(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、コントローラから出力される制御条件情報に基づいて仕様の異なるサーボモータを制御する制御方法が、種々提案されている(例えば、特許文献1)。
しかしながら、特許文献1は、予め記憶されているモータに係わる情報に基づき、ユーザの入力に従ってモータの駆動条件を読み取りサーボモータを制御するものである。そのため、モータ等の仕様を予め記憶させておかなければ、定格出力の異なるサーボモータを単一のサーボアンプによって制御することは不可能である。
【0006】
また、上述のモータ駆動システムを用いて、例えば、主ホッパから計量ホッパへ液体や粉状体などの被計量物を供給する際に開く投入ゲートの開閉制御を行う場合、充填装置の設計仕様(減速機の減速比や投入ゲートの開閉速度など)に応じて、モータ駆動システム側で、モータに出力するパルス信号の数や周期の演算を行う必要があったため、この演算プログラムが複雑なものになっている。
さらに、ユーザ側で性能の異なるモータの使用を希望する場合や、コスト削減のために異種モータを使用したい場合がある。
【0007】
ところが、従来のモータ駆動システムでは、アンプやモータを交換する場合はコントローラも一対で交換しなければならない。そのため、各種産業機械の制御に、従来のモータ駆動システムを用いる場合、コントローラに適合したものでなければ、アンプやモータの選定をすることができず、アンプやモータを交換する際には、合わせてコントローラまで交換しなければならならなかった。従って、アンプやモータを交換する場合には、コストが高くなりメンテナンス性に劣るという問題点が指摘されていた。
【0008】
そこで、本発明の目的は、アンプやモータ、産業機械の仕様を設定するだけで、同一の制御装置でアンプやモータ、産業機械の組み替えが可能であり、かつ、これらの種類を問わず、ユーザが希望する通りに産業機械を駆動させることができる制御装置およびこれを備えた産業機械を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成すべく、請求項1の制御装置は、アンプにモータを駆動させる制御信号を送る制御装置であって、
前記モータは、当該モータを駆動させることで被計量物が投入される主ホッパの投入ゲートの開度を制御して、所望の重量を容器に充填する充填装置に用いられ、前記アンプの最大入力パルス数PM、前記モータの定格回転速度STおよび最大回転速度SM、前記モータの減速比のパラメータが入力または設定され、前記モータの1回転当たりの出力パルス数Prevを、
INpls = PM×(
ST/
SM)
Prev=INpls/ST
の関係により演算し、求めた前記Prevの値に前記モータの減速比を乗算し、該乗算値に応じたパルス信号を前記アンプに対して出力することにより、前記モータを駆動させ
、前記パラメータは、前記投入ゲートの全開時の前記モータの回転数または前記モータへの出力パルス数が入力または設定されている。
請求項1の制御装置によれば、アンプ、モータ、産業機械のパラメータが入力または設定されることで、任意のアンプ、モータ、産業機械を選択して使用することが可能になる。
また、パラメータとして、
充填装置の主ホッパの投入ゲートの全開時のモータの回転数またはモータへの出力パルス数が入力または設定されるので、モータの稼動範囲を取得できる。
【0011】
請求項
2の制御装置は、請求項
1に記載の制御装置において、演算部と入出力インターフェースとを有し、前記演算部により、前記パラメータに応じた前記モータの1回転当たりの出力パルス数Prevを演算し、求めた前記Prevの値に前記モータの減速比を乗算し、この演算結果を受けて前記入出力インターフェースは、当該パラメータに応じた前記パルス信号を生成している。
請求項
2の制御装置によれば、演算部で減速比を含めたモータの制御信号を作成し、該制御信号により、入出力インターフェースはパラメータに応じたパルス信号を生成することができる。
【0012】
請求項
3の制御装置は、請求項1
または請求項
2に記載の制御装置において、前記モータは、サーボモータである。
請求項
3の制御装置によれば、モータは、サーボモータであるので、精密な回転のサーボ制御を行うことができる。
【0013】
請求項
4の制御装置は、請求項1から請求項
3の何れか一項に記載の制御装置において、前記モータの運転の異常を検知する異常発生検知部と、前記モータの運転の異常が発生した場合に報知する異常発生報知部とを備えている。
請求項
4の制御装置によれば、異常発生検知部と異常発生報知部とを備えるので、モータの運転が正常でないことを、ユーザが認識できる。
【0014】
請求項
5の産業機械は、請求項1から請求項
4の何れか一項に記載の制御装置を具備している。
請求項
5の産業機械によれば、請求項1から請求項
4の何れか一項に記載の制御装置の効果を奏する。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、アンプやモータ、産業機械の仕様を設定するだけで、同一の制御装置でアンプやモータ、産業機械の組み替えが可能であり、かつ、これらの種類を問わず、ユーザが希望する通りに産業機械を駆動させることができる制御装置およびこれを備えた産業機械を実現できる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照して説明する。
図1は、実施形態の充填装置1を示す正面図であり、充填装置1の投入ゲート2gが“閉”状態、排出ゲート3gが“閉”状態を示す。
図2は、充填装置1の投入ゲート2gが“開”状態、排出ゲート3gが“閉”状態を示す。
図3は、充填装置1の投入ゲート2gが“閉”状態、排出ゲート3gが“開”状態を示す。
【0019】
実施形態の充填装置1は、流動性の高い液体から粉状体などの被計量物hを、予め定められた所定重量、計量ホッパ3から袋fなどの容器に充填し、所定重量の被計量物hを取り出すための装置である。充填装置1は、被計量物hが、お米や、それよりも粒子の細かい小麦粉などの充填に好適である。なお、これに限定されず粘性の高い液状体のものを使用することができる。
本発明は、充填装置1において、主ホッパ2から計量ホッパ3へ被計量物hを供給する際に開く投入ゲート2gの開閉制御に係る。
【0020】
充填装置1は、被計量物hが供給される主ホッパ2と、被計量物hが主ホッパ2から供給されその量が計量される計量ホッパ3と、計量ホッパ3内の被計量物hの重量を計測するロードセル4とを備えている。
【0021】
主ホッパ2の下部には、収容された被計量物hを計量ホッパ3に供給する際に開く投入ゲート2gが開閉自在に設けられている。投入ゲート2gは、サーボモータ5の駆動により、スライダレバー5aを介して、開閉される。
【0022】
投入ゲート2gは、機体1bの支軸1b0に枢設されている。サーボモータ5の軸にはクランク5bが設けられており、該クランク5bとスライダレバー5aとで構成される往復スライダクランク機構がサーボモータ5の軸に接続されている。
【0023】
スライダレバー5aの一端部は、クランク5bに回転自在に接続されており、スライダレバー5aの他端部は、投入ゲート2gに回転自在に接続されている。
図2に示すように、サーボモータ5を駆動させることで、スライダレバー5aを矢印α1方向に移動させて投入ゲート2gが開放され、主ホッパ2内の被計量物hが計量ホッパ3内に投入される。なお、
図2では、投入ゲート2gを全開状態に開いた場合を示している。
【0024】
一方、投入ゲート2gが開放された状態から、スライダレバー5aを矢印α2方向に移動させることで投入ゲート2gが閉塞され、主ホッパ2内の被計量物hの計量ホッパ3内への投入が停止される(
図3参照)。
【0025】
計量ホッパ3の下部には、計量された被計量物hを袋fなどに排出するための排出ゲート3gが開閉自在に設けられている。
排出ゲート3gを駆動するための駆動手段として、シリンダ6が設けられている。排出ゲート3gは、空気圧シリンダなどのシリンダ6の伸縮によって駆動され、全閉または全開される。
【0026】
なお、本実施形態では、シリンダ6として、空気圧式のものを採用しているが、シリンダ6は、空気圧式のものに限定されず、油圧式等であってもよい。また、排出ゲート3gの開閉は、モータを用いて行ってもよい。
図1のシリンダ6の矢印α3に示すように、シリンダ6を伸張することにより、排出ゲート3gが閉塞される。一方、
図3の矢印α4に示すように、シリンダ6を収縮することにより、排出ゲート3gが開放され、計量ホッパ3内の被計量物hが袋fなどに排出される。
【0027】
<投入ゲート開閉制御システムS>
次に、充填装置1の投入ゲート2gの開閉を制御する投入ゲート開閉制御システムSについて説明する。
図4は、充填装置1の投入ゲート2gの開閉を制御する投入ゲート開閉制御システムSのブロック図である。
図5は、投入ゲート開閉制御システムSの信号や動力などの入出力を示す投入ゲート開閉制御システムSの機能ブロック図である。
【0028】
投入ゲート開閉制御システムSは、上述の充填装置1と、サーボモータシステムS1と、制御装置7とを具備している。
制御装置7には、タッチパネルや押し釦などの入力装置9と、7セグメントなどの表示装置10とが接続されている。
【0029】
充填装置1の減速機1G(
図4参照)は、サーボモータ5の軸と投入ゲート2gとの間に設けられる。
なお、減速機1Gの減速比は、投入ゲート2gが支軸1b0廻りの回転に対して、サーボモータ5をどの位回転させる必要があるかで決定される。換言すれば、投入ゲート2gの回転に対するサーボモータ5の回転の比率である。
【0030】
サーボモータシステムS1は、前記したサーボモータ5と、サーボアンプ8とを備えている。
図1〜
図3に示すように、サーボモータ5は、減速機1Gを介して、投入ゲート2gを機体1bの支軸1b0廻りに回動させ、前記した投入ゲート2gの閉塞、開放を遂行する。
サーボモータ5は、その回転位置を検出するエンコーダ5eを有しており、エンコーダ5eは、サーボモータ5の回転位置を示す位置検出信号を入出力インターフェース7bに出力する。
【0031】
図5に示すように、サーボアンプ8は、制御装置7の入出力インターフェース7bからの制御信号(パルス信号)に対応した駆動信号(パルス信号)をサーボモータ5に出力する。
制御装置7は、不図示のマイクロコンピュータのCPU7aと、入出力インターフェース7bとを備えている。CPU7aとサーボアンプ8は入出力インターフェース7bを介して接続される。
【0032】
CPU7aは、ROM(Read Only Memory)などのメモリに格納される制御プログラムをRAM(Random Access Memory)にロードし実行し、投入ゲート開閉制御システムSの制御が具現化される。
【0033】
入出力インターフェース7bは、サーボモータ制御用インターフェースボードであり、モータコントロール用LSIが実装されている。
入出力インターフェース7bは、モータ制御パルス発生回路、モータ回転数検知回路などを有している。
【0034】
モータ制御パルス発生回路は、CPU7aを含むマイクロコンピュータから出力されるモータ制御信号を、これに対応するパルス信号を発生させて、サーボアンプ8に出力する。
モータ回転数検知回路は、エンコーダ5eから位置検出信号が入力され、サーボモータ5の回転情報を、CPU7aを含むマイクロコンピュータに送る。
【0035】
CPU7aは、エンコーダ5eからのモータ回転数の情報に基づき、サーボモータ5の回転がモータ制御信号通りに行われているか否か判定する。例えば、充填装置1に物がはさまった場合などサーボモータ5の回転がモータ制御信号通りに行われていない場合には、異常発生情報を発生させる。そして、表示装置10で“異常”表示したり、入出力インターフェース7bに異常発生信号を送り、入出力インターフェース7bにより不図示の異常発生部で異常発生の警報を鳴らす信号を発生する。その他、ユーザへの電子メールやFAXなどの電子連絡を、不図示の電子連絡手段で行うように構成してもよい。
【0036】
また、制御装置7は、説明した投入ゲート開閉制御システムS以外に、シリンダ6の不図示の駆動部に対して、制御信号を出力することでシリンダ6の伸縮動作を制御する。シリンダ6の伸縮動作により、計量ホッパ3下部の排出ゲート3gの開閉が制御される。
さらに、制御装置7は、計量ホッパ3内の被計量物hの重量を計測したロードセル4からの計測信号を入力し、計量ホッパ3内の被計量物hの重量の推移を取得する。
【0037】
<投入ゲート開閉制御システムSの制御装置7のアルゴリズム>
次に、制御装置7のアルゴリズムについて説明する。
本実施形態(本発明)の特徴は、任意のサーボアンプ8、サーボモータ5を使用可能である点に特徴がある。そこで、以下のアルゴリズムを採用している。
【0038】
サーボアンプ8への出力パルス数は、その先に接続されるサーボモータ5、減速機1Gに依存する。
そのため、任意のサーボアンプ8、サーボモータ5を使用可能とするためには、それらの組み合わせに極力依存しない出力パルスを演算する仕組みが必要である。
【0039】
ここでいう出力パルスとは、制御装置7からサーボアンプ8に入力するパルスのことであり、サーボアンプ8の仕様書にある「入力パルス」と同義である。
ユーザが、サーボモータ5とサーボアンプ8を選定した時点で、サーボモータ5の最大回転速度、定格回転速度、エンコーダ5eの出力、サーボアンプ8の最大出力パルス周波数が決定する。なお、サーボモータ5の定格回転速度とは常用できる最大の回転速度である。
【0040】
例えば、
条件(1):
サーボモータ5の場合、
最大回転速度Sm:6,000rev/min
定格回転速度St:3,000rev/min
エンコーダ最大出力Em:4,194,304(22bit)
【0041】
条件(2):
サーボアンプ8の場合、
最大出力パルス周波数Pm:4MHz
【0042】
上記サーボモータ5の最大回転速度Smと定格回転速度Stの関係=50%より、
サーボモータ5の定格出力パルス周波数INpls=4MHz×50%=2MHz (1)
とする。
電子ギア比Dg=サーボモータ5のエンコーダ5e最大出力Em/サーボアンプ8の定格出力パルス周波数Pt
=A/B
【0043】
サーボモータ5のエンコーダ5e最大出力Emは、4,194,304であり、
電子ギア比Dg=4,194,304/2,000,000=2.09715 (2)
となる。
この電子ギアは、サーボアンプ8の仕様により以下の範囲で設定可能となる。
電子ギア比Dg=A/B倍
A=1〜16,777,216、B=1〜16,777,216(24bitに相当)
1/10 < A/B < 4,000 (3)
なお、Aの値、Bの値、つまりA/Bの値およびA/Bの範囲はサーボアンプ8の仕様により定まっている。
よって、式(2)で算出した電子ギア比Dgは、2.09715であり、この仕様範囲内であることが分かる。
【0044】
ここで、Aについて考える。
Aの内容はエンコーダ(5e)最大出力Emが、4,194,304(22bit)であり、2進数では、22bit相当である。
また、サーボアンプ8のパルス数の範囲(B=1〜16,777,216)であり、
サーボアンプ8のパルス数の上限は24bit相当、つまり16,777,216は24bitである。
【0045】
サーボモータ5の回転数(投入ゲート2gの開閉量に対応)は、減速比を乗じたものであるため、Aはさらに減速比を乗じるが、サーボアンプ8のパルス数の上限が24bitであり、エンコーダ(5e)最大出力Emが22bitである関係上、サーボアンプ8内での演算では、減速比が1/4までしか対応できなくなる。よって、ここに減速比を乗じる行為は、現実的ではない。
そこで、電子ギア比Dgには減速比を反映させずに、入出力インターフェース7bからの出力に対して、CPU7aからの出力の最後段で減速比を乗じた値を出力することにする。
【0046】
具体的には、
サーボモータ5の1回転当たりのサーボアンプ8からの出力パルス数(pulses/rev)Prevは、
定格モータ回転速度OUTspd(rev/min)=定格モータ回転速度St/60(rev/sec) (……登録(1)) (4)
と定格出力パルス周波数(pulses/sec)INpls (……登録(2))
の関係から、下式(5)により算出できる。
Prev=INpls/OUTspd (5)
【0047】
式(5)と条件(1)、条件(2)とから、
Prev=2,000,000/(3,000/60)=40,000(pulses/rev)
となる。
これにより、サーボモータ5の1回転に必要とする出力パルス数Prevを定数に持つことができ、座標算出時の指標とする。
【0048】
さらに、Prevに前記した減速比を乗じることで、サーボモータ5に与える最終的な出力パルス数(CPU7a側からみた場合は出力パルス数)を算出することができる。
減速比は減速機1Gの選定時点で確定するが、上記仕組みを成立させるためにユーザが制御装置7のメモリにCPU7aを介して登録する必要がある。
また、登録(1)、登録(2)をユーザが設定可能とすれば、サーボアンプ8、サーボモータ5の選定範囲も広がる。
【0049】
後は、投入ゲート2gを全開にした時のサーボモータ5の回転数、または、サーボモータ5への出力パルス数をユーザが登録すれば、その機器における出力パルス数の上限と指定位置に対する操作量(サーボモータ5の回転数)が確定する。
【0050】
<投入ゲート開閉制御システムSの制御装置7の制御フロー>
次に、制御装置7の制御フローについて説明する。
図6は、制御装置7の制御フロー図である。
ユーザが充填装置1の使用を開始する際や、サーボモータ5および/またはサーボアンプ8を交換した場合には、以下の制御装置7の制御が遂行される。
【0051】
まず、ユーザは、入力装置9に、選定した充填装置1、サーボアンプ8、サーボモータ5に基づき、
サーボアンプ8の仕様である最大入力パルス数(最大出力パルス周波数)Pm(Hz)、
サーボモータ5の仕様である定格回転速度St(rev/min)、最大回転速度Sm(rev/min)、
充填装置1の仕様である減速機1Gの減速比、投入ゲート2g全開時(
図2参照)のサーボモータ5の回転数(rev)、または、その時のサーボモータ5への出力パルス数を入力する。これら入力装置9に入力されたデータは、制御装置7のCPU7aに送られる(
図6のS11)。
【0052】
なお、ユーザが最初に充填装置1の使用を開始するに際しては、デフォルト値を設定しておき、
図6のS11のステップは行わないようにしてもよい。
【0053】
その後、計量開始(充填開始)の信号がトリガとなり、入力装置9に入力されたデータから、サーボアンプ8に出力すべきパルス数をCPU7aで演算する。
式(1)の関係から、
サーボモータ5への定格出力パルス周波数INpls=Pm×(
St/
Sm) (6)
を用いて、サーボモータ5の定格出力パルス周波数INplsを演算する。
【0054】
サーボモータ5の定格回転速度Stが入力されているので、
式(4)より、
OUTspd = 定格モータ回転速度St/60 (4a)
を用いて、OUTspd(rev/sec)を演算する。
【0055】
そして、式(5)の Prev=INpls/OUTspd の関係により、サーボモータ5の1回転当たりの出力パルスPrev(pulses/rev)が演算され(S12)、Prev値に減速比が乗算される。CPU7aは、該乗算値および投入ゲート2g全開時(
図2参照)のサーボモータ5の回転数(rev)や、その時のサーボモータ5への出力パルス数などを用いて、投入ゲート2gを開閉制御するためのサーボモータ5の制御信号を演算する。
【0056】
これにより、CPU7aの演算結果を受けて、入出力インターフェース7bがパルス信号を生成し(S13)、入出力インターフェース7bからサーボアンプ8にパルス信号が送られ、サーボアンプ8の駆動パルス信号により、サーボモータ5が駆動される(S14)。サーボモータ5の駆動により投入ゲート2gが開閉され、ユーザが希望する通り(仕様通り)の投入ゲート2gの駆動が行われることになる。
【0057】
続いて、サーボモータ5の回転を、エンコーダ5eが検出して、検出結果を位置検出信号として、入出力インターフェース7bのモータ回転数検知回路に送る。モータ回転数検知回路からCPU7aにサーボモータ5の回転情報がもたらされる。CPU7aでは、サーボモータ5の回転が指示のパルス信号通り行われているか否か判定する(S15)。
【0058】
サーボモータ5の回転が指示のパルス信号通り行われていないと判定された場合(S15でNo)、サーボモータ5の駆動を停止する。
そして、CPU7aが異常発生情報を発生させ、表示装置10で“異常”を表示したり、CPU7aを介して異常発生部で異常発生の警報を鳴らしたり、電子メールやFAXなどで“異常発生”の電子連絡を行い、サーボモータ5の運転異常を報知する(S16)。
【0059】
一方、サーボモータ5の回転が指示のパルス信号通り行われていると判定された場合(S15でYes)、S15でのサーボモータ5の回転が指示のパルス信号通り行われているか否かの判定が継続される。
【0060】
説明した本実施形態は以下のような効果を奏する。
(1)選定したアンプ(8)、モータ(5)、充填装置1に応じて、それらの仕様値をユーザが制御装置7に登録するだけで、選定した機器を仕様通りに制御することが可能となる。
(2)制御装置7に入出力インターフェース7bを実装することにより、パルス信号の入出力が可能になるため、異なる機種のモータであっても同一の制御装置7に各種仕様値を入力するだけで、殆どのモータの制御が可能となる。
【0061】
(3)任意のアンプ、モータ、充填装置1を選定できるようになり、装置全体のシステム(機構)を、設置スペースに合わせて体格(サイズ)や重量などに見合った選定をすることが可能となる。さらに、希望する精度や性能などについても、要求仕様を満たすものを選定して体格の異なるモータに組み替えることができる。
【0062】
(4)低価格なモータへの取り換え、例えば、サーボモータ5からステッピングモータへの移管が可能となり、希望に合わせたモータの選定が可能となる。
(5)まとめると、アンプ(8)やモータ(5)、産業機械(1)の仕様を設定するだけで、同一の制御装置7でアンプ(8)やモータ(5)、産業機械(1)の組み替えが可能であり、かつ、これらの種類を問わず、ユーザが希望する通りに産業機械(1)を駆動させることができる制御装置7を実現できる。
【0063】
<<その他の実施形態>>
(1)本実施形態では、モータをサーボモータ5として説明したが、これに限定されない。パルス信号により回転駆動するモータであれば、ステッピングモータであってもよい。
(2)産業機械として、主ホッパ2が開閉する充填装置1を例示して説明したが、モータによる回転駆動により作動し、本発明を適用できる産業機械であれば限定されない。例えば、引張圧縮試験機であってもよい。
【0064】
(3)なお、前記実施形態では、制御装置7に一つのCPU7aを有するマイクロコンピュータ、一つの入出力インターフェース7bを有する場合を例示したが、制御装置7内のCPU7a、入出力インターフェース7bの数は任意に選択して構成してもよい。
(4)なお、前記実施形態では、ユーザが入力装置9を用いて各種情報を入力する場合を例示したが、これらの情報はユーザなどが入力することなく、他システムからシステム的に自動設定する構成としてもよい。
【0065】
(5)なお、次元を揃えることで、式(4)、式(4a)を用いることなく構成してもよい。
【0066】
以上、本発明の様々な実施形態を述べたが、本発明の範囲内で様々な修正と変更が可能である。すなわち、本発明の具体的形態は、発明の趣旨を変更しない範囲において適宜、任意に変更可能である。