(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
請求項1に記載の開閉体用付属部材の取付構造において、前記ねじ部材の前記先端が当たる前記開閉体の部分の表面は、小さい凹凸が設けられた粗面状となっていることを特徴とする開閉体用付属部材の取付構造。
請求項1又は2に記載の開閉体用付属部材の取付構造において、前記当接部は、間隔をあけて設けられた第1当接部と第2当接部の少なくとも2個あることを特徴とする開閉体用付属部材の取付構造。
請求項3に記載の開閉体用付属部材の取付構造において、前記第2当接部は、前記第1当接部よりも前記ねじ部材に遠い箇所に設けられており、前記開閉体には、前記第2当接部と共に前記付属部材を挟着するための挟着部が設けられていることを特徴とする開閉体用付属部材の取付構造。
請求項4に記載の開閉体用付属部材の取付構造において、前記挟着部における前記付属部材が接触する表面は、小さい凹凸が設けられた粗面状となっていることを特徴とする開閉体用付属部材の取付構造。
請求項1〜5のいずれかに記載の開閉体用付属部材の取付構造において、前記付属部材は、前記開閉体を施錠するための施錠装置用部材であることを特徴とする開閉体用付属部材の取付構造。
請求項6に記載の開閉体用付属部材の取付構造において、前記施錠装置は、前記開閉体に運動自在に配置された係止部材と、前記開閉体に対して不動となっている不動部材に配置され、前記係止部材が係止、離脱自在となっているとともに、前記係止部材が係止することで前記開閉体の開閉移動が阻止されてこの開閉体が施錠される被係止部材と、前記開閉体にロック装置本体が配置されているとともに、操作部材が操作されることで前記ロック装置本体に対して運動するロック部材を有し、このロック部材によって前記被係止部材に対する前記係止部材の前記係止と前記離脱が選択されるロック装置と、を備えており、
前記付属部材である前記施錠装置用部材は、前記ロック装置本体又はこのロック装置本体に結合されているベース部材であることを特徴とする開閉体用付属部材の取付構造。
請求項6に記載の開閉体用付属部材の取付構造において、前記施錠装置は、前記開閉体に運動自在に配置された係止部材と、前記開閉体に対して不動となっている不動部材に配置され、前記係止部材が係止、離脱自在となっているとともに、前記係止部材が係止することで前記開閉体の開閉移動が阻止されてこの開閉体が施錠される被係止部材と、前記開閉体にロック装置本体が配置されているとともに、操作部材が操作されることで前記ロック装置本体に対して運動するロック部材を有し、このロック部材によって前記被係止部材に対する前記係止部材の前記係止と前記離脱が選択されるロック装置と、前記係止部材と前記ロック装置の前記ロック部材との間に配置され、前記ロック装置の前記ロック装置本体に対して移動自在となっている移動部材と、を備えており、
前記付属部材である前記施錠装置用部材は、前記移動部材の移動を案内するための案内部材であることを特徴とする開閉体用付属部材の取付構造。
請求項7又は8に記載の開閉体用付属部材の取付構造において、前記開閉体はシャッターカーテンであり、前記不動部材は前記シャッターカーテンの開閉移動を案内するためのガイドレールであることを特徴とする開閉体用付属部材の取付構造。
請求項1〜9のいずれかに記載の開閉体用付属部材の取付構造において、前記付属部材は複数個あり、前記当接部は、これらの付属部材に跨る長さを有しており、この当接部は、前記複数個の付属部材について共通して前記開閉体に設けられている部分となっていることを特徴とする開閉体用付属部材の取付構造。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
シャッターカーテンに施錠装置用部材等の付属部材を取り付けることは、ビスやリベット等の止着具により行うことができるが、この止着具がシャッターカーテンの厚さ方向の表裏両面を貫通するものであって、シャッターカーテンへの付属部材の取付構造が、シャッターカーテンの表裏両面で作業を行わなければならないものになっていると、この取付作業が面倒で時間がかかるものとなるため、好ましくない。
【0005】
本発明の目的は、開閉体への付属部材の取付作業を、開閉体の厚さ方向の表裏両面のうち、一方の面だけからで行うことが可能となり、作業の効率化を図ることができるようになる開閉体用付属部材の取付構造を提供するところにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る開閉体用付属部材の取付構造は、開口部を開閉する開閉体に、この開閉体のための付属部材を取り付けるための開閉体用付属部材の取付構造において、前記付属部材に形成されたねじ孔に螺入されてこのねじ孔を貫通し、先端が前記開閉体に当たるねじ部材と、前記開閉体に形成され、前記先端が前記開閉体に当たった前記ねじ部材をさらに回転させることによりこのねじ部材の前進方向とは逆方向に移動した前記付属部材を当接させるための当接部と、を含んで構成されていることを特徴とするものである。
【0007】
この開閉体用付属部材の取付構造では、付属部材に形成されたねじ孔にねじ部材を螺入して貫通させ、このねじ部材の先端が開閉体に当たった後もねじ部材をさらに回転させると、付属部材はねじ部材の前進方向とは逆方向に移動し、この移動により付属部材は、開閉体に形成されている当接部に当接することになり、これにより、付属部材は、ねじ部材と当接部とによる挟着作用により開閉体に取り付けられる。
【0008】
そして、このような付属部材の開閉体への取付作業は、開閉体の厚さ方向の表裏両面のうち、前記当接部が形成されている一方の面から、ねじ部材を回転させる作業を行うことにより実施できるため、付属部材を開閉体に取り付ける作業を、この開閉体の厚さ方向の表裏両面で行う必要がなく、一方の面だけからで行うことが可能となり、このため、作業の効率化を図ることができるようになる。
【0009】
また、ねじ部材は、開閉体の表裏両面を貫通するものではないため、開閉体の厚さ方向の表裏両面のうち、前記当接部が形成されていない他方の面を、例えば、平滑面の状態とすることができ、これにより、開閉体の外観性を向上させることができる。
【0010】
なお、ねじ部材は、ビスでもよく、ボルトでもよく、上述のねじ孔に螺入されて貫通するものであれば、外周面に雄ねじが形成された任意の部材でよい。
【0011】
また、ねじ部材の先端が当たる開閉体の部分は、この開閉体自体の一部でもよく、開閉体に配置された部材等でもよい。
【0012】
以上の本発明において、ねじ部材の前記先端が当たる開閉体の部分の表面は、平坦面状でもよく、あるいは、小さい凹凸が設けられた粗面状でもよい。
【0013】
後者によると、付属部材のねじ孔に螺入されて貫通したねじ部材の先端は、表面が粗面状となって開閉体に設けられた部分に当たり、粗面状の表面は、ねじ部材の先端との間で大きな摩擦力を生じさせるため、ねじ部材が、例えば、開閉体の開閉移動時や閉鎖時の衝撃等によって緩む方向へ回転してしまうことを防止でき、これにより、ねじ部材と当接部との挟着作用による付属部材の開閉体への取り付けを一層確実に行うことができるようになる。
【0014】
また、本発明において、当接部の個数は、1個でもよく、あるいは、複数個でもよい。すなわち、当接部の個数を、間隔をあけて設けられた第1当接部と第2当接部の少なくとも2個としてもよい。
【0015】
このように当接部の個数を、間隔をあけて設けられた複数個とする場合には、それぞれの当接部のためのねじ部材を用意してもよい。
【0016】
また、当接部の個数を、間隔をあけて設けられた第1当接部と第2当接部の少なくとも2個とする場合には、第2当接部を、第1当接部よりもねじ部材に遠い箇所に設けるとともに、開閉体には、第2当接部と共に付属部材を挟着するための挟着部を設けてもよい。
【0017】
これによると、第2当接部は挟着部と共に付属部材を挟着するため、第2当接部のためのねじ部材を用意する必要がなくなり、これにより、ねじ部材の個数の削減や、実施しなければならないねじ部材の回転作業工数の削減を達成することができる。
【0018】
また、上述のように、開閉体に、第2当接部と共に付属部材を挟着するための挟着部を設ける場合には、この挟着部における付属部材が接触する表面を、小さい凹凸が設けられた粗面状としてもよい。
【0019】
これによると、挟着部の粗面状となっている表面は、付属部材との間で大きな摩擦力を生じるため、第2当接部と挟着部とによる付属部材の挟着を一層確実なものとすることができる。
【0020】
本発明に係る取付構造は、開閉体に付属部材として取り付けられる任意の部材について適用することができ、その一例の付属部材は、開閉体を施錠するために開閉体に取り付けられる施錠装置用部材であり、他の例の付属部材は、開閉体に設けられる把持部材等の操作部材をスライド等の移動自在に保持するための保持部材や、開閉体に設けられる窓枠部材である。また、開閉体がシャッター装置のシャッターカーテンであって、このシャッターカーテンに、シャッターカーテンの開閉移動を案内するガイドレールからのシャッターカーテンの抜けを防止するための抜け止め部材を取り付ける場合には、本発明に係る取付構造を、この抜け止め部材をシャッターカーテンに取り付けるためにも適用することができる。
【0021】
また、本発明に係る取付構造を、開閉体を施錠するために開閉体に取り付けられる施錠装置用部材に適用する場合において、この施錠装置は、任意の形態、構造によるものでよい。
【0022】
その一例の施錠装置は、開閉体に運動自在に配置された係止部材と、開閉体に対して不動となっている不動部材に配置され、係止部材が係止、離脱自在となっているとともに、係止部材が係止することで開閉体の開閉移動が阻止されてこの開閉体が施錠される被係止部材と、開閉体にロック装置本体が配置されているとともに、操作部材が操作されることでロック装置本体に対して運動するロック部材を有し、このロック部材によって被係止部材に対する係止部材の係止と離脱が選択されるロック装置と、を備えているものである。このような施錠装置においては、前記付属部材である施錠装置用部材を、ロック装置本体又はこのロック装置本体に結合されているベース部材とすることができる。
【0023】
また、他の例の施錠装置は、開閉体に運動自在に配置された係止部材と、開閉体に対して不動となっている不動部材に配置され、係止部材が係止、離脱自在となっているとともに、係止部材が係止することで開閉体の開閉移動が阻止されてこの開閉体が施錠される被係止部材と、開閉体にロック装置本体が配置されているとともに、操作部材が操作されることでロック装置本体に対して運動するロック部材を有し、このロック部材によって被係止部材に対する係止部材の係止と離脱が選択されるロック装置と、係止部材とロック装置のロック部材との間に配置され、ロック装置のロック装置本体に対して移動自在となっている移動部材と、を備えているものである。このような施錠装置においては、前記付属部材である施錠装置用部材を、移動部材の移動を案内するための案内部材とすることができる。
【0024】
なお、上記移動部材は、ロック装置のロック部材に連結されていて、このロック部材の運動によって移動するものでもよく、あるいは、ロック装置のロック部材に連結されておらず、開閉体に設けられる手掛け部材等の操作部材に連結されていて、この操作部材の操作によって移動するものでもよい。
【0025】
また、本発明に係る取付構造は、任意の開閉体に適用することができ、この開閉体は、例えば、前述したシャッター装置のシャッターカーテンでもよく、玄関ドア等のドアでもよく、引戸装置の扉体等でもよい。
【0026】
本発明に係る取付構造がシャッター装置のシャッターカーテンに適用され、このシャッターカーテンに上述の施錠装置を配置する場合には、上述の被係止部材が配置される不動部材は、シャッターカーテンの開閉移動を案内するためのガイドレールとなる。
【0027】
この場合におけるシャッターカーテンの主要部は、任意のカーテン要素で形成されたものでよく、このカーテン要素は、スラットでもよく、シートでもよく、パネルでもよく、ネットでもよく、リンクで連結されたパイプ等の棒状部材でもよく、さらに、スラットやシートのように異なる部材の組み合わせで形成されたものでもよい。
【0028】
また、本発明に係る取付構造は、開閉体に1個の付属部材を取り付けるために適用できるとともに、開閉体に複数個の付属部材を取り付ける場合にも適用することができる。
【0029】
本発明に係る取付構造を、開閉体に複数個の付属部材を取り付けるために適用する場合には、ねじ部材と共に付属部材を挟着する前記当接部は、それぞれの付属部材ごとに分離した状態で開閉体に設けてもよく、あるいは、この当接部を、複数個の付属部材に跨る長さを有するものとすることにより、この当接部を、複数個の付属部材について共通して開閉体に設けられている部分としてもよい。
【0030】
後者によると、複数個の付属部材についての取付構造を同じにすることができるため、それぞれの付属部材を同じ取付作業により開閉体に取り付けることができるようになる。
【0031】
さらに、本発明に係る取付構造をシャッター装置のシャッターカーテンに適用する場合には、このシャッター装置は手動式のものでもよく、電動式のものでもよい。
【発明の効果】
【0032】
本発明によると、開閉体への付属部材の取付作業を、開閉体の厚さ方向の表裏両面のうち、一方の面だけからで行うことが可能となり、作業の効率化を図ることができる
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下に本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態に係る開閉装置となっている手動式の開口部用シャッター装置の全体正面図であり、この全体正面図は、上下方向を開閉移動方向とする開閉体になっているシャッターカーテン1が全閉となっているときを示している。
【0035】
建物の出入口である開口部2を上下に移動して開閉するシャッターカーテン1は、開口部2の左右両側で建物の壁等の躯体3に取り付けられているガイドレール4に、シャッターカーテン1の左右両端部である幅方向両端部がスライド自在に挿入されている。これらのガイドレール4は、シャッターカーテン1の開閉移動を案内するガイド部材であって、シャッターカーテン1に対して不動となった不動部材となっている。
【0036】
開口部2の上部にはシャッターケース5が設けられ、このシャッターケース5の内部に巻取軸6が左右一対のブラケット7で支持されて回転自在に収納配置され、この巻取軸6にシャッターカーテン1の上端が結合されている。シャッターカーテン1の閉じ側の端部、言い換えると、シャッターカーテン1の下端部は座板8となっており、この座板8の上端には、シャッターカーテン1の大部分を形成する多数のスラット9が上下に連結され、このため、シャッターカーテン1は、その主要部が多数のスラット9の連設で形成されたスラット式となっている。
【0037】
シャッターカーテン1が一対のガイドレール4に案内されて上昇し、座板8が、シャッターケース5の下面を形成していてシャッターカーテン1を上下に挿通させているスリットが設けられているまぐさに達するまで、シャッターカーテン1が巻取軸6に巻き取られることにより、シャッターカーテン1は開口部2を全開とする。また、座板8に係止棒等の操作棒の先端を係止等して手作業で引き下げ操作を行うと、シャッターカーテン1は巻取軸6を回転させながら巻取軸6から繰り出されて閉じ移動し、座板8が開口部2の床2Aに着床することにより、シャッターカーテン1は開口部2を全閉とする。
【0038】
このようにシャッターカーテン1を巻取軸6から繰り出して閉じ移動させるときには、回転する巻取軸6に組み込まれている図示しないリターンスプリングが蓄圧されるため、全閉位置又は全閉となる途中位置で停止しているシャッターカーテン1を手操作で開き移動させるために上昇させるときには、リターンスプリングの蓄圧力によって巻取軸6の回転が補助されることになり、これより、シャッターカーテン1を軽く上昇させることができる。
【0039】
シャッターカーテン1を形成している多数のスラット9のうち、所定のスラット9Aには、すなわち、シャッターカーテン1が全閉となっているときにほぼ腰の高さ位置にあるスラット9Aには、シャッターカーテン1を手操作で開き移動及び閉じ移動させるために手を掛ける2個の手掛け部材10が固定位置されている。また、シャッターカーテン1には、このシャッターカーテン1を施錠状態及び解錠状態にロックするためのロック装置11が、左右方向であるシャッターカーテン1の幅方向の中央部に配置され、本実施形態では、このロック装置11は、スラット9Aとは異なるスラット9Bに取り付けられている。
【0040】
ロック装置11は、シャッターカーテン1を開閉移動不能の状態、言い換えると、シャッターカーテン1をガイドレール4に結合した状態にして施錠するための施錠装置を構成するものとなっている。
【0041】
図2は、このスラット9Bの裏面図であり、この
図2では、スラット9B以外のスラット9は省略されている。ロック装置11のロック装置本体11Aは、後述するようにこの本体11Aに結合されたベース部材50を介してスラット9Bに取り付けられ、このロック装置本体11Aの左右側面からは、ロック装置11の一対のロック部材12が突出している。これらのロック部材12は、スラット9Bの長手方向であってシャッターカーテン1の幅方向である左右方向へロック装置本体11Aに対して前後進移動自在となっている。それぞれのロック部材12には、連結部材13を介してバー部材14が連結され、それぞれのバー部材14の先部は、スラット9Bの長手方向端部に配置されたガイド部材15の内部にスライド自在に挿入されている。
【0042】
また、連結部材13は、スラット9Bに取り付けられた案内部材51に案内されて左右方向へ直線的に移動自在となっており、このため、連結部材13は、本実施形態における移動部材となっている。
【0043】
図3は、上述のガイド部材15の部分を示す
図2の一部拡大図であり、
図4は、
図3のS4−S4線断面図である。
図3に示されているように、ガイド部材15は、スラット9Bにリベット等の止着具16で止着されたベース部材17の突片17Aがガイド部材15の孔15Aに挿入されて折り曲げられることにより、ベース部材17を介してスラット9Bに取り付けられている。また、ガイド部材15は、
図3及び
図4から分かるとおり、スラット9B側に開口していてバー部材14の先部がスライド自在に挿入された断面ハット形状となっており、ガイド部材15の内部には、スライド部材18もスライド自在に収納配置されている。
【0044】
このスライド部材18は、
図4に示されているように、前記ガイドレール4側の端部とスラット9B側の面とが開口した細長の箱形状となっており、スライド部材18のガイドレール4側とは反対側の端部には、端面壁部18Aが設けられ、この端面壁部18Aは、バー部材14の先部に形成されていてコイルばね19が収納されているばね収納空間部14Aの内部に挿入されている。そして、バー部材14のばね収納空間部14Aは、前記ロック部材12の前後進移動方向の両側となっている前壁部14Bと後壁部14Cとを含んで形成されている。上記コイルばね19は、バー部材14の後壁部14Cとスライド部材18の端面壁部18Aとの間に配置されている。
【0045】
上述したように、スライド部材18はガイドレール4側の端部とスラット9B側の面とが開口した細長の箱形状となっているため、
図4で示されているスライド部材18の側面部18Bは、シャッターカーテン1の開閉移動方向である上下方向の両側にあり、これらの側面部18Bに孔部20が形成されている。これらの孔部20には、後部がガイド部材15の内部に挿入されている係止部材21に形成された突起部21Aが挿入され、この係止部材21は、突起部21Aを中心にシャッターカーテン1の厚さ方向に揺動自在となっている。
【0046】
以上説明した構造から分かるように、
図2で示されているロック装置11のロック部材12には、連結部材13とバー部材14とコイルばね19とスライド部材18とを介して係止部材21が連結されている。したがって、ロック部材12がロック装置本体11Aから突出する運動を行った場合には、言い換えると、ロック部材12がロック装置本体11Aに対して前進移動した場合には、前述の移動部材となっている連結部材13の移動により、
図5に示すように、バー部材14の後壁部14Cで圧縮されるコイルばね19によってスライド部材18及び係止部材21もガイドレール4側へ前進移動し、係止部材21の前進移動は、前記ベース部材17に形成されている隆起部17Bに乗り上げた係止部材21が前記突起部21Aを中心にシャッターカーテン1の厚さ方向へ揺動しながら行われる。また、ロック部材12がロック装置本体11Aに対して後退する運動を行った場合には、言い換えると、ロック部材12がロック装置本体11Aに対して後進移動した場合には、
図4に示されているように、バー部材14の前壁部14Bがスライド部材18の端面壁部18Aに当接して引っ張ることにより、係止部材21もガイドレール4側から後退する。
【0047】
図3〜
図5に示されているように、ガイドレール4の内部には、係止部材21が係止することによってシャッターカーテン1が施錠される被係止部材22が固定配置されている。本実施形態に係る係止部材21は、
図3で示されているように、ガイドレール4側の先端部に3個の凸部21Bが形成された熊手形状となっており、また、
図4及び
図5で示されているように、被係止部材22にはシャッターカーテン1の厚さ方向両側に2個の立上壁部22Aが形成され、これらの立上壁部22Aのそれぞれに、
図3で示されているとおり、3個の凹部22Bが設けられている。
【0048】
上述したように、係止部材21が、ベース部材17に形成されている隆起部17Bに乗り上げながらガイドレール4側へ前進移動したときには、
図5で分かるように、係止部材21の3個の凸部21Bは被係止部材22の3個の凹部22Bに挿入し、これにより、係止部材21は被係止部材22に係止し、
図1の全閉位置に達しているシャッターカーテン1が施錠される。そして、
図4に示されているように、係止部材21が後進移動したときには、この係止部材21は被係止部材22から離脱し、シャッターカーテン1の施錠は解錠される。
【0049】
なお、係止部材21がガイドレール4側へ前進移動することは、前述したように、コイルばね19が圧縮されることによって行われるため、このコイルばね19の圧縮ばね力による大きな弾圧力によって係止部材21を被係止部材22に強く押し付けることができる。また、係止部材21が前進移動したときに、係止部材21の凸部21Bが被係止部材22の凹部22Bと一致していない場合には、コイルばね19は圧縮され、シャッターカーテン1を上下に多少移動させて係止部材21の凸部21Bと被係止部材22の凹部22Bとが一致すると、コイルばね19の圧縮された反発力により係止部材21が前進して、係止部材21の凸部21Bは被係止部材22の凹部22Bに侵入する。
【0050】
また、被係止部材22の3個の凹部22Bは、シャッターカーテン1の厚さ方向両側に形成された立上壁部22Aに形成されているため、
図1で示されているように、左右2個のガイドレール4の立設位置が左右逆となっても、係止部材21を被係止部材22に係止させることができる。
【0051】
図6は、
図1及び
図2で示したロック装置11の内部構造を示している。この
図6は、
図1と同じく、シャッター装置の正面側(スラット9Bの表面側)から見た図となっており、ロック装置本体11Aの内部にはピニオン部材23が回転自在に配置されている。また、
図2で示されているように、ロック装置本体11Aの裏面には、手で操作される手操作部材となっているサムターン部材24が設けられている。
図1で示されているように、ロック装置11の鍵穴11Bはスラット9Bの表面に露出しており、この鍵穴11Bに挿入されて手で操作される手操作部材となっている図示外の板キーと、
図2で示されているサムターン部材24との両方は、図示されていないシリンダ等の連結部材を介してピニオン部材23と連結されており、これらの板キーとサムターン部材24の回動操作可能範囲は180度である。
【0052】
板キーとサムターン部材24とのうち、どちらかが一方の方向へ180度回動操作されると、上記シリンダ等の連結部材を介してピニオン部材23も同じ方向へ180度回動し、上記どちらかが他方の方向へ180度回動操作されると、ピニオン部材23も上記シリンダ等の連結部材を介して同じ方向へ180度回動する。
図6に示すように、ピニオン部材23には複数の歯部23Aが形成され、ロック装置11のそれぞれのロック部材12には、これらの歯部23Aに噛合する複数の歯部12Aが形成されているため、上記どちらかが一方の方向へ180度回動操作された場合には、ロック部材12は、
図6から
図7のように、ロック装置本体11Aに対して前進移動し、これにより、前述のように係止部材21も前進移動して被係止部材22に係止し、全閉位置に達しているシャッターカーテン1は施錠される。また、上記どちらかが他方の方向へ180度回動操作された場合には、ロック部材12は、
図7から
図6のように、ロック装置本体11Aに対して後進移動し、これにより、係止部材21も後進移動して被係止部材22から離脱し、シャッターカーテン1の施錠が解錠されることになり、この後、
図1で示した手掛け部材10に手を掛けることにより、シャッターカーテン1を開き移動させることができる。
【0053】
なお、板キーの回動操作によってシャッターカーテン1の施錠が解錠されたときには、このときの板キーの向きは縦となっており、このため、シャッターカーテン1の開き移動操作を板キーによって行った場合でも、この開き移動方向には強度が大きくなっている板キーの破損を防止することができる。
【0054】
以上のことから分かるように、ロック装置11のロック部材12の前後進移動により、係止部材21の被係止部材22に対する係止と離脱が選択されてシャッターカーテン1の施錠と解錠が選択される。すなわち、ロック装置11のロック部材12が前後進移動すると、被係止部材22に対する係止部材21の係止と離脱が切り替えられ、これにより、シャッターカーテン1の施錠と解錠が切り替えられる。
【0055】
なお、ピニオン部材23を回動させようとする力がロック部材12側からピニオン部材23に入力した場合には、ロック部材12とピニオン部材23の前述した歯部12A,23Aの形状設定により、ピニオン部材23は回動しない。このため、ロック部材12が
図6で示されている後進位置に達しているときは、前述の板キーやサムターン部材24が操作されない限り、係止部材21は被係止部材22から離脱した状態にロックされ、また、ロック部材12が
図7で示された前進位置に達しているときは、板キーやサムターン部材24が操作されない限り、係止部材21は被係止部材22に係止した状態にロックされる。
【0056】
図8は、サムターン部材24が配置されたロック装置本体11Aの裏面を示す。したがって、この
図8は、
図6及び
図7とは表裏が逆となっている。サムターン部材24は、ロック部材12が後進移動限に達しているとき(
図8で示されているとき)及び前進移動限に達しているとき(
図10で示されているとき)に、シャッターカーテン1の幅方向である左右方向に長くなっている細長部材となっているとともに、その長手方向中央部に設けられた中心軸を中心に、
図6等で示されているピニオン部材23を回動させるために、前述したように180度回動自在となっている。サムターン部材24を
図8の矢印Aのように
図8中左側へ180度回動させると、ロック部材12は前進移動して係止部材21が被係止部材22に係止し、シャッターカーテン1は施錠される。この後、サムターン部材24を
図10の矢印Bのように
図10中右側へ180度回動させると、ロック部材12は後進移動して係止部材21は被係止部材22から離脱し、シャッターカーテン1の施錠は解錠される。
【0057】
図8及び
図10に示されているように、シャッターカーテン1の施錠時及び解錠時においてサムターン部材24の長手方向の両端部と対向しているロック部材本体11Aの箇所には、凸部41が形成されている。この凸部41は、
図8のS9−S9線断面図である
図9に示されており、板金で形成されているロック装置本体11Aの一部を半球面状又は略半球面状に半抜き加工することにより、ロック装置本体11Aに設けられている。
【0058】
シャッターカーテン1の施錠時及び解錠時においてそれぞれの凸部41と対向しているサムターン部材24の長手方向の両端部には、凸部41を内部に収納する凹部42が形成されており、また、サムターン部材24の長手方向両端部には、凹部42からサムターン部材24の外縁部まで達する溝43が形成されている。これらの溝43は、サムターン部材24を
図8中左側へ矢印Aのように回動させたときに、凸部41と順次対面することになるサムターン部材24の軌跡状箇所に連続形成されたものとなっている。
【0059】
そして、凹部42及び溝43の少なくとも周辺部は、すなわち
図9の実施形態では、凹部42と溝43を除くサムターン部材24のロック装置本体11Aと対向している全部の部分は、凹部42や溝43からロック装置本体11A側へ突出した突出部44(
図9を参照)となっており、この突出部44の突出量は、ロック装置本体11Aの凸部41と突出部44とが当接可能な大きさとなっている。
【0060】
係止部材21を被係止部材22に係止させてシャッターカーテン1を施錠させるために、
図8の状態(この
図8では、サムターン部材24に設けられている小突起状の指示部24Aがロック装置本体11Aに表示されている「開」を指しているため、
図8は、係止部材21と被係止部材22とによるシャッターカーテン1の施錠が解錠されている状態を示している。)となっていたサムターン部材24を
図8の矢印Aの方向へ180度回動させた場合には、ロック装置本体11Aに対してサムターン部材24は、凹部42と溝43とが凸部41を通過しながら回動し、そして、180度の回動終了近くにおいて、凹部42の少なくとも周辺部に設けられている上記突出部44が凸部41に当接する。このため、サムターン部材24の180度の回動は、合成樹脂等の弾性変形可能な材料で形成されているサムターン部材24が弾性変形して突出部44が凸部41を乗り上げることによって行われ、この乗り上げによって凸部41がサムターン部材24の凹部42の内部に入る。この状態が
図10で示されている。
【0061】
この
図10では、上記小突起状の指示部24Aがロック装置本体11Aに表示されている「閉」を指しているため、係止部材21と被係止部材22とによってシャッターカーテン1が施錠されている状態を示している。
【0062】
係止部材21を被係止部材22から離脱させてシャッターカーテン1の施錠を解錠させるために、
図10の状態となっていたサムターン部材24を
図10の矢印Bの方向へ180度回動させた場合には、初めに、サムターン部材24の突出部44がロック装置本体11Aの凸部41にサムターン部材24の弾性変形によって乗り上げながら、サムターン部材24は回動し、この後、180度の回動終了近くにおいて、サムターン部材24の溝43が凸部41を通過してから、この凸部41がサムターン部材24の凹部42の内部に入る。
【0063】
以上のことから、係止部材21を被係止部材22から離脱させてシャッターカーテン1の施錠を解錠させるために、
図10の状態となっていたサムターン部材24を
図10の矢印Bの方向へ180度回動させる場合には、サムターン部材24の突出部44がロック装置本体11Aの凸部41に当接してこの凸部41を乗り上げるときの抵抗力が生じ、この抵抗力に抗しながらサムターン部材24の操作者はサムターン部材24を回動させることになる。そして、180度の回動終了近くでは、サムターン部材24の溝43が凸部41を通過し、凸部41が円滑にサムターン部材24の凹部42の内部に入るため、180度の回動終了近くでは、上記抵抗力は生じない。
【0064】
このため、本実施形態では、ロック装置本体11Aの凸部41と、サムターン部材24の凹部42、溝43、突出部44とにより、サムターン部材24の回動操作に抵抗力を付与するための抵抗力付与機構45(
図9を参照)が構成され、この抵抗力付与機構45は、係止部材21を被係止部材22に係止させるためのロック部材12の前進移動の終了近くと、この前進移動後に係止部材21を被係止部材22から離脱させるためのロック部材12の後進移動開始直後とにおいて、サムターン部材24の回動操作に抵抗力を付与し、係止部材21を被係止部材22から離脱させるためのロック部材12の後進移動の終了近くと、この後進移動後に係止部材21を被係止部材22に係止させるためのロック部材12の前進移動開始直後とにおいて、サムターン部材24の回動操作に抵抗力を付与しないものとなっている。
【0065】
したがって、ロック部材12が前進移動限に達した後において、ロック部材12を後進移動させる方向へサムターン部材24を回動操作しようとしたときは、抵抗力付与機構45による抵抗力が生ずるため、ロック部材12を後進移動させる方向へ不用意に又は誤ってサムターン部材24が回動操作されることを防止することができる。
【0066】
以上説明した施錠装置の構造及び作用から分かるように、ロック装置11のロック装置本体11Aや、ロック部材12に連結された連結部材13、この連結部材13に連結されたバー部材14、さらには、バー部材14にコイルばね19を介して連結されたスライド部材18、このスライド部材18に連結された係止部材21、この係止部材21が係止、離脱を行う被係止部材22により、本実施形態に係るシャッターカーテン1の施錠装置65(
図2を参照)が構成されている。そして、これらのうち、上下に開閉移動するシャッターカーテン1に対し不動部材となっているガイドレール4に配置された被係止部材22を除く部材、すなわち、ロック装置本体11A、連結部材13、バー部材14、スライド部材18、係止部材21は、施錠装置用部材となってシャッターカーテン1に配置された付属部材となっており、ロック装置本体11Aをシャッターカーテン1の構成部材となっているスラット9Bに取り付けるための前述のベース部材50と、連結部材13の直線的な移動を案内するための案内部材51も、施錠装置用部材となってシャッターカーテン1に配置された付属部材となっている。
【0067】
図11は、
図2のS11−S11線断面図であり、この
図11には、板金の折り曲げ品となっているベース部材50についてのスラット9Bへの取付構造が示されている。ロック装置本体11Aは、ベース部材50にリベット等の止着具52で結合されており、アルミ又はアルミ合金製の押し出し成形品又は引き抜き成形品となっているスラット9Bには、上部において下方へ延出した第1当接部53が形成され、下部において上方へ延出した第2当接部54が形成され、この第2当接部54は、スラット9Bの強度を大きくする等のために、スラット9Bにシャッターカーテン厚さ方向へ延伸させて形成している延伸部54Aの上面に設けられている。また、スラット9Bには、上部において厚肉状のねじ受け部55が形成され、下部において厚肉状の挟着部56が形成されており、ねじ受け部55の表面55A及び挟着部56の表面56Aには、スラット9Bの長さ方向に延びる小さなV字溝が上下に複数個形成されているため、これらの表面55A、56Aは、小さい凹凸が設けられた粗面状となっている。
【0068】
以上の第1及び第2当接部53,54と、ねじ受け部55、挟着部56は、ロック装置11が配置されるスラット9Bの裏面に設けられている。
【0069】
また、第2当接部54と挟着部56との間には、ベース部材50の厚さと同じ又はこれよりの若干大きい隙間が、シャッターカーテン1の厚さ方向に設けられている。
【0070】
図2に示されているとおり、2本の止着具52でロック装置本体11Aが結合されているベース部材50は、このロック装置本体11Aよりも長い左右方向及び上下方向の寸法を有し、ロック装置本体11Aから外れているベース部材50の上部の左右2箇所には、
図11で示されているねじ孔50Aが形成されている。これらのねじ孔50Aは、ロック装置本体11Aから外れているベース部材50の上部に形成されているため、ベース部材50の上下寸法の半分よりも上側の位置に設けられている。
【0071】
ロック装置本体11Aをベース部材50を介してスラット9Bに取り付けるためには、初めに、
図11から分かるように、ベース部材50の上部をスラット9Bの裏面側から第1当接部53の下方を通過させてこのベース部材50を少し持ち上げることにより、ベース部材50の上部を第1当接部53におけるスラット9Bの表面側に配置するとともに、ベース部材50の下部を第2当接部54と挟着部56との間の隙間に挿入し、ベース部材50の下端を延伸部54Aの上面に載せる。次いで、ベース部材50のそれぞれのねじ孔50Aにねじ部材であるビス57をスラット9Bの裏面側から螺入し、このビス57をさらに工具で回転させてねじ孔50Aを貫通させるとともに、ビス57の先端をねじ受け部55の表面55Aに当てる。この後もビス57を回転させると、ベース部材50はビス57の前進方向とは逆方向へ移動するため、ベース部材50の上部は、第1当接部53におけるスラット9Bの表面側の面に当接し、このため、ベース部材50の上部は、ビス57と第1当接部53とによりシャッターカーテン1の厚さ方向に挟着された状態でスラット9Bに固定され、また、ベース部材50の下部は、第2当接部54と挟着部56とによりシャッターカーテン1の厚さ方向に挟着された状態でスラット9Bに固定され、これにより、ロック装置本体11Aは、この本体11Aが止着具52で結合されているベース部材50を介してスラット9Bに取り付けられたことになる。
【0072】
この実施形態によると、ビス57は、シャッターカーテン1の構成要素となっているスラット9Bの表裏両面を貫通する部材となっておらず、第1及び第2当接部53,54が形成されているスラット9Bの裏面だけからビス57を回転させる作業を行えばよく,ベース部材50をスラット9Bに取り付ける作業を、このスラット9Bの厚さ方向の表裏両面で行う必要がないため、作業の効率化を図ることができる。
【0073】
また、ビス57は、スラット9Bの表裏両面を貫通するものではないため、スラット9Bの厚さ方向の表裏両面のうち、第1及び第2当接部53,54が形成されていない表面を、平滑面の状態とすることができ、これにより、シャッターカーテン1の外観性を向上させることができる。
【0074】
また、ビス57の先端が当たるねじ受け部55の表面55Aは、小さい凹凸を有する粗面状となっているため、この表面55Aとビス57の先端との間で大きな摩擦力を生じることになり、このため、ビス57が、例えば、シャッターカーテン1の開閉移動時やシャッターカーテン1が全閉位置に達したときの衝撃等によって緩む方向へ回転してしまうことを防止でき、ビス57によるベース部材50のスラット9Bへの取り付けを一層確実に行うことができる。
【0075】
また、本実施形態のスラット9Bには、上下の間隔をあけて第1と第2の2個の当接部53,54が設けられているとともに、第2当接部54は、第1当接部53よりもビス57に遠い箇所に設けられている。そして、スラット9Bには、この第2当接部54と共にベース部材50の下部をシャッターカーテン1の厚さ方向に挟着する挟着部56が設けられているため、ベース部材50の下部にビス57を螺入、貫通させる必要がなく、ビス57を螺入、貫通させるベース部材50の箇所は上部だけでよいため、第2当接部54のためのビス57を用意する必要がない。このため、ビス57の個数の削減や、実施しなければならないビス57の回転作業工数の削減を達成することができる。
【0076】
また、上述のように、挟着部56におけるベース部材50が接触する表面56Aは、小さい凹凸が設けられた粗面状となっているため、この表面56Aはベース部材50との間で大きな摩擦力を生じることになり、このため、第2当接部54と挟着部56とによるベース部材50の挟着を一層確実なものとすることができる。
【0077】
さらに、ベース部材50の上部にビス57を螺入、貫通させる作業を行っているときには、ベース部材50の下端は延伸部54Aの上面に当たっているため、ベース部材50の重量と、このベース部材50に結合されているロック装置本体11Aの重量とを、延伸部54Aによって支持させた状態にして、ベース部材50の上部にビス57を螺入、貫通させるための作業を行うことができ、このため、この作業の容易化を図ることができる。なお、ビス57によりベース部材50をスラット9Bに取り付けた後は、ベース部材50の下端は延伸部54Aの上面から離れていてもよい。
【0078】
図12は、
図2のS12−S12線断面図であり、この
図12には、ベース部材50と同じく板金の折り曲げ品となっている前述の案内部材51についてのスラット9Bへの取付構造が示されている。断面ハット形状となっているこの案内部材51も、ベース部材50と同様の構造によりスラット9Bに取り付けられている。
【0079】
すなわち、案内部材51の上部の左右2箇所に設けられたそれぞれのねじ孔51Aにビス58をスラット9Bの裏面側から螺入し、ビス58の先端をねじ受け部55の表面55Aに当て、この後もビス58を回転させることにより、案内部材51の上部を、第1当接部53におけるスラット9Bの表面側の面に当接させ、これにより、案内部材51の上部は、ビス58と第1当接部53とによりシャッターカーテン1の厚さ方向に挟着された状態でスラット9Bに固定される。また、第2当接部54と挟着部56との間の隙間に下部が挿入された案内部材51の下端を延伸部54Aの上面に載せるとともに、案内部材51の下部を、第2当接部54と挟着部56とによりシャッターカーテン1の厚さ方向に挟着させ、この挟着状態でスラット9Bに固定する。これにより、移動部材となっている連結部材13を案内するための案内部材51は、スラット9Bに取り付けられたことになる。
【0080】
そして、本実施形態に係るスラット9Bは、前述したようにアルミ又はアルミ合金製の押し出し成形品又は引き抜き成形品であるため、第1及び第2当接部53,54と、延伸部54Aと、ねじ受け部55と、挟着部56は、シャッターカーテン1の幅方向であるスラット9Bの長さ方向に連続した長さを有しており、スラット9Bに取り付けられる付属部材となっているベース部材50と案内部材51は、スラット9Bの長さ方向に離間してこのスラット9Bに配置される部材となっている。
【0081】
このため、第1及び第2当接部53,54と、延伸部54Aと、ねじ受け部55と、挟着部56は、これらのベース部材50と案内部材51に跨る長さを有しており、第1及び第2当接部53,54と、延伸部54Aと、ねじ受け部55と、挟着部56は、ベース部材50と案内部材51について共通してスラット9Bに設けられている部分となっている。
【0082】
したがって、ベース部材50と案内部材51について、第1及び第2当接部53,54と、延伸部54Aと、ねじ受け部55と、挟着部56を共通化することができ、このため、ベース部材50と案内部材51についての取付構造を同じにして、同じ取付作業によりベース部材50と案内部材51をスラット9Bに取り付けることができるようになる。
【0083】
なお、ベース部材50と案内部材51に適用したものと同じ取付構造を、スライド部材18を直線的に移動自在に案内するための部材となっている前記ガイド部材15や前記ベース部材17に適用してもよい。