(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6040286
(24)【登録日】2016年11月11日
(45)【発行日】2016年12月7日
(54)【発明の名称】マットレス及びベッド装置
(51)【国際特許分類】
A47C 27/14 20060101AFI20161128BHJP
A61G 7/05 20060101ALI20161128BHJP
A61G 7/002 20060101ALI20161128BHJP
A47C 19/04 20060101ALI20161128BHJP
A47C 20/08 20060101ALI20161128BHJP
【FI】
A47C27/14 Z
A61G7/05
A61G7/002
A47C19/04 Z
A47C20/08
【請求項の数】6
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2015-115405(P2015-115405)
(22)【出願日】2015年6月8日
(62)【分割の表示】特願2013-544264(P2013-544264)の分割
【原出願日】2012年11月13日
(65)【公開番号】特開2015-180299(P2015-180299A)
(43)【公開日】2015年10月15日
【審査請求日】2015年6月8日
(31)【優先権主張番号】特願2011-251896(P2011-251896)
(32)【優先日】2011年11月17日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】390039985
【氏名又は名称】パラマウントベッド株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112335
【弁理士】
【氏名又は名称】藤本 英介
(74)【代理人】
【識別番号】100101144
【弁理士】
【氏名又は名称】神田 正義
(74)【代理人】
【識別番号】100101694
【弁理士】
【氏名又は名称】宮尾 明茂
(74)【代理人】
【識別番号】100124774
【弁理士】
【氏名又は名称】馬場 信幸
(72)【発明者】
【氏名】加藤 敦司
(72)【発明者】
【氏名】大野 健太
【審査官】
山口 賢一
(56)【参考文献】
【文献】
特開2006−136669(JP,A)
【文献】
特開2009−183359(JP,A)
【文献】
特開2009−226088(JP,A)
【文献】
特開2001−186964(JP,A)
【文献】
特開2009−273894(JP,A)
【文献】
特表2011−512880(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47C 27/14
A47C 19/04
A47C 20/08
A61G 7/002
A61G 7/05
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
長手方向端部から圧縮を受けるように用いられるマットレスにおいて、
前記圧縮によって変形する部分には、前記マットレスの平面視で所定の一線に垂直方向に他の線が交わった十字形を呈する穴が複数、前記マットレスの厚さ方向に貫通形成され、
前記複数の穴は、前記マットレスの幅方向及び長さ方向に配列され、
前記複数の穴の十字形のうちの所定の一線がマットレスの幅方向に対して斜めになると共に、前記マットレスの長手方向で前記所定の一線が交互に斜めになるように前記複数の穴が形成されていることを特徴とするマットレス。
【請求項2】
前記複数の穴は、平面視でマットレスの長さ方向に千鳥状に配置されていることを特徴とする請求項1に記載のマットレス。
【請求項3】
前記複数の穴は、前記十字形のうちの所定の一線がマットレスの幅方向に対して20°〜70°の傾斜を付けて形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のマットレス。
【請求項4】
前記複数の穴は、前記十字形のうちの所定の一線の端部が中央部よりも幅広になった概略ダンベル形状であることを特徴とする請求項1から3のうちの1項に記載のマットレス。
【請求項5】
前記マットレスは、素材の板材を単層又は複数層で設けたものであることを特徴とする請求項1から4のうちの1項に記載のマットレス。
【請求項6】
請求項1から5のうちの1項に記載のマットレスを設置して用いるボトム起伏又は伸縮機能を持ったベッド装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はマットレス及びベッド装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ベッド装置において、足部の長さを調整可能にした技術が提案されている。
【0003】
例えば特開2006-136669号公報(以下「特許文献1」という)には、マットレスの足側の箇所をベッド装置の長手方向に伸縮調整可能にしてボトム長を調整可能にしたマットレスが開示されている。この特許文献1では、ベッドのボトム上に載せたマットレスは、単層のウレタンフォーム芯材の足側部分に反発度を調整するため、十字状もしくは一字状の厚さ方向の貫通穴を所定間隔ごとに千鳥状に打抜き加工して形成している。
【0004】
又、特開2009−273894号公報(以下「特許文献2」という)には、その図面に示されるように、マットレスの足部がフォームコアを波打たせて形成されているものが開示されている。この場合、デッキ足部の長さを収縮した際に、フォームコアの波形態が該足部の長手方向の縮小を可能にしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−136669号公報
【特許文献2】特開2009−273894号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、マットレス芯材の足部の収縮性調整のため、前述の特許文献1のように十字状もしくは一字状に打抜き加工を所定間隔ごとにかつ、千鳥状に施す場合、例えば
図10(a)のマットレスP1のようになり、同図(b)に示すように、打抜き穴Hのコーナー部分H1、H1が圧縮されず、マットレスの収縮が阻害される場合がある。
【0007】
又、前述の特許文献2に対応して、例えば
図10(c)に示すように、マットレス芯材P2を波形に成形すると、波の溝部分Vに踵や身体の一部が嵌り込んで底付きする場合がある。
【0008】
又、波形に成形するにはマットレス芯材自体の厚みが薄くなり、マットレスの強度自体が弱くなる場合がある。
【0009】
又、足が波状の溝部分に入った場合、マットレスを圧縮するための力を足が受けてしまいマットレスの収縮を阻害する虞がある。
【0010】
本発明は、斯かる実情に鑑み、マットレスの打抜き穴にせん断応力が効率良く負荷されて収縮し易いと共に、波形に形成することなく従来と穴の数や面積が変わらない打抜き穴として、従来に比較して、加工工数が増加することがなく、かつ、強度も低下しないマットレス及びマットレスを用いるベッド装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、長手方向端部から圧縮を受けるように用いられるマットレスにおいて、前記圧縮によって変形する部分には、マットレスの幅方向に対して斜めの一字を含む十字状の穴を複数、所定間隔ごとに貫通形成し、
当該複数の穴における一字の傾きは、マットレスの長手方向に交互に斜めになるように配列していることを特徴とするマットレスである。
【0012】
本発明において、前記複数の穴は、平面視でマットレスに千鳥状に配置されていることが好適である。
【0013】
本発明において、前記複数の穴は、前記十字状の穴の一字がマットレスの幅方向に対して20°〜70°の傾斜を付けて形成されていることが好適である。
【0014】
本発明において、前記複数の穴は、前記十字状の穴の一字の端部が中央部よりも幅広になった概略ダンベル形状であることが好適である。
【0015】
本発明において、前記マットレスは、素材の板材を単層又は複数層で設けたものであることが好適である。
【0016】
本発明は、上記いずれかのマットレスを設置して用いるボトム起伏又は伸縮機能を持ったベッド装置である。
【発明の効果】
【0017】
本発明のマットレスによれば、圧縮によって変形する部分に、マットレスの幅方向に対して斜めの一字を含む十字状の穴を複数、所定間隔ごとに貫通形成しているので、当該マットレスの打抜き穴にせん断応力が効率良く負荷されて収縮し易い。
【0018】
それと共に、打抜き穴を波形に形成することがないので足の嵌り込みを防止でき、使い易く、かつ、従来と穴の数や面積が変わらない打抜き穴として形成できるので、従来に比較して、加工工数が増加することがなく、かつ、強度も低下しないマットレスを提供できるという優れた効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明の実施形態に係るマットレスが設置されたボトム起伏及び伸縮機能を持ったベッドの装置の説明図であり、(a)が側面図、(b)が平面図である。
【
図2】
図1のマットレスの変形する部分(足部)の平面図である。
【
図3】(a)、(b)は従来、実施形態に係るマットレスの穴の変形を比較して示す説明図である。
【
図4】(a)、(b)は従来構造のマットレスの穴の各説明図、(c)は実施形態に係るマットレスの穴の変形状態の説明図である。
【
図5】実施形態に係るマットレスのせん断応力と穴の角度の説明図である。
【
図6】
図1記載のマットレスの足部の変形前の説明図である。
【
図7】
図1記載マットレスの足部の変形後の説明図である。
【
図8】従来のマットレスと実施形態に係るマットレスの伸縮量と反発力の関係を示す説明図である。
【
図9】(a)、(b)は、本発明の第2の実施形態、第3の実施形態の各マットレスの説明図である。
【
図10】従来のマットレス芯材の説明図であって、(a)、(b)が打抜き穴を形成したマットレス芯材の説明図、(c)がマットレス芯材自体が波形のものの説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態を添付図面を参照して説明する。
【0021】
図1〜
図9は、本発明の実施形態に係るマットレスの説明図である。
【0022】
図1〜
図2に示すように、マットレス10は、ベッド装置12のボトム14上に載置されて使用されるものである。前記ベッド装置12は、病院や家庭等の使用箇所において、患者等の使用者がマットレス10上に横臥するための水平に設置されるものであって、
図1において、マットレス10の長手方向を左右に向けて示しており、マットレス10上の横臥する使用者の頭が向く頭部方向側を「head」を略記した符号「h」で示し、足が向く足部18方向側を「foot」を略記した符号「f」で示している。これらの符号「h」及び「f」で指し示す方向がマットレス10の長手方向である。
【0023】
前記ベッド装置12は、一般的な水平なフロア上にキャスター車輪16aによって移動可能に設置される概略矩形の台車部16と、該台車部16上に昇降脚部16bによって昇降可能に支持されるメインフレーム20と、該メインフレーム20上に保持される前記ボトム14とを備えた構造のものである。
【0024】
前記メインフレーム20の長手方向側端部、つまり、足側端部には、延長フレーム22が長手方向に進退動可能に設置され、その延長フレーム22の末端部に使用者の足に向くフットボード24が垂直方向に立設している。又、メインフレーム20の頭側端部には、ヘッドボード26が立設されている。延長フレーム22は、手作動又はアクチュエータ等の動力によってメインフレーム20から進退動し、同時にフットボード24も進退動する。
【0025】
前記ボトム14には、前記延長フレーム22が伸長した場合に当該延長フレーム22上を覆うようにボトム14の足側から延びる延長ボトム14aが設けられており、延長フレーム22の進退動に追従して延長ボトム14aが進退動して、マットレス10が延長フレーム22側に落ち込まないようになっている。なお、この延長ボトム14aの進退動に追従するようにフットボード24も移動する。
【0026】
このようにフットボード24が立設しており、メインフレーム20から延長フレーム22が進退動することによってボトム14の長さが伸縮し、同時に、フットボード24が長手方向に移動する。ボトム14の長さが一番長いときに合わせて設置されたマットレス10であるので、マットレス10は、ボトム14が短くなる方向に移動することによって、フットボード24が長手方向端部10aを押圧し、足部18が圧縮を受けるように用いられる。
【0027】
実施形態において、マットレス10は、f方向側の足部18(使用者の足が載る部分であって例えばマットレス10全体長さの1/2〜1/5程度)が前記長手方向端部(足側端部)10aの押圧等による圧縮によって変形する部分になる。マットレス10は、少なくとも足部18は発泡ウレタン素材からなる板材を単層又は複数層で設けており、該足部18を含めてマットレス10全体外側がカバーで覆われている。
【0028】
ここで、前記足部18(の芯材)は、
図2に示すように、マットレス10の幅方向に対して斜めの角度に一字状の穴28が複数、所定間隔ごとに前記足部18の厚さ方向に向けて貫通形成されている。
【0029】
又、前記複数の穴28が、平面視でマットレス10に千鳥状に配置されている。
【0030】
又、前記複数の穴28が、一字状がマットレス10の幅方向に対して20°〜70°の傾斜を付けて形成したものにできる。実施形態では、複数の穴28を、一字状がマットレス10の幅方向に対して45°としている。
【0031】
〔穴28をマットレス10の幅方向に対して斜めに形成する理由〕
図3の(a)と(b)に、従来品マットレスと実施形態に係るマットレス10を比較して示している。
図3(a)に示すように、従来品マットレスでは、足部Pに一字状の穴Hがマットレスの長手方向に対して直角方向に沿って幅方向に配列され、長手方向に互い違いになった千鳥状に形成されている。そして穴Hは、前述の
図10(a)に示したように両端に円弧形状のコーナー部を設けたほぼ長円形形状に形成している。
【0032】
仮に、この穴Hの両端の変形を助けるため、
図4(a)に示すように、穴Hの両端を角形状(H1’、H1’)に形成した場合、穴Hは圧縮され易く(変形し易く)なる。しかしながら、伸長するときに穴Hの両端部分H1’、H1’が亀裂を生じ易くなる。そのため、そのような亀裂を防止するべく、
図4(b)のように、穴Hの両端に円弧形状のコーナー部分H1、H1を設けているが、コーナー部分H1、H1があまり圧縮されない状態になり長辺のみ近接するように変形する。したがって、
図3(a)に示すように従来のマットレスでは、一字状の打抜き穴をマットレス芯材の長さ方向に垂直に配してマットレス収縮時にせん断応力が働かず圧縮しづらくなっている。
【0033】
これに対して、実施形態のマットレス10では、
図2、
図3(b)に示すように、複数の穴28が一字状でマットレス10の幅方向に対して斜めに形成されている。複数の穴28は幅方向に並ぶものでは同じ傾きで、長手方向に並ぶものでは一列置きに逆方向に傾いた千鳥状に形成されている。このように複数の穴28をマットレス10幅方向に対して斜めに形成したので、
図4(c)に示すように、コーナー部分を設けた穴28であっても、対向する辺がずれる方向に力Fz、Fzが加わり、穴28周辺の全体にせん断応力が作用し、前記コーナー部分がこのせん断応力に対して自由度を持つため、前記穴28が変形され易くなり、足部18がスムーズに圧縮する。
【0034】
次に、実施形態に係るマットレス10の穴28の角度と穴28へのせん断応力の関係について説明する。
【0035】
マットレス10芯材の幅方向に対して角度θで配された打抜き穴28に、
図5に示すように、圧縮力Fが作用したときに、打抜き穴28の幅方向に作用する力Fnと、打抜き穴28の長さ方向に働く力Ftは、それぞれ下式(1)、(2)で表される。
【0036】
Fn=Fcosθ ・・・(1)
Ft=Fsinθ ・・・(2)
【0037】
力の作用する端面における打抜き穴28の断面積をSとすれば、打抜き穴28の長さ方向に沿った断面積Sθは下式(3)で表される。
【0039】
打抜き穴28をつぶす方向に作用する圧縮応力σθと、打抜き穴28に沿った方向に作用するせん断応力τθは下式(4)と(5)でそれぞれ表される。
【0040】
σθ=Fn/Sθ=(F/S)・cos
2θ ・・・(4)
τθ=Ft/Sθ=(F/S)・sinθcosθ ・・・(5)
【0041】
よって、打抜き穴28が長さ方向に対して直角に配されているときには
θ=0
σ0=F/S
τ0=0
となる。圧縮応力σθはθ(0≦θ≦π/2)が大きいほど小さくなる。
【0042】
又、せん断応力τθは
d(sinθ・cosθ)/dθ=cos
2θ−sin
2θ=0より
θ=π/4で最大値τmax=F/2Sをとる。
【0043】
このとき圧縮応力σθは同様にF/2Sとなる。
【0044】
せん断応力τθはθ=π/8又は3π/8で
τθ=0.354F/S=0.71τmaxとなり、(π/8≦θ≦3π/8)の範囲で最大値の約7割以上のせん断応力を発揮する。
【0045】
以上から、実施形態のマットレス10は
図3(b)に示すように、一字状の打抜き穴28を芯材の幅方向に対して、角度π/4で配しているため、マット収縮時に打抜き穴28にせん断応力が最も効率良く作用し、圧縮され易くなる。
【0046】
又、千鳥状に打抜き穴28を配することで、マットレス10全体の均等にせん断応力を伝えることができる。
【0047】
又、打抜き穴28を一字の傾きがマットレス10の長手方向に交互に配列している。打ち抜き穴28の圧縮変形は、一字の傾きに沿うように生じ易いので、交互にすることによって幅方向に片側に偏ってマットレス10が圧縮変形することを防止できる。
【0048】
実施形態のベッド装置において、当初フットボード24が移動しないときが
図6に示す状態であり、フットボード24が移動してマットレス10の長手方向端部10aから圧縮すると
図7に示すように、足部18が効率良く圧縮されていく。そして、
図7中に拡大して示すとおり、穴28はコーナー部分も含めて確実に変形し、足部18の圧縮変形が均等になることが確認された。
【0049】
又、
図3(a)に示すような、従来の一字状の打抜き穴を長さ方向に対して直交する配置にした従来品のマットレスの足部と、
図3(b)に示すような、実施形態に係る、一字状の打抜き穴28を幅方向に対して45°に配置したマットレス10の足部18の伸縮量と反発力の関係を測定した(n=3)。測定結果は、
図8に示すようになった。
図8に示すように、200mm近く伸縮(短縮)すると反発力が60N(ニュートン)強であったのが、実施形態では、50N強となり、従来に比較して本実施形態では17%程度反発力が軽減されており、本発明の有用性が理解される。
【0050】
以上から、実施形態のマットレス10によれば、マットレス10の圧縮によって変形する足部18に、マットレス10の幅方向に対して斜めの一字状を含む穴28を複数、所定間隔ごとに貫通形成しているので、当該マットレス10の打抜き穴28にせん断応力が効率良く負荷されて収縮し易い。それと共に、打抜き穴28を波形に形成することなく従来と穴28の数や面積が変わらない打抜き穴28として形成できるので、従来に比較して、加工工数が増加することがなく、かつ、強度も低下しないマットレス10を提供できる。
【0051】
なお、本発明は、その技術思想の範囲内で自由に変形実施可能である。例えば、前記複数の穴28が、一字状であったが、
図9(a)に示す第2の実施形態に係るマットレスの足部18のように、十字状の穴28であって、十字状がマットレス10の幅方向に対して20°〜70°の傾斜を付けて形成されている構成にできる。このように十字状の穴28にすれば、実施形態のように打抜き穴28が一字状のように一字の傾き方向に沿ってマットレス10芯材が偏って圧縮変形することを防止し、幅方向にも均等に圧縮変形可能になる。
【0052】
又、例えば、前記複数の穴28は一字状の両端部が円弧を描いたコーナー形状であったが、
図9(b)に示す第3の実施形態のマットレスの足部18のように、穴28を中央部よりも幅広になった概略ダンベル形状に形成することもできる。この構成にすれば、穴28のコーナー部が大きくなり、穴28からのマットレス10芯材の亀裂をより防止することができる。
【0053】
本発明のマットレスの穴は打ち抜き加工で形成したものに限定されず、型に発泡ウレタンを流し込む等して形成する各種の加工方法でマットレスを形成することもできる。
又、マットレス10を載置するベッド装置は、実施形態の構成の他、各種の構成例えばリンクで足部18を伸縮させるものでもよい。ベッド装置は、その他、上下に起伏する機能を持ち全体としてマットレスを伸縮させるように作用するベッド装置も用いることができる。
【産業上の利用可能性】
【0054】
本発明のマットレスは、病院用、就寝用各種のベッド装置のマットレスとして利用することができる。
【符号の説明】
【0055】
10 マットレス
10a 長手方向端部
12 ベッド装置
14 ボトム
14a 延長ボトム
16 台車部
16a キャスター車輪
16b 昇降脚部
18 足部
20 メインフレーム
22 延長フレーム
24 フットボード
26 ヘッドボード
28 打抜き穴