特許第6040328号(P6040328)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6040328映像コンテンツ配信システム及びコンテンツ管理サーバ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6040328
(24)【登録日】2016年11月11日
(45)【発行日】2016年12月7日
(54)【発明の名称】映像コンテンツ配信システム及びコンテンツ管理サーバ
(51)【国際特許分類】
   H04N 21/472 20110101AFI20161128BHJP
   H04N 21/258 20110101ALI20161128BHJP
【FI】
   H04N21/472
   H04N21/258
【請求項の数】8
【全頁数】26
(21)【出願番号】特願2016-23492(P2016-23492)
(22)【出願日】2016年2月10日
【審査請求日】2016年3月8日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】509070463
【氏名又は名称】株式会社コロプラ
(74)【代理人】
【識別番号】110001416
【氏名又は名称】特許業務法人 信栄特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中島 健登
【審査官】 富樫 明
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−027427(JP,A)
【文献】 特開2004−072356(JP,A)
【文献】 特開2003−224838(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N21/00−21/858
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の映像コンテンツを視聴可能なユーザ端末とコンテンツ管理サーバとが通信ネットワークを介して互いに通信可能に接続された映像コンテンツ配信システムであって、
前記ユーザ端末は、
前記所定の視野映像データを前記コンテンツ管理サーバから受信するように構成された第1受信部と、
前記受信した視野映像データに基づいて、表示部に視野映像を表示するように構成された表示制御部と、
前記ユーザ端末に対するユーザからの入力操作に従って、前記表示部に表示された前記所定の映像コンテンツの視野映像の現在の視点を当該現在の視点とは異なる複数の視点のうちの一つである切替先の視点に切り替えることを要求する視点切替要求信号を生成するように構成された視点切替要求信号生成部と、
前記生成された視点切替要求信号を前記コンテンツ管理サーバに送信するように構成された第1送信部と、を備え、
前記コンテンツ管理サーバは、
前記視点切替要求信号を前記ユーザ端末から受信するように構成された第2受信部と、
前記現在の視点又は前記切替先の視点に対応する視野映像データを前記ユーザ端末に送信するように構成された第2送信部と、
前記切替先の視点への切替回数を前記複数の視点ごとに更新するように構成された切替回数更新部と、
を備える、映像コンテンツ配信システム。
【請求項2】
少なくとも前記第1送信部が前記視点切替要求信号を前記第2受信部に送信した時点から前記第1受信部が前記切替先の視点に対応する視野映像データを前記コンテンツ管理サーバから受信する時点までの間、または、少なくとも前記第2受信部が前記視点切替要求信号を受信した時点から前記第2送信部が前記切替先の視点に対応する視野映像データを送信する時点までの間、前記コンテンツ管理サーバは、前記現在の視点に対応する視野映像データを前記ユーザ端末に送信し続ける、請求項1の映像コンテンツ配信システム。
【請求項3】
前記コンテンツ管理サーバは、
各視点への切替回数に基づいて、前記視野映像の視聴により前記ユーザに課金すべき金額を決定するように構成された課金演算部をさらに備える、請求項1または2に記載の映像コンテンツ配信システム。
【請求項4】
前記第2送信部が前記切替先の視点に対応する視野映像データを前記ユーザ端末に送信したときに、前記切替回数更新部は、前記切替先の視点への切替回数を更新する、請求項1から3のうちいずれか一項に記載の映像コンテンツ配信システム。
【請求項5】
前記ユーザ端末は、
前記表示制御部が前記切替先の視点からの視野映像の前記表示部への表示を開始した表示開始時刻を示すタイムスタンプを生成するように構成されたタイムスタンプ生成部をさらに備え、
前記第2受信部が前記タイムスタンプを前記ユーザ端末から受信したときに、前記切替回数更新部は、前記切替先の視点への切替回数を更新する、請求項1から3のうちいずれか一項に記載の映像コンテンツ配信システム。
【請求項6】
前記切替回数更新部は、前記切替先の視点に対応する席エリアへの切替回数を更新するように構成され、
前記課金演算部は、各席エリアへの切替回数に基づいて、前記視野映像の視聴により前記ユーザに課金すべき金額を決定するように構成されている、請求項3に記載の映像コンテンツ配信システム。
【請求項7】
所定の映像コンテンツを視聴可能なユーザ端末と通信ネットワークを介して通信可能に接続されたコンテンツ管理サーバであって、
前記ユーザ端末に表示された前記所定の映像コンテンツの視野映像の現在の視点を当該現在の視点とは異なる複数の視点のうちの一つである切替先の視点に切り替えることを要求する視点切替要求信号を前記ユーザ端末から受信するように構成された第2受信部と、
前記現在の視点又は前記切替先の視点に対応する視野映像データを前記ユーザ端末に送信するように構成された第2送信部と、
前記切替先の視点への切替回数を前記複数の視点ごとに更新するように構成された切替回数更新部と、
を備えるコンテンツ管理サーバ。
【請求項8】
少なくとも前記第2受信部が前記視点切替要求信号を受信した時点から前記第2送信部が前記切替先の視点に対応する視野映像データを送信する時点までの間、前記現在の視点に対応する視野映像データを前記ユーザ端末に送信し続ける、請求項7のコンテンツ管理サーバ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、映像コンテンツ配信システム及び映像コンテンツ配信システムに設けられたコンテンツ管理サーバに関する。
【背景技術】
【0002】
インターネット等の通信ネットワークを介して映像コンテンツを配信する映像コンテンツ配信システムが知られている。特許文献1には、通信ネットワークを介して不特定多数のユーザに複数の映像コンテンツを配信するコンテンツ配信システムが開示されている。各ユーザは、複数のチャンネルのうちの一つを選択することで、選択したチャンネルに対応する映像コンテンツの視聴をすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第5377466号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一方、特許文献1では、ユーザが複数の映像コンテンツのうちの一つを選択することで当該選択された映像コンテンツを視聴可能な映像コンテンツ配信システムが開示されている一方で、同一の映像コンテンツを複数の異なる視点で視聴可能な映像コンテンツ配信システムについては開示されていない。特に、ユーザがコンサート映像等の映像コンテンツを視聴する場合、異なる視点から同一の映像コンテンツを視聴したいといったニーズが少なからず存在する。
【0005】
本発明は、ユーザが同一の映像コンテンツを異なる視点で視聴する場合に、映像コンテンツ配信サービスに対するユーザの満足度を向上させることが可能な映像コンテンツ配信システムを提供することを目的とする。また、当該映像コンテンツ配信システムに設けられたコンテンツ管理サーバを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る映像コンテンツ配信システムでは、コンテンツを視聴可能なユーザ端末とコンテンツ管理サーバとが通信ネットワークを介して互いに通信可能に接続されている。
前記ユーザ端末は、
視野映像データを前記コンテンツ管理サーバから受信するように構成された第1受信部と、
前記受信した視野映像データに基づいて、表示部に視野映像を表示するように構成された表示制御部と、
前記ユーザ端末に対するユーザからの入力操作に従って、前記表示部に表示された視野映像の視点を現在の視点である第1視点から第2視点に切り替えることを要求する視点切替要求信号を生成するように構成された視点切替要求信号生成部と、
前記生成された視点切替要求信号を前記コンテンツ管理サーバに送信するように構成された第1送信部と、
を備え、
前記コンテンツ管理サーバは、
前記視点切替要求信号を前記ユーザ端末から受信するように構成された第2受信部と、
前記第1視点又は前記第2視点に対応する視野映像データを前記ユーザ端末に送信するように構成された第2送信部と、
前記第2視点への切替回数を更新するように構成された切替回数更新部と、
を備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、ユーザが同一の映像コンテンツを異なる視点で視聴する場合に、映像コンテンツ配信サービスに対するユーザの満足度を向上させることが可能な映像コンテンツ配信システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施形態に係る映像コンテンツ配信システムの構成図である。
図2】ユーザ端末のハードウェア構成の一例を示す図である。
図3】第1実施形態におけるユーザ端末の制御部の機能ブロックを示す図である。
図4】複数の視点が規定されたコンサート会場の客席のレイアウトの一例を示す図である。
図5】コンテンツ管理サーバとコンテンツサーバのハードウェア構成の一例を示す図である。
図6】第1実施形態におけるコンテンツ管理サーバの制御部の機能ブロックを示す図である。
図7】コンテンツサーバの制御部の機能ブロックを示す図である。
図8】第1実施形態に係る映像コンテンツ配信システムの一連のプロセスを示すシーケンス図である。
図9】ユーザ視点情報管理テーブルの一例を示す図である。
図10】第1課金情報管理テーブルの一例を示す図である。
図11】第2課金情報管理テーブルの一例を示す図である。
図12】コンテンツ管理テーブルの一例を示す図である。
図13】第2実施形態におけるユーザ端末の制御部の機能ブロックを示す図である。
図14】第2実施形態におけるコンテンツ管理サーバの制御部の機能ブロックを示す図である。
図15】第2実施形態に係る映像コンテンツ配信システムの一連のプロセスを示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[本発明の実施形態の説明]
本発明の実施形態の概要を説明する。
(1)コンテンツを視聴可能なユーザ端末とコンテンツ管理サーバとが通信ネットワークを介して互いに通信可能に接続された映像コンテンツ配信システムであって、
前記ユーザ端末は、
視野映像データを前記コンテンツ管理サーバから受信するように構成された第1受信部と、
前記受信した視野映像データに基づいて、表示部に視野映像を表示するように構成された表示制御部と、
前記ユーザ端末に対するユーザからの入力操作に従って、前記表示部に表示された視野映像の視点を現在の視点である第1視点から第2視点に切り替えることを要求する視点切替要求信号を生成するように構成された視点切替要求信号生成部と、
前記生成された視点切替要求信号を前記コンテンツ管理サーバに送信するように構成された第1送信部と、
を備え、
前記コンテンツ管理サーバは、
前記視点切替要求信号を前記ユーザ端末から受信するように構成された第2受信部と、
前記第1視点又は前記第2視点に対応する視野映像データを前記ユーザ端末に送信するように構成された第2送信部と、
前記第2視点への切替回数を更新するように構成された切替回数更新部と、
を備える、映像コンテンツ配信システム。
【0010】
上記構成によれば、切替先の視点である第2視点への切替回数が更新されるので、ユーザが視野映像の視点を切り替える度に切替先の視点への切替回数が更新される。従って、ユーザが視野映像を視聴している間における各視点の切替回数に関するデータがユーザごとに得られるので、各ユーザがどのように映像コンテンツの視聴を楽しんでいるかを各視点の切替回数に関するデータを用いて分析することができる。このように、ユーザごとの各視点の切替回数に関するデータを映像コンテンツ配信サービスに対するユーザの満足度向上のために利用することができる。
【0011】
(2)少なくとも前記第1送信部が前記視点切替要求信号を前記第2受信部に送信した時点から前記第1受信部が前記第2視点に対応する視野映像データを前記コンテンツ管理サーバから受信する時点までの間、または、少なくとも前記第2受信部が前記視点切替要求信号を受信した時点から前記第2送信部が前記第2視点に対応する視野映像データを送信する時点までの間、前記コンテンツ管理サーバは、前記第1視点に対応する視野映像データを前記ユーザ端末に送信し続ける、項目(1)の映像コンテンツ配信システム。
【0012】
本構成によれば、少なくとも第1送信部が視点切替要求信号を第2受信部に送信した時点から第1受信部が第2視点に対応する視野映像データをコンテンツ管理サーバから受信する時点までの間、または、少なくとも第2受信部が前記視点切替要求信号を受信した時点から第2送信部が前記第2視点に対応する視野映像データを送信する時点までの間、第1視点に対応する視野映像データが前記ユーザ端末に送信され続ける。このように、ユーザ端末に提供される視野映像に対して第1視点から第2視点への視点切替え操作を行うときに、第1視点の視野映像が第2視点の視野映像にシームレスに切り替わるため、ユーザはストレスを感じることなく異なる視点での視野映像の視聴を楽しむことができる。
従って、ユーザが同一の映像コンテンツを異なる視点で視聴する場合に、映像コンテンツ配信サービスに対するユーザの満足度を向上させることが可能な映像コンテンツ配信システムを提供することが可能となる。
【0013】
(3)前記コンテンツ管理サーバは、
各視点への切替回数に基づいて、前記視野映像の視聴により前記ユーザに課金すべき金額を決定するように構成された課金演算部をさらに備える、項目(1)または(2)に記載の映像コンテンツ配信システム。
【0014】
本構成によれば、各視点の切替回数に基づいて、視野映像の視聴によりユーザに課金すべき金額が決定されるので、各視点の切替回数に応じた従量課金システムを提供することができる。このように、映像配信サービスに対するユーザの満足度や納得感を向上させることが可能となる。
【0015】
(4)前記第2送信部が前記第2視点に対応する視野映像データを前記ユーザ端末に送信したときに、前記切替回数更新部は、前記第2視点への切替回数を更新する、項目(1)から(3)のうちいずれか一項に記載の映像コンテンツ配信システム。
【0016】
本構成によれば、第2送信部が第2視点に対応する視野映像データをユーザ端末に送信したときに、第2視点への切替回数が更新される。したがって、サーバ側の故障によって切替先の視点に対応する視野映像データをユーザ端末に送信できなかった場合に、切替先の視点への切替回数が更新される(つまり、切替回数が1つ増加する)ことを防ぐことができる。このように、映像コンテンツ配信サービスに対するユーザの満足度や納得感を向上させることが可能となる。
【0017】
(5)前記ユーザ端末は、
前記表示制御部が前記第2視点からの視野映像の前記表示部への表示を開始した表示開始時刻を示すタイムスタンプを生成するように構成されたタイムスタンプ生成部をさらに備え、
前記第2受信部が前記タイムスタンプを前記ユーザ端末から受信したときに、前記切替回数更新部は、前記第2視点への切替回数を更新する、項目(1)から(3)のうちいずれか一項に記載の映像コンテンツ配信システム。
【0018】
本構成によれば、第2受信部がタイムスタンプをユーザ端末から受信したときに、第2視点への切替回数が更新される。したがって、コンテンツ管理サーバとユーザ端末との間の通信トラブル等によってユーザが切替先の視点からの視野映像を視聴できなかった場合に、切替先の視点への切替回数が更新される(つまり、切替回数が1つ増加する)ことを防ぐことができる。このように、映像コンテンツ配信サービスに対するユーザの満足度や納得感を向上させることが可能となる。
【0019】
(6)前記切替回数更新部は、前記第2視点に対応する席エリアへの切替回数を更新するように構成され、
前記課金演算部は、各席エリアへの切替回数に基づいて、前記視野映像の視聴により前記ユーザに課金すべき金額を決定するように構成されている、項目(1)から(5)のうち何れか一項に記載の映像コンテンツ配信システム。
【0020】
本構成によれば、各席エリアへの切替回数に基づいて、視野映像の視聴によりユーザに課金すべき金額が決定されるので、各席エリアへの切替回数に応じた従量課金システムを提供することができる。このように、映像配信サービスに対するユーザの満足度や納得感を向上させることが可能となる。
【0021】
(7)コンテンツを視聴可能なユーザ端末と通信ネットワークを介して通信可能に接続されたコンテンツ管理サーバであって、
前記ユーザ端末に表示された視野映像の視点を現在の視点である第1視点から第2視点に切り替えることを要求する視点切替要求信号を前記ユーザ端末から受信するように構成された第2受信部と、
前記第1視点又は前記第2視点に対応する視野映像データを前記ユーザ端末に送信するように構成された第2送信部と、
前記第2視点への切替回数を更新するように構成された切替回数更新部と、
を備えるコンテンツ管理サーバ。
【0022】
上記構成によれば、切替先の視点である第2視点への切替回数が更新されるので、ユーザが視野映像の視点を切り替える度に切替先の視点への切替回数が更新される。従って、ユーザが視野映像を視聴している間における各視点の切替回数に関するデータがユーザごとに得られるので、各ユーザがどのように映像コンテンツの視聴を楽しんでいるかを各視点の切替回数に関するデータを用いて分析することができる。このように、ユーザごとの各視点の切替回数に関するデータを映像コンテンツ配信サービスに対するユーザの満足度向上のために利用することができる。
【0023】
(8)少なくとも前記第2受信部が前記視点切替要求信号を受信した時点から前記第2送信部が前記第2視点に対応する視野映像データを送信する時点までの間、前記第1視点に対応する視野映像データを前記ユーザ端末に送信し続ける、項目(7)のコンテンツ管理サーバ。
【0024】
本構成によれば、少なくとも第2受信部が視点切替要求信号を受信した時点から第2送信部が第2視点に対応する視野映像データを送信する時点までの間、第1視点に対応する視野映像データが前記ユーザ端末に送信され続ける。このように、ユーザ端末に提供される視野映像に対して第1視点から第2視点への視点切替え操作を行うときに、第1視点の視野映像が第2視点の視野映像にシームレスに切り替わるため、ユーザはストレスを感じることなく異なる視点での視野映像の視聴を楽しむことができる。
従って、ユーザが同一の映像コンテンツを異なる視点で視聴する場合に、映像コンテンツ配信サービスに対するユーザの満足度を向上させることが可能なコンテンツ管理サーバを提供することができる。
【0025】
[本発明の実施形態の詳細]
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。尚、本実施形態の説明において既に説明された部材と同一の参照番号を有する部材については、説明の便宜上、その説明は省略する。
【0026】
(第1実施形態)
図1は、本発明の実施形態(以下、単に本実施形態という。)に係る映像コンテンツ配信システム100を示す構成図である。図1に示すように、映像コンテンツ配信システム100は、映像コンテンツを視聴可能な複数のユーザ端末2X,2Yと、コンテンツ管理サーバ3と、複数のコンテンツサーバ5S,5A,5B,5C,5Dとを備える。ユーザ端末2X,2Yと、コンテンツ管理サーバ3と、複数のコンテンツサーバ5S,5A,5B,5C,5Dは、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)又インターネット等の通信ネットワーク1を介して互いに通信可能に接続されている。尚、以降の説明では、説明の便宜上、ユーザ端末2X,2Yを単にユーザ端末2といい、コンテンツサーバ5S,5A,5B,5C,5Dを単にコンテンツサーバ5という。また、ユーザ端末2X,2Yは同一の構成を有しており、コンテンツサーバ5S,5A,5B,5C,5Dも同一の構成を有しているものとする。
【0027】
次に、図2を参照してユーザ端末2のハードウェア構成について説明する。図2に示すように、ユーザ端末2は、制御装置21と、入力操作部28と、表示部27と、センサ29とを備える。制御装置21は、通信バス20と、制御部22と、記憶部23と、I/O(Input/Output)インターフェース24と、タイムクロック25と、通信インターフェース26とを備える。制御部22と、記憶部23と、I/Oインターフェース24と、タイムクロック25と、通信インターフェース26は、通信バス20により互いに通信可能に接続されている。制御装置21は、例えば、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレットまたはウェアラブルデバイスである。
【0028】
制御部22は、メモリとプロセッサを備えている。メモリは、例えば、各種プログラムが格納されたROM(Read Only Memory)及びプロセッサにより実行される各種プログラムやデータが格納される複数のワークエリアを有するRAM(Random Access Memory)等から構成される。RAMは、表示部27に表示される映像に対応する映像データが格納されるVRAMを含む。プロセッサは、CPU(central processing unit)、MPU(Micro−Processing Unit)及び/又はGPU(Graphics Processing Unit)から構成される。
【0029】
記憶部(ストレージ)23は、各種プログラムや映像データ等を格納するように構成されており、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ等により構成されている。I/Oインターフェース24は、入力操作部28と、表示部27と、センサ29をそれぞれ制御装置21に通信可能に接続するように構成されており、例えば、USB(Universal Serial Bus)端子、HDMI(登録商標)(High―Definition Multimedia Interface)等により構成されている。
【0030】
タイムクロック25は、現在時刻をカウントするように構成されており、例えば、リアルタイムクロック(RTC)である。タイムクロック25は、NTP(Network Time Protocol)を用いてネットワーク上の装置(例えば、コンテンツ管理サーバ3)と時刻同期を行ってもよい。通信インターフェース26は、ユーザ端末2を通信ネットワーク1に接続させるように構成されている。
【0031】
入力操作部28は、ユーザ端末2に対するユーザからの入力操作を受付けると共に、当該入力操作に応じて、ユーザの入力操作を示す操作信号を生成するように構成されている。入力操作部28は、例えば、タッチパネル、外部コントローラ、マウス、キーボード等である。表示部27は、視野映像データに基づいて視野映像を表示するように構成されており、例えば、ユーザに3次元映像を提供するヘッドマウンドディスプレイ(HMD:Head Mounted Display)である。HMDには、ユーザの左目に提供される左目用映像と、ユーザの右目に提供される右目用映像が表示されるため、両目の視差を利用した3次元映像をバーチャルリアリティ(VR)映像としてユーザに提供することができる。また、表示部27は、パーソナルコンピュータ、スマートフォン又はタブレット用のディスプレイであってもよい。
【0032】
センサ29は、HMDのXYZ方向への移動、および、XYZ軸周りの回転を検知することにより、HMDを装着しているユーザの動きを検出する。これにより、ユーザの頭の動きによる視線の変化が検出される。センサ29は、HMDに設けられた地磁気センサ、加速度センサ及び/又はジャイロセンサにより構成されていてもよいし、HMDに複数の発光点を設け、外部カメラにより当該発光点を検知することによって構成されても良い。
【0033】
次に、図3を参照してユーザ端末2の制御部22の機能ブロック図について説明する。図3は、ユーザ端末2の制御部22の機能ブロックを示す図である。図3に示すように、制御部22は、受信部221(第1受信部)と、表示制御部223と、視線変更信号生成部222と、視点切替要求信号生成部224と、送信部225(第1送信部)とを備える。
【0034】
受信部221は、通信インターフェース26を介して視野映像データをコンテンツ管理サーバ3から受信するように構成される。受信部221は、視野映像データを例えばストリーミング形式により受信してもよい。また、受信部221は、視野映像データを含む360度空間映像データをコンテンツ管理サーバ3から受信してもよい。この場合、制御部22(表示制御部223)は、受信した360度空間映像データとユーザの視線方向に関する視線情報から視野映像データを生成してもよい。表示制御部223は、受信した視野映像データに基づいて、表示部27に視野映像を表示するように構成されている。ここで、視野映像とは、ユーザの視点を中心とした360度空間映像のうちユーザの視野内に表示されるバーチャルリアリティ(VR)映像である。つまり、視野映像とは、ユーザの視点を中心とした360度空間映像の一部であって、ユーザの視野によって規定される。また、ユーザの視野は、ユーザの視線方向によって規定される。つまり、ユーザの視線方向が決定されると、ユーザの視野が決定されて、視野映像が決定される。同様に、ユーザの視線方向が変更されると、ユーザの視野が変更されるので、視野映像が変更される。また、視野映像の種類としては、例えば、コンサート映像や、サッカー、野球、相撲、格闘技、テニス等のスポーツ映像や、歌舞伎、能楽、ミュージカル等の舞台映像が挙げられる。
【0035】
視線変更信号生成部222は、センサ29によって出力されたユーザの視線方向の変化を示す信号に従って、視線変更信号を生成するように構成されている。視線変更信号は、変更された視線方向に関する視線情報を含む。
【0036】
視点切替要求信号生成部224は、ユーザ端末2に対するユーザからの入力操作に従って、表示部27に表示された視野映像の視点を現在の視点から次の視点に切り替えることを要求する視点切替要求信号を生成するように構成されている。具体的には、視点切替要求信号生成部224は、入力操作部28から出力されたユーザの入力操作を示す操作信号に基づいて、切替後の視点を示す視点情報を生成すると共に、ユーザ端末2を使用しているユーザのユーザID情報と、ユーザ端末2のアドレス情報を記憶部23から読み出す。このように、視点切替要求信号は、視点情報と、ユーザID情報と、ユーザ端末2のアドレス情報を含む。
【0037】
ここで、視野映像の視点とは、図4に示すように、例えば、コンサート会場における視点A1,A2,A3等に相当する。ここで、アーティストが演奏するステージ上には、視点S1,S2,S3がそれぞれ位置しており、視点S1,S2,S3は、S席エリアに属する視点である。また、視点A1,A2,A3は、A席エリアに属する視点である。視点B1,B2,B3は、B席エリアに属する視点である。視点C1〜C5は、C席エリアに属する視点である。視点D1〜D3は、D席エリアに属する視点である。図10に示すように、S席エリア〜D席エリアごとに1時間当たりの視聴料金(例えば、S席エリアでは1000円/時間)が設定されていると共に、図11に示すように、S席エリア〜D席エリアごとに1回の視点切替当たりの切替料金(例えば、S席エリアでは100円/回数)が設定されている。このように、本明細書では、「視点」の概念と「席エリア」の概念は異なるものであって、各視点はいずれかの席エリアに属しており、席エリアごとに視聴料金や切替料金が設定されている。尚、以下の説明では、S席エリアやA席エリアを単にS席又はA席という場合がある。また、視点S1,S2,S3のうちのいずれかの視点を総称して「S席エリアの視点」という場合がある。同様に、視点A1,A2,A3のうちのずれかの視点を総称して「A席エリアの視点」といい、視点C1〜C5のうちのいずれかの視点を総称して「C席エリアの視点」といい、視点D1〜D3のうちのいずれかを総称して「D席エリアの視点」という場合がある。また、本実施形態では、各席エリアに複数の視点が含まれているが、各席エリアに一つの視点が含まれてもよい。つまり、席エリアと視点が一対一の関係を有してもよい。
【0038】
例えば、視点切替要求信号生成部224は、表示部27に表示された視野映像の視点を現在の視点である視点A1から次の視点である視点S1に切り替えることを要求する視点切替要求信号を生成する。また、ユーザのID情報とは、例えば、映像コンテンツ配信サービスを利用するためのユーザの会員IDである。ユーザ端末2のアドレス情報とは、例えば、ユーザ端末2のIPアドレスである。また、視点切替要求信号生成部224は、表示部27に表示された視野映像の視点を同一席エリアに属する視点(例えば、視点S1)から同一席エリアに属する別の視点(例えば、視点S2)に切り替えることを要求する視点切替要求信号を生成してもよい。
【0039】
送信部225は、視点切替要求信号生成部224によって生成された視点切替要求信号と視線変更信号生成部222によって生成された視線変更信号を通信インターフェース26を介してコンテンツ管理サーバ3に送信するように構成されている。尚、ユーザ端末2が360度空間映像データをコンテンツ管理サーバ3から受信する場合には、当該視線変更信号はコンテンツ管理サーバ3には送信されない。
【0040】
次に、図5を参照してコンテンツ管理サーバ3とコンテンツサーバ5のハードウェア構成についてそれぞれ説明する。図5は、コンテンツ管理サーバ3とコンテンツサーバ5のハードウェア構成の一例を示す図である。図5に示すように、コンテンツ管理サーバ3は、通信バス30と、制御部32と、タイムクロック35と、通信インターフェース36とを備える。制御部32と、記憶部33と、タイムクロック35と、通信インターフェース36は、通信バス30を介して互いに通信可能に接続されている。制御部32は、メモリとプロセッサを備えており、メモリは、例えば、ROM及びRAM等から構成されるとともに、プロセッサは、例えば、CPU、MPU及び/又はGPUにより構成される。
【0041】
記憶部(ストレージ)33は、各種プログラムや映像データ等を格納するように構成されており、HDD、SSD又はフラッシュメモリ等により構成されている。タイムクロック35は、既に説明したタイムクロック25と同一の構成を有しており、NTPを用いてユーザ端末等の時刻と時刻同期を行ってもよい。通信インターフェース36は、コンテンツ管理サーバ3を通信ネットワーク1に接続させるように構成されている。
【0042】
コンテンツサーバ5は、通信バス50と、制御部52と、記憶部53と、通信インターフェース56とを備える。制御部52と、記憶部53と、通信インターフェース56は、通信バス50を介して互いに通信可能に接続されている。制御部52は、メモリとプロセッサを備えており、メモリは、例えば、ROM及びRAM等から構成されるとともに、プロセッサは、例えば、CPU、MPU及び/又はGPUにより構成される。
【0043】
記憶部(ストレージ)53は、例えば大容量のHDDにより構成されており、各視点に対応する360度空間映像データを保存するように構成されている。例えば、コンテンツサーバ5Sの記憶部33は、S席エリアに属する視点S1,S2,S3に対応する360度空間映像データを保存するように構成されている。コンテンツサーバ5Aの記憶部33は、A席エリアに属する視点A1,A2,A3に対応する360度空間映像データを保存するように構成されている。コンテンツサーバ5Bの記憶部33は、B席エリアに属する視点B1,B2,B3に対応する360度空間映像データを保存するように構成されている。コンテンツサーバ5Cの記憶部33は、C席エリアに属する視点C1〜C5に対応する360度空間映像データを保存するように構成されている。コンテンツサーバ5Dの記憶部33は、D席エリアに属する視点D1,D2,D3に対応する360度空間映像データを保存するように構成されている。各視点の360度空間映像データは、コンサート会場に設置された複数の360度カメラによって撮像されてもよい。例えば、視点S1の360度空間映像データは、視点S1の位置に設置された360度カメラによって撮像される。その後、360度カメラによって撮像された360度空間映像データがコンテンツサーバ5Sの記憶部33に保存される。また、本実施形態では、ユーザが同一の映像コンテンツを複数の異なる視点で視聴するための映像コンテンツ配信システム100を前提としているため、各コンテンツサーバ5S,5A,5B,5C,5Dに保存される360度空間映像データは、同一の映像コンテンツ(例えば、同一のコンサート映像)を対象としている。さらに、本実施形態では、各コンテンツサーバ5S〜5Dは、対応する席エリアに属する複数の視点に対応する360度空間映像データを保存しているが、各々が一つの視点に対応する360度空間映像データを保存する複数のコンテンツサーバを設けてもよい。また、通信インターフェース56は、コンテンツサーバ5を通信ネットワーク1に接続させるように構成されている。
【0044】
次に、第1実施形態に係るコンテンツ管理サーバ3の制御部32の機能ブロック図について図6を参照して説明する。図6は、第1実施形態に係るコンテンツ管理サーバ3の制御部32の機能ブロックを示す図である。図6に示すように、制御部32は、受信部321(第2受信部)と、情報取得部322と、視聴停止時刻決定部326と、視聴開始時刻決定部327と、視聴時間決定部328と、送信開始時刻決定部329と、第1課金情報管理テーブル更新部331と、第2課金情報管理テーブル更新部332(切替回数更新部)と、ユーザ課金総額演算部330(課金演算部)と、ユーザ視点情報管理テーブル更新部324と、視野映像データ要求信号生成部323と、送信部325(第2送信部)とを備える。
【0045】
受信部321は、通信インターフェース36を介して視点切替要求信号及び視線変更信号をユーザ端末2から受信するように構成されている。また、受信部321は、通信インターフェース36を介して視野映像データをコンテンツサーバ5から受信するように構成されている。情報取得部322は、受信部321によって受信された視点切替要求信号から、ユーザID情報と、ユーザの視点情報と、ユーザ端末2のアドレス情報を取得するように構成されている。また、情報取得部322は、受信部321によって受信された視線変更信号に基づいて、変更された視線方向に関する視線情報を取得するように構成されている。
【0046】
視聴停止時刻決定部326は、ユーザが現在の席エリア(例えば、A席エリア)からの視野映像の視聴を停止する視聴停止時刻を決定するように構成されている。視聴開始時刻決定部327は、ユーザが現在の席エリア(例えば、A席エリア)からの視野映像の視聴を開始する視聴開始時刻を決定するように構成されている。視聴時間決定部328は、視聴開始時刻決定部327によって決定された視聴開始時刻と視聴停止時刻決定部326によって決定された視聴停止時刻に基づいて、現在の席エリア(例えば、A席エリア)からの視野映像の視聴時間を決定するように構成されている。
【0047】
送信開始時刻決定部329は、送信部325が切替後の視点(例えば、視点S1)に対応する視野映像データのユーザ端末2への送信を開始する送信開始時刻を決定するように構成される。第1課金情報管理テーブル更新部331は、記憶部33に保存された第1課金情報管理テーブル(図10参照)の内容を更新するように構成されている。特に、第1課金情報管理テーブル更新部331は、視聴時間決定部328によって決定された現在の席エリアからの視野映像の視聴時間に基づいて、現在の席エリアに対する累計視聴時間を更新するように構成されている。
【0048】
図10に示すように、第1課金情報管理テーブルは、各席エリアに対応する単位時間当たりの視聴料金に関する情報と、各席エリアに対応する累計視聴時間に関する情報と、各席エリアに対応する課金額と、視野映像の視聴により各ユーザ(各ユーザID)に課金すべき視聴時間に対する課金総額と、を含む。図10に示す第1課金情報管理テーブルの一例では、S席エリアからの視野映像の視聴により課金される課金額は、1000円/時間×20分/60分=333円となる。また、A席エリアからの視野映像の視聴により課金される課金額は、800円/時間×10分/60分=133円となる。また、各ユーザIDに課金すべき視聴時間に関する課金総額は、各席エリアに対応する課金額を合計することで算出される。図10に示す例では、333円(S席エリア)+133円(A席エリア)+58円(B席エリア)+42円(C席エリア)+100円(D席エリア)=総額667円となる。
【0049】
第2課金情報管理テーブル更新部332は、記憶部33に保存された第2課金情報管理テーブル(図11参照)の内容を更新するように構成されている。特に、第2課金情報管理テーブル更新部332は、ユーザ端末2の表示部27に表示された視野映像の視点が第1視点(例えば、視点A1)から第2視点(例えば、視点S1)に切り替えられたとき、第2視点への切替回数を更新した後、第2視点が属する席エリアの切替回数を更新する。
【0050】
図11に示すように、第2課金情報管理テーブルは、各席エリアに対応する1回の切替当たりの切替料金に関する情報と、各席エリアに対応する切替回数に関する情報と、各席エリアに対応する課金額と、視野映像の視点切替により各ユーザ(各ユーザID)に課金すべき視点切替に関する課金総額と、を含む。図11に示す第2課金情報管理テーブルの一例では、S席エリアへの視点切替により発生する課金額は、100円/回×5回=500円となる。また、A席エリアへの視点切替により発生する課金額は、80円/回×2回=160円となる。また、各ユーザIDに課金すべき視点切替に関する課金総額は、各席エリアの課金額を合計することで算出される。図11に示す例では、500円(S席エリア)+160円(A席エリア)+280円(B席エリア)+200円(C席エリア)+90円(D席エリア)=総額1230円となる。
【0051】
また、第2課金情報管理テーブル更新部332によって実行される視点の切替回数の更新プロセスの一例について説明する。例えば、ユーザXが視野映像の視点切替を視点S1→S2→S3→S1→S2のように実行したとき、第2課金情報管理テーブル更新部332は、視点S1への切替回数を1回として決定し、視点S2への切替回数を2回として決定し、視点S3への切替回数を1回として決定することで、S席エリアの切替回数を4回として決定する。ここで、第2課金情報管理テーブル更新部332は、切替先の視点への切替回数をカウントするので、最初の視点である視点S1を切替回数のカウントから除外する。つまり、本例では、2つの視点S1が出現しているが、視点S1への切替回数は2回ではなく1回となる点に留意されたい。
【0052】
また、ユーザXが視野映像の視点切替を視点S1→A1→A2→B1→A1のように実行したとき、第2課金情報管理テーブル更新部332は、視点S1への切替回数を0回として決定し、視点A1への切替回数を2回として決定し、視点A2への切替回数を1回として決定し、視点B1への切替回数を1回として決定する。その後、第2課金情報管理テーブル更新部332は、S席エリアの切替回数を0回として決定し、A席エリアの切替回数を3回として決定し、B席エリアの切替回数を1回として決定する。
【0053】
ユーザ課金総額演算部330は、S席エリアからD席エリアの各々の切替回数と、S席エリアからD席エリアの各々の累計視聴時間とに基づいて、視野映像の視聴により各ユーザに課金すべき課金総額を決定するように構成されている。換言すれば、ユーザ課金総額演算部330は、図10に示す第1課金情報管理テーブルと、図11に示す第2課金情報管理テーブルとに基づいて、各ユーザに課金すべき課金総額を決定するように構成される。
【0054】
具体的には、ユーザ課金総額演算部330は、第1課金情報管理テーブルに含まれるS席エリアからD席エリアの各々の累計視聴時間に基づいて、視聴時間に関する課金総額(333円(S席エリア)+133円(A席エリア)+58円(B席エリア)+42円(C席エリア)+100円(D席エリア)=総額667円)を算出する。さらに、ユーザ課金総額演算部330は、第2課金情報管理テーブルに含まれるS席エリアからD席エリアの各々の切替回数に基づいて、視点切替に関する課金総額(500円(S席エリア)+160円(A席エリア)+280円(B席エリア)+200円(C席エリア)+90円(D席エリア)=総額1230円)を算出する。そして、ユーザ課金総額演算部330は、視聴時間に関する課金総額(667円)と視点切替に関する課金総額(1230円)を合計することで、ユーザXに課金すべき課金総額(1897円)を決定する。
【0055】
また、視点S1の切替回数が1回であり、視点S2の切替回数が2回であり、視点S3の切替回数が2回である場合、S席エリアの切替回数は5回となる。この場合、ユーザ課金総額演算部330は、S席エリアの単価100円に切替回数5を乗算することで、S席エリアへの切替回数に基づく課金額(100円×5=500円)を決定する。換言すれば、ユーザ課金総額演算部330は、視点S1の切替回数と、視点S2の切替回数と、視点S3の切替回数の合計に基づいて、これらの視点S1〜S3が属するS席エリアへの切替回数に基づく課金額を決定する。
【0056】
ユーザ視点情報管理テーブル更新部324は、記憶部33に保存されたユーザ視点情報管理テーブル(図9参照)の内容を更新するように構成されている。特に、ユーザ視点情報管理テーブル更新部324は、送信開始時刻決定部329によって決定された視野映像データの送信開始時刻と、情報取得部322によって取得されたユーザの視点情報とに基づいて、ユーザ視点情報管理テーブルに含まれる各ユーザの視点(例えば、視点S1)と当該視点に対応する視野映像データの送信開始時刻(例えば、00:03)を追加する。例えば、ユーザの視点が視点A1から視点S1に変更される場合、視点S1に対応する視野映像データの送信開始時刻がユーザ視点情報管理テーブルに新たに書き込まれる。
【0057】
視野映像データ要求信号生成部323は、視野映像データを要求する視野映像データ要求信号を生成するように構成されている。特に、視野映像データ要求信号生成部323は、記憶部33に保存されたユーザ視点情報管理テーブル(図9参照)を参照することで、切替後の視点に関する情報を読み出す。さらに、視野映像データ要求信号生成部323は、ユーザ視点情報管理テーブルに含まれる情報に基づいて、切替後の視点からの視野映像の再生開始時刻を算出してもよい。さらに、視野映像データ要求信号生成部323は、記憶部33に保存されたコンテンツ管理テーブル(図11参照)から切替後の視点に対応する視野映像データを生成可能なコンテンツサーバ5のアドレス情報(例えば、IPアドレス等)を取得してもよい。このように、視野映像データ要求信号は、コンテンツサーバ5のアドレス情報と切替後の視点からの視野映像の再生開始時刻に関する情報を含んでもよい。さらに、視野映像データ要求信号は、情報取得部322によって取得された視線情報をさらに含んでもよい。視線情報は、変更された視線方向に関する情報または初期視線方向(例えば、ステージの中心を向いた視線方向)に関する情報である。
【0058】
送信部325は、視野映像データ要求信号生成部323によって生成された視野映像データ要求信号を通信インターフェース36及び通信ネットワーク1を介して所望のコンテンツサーバ5に送信するように構成されている。特に、送信部325は、所望のコンテンツサーバ5のアドレス情報を参照することで、当該視野映像データ要求信号を所望のコンテンツサーバ5に送信してもよい。また、送信部325は、所望のコンテンツサーバ5から取得された視野映像データをユーザ端末2に送信してもよい。さらに、送信部325は、所望のコンテンツサーバ5から取得された、視野映像データを含む360度空間映像データをユーザ端末2に送信してもよい。この場合、ユーザ端末2(表示制御部223)は、受信した360度空間映像データに基づいて、視野映像データを生成してもよい。
【0059】
次に、図7を参照してコンテンツサーバ5の制御部52の機能ブロックについて説明する。図7は、コンテンツサーバ5の制御部52の機能ブロックを示す図である。図7に示すように、制御部52は、受信部521と、視野映像データ生成部522と、送信部523とを備える。受信部521は、コンテンツ管理サーバ3から送信された視野映像データ要求信号を受信するように構成されている。視野映像データ生成部522は、記憶部53から360度空間映像データを読み出した後、当該360度空間映像データと視野映像データ要求信号に基づいて、視野映像データを生成するように構成されている。例えば、切替後の視点が視点S1であって、コンテンツサーバ5がコンテンツサーバ5Sである場合、視野映像データ生成部522は、視点S1に対応する360度空間映像データを記憶部53から読み出した後、当該360度空間映像データと視野映像データ要求信号に基づいて、視点S1に対応する視野映像データを生成する。
【0060】
送信部523は、通信インターフェース56を介して、視野映像データ生成部522によって生成された視野映像データをコンテンツ管理サーバ3に送信するように構成されている。尚、送信部523は、視野映像データを含む360度空間映像データをコンテンツ管理サーバ3に送信してもよい。この場合、360度空間映像データがコンテンツ管理サーバ3からユーザ端末2に送信され、ユーザ端末2が受信した360度空間映像データから視野映像データを生成する。
【0061】
次に、図8を参照して第1実施形態に係る映像コンテンツ配信システム100の一連のプロセスについて説明する。図8は、第1実施形態に係る映像コンテンツ配信システム100の一連のプロセスを示すシーケンス図である。図8に示すように、ユーザXが使用しているユーザ端末2Xとコンテンツ管理サーバ3との間の情報のやり取りについて主に説明することで、映像コンテンツ配信システム100の課金方法を説明する。また、ユーザYが使用しているユーザ端末2Yとコンテンツ管理サーバ3との間の情報のやり取りも、ユーザ端末2Xとコンテンツ管理サーバ3との間の情報のやり取りと同様である。
【0062】
最初に、ステップS1において、ユーザXが入力操作部28を通じて切替前の視点である視点A1から切替後の視点S1に切り替えるための所定の操作を行う。つまり、入力操作部28は、視点A1から視点S1への切替え要求を示す操作信号を視点切替要求信号生成部224に送信する。視点切替要求信号生成部224は、入力操作部28から送信された操作信号に従って、表示部27に表示された視野映像の視点を視点A1から視点S1に切り替えることを要求する視点切替要求信号を生成する。具体的には、視点切替要求信号生成部224は、入力操作部28から送信された操作信号に基づいて、視点S1を示す視点情報を生成すると共に、ユーザXのユーザID情報と、ユーザ端末2Xのアドレス情報を記憶部23から読み出す。このように、視点切替要求信号は、視点S1を示す視点情報と、ユーザXのユーザID情報と、ユーザ端末2XのIPアドレス情報を含む。
【0063】
次に、送信部225は、通信インターフェース26を介して、生成された視点切替要求信号をコンテンツ管理サーバ3に送信する。図8に示すように、ユーザ端末2Xが視点切替要求信号を送信した時刻をt0=00:01とする。
【0064】
次に、ステップS2において、視聴停止時刻決定部326は、タイムクロック35が示す現在時刻と情報取得部322により取得された情報を参照することで、ユーザXがA席エリアからの視野映像の視聴を停止するA席視聴停止時刻(第1視聴停止時刻)を決定する。具体的には、視聴停止時刻決定部326は、視点切替要求信号(具体的には、視点切替要求信号に含まれる情報)を取得した取得時刻をA席視聴停止時刻として決定する。図8に示すように、視聴停止時刻をt1=00:02とする。
【0065】
また、ステップS1の前に、視聴開始時刻決定部327は、ユーザXがA席エリアからの視野映像の視聴を開始するA席視聴開始時刻(第1視聴開始時刻)を決定している。また、受信部321が、A席エリアの視点A1からA席エリアの視点A2に切り替えることを要求する視点切替要求信号を受信したとき(つまり、同一席エリア内での視点の切替えを要求する視点切替要求信号を受信したとき)、視聴停止時刻決定部326は動作しなくてもよい(つまり、A席視聴停止時刻を決定しなくてもよい)。かかる場合では、視点が同一席エリア内で変更されるので、視聴開始時刻決定部327も動作しなくてもよい。
【0066】
このように、表示部27に表示された視野映像の視点を所定の席エリア(例えば、A席エリア)に属する視点(例えば、視点A1)から当該所定の席エリアとは異なる席エリア(例えば、S席エリア)に属する視点(視点S1)に切り替えることを要求する視点切替要求信号を受信部321が受信したとき(または、送信部225が当該視点切替要求信号を送信したとき)、視聴停止時刻決定部326は、当該所定の席エリアからの視野映像の視聴を停止する第1視聴停止時刻を決定するとともに、視聴開始時刻決定部327は、当該異なる席エリアからの視野映像の視聴を開始する第2視聴開始時刻を決定する。
【0067】
一方、受信部321が同一席エリア内での視点の切替を要求する視点切替要求信号を受信した場合でも、第2課金情報管理テーブル更新部332は、切替先の視点への切替回数(切替先の視点が属する席エリアへの切替回数)を更新することで、第2課金情報管理テーブルの内容を更新する。
【0068】
次に、ステップS3において、送信開始時刻決定部329は、タイムクロック35が示す現在時刻と情報取得部322により取得された情報を参照することで、送信部325が視点S1に対応する視野映像データのユーザ端末2Xへの送信を開始する送信開始時刻を決定する。ここで、送信開始時刻をt2=00:03とする。
【0069】
次に、ステップS4において、ユーザ視点情報管理テーブル更新部324は、記憶部33に保存されたユーザ視点情報管理テーブル(図9参照)の内容を更新する。特に、ユーザ視点情報管理テーブル更新部324は、送信開始時刻決定部329によって決定された送信開始時刻t2=00:03と、情報取得部322によって取得されたユーザXのユーザID情報と、情報取得部322によって取得された視点S1を示す視点情報とをユーザ視点情報管理テーブルに書き込む。
【0070】
次に、ステップS5において、コンテンツ管理サーバ3は、S席エリアの視点S1に対応する360度空間映像データを保存しているコンテンツサーバ5Sから視点S1に対応する視野映像データを取得する。具体的には、視野映像データ要求信号生成部323は、視野映像データを要求する視野映像データ要求信号を生成する。特に、視野映像データ要求信号生成部323は、記憶部33に保存されたユーザ視点情報管理テーブル(図9参照)を参照することで、視点S1を読み出す。さらに、視野映像データ要求信号生成部323は、ユーザ視点情報管理テーブルに含まれる情報に基づいて、視点S1からの視野映像の再生開始時刻を算出すると共に、記憶部33に保存されたコンテンツ管理テーブル(図11参照)からコンテンツサーバ5Sのアドレス情報を取得する。このように、視野映像データ要求信号は、コンテンツサーバ5Sのアドレス情報と視点S1からの視野映像の再生開始時刻に関する情報を含んでもよい。また、視野映像の視点を切り替える場合、視野映像データ要求信号は、初期視線方向(例えば、ステージの中心を向いた視線方向)に関する視線情報を含んでもよい。
【0071】
次に、送信部325は、コンテンツサーバ5Sのアドレス情報を参照することで、視野映像データ要求信号生成部323によって生成された視野映像データ要求信号を通信インターフェース36及び通信ネットワーク1を介してコンテンツサーバ5Sに送信する。その後、コンテンツサーバ5Sは、視野映像データ要求信号を受信した後、当該視野映像データ要求信号に基づいて、視点S1に対応する視野映像データを生成する。その後、コンテンツサーバ5Sは、当該生成された視野映像データをコンテンツ管理サーバ3に送信する。具体的には、コンテンツサーバ5Sの受信部521が視野映像データ要求信号を受信した後、視野映像データ生成部522は、記憶部53から視点S1に対応する360度空間映像データを読み出した後、当該360度空間映像データと視野映像データ要求信号に基づいて、視点S1に対応する視野映像データを生成する。その後、送信部523は、通信インターフェース56を介して生成された視野映像データをコンテンツ管理サーバ3に送信する。このように、コンテンツ管理サーバ3は、視点S1に対応する視野映像データをコンテンツサーバ5Sから取得する。
【0072】
次に、ステップS6において、コンテンツ管理サーバ3は、視点S1に対応する視野映像データをユーザ端末2Xに送信する。具体的には、送信部325は、ユーザ視点情報管理テーブルに格納された送信開始時刻(t2=00:03)と情報取得部322によって取得されたユーザ端末2Xのアドレス情報を参照することで、記憶部33に保存された視点S1に対応する視野映像データをストリーミング形式でユーザ端末2Xに送信する。尚、本実施形態では、コンテンツ管理サーバ3は、視野映像データをユーザ端末2Xに送信しているが、視野映像データを含む360度空間映像データをユーザ端末2Xに送信してもよい。
【0073】
一方、ユーザ端末2Xの送信部225が視点切替要求信号をコンテンツ管理サーバ3の受信部321に送信した時点(t0=00:01)から、ユーザ端末2Xの受信部221が視点S1に対応する視野映像データをコンテンツ管理サーバ3から受信する時点までの間、コンテンツ管理サーバ3(送信部325)は、記憶部33に保存された視点A1に対応する視野映像データをストリーミング形式でユーザ端末2Xに送信し続ける。または、コンテンツ管理サーバ3の受信部321が視点切替要求信号をユーザ端末2Xから受信した時点からコンテンツ管理サーバ3の送信部325が視点S1に対応する視野映像データをユーザ端末2Xに送信する時点までの間、コンテンツ管理サーバ3(送信部325)は、記憶部33に保存された視点A1に対応する視野映像データをストリーミング形式でユーザ端末2Xに送信し続ける。
【0074】
従って、ステップS7に示すように、ユーザXは、上記期間の間、視点A1からの視野映像を視聴し続けることができる。さらに、ユーザ端末2Xが視点S1に対応する視野映像データを受信した時点から所定時間経過後(t3=00:04)に、表示制御部223は、視点S1に対応する視野映像データに基づいて、視点S1からの視野映像を表示部27に表示する(ステップS9)。このように、ユーザXは、t3=00:04から視点S1に対応する視野映像を視聴することができる。
【0075】
このように、ユーザ端末2Xに提供される視野映像の視点を視点A1から視点S1に切り替える視点切替操作を行うときに、視点A1からの視野映像が視点S1からの視野映像にシームレスに切り替わるため、ユーザXは、ストレスを感じることなく異なる視点での視野映像の視聴を楽しむことができる。従って、ユーザが同一の映像コンテンツを異なる視点で視聴する場合に、映像コンテンツ配信サービスに対するユーザの満足度を向上させることが可能な映像コンテンツ配信システム100及びコンテンツ管理サーバ3を提供することができる。
【0076】
次に、ステップS8において、第2課金情報管理テーブル更新部332は、視点S1への切替回数を更新した上で、視点S1が属するS席エリアへの切替回数を更新する。
特に、送信部325が視点S1に対応する視野映像データをユーザ端末2Xに送信したとき、送信部325は、視点S1に対応する視野映像データをユーザ端末2Xに送信したことを示す送信完了信号を第2課金情報管理テーブル更新部332に送信する。第2課金情報管理テーブル更新部332は、受信した送信完了信号に基づいて、視点S1への切替回数を更新した上で、S席エリアへの切替回数を更新する。このように、第2課金情報管理テーブル332は、第2課金情報管理テーブルの内容を更新する。例えば、視点S1への切替回数が2回であると共に、S席エリアへの切替回数が5回である場合に、第2課金情報管理テーブル更新部332は、視点S1への切替回数を2回から3回に更新した上で、視点S1が属するS席エリアへの切替回数を5回から6回に更新する。
【0077】
次に、ステップS10において、視聴開始時刻決定部327は、ユーザXがS席エリアからの視野映像の視聴を開始するS席視聴開始時刻(第2視聴開始時刻)を決定する。具体的には、視聴開始時刻決定部327は、送信開始時刻決定部329によって決定された送信開始時刻(t2=00:03)をS席視聴開始時刻として決定する。例えば、本ステップの後、コンテンツ管理サーバ3(受信部321)が、視野映像の視点を視点S1から視点B2に切り替えることを要求する視点切替要求信号を受信したとき、視聴停止時刻決定部326は、ユーザXがS席エリアからの視野映像の視聴を停止するS席視聴停止時刻(第2視聴停止時刻)を決定する。具体的には、視聴停止時刻決定部326は、視点切替要求信号を取得した取得時刻をS席視聴停止時刻として決定する。
【0078】
また、既に説明したように、コンテンツ管理サーバ3(受信部321)が視点切替要求信号を受信した場合に、視聴停止時刻決定部326は、A席視聴停止時刻を決定するとともに、視聴開始時刻決定部327は、S席視聴開始時刻を決定する。
【0079】
また、視聴時間決定部328は、A席視聴開始時刻(第1視聴開始時刻)とA席視聴停止時刻(第1視聴停止時刻)に基づいて、A席エリアからの視野映像の視聴時間であるA席視聴時間(第1視聴時間)を決定する。具体的には、視聴時間決定部328は、A席視聴停止時刻とA席視聴開始時刻との差分(A席視聴停止時刻−A席視聴開始時刻)により、A席視聴時間を算出する。
【0080】
同様に、視聴時間決定部328は、S席視聴開始時刻(第2視聴開始時刻)とS席視聴停止時刻(第2視聴停止時刻)に基づいて、S席エリアからの視野映像の視聴時間であるS席視聴時間(第2視聴時間)を決定する。具体的には、視聴時間決定部328は、S席視聴停止時刻とS席視聴開始時刻との差分(S席視聴停止時刻−S席視聴開始時刻)により、S席視聴時間を算出する。
【0081】
以上説明したように、本実施形態によれば、切替先の視点である視点S1への切替回数が更新されるので、ユーザXが視野映像の視点を切り替える度に切替先の視点への切替回数が更新される。したがって、各ユーザが視野映像を視聴している間における各視点の切替回数に関するデータがユーザごとに取得されるので、各ユーザがどのように映像コンテンツの視聴を楽しんでいるかを各視点の切替回数に関するデータを用いて分析することができる。このように、ユーザごとの各視点の切替回数に関するデータを映像コンテンツ配信サービスに対するユーザの満足度向上のために利用することができる。
【0082】
また、各視点(又は各席エリア)への切替回数に基づいて、視野映像の視聴によりユーザに課金すべき金額が決定されるので、各視点(又は各席エリア)への切替回数に応じた従量課金システムを提供することができる。このように、映像配信サービスに対するユーザの満足度や納得感を向上させることが可能となる。
【0083】
また、送信部325が視点S1に対応する視野映像データをユーザ端末2Xに送信したときに、視点S1への切替回数が更新される。したがって、サーバ側の故障によって切替先の視点S1に対応する視野映像データをユーザ端末2Xに送信できなかった場合に、切替先の視点S1への切替回数が更新される(つまり、切替回数が1回分増加する)ことを防ぐことができる。このように、映像コンテンツ配信サービスに対するユーザの満足度や納得感を向上させることが可能となる。
【0084】
また、A席視聴開始時刻とA席視聴停止時刻に基づいて、A席視聴時間が決定されるとともに、S席視聴開始時刻とS席視聴停止時刻に基づいて、S席視聴時間が決定される。従って、各席エリアに対する視野映像の視聴時間が決定されるので、ユーザごとの各席エリアでの視野映像の視聴時間データを記録でき、当該視聴時間データを映像コンテンツ配信サービスに対するユーザの満足度向上のために利用することができる。
【0085】
また、第1課金情報管理テーブル更新部331は、A席視聴時間に基づいて、A席エリアに対応する累計視聴時間を更新すると共に、S席視聴時間に基づいて、S席エリアに対応する累計視聴時間を更新する(図10参照)。このように、本実施形態によれば、各席エリアでの視野映像の視聴時間に応じた従量課金システムを提供することができるので、映像配信サービスに対するユーザの満足度を向上させることが可能となる。
【0086】
また、ユーザ課金総額演算部330は、S席からD席の各々に対応する累計視聴時間に基づいて、各席エリアの視聴時間に応じた課金総額(図10では667円)を決定する。このように、S席からD席の各々の視聴時間に応じた従量課金システムを提供することができるので、映像コンテンツ配信サービスに対するユーザの満足度や納得感を向上させることが可能となる。
【0087】
また、本実施形態によれば、視聴停止時刻決定部326が視点切替要求信号(特に、視点切替要求信号に含まれる情報、例えば、ユーザID情報)を取得した取得時刻(t1=00:02)がA席視聴停止時刻として決定されるとともに、送信部325が視点S1に対応する視野映像データのユーザ端末2Xへの送信を開始する送信開始時刻(t2=00:03)がS席視聴開始時刻として決定される。このように、取得時刻t1と送信開始時刻t2との間の期間(1秒間)は、視野映像の視聴時間としてカウントされないので、映像配信サービスに対するユーザの満足度や納得感を向上させることが可能となる。
【0088】
(第2実施形態)
次に、図13から図15を参照して第2実施形態に係る映像コンテンツ配信システムについて説明する。図13は、第2実施形態におけるユーザ端末2Aの制御部22Aの機能ブロックを示す図である。図14は、第2実施形態におけるコンテンツ管理サーバ3Aの制御部32Aの機能ブロックを示す図である。図15は、第2実施形態に係る映像コンテンツ配信システムの一連のプロセスを示すシーケンス図である。第2実施形態に係る映像コンテンツ配信システムは、ユーザ端末の制御部の機能とコンテンツ管理サーバの制御部の機能の点において、第1実施形態に係る映像コンテンツ配信システム100と異なる。具体的には、ユーザ端末2Aの制御部22Aは、第1実施形態に係る制御部22の各構成要素に加えて、タイムスタンプ生成部226をさらに有する。コンテンツ管理サーバ3Aの制御部32Aは、視聴停止時刻決定部326による視聴停止時刻の決定手法と、視聴開始時刻決定部327による視聴開始時刻の決定手法と、第2課金情報管理テーブル更新部332による切替回数の更新タイミングとの点で、第1実施形態に係る制御部32と異なる。
【0089】
図13に示すように、タイムスタンプ生成部226は、タイムクロック25が示す現在時刻を参照することで、第1タイムスタンプと第2タイムスタンプとを生成するように構成されている。第1タイムスタンプは、送信部225が視点切替要求信号のコンテンツ管理サーバ3Aへの送信を開始した送信開始時刻(例えば、t0=00:01)を示し、第2タイムスタンプは、表示制御部223が切替先の視点(例えば、視点S1)からの視野映像の表示部27への表示を開始した表示開始時刻(例えば、t3=00:04)を示す。送信部225は、通信インターフェース26を介してタイムスタンプ生成部226によって生成された第1,2タイムスタンプをコンテンツ管理サーバ3Aに送信する。
【0090】
次に、図14を参照して第2実施形態に係る映像コンテンツ配信システムの一連のプロセスについて説明する。
【0091】
最初に、ステップS21において、ユーザ端末2X(送信部225)は、表示部27に表示された視野映像の視点を視点A1から視点S1に切り替えることを要求する視点切替要求信号と第1タイムスタンプをコンテンツ管理サーバ3Aに送信する。第1タイムスタンプは、タイムスタンプ生成部226によって生成され、送信部225が視点切替要求信号のコンテンツ管理サーバ3への送信を開始した送信開始時刻(t0=00:01)を示している。
【0092】
次に、ステップS22において、視聴停止時刻決定部326は、ユーザXがA席エリアからの視野映像の視聴を停止するA席視聴停止時刻(第1視聴停止時刻)を決定する。具体的には、視聴停止時刻決定部326は、ユーザ端末2Xから送信された第1タイムスタンプに示された送信開始時刻(t0=00:01)をA席視聴停止時刻として決定する。また、次のステップS23からS27は、図8に示すステップS3からS7と同じであることから、それらの説明を割愛する。
【0093】
ステップS28において、表示制御部223は、視点S1に対応する視野映像データに基づいて、表示部27に視点S1からの視野映像を表示する。その後、タイムスタンプ生成部226は、表示制御部223が視点S1からの視野映像の表示部27への表示を開始した表示開始時刻(例えば、t3=00:04)を示す第2タイムスタンプを生成し、送信部225は、当該生成された第2タイムスタンプをコンテンツ管理サーバ3に送信する。
【0094】
その後、ステップS29において、視聴開始時刻決定部327は、ユーザXがS席エリアからの視野映像の視聴を開始するS席視聴開始時刻(第2視聴開始時刻)を決定する。具体的には、視聴開始時刻決定部327は、ユーザ端末2Xから送信された第2タイムスタンプに示された表示開始時刻(t3=00:04)をS席視聴開始時刻として決定する。
【0095】
次に、ステップS30において、第2課金情報管理テーブル更新部332は、視点S1への切替回数を更新した上で、視点S1が属するS席エリアへの切替回数を更新する。
特に、受信部321が第2タイムスタンプ(タイムスタンプ)をユーザ端末2Xから受信したときに、受信部321は、視点S1に対応する視野映像が表示部27に表示されたことを示す表示完了信号を生成し、当該生成された表示完了信号を第2課金情報管理テーブル更新部332に送信する。第2課金情報管理テーブル更新部332は、受信した表示完了信号に基づいて、視点S1への切替回数を更新した上で、S席エリアへの切替回数を更新する。このように、第2課金情報管理テーブル更新部332は、第2課金情報管理テーブルの内容を更新する。
【0096】
以上説明したように、本実施形態によれば、第1タイムスタンプに示された送信部225が視点切替要求信号のコンテンツ管理サーバ3への送信を開始した送信開始時刻(t0=00:01)がA席視聴停止時刻として決定されるとともに、第2タイムスタンプに示された表示制御部223が視点S1からの視野映像の表示部27への表示を開始した表示開始時刻(t3=00:04)がS席視聴開始時刻として決定される。このように、送信開始時刻t0と表示開始時刻t3との間の期間(3秒)は、視野映像の視聴時間としてカウントされないので、映像配信サービスに対するユーザの満足度や納得感を向上させることが可能となる。
【0097】
また、本実施形態によれば、受信部321が第2タイムスタンプをユーザ端末2Xから受信したときに、視点S1への切替回数が更新される。したがって、コンテンツ管理サーバ3Aとユーザ端末2Xとの間の通信トラブル等によってユーザが切替先の視点S1からの視野映像を視聴できなかった場合に、切替先の視点S1への切替回数(つまり、切替回数が1回分増加する)ことを防ぐことができる。このように、映像コンテンツ配信サービスに対するユーザの満足度や納得感を向上させることが可能となる。
【0098】
以上、本実施形態について説明をしたが、本発明の技術的範囲が本実施形態の説明によって限定的に解釈されるべきではないのは言うまでもない。本実施形態はあくまでも一例であって、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内において、様々な実施形態の変更が可能であることが当業者によって理解される。このように、本発明の技術的範囲は特許請求の範囲に記載された発明の範囲及びその均等の範囲に基づいて定められるべきである。
【符号の説明】
【0099】
1:通信ネットワーク
2,2A,2X,2Y:ユーザ端末
3,3A:コンテンツ管理サーバ
5,5S,5A,5B,5C,5D:コンテンツサーバ
20:通信バス
21:制御装置
22,22A:制御部
23:記憶部
24:I/Oインターフェース
25:タイムクロック
26:通信インターフェース
27:表示部
28:入力操作部
29:センサ
30:通信バス
32,32A:制御部
33:記憶部
35:タイムクロック
36:通信インターフェース
50:通信バス
52:制御部
53:記憶部
56:通信インターフェース
100:映像コンテンツ配信システム
221:受信部(第1受信部)
222:視線変更信号生成部
223:表示制御部
224:視点切替要求信号生成部
225:送信部(第1送信部)
226:タイムスタンプ生成部
321:受信部(第2受信部)
322:情報取得部
323:視野映像データ要求信号生成部
324:ユーザ視点情報管理テーブル更新部
325:送信部(第2送信部)
326:視聴停止時刻決定部
327:視聴開始時刻決定部
328:視聴時間決定部
329:送信開始時刻決定部
330:ユーザ課金総額演算部(課金演算部)
331:第1課金情報管理テーブル更新部
332:第2課金情報管理テーブル更新部(切替回数更新部)
521:受信部
522:視野映像データ生成部
523:送信部
【要約】
【課題】ユーザが同一の映像コンテンツを異なる視点で視聴する場合に、映像コンテンツ配信サービスに対するユーザの満足度を向上させる。
【解決手段】ユーザ端末2は、視野映像データをコンテンツ管理サーバ3から受信する受信部221と、視野映像データに基づいて、表示部27に視野映像を表示する表示制御部223と、表示部27に表示された視野映像の視点を第1視点から第2視点に切り替えることを要求する視点切替要求信号を生成する視点切替要求信号生成部224と、視点切替要求信号をコンテンツ管理サーバ3に送信する送信部225とを備える。コンテンツ管理サーバ3は、視点切替要求信号をユーザ端末2から受信する受信部321と、第1視点又は第2視点に対応する視野映像データをユーザ端末2に送信する送信部325と、第2視点への切替回数を更新する第2課金情報管理テーブル更新部332とを備える。
【選択図】図6
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15