(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
被験者が服用した薬品を特定する情報、前記服用した薬品の分量、服用した時点、及び、前記被験者が前記薬品を服用した動作が撮像された画像データを、前記被験者が操作する携帯端末装置から受信する受信処理部と、
確認者の端末装置に、前記受信した、前記被験者が服用した薬品を特定する情報、前記服用した薬品の分量、及び、前記服用した時点の情報を表示するとともに、前記受信した画像データを表示して、前記薬品の服用が適正であるか否かを前記確認者に確認させる画面を生成する確認画面生成部と、
を備え、
前記受信処理部は、
前記被験者が前記薬品を服用するべき時点から所定の時間を遡った時点において、前記携帯端末装置との通信を確立し、前記被験者が服用した薬品を特定する情報、前記服用した薬品の分量、前記服用した時点、及び、前記被験者が前記薬品を服用した動作が撮像された画像データを、前記被験者が操作する携帯端末装置から受信すること、
を特徴とする治験支援装置。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以降、本発明を実施するための形態(「本実施形態」という)を、図等を参照しながら説明する。まず、基本的な用語について説明する。
「製薬企業」とは、新薬を開発し、当該新薬を市販することについて当局から承認を受ける者である。
「治験」とは、当局の承認を受けるために当局に提出する実験データを入手する臨床試験である。
「治験対象薬品」とは、当局の承認がなされた後、市販されるべき新薬である。
「被験者」とは、新薬又は比較薬品を服用し自身の生体値を提供することにより治験の対象となる人間である。被験者は、実際に罹患している患者及び罹患していない健常者の両者を含む。
「検査機関」とは、委託者である製薬企業の立場に立って、治験に関する業務の全部又は一部を受託する者である。
「医療機関」とは、被験者に対して医療行為を行う者である。
【0010】
図1に沿って、治験支援装置1と他の装置との関係を説明する。治験支援装置1は、有線又は無線のネットワーク6を介して携帯端末装置2と接続され得る。治験支援装置1は、有線又は無線の内部ネットワーク7を介して、医療機関端末装置3、検査機関端末装置4及び製薬企業端末装置5と接続され得る。内部ネットワーク7は、ネットワーク6に比して、被験者の個人情報に対するセキュリティに関してより厳密な管理がなされている。携帯端末装置2は、被験者によって日常的に携帯される。医療機関端末装置3、検査機関端末装置4及び製薬企業端末装置5は、それぞれ、医療機関、検査機関及び製薬企業のユーザによって使用される。治験支援装置1が配置される場所は特に限定されない。
【0011】
(治験支援装置の構成)
図2に沿って、治験支援装置1の構成を説明する。治験支援装置1は、一般的なコンピュータである。治験支援装置1は、中央制御装置11、キーボード、マウス、タッチスクリーン等の入力装置12、ディスプレイ等の出力装置13、主記憶装置14、補助記憶装置15及び通信装置16を有する。これらはバスによって相互に接続されている。
【0012】
主記憶装置14における、服薬情報管理部21、体調情報管理部22、副作用情報管理部23及び治験支援部24は、プログラムである。以降、「○○部は」と主体を記した場合は、中央制御装置11が、補助記憶装置15から各プログラムを読み出し、主記憶装置14にロードしたうえで、各プログラムの機能(詳細後記)を実現するものとする。補助記憶装置15は、被験者情報31、服薬予定情報32、服薬実績情報33、体調情報34、副作用情報35、治験統括情報36、治験支援情報37及び画像38を記憶している。これらの詳細については後記する。なお、「受信処理部」及び「確認画面生成部」には、服薬情報管理部21が相当する。
【0013】
(携帯端末装置等の構成)
図3(a)に沿って、携帯端末装置2を説明する。携帯端末装置2は、一般的な携帯用のコンピュータである。携帯端末装置2は、中央制御装置51、タッチスクリーン等の入力装置52、ディスプレイ等の出力装置53、主記憶装置54、補助記憶装置55、通信装置56、画像を取得するカメラ57及び生体値を取得するセンサ58を有する。これらはバスによって相互に接続されている。なお、入力装置52及び出力装置53は、一体型の入出力装置であってもよい。外部カメラ57bは、携帯端末装置2に対して有線又は無線の技術で外部接続され得るカメラである。一般に、外部カメラ57bは、カメラ57よりも、解像度が高い。外部センサ58bは、携帯端末装置2に対して有線又は無線の技術で外部接続され得るセンサである。外部センサ58bは、治験者の生体値を取得し得る任意の装置であり、例えば、体温計、血圧計(最高血圧、最低血圧及び心拍数を取得し得る)である。主記憶装置54における生体値取得部61及び画像取得部62は、それぞれセンサ58(又は外部センサ58b)及びカメラ57(又は外部カメラ57b)を制御するプログラムである。以降では、ユーザがカメラ57によって自身の画像を取得し、センサ58によって自身の体温、最高血圧、最低血圧及び心拍数を取得する例を説明する。
【0014】
図3(b)に沿って、医療機関端末装置3等を説明する。医療機関端末装置3もまた、一般的なコンピュータである。医療機関端末装置3は、中央制御装置71、キーボード、マウス、タッチスクリーン等の入力装置72、ディスプレイ等の出力装置73、主記憶装置74、補助記憶装置75及び通信装置76を有する。これらはバスによって相互に接続されている。検査機関端末装置4及び製薬企業端末装置5も同様の構成を有している。
【0015】
(被験者情報)
図4(a)に沿って、被験者情報31を説明する。被験者情報31においては、被験者ID欄101に記憶された被験者IDに関連付けて、氏名欄102には氏名が、性別欄103には性別が、生年月日欄104には生年月日が、端末装置アドレス欄105には端末装置アドレスが記憶されている。
被験者ID欄101の被験者IDは、被験者を一意に特定する識別子である。
氏名欄102の氏名は、被験者の氏名である。
性別欄103の性別は、被験者の性別である。
生年月日欄104の生年月日は、被験者の生年月日である。
端末装置アドレス欄105の端末装置アドレスは、被験者が操作する携帯端末装置2のネットワーク6における位置を示す情報である。ここでは、IPアドレスが記憶されている。
【0016】
(服薬予定情報)
図4(b)に沿って、服薬予定情報32を説明する。服薬予定情報32においては、服薬予定ID欄111に記憶された服薬予定IDに関連付けて、被験者ID欄112には被験者IDが、治験対象薬品ID欄113には治験対象薬品IDが、服薬指示欄114には服薬指示が、日時欄115には日時が記憶されている。
服薬予定ID欄111の服薬予定IDは、服薬予定を一意に特定する識別子である。同じ被験者ID及び同じ治験対象薬品IDを有する、服薬予定情報32の複数のレコードを、集合的に「服薬予定」と呼ぶ。例えば、
図4(b)の1〜6行目は、1つの服薬予定である。
【0017】
被験者ID欄112の被験者IDは、
図4(a)の被験者IDと同じである。
治験対象薬品ID欄113の治験対象薬品IDは、治験対象薬品の薬品IDである。薬品IDとは、薬品を一意に特定する識別子である。
服薬指示欄114の服薬指示は、薬品ID及び分量の組合せである。ここでの薬品IDは、被験者が服用するべき薬品を特定している。ちなみに、ある被験者は、ある治験対象薬品の治験において、当該治験対象薬品以外の薬品(比較薬品)を服用する場合もある。比較薬品は、全く薬効のない偽薬であってもよい。ここでの分量は、被験者が服用するべき薬品の分量(錠剤の個数、アンプルの本数等)である。
日時欄115の日時は、被験者が薬品を服用するべき時点の年月日時分秒である。
【0018】
図4(b)を参照すると、以下のことがらが分かる。
・被験者ID「P001」及び「P006」によって特定される2人の被験者がいる。
・両者は、治験対象薬品「Y001」の治験のための被験者である。
・被験者「P001」は、薬品「Y001」を服用する。一方、被験者「P006」は、薬品「Y999」を服用する。薬品「Y999」は、比較薬品である。
・両者が服用するそれぞれの薬品の分量は、ともに「2」である。
・両者がぞれぞれの薬品を服用するべき時点は全く同じである。
【0019】
(服薬実績情報)
図5(a)に沿って、服薬実績情報33を説明する。服薬実績情報33においては、服薬実績ID欄121に記憶された服薬実績IDに関連付けて、被験者ID欄122には被験者IDが、治験対象薬品ID欄123には治験対象薬品IDが、服薬報告欄124には服薬報告が、確認フラグ欄125には確認フラグが、承認フラグ欄126には承認フラグが、日時欄127には日時が、画像名欄128には画像名が記憶されている。
【0020】
服薬実績ID欄121の服薬実績IDは、服薬実績を一意に特定する識別子である。同じ被験者ID及び同じ治験対象薬品IDを有する、服薬実績情報33の複数のレコードを、集合的に「服薬実績」と呼ぶ。
被験者ID欄122の被験者IDは、
図4(a)の被験者IDと同じである。
治験対象薬品ID欄123の治験対象薬品IDは、
図4(b)の治験対象薬品IDと同じである。
服薬報告欄124の服薬報告は、薬品ID及び分量の組合せである。ここでの薬品IDは、被験者が実際に服用した薬品を特定している。ここでの分量は、被験者が実際に服用した薬品の分量である。
確認フラグ欄125の確認フラグは、被験者が薬品を服用する動作が撮像された画像38を医師等のユーザが視認したことを示す「○」、又は、視認していないことを示す「×」のいずれかである(詳細後記)。
承認フラグ欄126の承認フラグは、画像38、服薬報告及び服薬の時点が正しいものであることを医師等のユーザが判断したことを示す「○」、又は、画像38等が正しいものでないことを医師等のユーザが判断ことを示す「×」のいずれかである(詳細後記)。
日時欄127の日時は、被験者が、薬品を取得した旨の報告を自身が取得した画像38とともに治験支援装置1に送信した時点の年月日時分秒である。
画像名欄128の画像名は、画像38の名称である。
【0021】
図4(b)の1〜6行目のレコードと比較しつつ
図5(a)を参照すると、以下のことがらが分かる。
・被験者「P001」は、治験対象薬品「Y001」の治験のために、当該薬品を実際に服用した。
・「20130210」において、被験者「P001」は、ほぼ予定通りの時点で、服用するべき薬品「Y001」を服用するべき分量「2」だけ服用している。
・「20130210,09:10:00」において、被験者「P001」は、画像「aaa1.mpg」を取得した。当該画像38は動画であり、当該動画には、被験者「P001」の上半身、薬品2錠及び薬品パッケージが写っている。
【0022】
・「20130211,13:02:00」において、被験者「P001」は、薬品「Y001」を分量「2」だけ服用した旨報告している。しかしながら、このとき被験者「P001」は、画像を取得することを失念した。したがって、被験者「P001」が真に当該薬品を服用したか否かは不明である。
・「20130211,21:12:00」において、被験者「P001」は、薬品「Y011」を分量「3」だけ服用した。薬品「Y011」は服用するべき薬品ではない。分量「3」もまた、服用するべき分量ではない。さらに、「21:12:00」は、服用するべき時点から大きく遅延している。
・これらの結果、
図5(a)の5行目のレコードでは、確認フラグが「×」であり、承認フラグも当然「×」である。6行目のレコードでは、確認フラグが「○」であるものの、承認フラグは「×」である。
【0023】
(体調情報)
図5(b)に沿って、体調情報34を説明する。体調情報34においては、体調情報ID欄131に記憶された体調情報IDに関連付けて、被験者ID欄132には被験者IDが、生体値区分欄133には生体値区分が、生体値欄134には生体値が、日時欄135には日時が、位置欄136には位置が記憶されている。
体調情報ID欄131の体調情報は、体調情報34のレコードを一意に特定する識別子である。
被験者ID欄132の被験者IDは、
図4(a)の被験者IDと同じである。
生体値区分欄133の生体値区分は、生体値(直ちに後記する)のカテゴリである。ここでの生体値区分は、「体温」、「心拍数」及び「血圧」(最低血圧及び最高血圧の組合せである)のうちのいずれかである。
生体値欄134の生体値は、被験者の生体値そのものである。生体値とは、センサ58又は外部センサ58bによって取得可能な人間の身体についての定量的情報である。
日時欄135の日時は、生体値が取得された時点の年月日時分秒である。
位置欄136の位置は、被験者が操作する携帯端末装置2の位置情報(緯度,軽度,標高)である。携帯端末装置2は、GPS(Global Positioning System)衛星の電波を受信することによって、自身の位置情報をリアルタイムで取得できるものとする。なお、位置情報がわかれば、被験者の移動距離が分かる。さらに、他の外部データを参照すれば当該位置における気象条件等もわかる。よって、医師等は、承認する際にこれらのデータを参考にすることができる。
【0024】
(副作用情報)
図6(a)に沿って、副作用情報35を説明する。副作用情報35においては、被験者ID欄141に記憶された被験者IDに関連付けて、医療機関ID欄142には医療機関IDが、症状欄143には症状が、詳細症状欄144には詳細症状が、日時欄145には日時が記憶されている。
被験者ID欄141の被験者IDは、
図4(a)の被験者IDと同じである。
医療機関ID欄142の医療機関IDは、医療機関を一意に特定する識別子である。
症状欄143の症状は、被験者の身体状況を端的に記述した文言である。問題となる症状がない場合には、「異常なし」が記憶される。
詳細症状欄144の詳細症状は、被験者の身体状況を詳細に記述した文言である。症状欄143に「異常なし」が記録されているレコードの詳細症状欄144は、空欄である。
日時欄145の日時は、医療機関が症状を発見した時点の年月日時分秒である。
【0025】
(治験統括情報)
図6(b)に沿って、治験統括情報36を説明する。治験統括情報36においては、被験者ID欄151に記憶された被験者IDに関連付けて、治験対象薬品ID欄152には治験対象薬品IDが、被験者群ID欄153には被験者群IDが、服薬予定ID欄154には服薬予定IDが、服薬実績ID欄155には服薬実績IDが記憶されている。
被験者ID欄151の被験者IDは、
図4(a)の被験者IDと同じである。
治験対象薬品ID欄152の治験対象薬品IDは、
図4(b)の治験対象薬品IDと同じである。
被験者群ID欄153の被験者群IDは、複数の被験者からなる被験者群を一意に特定する識別子である。1つの治験対象薬品に対して、2つ以上の被験者群が対応する。そして、1つの被験者群に属する被験者に対しては、通常、同一の服薬予定が割り当てられる。つまり、複数の被験者が、同じ薬品を同じ分量だけ同じ時点において服用する。
服薬予定ID欄154の服薬予定IDは、
図4(b)の服薬予定IDと同じである。
服薬実績ID欄155の服薬実績IDは、
図5(a)の服薬実績IDと同じである。
【0026】
図6(b)を参照すると以下のことがらが分かる。
・治験対象薬品「Y001」についての治験のために、10人の被験者「P001」〜「P010」が動員されている。
・5人の被験者からなる被験者群が2つ存在し、それらは、「G001」及び「G002」である。
・被験者群「G001」に属するすべての被験者に対して、服薬予定「V001」が割り当てられ、被験者群「G002」に属するすべての被験者に対して、服薬予定「V002」が割り当てられている。
・
図4(b)も参照すると、被験者群「G001」の被験者は、薬品「Y001」を服用し、被験者群「G002」の被験者は、薬品「Y999」を服用する。服用する薬品の分量、時点については、両者の被験者群の間で差異はない。
【0027】
(治験支援情報)
図6(c)に沿って、治験支援情報37を説明する。治験支援情報37においては、治験対象薬品ID欄161に記憶されている治験対象薬品IDに関連付けて、被験者群ID欄162には被験者群IDが、被験者数欄163には被験者数が、有効被験者数欄164には有効被験者数が、有効被験者ID欄165には有効被験者IDが、副作用被験者数欄166には副作用被験者数が、副作用被験者ID欄167には副作用被験者IDが記憶されている。
【0028】
治験対象薬品ID欄161の治験対象薬品IDは、
図4(b)の治験対象薬品IDと同じである。
被験者群ID欄162の被験者群IDは、
図6(b)の被験者群IDと同じである。
被験者数欄163の被験者数は、被験者群に属する被験者の人数である。
有効被験者数欄164の有効被験者数は、承認された被験者の数である。ある被験者について服薬実績情報33のレコードのうち、承認フラグ「○」を有するレコードの数が所定の比率以上である場合、「当該被験者は承認された」といわれる。
有効被験者ID欄165の有効被験者IDは、承認された被験者を特定する被験者IDである。
副作用被験者数欄166の副作用被験者数は、副作用被験者の人数である。副作用情報35(
図6(a))において、症状欄143に「異常なし」以外の症状を有するレコードが存在する場合、当該被験者を副作用被験者と呼ぶ。
副作用被験者ID欄167の副作用被験者IDは、副作用被験者を特定する被験者IDである。
【0029】
(全体処理手順)
図7(a)に沿って、本実施形態の全体処理手順を説明する。全体処理手順が開始される前提として、被験者情報31(
図4(a))は、完成した状態で補助記憶装置15に記憶されているものとする。治験統括情報36(
図6(b))は、服薬予定ID欄154及び服薬実績ID欄155のみが空白の状態で補助記憶装置15に記憶されているものとする。
ステップS301において、服薬情報管理部21は、服薬予定情報32を作成する。
ステップS302において、服薬情報管理部21は、服薬実績情報33及び画像38を受け付ける。
ステップS303において、体調情報管理部22は、体調情報34を受け付ける。
ステップS304において、副作用情報管理部23は、副作用情報35を受け付ける。
ステップS305において、治験支援部24は、治験支援情報37を作成する。
その後全体処理手順は終了する。以降に、前記の各ステップの詳細を説明する。
【0030】
図7(b)に沿って、全体処理手順のステップS301の詳細を説明する。
ステップS311において、服薬情報管理部21は、服薬予定情報入力画面211(
図10(b))を表示する。具体的には、服薬情報管理部21は、第1に、製薬企業端末装置5との通信を確立し、製薬企業端末装置5の出力装置73に、メイン画面201(
図10(a))を表示する。
服薬情報管理部21は、第2に、ユーザがメイン画面201の服薬予定ボタン202を押下するのを受け付けると、出力装置73に、服薬予定情報入力画面211(
図10(b))を表示する。
【0031】
ステップS312において、服薬情報管理部21は、服薬予定情報32の入力を受け付ける。具体的には、服薬情報管理部21は、第1に、治験統括情報36(
図6(b))の未処理のレコードのうち最初のレコードを取得する。そして、取得したレコードの被験者ID及び治験対象薬品IDを、服薬予定情報入力画面211の、それぞれ、被験者ID欄212a及び治験対象薬品欄213aに表示する。
服薬情報管理部21は、第2に、ユーザが、決定ボタン212c及び決定ボタン213cを押下するのを受け付ける。ユーザは、被験者ID欄212aに表示されている被験者IDが特定する被験者以外を指定したい場合は、選択窓212bから他の被験者名を選択したうえで、決定ボタン212cを押下する。ユーザは、治験対象薬品ID欄213aに表示されている治験対象薬品IDが特定する治験対象薬品以外を指定したい場合は、選択窓213bから他の治験対象薬品名を選択したうえで、決定ボタン213cを押下する。
【0032】
服薬情報管理部21は、第3に、ユーザが、スケジュール欄214の薬品設定欄215の、薬品ID欄215a、分量欄215b、始期欄215c、終期欄215d、服用周期欄215e及び服用時刻欄215fに、それぞれ、薬品ID(治験対象薬品IDと同じであってもよいし、別のものでもよい)、分量、始期の年月日、終期の年月日、服用周期及び服用時刻を入力する。ユーザは、服用周期欄215e又は服用時刻欄215fのいずれか一方に対して入力する。さらに、服用時刻欄215fに入力する場合は、複数の時刻を選択することができる。
【0033】
ユーザは、同一の始期及び終期の範囲において、被験者に別の薬品を服用させたい場合もある。また、ある始期及び終期の範囲に続く別の始期及び終期の範囲において、被験者に同じ薬品を、別の分量、別の服用周期、又は別の服用時刻で服用させたい場合もある。このような場合、ユーザは、薬品設定欄216、・・・に対して入力する。
服薬情報管理部21は、第4に、ユーザが、決定ボタン217を押下するのを受け付ける。
【0034】
ステップS313において、服薬情報管理部21は、服薬予定情報32(
図4(b))を作成する。具体的には、服薬情報管理部21は、ステップS312の「第2」及び「第3」において受け付けた情報に基づいて、服薬予定情報32のレコードを作成する。受け付けた情報によっては、日時欄115の日時は、「20130210,朝食後」のようにもなり得る。このようにして、ある被験者及びある治験対象薬品についての複数のレコードである「服薬予定」が作成されることになる。
【0035】
服薬情報管理部21は、治験統括情報36の未処理のレコードのうち次のレコードを取得したうえで、ステップS312及びS313の処理を繰り返す。繰り返し処理が終了した段階で、
図4(b)のような服薬予定情報32が完成することになる。なお、服薬情報管理部21は、被験者及び治験対象薬品が同じレコードの服薬予定欄111には、同じ服薬予定IDを採番したうえで記憶する。その後、ステップS302へ進む。
【0036】
図8に沿って、全体処理手順のステップS302の詳細を説明する。
ステップS321において、服薬情報管理部21は、服薬確認・承認画面221(
図11)を表示する。具体的には、服薬情報管理部21は、第1に、検査機関端末装置4との通信を確立し、検査機関端末装置4の出力装置73に、メイン画面201(
図10(a))を表示する。
服薬情報管理部21は、第2に、ユーザがメイン画面201の服薬実績ボタン203を押下するのを受け付けると、出力装置73に、服薬確認・承認画面221を表示する。
【0037】
ステップS322において、服薬情報管理部21は、検索条件を受け付ける。具体的には、服薬情報管理部21は、ユーザが、検索条件入力欄222の検索項目欄223a、224a、225aの少なくとも1つに対し検索項目を入力し、対応する検索キー欄223b、224b、225bに対し検索キーを入力するのを受け付ける。ここでの検索項目及び検索キーは、服薬予定情報32(
図4(b))の各欄の見出し及びその欄の値に対応している。ユーザは、被験者IDを必須入力項目とし、必要に応じて他の項目を入力するものとする。
図11の通りの検索キーが入力されたものとして以降の説明を続ける。
【0038】
ステップS323において、服薬情報管理部21は、リアルタイムで処理を行うか否かを判断する。具体的には、服薬情報管理部21は、ユーザが「リアルタイム確認」ボタン239aを押下するのを受け付けた場合(ステップS323“YES”)、ステップS324へ進む。ユーザが「まとめ確認」ボタン239bを押下するのを受け付けた場合(ステップS323“NO”)、ステップS332へ進む。
【0039】
ステップS324において、服薬情報管理部21は、服薬予定情報32を表示する。具体的には、服薬情報管理部21は、第1に、ステップS322において受け付けた検索条件に基づいて、服薬予定情報32(
図4(b))を検索し、該当したレコードをすべて取得する。
服薬情報管理部21は、第2に、ステップS324の「第1」において取得したレコードを、スケジュール欄226に表示する。このとき、服薬情報管理部21は、取得したレコードのうち、以下の条件をすべて満たすレコードに「注目マーク」227を付す。注目マークが付されたレコードを、以降「注目レコード」と呼ぶことがある。
・日時が、現在時刻以降である。
・日時が、現在時刻に最も近い。
・日時と現在時刻との差分が、所定の時間(例えば10分)以内である。
【0040】
ステップS325において、服薬情報管理部21は、携帯端末装置2との通信を確立する。具体的には、服薬情報管理部21は、第1に、注目レコードの被験者IDを検索キーとして被験者情報31(
図4(a))を検索し、該当したレコードの端末装置アドレスを取得する。そして、取得した端末装置アドレスを有する携帯端末装置2との間で通信を確立する。服薬情報管理部21は、被験者が薬品を服用するべき時点の、例えば10分前に、携帯端末装置2との間で通信を確立することになる。その後、服薬情報管理部21は、携帯端末装置2から、注目レコードに対応する実際の服薬報告、画像等が送信されてくるのを待つ。
【0041】
(被験者の操作)
図8のフローチャートの説明の途中であるが、
図14(a)、(b)及び(c)に沿って、被験者がどのように携帯端末装置2を操作するかを説明する。
図14(a)、(b)及び(c)の画面は、携帯端末装置2の入力装置52及び出力装置53が一体となった入出力装置そのものである。携帯端末装置2の画像取得部62は、第1に、ユーザが、服用するべき薬品のパッケージ261に添付されているQR(Quick Response)コードを携帯端末装置2のカメラ57の視野内に捉え、撮影ボタン(シャッタ)262を押下するのを受け付ける(
図14(a))。
【0042】
画像取得部62は、第2に、QRコード(登録商標)の情報から薬品ID及び薬品名を取得し、これらを、薬品ID欄263及び薬品名欄264に表示する。さらに、画像取得部62は、画面に、錠剤アイコン265及び「次へ」ボタン266を表示する。そして、ユーザが、服用した薬品の分量だけ錠剤アイコン265を押下したうえで「次へ」ボタン266を押下するのを受け付ける(
図14(b))。
画像取得部62は、第3に、ユーザが、服用するべき薬品及び自身の上半身(顔を含む)を携帯端末装置2のカメラ57の視野内に捉え、撮影ボタン262を押下するのを受け付ける(
図14(c))。
画像取得部62は、第4に、画像267を取得する。そして取得した画像267を薬品ID、分量及び日時(送信時点)とともに、治験支援装置1に送信する。以上の携帯端末装置2の処理は、被験者が画像を取得することを失念していないことを前提としている。もちろん失念することもある。
なお、携帯端末装置2の生体値取得部61は、被験者の生体値(体温、血圧、脈拍数等)を取得し、取得した生体値を、画像267等とともに治験支援装置1に送信することもできる。このようにすれば、生体値の取得時点が服薬時点に近くなる。
【0043】
図8に戻って、ステップS325において、服薬情報管理部21は、第2に、画像267、薬品ID、分量及び日時を携帯端末装置2から受信する。
【0044】
ステップS326において、服薬情報管理部21は、画像等を受け付けたか否かを判断する。具体的には、服薬情報管理部21は、第1に、注目レコードの日時から所定の時間(例えば15分)が経過した時点までに、携帯端末装置2から、画像267、薬品ID、分量及び日時を受信したか否かを判断する。
服薬情報管理部21は、第2に、判断の結果が「受信した」である場合(ステップS326“YES”)、ステップS327へ進み、判断の結果が「受信していない」である場合(ステップS326“NO”)、ステップS330へ進む。
【0045】
ステップS327において、服薬情報管理部21は、被験者からの報告を表示する。具体的には、服薬情報管理部21は、第1に、被験者からの報告欄228(
図11)の、画像欄235、薬品ID欄232、分量欄233及び日時欄234に、それぞれ、受信した画像、薬品ID、分量及び日時を表示する。
服薬情報管理部21は、第2に、被験者ID欄230及び氏名欄231に、それぞれ、注目レコードの被験者ID、及び、その被験者IDが特定する氏名を表示する。そして、服薬実績IDを採番したうえで、服薬実績ID欄229に表示する。
【0046】
ステップS328において、服薬情報管理部21は、確認及び承認を受け付ける。具体的には、服薬情報管理部21は、第1に、ユーザが、「確認できました」ボタン236a又は「確認できません」ボタン236bのいずれかを押下するのを受け付ける。ユーザは、画像235が存在し(表示され)、かつ画像235が被験者本人のものであるか否かを確認できる程度に鮮明である場合は「確認できました」ボタン236aを押下するものとする。そうでない場合は、「確認できません」ボタン236bを押下するものとする。
服薬情報管理部21は、第2に、ユーザが、「承認します」ボタン237a又は「承認しません」ボタン237bのいずれかを押下するのを受け付ける。ユーザは、画像235を再生し、必要に応じ拡大したうえで、以下の条件がすべて満たされた場合は「承認します」ボタン237aを押下するものとする。そうでない場合は、「承認しません」ボタン237bを押下するものとする。
【0047】
・「確認できました」ボタン236aが押下された。
・薬品ID欄232に表示されている薬品IDが、注目レコードの服薬指示の薬品IDに一致する。
・分量欄233に表示されている分量が、注目レコードの服薬指示の分量に一致する。
・日時欄234に表示されている日時が、注目レコードの日時を含む所定の時間の範囲内に属する。
・画像235を視認した結果、被験者が「服薬指示」に係る薬品を「服薬指示」に係る分量だけ服用したことをユーザが確信できる。
【0048】
なお、服薬情報管理部21は、ユーザの判断を待つまでもなく、上記5つの条件がすべて満たされるか否かを判断することも可能である。このとき、服薬情報管理部21は、被験者が「服薬指示」に係る薬品を「服薬指示」に係る分量だけ服用したことを、以下のようにして判断する。
(1)画像235のなかから、公知の技術によって、楕円形状(口)、及び、当該楕円形状よりも小さな粒状形状(薬品)を識別する。
(2)粒状形状が楕円形状に接近していき、やがて画面から粒状形状が消滅することを確認する。
【0049】
ステップS329において、服薬情報管理部21は、服薬実績情報33を作成する。具体的には、服薬情報管理部21は、第1に、服薬実績情報33(
図5(a))の新たなレコードを作成する。そして、新たなレコードの、服薬実績欄121、被験者ID欄122及び治験対象薬品ID欄123に、それぞれ、ステップS327の「第2」において採番した服薬実績ID、注目レコードの被験者ID及び治験対象薬品IDを記憶し、日時欄127及び画像名欄128に、ステップS327の「第1」において表示した日時及び表示した画像235に付されている画像名を記憶する。画像235が存在しない場合は、画像名欄128を空白とする。
服薬情報管理部21は、第2に、新たなレコードの服薬報告欄124に、ステップS327の「第1」において表示した薬品ID及び分量を記憶する。
服薬情報管理部21は、第3に、ステップS328の「第1」において「確認できました」ボタン236aが押下された場合は、新たなレコードの確認フラグ欄125に「○」を記憶する。「確認できません」ボタン236bが押下された場合は、確認フラグ欄125に「×」を記憶する。
服薬情報管理部21は、第4に、ステップS328の「第2」において「承認します」ボタン237aが押下された場合は、新たなレコードの承認フラグ欄126に「○」を記憶する。「承認しません」ボタン237bが押下された場合は、確認フラグ欄126に「×」を記憶する。
【0050】
ステップS330において、服薬情報管理部21は、アラームを送信する。具体的には、服薬情報管理部21は、第1に、注目レコードの服薬指示の薬品IDに対応する薬品名を取得する。補助記憶装置15は、薬品IDと薬品名との対応情報を記憶しているものとする。
服薬情報管理部21は、第2に、注目レコードの被験者IDを検索キーにして被験者情報31(
図4(a))を検索することによって、被験者の氏名を取得する。
服薬情報管理部21は、第3に、注目レコードの服薬指示の分量、取得した薬品名及び氏名を使用して、「○○静香さま、直ちに、S糖衣錠を2錠服用してください」のようなメッセージ(
図14(d)参照)を作成する。
服薬情報管理部21は、第4に、作成したメッセージを携帯端末装置2に送信する。その後、服薬情報管理部21は、注目レコードに対応する実際の服薬報告、画像等が携帯端末装置2から送信されるのを待ち、これらを受信した段階でステップS327へ進む。
【0051】
ステップS331において、服薬情報管理部21は、未処理の注目レコードがあるか否かを確認する。具体的には、服薬情報管理部21は、注目レコードの次に未処理のレコードが表示されている場合(ステップS331“YES”)、当該次のレコードを新たに「注目レコード」としたうえで、ステップS326〜S330の処理を繰り返す。それ以外の場合(ステップS331“NO”)、ステップS303へ進む。
【0052】
ステップS332において、服薬情報管理部21は、被験者からの報告を蓄積する。具体的には、服薬情報管理部21は、第1に、ステップS322において受け付けた被験者IDを検索キーとして被験者情報31を検索し、該当したレコードの端末装置アドレスを取得する。
服薬情報管理部21は、第2に、所定の期間に亘って継続的に、ステップS332の「第1」において取得した端末装置アドレスを有する携帯端末装置2から、複数の「服薬データ」を受信する。1つの服薬データは、被験者ID、治験対象薬品ID、服薬報告(薬品ID及び分量を含む)、日時、画像名及び画像そのものを含むものとする。所定の期間とは、例えば「1週間」である。
【0053】
ステップS332が実行されている間、被験者は、前記した方法で画像を繰り返し取得することになる。この期間は充分に長いので、服薬情報管理部21は、ステップS332の処理の最初において、検査機関端末装置4との通信接続を一旦切断してもよい。そして、所定の期間が経過した時点で再度接続してもよい。
【0054】
ステップS333において、服薬情報管理部21は、服薬予定情報32(
図4(b))を表示する。具体的には、服薬情報管理部21は、第1に、ステップS322において受け付けた検索条件に基づいて、服薬予定情報32を検索し、該当したレコードをすべて取得する。
服薬情報管理部21は、第2に、ステップS333の「第1」おいて取得したレコードを、服薬確認・承認画面221(
図11)のスケジュール欄226に表示する。
【0055】
ステップS334において、服薬情報管理部21は、服薬データ等を表示する。具体的には、服薬情報管理部21は、第1に、蓄積した未処理の服薬データのうち、日時が最も早いものを使用して、服薬確認・承認画面221の各欄230〜234にデータを表示し、欄235に画像を表示する。
服薬情報管理部21は、第2に、服薬実績IDを採番したうえで、服薬実績ID欄229に表示する。
服薬情報管理部21は、第3に、ステップS333の「第2」において表示したレコードのうち、ステップS334の「第1」において表示した日時に最も近い日時を有するレコードに「注目マーク」227を付す。
【0056】
ステップS335において、服薬情報管理部21は、確認及び承認を受け付ける。具体的には、服薬情報管理部21は、第1に、ユーザが、「確認できました」ボタン236a又は「確認できません」ボタン236bのいずれかを押下するのを受け付ける。ユーザがどのような場合にどちらのボタンを押下するか、については前記した通りである。
服薬情報管理部21は、第2に、ユーザが、「承認します」ボタン237a又は「承認しません」ボタン237bのいずれかを押下するのを受け付ける。ユーザがどのような場合にどちらのボタンを押下するか、については前記した通りである。
【0057】
ステップS336において、服薬情報管理部21は、服薬実績情報33を作成する。ステップS336の処理はステップS329の処理と同様である。但し、『ステップS327の「第2」において採番』とあるのは、『ステップS334の「第2」において採番』と、『ステップS327の「第1」において表示』とあるのは、『ステップS334の「第1」において表示』と読み替える。また、「ステップS328の」とあるのは、「ステップS335の」と読み替える。
【0058】
服薬情報管理部21は、ユーザが「次の画像」ボタン238(
図11)を押下するのを受け付ける都度、ステップS334〜S336の処理を繰り返す。ユーザは、スケジュール欄226のレコードのうち注目マークが付されたものと、被験者からの報告欄228欄の画像235等を比較しつつ、画像を切り替えながら(注目マークを一段ずつ下にずらしながら)確認及び承認を行うことになる。繰り返し処理が終了した段階で、服薬情報管理部21は、服薬実績情報33(
図5(a))を完成させていることになる。その後、ステップS303へ進む。
【0059】
図9(a)に沿って、全体処理手順のステップS303の詳細を説明する。
ステップS341において、治験支援装置1の体調情報管理部22は、被験者の生体値を蓄積する。具体的には、体調情報管理部22は、第1に、所定の期間に亘って継続的に、すべての携帯端末装置2から、複数の「体調データ」を受信する。1つの体調データは、被験者ID、生体値区分、生体値、生体値が取得された日時及び携帯端末装置2の位置情報を含む。
【0060】
ステップS341の説明の途中であるが、
図15を参照する。携帯端末装置2(
図15では符号271)の生体値取得部61(
図3(a)参照)は、センサ58又は外部センサ58b(
図15では符号274、275)を介して被験者の生体値を取得する。生体値取得部61は、出力装置53(
図15では符号272)に取得した生体値を表示し、ユーザが「送信する」ボタン273を押下するのを契機に、体調データを治験支援装置1に送信する。前記したように、被験者は、服薬時点にあわせて、体調データを送信することが容易にできる。
【0061】
ステップS341に戻って、体調情報管理部22は、第2に、ステップS341の「第1」において受信した体調データを用いて、体調情報34(
図5(b))を作成する。体調情報管理部22は、1つの体調データに対応して、体調情報34の1つのレコードを作成し、体調情報ID欄131には、体調情報IDを採番したうえで記憶するものとする。
【0062】
ステップS342において、体調情報管理部22は、体調情報34を表示する。具体的には、体調情報管理部22は、第1に、検査機関端末装置4の出力装置73に、メイン画面201(
図10(a))を表示する。
体調情報管理部22は、第2に、ユーザがメイン画面201の体調情報ボタン204を押下するのを受け付けると、出力装置73に体調承認画面241(
図12)を表示する。
体調情報管理部22は、第3に、ユーザが、検索条件入力欄242の各欄に検索項目及び検索キーを入力するのを受け付ける。
体調情報管理部22は、第4に、ステップS342の「第3」において受け付けた検索キーを用いて、体調情報34(
図5(b))を検索し、該当したレコードを、被験者からの体調情報欄243に表示する。このとき、体調情報管理部22は、体調情報34のあるレコードの位置と直前のレコードの位置を用いてその両者間の距離を算出する。そして、当該あるレコードの位置欄136の見出しを「移動距離」に変更したうえで、移動距離欄244(
図12)に算出した距離を表示する。
【0063】
ステップS343において、体調情報管理部22は、承認を受け付ける。具体的には、体調情報管理部22は、第1に、ユーザが承認ボタン245を押下するのを受け付ける。ユーザは、被験者からの体調情報欄243に表示されたすべてのレコードが治験のために利用可能であると判断した場合、承認ボタン245を押下するものとする。
体調情報管理部22は、第2に、被験者からの体調情報欄243に表示されたすべてのレコードに対応する体調情報34のレコードに承認欄(図示せず)を設け、当該欄に「承認」を記憶する。例えば、被験者からの体調情報欄243に表示される生体値のうちあるものが、直前の生体値に比して大きく上昇しており、その生体値を含むレコードの移動距離が有意に大きい場合がある。この場合、被験者が運動(徒歩)したことによって生体値が上昇したとユーザは判断し得る。このとき、ユーザは当該レコードを画面から削除したうえで、承認ボタン245を押下する。すると、当該削除したレコード以外のレコードに対応する体調情報34のレコードに「承認」が記憶される。
【0064】
体調情報管理部22は、別の検索条件の入力を受け付けたうえで、ステップS343の処理を繰り返してもよい。その後、ステップS304へ進む。
【0065】
図9(b)に沿って、全体処理手順のステップS304の詳細を説明する。
ステップS351において、治験支援装置1の副作用情報管理部23は、被験者の副作用データを蓄積する。具体的には、副作用情報管理部23は、第1に、所定の期間に亘って継続的に、医療機関端末装置3から複数の「副作用データ」を受信する。1つの副作用データは、被験者ID、医療機関ID、症状、詳細症状及び症状を発見した日時を含む。
副作用情報管理部23は、第2に、ステップS351の「第1」において受信した副作用データを用いて、副作用情報35(
図6(a))を作成する。副作用情報管理部23は、1つの副作用データに対応して、副作用情報35の1つのレコードを作成する。
【0066】
ステップS352において、副作用情報管理部23は、副作用情報を表示する。具体的には、副作用情報管理部23は、第1に、検査機関端末装置4の出力装置73に、メイン画面201(
図10(a))を表示する。
副作用情報管理部23は、第2に、ユーザが、メイン画面201の副作用ボタン205を押下するのを受け付けると、出力装置73に、副作用発見画面251(
図13)を表示する。
副作用情報管理部23は、第3に、ユーザが、検索条件入力欄252の各欄に検索項目及び検索キーを入力するのを受け付ける。
副作用情報管理部23は、第4に、ステップS352の「第3」において受け付けた検索キーを用いて、副作用情報35(
図6(a))を検索し、該当したレコードを、医師からの副作用情報欄253に表示する。
【0067】
ステップS353において、副作用情報管理部23は、承認を受け付ける。具体的には、副作用情報管理部23は、第1に、ユーザが承認ボタン254を押下するのを受け付ける。ユーザは、医師からの副作用情報欄253に表示されたすべてのレコードが治験のために利用可能であると判断した場合、承認ボタン254を押下するものとする。
副作用情報管理部23は、第2に、医師からの副作用情報欄253に表示されたすべてのレコードに対応する副作用情報35のレコードに承認欄(図示せず)を設け、当該欄に「承認」を記憶する。
なお、ユーザは、医師からの副作用情報欄253に表示される症状又は詳細症状のうちの少なくとも1つが明らかな副作用である、という判断する場合がある。このとき、ユーザは当該レコードを画面上で選択したうえで、承認ボタン254を押下する。例えば、ユーザは、被験者ID「P001」及び症状「吐き気」を含むレコードを選択したとする。すると、副作用情報管理部23は、副作用情報35のうち、被験者ID「P001」を含むすべてのレコードの承認欄に、「副作用あり」を記憶し、他のレコードの承認欄に「承認」を記憶する。
【0068】
副作用情報管理部23は、別の検索条件の入力を受け付けたうえで、ステップS353の処理を繰り返してもよい。その後、ステップS305へ進む。
【0069】
図9(c)に沿って、全体処理手順のステップS305の詳細を説明する。
ステップS361において、治験支援装置1の治験支援部24は、治験統括情報36(
図6(b))を完成させる。具体的には、治験支援部24は、第1に、治験統括情報36の未処理のレコードを取得する。当該取得したレコードを「基準レコード」と呼ぶ。
治験支援部24は、第2に、基準レコードの被験者ID及び治験対象薬品IDを検索キーとして、服薬予定情報32(
図4(b))を検索し、該当したレコードの服薬予定IDを取得する。
治験支援部24は、第3に、基準レコードの被験者ID及び治験対象薬品IDを検索キーとして、服薬実績情報33(
図5(a))を検索し、該当したレコードの服薬実績IDを取得する。
治験支援部24は、第4に、基準レコードの服薬予定欄154及び服薬実績欄155(いずれも空欄である)に、ステップS361の「第2」及び「第3」において取得した服薬予定ID及び服薬実績IDを記憶する。
治験支援部24は、ステップS361の「第1」〜「第4」の処理を、治験統括情報36のすべてのレコードについて繰り返す。
治験支援部24は、第5に、治験統括情報36のレコードを、同じ被験者群IDを有するもの同士でグルーピングする。このときグルーピングされた複数のレコード群を「対象レコード群」と呼ぶ。
【0070】
ステップS362において、治験支援部24は、治験支援情報37(
図6(c))に承認フラグを反映させる。具体的には、治験支援部24は、第1に、治験支援情報37の新たなレコードを作成する。
治験支援部24は、第2に、新たなレコードの治験対象薬品欄161、被験者群ID欄162及び被験者数欄163に、未処理の対象レコード群のそれぞれ、治験対象薬品ID、被験者群ID、及び、被験者IDの数を記憶する。
【0071】
治験支援部24は、第3に、対象レコード群に属する、被験者IDをすべて取得する。ここでは例えば、「P001」、「P002」〜「P005」が取得される。
治験支援部24は、第4に、ステップS362の「第3」において取得した被験者IDを検索キーとして服薬実績情報33(
図5(a))を検索し、該当したレコードの数と、そのうち承認フラグが「○」であるレコードの数(有効レコード数)を数える。そして、「(被験者ID,レコード数,有効レコード数)」の組合せを作成する。治験支援部24は、例えば、(被験者ID,レコード数,有効レコード数)=(P001,6,4),(P002,5,3),・・・を作成する。
治験支援部24は、第5に、ステップS362の「第4」において作成した組合せのうち、有効レコード数のレコード数に対する比率が所定の閾値以上である組合せの数と、その組合せに含まれる被験者IDを取得する。
治験支援部24は、第6に、新たなレコードの有効被験者数欄164及び有効被験者ID欄165に、ステップS362の「第5」において取得した、それぞれ組合せの数及び被験者IDを記憶する。
【0072】
ステップS363において、治験支援部24は、治験支援情報37(
図6(c))に副作用の有無を反映させる。
具体的には、治験支援部24は、第1に、対象レコード群に属する被験者IDを検索キーとして、副作用情報35(
図6(a))を検索し、該当するレコードを取得する。
治験支援部24は、第2に、ステップS363の「第1」において取得したレコードのうち、「副作用あり」が記憶されているレコードの被験者ID、及び、被験者IDの数(重複分は除く)を取得する。
治験支援部24は、第3に、新たなレコードの副作用被験者数欄166及び副作用被験者ID欄167に、ステップS363の「第2」において取得した、それぞれ被験者IDの数及び被験者IDを記憶する。
【0073】
治験支援部24は、すべての対象レコード群について、ステップS362及びS363の処理を繰り返す。その後、処理手順を終了する。
【0074】
(実施形態の効果)
本実施形態は、以下の効果を奏する。
(1)治験支援装置1は、服薬時点の画像を取得するので、被験者が正しく薬品を服用しているか否かを容易に確認できる。
(2)被験者が薬品を服用したことを報告するのに使用する携帯端末装置自身が被験者の生体値を取得する。したがって、生体値を取得する時点を服用時点に近づけることが容易になる。
(3)被験者の症状に基づいて、副作用が発生していることを容易に知ることができる。
(4)被験者が薬品を服用するべき時点に先立って、治験支援装置1が携帯端末装置2との通信を確立する。したがって、リアルタイムの画像が得られる。
(5)治験支援装置1は、携帯端末装置2にアラームを送信する。したがって、被験者が薬品の服用を失念することを防げる。
【0075】
なお、本発明は前記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、前記した実施例は、本発明を分かり易く説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明したすべての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
また、前記の各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウエアで実現してもよい。また、前記の各構成、機能等は、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによりソフトウエアで実現してもよい。各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、メモリや、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)等の記録装置、又は、ICカード、SDカード、DVD等の記録媒体に置くことができる。
また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしもすべての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆どすべての構成が相互に接続されていると考えてもよい。