特許第6040246号(P6040246)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6040246ポリマー組成物、及びそれから調製される物品
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6040246
(24)【登録日】2016年11月11日
(45)【発行日】2016年12月7日
(54)【発明の名称】ポリマー組成物、及びそれから調製される物品
(51)【国際特許分類】
   C08L 23/08 20060101AFI20161128BHJP
   C08K 3/06 20060101ALI20161128BHJP
   C08K 5/36 20060101ALI20161128BHJP
【FI】
   C08L23/08
   C08K3/06
   C08K5/36
【請求項の数】13
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2014-529795(P2014-529795)
(86)(22)【出願日】2012年9月4日
(65)【公表番号】特表2014-525512(P2014-525512A)
(43)【公表日】2014年9月29日
(86)【国際出願番号】US2012053624
(87)【国際公開番号】WO2013039739
(87)【国際公開日】20130321
【審査請求日】2015年7月10日
(31)【優先権主張番号】61/531,640
(32)【優先日】2011年9月7日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】502141050
【氏名又は名称】ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100104282
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 康仁
(72)【発明者】
【氏名】ステファン・ウルチ
【審査官】 岡▲崎▼ 忠
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−192488(JP,A)
【文献】 国際公開第2011/163176(WO,A1)
【文献】 特開平08−283479(JP,A)
【文献】 特開平08−269259(JP,A)
【文献】 特開2005−036169(JP,A)
【文献】 国際公開第2011/079207(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08L 23/00−23/36
C08K 3/00−5/59
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
組成物であって、
A)エチレン/α−オレフィン/ジエンインターポリマーと、
B)A及びBの合計重量に基づいて40〜70重量%の、0.850〜0.890g/cmの密度を有するエチレン/α−オレフィン/コポリマーと
C)硫黄含有化合物と
を含み、
前記成分Bのエチレン/α−オレフィンコポリマーが、4〜40のメルトインデックス(I)を有する、前記組成物。
【請求項2】
前記成分Bのエチレン/α−オレフィンコポリマーが、A及びBの合計重量に基づいて40〜60重量%の量で存在する、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記成分Aのエチレン/α−オレフィン/ジエンインターポリマーが、ムーニー粘度(ML1+4、125℃)10〜50を有する、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項4】
さらに、非ハロゲン系難燃剤、又は臭素化難燃剤から選択される難燃剤を含む、請求項1〜のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項5】
前記難燃剤が、前記組成物の重量に基づいて、30〜50重量%の量で存在する、請求項に記載の組成物。
【請求項6】
成分A及びBが、前記組成物の重量に基づいて、少なくとも50重量%含まれる、請求項1〜のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項7】
成分Aが、前記組成物の重量に基づいて、30重量%を超える量で存在する、請求項1〜のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項8】
前記エチレン/α−オレフィンコポリマーが、均一に分枝した線状のエチレン/α−オレフィンコポリマー又は均一に分枝した線状のエチレン/α−オレフィンコポリマーである、請求項1〜のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項9】
前記エチレン/α−オレフィンコポリマーが、均一に分枝した線状のエチレン/α−オレフィンコポリマーである、請求項に記載の組成物。
【請求項10】
請求項1〜のいずれか1項に記載の組成物から形成される架橋組成物。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれか1項に記載の組成物から形成された少なくとも1つの成分を含む物品。
【請求項12】
前記物品が、防水加工膜である、請求項11に記載の物品。
【請求項13】
前記成分Aのエチレン/α−オレフィン/ジエンインターポリマーが、20〜30のムーニー粘度(ML1+4、125℃)を有する、請求項2に記載の組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2011年9月7日出願の米国特許仮出願第61/531,640号の利益を主張し、同出願は参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
EPDMは溶接しにくく、取り付けが複雑で費用がかかるため、硬化したEPDMの複雑な接合又は封止は、屋根ふき材及び防水加工材用途などの多数の用途においてEPDMの大きな欠点である。
【0003】
優れた熱可塑性ヒートシール性を有するEPDM組成物が求められている。そのような組成物は、従来の最先端の方法及び装置で処理され形成されるべきである。例えば、従来の配合、押出法、射出成形、圧延法、並びにラミネート装置及び方法を使用する。
【0004】
国際公開第2010/009024号は、ヒートシール特性を維持しながら、ポリマーの融点を超える温度でゴム様耐熱性(熱間硬化)及び寸法安定性を示す、架橋ポリマーフィルム、ラミネート、膜、又は他のポリマー物品を開示している。例えば、本発明は、A)i)エチレン系ポリマー、ii)エチレン/α−オレフィン/ジエンインターポリマー、及びii)C4−C10オレフィン系ポリマーからなる群より選択された少なくとも1種のポリマーと、B)プロピレン/エチレンインターポリマー及びプロピレン/α−オレフィンインターポリマーからなる群より選択された少なくとも1種のポリマーとを含む組成物から形成された少なくとも1つの層を含むフィルムであって、照射及び/又は化学物質を用いて架橋されているフィルムを提供する。
【0005】
国際公開第2011/079207号は、エチレン/α−オレフィン/ポリエンインターポリマー、エチレン/α−オレフィンコポリマー、充填剤、架橋剤、発泡剤を含む組成物を開示している。これらの組成物は、自動車部品などの架橋発泡体及び物品を形成するために使用できる。
【0006】
国際公開第2011/163176号は、少なくとも、A)密度が0.910g/cc以下のエチレン系ポリマーと、B)350°Fの溶融粘度が20,000cP以下のオレフィン系ポリマーと、C)架橋剤とを含む組成物を熱処理することにより形成される架橋組成物を開示している。
【0007】
熱可塑性ポリエチレンEPDM組成物の利点を備え、優れた熱可塑性ヒートシール性を有する架橋EPDMの必要性が依然として存在する。さらには、現在の最先端技術の工程及び装置で処理され形成され得るそのような組成物が求められている。これらの要求及び他の要求が下記の発明によって満たされる。
【発明の概要】
【0008】
本発明は、
A)エチレン/α−オレフィン/ジエンインターポリマーと、
B)A及びBの合計重量に基づいて、40〜70重量%のエチレン/α−オレフィン/コポリマーと、
C)硫黄含有化合物とを含む組成物を提供する。
なお、本発明には以下の態様も含まれることを付記する。
[1]
組成物であって、
A)エチレン/α−オレフィン/ジエンインターポリマーと、
B)A及びBの合計重量に基づいて、40〜70重量%のエチレン/α−オレフィン/コポリマーと
C)硫黄含有化合物と
を含む組成物。
[2]
前記成分Bのエチレン/α−オレフィンコポリマーが、A及びBの合計重量に基づいて40〜60重量%の量で存在する、[1]に記載の組成物。
[3]
前記成分Aのエチレン/α−オレフィン/ジエンインターポリマーが、ムーニー粘度(ML1+4、125℃)10〜50を有する、[1]又は[2]に記載の組成物。
[4]
前記成分Bのエチレン/α−オレフィンコポリマーが、4〜40のメルトインデックス(I2)を有する、[1]〜[3]のいずれかに記載の組成物。
[5]
さらに、非ハロゲン系難燃剤、又は臭素化難燃剤から選択される難燃剤を含む、[1]〜[4]のいずれかに記載の組成物。
[6]
前記難燃剤が、前記組成物の重量に基づいて、30〜50重量%の量で存在する、[4]に記載の組成物。
[7]
成分A及びBが、前記組成物の重量に基づいて、少なくとも50重量%含まれる、[1]〜[6]のいずれかに記載の組成物。
[8]
成分Aが、前記組成物の重量に基づいて、30重量%を超える量で存在する、[1]〜[7]のいずれかに記載の組成物。
[9]
前記エチレン/α−オレフィンコポリマーが、均一に分枝した線状のエチレン/α−オレフィンコポリマー又は均一に分枝した実質的に線状のエチレン/α−オレフィンコポリマーである、[1]〜[8]のいずれかに記載の組成物。
[10]
前記エチレン/α−オレフィンコポリマーが、均一に分枝した実質的に線状のエチレン/α−オレフィンコポリマーである、[9]に記載の組成物。
[11]
[1]〜[10]のいずれかに記載の組成物から形成される架橋組成物。
[12]
[1]〜[11]のいずれかに記載の組成物から形成された少なくとも1つの成分を含む物品。
[13]
前記物品が、防水加工膜である、[12]に記載の物品。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】溶接試験のための試験サンプルを示す模式図である。
図2】溶接された試験サンプルから切り取られたサンプル片を示す模式図である。
図3】溶接線より外側のサンプル不良(「シール破断」)を示す模式図である。
図4】溶接線より内側のサンプル不良(「継目剥離」)を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
硫黄加硫と結合して、エチレン/α−オレフィン/ジエンインターポリマーを有するエチレン/α−オレフィンコポリマーの使用は、優れた熱溶接性及び十分な架橋結合を有する組成物を提供することが発見されている。また、そのような組成物は優れた低温性能を有することも発見されている。さらに、そのような組成物は装置又は工程を変更することなく、大量の充填剤を組み込むことができ、標準EPDM処理装置で使用することができる。
【0011】
上述のとおり、本発明は、
A)エチレン/α−オレフィン/ジエンインターポリマーと、
B)A及びBの合計重量に基づいて、40〜70重量%のエチレン/α−オレフィン/コポリマーと、
C)硫黄含有化合物とを含む組成物を提供する。
【0012】
一実施形態において、成分Bのエチレン/α−オレフィンコポリマーは、A及びBの合計重量に基づいて40〜65重量%の量で存在する。
【0013】
一実施形態において、成分Bのエチレン/α−オレフィンコポリマーは、A及びBの合計重量に基づいて40〜60重量%の量で存在する。
【0014】
一実施形態において、成分Bのエチレン/α−オレフィンコポリマーは、A及びBの合計重量に基づいて45〜60重量%の量で存在する。
【0015】
一実施形態において、成分Bのエチレン/α−オレフィンコポリマーは、A及びBの合計重量に基づいて50〜60重量%の量で存在する。
【0016】
一実施形態において、成分Aのエチレン/α−オレフィン/ジエンインターポリマーは、10〜50のムーニー粘度(ML1+4、125℃)を有する。
【0017】
一実施形態において、成分Aのエチレン/α−オレフィン/ジエンインターポリマーは、20〜30のムーニー粘度(ML1+4、125℃)を有する。
【0018】
一実施形態において、成分Bのエチレン/α−オレフィンコポリマーは、2〜40g/10分のメルトインデックス(I2)を有する。
【0019】
一実施形態において、成分Bのエチレン/α−オレフィンコポリマーは、2〜20g/10分のメルトインデックス(I2)を有する。
【0020】
一実施形態において、成分Bのエチレン/α−オレフィンコポリマーは、4〜20g/10分のメルトインデックス(I2)を有する。
【0021】
一実施形態において、前記組成物は、さらに、非ハロゲン系難燃剤、臭素化難燃剤から選択される難燃剤を含む。更なる実施形態において、難燃剤は、前記組成物の重量に基づいて、30〜50重量%の量で存在する。
【0022】
一実施形態において、前記組成物は、さらに、アルミニウム三水和物及び水酸化マグネシウムなどの非ハロゲン系難燃剤から選択される難燃剤を含む。更なる実施形態において、難燃剤は、前記組成物の重量に基づいて、30〜50重量%の量で存在する。
【0023】
一実施形態において、成分A及び成分Bは、前記組成物の重量に基づいて、少なくとも50重量%含まれる。
【0024】
一実施形態において、成分A及び成分Bは、前記組成物の重量に基づいて、少なくとも70重量%含まれる。
【0025】
一実施形態において、成分A及び成分Bは、前記組成物の重量に基づいて、少なくとも90重量%含まれる。
【0026】
一実施形態において、成分Aのエチレン/α−オレフィン/ジエンインターポリマーは、前記組成物の重量に基づいて、30重量%を超える量で存在する。
【0027】
一実施形態において、成分Aのエチレン/α−オレフィン/ジエンインターポリマーは、前記組成物の重量に基づいて、30〜60重量%の量で存在する。
【0028】
一実施形態において、成分Bのエチレン/α−オレフィンコポリマーは、均一に分枝した線状のエチレン/α−オレフィンコポリマー又は均一に分枝した実質的に線状のエチレン/α−オレフィンコポリマーである。さらなる実施形態において、エチレン/α−オレフィンコポリマーは、均一に分枝した実質的に線状のエチレン/α−オレフィンコポリマーである。
【0029】
また、本発明は、発明組成物から形成される架橋組成物を提供する。
【0030】
好ましい実施形態において、架橋組成物は、硫黄架橋されたエチレン/α−オレフィン/ジエンインターポリマーマトリクス及び非架橋熱可塑性エチレン/α−オレフィンコポリマー分散相の2相構造を含む。
【0031】
また、本発明は、本発明の組成物及び架橋組成物から形成される少なくとも1つの成分を含む物品を提供する。さらなる実施形態において、物品は屋根材である。
【0032】
本発明の組成物は、本明細書中に記載される2以上の実施形態の組み合わせを含んでもよい。
【0033】
本発明の架橋組成物は、本明細書中に記載される2以上の実施形態の組み合わせを含んでもよい。
【0034】
本発明の物品は、本明細書中に記載される2以上の実施形態の組み合わせを含んでもよい。
【0035】
一実施形態において、成分A及び成分Bは、前記組成物の全ポリマー成分(有機ポリマー成分)の重量に基づいて、少なくとも80重量%、好ましくは少なくとも90重量%、さらに好ましくは少なくとも95重量%含まれる。
【0036】
一実施形態において、成分A及び成分Bは、前記組成物の全ポリマー成分の重量に基づいて、100重量%以下、好ましくは99.5重量%以下、さらに好ましくは99重量%以下含まれる。
【0037】
一実施形態において、「成分A/成分B」の重量比は、3/2〜3/7又は3/2〜2/3である。
【0038】
一実施形態において、前記組成物は、少なくとも1つの充填剤を含む。さらなる実施形態において、充填剤は、酸化亜鉛、カーボンブラック、CaCO3、シリカ、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0039】
前記発明組成物のエチレン/α−オレフィン/ジエンインターポリマー(成分A)及びエチレン/α−オレフィンコポリマー(成分B)は、1つ以上の官能基で修飾されていない。例えば、これらのポリマーは、シラングラフトポリマーでも、無水マレイン酸グラフトポリマーでも、TEMPO−グラフトポリマーでもない。前記発明組成物が架橋反応を行った後に、成分Aに(好ましくは、成分Bにではなく)幾つかの官能基を組み込んでもよいことが理解される。
【0040】
本発明の組成物は、本明細書中に記載される2以上の実施形態の組み合わせを含んでもよい。
【0041】
本発明の物品は、本明細書中に記載される2以上の実施形態の組み合わせを含んでもよい。
【0042】
本発明の架橋組成物は、本明細書中に記載される2以上の実施形態の組み合わせを含んでもよい。
【0043】
エチレン/α−オレフィン/ジエンインターポリマー
エチレン/α−オレフィン/ジエンインターポリマーは、重合した形態で、エチレン、α−オレフィン及びジエンを含む。ジエンは、共役していてもよいし、共役していなくてもよく、好ましくは共役していない。α−オレフィンの適当な例として、C3−C10α−オレフィンが挙げられ、好ましくはプロピレンが挙げられる。非共役ポリエンの適当な例として、C4−C40非共役ジエンが挙げられる。
【0044】
α−オレフィンは、脂肪族化合物又は芳香族化合物のいずれであってもよい。α−オレフィンは、好ましくはC3−C20脂肪族化合物、好ましくはC3−C16脂肪族化合物、さらに好ましくはC3−C10脂肪族化合物である。好ましいC3−C10脂肪族α−オレフィンは、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン及び1−オクテンからなる群から選択され、さらに好ましくはプロピレンである。好ましい実施形態において、前記インターポリマーは、エチレン/プロピレン/ジエン(EPDM)ターポリマーである。さらなる実施形態において、前記ジエンは、5−エチリデン−2−ノルボルネン(ENB)である。
【0045】
一実施形態において、前記ジエンは、非共役ジエンである。例示的非共役ジエンとして、直鎖非環式ジエン、例えば1,4−ヘキサジエン及び1,5−ヘプタジエン;分枝鎖非環式ジエン、例えば5−メチル−1,4−ヘキサジエン、2−メチル−1,5−ヘキサジエン、6−メチル−1,5−ヘプタジエン、7−メチル−1,6−オクタジエン、3,7−ジメチル−1,6−オクタジエン、3,7−ジメチル−1,7−オクタジエン、5,7−ジメチル−1,7−オクタジエン、1,9−デカジエン、及びジヒドロミルセンの混合異性体;単環脂環式ジエン、例えば1,4−シクロヘキサジエン、1,5−シクロオクタジエン及び1,5−シクロドデカジエン;多環脂環式縮合及び架橋環ジエン、例えばテトラヒドロインデン、メチルテトラヒドロインデン;アルケニル、アルキリデン、シクロアルケニル及びシクロアルキリデンノルボルネン、例えば5−メチレン−2−ノルボルネン(MNB)、5−エチリデン−2−ノルボルネン(ENB)、5−ビニル−2−ノルボルネン、5−プロペニル−2−ノルボルネン、5−イソプロピリデン−2−ノルボルネン、5−(4−シクロペンテニル)−2−ノルボルネン、及び5−シクロヘキシリデン−2−ノルボルネンが挙げられる。ジエンは、好ましくはENB、ジシクロペンタジエン、1,4−ヘキサジエン、7−メチル−1,6−オクタジエンからなる群から選択される非共役ジエンであり、好ましくはENB、ジシクロペンタジエン及び1,4−ヘキサジエンからなる群から選択される非共役ジエンであり、さらに好ましくはENB及びジシクロペンタジエンからなる群から選択される非共役ジエンであり、一層好ましくはENBである。
【0046】
一実施形態において、エチレン/α−オレフィン/ジエンインターポリマーは、シングルサイト触媒、例えば束縛構造触媒(CGC)、例えば、モノシクロペンタジエニルチタン錯体;又は他のシングルサイト触媒の存在下で調製される。束縛構造触媒の幾つかの例は、米国特許第5,272,236号明細書及び同第5,278,272号明細書に記載されている。他のシングルサイト触媒の幾つかの例は、米国特許出願公開第2005/0164872号明細書、国際公開第2007/136494号、及び国際公開第2011/002998号に記載されている。
【0047】
一実施形態において、エチレン/α−オレフィン/ジエンインターポリマーは、インターポリマーの重量に基づいて、量の大部分を占める重合エチレンを含む。
【0048】
一実施形態において、エチレン/α−オレフィン/ジエンインターポリマーは、1.5〜5、好ましくは2〜4.5、さらに好ましくは2〜4の分子量分布(Mw/Mn)を有する。1.5〜5の全ての個々の値及び部分範囲は、本明細書に含まれ、本明細書に開示される。さらなる実施形態において、前記インターポリマーは、EPDMである。さらなる実施形態において、前記ジエンは、(ENB)である。
【0049】
一実施形態において、エチレン/α−オレフィン/ジエンインターポリマーは、10以上、又は15以上、又は20以上のムーニー粘度(125℃でML(1+4))を有する。さらなる実施形態において、前記インターポリマーは、EPDMである。さらなる実施形態において、前記ジエンは、(ENB)である。
【0050】
一実施形態において、エチレン/α−オレフィン/ジエンインターポリマーは、150未満、又は100以下、又は50以下のムーニー粘度(125℃でML(1+4))を有する。さらなる実施形態において、前記インターポリマーは、EPDMである。さらなる実施形態において、前記ジエンは、(ENB)である。
【0051】
ムーニー粘度は、純インターポリマーのムーニー粘度(又は充填剤、例えばカーボンブラック、及び/又は油を含有するポリマーの純ポリマーの計算粘度)である。純ポリマーとは、充填剤及び油を有していないポリマーを指す。
【0052】
エチレン/α−オレフィン/ジエンインターポリマーは、本明細書中に記載されるような2つ以上の実施形態の組み合わせを含んでもよい。
【0053】
EPDMターポリマーは、本明細書中に記載されるような2つ以上の実施形態の組み合わせを含んでもよい。
【0054】
エチレン/α−オレフィンコポリマー
適当なエチレン/α−オレフィンコポリマーとしては、不均一線状エチレン/α−オレフィンコポリマー、均一に分枝した線状エチレン/α−オレフィンコポリマー、及び均一に分枝した実質的に線状のエチレン/α−オレフィンコポリマーが挙げられ、好ましくは、均一に分枝した線状エチレン/α−オレフィンコポリマー、及び均一に分枝した実質的に線状のエチレン/α−オレフィンコポリマーが挙げられ、さらに好ましくは均一に分枝した実質的に線状のエチレン/α−オレフィンコポリマーが挙げられる。それぞれのポリマーは、チーグラー・ナッタ触媒、メタロセン又はバナジウム系シングルサイト触媒、あるいは束縛構造シングルサイト触媒、あるいは他のシングルサイト触媒を用いて調製できる。他のシングルサイト触媒は、米国特許出願公開第2005/0164872号明細書、国際公開第2007/136494号、及び国際公開第2011/002998号に記載されている。
【0055】
好ましいα−オレフィンは、3〜18個の炭素原子、さらに好ましくは4〜8個の炭素原子を有し、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、及び1−オクテンが挙げられ、好ましくはプロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン及び1−オクテンが挙げられ、さらに好ましくは1−ブテン、1−ヘキセン及び1−オクテンが挙げられ、さらに好ましくは1−ブテン及び1−オクテンが挙げられる。
【0056】
一実施形態において、エチレン/α−オレフィンコポリマーは、ASTM D−1238−10(190℃、2.16kg荷重)を使用して測定される80g/10分以下、又は60g/10分以下、又は40g/10分以下、又は20g/10分以下のメルトインデックス(I)を有する。さらなる実施形態において、α−オレフィンは、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン又は1−オクテンから選択され、あるいはプロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン又は1−オクテンから選択され、あるいは1−オクテン又は1−ブテンから選択される。
【0057】
一実施形態において、エチレン/α−オレフィンコポリマーは、ASTM D−1238−04(190℃、2.16kg荷重)を使用して測定される2g/10分以上、又は5g/10分以上、又は10g/10分以上のメルトインデックス(I)を有する。さらなる実施形態において、α−オレフィンは、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン又は1−オクテンから選択され、あるいはプロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン又は1−オクテンから選択され、あるいは1−オクテン又は1−ブテンから選択される。
【0058】
一実施形態において、エチレン/α−オレフィンコポリマーは、350°Fで、50,000cP以上、さらに70,000cP以上、さらに90,000cP以上の溶融粘度を有する。
【0059】
一実施形態において、エチレン/α−オレフィンコポリマーは、0.930g/cm以下、又は0.920g/cm以下、又は0.910g/cm以下、又は0.890g/cm以下の密度を有する。さらなる実施形態において、α−オレフィンは、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン又は1−オクテンから選択され、あるいはプロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン又は1−オクテンから選択され、あるいは1−オクテン又は1−ブテンから選択される。
【0060】
一実施形態において、エチレン/α−オレフィンコポリマーは、0.850g/cm以上、又は0.855g/cm以上、又は0.860g/cm以上、又は0.865g/cm以上の密度を有する。さらなる実施形態において、α−オレフィンは、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン又は1−オクテンから選択され、あるいはプロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン又は1−オクテンから選択され、あるいは1−オクテン又は1−ブテンから選択される。
【0061】
一実施形態において、エチレン/α−オレフィンコポリマーは、不均一線状エチレン/α−オレフィンコポリマーである。不均一線状エチレン/α−オレフィンコポリマーとしては、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、超低密度(ultra−low density)ポリエチレン(ULDPE)、及び超低密度(very low density)ポリエチレン(VLDPE)が挙げられる。さらなる実施形態において、α−オレフィンは、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン又は1−オクテンから選択され、あるいはプロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン又は1−オクテンから選択され、あるいは1−オクテン又は1−ブテンから選択される。
【0062】
一実施形態において、エチレン/α−オレフィンコポリマーは、均一に分枝した線状のエチレン/α−オレフィンコポリマー又は均一に分枝した実質的に線状のエチレン/α−オレフィンコポリマーである。さらなる実施形態において、α−オレフィンは、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン又は1−オクテンから選択され、あるいはプロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン又は1−オクテンから選択され、あるいは1−オクテン又は1−ブテンから選択される。
【0063】
一実施形態において、エチレン/α−オレフィンコポリマーは、均一に分枝した線状エチレン/α−オレフィンコポリマーである。さらなる実施形態において、α−オレフィンは、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン又は1−オクテンから選択され、あるいはプロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン又は1−オクテンから選択され、あるいは1−オクテン又は1−ブテンから選択される。
【0064】
一実施形態において、エチレン/α−オレフィンコポリマーは、均一に分枝した実質的に線状のエチレン/α−オレフィンコポリマーである。さらなる実施形態において、α−オレフィンは、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン又は1−オクテンから選択され、あるいはプロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン又は1−オクテンから選択され、あるいは1−オクテン又は1−ブテンから選択される。
【0065】
「均一」及び「均一に分枝した」という用語は、α−オレフィンコモノマーが所定のポリマー分子内に不規則に分布しており、ポリマー分子の全てが同じ又は実質的に同じコノモマー/エチレン比を有するエチレン/α−オレフィンコポリマーに関連して使用する。均一に分枝したエチレン/α−オレフィンコポリマーとしては、均一に分枝した線状エチレン/α−オレフィンコポリマー、及び均一に分枝した実質的に線状のエチレン/α−オレフィンコポリマーが挙げられる。
【0066】
均一に分枝した線状エチレン/α−オレフィンコポリマーの中には、長鎖分枝(又は測定可能な量の長鎖分枝)を欠いているが、短鎖分枝(コポリマーの中に重合したコモノマーから誘導される)を有し、コモノマーが、同じポリマー鎖内に、及び異なるポリマー鎖の間に、その両方に均一に分布しているエチレンコポリマーが含まれる。すなわち、均一に分枝した線状エチレン/α−オレフィンコポリマーは、線状低密度エチレン/α−オレフィンコポリマーの場合と同様に、長鎖分枝を欠いており、例えば、Elstonによって米国特許第3,645,992号明細書に記載されているような「均一分枝分布」重合法を使用して作製できる。均一に分枝した線状エチレン/α−オレフィンコポリマーの市販例としては、Mitsui Chemical Companyによって供給されるTAFMERポリマー、及びExxonMobil Chemical Companyによって供給されるEXACTポリマーが挙げられる。
【0067】
上記のように、均一に分枝した線状エチレン/α−オレフィンコポリマーは、例えばElstonによって米国特許第3,645,992号明細書に記載されており、その後のメタロセン触媒を使用してこのようなポリマーを製造する方法は、例えば、欧州特許第0 129368号明細書、欧州特許第0260999号明細書、米国特許第4,701,432号明細書、米国特許第4,937,301号明細書、米国特許第4,935,397号明細書、米国特許第5,055,438号明細書、及び国際公開第90/07526号に示されているように開発されており、これらはそれぞれ、参照により本明細書に完全に組み込まれる。
【0068】
均一に分枝した実質的に線状のエチレン/α−オレフィンコポリマーは、例えば米国特許第5,272,236号明細書、同第5,278,272号明細書、同第6,054,544号明細書、同第6,335,410号明細書及び同第6,723,810号明細書に記載されており、これらはそれぞれ、参照により本明細書に完全に組み込まれる。実質的に線状のエチレン/α−オレフィンコポリマーは、コモノマーが所定のポリマー分子内に不規則に分布しており、ポリマー分子の全てが同じ又は実質的に同じコノモマー/エチレン比を有するエチレン/α−オレフィンコポリマーである。また、実質的に線状のエチレン/α−オレフィンコポリマーは、長鎖分枝を有する(鎖分枝は、1つのコモノマーをポリマー主鎖に組み込むことによって形成される分枝よりも多くの炭素原子を有する)。前記長鎖分枝は、ポリマー主鎖と同じコモノマー分布を有し、ポリマー主鎖の長さとほぼ同じ長さを有することができる。「実質的に線状の」とは、典型的に、平均して炭素1000個当たり0.01個の長鎖分枝〜炭素1000個当たり3個の長鎖分枝で置換されているポリマーに関する。ポリマーとしては、The Dow Chemical Companyから入手できるENGAGEポリオレフィンエラストマーが挙げられる。均一に分枝した実質的に線状のエチレン/α−オレフィンコポリマーと対照的に、均一に分枝した線状エチレン/α−オレフィンコポリマーには、測定可能な又は実証可能な長鎖分枝がない。
【0069】
均一に分枝した実質的に線状のエチレン/α−オレフィンコポリマーは、独特な種類の均一に分枝したエチレンポリマーを形成する。これらは、Elstonによって米国特許第3,645,992号明細書に記載されている従来の均一に分枝した線状エチレン/α−オレフィンコポリマーの周知の種類と実質的に異なり、さらに、これらは、例えば、Andersonらによって米国特許第4,076,698号明細書に開示されている技法を使用して作製される従来の不均一「チーグラー・ナッタ触媒重合」線状エチレン/α−オレフィンコポリマー(例えば、LLDPE、ULDPE及びVLDPE)と同じ種類ではなく;これらは、高圧法遊離基開始高分枝ポリエチレン、例えば、低密度ポリエチレン(LDPE)、エチレン−アクリル酸(EAA)コポリマー、及びエチレン酢酸ビニル(EVA)コポリマーと同じ種類でもない。
【0070】
均一に分枝した実質的に線状のエチレン/α−オレフィンコポリマーは、分子量分布が比較的狭いにも関わらず、極めて良好な加工性を有する。意外にも、実質的に線状のエチレン/α−オレフィンコポリマーのASTM D1238−10によるメルトフロー比(I10/I)は、広い範囲にわたって、及び本質的に分子量分布(M/M又はMWD)と関係なく変化させることができる。この意外な挙動は、従来の均一に分枝した線状エチレン/α−オレフィンコポリマー、例えばElstonによって米国特許第3,645,992号明細書に記載されている均一に分枝した線状エチレン/α−オレフィンコポリマー、及び不均一に分枝した「従来チーグラー・ナッタ重合」線状エチレン/α−オレフィンコポリマー、例えばAndersonらによって米国特許第4,076,698号明細書に記載されているような不均一に分枝した「従来チーグラー・ナッタ重合」線状エチレン/α−オレフィンコポリマーとは完全に逆である。実質的に線状のエチレン/α−オレフィンコポリマーと異なり、線状エチレン/α−オレフィンコポリマー(均一に分枝しているか又は不均一に分枝しているかに関係なく)は、分子量分布の増大に伴ってI10/I値も増大するような流動学的性質を有する。
【0071】
「長鎖分枝(LCB)」は、例えばRandallの方法(Rev.Micromole.Chem.Phys.,1989,C29(2&3),p.285−297)を使用して、当工業において公知の従来の技法、例えば13C核磁気共鳴(13C NMR)分光法で測定できる。他の2つの方法は、低角レーザー光散乱検出器(GPC−LALLS)を連結したゲル透過クロマトグラフィー、及び示差粘度計検出器(GPC−DV)を連結したゲル透過クロマトグラフィーである。長鎖分枝検出のためのこれらの技法の使用、及びその基本理論は、文献で十分に実証されている。例えば、Zimm,B.H.and Stockmayer,W.H.,J.Chem.Phys.,17,1301(1949)、及びRudin,A.,Modern Methods of Polymer Characterization,John Wiley & Sons,New York(1991)pp.103−112を参照のこと。
【0072】
均一分枝エチレン/α−オレフィンコポリマーは、不均一に分枝したポリマーの幅広い短鎖分枝分布に起因して2つ以上の溶融ピークを有する不均一分枝エチレン/α−オレフィンコポリマーとは対照的に、好ましくは示差走査熱量分析法(DSC)を使用して測定される単一の溶融ピークを有する。
【0073】
一実施形態において、エチレン/α−オレフィンコポリマーは、5以下、好ましくは4以下、さらに好ましくは3以下の分子量分布(M/M)を有する。別の実施形態において、エチレン/α−オレフィンコポリマーは、1.1以上、好ましくは1.2以上、さらに好ましくは1.5以上の分子量分布(M/M)を有する。さらなる実施形態において、α−オレフィンは、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン又は1−オクテンから選択され、あるいはプロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン又は1−オクテンから選択され、あるいは1−オクテン又は1−ブテンから選択される。
【0074】
エチレン/α−オレフィンコポリマーは、本明細書に記載の2以上の実施形態の組み合わせを含んでもよい。
【0075】
添加剤
発明組成物は、1つ以上の添加剤を含んでもよい。適当な添加剤としては、以下に限定されないが、充填剤、酸化防止剤、UV安定剤、難燃剤、着色剤、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
【0076】
一実施形態において、組成物は、さらに、少なくとも1種の添加剤を含む。さらなる実施形態において、少なくとも1種の添加剤は、充填剤、難燃剤、着色剤、安定剤、加工助剤、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0077】
一実施形態において、組成物は、さらに、充填剤を含む。さらなる実施形態において、充填剤は、炭酸カルシウム、アルミニウム三水和物、マグネシウムヒドロキサイト、硫酸バリウム、タルク、又はシリカから選択される。
【0078】
架橋剤としては、硫黄含有化合物(成分C)、例えば元素状硫黄、4,4’−ジチオジモルホリン、チウラムジスルフィド及びポリスルフィド、アルキルフェノールジスルフィド、及び2−モルホリノ−ジチオベンゾチアゾールが挙げられる。硫黄は、結晶質元素状硫黄又は非晶質元素状硫黄であることができ、いずれのタイプも純粋な形態であることができ、又は不活性担体に担持させることができる。担持された硫黄の例は、Rhein ChemieからのRHENOGRAN S−80(80%硫黄含量)である。
【0079】
一実施形態において、架橋剤の量は、組成物中のポリマー100部に基づいて、約0.5〜10重量部の範囲内にある。用いる架橋温度及び時間は、典型的である。約250°F〜約440°Fの範囲内の温度、及び約1分〜約120分の範囲内の時間を用いることができる。
【0080】
用途
本発明の組成物は、種々の物品又は製品、あるいはこれらの構成要素又は部分を調製するために使用することができる。前記発明組成物は、多数の従来の方法及び装置のいずれか1つによる最終製品に変換され得る。例示的な方法としては、以下に限定されないが、押出法、圧延法、圧縮成形法、及びその他の典型的な熱硬化性材料形成法が挙げられる。例えば、物品は、押出し、押出し次いで付加的熱処理、低圧成形、圧縮成形などによって調製できる。
【0081】
物品としては、以下に限定されないが、発泡体、シート、繊維、成形品、及び押出部品が挙げられる。さらなる物品として、屋根材、建材、自動車部品、ウェザーストリップ、ベルト、ホース、ワイヤー及びケーブル外被、床材、ガスケット、タイヤ及びタイヤ部品、コンピューター部品、建材、家庭用品、給電ハウジング、ゴミ箱、貯蔵又は包装容器、芝刈り機部品及びその他のガーデン用電気器具部品、音響装置、ユーティリティカート部品、机縁取り材、おもちゃならびに舟艇部品が挙げられる。本発明の組成物は、屋根材用途、例えば屋根膜に十分に適している。本発明の組成物は、さらに履物構成要素、例えば、以下に限定されないが、ブーツ、特に製造作業ブーツ用のシャフトの製造に使用できる。本発明の組成物は、自動車部品の製造にも使用できる。当業者は、過度の実験をすることなく、このリストを容易に拡張することができる。
【0082】
定義
本明細書で使用する用語「組成物」は、組成物を含む材料、ならびに組成物の材料から形成される反応生成物及び分解生成物の混合物を含む。あらゆる反応生成物及び分解生成物は、典型的には極微量又は残留量で存在する。
【0083】
本明細書で使用する用語「ポリマー」は、同じ種類であるか又は異なる種類であるかに関係なく、モノマーを重合することによって調製される高分子化合物を指す。従って、ポリマーという一般用語は、用語ホモポリマー(極微量の不純物がポリマー構造に取り込まれることができるという理解のもとに、1種類のモノマーのみから調製されるポリマーを指すのに用いられる)及び以下で定義する用語インターポリマーを包含する。
【0084】
本明細書で使用する用語「インターポリマー」は、少なくとも2種の異なる種類のモノマーの重合によって調製されるポリマーを指す。従って、用語インターポリマーは、用語コポリマー(2つの異なる種類のモノマーから調製されるポリマーを指すのに用いられる)、及び2つを超える異なる種類のモノマーから調製されるポリマーを含む。
【0085】
本明細書で使用する用語「エチレン系ポリマー」は、重合した形態で、重量%の大部分を占めるエチレン(インターポリマーの重量に基づく)を含むポリマーを指し、場合により1種以上のコモノマーを含んでもよい。
【0086】
本明細書で使用する用語「エチレン系インターポリマー」は、重合した形態で、重量%の大部分を占めるエチレン(インターポリマーの重量に基づく)と、少なくとも1つのコモノマーとを含むポリマーを指す。
【0087】
本明細書で使用する用語「エチレン/α−オレフィン/ジエンインターポリマー」は、重合した形態で、エチレンと、α−オレフィンと、ジエンとを含むポリマーを指す。一実施形態において、「エチレン/α−オレフィン/ジエンインターポリマー」は、重量%の大部分を占めるエチレン(インターポリマーの重量に基づく)を含む。
【0088】
本明細書で使用する用語「エチレン/α−オレフィンコポリマー」は、重合した形態で、2種のみのモノマー型として、重量%の大部分を占めるエチレン(コポリマーの重量に基づく)と、α−オレフィンとを含むポリマーを指す。
【0089】
本明細書で使用する用語「phr」は、エチレン/α−オレフィン/ジエンインターポリマー、及びエチレン/α−オレフィンコポリマーの「100部」に対する構成成分の重量に関連する。
【0090】
本明細書で使用する用語「硫黄含有化合物」は、少なくとも1つの硫黄原子(S)を含む化学分子を示す。
【0091】
「含む(comprising)」、「含む(including)」、「有する」という用語及びこれらの派生語は、任意の追加の成分、工程又は手順の存在を、これらが具体的に開示されているか否かに関係なく、除外することを意図するものではない。あらゆる誤解を避けるために、「含む(comprising)」という用語の使用によって特許請求される全ての組成物は、特にそれに反して明記しない限りは、ポリマーであるか又はその他であるかに関係なく、任意の追加の添加剤、補助剤、又は化合物を含んでもよい。これと対照的に、「から本質的になる」という用語は、実施可能性に不可欠でないものを除いて、任意の後続の列挙の範囲から、任意の成分、工程又は手順を除外する。「からなる(consisting of)」という用語は、具体的に説明又は列記されていない任意の成分、工程又は手順を除外する。
【0092】
試験方法
ムーニー粘度
インターポリマーのMV(100℃でML1+4)は、ASTM 1646−04に従って予熱時間1分及びローター操作時間4分で測定する。装置は、Alpha Technologies製のRheometer MDR2000である。
【0093】
インターポリマーのMV(125℃でML1+4)は、ASTM 1646−04に従って予熱時間1分及びローター操作時間4分で測定する。装置は、Alpha Technologies製のRheometer MDR2000である。
【0094】
エチレン系ポリマーのメルトインデックス(I)は、ASTM D−1238−04、条件190℃/2.16kgに従って測定する。エチレン系ポリマーのメルトインデックス(I)は、ASTM D−1238−10、条件190℃/5.0kgに従って測定する。エチレン系ポリマーのメルトインデックス(I10)は、ASTM D−1238−10、条件190℃/10.0kgに従って測定する。エチレン系ポリマーの高荷重メルトインデックス(I21)は、ASTM D−1238−10、条件190℃/21.0kgに従って測定する。
【0095】
ポリマー密度は、ASTM D−792−08に従って測定する。
【0096】
溶融粘度
溶融粘度は、Brookfield Digital Viscometer(DV−II+型、バージョン3)および使い捨てアルミニウムサンプルチャンバーを使用して、ASTM D3236(350°F)に従って測定した。使用したスピンドルは、一般的に10〜100,000センチポイズの範囲の粘度を測定するのに適切な、SC−31ホットメルトスピンドルである。サンプルを前記チャンバーに注ぎ入れ、次いでそれをBrookfield Thermoselに挿入し、固定する。サンプルチャンバーは、底にノッチがあり、ノッチは、Brookfield Thermoselの底にぴったり合い、スピンドルが挿入され回転した場合、チャンバーが回転しないことを確実にする。溶融したサンプルがサンプルチャンバーの頂部から約1インチ下になるまで、サンプル(約8〜10グラムの樹脂)を目的温度に加熱する。粘度測定装置を下げ、スピンドルをサンプルチャンバーの中に沈める。粘度計のブラケットがThermosel上に整列するまで、降下を続ける。粘度計のスイッチを入れ、粘度計のRPM出力に基づいて総トルク容量の40〜60%の範囲でトルク読み込みができるせん断速度で作動するように設定する。読み込みは、約15分間毎分、または値が安定化するまで行い、その時点での、最終読み込みを記録する。
【0097】
実験
NORDEL IP 4725P Hydrocarbon Rubber(以後、NORDEL IP 4725Pとする)は、21〜29のムーニー粘度(125℃でML1+4について算出される、ASTM D1646)を有し、重量%の大部分を占めるエチレン(重合した)を含有するエチレン/プロピレン/ジエン(ENB)である。
【0098】
ENGAGE 8137 Polyolefin Elastomer (以後、ENGAGE 8137とする)は、0.8610〜0.8670g/ccの密度(ASTM D792、1cc=1cm)、及び10〜16のメルトインデックス(I)(ASTM D1238、190℃、2.16kg)を有するエチレン/オクテン−1コポリマーである。
【0099】
RHENOGRAN S−80(以後、「S−80」とする)は、Rhein Chemieから入手できる、80%硫黄及び20%エラストマー結合剤ならびに分散剤である。
【0100】
RHENOGRAN MBT−80(以後、「MBT−80」とする)は、Rhein Chemieから入手できる、80%2−メルカプト−ベンゾチアゾール(明細にしたがう)及び20%エラストマー結合剤及び分散剤である。
【0101】
酸化亜鉛は、Silarから入手した。
【0102】
ステアリン酸は、Fluka Chemie AGから入手した。
【0103】
RHENOGRAN TBzTD−70(以後、TBzTDとする)は、テトラベンジル−チウラムジスルフィドであり、Rheinchemieから入手した。
【0104】
表1に示した未加硫組成物の調製
表1に示したそれぞれの配合物に関して、ポリマー組成物を最初にドライブレンドし、後でロールミルで添加剤を添加した。
【表1】
【0105】
加硫(硬化)試験サンプルの調製
組成物を、第1のステップにおいて、下記に示すように、2ロールラボラトリーブレンダー(two−roll laboratory blender)で厚さ約「3mm」の未加硫シートに加工した。ロールミル温度は、以下に示すように設定した。最初に、ドライブレンドポリマーをロールミルに加え、均一バンク(混合)を達成するまで(約60秒)混ぜ合わせた。次に、添加剤をバンクに加え、混合時間をさらに4分間続け、最終バンクを、ロールミルから引き出して未加硫シートを形成した。シートは、周囲雰囲気下で、約24時間で室温に冷却した。
【0106】
Collin 2ロールミル W150M型Collin W150M
ロールサイズ: 直径15cm、幅30cm。
材料の荷重/ラン:300g
温度設定: 前ロール=105℃、背面ロール=100℃
ロール速度: 前ロール4rpm
背面ロール5rpm
ロールギャップ: 1mm
全配合時間: 5分
【0107】
次に、未加硫シートを、約「60mm×60mm×約3mm」片に切断した。総荷重の「未加硫シート片の約150g」は、「厚さ2mm」「250mm×250mm」の金属フレームに配置した。前記フレームをBURKLEホットプレスに挿入し、250mm×250mm×2mmのサンプルシートを50バールの硬化圧力、25分間以上180℃の圧縮温度で形成し、加硫処理した。
【0108】
熱間硬化試験
サンプルを架橋プラックから切り取り、熱間硬化試験を行った。熱間硬化試験は、ISO 60811−2−1に従って行った。サンプル形態及び試験条件は、表2に示す。熱間伸び率(%)は、熱間硬化オーブンで露出5分後に測定した。低温伸び率(%)は、周囲温度で10分後に測定した。
【表2】
【0109】
溶接特性
溶接特性の評価に対して、上記のとおり、2つの架橋試験サンプル(250mm×125mm×2mm)を、プラックから切り取り、下記のとおり、Leister Triac−S加熱溶接装置を用いて加熱溶接した。2つのサンプルは、80mm×250mmの重なる領域が存在するように配置した。
【0110】
2つの架橋試験サンプルの表面を予めアセトンで清浄し、少なくとも5分間空気乾燥し、均一溶接ビードに達するまで、溶接機設定温度390℃で、「20mm幅のダイノズル」を用いて加熱溶接した。図1(溶接領域を示す模式図)に示すように、溶接領域は、250mm×40mmであった。
【0111】
溶接シートを周囲条件で24時間保管した。10mm(幅)×40mm×2mmの試験サンプルを、(図2に示すように)溶接線の上で長方形の角度で切り取った。
【0112】
それぞれの試験サンプルは、プライヤーを用いて手で引っ張った(例えば、図3を参照)。サンプル1つにつき合計5回引っ張り試験を行った。サンプルは、溶接の外側(「試験サンプルの破損」又は「シール破断」、図3参照)か、又は溶接の内側(「継目剥離」、図4参照)で不合格とし、あるいはサンプルの不良が溶接継目の外側で生じた場合に(シール破断)、建築構造の用途における慣例のように、サンプルを良好と評価した。
【0113】
結果概要
熱間硬化及び溶接の結果を表3に示す。サンプル1は、100%EPDM、当業界での一般的な方法による基準に基づいて、硫黄加硫配合物である。このサンプルは、熱間硬化のデータによっても示されるように、高度架橋であり、溶接可能ではない。
【0114】
サンプル2〜5に対して、サンプル1のEPDMは、70/30〜30/70の比率でEPDMとPOEのブレンドと系統的に交換した。30phrPOEの追加で、サンプル2は、熱間硬化/架橋の高い率を示すが、溶接特性は十分ではない。溶接継目は、接着状態で不合格となった、すなわち、継目で剥離した。
【0115】
サンプル3−6は、本発明の利益を例示する配合物である。これらのサンプルは、溶接が優れていたが、それぞれ「シール破断」により不合格となった。
【0116】
サンプル3−5においては、EPDMの硫黄加硫片は、熱間硬化によって示される、凝集及び十分な架橋ネットワークを提供する。サンプル6は、熱間硬化より示される架橋レベルが低く(この試験中に破断)、エチレン/α−オレフィンレベルの上限であった。サンプル3−5は、より高い架橋レベルを示す。
【表3】
図1
図2
図3
図4