特許第6040277号(P6040277)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6040277
(24)【登録日】2016年11月11日
(45)【発行日】2016年12月7日
(54)【発明の名称】収納ラック
(51)【国際特許分類】
   A47B 47/00 20060101AFI20161128BHJP
【FI】
   A47B47/00
【請求項の数】3
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2015-91335(P2015-91335)
(22)【出願日】2015年4月28日
【審査請求日】2015年6月1日
(73)【特許権者】
【識別番号】504058891
【氏名又は名称】永山實業有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100093779
【弁理士】
【氏名又は名称】服部 雅紀
(72)【発明者】
【氏名】▲鄭▼ 西明
【審査官】 七字 ひろみ
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭62−188236(JP,U)
【文献】 実開昭56−048832(JP,U)
【文献】 実開昭54−026422(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47B 47/02;47/04
A47B 57/10;57/26;57/34;57/54
A47F 5/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
立設されている少なくとも四本の支柱と、
前記支柱に組み付けられている複数のプラスチック製アセンブリと、
前記支柱に組み付け可能であり、物置板および板状のフレームを有し、前記支柱に対応する前記フレームの角部に、前記プラスチック製アセンブリに組み付け可能なカバーが設けられている複数の棚板と、を備え、
棚板の前記フレームは、上縁部および下縁部から内側に向いて水平方向に所定の幅延びている折板が形成されており、前記折板の前記角部に対応する位置に、前記カバーを嵌め込むのに用いられる切れ込み溝が形成されており、前記切れ込み溝が円錐形の前記カバーに対応しており、上縁部の前記折板の前記切れ込み溝の内径が下縁部の前記折板の前記切れ込み溝の内径より小さくなるよう前記切れ込み溝が形成されており、
前記カバーと前記フレームとは、前記カバーが前記切れ込み溝内にはめ込まれた状態で、超音波溶接により結合され組み付けられていることを特徴とする収納ラック。
【請求項2】
前記カバーと前記フレームとは、前記切れ込み溝の縁部に形成されている複数の凸部と、前記カバーの外周面とが接触した状態で、溶接結合されていることを特徴とする請求項1に記載の収納ラック。
【請求項3】
前記カバーと前記フレームとは、前記カバーの外周面に形成されている複数のリブと、前記切れ込み溝の縁部とが接触した状態で溶接結合されていることを特徴とする請求項1または2に記載の収納ラック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、収納ラックに関する。
【背景技術】
【0002】
図1及び図2を参照しながら説明する。一般に、スチールラックの構造設計は、少なくとも四本の支柱10を有する。各支柱10の外壁には、等間隔で複数の環状溝11が形成されている。プラスチック製アセンブリ12、13は支柱10に設けられている。プラスチック製アセンブリ12、13は、内壁に形成されているリブ14が支柱10の環状槽11にはめ込まれることで、第一段階の位置決め効果が得られる。プラスチック製アセンブリ12、13が円錐台状に形成されており、棚板20の四つの角に位置するカバー21の内壁が円錐台状に形成されているため、プラスチック製アセンブリ12、13が固定され、棚板20と支柱10とのはめ込み結合による位置固定を維持することができる。棚板20は、金属バーをハンダ付けにより成形されているすのこ状の物置面22を有する。棚板20のサイドフレーム23は、金属バーをハンダ付けすることで成形される。よって、構造上の強度を有する。小型のものが落ちることを抑制するために、すのこ状の物置面22を金属網状とすることも可能である。
【0003】
棚板の物置面は、すのこ状の構成であるか、金属網状の構成であるかにかかわらず、支柱とカバーとは、ハンダ付けによって結合されている。また、棚板のフレームの四つの角部の位置に、切り込み溝または切り込み角を形成することができる。よって、切り込み溝または切り込み角に、カバーをはめ込み、ハンダ付けによる固定を行うことができ、棚板とカバーとの組み立てを完了することができる。カバーの内径は、円錐台状であることで、プラスチック製アセンブリを介して支柱に固定される。よって、支柱とプラスチック製アセンブリとの相対位置を変えることで、支柱とカバーとの相対位置を変えることができ、必要に応じてその隣り合う棚板同士の間隔を調整することができる。
【0004】
しかしながら、前述の棚板のフレームと四つの角部のカバーは、ハンダ付けにより結合されているため、ハンダ付けの痕が残り、その外観または質感に影響を及ぼす外、施工者の経験または技術の習熟度によって全体的な品質が左右される。同時に、その全体の加工作業が非常に煩雑となり、決して理想的な構成とは言えない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−290659号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来の収納ラックの棚板は、そのフレームと四つの角部のカバーがハンダ付けにより結合されているため、長時間の加工が必要であり、品質のコントロールが困難であり、ハンダ付けの痕が残ることで外観に影響を及ぼす等の問題または欠点を有する。
本発明の目的は、従来の技術における欠点を改善可能な収納ラックを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の収納ラックは、立設されている少なくとも四本の支柱と、支柱に組み付けられている複数のプラスチック製アセンブリと、支柱に組み付け可能であり、物置板および板状のフレームを有し、支柱に対応するフレームの角部に、プラスチック製アセンブリに組み付け可能なカバーが設けられている複数の棚板と、を備える。棚板のフレームは、上縁部および下縁部から内側に向いて水平方向に所定の幅延びている折板が形成されている。折板の角部に対応する位置に、カバーを嵌め込むのに用いられる切れ込み溝が形成されている。切れ込み溝は、円錐形のカバーに対応しており、上縁部の折板の切れ込み溝の内径が下縁部の折板の切れ込み溝の内径より小さくなるよう形成されている。カバーとフレームとは、カバーが切れ込み溝内にはめ込まれた状態で、超音波溶接により結合され組み付けられている。
【0008】
本発明の収納ラックは、棚板のフレームと、その四つの角部に位置するカバーとが超音波溶接により結合されている。よって、施工が簡単であり、且つ、結合強度が大幅に高まる。さらに、ハンダ付けの痕が残らず、全体的な外観と質感を改善することができ、産業上の利用価値を向上させ、優れた実用性を有する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】従来の収納ラックの構造を示す斜視図である。
図2】従来の収納ラックの要部を示す分解斜視図である。
図3】本発明の一実施形態による収納ラックの棚板を示す斜視図である。
図4】本発明の一実施形態による収納ラックの棚板のフレームとカバーを示す分解斜視図である。
図5】本発明の一実施形態による収納ラックの棚板のフレームとカバーの変形例を示す分解斜視図である。
図6】本発明の一実施形態による収納ラックの棚板のフレームとカバーの変形例を示す分解斜視図である。
図7】本発明の一実施形態による収納ラックの棚板のフレームとカバーの変形例を示す分解斜視図である。
図8】本発明の一実施形態による収納ラックの棚板のフレームとカバーが結合した状態を示した斜視図である。
図9】本発明の一実施形態による収納ラックの棚板のフレームとカバーが結合した状態を示した斜視図である。
図10】本発明の一実施形態による収納ラックの棚板のフレームとカバーが結合した状態を示した平面図である。
図11】本発明の一実施形態による収納ラックの棚板のフレームとカバーが結合した状態を示す断面図である。
図12】本考案の一実施形態による収納ラックの全体を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(一実施形態)
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。
図1から図12を参照しながら説明する。本発明の実施形態による収納ラック30は、立設可能である支柱31、プラスチック製アセンブリ32、および、棚板40を備える。棚板40は、金属網板41またはその他の形態の物置面を有する板、および、フレーム42によって構成される。フレーム42は、立設方向および周方向に延びている板状を有する。棚板40のフレーム42の四つの角部の位置にカバー50が設置されている。別に製作されたプラスチック製アセンブリ32は支柱31に設けられている。カバー50とプラスチック製アセンブリ32とが結合することで、ラック30の組み立てが完了する。
【0011】
棚板40とカバー50との組み合わせについて説明する。棚板40のフレーム42の上縁部および下縁部には、折板43、44が形成されている。折板43、44は、フレーム42の上縁部および下縁部から内側に向いて水平方向に所定の幅延びている。上縁部の折板43は金属網板41と結合するのに用いられる。下縁部の折板44は、安全性と修飾効果を有する。
【0012】
フレーム42は、折板43、44の四つの角部に対応する位置に、カバー50と結合するのに用いられる切れ込み溝45、46がそれぞれ形成されている。カバー50は、上側の外径が下側の外径より小さくなるよう円錐台状に形成されている。上縁部の折板43の切れ込み溝45の内径は、下縁部の折板44の切れ込み溝46の内径より小さい。
【0013】
切れ込み溝45、46は、内側の縁部に、複数の凸部47、48が形成されてもよい(図5を参照)。また、カバー50の外周壁に複数のリブ51が形成されてもよい(図6を参照)。また、折板43、44の切れ込み溝45、46の内側の縁部、及び、カバー50外周壁に、位置が互いにずれている複数の凸部47、48およびリブ51が形成されてもよい(図7を参照)。これにより、カバー50がフレーム42の切れ込み溝45、46にはめ込まれた時、カバー50外周壁と切れ込み溝45、46の内側の縁部と間において多点式の接触が可能となる。よって、超音波溶接技術により、フレーム42とカバー50とが溶接されて、凸部47、48またはリブ51の溶接結合によって、フレーム42とカバー50とが結合する。
【0014】
上述の構成において、カバー50が棚板40のフレーム42の四つの角部に位置する切れ込み溝45、46内にはめ込まれ、フレーム42に囲まれ、超音波溶接方式によって溶接されるため、外見上、ハンダ付けの痕が見られない上、極めて安定性に優れた結合を達成することができる。全体的な製造組み立て過程において、ハンダを用いることがなく、超音波溶接による溶接作業は、作業が簡単で、品質が作業人の技術または経験に左右されないため、質の高い結合により、安定した固定状況と質の向上が可能である。よって、従来のハンダ付けによる、ハンダ付けの痕が残ることで美観を損ねる問題、または、作業が不便であるといった問題を解決し、産業上の利用価値を向上させ、優れた実用性を有する。
【0015】
以上の説明により、本発明の一実施形態による収納ラックは、フレームは、折板の四つの角部に対応する位置に、カバーをはめ込むのに用いられる切れ込み溝が形成されている。また、切れ込み溝の内側の縁部に形成されている複数の凸部またはカバーの外周壁に形成されているリブと、超音波溶接による溶接技術とを組み合わせることで、作業を楽にすると同時に、カバーとフレームとの安定した結合を達成することができる。ハンダ付け方式により形成されるハンダ付けの痕またはそれに関連する問題を徹底的に解決し、産業上の利用価値を向上させ、優れた実用性を有する。
【符号の説明】
【0016】
10 支柱、
11 環状槽、
12、13 プラスチック製アセンブリ、
14 リブ、
20 棚板、
21 カバー、
22 物置面、
23 サイドフレーム、
30 ラック、
31 支柱、
32 プラスチック製アセンブリ、
40 棚板、
41 金属網板、
42 フレーム、
43、44 折板、
45、46 切れ込み溝、
47、48 凸部、
50 カバー、
51 リブ。
【要約】
【課題】
来の技術における欠点を改善可能な収納ラックを提供する。
【解決手段】
四本の支柱と、複数のプラスチック製アセンブリと、物置板および板状のフレーム42を有し、支柱に対応するフレーム42の角部に、プラスチック製アセンブリに組み付け可能なカバー50が設けられている複数の棚板と、を備える。棚板のフレーム42は、上縁部および下縁部に、所定の幅折り畳まれて水平の折板43、44が形成されている。折板43、44の角部に対応する位置に、カバー50を嵌め込むのに用いられる切れ込み溝45、46が形成されている。切れ込み溝45、46は、円錐形のカバー50に対応しており、上縁部の折板43の切れ込み溝45の内径が下縁部の折板44の切れ込み溝46の内径より小さくなるよう形成されている。
【選択図】 図5
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12