特許第6040346号(P6040346)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6040346
(24)【登録日】2016年11月18日
(45)【発行日】2016年12月7日
(54)【発明の名称】自動車用の照明装置
(51)【国際特許分類】
   F21S 8/10 20060101AFI20161128BHJP
   F21W 101/10 20060101ALN20161128BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20161128BHJP
【FI】
   F21S8/10 171
   F21W101:10
   F21Y115:10
【請求項の数】9
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-560191(P2014-560191)
(86)(22)【出願日】2013年2月19日
(65)【公表番号】特表2015-509647(P2015-509647A)
(43)【公表日】2015年3月30日
(86)【国際出願番号】AT2013050042
(87)【国際公開番号】WO2013131114
(87)【国際公開日】20130912
【審査請求日】2015年2月3日
(31)【優先権主張番号】A50062/2012
(32)【優先日】2012年3月7日
(33)【優先権主張国】AT
(73)【特許権者】
【識別番号】593045569
【氏名又は名称】ツェットカーヴェー グループ ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】レイチンガー,ルディガー
(72)【発明者】
【氏名】アルトマン,ヨハン
【審査官】 竹中 辰利
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−082067(JP,A)
【文献】 特開2009−026462(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 8/10
F21W 101/10
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
レンズ(1)と少なくともつの光源(4,61)を含む、自動車用の照明装置(100)であって、前記少なくともつの光源(4,61)からの光が、前記レンズ(1)により当該照明装置(100)の前方領域に投影され、
前記レンズ(1)の裏面(3)にはちょうど1つの連続的な反射性面(3a)が割り当てられており、および/または
前記レンズ(1)はその裏面(3)にちょうど1つの連続的な全反射性領域(3a’)を有し、
光源(4)が前記レンズ(1)の下方に配置されており、前記ちょうど1つの連続的な反射性面(3a)は、前記光源(4)の主光出射方向で見て対向しており、および/または前記光源(4)の前記ちょうど1つの連続的な全反射性領域(3a’)は、割り当てられた光源(4)の主光出射方向の外にあり、
前記光源(4)は、入射領域(40)を介して光を前記レンズ(1)に、当該レンズ(1)に前記入射領域(40)を介して入射された光が、前記ちょうど1つの反射性面(3a)および/または前記ちょうど1つの全反射性領域(3a’)により反射され、前記レンズ(1)から当該レンズの光出射面(2)を介して出射され、当該照明装置(100)の前方領域に投影されるように入射し、
前記レンズ(1)の下方部分は投影レンズとして構成されており、発光装置(60)が設けられており、該発光装置からの光が、外部から前記裏面(3)へ、前記レンズ(1)の下方領域へと照射され、前記レンズ(1)から当該照明装置の前方領域に、明暗境界を備える光分布、例えばロービーム分布を形成するために投影される、ことを特徴とする照明装置。
【請求項2】
少なくとも1つの入射領域(404)は、前記レンズ(1)の裏面(3)の外に配置されている、ことを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
前記少なくとも1つの入射領域(40)は入力結合箇所として構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の照明装置。
【請求項4】
前記入力結合箇所では割り当てられた光源(4)が、補助光学エレメント(41)を介して光を入力結合することを特徴とする請求項3に記載の照明装置。
【請求項5】
入射領域(40)を介して光を前記レンズに入射する前記少なくとも1つの光源(40)は、1つまたは複数の発光ダイオードを含む、ことを特徴とする請求項1からのいずれか一項に記載の照明装置。
【請求項6】
前記少なくとも1つの反射性面(3a)は、前記レンズ(1)の裏面(3)に直接配置されている、ことを特徴とする請求項1からのいずれか一項に記載の照明装置。
【請求項7】
前記少なくとも1つの反射性面(3a)は、前記レンズ(1)の裏面(3)の反射性コーティングとして構成されている、ことを特徴とする請求項に記載の照明装置。
【請求項8】
前記反射性面の1つまたは複数は、部分反射性面として構成されている、ことを特徴とする請求項1からのいずれか一項に記載の照明装置。
【請求項9】
請求項1からのいずれか一項に記載の照明装置を少なくとも1つ備える車両前照灯。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車用の照明装置に関するものであり、この照明装置はレンズと少なくとも1つの光源を有し、光が少なくとも1つの光源からレンズによって、照明装置の前方領域に投影される。
【0002】
さらに本発明は、このような照明装置を少なくとも1つ備える車両前照灯に関する。
【背景技術】
【0003】
光が1つまたは複数の光源から、光分布を形成するために投影レンズを介して車両前照灯の前方領域に投影される車両前照灯用の投影システムは十分に公知である。このような投影システムは、ロービーム分布を形成するために、しかしハイビーム分布または日中走行光分布を形成するためにも頻繁に使用される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の課題は、ただ1つのレンズを使用して2つ以上の光機能を実現することのできる投影モジュールを創成することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この課題は冒頭に述べた照明装置により、本発明にしたがいレンズの裏面に少なくとも1つの反射性面が割り当てられており、および/またはレンズがその裏面に少なくとも1つの全反射性領域を有し、少なくとも1つの光源が、入射領域を介して光を前記レンズに入射し、前記レンズに前記入射領域を介して入射された光が、前記少なくとも1つの反射性面および/または前記少なくとも1つの全反射性領域により反射され、前記レンズから当該レンズの光出射面を介して出射され、当該照明装置の前方領域に投影される、ことによって解決される。
【0006】
公知の従来のレンズでは、光が光源からレンズに照射され、レンズの裏面(光入射面)に衝突し、レンズの中へ屈折される。さらなる屈折の後、光は光出射面(前面)で再び出射し、レンズないし照明装置の前方領域に投影される。
【0007】
本発明では、上記の「従来」構成とは択一的にまたはこれに加えて、光が1つまたは複数の光源から、裏面を介してレンズに入射されるのではなく、固有の光入射領域を介して入射される。この光入射領域は、従来のシステムで光がレンズに入射されるレンズの裏面とは異なり「小規模」に、すなわちレンズの裏面よりも(格段に)小さな光入射面によって構成され、したがって入射する光を所期のように反射性領域に偏向することができる。
【0008】
まず第一に本明細書で「裏面」とは、反射性面の構成に関して(ないしは全反射性領域を備える他の変形実施形態において)、「従来の」照明装置において光が発光装置を介してレンズに入射することのできるレンズの面/側であると理解すべきである。しかし原則的に反射性面および/または全反射性領域は、レンズの上部/上方、下部/下方、または側部ないし側方における、従来のシステムでも発光装置が光を照射しない領域に存在することもできる。
【0009】
ここでは少なくとも1つの入射領域がレンズの裏面の外に配置されている。
【0010】
このようにしてレンズに入射された光の、レンズ裏面に割り当てられた1つまたは複数の反射性面での反射、および/またはレンズ裏面にある1つまたは複数の全反射性の全反射性領域での反射により、光がレンズの光出射面の方向に偏向され、照明装置の前方領域に投影される。
【0011】
本発明により1つまたは複数の光源を、レンズの上方、下方または側方に配置することができる。照明装置の構造空間をこれにより小さく維持することができ、1つのレンズを介してハイビーム、ロービーム、日中走行光等の複数の光機能を、光源および反射性面の適切な配置によって達成することができる。
【0012】
対応して複数の光機能を実現するためには、2つ以上の光源が設けられており、これらの光源が割り当てられた各1つの入射領域を介して光をレンズに入射すると有利であり、ここでは前記入射領域を介して入射された光が、少なくとも1つの反射性面および/または少なくとも1つの全反射性領域により反射され、レンズからその光出射面を介して出射され、照明装置の前方領域に投影される。
【0013】
各光源により固有の光機能を実現できるようにするために、入射領域を介して光をレンズに入射する各光源には、少なくとも1つの反射性面および/または少なくとも1つの全反射性領域が割り当てられている。
【0014】
ここでは、入射領域を介して光をレンズに入射する光源からの光が、少なくとも1つの反射性面または少なくとも1つの全反射性領域における反射の直後に、または少なくとも1つのさらなる反射性面および/または少なくとも1つのさらなる全反射性領域におけるさらなる反射の後に、レンズからこのレンズの光出射面を介して出射するようにすることができる。
【0015】
したがって反射性/全反射性領域の数とそれらの配置に応じて、光は1回の反射の後に、しかし複数の反射の後でもレンズから出射することができる。
【0016】
散乱光を回避し、光収量を最適化するために、少なくとも1つの入射領域を入力結合箇所として構成し、割り当てられた光源がこの入力結合箇所に光を、好ましくは補助光学エレメントを介して入力結合するようにすることができる。
【0017】
この関連で、入射領域を介して光をレンズに入射する少なくとも1つの光源が、1つまたは複数の発光ダイオードを含むと同様に有利である。
【0018】
さらに、光源からの光を例えば最適に利用できるようにするために、入射領域を介して光をレンズに入射する光源に割り当てられた反射性面が、光源の主光出射方向で見て、割り当てられた光源に対して実質的に対向しているようにすることができる。
【0019】
レンズの全反射性領域を最適に利用できるようにするために、入射領域を介して光をレンズに入射する光源に割り当てられた全反射性領域が、割り当てられた光源の主光出射方向の外に存在するようにすると合目的的であり得る。
【0020】
基本的に、レンズの裏面に割り当てられた少なくとも1つの反射性面を、例えば反射器として構成することができ、この反射器は、レンズの裏面に対してある程度の間隔を置いて配置される。しかしながら少なくとも1つの反射性面がレンズの裏面に直接配置されており、好ましくはこれと「ワンピース」に構成されても有利である。ここで「ワンピース」とは、反射性面とレンズを1つの材料から作製しなければならないことを意味するのではなく、反射性面を取り付けた後にレンズと反射性面が1つの構成部材を形成することを意味する。この構成には、構成部材の数が少なくなり、組み立ての際の取り扱いが簡単になるという利点があり、光学的特性の観点でもこの変形実施形態は有利である。
【0021】
特に有利には、少なくとも1つの反射性面は、レンズの裏面の反射性コーティングとして構成されている。
【0022】
本発明の具体的な変形実施形態では、1つまたは複数の反射性面がレンズの裏面を完全に遮閉し、または例えば反射性コーティングの場合はこれを完全に覆うようにすることができる。この場合、反射性面(単数または複数)が透明でない場合には、光をレンズの裏面に照射する発光装置の使用が不可能である。
【0023】
しかし1つまたは複数の反射性面が、レンズの裏面を領域的にだけ遮閉し、またはこれを領域的にだけ覆うようにすることもできる。
【0024】
遮閉されていない、ないし覆われていないレンズ裏面の領域は、公知の投影システムと同じように、発光装置がこの裏面を介して光をレンズに入射し、この光が光分布の形成のために照明装置の前方領域に照射されることに使用することができる。
【0025】
レンズがその裏面に1つまたは複数の全反射性領域を有する場合、この領域を通して裏面を、「従来の」レンズで公知のように固有の発光装置によって透過照射することができる。
【0026】
レンズを裏面から反射性面の領域でも透過照射し、光分布を形成するために相応に利用できるようにするため、1つまたは複数の反射性面を部分透過性面として構成することができる。これらの面は、レンズの外側から到来する光を、相応に裏面を介してレンズに入射させ、これによりこの光を光分布の形成のために使用することができる。
【0027】
上に記述したように光をレンズに入射する少なくとも1つの光源の他に、既に述べたように少なくとも1つの別の発光装置を設け、この発光装置からの光がレンズの裏面に照射され、レンズから照明装置の前方領域に投影されることも有利であり得る。
【0028】
レンズの裏面にちょうど1つの連続的な反射性面が割り当てられていること、および/またはレンズがその裏面にちょうど1つの連続的な全反射性領域を有することも特に有利である。したがって複数の小さな反射性面および/または複数の小さな全反射性領域が設けられるのではなく、1つの連続的な、すなわち比較的に大きな、つながっている反射性面および/または1つの連続的な比較的に大きな、つながっている全反射性領域が設けられている。
【0029】
このような構成はさらなる利点を有する。一方では複数の小さな領域の場合よりも製造が格段に簡素化される。他方では光学的構成も、反射性領域および/または全反射性領域が複数の個別領域ないし個別面に分割されている場合よりも、1つの大きな、つながっている面の場合の方が格段に簡単である。
【0030】
以下、本発明を図面に基づき詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1図1は、本発明の照明装置の第1実施形態を示す図である。
図2図2は、本発明の照明装置の第2実施形態を示す図である。
図3図3は、本発明の照明装置の第3実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
図1は、本発明の照明装置100の第1変形実施形態を示す。この照明装置は、公知のように発光装置60から成り、この発光装置から光がレンズ1の裏面3に照射され、レンズ1から照明装置の前方領域に投影される(光線S1)。図示の実施形態では、発光装置60がLED光源61と反射器62を含み、このLED光源は1つまたは複数の発光ダイオードを含む。光源61から出射した光は、反射器62を介してレンズ1に反射される。光源61は、好ましくは冷却体70として構成された取付体に取り付けられている。光線S1の光線路には絞り63が配置されており、絞りの上側エッジは、光像中に光分布、例えばロービーム分布の明暗境界として結像される。ここで光線S1は、裏面の領域3bを介してレンズ1に入射し、光出射面2を介して再び出射する。
【0033】
本発明によれば、レンズ1は1つの連続的な、つながっている反射性コーティング3aをその裏面3に有する。まず第一に本明細書で「裏面」とは、反射性面の構成に関して(ないしは全反射性領域を備える他の変形実施形態において)、「従来の」照明装置において光が発光装置を介してレンズに入射することのできるレンズの面/側であると理解すべきである。しかし原則的に反射性面および/または全反射性領域は、レンズの上部/上方、下部/下方、または側部ないし側方における、従来システムでも発光装置が光を照射しない領域に存在することもできる。
【0034】
さらに光源4が設けられており、この光源は入射領域40を介して光をレンズ1に入射する。具体的な実施形態では、光源4も同様に冷却体70上に配置されており、1つまたは複数の発光ダイオードを含む。光源4からの光は補助光学系41を介して、入力結合領域として構成された入射領域40に、したがってレンズ1に入射される。対応の光線S2は、反射性コーティング3aで反射され、光出射面2を介してレンズ1から出射する。これにより補助的な光分布を実現することができ、したがって例えば1つのレンズ1によりロービームと、付加的にハイビームまたは日中走行光を実現することができる。
【0035】
図1に示された実施形態では、光源4により加算的な光分布が、(発光装置60により形成される)ロービーム分布の明暗境界の上方に実現される。ここで光線S2の配向は所望の光分布の態様に依存している。
【0036】
光源40はレンズ1の下方に存在し、コーティング3aは光源40に対して実質的に対向して、レンズ1の上方領域に存在する。コーティング3aはレンズ1の裏側領域ないし裏面3に存在する。しかしながらこの実施例では、特別の平坦構成により発光装置60からの光が到達しない裏面の領域に存在する。
【0037】
図2は、図1に類似の構成を示す。しかしながらこの変形実施形態ではレンズ1が、やや異なり僅かに平坦に形状付与された裏面3を有している。ここでも発光装置60からの光は、レンズ1の裏面3の領域3bを介してレンズに入射し、照明装置100の前方領域に投影される。
基本的に本発明に対しては、すなわち図示の全ての変形形態に対しては、それぞれの光像に対する法的規則が満たされるように、反射された光線がそれぞれ配向されていることが当てはまる。ここではレンズから出射した光線が、所望の方向に正しく照射されるように、反射性層(単数または複数)および/または全反射性領域(単数または複数)が配置され、割り当てられた光源が配向されている。
【0038】
レンズ1の裏面3の上方領域では、反射性コーティング3aがレンズに設けられており、これに下方に続いて裏面3の全反射性領域3a’が設けられている。光源40からの光線S2は反射性コーティング3aに衝突し、これから光出射面2を介してレンズ1から外へ投影される。
【0039】
領域3a’は、光源40からの光線S3,S3’に対して全反射性に作用する。ここで光線S3は、領域3a’から光出射面2を直接介してレンズ1から外に投影され、一方、光線S3’は領域3a’での全反射の後、さらに反射性面3aに衝突し、その後、この光線はレンズ1から出射する。
【0040】
発光装置60からの光線S1’はレンズ1の裏面で全反射性領域3a’の領域に衝突し、この領域を介してレンズ1に入射することができる。したがって発光装置60により形成される光分布で使用することができる。この作用は択一的に、全反射性領域の箇所に、少なくとも部分的に透明な反射性コーティングを設けることによっても達成できる。このことは、(全反射性領域3a’の箇所にある)反射性コーティングが、発光装置60からの光に対しては透明であり、一方、コーティングの他の箇所に衝突する光(すなわち光源4からの光、または図3の変形実施形態で発光装置60が相応に補充された場合は、光源4と5からの光)は反射されるように構成されていることを意味する。
【0041】
全反射性領域の箇所に透明なコーティングを備えるこの変形実施形態は、光源40の光が使用されずに失われてしまい、場合により不所望な光学的作用を引き起こし得るという欠点を有することがある。さらにこの場合、発光装置60からの光の透過損失が増大することを勘案すべき場合がある。
【0042】
したがって全反射性領域3a’は、2つの光分布を形成するために2つの光源40,61を有する。
【0043】
図1または2に示すような装置に基づくロービームとの組合せで日中走行光分布を形成するために、例えばロービーム光源(ロービームLED)61を、光源4の光の補充により完全な日中走行光分布が形成されるように減光することができる。択一的に光源4により形成される光分布を、それだけを使用することによって日中走行光機能が実現されるように成形することもできる。この場合、光源61は、日中走行モードでは非作動にすることができる。
【0044】
同様に、ハイビームと日中走行光とを共通に実現することも可能である。ここでは、上記のロービームと日中走行光の場合と同じように措置することができる。
【0045】
さらにフォグライトと日中走行光とを同時に実現することもできる。フォグランプの光分布は対称の明暗境界を有しているから、対応して日中走行光を比較的簡単に、「重ねられた」加算的光分布によって実現することができる。
【0046】
とりわけ側方の光入力結合によって、場合により付加的なコーナリング光を実現することができる。ロービーム、ハイビーム、日中走行光およびコーナリング光のような複数の光機能を、1つのレンズ反射器ハイブリッドシステム100に組み合わせることも可能である。
【0047】
図3は、図1または2のような従来の発光装置を有していない変形実施形態を示す。ここでは2つの光源4,5が設けられており、これらの光源はそれぞれ入射領域40,50を介して光をレンズ1に入射する。光源4,5からの光は、補助光学系41,51を介して、入力結合領域として構成された入射領域40,50に、したがってレンズ1に入射される。
【0048】
レンズ1の裏面3全体には、連続的なつながっている反射性コーティング3aが設けられている。下方光源4からの光S4は、図示のようにコーティング3aを介して反射され、例えば日中走行光分布ないしハイビーム分布を形成するか、またはこれに寄与する。光源5からの光S5は、例えばロービームを形成する。光線S4,S5は、コーティングで1回または複数回反射することができる。
【0049】
もちろん他の組合せも可能であり、とりわけ図1と2の変形実施形態は1つの光源4に限定されるものではなく、図3の変形実施形態は2つの光源4,5に限定されるものではない。したがってさらなる光機能、例えばコーナリング光を実現することもできる。
【0050】
図3において、レンズの裏面の少なくとも一部を全反射性に、または部分的に透明に構成することも十分に考えられる。したがってここでも公知のように、図1と2で説明したような発光装置をさらに使用することができる。さらに裏面を少なくとも部分的に全反射性に構成することによって、反射損失を低減することができる。全反射は100%までの効率で可能であるが、一方、通常の反射には基本的に損失があり、例えば約10%の損失がある。
【0051】
対応の1つまたは2つの前照灯(例えば自動車では左前照灯と右前照灯、自動二輪車では並置された前照灯ないし照明装置)を備える本発明の照明装置により、SAE,CCCまたはECEのような法的規格を満たす光分布を形成することができる。
図1
図2
図3