(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
自走可能な下部走行体と、該下部走行体上に旋回可能に搭載された上部旋回体と、該上部旋回体の前側に油圧アクチュエータを動力源として俯仰動可能に設けられた作業装置とからなり、
前記上部旋回体は、
支持構造体をなす旋回フレームと、
該旋回フレームの後側に左,右方向に延在する横置き状態で搭載されたエンジンと、
該エンジンの左,右方向の一側に位置して該エンジンの出力軸に取付けられるハブ部材の周囲に複数の羽根を有し回転駆動されることにより冷却風を発生する冷却ファンと、
前記エンジンの左,右方向の他側に設けられ駆動されることにより前記油圧アクチュエータに作動油を供給する油圧ポンプと、
前記冷却ファンと対面するように前記旋回フレーム上に設けられ前記作動油を冷却するオイルクーラ、前記エンジンの冷却水を冷却するラジエータを含む熱交換装置とを備えてなる建設機械において、
前記旋回フレーム上には、前記エンジンの上側を左,右方向に延びた建屋支持台と、上端が該建屋支持台の左,右方向の他側位置に取付けられ前記エンジンを前,後方向に跨いで下端が前記旋回フレームに取付けられた前,後の脚部とからなるサポート部材を設け、
前記熱交換装置は、下側に位置して前,後方向に延び前記旋回フレームに取付けられる下枠、該下枠の長さ方向の両端から上側に延びた一対の側枠および該各側枠の上部に亘って前,後方向に延びた上枠を用いて角枠状に組立てられた枠部材を備え、
前記サポート部材の建屋支持台は、自由端となった左,右方向の一側を前記熱交換装置の前記枠部材に取付ける構成とし、
前記冷却ファンは、前記各羽根が前記枠部材に対し前記エンジン側の端面から該枠部材内に進入した状態で配設し、
前記オイルクーラと前記ラジエータは、前記枠部材に対し前記エンジンと反対側に前記冷却ファンと間隔をもって取付け、
前記枠部材の前記エンジン側端面には、前記冷却ファンの各羽根の外周を取囲み前記枠部材、オイルクーラおよびラジエータとの間にファン収容室を形成する平板状のシュラウドを取付ける構成としたことを特徴とする建設機械。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態に係る建設機械の代表例として、熱交換装置にオイルクーラとラジエータを備えた油圧ショベルを例に挙げ、
図1ないし
図17に従って詳細に説明する。この実施の形態では、運転席の上側を覆うキャノピを備えたキャノピ仕様の油圧ショベルを例示している。
【0023】
図1において、1は本実施の形態による建設機械としてのクローラ式の油圧ショベルを示している。この油圧ショベル1は、ミニショベルと呼ばれる小型の油圧ショベルとなっている。油圧ショベル1は、自走可能な下部走行体2と、該下部走行体2上に旋回可能に搭載された上部旋回体3と、該上部旋回体3の前,後方向の前側に俯仰動可能に設けられ土砂の掘削作業等を行う作業装置4とにより構成されている。
【0024】
上部旋回体3は、後述の旋回フレーム5、エンジン16、冷却ファン17、油圧ポンプ18、熱交換装置19、サポート部材33を含んで構成されている。
【0025】
5は上部旋回体3の旋回フレームを示している。この旋回フレーム5は、下部走行体2上に旋回可能に取付けられた支持構造体として形成されている。旋回フレーム5は、
図9に示す如く、厚肉な平板からなる長方形状の底板6と、該底板6の上面側に左,右方向に離間して略V字状に立設された左前縦板7,右前縦板8と、該各前縦板7,8の前端部に設けられ、作業装置4を支持する支持ブラケット9と、前記各前縦板7,8の後端位置に左,右方向に延びて底板6上に立設された仕切板10と、該仕切板10を挟んで左前縦板7の後側に連続するように立設された左後縦板11と、前記仕切板10を挟んで右前縦板8の後側に連続するように立設された右後縦板12と、該右後縦板12の上側に前,後方向に延びて設けられた熱交換装置取付台13と、前記底板6の前側に位置して各前縦板7,8の上側を左,右方向に延びて設けられたフロア取付部材14と、前記底板6の後側に位置して前記底板6、仕切板10および左後縦板11に設けられた複数個、例えば4個のエンジンブラケット15とにより構成されている。
【0026】
仕切板10には、左,右方向の右側に位置して複数個、例えば2個のボルト挿通孔10Aが上,下方向に間隔をもって設けられている。この2個のボルト挿通孔10Aは、後述の熱交換装置19を構成する枠部材20の前側枠22を仕切板10に固定するための枠部材固定ボルト27Dが挿通されるものである。
【0027】
一方、仕切板10の左側寄り位置には、左後縦板11の近傍に位置して複数個、例えば2個のめねじ孔10Bが上,下方向に間隔をもって設けられている。このめねじ孔10Bは、例えば仕切板10に穿設した貫通孔と同軸にナットを溶接することにより形成されている(所謂、溶接ナットと呼ばれるものである)。これ以外にも、めねじ孔10Bとしては、仕切板10に直接的にめねじ(ねじ山)を刻設する構成としてもよい。このめねじ孔10Bには、後述するサポート部材33の左前脚部35を仕切板10に固定するためのサポート部材固定ボルト37が螺着される。
【0028】
左後縦板11は、仕切板10と前,後方向で対面するように底板6の後端部に立設された左後端板11Aと、仕切板10と左後端板11Aとの間を前,後方向に延びて立設された左縦板部材11Bとにより構成されている。左後端板11Aには、左縦板部材11Bの左側近傍に位置して複数個、例えば2個のめねじ孔11A1が上,下方向に間隔をもって設けられている。このめねじ孔11A1は、前述した仕切板10のめねじ孔10Bと同様に、例えば溶接ナットにより形成されている。この2個のめねじ孔11A1には、サポート部材33の左後脚部36を左後縦板11に固定するためのサポート部材固定ボルト37が螺着される。
【0029】
右後縦板12は、仕切板10と前,後方向で対面するように底板6の後端部に立設された右後端板12Aと、仕切板10と右後端板12Aとの間を前,後方向に延びて立設された右縦板部材12Bとにより構成されている。
【0030】
熱交換装置取付台13は、右後縦板12の右縦板部材12B上に前,後方向に延びて取付けられた長尺な板体として形成されている。この熱交換装置取付台13には、前,後方向に間隔をもって複数個、例えば4個のボルト挿通孔13Aが上,下方向に貫通して設けられている。
【0031】
フロア取付部材14は、後述するフロア部材38の前側部位とキャノピ42の右前支柱42Dを取付ける台座を構成している。フロア取付部材14の右側位置には、前記右前支柱42Dを固定するためのキャノピ固定ボルト43が螺着されるめねじ孔14Aが設けられている。
【0032】
さらに、各エンジンブラケット15は、前,後方向および左,右方向に所望の間隔寸法をもって配置されている。各エンジンブラケット15は、後述の防振マウント16Aを介してエンジン16を弾性的に支持するものである。
【0033】
16は旋回フレーム5の後側に設けられたエンジン(
図3、
図4、
図6参照)である。このエンジン16は、仕切板10と各後縦板11,12の後端板11A,12Aとの間に左,右方向に延在する横置き状態で配置されている。エンジン16は、各エンジンブラケット15に防振マウント16Aを介して防振状態で取付けられている。このエンジン16には、左,右方向の一側、例えば右側に位置して後述の冷却ファン17が設けられている。
【0034】
17はエンジン16の左,右方向の一側となる右側に位置して設けられた冷却ファンを示している。この冷却ファン17は、エンジン16の出力軸(図示せず)に取付けられ、該出力軸と共に回転駆動されることにより、外気を冷却風として吸込んで後述の熱交換装置19に供給する軸流式の吸込みファンとして構成されている。さらに、冷却ファン17は、
図11、
図12に示すように、エンジン16の出力軸に取付けられる円筒状のハブ部材17Aと、該ハブ部材17Aの周囲から放射状に延びた複数の羽根17Bとにより構成されている。各羽根17Bは、その先端部で円を描くように、個々の先端が円弧状に形成されている。
【0035】
ここで、冷却ファン17は、その一部が後述する熱交換装置19の枠部材20内に進入している。具体的には、冷却ファン17の各羽根17Bが枠部材20に対しエンジン16側の端面20Aから該枠部材20内に進入した状態で配設されている。この場合、冷却ファン17の進入寸法は、
図12、
図13に示すように、枠部材20のエンジン側端面20Aから各羽根17Bの軸方向の半分程度が進入する寸法に設定されている。従って、冷却ファン17は、後述のオイルクーラ28、ラジエータ30との間に十分な隙間を形成することができる。これにより、冷却ファン17は、オイルクーラ28、ラジエータ30の全体に冷却風を供給できる上に、オイルクーラ28、ラジエータ30との接触を防止することができる。
【0036】
18はエンジン16の左,右方向の他側となる左側に設けられた油圧ポンプである。この油圧ポンプ18は、エンジン16によって駆動されることにより、下部走行体2、作業装置4等に設けられた油圧アクチュエータに作動油を供給するものである。
【0037】
なお、小型の油圧ショベル1は、旋回フレーム5上の設置スペースが狭くなっているから、限られたスペースを有効に利用するために、エンジン16、油圧ポンプ18の上側に後述の運転席39等が配置されている。この構成を可能にするために、旋回フレーム5の後側には、エンジン16の上側位置に運転席39等を支持するためのサポート部材33が設けられている。
【0038】
次に、各種油圧アクチュエータを動作させるための作動油とエンジン16を冷却するためのエンジン冷却水とを冷却する本実施の形態による熱交換装置19について説明する。この熱交換装置19を構成する枠部材20は、サポート部材33の左,右方向の右側の脚部として利用されるものである。
【0039】
19はエンジン16の左,右方向の一側となる右側に位置して旋回フレーム5上に設けられた熱交換装置を示している。この熱交換装置19は、
図10ないし
図17に示すように、後述の枠部材20、オイルクーラ28、ラジエータ30、シュラウド31を含んで構成されている。
【0040】
20は熱交換装置19の外枠を形成する枠部材を示している。この枠部材20は、オイルクーラ28およびラジエータ30を支持する枠状体として形成されている。即ち、枠部材20は、下側に位置して前,後方向に延び旋回フレーム5の熱交換装置取付台13に取付けられる下枠21と、該下枠21の長さ方向(前,後方向)の両端から上側に延びた一対の前側枠22、後側枠23と、該各側枠22,23の上部に亘って前,後方向に延びた上枠24を用いて角枠状に組立てられている。
【0041】
角枠状の枠部材20内には、冷却ファン17による冷却風が流通するようになっている。この場合、枠部材20には、冷却風の流れ方向でエンジン16側(下流側)となるエンジン側端面20Aに位置して冷却ファン17とシュラウド31が配置されている。
【0042】
一方、枠部材20には、下枠21、前側枠22および上枠24のうち、冷却風の上流側に位置する外側、即ち、エンジン16と反対側となる右側の端面として略C字状の取付面板25が設けられている。この取付面板25は、
図14に示すように、後述のオイルクーラ28(オイルクーラブラケット26)とラジエータ30(ラジエータブラケット29)とが取付けられるもので、該取付面板25には、上,下方向ないし左,右方向に間隔をもって複数個、例えば4個のめねじ孔25Aが設けられている。
【0043】
ここで、枠部材20は、鋼板に各種加工を施してなる各枠21〜24および取付面板25を溶接手段を用いて適宜に固着することにより角枠状に形成されている。従って、枠部材20は、運転席39、キャノピ42等を支持することができる高い強度、具体的には、サポート部材33の各脚部35,36と同等の強度を有している。
【0044】
枠部材20の下枠21は、短冊状の平板からなる下板21Aと、該下板21A上を長さ方向(前,後方向)に延びて設けられ取付面板25を支持する断面L字状の支持板21Bとにより構成されている。また、下板21Aには、外側端面となる取付面板25よりも外側(エンジン16と反対側)で長さ方向(前,後方向)の後側寄りに位置して2個のラジエータ取付孔21C(
図14中に1個のみ図示)と、旋回フレーム5の熱交換装置取付台13に設けた各ボルト挿通孔13Aに対応する溶接ナットからなる4個のめねじ孔21Dとが前,後方向に間隔をもって設けられている。
【0045】
さらに、下枠21の支持板21Bは、その縦板部分が枠部材20のエンジン側端面20Aの一部を構成するもので、
図15に示すように、シュラウド31を取付けるためのめねじ孔21Eが前,後方向に間隔をもって例えば2個設けられている。
【0046】
枠部材20の前側枠22は、上,下方向に延びた立上り板22Aと、該立上り板22Aの後面を長さ方向(上,下方向)に延びて設けられ取付面板25を支持する断面L字状の支持板22Bとにより構成されている。立上り板22Aのうち、長さ方向(上,下方向)の下側寄りには、旋回フレーム5の仕切板10に設けられたボルト挿通孔10Aに対応する位置に2個のめねじ孔22Cが設けられている。
【0047】
さらに、前側枠22の支持板22Bは、枠部材20のエンジン側端面20Aの一部を構成するもので、
図15に示すように、シュラウド31を取付けるためのめねじ孔22Dが上,下方向に間隔をもって例えば2個設けられている。
【0048】
枠部材20の後側枠23は、前側枠22と前,後方向で対面するように上,下方向に延びた立上り板23Aと、該立上り板23Aのエンジン16側の端縁を折曲げて形成され、枠部材20のエンジン側端面20Aの一部を構成する折曲げ板23Bとにより構成されている。立上り板23Aのうち、折曲げ板23Bと反対側の上部位置には、後述するラジエータブラケット29を取付けるためのねじ座23Cが設けられている。さらに、折曲げ板23Bには、シュラウド31を取付けるためのめねじ孔23Dが上,下方向に間隔をもって例えば2個設けられている。
【0049】
枠部材20の上枠24は、平板状の上板24Aと、該上板24A下を長さ方向(前,後方向)に延びて設けられ取付面板25を支持する断面L字状の支持板24B(
図12参照)とにより構成されている。また、上板24Aには、後側枠23よりも後側に延びて取付板部24A1が設けられ、この取付板部24A1には、エンジン16側となる左側寄りに位置して複数個、例えば2個のボルト挿通孔24Cが前,後方向に間隔をもって形成されている。この2個のボルト挿通孔24Cは、後述するサポート部材33の建屋支持台34の自由端34Fを固定するためのサポート部材固定ボルト37が挿通されるものである。
【0050】
さらに、上枠24の支持板24Bは、その縦板部分が枠部材20のエンジン側端面20Aの一部を構成している。この支持板24Bには、シュラウド31を取付けるためのめねじ孔24Dが前,後方向に間隔をもって例えば2個設けられている。
【0051】
ここで、枠部材20は、エンジン16側に位置して角枠状のエンジン側端面20Aを有している。このエンジン側端面20Aは、下枠21の支持板21B、前側枠22の支持板22B、後側枠23の折曲げ板23Bおよび上枠24の支持板24Bによって同一平面状の角枠として形成されている。このエンジン側端面20Aには、シュラウド31が着脱可能に取付けられている。一方、エンジン16と反対側の端面となる枠部材20の取付面板25には、オイルクーラ28とラジエータ30とが取付けられている。
【0052】
26は枠部材20の取付面板25に取付けられるオイルクーラブラケットで、該オイルクーラブラケット26は、後側に開口するC字状の板体として形成されている。オイルクーラブラケット26には、上,下方向の中間部に位置して2個のめねじ孔26Aが設けられている。一方、オイルクーラブラケット26の上,下の端部には、前側から螺着できるようにめねじ孔26Bが設けられている。オイルクーラブラケット26の上端部には、左,右方向の右側から螺着できるようにめねじ孔26Cが設けられている。さらに、オイルクーラブラケット26の上,下方向の中間部と下部には、それぞれボルト挿通孔26Dが設けられている。ここで、オイルクーラブラケット26は、各ボルト挿通孔26Dに挿通したオイルクーラブラケット固定ボルト27Aを取付面板25のめねじ孔25Aに螺着することにより、該取付面板25に沿って固定することができる。
【0053】
28はオイルクーラブラケット26を介して枠部材20に設けられたオイルクーラである。このオイルクーラ28は、下部走行体2、作業装置4等の油圧アクチュエータから作動油タンク(図示せず)に戻される作動油を冷却するものである。オイルクーラ28は、アッパタンク28A、ロアタンク28Bおよび放熱部28Cからなり、各タンク28A,28Bの上,下位置には、前,後方向にオイルクーラ固定ボルト27Bが挿通される取付板28Dが設けられている。さらに、オイルクーラ28には、放熱部28Cの前側位置にも2個の取付板28Eが設けられている(
図15参照)。
【0054】
オイルクーラ28は、各取付板28Dに挿通したオイルクーラ固定ボルト27Bをオイルクーラブラケット26のめねじ孔26Bに螺着し、各取付板28Eに挿通したオイルクーラ固定ボルト27Bをオイルクーラブラケット26のめねじ孔26Aに螺着することにより、該オイルクーラブラケット26を介して取付面板25に取付けられている。
【0055】
29は枠部材20の上部右側(取付面板25側)に取付けられるラジエータブラケットで、該ラジエータブラケット29は、枠部材20に対してラジエータ30の上部を固定するための上側の固定部材を構成している。ラジエータブラケット29には、前,後方向の端部に位置して左,右方向に貫通するボルト挿通孔29Aが形成されている。一方、ラジエータブラケット29には、枠部材20の下枠21の各ラジエータ取付孔21Cに対向する位置にラジエータ取付孔29Bが設けられている。ラジエータブラケット29は、前側のボルト挿通孔29Aに挿通したラジエータブラケット固定ボルト27Cをオイルクーラブラケット26のめねじ孔26Cに螺着し、後側のボルト挿通孔29Aに挿通したラジエータブラケット固定ボルト27Cを後側枠23のねじ座23Cに螺着することにより、枠部材20の上部に固定されている。
【0056】
30はオイルクーラ28の後側に位置して枠部材20に設けられたラジエータである。このラジエータ30は、エンジン16を冷却して温度上昇したエンジン冷却水を冷却するもので、アッパタンク30A、ロアタンク30Bおよび放熱部30Cからなり、各タンク30A,30Bがエンジン16のウォータジャケット(図示せず)に接続される。ラジエータ30は、アッパタンク30Aが防振部材30Dを介してラジエータブラケット29のラジエータ取付孔29Bに支持され、ロアタンク30Bが防振部材30Dを介して下枠21のラジエータ取付孔21Cに支持されている。
【0057】
ここで、オイルクーラ28は、オイルクーラブラケット26を介して枠部材20の取付面板25に取付けられている。ラジエータ30は、ラジエータブラケット29とオイルクーラブラケット26を介して枠部材20の取付面板25に取付けられている。これにより、オイルクーラ28とラジエータ30は、エンジン16と反対側の端面を構成する取付面板25に対し、冷却風の流れ方向(左,右方向)で前,後方向に並ぶように並列に取付けられている。
【0058】
なお、オイルクーラ28とラジエータ30は、冷却ファン17との間に所望の間隔寸法を確保できる位置に配置されるものであるから、この間隔寸法を確保できる場合には、オイルクーラ28とラジエータ30を、一部が取付面板25を超えて枠部材20内に入り込んだ状態で配置することもできる。
【0059】
一方、熱交換装置19に対する冷却ファン17の配設位置は、各羽根17Bが枠部材20の取付面板25から該枠部材20内に、各羽根17Bの軸方向寸法の半分程度だけ進入した位置となっている。
【0060】
次に、熱交換装置19に設けられた本実施の形態の特徴部分であるシュラウド31の構成について詳しく説明する。
【0061】
31は熱交換装置19の一部をなすシュラウドを示している。このシュラウド31は、枠部材20のエンジン側端面20Aに対し冷却ファン17の各羽根17Bの外周を取囲むように設けられている。これにより、シュラウド31は、冷却ファン17と枠部材20(エンジン側端面20A)との隙間を覆うことにより、枠部材20、オイルクーラ28およびラジエータ30との間にファン収容室32(
図12、
図13参照)を形成することができる。このファン収容室32では、冷却ファン17による冷却風を効率よく流通させることができる。
【0062】
シュラウド31は、
図16,
図17に示すように、略矩形状の薄板材からなり、その中央位置に冷却ファン17を取囲むための円形開口31Aが形成されている。また、シュラウド31の周辺部には、枠部材20のエンジン側端面20A(各枠21〜24)に設けられた各めねじ孔21E,22D,23D,24Dに対応する位置にボルト挿通孔31Bが設けられている。これらのボルト挿通孔31Bには、シュラウド固定ボルト31Cがそれぞれ挿通される。さらに、シュラウド31の4辺部位には、端縁を折曲げることにより折曲げ部31Dが形成され、こられの折曲げ部31Dによって薄板材からなるシュラウド31の強度を高めることができる。
【0063】
即ち、シュラウド31は、冷却ファン17と枠部材20との隙間を覆うことができる形状であればよく、例えば板厚の薄い鋼板に簡単な穴加工、折曲加工等を施しただけの単純な平板状に形成することができる。そして、シュラウド31は、各ボルト挿通孔31Bに挿通したシュラウド固定ボルト31Cをエンジン側端面20Aの各めねじ孔21E,22D,23D,24Dに螺着することにより、枠部材20に対し着脱可能に固定することができる。
【0064】
このように構成された熱交換装置19は、枠部材20の下枠21を旋回フレーム5の熱交換装置取付台13上に載置し、
図7に示すように、この状態で下枠21の下側からボルト挿通孔13Aに挿通した枠部材固定ボルト27Dを下枠21のめねじ孔21Dに螺着する。さらに、
図8に示すように、仕切板10のボルト挿通孔10Aに挿通した枠部材固定ボルト27Dを前側枠22のめねじ孔22Cに螺着する。これにより、熱交換装置19(枠部材20)は、旋回フレーム5の右後縦板12に強固に固定することができる。
【0065】
次に、エンジン16の上側で運転席39、キャノピ42等を支持するために設けられたサポート部材33の構成について述べる。
【0066】
33はエンジン16を上側から跨いだ状態で旋回フレーム5上に設けられたサポート部材を示している。このサポート部材33は、旋回フレーム5上の限られたスペースを有効に用いるために、エンジン16の上側に後述の運転席39等を配置できるようにするものである。サポート部材33は、後述の建屋支持台34、左前脚部35、左後脚部36により構成されている。
【0067】
34はエンジン16の上側を左,右方向に延びて設けられた建屋支持台である。この建屋支持台34には、
図3、
図4に示すように、後述するキャノピ42の後取付板42Aが取付けられる。建屋支持台34は、キャノピ42の後側を支持するための強度を得るために、左,右方向に長尺で上,下方向に扁平なボックス体を形成している。具体的には、建屋支持台34は、
図6、
図8に示すように、上板34A、下板34B、前板34Cおよび後板34Dから形成されている。建屋支持台34の上板34Aには、キャノピ42の後取付板42Aを固定するために複数個、例えば左,右位置に3個ずつ、合計6個のめねじ孔34A1が設けられている。
【0068】
建屋支持台34の下板34Bには、左,右方向の他側となる左側に位置して後述の左前脚部35と左後脚部36とが取付けられている。これにより、建屋支持台34の左側部位は、各脚部35,36に固定された固定端34Eとなり、一側となる右側部位は、脚部が設けられていない自由端34Fとなっている。
【0069】
ここで、建屋支持台34の下板34Bには、自由端34F側に位置して複数個、例えば2個のめねじ孔34B1(
図7、
図8中に点線で図示)が設けられている。この2個のめねじ孔34B1は、熱交換装置19の枠部材20の上枠24に設けられたボルト挿通孔24Cに対応するように、前,後方向に間隔をもって配置されている。
【0070】
35は建屋支持台34の左,右方向の他側となる固定端34E側に位置して設けられた左前脚部を示している。この左前脚部35は、上端が建屋支持台34の下板34Bに取付けられ、下端が旋回フレーム5の仕切板10に取付けられるものである。即ち、左前脚部35は、建屋支持台34の下板34Bから前側に延びた横脚35Aと、該横脚35Aの前端から斜め下側に延びた傾斜脚35Bと、該傾斜脚35Bの先端から下向きに延びた縦脚35Cとにより構成されている。縦脚35Cの下側には、複数個、例えば2個のボルト挿通孔35Dが設けられている。この2個のボルト挿通孔35Dは、仕切板10に設けためねじ孔10Bに対応するように、上,下方向に間隔をもって配置されている。
【0071】
36は左前脚部35の後側に位置して建屋支持台34の固定端34E側に設けられた左後脚部を示している。この左後脚部36は、上,下方向に延びて設けられ、その上端が建屋支持台34の下板34Bに取付けられ、下端が旋回フレーム5の左後端板11Aに取付けられている。左後脚部36の下側には、複数個、例えば2個のボルト挿通孔36Aが設けられている。この2個のボルト挿通孔36Aは、左後縦板11の左後端板11Aに設けためねじ孔11A1に対応するように、上,下方向に間隔をもって配置されている。
【0072】
このように構成されたサポート部材33は、
図7、
図8に示すように、左前脚部35と左後脚部36によってエンジン16を前,後方向に跨ぐように配置し、左前脚部35のボルト挿通孔35Dに挿通したサポート部材固定ボルト37を旋回フレーム5の仕切板10に設けためねじ孔10Bに螺着する。一方、左後脚部36は、そのボルト挿通孔36Aに挿通したサポート部材固定ボルト37を旋回フレーム5の左後端板11Aに設けためねじ孔11A1に螺着する。この状態では、建屋支持台34の自由端34F側が熱交換装置19の枠部材20上に配置されている。
【0073】
そこで、枠部材20の上枠24の取付板部24A1に設けたボルト挿通孔24Cに下側から挿入したサポート部材固定ボルト37を、建屋支持台34の下板34Bに設けためねじ孔34B1に螺着することにより、建屋支持台34の自由端34F側を枠部材20の上面側に固定することができる。この場合、枠部材20は、その高さ寸法を各脚部35,36の高さ寸法と合わせることにより、建屋支持台34を水平状態に支持することができる。
【0074】
これにより、サポート部材33は、
図4、
図6に示すように、熱交換装置19の枠部材20を、建屋支持台34の自由端34Fを支持する右側の脚部として利用することができる。これに伴い、サポート部材33は、右側の脚部を省略することができる。
【0075】
38はエンジン16の上側から前側に亘って旋回フレーム5上に設けられたフロア部材(
図2、
図5参照)である。このフロア部材38は、旋回フレーム5のフロア取付部材14から後側に延びたほぼ平坦な足置き板38Aと、該足置き板38Aの後部から立ち上がった立上り板38Bと、該立上り板38Bの上部から後側に延びた運転席取付板38Cとによりステップ状に形成されている。後側の運転席取付板38Cは、例えば熱交換装置19の枠部材20とサポート部材33の左前脚部35上に取付けられている。
【0076】
39はフロア部材38の運転席取付板38C上に設けられた運転席で、該運転席39は、オペレータが着座するものである。運転席39の左,右両側には、作業用の操作レバー40が配設され、運転席39の前側には、走行用の操作レバー・ペダル41が配設されている。
【0077】
42は上部旋回体3に設けられた建屋としての3柱式のキャノピで、該キャノピ42は、運転席39の上方を覆うものである。キャノピ42は、
図3、
図4に示すように、サポート部材33の建屋支持台34に対面する後取付板42Aと、運転席39の左後側に位置し該後取付板42Aの上面から上方へと延びる左後支柱42Bと、運転席39の右後側に位置し後取付板42Aの上面から上方へと延びる右後支柱42Cと、旋回フレーム5のフロア取付部材14の右側位置から上方へと延びる右前支柱42Dと、該右前支柱42Dの下部に設けられ前記フロア取付部材14に対面する前取付板42Eと、前記各支柱42B〜42Dの上部に設けられたルーフ部42Fとを含んで構成されている。
【0078】
後取付板42Aには、建屋支持台34の上板34Aに設けた各めねじ孔34A1に対応する6個のボルト挿通孔42A1が設けられている。一方、前取付板42Eには、フロア取付部材14のめねじ孔14Aに対応するボルト挿通孔42E1が設けられている。
【0079】
ここで、キャノピ42は、後取付板42Aをサポート部材33の建屋支持台34上に載置し、前取付板42Eを旋回フレーム5のフロア取付部材14上に載置する。この状態で、後取付板42Aの各ボルト挿通孔42A1に挿通したキャノピ固定ボルト43を、建屋支持台34の上板34Aの各めねじ孔34A1に螺着することにより、キャノピ42の後側をサポート部材33に取付けることができる。一方、前取付板42Eのボルト挿通孔42E1に挿通したキャノピ固定ボルト43を、フロア取付部材14のめねじ孔14Aに螺着することにより、キャノピ42の右前側を旋回フレーム5に取付けることができる。
【0080】
なお、44は旋回フレーム5の後端部に取付けられたカウンタウエイトである。このカウンタウエイト44は、作業装置4との重量バランスをとるもので、略円弧状をした重量物として形成されている。
【0081】
45はキャノピ42の後側から側方に亘って旋回フレーム5に設けられた外装カバーを示している。この外装カバー45は、旋回フレーム5上に搭載されたエンジン16、熱交換装置19等を覆うものである。
【0082】
本実施の形態による油圧ショベル1は上述の如き構成を有するもので、次に、この油圧ショベル1の動作について説明する。
【0083】
まず、オペレータは、上部旋回体3に搭乗して運転席39に着座する。この状態で走行用の操作レバー・ペダル41を操作することにより、下部走行体2を駆動して油圧ショベル1を前進または後退させることができる。一方、運転席39に着座したオペレータは、作業用の操作レバー40を操作することにより、作業装置4等を動作させて土砂の掘削作業等を行うことができる。
【0084】
ここで、上部旋回体3を構成する旋回フレーム5に、熱交換装置19、サポート部材33、キャノピ42を取付ける場合の作業手順について述べる。この場合の作業手順は、幾つかの作業手順のうちの1つを例示するもので、他の作業手順で取付けるようにしてもよい。
【0085】
旋回フレーム5に熱交換装置19を取付ける場合には、
図7に示すように、枠部材20の下枠21を旋回フレーム5の熱交換装置取付台13上に載置し、この状態で下枠21の下側からボルト挿通孔13Aに挿通した枠部材固定ボルト27Dを下枠21のめねじ孔21Dに螺着する。また、
図8に示すように、仕切板10のボルト挿通孔10Aに挿通した枠部材固定ボルト27Dを前側枠22のめねじ孔22Cに螺着する。これにより、熱交換装置19を旋回フレーム5に取付けることができる。
【0086】
ここで、旋回フレーム5に熱交換装置19を取付けた場合の冷却ファン17、枠部材20、オイルクーラ28、ラジエータ30、シュラウド31の配置関係について述べる。
図12、
図13に示すように、エンジン16に設けられた冷却ファン17は、各羽根17Bが枠部材20のエンジン側端面20A(シュラウド31)から該枠部材20内に半分程度進入した状態で配設されている。一方、オイルクーラ28とラジエータ30は、枠部材20に対しエンジン16と反対側の端面となる取付面板25に取付けられている。この場合、オイルクーラ28とラジエータ30は、冷却ファン17と干渉せず、かつ冷却ファン17による冷却風を全体に受けることができるように、冷却ファン17との間に所望の間隔寸法をもって配置されている。
【0087】
一方、熱交換装置19を旋回フレーム5に取付けたら、サポート部材33の取付作業に移る。この場合、サポート部材33は、左前脚部35と左後脚部36によってエンジン16を前,後方向に跨ぐように配置し、左前脚部35のボルト挿通孔35Dに挿通したサポート部材固定ボルト37を旋回フレーム5の仕切板10に設けためねじ孔10Bに螺着する。これにより、左前脚部35は、旋回フレーム5の仕切板10に取付けることができる。
【0088】
一方、左後脚部36は、そのボルト挿通孔36Aに挿通したサポート部材固定ボルト37を左後縦板11の左後端板11Aに設けためねじ孔11A1に螺着する。これにより、左後脚部36は、旋回フレーム5の左後縦板11に取付けることができる。
【0089】
この状態では、建屋支持台34の自由端34F側を、熱交換装置19の枠部材20上に配置することができる。そこで、枠部材20の上枠24の取付板部24A1に設けたボルト挿通孔24Cにサポート部材固定ボルト37を下側から挿入し、この固定ボルト37を建屋支持台34の下板34Bに設けためねじ孔34B1に螺着する。これにより、建屋支持台34の自由端34F側を枠部材20の上面側に固定することができ、サポート部材33は、枠部材20を右側の脚部として利用し、旋回フレーム5上に安定的に取付けることができる。
【0090】
次に、キャノピ42を取付ける場合には、
図4に示すように、後取付板42Aをサポート部材33の建屋支持台34上に載置し、前取付板42Eを旋回フレーム5のフロア取付部材14上に載置する。この状態で、後取付板42Aの各ボルト挿通孔42A1に挿通したキャノピ固定ボルト43を、建屋支持台34の上板34Aの各めねじ孔34A1に螺着することにより、キャノピ42の後側をサポート部材33に取付けることができる。一方、前取付板42Eのボルト挿通孔42E1に挿通したキャノピ固定ボルト43を、フロア取付部材14のめねじ孔14Aに螺着することにより、キャノピ42の右前側を旋回フレーム5に取付けることができる。
【0091】
かくして、本実施の形態によれば、エンジン16の出力軸に取付けた冷却ファン17は、熱交換装置19の枠部材20に対し、各羽根17Bが枠部材20のエンジン側端面20A(シュラウド31)から該枠部材20内に軸方向寸法の半分程度進入するように配設している。一方、オイルクーラ28とラジエータ30は、冷却ファン17との間に所望の間隔寸法をもった状態で、枠部材20の反対側の端面となる取付面板25に取付けている。
【0092】
このような配置構造とした上で、枠部材20のエンジン側端面20Aに対し、冷却ファン17の各羽根17Bの外周を取囲むシュラウド31を取付ける構成としているから、このシュラウド31は、枠部材20、オイルクーラ28およびラジエータ30との間にファン収容室32を形成することができる。この構成では、冷却ファン17とオイルクーラ28、ラジエータ30とが干渉するのを防止できる上に、冷却ファン17による冷却風をオイルクーラ28、ラジエータ30の全体に供給することができる。
【0093】
従って、シュラウド31は、冷却ファン17と枠部材20との隙間を覆うことができる形状であればよく、単純な平板状に形成することができる。この結果、シュラウド31の形状を簡略化したことにより、熱交換装置19の小型化、軽量化、製造コストの低減を図ることができる上に、組立作業性、メンテナンス作業性等を向上することができる。
【0094】
しかも、シュラウド31は、矩形状の板体に冷却ファン17を取囲むための円形開口31A、ボルト挿通孔31B等を加工するだけで容易に形成することができる。さらに、シュラウド31は、その周囲を枠部材20に対しシュラウド固定ボルト31Cを用いて着脱可能に固定する構成としているから、オイルクーラ28、ラジエータ30の清掃作業、点検作業、エンジン16の出力軸に掛けられたファンベルト(図示せず)の交換作業等を容易に行うことができる。
【0095】
一方、熱交換装置19の枠部材20は、オイルクーラ28、ラジエータ30を支持するものであるから、剛性を有しており、重量物を支持することができる。一方、サポート部材33は、エンジン16の上側を左,右方向に延びて設けられた建屋支持台34と、上端が該建屋支持台34の左,右方向の左側位置に取付けられエンジン16を前,後方向に跨いで下端が旋回フレーム5に取付けられた左前脚部35および左後脚部36とにより構成している。これにより、サポート部材33の建屋支持台34は、左,右方向の右側が自由端34Fとして形成されている。この上で、サポート部材33は、その建屋支持台34の自由端34Fを熱交換装置19の枠部材20に取付ける構成としている。
【0096】
従って、サポート部材33は、左,右方向の右側(熱交換装置19側)の脚部を省略し、左,右方向の左側だけに各脚部35,36を設けた場合でも、熱交換装置19の枠部材20を利用することにより、左側の各脚部35,36と右側の枠部材20とによって建屋支持台34を両持ち状態で安定的に支持することができる。
【0097】
この結果、サポート部材33を旋回フレーム5に取付ける場合には、建屋支持台34の固定端34E側に位置する各脚部35,36を旋回フレーム5に取付け、建屋支持台34の自由端34F側を熱交換装置19の枠部材20に取付けるだけで、サポート部材33を旋回フレーム5に取付けることができる。これにより、旋回フレーム5にサポート部材33を取付けるときの作業工数を削減することができ、組立作業性を向上することができる。しかも、右側の脚部を省略した分だけ、旋回フレーム5上の設置スペースを有効利用することができ、上部旋回体3を小型化することができる。さらに、サポート部材33は、右側の脚部を省略した分だけ重量を軽減することができるから、油圧ショベル1を軽量化することができる。
【0098】
一方、熱交換装置19の枠部材20は、下枠21、各側枠22,23および上枠24からなる角枠体として形成しているから、サポート部材33を構成する建屋支持台34の自由端34Fは、前記上枠24の上面側にサポート部材固定ボルト37を用いて取付けることができる。この場合、脚部の下端を旋回フレーム5に取付ける場合と比較し、奥まった下部ではなく、容易に手が届く上部位置で建屋支持台34の自由端34Fを取付けることができる。この点においても、組立作業性を高めることができる。
【0099】
さらに、熱交換装置19の枠部材20は、サポート部材33の右側の脚部として用いることができるから、この枠部材20を利用して建屋支持台34を強固に支持することができる。これにより、横転、転倒、落下物の衝突等に対するキャノピ42の支持強度を高めることができ、油圧ショベル1に対する信頼性を向上することができる。
【0100】
なお、実施の形態によれば、オイルクーラ28とラジエータ30は、それぞれのブラケット26,29を介して枠部材20の取付面板25に取付けた場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限るものではなく、例えば、オイルクーラ28、ラジエータ30と冷却ファン17との間に所望の間隔寸法を確保できる場合には、オイルクーラ28とラジエータ30とは、それぞれの一部がエンジン16と反対側の端面を構成する取付面板25を超えるように枠部材20内に入り込んだ状態で配置する構成としてもよい。
【0101】
実施の形態によれば、熱交換装置19にオイルクーラ28とラジエータ30を設けた場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限らず、オイルクーラ28とラジエータ30の他に、例えばインタクーラ、空調装置のコンデンサ、燃料クーラ等を設ける構成としてもよい。
【0102】
実施の形態によれば、建屋として3本の支柱42B〜42Dを備えた3柱式のキャノピ42を設けた場合を例示している。しかし、本発明はこれに限るものではなく、建屋として、脚部が1本、2本または4本以上備えたキャノピを用いる構成としてもよい。一方、建屋として運転席39の周囲と上部を覆うキャブを適用することもできる。
【0103】
実施の形態では、建設機械としてクローラ式の油圧ショベル1を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限るものではなく、例えばホイール式の下部走行体を備えた油圧ショベルに適用してもよい。さらに、例えば油圧クレーン等の他の建設機械にも広く適用できるものである。