特許6040125IP Force 特許公報全文掲載

技術分野

引張強さが490〜570MPa級の鋼材溶接に使用されるフラックス入りワイヤに関し、特に、硫化水素を多く含む環境(サワー環境)に曝されるパイプライン等の構造物の初層溶接に使用されるガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤに関するものである。

発明が解決しようとする課題[発明の詳細な説明]から抜粋

しかしながら、特許文献1のワイヤでは、裏波溶接仕様のフラックスの成分設計が行われている。その結果、特許文献1のワイヤでは、裏波溶接作業性を確保するために、AW性能が犠牲となり、使用温度は−30℃程度にとどまり、更なる低温側の仕様に対応できないという課題がある。また、特許文献1のワイヤでは、SR(Stress Relief annealing、応力除去焼鈍)後の溶接金属の機械的性質(引張強さおよび低温時の吸収エネルギー)、いわゆる、SR性能が劣るという課題がある。 また、特許文献2のワイヤでは、フラックスの成分設計によって、溶接のまま(As−Welded)での溶接金属のAW性能が確保されるが、パイプラインの初層溶接においては溶接作業性(裏波ビードの形状) およびSR性能が劣るという課題がある。 さらに、特許文献1、2のワイヤでは、パイプラインの初層溶接においてAr−CO2混合ガスのみがシールドガスとして使用され、100%CO2をガスシールドガスとして使用することができないという課題がある。 本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであって、構造物、特にパイプラインの初層溶接において、シールドガスとして100%CO2ガスとAr−CO2混合ガスとを兼用でき、優れた溶接作業性、AW性能およびSR性能を有するフラックス入りワイヤを提供することを課題とする。なお、本発明において、前記したように、AW性能とは、溶接のままでの溶接金属の機械的性質(引張強さおよび低温時の吸収エネルギー)、SR性能とは、SR後の溶接金属の機械的性質(引張強さおよび低温時の吸収エネルギー)を言う。

課題を解決するための手段[発明の詳細な説明]から抜粋

本発明に係るフラックス入りワイヤは、鋼製外皮にフラックスを充填してなるフラックス入りワイヤにおいて、ワイヤ全質量当たり、Mn:1.5〜3.1質量%、Ni:0.2質量%以上1.00質量%未満、Si、Si合金およびSi酸化物の少なくとも1種:Si換算値で0.3〜1.0質量%、Ti:0.05〜0.29質量%、C:0.10〜0.30質量%、B、B合金およびB酸化物の少なくとも1種:B換算値で0.00・・・ 続きを知財ポータルサイト IP Force にログインして見る
【発明の効果】
本発明に係るフラックス入りワイヤによれば、構造物、特にパイプラインの初層溶接において、シールドガスとして100%CO2ガスとAr−CO2混合ガスとを兼用できると共に、溶接作業性、AW性能およびSR性能が優れたものとなる。その結果、低温環境下、特にサワー環境下に曝されるパイプライン等の構造物の安全性と溶接施工能率をより一層高めることができる。

この発明についての権利主張の範囲[特許請求の範囲]

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この特許公報に記載されている図面[図面の簡単な説明]から抜粋

【図1】フラックス入りワイヤにおける(〔C〕+〔Si〕)/(〔Ti〕+〔Ni〕)と、裏波溶接作業性およびAW性能との関係を示す図である。

選択図 図1出願人が指定した本件の代表的な図

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