット線BL間の間隔が非常に狭くなっているためである。
【0079】
図7はコンタクトホールSC0が1対のビット線BLの中間の位置に、図の左右方向に関してずれることなく形成された場合の態様を示しているが、
図10を参照して、たとえばコンタクトホールSC0が1対のビット線BLのいずれかの配置される側(
図10においては左側)に寄るように形成される場合がある。
【0080】
次に、
図11〜
図19を用いて、一実施の形態の半導体装置の製造方法について説明する。なおここでは
図3のメモリ領域の特に層間絶縁膜II1〜層間絶縁膜II3と同一の層の形成方法を中心に説明する。
【0081】
図11を参照して、主表面を有する半導体基板SUBが準備され、一般公知の方法により
図3の絶縁層SI、ドライバトランジスタ、アクセストランジスタなどが形成された後、これらを覆うように、たとえばCVD(Chemical Vapor Deposition)法を用いてシリコン酸化膜からなる層間絶縁膜II1が形成される。その後、当該層間絶縁膜II1がCMP(Chemical Mechanical Polishing)と呼ばれる化学機械的研磨法により上面が平坦となるように研磨される。さらに通常の写真製版技術およびエッチング技術により、層間絶縁膜II1を貫通してその下の層(たとえば半導体基板SUB内に形成された図示されないソース領域など)に達するように開口部BS0が形成される。この開口部BS0はたとえば
図5のドライバトランジスタとアクセストランジスタに挟まれた領域の第1のプラグBSを形成するためのものである。このため開口部BS0と同時に、
図5のコンタクトCT1,CT2などを形成するための開口部が形成されてもよい。
【0082】
次に、開口部BS0の内部にたとえば導電性不純物が添加された多結晶シリコンの導電膜が充填される。この処理においてはたとえばCVD法が用いられ、層間絶縁膜II1上にも上記多結晶シリコンの薄膜が形成される。層間絶縁膜II1上の多結晶シリコンの薄膜はCMPおよびエッチバックにより除去される。このようにして第1のプラグBSが形成される。
【0083】
その後、第1のプラグBSを含む層間絶縁膜II1の上に、層間絶縁膜II2が形成される。
【0084】
図12を参照して、たとえばスパッタリング法により層間絶縁膜II2の上にたとえば図示されないがチタンナイトライド(TiN)、チタン(Ti)などのバリアメタルが形成された後、タングステンの薄膜が形成され、さらにその上にたとえばCVD法によりシリコン窒化膜が形成される。次にこれらの膜に対して通常の写真製版技術およびエッチングがなされる。これにより、
図12の紙面奥行き方向に延在する複数のビット線BLおよび絶縁膜UPが形成される。ビット線BLは図の左右方向すなわち幅方向に関して互いに間隔を隔てるように形成され、ビット線BLの側面は層間絶縁膜II2の表面にほぼ直交するように形成されることが好ましい。
【0085】
図13を参照して、たとえばCVD法により、ビット線BLおよび絶縁膜UPの上面および側面、ならびに層間絶縁膜II2の上面(真上)を覆うように、たとえばシリコン窒化膜からなる絶縁膜SWが形成される。ここでビット線BLの側面を覆う絶縁膜SWは、層間絶縁膜II2の表面にほぼ直交するように形成されることが好ましい。
【0086】
図14を参照して、
図13の絶縁膜SWを覆うように、たとえばCVD法により、上記の絶縁膜UP,SWとは異なる材質、たとえばシリコン酸化膜SOxが形成される。ここで形成される絶縁膜SOxは、上記絶縁膜UP,SWとのエッチング選択比の大きい材質であることが好ましい。
【0087】
図15を参照して、異方性エッチングにより、ビット線BLの真上の絶縁膜SOxが除去されるとともに、第1のプラグBSの真上に位置する層間絶縁膜II2上に直接形成された絶縁膜SW上の絶縁膜SOxが除去される。このとき、ビット線BLの側面に接する絶縁膜SWの側壁の絶縁膜SOxが残るように絶縁膜SOxの一部がエッチングにより除去される。
【0088】
図16を参照して、等方性エッチングにより、ビット線の真上の絶縁膜SW、および第1のプラグBSの真上に位置する層間絶縁膜II2上に直接形成された絶縁膜SWが除去される。このとき、ビット線BLの側面に接する絶縁膜SWの側壁の絶縁膜SOxを残した状態で、上記の絶縁膜SWが除去される。また、このときビット線BLの真上の絶縁膜SWはすべて除去されてもよいし、一部が残存してもよい。またビット線BLの真上の絶縁膜UPが、少なくとも一部を残すように部分的に除去されてもよい。
【0089】
この等方性エッチングの結果、絶縁膜SOxは、絶縁膜SWの側面を覆い、かつ絶縁膜UPの最上部TUよりも上方に突出する態様となる。しかし
図17の変形例を参照して、異方性エッチングにより絶縁膜SWが除去されてもよい。この場合、
図16と同様に絶縁膜SOxが絶縁膜UPの最上部TUよりも上方に突出する態様となり、かつビット線BLの側面SBよりも外方の領域の真上に位置する絶縁膜SWの部分が、ビット線BLの上面の真上に位置する上部絶縁膜UPの部分(その最上部TU)よりも上方に突出する態様となる。以上の手順によりビット線BLに上部絶縁膜UPと側壁絶縁膜SWとからなる被覆絶縁膜CL、および追加側壁絶縁膜SOxが形成された配線構造LEが形成される。
【0090】
なお
図16、
図17のいずれにおいても、ビット線BLおよび被覆絶縁膜CLの配線構造LEが複数、平面視において互いに間隔を隔てて行方向または列方向に延在(並走)している(
図4参照)。また
図16、
図17のいずれにおいても、互いに隣り合う1対の配線構造LEの間の領域GPに形成されていた絶縁膜SWはすべて(配線構造LEの長手方向すなわち紙面の奥行き方向の全体にわたって)除去されることが好ましい。また
図16、
図17のいずれにおいても、追加側壁絶縁膜SOxは層間絶縁膜II2の上面から一定の高さ分の領域において形成されない態様となる。
【0091】
図18を参照して、
図16または
図17の配線構造LE(
図18〜
図19においては
図16の配線構造LEが図示される)を覆うように、層間絶縁膜II3がCVD法により形成される。その結果層間絶縁膜II3は、配線構造LEを構成する被覆絶縁膜CLの上面を覆い、かつ第1のプラグBS(第1のプラグBSの真上の層間絶縁膜II2の上面)を覆うように形成される。ここで層間絶縁膜II3の一部である層間絶縁膜II3aは、上記のように追加側壁絶縁膜SOx(導電性不純物を含まない通常のシリコン酸化膜)とは異なる材質となるように、たとえばBPTEOSからなる第1領域II3aであることが好ましい(
図8参照)。
【0092】
次に層間絶縁膜II3および層間絶縁膜II2を貫通して第1のプラグBSに達するコンタクトホールSC0が形成される。ここではいわゆる自己整合処理によりコンタクトホールSC0が形成される。
【0093】
具体的には、まず通常の写真製版技術により、コンタクトホールSC0を形成しようとする領域の真上に開口を有するフォトレジストPHRのパターンが形成される。このフォトレジストPHRの開口は、コンタクトホールSC0を形成しようとする領域よりも平面積が大きくなるように形成されてもよい。次にフォトレジストPHRのパターンを用いて自己整合処理により層間絶縁膜II3がエッチングされ、コンタクトホールSC0が形成される。
【0094】
ここで、たとえばコンタクトホールSC0を形成しようとする領域が1対のビット線BLに挟まれた領域であり、フォトレジストPHRが1対のビット線BLに挟まれた領域よりも開口が大きくなるように形成された場合を考える。このとき、フォトレジストPHRの開口内の層間絶縁膜II3および層間絶縁膜II2がシリコン酸化膜のエッチャントにより図の上方から下方に向けてエッチングされ、たとえばエッチングされた層間絶縁膜II3の真下にあるシリコン窒化膜の被覆絶縁膜CLがエッチングのストッパとして機能する。ところが実際には被覆絶縁膜CLがわずかに、具体的には当該エッチャントのシリコン窒化膜とシリコン酸化膜とのエッチング選択比に対応した量だけ図の上方から下方に向けてエッチングされた後、当該シリコン窒化膜のエッチングが終了する。上記のようにエッチングがなされコンタクトホールSC0が形成される処理を自己整合処理という。
【0095】
図18においてはコンタクトホールSC0がフォトレジストPHRの開口に対して図の左右方向に対するずれがないように形成されており、図の左側のビット線BLの位置と右側のビット線BLの位置とのほぼ中間の位置を中心軸とするようにコンタクトホールSC0が形成されている。これに対して、
図19のように仮にフォトレジストPHRの開口の位置が所望の位置より図の左側にずれた場合には、コンタクトホールSC0は
図18と同様に自己整合処理により形成されるが、
図18に比べてその中止軸が左側に寄るように形成される。
図19においても
図18と同様に、シリコン窒化膜CLは層間絶縁膜II3とのエッチング選択比に対応した量だけ図の上方から下方に向けてエッチングされた後にエッチングが終了する。
【0096】
図18または
図19の処理がなされた後、コンタクトホールSC0の内部にたとえば導電性不純物が添加された多結晶シリコンの導電膜が充填される。この処理がCVD法によりなされ、層間絶縁膜II3上にも多結晶シリコンの薄膜が形成される場合には、層間絶縁膜II3上の多結晶シリコンの薄膜はCMPまたはエッチバックにより除去される。このようにして、
図7に示す第2のプラグSCが形成される。
【0097】
なお、層間絶縁膜II3上の多結晶シリコンの薄膜は、そのままパターニングして配線2Gとして用いてもよい。
【0098】
その後、層間絶縁膜II3上において第2のプラグSCの上面に接するように配線2Gが、たとえばCVDにより形成される。配線2Gは、たとえば導電性不純物が添加された多結晶シリコンの導電膜により形成されることが好ましい。
【0099】
以上により
図7または
図10に示す態様が形成される。その後は一般公知の方法により、
図3に示す配線2Gより上側の各層が形成される。
【0100】
次に、
図20〜
図25の比較例を参照しながら、一実施の形態の作用効果について説明する。
【0101】
図20を参照して、比較例においても配線構造LEは、ビット線BLと、被覆絶縁膜CLとを有しており、被覆絶縁膜CLは、上部絶縁膜UPと側壁絶縁膜SWとにより構成される。ただし
図20においては追加側壁絶縁膜SOxが形成されておらず、被覆膜表面CLSが半導体基板SUBの主表面に対して垂直になっていない。被覆膜表面CLSは
図20の断面図においては、下方から上方に向けて徐々に配線構造LEの幅が狭くなる放物線のような形状を描いている。
【0102】
図21および
図7を参照して、
図20に対して
図7と同様に左右方向に位置がずれることなく第2のプラグSCが形成された場合、
図6に対して位置がずれることなく
図7のように第2のプラグSCが形成された場合と比べて、第2のプラグSCとビット線BLとの距離が短くなっている。
図22および
図10を参照して、
図20に対して
図10と同様に位置がずれた場合についても、上記と同様に、
図10と比べて第2のプラグSCとビット線BLとの距離が短くなっている。その他の構成については、
図20〜
図22の比較例においてはすべて一実施の形態と同様であるとする。
【0103】
上記の比較例の製造方法については、
図23を参照して、一実施の形態の
図11〜
図13と同様の処理がなされた後、被覆絶縁膜CLが異方性エッチング(いわゆるエッチバック)される。この処理により絶縁膜UPは上方が丸く尖った上部絶縁膜UPとなり、絶縁膜SWは上方から下方に向けて幅が広がった(表面CLSが層間絶縁膜IIに対して垂直とならない)ビット線BLの側壁絶縁膜SWとなる。これらの絶縁膜UP,SWを合わせた被覆絶縁膜CLは、上部絶縁膜UPの表面と側壁絶縁膜SWの表面とが滑らかに連続した放物線状の被覆膜表面CLSとなる。このようにして配線構造LEが形成される。
【0104】
比較例の製造方法においては一実施の形態のような追加側壁絶縁膜SOxを形成するための絶縁膜SOx(
図14参照)が形成されない。このため絶縁膜UP,SWはその上下方向に関する厚みに応じて異方性エッチングされるため、
図23に示す断面形状を呈する。
【0105】
以上の配線構造LEに対して
図18と同様に位置ずれすることなくコンタクトホールSC0が形成された態様が
図24であり、以上の配線構造LEに対して
図19と同様に位置ずれしたコンタクトホールSC0が形成された態様が
図25である。
【0106】
図26を参照して、一実施の形態と比較例とにおいて、形成されるビット線BLの形状および寸法、絶縁膜UP,SWの(エッチングされる前の)厚みおよび形状、ならびに隣り合うビット線BL間の間隔GPが等しいとする。一実施の形態において形成される被覆絶縁膜CL1の表面の、半導体基板SUBの主表面(層間絶縁膜II2の上面)に対する角度をα、比較例において形成される被覆絶縁膜CL2の表面の上記角度をα’とすれば、α’<αである。αは90°であることが好ましいが、ビット線BLの側壁の断面形状が半導体基板SUBの主表面に対して完全に垂直ではないことと、プロセスのばらつきが存在することとから、上記のように、85°≦αであれば、αを垂直であるとみなす。
【0107】
このため一実施の形態の配線構造の、層間絶縁膜II2の表面における隣り合う上記被覆絶縁膜CL1の間隔をGP1とし、比較例の配線構造の上記と同様の間隔をGP2とすれば、一実施の形態と比較例とのビット線BL上の膜厚が同じすなわちb=b’とする場合、GP1>GP2となる。すなわち一実施の形態のように被覆絶縁膜CL1の表面CLSが層間絶縁膜II2の表面に対して垂直となるように形成されれば、上記間隔GP1を広くすることができる。
【0108】
したがって、たとえばビット線BLが形成される層と同一の層である層間絶縁膜II3、およびその直下の層間絶縁膜II2を貫通してさらにその下の第1のプラグBSに達する必要がある深いコンタクトホールSC0を形成する場合において、たとえば所望の深さまでエッチングが到達せず下方にて所望の開口部が得られなくなり、第2のプラグSCの導通不良を起こすなどの不具合が抑制できる。
【0109】
ただしたとえば垂直な表面CLSが層間絶縁膜II2の表面近傍のごく下方の領域のみにおいて実現されていても、それより上方の領域において垂直な表面CLSが実現されていなければ、垂直な表面CLSを有する領域が少ないために垂直な表面CLSとしての、十分な広さを有する開口部を得るという効果を十分に得ることができない。そのため結果的にコンタクトホールSC0の開口不良が発生する可能性がある。このため垂直な表面CLSは少なくとも
図9の寸法xだけ被覆膜最上部CLTから下方の位置よりも下方の領域の全体において実現されることが好ましい。このようにすれば、垂直な表面CLSを有する領域が十分に存在するために、所望の深さまで到達し、十分な平面積を有するコンタクトホールSC0の開口部を確実に形成することができるという効果が大きくなる。
【0110】
また一実施の形態のように垂直な表面CLSを有する被覆絶縁膜CLを形成すれば、GP1=GP2の場合に、比較例の被覆絶縁膜CLに比べて、ビット線BLよりも外方に位置する被覆絶縁膜CLの部分の、
図26の左右方向の厚みが
図16、
図17のいずれにおいても(特にビット線BLの上方において)厚くなる。ビット線BLよりも上方の領域すなわちコンタクトホールSC0の形成時に被覆絶縁膜CLが層間絶縁膜II3とのエッチング選択比に応じてエッチングされやすい領域において、被覆絶縁膜CLは特に左右方向の厚みが厚くなる傾向がある。
【0111】
このため、
図18などに示すコンタクトホールSC0を形成するために自己整合処理により被覆絶縁膜CLが層間絶縁膜II3とのエッチング選択比に応じて上方から下方に向けてエッチングされても、当該エッチングによりビット線BLの側面の一部が露出する可能性を低減することができる。したがって、コンタクトホールSC0内に導電膜が充填されて第2のプラグSCが形成される際に、第2のプラグSCとビット線BLとが短絡する可能性を低減し、当該部分の信頼性を向上することができる。
【0112】
また一実施の形態においては、比較例に比べて、ビット線BLの上側に位置する被覆絶縁膜CLの部分の、
図26の上下方向の厚みが(特にビット線BLの外方において)厚くなる。被覆絶縁膜CLのより外方の領域すなわち被覆膜表面CLSに近い領域において特に、被覆絶縁膜CLの部分の、
図26の上下方向の厚みが厚くなる。
【0113】
このため、
図18などに示すコンタクトホールSC0を形成するために自己整合処理により被覆絶縁膜CLが層間絶縁膜II3とのエッチング選択比に応じて上方から下方に向けてエッチングされても、当該エッチングによりビット線BLの上面の一部が露出する可能性を低減することができる。したがって、コンタクトホールSC0内に導電膜が充填されて第2のプラグSCが形成される際に、第2のプラグSCとビット線BLとが短絡する可能性を低減し、当該部分の信頼性を向上することができる。
【0114】
図9を再度参照して、一実施の形態においてはb≧0.95aであることが好ましいが、比較例における、一実施の形態における
図9の寸法bに相当する寸法をb’とすれば、b>b’であり、b’<0.95aとなる可能性がある。また一実施の形態においてはd≧0.86cであることが好ましいが、比較例においては被覆膜表面CLSが半導体基板SUBの主表面に対して垂直でないため、dを定義できない。
【0115】
b≧0.95aおよびd≧0.86cの条件を満たす一実施の形態においては、ビット線BLの上面を覆う被覆絶縁膜CLの上面TU(被覆膜表面CLSの一部である)が半導体基板SUBの主表面に平行な平面に近い態様となる。このためビット線BLの上面を覆う被覆絶縁膜CLの部分の、
図26の上下方向の厚みが比較例よりも厚くなる。このため上記と同様の理論により、第2のプラグSCとビット線BLとの短絡を抑制することができる。
【0116】
以上に示す垂直な部分を有する被覆膜表面CLS、および半導体基板SUBの主表面に平行な平面に近い被覆膜表面CLSは、
図14〜
図16の各工程により実現できる。すなわち一実施の形態の製造方法においては、ビット線BLおよび被覆絶縁膜CLの側壁を覆い、被覆絶縁膜CLとは材質が異なる絶縁膜SOxが、ビット線BLの側壁を覆うように形成され、それが残された状態で、他の領域の絶縁膜SOxおよび絶縁膜SWが除去される。すなわち絶縁膜SOxが残されることによりこれに覆われるビット線BLおよび被覆絶縁膜CLの側壁が保護されるため、ビット線BLおよび被覆絶縁膜CLの側壁はほとんどエッチングされることがない。
【0117】
一般公知の方法により形成されるビット線BLの側面は層間絶縁膜II2の表面にほぼ直交する。このため、追加側壁絶縁膜SOxに保護されエッチングされることがないために最終的にビット線BLの側面に残る側壁絶縁膜SWの表面CLSは、層間絶縁膜II2の表面にほぼ直交する。すなわち表面CLSは半導体基板SUBの主表面に対して垂直になる。
【0118】
またたとえば
図16の工程において第1のプラグBSの真上に位置する絶縁膜SWなどが除去されるのと同時にビット線BLの真上の絶縁膜SW,UPが除去される場合、第1のプラグBSの真上に位置する絶縁膜SWは図の上方から下方に向けてエッチングされるため、ビット線BLの真上の絶縁膜SW,UPも図の上方から下方に向けてエッチングされる。一般公知の方法により形成されるビット線BLの上面は層間絶縁膜II2の表面にほぼ平行になる。このため、
図16の工程の後にビット線BLの上面を覆うように位置する被覆絶縁膜CLの表面CLSは、層間絶縁膜II2の表面に平行に近い態様になる。
図16の工程の後にビット線BLの上面を覆うように位置する被覆絶縁膜CLの表面CLSは、層間絶縁膜II2の表面に平行に近い態様になり、b≧0.95aおよびd≧0.86cの条件を満足することができる。
【0119】
なお表面CLSと層間絶縁膜II2とが完全に平行である場合には、b=aかつd=cの関係になる。しかし実際には、ビット線BLの上方の被覆絶縁膜CLもエッチングされることにより寸法がaの値の5%以内の範囲でばらつくため、b≧0.95aとなる。また層間絶縁膜II2の表面から被覆膜表面CLSまでの高さを表すcおよびdについては、寸法のばらつきの誤差がcの値の10%以内の範囲で発生し、かつ
図16の工程のエッチング時に寸法がcの値の10%以内の範囲で発生する。上記両者の平方和である14%以内の範囲で、cの値に対して誤差が発生するため、d≧0.86cとなる。
【0120】
その他、一実施の形態においては、平面視における配線構造LEの延在する方向の全体にわたって、互いに隣り合う1対の配線構造LEの間隔には第1の絶縁膜が形成されていない。すなわち
図16の工程において、領域GPの絶縁膜SWはすべて除去される。このようにすれば、
図4(A)に示すように、配線構造LEの配置されない領域内のどこからでも導電層としてのコンタクトBS,CGを取り出すことができる。また、互いに隣り合う1対の配線構造LEに挟まれた領域には第1の絶縁膜が形成されない。このため、コンタクトホールSC0の開口時に1対の配線構造LEに挟まれた領域の第1の絶縁膜(絶縁膜SWなど)をエッチングする必要がない。したがってコンタクトホールSC0の開口時の第1の絶縁膜のエッチング量を低減することができる。
【0121】
また、追加側壁絶縁膜SOxが被覆絶縁膜CLと異なる材質となれば、被覆絶縁膜CLと追加側壁絶縁膜SOxとの間でのエッチング選択比を確保し、被覆絶縁膜CLを追加側壁絶縁膜SOxに対するエッチングストッパとすることができる。
【0122】
さらに、追加側壁絶縁膜SOxが層間絶縁膜II3(層間絶縁膜II3a)とは異なる材質となれば、追加側壁絶縁膜SOxと層間絶縁膜II3aとの間でのエッチング選択比を確保し、追加側壁絶縁膜SOxを層間絶縁膜II3aに対するエッチングストッパとすることができる。このため追加側壁絶縁膜SOxが被覆絶縁膜CLおよびビット線BLをエッチングから保護する機能を有する。
【0123】
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。