特許第6040302号(P6040302)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6040302
(24)【登録日】2016年11月11日
(45)【発行日】2016年12月7日
(54)【発明の名称】太陽電池パネルの支持架台
(51)【国際特許分類】
   H02S 20/10 20140101AFI20161128BHJP
   H02S 20/24 20140101ALI20161128BHJP
   H02S 20/23 20140101ALI20161128BHJP
   E04D 13/18 20140101ALI20161128BHJP
【FI】
   H02S20/10 L
   H02S20/24
   H02S20/23 B
   E04D13/18ETD
【請求項の数】1
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2015-234711(P2015-234711)
(22)【出願日】2015年12月1日
【基礎とした実用新案登録】実用新案登録第3197219号
【原出願日】2015年2月13日
(65)【公開番号】特開2016-148238(P2016-148238A)
(43)【公開日】2016年8月18日
【審査請求日】2016年3月3日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】514224116
【氏名又は名称】株式会社プロフィット
(74)【代理人】
【識別番号】100084571
【弁理士】
【氏名又は名称】平野 玄陽
(72)【発明者】
【氏名】長岡 俊幸
【審査官】 兼丸 弘道
(56)【参考文献】
【文献】 登録実用新案第3195462(JP,U)
【文献】 登録実用新案第3194299(JP,U)
【文献】 登録実用新案第3173601(JP,U)
【文献】 登録実用新案第3180442(JP,U)
【文献】 登録実用新案第3164142(JP,U)
【文献】 特開2015−031136(JP,A)
【文献】 特開2015−177682(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02S 20/10,20/24
E04D 13/00,13/18
H01L 31/042
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
太陽電池パネルを傾斜状に設置するため上記パネルの一端側の枠部に対応して設置される角柱状の第1の土台と、上記パネルの他端側の枠部に対応して設置される角柱状の第2の土台と、上記第1の土台に固定されて上記パネルの一端側を支持する第1の支持部材と、上記第2の土台に固定されて上記パネルの他端側を支持する第2の支持部材とを備え、第1の支持部材と第2の支持部材の上部に、上記パネルの一端側の枠部と他端側の枠部に嵌合する嵌合部が設けられている太陽電池パネルの支持架台であって、上記第1の支持部材と第2の支持部材が、断面略山高帽子状の方形に形作られて上記第1の土台と第2の土台に被せて嵌合可能に形成されていると共に、この第1の支持部材と第2の支持部材の脚片に、ボルトを通すための孔が形成され、この孔を介して第1の土台と第2の土台の貫通孔にボルトが通されて第1の支持部材と第2の支持部材が第1の土台と第2の土台にナットで締め付けられて固定可能に形成され、また上記の嵌合部が、第1の支持部材と第2の支持部材の天板に設けられ、この嵌合部が、クランク形の板片と、天板に重合される板片とで、嵌合用の断面コの字形を形作るよう形成され、上記の板片に、フックが設けられ、また太陽電池パネルを傾斜方向に連結するのに使用する中間支持部材を備え、この中間支持部材が、前段の太陽電池パネルの他端側を支持する低い部分と、次段の太陽電池パネルの一端側を支持する高い部分とで形成され、低い部分と高い部分の上部が、前段の太陽電池パネルの他端側の枠部と次段の太陽電池パネルの一端側の枠部に嵌合可能に形成され、また高い部分が、断面略山高帽子状の方形に形作られて第1の土台に嵌合可能に形成され、低い部分の起立状の板片と、高い部分の一方の脚片とで、第2の土台に、下側から嵌合する凹溝状部が形成され、低い部分の起立状の板片と、高い部分の脚片にボルトを通すための孔が形成され、この孔にボルトが通されて、中間支持部材が第1の土台と第2の土台にナットで締め付けられて固定可能に形成されていることを特徴とする太陽電池パネルの支持架台。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽電池パネルの支持架台に関し、更に詳しくは太陽電池パネルを屋上等に設置するのに好適なよう形成した太陽電池パネルの支持架台に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のパネルとしては、本出願人の提案に係る特許文献1に記載されているものが知られている。
【0003】
この従来技術は、太陽電池パネルを傾斜状に設置するため上記パネルの一端側の枠部に対応して設置される角柱状の第1の土台と、上記パネルの他端側の枠部に対応して設置される角柱状の第2の土台と、上記第1の土台に固定されて上記パネルの一端側を支持する第1の支持部材と、上記第2の土台に固定されて上記パネルの他端側を支持する第2の支持部材とを備えて形成されている。
【0004】
またこの従来品は、上記第1の支持部材と第2の支持部材の上部が、上記パネルの一端側の枠部と他端側の枠部に嵌合可能に形成されている。また第1の支持部材と第2の支持部材の下部が、断面凹溝状に形成され、第1の土台、第2の土台に嵌合可能に形成されていた。
【0005】
而して、この従来品は、第1の支持部材と第2の支持部材の断面凹溝状の下部に、第1の土台、第2の土台を嵌合させる構造であったから、これによると、第1の土台、第2の土台と設置面との間に、第1の支持部材、第2の支持部材の板厚の分だけ、隙間ができるのを避けられなかった。
【0006】
従って、この従来品の場合は、土台の設置状態の安定化を図るため、上記の隙間を塞ぐ作業が必要になったから、従来品を使用すると、その分、パネルの設置工事に手間暇やコストがかかる、という問題点があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】実用新案登録第3194299号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、このような従来技術の問題点に鑑み、提案されたものである。
従って、本発明の解決しようとする技術的課題は、土台と設置面との間に隙間が生じることを防止し、太陽電池パネルを簡単、迅速に設置でき、太陽電池パネルの設置工事に係る手間暇の軽減化やコストの低廉化を図ることができるよう形成した太陽電池パネルの支持架台を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上記の課題を解決するために、次のような技術的手段を採る。
即ち、本発明は、図1図13等に示されるように、太陽電池パネル1を傾斜状に設置するため上記パネル1の一端側の枠部1aに対応して設置される角柱状の第1の土台2と、上記パネル1の他端側の枠部1bに対応して設置される角柱状の第2の土台3と、上記第1の土台2に固定されて上記パネル1の一端側を支持する第1の支持部材4と、上記第2の土台3に固定されて上記パネル1の他端側を支持する第2の支持部材5とを備え、第1の支持部材4と第2の支持部材5の上部に、上記パネル1の一端側の枠部1aと他端側の枠部1bに嵌合する嵌合部8が設けられている太陽電池パネル1の支持架台であって、上記第1の支持部材4と第2の支持部材5が、断面略山高帽子状の方形に形作られて上記第1の土台2と第2の土台3に被せて嵌合可能に形成されていると共に、この第1の支持部材4と第2の支持部材5の脚片4a、5aに、ボルト6を通すための孔4d、5dが形成され、この孔4d、5dを介して第1の土台2と第2の土台3の貫通孔2a、3aにボルト6が通されて第1の支持部材4と第2の支持部材5が第1の土台2と第2の土台3にナット7で締め付けられて固定可能に形成され、また上記の嵌合部8が、第1の支持部材4と第2の支持部材5の天板4b、5bに設けられ、この嵌合部8が、クランク形の板片8aと、天板4b、5bに重合される板片8bとで、嵌合用の断面コの字形を形作るよう形成され、上記の板片8bに、フック8b1が設けられ、また太陽電池パネル1を傾斜方向に連結するのに使用する中間支持部材9を備え、この中間支持部材9が、前段の太陽電池パネル1の他端側を支持する低い部分9aと、次段の太陽電池パネル1の一端側を支持する高い部分9bとで形成され、低い部分9aと高い部分9bの上部が、前段の太陽電池パネル1の他端側の枠部1bと次段の太陽電池パネル1の一端側の枠部1aに嵌合可能に形成され、また高い部分9bが、断面略山高帽子状の方形に形作られて第1の土台2に嵌合可能に形成され、低い部分9aの起立状の板片9a1と、高い部分9bの一方の脚片9b1とで、第2の土台3に、下側から嵌合する凹溝状部9a6が形成され、低い部分9aの起立状の板片9a1と、高い部分9bの脚片9b1にボルト9dを通すための孔9cが形成され、この孔9cにボルト9dが通されて、中間支持部材9が第1の土台2と第2の土台3にナット9eで締め付けられて固定可能に形成されていることを特徴とする(請求項1)。
【0010】
第1の支持部材4と第2の支持部材5は、通常、金属板が屈曲形成されることで実現される。ここで、断面略山高帽子状とは、左右の脚片4a、5aと、この脚片4a、5aを連結する天板4b、5bとでなる矩形を意味する。この場合、脚片4a、5aの下端4c、5cは、地面やコンクリートが打設された設置面に、面接触するよう外側に屈曲されて鍔状に形成されているのでも良い。
【発明の効果】
【0011】
本発明は、このように形成されているから、第1の支持部材と第2の支持部材を、第1の土台と第2の土台に嵌合し、各支持部材の上部を、太陽電池パネルの一端側の枠部と他端側の枠部に嵌合することで、太陽電池パネルを傾斜状に、簡単、迅速に設置できる。
【0012】
また本発明は、支持部材を土台に被せて嵌合する構造のため、土台を、隙間を生じさせることなく設置できる。
従って、本発明は、特許文献1に記載の設置構造では必要になった土台の下側の隙間を埋める作業を省略できるから、これによれば、太陽電池パネルの設置工事を、簡単、迅速にでき、工期の短縮化やコストの低廉化を図ることができる。
【0013】
また本発明は、太陽電池パネルを傾斜方向に連結するのに使用する中間支持部材を備えている。
従って、これによれば、複数の太陽電池パネルを、連結用の部品を増やすことなく、簡単、迅速に傾斜状に連結できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の支持架台の好適な一実施形態を示し、Aは要部斜視図、Bは側面図である。
図2】第1の支持部材の使用状態を説明するための要部分解斜視図である。
図3】第1の支持部材の縦断面図である。
図4】第1の支持部材の使用状態を説明するための要部側面図である。
図5】第2の支持部材の使用状態を説明するための要部分解斜視図である。
図6】第2の支持部材の縦断面図である。
図7】第2の支持部材の使用状態を説明するための要部側面図である。
図8】同上架台の使用状態を説明するための要部斜視図である。
図9】同上架台の使用状態を説明するための要部側面図である。
図10】同上架台の使用状態を説明するための要部平面図である。
図11】中間支持金具の使用状態を説明するための要部分解斜視図である。
図12】中間支持金具の縦断面図である。
図13】中間支持金具の使用状態を説明するための要部側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の好適な一実施形態を、添付図面に従って説明する。
本発明は、図1等に示されるように、太陽電池パネル1を傾斜状に設置するため上記パネル1の一端側の枠部1aに対応して設置される角柱状の第1の土台2と、上記パネル1の他端側の枠部1bに対応して設置される角柱状の第2の土台3と、上記第1の土台2に固定されて上記パネル1の一端側を支持する第1の支持部材4と、上記第2の土台3に固定されて上記パネル1の他端側を支持する第2の支持部材5とを備えて形成されている。
【0016】
第1の土台2と第2の土台3は、この実施形態では同一形状、同一重量であり、貫通孔2a、3a(図2図5参照)があけられている市販のコンクリートブロックである。この第1の土台2と第2の土台3は、重りとして機能するものである。
【0017】
この実施形態の場合、第1の土台2は、コンクリートブロックが2個重合されて形成されている。従って、この場合は、その分、風圧や地震等の振動に対して強くなり、太陽電池パネル1を、1個の場合よりしっかりと設置できる。
【0018】
上記第1の支持部材4と第2の支持部材5は、図2図7に示されるように、断面略山高帽子状の方形に形作られて上記第1の土台2と第2の土台3に被せて嵌合可能に形成されている。
【0019】
第1の支持部材4と第2の支持部材5は、この実施形態では帯板状の金属板が屈曲形成され、左右の脚片4a、5aと、この脚片4a、5aを連結する天板4b、5bとを備えている。また脚片4a、5aの下端4c、5cは、この実施形態では外側に屈曲形成され、設置面に面接触するよう鍔状に形成されている。
【0020】
また第1の支持部材4と第2の支持部材5は、脚片4a、5aに、ボルト6を通すための孔4d、5dが形成されている。そして、第1の支持部材4と第2の支持部材5は、第1の土台2と第2の土台3に被せられて嵌合されると共に、貫通孔2a、3aにボルト6が通されてナット7で締め付けられることにより、第1の土台2と第2の土台3に固定可能に形成されている。
【0021】
また本発明の支持架台は、図4図7に示されるように、第1の支持部材4と第2の支持部材5の天板4b、5bに、上記パネル1の一端側の枠部1aと他端側の枠部1bに嵌合する嵌合部8が設けられている。この嵌合部8は、クランク形の板片8aと、天板4b、5bに重合されているフック8b1付きの板片8bとが、嵌合用の断面コの字形を形作るよう止め具8cで固定されることで形成されている。止め具8cは、この実施形態ではボルトとナットである。
【0022】
また本発明は、図8図13に示されるように、太陽電池パネル1を傾斜方向に連結するのに使用する中間支持部材9を備えて形成されている。この中間支持部材9は、帯板状の金属板が屈曲形成され、前段の太陽電池パネル1の他端側を支持する低い部分9aと、次段の太陽電池パネル1の一端側を支持する高い部分9bとで形成されている。
【0023】
低い部分9aと高い部分9bは、その上部が、前段の太陽電池パネル1の他端側の枠部1bと次段の太陽電池パネル1の一端側の枠部1aに嵌合可能に形成されている。
【0024】
具体的には、図13に示されるように、低い部分9aは、起立状の板片9a1の上端が外側に庇状に屈曲され、この屈曲部9a2に、フック9a31付きの板片9a3が重合され、この板片9a3の上にクランク形の折り曲げ片9a4が止め具9a5で固定されている。止め具9a5は、この実施形態ではボルトとナットである。そして、板片9a3と折り曲げ片9a4が作る断面略コの字形の箇所に、太陽電池パネル1の他端側の枠部1bが嵌合され、板片9a3のフック9a31でしっかりと固定される。
【0025】
また高い部分9bは、断面略山高帽子状の方形に形作られて角柱状の土台3に嵌合可能に形成されている。そして、脚片9b1の間の天板9b2に、フック9b31付きの板片9b3とクランク形の折り曲げ片9b4が、嵌合用の断面コの字形を形作るよう、止め具9b5としてのボルトとナットで固定されている。
【0026】
また低い部分9aを形成する起立状の板片9a1と、高い部分9bの一方の脚片9b1とで、コンクリートブロックの土台3に、下側から嵌合する凹溝状部9a6が形成されている。コンクリートブロックの土台2、3と中間支持部材9は、連結用の孔9cにボルト9dが通され、ナット9eで締め付けられて固定される。
【0027】
次に、この実施形態の本発明の組立例を説明する。
作業者は、第1の土台2に第1の支持部材4を被せて嵌合し、ボルト6とナット7で固定する。また第1の支持部材4の上部の嵌合部8を、太陽電池パネル1の一端側の枠部1aに嵌合する。
【0028】
次に、作業者は、第2の土台3に第2の支持部材5を被せて嵌合し、ボルト6とナット7で固定する。そして、第2の支持部材5の上部の嵌合部8を、太陽電池パネル1の他端側の枠部1bに嵌合する。これにより、太陽電池パネル1が傾斜状に設置される。
【0029】
また太陽電池パネル1を傾斜方向に複数連結する場合は、中間支持部材9を使用する。具体的には、コンクリートブロックを積み重ねた第1の土台2に高い部分9bを被せて嵌合し、凹溝状部9a6に土台3を嵌め込む。そして、適宜、ボルト9dとナット9eで連結する。また低い部分9aの上部に、太陽電池パネル1の他端側の枠部1bを、高い部分9bの上部に次段の太陽電池パネル1の一端側の枠部1aを嵌合して固定する。
【符号の説明】
【0030】
1 太陽電池パネル
1a 一端側の枠部
1b 他端側の枠部
2 第1の土台
2a 貫通孔
3 第2の土台
3a 貫通孔
4 第1の支持部材
4a 脚片
4b 天板
4d
5 第2の支持部材
5a 脚片
5b 天板
5d
ボルト
ナット
嵌合部
8a、8b 板片
8b1 フック
中間支持部材
9a 低い部分
9a1 起立状の板片
9a6 凹溝状部
9b 高い部分
9b1 一方の脚片
9c
9d ボルト
9e ナット
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13