【実施例1】
【0010】
以下、本発明の実施例1として、パチンコ機に適用した場合の形態例を、図面を参照して説明する。
A.パチンコ機の正面構成
最初に、
図1によって本例のパチンコ機の全体構成について説明する。
図1は本例のパチンコ機1の前面側斜視図である。
パチンコ機1は、当該パチンコ機1が設置される島に対して固定される機枠2と、この機枠2にヒンジ部3において回動可能に軸支されることによって、機枠2に対して開閉自在とされた前面枠4とを備える。この前面枠4には、遊技盤20(
図2に示す)が取り付けられている。
【0011】
また前面枠4には、その前面上側を覆うようにガラス枠5が開閉自在に取付けられている。なお、このガラス枠5により保持されるガラス板(透明のプラスチックボードでもよい、符号は省略)を介して、遊技盤20の後述する遊技領域22が前面から視認可能となっている。またガラス枠5は、ヒンジ部3において前面枠4に開閉可能に軸支されている。
ここで、前面枠4は遊技枠という名称で呼称され、ガラス枠5は前枠という名称で呼称されることもあるが、本実施例では前面枠4、ガラス枠5で説明している。
このガラス枠5の下側には、操作パネル6が設けられている。
なお、通常、パチンコ機1には遊技媒体貸出装置としてのCRユニット(カード式球貸制御ユニット)が併設されることもあるが、ここでは図示を略している。ただし、
図4では、CRユニットをカードユニット551として図示しており、このカードユニット551との間で信号などの伝達を中継するカードユニット接続基板54についても
図4で示している。
【0012】
図2に示すように、遊技盤20は、板状の基材(いわゆるベニア)の前面に遊技釘を植設したもので、その前面の略円形領域がガイドレール21で囲まれることにより遊技領域22が形成されたものである。遊技領域22は、打ち込まれた遊技球を上方から落下させつつアウトあるいはセーフの判定(入賞したか否かの判定)を行う領域であり、入賞口に遊技球が入って有効にセーフとなる場合は、所定数の遊技球がガラス枠5の下部に設けられた上皿7に排出される(即ち、賞球として排出される)構成となっている。
また、前面枠4の開閉側(
図1において右側)の縁部には、前面枠4及びガラス枠5の施錠装置(図示省略)の鍵挿入部8が形成されている。
【0013】
また、ガラス枠5の下部に設けられた上皿7は、賞球として又は貸球として排出された発射前の遊技球を一時保持するものである。この上皿7には、遊技者が操作する押ボタン式の演出ボタン9が設けられている。
演出ボタン9は表示装置41(
図4参照)の演出に一定の範囲で関与可能なもので、例えば予告演出のときに遊技者に同ボタン9の操作を促す画像が表示装置41に表示されたとき等に、遊技者によって操作される。
また、操作パネル6には、上皿7の遊技球を遊技者の操作によって移すことができる下皿10と、遊技球の発射操作を行う発射操作ハンドル11とが設けられている。
また、
図1において符号12a、12bで示すものは、効果音等を出力するスピーカ(報音装置)である。このうち符号12aは、ガラス枠5の上部左右両側に設けられた上スピーカである。また符号12bは操作パネル6の左端部(下皿10の左側)に設けられた下スピーカである。
【0014】
また
図1において、符号13で示すものは、ガラス枠5の前面に設けられたLED(発光ダイオード)を発光源とする装飾ランプであり、符号14で示すものは、ガラス枠5の上部左右両側前面に設けられたムービングライトである。図示省略しているが、ムービングライト14は、発光源としてLEDを備え、駆動源としてモータを備えている。ここで、装飾ランプ13とムービングライト14は
図4に示す装飾LED301を構成する。
また、パチンコ機1の盤と枠という概念で装飾機構を区分するとすれば、装飾ランプ13とムービングライト14は枠側の演出機構に相当し、
図6に示す枠装飾装置43を構成し、またムービングライト14は
図6に示す枠演出装置45も構成する。
さらに、パチンコ機1の前面側で上皿7の近傍には、2D表示あるいは3D表示に切替可能な切替ボタン15が設けられている。切替ボタン15は遊技者によって操作可能なもので、スイッチ液晶の視差バリア(詳細は後述)を無効にして表示装置41(
図4参照)で2D表示を行う状態と、スイッチ液晶の視差バリアを有効にして表示装置41で3D表示が可能な状態とを切り替え操作可能なものである。ただし、切替ボタン15の操作により3D表示(3D表示可能なモードの意味)に切替えても、演出が2D表示の場合もある。この場合は、視差バリアは無効の状態である。
【0015】
B.遊技盤の前面構成
図2において、符号21は遊技盤20のガイドレールであり、既述したように、遊技盤前面の略円形領域がこのガイドレール21で囲まれることにより遊技領域22が形成されている。
遊技領域22には、
図2に示すように、アウト球流入口23、センターケース24、第1始動入賞口25、普通電動役物(普電)としての第2始動入賞口26、変動入賞装置27、一般入賞口28〜31、普図始動ゲート32、多数の遊技釘(図示省略)などが設けられている。また、遊技盤20の遊技領域22外には、一括表示装置35が設けられている。なお遊技釘は、遊技領域22の上部に飛入した遊技球がこれに当たりながら流下するものであり、センターケース等の取付部分を除いた遊技領域内に複数本植設されている。
【0016】
センターケース24は、遊技盤20の裏側に取り付けられる表示装置41(
図4に示す)の表示部41a(
図2に示す)の前面周囲を囲む部材である。図示省略しているが、このセンターケース24には、演出又は装飾のためのLEDを発光源とするランプ類や、例えば表示装置41における演出表示と協働して演出効果を高める電動役物(モータやソレノイドなどの駆動源によって作動する可動部を有する役物)が設けられている。
なお、演出又は装飾のためのランプ類は、遊技盤20のセンターケース24以外の部分(遊技領域22外でもよい)にも設けられる。なお、遊技盤20(センターケース24含む)に設けられた演出又は装飾のためのランプ類は、盤側の演出機構に相当し、盤装飾装置42(
図6に示す)また、センターケース24に設けられた電動役物は、盤側の演出機構に相当し、盤演出装置44(
図6に示す)を構成する。なお、盤演出装置44を構成する電動役物は、遊技盤20のセンターケース24以外の箇所に設けられてもよい。
【0017】
表示装置41は、例えば液晶表示装置を含んで構成され、通常、変動表示装置と称されるものである。なお、表示装置41の名称としては、同様の機能を持つ部材の呼び名として、例えば特別図柄表示装置、特図表示装置、図柄変動装置、可変図柄表示装置、識別情報変動装置、識別情報変動表示装置など各種あるが、機能が同じものは同一の範疇である。
表示装置41は、数字や文字などの識別情報(特図という)を表示可能な表示部41a(画面)を有し、複数列の特図を表示可能である。例えば、左側と中央と右側に特図を縦3列に表示し、各列において数字や文字等よりなる特図を停止状態で表示(停止表示)したり、あるいは変動状態(例えば、縦方向にスクロールする状態)で表示(即ち、変動表示)したりすることが可能である。
また表示部には、上記特図とは別個に背景画像やキャラクタ画像などの演出用又は情報報知用の画像、或いは、いわゆる普図に相当する画像が表示可能である。なお、特図とは大当りに関連する変動表示ゲームで変動表示される識別情報であり、普図とは普図当り(大当りではない)に関連する変動表示ゲームで変動表示される識別情報である。
また、本実施例では表示装置41は2D表示の他に、3D表示も可能な構成になっている。ここで、2D表示とは従来同様の2次元の平面表示のことをいい、3D表示とは3次元の立体表示を表示装置41の表示部41a(表示部41aを適宜、画面ともいう)に表示することをいう。3D表示のために、表示装置41は視差バリア方式を採用し、視差バリアをスイッチ液晶で有効・無効に切り換えることで、2D又は3Dの表示を可能にしている。なお、2D表示、3D表示の具体的構成や動作などは、実施例の動作説明の部分で詳細に説明する。
【0018】
また始動入賞口25,26は、後述するように特図の始動入賞口として機能する入賞口であり、本例では
図2に示すように上下に並んで配設されている。上側の第1始動入賞口25は常に開口している。下側の第2始動入賞口26は、開閉部材26aを左右両側に有し、これら開閉部材26aが逆ハの字状に開くと入賞可能になり、
図2に示すようにこれら開閉部材26aが閉じていると入賞不可能である。これら始動入賞口25,26は、センターケース24の中央部下方に配置されている。
なお、第2始動入賞口26は普通電動役物(普電)ともいい、普通変動入賞装置に相当する。
また変動入賞装置27は、開閉部材27bによって開閉される大入賞口27aを有する装置(いわゆるアタッカー)である。この大入賞口27aは、後述する大当りになったことを条件として開放されて遊技球が入賞可能となる。
【0019】
前述したように、表示装置41の表示部41a(画面)には、特図とは別に普図の画像も表示しており、普図ゲームについて説明すると、以下の通りである。したがって、表示装置41は普通図柄可変表示装置に相当する。
遊技球が普図始動ゲート32を通過したとき、表示部41a等(表示装置41とは別に独自の普図表示器を配置してもよい)で普図の変動表示による普図の変動表示ゲーム(以下、普図変動表示ゲームという)が行われ、停止した普図が所定の態様(特定表示態様)であれば、普図当りと呼ばれる特典が付与される。
普図当りになると、第2始動入賞口26の一対の開閉部材26aが逆ハの字に開いた開状態に、所定の開放時間だけ一時的に保持される遊技が行われ、遊技球が始動入賞し易くなり、その分、特図の変動表示ゲームの実施回数が増えて大当りになる可能性が増す。
また、上記普図の変動表示ゲーム中に、普図始動ゲート32にさらに遊技球が入賞したときには、後述の一括表示装置35の表示器によって普図始動記憶の保留表示が実行されて、例えば4個まで記憶され、普図の変動表示ゲームの終了後に、その記憶に基づいて上記普図の変動表示ゲームが繰り返される。なお、普図の確率を高確率にすれば、普図当たりしやすくなる。
なお、一括表示装置35の表示器によって表示される普図始動記憶の保留表示は、本普図始動記憶である。一括表示装置35とは別に、飾り普図始動記憶を表示するための独自の普図始動記憶表示器を遊技領域22に配置してもよい
ここで、時短について説明しておくと、以下のようなものである。
時短は「時間短縮」の略で、大当たり終了後、特図や普図の変動時間を通常よりも短縮し、時間効率を高めるとともに、普図当たり確率を高めて普通電動役物(普電)(第2始動入賞口26)の開放(普電の開放時間を通常よりも長くすることも含む)による始動口への入賞のサポートを行うことで、一定の特図の変動表示ゲームの実施回数まで持ち玉(持球数)を減らさずに効率よく特図を変動させる機能である。
【0020】
次に一括表示装置35は、いわゆる普図の表示や特図の表示、さらには特図や普図の始動記憶の保留表示(場合により、特図保留表示、普図保留表示という)や、遊技状態の表示を行うものであり、例えばLEDを発光源とする複数の表示器(例えば、1個の小さなランプよりなる表示器、或いは本特図としての数字等を表示可能な例えば7セグメントの表示器)によって構成される。なお、始動記憶の保留表示(場合により、単に始動記憶表示という)とは、変動表示ゲームが未実施の状態で保留されている始動記憶の数等を報知するための表示であり、一般的には、始動記憶毎にランプ等の点灯によって表示する。即ち、始動記憶が3個有れば、3個のランプを点灯させたり、3個の図形を表示させたりすることによって行われる。
なお、この一括表示装置35の表示器によって表示されるものが本特図や本普図(正式な特図や普図)であるのに対して、前述の変動表示装置41の表示部等で行われる特図や普図の表示は、遊技者向けの演出用のダミー表示である。このため、遊技者から見て特図や普図といえば、このダミー表示の方を指している。なお以下では、このダミー表示であることを強調する場合に、例えば「飾り特図」と表記する。
このように、この一括表示装置35は、遊技者向けのものではなく、遊技盤20の検査などで使用されるものである。例えば、遊技者向けの特図の始動記憶の表示(特図保留表示)は、例えば変動表示装置41の表示部、或いは遊技盤20に設けた複数のランプ(発光部)によって行われる。
【0021】
次に、パチンコ機1の前面枠4及び遊技盤20における照明部について、
図2を参照して説明する。
図2に示すように、遊技盤20には表示領域周縁照明部81とセンターケース照明部82が設けられており、パチンコ機1の前面枠4には盤面外周照明部83と枠照明部84が設けられている。
表示領域周縁照明部81は演出又は装飾のためのLEDを発光源とするランプ類を備え、表示装置41の表示領域の周縁部を取り囲むように配置されている。
センターケース照明部82は演出又は装飾のためのLEDを発光源とするランプ類を備え、遊技盤20のほぼ中央に配置された表示装置41の外側を大きく取り囲むように配置されている。
盤面外周照明部83は演出又は装飾のためのLEDを発光源とするランプ類を備え、遊技盤20の下方でガイドレール21に沿った周辺部を取り囲むように配置されている。
枠照明部84は演出又は装飾のためのLEDを発光源とするランプ類を備え、前面枠4において遊技盤20の周囲を取り囲むように配置されている。
各照明部81乃至84のうちで、枠照明部84が一番面積が大きく、表示領域周縁照明部81が最も面積が小さい。また、各照明部81乃至84は
図2から分かるように、内側から外側に向かって順次、表示装置41を取り囲むような配置スタイルになっている。
見方を変えれば、各照明部84、83、82、81はパチンコ機1の枠側(外側)から内側に向かって順次、表示装置41を取り囲むような配置スタイルになっており、これらの装飾照明を枠側(外側)から内側に向かって順に制御することで、表示装置41に遊技者の注意を惹きつけやすいという有効な演出が可能な構成になっている(詳細は後述)。
なお、各照明部81乃至84の点灯や点滅制御については、詳細を後述する。
これらの各照明部81乃至84は複数の照明群に相当する。
また、各照明部81乃至84のうち、特に表示装置41に一番近い表示領域周縁照明部81については、透明ダーク赤系の素材を含んで構成されている。透明ダーク赤系の素材は、演出又は装飾のためのLEDを発光源とするランプ類の中に含めてのよいし、あるいはランプ類を取り付けるための部材自体に透明ダーク赤系の素材を含ませてもよく、更には、これら両者に透明ダーク赤系の素材を含んで構成してもよい。
表示領域周縁照明部81を透明ダーク赤系の素材を含んで構成した場合、ランプ類の点灯時の明るさと、消灯時の暗さのコントラストを際立たせて、コノトラストを高くできるようになる。
【0022】
C.パチンコ機裏側の構成
次に
図3は、本実施例のパチンコ機1の裏側全体構成を示す図である。
パチンコ機1における裏機構の主要な部品としては、貯留タンク51、誘導路52a、払出ユニット53、カードユニット接続基板54、外部情報端子板55、払出制御装置200、遊技制御装置100、演出制御装置300、及び電源装置500などがある。
【0023】
貯留タンク51は、払出される前の球を予め貯留しておくもので、この貯留タンク51の球数の不足は補給センサ(図示略)によって検出され、不足のときは島設備のシュートと呼ばれる機器から球が補給される。貯留タンク51内の球は誘導路52aにより誘導され、払出モータ222(
図4に示す)を内蔵する払出ユニット(図示略)によって前述の上皿7に排出される。なお払出ユニットは、例えば払出モータ222の回転量に応じた球数の遊技球の排出が可能であり、この払出ユニットによって上皿12に向けて払い出される遊技球は、払出球検出スイッチ215(
図4に示す)によって検出される。
外部情報端子板55はパチンコ機1の各種情報(固有IDを含む)をホールの管理装置140に送る場合の中継端子基板(外部端子基板)としての機能を有するものである。
【0024】
固有IDとは、後述のように、遊技用マイコン101を識別可能な個体識別情報(主基板固有ID)や払出用マイコン201を識別可能な個体識別情報(払出固有ID)を表す概念であり、これらを遊技機の外部に出力するのは、固有IDを外部でチェックして遊技機の正当性を判定するためである。上記の管理装置140は遊技機(パチンコ機1)の外部装置に相当し、固有IDに基づいてパチンコ機1の正当性を外部で判定する機能を有する。
なお、遊技機の正当性を判定する機能を有する外部装置としては、管理装置140に限るものではなく、例えばカードユニット551(
図4参照)に遊技機の正当性を判定する機能を持たせてもよい。その場合は、上述の外部情報端子板55からパチンコ機1の固有IDをカードユニット551に送る構成とする。
また、遊技機の正当性の判定は、管理装置140のみで行う形態、管理装置140とカードユニット551の双方で行う形態、あるいはカードユニット551のみで行う形態の何れであってもよい。
【0025】
ここで、上記の固有IDは遊技制御装置100における演算処理装置(後述の遊技用マイコン101)であることを個別に(ユニークに)識別可能な個体識別情報に相当するが、払出制御装置200における演算処理装置(後述の払出用マイコン201)にも、当該演算処理装置であることを個別に(ユニークに)識別可能な個体識別情報が格納されている。
そこで、本実施例1では必要に応じて遊技用マイコン101を識別可能な個体識別情報を主基板固有ID,払出用マイコン201を識別可能な個体識別情報を払出固有IDと適宜、区別して説明する。
また、遊技用マイコン101を識別可能な個体識別情報に対して、これと区別する概念として、払出用マイコン201を識別可能な個体識別情報を払出個体識別情報という。後述の他の実施例についても同様である。
なお、区別しないで、通常単に固有IDというときは、主基板固有IDを指す。
また、発明概念では、固有IDを「個体識別情報」と称しているが、通常の現場レベルなど一般的な場合は、個体識別情報を固有IDとして称することも多いので、本明細書において、実施例1では、個体識別情報を固有IDとして説明したり、また、明細書及び図面上も固有IDとのバランス上、固有情報あるいは固有識別情報として記述や図示することがある。
【0026】
払出制御装置200は、遊技球の払出(賞球払出と貸球払出の両方)に必要な制御を行うもので、所定のケース内にこの制御機能を実現する回路基板が収納されて構成されている。この払出制御装置200は、
図4に示すように遊技制御装置100から送信される払出制御コマンドに基づき、所定数の遊技球を賞球として上皿7に排出させる賞球払出の制御を行う。また払出制御装置200は、カードユニット551(
図4参照)からのBRDY信号やBRQ信号に基づいて、所定数の遊技球を貸球として上皿7に排出させる貸球払出の制御を行う。
遊技制御装置100は、遊技盤20に配設されているソレノイド等を制御するとともに、他の制御装置に制御情報(コマンド)を送って、遊技の進行を統括的に管理制御するものであり(詳細後述する)、これら制御を行うマイコンを含む回路が形成された基板が、所定のケース内に収納された構成となっている。
【0027】
演出制御装置300は、遊技制御装置100から送信されるコマンドに基づき、前述の変動表示装置や装飾ランプや演出装置やスピーカ12a、12bの制御を行うもので、所定のケース内にこの制御機能を実現する回路基板が収納されて構成されている。
また、カードユニット接続基板54(
図3参照、
図4にも図示)は、パチンコ機1側と球を貸し出すCRユニット(カードユニット551のこと。以下同様)側との配線接続のための基板である。このカードユニット接続基板54での上記配線接続がされていないと、パチンコ機1では遊技球の発射が不可能となるように制御される。
【0028】
なお一般に、パチンコ機の機種交換などの場合には、CRユニットを除くパチンコ機全体を交換するか、或いはパチンコ機の枠側(払出制御装置含む)を残して遊技盤側(遊技盤と遊技制御装置などの主要な制御装置含む)だけを交換する場合もある。ただし、貸球4円であれば、何れも4円のものが使用されるが、例えば貸球1円専用台であれば、遊技盤側も枠側も貸球1円専用のものが使用されることを前提としている。
【0029】
D.制御系の構成
次に、本例のパチンコ機1の制御系について、
図4乃至
図7を参照して説明する。なお図や以下の説明において、「SW」はスイッチを意味する。また、図面では部材の名称が長い場合に図示がしにくくなるので、適宜、短めにして表記(図示)することがある。
パチンコ機1は、制御系の主な構成要素として、遊技制御装置100、払出制御装置200、演出制御装置300、発射制御装置400及び電源装置500を備えている。
【0030】
(遊技制御装置関係)
まず、パチンコ機1の遊技制御装置100の構成と、この遊技制御装置100に接続される機器について、
図4によって説明する。
なお、
図4で矢印に添えて示す信号のうち、「主ID」とは主基板固有ID、「外部情報」とは遊技機状態信号、「賞球信号」とは払出制御装置から賞球として払い出される球数信号、「排出コマンド」とは遊技制御装置からの排出指令コマンド、「各種信号」とは払出制御装置から出される払出異常ステータス信号、シュート球切れスイッチ信号、オーバーフロースイッチ信号、ガラス枠開放スイッチ信号、前面枠開放スイッチ信号などをそれぞれ表す。
また、「外部情報」と「賞球信号」とを合わせて「外部・賞球」とも表す。
遊技制御装置100は、遊技を統括的に制御する主制御装置(主基板)であって、遊技用マイクロコンピュータ(以下、遊技用マイコンと称する)101及び検査装置接続端子102を備えている。遊技用マイコン101の詳細については後述する。
また、遊技用マイコン101は遊技用演算処理装置(演算処理装置)としての機能を有し、本発明の第1の演算処理装置に相当する。
検査装置接続端子102は、例えばフォトカプラを含んで構成され、遊技用マイコン101から得られる各種の遊技情報を検査装置に伝送するためのケーブルが接続される端子である。
【0031】
遊技制御装置100には、第1始動口スイッチ120(
図4では始動口1SW)、第2始動口スイッチ121(
図4では始動口2SW)、ゲートスイッチ122、入賞口スイッチ123、カウントスイッチ124、磁気センサスイッチ125、振動センサスイッチ126、ガラス枠開放検出スイッチ211(ガラス枠開放検出SW)及び前面枠開放検出スイッチ212(前面枠開放検出SW)からの検出信号が入力される。
ここで、第1始動口スイッチ120は前記第1始動入賞口25に入賞した遊技球を1個ずつ検出する入賞球検出用のセンサであり、第2始動口スイッチ121は前記第2始動入賞口26に入賞した遊技球を1個ずつ検出する入賞球検出用のセンサである。
カウントスイッチ124は前記変動入賞装置27の大入賞口に入賞した遊技球を検出する同様のセンサである。また、入賞口スイッチ123は一般入賞口28〜31に対して設けられた同様のセンサであり、一般入賞口がn個あるときには、それぞれに1個ずつ、全体としてn個設けられる。なお、一般入賞口のそれぞれに1個ずつセンサを設けるのではなく、複数の一般入賞口に対して、全体で1個のセンサを設けるようにしてもよい。ゲートスイッチ122は前記普図始動ゲート32を通過する遊技球を1個ずつ検出するセンサである。
これら遊技球を検出する上記各センサ120、121、122、123、124は、本例では近接スイッチであり、ハイレベルが11Vでロウレベルが7Vのような負論理の検出信号を出力するように回路構成されている。
【0032】
また、磁気センサスイッチ125や振動センサスイッチ126は、遊技盤20の裏面等に設けられ、磁気又は振動によって不正を検出するセンサである。
さらに、ガラス枠開放検出スイッチ211はパチンコ機前面のガラス枠5が開放されていることを検出するセンサである。前面枠開放検出スイッチ212はガラス枠5が取り付けられた前面枠4が開放されていることを検出するセンサである。
なお、遊技制御装置100には、上記各センサ120、121、122、123、124、125,126からの信号を処理する近接I/Fが設けられているが、詳細は
図5を用いて後述する。
【0033】
ここで、遊技制御装置100及び該遊技制御装置100によって駆動される後述のソレノイド132、133などの電子部品には、電源装置500で生成されたDC32V,DC12V,DC5Vなど所定のレベルの直流電圧が供給されて動作可能にされる。
電源装置500は、24Vの交流電源から上記DC32Vの直流電圧を生成するAC−DCコンバータやDC32Vの電圧からDC12V,DC5Vなどのより低いレベルの直流電圧を生成するDC−DCコンバータなどを有する通常電源部501と、遊技用マイコン101の内部のRAMに対して停電時に電源電圧を供給するバックアップ電源部502と、停電監視回路を有し遊技制御装置100に停電の発生、回復を知らせる停電監視信号やリセット信号などの制御信号を生成して出力する制御信号生成部503と、遊技用マイコン101の内部のRAMなどを初期化するRAMクリアスイッチ504などを備える。
【0034】
この実施例1では、電源装置500は、遊技制御装置100と別個に構成されているが、バックアップ電源部502及び制御信号生成部503は、別個の基板上あるいは遊技制御装置100と一体、即ち、主基板上に設けるように構成してもよい。遊技盤20及び遊技制御装置100は機種変更の際に交換の対象となるので、このように、電源装置500若しくは主基板とは別の基板にバックアップ電源部502及び制御信号生成部503を設けることにより、機種変更の際の交換の対象から外しコストダウンを図ることができる。
【0035】
上記バックアップ電源部502は、電解コンデンサのような大容量のコンデンサ1つで構成することができる。バックアップ電源は、遊技制御装置100の遊技用マイコン101(特に内蔵RAM)に供給され、停電中あるいは電源遮断後もRAMに記憶されたデータが保持されるようになっている。制御信号生成部503は、例えば通常電源部501で生成された32Vの電圧を監視して、それが例えば17V以下に下がると停電発生を検出して停電監視信号を変化させる(本例ではオンさせる)とともに、所定時間後にリセット信号を出力する。また、電源投入時や停電回復時にもその時点から所定時間経過後にリセット信号を出力する。
【0036】
RAMクリアスイッチ504からは初期化スイッチ信号が出力されるようになっており、初期化スイッチ信号はRAMクリアスイッチ504がオン状態にされたときに生成される信号で、遊技用マイコン101内のユーザワークRAMなどのRAMエリア及び払出制御装置200内の同様のRAMエリアに記憶されている情報を初期化する。
なお本例の場合、初期化スイッチ信号は電源投入時に読み込まれ、停電監視信号は遊技用マイコン101や払出用マイコン201が実行するメインプログラムのメインループの中で繰り返し読み込まれる。リセット信号は、制御システム全体をリセットさせる。
【0037】
次に、遊技制御装置100は、払出制御装置200、演出制御装置300、試射試験装置131(試験機関における試験時に接続される)、普電ソレノイド132、大入賞口ソレノイド133及び一括表示装置35と接続されている。
遊技制御装置100からは外部情報端子板55を介して遊技制御装置100の固有ID、詳しくは遊技用マイコン101を識別可能な個体識別情報(主基板固有ID)及び外部情報が外部装置としての管理装置140に出力されるようになっている。
外部情報端子板55は遊技制御装置100とケーブルで接続されており、外部情報、遊技制御装置100の固有ID(主基板固有ID)を外部装置としての管理装置140に伝送する際の中継を行う。
なお、管理装置140は遊技店に設置された多数のパチンコ機からの情報(例えば、外部情報など)を収集して、営業に必要な情報の演算処理や集計表示などの処理を行う。
【0038】
ここで、外部情報としては、例えば遊技制御装置100に入力された信号を外部へ知らせる信号や、遊技進行の過程で発生する大当りを知らせる大当り信号、図柄を回動させるための条件となる始動口への入賞を知らせる始動口信号、図柄が回動開始、或いは、図柄の回動停止をトリガに図柄回転を知らせる図柄確定回数信号、遊技状態が遊技者に有利な状態であること(いわゆる確変状態、時短状態)を示す特典状態信号、等、外部へ報知する信号であり、これらを総称して遊技機状態信号と称している。
なお、特典状態信号は、大当り状態終了後に発生するため、“大当り状態+遊技者に有利な状態”期間中に出力される信号である。
また、遊技制御装置100からは払出制御装置200に対してパラレル通信でデータ(例えば、払出コマンド)が送信されるようになっている。一方、払出制御装置200から遊技制御装置100に対して、払出異常ステータス信号、シュート球切れスイッチ信号、オーバーフロースイッチ信号が出力される。各信号の内容は後述する。
【0039】
次に、遊技制御装置100に接続されている試射試験装置131などについて説明する。
試射試験装置131は、認定機関が遊技機の試射試験などを行うものである。普電ソレノイド132は第2始動入賞口26の開閉部材を開閉させるソレノイド、大入賞口ソレノイド133は変動入賞装置27の開閉部材を開閉させるソレノイド、一括表示装置35は前述したように、いわゆる普図の表示や特図の表示、さらには特図や普図の始動記憶の保留表示や遊技状態の表示を行うものである。
また、遊技制御装置100からは演出制御装置300に対して、パラレル通信でデータ(例えば、演出コマンド)が送信されるようになっている。
ここで、遊技制御装置100では始動口25,26への入賞を第1始動口スイッチ120、第2始動口スイッチ121でそれぞれ検出して検出信号が入力されると、特図始動入賞数を4個の範囲で記憶して保留するともに、始動入賞の保留に基づく乱数の抽出により保留情報に関する先読みコマンドを生成して所定のタイミングで演出制御装置300へ送信する。また、始動入賞の記憶が保留されたとき、保留数に関する特図保留数コマンドを生成して、同様に演出制御装置300へ送信する。
上記構成の発明概念は、下記のように表される。
遊技制御装置は、
始動入賞口への遊技球の入賞に基づく始動入賞数を所定範囲で保留数として記憶する始動入賞記憶手段と、
前記始動入賞記憶手段によって始動入賞の記憶がされたとき、該記憶に基づく乱数の抽出により記憶情報に関する先読みコマンドを生成する先読みコマンド生成手段と、
前記始動入賞記憶手段によって始動入賞の記憶がされたとき、保留数に関する保留数コマンドを生成する保留数コマンド生成手段と、
備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成の発明を実現する場合、遊技制御装置100は始動入賞記憶手段、先読みコマンド生成手段、保留数コマンド生成手段の機能を実現する。
【0040】
また、実施例1では始動口が2つ(始動口25,26)あるので、特図の始動記憶(特図始動記憶)の表示を2種類(特
図1保留表示と特
図2保留表示)行うようにし、特図変動表示ゲームとして、2種類の変動表示ゲーム(第1変動表示ゲームと第2変動表示ゲーム)を実行する構成である。そして、各始動口25,26への遊技球の入賞に基づいて先読みコマンド、保留数コマンドがそれぞれ別に生成される構成である。例えば、特
図1の先読み保留情報、特
図2の先読み保留情報、特
図1,2の保留数コマンドというように、各始動口25,26に対応して個別に生成される。
上記構成の発明概念は、下記のように表される。
遊技球が入賞可能な始動入賞口は複数配置され、
前記始動入賞記憶手段は、
複数の各始動入賞口へのそれぞれの遊技球の入賞に基づく始動入賞数を保留数1、保留数2として区別して記憶し、
前記先読みコマンド生成手段は、
前記始動入賞記憶手段によって複数の各始動入賞口に対応するそれぞれの始動入賞の記憶がされたとき、該記憶に基づく乱数の抽出により記憶情報に関する先読みコマンドを各始動入賞口毎に区別して生成し、
前記保留数コマンド生成手段は、
前記始動入賞記憶手段によって各始動入賞の記憶がされたとき、保留数1、保留数2に関する保留数コマンドを各始動入賞口毎に区別して生成することを特徴とする遊技機。
【0041】
(演出制御装置関係)
次に、演出制御装置300の構成と、この演出制御装置300に接続される機器について説明する。
演出制御装置300は、主制御用マイコン、該主制御用マイコンの制御下でもっぱら映像制御を行う映像制御用マイコン、表示装置41への映像表示のための画像処理を行うグラフィックプロセッサとしてのVDP、各種のメロディや効果音などの出力を制御する音源LSIなどを有しているが、細かい構成については、
図6で後述する。
演出制御装置300は遊技制御装置100の遊技用マイコン101からの制御コマンド(8ビットのデータ信号)を解析し、演出内容を決定して表示装置41の出力映像の内容を制御したり、音源LSIへの再生音の指示をしてスピーカ12a、12bを駆動して効果音等を出したり、前述した装飾LED301の駆動制御などの処理を実行する。また、演出制御装置300は遊技制御装置100からエラー報知の指示を受けると、エラー報知LED302に対して信号を出力してオンさせる。
ここで、遊技制御装置100の遊技用マイコン101から演出制御装置300へ送信されるコマンドには、単独コマンド(例えば、停止コマンド)の他に、単独では演出を開始せず、組で効果を発揮するものがあるが、それは例えば特図変動開始時の「変動パターンコマンド+図柄指定コマンド」などであるが、コマンドの種類の詳細などについては後述する。
【0042】
上記の他に主要なコマンドを説明すると、確率情報コマンドがある。これは、確率変動判定フラグに対応して準備されるもので(後述のステップS934参照)、そのときの確率状態を反映するフラグである。
なお、遊技制御装置100から送信した確率情報コマンドを、例えば演出制御装置300が受信しても、そのコマンドだけでは直ちに表示装置41の画面が変化するわけではなく、画面を演出するための内部的なパラメータの変更をするだけである。その後、画面を変化するコマンド(変動系、客待ちデモコマンドなど)を受信すると、その時の確率状態として反映する構成である。
また、大当り中は低確率と決まっているので、確率情報コマンドを受けなくとも大当り系コマンドを受信すると、内部パラメータを強制的に低確率に書き換える場合もある。
確率情報コマンドで分かる情報としては、例えば以下のようなものがある。
・「低確率・時短あり(所謂100回転の時短中を指す)」
・「高確率・時短あり(所謂確変中)」
・「低確率・時短なし」
ここで、遊技機(パチンコ機1)における「確率の情報」とは「確変か否か」だけでなく、「時短中か否か」という情報も含んでいる。遊技機の状態としては「低確率・時短なし」、「低確率・時短あり」、「高確率・時短あり」、「高確率・時短なし」の4種類がある。本実施例では上記のうちの3種類(「高確率・時短なし」を除く)を使用しており、各状態の変化するタイミングで遊技制御装置100から送信される。
なお、コマンド通信はパラレル通信方式でもよいし、あるいはシリアル通信方式でもよい。本実施例では、コマンド通信としてパラレル通信方式を採用している。
【0043】
(払出制御装置関係)
次に、払出制御装置200の構成と、この払出制御装置200に接続される機器について説明する。
払出制御装置200は、遊技球の払出(賞球払出又は貸球払出)を制御する払出用マイクロコンピュータ(以下、払出用マイコンと称する)201、エラーナンバー表示器202、エラー解除スイッチ203、検査装置接続端子204を備えている。払出用マイコン201の詳細については後述する。
なお、払出用マイコン201は払出用演算処理装置(演算処理装置)としての機能を有し、本発明の第2の演算処理装置に相当する。
検査装置接続端子204は、例えばフォトカプラを含んで構成され、払出用マイコン201から得られる払い出しに関連する各種の情報を検査装置に伝送するためのケーブルが接続される端子である。エラーナンバー表示器202は払出制御の処理でエラーがある場合に、エラーの内容に応じて特定のナンバーを点灯させる。エラー解除スイッチ203は払出制御の処理でエラーがあって処理が停止した場合などに、操作されるとエラーを解除する信号を出すものである。
【0044】
払出制御装置200の入力側に接続される機器としては、オーバーフロースイッチ213、電波検知センサ214、払出球検出スイッチ215及びシュート球切れスイッチ216がある。
オーバーフロースイッチ213は下皿10の遊技球が過剰であることを検出するスイッチ、電波検知センサ214は不正などの異常な電波を検知するセンサ、払出球検出スイッチ215は払出ユニット53(
図3)によって上皿7に向けて払い出される遊技球(賞球あるいは貸球)を1個ずつ検出するスイッチ、シュート球切れスイッチ216は貯留タンク51に遊技球を供給するシュートに遊技球が無いことを検出するスイッチである。
【0045】
また、払出制御装置200の出力側に接続される機器としては、払出モータ222、カードユニット接続基板54、発射制御装置400及び外部情報端子板55がある。
払出制御装置200は、遊技制御装置100からの信号(払出制御コマンド)に従って、払出ユニット53の払出モータ222を駆動させ、賞球を払い出させるための制御を行う。また、払出制御装置200は、カードユニット接続基板54に接続されているカードユニット(CRユニット)551からのBRQ信号(貸出要求信号)等に基づいて払出モータ222を駆動させ、貸球を払い出させるための制御を行う。
また、カードユニット接続基板54には操作パネル基板552が接続されており、操作パネル基板552はパチンコ機1に設けられている球貸可LED、残高表示器、球貸スイッチ、返却スイッチ(何れも図示略)などが接続されている。操作パネル基板552は球貸可LED、残高表示器などの信号をカードユニット(CRユニット)551から受け取るとともに、球貸スイッチ、返却スイッチからの操作信号をカードユニット(CRユニット)551に送り、貸球の払い出しに必要な制御が行われる。
なお図示省略しているが、この払出制御装置200のRAMエリアにも、停電時に電源装置500からバックアップ電源が供給される構成となっている。
【0046】
払出制御装置200は、遊技制御装置100から受信した払出コマンドに基づいて作成した賞球信号(賞球として払い出した球数情報)を外部情報端子板55を介して外部装置としての管理装置140に出力するとともに、払出制御装置200の固有ID、詳しくは払出用マイコン201を識別可能な個体識別情報(払出固有ID)を外部情報端子板55を介して管理装置140に出力する。
なお、カードユニット551にて払出固有IDの正当性を判定する場合には、外部情報端子板55を介して払出固有IDをカードユニット551に出力する構成とする。
外部情報端子板55は払出制御装置200とケーブルで接続されており、賞球信号、払出制御装置200の固有ID(払出固有ID)を外部装置としての管理装置140に伝送する際の中継を行う。
【0047】
発射制御装置400は払出制御装置200から必要な電源の供給を受けるとともに、発射許可信号、停電検出信号を受けるようになっている。発射制御装置400は発射操作ハンドル11の操作に従って遊技球を発射する発射モータ401を制御するとともに、発射制御装置400にはタッチスイッチ402や発射停止スイッチ403からの信号が入力されている。タッチスイッチ402は遊技者が発射操作ハンドル11にタッチしているか否かを検出するものであり、発射停止スイッチ403は遊技球の発射を一時的に停止するもので、遊技者によって操作されるものである。
【0048】
次に、遊技制御装置100の詳細な構成について、
図5によって説明する。
遊技制御装置100は、遊技を統括的に制御する主制御装置であって、主基板(つまり主基板に形成された回路)に相当し、具体的には
図5に示す回路よりなる。この遊技制御装置100は、
図5に示すように、遊技用マイクロコンピュータ(つまり、遊技用マイコン)101を有するCPU部150、入力ポートなどを有する入力部151、出力ポートなどを有する出力部152、CPU部150と入力部151と出力部152との間を接続するデータバス153などからなる。
【0049】
上記CPU部150は、アミューズメントチップ(IC)と呼ばれる遊技用マイコン101と、後述する近接I/F163からの信号(始動入賞検出信号)を論理反転して遊技用マイコン101に入力させるインバータなどからなる反転回路112と、水晶振動子のような発振子を備え、CPUの動作クロックやタイマ割込み、乱数生成回路の基準となるクロックを生成する発振回路113などを有する。
遊技用マイコン101は、CPU(中央処理ユニット:マイクロプロセッサ)101A、読出し専用のROM(リードオンリメモリ)101B及び随時読出し書込み可能なRAM(ランダムアクセスメモリ)101Cを備える。
【0050】
ROM101Bは、遊技制御のための不変の情報(プログラム、固定データ、各種乱数の判定値等)を不揮発的に記憶し、RAM101Cは、遊技制御時にCPU101Aの作業領域や各種信号や乱数値の記憶領域として利用される。ROM101B又はRAM101Cとして、EEPROMのような電気的に書換え可能な不揮発性メモリを用いてもよい。
【0051】
CPU101Aは、ROM101B内の遊技制御用プログラムを実行して、払出制御装置200や演出制御装置300に対する制御信号(コマンド)を生成したり、後述のソレノイド72,73や一括表示装置35の駆動信号を生成したりしてパチンコ機1全体の制御を行う。
また、図示しないが、遊技用マイコン101は、特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数や大当りの図柄を決定するための大当り図柄用乱数、普図変動表示ゲームの当り判定用乱数等をハード的に生成するための乱数生成回路と、発振回路113からの発振信号(原クロック信号)に基づいてCPU101Aに対する所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号や乱数生成回路の更新タイミングを与えるクロックを生成するクロックジェネレータと、を備えている。
【0052】
ここで、遊技制御装置100及び該遊技制御装置100によって駆動される後述のソレノイド72,73などの電子部品には、電源装置500で生成されたDC32V,DC12V,DC5Vなど所定のレベルの直流電圧が供給されて動作可能にされる。
電源装置500は、24Vの交流電源から上記DC32Vの直流電圧を生成するAC−DCコンバータやDC32Vの電圧からDC12V,DC5Vなどのより低いレベルの直流電圧を生成するDC−DCコンバータなどを有する通常電源部501と、遊技用マイコン101の内部のRAMに対して停電時に電源電圧を供給するバックアップ電源部502と、停電監視回路や初期化スイッチを有し遊技制御装置100に停電の発生、回復を知らせる停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号などの制御信号を生成して出力する制御信号生成部503などを備える。
【0053】
この実施形態では、電源装置500は、遊技制御装置100と別個に構成されているが、バックアップ電源部502及び制御信号生成部503は、別個の基板上あるいは遊技制御装置100と一体、即ち、主基板上に設けるように構成してもよい。但し、遊技盤20及び遊技制御装置100は機種変更の際に交換の対象となるので、このように、電源装置500若しくは主基板とは別の基板にバックアップ電源部502及び制御信号生成部503を設けることにより、機種変更の際の交換の対象から外しコストダウンを図ることができる。
【0054】
上記バックアップ電源部502は、電解コンデンサのような大容量のコンデンサ1つで構成することができる。バックアップ電源は、遊技制御装置100の遊技用マイコン101(特に内蔵RAM101C)に供給され、停電中あるいは電源遮断後もRAMに記憶されたデータが保持されるようになっている。制御信号生成部503は、例えば通常電源部501で生成された32Vの電圧を監視してそれが例えば17V以下に下がると、停電発生を検出したとして停電監視信号を変化させる(例えば、オンさせる)とともに、所定時間後にリセット信号を出力する。また、電源投入時や停電回復時にもその時点から所定時間経過後にリセット信号を出力する。
【0055】
初期化スイッチ信号は、RAMクリアスイッチ504(初期化スイッチ)(
図4参照)がオン状態にされたときに生成される信号で、遊技用マイコン101内のRAM101C及び払出制御装置200内のRAMに記憶されている情報を強制的に初期化する。なお本例の場合、初期化スイッチ信号は電源投入時に読み込まれ、停電監視信号は遊技用マイコン101が実行するメインプログラムのメインループの中で繰り返し読み込まれる。リセット信号は、制御システム全体をリセットさせる。
【0056】
次に、遊技制御装置100の入力部151には、入力ポートとして、第1入力ポート161と第2入力ポート162が設けられている。この入力部151には、第1始動口スイッチ120、第2始動口スイッチ121、ゲートスイッチ122、入賞口スイッチ123、カウントスイッチ124、磁気センサスイッチ125、振動センサスイッチ126、ガラス枠開放検出スイッチ127及び前面枠開放検出スイッチ128からの検出信号が入力される。
入力部151には、これらの各スイッチ120〜124から入力される検出信号を0V−5Vの正論理の信号に変換するインタフェースチップ(近接I/F)163が設けられている。近接I/F163は、入力の範囲が7V−11Vとされることで、近接スイッチ(上記各スイッチ120〜124)のリード線が不正にショートされたり、スイッチがコネクタから外されたり、リード線が切断されてフローティングになったような異常状態を検出でき、このような異常状態を検出すると異常検知信号を出力する構成とされている。また近接I/F163には、前記のような信号レベル変換機能を可能にするため、電源装置400から通常のICの動作に必要な例えば5Vのような電圧の他に、12Vの電圧が供給されている。
【0057】
ここで、近接I/F163の出力(異常検知信号除く)はすべて第2入力ポート162へ供給されデータバス153を介して遊技用マイコン101に読み込まれるとともに、主基板としての遊技制御装置100から中継基板170を介して試射試験装置131へ供給されるようになっている。
また、近接I/F163の出力のうち第1始動口スイッチ120と第2始動口スイッチ121の検出信号は、第2入力ポート162の他、反転回路112を介して遊技用マイコン101へ入力されるように構成されている。反転回路112を設けているのは、遊技用マイコン101の信号入力端子が、マイクロスイッチなどからの信号が入力されることを想定し、かつ負論理、即ち、ロウレベル(0V)を有効レベルとして検知するように設計されているためである。
【0058】
また、第2入力ポート162には、磁気センサスイッチ125、振動センサスイッチ126からの検出信号も入力されている。第2入力ポート162が保持しているデータは、遊技用マイコン101が第2入力ポート162に割り当てられているアドレスをデコードすることによりイネーブル信号CE1をアサート(有効レベルに変化)することよって、読み出すことができる(他のポートも同様)。第1入力ポート161のイネーブル信号はCE2である。
【0059】
一方、第1入力ポート161には、ガラス枠開放検出スイッチ211や前面枠開放検出スイッチ212からの信号、及び払出制御装置200からの信号が入力されている。そしてこれら信号は、第1入力ポート161からデータバス153を介して遊技用マイコン101に供給されている。払出制御装置200からの信号には、払出異常を示すステータス信号、払出し前の遊技球の不足を示すシュート球切れスイッチ信号、オーバーフローを示すオーバーフロースイッチ信号がある。オーバーフロースイッチ信号は、下皿10に遊技球が所定量以上貯留されていること(満杯になったこと)を検出したときに出力される信号である。
【0060】
また入力部151には、電源装置500からの停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号などの信号を遊技用マイコン101等に入力するためのシュミットトリガ回路164が設けられており、シュミットトリガ回路164はこれらの入力信号からノイズを除去する機能を有する。電源装置500からの信号のうち停電監視信号と初期化スイッチ信号は、一旦第1入力ポート161に入力され、データバス153を介して遊技用マイコン101に取り込まれる。つまり、前述の各種スイッチからの信号と同等の信号として扱われる。遊技用マイコン101に設けられている外部からの信号を受ける端子の数には制約があるためである。
【0061】
一方、シュミットトリガ回路164によりノイズ除去されたリセット信号RSTは、遊技用マイコン101に設けられているリセット端子に直接入力されるとともに、出力部152の各ポート(後述するポート171,172,175,176,177)に供給される。また、リセット信号RSTは出力部152を介さずに直接中継基板170に出力することで、試射試験装置へ出力するために中継基板170のポート(図示省略)に保持される試射試験信号をオフするように構成されている。
また、リセット信号RSTを中継基板170を介して試射試験装置へ出力可能に構成するようにしてもよい。なお、リセット信号RSTは入力部151の各入力ポート161,162には供給されない。リセット信号RSTが入る直前に遊技用マイコン101によって出力部152の各ポートに設定されたデータはシステムの誤動作を防止するためリセットする必要があるが、リセット信号RSTが入る直前に入力部151の各ポートから遊技用マイコン101が読み込んだデータは、遊技用マイコン101のリセットによって廃棄されるためである。
【0062】
次に、遊技制御装置100の出力部152は、データバス153に接続された出力ポートとして、第1ポート171、第2ポート172、第3ポート175、第4ポート176、及び第5ポート177を備える。なお、技制御装置100から払出制御装置200及び演出制御装置300へは、上記ポート171,172を介してパラレル通信でデータが送信される。
第1ポート171は、払出制御装置200へ出力する4ビットのデータ信号(例えば、賞球払出しのコマンドやデータ)と、このデータ信号の有効/無効を示す制御信号(データストローブ信号)と、バッファ173を介して演出制御装置300へ出力するデータストローブ信号SSTBとを生成する。
第2ポート172は、演出制御装置300へ出力する8ビットのデータ信号を生成する。
なおバッファ173は、演出制御装置300の側から遊技制御装置100へ信号を入力できないようにするため、即ち、片方向通信を担保するために、第1ポート171からの上記データストローブ信号SSTB及び第2ポート172からの8ビットのデータ信号を出力する単方向のバッファである。なお、第1ポート171から払出制御装置200へ出力する信号に対しても同様のバッファを設けるようにしてもよい。
【0063】
第3ポート175は、変動入賞装置27の開閉部材27bを開閉させるソレノイド(大入賞口ソレノイド)72や第2始動入賞口26の開閉部材26aを開閉させるソレノイド(普電ソレノイド)73の開閉データと、一括表示装置35のLEDのカソード端子が接続されているデジット線のオン/オフデータを出力するための出力ポートである。
第4ポート176は、一括表示装置35に表示する内容に応じてLEDのアノード端子が接続されているセグメント線のオン/オフデータを出力するための出力ポートである。
また第5ポート177は、大当り情報などパチンコ機1に関する情報を外部情報信号(
図4に示す外部情報)として外部情報端子板55へ出力するための出力ポートである。なお、外部情報端子板55から出力された情報は、例えば遊技店に設置された情報収集端末や管理装置140に供給される。また、外部情報端子板55にはフォトリレー55aが内蔵されており、このフォトリレー55aを介して外部情報、遊技制御装置100の固有ID(主基板固有ID)、払出制御装置200の固有ID(払出固有ID)が外部装置としての管理装置140に伝送される。なお、フォトカプラでは極性があるので、接続に注意する必要があるが、上記のようにフォトリレー55aを用いれば極性が不要となり、便利であるという利点がある。
なお、カードユニット551にて払出固有IDの正当性を判定する場合には、外部情報端子板55を介して払出固有IDをカードユニット551に出力する構成とする。
【0064】
なお出力部152には、データバス153に接続され図示しない認定機関の試射試験装置へ変動表示ゲームの特図図柄情報を知らせるデータや大当りの確率状態を示す信号などを中継基板170を介して出力するバッファ174が実装可能に構成されている。このバッファ174は遊技店に設置される実機(量産販売品)としてのパチンコ機1の遊技制御装置100(主基板)には実装されない部品である。なお、前記近接I/F163から出力される始動口SWなど加工の必要のないスイッチの検出信号は、バッファ174を通さずに中継基板170を介して試射試験装置へ供給される。
【0065】
一方、磁気センサスイッチ125や振動センサスイッチ126のようにそのままでは試射試験装置へ供給できない検出信号は、一旦遊技用マイコン101に取り込まれて他の信号若しくは情報に加工されて、例えば遊技機が遊技制御できない状態であることを示すエラー信号としてデータバス153からバッファ174、中継基板170を介して試射試験装置へ供給される。なお、中継基板170には、上記バッファ174から出力された信号を取り込んで試射試験装置へ供給するポートや、バッファを介さないスイッチの検出信号の信号線を中継して伝達するコネクタなどが設けられている。中継基板170上のポートには、遊技用マイコン101から出力されるチップイネーブル信号CEも供給され、該信号CEにより選択制御されたポートの信号が試射試験装置へ供給されるようになっている。
【0066】
また出力部152には、複数の駆動回路(第1ドライバ178a〜第4ドライバ178d)が設けられている。第1ドライバ178aは、第3ポート175から出力される大入賞口ソレノイド72や普電ソレノイド73の開閉データ信号を受けて、それぞれのソレノイド駆動信号を生成し出力する。第2ドライバ178bは、第3ポート175から出力される一括表示装置35の電流引き込み側のデジット線のオン/オフ駆動信号を出力する。第3ドライバ178cは、第4ポート176から出力される一括表示装置35の電流供給側のセグメント線のオン/オフ駆動信号を出力する。また第4ドライバ178dは、第5ポート177から管理装置等の外部装置へ供給する外部情報信号を外部情報端子板55へ出力するものである。
【0067】
なお、第1ドライバ178aには、32Vで動作する各ソレノイド72,73を駆動できるようにするため、電源電圧としてDC32Vが電源装置500から供給される。また、前記セグメント線を駆動する第3ドライバ178cには、DC12Vが供給される。また前記デジット線を駆動する第2ドライバ178bは、表示データに応じたデジット線を電流で引き抜くためのものであるため、電源電圧は12V又は5Vのいずれであってもよい。なお一括表示装置35は、12Vを出力する第3ドライバ178cにより前記セグメント線を介して所定のLEDのアノード端子に電流が流し込まれ、接地電位を出力する第2ドライバ178bにより所定のLEDのカソード端子からセグメント線を介して電流が引き抜かれることで、ダイナミック駆動方式で順次選択されたLEDに電源電圧が流れて所定のLEDが点灯する。また第4ドライバ178dは、外部情報信号に12Vのレベルを与えるため、DC12Vが供給される。
【0068】
さらに、出力部152には、外部の検査装置180へ各遊技機の識別コードやプログラムなどの情報を送信するためのフォトカプラ179が設けられている。フォトカプラ179は、遊技用マイコン101が検査装置180との間でシリアル通信によってデータの送受信を行なえるように双方通信可能に構成されている。なお、かかるデータの送受信は、通常の汎用マイクロプロセッサと同様に遊技用マイコン101が有するシリアル通信端子を利用して行なわれるため、入力ポート161,162のようなポートは設けられていない。
【0069】
次に、演出制御装置300の構成と、この演出制御装置300に接続される機器について、
図6によって詳細に説明する。
本実施例では、演出制御装置300は表示状態変更手段、演出制御手段、装飾演出制御手段、音制御手段、シャッタ役物制御手段を構成する。
演出制御装置300は、遊技用マイコン101と同様にアミューズメントチップ(IC)からなる主制御用マイコン(1stCPU)311と、該1stCPU311からのコマンドやデータに従って表示装置41への映像表示のための画像処理を行うグラフィックプロセッサとしてのVDP(Video Display Processor)312と、各種のメロディや効果音などをスピーカ12a,12bから再生させるため音の出力を制御する音源LSI313とを備えている。
ここで、主制御用マイコン(1stCPU)311の他に、該1stCPU311の制御下でもっぱら映像制御を行う映像制御用マイコン(2ndCPU)を配置し、2つのCPUを備え、VDPは該2ndCPU312からのコマンドやデータに従って表示装置41への映像表示のための画像処理を行うという構成も考えられるが、本実施例では、高性能化した1stCPU311のみを備え、配置スペースやコストの点で有利にしている。
なお、主制御用マイコン(1stCPU)と、該1stCPUの制御下でもっぱら映像制御を行う映像制御用マイコン(2ndCPU)の2つを配置する構成を採用してもよい。
【0070】
上記主制御用マイコン(1stCPU)311には、CPUが実行するプログラムを格納したPROM(プログラマブルリードオンリメモリ)321やRTC(real time clock)325が接続されるとともに、VDP312が接続される。
RTC325は時刻を刻むクロック素子であり、設定により実時刻に合わせることが可能であり、そのクロック信号は主制御用マイコン311に送られる、主制御用マイコン311はRTC325からの信号を用いて、例えば遊技店のイベント告知や特殊演出など時刻に関した演出制御が可能になっている。
一方、VDP312にはキャラクタ画像や映像データが記憶された画像ROM322が接続され、音源LSI313には音声データが記憶された音声ROM323が接続されている。なお、画像ROM322には映像データとして複数の動画(ムービー)が格納されている。
主制御用マイコン311は、遊技制御装置100の遊技用マイコン101からの制御コマンド(前記第2ポート172から出力される8ビットのデータ信号)を解析し、演出内容を決定して表示装置41の出力映像の内容を指示したり、音源LSI313への再生音の指示、前述した装飾装置42、43や演出装置44、45の駆動制御などの処理を実行する。
なお、前述した照明部81乃至照明部84のうち、枠照明部84は枠側の演出機構に相当し、枠装飾装置43に含まれる。また、盤面外周照明部83、センターケース照明部82及び表示領域周縁照明部81は盤側の演出機構に相当し、盤装飾装置42に含まれる。
【0071】
例えば、変動表示ゲームを実行する際には、遊技制御装置100から停止図柄の組み合わせ(結果態様)のデータと、リーチ系統(或いは変動時間)のデータとを含むコマンド(例えば後述する変動パターンコマンド)が、演出制御装置300に送信される構成となっており、これを受けた主制御用マイコン311は、この停止態様と変動時間を満足する変動態様を選択して、VDP312を介して表示装置41に所定の特図を変動表示させて最終的に特定の図柄の組み合わせ(結果態様)を導出表示させる特図変動表示ゲームの制御を行う構成となっている。
なお、演出制御装置300の制御で実際に実施される特図の変動表示等の態様は、遊技制御装置100からのコマンドによって一義的に決定されてもよいが、上記コマンドで与えられた条件の範囲で、演出制御装置300の主制御用マイコン311が乱数抽出などによって態様を最終的に選択する構成(演出制御装置300にも態様を選択する、ある程度の裁量が与えられた構成)となっている。
【0072】
ここで、主制御用マイコン311の作業領域を提供するRAM311aは、チップ内部に設けられている。なお、作業領域を提供するRAM311aはチップ外部に設けるようにしてもよい。
また、特に限定されるわけではないが、主制御用マイコン311と音源LSI313との間は、シリアル方式でデータの送受信が行なわれ、主制御用マイコン311とVDP312との間は、パラレル方式でデータの送受信が行なわれるように構成されている。一般には、パラレル方式でデータを送受信することで、シリアルの場合よりも短時間にコマンドやデータを送信することができる。
VDP312には、画像ROM322から読み出されたキャラクタなどの画像データを展開したり加工したりするのに使用される超高速なVRAM(ビデオRAM)312aや、画像を拡大、縮小処理するためのスケーラ312b、LVDS(小振幅信号伝送)方式で表示装置41へ送信する映像信号を生成する信号変換回路312cなどが設けられている。
【0073】
ここで、表示装置41はVDP312に接続されるとともに、主制御用マイコン311にも接続されている。表示装置41は液晶表示器701、スイッチ液晶702及びバックライト703を含んで構成されている。液晶表示器701は光の3原色の発光体の組み合せで構成される多数の画素(ピクセル)を有し、VDP312からの信号に基づいて変動表示ゲーム等の遊技に必要な画像を表示する。バックライト703は液晶表示器701及びスイッチ液晶702の背面(表示装置41の画面の後方側)から、これらを照明するものである。スイッチ液晶702は視差バリア702B(後述の
図101参照)を有し、この視差バリア702Bを電気的にコントロールすることで、液晶表示器701の画面を立体表示可能な状態と平面表示状態とに切り替えることが可能なものである。
なお、スイッチ液晶702は主制御用マイコン311と接続され、主制御用マイコン311からの信号に基づいてコントロールされる構成である。
また、表示装置41の前面側に例えばシャッタ役物機構を配置する構成の場合には、シャッタ役物機構は演出制御装置300の主制御用マイコン311からの信号に基づいてシャッタの開閉が制御される(詳細は後述)。
【0074】
VDP312から主制御用マイコン311へは表示装置41の映像とガラス枠5や遊技盤20に設けられているランプ類の点灯を同期させるために垂直同期信号VSYNCが入力される。さらに、VDP312から主制御用マイコン311へは、VRAMへの描画の終了等処理状況を知らせるため割込み信号INT0〜nと、主制御用マイコン311からのコマンドやデータの受信待ちの状態にあることを知らせるためのウェイト信号WAITと、が入力される。また、主制御用マイコン311と音源LSI313との間は、ハンドシェイク方式でコマンドやデータの送受信を行うために、呼び掛け(コール)信号CTSと応答(レスポンス)信号RTSが交換される。
【0075】
また、演出制御装置300には、遊技制御装置100の遊技用マイコン101から送信されてくるコマンド(前記第2ポート172から出力される8ビットのデータ信号)を受信するインタフェースチップ(コマンドI/F)331が設けられている。このコマンドI/F331を介して、上記遊技用マイコン101からの制御コマンド、例えば飾り特図保留数コマンド、特図種別・図柄情報コマンド、変動パターン乱数コマンド、客待ちデモコマンド、変動パターンコマンド、及びファンファーレコマンド等を、主制御用マイコン311が受信する。
なお、遊技制御装置100の遊技用マイコン101から送信されてくるコマンドは、必要に応じて主制御用マイコン311に内蔵されて作業領域を提供するRAM311aに記憶される。
この場合、上記コマンドはRAM311aのコマンド記憶領域のようなエリアに記憶される。詳しくは、遊技制御装置100から演出制御装置300へ送られるコマンドのうち、例えば組となる変動パターンコマンド及び図柄コマンドが順次送信される場合、これらのコマンドはRAM311aの記憶エリアのうち、コマンド記憶領域に順次記憶保持され、組が成立した時点でコマンド記憶領域から読みだされて主制御用マイコン311が演出処理を実行するようになっている。なお、コマンド記憶領域は、第1コマンド記憶領域及び第2コマンド記憶領域に分けた構成でもよい。
また、先に送られる変動パターンコマンドを受信した時点で、演出制御装置300では主制御用マイコン311のRAM311aの演出に関する記憶領域をデフォルト値(例えば、はずれ図柄での図柄停止状態)に設定する動作が行われるようになっている。
上記の「演出に関する記憶領域」はデフォルト値を設定するエリアであり、コマンド記憶領域とは別になっている。
【0076】
また、遊技制御装置100の遊技用マイコン101から送信されてくるコマンドを受信したり、解析するために、主制御用マイコン311に内蔵されて作業領域を提供するRAM311aには、受信コマンドバッファ(以下、適宜、受信バッファと短く表記することがある)及び解析データ格納領域が設けられている。
受信バッファは受信コマンドを順番に格納していくもので、リングバッファ形式のものが使用されている。
ここで、リングバッファとは、一定のメモリ領域をリング状のメモリ領域に見えるように制御される一時的にデータを蓄えるための領域のことであり、このようなリングバッファを使用することで、送信処理と受信処理を別々に行うことが可能となり、また、データの取りこぼし防止と、コマンド受信処理の渋滞回避などのためにも有効である。
一方、解析データ格納領域は受信バッファに格納されているコマンドのうち、所定数のコマンドが複写により格納されるもので、先入れ先出し処理を行うFIFO(First-in-First-out)形式のものが使用されている。
ここで、FIFOとは、データの格納と取り出しに関する方式のひとつで、最初に格納したデータから先に取り出していく方式(つまり、先入れ先出し)のことである。
FIFOを用いれば、高速な通信処理が可能な他、通信とデータの読み出しが非同期に行える利点がある。
上記受信コマンドバッファは、受信バッファ手段に相当し、解析データ格納領域は解析データ格納手段に相当する。
遊技制御装置100の遊技用マイコン101はDC5Vで動作し、演出制御装置300の主制御用マイコン311はDC3.3Vで動作するため、コマンドI/F331には信号のレベル変換の機能が設けられている。
【0077】
さらに、演出制御装置300には、前述の盤装飾装置42のLEDを駆動制御する盤装飾LED制御回路332、前述の枠装飾装置43のLEDを駆動制御する枠装飾LED制御回路333、前述の盤演出装置44のモータやソレノイドを駆動制御する盤演出モータ/SOL制御回路334、前述の枠演出装置45のモータ(例えば前記ムービングライト14を動作させるモータ等)を駆動制御する枠演出モータ制御回路335が設けられている。これらの制御回路332〜335は、アドレス/データバス340を介して主制御用マイコン(1stCPU)311と接続されている。なお、盤装飾装置42や枠装飾装置43の発光源として、LED以外の発光源が使用されてもよい。
なお、前述した照明部81乃至照明部84のうち、枠照明部84は枠側の演出機構に相当し、枠装飾装置43に含まれるので、枠装飾LED制御回路333によって駆動制御される。一方、盤面外周照明部83、センターケース照明部82及び表示領域周縁照明部81は盤側の演出機構に相当し、盤装飾装置42に含まれるので、盤装飾LED制御回路332によって駆動制御される。
また、表示装置41の前面側に例えばシャッタ役物機構を配置する構成の場合には、シャッタ役物機構は演出制御装置300の主制御用マイコン311からの信号に基づいてシャッタの開閉が制御されることになるが、その場合におけるシャッタの開閉駆動は、盤演出装置44のモータやソレノイドを駆動制御する盤演出モータ/SOL制御回路334によって制御される。
【0078】
また、演出制御装置300には、ガラス枠5に設けられた演出ボタン9に内蔵されている演出ボタンSW46、上記盤演出装置44内のモータの初期位置を検出する演出モータSW47、2D表示あるいは3D表示に切替操作可能な切替ボタン15に内蔵されている切替ボタンSW48の各オン/オフ状態を検出して主制御用マイコン311へ検出信号を入力するSW入力回路336、ガラス枠5に設けられた上スピーカ12aを駆動するオーディオパワーアンプなどからなるアンプ回路337a、操作パネル6に設けられた下スピーカ12bを駆動するアンプ回路337bが設けられている。
【0079】
電源装置500の通常電源部501は、上記のような構成を有する演出制御装置300やそれによって制御される電子部品に対して所望のレベルの直流電圧を供給するため、モータやソレノイドを駆動するためのDC32V、液晶パネルからなる表示装置41を駆動するためのDC12V、コマンドI/F331の電源電圧となるDC5Vの他に、前述のLEDやスピーカ12a,12bを駆動するためのDC18Vやこれらの直流電圧の基準としたり、電源モニタランプを点灯させるのに使用するNDC24Vの電圧を生成するように構成されている。さらに、主制御用マイコン(1stCPU)311として、3.3Vあるいは1.2Vのような低電圧で動作するLSIを使用する場合には、DC5Vに基づいてDC3.3VやDC1.2Vを生成するためのDC−DCコンバータが演出制御装置300に設けられる。なお、DC−DCコンバータは通常電源部501に設けるようにしてもよい。
【0080】
電源装置500の制御信号生成部503により生成されたリセット信号RSTは、主制御用マイコン311、VDP312、音源LSI313、前述の制御回路332〜335、アンプ回路337a、337bに供給され、これらをリセット状態にする。また、この実施例においては、主制御用マイコン311の有する汎用のポートを利用して、VDP312に対するリセット信号を生成して供給する機能を有するように構成されている。これにより、主制御用マイコン311とVDP312の動作の連携性を向上させることができる。
【0081】
なお本例の場合、上記演出制御装置300を構成する回路基板が、サブ制御基板に相当する。そして、以上説明したように、表示装置41を制御する演出制御装置300(サブ制御基板)がスピーカやランプ類や装飾用の可動部などを制御しており、遊技制御装置100を構成する後述の主基板は、サブ制御基板へ制御コマンドを送ることで前記可動部などを間接的に制御している。このため、主基板の配線パターンなどのハード構成は機種が異なっても基本的に同じであり、遊技機用マイコン101に機種毎の遊技プログラムをインストールすることによって、技術的には主基板を機種やブランドが異なっても共用できる。
【0082】
次に、VDP(Video Display Processor)312の構成について、
図7によって詳細に説明する。
VDP312は、CPUI/F601、データ転送回路602、CGバスI/F603、圧縮データ伸長回路604、描画回路605、第1VRAM606、第2VRAM607及び表示回路608を備えており、データ転送のためにバス609〜611を介して必要な回路同士が接続されている。
VDP312は、CPUI/F601を介して演出制御装置300の主制御用マイコン311に接続されるとともに、CGバスI/F603を介して画像ROM322に接続される。そして、VDP312では、基本的に演出制御装置300の主制御用マイコン311からの指示で、表示装置41に表示する1フレーム毎の画像データを作成し、表示回路608表示装置42に出力する。なお、第1VRAM606は主にフレームバッファ用のRAMとして、具体的には例えばフレームバッファ、Zバッファ用(3次元の場合、Z軸方向の量)のRAMとして用いられる。一方、第2VRAM607は主に素材用のデータを格納する描画素材用のRAMとして用いられる。
【0083】
画像ROM322のデータは、CGバスI/F603を介して第2VRAM607に格納される。なお、圧縮されているデータは、圧縮データ伸長回路604で伸長されて、第2VRAM607に格納され、また、必要に応じて第1VRAM606にも格納される。
描画回路605は、主に第2VRAM607に格納されている描画用素材を加工して(例えば、各種エフェクト、拡大、縮小などの加工)、また、表示する位置や順序(例えば、画面の奥から手前への表示順序など)を制御し、1フレームの画像データを作成して第1VRAM606に格納する。
【0084】
表示回路608は、スケーラ608aとLVDSI/F608bを有している。
そして、表示回路608は、第1VRAM606に格納された1フレームの画像データをインターレスモードやノンインターレスモードの設定タイミングで、LVDS仕様の信号レベルにしてRGBデータを表示装置41へ出力する。なお、スケーラ608aにより画像データの表示領域を拡大して(例えばVGA→XGAにして)表示することも可能である。例えば、VGAであれば、画像サイズは640×480となり、XGAであれば画像サイズは1024×768の大きさとなる。
データ転送回路602は、主制御用マイコン311と第1VRAM606との間、主制御用マイコン311から描画回路605への間、CGバスI/F603と第1VRAM606との間等のデータ転送機能を有する。
【0085】
E.遊技の概要
次に、本例のパチンコ機1で行われる遊技の概要や遊技の流れについて説明する。
まず、遊技開始当初の時点(或いは遊技開始前の時点)では、客待ち状態(デモ中)となっており、客待ち画面の表示を指令するコマンドが遊技制御装置100のバッファ(例えば、同様の機能の
図5ではバッファ173に相当)から演出制御装置300に送信され、表示装置の表示部41aには客待ち画面(動画又は静止画)が表示される。
【0086】
そして、ガイドレール21を介して遊技領域22に打込まれた遊技球が、特図の始動入賞口25又は26に入賞すると(即ち、特図の始動入賞があると)、特図の変動表示を指令するコマンドが遊技制御装置100から演出制御装置300に送信され、表示部41aにおいて特図(数字、文字、記号、模様等よりなるもの)が変動(例えば、スクロール)する表示(いわゆる変動表示)が行われて、特図の変動表示ゲーム(以下、特図変動表示ゲームという)が行われる。
【0087】
そして、この変動表示ゲームの停止結果態様(変動表示により導出された特図の組合せ)が特別結果態様(例えば、「3、3、3」などのゾロ目)であれば、大当りと呼ばれる特典が遊技者に付与される。なお制御上は、例えば始動入賞があったことを条件として、大当り乱数等の値が抽出記憶されて、この抽出記憶された乱数値と予め設定された判定値とが判定時に比較判定され、この比較判定結果に基づいて、予め大当りとするか否かが決定され、この決定に応じて上記変動表示ゲームが開始される。
また、通常モードにおいて、変動表示ゲームの停止結果態様が特別結果態様のうちの特定の態様(例えば、「7、7、7」のゾロ目)であれば、上記大当りになるとともに、大当り遊技後(後述する特賞期間後)に、ゲーム状態が通常モードから確変モードへ移行する。この確変モードでは、特図が大当りになる確率(以下、特図の大当り確率という)を高める制御が行われる。また場合によっては、いわゆる時短(特図等の変動表示時間を短くして変動表示ゲームの頻度を高め当り易くするもの)も行われる。
【0088】
上記大当りになって大当り状態に移行すると、ファンファーレ期間(大当りになったことを演出する効果音の出力などが実行される期間)を経て、変動入賞装置27の大入賞口が、規定時間(例えば、30秒)を越えない範囲内において、例えば10個入賞までの期間だけ一時的に開放される開放動作(大当たりラウンド)が行われる。そしてこの開放動作は、規定のラウンド数だけ繰り返し行われる。また、この大当り状態では、大当り状態を演出したり、大当りラウンド数などを遊技者に報知するための大当り画面の表示を指令するコマンドが遊技制御装置100から演出制御装置300に送信され、表示部41aでは、このような大当り中の表示が実行される。
【0089】
なお、この大当り状態になっている期間(ファンファーレ期間と、大入賞口が開放されている大当りラウンドの期間と、大当りラウンドと次の大当りラウンドの間のインターバル期間と、エンディング期間)が、特賞期間に相当する。
また上記大当りのラウンド数としては、例えば、通常は15ラウンド大当りが主の大当りであるが、プレミアとして16R大当りを発生させる構成でもよいし、その他の構成でもよい。また、いわゆる突確(出玉の少ない大当りを経由して大当り確率が変化する突然確変)として2ラウンド大当り等があってもよい。
【0090】
また、上記特図の変動表示ゲーム中又は大当り中に、始動入賞口25又は26にさらに遊技球が入賞したときには、表示部41a等で特図の始動記憶の保留表示が行われて例えば4個まで記憶され、変動表示ゲーム又は大当り状態が終了した後に、その始動記憶に基づいて上記特図の変動表示ゲームが繰り返されたり、客待ち状態に戻ったりする。
即ち、変動表示ゲームが大当りで終了すれば大当り状態に移行し、変動表示ゲームがはずれで終了し始動記憶があれば再度変動表示ゲームが実行され、変動表示ゲームがはずれで終了し始動記憶がなければ客待ち状態に戻り、大当りが終了して始動記憶があれば再度変動表示ゲームが実行され、大当りが終了して始動記憶がなければ客待ち状態に戻る流れとなっている。
【0091】
なお本形態例では、例えば特図の始動記憶(特図始動記憶)の表示を2種類(特
図1保留表示と特
図2保留表示)行うようにし、特図変動表示ゲームとして、2種類の変動表示ゲーム(第1変動表示ゲームと第2変動表示ゲーム)を実行する。即ち、遊技球が第1始動入賞口25に入ることによる特図始動入賞(第1始動入賞)が発生すると、表示装置41にて特
図1の変動表示による第1変動表示ゲームが行われる。そして、何れかの特図変動表示ゲーム中などに遊技球が第1始動入賞口25に入賞すると、第1始動記憶(特
図1保留表示に対応する始動記憶)が1個記憶され、これに対して、上記特図変動表示ゲーム終了後などに、表示装置41にて特
図1の変動表示による第1変動表示ゲームが行われる。
また、遊技球が第2始動入賞口26に入ることによる特図始動入賞(第2始動入賞)があると、表示装置41にて特
図2の変動表示による第2変動表示ゲームが行われる。そして、何れかの特図変動表示ゲーム中などに遊技球が第2始動入賞口26に入賞すると、第2始動記憶(特
図2保留表示に対応する始動記憶)が1個記憶され、これに対して、上記特図変動表示ゲーム終了後などに、表示装置41にて特
図2の変動表示による第2変動表示ゲームが行われる構成となっている。
なお、第1始動記憶と第2始動記憶の両方があるときには、予め設定されたルールに従って第1変動表示ゲームと第2変動表示ゲームのうちの何れかが先に実行される。例えば、第2始動入賞口26に対応する第2変動表示ゲームが優先的に行われる態様(即ち、第2始動記憶が優先的に消化される態様)、或いは2種類の変動表示ゲームが交互に行われる態様などが有り得る。
【0092】
一方、遊技中に、遊技球が普図始動ゲート32を通過したときは、表示部41a等で普図の変動表示による普図の変動表示ゲーム(以下、普図変動表示ゲームという)が行われる。そして、この普図変動表示ゲーム結果(停止した普図)が所定の態様(特定表示態様)であれば、普図当りと呼ばれる特典が付与される。
この普図当りになると、第2始動入賞口26の一対の開閉部材26aが逆ハの字に開いた開状態に、所定の開放時間だけ一時的に保持される遊技が行われる。これにより、遊技球が始動入賞し易くなり、その分、特図の変動表示ゲームの実施回数が増えて大当りになる可能性が増す。
また、上記普図の変動表示ゲーム中に、普図始動ゲート32にさらに遊技球が入賞したときには、一括表示装置35によって普図始動記憶の保留表示が実行されて、例えば4個まで記憶され、普図の変動表示ゲームの終了後に、その記憶に基づいて上記普図の変動表示ゲームが繰り返される。
【0093】
次に、固有IDの外部出力について概略説明すると、パチンコ機1の電源投入時やシステムリセット時には、遊技用マイコン101に格納(例えば、HWパラメータROMに格納)されている固有IDが読み出されて、遊技プログラムの動作によりシリアル通信形式(又はパラレル通信形式でもよい)にされて、外部情報端子板55で中継されて外部の管理装置140(又はカードユニット551を含めてもよい)に伝送される。これにより、遊技用マイコン101に格納されている固有IDを遊技店側に送ることが可能になる。
また、固有IDは外部からの要求に応答して外部(ここでは
図4の検査装置接続端子102)へと転送される。そして、例えば検査装置接続端子102に検査装置を接続することにより、遊技用マイコン101に格納されている固有IDが検査機関にて読み出されることになる。
一方、払出制御装置200の払出用マイコン201を識別可能な払出固有ID(払出個体識別情報)は、払出制御装置200にて払出プログラムの動作によりシリアル通信形式(又はパラレル通信形式でもよい)にされて、外部情報端子板55で中継されて外部の管理装置140(又はカードユニット551を含めてもよい)に伝送される。これにより、払出用マイコン201に格納されている払出固有IDを遊技店側に送ることが可能になる。
【0094】
次に、遊技制御装置100から演出制御装置300へ送信されるコマンドについて概略説明すると、変動表示ゲームを実行する際には、遊技制御装置100から停止図柄の組み合わせ(結果態様)のデータと、リーチ系統(或いは変動時間)のデータとを含むコマンド(例えば後述する変動パターンコマンド)が演出制御装置300に送信され、演出制御装置300では、この停止態様と変動時間を満足する変動態様を選択して、表示装置41に所定の特図を変動表示させて最終的に特定の図柄の組み合わせ(結果態様)を導出表示させる特図変動表示ゲームの制御が行われる。
この場合、遊技制御装置100から演出制御装置300へ送信されるコマンドのうち、単独では演出を開始せず、組で効果を発揮するものがあり、例えば特図変動開始時の「変動パターンコマンド+図柄指定コマンド」がある。また、単独で効果を発揮するコマンド(例えば、客待ちコマンド)もあり、遊技制御装置100から演出のために多くのコマンドが順次、演出制御装置300に送信される。
【0095】
このとき、演出制御装置300では、主制御用マイコン311により、停止態様と変動時間を満足する変動態様を選択してVDP312を介して表示装置41に所定の特図を変動表示させて最終的に特定の図柄の組み合わせ(結果態様)を導出表示させる特図変動表示ゲームが行われる。
一方、主制御用マイコン311からの信号に基づいてスイッチ液晶703の視差バリア702Bが制御され、表示装置41における液晶表示器701の画面が3D表示(立体表示可能状態)と2D表示(平面表示)状態とに切り替えられる。
2D表示時の場合、スイッチ液晶702は演出制御装置300の主制御用マイコン311からの信号に基づいて視差バリア702Bを無効に制御し、2D用の画像を表示することで、表示装置42の画面にて2D表示で演出が行われる。また、3D表示時の場合、スイッチ液晶702は演出制御装置300の主制御用マイコン311からの信号に基づいて視差バリア702Bを有効に制御し、3D用の画像(左目用画像及び右目用画像)を表示することで、表示装置42の画面にて3D表示で演出が行われる。
【0096】
また、パチンコ機1の前面枠4には枠照明部84と盤面外周照明部83が設けられ、遊技盤20にはセンターケース照明部82と表示領域周縁照明部81が設けられており、これらの照明部81乃至84は、表示装置41から近い所から遠い所へ向かって順にA、B、C、Dの符号を付けたランプ群の名称で配置されている。
そして、表示装置41で特図の変動図柄を3D表示する場合、そのとき、3D表示に移行する前に、各照明部81乃至84をランプ群D→ランプ群C→ランプ群B→ランプ群Aの順に移動点滅させていく制御が行われる。
【0097】
さらに、表示装置41に最も近い位置にある表示領域周縁照明部81(ランプ群A)が1回オン・オフした直後、シャッタ役物機構801のシャッタ801a、801bが演出制御装置300の主制御用マイコン311からの信号に基づいて短時間だけ表示装置41の前面側を遮蔽し、そのとき、スイッチ液晶702は演出制御装置300の主制御用マイコン311からの信号に基づいて視差バリア702Bを有効に制御する。このとき、左目用と左目用の画像は異なる画像であり、よって、液晶表示器701の画像が3D表示されることになる。
次いで、直ぐにシャッタ役物機構801のシャッタ801a、801bが表示装置41の前面側の遮蔽を解除するように左右に開き、これにより、液晶表示器701の3D表示の画像が遊技者に見える状態となり、3D表示での演出が行われる。
したがって、3D表示の開始前にシャッタ役物機構801が可動することにより、遊技者の注意を引くので、その後の3D表示演出を見逃すことを防止し、遊技の興趣を高めることができる。
【0098】
F.制御系の動作
次に、遊技制御装置100の制御内容について
図8〜
図92により説明する。
最初に、以下のフローチャートの説明に使用する主要な構成の概念を明確にしておくと、下記の通りである。
前述したように、一括表示装置35で本特図や本普図を表示している。以下の制御処理の説明における特図は、この特図(本特図)を意味するので、以上を前提に細かく説明する。なお、遊技制御装置100からのコマンドに基づいて演出制御装置300が制御する特図は表示装置41の方に表示される演出用の特図である。
(イ)特図の表示装置
以下のフローチャートで特図という場合には、一括表示装置35で表示される「本特図」の方を指している。また、表示装置41で表示される遊技者向けの演出用のダミー表示の方を指す場合は「飾り特図」という。
このように特図を表示する装置は一括表示装置35であるが、一括表示装置35における本特図を表示する領域の名称としては、例えば特別図柄表示装置、特図表示装置というものがあり、普図表示装置との区別を図るため、特別図柄表示装置ということがある。
(ロ)普図の表示装置
以下のフローチャートで普図という場合には、一括表示装置35で表示される「本普図」の方を指している。また、表示装置41で表示される遊技者向けの演出用のダミー表示の方を指す場合は、例えば「飾り普図」という。
このように普図を表示する装置は一括表示装置35であるが、一括表示装置35における本普図を表示する領域の名称としては、例えば普通図柄表示装置、普図表示装置というものがあり、特図表示装置との区別を図るため、普通図柄表示装置ということがある。
ただし、本実施例では、このような普図の表示を表示装置41では表示していない構成になっている。なお、普図(ここでは飾り普図)表示を行う表示器を設けてもよい。遊技機の説明をする上で、必要な場合には「飾り普図」を表示する装置を含めて説明することもある。
(ハ)普電
普電に相当する装置は、普通電動役物(普電)としての第2始動入賞口26である。
ただし、普電を普通変動入賞装置ということがあり、例えばフローチャートの説明では、特に普通電動役物(普通変動入賞装置26)ということがある。
また、例えば高確率時や時短時などに、普通電動役物(普電)としての第2始動入賞口26の開閉部材26aが開放する動作によって始動入賞をサポートすることが行われるが、これを単に普電サポートということがある。
(ニ)特図記憶
以下のフローチャートで特図保留(単に「保留」という場合もある)、特図記憶、あるいは特図の始動記憶という場合には、一括表示装置35で表示される「本特図記憶」の方を指している。また、表示装置41で表示される遊技者向けの演出用のダミー表示の方を指す場合は「飾り特図保留」、あるいは「飾り特図記憶」という。
特図の始動入賞口として機能する入賞口は、始動入賞口25,26である。
(ホ)普図記憶
以下のフローチャートで普図保留、普図記憶、あるいは普図の始動記憶という場合には、一括表示装置35で表示される「本普図記憶」の方を指している。また、表示装置41で表示される遊技者向けの演出用のダミー表示の方を指す場合は「飾り普図保留」、あるいは「飾り普図記憶」という。
ただし、本実施例では、このような普図の始動記憶表示を表示装置41では表示していない構成になっている。なお、普図の始動記憶(ここでは飾り普図記憶)表示を行う表示器を設けてもよい。遊技機の説明をする上で、必要な場合には「飾り普図記憶」を表示する装置を含めて説明することもある。
(ヘ)変動入賞装置
変動入賞装置27は、開閉部材27bによって開閉される大入賞口27aを有する装置(いわゆるアタッカー)である。この変動入賞装置27は、普通変動入賞装置と区別するために特別変動入賞装置ということもある。
【0099】
〔遊技制御装置のメイン処理〕
まず、
図8、9により、遊技制御装置100(遊技用マイコン101)のメイン処理を説明する。
このメイン処理は、遊技用マイコン101に強制的にリセットがかけられたことに基づいて開始する。すなわち、電源装置500の図示省略した電源スイッチがオン操作されると、所定のタイミングに(電源投入時の所定のリセット期間に)電源装置500の制御信号生成部503からリセット信号が遊技制御装置100に入力されて遊技用マイコン101のリセット端子がオンし、その後このリセット信号が解除されると、遊技用マイコン101が起動する。なお、停電からの電源復旧時にも、同様にリセット信号がオンした後に解除されて遊技用マイコン101が起動する。また、作業者が遊技制御装置100のユーザワークRAM等の初期化をしようとする場合には、電源装置500のRAMクリアスイッチ504(初期化スイッチ)をオン操作しながら前記電源スイッチをオン操作する必要がある。
【0100】
そして遊技用マイコン101が起動すると、まず割込みを禁止する処理(ステップS1)を行い、次いで、割込みが発生したときに実行するジャンプ先のベクタアドレスを設定する割込みベクタ設定処理(ステップS2)、割込みが発生したときにレジスタ等の値を退避する領域の先頭アドレスであるスタックポインタを設定するスタックポインタ設定処理(ステップS3)、割込み処理のモードを設定する割込みモード設定処理(ステップS4)を順次行う。
次いで、ステップS5で払出基板(払出制御装置200)のプログラムが正常に起動するのを待つために所定のディレイ時間(例えば4msec)だけ処理の進行を停止する。これにより、電源投入の際に仮に遊技制御装置100が先に立ち上がって払出制御装置200が立ち上がる前にコマンドを払出制御装置200へ送ってしまい、払出制御装置200がコマンドを取りこぼすのを回避することができる。
【0101】
上記ディレイ時間が経過すると、RWM(リードライトメモリ)のアクセス許可をした後、全出力ポートにオフ信号(2値信号の「0」に相当する信号:つまり出力が無い状態に設定)を出力する(ステップS6、S7)。
ここで、本実施例においてRWMとは、RAM101Cを指すが、RAMに限らず、RWMとして例えばEEPROM等の読出し書込み可能な記憶素子を含めて使用してもよい。
なお、リセット信号によって各出力ポートはオフ設定(リセット)されているので、ソフト的に各出力ポートにオフ信号を出力する必要は必ずしもないが、ここでは念のためにステップS7が設けられている。
続いて、ステップS8ではシリアルポート((遊技用マイコン101に予め搭載されているポート)この実施例では、払出制御装置200や演出制御装置300とパラレル通信を行っているため使用しない))を使用しない状態に設定する処理を行う。
ここで、シリアルポートを使用しない状態に設定するのは、固有IDを外部(例えば、管理装置140)へ出力するときに、このシリアルポートを使用するから、ここでは一旦使用しない状態にしておくものである。なお、払出制御装置200や演出制御装置300との間でシリアル通信を行う必要がある場合もあるので、そのときはステップS8でシリアルポートを使用する状態に設定することになる。
【0102】
次いで、電源装置500内の初期化スイッチがオンしているか否か判定する(ステップS9)。これは、初期化スイッチ信号の状態によって前記初期化スイッチがオンしているか否か判断するもので、初期化スイッチがオンしていればステップS25に進み、オンしていなければステップS10に進む。
なお、ステップS25に進むのは、前記初期化スイッチがオン操作されて遊技用マイコン101が起動した場合、後述するステップS11、ステップS13のそれぞれでRWMの停電検査領域1、停電検査領域2が全て正常ではないと判定された場合、或いは後述するステップS16でチェックサムが正常でないと判定された場合である。このため、ステップS25に進むと、遊技用マイコン101のRWM内のデータ(アクセス禁止領域を除く)を初期化するなどの処理を行う。
【0103】
初期化スイッチがオンしていなければ、ステップS10に進んで、RWMの停電検査領域1の値が正常な停電検査領域チェックデータ1であるか否かチェックし、ステップS11でチェック結果が正常でないと判断すると、ステップS25にジャンプする。一方、ステップS11でのチェック結果が正常であれば、続くステップS12でRWMの停電検査領域2の値が正常な停電検査領域チェックデータ2あるか否かチェックする。そして、ステップS13でチェック結果が正常でなければステップS25にジャンプし、チェック結果が正常であれば、ステップS14に進む。
このように、RWMの停電検査領域1、2の値が全て正常であれば、停電復帰時であると判断してステップS14に進むことになる。一方、RWMの停電検査領域1、2の値が異常であれば(正常に記憶されてなければ)通常の電源投入時であるとしてステップS25にジャンプすることになる。
なお、停電検査領域チェックデータ1、2は、後述するステップS25で設定されるものである。これらのステップS10、12では、このように複数のチェックデータ1,2によって停電復帰時であるか否か判定するので、停電復帰時であるか否かの判断が信頼性高く為される。
【0104】
次にステップS14では、RWMのデータのチェックサムを算出し、ステップS15で電源遮断時のチェックサムと比較し、その値が正常(一致)か否かを判定する(ステップS16)。このチェックサムが正常でない場合(即ちRWMのデータが壊れているとき)には、ステップS25に進み、前記チェックサムが正常である場合にはステップS17に進む。
ステップS17では全ての停電検査領域をクリアし、ステップS18でチェックサム領域をクリアし、更にステップS19でエラー及び不正監視に係る領域をリセットする。このようにして、停電復旧のための処理(初期値設定)を実行する。
【0105】
次に、RWM内の遊技状態を記憶する領域を調べて遊技状態が高確率状態であるか否かを判定する(ステップS20)。ここで、高確率でないと(ステップS20;NO)と判定した場合は、ステップS21,S22をスキップしてステップS23へ移行する。
また、ステップS20で高確率であると(ステップS20;YES)と判定した場合は、ステップS21で高確率報知フラグ領域にオン情報をセーブし、ステップS22で例えば一括表示装置35に設けられる高確率報知LED(図示略)のオンデータをセグメント領域にセーブする。これにより、今回の高確率状態に対応する処置が行なわれることとなり、例えば一括表示装置35に設けられる高確率報知LEDが点灯して高確率状態を知らせる表示がされる。
次いで、ステップS23で特図ゲーム処理番号に対応する停電復旧時のコマンド(停電復旧コマンド)を送信する。このステップS23を経ると、ステップS24に進む。
【0106】
一方、ステップS9、S11、S13、S16からステップS25へジャンプした場合には、先ずCPUが使用するRWM内のアクセス禁止領域より前の全作業領域をクリアしてから(ステップS25)、RWM内のアクセス禁止領域より後の全作業領域をクリアし(ステップS26)、初期化すべき領域に電源投入時の初期値をセーブする(ステップS27)。それから、RWMクリアに関する外部情報(セキュリティ信号)の出力タイマ初期値(例えば、256ms)をセキュリティ信号制御タイマ領域にセーブする(ステップS28)。さらに、電源投入時のコマンド(電源投入コマンド)を演出制御装置300に送信する処理を行う(ステップS29)。
電源投入コマンドが送信されると、他の制御装置は、この電源投入コマンドを受けて、例えば演出制御装置300であれば枠演出装置のモータの動作位置を初期位置にするなどの初期化を行い、RWMクリアがなされたことを報知する演出を開始する。ステップS29を経ると、ステップS24に進む。
【0107】
さて、上述のステップS23あるいはステップS29から、ステップS24に進むと、ステップS24では、遊技用マイコン101(クロックジェネレータ)内のタイマ割込み信号及び乱数更新トリガ信号(CTC)を発生するCTC(Counter/Timer Circuit)回路を起動する処理を行う。
なお、CTC回路は、遊技用マイコン101内のクロックジェネレータに設けられている。クロックジェネレータは、水晶発振器113からの発振信号(原クロック信号)を分周する分周回路と、分周された信号に基づいてCPU101Aに対して所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号及び乱数生成回路へ供給する乱数更新のトリガを与える信号CTCを発生するCTC回路とを備えている。
【0108】
上記ステップS24のCTC起動処理の後は、乱数生成回路を起動設定する処理を行う(ステップS30)。具体的には、乱数生成回路内の所定のレジスタ(CTC更新許可レジスタ)へ乱数生成回路を起動させるためのコード(指定値)の設定などがCPU101Aによって行われる。それから、電源投入時の乱数生成回路内の所定のレジスタ(ソフト乱数レジスタ1〜n)の値を抽出し、対応する各種初期値乱数(大当り図柄を決定する乱数(大当り図柄乱数1、大当り図柄乱数2)、普図の当たりを決定する乱数(当り乱数))の初期値(スタート値)としてRWMの所定領域にセーブする(ステップS31)。
この乱数生成回路によってハード的に特図や普図の各乱数のうちの一部が生成される。但し、これら乱数の初期値は、後述するステップS33の処理によってソフト的に設定される。そして、本実施例で使用するCPU101A内の乱数生成回路においては、電源投入毎にソフト乱数レジスタの初期値が変わるように構成されているため、この値を各種初期値乱数の初期値(スタート値)とすることで、ソフトウェアで生成される乱数の規則性を崩すことができ、遊技者による不正な乱数の取得を困難にすることができる。
なお、特図に関連する乱数としては、大当り乱数(大当りとするか否かを決定するための乱数)、大当り図柄乱数1,2(大当り停止図柄決定用の乱数)、変動パターン乱数(リーの有無等を含む変動パターンを決定する乱数)、停止図柄乱数(外れの停止図柄決定用の乱数)などがある。また、普図に関連する乱数としては、例えば、普図当り乱数(普図当りとするか否かを決定するための乱数)などがある。このうちステップS30,33で対象とする乱数(ハード乱数)は、例えば、大当り乱数、普図当り乱数、大当り図柄乱数1,2である。なお、上記特図に関する乱数は、特図が2種類ある場合、特
図1と特
図2で共通でもよいし、別個に設けられていてもよい。
【0109】
次いで、ステップS32で割込みを許可し、次のステップS33では、初期値乱数更新処理を行う。初期値乱数更新処理は、遊技球を発射するタイミングを計って故意に大当り等をねらうことが困難になるように、ハード乱数の初期値を更新する処理である。これは、各種初期値乱数の値を更新して乱数の規則性を崩すためのものである。
なお、上記ステップS33での初期値乱数更新処理は、メイン処理のほか、タイマ割込み処理の中においても初期値乱数更新処理を行う方法もあり、そのような方法を採用した場合には両方で初期値乱数更新処理が実行されるのを回避するため、メイン処理で初期値乱数更新処理を行う場合には割込みを禁止してから更新して割込みを解除する必要があるが、本実施例のようにタイマ割込み処理の中での初期値乱数更新処理はせず、メイン処理内のみした場合には初期値乱数更新処理の前に割込みを解除しても何ら問題はなく、それによってメイン処理が簡素化されるという利点がある。
次いでステップS34に進み、停電監視信号のチェック回数(例えば2回)を設定し、次のステップS35で停電監視信号がオンしているか否か判定し、オンしていれば停電の最終判断のためのステップS36に進み、オンしていなければステップS33に戻る。通常運転中は、ステップS33〜S35を繰り返す。
【0110】
そして、ステップS36に進むと、前記チェック回数分だけ停電監視信号のオン状態が継続しているか否か判定し、この判定結果が肯定的であると停電発生と最終判断してステップS37に進み、否定的であれば停電発生と判断できないとしてステップS35に戻る。
なお停電監視信号がオンになると、この停電監視信号をNMI割込信号として、実行中の処理を中断してステップS37以降の停電処理を強制的に実行する態様でもよい。但し本例の構成であると、停電監視信号のオン状態をステップS36で複数回チェックするので、実際には停電が発生していないのにノイズ等によって停電監視信号が一時的かつ瞬間的にオンした場合に停電発生と誤判断してしまうことがないという利点がある。
【0111】
そしてステップS37に進むと、割込を禁止した後、次のステップS38で全ての出力をオフし(全ての出力ポートにオフデータを出力し)、次いでステップS39、S40で停電情報設定処理を実行する。停電情報設定処理では、ステップS39で前述の停電検査領域チェックデータ1を停電検査領域1にセーブし、ステップS40で停電検査領域チェックデータ2を停電検査領域2にセーブする。
ステップS40を経ると、次のステップS41でRWMの電源遮断時のチェックサムを算出する処理を行なった後、ステップS42で算出したチェックサムを所定のチェックサム領域にセーブする。
次いでステップS43でRWMへのアクセスを禁止した後、待機する(前述した制御信号生成部503からのリセット信号を待つリセット待ち状態となる)。
このように、停電復旧検査領域にチェックデータをセーブするとともに、電源遮断時のチェックサムを算出することで、電源の遮断の前にRWMに記憶されていた情報が正しくバックアップされているか否かを電源再投入時に判断することができる。
なお、以上のステップS37〜S43の停電処理は、停電によって電源電圧が遊技用マイコン101の動作電圧未満に低下する前に行われる。
【0112】
〔チェックサム算出処理〕
次に、前記メイン処理におけるチェックサム算出処理(ステップS41)を
図10により説明する。
このルーチンが開始されると、まずステップS51で算出アドレスの開始値としてRWMの先頭アドレスを設定し、ステップS52で繰り返し数を設定する。繰り返し数は、使用しているRWMのバイト数に対応して設定される。次いで、ステップS53で算出値として「0」を設定した後、ステップS54で算出値+算出アドレスの内容を新たな算出値として演算する。このようにして、各アドレスの毎の内容を算出値として加算していく。次いで、ステップS55で算出アドレスを「+1」だけ更新し、ステップS56で繰り返し数を「−1」だけ更新して算出終了かをチェックし、ステップS57で算出終了か否かを判定しする。ステップS57の判定結果がNOであれば、ステップS54に戻ってルーチンを繰り返す。そして、繰り返し数=RWMのバイト数になると、算出終了と判断してステップS57からYESに抜けて、ルーチンを終了する。
このようにして、RWMの電源遮断時におけるチェックサムの算出が行われる。
【0113】
〔初期値乱数更新処理〕
次に、前記メイン処理における初期値乱数更新処理(ステップS33)を
図11により説明する。
このルーチンが開始されると、当り初期値乱数をインクリメント(更新(+1))する処理(ステップS61)、大当り図柄初期値乱数1をインクリメント(更新(+1))する処理(ステップS62)、大当り図柄初期値乱数2をインクリメント(更新(+1))する処理(ステップS63)を順次行う。
ここで、「大当り図柄初期値乱数1」は、特
図1の大当り停止図柄を決定する乱数の初期値となる乱数で、0〜200の範囲で更新していく。「大当り図柄初期値乱数2」は、特
図2の大当り停止図柄を決定する乱数の初期値乱数のことで、0〜200の範囲で更新していく。ある。また、「当り初期値乱数」は普図変動ゲームの当りを決定する乱数の初期値となる乱数のことで、0〜250の範囲で更新していく。ある。このように、メイン処理の中で時間が許す限り乱数をインクリメントし続けることによって、乱数のランダム性を高めることができるようにしている。
【0114】
〔タイマ割込処理〕
次に、遊技制御装置100(遊技用マイコン101)のタイマ割込処理を
図12により説明する。
このタイマ割込処理は、前述したメイン処理におけるステップS24,S32の処理によって開始され、所定のタイマ割込周期で繰り返し実行される。
【0115】
このタイマ割込処理では、まずステップS71で、必要に応じてレジスタの退避や割込みの禁止を実行する。レジスタの退避では、例えば所定のレジスタに保持されている値をRWMに移すレジスタ退避の処理を行う。なお、本実施例において遊技用マイコンとして使用しているZ80系のマイコンでは、当該処理を表レジスタに保持されている値を裏レジスタに退避することで置き換えることができる。
次いで、ステップS72で入力処理を実行する。この入力処理では、前述の各センサ類(始動口スイッチ120、121、ゲートスイッチ122、入賞口スイッチ123、カウントスイッチ124など)の検出信号の読み取りを実行する。具体的には、各センサの出力値をタイマ割込周期毎に判定し、同じレベルの出力値が規程回数(例えば、2回)以上継続した場合に、この出力値のレベルを各センサの検出信号の確定的な値として読み取る。なお、何れかのセンサがオンしていることが読み取られると、それを示すフラグ(入力フラグ)がたてられる。
【0116】
次に、ステップS73で、後述する各ステップで設定された出力データを対応する出力ポートに設定し出力する出力処理を実行し、次いでステップS74で、設定された各制御装置(演出制御装置300、払出制御装置200)への信号(コマンド)を送信する処理(コマンド送信処理)を実行する。
その後、ステップS75,S76で、乱数更新処理1,2をそれぞれ実行する。ここでは、特図に関連するソフト乱数及び普図に関連するソフト乱数の更新が行われる。特図に関連するソフト乱数としては、例えば、大当り図柄乱数1,2(大当り停止図柄決定用の乱数)、変動パターン乱数(リーチアクションの有無等を含む変動パターンを決定する乱数)、停止図柄乱数(外れの停止図柄決定用の乱数)などがある。ここでの、乱数の更新は、乱数を例えば「1」ずつ増やすことにより実行される。したがって、このタイマ割込み処理のルーチンが繰り返される毎に、乱数が変り、このソフト乱数の抽出値がアトランダム性を保つようになる。
【0117】
なお、上記変動パターン乱数は、本例では変動パターン乱数1〜3の3種類有る。このうち、変動パターン乱数1は後半変動(リーチ開始後の変動)のリーチ系統を選択するための乱数であり、変動パターン乱数2はリーチ系統の中から詳細な演出の振分(例えばプラス1コマで特図が停止するかマイナス1コマで特図が停止するか)を行うための乱数であり、変動パターン乱数3は前半変動(リーチ開始前までの変動)の態様を選択するための乱数である。また、上記変動パターン乱数は変動態様の全てを直接決定するものでもよいが、本例では、具体的な態様は演出制御装置300が決定する。例えば、変動時間とリーチ系統(リーチの大まかな種別)のみを変動パターン乱数1により決定し、決定した変動時間とリーチ系統に基づいて演出制御装置300が具体的な変動態様を決定する。
【0118】
次いで、ステップS77では、入賞口スイッチ監視処理とエラー監視処理を実行する。入賞口スイッチ監視処理は、前述したように設定される入力フラグ(特図の始動口スイッチ120、121、入賞口スイッチ123、及びカウントスイッチ124)を監視し、例えばカウントスイッチ124の入力フラグが設定されていると、15個の賞球払い出しを払出制御装置200に要求する前準備などの処理を実行するものである。またエラー監視処理は、前述の各センサ類の未検出エラーや、賞球排出の過剰エラーや、ガラス枠5の開放状態、及び大入賞口27a、普電26の開放中以外での不正入賞などを監視するための処理である。
【0119】
次に、ステップS78では、特図ゲーム処理を行う。この特図ゲーム処理では、特図の変動表示ゲーム全体の統括的制御が行われる。即ち、変動開始条件(変動表示ゲームの開始条件)の成立時において、大当り乱数の判定や、特図の停止図柄の組み合わせ(結果態様)を設定する処理や、特図の変動態様を設定する処理が行われる(詳細後述する)。
ここで、変動開始条件の成立時とは、客待ち状態で始動口入賞があって変動表示ゲームが開始される時、変動表示ゲームがはずれで終了し始動記憶があって再度変動表示ゲームが実行される時、大当たりが終了して始動記憶があって再度変動表示ゲームが実行される時の3種類がある。
また、この特図ゲーム処理では、特図の変動表示ゲームに関する各種出力データを設定する処理も行われる。即ち、特図の変動表示ゲームの遊技状態に合わせて、例えば、演出制御装置300などへ送信するコマンドの内容(コマンドデータ)を設定する。
【0120】
次いで、ステップS79では、普図の変動表示ゲームのための処理を行う。即ち、普図の変動表示遊技の状態に合わせて演出制御装置300などへ送信するコマンドの内容を設定する処理などを行う。
次に、ステップS80では、セグメントLED編集処理を実行する。これは、ステップS78の特図ゲーム処理において決定された特図の図柄やステップS79の普図ゲーム処理において決定された普図の図柄、その他の情報を、一括表示装置35の本特図の表示器(LED、7セグメントの表示器)において表示するための処理である。
次に、ステップS81では、磁石不正監視処理を実行する。これは、磁気センサスイッチ125や振動センサスイッチ126からの検出信号をチェックして異常がないか判定する
ものである、例えば、磁気センサスイッチ125の入力フラグが設定されていると、磁気エラーが発生したとして、所定の処理(エラー報知コマンドの送信等)を実行する。
【0121】
次に、ステップS82では、外部情報編集処理を実行する。これは、遊技制御装置100から外部へ出力しようとするデータの編集を行うものである。このデータは、払出制御装置200や外部情報端子板55への出力データ(大当たり信号、賞球信号等の他、固有IDも含む)となる。
その後、メインルーチンを再開すべく、ステップS83でタイマ割込み要求をクリアし、ステップS84で退避させたレジスタを復帰させ、ステップS85で割込を許可し、そして割込時に中断した処理に復帰(リターン)する。
【0122】
〔入力処理〕
次に、前記タイマ割込み処理における入力処理(ステップS72)を
図13により説明する。
入力処理においては、まず入力ポート1、即ち、第1入力ポート161に取り込まれたスイッチの検出信号の状態を読み込む(ステップS91)。そして、8ビットのポートのうち未使用ビットがあればそのビットの状態をクリアする(ステップS92)。
続いて、読み込まれた入力ポート1の状態をRWM内のスイッチ制御領域1にセーブ(格納)する(ステップS93)。その後、ステップS94で入力ポート2、即ち、第2入力ポート162に取り込まれた信号の状態を読み込むためのパラメータの準備を行なってから、スイッチ読込み処理(ステップS95)へ移行する。ここで、本実施形態において「準備」とは、レジスタに値をセットすることを意味するが、これに限らず、RWM、その他のメモリに値をセットするようにしてもよい。
【0123】
〔スイッチ読込み処理〕
次に、上述の入力処理におけるスイッチ読込み処理(ステップS95)を
図14により説明する。
スイッチ読込み処理においては、先のステップS94にて準備されたパラメータで指定された入力ポート、即ち、第2入力ポート162に取り込まれた信号の状態を読み込む(ステップS101)。そして、8ビットのポートのうち未使用ビットがあればそのビットの状態をクリアする(ステップS102)。続いて、読み込まれた入力ポート2の状態をRWM内のスイッチ制御領域2にセーブ(格納)する(ステップS103)。それから、2回目の読込みまでのディレイ時間(例えば、0.1ms)が経過するのを待つ(ステップS104)。
【0124】
ディレイ時間(0.1ms)が経過すると、第2入力ポート162に取り込まれた信号の状態の2回目の読込みを行う(ステップS105)。そして、8ビットのポートのうち未使用ビットがあれば、そのビットの状態をクリアする(ステップS106)。続いて、読み込まれた入力ポート2の状態をスイッチ制御領域2にセーブ(格納)する(ステップS107)。それから、1回目と2回目の読込みで変化したビット、即ち、信号を検出し、確定ビットパターンを作成する(ステップS108)。具体的には、読み込まれた入力ポート2の状態のうち、1回目と2回目で状態が同じビットを「1」、違うビットを「0」とした確定ビットパターンを作成する。
【0125】
次いで、確定ビットパターンとポート入力状態2(入力ポート2の状態)との論理積をとり、今回の確定ビットとする(ステップS109)。次いで、読み込まれた入力ポート2の状態のうち、1回目と2回目で状態が同じビットを「0」、違うビットを「1」とした未確定ビットパターンを作成する(ステップS110)。次いで、未確定ビットパターンと前回割込み時の確定状態との論理積をとり、前回保持ビットとする(ステップS111)。その後、今回確定ビットと前回保持ビットを合成し、今回の確定状態としてRWMにセーブする(ステップS112)。また、今回と前回の確定状態との排他的論理和をとり、立上りエッジとしてRWMにセーブして、スイッチ読込み処理を終了する(ステップS113)。
なお、スイッチの読込みは、タイマ割込みの周期が短い場合(例えば2ms)には、各割込みの処理ごとにそれぞれ1回ずつスイッチの読込みを行なって前回の読込みの結果と比較することで信号が変化したか否か判定する方法があるが、そのようにすると次の割込み処理までに前回の割込みで読み込んだスイッチの状態が失われた場合、正しい判定が行なえないおそれがある。また、単純計算でタイマ割込み周期の2倍以上の時間分、スイッチの入力パルスが保持されなくてはならないので、パルスを延長する電気回路の設計やスイッチを通過する遊技球の速度を遅くするための球流路の構造設計などが必要になる。
これに対し、本実施例のように、所定の時間差をおいて1回の割込み処理の中で2回のスイッチ読込み処理を行うことで、タイマ割込みの周期を延ばすことによる割込み内の処理可能量増加と、構造設計等の容易さを両立させ、上記のような不具合を回避することが可能となる。
【0126】
〔出力処理〕
次に、上述のタイマ割込み処理における出力処理(ステップS73)を
図15により説明する。
出力処理では、まず一括表示装置(LED)35のセグメントのデータを出力するポート176(
図5参照)の出力データを全てオフにする(ステップS121)。続いて、一括表示装置(LED)35のデジット線を順次スキャンするためのデジットカウンタの値を更新(0〜3の範囲で(+1)更新)(ステップS122)し、デジットカウンタの値に対応するLEDのデジット線の出力データをロードする(ステップS123)。次いで、ソレノイド・試験端子・デジットのデータ出力用のポート175(
図5参照)へ出力するデータを合成し、合成したデータをソレノイド・試験端子・デジットのデータ出力用のポート175へ出力する(ステップS124)。
その後、デジットカウンタの値に対応するRWM内のセグメントデータ領域からセグメント線の出力データを取得し(ステップS125)、取得したセグメント出力データをセグメント出力用のポート176に出力する(ステップS126)。
【0127】
続いて、外部情報端子基板55へ出力するデータをロードして合成し、外部情報出力用のポート177へ出力する(ステップS127)。次いで、試射試験装置へ出力する試験信号の出力データ1〜3をロードして合成し、中継基板170上に設けられている試験端子出力ポート1へ合成したデータを出力する(ステップS128)。さらにその後、試射試験装置へ出力する試験信号の出力データ4〜6をロードして合成し、中継基板170上に設けられている試験端子出力ポート2へ合成したデータを出力する(ステップS129)。
次いで、試射試験装置へ出力する試験信号の出力データ7〜8をロードして合成し、中継基板170上に設けられている試験端子出力ポート3へ合成したデータを出力する(ステップS130)。また、試射試験装置へ出力する試験信号の出力データ9〜10をロードして合成し、中継基板170上に設けられている試験端子出力ポート4へ合成したデータを出力する(ステップS131)。さらに、試射試験装置へ出力する試験信号の出力データ11をロードして合成し、中継基板170上に設けられている試験端子出力ポート5へ合成したデータを出力(ステップS132)して、
図15の出力処理を終了する。
【0128】
〔コマンド送信処理〕
次に、上述のタイマ割込み処理におけるコマンド送信処理(ステップS74)を
図16により説明する。
コマンド送信処理は、演出制御装置300に対する演出制御コマンド送信処理(ステップS141)と、払出制御装置200に対する払出コマンド送信処理(ステップS142)とからなる。これらの詳細は、後述する。
【0129】
〔演出制御コマンド送信処理〕
まず、上述のコマンド送信処理における演出制御コマンド送信処理(ステップS141)を
図17により説明する。
演出制御コマンド送信処理においては、先ず、送信コマンドをRWMに設定するときに「+1」されるライトカウンタの値と、RWMから送信コマンドを読み出すときに「+1」されるリードカウンタの値とを比較して、コマンドが設定されているかチェックする(ステップS151)。具体的には、ライトカウンタの値とリードカウンタの値とが同一であれば設定コマンドなしと判定し、ライトカウンタの値とリードカウンタの値とが一致していない場合には、未送信のコマンドが設定されていると判定する(ステップS152)。
【0130】
このステップS152の判定で、設定コマンドなし(ステップS152;NO)と判定した場合には当該演出制御コマンド送信処理から抜け、ステップS152の判定で、コマンドが設定されている(ステップS152;YES)と判定した場合には次のステップS153でリードカウンタを更新(+1)する。そして、リードカウンタの値に対応するコマンド送信領域(MODE(上位バイト))からコマンドをロードする(ステップS154)。それから、取得したコマンドが入っていた領域をリセットする(ステップS155)。さらに、リードカウンタの値に対応するコマンド送信領域(ACTION(下位バイト))からコマンドをロードする(ステップS156)。それから、取得したコマンドが入っていた領域をリセットする(ステップS157)。しかる後、演出制御コマンド出力処理(ステップS158)へ移行する。
【0131】
〔演出制御コマンド出力処理〕
次に、上述の演出制御コマンド送信処理における演出制御コマンド出力処理(ステップS158)を
図18により説明する。
演出制御コマンド出力処理においては、まず、演出制御コマンド(MODE)出力中を示すストローブ信号のオフ時間を準備して(ステップS161)、コマンドデータ出力処理(ステップS162)を実行する。その後、演出制御コマンド(ACTION)を出力し(ステップS163)、演出制御コマンド(ACTION)出力中を示すストローブ信号のオフ時間を準備(ステップS164)してから、コマンドデータ出力処理(ステップS165)を実行する。
【0132】
〔コマンドデータ出力処理〕
次に、上述の演出制御コマンド出力処理におけるコマンドデータ出力処理(ステップS162、S165)を
図19により説明する。
コマンドデータ出力処理においては、まず、ポートの直前の状態が失われないようにするため、演出制御コマンド出力のストローブ信号を含む出力ポート171のポート状態保持データをロードする(ステップS171)。それから、演出制御コマンドを出力ポート172へ出力(ステップS172)し、出力ポート171へはストローブ信号を除く信号を直前の状態に保持してオフ状態(データの読取り無効を示す例えばロウレベル)のストローブ信号を付加して出力(つまり、OFF状態のストローブを出力)する(ステップS173)。そして、次のステップS174で、ストローブ信号をオフ状態にすべき時間(オフ時間:ストローブOFF期間)が終了したか否か判定する。ここで、オフ時間が終了していない(ステップS174;NO)と判定するとステップS172へ戻って上記処理を繰り返す。
【0133】
一方、ステップS174で、オフ時間が終了した(ステップS174;YES)と判定するとステップS175へ移行して、ストローブ信号のオン状態(データの読取り有効を示す例えばハイレベル)の時間を設定(つまりストローブON時間を設定)する。続いて、演出制御コマンドを出力(ステップS176)し、ロードしたデータを保持するレジスタ上で、出力ポート171のストローブ信号を除く信号を直前の状態に保持したまま、オン状態(ハイレベル)のストローブ信号を出力(つまり、ON状態のストローブを出力)する(ステップS177)。
そして、次のステップS178で、ストローブ信号をオン状態にすべき時間(オン時間:つまりストローブON期間))が終了したか否か判定する。ここで、オン時間が終了していない(ステップS178;NO)と判定するとステップS176へ戻って上記処理を繰り返す。また、ステップS178で、オン時間が終了した(ステップS178;YES)と判定するとステップS179へ移行して、ロードしたデータを保持するレジスタ上で、出力ポート171のストローブ信号を除く信号を直前の状態に保持したまま、オフ状態のストローブ信号を設定してから、オフ状態のストローブ信号を出力(OFF状態のストローブ出力)(ステップS179)して、当該コマンドデータ出力処理を終了する。
なお、ステップS176で演出制御コマンドを再度出力しているのは、ステップS176〜S178のループ処理中に停電が発生した場合に、出力中の演出制御コマンドが停電復帰後に出力されなくなるのを回避するためである。また、ノイズによって、コマンドコードが変わってしまうのを回避することもできる。なお、このステップS174及びステップS178は、各々の処理のみをループさせることも可能である。
【0134】
〔払出コマンド送信処理〕
次に、上述のコマンド送信処理における払出コマンド送信処理(ステップS142)を
図20により説明する。
払出コマンド送信処理においては、まず入賞口別に設けられている入賞数カウンタ領域に「0」でないカウント数があるかチェックする(ステップS181)。ここで、カウント数がない(ステップS182;NO)と判定した場合には、ステップS183へ進んでチェック対象となる入賞数カウンタ領域のアドレスを更新し、すべての入賞数カウンタ領域のカウント数のチェックが終了したか判定する(ステップS184)。この判定で、すべてのチェックが終了した(ステップS184;YES)と判定すると、当該コマンド送信処理を終了する。一方、ステップS184ですべてのチェックが終了していない(ステップS184;NO)と判定すると、ステップS181へ戻って上記処理を繰り返す。
【0135】
また、上記ステップS182で、カウント数がある(ステップS182;YES)と判定した場合には、ステップS185へ移行して、対象の入賞数カウンタ領域のカウント数を減算(−1)する。その後、入賞数カウンタ領域、即ち、入賞口に対応した払出コマンド(負論理のデータ)を取得する(ステップS186)。それから、データの読込みが有効か無効かを示すストローブ信号のオフ時間(ストローブOFF時間)(例えばロウレベルに維持する時間)を設定する(ステップS187)。そして、次のステップS188で、上記ステップS186で取得した払出コマンド(負論理のデータ)とオフ状態(ロウレベル)のストローブ信号をポート171(
図5参照)へ出力する。
【0136】
しかる後、ステップS187で設定したオフ時間が経過したか否か判定し(ステップS189)、経過していない場合(ステップS189;NO)にはステップS188へ戻り、経過した場合(ステップS189;YES)にはステップS190へ進む。ステップS190では、ストローブ信号をオン状態(ハイレベル)に設定するとともに負論理データの残り出力時間を設定する。
そして、次のステップS191で、引き続き払出コマンド(負論理のデータ)を出力するとともにオン状態(ハイレベル)のストローブ信号をポート171へ出力する。その後、ステップS190で設定した負論理データの残り出力時間が経過したか否か判定し(ステップS192)、経過していない場合(ステップS192;NO)にはステップS191へ戻り、経過した場合(ステップS192;YES)にはステップS193へ進む。
【0137】
ステップS193では、上記負論理の払出コマンドデータを反転して正論理の払出コマンドデータを生成する。それから、ストローブ信号のオン残り時間(ハイレベルの時間)を設定する(ステップS194)。そして、次のステップS195で、上記ステップS193で生成した払出コマンド(正論理のデータ)とオン状態(ハイレベル)のストローブ信号をポート171へ出力する。しかる後、ステップS194で設定したオン時間が経過したか否か判定し(ステップS196)、経過していない場合(ステップS196;NO)にはステップS195へ戻り、経過した場合(ステップS196;YES)にはステップS197へ進む。
【0138】
ステップS197では、ストローブ信号をオフ状態(ロウレベル)に設定するとともに正論理データの残り出力時間を設定する。そして、次のステップS198で、引き続き払出コマンド(正論理のデータ)を出力するとともにオフ状態(ロウレベル)のストローブ信号をポート131へ出力する。その後、ステップS197で設定した正論理データの残り出力時間が経過したか否か判定し(ステップS199)、経過していない場合(ステップS199;NO)にはステップS198へ戻り、経過した場合(ステップS199;YES)にはステップS200へ進む。ステップS200では、正論理の払出コマンドデータをポート状態保持データとしてRWMのポート状態保持データ領域にセーブし、当該コマンド送信処理を終了する。
【0139】
上記のように、負論理の払出コマンドデータを出力した後に正論理の払出コマンドデータを出力することによって、コマンド受信側では、負論理の払出コマンドデータと正論理の払出コマンドデータを読み込んで比較することによって、正しいコマンドを受信することができたか否かを判定することができる。例えば、先に受信した負論理の払出コマンドデータを論理反転して、それと後で受信した正論理の払出コマンドデータとを比較して、同一でない場合にはコマンド受信エラーと判断し、コマンドの再送を遊技制御装置100へ要求することで正確なコマンドを受信することが可能となる。
【0140】
〔乱数更新処理1〕
次に、上述のタイマ割込み処理における乱数更新処理1(ステップS75)を
図21により説明する。
乱数更新処理1は、
図11の初期値乱数更新処理の対象となっている大当り図柄乱数1、当り乱数、大当り図柄乱数2の初期値(スタート値)を更新するための処理である。
乱数更新処理1においては、まず乱数の更新状態を示すソフト乱数ステータスレジスタの値を読み込み、乱数が1周して次回の初期値(スタート値)設定待ちの乱数があるかチェックする(ステップS211)。ここで、初期値設定待ちの乱数がなければ、当該乱数更新処理1を終了する(ステップS212;NO)。一方、初期値設定待ちの乱数があるときはステップS213へ進む(ステップS212;YES)。
【0141】
ステップS213では、普図の当り乱数が次回の初期値(スタート値)設定待ちの乱数であるかチェックする。ここで、初期値設定待ちでなければステップS217へジャンプする(ステップS214;NO)。一方、普図の当り乱数が初期値設定待ちであるときはステップS215へ進む(ステップS214;YES)。ステップS215では、普図の当り乱数の次回の初期値として当り初期値乱数をロードし、続くステップS216で次回初期値に対応するスタート値設定レジスタに、ロードした当り初期値乱数を設定する。すなわち、普図の当り乱数の次回の初期値(当り初期値乱数)を、対応する乱数カウンタ(乱数領域)のスタート値を保持するレジスタに設定する。その後、ステップS217へ進む。
【0142】
ステップS217では、大当り図柄乱数1が次回の初期値(スタート値)設定待ちの乱数であるかチェックする。ここで、初期値設定待ちでなければステップS221へジャンプする(ステップS218;NO)。一方、大当り図柄乱数1が初期値設定待ちであるときはステップS219へ進む(ステップS218;YES)。ステップS219では、大当り図柄乱数1の次回の初期値として大当り図柄初期値乱数1をロードし、続くステップS220で次回初期値に対応するスタート値設定レジスタに、ロードした大当り図柄初期値乱数1を設定する。すなわち、大当り図柄乱数1の次回の初期値(大当り図柄初期値乱数1)を、対応する乱数カウンタ(乱数領域)のスタート値を保持するレジスタに設定する。その後、ステップS221へ進む。
【0143】
ステップS221では、大当り図柄乱数2が次回の初期値(スタート値)設定待ちの乱数であるかチェックする。ここで、初期値設定待ちでなければ当該乱数更新処理1を終了する(ステップS222;NO)。
一方、大当り図柄乱数2が初期値設定待ちであるときはステップS223へ進む(ステップS222;YES)。ステップS223では、大当り図柄乱数2の次回の初期値として大当り図柄初期値乱数2をロードし、続くステップS224で次回初期値に対応するスタート値設定レジスタに、ロードした大当り図柄初期値乱数2を設定する。すなわち、大当り図柄乱数2の次回の初期値(大当り図柄初期値乱数2)を、対応する乱数カウンタ(乱数領域)のスタート値を保持するレジスタに設定する。ステップS224を経ると、当該乱数更新処理1を終了する。
【0144】
〔乱数更新処理2〕
次に、上述のタイマ割込み処理における乱数更新処理2(ステップS76)を
図22により説明する。
乱数更新処理2は、特
図1,特
図2の変動表示ゲームにおける変動パターンを決定するための変動パターン乱数を更新する処理である。
なお、本実施例においては、変動パターン乱数として1バイトの乱数(変動パターン乱数2、3)と、2バイトの乱数(変動パターン乱数1)があり、
図21の乱数更新処理2は両方を更新対象とし、割込みが発生するごとに更新対象を切り替えて処理する。しかも、更新対象の乱数が2バイトの場合には、上位のバイトと下位のバイトに対して異なる割込み時に更新処理を行うようになっている。即ち、メイン処理に対する一の割り込み処理において実行される乱数更新処理2による2バイトの変動パターン乱数1(リーチ変動態様決定用乱数)の更新は、上位1バイト若しくは下位1バイトの何れかについて実行されるように構成されている。
【0145】
乱数更新処理2においては、まず更新すべき複数の乱数のうちいずれの乱数を今回の更新処理の対象とするかを順番に指定するための乱数更新スキャンカウンタを更新する(ステップS231)。次に、乱数更新スキャンカウンタの値に対応する演出乱数更新テーブルのアドレスを算出する(ステップS232)。そして、算出されたアドレスに基づいて参照したテーブルから乱数の上限判定値を取得する(ステップS233)。このとき参照するテーブルには、乱数の種類ごとに上限値、即ち、乱数が一巡したか否かを判定するための値が格納されている。
【0146】
続いて、例えば本実施例において遊技用マイコンとして使用しているZ80系のマイコンに設けられているDRAMのリフレッシュ等のため使用されるリフレッシュレジスタ(以下、Rレジスタと称する)のようなランダムな値が設定されるレジスタの値を読み込む(ステップS234)。Rレジスタの値を使用することで、乱数にランダム性を付与することができる。ステップS234の次は、Rレジスタの値をマスクするためのマスク値を取得して、Rレジスタの値をマスクする(ステップS235)。なお、マスク値は、更新対象の乱数によって異なるビット数、例えば、変動パターン乱数1の下位1バイトを更新する場合には、Rレジスタの下位3ビットに、また、変動パターン乱数1の上位1バイトを更新する場合には、Rレジスタの下位4ビットに設定されている。乱数の種類によって上限値が異なるためである。
なお、マスク値として、変動パターン乱数1の下位1バイトを更新する場合には、Rレジスタの下位3ビットを、また、変動パターン乱数1の上位1バイトを更新する場合には、Rレジスタの下位4ビットを例示したが、数値は一例であってこれに限られるものではない。
【0147】
次に、更新する乱数領域が2バイト乱数の上位かどうかをチェックする(ステップS236)。2バイト乱数の上位であれば(ステップS237;YES)、ステップS238に進み、マスク値によってRレジスタの値をマスクすることによって残った値(以下、これをマスクした値と称する)に「1」を加算したものを加算値(上位)とし、また、「0」を加算値(下位)としてステップS240に進む。
マスクした値に「1」を加算するのは、マスクした値が「0」になる場合があり、「0」を後に加算すると加算する前の値から変化しないので、それを避けるためである。
一方、更新する乱数領域が2バイト乱数の下位又は1バイト乱数であれば(ステップS237;NO)、ステップS239に分岐して「0」を加算値(上位)とし、マスク値に「1」を加算したものを加算値(下位)としてステップS240に進む。
【0148】
次のステップS240では、更新する乱数領域(乱数カウンタ)が2バイト乱数かどうかをチェックする。ここで、2バイト乱数でなければステップS242へジャンプする(ステップS241;NO)。一方、乱数領域が2バイト乱数であるときはステップS243へ進む(ステップS241;YES)。ステップS242では、「0」を乱数値(上位)とし、マスク値に「1」を加算したものを更新する乱数領域の値(下位)としてステップS244に進む。
乱数領域が2バイト乱数であるときは、ステップS243で更新する乱数領域の値(2バイト)を乱数値としてステップS244に進む。
【0149】
次いで、ステップS244では乱数値にステップS238、S239で決定した加算値を加算した値を算出して新たな乱数値を求め、この乱数値がステップS233で取得した上限判定値を超えているかどうかを判定する(ステップS245)。
新たに算出した乱数値が上限判定値を超えていれば、算出した乱数値から上限判定値を差し引いて今回の乱数値とし(ステップS246)、その後、ステップS247に進む。一方、新たに算出した乱数値が上限判定値を超えていなければ、算出した乱数値を今回の乱数値とし、ステップS246をジャンプしてステップS247に進む。
ステップS247では、乱数値の下位を対応する乱数領域にセーブする。ここでは、1バイト乱数領域又は2バイト乱数の下位領域のいずれかの領域にセーブする。続いて、更新した乱数が2バイト乱数かをチェックし(ステップS248)、2バイト乱数であれば(ステップS249;YES)、乱数値の上位を乱数領域の上位(2バイト乱数(上位))側にセーブする(ステップS250)。ここでは、2バイト乱数の上位の領域にセーブする。ステップS250を経ると、当該乱数更新処理2を終了する。
一方、更新した乱数が2バイト乱数でなければ(ステップS249;NO)、ステップS250をジャンプし、その処理は行わず、当該乱数更新処理2を終了する。
【0150】
このように、CPU101Aは、特
図1,特
図2の変動表示ゲームにおける変動パターンを決定するための変動パターン乱数を更新する。また、変動パターンとしては、後述するように、「リーチなし」の変動パターンや、「ノーマルリーチ」、「スペシャル(SP)1−Aリーチ」、「スペシャル(SP)1−Bリーチ」、「スペシャル(SP)2−Aリーチ」、「スペシャル(SP)2−Bリーチ」、「スペシャル(SP)3−Aリーチ」、「スペシャル(SP)3−Bリーチ」等の各種リーチ状態における変動パターン(リーチ変動態様)が規定されている。
従って、CPU101Aは、始動入賞口25や普通変動入賞装置26の始動領域への遊技球の流入に基づいて抽出された各種乱数のうち、リーチ状態におけるリーチ変動態様を決定するためのリーチ変動態様決定用乱数(変動パターン乱数)を更新する乱数更新手段をなす。
【0151】
〔入賞口スイッチ/エラー監視処理〕
次に、上述のタイマ割込み処理における入賞口スイッチ/エラー監視処理(ステップS77)を
図23により説明する。
入賞口スイッチ/エラー監視処理は、各種入賞口に設けられたスイッチから信号の入力(信号の変化)があるか否かの監視や、エラーの監視を行う処理である。
【0152】
入賞口スイッチ/エラー監視処理においては、まず大入賞口内の入賞口スイッチの不正監視テーブルを準備する(ステップS261)。大入賞口内の入賞口スイッチとしては、カウントスイッチ124がある。次いで、不正&入賞監視処理を行う(ステップS262)。これは、大入賞口27aへの正規(大当り時など)の遊技球の入賞を監視するとともに、大当り以外の不正な大入賞口27aへの入賞を監視するものである。
次いで、普電内の入賞口スイッチの不正監視テーブルを準備する(ステップS263)。普電内の入賞口スイッチとしては、普通電動役物(普電)としての第2始動入賞口26への入賞を検出する第2始動口スイッチ121がある。
次いで、不正&入賞監視処理を行う(ステップS264)。これは、普通電動役物(普電)としての第2始動入賞口26への正規の遊技球の入賞を監視するとともに、不正な第2始動入賞口26への入賞を監視するものである。次いで、不正監視が不要な入賞口スイッチの入賞監視テーブル(例えば、不正監視不要なスイッチを示すリスト)を準備する(ステップS265)。不正監視が不要な入賞口スイッチとしては、例えば第1始動口スイッチ120、一般入賞口28〜31に対して設けられた入賞口スイッチ123がある。
不正監視が不要な入賞口スイッチについては、不正監視はしないが入賞検出処理は行うので、ステップS265でその処理のために入賞監視テーブルを用意し、次のステップで、入賞数を更新する入賞数カウンタ更新処理(ステップS266)を実行する。この入賞数カウンタ更新処理の詳細な手順については、後述する。
【0153】
入賞数カウンタ更新処理(ステップS266)の後は、エラーを監視すべき複数のスイッチ並びに信号のうちいずれのスイッチ又は信号を今回の監視の対象とするかを順番に指定するためのエラースキャンカウンタを更新(0乃至3の範囲で「+1」更新)し、準備する(ステップS267)。続いて、遊技機エラー監視テーブル1を準備する(ステップS268)。
遊技機を監視するエラーの種類としては、以下のものがあり、これらは払出制御装置200からのシュート球切れスイッチ、オーバーフロースイッチ、払出制御装置の異常監視用のエラーなどに対応する。
(イ)0のとき:スイッチ異常エラー(コネクタ抜け、スイッチ故障など)
(ロ)1のとき:シュート球切れエラー
(ハ)2のとき:オーバフローエラー
(ニ)3のとき:払い出し異常エラー
次いで、遊技機エラー監視テーブル1で定義した種類のエラーチェックを行い(ステップS269)、その後、遊技機エラー監視テーブル2を準備する(ステップS270)。
遊技機エラー監視テーブル2で定義するエラー監視の種類は、下記の通りである。
(ホ)0,2のとき:ガラス枠開放(前枠開放)
(ヘ)1,3のとき:前面枠開放(遊技枠開放)
次いで、前枠及び遊技枠の開放監視用エラースキャンカウンタをロードし、遊技機エラー監視テーブル2用に変換し、準備する(ステップS271)。次いで、遊技機エラー監視テーブル2で定義した種類のエラーチェックを行い(ステップS272)、タイマ割込処理にリターンする。
【0154】
〔不正&入賞監視処理〕
次に、上述の入賞口スイッチ/エラー監視処理における不正&入賞監視処理(ステップS262、ステップS264)を
図24により説明する。
入賞監視処理は、大入賞口のカウントスイッチ124又は普電内の第2始動口スイッチ121に対して行なわれる処理であり、ここでは入賞の検出の他に不正の監視をする。大入賞口(特別変動入賞装置27)や普電(普通変動入賞装置26)は、無理やり開閉部材を開いて遊技球を入れて賞球を払い出させる不正が行なわれ易いためである。
不正&入賞監視処理においては、まず対象の不正監視期間フラグをチェックし(ステップS281)、不正監視期間中かどうかを判定する(ステップS282)。不正監視期間中でなければ、ステップS296にジャンプして、ステップS296以降の処理を行う。
一方、不正監視期間中であれば、エラー監視対象の入賞口スイッチ(大入賞口のカウントスイッチ124又は普電内の第2始動口スイッチ121)に入力があるかチェックする(ステップS283)。ここで、入力なし(ステップS284;NO)と判定すると、ステップS298へジャンプし、入力がある(ステップS284;YES)と判定すると、ステップS285へ進んで対象の不正入賞数を更新(+1)(加算)してステップS286へ進む。
【0155】
ステップS286では、加算後の不正入賞数が監視対象の不正発生判定個数(例えば5個)を超えたかチェックする。判定個数を5個としているのは、例えば、開状態にある大入賞口が閉状態に変換した際に遊技球が大入賞口の扉部材に挟まり、その遊技球がカウントスイッチの有効期間を過ぎて入賞した場合や信号にノイズがのった場合にそれを不正と判断しないため、つまり、不正でないのに簡単にエラーと判定しないためである。ここで、判定個数を超えていない(ステップS287;NO)と判定するとステップS296へジャンプし、判定個数を超えた(ステップS287;YES)と判定すると、ステップS288へ進む。
ステップS288では、不正入賞数を不正発生判定個数に留め、次のステップS289で対象の不正入賞報知タイマ領域に初期値(例えば、60000ms)をセーブしてから、対象の不正入賞発生コマンドを準備し(ステップS290)、さらに不正フラグとして不正入賞発生フラグを設定する(ステップS291)。
【0156】
次いで、設定した不正フラグを対象の不正フラグ領域の値と比較し(ステップS292)、一致していなければ(ステップS293;NO),ステップS294に進み、設定した不正フラグを対象の不正フラグ領域にセーブ(ステップS294)した後、ステップS295でコマンド設定処理を行い、当該不正&入賞監視処理を終了する。
したがって、上記のように不正が発生していると、不正報知コマンドが演出制御装置300へ送信され、不正報知がなされることになる。
一方、ステップS293でYESのとき、すなわち、設定した不正フラグが対象の不正フラグ領域の値と一致していれば、既に演出制御装置300に教えてある状態と同じと判断できるので、ステップS294、ステップS295の処理を行わずに、当該不正&入賞監視処理を終了する。これは、フラグが変化したその時だけコマンドを送信するからである。
【0157】
一方、ステップS282で不正監視中でないと判定してステップS296に分岐した場合やステップS287で判定個数を超えていない(ステップS287;NO)と判定してステップS296に分岐した場合には、ステップS296で不正監視対象の入賞口スイッチ(大入賞口のカウントスイッチ124又は普電内の第2始動口スイッチ121)の入賞監視テーブルを準備する。その後、入賞数カウンタを更新する処理、つまり賞球排出の対象として入賞数を計数する処理S297を実行してから、対象の不正入賞報知タイマが既にタイムアップ又は(−1)更新後にタイムアップしたかをチェックし(ステップS298)、チェック結果をステップS299で判定する。
対象の不正入賞報知タイマが既にタイムアップ又は(−1)更新後にタイムアップしていなければ、ステップS299の判定がNOとなり、リターンしてルーチンが繰り返される。
【0158】
対象の不正入賞報知タイマが既にタイムアップ又は(−1)更新後にタイムアップしていれば、ステップS300に進んで、報知終了タイミング(報知終了の瞬間)であるかを判定する。報知終了タイミングでない(ステップS300;NO)と判定すると、ステップS302へジャンプし、報知終了タイミングである(ステップS300;YES)と判定すると、ステップS301へ進んで対象の不正入賞数をリセットし、ステップS302へ進む。ステップS302では、対象の不正入賞解除コマンドを準備し、続くステップS303で不正フラグとして不正入賞解除フラグを設定し、その後、ステップS292に進み、以後はステップS292以降の処理を実行する。したがって、このときは不正入賞解除コマンドが演出制御装置300へ送信され、不正報知の解除がなされることになる。
【0159】
〔入賞数カウンタ更新処理〕
次に、上述の入賞口スイッチ/エラー監視処理における入賞数カウンタ更新処理(ステップS266)及び不正&入賞監視処理における入賞数カウンタ更新処理(ステップS297)を
図25により説明する。
入力数カウンタ更新処理においては、まず、上述の入賞口スイッチ/エラー監視処理にて取得した入賞監視テーブルから監視する入賞口スイッチの個数を取得する(ステップS311)。次いで、監視対象の入賞口スイッチから検出信号の入力(正確には入力の変化)があるかチェックする(ステップS312)。ここで、入力がない(S313;NO)と判定するとステップS318へジャンプし、入力がある(S313;YES)と判定すると、次のステップS314で、対象の入賞数カウンタ領域の値をロードする。
【0160】
それから、ステップS315で対象の入賞数カウンタを更新(+1)してオーバーフローするかチェックする。そして、カウンタオーバーフローが発生していない(ステップS316;NO)と判定すると、ステップS317へ進んで更新後の値を入賞数カウンタ領域にセーブしてからステップS318へ進む。
一方、ステップS316でカウンタオーバーフローが発生している(S316;YES)と判定すると、ステップS317をスキップしてステップS318へジャンプする。設けられた入賞数カウンタ領域のサイズによって、最大記憶数(例えば、1バイトサイズなら255個、2バイトサイズなら65535個)が決まるので、それを超えると値が「0」に戻ってしまい、支払うべき大量の賞球数の情報を失ってしまうことになる。それを回避するためにステップS315では、いきなり領域の内容を更新せず、領域の外で(+1)して「0」になってしまわないかを確認した上で更新を行うようにしている。
ステップS318では、全部のスイッチの監視処理が終了したか判定して、終了している場合(ステップS318;YES)には当該入力数カウンタ更新処理を終了し、終了していない場合(ステップS318;NO)には、ステップS312へ戻り上記処理を繰り返す。
【0161】
〔エラーチェック処理〕
次に、上述の入賞口スイッチ/エラー監視処理におけるエラーチェック処理(ステップS269、ステップS272)を
図26により説明する。
エラーチェック処理においては、まず、エラーを監視すべき複数のスイッチ並びに信号のうちいずれのスイッチ又は信号を今回の監視の対象とするかを順番に指定するためのエラースキャンカウンタに対応するエラー監視テーブルを取得する(ステップS321)。
準備された遊技機エラー監視テーブル上に定義されている情報としては、以下のものがある。
(イ)エラー監視テーブルのアドレス(監視するエラーの数分だけある)
(ロ)スイッチの状態を判定するデータ
(ハ)エラー報知コマンド
(ニ)エラー報知終了コマンド
(ホ)エラー発生監視タイマ比較値
(ヘ)エラー解除監視タイマ比較値
(ト)スイッチ状態領域のアドレス
(チ)エラー監視タイマ領域のアドレス
(リ)エラーフラグ領域のアドレス
【0162】
次いで、今回取得した対象のスイッチの状態をチェックし(ステップS322)、スイッチがオンしているかを判定する(ステップS323)。スイッチがオンであれば(ステップS323;YES)、エラー発生となる状態である可能性があるので、ステップS324に進んで、エラーフラグとしてエラー発生フラグを設定する。
例えば、遊技機エラー監視テーブルで定義するエラーの1つとして、シュート球切れの場合であれば、貯留タンク51に遊技球を供給するシュートに遊技球が無いことがシュート球切れスイッチ216で検出されてオンになると、ステップS323がYESとなる。YESであればステップS324で、エラー発生フラグを設定することになる。
【0163】
次いで、対象のエラー報知コマンドを準備し(ステップS325)、続いて対象のエラー発生監視タイマ比較値を設定する(ステップS326)。次いで、対象のスイッチ状態領域の値と今回のスイッチ状態を比較し(ステップS327)、両者が一致しているかを判定する(ステップS328)。
ステップS328の結果がNO(不一致)であれば、まだエラーの処置まで必要ないと判断してステップS329でスイッチ状態領域に今回のスイッチ状態をセーブし、続いて
対象のエラー監視タイマをクリアする(ステップS330)。
一方、ステップS328の判別結果がYES(一致)であれば、エラーの処置が必要かどうかのタイマを判断するためにステップS334で対象のエラー監視タイマを「1」だけ更新(インクリメント)し、監視タイマ比較値(エラーへの処置が必要と判断する基準値)に達したかどうかをチェックする。監視タイマ比較値に達していれば、ステップS336でエラー監視タイマを「−1」だけ更新(デクリメント)し、ステップS337に進み、設定したエラーフラグを対象のエラーフラグ領域の値と比較する。
ここで、ステップS335で対象のエラー監視タイマが監視タイマ比較値に達したと判定したときは、エラー発生または解除の状態が確定したと見なされることになる。しかし、既にエラーが発生している状態のときにエラー発生が確定するか、またはエラー発生中でない状態のときにエラー解除が確定するという状況もあり得るので、ステップS336の処理を経て、ステップS337では、設定したエラーフラグを対象のエラーフラグ領域の値と比較することにより、今回確定したエラー状態は現エラーフラグの状態と同じかどうかをチェックするようにする。
【0164】
そして、ステップS338の判定結果でYES(エラーフラグが同じ)であれば、エラーの状況が変化していないことになるので、処置の必要はないと判断し、リターンする。一方、ステップS338の判定結果がNOであれば(エラーフラグが同じでなければ)、新たなエラー状態に変化したことになるので、ステップS339に進み、設定したエラーフラグを対象のエラーフラグ領域にセーブしてステップS340に進む。すなわち、対象のエラーフラグ領域の値を今回確定したエラー状態のものに変更して、ステップS340に進む。ステップS340では、コマンド設定処理を行い、今回確定したエラー状態に対応するコマンドを設定する。これにより、今回のエラー状態に対応する処置が行なわれることとなり、例えばシュート球切れであれば、それを知らせるエラー表示が報知されたり、報知解除されたりする。
【0165】
一方、上記ステップS323で今回取得した対象のスイッチのがオンしていなければ、エラー発生となる状態である可能性はなく、上記とは逆にエラー解除となる状態である可能性があるので、ステップS331に分岐してエラーフラグとしてエラー解除フラグを設定する。次いで、対象のエラー報知終了コマンドを準備し(ステップS332)、続いて対象のエラー解除監視タイマ比較値を設定して(ステップS333)、ステップS327に進み、ステップS327以降の処理を行う。したがって、このときはエラー解除に対応する処理が行われる。
このようにして、エラーが発生すれば、該当するエラーフラグを立てて処置のコマンドを設定し、エラーが解消すれば該当するエラーフラグを消して解消のコマンドの設定が行なわれる。特に、このエラーチェック処理では、エラーの発生だけを監視しているものではなく、解除も合わせて監視するようにして、処理を共通にしている。
なお、このようなエラーチェック処理は、例えばガラス枠開放、前面枠開放などのエラーについても同様である。
【0166】
〔特図ゲーム処理〕
次に、前記タイマ割込処理における特図ゲーム処理(ステップS78)を
図27により説明する。
特図ゲーム処理では、第1始動口スイッチ120及び第2始動口スイッチ121の入力の監視と、特図変動表示ゲームに関する処理全体の制御、特図の表示の設定を行う。
特図ゲーム処理では、まず、ステップS351で第1始動口スイッチ120及び第2始動口スイッチ121の入賞を監視する始動口スイッチ監視処理を行う。
始動口スイッチ監視処理では、始動入賞口25、第2始動入賞口をなす普通変動入賞装置26に遊技球の入賞があると、各種乱数(大当り乱数など)の抽出を行い、当該入賞に基づく特図変動表示ゲームの開始前の段階で入賞に基づく遊技結果を事前に判定する遊技結果事前判定を行う。
次いでステップS352でカウントスイッチ監視処理を行う。これは、特別変動入賞装置27内に設けられたカウントスイッチ124のカウント数を監視する処理を行うものである。
【0167】
次いで、ステップS353では、特図ゲーム処理タイマが既にタイムアップしたか、又は当該タイマの−1更新後にタイムアップしたかをチェックし、タイムアップしていれば次のステップS354の判定がYESとなって、ステップS355に進み、タイムアップしていなければステップS354の判定がNOとなって、ステップS366にジャンプする。
特図ゲーム処理タイマは、後述する処理番号による分岐後の各処理(ステップS359〜S365:処理番号=0乃至処理番号=6に相当)において、それぞれ所定の値にタイマ値が設定されるものであり、この特図ゲーム処理タイマがタイムアップしたときにステップS359以降を実行すべきタイミングになるように設定される。これにより、ステップS353を実行した時点で、ステップS355以降を実行すべきタイミングになっていると、ステップS354の判定結果が肯定的になり、ステップS355以降(ステップS366〜S369含む)が実行される。そして、ステップS353を実行した時点で、ステップS355〜S365を実行すべきタイミングでない場合には、ステップS354の判定結果が否定的になり、ステップS366〜S369のみが実行される構成となっている。
【0168】
そしてステップS355〜S357では、後述する処理番号による分岐のために、特図ゲームシーケンス分岐テーブルを設定し、特図ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得し、分岐処理終了後のリターンアドレスをスタック領域に退避させる。
次いでステップS358では、処理番号により分岐する。即ち、処理番号0でステップS359(特図普段処理)へ、処理番号1でステップS360(特図変動中処理)へ、処理番号2でステップS361(特図表示中処理)へ、処理番号3でステップS362(ファンファーレ/インターバル中処理)へ、処理番号4でステップS363(大入賞口開放中処理)へ、処理番号5でステップS364(大入賞口残存球処理)へ、処理番号6でステップS365(大当り終了処理)へ進む。なお、客待ち状態(デモ中)は、処理番号0である。
【0169】
そして、ステップS359(特図普段処理)では、特図保留数(特図変動表示ゲーム未実施で保留になっている特図始動記憶の数)がゼロで特図変動表示ゲームを実行中でないときには、客待ち状態の表示を表示装置41で行うための処理を行う。また、この特図普段処理では、次の特図変動表示ゲームを開始するための処理(特図変動開始処理)を行う。この特図変動開始処理では、特
図1及び特
図2の始動記憶を監視し、何れかの特図始動記憶があれば、対応する変動表示(第1又は第2変動表示)を開始するための設定(演出制御装置300に送信する変動パターンコマンドの設定など)を実行し、処理番号を1とした後にリターンする。特図保留数がゼロで次の特図変動表示ゲームを実行しない場合には、そのまま(処理番号は0のまま)リターンする。
【0170】
また、ステップS360(特図変動中処理)では、特図変動開始処理で設定された変動時間が経過するまで、特図を変動表示させるための処理が行われる。そして、前記変動時間が経過すると、特図の図柄を停止させるコマンド(図柄停止コマンド)を演出制御装置300に送信する処理を実行した後、処理番号を2としてリターンする。設定された変動時間が未経過のときは、そのままリターンする(処理番号は1のままとする)。
また、ステップS361(特図表示中処理)では、特図の変動表示結果を一定時間(1秒〜2秒)表示するための処理を行う。前記一定時間の表示が終了すると、大当りなら処理番号を3とし、はずれなら処理番号を0としてリターンする。前記一定時間が未経過のときは、そのままリターンする(処理番号は2のままとする)。
【0171】
また、ステップS362(ファンファーレ/インターバル中処理)では、大当り直後にはファンファーレ音等をスピーカ12a等から出力するファンファーレ処理を実行し、大当りのインターバル期間にはインターバル期間の表示等を実現するためのインターバル処理を実行し、変動入賞装置27の大入賞口開放を開始するタイミングで処理番号を4にする。
また、ステップS363(大入賞口開放中処理)は、変動入賞装置27の大入賞口27aを開放している間の処理である。大入賞口開放が終了すると、処理番号を5にする。
【0172】
また、ステップS364(大入賞口残存球処理)では、大入賞口開放終了の間際に大入賞口27aに入った遊技球を確実にカウントするために一定時間待機する処理を行い、この一定時間が経過した後に、大当りのラウンドが残っているときには処理番号を3にし、大当りのラウンドが残っていないときには処理番号を6としてリターンする。
またステップS365(大当り終了処理)では、大当たり終了後に特図普段処理S359を実行するための処理を行い、処理番号を0に戻してリターンする。
【0173】
次に、処理番号に応じた上記何れかの処理が終了すると、ステップS366に進み、特
図1の一括表示装置35での表示(本特
図1の表示)を制御するためのテーブルを準備し、次のステップS367では、この本特
図1の変動表示のための制御処理(図柄変動制御処理)を行う。
次いでステップS368に進み、特
図2の一括表示装置35での表示(本特
図2の表示)を制御するためのテーブルを準備し、次のステップS369では、この本特
図2の変動表示のための制御処理(図柄変動制御処理)を行い、その後リターンする。
【0174】
〔始動口スイッチ監視処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における始動口スイッチ監視処理(ステップS351)を
図28により説明する。
始動口スイッチ監視処理では、先ず、始動入賞口25(第1始動口)による保留の情報を設定するテーブルを準備した後(ステップS371)、特図始動口スイッチ共通処理(ステップS372)を行う。なお、ステップS372における特図始動口スイッチ共通処理の詳細については、ステップS377における特図始動口スイッチ共通処理とともに後述する。
【0175】
次に、普通電動役物(普通変動入賞装置26)が作動中である、即ち、普通変動入賞装置26が作動して遊技球の入賞が可能な開状態となっているか否かをチェックして(ステップS373)、普通電動役物が作動中である(ステップS373;YES)と判定すると、処理をステップS376に移行して、それ以降の処理を行う。一方、ステップS373にて、普通電動役物が作動中でない(ステップS373;NO)と判定すると、普通変動入賞装置26への不正入賞数が不正発生判定個数(例えば、5個)以上であるかをチェックして(ステップS374)、不正入賞数が不正発生判定個数以上であるか否かを判定する処理(ステップS375)を行う。
普通変動入賞装置26は、閉状態では遊技球が入賞不可能であり、開状態でのみ遊技球が入賞可能である。よって、閉状態で遊技球が入賞した場合は何らかの異常や不正が発生した場合であり、このような閉状態で入賞した遊技球があった場合はその数を不正入賞数として計数する。そして、このように計数された不正入賞数が所定の不正発生判定個数(上限値)以上であるかが判定される。
【0176】
ステップS375にて、不正入賞数が不正判定個数以上でない(ステップS375;NO)と判定すると、普通変動入賞装置26(始動口2)による保留の情報を設定するテーブルを準備した後(ステップS376)、特図始動口スイッチ共通処理(ステップS377)を行って、始動口スイッチ監視処理を終了する。
また、ステップS375にて、不正入賞数が不正判定個数以上であると判定された場合も(ステップS375;YES)、始動口スイッチ監視処理を終了する。即ち、第2始動記憶をそれ以上発生させないようにする。
【0177】
〔特図始動口スイッチ共通処理〕
次に、上述の始動口スイッチ監視処理における特図始動口スイッチ共通処理(ステップS372、S377)を
図29により説明する。
特図始動口スイッチ共通処理は、第1始動口スイッチ120や第2始動口スイッチ121の入力があった場合に、各々の入力について共通して行われる処理である。
特図始動口スイッチ共通処理では、まず、第1始動口スイッチ120及び第2始動口スイッチ121のうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、第1始動口スイッチ120等)に入力があるか否かをチェックして(ステップS381)、監視対象の始動口スイッチに入力がない(ステップS382;NO)と判定すると、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。一方、ステップS382にて、監視対象の始動口スイッチに入力がある(ステップS383;YES)と判定すると、当該監視対象の始動口スイッチの始動口入賞フラグをセーブした後(ステップS383)、対象のハード乱数ラッチレジスタに抽出された大当り乱数をロード(大当り乱数を抽出)する(ステップS384)。
【0178】
続けて、第1始動口スイッチ120及び第2始動口スイッチ121のうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、第1始動口スイッチ120等)への入賞の回数に関する情報がパチンコ機1の外部の管理装置140に対して出力する回数(始動口信号出力回数)(あと何回出力しなければならないという回数)をロードする(ステップS385)。そして、ロードした始動口信号出力回数を更新(+1)し、出力回数がオーバーフローするか否かをチェックして(ステップS386)、出力回数がオーバーフローしない(ステップS387;NO)と判定すると、更新後の値をRWMの始動口信号出力回数領域にセーブして(ステップS388)、処理をステップS389に移行する。一方、ステップS387にて、出力回数がオーバーフローすると判定された場合は(ステップS387;YES)、処理をステップS389に移行する。
そして、ステップS389にて、第1始動口スイッチ120及び第2始動口スイッチ121のうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、第1始動口スイッチ120等)に対応する更新対象の特図保留(始動記憶)数が上限値未満か否かをチェックして(ステップS389)、特図保留数が上限値未満か否かを判定する処理(ステップS390)を行う。
【0179】
ステップS390にて、特図保留数が上限値未満である(ステップS390;YES)と判定すると、更新対象の特図保留数(例えば、特
図1保留数等)を更新(+1)する処理(ステップS391)を行った後、対象の始動口スイッチの飾り特図保留数コマンド(MODE)を準備し(ステップS392)、さらに、特図保留数に対応する飾り特図保留数コマンド(ACTION)を準備して(ステップS393)、コマンド設定処理(ステップS394)を行う。
次いで、特図保留数に対応する乱数セーブ領域のアドレスを算出する処理(ステップS395)を行う。続けて、大当り乱数をRWMの乱数セーブ領域にセーブし(ステップS396)、次に当該監視対象の始動口スイッチの大当り図柄乱数をロード(大当り図柄乱数を抽出)して準備し(ステップS397)、対応する大当り図柄乱数をRWMの大当り図柄乱数セーブ領域にセーブするとともに、その大当り図柄乱数をレジスタに退避する((ステップS398)。
【0180】
次いで、対応する変動パターン乱数1をロード(変動パターン乱数1を抽出)し、ロードした値をRWMの変動パターン乱数1セーブ領域にセーブし(ステップS399)、次に、対応する変動パターン乱数2をロード(変動パターン乱数2を抽出)し、ロードした値をRWMの変動パターン乱数2セーブ領域にセーブし(ステップS400)、次に、対応する変動パターン乱数3をロード(変動パターン乱数3を抽出)し、ロードした値をRWMの変動パターン乱数3セーブ領域にセーブする(ステップS401)。
ここで、RWMは、始動入賞口25や普通変動入賞装置26の始動領域への遊技球の流入に基づいて各種乱数を抽出し、該抽出された各種乱数を始動記憶として記憶可能な始動記憶手段をなす。
次いで、特図保留情報判定処理(ステップS402)を行って、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
【0181】
一方、ステップS390にて、特図保留数が上限値未満でない(ステップS390;NO)と判定した場合には、ステップS382に係る始動口スイッチの入力が第1始動口スイッチ120の入力であるか否かをチェックして(ステップS403)、第1始動口スイッチ120の入力である(ステップS404;YES)と判定すると、飾り特図保留数コマンド(保留オーバーフローコマンド)を準備し(ステップS405)、コマンド設定処理(ステップS406)を行って、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
一方、ステップS404にて、第1始動口スイッチ120の入力でないと判定された場合にも(ステップS404;NO)、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
【0182】
〔特図保留情報判定処理〕
次に、上述の始動口スイッチ共通処理における特図保留情報判定処理(ステップS402)を
図30により説明する。
特図保留情報判定処理は、対応する始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に当該始動記憶に対応した結果関連情報の判定を行う先読み処理である。
【0183】
特図保留情報判定処理では、まず、ステップS411で先読み演出を実行してよい条件を満たしているかをチェックする。先読み演出を実行してよい条件としては、以下の通りである。
・特
図1:普通変動入賞装置26がサポート中(普電サポート中)、かつ大当り中以外
・特
図2:条件なし
このような条件を満たすときは、当該始動記憶に対応した結果関連情報の判定を行う先読み処理を行うことになる。
ステップS411のチェック結果はステップS412で判定し、先読み演出を実行してよい条件を満たしていなければ、ルーチンを終了してリターンする。一方、先読み演出を実行してよい条件を満たしていれば、ステップS413に進んで、大当り判定処理を行う。大当り判定処理は、始動入賞のタイミングで抽出した乱数が大当りの範囲内にあるかどうかで大当りと判定するもので、大当り判定のときは大当りフラグ領域に大当り情報がセーブされることになる。
【0184】
次いで、ステップS414では、大当り判定結果は大当りか否かを判断し、大当りであれば、ステップS415に進んで、対象の始動口スイッチに対応する大当り図柄乱数チェックテーブルを設定し、続くステップS416で大当り図柄乱数をチェックし、対応する大当り情報テーブルを取得し、設定する。その後、ステップS418に進む。
ここで、大当り図柄乱数チェックテーブル上に定義されている情報には、以下のものがある。
・乱数の判定値(振り分け率を表す)
・判定値に対応する大当り情報テーブルのアドレス
また、大当り情報テーブル上に定義されている情報には、以下のものがある。
・図柄情報
・始動口入賞演出図柄コマンド
【0185】
一方、ステップS414の判定結果がNO(大当りではない)であれば、ステップS417に分岐してはずれ情報テーブルを設定し、その後、ステップS418に進む。はずれ情報テーブルには、例えば始動口入賞演出図柄コマンドが定義されている。
ステップS416又はステップS417からステップS418に進むと、ステップS418では、設定した情報テーブルから図柄情報を取得し、図柄情報(作業用)領域にセーブする。次いで、ステップS419に進み、設定した情報テーブルから始動口入賞演出図柄コマンドを取得し、入賞演出図柄コマンド領域にセーブする。
次に、第1始動口スイッチ120及び第2始動口スイッチ121のうち、監視対象の始動口スイッチの始動口入賞フラグを準備した後(ステップS420)、対象の始動口入賞演出コマンド設定テーブルを準備し(ステップS421)、当該監視対象の始動口に関して設定された特図情報を設定する特図情報設定処理(ステップS422)を行う。
続けて、特図変動表示ゲームにおける変動態様のうち、後半変動パターンを設定する後半変動パターン設定処理(ステップS423)を行った後、特図変動表示ゲームの変動態様を設定する変動パターン設定処理(ステップS424)を行う。
なお、ステップS422における特図情報設定処理、ステップS423における後半変動パターン設定処理、ステップS424における変動パターン設定処理の各々は、特
図1変動開始処理1等における特図情報設定処理(
図42参照)、後半変動パターン設定処理(
図43参照)、変動パターン設定処理(
図44参照)と同様であり、その詳細については後述する。
【0186】
そして、前半変動番号に対応する始動口入賞演出コマンド(MODE)を算出して準備するとともに(ステップS425)、後半変動番号の値を始動口入賞演出コマンド(ACTION)として準備し(ステップS426)、コマンド設定処理(ステップS427)を行う。続けて、入賞演出図柄コマンド領域から始動口入賞演出図柄コマンドをロードして準備し(ステップS428)、コマンド設定処理(ステップS429)を行って、特図保留情報判定処理を終了する。
すなわち、ステップS425、S426にて始動口入賞演出コマンドが準備され、ステップS428にて始動口入賞演出図柄コマンドが準備されることで、始動記憶に対応した結果関連情報の判定結果(先読み結果)を、対応する始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に演出制御装置300に対して知らせることができ、特に表示装置41に表示される特図保留の表示態様を変化させるなどして、その特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に遊技者に結果関連情報を報知することが可能となる。
【0187】
〔カウントスイッチ監視処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理におけるカウントスイッチ監視処理(ステップS352)を
図31により説明する。
カウントスイッチ監視処理では、まず、特別変動入賞装置27の大入賞口が開放中であるか否かをチェックして(ステップS451)、大入賞口が開放中である(ステップS452;YES)と判定すると、カウントスイッチ124の入力があるか否かをチェックして(ステップS453)、カウントスイッチ124の入力がある(ステップS454;YES)と判定すると、大入賞口カウンタの数値を更新(+1)する処理(ステップS455)を行う。
【0188】
続けて、大入賞口カウンタのカウント数が上限値に達したか否かをチェックして(ステップS456)、大入賞口カウント数が上限値に達した(ステップS457;YES)と判定すると、特図ゲーム処理タイマを0クリアする処理(ステップS458)を行って、カウントスイッチ監視処理を終了する。
【0189】
また、ステップS452にて、大入賞口が開放中でないと判定されるか(ステップS452;NO)、或いは、ステップS454にて、カウントスイッチ124の入力がないと判定されるか(ステップS454;NO)、或いは、ステップS457にて、大入賞口カウント数が上限値に達していないと判定された場合には(ステップS457;NO)、カウントスイッチ監視処理を終了する。
【0190】
〔特図普段処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における特図普段処理(ステップS359)の詳細について
図32により説明する。
特図普段処理では、まず、第2特図保留数(第2始動記憶数)が0であるか否かをチェックする(ステップS461)。
そして、第2特図保留数が0である(ステップS462;YES)と判定すると、第1始動記憶数(第1特図保留数)が0であるか否かをチェックする(ステップS463)。
そして、第1特図保留数が0である(ステップS464;YES)と判定すると、既に客待ちデモが開始されているか否かをチェックして(ステップS465)、客待ちデモを開始していない、即ち、開始済みでない(ステップS466;NO)と判定すると、客待ちデモフラグ領域に客待ちデモ中フラグをセーブする処理(ステップS467)を行う。
【0191】
続けて、客待ちデモコマンドを準備して(ステップS468)、コマンド設定処理(ステップS469)を行う。
一方、ステップS465にて、既に客待ちデモが開始されている(ステップS466;YES)と判定すると、既に客待ちデモフラグ領域に客待ちデモ中フラグがセーブ(ステップS467)され、客待ちデモコマンドも準備(ステップS468)され、コマンド設定処理(ステップS469)も実行されているため、これらの処理を行わずにステップS470に移行する。
次に、特図普段処理移行設定処理1を行う(ステップS470)。これは、特図普段処理に移行するための各種データ、例えば特図普段処理に係る処理番号「0」、大入賞口不正監視期間を規定するフラグ(大入賞口不正監視情報)等を設定する処理を行うもので、その後、特図普段処理を終了する。
【0192】
一方、ステップS462にて、第2特図保留数が0でない(ステップS463;NO)と判定すると、特
図2変動開始処理1(ステップS471)を行う。なお、ステップS471における特
図2変動開始処理の詳細については後述する。
そして、特図変動中処理移行設定処理(特
図2)を行う(ステップS470)。これは、特図変動中処理に移行するためのテーブル(第2特図用)を準備したり、当該テーブルに特図変動中処理に係る処理番号「1」、客待ちデモの終了に係る情報、第2特図の変動中に係る試験信号、一括表示装置35の中のLEDセグメントである特
図2表示器における第2特図変動表示ゲームの制御用の情報(例えば、特
図2表示器の変動中に係るフラグ、特
図2表示器の点滅の周期のタイマの初期値など)等を設定する処理を行うもので、その後、特図普段処理を終了する。
【0193】
また、ステップS464にて、第1特図保留数が0でない(ステップS464;NO)と判定すると、特
図1変動開始処理(ステップS473)を行う。なお、ステップS473における特
図1変動開始処理1の詳細については後述する。
そして、特図変動中処理移行設定処理(特
図1)を行う(ステップS474)。これは
、特図変動中処理に移行するためのテーブル(第1特図用)を準備したり、当該テーブルに特図変動中処理に係る処理番号「1」、客待ちデモの終了に係る情報、第1特図の変動中に係る試験信号、一括表示装置35の中のLEDセグメントである特
図1表示器における第1特図変動表示ゲームの制御用の情報(例えば、特
図1表示器の変動中に係るフラグ、特
図1表示器の点滅の周期のタイマの初期値など)等を設定する処理を行うもので、その後、特図普段処理を終了する。
このように、ステップS461とステップS462における第2特図保留数のチェックを、ステップS463とステップS464における第1特図保留数のチェックよりも先に行うことで、第2特図保留数が0でない場合には、特
図2変動開始処理1(ステップS471)が実行されることとなる。
すなわち、第2特図変動表示ゲームが第1特図変動表示ゲームに優先して実行されることとなる。
【0194】
〔特図普段処理移行設定処理1〕
次に、上述の特図普段処理における特図普段処理移行設定処理1(ステップS470)の詳細について
図33により説明する。
このルーチンが開始されると、まずステップS481で処理番号として「0」を設定(例えば、特図普段処理に移行するためのテーブルを準備して当該テーブルに特図普段処理に係る処理番号「0」を設定)し、ステップS482で特図ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブする。
次いで、ステップS483で変動図柄判別フラグ領域をリセットし、ステップS484で大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブしてルーチンを終了する。これにより、特図普段処理に移行するための各種データ、例えば特図普段処理に係る処理番号「0」を設定し、大入賞口不正監視期間を規定するフラグ(大入賞口不正監視情報)を設定する処理が行われる。
【0195】
〔特
図1変動開始処理1〕
次に、上述の特図普段処理における特
図1変動開始処理1(ステップS473)の詳細について
図34により説明する。
特
図1変動開始処理は、第1特図変動表示ゲームの開始時に行う処理であり、具体的には、
図34に示すように、まず、第1特図変動表示ゲームが大当りであるか否かを判定するための大当りフラグ1にはずれ情報や大当り情報を設定する大当りフラグ1設定処理(ステップS491)を行う。なお、ステップS491における大当りフラグ1設定処理の詳細については後述する。
【0196】
次に、第1特図停止図柄(特
図1停止図柄)の設定に係る特
図1停止図柄設定処理(ステップS492)を行った後、第1特図停止図柄番号(特
図1停止図柄番号)に対応する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップS493)。第1特図停止図柄番号(特
図1停止図柄番号)に対応する試験信号には図柄2データ信号があり、この信号はデータの値が変化するまで出力され続ける。なお、ステップS492における特
図1停止図柄設定処理の詳細については後述する。
続けて、特
図1停止図柄設定処理にて設定された図柄情報を図柄情報(作業用)領域にセーブする(ステップS494)。
【0197】
次に、特
図1変動フラグを設定して準備し(ステップS495)、特
図1変動フラグをRWMの変動図柄判別フラグ領域にセーブする(ステップS496)。
続けて、変動パターンに関する情報を設定するテーブル(特
図1用)を準備し(ステップS497)、特図情報を設定する特図情報設定処理(ステップS498)を行う。続けて、第1特図変動表示ゲームにおける変動態様のうち、後半変動パターンを設定する後半変動パターン設定処理(ステップS499)を行った後、第1特図変動表示ゲームの変動態様を設定する変動パターン設定処理(ステップS500)を行う。その後、第1特図の変動開始の情報を設定する変動開始情報設定処理(ステップS501)を行って、特
図1変動開始処理を終了する。
なお、ステップS498における特図情報設定処理、ステップS499における後半変動パターン設定処理、ステップS500における変動パターン設定処理、ステップS501における特
図1変動開始処理の詳細については後述する。
【0198】
〔大当りフラグ1設定処理〕
次に、上述の特
図1変動開始処理1における大当りフラグ1設定処理(ステップS491)の詳細について
図35により説明する。
ルーチンが開始すると、ステップS511で大当りフラグ1領域にはずれ情報をセーブする。大当り判定前には、予めはずれの情報をセットしておくためである。次いで、ステップS512で大当り乱数セーブ領域(特
図1用)から大当り乱数をロードして準備し、ステップS513で大当り判定処理を行う。これは、今回、抽出した特
図1に対応する大当り乱数が大当りの範囲(大当り下限判定値と上限判定値の間にある値:大当り判定値と一致)にあるかどうかをチェックするもので、大当りの範囲内にあれば、大当りと判断できる(詳細ルーチンは後述)。
【0199】
ステップS513のチェック結果はステップS514で判定し、判定結果が大当り(YES)であれば、ステップS515に進んで大当りフラグ1領域に大当り情報を上書きしてセーブし、続くステップS516で大当り乱数セーブ領域(特
図1用)を「0」クリアしてリターンし、次回の判定に備える。
一方、ステップS514でNOのとき(はずれのとき)には、ステップS515をジャンプしてステップS516に進む。したがって、このときは、大当りフラグ1にはずれ情報がセーブされた状態で処理を終わり、大当りフラグ1は設定されない。
【0200】
〔特
図1停止図柄設定処理〕
次に、上述の特
図1変動開始処理1における特
図1停止図柄設定処理(ステップS492)の詳細について
図36により説明する。
ルーチンが開始すると、ステップS521で大当りフラグ1が大当りか(大当り情報がセーブされているか)どうかをチェックし、ステップS522で大当りと判定すると、ステップS523に進んで特
図1の大当り図柄テーブルを設定する。
ここで、特
図1の大当り図柄テーブル上に定義されている情報としては、以下のものがある。
・乱数の判定値(振り分け率を示す)
・判定値に対応する停止図柄番号
続けて、ステップS524で大当り図柄乱数セーブ領域から(特
図1用)から大当り図柄乱数をロードし、ステップS525で大当り図柄乱数に対応する停止図柄番号を取得して準備し、ステップS526では取得した停止図柄番号を特
図1停止図柄領域にセーブする。
【0201】
次いで、ステップS527で普電サポート中であるか否かを判定する。普電サポートとは、普通電動役物(普電)としての第2始動入賞口26の開閉部材26aが開放する動作によって始動入賞をサポートするもので、例えば高確率時や時短時などに、そのようなサポートが行われる。
普電サポート中であれば、ステップS528に進んで、高確率時、時短時の特
図1大当り停止図柄情報テーブルを準備した後、ステップS529に進む。一方、普電サポート中でなければ、ステップS530に分岐して低確率時の特
図1大当り停止図柄情報テーブルを準備して、ステップS529に進む。
ステップS529では、特
図1停止図柄(大当り図柄)に対応する停止図柄情報を設定する停止図柄情報設定処理を行う。なお、ステップS529における停止図柄情報設定処理の詳細については後述する。
【0202】
次に、ステップS531で飾り特図コマンドテーブル(このテーブルには、飾り特
図1コマンド(ACTION)が定義されている)を設定する処理を行い、ステップS532で図柄情報に対応する飾り特
図1コマンド(ACTION)を取得する処理を行った後、ステップS533で飾り特
図1コマンド(MODE)を取得する処理を行って、これらのコマンドをRWMの飾り特図コマンド領域にセーブする(ステップS534)。
そして、ステップS535にてRWMの大当り図柄乱数セーブ領域(特
図1用)を0クリアして、特
図1停止図柄設定処理を終了する。
一方、上記ステップS522で大当りフラグ1が大当りでないと判定された場合(NO)には、ステップS523乃至ステップS529の処理は行わず、ステップS536に分岐する。そして、ステップS536では、はずれ時の停止図柄番号を特
図1停止図柄領域にセーブし、続くステップS537に進んで、はずれ時の図柄情報を図柄情報領域にセーブした後、ステップS531に進み、以降の処理を行う。
【0203】
〔特
図2変動開始処理1〕
次に、上述の特図普段処理における特
図2変動開始処理1(ステップS471)の詳細について
図37により説明する。
特
図2変動開始処理は、第2特図変動表示ゲームの開始時に行う処理であり、具体的には、
図37に示すように、まず、第2特図変動表示ゲームが大当りであるか否かを判定するための大当りフラグ2にはずれ情報や大当り情報を設定する大当りフラグ2設定処理(ステップS541)を行う。なお、ステップS541における大当りフラグ2設定処理の詳細については後述する。
【0204】
次に、第2特図停止図柄(特
図2停止図柄)の設定に係る特
図2停止図柄設定処理(ステップS542)を行った後、第2特図停止図柄番号(特
図2停止図柄番号)に対応する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップS543)。第2特図停止図柄番号(特
図2停止図柄番号)に対応する試験信号には図柄3データ信号があり、この信号はデータの値が変化するまで出力され続ける。なお、ステップS542における特
図2停止図柄設定処理の詳細については後述する。
続けて、特
図2停止図柄設定処理にて設定された図柄情報を図柄情報(作業用)領域にセーブする(ステップS544)。
【0205】
次に、特
図2変動フラグを設定して準備し(ステップS545)、特
図2変動フラグをRWMの変動図柄判別フラグ領域にセーブする(ステップS546)。
続けて、変動パターンに関する情報を設定するテーブル(特
図2用)を準備し(ステップS547)、特図情報を設定する特図情報設定処理(ステップS548)を行う。続けて、第2特図変動表示ゲームにおける変動態様のうち、後半変動パターンを設定する後半変動パターン設定処理(ステップS549)を行った後、第2特図変動表示ゲームの変動態様を設定する変動パターン設定処理(ステップS550)を行う。その後、第2特図の変動開始の情報を設定する変動開始情報設定処理(ステップS551)を行って、特
図2変動開始処理を終了する。
なお、ステップS548における特図情報設定処理、ステップS549における後半変動パターン設定処理、ステップS550における変動パターン設定処理、ステップS551における特
図2変動開始処理の詳細については後述する。
【0206】
〔大当りフラグ2設定処理〕
次に、上述の特
図2変動開始処理1における大当りフラグ2設定処理(ステップS541)の詳細について
図38により説明する。
ルーチンが開始すると、ステップS561で大当りフラグ2領域にはずれ情報をセーブする。大当り判定前には、予めはずれの情報をセットしておくためである。次いで、ステップS562で大当り乱数セーブ領域(特
図2用)から大当り乱数をロードして準備し、ステップS563で大当り判定処理を行う。これは、今回、抽出した特
図2に対応する大当り乱数が大当りの範囲(大当り下限判定値と上限判定値の間にある値:大当り判定値と一致)にあるかどうかをチェックするもので、大当りの範囲内にあれば、大当りと判断できる(詳細ルーチンは後述)。
【0207】
ステップS563のチェック結果はステップS564で判定し、判定結果が大当り(YES)であれば、ステップS565に進んで大当りフラグ2領域に大当り情報を上書きしてセーブし、続くステップS566で大当り乱数セーブ領域(特
図2用)を「0」クリアしてリターンし、次回の判定に備える。
一方、ステップS564でNOのとき(はずれのとき)には、ステップS565をジャンプしてステップS566に進む。したがって、このときは、大当りフラグ2にはずれ情報がセーブされた状態で処理を終わり、大当りフラグ2は設定されない。
【0208】
〔特
図2停止図柄設定処理〕
次に、上述の特
図2変動開始処理1における特
図2停止図柄設定処理(ステップS542)の詳細について
図39により説明する。
ルーチンが開始すると、ステップS571で大当りフラグ2が大当りか(大当り情報がセーブされているか)どうかをチェックし、ステップS572で大当りと判定すると、ステップS573に進んで特
図2の大当り図柄テーブルを設定する。
ここで、特
図2の大当り図柄テーブル上に定義されている情報としては、以下のものがある。
・乱数の判定値(振り分け率を示す)
・判定値に対応する停止図柄番号
続けて、ステップS574で大当り図柄乱数セーブ領域から(特
図2用)から大当り図柄乱数をロードし、ステップS575で大当り図柄乱数に対応する停止図柄番号を取得して準備し、ステップS576では取得した停止図柄番号を特
図2停止図柄領域にセーブする。
【0209】
次いで、ステップS577で普電サポート中であるか否かを判定する。普電サポート中であれば、ステップS578に進んで、高確率時、時短時の特
図2大当り停止図柄情報テーブルを準備した後、ステップS579に進む。一方、普電サポート中でなければ、ステップS580に分岐して低確率時の特
図2大当り停止図柄情報テーブルを準備して、ステップS579に進む。
ステップS579では、特
図2停止図柄(大当り図柄)に対応する停止図柄情報を設定する停止図柄情報設定処理を行う。なお、ステップS579における停止図柄情報設定処理の詳細については後述する。
【0210】
次に、ステップS581で飾り特図コマンドテーブル(このテーブルには、飾り特
図2コマンド(ACTION)が定義されている)を設定する処理を行い、ステップS582で図柄情報に対応する飾り特
図2コマンド(ACTION)を取得する処理を行った後、ステップS583で飾り特
図2コマンド(MODE)を取得する処理を行って、これらのコマンドをRWMの飾り特図コマンド領域にセーブする(ステップS584)。
そして、ステップS585にてRWMの大当り図柄乱数セーブ領域(特
図2用)を0クリアして、特
図2停止図柄設定処理を終了する。
一方、上記ステップS572で大当りフラグ2が大当りでないと判定された場合(NO)には、ステップS573乃至ステップS579の処理は行わず、ステップS586に分岐する。そして、ステップS586では、はずれ時の停止図柄番号を特
図2停止図柄領域にセーブし、続くステップS587に進んで、はずれ時の図柄情報を図柄情報領域にセーブした後、ステップS581に進み、以降の処理を行う。
【0211】
〔大当り判定処理〕
次に、上述の大当りフラグ1設定処理及び大当りフラグ2設定処理におけるそれぞれの大当り判定処理(ステップS513、ステップS563)の詳細について
図40により説明する。
ルーチンが開始すると、ステップS591で大当り判定用の下限判定値を設定する処理を行う。その後、ステップS592で対象の大当り乱数の値が下限判定値未満であるか否かをチェック、つまり、
図35のステップS512で読み込んだ大当り乱数の値が、当該大当り乱数の当り判定値の下限値未満であるかをチェックし、ステップS593で大当り乱数の値が下限判定値未満であると判定すると、ステップS594に分岐し、判定結果としてはずれを設定し、リターンする。
【0212】
一方、ステップS593で大当り乱数の値が下限判定値未満でなければ、ステップS595に進んで、高確率時か否かを判定する。これは、確率変動により大当り確率が高い状態にあるかどうかを判定するもの、すなわち、特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が高確率状態(確率変動状態)となっているか否かを判定するものである。高確率時であれば、ステップS596で高確率時における大当り判定用の上限判定値を設定する処理を行い、その後、ステップS597に進む。
また、ステップS595で高確率時でないと判定すると、ステップS598に分岐し、低確率時における大当り判定用の上限判定値を設定する処理を行い、その後、ステップS597に進む。
このようにして、高確率時と低確率時の上限判定値が設定された場合、対象の大当り乱数の値が下限判定値と上限判定値で挟まれた間(ゾーン)にあれば、大当りと判断できることになる。
そのため、ステップS597では対象の大当り乱数の値が上限判定値より大きいか(上限判定値を超えたか)否かをチェックし、ステップS598で大当り乱数の値が上限判定値より大きいと判定(ステップS598;YES)すると、大当りではないと判断できるので、ステップS594に進んで判定結果としてはずれを設定し、リターンする。
一方、ステップS598で対象の大当り乱数の値が上限判定値以下である(上限判定値を超えていない)と判定(ステップS598;NO)すると、対象の大当り乱数の値が下限判定値と上限判定値で挟まれた間(ゾーン)にあらから、大当りと判断して、ステップS600で判定結果として大当りを設定してリターンする。
【0213】
〔停止図柄情報設定処理〕
次に、上述の特
図1停止図柄設定処理における停止図柄情報設定処理(ステップS529)及び特
図2停止図柄設定処理における停止図柄情報設定処理(ステップS579)の詳細について
図41により説明する。
停止図柄情報設定処理では、まず、ステップS611で対象の停止図柄番号に対応する図柄情報を取得し、図柄情報領域にセーブする。
ここで、図柄情報を取得する場合、準備された停止図柄情報テーブル上に定義されている情報から所得するが、その内容は以下の通りである(後述の各情報も同様)。
・図柄情報
・確率変動判定フラグ
・ラウンド数上限値情報
・大入賞口開放情報
・特殊演出情報(例えば、
・特殊演出情報(例えば、大当り終了後に行われる昇格演出実行期間の有無等)
ここで、昇格演出とは、以下の概念である。
本実施例の場合、通常図柄で当たった時、大当り終了後の時短期間内に特定の回転数(例えば、20、50、100回転目)になると、通常の大当り確率(通常モード)から高確率モードに昇格するかどうかの昇格演出を行うようになっている。この昇格演出は、遊技者に対して確変(確率変動によって高確率モードになること)になるかもしれないと大きな期待感を持たせるもので、ハラハラドキドキ感のある演出である。
ただし、パチンコ機1内部では、確変かどうかは事前に決まっているものであるが、外部の遊技者に演出を伝える表示装置41の画面上はあいまいな報知しかしないので、遊技者は確信が持てない状態である。そこで、昇格演出を行うことによって、確変確定か否かを遊技者に報知してあげるようになっている。
また、何回目の昇格演出で確変昇格するかも事前に決まっており(この情報も特殊演出情報に含まる)、確変当りでない場合は上記3回とも昇格するかどうかの演出は行うが、全て失敗に終わるような演出になる。
【0214】
次いで、ステップS612で停止図柄番号に対応する確率変動判定フラグを取得し、当該確率変動判定フラグをRWMの確率変動判定フラグ領域にセーブする。
次に、ステップS613で停止図柄番号に対応するラウンド数上限値情報を取得し、当該ラウンド数上限値情報をRWMのラウンド数上限値情報領域にセーブする。続けて、ステップS614で停止図柄番号に対応する大入賞口開放情報を取得し、当該大入賞口開放情報をRWMの大入賞口開放情報領域にセーブする。次いで、ステップS615で停止図柄番号に対応する特殊演出情報(設定用)を取得し、当該特殊演出情報(設定用)をRWMの特殊演出情報(設定用)領域にセーブして、停止図柄情報設定処理を終了する。
【0215】
〔特図情報設定処理〕
次に、上述の特
図1変動開始処理、特
図2変動開始処理における特図情報設定処理(ステップS498、ステップS548)の詳細について
図42により説明する。
特図情報設定処理では、まず、準備したフラグを対象の特図を示すフラグとして図柄判別フラグ(作業用)領域にセーブする(ステップS621)。
ここで、特図情報のために準備されているテーブル上に定義されている情報として、以下のものがある。
・特図保留数領域のアドレス
・前半変動情報1領域のアドレス
・前半変動情報2領域のアドレス
・前半変動グループ情報領域のアドレス
・後半変動グループ情報領域のアドレス
・乱数セーブ領域のアドレス(変動パターン乱数1)
・乱数セーブ領域のアドレス(変動パターン乱数2)
・後半変動番号領域のアドレス
・乱数セーブ領域のアドレス(変動パターン乱数3)
【0216】
次いで、ステップS622で情報生成パラメータ1として対象の特図保留数をロードし、ステップS623で情報生成パラメータ2として特殊演出情報(振分用)をロードする。次いで、ステップS624で普電サポート中であるか否かを判定する(普電サポートの概念は前述した通り)。普電サポート中でなければ、ステップS624でNOに分岐してステップS625に進み、情報生成パラメータ3として普電サポートなしの値を設定する。次いで、ステップS626で情報生成パラメータ1、3を元に前半変動情報1を生成し、前半変動情報1領域にセーブする。続いて、ステップS627で情報生成パラメータ2を元に前半変動情報2を生成し、前半変動情報2領域にセーブし、ステップS628で情報生成パラメータ4として図柄情報(作業用)をロードし、さらにステップS629で情報生成パラメータ5として図柄判別フラグ(作業用)をロードする。
次いで、ステップS630で情報生成パラメータ4、6を元に前半変動グループ情報を生成し、前半変動グループ情報領域にセーブする。続いて、ステップS631で情報生成パラメータ1を元に後半変動グループ情報を生成し、対象の後半変動グループ情報領域にセーブし、ステップS632で情報生成パラメータ2、4、5元に変動グループ選択テーブルポイントを生成し、準備してリターンする。したがって、このときは普電サポートなしの特図情報が設定されることになる。
【0217】
一方、ステップS624で普電サポート中であれば、ステップS633に分岐して高確率時かどうかを判定し、NOのとき(低確率時)にはステップS634に進み、情報生成パラメータ3として低確率及び普電サポート中の値を設定した後、ステップS626に抜け、以後は、ステップS626乃至ステップS632を実行してリターンする。
したがって、このときは低確率及び普電サポート中の特図情報が設定されることになる。
また、ステップS633で高確率時と判定(YES)したときは、ステップS635に分岐して、前半情報生成パラメータ2が特殊演出実行中かをチェックし、チェック結果をステップS636で判定し、判定結果がNO(特殊演出実行中でない)のときはステップS637に進んで、情報生成パラメータ3として高確率及び普電サポート中の値を設定した後、ステップS626に抜け、以後は、ステップS626乃至ステップS632を実行してリターンする。
したがって、このときは高確率及び普電サポート中の特図情報が設定されることになる。
さらに、ステップS636で前半情報生成パラメータ2が特殊演出実行中である(YES)と判定したときは、ステップS638に分岐して、情報生成パラメータ3として特殊演出実行時の値を設定した後、ステップS626に抜け、以後は、ステップS626乃至ステップS632を実行してリターンする。
したがって、このときは特殊演出実行時の特図情報が設定されることになる。
【0218】
〔後半変動パターン設定処理〕
次に、上述の特
図1変動開始処理、特
図2変動開始処理における後半変動パターン設定処理(ステップS499、ステップS549)の詳細について
図43により説明する。
後半変動パターン設定処理では、まず、第1特図及び第2特図のうち、特図情報設定処理にて設定された特図情報(例えば、第1特図等)に対応する変動グループ選択テーブルポインタに対応する変動グループ選択テーブルのアドレスを算出し、準備する処理(ステップS641)を行う。
なお、算出前の変動グループ選択アドレステーブルに定義される情報としては、変動グループ選択テーブルのアドレスがあるが、これは変動グループ選択テーブルポインタの数分だけある。
【0219】
次に、特
図1停止図柄設定処理にて設定された図柄情報(作業用)がはずれ図柄情報であるか否かをチェックし(ステップS642)、ステップS634で図柄情報(作業用)がはずれ図柄情報であると判定(YES)すると、ステップS644に進んで、対象の後半変動グループ情報領域から後半変動グループ情報をロードし、続いてステップS645で後半変動グループ情報に対応するアドレスを追加算出し、変動グループ選択テーブルとして準備してステップS646に進む。
なお、はずれの変動グループ選択テーブル上に定義されている情報としては、変動グループ選択テーブルのアドレスがあるが、これは、保留数毎でテーブルを変えるために追加算出が行われるものであるが、大当り時は保留数に影響しない。
一方、ステップS634で図柄情報(作業用)がはずれ図柄情報ではないと判定(NO)すると、ステップS644、ステップS645をジャンプしてステップS646に進む。
したがって、図柄情報(作業用)がはずれ図柄情報のときは、はずれに対応した情報が準備される。
【0220】
ステップS646では、特図変動表示ゲームの後半変動パターングループを選択するための判定用乱数として、2バイト(複数バイト)で構成された変動パターン乱数1を対象の領域からロードして準備し、その後、ステップS647にて後半変動選択テーブルの特定に係る2バイト振り分け処理を行う。
次いで、2バイト振り分け処理を行うことにより得られた後半変動選択テーブルのアドレスを取得して準備した後(ステップS648)、特図変動表示ゲームの後半変動パターンを選択するための判定用乱数として、変動パターン乱数2を対象の領域からロードして準備し(ステップS649)、後半変動番号の特定に係る振り分け処理(ステップS650)を行う。
次に、振り分け処理を行うことにより得られた後半変動番号を取得する処理(ステップS651)を行って、当該後半変動番号をRWMの対象となる後半変動番号領域にセーブして(ステップS652)、後半変動パターン設定処理を終了する。
【0221】
〔変動パターン設定処理〕
次に、上述の特
図1変動開始処理、特
図2変動開始処理における変動パターン設定処理(ステップS500、ステップS550)の詳細について
図44により説明する。
変動パターン設定処理では、まず、第1特図及び第2特図のうち、特図情報設定処理にて設定された特図情報(例えば、第1特図等)に対応する、つまり対象の前半変動グループ情報領域から前半変動グループ情報をロードする処理(ステップS661)を行う。
次に、前半変動グループ情報に対応する前半変動グループテーブルのアドレスを算出し(ステップS662)、続いて対象の領域から後半変動番号をロードして(ステップS663)、算出後のテーブルを用い、後半変動番号に対応するアドレスを算出する(ステップS664)。
【0222】
次いで、後半変動番号がリーチなし変動の番号であるか否かをチェックして(ステップS665)、後半変動番号がリーチなし変動の番号である(ステップS666;YES)と判定すると、対象の前半変動情報1領域から前半変動情報1をロードする(ステップS667)。
また、ステップS666にて、後半変動番号がリーチなし変動の番号でない(ステップS666;NO)と判定すると、ステップS669に分岐して対象の前半変動情報2領域から前半変動情報2をロードした後、ステップS668に進む。
次いで、ステップS668では、算出後のテーブルを用い、前半変動情報に対応するアドレスを算出する処理を行い、ステップS670で算出後のアドレスから前半変動選択テーブルのアドレスを取得し、準備する処理を行う。
続いて、ステップS671で対象の領域から変動パターン乱数3をロードして準備し、ステップS672で前半変動番号を特定する振り分け処理を行う。次に、ステップS673で振り分け処理の結果得られた前半変動番号を取得して準備する処理を行って、変動パターン設定処理を終了する。
【0223】
〔変動開始情報設定処理〕
次に、上述の特
図1変動開始処理、特
図2変動開始処理における変動パターン設定処理(ステップS500、ステップS550)の詳細について
図45により説明する。
変動開始情報設定処理では、まず、対象となる変動パターン乱数1〜3のRWMのセーブ領域をクリアした後(ステップS681)、変動パターン設定処理にて取得された前半変動番号に対応する前半変動時間値テーブルの値を取得する処理(ステップS682)を行い、続けて、前半変動番号に対応する前半変動時間値を取得する処理(ステップS683)を行い、さらに、後半変動パターン設定処理にて取得された後半変動番号に対応する後半変動時間値テーブルを設定する処理(ステップS684)を行う。
【0224】
次に、後半変動番号に対応する後半変動時間値を取得する処理(ステップS685)を行い、続けて、取得された前半変動時間値と後半変動時間値とを加算する処理(ステップS686)を行った後、加算値を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップS687)。
続けて、前半変動番号に対応する変動コマンド(MODE)を算出して準備した後(ステップS688)、後半変動番号の値を変動コマンド(ACTION)として準備して(ステップS689)、コマンド設定処理(ステップS690)を行う。
【0225】
次に、RWMの飾り特図コマンド領域から、飾り特図変動表示ゲームに係る停止図柄パターン情報に対応する飾り特図コマンドをロードして準備し(ステップS691)、コマンド設定処理(ステップS692)を行う。
続けて、変動図柄判別フラグに対応する(すなわち、表示装置41に表示される特図保留数に係る)飾り特
図1保留数コマンド(MODE)を準備して(ステップS693)、変動図柄判別フラグに対応するRWMの第1特図の乱数セーブ領域のアドレスを設定する(ステップS694)。
【0226】
次に、変動図柄判別フラグに対応する特図保留数を更新(−1)し(ステップS695)、特図保留数に対応する飾り特図保留数コマンド(ACTION)を準備して(ステップS696)、コマンド設定処理(ステップS697)を行う。
そして、第1特図及び第2特図のうち、変動図柄判別フラグに対応する変動対象の特図の乱数セーブ領域をシフトし(ステップS698)、シフト後の空き領域をクリアする処理(ステップS699)を行って、変動開始情報設定処理を終了する。
【0227】
〔特図変動中処理移行設定処理(特
図1)〕
次に、上述の特図普段処理における特図変動中処理移行設定処理(特
図1)(ステップS474)の詳細について
図46により説明する。
ルーチンが開始すると、ステップS711で処理番号として「1」(特図変動中処理に係る処理番号に相当)を設定し、ステップS712で特図ゲーム処理番号領域に処理番号(ここでは「1」)をセーブする。次いで、ステップS713で客待ちデモフラグ領域に客待ちデモ中以外フラグをセーブし、ステップS714で特
図1変動開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする。
次いで、ステップS715で特
図1変動制御フラグ領域に変動中フラグをセーブし、ステップS716で特
図1変動制御タイマ領域に図柄変動制御タイマ初期値(例えば、200ms)をセーブしてルーチンを終了する。
このようにして、特
図1に関して特図変動中処理に移行するための処理が行われる。
【0228】
〔特図変動中処理移行設定処理(特
図2)〕
次に、上述の特図普段処理における特図変動中処理移行設定処理(特
図2)(ステップS472)の詳細について
図47により説明する。
ルーチンが開始すると、ステップS721で処理番号として「1」(特図変動中処理に係る処理番号に相当)を設定し、ステップS722で特図ゲーム処理番号領域に処理番号(ここでは「1」)をセーブする。次いで、ステップS723で客待ちデモフラグ領域に客待ちデモ中以外フラグをセーブし、ステップS724で特
図2変動開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする。
次いで、ステップS725で特
図2変動制御フラグ領域に変動中フラグをセーブし、ステップS726で特
図2変動制御タイマ領域に図柄変動制御タイマ初期値(例えば、200ms)をセーブしてルーチンを終了する。
このようにして、特
図2に関して特図変動中処理に移行するための処理が行われる。
【0229】
〔特図変動中処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における特図変動中処理(ステップS360)の詳細について
図48により説明する。
特図変動中処理では、まず、ステップS729で図柄停止コマンドを準備し、次いでステップS730で図柄停止コマンド(ステップS729で準備したもの)についてコマンド設定処理(後述する)を実行する。図柄停止コマンドは、演出制御装置300に対して、特図(飾り図柄)の変動表示の停止を指令するものである。なお、一括表示装置35の本特図はコマンドにより変動/停止するものではなく、遊技制御装置100自身が一括表示装置35へLEDのON/OFFデータを出力して、変動等を制御している。
また、本例は、このように主基板(遊技制御装置100)からサブ基板(演出制御装置300)に図柄停止コマンドを送信する構成であるが、この態様に限定されない。例えば、サブ基板側で計時して自動的に(即ち、主基板からのコマンドによらずに)図柄停止(特図の飾り図柄の変動表示の停止)を行う構成としてもよく、この場合には、主基板から図柄停止コマンドを送信する必要は必ずしもない。但しこの場合も、検査時等に使えるように、サブ基板側の処理として図柄停止コマンドを受信する処理を残してもよい。
続いて特図変動中処理では、ステップS731で図柄情報がはずれ図柄情報であるかをチェックし、ステップS732でYES(図柄情報がはずれ図柄情報である)と判定すると、ステップS733に進んで、後半変動番号がリーチなし変動の番号かをチェックする。チェック結果をステップS734で判定し、YES(リーチなし変動)であれば、ステップS735ではずれ時の特図表示時間ポインタを設定する。次いで、ステップS736で特図表示時間テーブルを設定し、ステップS737で特図表示時間ポインタに対応する特図表示時間を取得し、さらにステップS738で特図表示時間を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする。その後、ステップS739で特図表示中移行設定処理を行い、リターンする。
【0230】
一方、ステップS734で後半変動番号がリーチなし変動の番号でなければ、NO(リーチあり変動)と判定し、ステップS740に分岐してはずれリーチ時の特図表示時間ポインタを設定した後、ステップS736に進み、以降の処理を行う。
また、ステップS732で図柄情報がはずれ図柄情報でない(NO)と判定すると、ステップS741に分岐して大当り時の特図表示時間ポインタを設定した後、ステップS736に進み、以降の処理を行う。
【0231】
〔特図表示中処理移行設定処理〕
次に、上述の特図変動中処理における特図表示中処理移行設定処理(ステップS739)の詳細について
図49により説明する。
ルーチンが開始すると、ステップS751で処理番号として「2」(特図表示中処理に係る処理番号に相当)を設定し、ステップS752で特図ゲーム処理番号領域に処理番号(ここでは「2」)をセーブする。次いで、ステップS753で特
図1変動終了処理に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブし、ステップS754で特
図2変動終了処理に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする。
次いで、ステップS755で図柄確定回数信号制御タイマ領域に制御タイマ初期値(例えば、256ms)をセーブし、ステップS756で特
図1変動制御フラグ領域に停止フラグをセーブし、ステップS757で特
図2変動制御フラグ領域に停止フラグをセーブしてルーチンを終了する。
このようにして、特図表示中処理に移行するための処理が行われる。
【0232】
〔特図表示中処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における特図表示中処理(ステップS361)の詳細について
図50、
図51により説明する。
特図表示中処理では、まず、特
図2変動開始処理1における大当りフラグ2設定処理にて設定された大当りフラグ2をロードして(ステップS761)、RWMの大当りフラグ2領域をクリアする処理(ステップS762)を行う。
次に、ロードされた大当りフラグ2が大当りかをチェックして(ステップS763)、大当りである(ステップS764;YES)と判定すると、ステップS770にジャンプしてRWMの大当りフラグ1領域をクリアする処理を行い、次いで、ステップS771で特
図2大当りの開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブし、ステップS772に処理を移行する。
【0233】
一方、ステップS764にて、大当りフラグ2のチェックの結果、大当りでない(ステップS764;NO)と判定すると、特
図1変動開始処理における大当りフラグ1設定処理にて設定された大当りフラグ1をロードして(ステップS765)、RWMの大当りフラグ1領域をクリアする処理(ステップS766)を行う。
続けて、ロードされた大当りフラグ1が大当りかをチェックして(ステップS767)、大当りである(ステップS768;YES)と判定すると、特
図1大当りの開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブし(ステップS769)、ステップS772に処理を移行する。
また、ステップS768で大当りでない(NO)と判定すると、
図51のステップS787に処理を移行する。このときは、以後に時短の有無を判断して処理を進めることになる。
【0234】
さて、上述したステップS769における特
図1大当りに関する試験信号のセーブ、或いは、ステップS771における特
図2大当りに関する試験信号のセーブの後、ラウンド数上限値テーブルを設定する処理(ステップS772)を行う。
次いで、ラウンド数上限値情報に対応するラウンド数上限値を取得し、ラウンド数上限値をラウンド数上限値領域にセーブする(ステップS773)。続けて、ラウンド数上限値情報に対応するラウンドLEDポインタを取得し、当該ラウンドLEDポインタをラウンドLEDポインタ領域にセーブする(ステップS774)。
次に、普図変動表示ゲーム及び特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率を通常確率状態(低確率状態)とする情報に係る低確率時の確率情報コマンドを準備して(ステップS775)、コマンド設定処理(ステップS776)を行う。
続けて、図柄情報に対応するファンファーレコマンドを準備し(ステップS777)、コマンド設定処理(ステップS778)を行う。
【0235】
その後、飾り特図変動表示ゲームに係る停止図柄パターン情報に対応する飾り特図コマンドを飾り特図コマンド領域からロードして準備し(ステップS779)、コマンド設定処理(ステップS780)を行う。
次に、大入賞口開放情報と確率の状態に対応する信号を外部情報出力データ領域にセーブし(ステップS781)、大入賞口開放情報に対応する大当りファンファーレ時間を設定して(ステップS782)、当該大当りファンファーレ時間を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップS783)。
その後、大入賞口への不正入賞数領域をリセットした後(ステップS784)、大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間外フラグをセーブする(ステップS785)。
【0236】
そして、ファンファーレ/インターバル中処理に移行するための各種データを設定する移行設定処理1(ステップS786)、具体的には、ファンファーレ/インターバル中処理に係る処理番号「3」、各種状態の切り替えに係る情報を設定する処理等を行って、特図変動中処理を終了する。
ここで、各種状態が切り替わるための情報としては、例えば、外部情報端子板55に出力用の遊技状態が特別遊技状態(大当り状態)であることを示す信号、普図変動表示ゲーム及び特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が通常確率状態(低確率状態)であることを示す試験信号、大入賞口不正監視期間における大入賞口への入賞数のクリアに係る情報、特別遊技状態のラウンド数のクリアに係る情報、高確率状態の表示に係る遊技状態表示LEDを消灯させる情報、普図変動表示ゲームにて当り結果となる確率を通常確率状態(低確率状態)とする情報、停電復旧時に点灯した高確率状態の表示に係る遊技状態表示LED(高確率報知LED)を消灯させる情報、特図変動表示ゲームの制御用の情報(例えば、特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率を通常確率状態(低確率状態)とする情報や、停電復旧時に演出制御装置300に出力される、普図変動表示ゲームや特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が通常確率状態(低確率状態)であることを示す情報や、大当り後の残り時間短縮変動回数のクリアに係る情報など)等が挙げられる。
【0237】
一方、ステップS768にて、大当りフラグ1のチェックの結果、大当りでない(ステップS768;NO)と判定すると、
図51に示すように、遊技状態が、特図変動表示ゲームと普図変動表示ゲームを時短動作状態とし、普通変動入賞装置26の開放時間を延長する時短状態であるか否かを判定する処理(ステップS787)を行う。
ここで、遊技状態が時短状態でない(ステップS787;NO)と判定すると、特図普段処理に移行するための各種データを設定する特図普段処理移行設定処理1(ステップS788)、具体的には、当該テーブルに、特図普段処理に係る処理番号「0」等を設定する処理を行って、特図表示中処理を終了する。
一方、ステップS787にて、遊技状態が時短状態である(ステップS787;YES)と判定すると、特図変動表示ゲームが時短動作状態で行われる回数(例えば、100回)に係る時短変動回数(時間短縮変動回数)を更新(−1)した後(ステップS789)、当該更新後の時短変動回数が「0」であるか否かを判定する処理(ステップS790)を行う。
ここで、時短変動回数が「0」でない(ステップS790;NO)と判定すると、処理をステップS788に移行して、それ以降の処理を行う。
【0238】
一方、ステップS790にて、時短変動回数が「0」である(ステップS790;YES)と判定すると、即ち、時短状態にて特図変動表示ゲームが時短動作状態での所定回数(例えば、100回)の実行が完了した場合には、特図変動表示ゲームと普図変動表示ゲームの時短動作状態と普通変動入賞装置26の開放時間を延長する状態(時短状態)を終了する場合の確率情報コマンドを準備して(ステップS791)、コマンド設定処理(ステップS792)を行う。
次に、時短が終了した時における特図普段処理に移行するための各種データを設定する特図普段処理移行設定処理2(時短終了時)(ステップS793)、具体的には、当該テーブルに、特図普段処理に係る処理番号「0」、特図変動表示ゲームと普図変動表示ゲームの時短動作状態と普通変動入賞装置26の開放時間を延長する状態(時短状態)の終了に係る情報等を設定する処理を行って、特図表示中処理を終了する。
【0239】
〔特図普段処理移行設定処理2(時短終了時)〕
次に、上述の特図表示中処理における特図普段処理移行設定処理2(時短終了時)(ステップS793)の詳細について
図52により説明する。
ルーチンが開始すると、ステップS801で処理番号として「0」(特図普段処理に係る処理番号に相当)を設定し、ステップS802で特図ゲーム処理番号領域に処理番号(ここでは「0」)をセーブする。次いで、ステップS803で時短の終了に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブし、ステップS804で時短の終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする。
【0240】
次いで、ステップS805で遊技状態表示番号領域に低確率時の番号をセーブし、ステップS806で普図ゲームモードフラグ領域に普図低確率&普電サポートなしフラグをセーブする。次いで、ステップS807で特図ゲームモードフラグ領域に特図低確率フラグをセーブし、ステップS808で停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(低確率)をセーブする。次いで、ステップS809で変動図柄判別フラグ領域をリセットし、ステップS810で特殊演出情報(振分用)領域をリセットしてリターンする。
【0241】
〔ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理1〕
次に、上述の特図表示中処理におけるファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理1(ステップS786)の詳細について
図53により説明する。
ルーチンが開始すると、ステップS821で処理番号として「3」(ファンファーレ/インターバル中処理に係る処理番号に相当)を設定し、ステップS822で特図ゲーム処理番号領域に処理番号(ここでは「3」)をセーブする。次いで、ステップS823で大当りの開始に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブし、ステップS824で高確率&時短の終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする。
【0242】
次いで、ステップS825で大入賞口不正入賞数領域をリセットし、ステップS826でラウンド数領域をリセットする。次いで、ステップS827で遊技状態表示番号領域に低確率時の番号をセーブし、ステップS828で普図ゲームモードフラグ領域に普図低確率&普電サポートなしフラグをセーブする。次いで、ステップS829で変動図柄判別フラグ領域をリセットし、ステップS830で高確率報知フラグ領域をリセットし、ステップS831で特図ゲームモードフラグ領域に特図低確率フラグをセーブし、ステップS832で停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(低確率)をセーブする。次いで、ステップS833で時短変動回数領域をリセットし、ステップS834で特殊演出情報(振分用)領域をリセットしてリターンする。
【0243】
〔ファンファーレ/インターバル中処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理におけるファンファーレ/インターバル中処理(ステップS362)の詳細について
図54により説明する。
ファンファーレ/インターバル中処理では、まず、特別遊技状態のラウンド数を更新(+1)する処理(ステップS841)を行った後、特別遊技状態の各ラウンドにおける大入賞口の開放時間(変動入賞装置27の開閉部材27bの開放時間。以下、適宜同様)を判断するために、大入賞口開放情報が長開放か否かをチェックする。
なお、特別遊技状態の各ラウンドにおける大入賞口の開放時間(変動入賞装置27の開閉部材27bの開放時間)としては、開放時間の短い短開放(例えば、0.8秒等)と、開放時間の長い長開放(例えば、25秒等)とがある。この判定は、例えば大入賞口開放情報判定フラグを設定し、当該大入賞口開放情報判定フラグが大入賞口の開放時間の長い長開放(例えば、25秒等)であるか否かをチェックして行うようにすればよい。
【0244】
ステップS842のチェック結果はステップS843で判定し、YES(開放時間の長い長開放)であれば、特別遊技状態のラウンド数に対応するラウンドコマンドを準備して(ステップS844)、コマンド設定処理(ステップS845)を行う。
次に、RWMの飾り特図コマンド領域から、飾り特図変動表示ゲームに係る停止図柄パターン情報に対応する飾り特図コマンドをロードして準備し(ステップS846)、コマンド設定処理(ステップS847)を行う。
そして、特別遊技状態の各ラウンドにおける変動入賞装置27の開閉部材27bの開放時間(大入賞口の開放時間)として開放時間の長い長開放(例えば、25000ms=25秒)を設定する処理(ステップS848)を行った後、当該開放時間(長開放に係る開放時間)を特図ゲーム処理タイマにセーブする(ステップS849)。
次に、大入賞口開放中処理に移行するための各種データを設定する大入賞口開放中処理移行設定処理(ステップS850)、具体的には、大入賞口開放中処理に係る処理番号「4」、大入賞口の開放に係る試験信号、大入賞口を開放するための大入賞口ソレノイド133の駆動に係る制御信号(オン信号)、大入賞口への入賞数のクリアに係る情報等を設定する処理を行って、ファンファーレ/インターバル中処理を終了する。
【0245】
一方、ステップS843にて大入賞口の開放時間が長開放でないと判定(NO)された場合、即ち、大入賞口の開放時間が短開放である場合には、処理をステップS851に移行して、当該開放時間として短開放(例えば、800ms=0.8秒)に設定し、ステップS849に進む。
したがって、大当りのラウンド数が15ラウンドである場合は、大入賞口の開放時間として長開放に係る開放時間が特図ゲーム処理タイマにセーブされ、大当りのラウンド数が2ラウンドである場合は、大入賞口の開放時間として短開放に係る開放時間が特図ゲーム処理タイマにセーブされることとなる。
【0246】
〔大入賞口開放中処理移行設定処理〕
次に、上述のファンファーレ/インターバル中処理における大入賞口開放中処理移行設定処理(ステップS850)の詳細について
図55により説明する。
ルーチンが開始すると、ステップS861で処理番号として「4」(大入賞口開放中処理に係る処理番号に相当)を設定し、ステップS862で特図ゲーム処理番号領域に処理番号(ここでは「4」)をセーブする。次いで、ステップS863で大入賞口開放開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする。大入賞口開放開始に関する信号としては、例えば特別電動役物1作動中信号をONしたものがある。
次いで、ステップS864で大入賞口ソレノイド出力データ領域にONデータをセーブし、ステップS865で大入賞口カウント数をリセットしてリターンする。
【0247】
〔大入賞口開放中処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における大入賞口開放中処理(ステップS363)の詳細について
図56により説明する。
大入賞口開放中処理では、まず、大入賞口開放情報が開放時間の長い長開放(例えば、25秒等)であるか否かをチェックする(ステップS871)。これは、例えば大入賞口開放情報判定フラグを用いて判断する。
そして、大入賞口の開放時間が長開放である(ステップS872;YES)と判定すると、実行中の特別遊技状態における今回のラウンド数をRWMのラウンド数上限値領域のラウンド数上限値と比較して、今回のラウンドが上限値(つまり最終ラウンド)に達したか否かをチェックする処理(ステップS873)を行う。
【0248】
ステップS873におけるチェックの結果はステップS874で判定し、判定の結果、特別遊技状態における今回のラウンドが最終ラウンドでない(ステップS874;NO)であれば、ラウンド間のインターバルに係るインターバルコマンドを準備して(ステップS875)、コマンド設定処理(ステップS876)を行う。
続けて、RWMの飾り特図コマンド領域から、飾り特図変動表示ゲームに係る停止図柄パターン情報に対応する飾り特図コマンドをロードして準備し(ステップS877)、コマンド設定処理(ステップS878)を行う。
【0249】
次に、大入賞口残存球処理に移行するための各種データを設定する大入賞口残存球処理移行設定処理(ステップS879)、具体的には、大入賞口残存球処理に係る処理番号「5」、特図ゲーム処理タイマにセーブする大入賞口残存球処理に係る処理時間、大入賞口を閉塞するための大入賞口ソレノイド133の駆動に係る制御信号(オフ信号)等を設定する処理を行って、大入賞口開放中処理を終了する。
【0250】
一方、ステップS874にて、特別遊技状態における今回のラウンドが最終ラウンドである(ステップS874;YES)と判定すると、特別遊技状態の終了の際にエンディング表示画面の表示制御等に係るエンディングコマンドを準備して(ステップS880)、コマンド設定処理(ステップS876)を行った後、処理をステップS877に移行して、それ以降の処理を行う。
即ち、RWMの飾り特図コマンド領域から、飾り特図変動表示ゲームに係る停止図柄パターン情報に対応する飾り特図コマンドをロードして準備し(ステップS877)、コマンド設定処理(ステップS878)を行った後、大入賞口残存球処理に移行するための各種データを設定する大入賞口残存球処理移行設定処理(ステップS879)を行う。具体的には、大入賞口残存球処理に係る処理番号「5」、特図ゲーム処理タイマにセーブする大入賞口残存球処理に係る処理時間、大入賞口を閉塞するための大入賞口ソレノイド133の駆動に係る制御信号(オフ信号)等を設定する処理を行って、大入賞口開放中処理を終了する。
【0251】
また、ステップS872にて、大入賞口の開放時間が長開放でない(ステップS872;NO)と判定すると、即ち、大入賞口の開放時間が短開放(例えば、0.8秒)である場合、インターバルコマンドの設定(ステップS876)、飾り特図コマンドの設定(ステップS878)、エンディングコマンドの設定(ステップS874)を行うことなく、処理をステップS879に移行して、大入賞口残存球処理に移行するための各種データを設定する大入賞口残存球処理移行設定処理(ステップS879)を行う。具体的には、大入賞口残存球処理に係る処理番号「5」、特図ゲーム処理タイマにセーブする大入賞口残存球処理に係る処理時間、大入賞口を閉塞するための大入賞口ソレノイド133の駆動に係る制御信号(オフ信号)等を設定する処理を行って、大入賞口開放中処理を終了する。
【0252】
〔大入賞口残存球処理移行設定処理〕
次に、上述の大入賞口開放中処理における大入賞口残存球処理移行設定処理(ステップS879)の詳細について
図57により説明する。
ルーチンが開始すると、ステップS881で処理番号として「5」(大入賞口残存球処理に係る処理番号に相当)を設定し、ステップS882で特図ゲーム処理番号領域に処理番号(ここでは「5」)をセーブする。次いで、ステップS883で残存球処理時間(例えば、1900ms)を設定し、ステップS884で特図ゲーム処理タイマ領域に残存球処理時間をセーブする、次いで、ステップS885で大入賞口ソレノイド出力データ領域にOFFデータをセーブしてリターンする。
【0253】
〔大入賞口残存球処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における大入賞口残存球処理(ステップS364)の詳細について
図58により説明する。
大入賞口残存球処理では、まず、実行中の特別遊技状態における今回のラウンド数とRWMのラウンド数上限値領域のラウンド数上限値とを比較して今回のラウンドが上限値に達した(最終ラウンド)か否かをチェックする(ステップS891)。
そして、ステップS891におけるチェックの結果、特別遊技状態における今回のラウンドが最終ラウンドでない(ステップS892;NO)と判定すると、インターバル時間テーブルを設定し(ステップS893)、大入賞口開放情報と今回のラウンド数に対応するインターバル時間を取得し(ステップS894)、さらにインターバル時間を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップS895)。その後、ファンファーレ/インターバル中処理に移行するための各種データを設定するファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理2(ステップS896)、具体的には、ファンファーレ/インターバル中処理に係る処理番号「3」、特図ゲーム処理タイマにセーブするファンファーレ/インターバル中処理に係る処理時間、変動入賞装置27の作動終了を示す試験信号等を設定する処理を行って、大入賞口残存球処理を終了する。
【0254】
一方、ステップS891におけるチェックの結果、特別遊技状態における今回のラウンドが最終ラウンドである(ステップS892;YES)と判定すると、エンディング時間テーブルを設定する処理(ステップS897)を行い、図柄情報に対応するエンディング時間を取得(ステップS898)した後、当該エンディング時間を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップS899)。
【0255】
次に、大当り終了処理に移行するための各種データを設定する大当り終了処理移行設定処理(ステップS900)、具体的には、大当り終了処理に係る処理番号「6」、大入賞口の閉塞に係る試験信号、特別遊技状態における各パラメータのクリアに係る情報(例えば、大入賞口への入賞数のクリアに係る情報、特別遊技状態のラウンド数のクリアに係る情報、特別遊技状態のラウンド数の上限値のクリアに係る情報、ラウンド数の上限値判定用のフラグのクリアに係る情報、大入賞口の開放時間が長開放か短開放かの開放情報判定用のフラグのクリアに係る情報)等を設定する処理を行って、大入賞口残存球処理を終了する。
【0256】
〔ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理2〕
次に、上述の大入賞口残存球処理におけるファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理2(ステップS896)の詳細について
図59により説明する。
ルーチンが開始すると、ステップS911で処理番号として「3」(ファンファーレ/インターバル中処理に係る処理番号に相当)を設定し、ステップS912で特図ゲーム処理番号領域に処理番号(ここでは「3」)をセーブする。次いで、ステップS913で大入賞口開放終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブしてリターンする。大入賞口開放終了に関する信号としては、例えば特別電動役物1作動中信号をOFFしたものがある。
【0257】
〔大当り終了処理移行設定処理〕
次に、上述の大入賞口残存球処理における大当り終了処理移行設定処理(ステップS900)の詳細について
図60により説明する。
ルーチンが開始すると、ステップS921で処理番号として「6」(大当り終了処理に係る処理番号に相当)を設定し、ステップS922で特図ゲーム処理番号領域に処理番号(ここでは「6」)をセーブする。次いで、ステップS923で大入賞口開放終了に関する信号(例えば、特別電動役物1作動中信号OFF)を試験信号出力データ領域にセーブする。
次いで、ステップS924で大入賞口カウント数をリセットし、ステップS925でラウンド数をリセットし、ステップS926でラウンド数上限値領域をリセットする。続いて、ステップS927でラウンド数上限値情報領域をリセットし、ステップS928で大入賞口開放情報領域をリセットしてリターンする。
【0258】
〔大当り終了処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における大当り終了処理(ステップS365)の詳細について
図61により説明する。
大当り終了処理では、まず、停止図柄情報設定処理にて設定された確率変動判定フラグが高確率突入フラグかをチェックし(ステップS931)、チェック結果をステップS932で判定し、NOであれば高確率突入でないと判断してステップS933に進む。
ステップS933では大当り終了設定処理1を行う。これは、高確率突入でない状態であるから、大当り終了後に時短となるモードに移行する処理を設定するものである。次いで、ステップS934で確率変動判定フラグに対応する確率情報コマンドを準備し、ステップS935でコマンド処理を行う。
【0259】
次いで、ステップS936で特殊演出情報(設定用)をロードし、特殊演出情報(振分用)領域にセーブする。その後、特図普段処理に移行するための各種データを設定する特図普段処理移行設定処理3(ステップS937)、具体的には、特図普段処理に係る処理番号「0」、大入賞口不正監視期間を規定するフラグ(大入賞口不正監視情報)等を設定する処理を行って、大当り終了処理を終了する。
一方、上記ステップS932でYES(高確率突入)のときは、ステップS938に分岐して大当り終了設定処理2を行う。これは、高確率突入の状態であるから、大当り終了後に確率変動(高確率開始)となるモードに移行する処理を設定するものである。次いで、ステップS934以降の処理を実行する。
【0260】
〔大当り終了設定処理1〕
次に、上述の大当り終了処理における大当り終了設定処理1(ステップS933)の詳細について
図62により説明する。
ルーチンが開始すると、ステップS941で時短の開始に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブする。この領域での時短の開始に関する信号は、例えば大当り2信号ONである。次いで、ステップS942で時短の開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする。この領域での時短の開始に関する信号は、以下のものがある。
・特別図柄1変動時間短縮状態信号をON
・特別図柄2変動時間短縮状態信号をON
・普通図柄1高確率状態信号をON
・普通図柄1変動時間短縮状態信号をON
・普通電動役物1開放延長状態信号をON
次いで、ステップS943で遊技状態表示番号領域に時短時の番号をセーブし、ステップS945で特図ゲームモードフラグ領域に低確率&時短フラグをセーブする。次いで、ステップS946で停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(時短)をセーブし、ステップS947で時短変動回数領域に時短変動回数初期値(例えば、100)をセーブしてリターンする。
このようにして、大当り終了後に時短となるモードに移行する処理が行われる。
【0261】
〔大当り終了設定処理2〕
次に、上述の大当り終了処理における大当り終了設定処理2(ステップS938)の詳細について
図63により説明する。
ルーチンが開始すると、ステップS951で高確率の開始に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブする。この領域での高確率の開始に関する信号は、例えば大当り2信号ONである。次いで、ステップS952で高確率の開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする。この領域での時短の開始に関する信号は、以下のものがある。
・特別図柄1高確率状態信号をON
・特別図柄2高確率状態信号をON
・特別図柄1変動時間短縮状態信号をON
・特別図柄2変動時間短縮状態信号をON
・普通図柄1高確率状態信号をON
・普通図柄1変動時間短縮状態信号をON
・普通電動役物1開放延長状態信号をON
次いで、ステップS953で遊技状態表示番号領域に高確率時の番号をセーブし、ステップS954で普図ゲームモードフラグ領域に普図高確率&普電サポートフラグをセーブする。次いで、ステップS955で特図ゲームモードフラグ領域に高確率&時短フラグをセーブする。次いで、ステップS956で停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(高確率)をセーブし、ステップS957で時短変動回数領域をリセットしてリターンする。
このようにして、大当り終了後に高確率となるモードに移行する処理が行われる。
【0262】
〔特図普段処理移行設定処理3〕
次に、上述の大当り終了処理における特図普段処理移行設定処理3(ステップS937)の詳細について
図64により説明する。
ルーチンが開始すると、ステップS961で処理番号として「0」(特図普段処理に係る処理番号に相当)を設定し、ステップS962で特図ゲーム処理番号領域に処理番号(ここでは「0」)をセーブする。次いで、ステップS963で大当りの終了に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブする。
ここでの大当りの終了に関する信号としては、大当り1信号をOFF、大当り3信号をOFFがある。
【0263】
次いで、ステップS964で大当りの終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする。ここでの大当りの終了に関する信号としては、以下のものがある。
・条件装置作動中信号をOFF
・役物連続作動装置作動中信号をOFF
・特別図柄1当り信号又は特別図柄2当り信号をOFF
次いで、ステップS965で確率変動判定フラグ領域をリセットし、ステップS966でラウンドLEDポインタ領域をリセットし、ステップS967で大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブし、さらにステップS968で特殊演出情報(設定用)領域をリセットしてリターンする。
【0264】
次に、普図ゲーム処理に関するフローチャートの説明に移るが、ここでは、ステップ番号として「ステップB」を用いて説明する。
〔普図ゲーム処理〕
まず、上述のタイマ割込み処理における普図ゲーム処理(ステップS79)の詳細について
図65により説明する。
普図ゲーム処理では、ゲートスイッチ122の入力の監視と、普図変動表示ゲームに関する処理全体の制御、普図の表示の設定等を行う。
まず、ゲートスイッチ122からの入力を監視するゲートスイッチ監視処理(ステップB1)を行う。なお、ゲートスイッチ監視処理(ステップB1)の詳細については後述する。
次に、第2始動口スイッチ121からの入力を監視する普電入賞スイッチ監視処理(ステップB2)を行う。なお、普電入賞スイッチ監視処理(ステップB2)の詳細については後述する。
【0265】
次に、普図ゲーム処理タイマが既にタイムアップしたか、又は普図ゲーム処理タイマを更新(−1)して、当該ゲーム処理タイマがタイムアップしたか否かをチェックして(ステップB3)、普図ゲーム処理タイマがタイムアップした(ステップB4;YES)と判定すると、普図ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する普図ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに設定する処理(ステップB5)を行って、当該テーブルを用いて普図ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得する処理(ステップB6)を行う。
そして、分岐処理終了後のリターンアドレスをスタック領域に退避させる処理(ステップB7)を行った後、ゲーム処理番号に応じてゲーム分岐処理(ステップB8)を行う。
【0266】
ステップB8にて、ゲーム処理番号が「0」の場合は、普図変動表示ゲームの変動開始を監視し、普図変動表示ゲームの変動開始の設定や演出の設定や、普図変動中処理を行うために必要な情報の設定等を行う普図普段処理(ステップB9)を行う。
なお、普図普段処理(ステップB9)の詳細については後述する。
また、ステップB8にて、ゲーム処理番号が「1」の場合は、普図表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う普図変動中処理(ステップB10)を行う。
なお、普図変動中処理(ステップB10)の詳細については後述する。
また、ステップB8にて、ゲーム処理番号が「2」の場合は、普図変動表示ゲームの結果が当りであれば、普通変動入賞装置37がサポート中であるか否かに応じた普電開放時間の設定や、普図当り中処理を行うために必要な情報の設定等を行う普図表示中処理(ステップB11)を行う。
なお、普図表示中処理(ステップB11)の詳細については後述する。
【0267】
また、ステップB8にて、ゲーム処理番号が「3」の場合は、普図当り中処理の継続、或いは普電残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行う普図当り中処理(ステップB12)を行う。
なお、普図当り中処理(ステップB12)の詳細については後述する。
また、ステップB8にて、ゲーム処理番号が「4」の場合は、普図当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う普電残存球処理(ステップB13)を行う。
なお、普電残存球処理(ステップB13)の詳細については後述する。
また、ステップB8にて、ゲーム処理番号が「5」の場合は、普図普段処理(ステップB9)を行うために必要な情報の設定等を行う普図当り終了処理(ステップB14)を行う。
なお、普図当り終了処理(ステップB14)の詳細については後述する。
その後、普図表示器(一括表示装置35)による普通図柄の変動を制御するための各種テーブルを準備した後(ステップB15)、普図表示器(一括表示装置35)による普通図柄の変動の制御に係る図柄変動制御処理(ステップB16)を行って、普図ゲーム処理を終了する。
【0268】
一方、ステップB4にて、普図ゲーム処理タイマがタイムアップしていない(ステップB4;NO)と判定すると、処理をステップB15に移行して、それ以降の処理を行う。
【0269】
〔ゲートスイッチ監視処理〕
次に、上述の普図ゲーム処理におけるゲートスイッチ監視処理(ステップB1)の詳細について
図66により説明する。
ゲートスイッチ監視処理では、まず、ゲートスイッチ122に入力があるか否かをチェックする(ステップB21)。そして、ゲートスイッチ122に入力があると(ステップB22;YES)判定すると、普図保留数を取得して当該普図保留数が上限値(例えば、4)未満か否かをチェックして(ステップB23)、普図保留数が上限値未満である(ステップB24;YES)と判定すると、普図保留数を更新(+1)する処理(ステップB25)を行う。
【0270】
その後、更新後の普図保留数に対応する乱数セーブ領域のアドレスを算出する処理(ステップB26)を行った後、取得した当り乱数をRWMの乱数セーブ領域にセーブする処理(ステップB27)を行って、ゲートスイッチ監視処理を終了する。
また、ステップB22にて、ゲートスイッチ122に入力がないと判定されるか(ステップB22;NO)、或いは、ステップB24にて、普図保留数が上限値未満でないと判定された場合にも(ステップB24;NO)ゲートスイッチ監視処理を終了する。
【0271】
〔普電入賞スイッチ監視処理〕
次に、上述の普図ゲーム処理における普電入賞スイッチ監視処理(ステップB2)の詳細について
図67により説明する。
普電入賞スイッチ監視処理では、まず、普図変動表示ゲームが当り状態となって普通変動入賞装置26が所定回数(例えば、3回)の開放動作を実行中であるか(普図当り中か)否かをチェックする(ステップB31)。そして、普図当り中である(ステップB32;YES)と判定すると、第2始動口スイッチ121に入力があるか否かをチェックして(ステップB33)、第2始動口スイッチ121に入力がある(ステップB34;YES)と判定すると、普電カウンタのカウント数を更新(+1)する処理(ステップB35)を行う。
【0272】
次に、更新後の普電カウンタのカウント数が上限値(例えば、9)に達したか否かをチェックして(ステップB36)、カウント数が上限値に達した(ステップB37;YES)と判定すると、普図当り中処理制御ポインタ領域に当り終了の値「4」をセーブする(ステップB38)。その後、普図ゲーム処理タイマを「0」クリアして(ステップB39)、普電入賞スイッチ監視処理を終了する。
即ち、普図の当り状態中に上限値以上の普電入賞があった場合は、その時点で普図当り中処理制御ポインタに当り終了を設定し、以下に説明する普図当り中処理で普図の当り状態が途中で終了するようにする。
【0273】
また、ステップB32にて、普図当り中でないと判定されるか(ステップB32;NO)、或いは、ステップB34にて、第2始動口スイッチ121に入力がないと判定されるか(ステップB34;No)、或いは、ステップB37にて、カウント数が上限値に達していないと判定された場合にも(ステップB37;NO)、普電入賞スイッチ監視処理を終了する。
【0274】
〔普図普段処理〕
次に、上述の普図ゲーム処理における普図普段処理(ステップB9)の詳細について
図68により説明する。
普図普段処理では、まず、普図保留数が「0」であるか否かをチェックして(ステップB41)、普図保留数が「0」である(ステップB42;YES)と判定すると、ステップB70に移行して、普図普段処理移行設定処理1を行った後、普図普段処理を終了する。普図普段処理移行設定処理1は、次回に普図普段処理を繰り返すための処理を行うもので、詳細は後述する。
【0275】
一方、ステップB42にて、普図保留数が0でない(ステップB42;NO)と判定すると、ステップB43に進んで、普図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が通常よりも高くされた高確率状態となっている(つまり、普図高確率時)か否かを判定する。
ここで、普図高確率時(普通変動入賞装置26がサポート中)でない(ステップB43;NO)と判定すると、普図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が高確率状態となっていないことから、乱数セーブ領域から当り乱数をロードして準備し(ステップB44)、普図低確率時の判定値を設定する(ステップB45)を行う。
その後、当り乱数の値が判定値と一致しているか否かをチェックして(ステップB46)、当り乱数の値が判定値と一致していない(ステップB47;NO)と判定すると、当りフラグ領域にはずれ情報をセーブした後(ステップB48)、普図停止図柄にはずれ時の停止図柄番号を設定する処理(ステップB49)を行う。その後、処理をステップB50に移行して、乱数セーブ領域を「0」クリアする処理(ステップB50)を行う。
【0276】
一方、ステップB47にて、当り乱数の値が判定値と一致している(ステップB47;YES)と判定すると、当りフラグ領域に当り情報をセーブした後(ステップB51)、普図停止図柄に当り時の停止図柄番号を設定する処理(ステップB52)を行う。その後、処理をステップB50に移行して、乱数セーブ領域を「0」クリアする処理(ステップB50)を行う。
また、ステップB43にて普図高確率時である(ステップB43;YES)と判定すると、普図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が高確率状態となっていることから、乱数セーブ領域から当り乱数をロードして準備し(ステップB53)、普図高確率時の下限判定値を設定する処理(ステップB54)を行う。
その後、当り乱数の値が下限判定値未満であるか否かをチェックして(ステップB55)、当り乱数の値が下限判定値未満でない(ステップB56;NO)と判定すると、普図高確率時の上限判定値を設定する処理(ステップB57)を行う。
そして、当り乱数の値が上限判定値より大きいか否かをチェックして(ステップB58)、当り乱数の値が上限判定値より大きくない(ステップB59;NO)と判定すると、処理をステップB51に移行して、当りフラグに当り情報をセーブした後(ステップB51)、普図停止図柄に当り時の停止図柄番号を設定する処理(ステップB52)を行い、その後、処理をステップB50に移行して、乱数セーブ領域を「0」クリアする処理(ステップB50)を行う。
【0277】
また、ステップB56にて、当り乱数の値が下限判定値未満であると判定されるか(ステップB56;YES)、或いは、ステップB59にて、当り乱数の値が上限判定値より大きいと判定された場合にも(ステップB59;YES)、処理をステップB48に移行して、当りフラグ領域にはずれ情報をセーブした後(ステップB48)、普図停止図柄にはずれ時の停止図柄番号を設定する処理(ステップB49)を行い、その後、処理をステップB50に移行する。
【0278】
さて、上記ステップB49やステップB52を介して処理をステップB50に進めた場合には、乱数セーブ領域を0クリアする処理(ステップB50)を行った後、次いで、普図停止図柄領域に停止図柄番号をセーブし(ステップB60)、普図停止図柄番号に対応する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップB61)。
続けて、当り乱数セーブ領域をシフトする処理(ステップB62)を行って、シフト後の空き領域を「0」クリアする処理(ステップB63)を行った後、普図保留数を更新(−1)する処理(ステップB64)を行う。
すなわち、最も古い普図保留1に関する普図変動表示ゲームが実行されることに伴い、普図保留1以降に保留となっている普図保留2〜4の順位を1つずつ繰り上げる処理を行うことになる。この処理により、当り乱数セーブ領域の普図保留2用から普図保留4用の値(例えば、当り乱数)が、当り乱数セーブ領域の普図保留1用から普図保留3用に移動することとなる。そして、当り乱数セーブ領域の普図保留4用の値がクリアされて、普図保留数が1デクリメントされる。
【0279】
次いで、普通変動入賞装置26がサポート中(普電サポート中)であるか否かを判定する処理(ステップB65)を行い、普電サポート中である(ステップB65;YES)と判定すると、普電サポート時の普図の変動時間(例えば、1秒)を設定する処理(ステップB66)を行う。次いで、ステップB67に進み、ステップB66にて設定された普電サポートがある場合の普図の変動時間を普図ゲーム処理タイマにセーブして(ステップB67)、ステップS68に進む。
一方、ステップB65にて、普通サポート中でない(ステップB65;NO)と判定した場合には、ステップB69に分岐して普電サポートなし時の普図の変動時間(例えば、10秒)を設定する処理(ステップB69)を行い、その後、ステップB67に進んで、ステップB69にて設定された普電サポートなしの場合の普図の変動時間を普図ゲーム処理タイマにセーブする。
そして、ステップB67の処理を経た後は、普図変動中処理に移行するための普図変動中処理移行設定処理(ステップB68)を行って当該普図普段処理を終了する。
【0280】
〔普図普段処理移行設定処理1〕
次に、上述の普図普段処理における普図普段処理移行設定処理1(ステップB70)の詳細について
図69により説明する。
ルーチンが開始すると、ステップB81で処理番号として「0」(普図普段処理に係る処理番号に相当)を設定し、ステップB82で普図ゲーム処理番号領域に処理番号(ここでは「0」)をセーブする。次いで、ステップB83で普電不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブしてリターンする。これにより、次回に普図普段処理に移行する。
【0281】
〔普図変動中処理移行設定処理〕
次に、上述の普図普段処理における普図変動中処理移行設定処理(ステップB68)の詳細について
図70により説明する。
ルーチンが開始すると、ステップB91で処理番号として「1」(普図変動中処理に係る処理番号に相当)を設定し、ステップB92で普図ゲーム処理番号領域に処理番号(ここでは「1」)をセーブする。次いで、ステップB93で普図変動開始に関する信号(えば、普通図柄1変動中信号をON)を試験信号出力データ領域にセーブし、ステップB94で普図変動制御フラグ領域に変動中フラグをセーブする。次いで、ステップB95で普図変動制御タイマ領域に変動タイマ初期値(例えば、200ms)をセーブしてリターンする。これにより、次回に普図変動中処理に移行する。
【0282】
〔普図変動中処理〕
次に、上述の普図ゲーム処理における普図変動中処理(ステップB10)の詳細について
図71により説明する。
ルーチンが開始すると、ステップB101で普図表示中処理移行設定処理を行う。これは、普図表示中処理に移行するための設定を行うもので、詳細は後述する。この処理を経ると、リターンする。
【0283】
〔普図表示中処理移行設定処理〕
次に、上述の普図変動中処理における普図表示中処理移行設定処理(ステップB101)の詳細について
図72により説明する。
ルーチンが開始すると、ステップB111で処理番号として「2」(普図表示中処理に係る処理番号に相当)を設定し、ステップB112で普図ゲーム処理番号領域に処理番号(ここでは「2」)をセーブする。次いで、ステップB113で普図表示時間を設定(例えば、600ms)する。次いで、ステップB114で普図ゲーム処理タイマ領域に普図表示時間をセーブし、ステップB115で普図変動終了に関する信号(例えば、普通図柄1変動中信号をOFF)を試験信号出力データ領域にセーブする。次いで、ステップB116で普図変動制御タイマ領域に停止フラグをセーブしてリターンする。これにより、次回に普図表示中処理に移行する。
【0284】
〔普図表示中処理〕
次に、上述の普図ゲーム処理における普図表示中処理(ステップB11)の詳細について
図73により説明する。
普図表示中処理では、まず、普図普段処理にて設定された当りフラグをロードして(ステップB121)、当りフラグ領域をクリアする処理(ステップB122)を行う。
次に、ロードされた当りフラグが当りか否かをチェックして(ステップB123)、当りフラグが当りでない(ステップB124;NO)と判定すると、ステップB125に分岐して普図普段処理移行設定処理1(
図69で説明)を行い、普図表示中処理を終了する。
【0285】
一方、ステップB124にて、当りフラグが当りである(ステップB124;YES)と判定すると、普電サポート中かを判定する処理(ステップB126)を行う。
普電サポート中である(ステップB126;YES)と判定すると、普通変動入賞装置26がサポート中である場合の普電開放時間(例えば、1.7秒)を設定する処理(ステップB127)を行った後、普通変動入賞装置26がサポート中である場合の当り開始ポインタを設定する処理(ステップB128)を行う。すなわち、普通変動入賞装置26がサポート中である場合には、普通変動入賞装置26の開放回数が2回以上の複数回となるように当り開始ポインタ(例えば、当り開始ポインタ「0」〜「4」等があるが、ここでは「0」とする)を設定する。続けて、普図当り中処理制御ポインタ領域に当り開始ポインタをセーブする(ステップB129)。
次いで、ステップB127にて設定された普電開放時間(例えば、1.7秒)を普図ゲーム処理タイマ領域にセーブした後(ステップB130)、普図当り中処理移行設定処理(ステップB131)を行う。これは、普図当り中処理に移行するための設定を行うもので、詳細は後述する。この処理を経ると、リターンする。
【0286】
一方、ステップB126で普電サポート中でない(NO)と判定すると、ステップB132に分岐して、普通変動入賞装置26がサポートなし時の普電開放時間(例えば、0.3秒)を設定する処理を行った後、普通変動入賞装置26がサポートなし時の当り開始ポインタとして「4」を設定する処理(ステップB133)を行う。当り開始ポインタ=「4」に設定されると、普通変動入賞装置26の開放回数が1回となる。その後、ステップB129に移行する。
このルートでステップB129に移行した場合、普図当り中処理制御ポインタ領域に当り開始ポインタ(この場合は「4」となる)をセーブした後、ステップB130ではステップB132にて設定された普電開放時間(例えば、0.3秒)を普図ゲーム処理タイマ領域にセーブし、ステップB131で普図当り中処理移行設定処理を行ってリターンする。
【0287】
〔普図当り中処理移行設定処理〕
次に、上述の普図表示中処理における普図当り中処理移行設定処理(ステップB131)の詳細について
図74により説明する。
ルーチンが開始すると、ステップB141で処理番号として「3」(普図当り中処理に係る処理番号に相当)を設定し、ステップB142で普図ゲーム処理番号領域に処理番号(ここでは「3」)をセーブする。次いで、ステップB143で普図当りの開始に関する信号(例えば、普通図柄1当り信号をON)と普電作動開始に関する信号(例えば、普通電動役物1作動中信号をON)を試験信号出力データ領域にセーブする。次いで、ステップB144で普電ソレノイド出力データ領域にONデータをセーブし、ステップB145で普電カウント数をリセットする、次いで、ステップB146で普電不正入賞数をリセットし、ステップB147で普電不正監視期間フラグ領域に不正監視期間外フラグをセーブしてリターンする。これにより、次回は普図当り中処理に移行する。
【0288】
〔普図当り中処理〕
次に、上述の普図ゲーム処理における普図当り中処理(ステップB12)の詳細について
図75により説明する。
普図当り中処理では、まず、普図当り中処理制御ポインタをロードして準備した後(ステップB151)、ロードされた普図当り中処理制御ポインタが当り終了の値(例えば、「4」等)であるか否かをチェックして(ステップB152)、当り終了の値でない(ステップB153;NO)と判定すると、普図当り中処理制御ポインタ領域を更新(+1)する処理(ステップB154)を行う。
次に、普電作動移行設定処理(ステップB155)を行う。ここでは、普電の作動を制御することが行われる。その後、リターンする。
また、ステップB153にて、当り終了の値であると判定された場合には(ステップB153;YES)、ステップB154における普図当り中処理制御ポインタを更新(+1)する処理を行わずに、処理をステップB155に移行して、それ以降の処理を行う。
【0289】
〔普電作動移行設定処理〕
次に、上述の普図当り中処理における普電作動移行設定処理(ステップB155)の詳細について
図76により説明する。
ルーチンが開始すると、ステップB161で制御ポインタによる分岐を行う。ここでは、ステップB151でロードして準備された制御ポインタの値に応じて分岐する。具体的には、ステップB161で制御ポインタが「0」若しくは「2」の場合には、ステップB162に分岐してウエイト時間(例えば、800ms)を設定し、ステップB163で普図ゲーム処理タイマ領域にウエイト時間をセーブし、続くステップB164で普電ソレノイド出力データ領域にOFFでデータをセーブした後、リターンする。これにより、普通変動入賞装置26の開放後の閉塞時間が上記ウエイト時間となり、その期間は普通変動入賞装置26が閉塞することになる。
【0290】
一方、ステップB161で制御ポインタが「1」若しくは「3」の場合には、ステップB165に分岐して普電サポート時の普電開放時間(例えば、1700ms)を設定し、ステップB166で普図ゲーム処理タイマ領域に普電開放時間をセーブし、続くステップB167で普電ソレノイド出力データ領域にONでデータをセーブした後、リターンする。これにより、普通変動入賞装置26の開放時間が上記普電開放時間となり、その期間は普通変動入賞装置26が開放することになる。
また、ステップB161で制御ポインタが「4」の場合には、ステップB168に分岐して処理番号として「4」を設定し、ステップB169で普図ゲーム処理番号領域に処理番号(ここでは「4」)をセーブする。次いで、ステップB170で普電残存球処理時間(例えば、600ms)を設定し、ステップS171で普図ゲーム処理タイマ領域に普電残存球処理時間をセーブし、続いてステップB172で普電ソレノイド出力データ領域にOFFデータをセーブしてリターンする。したがって、制御ポインタが「4」のときは、普電開放制御を終了して、次の普電残存球処理を行うために必要な情報が設定されることになる。
【0291】
〔普電残存球処理〕
次に、上述の普図ゲーム処理における普電残存球処理(ステップB13)の詳細について
図77により説明する。
ルーチンが開始すると、ステップB181で普図当り終了処理移行設定処理を行う。これは、普図当り終了処理に移行するための設定を行うもので、詳細は後述する。この処理を経ると、リターンする。
【0292】
〔普図当り終了処理移行設定処理〕
次に、上述の普電残存球処理における普図当り終了処理移行設定処理(ステップB181)の詳細について
図78により説明する。
ルーチンが開始すると、ステップB191で処理番号として「5」(普図当り終了処理に係る処理番号に相当)を設定し、ステップB192で普図ゲーム処理番号領域に処理番号(ここでは「5」)をセーブする。次いで、ステップB193で普図エンディング時間を設定(例えば、100ms)し、ステップB194で普図ゲーム処理タイマ領域にエンディング時間をセーブし、ステップB195で普電作動終了に関する信号(例えば、普通電動役物1作動中信号をOFF)を試験信号出力データ領域にセーブする。次いで、ステップB196で普電カウント数をリセットし、ステップB197で普図当り中処理制御ポインタ領域をリセットしてリターンする。これにより、次回は普図当り終了処理に移行する。
【0293】
〔普図当り終了処理〕
次に、上述の普図ゲーム処理における普図当り終了処理(ステップB14)の詳細について
図79により説明する。
ルーチンが開始すると、ステップB201で普図普段処理移行設定処理2を行う。これは、普図普段処理移行設定処理2に移行するための設定を行うもので、詳細は後述する。この処理を経ると、リターンする。
【0294】
〔普図普段処理移行設定処理2〕
次に、上述の普図当り終了処理における普図普段処理移行設定処理2(ステップB201)の詳細について
図80により説明する。
ルーチンが開始すると、ステップB211で処理番号として「0」(普図普段処理に係る処理番号に相当)を設定し、ステップB212で普図ゲーム処理番号領域に処理番号(ここでは「0」)をセーブする。次いで、ステップB213で普図当りの終了に関する信号(例えば、普通図柄1当り信号をOFF)を試験信号出力データ領域にセーブする。次いで、ステップB214で普電不正監視期間フラグ領域に不正監視期間外フラグをセーブしてリターンする。これにより、次回は普図普段処理に移行する。
【0295】
以上で、普図ゲーム処理に関するフローチャートを説明したので、次に、上述のタイマ割込み処理におけるステップS80以降のサブルーチンの説明に移る。
ここでは、ステップ番号として「ステップC」を用いて説明する。
〔セグメントLED編集処理〕
まず、上述のタイマ割込み処理におけるセグメントLED編集処理(ステップS80)の詳細について
図81により説明する。
セグメントLED編集処理は一括表示装置35(
図2、4、5)に設けられたセグメントLEDに関する処理を行うものであり、一括表示装置35は前述したように、普図の表示や特図の表示、さらには特図や普図の始動記憶の保留表示(特図保留表示、普図保留表示)や、遊技状態の表示を行うようになっている。
これらの表示は、例えばLEDを発光源とする複数の表示器(例えば、1個のランプや7セグメント表示器)によって行われる構成である。より具体的には、例えば特
図1保留表示器、特
図2保留表示器、普図保留表示器、第1遊技状態表示部、第2遊技状態表示部、エラー表示部、ラウンド表示部などの機能を有するセグメントLEDで構成され、それらの駆動に関する設定等を行うのがセグメントLED編集処理である。
【0296】
セグメントLED編集処理では、まず、表示制御タイマを更新(+1)する処理(ステップC1)を行う。
その後、表示制御タイマが出力ONタイミングであるか否かをチェックして(ステップC2)、出力ONタイミングである(ステップC3;YES)と判定すると、点滅制御ポインタとして点灯ポインタを設定する処理(ステップC4)を行った後、処理をステップC5に移行する。
一方、ステップC3にて出力ONタイミングでない(ステップC3;NO)と判定すると、ステップC6に分岐して点滅制御ポインタとして消灯ポインタを設定する処理(ステップC6)を行った後、処理をステップC5に移行する。
ここで、出力ONタイミングであるか否かの判定とは、特定のビットの状態を監視し、この監視するビットが「1」であれば出力ONタイミングであると判定する一方、監視するビットが「0」であれば出力ONタイミングでないと判定するものである。
特に、本実施例では表示制御タイマのビット5が「1」のとき、出力ONタイミングであると判定する。このとき、例えば128msの点滅になるように設定される。
【0297】
上記ステップC4あるいはステップC6からステップC5に移行すると、ステップC5では、普図保留数と、ステップC4若しくはステップC6にて設定された点滅制御ポインタに対応する表示データを取得した後、取得した表示データをセグメント領域(例えば普図保留表示器のセグメント領域)にセーブする。その後、特
図1保留数に対応する表示データを取得した後、取得した表示データをセグメント領域(例えば、特
図1保留表示器のセグメント領域)にセーブする(ステップC7)。
続けて、特
図2保留数に対応する表示データを取得した後、取得した表示データをセグメント領域(例えば、特
図2保留表示器のセグメント領域)にセーブする(ステップC8)。
【0298】
次に、ラウンドLEDポインタに対応する表示データを取得した後、取得した表示データをセグメント領域(例えば、ラウンド表示部のセグメント領域)にセーブする(ステップC9)。
続けて、遊技状態表示番号に対応する表示データを取得した後、取得した表示データをセグメント領域(例えば、第1遊技状態表示部若しくは第2遊技状態表示部のセグメント領域)にセーブする(ステップC10)。
【0299】
次に、停電復旧時に大当りの確率状態が高確率状態となっていることの報知に係る高確率報知フラグをチェックして(ステップC11)、高確率を報知するタイミングでない(ステップC12;NO)と判定すると、高確率報知LEDのOFFデータをセグメント領域(例えば、エラー表示部のセグメント領域)にセーブして(ステップC13)、セグメントLED編集処理を終了する。
一方、ステップC12にて、高確率を報知するタイミングである(ステップC12;YES)と判定すると、ステップC13をスキップして、セグメントLED編集処理を終了する。
【0300】
〔磁石不正監視処理〕
次に、上述のタイマ割込み処理における磁石不正監視処理(ステップS81)の詳細について
図82により説明する。
磁石不正監視処理は、磁気センサスイッチ125からの検出信号をチェックして異常がないか判定して不正報知の開始や終了の設定等を行うものである。
磁石不正監視処理では、まず、磁気センサスイッチ125から出力されて第2入力ポート162(入力ポート2)に取り込まれる磁気センサ検出信号ビットをチェックして(ステップC21)、磁気センサ検出信号の入力がない(ステップC22;NO)と判定すると、磁石不正監視タイマをクリアする(ステップC23)。
その後、磁石不正の報知時間を規定する磁石不正報知タイマが既にタイムアップしたか、又は磁石不正報知タイマを更新(−1)した後、当該タイマがタイムアップしたか否かをチェックする(ステップC24)。磁石不正報知タイマがタイムアップしたか否かの判定結果において、タイムアップしていない(ステップC25;NO)と判定された場合には、リターンしてルーチンを繰り返す。
ルーチンの繰り返しにより、磁石不正報知タイマがタイムアップしたか否かの判定結果において、タイムアップした(ステップC25;YES)と判定された場合には、磁石不正報知終了コマンド(ACTION)を準備し(ステップC26)、磁石不正フラグとして磁石不正解除フラグを設定する処理(ステップC27)を行った後、処理をステップC34に移行して、以降の処理を行う。この場合、ルーチンを繰り返しても、不正が発生していない正常な状態であるため、不正の報知は行われていない。すなわち、磁石不正報知タイマが常にタイムアップした状態である。
【0301】
一方、磁石を用いた不正が行われ、ステップC22にて、磁気センサ検出信号の入力がある(ステップC22;YES)と判定すると、磁石不正監視タイマを更新(+1)した後、当該タイマがタイムアップしたか否かをチェックして(ステップC28)、タイムアップしていない(ステップC29;NO)と判定すると、処理をステップC24に分岐して、それ以降の処理を行う。なお、上記磁石不正監視タイマがタイムアップしたか否かの判定では、監視タイマ=8でタイムアップと判断する。すなわち、磁気センサ検出信号の入力が8回割込みして連続で行われることで、タイムアップと判断される。これは、磁気センサスイッチ125のセンシングが4msであり、32msで不正発生と判断するため、8回割込みして磁気センサ検出信号のON入力があれば、不正と判定できるからである。
そのため、磁気センサ検出信号の入力が一定期間、即ち、所定回数(例えば、8割込み)連続して行われることで、ステップC29にて、磁石不正監視タイマがタイムアップした(ステップC29;YES)と判定すると、磁石不正監視タイマをクリアし(ステップC30)、続いて、磁石不正報知タイマ初期値(例えば、60000ms)を磁石不正報知タイマ領域にセーブする(ステップC31)。
【0302】
次いで、磁石不正報知コマンド(ACTION)を準備し(ステップC32)、磁石不正フラグとして磁石不正発生フラグを設定した後(ステップC33)、設定した磁石不正フラグを磁石不正フラグ領域の値と比較する(ステップC34)。設定した磁石不正フラグが磁石不正フラグ領域の値と一致していなければ(ステップC35;NO)、新たに磁石不正が発生したと判断してステップC36に進み、設定した磁石不正フラグを磁石不正フラグ領域にセーブする。その後、コマンド設定処理を行い(ステップC37)、リターンする。
したがって、このときは磁気センサスイッチ125からの検出信号の連続したON入力により、不正報知が行われることになる。すなわち、不正報知の開始が行われる。不正開始の報知は、前述したように、磁気センサ検出信号のON入力が32ms継続したときに開始(つまり、不正報知コマンドが発生)する。
【0303】
一方、設定した磁石不正フラグが磁石不正フラグ領域の値と一致していると(ステップC35;YES)、磁気センサスイッチ125からの検出信号に変化が生じないため、一旦設定されたコマンドの更新は行わずにリターンする。このときは、同じ磁石不正が継続している場合である。
なお、その後、不正が無くなると、ステップC22で磁気センサスイッチ125からの検出信号のON入力がなく、ステップC22でNOに分岐してステップC23以降の処理に進むことになる。このとき、ステップC37で不正報知終了コマンドの設定が行われる。
【0304】
また、磁気センサ検出信号の入力が一定期間、即ち、所定回数(例えば、8割込み)連続して行われなかった場合には、磁石不正の発生がまだ確定していないことになり(不正報知中の再発生を含む)、ステップC29にて、磁石不正監視タイマがタイムアップしていない(ステップC29;NO)と判定された後、処理をステップC24に移行して、それ以降の処理が行われる。
したがって、不正報知終了コマンドについては、不正報知コマンドの開始から磁石不正報知タイマ初期値(60000ms)から、更に60000msが経過した時点で、不正報知終了コマンドが設定されることになる。すなわち、磁気センサスイッチ125からの検出信号のON中と、同信号がOFFしてからの約60000ms(60秒間)は不正の報知が行われ、同信号がONしている限り、不正報知を続けることになる。
まとめると、磁気センサスイッチ125からの検出信号がONになると、その32ms後に、不正発生状態と判断して不正報知コマンドが設定され、磁気センサスイッチ125からの検出信号ON中は32ms毎に磁石不正監視タイマがタイムアップして初期値に戻り、磁気センサスイッチ125からの検出信号がOFFすると、その時点から約60000ms(60秒間)は不正報知が継続し、60000ms後に不正発生状態が解除されて、不正報知終了コマンドが設定される。
【0305】
〔外部情報編集処理〕
次に、上述のタイマ割込み処理における外部情報編集処理(ステップS82)の詳細について
図83、
図84により説明する。
このルーチンが開始されると、まずステップC41固有情報信号編集処理を行う。これは、主基板の固有情報(固有ID)を取得するものであり、詳細は後述する。
次いで、ステップC42でセキュリティ信号制御タイマが既にタイムアップ又は「−1」更新後にタイムアップしたかどうかをチェックする。セキュリティ信号制御タイマは、不正や遊技機エラー状態を一定時間毎にチェックしているものである。チェック結果はステップC43で判別し、NOであればステップC44に進んで固有情報出力要求済みか否かを判定する。ここでの固有情報とは、主基板の固有情報、つまり固有IDのことである。
ステップC44で固有情報出力要求済みでなければ、ステップC45に進んで電源投入での固有情報信号の出力要求フラグをセットし、ステップC46で電源投入での固有情報信号の出力要求済みフラグをセットする。これにより、パチンコ機1の電源投入時(例えば、開店時)において固有ID(主基板の固有情報)が外部に出力されることになる。ステップC46を経ると、ステップC47でセキュリティ信号ONの出力データを設定した後、ステップC48に進む。
【0306】
また、ステップC44で既に固有情報出力要求済みであれば、ステップC45、46をジャンプしてステップC47に進む。
一方、ステップC43でセキュリティ信号制御タイマが既にタイムアップ又は「−1」更新後にタイムアップしていれば、ステップC49に分岐して電源投入での固有情報信号の出力要求済みフラグをクリアし、ステップC50でセキュリティ信号OFFの出力データを設定した後、ステップC48に移行する。すなわち、セキュリティ信号制御タイマが既にタイムアップしていれば、セキュリティに関連する情報の外部出力の設定は行なわれない。
【0307】
次いで、ステップC48、51、52で、磁石不正発生中か、大入賞口不正発生中か、普電不正発生中かをそれぞれ判別する。何れか1つ以上の不正が発生していれば、ステップC53に進んでセキュリティ信号ONの出力データを設定し、さらにステップC54で遊技機エラー状態信号ONの出力データを設定する。
これにより、不正や遊技機エラー状態が外部に出力されることになる。一方、ステップC48でNO、ステップC51でNO、ステップC52でNOのとき、すなわち、ステップC48、51、52で全てNOのときは、ステップC52からステップC55に分岐して遊技機エラー状態信号OFFの出力データを設定する。
【0308】
ステップC54あるいはステップC55を経ると、次いで、ステップC56に進み、扉又は枠の開放中か否かを判別する。ここで、扉とはガラス枠5のことで、扉の開放はガラス枠開放検出スイッチ211によって検出される。また、枠とは前面枠4のことで、枠の開放は前面枠開放検出スイッチ212によって検出される。
扉又は枠の開放中であれば、ステップC57に進んで固有情報出力要求済みか否かを判定し、NO(要求済みでない)であれば、ステップC58で扉・枠開放での固有情報信号の出力要求フラグをセットし、ステップC59で扉・枠開放での固有情報信号の出力要求済みフラグをセットした後、ステップC60に進む。したがって、このときはパチンコ機1のガラス枠5又は前面枠4が開放されたとき(例えば、不正な開放も含む)に、固有ID(主基板の固有情報)が外部に出力されることになる。
【0309】
ステップC59又はステップC57からステップC60に進むと、ステップC60で扉・枠開放信号ONの出力データを設定し、ステップC61で遊技機エラー状態信号ONの出力データを設定してステップC62に進む。これは、扉又は枠の開放というイベントが発生したときに、エラー信号を外部に出力するためである。
一方、ステップC56でNOのとき、つまり扉又は枠の開放中でなければ、扉又は枠の開放というイベントが発生しないので、そのような出力データの設定は行う必要がないので、ステップC63に分岐して扉・枠開放での固有情報信号の出力要求済みフラグをクリアし、ステップC64で扉・枠開放信号OFFの出力データを設定してステップC62に進む。
【0310】
ステップC62では、大当り動作中か否かを判定し、大当り動作中であれば、ステップC65で固有情報出力要求済みか否かを判定し、NO(要求済みでない)であれば、ステップC66で大当りでの固有情報信号の出力要求フラグをセットし、ステップC67で大当りでの固有情報信号の出力要求済みフラグをセットした後、ステップC68に進む。したがって、このときはパチンコ機1の大当りが発生したときに、固有ID(主基板の固有情報)が外部に出力されることになる。
一方、ステップC65で大当り時に固有情報出力要求済みであれば、ステップC66、67をジャンプしてステップC68に進む。
ステップC68では、大当り1信号ONの出力データを設定し、その後、ステップC69に進んで始動口信号編集処理を行い、続くステップC70で図柄確定回数信号編集処理を行なってリターンする。これは、始動入賞があった場合に外部に出力する信号の編集や特図の図柄確定などにつき外部に出力する信号の編集を行うものである。
一方、ステップC62で大当り動作中でないとき(NO)には、ステップC71に分岐して大当りでの固有情報信号の出力要求フラグをクリアし、ステップC72で大当り1信号OFFの出力データを設定した後、ステップC69に進む。したがって、大当りが発生しないときは、固有ID(主基板の固有情報)の外部への出力はない。
【0311】
〔固有情報信号編集処理〕
次に、上述の外部情報編集処理における固有情報信号編集処理(ステップC41)の詳細について
図85により説明する。
このルーチンが開始されると、まずステップC81でシリアル通信中かどうかを判別する。これは、遊技制御装置100が管理装置140(又はカードユニット551を含めてもよい)とシリアル通信が実行中かどうかを判断するもので、シリアル通信中であれば、今回はリターンする。シリアル通信中でなければ、ステップC82以降の処理を実行する。なお、遊技制御装置100と管理装置140との間は単一方向通信であり、遊技制御装置100から管理装置140への信号伝送のみ許容されている。したがって、シリアル通信中か否かの判定は、遊技制御装置100内のシリアル送信バッファが通信中であるかをチェックして行う。
シリアル通信中でない場合、ステップC82で固有情報信号の出力要求フラグがセットされているかをチェックし、ステップC83でNO(出力要求フラグがセットなし)であれば、ルーチンを終了してリターンする。一方、ステップC83でYES(出力要求フラグがセットあり)であれば、ステップC84に進んで、固有情報信号の出力要求フラグをクリアする。
ここで、固有情報信号の出力要求フラグは「電源投入時のセキュリティ信号」、「扉・枠開放信号」、「大当り1信号」に対応して独立にセットされる。複数同時に成立している場合には、優先順位を設けて1つずつ対応して処理する。したがって、一度に全部の出力要求フラグをクリアするのではない。
次いで、ステップC85でCPU固有情報取得処理を行う。これは、固有情報を取得する処理で、詳細は後述する。ステップC85を経ると、リターンする。
【0312】
〔CPU固有情報取得処理〕
次に、上述の固有情報信号編集処理におけるCPU固有情報取得処理(ステップC85)の詳細について
図86により説明する。
このルーチンが開始されると、まずステップC91でスタートコードを遊技制御装置100内のシリアル送信バッファに書き込む。シリアル通信の開始であることを受け側である管理装置140に特定させるためのコードである。次いで、ステップC92で取得はチップコード(主基板固有ID)のみかどうかを判別し、取得がチップコードのみであればステップC97にジャンプして、チップコード識別コードをシリアル送信バッファに書き込み、ステップC98で個体識別情報(固有ID)としてのチップコードを読み出し、シリアル送信バッファに書き込み、リターンする。これにより、固有IDが取得されて管理装置140に出力されることになる。
【0313】
一方、ステップC92で取得がチップコードのみでなければ、ステップC93に進んでメーカコード識別コードをシリアル送信バッファに書き込むとともに、ステップC94でメーカコードを読み出してシリアル送信バッファに書き込む。次いで、ステップC95で製品コード識別コードをシリアル送信バッファに書き込むとともに、ステップC96で製品コードを読み出してシリアル送信バッファに書き込み、その後、ステップC97に進む。これにより、メーカコード及び製品コードが取得されて管理装置140に出力されることになる。したがって、ステップC92で取得がチップコードのみでない場合には、メーカコード、製品コード、チップコードが順次取得されて、管理装置140に出力されることになる。
【0314】
このように、遊技制御装置100に予め備わっているシリアル転送(送信)機能を利用することで、改めて転送(送信)処理をプログラム(例えば、遊技プログラム)で用意する必要が無くなるので、プログラム構成が効率化される。
また、パラレル転送(送信)に比べて、配線の本数が少なくなるのでコスト減になる。
なお、上記のようにシリアル通信で遊技制御装置100から管理装置140へ固有IDなどを送信する例に限らず、例えばパラレル通信で送信するようにしてもよい。
【0315】
〔始動口信号編集処理〕
次に、上述の外部情報編集処理における始動口信号編集処理(ステップC69)の詳細について
図87により説明する。
始動口信号編集処理は、第1始動口スイッチ120や第2始動口スイッチ121の入力があった場合に、各々の入力について共通して行われる処理である。
ルーチンが開始すると、まず、始動口信号出力制御タイマが「0」でなければ、更新(−1)する処理(ステップC101)を行う。なお、始動口信号出力制御タイマの最小値は、0に設定されている。
次いで、タイマ割込みが行われる毎に所定時間(例えば、4ms)ずつ減算されていく始動口信号出力制御タイマがタイムアップか否かをチェックする(ステップC102)。始動口信号出力制御タイマがタイムアップである(ステップC103;YES)と判定すると、始動口信号出力回数が0であるか否かをチェックする(ステップC104)。
【0316】
ここで、始動口信号出力回数が0でない(ステップC105;NO)と判定すると、始動口信号出力回数を更新(−1)した後(ステップC106)、始動口信号出力制御タイマ領域に始動口信号出力制御タイマ初期値(例えば、192ms)をセーブする(ステップC107)。
ここで、始動口信号出力制御タイマ初期値としては、始動口信号のオン状態(例えば、ハイレベル)の時間(例えば、128ms)とオフ状態(例えば、ロウレベル)の時間(例えば、64ms)を加算した時間(例えば、192ms)をセーブする。
これは、始動口信号がオン状態(ハイレベル)になると同時に、初期値例えば、128ms)に設定された始動口信号出力制御タイマがデクリメント(更新(−1))を開始し、始動口信号のオン状態の時間(128ms)を過ぎて始動口信号がオフ状態(ロウレベル)になっても、その後も始動口信号出力制御タイマはデクリメントしていき、始動口信号のオフ状態になった後の経過時間(64ms)が経過した時点で、始動口信号出力制御タイマがタイムアップ(「0」)になるというタイミング構成になっているからである。
次いで、始動口信号のONデータを設定する処理(ステップC108)を行う。その後、ステップC108にてONに設定された始動口信号を外部情報出力データ領域にセーブする処理(ステップC109)を行って、始動口信号編集処理を終了する。
また、ステップC105にて、始動口信号出力回数が0である(ステップC105;YES)と判定すると、ステップC110に分岐して始動口信号のOFFデータを設定する処理を行い、その後、ステップC109に進み、OFFに設定された始動口信号を外部情報出力データ領域にセーブする処理を行って、始動口信号編集処理を終了する。
【0317】
一方、ステップC103で始動口信号出力制御タイマがタイムアップでない(ステップC103;NO)と判定すると、ステップC111に分岐して始動口信号出力制御タイマの値が所定時間(例えば、64ms)以上であるか否かに応じて始動口信号出力制御タイマが出力ON区間中であるか否かをチェックする。
そして、始動口信号出力制御タイマが出力ON区間中である(ステップC112;YES)と判定すると、ステップC108に進んで、始動口信号のONデータを設定する処理(ステップC108)を行い、その後、ONに設定された始動口信号を外部情報出力データ領域にセーブする処理(ステップC109)を行って、始動口信号編集処理を終了する。
また、始動口信号出力制御タイマが出力ON区間中でない(ステップC112;NO)と判定すると、ステップC110に進んで、始動口信号のOFFデータを設定する処理を行い、その後、ステップC109に進み、OFFに設定された始動口信号を外部情報出力データ領域にセーブする処理を行って、始動口信号編集処理を終了する。
【0318】
〔図柄確定回数信号編集処理〕
次に、上述の外部情報編集処理における図柄確定回数信号編集処理(ステップC90)の詳細について
図88により説明する。
このルーチンが開始されると、まずステップC121で図柄確定回数信号のOFFデータを設定し、ステップC122で図柄確定回数信号制御タイマが既にタイムアップ又は(−1)更新後にタイムアップしたか否かをチェックする。これは、特図の図柄確定につき、一定時間が経過後に図柄を確定させて、外部に信号を出力することから、その時間経過を上記タイマでカウントしているものである。
ステップC122の判定結果はステップC123で判定し、図柄確定回数信号制御タイマがタイマアップしていなければ(NO)、ステップC124に進んで、図柄確定回数信号のONデータを設定し、ステップC125に進む。ステップC125では、先のステップC124で設定した図柄確定回数信号(この場合はONデータ)を外部情報出力データ領域にセーブしてリターンする。
【0319】
そして、ルーチンを繰り返し、ステップC123で図柄確定回数信号制御タイマがタイムアップした(YES)と判定すると、ステップC125にジャンプし、先のステップC121で設定した図柄確定回数信号(この場合はOFFデータ)を外部情報出力データ領域にセーブしてリターンする。
このようにして、特図の図柄が一定時間後に確定して、それが外部情報として出力されることになる。
【0320】
〔コマンド設定処理〕
次に、上述のタイマ割込み処理中に実行される各コマンド設定処理の詳細について
図89により説明する。
コマンド設定処理では、まず、バッファの書き込む場所を規定するライトカウンタを更新する処理(ステップC131)を行う。ライトカウンタは「0」から「31」の範囲で(+1)更新される。
続けて、ライトカウンタに対応するコマンド送信領域(MODE)に、コマンドをセーブする(ステップC132)。これは、2バイトのコマンドのうちの上位1バイトのコマンドが(MODE)に対応するので、それをセーブするものである。
その後、ライトカウンタに対応するコマンド送信領域(ACTION)に、コマンドをセーブする(ステップC133)。これは、2バイトのコマンドのうちの下位1バイトのコマンドが(ACTION)に対応するので、それをセーブするものである。ステップC133を経ると、リターンする。
このようにして、ライトカウンタに対応するコマンド送信領域(MODE)に2バイトのコマンドのうちの上位1バイトのコマンドがセーブされ、コマンド送信領域(ACTION)に下位1バイトのコマンドがセーブされる。
【0321】
〔図柄変動制御処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理のステップS367、S369や普図ゲーム処理のステップB16における図柄変動制御処理の詳細について
図90により説明する。
このルーチンが開始されると、まずステップC141で対象の図柄の変動制御フラグ(下記の(イ)から読みだす)が変動中か否かをチェックする。
ここで、予め準備されている変動制御テーブル上に定義されている情報は、以下の通りである。
(イ)変動制御フラグ゛領域のアドレス
(ロ)図柄表示テーブル(変動用)のアドレス
(ハ)図柄表示テーブル(停止用)のアドレス
また、図柄表示テーブル(変動用)上に定義されている情報は、以下の通りである。
(ニ)変動図柄番号領域のアドレス
(ホ)表示データ(変動図柄番号の数分ある)
(ヘ)セグメント領域のアドレス
さらに、図柄表示テーブル(停止用)上に定義されている情報は、以下の通りである。
(ト)停止図柄番号領域のアドレス
(チ)表示データ(停止図柄番号の数分ある)
(リ)セグメント領域のアドレス
【0322】
ステップC141のチェック結果はステップC142で判定し、変動中であれば(YES)、ステップC143に進んで、対象の図柄に対応する図柄表示テーブル(変動用)(上記の(ロ))を取得する。次いで、ステップC144で対象の変動タイマを(−1)更新し、タイムアップしたか否かをチェックする。ステップC144のチェック結果はステップC145で判定し、タイムアップしていなければ(NO)、ステップC148にジャンプして、表示図柄ポインタとして対象の変動図柄番号領域の値をロードする。次いで、ステップC151で表示図柄ポインタに対応する表示データ(上記の(ホ)、(チ))を取得し、続くステップC152に進み、取得した表示データを対象のセグメント領域(上記の(ヘ)、(リ))にセーブして、ルーチンを終了する。
したがって、このときは対象の図柄の変動タイマがタイムアップしないので、変動用の図柄番号に対応する図柄の表示データが対象のセグメント領域にセーブされて、ルーチンが繰り返されることになる。
【0323】
一方、上記ステップC145で対象の変動タイマがタイムアップしたと判定(YES)すると、ステップC146に進んで、図柄変動制御タイマ初期値(例えば、200ms)を対象の変動タイマ領域にセーブする。次いで、ステップC147で対象の変動図柄番号(上記の(ニ))を更新した後、ステップC148に進み、表示図柄ポインタとして対象の変動図柄番号領域の値をロードし、ステップC151で表示図柄ポインタに対応する表示データを取得し、取得した表示データを対象のセグメント領域にセーブ(ステップC152)してルーチンを終了する。
したがって、このときは対象の図柄の変動タイマがタイムアップしたことにより、タイマ初期値がセーブされて、変動図柄番号が更新され、図柄の表示データが対象のセグメント領域にセーブされることになる。
【0324】
一方、上記ステップC142で対象の図柄の変動制御フラグが変動中でなく停止中であれば(NO)、ステップC149に分岐して、対象の図柄に対応する図柄表示テーブル(停止用)(上記の(ハ))を取得し、次いで、ステップC150で表示図柄ポインタとして対象の停止図柄番号領域の値をロードした後、ステップC151に進んで、表示図柄ポインタに対応する表示データを取得し、取得した表示データを対象のセグメント領域にセーブ(ステップC152)してルーチンを終了する。
したがって、このときは対象の図柄の変動制御フラグが変動中から停止したことにより、停止用の図柄表示データが対象のセグメント領域にセーブされることになる。
【0325】
〔振り分け処理〕
次に、上述の後半変動パターン設定処理における振り分け処理(ステップS650)や変動パターン設定処理における振り分け処理(ステップS672)の詳細について
図91により説明する。
このルーチンが開始されると、まずステップC161で対象の選択テーブル(変動グループ選択テーブル)の先頭のデータが振り分けなしコードか否かをチェックする。
ここで、選択テーブルは少なくとも一の変動パターングループと対応付けて所定の振り分け値を記憶しており、例えば振り分けの必要がなければ、振り分けなしのコードが先頭に規定されている。
【0326】
選択テーブルの先頭のデータが振り分けなしのコードである(ステップC162;YES)と判定すると、振り分けた結果に対応するデータのアドレスに更新して(ステップC168)、振り分け処理を終了する。
一方、ステップC162にて、選択テーブルの先頭のデータが振り分けなしのコードではない(ステップC162;NO)と判定すると、対象の変動パターン乱数(例えば、変動パターン乱数2)を選択値としてロードした後(ステップC163)、選択テーブルに最初に規定されている一の振り分け値を取得する(ステップC164)。
続けて、ステップC163にてロードされた選択値(例えば、変動パターン乱数2の値)からステップC164にて取得された振り分け値を減算して新たな選択値を算出した後(ステップC165)、当該算出された新たな選択値が「0」よりも小さいか否かを判定する(ステップC166)。
【0327】
ここで、新たな選択値が「0」よりも小さくない(ステップC166;NO)と判定すると、次の振り分け値のアドレスに更新した後(ステップC167)、処理をステップC164に戻ってループを繰り返す。
すなわち、ステップC164にて、選択テーブルに次に規定されている振り分け値を取得した後、ステップC166において判定済みの新たな選択値を選択値として振り分け値を減算することで、新たな選択値を算出する(ステップC165)。そして、算出された新たな選択値が「0」よりも小さいか否かを判定する(ステップC166)。
上記の処理をステップC166にて、新たな選択値が「0」よりも小さい(ステップC166;YES)と判定するまでループを繰り返して実行する。これにより、選択テーブルに規定されている少なくとも一の後半変動パターングループの中から何れか一の後半変動パターングループを選択する。
そして、ステップC166にて、新たな選択値が「0」よりも小さい(ステップC166;YES)と判定すると、処理をステップC168に移行して、振り分けた結果に対応するデータのアドレスに更新して(ステップC168)、振り分け処理を終了する。
【0328】
このように、例えば変動パターン乱数2(リーチ変動詳細態様決定用乱数)変動パターン1で振り分けられた後半変動パターングループの中から更に詳細な1つを選ぶために使われる。例えば、ノーマルリーチ系のグループの中から、当り図柄から−1コマずれた図柄で、はずれ停止するノーマルリーチパターンや、−2コマずれ、+1コマずれ、・・・等の具体的な演出パターンを選びだす。これは、特図を送るコマ数で変動時間が変わってくるからである。また他には、例えばSP1−A(スペシャル1−A)リーチ系で当たる場合に、普通に図柄が揃うパターンや、一旦はずれたと見せかけて再変動して揃うパターン(いわゆる救済演出と称する)(当然、再変動する方が変動時間が長くなる)等、いろいろな態様がある。
したがって、この振り分け処理を実行することにより、選択テーブルの先頭のデータが振り分けなしのコードではない場合には、選択テーブルに記憶されている振り分け値及び当該判定に係る選択値に基づいて、新たな選択値を算出し、新たな選択値が所定値「0」未満であるか否かを判定する処理を繰り返すことで、複数の変動パターングループのうち、何れか一の変動パターングループを速やかに設定することができるようにしている。
【0329】
〔2バイト振り分け処理〕
次に、上述の後半変動パターン設定処理における2バイト振り分け処理(ステップS647)の詳細について
図92により説明する。
2バイト振り分け処理は、変動パターン乱数1に基づいて、はずれ変動パターン選択テーブルや大当り変動パターン選択テーブル等の変動グループ選択テーブルから特図変動表示ゲームの後半変動パターングループを選択するための処理である。
特に、乱数の大きさが2バイトであるときの処理であり、2バイトのデータとしては、例えば「0」から「49999」まである。
このルーチンが開始されると、まずステップC171で対象の選択テーブルの先頭のデータが振り分けなしコードか否かをチェックする。
ここで、選択テーブルは少なくとも一の変動パターングループと対応付けて所定の振り分け値を記憶しており、例えば振り分けの必要がなければ、振り分けなしのコードが先頭に規定されている。
【0330】
選択テーブルの先頭のデータが振り分けなしのコードである(ステップC172;YES)と判定すると、振り分けた結果に対応するデータのアドレスに更新して(ステップC178)、2バイト振り分け処理を終了する。
一方、ステップC172にて、選択テーブルの先頭のデータが振り分けなしのコードではない(ステップC172;NO)と判定すると、対象の変動パターン乱数(例えば、変動パターン乱数1)を選択値としてロードした後(ステップC173)、選択テーブルに最初に規定されている一の振り分け値を取得する(ステップC174)。
続けて、ステップC173にてロードされた選択値(例えば、変動パターン乱数1の値)からステップC174にて取得された振り分け値を減算して新たな選択値を算出した後(ステップC175)、当該算出された新たな選択値が「0」よりも小さいか否かを判定する(ステップC176)。
【0331】
ここで、新たな選択値が「0」よりも小さくない(ステップC176;NO)と判定すると、次の振り分け値のアドレスに更新した後(ステップC177)、処理をステップC174に戻ってループを繰り返す。
すなわち、ステップC174にて、選択テーブルに次に規定されている振り分け値を取得した後、ステップC176において判定済みの新たな選択値を選択値として振り分け値を減算することで、新たな選択値を算出する(ステップC175)。そして、算出された新たな選択値が「0」よりも小さいか否かを判定する(ステップC176)。
上記の処理をステップC176にて、新たな選択値が「0」よりも小さい(ステップC176;YES)と判定するまでループを繰り返して実行する。これにより、選択テーブルに規定されている少なくとも一の後半変動パターングループの中から何れか一の後半変動パターングループを選択する。
そして、ステップC176にて、新たな選択値が「0」よりも小さい(ステップC176;YES)と判定すると、処理をステップC178に移行して、振り分けた結果に対応するデータのアドレスに更新して(ステップC178)、2バイト振り分け処理を終了する。
【0332】
このように、例えば変動パターン乱数1(リーチ変動態様決定用乱数)は、特図変動表示ゲームにてリーチ状態を発生させるか否かの決定、及び、当該リーチ状態が発生する場合の特図変動表示ゲームにおけるリーチ変動態様の決定に係るものであり、上記の選択テーブルは、はずれ変動パターン選択テーブルや大当り変動パターン選択テーブル等の変動グループ選択テーブルに相当するものである。
そして、はずれ変動パターン選択テーブルや大当り変動パターン選択テーブル等の変動グループ選択テーブルは、特図変動表示ゲームにおけるリーチ状態の発生の有無や当該リーチ状態が発生する場合の特図変動表示ゲームにおけるリーチの種類(リーチ変動態様)に応じて、複数種類の後半変動パターングループが規定されており、当該変動グループ選択テーブルを記憶するROM101Bは、特図変動表示ゲームにおける第1特図、第2特図(識別情報)の変動態様として、リーチ状態の発生しないリーチなし変動態様並びに複数種類のリーチ変動態様の各々の設定に係る複数の変動振り分け情報(後半変動パターングループ)とそれぞれの振り分け値とを所定の順序で対応付けて記憶している。
したがって、この2バイト振り分け処理を実行することにより、選択テーブルの先頭のデータが振り分けなしのコードではない場合には、選択テーブルに記憶されている振り分け値及び当該判定に係る選択値に基づいて、新たな選択値を算出し、新たな選択値が所定値「0」未満であるか否かを判定する処理を繰り返すことで、複数の変動パターングループのうち、何れか一の変動パターングループを速やかに設定することができるようにしている。
【0333】
次に、演出制御装置300の制御について、
図93乃至
図100により説明する。
ここでは、ステップ番号として「ステップD」を用いて説明する。なお、演出制御装置300が制御する特図は表示装置41に表示される演出用の特図であり、以下の演出制御装置300の制御処理の説明における特図は、この演出用の特図(本特図ではない飾り図柄)を意味する。
【0334】
〔パワーオンリセット処理〕
まず、
図93により、演出制御装置300のパワーオンリセット処理を説明する。
このパワーオンリセット処理は、パチンコ機1の電源供給が開始された時点で開始する。
パチンコ機1の電源供給が開始すると、まずステップD1で割込みを禁止し、次にステップD2でCPU311の初期設定を行い、次にステップD3でVDP312の初期設定を行い、次にステップD4で割込みを許可し、次いでステップD5のメイン処理を開始する。メイン処理を開始すると、電源遮断(停電含む)までこのメイン処理を実行する。
【0335】
〔メイン処理〕
次に、上述のパワーオンリセット処理におけるメイン処理(ステップD5)を
図94により説明する。
メイン処理を開始すると、まずステップD15では、VDP312のレジスタのベースアドレスを設定する。これは、CPU311の種類やその設定によりアドレス空間が異なるので、ベースとなるアドレスを設定し、そこからの差分を基に各種指定を行うためである。
次いで、ステップD16で表示用データ生成を許可する。これは、表示回路608がVRAM606,607へアクセスを行い、表示データを生成するのを許可する処理である。
次いで、ステップD17で乱数シードを設定する。これは、例えばsrand関数を用いて擬似乱数の発生系列を設定する処理である。ここで、srand関数に与える引数としては、0(ゼロ)などの固定値を使用してもよいし、遊技機毎に異なるようにCPU等のID値などを基に作成した値を使用してもよい。
【0336】
次いで、ステップD18で演出用フラグ領域(各種のフラグとして使う記憶領域)の初期設定を行う。
次にステップD19に進むと、ステップD19乃至D21を実行し、ステップD22に進む。
ステップD19では、乱数更新処理を実行する。これは、例えばrand関数を用いてメイン処理の制御周期毎に最低1回は擬似乱数の更新を行う処理である。rand関数は再計算が行われる度に指定の発生系列に基づいて乱数を発生するので、関数を実行するだけでよい。なお、主基板(遊技制御装置100)のように+1ずつ更新する乱数を使ってもよい。
【0337】
ステップD20では、受信コマンドチェック処理を実行する。これは、遊技制御装置100から受信したコマンドを受信バッファで受けてコマンド領域にコピーし、コマンド領域の内容を読み出して解析するものである。
ステップD21では、演出表示編集処理を実行する。これは、VDP312に表示装置41での描画内容を指示するための各種コマンドとそのパラメータの設定を行う処理である。なお、この演出表示編集処理ではコマンドがテーブル状に設定され、こうして設定されたコマンドは後述するステップD28(画面描画を指示)でVDP312に順次送信される。
【0338】
ステップD22に進むと、フレーム切替タイミングであるか判定し、フレーム切替タイミングであればステップD23乃至D32を順次実行し、フレーム切替タイミングでなければ、このステップD22を繰り返す。
ここで、フレーム切替タイミングは、Vブランク割込み(Vシンク割込みともいう)の周期(例えば1/60秒)を基に作成された処理周期(例えば1/30秒≒33.333ms)に相当する時間的間隔で到来するタイミングである。このステップD22の処理によって、これより後の処理(ステップD23乃至D32、及びその後のステップD19乃至D21)は、このフレーム切替タイミングで上記処理周期毎に実行される。なお、演出内容と同期する必要のある時間管理は、このフレーム単位(即ち、上記処理周期単位)で行われる。上記処理周期が、1/30秒の場合、例えば3フレームでは100msになる。このことは、主基板(遊技制御装置)がタイマ割込み周期の4ms単位で時間値管理しているのと同様である。
【0339】
ステップD23では、ウオッチドッグタイマ(WDT)をクリアする。
ステップD24では、スイッチ液晶切替データの設定があるか否かを判定し、設定があれば、ステップD25に進んでスイッチ液晶切替データを出力する。
ここで、スイッチ液晶切替データとはスイッチ液晶702をオンするか、オフするかのデータのことで、同データの設定があるとは「オン」又は「オフ」のデータが存在していることを言う。そして、スイッチ液晶702のオンで視差バリア702Bを有効にし、スイッチ液晶702のオフで視差バリア702Bを無効にすることになる。
次いで、ステップD26でスイッチ液晶切替データ領域をクリアした後、ステップD27へ進む。
一方、ステップD24でスイッチ液晶切替データの設定がないと判定すると、ステップD27へジャンプする。
ステップD27では、圧縮展開要求があるなら展開実行を指示する。これは、動画は圧縮されてキャラROM(画像ROM322)に格納されているので、動画を再生する場合に、展開しつつ再生することをVDP312に指示する処理である。
ステップD28では、VDP312に画面描画を指示する。
【0340】
ステップD29では、演出/切替ボタン入力処理を行う。これは、演出ボタン9や切替ボタン15が有効時に押された場合の編集を行う処理である。なお、演出ボタンや切替ボタン15は高速でオンオフしないので、ボタンの入力を感知する処理はこの処理内で行ってもよいし、図示していない短周期のタイマ割込み内で行ってもよい。
ステップD30では、サウンド制御処理を実行する。これは、遊技制御装置100からの制御コマンド(8ビットのデータ信号)を解析し、音源LSIへの再生音の指示をしてスピーカ12a、12bを駆動して効果音等を出したりするものである。
ステップD31では、各種LED等を制御するための装飾制御処理を実行する。
ステップD32では、各種モータやSOL(ソレノイド)を制御するためのモータ/SOL制御処理を実行する。
なお、ステップD30乃至D32の制御処理は、画面の演出に合わせるため、動作の切り替えが処理周期単位で実行されるこれらのステップ内で行っているが、これら制御処理で生成又は設定された信号やデータ(特に各種LEDやモータを駆動制御する信号等)を実際にポートに出力する処理は、図示していない短周期のタイマ割込み内で行われる。ただし、各種デバイスの制御に特化したICを使用している場合は、シリアル通信等で指示するだけで、タイマ割込みで信号等の出力を行わない場合もある。
【0341】
〔演出/切替ボタン入力処理〕
次に、メイン処理のステップD29で実行される演出/切替ボタン入力処理について、
図95により説明する。
ルーチンが開始すると、ステップD41で演出ボタン無効タイマが「0」でなければ、−1更新(デクリメント)する。演出ボタン9は演出ボタン無効期間を除いて有効であるため、切替ボタン15の操作に伴い短時間に幾度も押されると、演出制御装置300の主制御用マイコン311に演出変更設定などで過度の負荷がかかるので、演出の表示態様が安定するまで演出ボタン9の操作を無効にすべく、演出ボタン無効タイマ(後述のステップD60で設定)が設けられている。そのために、ステップD41で演出ボタン無効タイマをカウントするものである。
【0342】
次いで、ステップD42で演出ボタン無効タイマが「0」になったかを判定し、「0」になっていなければ、ステップD43に分岐して演出ボタンフラグ領域に無効フラグをセットするとともに、ステップD44で演出ボタンの制御領域を全て入力なし状態に設定した後、ステップD46に進む。これにより、演出ボタン無効タイマのカウント期間中は、演出ボタン9を操作しても無効になり、演出の表示態様の安定が図られる。
一方、ステップD42で演出ボタン無効タイマが「0」になったと判定されると、ステップD45に進み、演出ボタンフラグ設定用領域の値を演出ボタンフラグ領域にコピーする。ここでは、演出ボタン無効タイマが「0」になり、演出ボタン9を無効にする無効時間が経過したので、演出ボタンフラグ設定用領域には演出ボタンフラグが有効という値(つまり、有効フラグ)が設定されるので、それを演出ボタンフラグ領域にコピーするものである。演出ボタンフラグが有効のときは単に有効フラグといい、演出ボタンフラグが無効のときは単に無効フラグということがある。
なお、ゲーム進行中に演出ボタン9の有効/無効を自動的に切替えるときは、演出ボタンフラグ設定用領域に演出ボタンフラグをセットする。これは、ゲーム進行の上では演出ボタンフラグが有効でも、切替ボタン15の操作によって2D表示/3D表示を切り替えると、一定時間演出ボタン9を無効にするので、そのように演出ボタンフラグ設定用領域を使い分けるものである。
【0343】
次いで、ステップD46に進んで演出ボタンは有効か否かを判定する。ここでの判定は演出ボタンフラグ領域のフラグをみて判定する。ステップD45の処理を経てステップD46に進んだ場合は、演出ボタンフラグ領域に演出ボタンフラグが有効という値(有効フラグ)がコピーされているので、演出ボタンは有効と判定する、一方、ステップD44の処理を経てステップD46に進んだ場合は、演出ボタンフラグ領域に無効フラグがセットされたままであるので、演出ボタンは無効と判定する。
ステップD46で演出ボタンが有効と判定すると、ステップD47に進み、今回演出ボタン状態領域の値を前回演出ボタン状態領域にコピーする。これは、前回のステータス(状況)を保存しておくものである。
次いで、ステップD48で演出ボタン9のポート状態データを今回演出ボタン状態領域にコピーする。これにより、今回、演出ボタン9の状態を演出ボタン9のポート状態データから取り込むことで、演出ボタンON又はOFFが今回演出ボタン状態領域にコピーされる。次いで、ステップD49で演出ボタン9の状態変化データを生成し、演出ボタン立上がりエッジ領域にセーブする。すなわち、演出ボタン9がOFFからONになったかどうかの立上がりエッジ状態が取り込まれる。
以上をまとめると、ステップD47でコピーした値(今回演出ボタン状態領域の値)が演出ボタン9の前回の状態であり、これとステップD48で取得した今回の状態(演出ボタン9のポート状態データ)を比較して立上りエッジ状態(OFFからONに変化したかどうか)をステップD49でセーブする。これにより、演出ボタン9が押されたか押されていないかの状態を記憶する。
【0344】
ステップD49を経ると、次いで、ステップD50に進み、切替ボタン無効タイマが「0」でなければ、−1更新(デクリメント)する。切替ボタン15は基本的に常時有効なので、演出ボタン9のような有効・無効フラグを設けていない。
なお、ゲーム進行上、遊技者が勝手に切替ボタン15を押して2D表示/3D表示を切り替えられると困る場面がある場合は、無効タイマを設定して対処するようにしてもよい。あるいは、上記演出ボタン9と同様のフラグを設けて、同様の処理構成になるようにしてもよい。
ただし、切替ボタン15を操作して2D表示/3D表示を短時間に連続で切り替えることが起きると、演出表示が安定しないので、演出表示を安定させるべく、切替ボタン無効タイマが設けられている。そのために、ステップD50で切替ボタン無効タイマをカウントするものである。
【0345】
ステップD51で切替ボタン無効タイマが「0」になったかを判定し、「0」になっていなければ、ルーチンを終了してリターンする。そして、ルーチンを繰り返し、切替ボタン無効タイマが「0」になると、ステップD52に進み、今回切替ボタン状態領域の値を前回切替ボタン状態領域にコピーする。これは、前回のステータス(状況)を保存しておくものである。
次いで、ステップD53で切替ボタン15のポート状態データを今回切替ボタン状態領域にコピーする。これにより、今回、切替ボタン15の状態を切替ボタン15のポート状態データから取り込むことで、切替ボタン15の操作状況が今回切替ボタン状態領域にコピーされる。次いで、ステップD54で切替ボタン15の状態変化データを生成し、切替ボタン立上がりエッジ領域にセーブする。すなわち、切替ボタン15がOFFからONになったかどうかの立上がりエッジ状態が取り込まれる。
以上をまとめると、ステップD52でコピーした値(今回切替ボタン状態領域の値)が切替ボタン15の前回の状態であり、これとステップD53で取得した今回の状態(切替ボタン15のポート状態データ)を比較して立上りエッジ状態(OFFからONに変化したかどうか)をステップD54でセーブする。これにより、切替ボタン15が押されたか押されていないかの状態を記憶する。
【0346】
次いで、ステップD55で切替ボタン15の操作の立上がりエッジはONであるか否かを判定し、ONでなければ、ルーチンを終了してリターンする。そして、ルーチンを繰り返し、ステップD55にて切替ボタン15の操作の立上がりエッジがONであると判定されると、ステップD56に進み、2D表示と3D表示との間でユーザ選択表示モードを切替える。ユーザ選択表示モードとは、遊技者が切替ボタン15を操作して選択する表示モードのことで、2D表示モード又は3D表示モードの何れかである。そして、2D表示モードとは、スイッチ液晶702の視差バリア702Bを無効にして2D表示で演出を行うモードのことであり、3D表示モードとは、スイッチ液晶702の視差バリア702Bを有効にして3D表示が可能なモードのことである。ただし、3D表示モードであっても演出により2D表示したり3D表示したりすることがある(例えば、特図の変動開始からリーチまでは2D表示、リーチ後は3D表示にする等)。
したがって、切替ボタン15による切替後のモードが2D表示モードの場合は、直ぐにスイッチ液晶702をオフにして視差バリア702Bを無効にするが、3D表示モードの場合は、直ぐにスイッチ液晶702をオンにして視差バリア702Bを有効にする必要はないことになる。このため、後述のステップD57において切替後のモードが2Dかどうかを判定するようにしている。
なお、ユーザである遊技者に対して、表示装置41の画面モードが2D表示なのか、あるいは3D表示なのかを知らせるためのモード表示を行うようにしてもよい(例えば、後述の
図115参照)。モード表示は、例えば表示装置41の画面の片隅に表示モードを表示したり、あるいは専用のLEDを設けてモード表示を報知してもよいが、これらの例には限らず、他の表示方法でもよい。
【0347】
次いで、ステップD57で切替ボタン15の操作後のモード(切替後のモード)は、2D表示であるか否かを判定し、2D表示であれば、ステップD58に進んで、2D表示側へのスイッチ液晶切替データを設定する。ここでは、2D表示側にデータを設定するので、スイッチ液晶702のオフで視差バリア702Bを無効にすることになり、スイッチ液晶切替データとしてオフが設定される。
ここで、2D表示と3D表示との間で表示モードを切替えた場合における表示モード切替時の設定内容としては、例えば以下のようなものがある。
(イ)スイッチ液晶の切替データの出力データの設定(メイン処理で使用)
前述したように、スイッチ液晶切替データは「オン、オフ」だけである。
(ロ)切替ボタン15の無効タイマの設定(連続で切替できないようにするため)
(ハ)演出ボタン9の無効タイマの設定(表示モード切り替わり時に押されることにより、演出変更設定等で演出制御装置300の主制御用マイコン311(CPU)に負荷を掛けないように、表示態様が安定するまで無効にするため)
(ニ)2D/3Dの表示モードを明示するLED点灯データの設定(前述したように、専用のLEDを設ける構成の場合)
【0348】
ステップD58を経ると、次いで、ステップD59で切替ボタン15の無効タイマ(切替ボタン無効タイマ)を例えば、1秒間に設定する。次いで、ステップD60で演出ボタン9の無効タイマ(演出ボタン無効タイマ)を例えば、0.5秒間に設定する。ステップD60を経ると、リターンする。
一方、ステップD57で切替ボタン15の操作後のモード(切替後のモード)が2D表示でないとき、すなわち、3D表示のときはステップD58をジャンプしてステップD59に進む。したがって、このときは2D表示側へのスイッチ液晶切替データは設定されない。
【0349】
〔演出表示編集処理〕
次に、メイン処理のステップD21で実行される演出表示編集処理について
図96により説明する。この演出表示編集処理は、メイン処理で説明したように、VDP312に表示装置41での描画内容を指示するための各種コマンドとそのパラメータの設定を行う処理である。この演出表示編集処理ではコマンドがテーブル状に設定され、こうして設定されたコマンドはメイン処理のステップD28(画面描画を指示)でVDP312に順次送信される。
このルーチンが開始されると、ステップD101乃至D118を順次実行し、その後、ステップD119乃至ステップD122で表示モードの変更要求の有無に応じた処理を実行し、リターンする。
【0350】
ステップD101では、客待ち表示編集処理を実行する。客待ち表示編集処理では、客待ち表示制御中(客待ちデモ演出中)である限り、「停止図柄表示状態」(客待ちA)と「ムービー再生によるデモ表示状態」(客待ちB)とが、それぞれ所定の客待ちデモ実行時間だけ交互に実行される。
ステップD102では、描画領域の初期設定を実行する。
ステップD103では、背景編集処理を実行する。これは、背景画像を編集するものである。
ステップD104では、背景予告編集処理を実行する。背景予告編集処理では、背景の前面であり、特図の後面である位置に表示される予告キャラクタの表示設定を行う。つまり、背景内において行われる予告の編集を行う。
ステップD105では、図柄編集処理を実行する。ここでは、図柄変動テーブルに基づいて図柄を編集する処理を行う。
【0351】
ステップD106では、予告編集処理1を実行する。予告編集処理1では、特図の前面であり、保留表示の後面である位置に表示される予告キャラクタの表示設定を行う。
ステップD107では、保留編集処理を実行する。ここでは、特
図1の始動記憶の保留表示を実行するための特
図1保留表示編集処理と、特
図2の始動記憶の保留表示を実行するための特
図2保留表示編集処理を行う。
ステップD108では、予告編集処理2を実行する。予告編集処理2では、保留表示の前面であり、縮小図柄や第4図柄の後面である位置に表示される予告キャラクタの表示設定を行う。予告として目立たせるためにかなり前面に押し出した演出表示となっているが、縮小図柄や第4図柄よりも後面としているので、この演出を行っている間も遊技者が図柄を視認できるように配慮されている。
【0352】
ステップD109では、縮小図柄編集処理を実行する。なお、縮小図柄とは、リーチ中のムービー演出の時などに、表示装置41の画面隅に変動中を明示するために小さく表示して変動させる飾り図柄(例えば通常の図柄を縮小した形態のもので、左、中、右の図柄がある)である。本ルーチンは、この縮小図柄を変動表示するための処理である。
ステップD110では、第4図柄編集処理を実行する。第4図柄とは、ムービー演出の時などに、表示装置41の画面端に変動中を明示するために小さく表示して変動させる飾り図柄(通常の図柄とは異なる形態のもの)である。本例では、特
図1と特
図2について上下一対の図柄がある(即ち、特
図1第4図柄上、特
図1第4図柄下、特
図2第4図柄上、特
図2第4図柄下がある)。
ステップD111では、大当りラウンド編集処理を実行する。このルーチンは、大当りのラウンド中に加え、大当りのファンファーレ、インターバル、エンディングでの演出も含めた大当り時の演出についての処理である。また、このルーチンの処理は、描画するものを編集するのではなく、各シーンの時間値等を制御するための処理である。同一ラウンド中でも、メッセージを表示したり、アニメーションを再生したりといった演出の流れがあり、この流れを制御する処理である。なお、演出内容によって、設定する必要のあるデータは変化する。大当り中の演出なら、動画の変更指示や、音声変更指示などがあり、その流れを制御しているのが本ルーチンである。
【0353】
ステップD112では、描画終了宣言を実行する。描画終了宣言は、1フレーム分の各種編集処理が終了したことを示す情報をVDP312に対して出力する処理である。これにより、1フレーム分の各種編集処理が終了したことがVDP312に報告される。
ステップD113では、左図柄制御領域の先頭アドレスをセットする。
ステップD114では、セットされた先頭アドレスに基づいて変動パラメータ更新処理を実行する。
ステップD115では、中図柄制御領域の先頭アドレスをセットする。
ステップD116では、セットされた先頭アドレスに基づいて変動パラメータ更新処理を実行する。
ステップD117では、右図柄制御領域の先頭アドレスをセットする。
ステップD118では、セットされた先頭アドレスに基づいて変動パラメータ更新処理を実行する。
【0354】
ここで、ステップD103乃至D110の背景編集処理から第4図柄編集処理までの編集処理が、表示装置41の画面上に表示するキャラクタ等をVDP312に指示するためのコマンド群を設定する処理となる。そして、画面上の奥に表示されるもの程、先に処理を行う。設定したコマンドの順にVDP312に送信され、描画制御が行われるためである。例えば、第4図柄などは変動中は消えてはいけないので最前面に表示させるため、最後に処理が行われる。予告演出にしても、図柄の前で行われるものと、後ろで行われるもの等があるので、数カ所に予告編集処理がある。
一般に「キャラクタ」とは、性質や性格、或いは性質や性格を有する登場人物や動物等を意味し、コンピュータ用語としては文字を意味する場合もある。しかし本願では、特にVDPを使った画像表示制御の説明においては、一連のムービー、背景画像、図柄の画像、登場人物の画像等のまとまりのある静止画又は動画をキャラクタと称し、またそのような画像データ(静止画又は動画のデータ)をキャラクタデータと称する場合がある。
【0355】
なお、このようなフローチャートにした場合、理論上の全レイヤー分、上記編集処理を設けておく必要があるため、機種によって上記編集処理の数も変わることになる。但し、このような構成(処理順によって描画優先順位が決まる構成)に限られるものではなく、例えば、その時の演出に合わせて、処理順を変更するように制御する方法もある。その他、キャラクタ毎に描画優先順位を設定する機能を使用する場合には処理順は関係なくなる。
【0356】
ステップD118を経ると、次いで、ステップD119に進み、表示モード変更要求フラグ=0であるか否かを判定する。
ここで、表示モード変更要求は後述の
図102の予告動作テ−ブル1Aに示すように、予告演出の1つである表示m(表示モード)のパラメータに対応して判定する。表示mというパラメータは、ユーザ選択表示モードが3D表示の場合に、2D表示区間なのか3D表示区間なのかを指定するパラメータであり、内部表示モードに相当する。表示mのパラメータの内容は、以下の通りである。
「0」:変更要求なし
「1」:2D表示開始要求
「2」:3D表示開始要求
「3」:ガセ3D表示開始要求(スイッチ液晶オンで2D表示)
【0357】
ここで、表示モード変更要求フラグの設定について説明すると、この表示モード変更要求フラグはステップD119よりも前の各種編集処理において、表示モード変更要求フラグ領域を共通で使用し、表示モード変更要求フラグに対して変更の要求がある処理で同フラグを設定する構成である。
そのため、各編集処理中では内部表示モードフラグは確定せず、後述のステップD120で設定(セット)することで確定となる。これは、各編集処理内で内部表示モードフラグをセットしてしまうと、セットした処理より前の処理はすでに終わっているので、遊技全体の対応にズレが出てしまうから、ステップD120で同フラグを確定することにしたものである。また、このように一連の処理(各編集処理)の最後に内部表示モードフラグをセットすることで、次回ルーチンの演出表示編集処理から遊技全体の対応にズレが出ることなく、対応できるようになる。
【0358】
ステップD119で表示モード変更要求フラグ=0であるときは、表示モードの変更要求はないと判断してルーチンを終了し、リターンする。一方、ステップD119で表示モード変更要求フラグが「0」でなければ、ステップD120に進み、表示モード変更要求フラグに対応する内部表示モードフラグを設定する。
内部表示モードフラグは、上述した内部表示モードに対応するフラグである。したがって、例えば表示モード変更要求フラグが「1」であれば、内部表示モードフラグ=「1」を設定し、表示モード変更要求フラグが「2」であれば、内部表示モードフラグ=「2」を設定し、表示モード変更要求フラグが「3」であれば、内部表示モードフラグ=「3」を設定することになる。
【0359】
次いで、ステップD121で内部表示モードに対応するスイッチ液晶切替データを設定する。スイッチ液晶702は視差バリア702Bを制御することで、液晶表示器701の画面を立体表示可能な状態又は平面表示状態に切り替えるものであり、内部表示モードとの関係では、以下のように制御される。
内部表示モード=「0」:スイッチ液晶の視差バリアの制御変更なし
内部表示モード=「1」:2D表示開始要求:スイッチ液晶の視差バリアをオフする
内部表示モード=「2」:3D表示開始要求:スイッチ液晶の視差バリアをオンする
内部表示モード=「3」:ガセ3D表示開始要求:スイッチ液晶の視差バリアをオンしつつ2D表示する
次いで、ステップD122で表示モード変更要求フラグをクリアする。これは、上記ステップD119乃至ステップD121で表示モード変更要求フラグに対応する処理を終わったので、同フラグをクリアするものである。ステップD122を経ると、リターンする。
【0360】
〔背景予告編集処理〕
次に、前述の演出表示編集処理におけるステップD104で実行される背景予告編集処理の詳細について
図97により説明する。
このルーチンでは、背景の前面であり、特図の後面である位置に表示される予告キャラクタの表示設定を行う。つまり、背景内において行われる予告の編集を行う。
このルーチンが開始されると、まずステップD131で背景予告表示制御中か判定し、背景予告表示制御中でなければ(即ち、背景予告演出を実行中でなければ)リターンし、背景予告表示制御中ならば(即ち、背景予告演出を実行中であれば)ステップD132で背景予告情報領域のアドレスをセットしてステップD133に進む。
【0361】
ここで、背景予告情報領域は、前述のメイン処理における受信コマンドチェック処理(ステップD20)の中で乱数抽選や予告演出設定のときに背景予告表示に使用する背景予告データ(予告制御テーブル内の例えば行を指定するアドレス情報)が設定される領域である。ここで、背景予告データは、原則的に、主基板からのコマンドに対応した変動パターンのシナリオテーブルや、左・中・右図柄の詳細な変動テーブル内に定義され、特図の動きとリンクしたタイミングで背景予告情報領域に書き込まれる構成となっている。あるタイミングで行われる予告演出にも複数種類あるが、乱数抽選で決定された予告データ値を使用し、事前に選出してある演出を行えるようしている。
【0362】
ステップD133に進むと、背景予告情報領域に上記背景予告データの設定があるか判定し、背景予告データの設定があれば当該背景予告データに基づいてステップD134、D135を順次実行した後にリターンし、背景予告データの設定がなければステップD134、D135を実行しないでリターンする。
ステップD134では、予告情報更新判定処理(後述する)を実行する。ステップD135では、予告表示データ編集処理(後述する)を実行する。
【0363】
〔予告情報更新判定処理〕
次に、前述の背景予告編集処理におけるステップD134で実行される予告情報更新判定処理の詳細について
図98、
図99により説明する。
このルーチンが開始されると、まずステップD141で予告制御領域(ステップD132の背景予告情報領域に相当)に入力されている背景予告データが示す予告制御テーブルポインタのデータをロードしてステップD142に進む。
【0364】
ここで、予告制御テーブルポインタのデータとは、予告演出を制御するためのテーブル状の制御データ(以下、予告制御テーブルという)が格納されているアドレス(例えば先頭アドレス)である。つまり、予告制御テーブルポインタのデータが決まると、このデータに対応して、複数ある予告制御テーブルのうちの一つが決まり(選択され)、さらに当該予告制御テーブル内の特定の位置(行)が指定されることになる。また、ポインタとは、テーブルアドレスなどのアドレスのデータが格納されるRAM(本例ではRAM311a)の記憶領域を意味する。また、予告制御テーブルなどの制御データはROM(本例ではPROM321)に記憶されている。上記予告制御テーブルポインタには、予告制御テーブルのデータが記憶されたROMの記憶領域のアドレスが格納される。
そして、上記予告制御テーブルには、各種のデータ種別(例えば、キャラクタの種類等を指定するための画像パターンテーブルアドレス、キャラクタの表示位置を指定するための座標テーブルアドレス、キャラクタの透過性を指定するための透過テーブルアドレスなど)があり、これらデータ種別毎に進行順にデータ(パラメータやテーブルアドレス等のデータ)が複数設定されており、これらデータを進行順に適宜参照して演出が行われる。そして、この予告制御テーブルに設定されているデータがテーブルアドレス(テーブルのデータが記憶された記憶領域を示す情報)である場合には、さらにこのテーブルアドレスのデータ(即ちアドレス)が示す領域に該当種別の制御データテーブル(例えば、座標テーブル、画像パターンテーブル、透過テーブル)があり、この制御データテーブルを参照して演出が行われる。また、この予告制御テーブルは、予め異なるものが複数登録されており、演出の種類や、演出中の各区間(シナリオ)に対して、何れかの予告制御テーブルが適宜選択されて使用される。その際、どの予告制御テーブルを使用するのかを指定するのが予告制御テーブルポインタのデータ(即ち、予告制御テーブルポインタという記憶領域に格納されているデータ)である。以下、例えば「予告制御テーブルポインタが指定する」といった記載は、詳細には、予告制御テーブルポインタのデータが指定するという意味である。
なお、予告制御テーブルを指定するポインタとして予告制御テーブルポインタがあるのと同様に、画像パターンテーブルを指定するポインタとして画像パターン制御ポインタがあり、座標テーブルを指定するポインタとして座標制御ポインタがあり、透過テーブルを指定するポインタとして透過制御ポインタがある。
【0365】
ステップD142に進むと、ステップD141でロードした予告制御テーブルポインタが指定する予告制御テーブルでは、予告ステータスが予告制御継続となっているか判定し、予告制御継続でなければステップD156に進み、予告制御継続ならばステップD143に進む。
ステップD143に進むと、予告表示開始ディレイタイマの値が0より大きいか判定し、0より大きい場合にはステップD144で予告表示開始ディレイタイマの値を1だけ減らす更新を実行した後にステップD145に進み、0より大きくない場合(0以下の場合)にはステップD146に進む。
ステップD145では、予告表示開始ディレイタイマがタイムアップしたか(値が0になったか)判定し、タイムアップした場合にはステップD146で予告用サウンド領域に演出に対応する音声番号を設定した後にリターンし、タイムアップしていない場合にはステップD147に進む。
【0366】
なお、予告演出の反映を基準時間から送らせたい場合に、予告表示開始ディレイタイマがセットされる(本例では、後述するステップD165で設定される)。このディレイタイマがセットされていない時(0の時)は、基準時間通りに演出が行われる。例えば、ステップアップ予告1段階目等、演出が行われるタイミングは基本的に機種毎にほぼ決まっている。これは、毎回バラバラのタイミングでは、予測ができないので反って興趣が低下してしまうのを防止するためである。但し、同じSU1(ステップアップ1)演出でも、振り分けによって出現するキャラクタの種類等を変えて、信頼度を変化させたりして遊技の興趣を高めており、基本同一タイミングの演出でも演出内容によって演出時間を異ならせたい場合が多々あると考えられ、このような場合に、上記予告表示開始ディレイタイマによれば、演出の開始時間を微妙に調整できるし、演出終了のタイミングなどを合わせることもできる。
【0367】
また、ステップD146は、予告開始タイミングで音を鳴らし始めるための処理である。ステップD146に進む場合は、予告表示開始ディレイタイマがタイムアップしたので、予告演出が開始されるが、その開始タイミングで音を鳴らしはじめるための処理である。但し、予告の種類によっては、音の出力を要求しない場合もあり、その場合にはこのステップD146の処理はスキップされる。
【0368】
ステップD147では、表示フレームカウンタの値が0以上か判定し、0以上ならばステップD148、D149を順次実行してステップD150に進み、0以上でなければリターンする。
ここで、表示フレームカウンタについて説明する。1つの予告演出中においてもシナリオがあり、その予告演出の各区間毎に時間値を設定する必要がある。表示フレームカウンタはその各区間の時間値の残時間をカウントするカウンタである。この表示フレームカウンタの値が0以上である間(即ち、前記残時間がある間)は、キャラクタの種類や表示座標等を毎フレーム更新してゆく必要があり、そのための処理がステップD148以降の処理である。
【0369】
ステップD148では、現在実行している予告演出が最終データに達していないなら画像パターン制御ポインタを1だけ増やす更新(即ち、前述した予告制御テーブルにおいて進行順に並んだ次のデータへの切り替え、以下他の制御ポインタについて同様)を実行する。
ステップD149では、現在実行している予告演出が最終データに達していないなら座標制御ポインタを1だけ増やす更新を実行する。
ステップD150に進むと、現在実行している予告演出に透過テーブル(テーブル状の透過データ)の設定があるか判定し、透過テーブルの設定があればステップD151に進み、透過テーブルの設定がなければステップD152に進む。
【0370】
ステップD151に進むと、現在実行している予告演出が最終データに達していないなら透過制御ポインタを1だけ増やす更新を実行し、その後ステップD152に進む。
ステップD152では、表示フレームカウンタの値が0より大きいか判定し、0より大きいとステップD153で表示フレームカウンタの値を1だけ減らす更新を実行した後にステップD154に進み、0より大きくない場合にはステップD153を実行しないでステップD154に進む。
【0371】
ステップD154に進むと、表示フレームカウンタの値が0か判定し、0ならばステップD155で予告制御テーブルポインタの値を1だけ増やす更新を実行した後にステップD156に進み、0でない場合にはリターンする。ここでは、表示フレームカウンタ=0の時に、次のシナリオに移行するために予告制御テーブルポインタを更新している。予告制御テーブルにはシナリオの流れが定義されており、予告制御テーブルポインタの値を1増やす更新により、予告制御テーブルポインタが指定する予告制御テーブル内の位置(行)が次のものに切り替る。
【0372】
ステップD156に進むと、前記予告ステータスは初期化となっているか判定し、初期化でなければステップD159に進み、初期化ならばステップD157、D158を順次実行した後にステップD165に進む。
ステップD157では、予告制御テーブルポインタを1だけ増やす更新を実行する。
ステップD158では、その時点での予告制御テーブルポインタの値を、テーブルポインタ戻り値として設定する。
ステップD159に進むと、前記予告ステータスは通常更新となっているか判定し、通常更新でなければステップD160に進み、通常更新ならばステップD165に進む。
【0373】
ステップD160に進むと、前記予告ステータスは戻り位置に戻るとなっているか判定し、戻り位置に戻るでなければステップD162に進み、戻り位置に戻るならばステップD161を実行した後にステップD165に進む。
ステップD161では、制御テーブルポインタ戻り値(ステップD158で設定したテーブルポインタ戻り値)を、予告制御テーブルポインタの値として設定する。
【0374】
ステップD162に進むと、前記予告ステータスは予告演出終了となっているか判定し、予告演出終了でなければステップD165に進み、予告演出終了ならばステップD164で予告制御テーブルポインタにNULLを設定した後にステップD165に進む。予告制御テーブルポインタにNULLが設定されると、予告演出の実行は終了する。
ステップD165に進むと、予告表示開始ディレイタイマを設定し、次にステップD166で予告表示フレームカウンタ(前述の表示フレームカウンタ)を設定した後にステップD167に進む。
【0375】
ステップD167に進むと、予告表示開始ディレイタイマの値が0か判定し、0でない場合にはステップD169に進み、0ならばステップD168で対応する音声の出力要求をセットしてステップD169に進む。これは、ディレイタイマ=0の場合、予告演出が直ちに開始されるため、すぐに音を鳴らしはじめるための処理である。予告の種類によっては、音の出力を要求しない構成としてもよい。
【0376】
ステップD169に進むと、画像表示モード指定は「0」であるか否かを判定する。
画像表示モード指定の内容は、以下の通りである。
「0」:変更要求なし
「1」:2D表示開始要求
「2」:3D表示開始要求
「3」:ガセ3D表示開始要求(スイッチ液晶オンで2D表示)
ステップD169で画像表示モード指定が「0」であると、ステップD170を外してステップD171に進む。一方、ステップD169で画像表示モード指定が「0」でなければ、ステップD170に進み、今回の画像表示モード指定値を表示モード変更要求フラグ領域に設定した後に、ステップD171に進む。
前述したように、表示モード変更要求フラグはステップD118よりも前の各種編集処理において、表示モード変更要求フラグ領域を共通で使用し、表示モード変更要求フラグに対して変更の要求がある処理で同フラグを設定する構成であることから、ステップD170の処理で今回の画像表示モード指定値が表示モード変更要求フラグとして設定されることになる。
【0377】
ステップD171に進むと、画像パターン制御ポインタを設定し、次にステップD172で座標制御ポインタを設定し、次にステップD173で透過制御ポインタを設定し、その後リターンする。ここでは、新たな演出(シナリオ継続を含む)を行うことになるので、その演出に対応した新たな制御データテーブルを指定する必要がある。これらステップD171乃至D173は、その新たな制御データテーブルの先頭アドレスを設定する処理である。
【0378】
〔予告表示データ編集処理〕
次に、前述の背景予告編集処理におけるステップD135で実行される予告表示データ編集処理の詳細について
図100により説明する。
本ルーチンは、予告演出のキャラクタ(ムービー等も含む。キャラROM(画像ROM322)内に保存された画像を指す)の描画指示コマンド(VDP312に対するコマンド)を作る処理である。
なお、画像データの設定は予告演出以外の処理でも同様に行うが、代表例として予告表示データ編集処理の詳細を
図100に挙げてあり、同じような処理手順で、3D表示のための画像データを設定するようにすればよい。
このルーチンが開始されると、まずステップD201で、予告表示開始ディレイタイマの値が0より大きいか判定し、0より大きい場合にはリターンし、0より大きくない場合(0以下の場合)にはステップD202に進む。
【0379】
ステップD202では、画像パターン制御ポインタが指定する画像パターンテーブルのデータがNULL(設定無し)か判定し、NULLである場合にはリターンし、NULLでない場合にはステップD203乃至ステップD206を順次実行した後にステップD207に進む。
ステップD203では左目用画像の画像IDを画像パターンテ−ブルから取得する。なお、画像IDとは複数の画像データを識別するための管理番号である。
画像パターンテ−ブルは、2D/3D用の演出情報を記憶するエリア(例えば、PROM321)に格納されているもので、例えば多くの画像パターンに関する情報をデータとして格納しており、画像データは画像IDで特定可能になっている。
次いで、ステップD204では、左目用画像の幅、高さデータを画像パターンテ−ブルから取得する。すなわち、左目用画像(キャラクタデータ)の各種パラメータのうち、幅、高さデータを前記画像パターンテーブルから取得するものである。
ステップD205では、画像データの座標データを、座標制御ポインタが指定する座標テーブルから取得する。
ステップD206では、透過なしの透過データをセットする。透過データは、必要に応じ後述するステップD208で設定されるが、ここでは透過データのデフォルト値として、透過なしを設定する。
【0380】
ステップD207では、透過制御ポインタが指定する透過テーブルのデータがNULL(設定無し)か判定し、NULLである場合にはステップD209に進み、NULLでない場合にはステップD208を実行した後にステップD209に進む。
ステップD208では、透過データ(ステップD206でいったん透過なしに設定されているもの)を前記透過テーブルに対応したデータ(透過なしも有り得る)に差替える。
【0381】
ステップD209に進むと、ステップD209乃至ステップD213の処理を順次、実行した後、ステップD214に進む。
ステップD209では、ステップD204で取得したパラメータに対応する画像データ(キャラクタデータ)のVRAMへのロードを指示する。
ステップD210では、ステップD204で取得したパラメータやステップD205で取得した座標データに従って前記画像データの属性(色数、カラーパレット、座標等)を設定する。
ステップD211では、前記透過データに従って前記画像データの透過パラメータ(透過性のある画像にする透過制御を行うか否かや、透過性の程度など)を設定する。
ステップD212では、前記画像データの描画エフェクト(透明度の設定、奥行き情報他)を設定する。
ステップD213では、スプライトを仮想描画空間に貼り付ける。これは、上記画像(キャラクタ)をいわゆるスプライト描画により表示するための処理である。
【0382】
ステップD213を経ると、次いで、ステップD214以降の処理に進み、3D表示のため右目についての画像の編集などを行う。
すなわち、ステップD214でユーザ選択表示モードが3D表示であるか否かを判定する。ユーザ選択表示モードが3D表示でなければ、ステップD218にジャンプし、ユーザ選択表示モードが3D表示であれば、ステップD215で内部表示モードが3D表示であるか否かを判定する。内部表示モードが3D表示でなければ、ステップD218にジャンプし、内部表示モードが3D表示であれば、ステップD216に進んで右目画像用の画像IDを設定する。右目画像用の画像IDの設定は、上記ステップD203と同様に、画像パターンテ−ブルから取得する。
ここで、ユーザ選択表示モードと内部表示モードに分けて判定しているのは、以下の理由による。
すなわち、切替ボタン15の操作によってユーザが選択した表示モードが3D表示の状態であっても、演出の進行内容によって画像としては、3D表示区間と2D表示区間があるので、ユーザ選択表示モードと内部表示モードという2つのモードに分けて判断しているためである。
内部表示モードの判定に関しては、例えば2D表示又は3D表示の演出を制御するテ−ブル(例えば、図柄変動テ−ブル)に内部表示モードに相当する内部表示の状態を指定するパラメータを設け、そのパラメータに基づいて判定する構成であってもよい。
【0383】
次いで、ステップD217で画像IDに基づいて右目画像データを設定し、その画像データ(キャラクタデータ)のVRAMへのロードを指示し、その後、ステップD218へ進む。
なお、ステップD216及びステップD217の処理を通ると、右目用画像データが設定されるが、ここを通らない場合はステップD203乃至ステップD209で使用した左目用画像を再使用することになる。右目画像用の画像IDの設定は、計算で求めてもよいし、あるいは画像パターンテ−ブルから取得してもよい。
また、新たに右目用画像を設定するときだけ、ステップD217でのロード指示が行われる。一方、左目用画像を再利用して右目用画像を設定する場合は、左目用画像は既にステップD209でVRAMにロードしてあるので、それを再利用する。
【0384】
ステップD218では、x座標を右目用画像の値に更新する。これは、左目用と右目用は画像のサイズやy座標は同じであるので、左目用画像のx座標だけを右目用の位置にずらせば、右目用画像を作成できるので、その処理を行うものである。例えば、x座標を+1すれば(右側にずらせば)、丁度、上手く右目用画像のx座標の位置と重なるようになる。なお、この方法に限らず、例えばテ−ブルから右目用x座標データを取得して右目用画像を作成してもよい。
【0385】
ここで、3D表示時の画像データと、2D表示時の画像データについて説明すると、以下のようになる。
3D表示の場合は、左目用の画像データと右目用の画像データが別々に必要となり、その場合の画像データのアドレスは画面の左上を基準とし、そこからアドレスが開始していくので、左目用の画像データにおける画面の左上を基準として、そこをアドレスの開始点に設定する。また、右目用の画像データにおける画面の左上の基準点は、左目用の画像データにおける画面の左上の基準点から所定量だけ右側にずれた点に設定し、そこを開始アドレスとして、右目用の画像データのアドレスが展開されていく。
したがって、右目用の画像データのアドレスは、左目用の画像データのアドレス(特に、x座標)を右目用の位置にずらせば、作成できることになる。上記ステップD218の処理は、この技術に基づいている。
一方、2D表示の場合は、左目用の画像データと右目用の画像データが同じになるが、独自に2D表示用の画像データを設定するのではなく、3D表示用の「左目用の画像データだけ」で2D表示を可能にしている。具体的には、3D表示用の左目用の画像データを2D表示の左目用の位置に設定して2D表示用の左目用の画像データを作成し、次いで、2D表示用に設定した左目用の画像データを右目用の位置にずらして、2D表示の右目用の画像データを作成する。このようにして、2D表示用の画像データを設定している。
因みに、2D表示用の画像データを新たに用意すると、ROM容量(例えば、画像ROM322の容量)を増やす必要がある等効率的でないが、本実施例のように3D表示用の「左目用の画像データだけ」を活用して2D表示用の左右の画像データを設定すれば、ROM容量の増大を招かずに済む。
【0386】
以上のことから、左目用の画像データ、右目用の画像データという順で設定していくが、画像データのアドレスは画面の左上を基準とし、そこからアドレスが開始していくので、最初に左目用の画像データから設定するようにしている。
そして、左目用の画像データを設定した後に、設定後の左目用の画像データのアドレスを右目用の位置にずらすことで、右目用の画像データを設定する。これは、左目用の画像データを単に右目用の位置にずらすだけで、右目用の画像データを設定でき、簡単で済むことになる。
また、左目用の画像データのアドレス(特に、x座標)を右目用の位置にずらすだけなので、左目用の画像データを右目用の画像データの代わりに使用でき、あらたに独自の右目用の画像データを作成する手間が省ける。
【0387】
ステップD218を経ると、続くステップD219乃至ステップD222の処理を行う。
ステップD219では、右目用画像データの属性(色数、カラーパレット、座標等)を設定する。
ステップD220では、透過データに従って右目用画像データの透過パラメータ(透過性のある画像にする透過制御を行うか否かや、透過性の程度など)を設定する。
ステップD221では、右目用画像データの描画エフェクト(透明度の設定、奥行き情報他)を設定する。
ステップD222では、スプライトを仮想描画空間に貼り付ける。これは、画像(キャラクタ)をいわゆるスプライト描画により表示するための処理である。ステップD222を経ると、リターンする。
【0388】
以上のような各プログラムを実行することにより、遊技制御装置100からコマンドが演出制御装置300に送信され、コマンドを受けた演出制御装置300ではプログラム(
図93乃至
図100)に基づいて表示装置41による変動表示ゲームがムービー演出や2D表示、3D表示を含めて実行される。
具体的には、パチンコ機1の遊技中に、遊技球が特図の始動入賞口25又は26に入賞すると(即ち、特図の始動入賞があると)、特図の変動演出を指令するコマンドが遊技制御装置100から演出制御装置300に送信され、表示部41aにおいて特図(飾り特図)の変動表示が行われ、変動表示ゲームの停止結果態様が特別結果態様になれば大当りが発生し、はずれの場合にははずれ図柄で停止する。
ここで、遊技制御装置100から演出制御装置300へ送信されるコマンドのうち、単独では演出を開始せず、組で効果を発揮するものがあるが、それは例えば特図変動開始時の「変動パターンコマンド+図柄指定コマンド」などである。なお、以下の説明では、適宜、「図柄指定コマンド」を「図柄コマンド」と短く表記して記述することがある。
【0389】
特図の始動入賞に基づいて遊技制御装置100から演出制御装置300へ変動パターンコマンド及び図柄コマンドが順次送信されてきた場合、演出制御装置300では、送信されてきたコマンドに基づいて特図の演出制御を行う。
なお、変動パターンコマンド及び図柄コマンドは、組で効果を発揮する第1コマンドと第2コマンドにそれぞれ相当する。
また、図柄の変動中に始動口SWがONして始動記憶が発生すると、特図保留数=「1」を示す情報が表示装置41の画面に表示されるとともに、先読みコマンドや特図保留数コマンドが遊技制御装置100から演出制御装置300へ送信される。
複数で組となるコマンド(例えば、「変動パターンコマンド+図柄指定コマンド」)の受信が正常であれば、すなわち、先に送られる変動パターンコマンドと、後で送られる図柄指定コマンドとを正常に受信すると、組となるコマンドが成立したと判断して、組となるコマンドに基づいて演出制御装置300により表示装置41にて図柄変動の演出が行われる。
【0390】
ここで、組となるコマンドの種類、内容などについて説明する。
組となるコマンドには、以下のようなものがあり、演出毎に区分して説明する。
(1)図柄変動
変動開始時に送信されるもので、「変動パターンコマンド」+「停止図柄コマンド」で組が成立する。「停止図柄コマンド」は、適宜、図柄コマンドと短く表記する。
(2)大当り中演出
これには、演出区間に合わせて、「演出画面コマンド」+「大当り図柄コマンド」で組が成立する。
また、演出画面コマンドには、以下のものがある。
(イ)ファンファーレ開始時=ファンファーレコマンド
(ロ)各ラウンドの開始時=ラウンド数に対応するラウンドコマンド
(ハ)インターバル開始時=インターバルコマンド
(ニ)エンディング開始時=エンディングコマンド
なお、「停止図柄コマンド」=「大当り図柄コマンド」の場合もある。
ここで、組となる複数のコマンドで効果を発揮するものは、上記のように、「変動パターンコマンド」+「停止図柄コマンド」の2つのコマンドの組み合わせであるが、これに限らず、例えばコマンドを3つ以上組み合わせた形態で効果を発揮するものであっても、本発明を適用できる。
「停止コマンド」は変動中などの図柄を停止させる指示を行うコマンドであるが、これは単独コマンドであり、組は構成しないものである。
【0391】
次に、表示装置41による変動表示ゲームのうち、2D表示、3D表示を含む演出動作について、具体的に説明する。
図101は、本実施例における3D表示方式の動作を説明する図である。
図101に示すように、表示装置41は液晶表示器701、スイッチ液晶702及びバックライト703を含んで構成され、3D表示が可能になっている。これは、視差バリア(パララックスバリア)方式であり、裸眼で3Dディスプレイ(表示)を可能とするものである。
裸眼3Dディスプレイは、通常のディスプレイにレンチキュラーレンズと呼ばれる板状のレンズや視差バリアと呼ばれる縦縞のフィルター(アパーチャーグリル)を重ねることによって、1つの画面で右目と左目に異なる映像を見せるようにしたものである。
そして、視差バリア方式では、画面上に左目用の画像と右目用の画像を交互に表示し、視差バリアを通して見ることによって、左目には左目用の画像だけが、右目には右目用の画像だけが見えることで(すなわち、右眼用画像、左眼用画像を足し合わせた画像を、3D表示用画像として液晶表示器710に表示することで)、人間の頭の中で両画像を合成して立体(3D)的に見えるようになるものである。
【0392】
また、液晶表示器701上の1つのピクセルは光の3原色(赤、緑、青)の発光体(サブピクセル)で構成されており、このサブピクセルに対応した視差バリア702Bがスイッチ液晶702の内部に設けられている。そして、スイッチ液晶702は主制御用マイコン311からの信号に基づいて視差バリア702Bを有効・無効に制御し、それによって液晶表示器701の画面が3D表示又は2D表示として作動する。
具体的には、以下のように作動する。
(a)3D表示時:視差バリア702Bが有効
スイッチ液晶702の視差バリア702Bを有効に制御することで、視差バリア702Bが光を遮って左右の目に対応して光を分離するように作動する(
図101参照)。これにより、左右の目には異なる光が届くこととなり、左目用画像と右目用画像とを視差バリア702Bに対応して表示すれば、画像が立体的に見える。
(b)2D表示時:視差バリア702Bが無効
スイッチ液晶702の視差バリア702Bを無効に制御することで、視差バリア702Bが透明化して光を透過させて、左右の目に同じ光が届くように作動する。これにより、左右の目には同じ光が届き、通常の2Dディスプレイと同じになる。つまり画像が平面的に見える。
なお、視差バリアが常時存在する方式では、2D表示であっても視差バリアを光が通過して画像を見る構造であるため、画面が若干クリアでない性質がある。
【0393】
<背景説明>
次に、本発明の背景となる3D表示の課題について説明する。
3D表示には、下記のような一般的課題がある。
・3D表示は、長時間見ていると疲れる。
・3D表示は、人によって見え方や疲れ方が異なる。
・眼鏡式の3D表示では、眼鏡の紛失や置き場の問題があり、また、眼鏡をかける煩わしさがある。
・裸眼式の3D表示では、3Dに見える位置(目の位置)に制約がある。
・時分割方式以外の3D表示では、解像度が1/2になり、暗いという特質がある。
・レンチキュラーレンズなどによる3D表示方式は、見た目の違和感(例えば、画面の解像度が低下)がある(画面を高精細にすれば解消するとも考えられるが、コストや制御の問題がある)
・3D表示には右目用、左目用のデータが必要である。
・3D表示は、一般的にコストが高い。
【0394】
次に、遊技機の表示装置に3D表示を使用する場合の検討課題として、以下がある。
・長時間遊技をする場合もあり、長時間見ていると疲れることもあるので、遊技機でのフル3D表示は無理があると考えられる。
そこで、本実施例では2D/3Dの切替を適宜行い、また、手動でも2D/3Dの切替を可能にしている。
・眼鏡式の3D方式では、眼鏡の紛失や置き場の問題があり、また、眼鏡をかける煩わしさがある。
そこで、本実施例では裸眼式の3D方式としつつ、2D/3D表示のどちらの表示も一定の品質で可能な構成にしている。
なお、上記の一般的課題及び検討課題に対する細かな本実施例の効果については、詳細を後述する。
【0395】
次に、本実施例における2D/3Dの切替制御について、予め概要を説明する。
<2D表示/3D表示の切替態様>
(1)視差バリアの切替
スイッチ液晶702の制御により視差バリア702Bを有効/無効に切替えることができる。
ただし、スイッチ液晶702は、2D/3Dの表示切替ではなく、単に視差バリア702Bの有効/無効の切替を行うだけであり、例えば視差バリア702Bを有効に切り替えても、液晶表示器701に3D用の画像(左目用画像及び右目用画像)を表示しなければ、立体表示(3D表示)には見えない。一方、視差バリア702Bを有効に切り替えたとき、液晶表示器701に3D用の画像(左目用画像及び右目用画像)を表示すれば、表示装置42の画面にて3D表示が行われる。
【0396】
具体的な視差バリア702Bの有効/無効の切替は、以下の通りである。
・3D表示時:視差バリア702Bを有効にする。
・2D表示時:視差バリア702Bを無効にする。
・視差バリア702Bの特殊使用による予告演出時(ガセ3D表示):視差バリアを有効にする。
【0397】
(2)切替ボタン15による2D表示モード/3D表示モードの切替
遊技者は切替ボタン15の操作を行うことで、2D表示モードと3D表示モードを選択できる。具体的には、以下の通りである。
・2D表示モード:このモードでは、常時2D表示を行う。
したがって、2D表示モードに切替えると、直ぐに視差バリア702Bを無効に切替える。
・3D表示モード:3D表示が可能なモードのこと。
このモードでは、3D表示又は2D表示を行う。3D表示モードにおいて3D表示をする時に視差バリア702Bを有効に切替える。
なお、3D表示モードで視差バリア702Bを有効に切り替えても、液晶表示器701に3D用の画像(左目用画像及び右目用画像)を表示しなければ、3D表示には見えず、例えば、左目用画像及び右目用画像が同じであれば、視差バリア702Bの特殊使用による予告演出時(ガセ3D表示)というような態様になる。
ただし、遊技者による切替ボタン15の操作では、このような予告演出(ガセ3D表示)を直接に導くことはできない構成であり、ガセ3D表示は演出制御装置300の制御プログラムによって行われるようになっている。
【0398】
(3)表示モードテーブル
一つの演出に対して2D表示モード用のテーブルと3D表示モード用のテーブルが用意されている。切替ボタン15の操作により2D表示モードになると、2D表示モードテーブルを使用し、3D表示モードになると、3D表示モードテーブルを使用する。
・2D表示モードテーブル:2D表示の演出パターンが定められている。
・3D表示モードテーブル:2D表示又は3D表示の演出パターンが定められている。
このテーブルにおける表示m(
図102参照)により3D表示開始が要求されたら、視差バリア702Bを有効に切替える。また、2D表示開始が要求されたら、視差バリア702Bを無効に切替える。
【0399】
また、図柄変動パターンとしては、以下のように設定する。
特図が同じ変動時間では、2D表示と3D表示の2つのパターンをもつように設定する。
・図柄確定時は、3D表示のパターンであっても、2D表示となる設定にする。
なお、この構成に加えて、特図の変動開始からリーチ発生までは2D表示で演出するという制御を加えた全体の構成を発明の変形例として図面を用いて後述する。
・当り確定時には、確変図柄は3D表示、通常図柄は2D表示としてもよい。
この構成は、発明の変形例として図面を用いて後述する。
・2Dモード用制御テーブルと3Dモード用制御テーブルを別々に持つように設定する。
これは、
図106に示す2D演出制御テ−ブル1及び
図107に示す3D演出制御テ−ブル1によって実現する。このとき、演出制御テ−ブル1と3D演出制御テ−ブル1の行(演出種別)の段数を同じにする。これにより、2Dと3Dの演出制御テ−ブルの構造が同じになって、2D表示と3D表示の切り替えを効率的にする。
【0400】
次に、
図102は予告動作テ−ブル1Aの一例を示す図であり、その内容は以下の通りである。
「const」:c言語における修飾子で定数を表す。
「YOKOKU_INFO、」:ユーザ(ここでは遊技機開発者。以下、同様)が定義した構造体名称を示す。
ここでの構造体は「sts〜透過p」(詳細は後述)の1行分の集合体を指す。同じ並びの行が5行あり、それをまとめた1つのテ−ブルとして定義している(最初と最後の{}で囲む範囲)。
「s_YOK_MAKI1A」:ユーザが付けた当該テ−ブル名称を示す。
「//」:各行において、このマークより右はコメントであることを示す。
なお、具体的に言えば、構造体名称(YOKOKU_INFO、テーブル名称;s_YOK_MAKI1A)は、例えば左図柄変動テーブル(序盤変動テーブル)の1行目で指定される予告動作テーブル1を指すものである。
【0401】
予告動作テーブル1Aの主なデータ種別としては、
図102に示すように、sts(ステータス)、開始f(開始フレーム)、表示f(表示フレーム)、音(音パラメータ)、表示m(表示モード)、画像p(画像パターンテーブルアドレス)、座標p(座標テーブルアドレス)、透過p(透過テーブルアドレス)がある。細かい内容は、以下の通りである。
【0402】
sts(ステータス):各行における制御内容を表すコードである。
このコードが「sINI」であると制御開始(必要があれば初期設定を行う)を意味し、「1」であると予告制御継続(今の行の制御が終了したら次の行に移行する)を意味し、「sEND」であると制御終了を意味する。
開始f(開始フレーム):現在の行の演出動作を開始するまでの待ち時間(予告表示開始ディレイタイマ(遅延タイマ)の設定値)に相当するフレーム数を示す。
この開始f(開始フレーム)の値が「0」ならば直ちに開始(遅延時間は0)であり、「0」以外ならばフレーム切替周期(例えば、1/30秒)を掛けた時間となる。この開始フレームが例えば「45」でフレーム切替周期が1/30秒ならば、遅延時間が1.5秒(=45/30秒)となる。
【0403】
表示f(表示フレーム):現在の行を実行する時間を表す。
すなわち、現在の行の制御処理を開始してから終了するまでの時間に相当するフレーム数である。
音(音パラメータ):音声のフレーズ番号(例えば、音声番号に対応)を表す。
これが、「0」ならば音声出力要求無しを意味する。
表示m(表示モード):前述したように、ユーザ選択表示モードが3D表示の場合に、2D表示区間なのか3D表示区間なのかを指定するパラメータである。
表示m(表示モード)の内容は、以下の通りである。
「0」:変更要求なし
「1」:2D表示開始要求
「2」:3D表示開始要求
「3」:ガセ3D表示開始要求(スイッチ液晶オンで2D表示)
【0404】
画像p(画像パターンテーブルアドレス):演出動作として表示装置41に表示するキャラクタデータ(画像データ)を指定するための画像データテーブルのアドレスに相当する情報である。
これが「NULL」であるならばテ−ブルなし(キャラクタ描画なし)となり、当該演出動作において画像表示は無いことを意味する。
座標p(座標テーブルアドレス):表示するキャラクタの座標データテ−ブル(表示位置を指定)のアドレスを示す情報である。
これが「NULL」であるならばテ−ブルなし(キャラクタ描画なし)となる。
透過p(透過テーブルアドレス):表示するキャラクタの透過性を指定する透過データテーブルのアドレスに相当する情報である。
これが「NULL」であるならば透過性の設定を行わないことを意味する。
【0405】
なお、予告制御テーブルの種類は、
図102に示したような1種類に限られないが、この具体例では説明を簡単にするために代表例として説明している。
さて、以上説明したテーブルにより、2D表示と3D表示を使用して演出動作が実行される。すなわち、遊技制御装置100から受信したコマンドに基づき図柄変動テーブルが指定されると、図柄変動テーブルの各行で指定される演出動作(主に、図柄の画像を表示装置41の画面の所定位置に所定状態で表示させる動作)が順次実行される。そして、この図柄変動テーブルの何れかの行に予告テーブル情報が設定されていると、その行の制御が開始された時点で、当該予告テーブル情報で指定される予告制御テーブルの演出動作を行う制御処理が開始される(即ち、その行の制御が開始された時点を基準タイミングとして当該予告演出の制御が起動される)。
【0406】
そして、予告演出の制御処理は、次のように実行される。
即ち、
図102に示す予告動作テーブル1Aの最初の行はステータス(sts)が「sINI」であるので、図柄の変動表示制御開始直後(即ち、予告テーブル1実行指定タイミング直後)の1回目のシーケンス(ここでシーケンスとは、メイン処理においてフレーム切替タイミング毎に実行される1フレーム分の一連の処理)では、予告演出の初期化処理が実行され、この際、予告制御テーブルポインタを1だけ増やす更新が行われ、予告動作テーブル1Aで参照される行が1番目から2番目に切り替わる。また、予告表示開始ディレイタイマ(遅延タイマ)の値として、予告動作テーブル1Aの開始フレーム(開始f)の値(予告動作テーブル1の2番目の行の「45」)に相当する値(時間にすると1.5秒=45/30秒)が設定される。
【0407】
そして、次の2回目のシーケンスでは、予告動作テーブル1Aで参照される行が2番目になっていて、ステータス(sts)が「1」(予告制御継続)になっているので、予告表示開始ディレイタイマの値を1だけ(1フレーム分だけ)減らす更新(即ち、遅延タイマの計時を進める処理)が実行される。次いで、画像パターンテーブル、座標テーブル、及び透過テーブルの行を必要に応じて次に進める処理(画像パターン制御ポインタ、座標制御ポインタ、及び透過制御ポインタを更新する処理)を実行し、その後、予告表示開始ディレイタイマの値が0になるまで2回目のシーケンスと同様の処理が繰り返し実行され(この場合、あと44回のシーケンスが同様に繰り返される)、46回目のシーケンスでは、一方、この46回目のシーケンスでの予告動作テーブル1Aの2行目に基づく予告演出の画像が表示される。
この場合、画像パターンテーブルアドレス(画像p)の「PIC_MAKICB」で指定される画像パターンテーブルに基づく青色の閉じた巻物の画像が、座標テーブルアドレス(座標p)の「ZTB_MK1」で指定される座標テーブルに基づく所定の表示位置に表示される。また、予告動作テーブル1Aの音パラメータ(音)に基づいて予告演出としての音声出力が行われる。但し
図102の具体例では、音パラメータ(音)の2行目は「0」であるので、この場合には音声出力は行われない。
【0408】
このように、
図102の予告動作テーブル1Aによれば、2行目の開始fが「45」になっている(即ち、予告表示開始ディレイタイマの設定値が45フレーム分である)ため、46回目のシーケンスで予告の演出動作(予告演出の画像の表示や音声出力)が実際に開始され、45回目のシーケンスまでは、予告の演出動作は開始されない。
そして、予告動作テーブル1の2行目が予告制御テーブルポインタで指定されている状態では、座標pの「ZTB_MK1」で指定される座標テーブルに基づく表示位置に、同じく3行目が指定されている状態では、座標pの「ZTB_MK2」で指定される座標テーブルに基づく表示位置に、同じく4行目が指定されている状態では、座標pの「ZTB_MK3」で指定される座標テーブルに基づく表示位置に、予告演出の画像(例えば、青い閉じた巻物)がそれぞれ表示される。その結果、例えば、青い閉じた巻物MB1が、変動表示されている特図の飾り図柄の背面又は前面において、表示画面41aの上方から下方に落下するようなスプライト描画による動画が表示されることになる。
【0409】
また、予告動作テーブル1の2行目が指定されている状態では、表示mのモードが「3」に指定されるため、表示装置42のスイッチ液晶702の視差バリア702Bがオン(視差バリア有効)して液晶表示器701がガセ3D表示状態になる。ここでは、3D表示が可能な状態ではあるが、液晶表示器701の画像は2D表示用が使用されるため、本来の3D画像ではなく、2D画像がガセの3D画像として表示される状態で、予告演出が行われることになる。
さらに、予告動作テーブル1の4行目が指定されている状態では、表示mのモードが「1」に指定されるため、表示装置42のスイッチ液晶702の視差バリア702Bがオフ(視差バリア無効)して液晶表示器701が2D表示開始状態となる。その他の行では、表示mのモードが「0」に指定されているため、表示装置42のスイッチ液晶702の動作に変更はなく、現状の表示状態が維持される。
【0410】
次に、2D表示と3D表示の各演出で、1つの予告演出の制御テ−ブルを使用し、オフセット情報を用いることで、2Dモード及び3Dモードの何れにも容易に対応可能なデータ構成について説明する。
そのためには、2D表示/3D表示の切替のためのRAM領域や演出制御テ−ブル、画像ROMを用意する。以下、それらについて説明する。
図103は演出制御装置300の主制御用マイコン311に内蔵されて作業領域を提供するRAM311aにおける2D/3D用の演出情報を記憶するエリアの一例を示す図である。
図103に示すように、RAM311aの2D/3D用の演出情報を記憶するエリアには、以下の情報が記憶されるようになっており、その内容は以下の通りである。
「sYKCTR」:このラベルは予告表示情報の機能を表す。
予告表示情報としては、以下のものがある。
・予告動作テ−ブル
・初期状態
・開始フレーム数
・表示フレーム数
・画像パターンテ−ブル
・座標テ−ブル
・透過テ−ブル
「R_Dim」:キャラクタオフセット情報の機能を表す。
キャラクタオフセット情報は、2D表示時=0、3D表示時=100となる。これは、表示装置41に表示するキャラクタデータ(画像データ)の演出段階を2D表示と3D表示で合わせるためのアドレスに関する情報である。
この例では、2D表示ではオフセット値を「0」にしており、同じ演出段階の3D表示のときは、オフセット値を「100」として100だけアドレスをずらすことで、2D表示と3D表示とでキャラクタデータ(画像データ)の演出段階を合わせるようにしている。
【0411】
例えば、表示装置41で3D表示にて演出を行っているとき、遊技者によって所定のタイミングで切替ボタン15が押されて2D表示への切り替え要求があった場合、実行していた3D表示の演出段階に、これから表示切替を行う予定の2D表示の演出段階を合わせるために、そのときの演出段階の3D表示のアドレスをどの程度オフセットすればよいかを予め「R_Dim」(キャラクタオフセット情報)として設定しておき、このオフセット値(オフセット情報:アドレスに加算する値)に基づいて対応する2D画像データの先頭アドレスに所定値(ここでは「0」)を加算するだけで、容易に対応する段階の2D画像データを得て、2D表示に切り替えることができるようにする。
【0412】
次に、
図104は「R_Dim」(キャラクタオフセット情報)を取り入れた演出制御テ−ブルの一例を示す図である。
図104は予告演出の段階の演出制御テ−ブルであり、主なデータ種別としては、
図102に示すものと同じものを含むが、画像pの内容が異なっている(
図102と同様のデータ種別は重複説明を省く)。そこで、画像pの内容について説明すると、以下の通りである。
画像p(画像パターンテーブルアドレス)は、演出動作として表示装置41に表示するキャラクタデータ(画像データ)を指定するための画像データテーブルのアドレスに相当する情報であるが、同テ−ブルの2行乃至7行の画像pには画像パターンテーブルアドレスの後に、以下のように「R_Dim」(キャラクタオフセット情報)が付加されている。
2行の画像p:「PIC_MAKIS1」+「R_Dim」
3行の画像p:「PIC_MAKIS2」+「R_Dim」
4行の画像p:「PIC_MAKISH」+「R_Dim」
5行の画像p:「PIC_MAKISA」+「R_Dim」
6行の画像p:「PIC_MAKISF」+「R_Dim」
7行の画像p:「PIC_MAKISB」+「R_Dim」
これにより、例えば2行の演出段階では、画像パターンテーブルアドレス(画像p)の「PIC_MAKIS1」+「R_Dim」で指定される画像パターンテーブルに基づくキャラクタ(画像)が、座標テーブルアドレス(座標p)の「ZTB_MK1」で指定される座標テーブルに基づく所定の表示位置に表示されることになる。
【0413】
ここで、画像p(画像パターンテーブルアドレス)で指定される画像パターンテーブルの一例は、
図105に示される。
図105に示す画像パターンテーブルは演出制御装置300の画像ROM322に予め格納されており、2D表示及び3D表示の画像データを保有している。
図105において、オフセット値が「0」から「5」までの情報は2D表示の際の画像データに対応している。例えば、オフセット値が「0」の場合、画像データは「AG_CG_PIC_MAKIS1」となる。同様に、オフセット値が「5」の場合、画像データは「AG_CG_PIC_MAKISB」となる。
一方、オフセット値が「100」から「105」までの情報は3D表示の際の画像データに対応している。例えば、オフセット値が「100」の場合、画像データは「AG_CG_PIC_MAKIS1_3D」となる。同様に、オフセット値が「105」の場合、画像データは「AG_CG_PIC_MAKISB_3D」となる。
なお、
図105に示すものは画像パターンテーブルの一部の例であり、これが全てではない。
【0414】
このように、予告演出を行う際には、
図104に示すような、ある1つの演出制御テ−ブルで対応する演出段階の画像データを画像p(画像パターンテーブルアドレス)を用いて特定し、このとき画像pに「R_Dim」(キャラクタオフセット情報)が付加されていれば、
図103に示す「R_Dim」(キャラクタオフセット情報)を参照してオフセット値を得て、
図105に示す画像ROM322の中から画像p(画像パターンテーブルアドレス)に対応する情報(画像データ)を読み出して必要な画像データを用意する。
本実施例では、
図104に示す演出制御テ−ブルで対応する演出段階の2D表示の画像データを特定し、さらに現在の表示モードが2Dモードであれば「R_Dim」(キャラクタオフセット情報)=0(アドレスは+0を付加する)として、ここで特定されたままの画像データを使用する。
一方、現在の表示モードが3Dモードであれば「R_Dim」(キャラクタオフセット情報)=100(アドレスは+100を付加する)として、上記で特定された画像データの画像p(画像パターンテーブルアドレス)に+100を付加してオフセットしたアドレスを得て、+100を付加してオフセットしたアドレスによって同一の演出段階の3D画像データを設定する。
したがって、3Dモードであれば、単に「R_Dim」(キャラクタオフセット情報)(例えば、+100)を付加してアドレスをオフセットする(ずらす)だけで、表示モードに対応した同一の演出段階の3D画像データを設定できる。
【0415】
次に、2D表示と3D表示の各演出で、別々に予告演出の制御テ−ブルを使用し、2Dモード及び3Dモードの何れの演出にも対応可能なデータ構成について説明する。
そのためには、2D表示/3D表示の各演出用に別々に演出制御テ−ブル用意する。以下、それらについて説明する。
図106は、2D演出制御テ−ブル1を示し、予告演出で巻物を素材とする演出を2D表示で行うものである(3Dの演出制御テ−ブルは別にあり、後述する)。
図106に示す2D演出制御テ−ブル1では、
図102で説明した予告動作テーブル1Aと主なデータ種別としては同様のものがあり、ステータス(sts)、開始フレーム(開始f)、表示フレーム(表示f)、音パラメータ(音)、表示モード(表示m)、画像パターンテーブルアドレス(画像p)、座標テーブルアドレス(座標p)、透過テーブルアドレス(透過p)については同じになっている。
ただし、
図106の2D演出制御テ−ブル1は2D演出用のテ−ブルであるから、画像パターンテーブルアドレス(画像p)が2D表示用のキャラクタデータ(画像データ)を指定するための画像データテーブルのアドレスに相当するものになっている。
すなわち、
図106に示す2D演出制御テ−ブル1の1行乃至8行の画像pには画像パターンテーブルアドレスとして、以下のものが設定されている。
1行の画像p:「NULL」
2行の画像p:「PIC_MAKI2S1」
3行の画像p:「PIC_MAKI2S2」
4行の画像p:「PIC_MAKI2SH」
5行の画像p:「PIC_MAKI2SA」
6行の画像p:「PIC_MAKI2SF」
7行の画像p:「PIC_MAKI2SB」
8行の画像p:「NULL」
ここで、6行の画像pは「PIC_MAKI2SF」として設定されているが、これは2DキャラクタAにエフェクトを施した演出(2D専用のエフェクト演出)を行う画像データを指定するアドレスとなっている。
【0416】
一方、
図107に示すものは3D演出制御テ−ブル1であり、この3D演出制御テ−ブル1は
図102で説明した予告動作テーブル1Aと主なデータ種別としては同様のものがあり、ステータス(sts)、開始フレーム(開始f)、表示フレーム(表示f)、音パラメータ(音)、表示モード(表示m)、画像パターンテーブルアドレス(画像p)、座標テーブルアドレス(座標p)、透過テーブルアドレス(透過p)については同じになっている。
ただし、
図107の3D演出制御テ−ブル1は3D演出用のテ−ブルであるから、画像パターンテーブルアドレス(画像p)が3D表示用のキャラクタデータ(画像データ)を指定するための画像データテーブルのアドレスに相当するものになっている。
【0417】
すなわち、
図107に示す3D演出制御テ−ブル1の1行乃至8行の画像pには画像パターンテーブルアドレスとして、以下のものが設定されている。
1行の画像p:「NULL」
2行の画像p:「PIC_MAKI3S1」
3行の画像p:「PIC_MAKI3S2」
4行の画像p:「PIC_MAKI3SH」
5行の画像p:「PIC_MAKI3SA」
6行の画像p:「NULL」
7行の画像p:「PIC_MAKI3SB」
8行の画像p:「NULL」
ここで、6行の画像pは「NULL」として設定されている。これは、3DキャラクタAに何ら変化のない(何の演出も施さない)画像データを指定するアドレスとなっているが、2D演出制御テ−ブル1と3D演出制御テ−ブル1の各テ−ブルの行の段数を合わせるために、3D演出の画像データには変化がなくても、2D画像のエフェクト演出に対応して、敢えて6行の画像pとして「NULL」を入れている設定にしたものである。
【0418】
このようにすることにより、2D演出制御テ−ブル1と3D演出制御テ−ブル1の行の段数が何れも8行となって同じになる。そして、2D表示と3D表示との間で演出が相互に切り替えられた際には、各テ−ブル(2D演出制御テ−ブル1及び3D演出制御テ−ブル1)の対応するテ−ブルポインタに基づいて画像データを指定して演出が行われる。
したがって、2Dと3Dの演出制御テ−ブルの構造が同じになり、2D表示と3D表示の切り替えを効率的に行うことが可能になる。
【0419】
ここで、主基板(遊技制御装置100)との関係で、2D演出制御テ−ブル1と3D演出制御テ−ブル1を説明すると、以下のようになっている。
表示装置41が2D表示/3D表示を選択可能なパチンコ機1(遊技機)においては、主基板(遊技制御装置100)で決定する一の変動パターンに対して、演出制御装置300では2D表示又は3D表示をするが、これは主基板の関与がなく、演出制御装置300側で演出を自由に決定できるからである(ただし、主基板からのコマンドの指示範囲内)。
演出制御装置300では、2D表示及び3D表示の演出制御テーブルをそれぞれ持ち、それらを切替制御する構成である。そして、2D表示と3D表示の各演出制御テーブルの構造を同じ(段数を合わせる)にする。
演出制御では、例えば2D表示時のエフェクト追加に対応する3D演出制御テーブルの2D演出制御テーブルと同じ段(エフェクト追加しない段)に3D表示用のデータを設定する(これは、3D表示用としては不要なデータである)。
また、2D表示と3D表示では、同じ図柄変動時間になるように変動の時間値を調整する。
図柄変動中に2D/3Dの表示切替を行う場合は、各演出制御テーブルの対応するテーブルポインタに基づいて演出を切替える。
上記のような構成にすることで、2D表示と3D表示の切替を効率的に制御することができる。
【0420】
また、2D演出制御テ−ブル1と3D演出制御テ−ブル1の構造により、以下のような効果がある。
主基板(遊技制御装置100)では、2D表示と3D表示の変動パターンを共通として、図柄変動コマンドなどを演出制御装置300に送信しているので、主基板側でも制御負担がなく、制御の効率が良い。
演出制御装置300では、2D表示と3D表示の演出パターンを持つことになるが、3D表示に対応する部分のみ、2D表示用にエフェクト等を追加するだけなので、演出制御装置300の画像ROM322の容量も余り多くならないという利点がある。
図106及び
図107に示す各演出制御テ−ブルで同じ段数構造にすることで、2D/3D表示の切替処理が効率良くできる。
【0421】
次に、表示装置41の演出例を具体的に説明する。
図108は表示装置41における表示部41aの画面(図中のA2乃至A6は画面を表す)を示しつつ、演出画像を説明する図である。なお、以下の説明で特図とは、飾り特図のことで、表示部41aの画面に表示されるものを言う(以下、同様)。
また、表示装置41は視差バリア方式を採用し、表示部41aの画面上に左目用の画像と右目用の画像を交互に表示し、視差バリアを通して見ることによって2D表示と3D表示の両方の画像を表示可能な構成であり、以下の説明では、単に2D表示や3D表示というが、2D表示のときは左目用と右目用の画像は同じであり、3D表示のときは左目用画像と右目用画像が交互に表示される構成であるので、左目用と右目用の画像の細かい説明は省いている。
したがって、単に2D表示というときは左目用と右目用の画像は同じ、単に3D表示というときは左目用画像と右目用画像が交互に表示される説明を省いて記述する。
【0422】
まず、
図108のA1に示すように、表示装置41の表示部41aは3つの領域AR、BR,CRに区分(例えば、上、中、下のように表示部41aの領域を分ける)され、各領域AR、BR、CRはそれぞれ独立して2D/3Dの切替制御が可能になっている。
すなわち、表示装置41は
図6で説明したように液晶表示器701、スイッチ液晶702及びバックライト703を備えているが、これらが3つの領域AR、BR,CRに対応するように3つに区分されて、それぞれが独立して2D/3Dの切替制御を行うことが可能な構成になっている。この場合、3つの領域AR、BR,CRに対応するように区分されたスイッチ液晶702は演出制御装置300の主制御用マイコン311と接続され、主制御用マイコン311からの信号に基づいて制御され、各領域AR、BR、CRをそれぞれ独立して視差バリア702Bを有効・無効に制御可能である。
3つの領域AR、BR,CRに対応するように区分された液晶表示器701は演出制御装置300のVDP312に接続され、VDP312からの信号に基づいて変動表示ゲーム等の遊技に必要な画像を表示する。
3つの領域AR、BR,CRに対応するように区分されたバックライト703は、液晶表示器701及びスイッチ液晶702の背面から、これらを照明する。
【0423】
図108の画面A2、A3は表示装置41の3つの領域AR、BR,CRを一括して制御する様子を示す図である。
画面A2は2D表示時の例であり、このとき、スイッチ液晶702は演出制御装置300の主制御用マイコン311からの信号に基づいて各領域AR、BR、CRの視差バリア702Bを一括して無効に制御する。したがって、各領域AR、BR、CRは2D表示状態となり、例えば「1、2,3」のような特図が2D表示される。
一方、画面A3は3D表示時の例であり、このとき、スイッチ液晶702は演出制御装置300の主制御用マイコン311からの信号に基づいて各領域AR、BR、CRの視差バリア702Bを一括して有効に制御する。したがって、各領域AR、BR、CRは3D表示状態となり、例えば「1、2,3」の特図が3Dで立体的に表示される。
【0424】
図108の画面A4乃至A6は表示装置41の3つの領域AR、BR,CRを独立して制御する様子を示す図である。
画面A4は領域AR、BRは3D表示、領域CRは2D表示を行う例である。このとき、スイッチ液晶702は演出制御装置300の主制御用マイコン311からの信号に基づいて領域AR、BRについては視差バリア702Bを有効に制御し、領域CRについては視差バリア702Bを無効に制御する。したがって、領域AR、BRは3D表示状態となって例えば「1、2,1」のような特図が3D表示され、領域CRは2D表示状態となって例えば特図始動記憶が2D表示される。なお、始動口が2つ(始動口25,26)あるので、特図の始動記憶(特図始動記憶)の表示を2種類(特
図1保留表示と特
図2保留表示)行うようにし、白丸は特
図1保留表示を表し、黒丸は特
図2保留表示を表している。
【0425】
画面A5は領域ARは2D表示、領域BRは3D表示、領域CRは2D表示を行う例である。このとき、スイッチ液晶702は演出制御装置300の主制御用マイコン311からの信号に基づいて領域BRについては視差バリア702Bを有効に制御し、領域AR、CRについては視差バリア702Bを無効に制御する。したがって、領域BRは3D表示状態となって例えば「6、↓、6」のようなリーチ時の特図が3D表示され、領域ARは2D表示状態となって例えば「チャンスタイム中あと**回」というようなメッセージがが2D表示され、さらに、領域CRは2D表示状態となって例えば特図始動記憶が2D表示される(特図始動記憶の白丸、黒丸の意味は画面A4と同様)。
【0426】
画面A6は領域AR、BR、CRで3D表示を行う例である。このとき、スイッチ液晶702は演出制御装置300の主制御用マイコン311からの信号に基づいて領域AR、BR、CRの全てについて視差バリア702Bを有効に制御する。したがって、全ての領域AR、BR、CRは3D表示状態となって例えば「7、変動中(6、7)、7」のような特図が3D表示され、迫力のあるリーチ演出となる。
【0427】
このように、表示装置41の3つの領域AR、BR,CR(スイッチ液晶702及び視差バリア702Bを3つの領域に対応して区分)を独立して制御し、2D表示/3D表示を演出可能な構成によれば、以下の効果がある。
表示装置41の画面に対応してスイッチ液晶702(視差バリア702Bを含む)の領域を例えば上、中、下(すなわち、AR、BR、CR)の3つの領域に分け、それぞれ独立して2D/3D表示の切替が作動可能なようにしているので、遊技者がよく見る特図保留記憶の表示を2D領域に表示することが可能となり、遊技者が長時間見ていても疲れないという効果がある。
また、通常時の2D表示領域(例えば、特図保留記憶表示領域など)を含めて、全画面を3D表示領域に変化させたりすることで、より効果的な演出をすることができる。
また、表示装置41の画面のうち、例えば上部領域(上:AR)が3D表示、下部領域(下:CR)が2D表示と固定された変動表示器(表示装置)に比べて、画面作成の自由度が広がる。
【0428】
上記構成の発明概念は、下記のように表される。
2D表示及び3D表示を演出可能な演出手段を制御して演出を行う演出制御装置を備えた遊技機において、
前記演出手段は、視差バリアを備え、該視差バリアをスイッチ液晶で有効・無効に切替可能なように構成するとともに、
前記スイッチ液晶の領域を複数領域に区分し、区分した複数の領域毎に前記視差バリアがそれぞれ独立して作動可能なように構成し、
前記演出制御装置は、
視差バリアを無効にして2D表示する状態と、
視差バリアを有効にして3D表示する状態と、に前記演出手段の表示状態を切り替える表示状態変更手段を備え、
前記表示状態変更手段は、
複数領域に区分された前記スイッチ液晶の視差バリアをそれぞれ独立して作動させることが可能なように構成されていることを特徴とする遊技機。
【0429】
次に、
図109は視差バリアの特殊使用による予告演出の動作を示す図である。
図109における符号B1乃至B4は表示装置41における表示部41aの画面を表す。
なお、
図109乃至
図116の動作説明では、特別な説明のない限り、表示装置41の3つの領域AR、BR,CRは一括して制御されるものとする。
いま、画面B1に示すように特図「7、変動中、7」のようなリーチ変動図柄が表示されているとき、スイッチ液晶702は演出制御装置300の主制御用マイコン311からの信号に基づいて視差バリア702Bを無効に制御し、これにより、リーチ変動図柄は2D表示状態で演出される。このとき、左目用と右目用の画像は同じであり、よって、リーチ変動図柄は2D表示される。なお、画面B1の黒丸は特図始動記憶を表す(他の画面でも同様)。なお、一般的にも通常の遊技状態では表示装置41の画面を2D表示で演出を行うことが多く、本実施例でもそのように作動する。また、大当りへの期待感を高めるために、リーチ変動から予告演出を経て大当り前のリーチ変動に発展すると、3D表示で演出を行う。
【0430】
次いで、大当りへの期待感を持たせるために、このリーチ変動(左目用と右目用の画像が同じ状態)のときに、スイッチ液晶702は演出制御装置300の主制御用マイコン311からの信号に基づいて視差バリア702Bを有効に制御する。そうすると、画面B2に示すように、視差バリア702Bがバックライト703からの光の通り道の一部を遮断するので、液晶表示器701では、一瞬、画面全体が暗くなるように映り、「7、変動中、7」のリーチ変動図柄が不明確になる。また、リーチ変動図柄の中央部分には、小さな星(☆)マークが数個表示されてプレミアム演出であることをアピールする。なお、星(☆)マークでなく、例えば桜マークであってもよい。
この場合、左目用と右目用の画像は同じ状態でありながら、視差バリア702Bが有効になるので、リーチ変動図柄は3D(立体的)には見えない。
そのため、遊技者は通常の2D表示又は3D表示とは明らかに違うという印象を持ち、プレミアム画像かと思うようになる。したがって、通常とは異なる演出画像の出現に対して大当りへの期待感を持たせることができる。
【0431】
上記構成の発明概念は、下記のように表される。
2D表示及び3D表示を演出可能な演出手段を制御して演出を行う演出制御装置を備えた遊技機において、
前記演出手段は、視差バリアを備え、該視差バリアをスイッチ液晶で有効・無効に切替可能なように構成し、
前記演出制御装置は、
視差バリアを有効にして2D表示する状態と、
視差バリアを無効にして2D表示する状態と、
視差バリアを有効にして3D表示する状態と、に前記演出手段の表示状態を切り替える表示状態変更手段を備えていることを特徴とする遊技機。
【0432】
次いで、画面B2から画面B3に移ると、スイッチ液晶702は演出制御装置300の主制御用マイコン311からの信号に基づいて視差バリア702Bを有効から無効に制御する。このとき、左目用と右目用の画像は同じ状態である。
これにより、リーチ変動図柄は通常の2D表示状態で演出され、画面全体が明るく、かつ変動図柄も明確に表示されるようになる。
なお、画面B2から画面B3に移ると、リーチ変動図柄が2D表示状態で演出されるので、例えばはずれの結果態様となるようにしてもよい。
【0433】
一方、画面B2から画面B4に移ると、スイッチ液晶702は演出制御装置300の主制御用マイコン311からの信号に基づいて視差バリア702Bを有効のまま維持し、演出制御装置300のVDP312は左目用画像と右目用画像が交互に表示されるように液晶表示器701を制御する。このとき、左目用と右目用の画像は専用画像であり、異なるものになっている。
この場合、画面B2の状態は、3D表示(画面B4)の予告演出として用いられることになる。
これにより、リーチ変動図柄は通常の3D表示状態で演出され、液晶表示器701では画面全体が明るく、かつ変動図柄も明確に表示されるようになる。
なお、画面B2から画面B4に移ると、リーチ変動図柄が3D表示状態で演出されるので、例えば大当りの結果態様となるようにしてもよい。
上記構成の発明概念は、下記のように表される。
表示状態変更手段は、
視差バリアを有効にして2D表示する状態に演出手段の表示状態を切り替え、該状態で3D表示の予告演出を行うことを特徴とする遊技機。
【0434】
次に、
図110は装飾演出や視差バリア等の制御を示すタイミングチャートである。
前述した
図2に示すように、パチンコ機1の前面枠4には枠照明部84と盤面外周照明部83が設けられ、遊技盤20にはセンターケース照明部82と表示領域周縁照明部81が設けられている。以下、これらの照明部を下記のように定義して
図110に示す。
・表示領域周縁照明部81=ランプ群A
・センターケース照明部82=ランプ群B
・盤面外周照明部83=ランプ群C
・枠照明部84=ランプ群D
これらの照明部81乃至84は、表示装置41から近い所から遠い所へ向かって順にA、B、C、Dの符号を付けたランプ群の名称で配置されている。
そして、4つに区分した各照明部81乃至84に対して演出制御装置300により装飾演出(例えば、ランプ群の点灯や点滅による演出)の制御が行われる。
上記構成の発明概念は、下記のように表される。
2D表示及び3D表示を演出可能な演出手段を制御して演出を行う演出制御装置を備えた遊技機において、
前記遊技機の前面側に、複数の照明群を配置し、
前記演出制御装置は、
前記複数の照明群を、前記演出手段に近い所から遠くへ離れるに従って制御部分を区分けし、区分けした制御部分に対して装飾演出する装飾演出制御手段を備えていることを特徴とする遊技機。
【0435】
図110において、シャッタ役物とあるのは、表示装置41の前面側に配置されたメカ式のシャッタ役物機構801であり、
図111に示すように、極めて薄いシャッタ(可動部材)801a、801bにより表示装置41の前面側を遮蔽するとともに、左右に分離して表示装置41の前面側の遮蔽を解除する構造である。
なお、シャッタ役物機構801は演出制御装置300の主制御用マイコン311からの信号に基づいてシャッタ801a、801bの開閉が制御される(以下、同様)。
図110の動作説明をすると、通常は2D表示の状態から特図の変動変動が開始され、このとき、スイッチ液晶702は演出制御装置300の主制御用マイコン311からの信号に基づいて視差バリア702Bを無効に制御し、これにより、液晶表示器701では特図変動図柄が2D表示にて演出される。この場合、左目用と右目用の画像は同じであり、よって、特図変動図柄は2D表示されている。
【0436】
その後、例えばリーチ発生のような場合には、遊技者への演出効果を狙って特図の変動図柄を3D表示することになるが、そのとき、3D表示に移行する前に、各照明部81乃至84をランプ群D→ランプ群C→ランプ群B→ランプ群Aの順に移動点滅させていく制御が行われる。
具体的には、
図110に示すように3D表示に移行する前に、各照明部81乃至84をランプ群D→ランプ群C→ランプ群B→ランプ群Aの順に各ランプ群を1回オン・オフする動作を短時間に2回繰り返す装飾制御が行われる。
したがって、表示装置41から最も遠い位置にある枠照明部84(ランプ群D)から順に表示装置42に向かって1回オン・オフしていき、最後に、表示装置41に最も近い位置にある表示領域周縁照明部81(ランプ群A)が1回オン・オフし、この動作が2回繰り返されることになり、あたかも、複数のランプ群がパチンコ機1の枠側から中心部の表示装置41の画面に向かって移動点滅していくような演出を行うことができる。これにより、遊技者の注意を引いて、その後の3D表示演出を見逃すことを防止する。
また、この構成であると、各照明部81乃至84の移動点滅による演出の印象を遊技者に強く与えることができる。
【0437】
一方、このとき、各照明部81乃至84をランプ群D→ランプ群C→ランプ群B→ランプ群Aの順に移動点滅させていく制御に合わせて、演出制御装置300のアンプ回路337a、337bから上スピーカ12a及び下スピーカ12bにそれぞれ効果音信号を出力して、各スピーカ12a、12bから効果音を出力し、遊技者の注意を引くことが行われる。
上記構成の発明概念は、下記のように表される。
演出制御装置は、
装飾演出制御手段が順次離れて配置された複数の前記照明群に対して異なる装飾演出をするとき、照明群の異なる装飾演出に応じて報音装置から所定の効果音を出力する制御を行う音制御手段を備えていることを特徴とする遊技機。
【0438】
なお、上記の装飾制御とは別の態様として、例えば枠照明部84(ランプ群D)を2回オン・オフを繰り返し、次いで、これに僅かに遅れて(ただし、1回目のオンの直後に)盤面外周照明部83(ランプ群C)を2回オン・オフさせ、以後、同様に前のランプ群の1回目のオンの直後に、センターケース照明部82(ランプ群B)を2回オン・オフさせ、表示領域周縁照明部81(ランプ群A)も同様に2回オン・オフさせるというような装飾制御を行う構成にしてもよい。このようにすると、遊技者の注意を引いて、その後の3D表示演出を見逃すことを防止する効果の他に、各照明部81乃至84の装飾輪郭をはっきりと印象付けながら、演出を行うことができる。
【0439】
次いで、表示装置41に最も近い位置にある表示領域周縁照明部81(ランプ群A)が最後にオン・オフした直後に(あるいは殆ど同時に)、枠照明部84(ランプ群D)と盤面外周照明部83(ランプ群C)が短い時間で点滅を繰り返す点滅状態に制御される(ただし、盤面外周照明部83(ランプ群C)の方が若干、点滅開始を遅らせる)。この点滅状態は液晶表示器701が3D表示になって、それが終了する時点まで続く。
上記構成の発明概念は、下記のように表される。
複数の照明群は、
前記演出手段に近い所から遠くへ順次離れて配置され、
前記装飾演出制御手段は、
順次離れて配置された複数の照明群に対して異なる装飾演出をすることを特徴とする遊技機。
また、このとき、表示装置41に最も近い位置にある表示領域周縁照明部81(ランプ群A)が1回オン・オフした直後で2回目のオン・オフが始まる前に、シャッタ役物機構801が演出制御装置300の主制御用マイコン311からの信号に基づいて短時間だけシャッタ801a、801bを移動させて表示装置41の前面側を遮蔽し、その後、シャッタ801a、801bを左右に分離して表示装置41の前面側の遮蔽を解除する。これにより、同じく遊技者の注意を引いて、その後の3D表示演出を見逃すことを防止する。
【0440】
さらに、シャッタ役物機構801のシャッタ801a、801bが短時間だけ表示装置41の前面側を遮蔽した直後、スイッチ液晶702は演出制御装置300の主制御用マイコン311からの信号に基づいて視差バリア702Bを有効に制御する。このとき、左目用と右目用の画像は異なる画像であり、よって、液晶表示器701の画像が3D表示されることになる。
次いで、直ぐにシャッタ役物機構801のシャッタ801a、801bが表示装置41の前面側の遮蔽を解除するように左右に開く。これにより、液晶表示器701の3D表示の画像が遊技者に見える状態となり、3D表示での演出が行われる。
上記構成の発明概念は、下記のように表される。
演出制御装置は、
演出手段の前面側を遮蔽可能なシャッタ役物機構を備え、
演出手段が3D表示を開始する前に、シャッタ役物機構が演出手段の前面側を遮蔽し、その後、演出手段が3D表示を開始した後に、シャッタ役物機構が演出手段の前面側の遮蔽を解除するように、シャッタ役物機構の作動を制御するシャッタ役物制御手段を備えていることを特徴とする遊技機。
【0441】
このとき、表示装置41に近いセンターケース照明部82(ランプ群B)及び表示領域周縁照明部81(ランプ群A)は何れもオフ状態に制御され、これにより、液晶表示器701周辺のランプ群が消灯して、3D表示の画像を見やすくする。
すなわち、3D表示の開始時には、表示装置41に最も近い位置にある表示領域周縁照明部81(ランプ群A)及びその次に近い位置にあるセンターケース照明部82(ランプ群B)が共にオフ(消灯)し、表示装置41の液晶表示器701の周りを暗くして、液晶画面を見やすくすることが行われる。
また、特に各照明部81乃至84のうち、表示装置41に一番近い表示領域周縁照明部81は、透明ダーク赤系の素材を含んで構成されているので、表示装置41の3D表示開始時にオフ(消灯)した場合、ランプ類の点灯時の明るさと、消灯時の暗さのコントラストが際立つこととなり、コントラストを高くでき、演出効果がより一層高まる。
また、透明ダーク赤系の素材を含む表示領域周縁照明部81をオフ(消灯)したとき、表示装置41の液晶表示器701の周りがより一層を暗くなり、液晶画面を極めて見やすくすることができる。
上記構成の発明概念は、下記のように表される。
複数の照明群は、
演出手段に最も近い照明群を透明ダーク赤系の素材を含んで構成したことを特徴とする遊技機。
【0442】
このように、3D表示に移行する前に、各照明部81乃至84をランプ群D→ランプ群C→ランプ群B→ランプ群Aの順に移動点滅させていき、その後、表示装置41の近くにある表示領域周縁照明部81(ランプ群A)及びセンターケース照明部82(ランプ群B)がオフ(消灯)させてから、表示装置41の3D表示を開始させる制御を行う。
上記構成の発明概念は、下記のように表される。
複数の照明群は、
前記演出手段に近い所から遠くへ順次離れて配置され、
前記装飾演出制御手段は、
前記演出手段が3D表示を開始する前に、遊技機の外側から中央部の演出手段に向かって、順次離れて配置された複数の照明群を順次移動点滅状態に制御し、その後、演出手段の近くの照明群を消灯させてから、演出手段の3D表示を開始させるように制御することを特徴とする遊技機。
【0443】
また、上記のように、3D表示に移行する前に、各照明部81乃至84をランプ群D→ランプ群C→ランプ群B→ランプ群Aの順に移動点滅させていき、その後、シャッタ役物機構801のシャッタ801a、801bが短時間だけ表示装置41の前面側を遮蔽・開放する動作を行い、液晶表示器701により3D表示の画像演出が行われる。
したがって、シャッタ役物機構801のシャッタ801a、801bは視差バリア702Bを有効に切り替える際に、閉状態(表示装置41の前面側を遮蔽する状態)となるように可動するので、視差バリア702Bの切り替え時における画面の違和感を遊技者に与えないようにできる。
上記構成の発明概念は、下記のように表される。
2D表示及び3D表示を演出可能な演出手段を制御して演出を行う演出制御装置を備えた遊技機において、
前記演出制御装置は、
前記演出手段を2D表示又は3D表示に制御する表示状態変更手段と、
前記演出手段の前面を遮蔽状態にすることが可能な遮蔽手段と、
遮蔽手段の作動を制御する演出制御手段と、を備え、
前記演出制御手段は、
演出手段が2D表示から3D表示に切り替えられる際に、前記遮蔽手段を変位させて演出手段の前面を遮蔽し、表示状態変更手段が3D表示状態にした後に、遮蔽手段を演出手段の前面から退避した状態へ復帰させるように制御することを特徴とする遊技機。
【0444】
また、視差バリア702Bをスイッチ液晶702で有効・無効に切り替えるように構成した場合の発明概念は、下記のように表される。
演出手段は、視差バリアを備え、該視差バリアをスイッチ液晶で有効・無効に切替可能なように構成し、
前記表示状態変更手段は、
視差バリアを無効・有効に切り替えて前記演出手段を2D表示又は3D表示に制御し、
前記演出制御手段は、
演出手段が2D表示から3D表示に切り替えられる際に、前記遮蔽手段を変位させて演出手段の前面を遮蔽し、表示状態変更手段が視差バリアを有効に切り替えて3D表示状態にした後に、遮蔽手段を演出手段の前面から退避した状態へ復帰させるように制御することを特徴とする遊技機。
【0445】
また、シャッタ役物機構801に関する上記構成の発明概念は、下記のように表される。
前記遮蔽手段は、
演出手段の前面を機械的に遮蔽可能なシャッター役物機構により構成されることを特徴とする遊技機。
【0446】
なお、シャッタ役物機構801のシャッタ801a、801bが可動する際には、演出制御装置300のアンプ回路337a、337bから上スピーカ12a及び下スピーカ12bにそれぞれ効果音信号を出力して、各スピーカ12a、12bから効果音を出力し、遊技者の注意を引くことが行われる。
上記構成の発明概念は、下記のように表される。
演出制御装置は、
前記演出制御手段が前記遮蔽手段を変位させて演出手段の前面を遮蔽し、その後、遮蔽手段を演出手段の前面から退避した状態へ復帰させるとき、遮蔽手段の変位に応じて報音装置から所定の効果音を出力する制御を行う音制御手段を備えていることを特徴とする遊技機。
【0447】
ここで、上記のような各照明部81乃至84の移動点滅やシャッタ役物機構801の作動等に関連する効果をまとめると、下記のようになる。
(1)リーチ発生のような場合に、特図の変動図柄を3D表示することになるが、そのとき、3D表示に移行する前に、各照明部81乃至84をランプ群D→ランプ群C→ランプ群B→ランプ群Aの順に移動点滅させていく制御が行われる。すなわち、3D表示に移行する前に、各照明部81乃至84をランプ群D→ランプ群C→ランプ群B→ランプ群Aの順に各ランプ群を1回オン・オフする動作を短時間に2回繰り返す装飾制御が行われる。
したがって、表示装置41から最も遠い位置にある枠照明部84(ランプ群D)から順に表示装置42に向かって1回オン・オフしていき、最後に、表示装置41に最も近い位置にある表示領域周縁照明部81(ランプ群A)が1回オン・オフし、この動作が2回繰り返されることになり、あたかも、複数のランプ群がパチンコ機1の枠側から中心部の表示装置41の画面に向かって移動点滅していくような演出を行うことができる。これにより、遊技者の注意を引いて、その後の3D表示演出を見逃すことを防止することができる。
【0448】
(2)また、この構成であると、各照明部81乃至84の移動点滅による演出の印象を遊技者に強く与えることができる
(3)各照明部81乃至84をランプ群D→ランプ群C→ランプ群B→ランプ群Aの順に移動点滅させていく制御に合わせて、演出制御装置300のアンプ回路337a、337bから上スピーカ12a及び下スピーカ12bにそれぞれ効果音信号を出力して、各スピーカ12a、12bから効果音を出力するので、遊技者の注意を引くことができ、演出効果を高めることができる。
(4)3D表示をする際に、表示装置41に近いセンターケース照明部82(ランプ群B)及び表示領域周縁照明部81(ランプ群A)は何れもオフ状態に制御されるので、液晶表示器701周辺のランプ群が消灯して、3D表示の画像を見やすくすることができる。すなわち、3D表示をする際は、表示装置41の液晶表示器701の周りを暗くして、液晶画面を見やすくすることができる。
【0449】
(5)特に、各照明部81乃至84のうち、表示装置41に一番近い表示領域周縁照明部81は、透明ダーク赤系の素材を含んで構成されているので、表示装置41の3D表示開始時にオフ(消灯)した場合、ランプ類の点灯時の明るさと、消灯時の暗さのコントラストが際立つこととなり、コントラストを高くでき、演出効果をより一層高めることができる。
(6)また、透明ダーク赤系の素材を含む表示領域周縁照明部81をオフ(消灯)したとき、表示装置41の液晶表示器701の周りがより一層を暗くなり、液晶画面を極めて見やすくすることができる。
(7)3D表示を開始する前に、表示装置41に最も近い位置にある表示領域周縁照明部81(ランプ群A)が1回オン・オフした直後で2回目のオン・オフが始まる前に、シャッタ役物機構801が短時間だけシャッタ801a、801bを移動させて表示装置41の前面側を遮蔽し、その後、シャッタ801a、801bを左右に分離して表示装置41の前面側の遮蔽を解除するので、遊技者の注意を引いて、その後の3D表示演出を見逃すことを防止することができる。
【0450】
次に、
図111は視差バリア702Bの切り替え時におけるシャッタ役物機構801の動作を示す図であり、この動作は前述した
図110のタイミングチャートに基づくものである。
図111の説明では場面という概念を用いており、場面C1乃至場面C4は表示装置41の表示部41aの演出画面やシャッタ役物機構を含む演出動作全体のシーンを表す概念である。
まず、場面C1では、スイッチ液晶702は演出制御装置300の主制御用マイコン311からの信号に基づいて視差バリア702Bを無効に制御し、これにより、液晶表示器701では特図変動図柄が2D表示にて演出されており、この例では「7、変動中(7、8)、7」というリーチ図柄の演出が2D表示で行われている。なお、画面中の黒丸は特図始動記憶を表している(以下、同様)。
また、シャッタ役物機構801はシャッタ801a、801bが開放位置にあり、表示装置41の画面を遮蔽していない状態である。
次いで、3D表示に移行する前に、各照明部81乃至84をランプ群D→ランプ群C→ランプ群B→ランプ群Aの順に移動点滅させていく制御が行われるが、
図111では図示を略している。
【0451】
次いで、場面C2に移行し、シャッタ役物機構801のシャッタ801a、801bが短時間だけ表示装置41の前面側を遮蔽(閉鎖)し、その直後、スイッチ液晶702は演出制御装置300の主制御用マイコン311からの信号に基づいて視差バリア702Bを無効から有効に切り替える。このとき、左目用と右目用の画像は異なる画像であり、よって、液晶表示器701の画像が3D表示されることになる。
次いで、場面C3に示すように、シャッタ役物機構801のシャッタ801a、801bが表示装置41の前面側の遮蔽(閉鎖)を解除するように左右に移動していき(視差バリア702Bは有効)、その後、場面C4に示すように、シャッタ役物機構801のシャッタ801a、801bが表示装置41の前面側の遮蔽(閉鎖)を完全に解除し、左右に開く。このとき、視差バリア702Bは有効であり、これにより、液晶表示器701の3D表示の画像が遊技者に見える状態となり、3D表示での演出が行われる。場面C4の例では、「7、変動中、7」というリーチ図柄の演出が3D表示で行われている。
【0452】
なお、シャッタ役物機構801は、
図111に示すように表示装置41の前面側の画面全体をシャッタ801a、801bにより遮蔽しているが、これに限るものではない。
すなわち、シャッタ役物機構は表示装置41の前面側の画面全体をシャッタにより遮蔽しなくてもよい。
例えば、シャッタ役物機構のシャッタは、表示装置41の前面側の画面よりも小さい構成であってもよいし、あるいは、シャッタに開口部があってもよい。
また、シャッタ役物機構に限らず、例えば表示装置41の前面側の画面の上部から画面中央部へ落下する役物(機種名がデザインされたプレート役物や機種に関連するキャラクタ役物等)であってもよい。すなわち、ある程度の大きさの役物を表示装置41の前面側を遮蔽するように(画面全体を遮蔽しなくてもよい)作動させれば、上述した視差バリア702Bの切り替え時における画面の違和感を遊技者に与えないようにすることができる。
【0453】
<シャッタ役物機構の変形例>
次に、
図111において、場面D1はシャッタ役物機構の変形例1を示している。
この変形例1では、シャッタ役物機構802(遮蔽手段)のシャッタ802a、802bが表示装置41の前面側を遮蔽(閉鎖)したとき、視認用開口部802cが形成されるような構成になっている。
なお、シャッタ役物機構802は演出制御装置300の主制御用マイコン311からの信号に基づいてシャッタ802a、802bの開閉が制御される。
シャッタ役物機構802のシャッタ802a、802bが表示装置41の画面を遮蔽した状態においても、視認用開口部802cを通して画面上の第4図柄Z4だけは視認可能となっている。
このとき、所定の視認用開口部802cを設けて、第4図柄Z4の表示を行う場合には、当該視認用開口部802cに対応する第4図柄Z4の表示は2D表示が適切である。2D表示であれば、視差バリア702Bが無効で画面が明るく見えて、第4図柄Z4を明確に確認できるからである。
上記構成の発明概念は、下記のように表される。
遮蔽手段には、開口部が形成され、
該開口部は、
遮蔽手段が前記演出手段の前面を遮蔽する位置に変位したとき、演出手段に表示された第4図柄を視認可能な位置に形成されているとを特徴とする遊技機。
【0454】
次に、
図111において、場面D2はシャッタ役物機構の変形例2を示している。
この変形例2では、シャッタ役物機構803(遮蔽手段)のシャッタ803a、803bが表示装置41の前面側を遮蔽(閉鎖)したとき、視認用開口部803cが形成されるような構成になっている。
なお、シャッタ役物機構803は演出制御装置300の主制御用マイコン311からの信号に基づいてシャッタ803a、803bの開閉が制御される。
シャッタ役物機構803のシャッタ803a、803bが表示装置41の画面を遮蔽した状態においても、視認用開口部803cを通して画面上の第4図柄Z4だけは視認可能となっている。
このとき、所定の視認用開口部803cを設けて、第4図柄Z4の表示を行う場合には、当該視認用開口部803cに対応する第4図柄Z4の表示は2D表示が適切である。2D表示であれば、視差バリア702Bが無効で画面が明るく見えて、第4図柄Z4を明確に確認できるからである。
また、変形例2では、視認用開口部803cを通して画面上の第4図柄Z4を視認可能であるのみならず、第4図柄Z4の両側に配置されている画面上の3D適正視認位置を示すマークM4も視認可能となっている。遊技者は、このマークM4を注視することにより、より適切に3D表示画像が見えるようになる利点がある。すなわち、マークM4を3D適正視認位置に視線を集めるための補助とするものである。
上記構成の発明概念は、下記のように表される。
遮蔽手段には、開口部が形成され、
該開口部は、
遮蔽手段が前記演出手段の前面を遮蔽する位置に変位したとき、演出手段に表示された第4図柄と共に、3D表示の適正視認位置を示す補助画像も視認可能な位置に形成されているとを特徴とする遊技機
【0455】
次に、
図112は3D表示時の視差バリア切替指示タイミングを示すタイミングチャートである。
いま、
図112に示すように、タイミングt1で演出制御装置300の主制御用マイコン311からVDP312への3D描画指示が出力されると、直ぐに表示装置41の液晶表示器701が3D表示されるのではなく、実際に3D表示が開始されるのは、次のフレームにタイミングt2になる。
すなわち、タイミングt1で演出制御装置300の主制御用マイコン311からVDP312へ3D描画指示が出力された同時点では、スイッチ液晶702は演出制御装置300の主制御用マイコン311からの信号に基づいて視差バリア702Bを無効に制御しており、そのため、液晶表示器701は2D表示の現フレームの画像を表示している。
一方、液晶表示器701ではフレーム毎に画像を更新しており、そのフレーム更新周期は33msである(33msは概略値であり、一例である。以下、同様)。なお、フレーム更新周期として33msではなく、例えば別の値を用いてもよい。
【0456】
そこで、
図112に示すように、液晶表示器701の現フレームから33msが経過した次のフレームの開始起点となるタイミングt2になると、演出制御装置300の主制御用マイコン311からスイッチ液晶702に対して視差バリア702Bを無効から有効へと切り替えるための切替指示が出される。これにより、スイッチ液晶702は演出制御装置300の主制御用マイコン311からの切替指示の信号に基づいて視差バリア702Bを無効から有効に切替制御する。そのため、液晶表示器701は次のフレームの開始タイミングt2から3D表示に切り替わり、3D表示による演出が行われる。その後は、次の視差バリア702Bへの切替指示が出るまで、現フレームの表示状態が継続する。
【0457】
なお、既存(従来)の表示装置の画像制御システムでは、画像表示を行うには、演出制御装置の主制御用マイコン(CPU)はVDPに命令を出し、VDPが液晶表示器へ表示データを出力するようになっている。そして、3D表示も可能にするために、3D表示用のスイッチ液晶(視差バリア内蔵)を有する表示装置を制御する場合、既存のVDPにはスイッチ液晶を制御する回路がない。
したがって、スイッチ液晶を制御する回路を有するVDPを新たに製作する必要があるが、このようにすると、3D表示制御専用の回路を有するVDPが必要になったり、コスト高になるおそれがある。
これに対して本実施例では、演出制御装置300の主制御用マイコン311からVDP312への3D描画指示と、主制御用マイコン311からスイッチ液晶702への切替指示のタイミングを所定時間(描画で1フレーム分)ずらすことで、既存のCPU(例えば、主制御用マイコン311)及びVDPでも3D表示をコストアップを招かずに、制御できるようにしている。
【0458】
次に、
図113は2D表示と3D表示の演出制御テーブルの構造を同じ(演出種類の行に相当する段数を合わせたデータ構造)にした場合の演出動作を説明する図である。
なお、
図113では表示装置41における表示部41aの画面を符号E1乃至E6及び符号F2乃至F6で表している。
まず、画面E1に示すように、特図変動が「7、変動中、7」というリーチ図柄の演出であって、それが2D表示で行われているとき、その後も引き続き2D表示の演出を続ける場合には、画面E2から画面E6までの2D表示演出が行われ、一方、3D表示の演出に切り替える場合には、画面F2から画面F6までの3D表示演出が行われる。なお、
図113における各画面中の黒丸は特図始動記憶を表す。
2D表示又は3D表示に何れを選択するかは、例えば遊技者が切替ボタン15を操作した場合(ユーザ選択モード)と、遊技進行の演出で自動的に表示切替を行う場合(内部選択モード)がある。
また、
図113の演出動作は、2D表示と3D表示の演出制御テーブルの構造を同じにした前述した
図106の2D演出制御テ−ブル1及び
図107の3D演出制御テ−ブル1に基づいて行われる。
【0459】
まず、2D表示演出を続ける場合を説明する(2Dモード選択時演出パターン1)。
この場合は画面E1から画面E2の方のルートになり、以降、全ての演出が画面E6まで2D表示で行われる。画面E2では、「7、変動中、7」というリーチ図柄の演出中に巻物が現れ、巻物が上から閉じたままの位置で下方に落下する演出が開始される。次いで、画面E3では巻物が閉じたままの位置で更に落下し、画面E4では巻物が開く。
次いで、画面E5では開いた巻物にエフェクトがかかり、迫力のある演出が行われる。ここでは、エフェクトとして開いた巻物の前面側に特定のキャラクタK1(例えば、虎)が出現する演出が追加される。なお、この画面E5でエフェクトをかけるのは、同じ演出種類の行に相当する段数で、3D表示の場合には特定のキャラクタK1(例えば、虎)が立体的に飛び出す演出を行うので、それと合わせた演出にするためである。
次いで、画面E6では開いた巻物の前面側にキャラクタK1に加えて第2のキャラクタK2(例えば、クマ)が出現する演出が追加される。
【0460】
次に、2D表示の画面E1から3D表示演出に移行する場合を説明する(3Dモード選択時演出パターン1)。
この場合は画面E1から画面F2の方のルートになり、以降、全ての演出が画面F6まで3D表示で行われる。
画面F2に移行すると、「7、変動中(3、2)、7」というリーチ図柄の演出が3D表示となり、立体的な演出が行われる。なお、
図113では紙面の都合上、真に立体的な表示は困難であるので、図面上は理解できる範囲で立体的に描いている(画面F2乃至画面F6において同様)。
次いで、画面F3ではリーチ変動中に閉じた巻物が2つ現れる演出が3D表示で行われ、画面F4になると、2つの巻物が開く演出が3D表示で行われる。
次いで、画面F5では開いた巻物のうち、前方に位置する巻物の前面側に特定のキャラクタK1(例えば、虎)が飛び出すような演出が3D表示で追加される。なお、この画面F5では同じ演出種類の行に相当する段数で、2D表示の場合には特定のキャラクタK1(例えば、虎)を出現させるというエフェクトをかけて、2D表示の演出の場合との整合性を取っている。
次いで、画面F6では同じく開いた巻物の前面側にキャラクタK1に加えて第2のキャラクタK2(例えば、クマ)が出現する演出が3D表示で追加される。
【0461】
このように、2D表示と3D表示の演出制御テーブルの構造を同じ(演出種類の行に相当する段数を合わせたデータ構造)とし、同じ行の演出(ここでは、画面E5と画面F5)では、3Dモードの場合は特定の場面でキャラクタK1が飛び出す演出を行い、2Dモードの場合は飛び出す演出の代わりにエフェクト(キャラクタK1が出現する演出)を追加することが行われる。
したがって、遊技者は2Dモード又は3Dモードを選択可能なので、3D表示を見にくい人でも2D表示で楽しむことができる。
また、演出制御装置300側で表示装置41の画面で演出を行うに際しても、主基板である遊技制御装置100からのコマンドは2Dモード又は3Dモードに関係なく同じであり、つまり、コマンドを解析した変動パターンは2D/3Dで共通であるので、演出制御装置300では3Dモードでは、特定の場面で図柄やキャラクタが飛び出す演出を行い、
2Dモードでは、飛び出す演出の代わりにエフェクト(キャラクタの出現など)を追加するだけなので、遊技者は2Dモードでも3Dモードでも演出を楽しむことができるとともに、主基板である遊技制御装置100や演出制御装置300のROM容量(ROM101B及び画像ROM322の容量)も抑えられ、効率的に開発できるという効果がある。
【0462】
さらに、遊技制御装置100では、2D表示と3D表示の図柄変動パターンを共通としているので、制御の効率が良いという利点がある。
一方、演出制御装置300では、2D表示と3D表示の図柄変動パターンを演出制御テーブルとして持つが、3D表示に対応する部分のみ2D表示用にエフェクト等を追加するだけなので、ROM容量(画像ROM322の容量)も余り多くならない。
また、
図106及び
図107に示した演出制御テーブルの構造にすることで、2D/3Dの切替処理が効率良くできる効果がある。
【0463】
次に、
図114は切替ボタン15及び演出ボタン9の有効・無効制御のタイミングチャートである。
表示装置41の演出(
図114では「演出状態」と表記)が3D表示で行われているとき、タイミングt11で切替ボタン15が操作されると(押されると)、
図6に示す切替スイッチ48(
図114では切替SW)がオンし、それが演出制御装置300のスイッチ入力回路336に入力され、スイッチ入力回路336から切替スイッチ48がオンした情報が主制御用マイコン311に伝えられる。このため、演出制御装置300の主制御用マイコン311からスイッチ液晶702に対して視差バリア702Bを有効から無効へと切り替えるための切替指示が出される。これにより、スイッチ液晶702は演出制御装置300の主制御用マイコン311からの切替指示の信号に基づいて視差バリア702Bを有効から無効に切替制御する。したがって、液晶表示器701は次のフレームの開始タイミング(ただし、33msと非常に短いので、直ぐに次のフレームに移行)から2D表示に切り替わり、2D表示による演出が行われる。その後は、次の視差バリア702Bへの切替指示が出るまで、2D表示が継続する。
上記構成の発明概念は、下記のように表される。
2D表示又は3D表示への切り替え操作が可能な切替ボタンを設け、
表示状態変更手段は、
前記切替ボタンの操作に基づいて前記演出手段の表示状態を切り替えることを特徴とする遊技機。
【0464】
一方、
図114に示すように、切替ボタン15を直ぐに再操作(再び押すこと)して、切替スイッチ48がオンし、それが演出制御装置300のスイッチ入力回路336に入力され、スイッチ入力回路336から切替スイッチ48がオンした情報が主制御用マイコン311に伝えられても、演出制御装置300の主制御用マイコン311では、所定時間(ここでは1秒間)は切替ボタン15の操作を無効(制御上は、切替スイッチ48の作動を無効とすることで、切替ボタン15の操作を無効にする)として扱う制御が行われる。
つまり、切替ボタン15を操作して切替スイッチ48がオンしても、切替ボタン15の作動を無効として扱う切替ボタン無効期間(上記所定時間(1秒間))が設けられる。そのため、切替ボタン15を上記所定時間内に押しても、制御には何ら反映されない。
したがって、切替ボタン15を1回押した後に、例えば同ボタン15を連打しても、上記所定時間内は切替スイッチ48の作動が無効になることで、切替ボタン15の操作が無効として扱われ、演出制御には反映されない。そして、所定時間が経過すると、切替ボタン無効期間が解除され、切替ボタン有効期間となる。切替ボタン有効期間になると、切替ボタン15を操作したとき、切替スイッチ48がオンし、その情報をスイッチ入力回路336を経由して主制御用マイコン311で受けると、主制御用マイコン311では切替スイッチ48の作動を有効とすることで、切替ボタン15の作動を有効として扱い、演出制御を行う。
上記構成の発明概念は、下記のように表される。
2D表示又は3D表示への切り替え操作が可能な切替ボタンを設け、
演出制御装置は、
切替ボタンが操作された後、所定期間は前記切替ボタンの操作を無効にすることを特徴とする遊技機。
【0465】
また、タイミングt11で切替ボタン15が操作されたときには、
図6に示す切替スイッチ48がオンし、それが演出制御装置300のスイッチ入力回路336に入力され、スイッチ入力回路336から切替スイッチ48がオンした情報が主制御用マイコン311に伝えられるが、このとき主制御用マイコン311では切替スイッチ48がオンした情報に基づき、所定時間(ここでは0.5秒間)は演出ボタン9の操作についても演出ボタンスイッチ46の作動を無効にする制御を行う。つまり、演出ボタン9の操作を無効(制御上は、演出ボタンスイッチ46の作動を無効とすることで、演出ボタン9の操作を無効にする)として扱う制御が行われる。
したがって、演出ボタン9を押して演出ボタンスイッチ46がオンしたとき、その情報をスイッチ入力回路336を経由して主制御用マイコン311で受けたとしても、主制御用マイコン311では演出ボタンスイッチ46の作動を無効とすることで、演出ボタン9の操作を無効として扱い(演出ボタン9を押さなくても無効期間となる)、演出制御に反映させない。
すなわち、切替ボタン15の操作に連動して、演出ボタン9の操作が無効となる演出ボタン無効期間(上記所定時間(0.5秒間))が設けられる。そのため、演出ボタン9を上記所定時間内に押しても、制御には何ら反映されない。演出ボタン無効期間が経過すると、演出ボタン9の操作が有効になる。
【0466】
このように、表示装置41の演出が3D表示のとき、切替ボタン15を押すと、演出状態は直ぐに2D表示に切り替わるが、所定時間(1秒)内は切替ボタン15の操作が無効(切替スイッチ48の作動が無効)として扱われる。また、同時に、切替ボタン15の操作タイミングに連動して演出ボタン9の操作を無効とする演出ボタン無効期間(0.5秒間)が設けられ、この間は演出ボタン9を押しても無効として扱われる。
これは、切替ボタン15の操作後、切替ボタン15の操作(切替スイッチ48の作動)を所定時間(1秒間)だけ無効にするとともに、演出ボタン9の操作も所定時間(0.5秒間)だけ無効にすることで、例えば切替ボタン15の連打と合わせて、故意に演出ボタン9も操作されることを防止するためである。
上記構成の発明概念は、下記のように表される。
2D表示又は3D表示への切り替え操作が可能な切替ボタンと、
表示装置の演出に一定の範囲で関与可能な演出ボタンと、を設け、
演出制御装置は、
前記切替ボタンが操作された後、所定期間は前記演出ボタンの操作を無効にすることを特徴とする遊技機。
【0467】
次に、演出ボタン9の操作後に、所定時間だけ切替ボタン15の操作が無効になる動作について説明する。
いま、表示装置41の演出(
図114では「演出状態」と表記)が2D表示で行われているとき、タイミングt12で演出ボタン9が操作されると(押されると)、
図6に示す演出ボタンスイッチ46がオンし、それが演出制御装置300のスイッチ入力回路336に入力され、スイッチ入力回路336から演出ボタンスイッチ46がオンした情報が主制御用マイコン311に伝えられる。このとき、主制御用マイコン311では演出ボタンスイッチ46がオンした情報に基づき、所定時間(例えば、0.5秒間)は切替ボタン15の操作についても切替スイッチ48の作動を無効にする制御を行う。すなわち、切替ボタン15を押して切替スイッチ48がオンしたとき、その情報をスイッチ入力回路336を経由して主制御用マイコン311で受けたとしても、主制御用マイコン311では切替スイッチ48の作動を無効として扱い(切替ボタン15を押さなくても無効期間となる)、演出制御に反映させない。そのため、切替ボタンスイッチ48の作動を無効とすることで、切替ボタン15の操作を無効にする切替ボタン無効期間(上記所定時間(0.5秒間))が設けられることになる。つまり、切替ボタン15の操作を無効(制御上は、切替ボタンスイッチ48の作動を無効とすることで、切替ボタン15の操作を無効にする)として扱う制御が行われる。
【0468】
このように、演出ボタン9の操作に連動して、切替ボタン15の操作が無効となる切替ボタン無効期間(上記所定時間(0.5秒間))が設けられる。したがって、切替ボタン15を上記所定時間内に押しても、制御には何ら反映されない。切替ボタン無効期間が経過すると、切替ボタン15の操作が有効になる。
これは、演出ボタン9の操作後、切替スイッチ48の動作を所定時間(0.5秒間)だけ無効にして切替ボタン15の操作を無効にすることで、例えば演出ボタン9の連打と合わせて、故意に切替ボタン15も操作されることを防止するためである。
上記構成の発明概念は、下記のように表される。
2D表示又は3D表示への切り替え操作が可能な切替ボタンと、
表示装置の演出に一定の範囲で関与可能な演出ボタンと、を設け、
演出制御装置は、
前記演出ボタンが操作された後、所定期間は前記切替ボタンの操作を無効にすることを特徴とする遊技機。
【0469】
ここで、上記のような3D表示の予告演出、演出ボタン9や切替ボタン15の操作に関連する効果をまとめると、下記のようになる。
(1)演出制御装置300では、通常の遊技状態では表示装置41におけるスイッチ液晶702の視差バリア702Bを無効にして2D表示の画面で演出を行い、リーチ変動から予告演出に発展するような場合には、表示装置41におけるスイッチ液晶702の視差バリア702Bを有効にして2D表示する状態に液晶表示器701の表示状態を切り替え、該状態で大当りを期待させる3D表示の予告演出を行う。
この場合、視差バリア702Bが有効になることにより、バックライト703からの光の通り道の一部を遮断するので、液晶表示器701では、一瞬、画面全体が暗くなるように映り、リーチ変動図柄が不明確に見え、通常とは明らかに異なる演出になって遊技者は大当りへの期待感を持つようになる。
したがって、視差バリア702Bを有効にして液晶表示器701を2D表示する状態を使用して演出の品質を高めることができ、遊技の興趣を高めることができる。
【0470】
(2)視差バリア702Bを有効にして液晶表示器701を2D表示する状態を当り(大当り以外の小当り、中当り等も含む)を期待させる3D表示の予告演出に使用することにより、何らかの特典の付与という期待感を遊技者に抱かせることができる。
(3)視差バリア702Bを有効にして液晶表示器701を2D表示する状態において、プレミアム画像(例えば、サクラ柄等)をはっきり見えないような状態で表示することにより、プレミアム画像の演出価値を高めることができ、遊技者に対してプレミアム画像に遭遇した満足感を与えることができる。
【0471】
(4)通常、視差バリア702Bを有効にして液晶表示器701を2D表示する状態は、違和感があるので、このような状態にならないように制御するのが本来的な制御である。
本実施例では、この通常ではない状態を逆に利用して、この違和感が「何か起こるかもしれない」という期待感を遊技者に持たせることができるという特異な効果がある。
例えば、リーチ演出時に、表示装置の画面が真っ暗になる(ブラックアウト)のような演出を行うことがあるが、これは通常ではない状態を逆に利用して、違和感を出す演出であるが、本実施例では、このような尋常でない巧妙な演出感を出すことができる。
(5)また、視差バリア702Bを有効にして液晶表示器701を2D表示する状態でプレミアム画像(例えば、サクラ柄等の激熱画像)をはっきり見えないような状態で表示することのより、「当りかもしれない」という期待感を遊技者に持たせることができる。
【0472】
(6)2D表示又は3D表示への切り替え操作が可能な切替ボタン15を設け、切替ボタン15の操作に基づいて表示装置41の表示状態を2D表示又は3D表示へ切り替えている。
したがって、遊技者の簡単な操作で、2D表示又は3D表示へ切り替えることができ、便利である。また、3D表示は、長時間見ていると疲れたり、あるいは3D表示は人によって見え方や疲れ方が異なるが、切替ボタン15の操作で、好きな表示状態にできるので、遊技者の好みに沿わせることができる。
【0473】
(7)2D表示又は3D表示への切り替え操作が可能な切替ボタン15が操作された後、所定期間(例えば、1秒間)は切替ボタン15の操作を無効にしている。
したがって、例えば切替ボタン15の連打のような状況に適切に対処して、演出への悪影響を避けることができる。
すなわち、故意に頻繁に(重複させて)切替ボタン15を操作することによる不具合の発生を防止することができる。
(8)2D表示又は3D表示への切り替え操作が可能な切替ボタン15と、表示装置41の演出に一定の範囲で関与可能な演出ボタン9とを設け、切替ボタン15が操作された後、所定期間(例えば、0.5秒間)は演出ボタン9の操作を無効にしている。
したがって、例えば切替ボタン15の連打と合わせて、故意に演出ボタン9が操作されることを防止することができる。
(9)2D表示又は3D表示への切り替え操作が可能な切替ボタン15と、表示装置41の演出に一定の範囲で関与可能な演出ボタン9とを設け、演出ボタン9が操作された後、所定期間(例えば、5秒間)は切替ボタン15の操作を無効にしている。
したがって、例えば演出ボタン9の連打と合わせて、故意に切替ボタン15が操作されることを防止することができる。
また、故意に頻繁に(重複させて)切替ボタン15や演出ボタン9を操作することによる不具合の発生を防止することができる。
【0474】
次に、
図115は切替ボタン15及び演出ボタン9の操作時における演出画面の動作例を示す図である。
なお、
図115では表示装置41における表示部41aの画面を符号G1乃至G3で表している。
まず、画面G1に示すように、特図変動が「1、2、3」という図柄の演出であって、それが2D表示で行われているとき、画面G1の上部に「2Dモード」という表示がされており、これにより、いまの演出が2Dモードなのか、あるいは3Dモードなのかが遊技者に容易に分かるようになっている。また、画面G1の下部には(切替)という表示が楕円で囲むように表示されており、これは切替ボタン15の操作が有効状態にあることを示している。したがって、遊技者は切替ボタン15を押す操作が現在有効であることを容易に認識できる。なお、(切替)という表示は切替ボタン15の操作が有効であるときのみ表示され、操作が無効であるときには表示されない。また、切替ボタン15が押されると、所定時間(1秒間)は(切替)の表示が消える。
【0475】
切替ボタン15の操作が無効な状態とは、前述したように、切替ボタン15を1回押した後の所定時間(1秒間)と、演出ボタン9の操作後、切替スイッチ48の動作を所定時間(0.5秒間)だけ無効にする期間の2つであり、それらの期間は切替ボタン15の操作が無効になり、(切替)という表示はされない。
また、切替ボタン15はパチンコ機1の下部で左側(上皿7の近傍で左側)に配置されているので、これと合わせるように、(切替)という表示は画面G1の下部で左側に配置されている。したがって、(切替)の表示が遊技者に分かりやすいという利点がある。
なお、画面G1において、白丸は特
図1保留表示を表し、黒丸は特
図2保留表示を表している(画面G2、画面G3でも同様)。
【0476】
次いで、特図変動が「1、2、3」という図柄の演出であって、それが2D表示で行われているときに、遊技者が切替ボタン15を押すと、2D表示から3D表示の演出に切り替えられる。これにより、画面G2に示すように、画面上部の表示が「2Dモード」から「3Dモード」に変更され、また、「1、2、3」という図柄が2D表示から3D表示に変更される。また、切替ボタン15を押した後、所定時間(1秒間)が経過すると、再び(切替)という表示が現れる(画面G2は1秒経過後を示す)。
【0477】
次いで、画面G3に示すように、3Dモードの演出の状態で「1、変動中、1」というリーチ変動になり、画面中央に(PUSH)という表示がされると、この(PUSH)という表示は演出ボタン9の操作が有効であり、かつ予告演出としての機能も有する表示となる。なお、(PUSH)という表示は、ほぼ円形のラインの中に描かれる。
また、(PUSH)という表示の下側には矢印が現れ、およその演出ボタン9の場所を示唆する案内表示となる。演出ボタン9はパチンコ機1のほぼ中央部にあるので、画面G3上でも中央部に(PUSH)という表示をするので、遊技者に分かりやすいという利点がある。
遊技者が演出ボタン9を押すと、演出ボタン9の操作後、切替スイッチ48の操作を所定時間(0.5秒間)だけ無効にする期間があるので、画面G3では、その状態に合わせて(切替)という表示が消えた状態を示している。
【0478】
次に、
図116はパチンコ機1の停電復旧時の動作を示すタイミングチャートである。
図116において、表示装置41の演出(
図116では「演出状態」と表記)が2D表示で行われているとき、切替ボタン15が操作されると(押されると)、詳細は前述したので省くが、表示装置41の画面が2D表示から3D表示に切り替えられて演出が行われる。
なお、切替ボタン15を押して2D表示から3D表示に切り換えるように操作しても(つまり、ユーザが選択した表示モードが3D表示の状態であっても)、演出の進行内容によって表示装置41の画像としては、3D表示区間と2D表示区間があるので、直ぐに視差バリア702Bを無効から有効に切り替えない場合もあるが、
図116の説明は停電復旧時の動作例であるので、ここでは直ぐに視差バリア702Bが無効から有効に切り替えられて、表示装置41の画面が2D表示から直ぐに3D表示になって演出が行われる場合を例にとる。
また、切替ボタン15を1回押した後の所定時間(1秒間)は、上述したように切替スイッチ48の作動を無効にして切替ボタン15の操作が無効となる切替ボタン無効期間が存在する。そして、所定時間が経過すると、切替ボタン無効期間が解除され、切替ボタン15の操作が有効となる。
【0479】
いま、表示装置41が3D表示にて特図の演出中に、タイミングt21で停電が発生すると、パチンコ機1への電源供給が断たれ、遊技制御装置100のRAM101Cのデータがバックアップされている以外は、パチンコ機1の全ての機器の作動が停止する。
その後、停電中を経て、タイミングt22で商用電源が復旧し、パチンコ機1の電源供給が開始されると、パチンコ機1が起動する。そして、遊技制御装置100及び演出制御装置300等のプログラムが起動していく。演出制御装置300では
図93に示すパワーオンリセット処理からプログラムが開始する。このとき、ステップD2でCPUの初期設定が行われ、ステップD3でVDP312の初期設定が行われる。
VDP312の初期設定では、表示装置41の画面を2D表示から開始する設定も行われる。
【0480】
次いで、ステップD4で割込みを許可し、ステップD5のメイン処理が開始される。メ
イン処理を開始すると、例えばステップD24の演出表示編集処理で表示装置41の画面を2D表示に編集する処理等が行われる。このとき、最初の画面は停電復旧画面を編集することになり、その後、停電発生時の画面に復旧する。これは、2D表示の画面となる。停電復旧画面は適正視認位置合わせに用いられる。
なお、遊技者が遊技をしていない台では停電発生時の画面は客待ち画面であり、パチンコ機1の電源復旧時には、停電復旧画面を経てから客待ち画面になる。この場合、停電復旧画面及び客待ち画面は2D表示の画面となる。
したがって、パチンコ機1の電源復旧では、表示装置41の画面は最初は2D表示の停電復旧画面となり、その後は停電発生時の画面に復旧するが、これは2D表示の画面で復旧することになる。
【0481】
このように、停電発生時に表示装置41が3D表示であっても、停電復旧時には表示装置41の画面が2D表示になって演出が開始される。
なお、
図116の例では停電発生時に表示装置41が3D表示の場合であるが、停電発生時に表示装置41が2D表示であっても、停電復旧時には表示装置41の画面を2D表示から演出を開始するような構成にする。
次に、切替ボタン15については、
図116に示すように、タイミングt22で停電から復旧したとき、所定時間(例えば、5秒間)は切替ボタン15を操作したとしても、切替スイッチ48の作動を無効にして切替ボタン15の操作が無効となる切替ボタン無効期間が設けられており、その間は切替ボタン15の操作が無効になる。そして、所定時間経過後に、切替ボタン無効期間が解除され、切替ボタン15の操作が有効になる。
【0482】
このように、停電復旧時には表示装置41の画面が2D表示から演出が開始され、また、切替ボタン15の操作は停電復旧の時点から切替ボタン無効期間だけ無効に設定される。
これは、停電復旧時における表示装置41の画面を2D表示とし、前述したように最初の停電復旧画面を適正視認位置合わせに用いた後、遊技開始に合わせて2Dモード又は3Dモードを選択可能とするために、切替ボタン無効期間を設けているものである。切替ボタン無効期間のときに、停電復旧画面を適正視認位置合わせに用いる。
なお、切替ボタン15の操作を有効とするのは切替ボタン無効期間の経過後ではなく、例えば停電復旧画面終了後に有効にしてもよいし、あるいはパチンコ機1の電源復旧後、直ぐに切替ボタン15の操作を有効にしてもよい。
また、遊技カード等の記録媒体に遊技者情報として、例えば「3Dが好き」という情報が記録されているような場合には、パチンコ機1が停電からの復旧した後、直ぐに切替ボタン15の操作を有効とする設定にしてもよい。
【0483】
本実施例では、以下の効果がある。
(1)シャッタ役物機構801のシャッタ801a、801bは視差バリア702Bを有効に切り替えて3D表示を開始する前に、閉状態(表示装置41の前面側を遮蔽する状態)となるように可動するので、シャッタ役物機構801の可動により遊技者の注意をひくことができ、その後の3D表示の開始を見逃してしまうことを防止することができ、遊技の興趣を高めることができる。
(2)シャッタ役物機構801の可動と表示装置41の3D表示とを関連させることにより、3D表示になること(大当りへの期待感がある)への期待感を遊技者へ与えることができ、遊技の興趣を高めることができる。
(3)シャッタ役物機構801のシャッタ801a、801bは視差バリア702Bを有効に切り替える際に、閉状態(表示装置41の前面側を遮蔽する状態)となるように可動するので、視差バリア702Bの切り替え時における画面の違和感を遊技者に与えないようにできる。すなわち、遊技者に対して、2D表示から3D表示に切り替わる際の画面の違和感を与えないようにすることができる。
(4)シャッタ役物機構801のシャッタ801a、801bが可動する際には、上スピーカ12a及び下スピーカ12b効果音を出力するので、遊技者の注意を引くことができ、より一層、3D表示開始の期待感を高めることができる。
(5)3D表示に移行する前に、各照明部81乃至84をランプ群D→ランプ群C→ランプ群B→ランプ群Aの順に各ランプ群を1回オン・オフする動作を短時間に2回繰り返す装飾制御が行われ、このとき、表示装置41に最も近い位置にある表示領域周縁照明部81(ランプ群A)が1回オン・オフした直後で2回目のオン・オフが始まる前に、シャッタ役物機構801が短時間だけシャッタ801a、801bを移動させて表示装置41の前面側を遮蔽し、その後、シャッタ801a、801bを左右に分離して表示装置41の前面側の遮蔽を解除ように作動するので、各照明部81乃至84の装飾演出と連動して遊技者の注意を引くことができ、その後の3D表示演出を見逃すことを防止することができる。
また、各照明部81乃至84の装飾演出と連動するシャッタ役物機構801に関する上記構成の発明概念は、下記のように表される。
演出制御装置は、
遊技機の前面側に配置した複数の照明群に対して装飾演出する装飾演出制御手段を備え、
前記装飾演出制御手段は、
前記演出制御手段が前記遮蔽手段を変位させて演出手段の前面を遮蔽し、その後、遮蔽手段を演出手段の前面から退避した状態へ復帰させるとき、遮蔽手段の変位に応じて複数の照明群に対して装飾演出の制御を行うことを特徴とする遊技機。
【0484】
また、本実施例では、以下のような付随的効果がある。
(1)固有ID(個体識別情報)は遊技用マイコン101(演算処理装置)であることを識別可能であると同時に、遊技機毎を識別可能であるため、本実施例のように、固有IDを外部(例えば、管理装置140)に出力して正当性を判定する構成であると、遊技店が個々の遊技機を管理することが可能で、不正者は個々の演算処理装置に対して不正改造を施さなければならなくなるのでセキュリティーが向上するという効果がある。
また、本実施例のように、機種毎に作成されるとともに演算処理装置に書き込まれる遊技プログラムに、この固有IDを出力する機能を備えることにより、遊技プログラムの変更によって固有IDの出力形態や出力タイミング等の改善や変更が安価で迅速に行うことができる。
【0485】
次に、本実施例の変形例について説明する。
(1)2D表示又は3D表示への切り替え操作が可能な切替ボタン15の操作後に、当該切り替えられた表示モード(2D表示又は3D表示の何れかのモード)における所定の演出(例えば、「3D表示モード変更完了」の画面など)が出現したことを条件に切替ボタン15の操作を有効にする構成にしてもよい。
この構成であると、切り替えた表示モード(例えば、3D表示モード)での演出を必ず見せることができ、演出効果を高めることができる。
また、故意に頻繁に(重複させて)切替ボタン15や演出ボタン9を操作することによる不具合の発生を防止することができる。
さらに、有効な押しボタン操作(切替ボタン15を押す操作が有効であること)を遊技者に認識し易くできる。
【0486】
(2)切替ボタン無効期間(
図114)内に再度切替ボタン15の操作があった場合には、切替ボタン無効期間(例えば、1秒間)を延長(例えば、10秒間の延長)し、強制的に2D表示とする等のペナルティーを設ける構成にしてもよい。
この構成であると、遊技者に無駄に切替ボタン15を押させないように認識させることができる。
【0487】
次に、本発明の適用範囲について説明する。
(1)遊技機はパチンコ球を使用して遊技を行うものであれば、実施例のような例に限らず、封入球式遊技機にも適用できる。
(2)また、遊技機として飾り特図を表示可能な表示装置を備えていればよく、したがって、液晶表示器等の映像装置を設けた一般的な遊技機を対象とする幅広く適用できる。
(3)表示装置は表示内容を変化可能であればよく、画像はキャラクタ表示、映像表示などで画面内容を変化できる構成になっていればよい。
(4)表示装置は液晶を用いた表示装置に限らず、例えば2D表示と3D表示が可能な装置であれば、どのような構成でもよい。
【0488】
次に、本発明の変形例について説明する。
本発明は、以下のような変形例であってもよい。
(1)上記実施例では、視差バリア702Bは液晶スイッチ702によって制御されているが、これでは視差バリア702Bに不具合があることまでは検知できない。
そこで、視差バリアの有効/無効の不具合を検出するバリアセンサを設けた本発明の変形例1について説明する。
図117(a)、(b)は本発明の変形例1の構成を示す図であり、この図の説明に当たり、
図101と同一構成部分には同一番号を付して重複説明を省略する。
図117(a)は変形例1における表示装置741の模式的な断面図であり、
図117(b)は変形例1における表示装置741のスイッチ液晶の正面図である。
図117(a)、(b)において、本発明の変形例1における表示装置741は前述したように、実施例1と同様の構成を有する他、以下に説明するようなバリアセンサに関連する部分が新たな機能として追加された構成となっている。
すなわち、
図117(a)、(b)に示すように、変形例1における表示装置741の前面右側の上部(詳しくは、遊技者から表示装置741を見た場合における表示装置741の前面右側の上部)にはバリアセンサ711が設けられている。また、スイッチ液晶702の前面側の上部(詳しくは、遊技者から見て表示装置41の前面右側の上部に相当するスイッチ液晶702の前面右側上部)には、バックライト遮断層702Sが設けられている。
【0489】
バックライト遮断層702Sはバックライト703の光を遮断可能な層であり、視差バリア702Bの有効/無効と同期して、以下のように作動する。
・視差バリア702Bの有効時:バックライト703の光を遮断するように作動
・視差バリア702Bの無効時:透明(バックライト703の光を通過させるように作動)
なお、変形例1においても、実施例1と同様にスイッチ液晶702は演出制御装置300の主制御用マイコン311からの信号に基づいて視差バリア702Bを有効/無効に制御する構成であり、バックライト遮断層702Sについても演出制御装置300の主制御用マイコン311からの信号に基づいて有効/無効に制御される(視差バリア702Bの有効/無効に同期)。
【0490】
バリアセンサ711は表示装置741の前面右側の上部に配置され、バックライト703から発する光を検出可能な構成である。詳しくは、視差バリア702Bの有効/無効が正常動作する場合、バリアセンサ711は視差バリア702Bの無効時には、バックライト遮断層702Sがバックライト703の光を通過させるように作動することから、バックライト703の光を検出する。一方、視差バリア702Bの有効時には、バックライト遮断層702Sがバックライト703の光を遮断するように作動することから、バックライト703の光を検出しない。
また、視差バリア702Bの有効/無効が異常で、不具合がある場合、バリアセンサ711は上記のような作動を行わない。バリアセンサ711の検出信号は演出制御装置300の主制御用マイコン311に入力され、主制御用マイコン311にて視差バリア702Bの有効/無効に不具合があるか否かが判定されるようになっている。
【0491】
<視差バリア702Bの正常時の動作>
スイッチ液晶702の視差バリア702Bを有効に制御すると、視差バリア702Bが光を遮って左右の目に対応して光を分離するように作動する。
また、スイッチ液晶702の視差バリア702Bを無効に制御すると、視差バリア702Bが透明化して光を透過させて、左右の目に同じ光が届くように作動する。
一方、バックライト遮断層702Sは視差バリア702Bの有効/無効と同期し、視差バリア702Bの有効時にはバックライト703の光を遮断し、視差バリア702Bの無効時には透明化してバックライト703の光を通過させるように作動する。
そこで、上記のように視差バリア702Bが正常時の動作を行う場合、バリアセンサ711は視差バリア702Bの無効時には、バックライト遮断層702Sがバックライト703の光を通過させるように作動するので、バックライト703の光を検出することになる。一方、視差バリア702Bの有効時には、バックライト遮断層702Sがバックライト703の光を遮断するように作動するので、バックライト703の光を検出しないことになる。
【0492】
そのため、バリアセンサ711の検出信号を演出制御装置300の主制御用マイコン311に入力(例えば、所定の入力回路(図示略)を介して入力)し、主制御用マイコン311において視差バリア702Bの有効/無効の信号、バックライト遮断層702Sの有効/無効の信号及びバリアセンサ711の検出信号を照合して判断することで、視差バリア702Bが正常であるか否かを判定することができる。例えば、視差バリア702Bの有効時にはバックライト703の光を遮断するように作動し、かつバックライト遮断層702Sがバックライト703の光を遮断するように作動するので、バリアセンサ711がバックライト703の光を検出しなければ、視差バリア702Bは正常であると判定する。
また、視差バリア702Bの無効時にはバックライト703の光を通過するように作動し、かつバックライト遮断層702Sがバックライト703の光を通過させるように作動するので、バリアセンサ711がバックライト703の光を検出すれば、視差バリア702Bは正常であると判定する。
したがって、視差バリア702Bの有効/無効の信号、バックライト遮断層702Sの有効/無効の信号及びバリアセンサ711の検出信号を照合して判断すれば、上記の例では、視差バリア702Bは正常であると判定できる。
【0493】
<視差バリア702Bの不具合時の動作>
視差バリア702Bの無効時にはバックライト703の光を通過するように作動し、かつバックライト遮断層702Sがバックライト703の光を通過させるように作動するので、バリアセンサ711がバックライト703の光を検出しなければ、視差バリア702Bは異常(例えば、不具合の発生)であると判定する。
また、視差バリア702Bの有効時にはバックライト703の光を遮断するように作動し、かつバックライト遮断層702Sがバックライト703の光を遮断するように作動するので、バリアセンサ711がバックライト703の光を検出すれば、視差バリア702Bは異常(例えば、不具合の発生)であると判定する。
【0494】
したがって、視差バリア702Bの有効/無効の信号、バックライト遮断層702Sの有効/無効の信号及びバリアセンサ711の検出信号を照合して判断すれば、この例では、視差バリア702Bは異常(例えば、不具合の発生)であると判定できる。
視差バリア702Bが異常、例えば不具合の発生であると判定した場合、視差バリア702Bの不具合とは、視差バリア702Bを有効に切り替えても正常な有効状態にならず、バックライト703の光をうまく遮断できないような状態である。この場合には、スイッチ液晶702の視差バリア702Bを3D表示状態に制御しても、左目用と左目用の画像が異なる画像とならず、液晶表示器701の画像が3D表示されないことになる。
また、視差バリア702Bの不具合には、視差バリア702Bを無効に切り替えても、うまく透明化せず、2D表示であっても、液晶表示器701の画像が暗くなることが考えられる。
上記のバリアセンサ711及びバックライト遮断層702Sは、スイッチ液晶702の視差バリア702Bの有効/無効の不具合を検出するバリア検出手段に相当する。
【0495】
このように、視差バリア702Bの有効/無効の不具合を検出するバリアセンサ711を設けるとともに、視差バリア702Bの有効/無効に同期して作動するバックライト遮断層702Sを設け、演出制御装置300の主制御用マイコン311では、視差バリア702Bの有効/無効の信号、バックライト遮断層702Sの有効/無効の信号及びバリアセンサ711の検出信号を照合して判断することで、視差バリア702Bの有効/無効に不具合があるか否かが判定される。
また、表示装置741で3D表示時に、バリアセンサ711により視差バリア702Bが有効でない(不具合があり、有効モードに切り替えても正常な有効状態にならないこと)ことを検出したら、演出制御装置300の主制御用マイコン311は3D表示を2D表示に切替えるように制御してもよい。
このようにすると、視差バリア702Bの不具合時に、適切に対処し、遊技の品質を落とさなくすることができる。
【0496】
また、具体的な効果として、以下のものがある。
ノイズ等で視差バリア702Bが一時的に作動しなくても、3D表示を2D表示に切替えることで、遊技を続けることができる。
スイッチ液晶702の故障で視差バリア702Bを有効に作動させることができない場合でも、2D表示で遊技を行うことができる。
視差バリア702Bの不具合時に3D表示による演出の代わりに、2D表示による演出とすることにより、通常では当らないノーマルリーチ等でも当る(3Dが不具合で2D表示演出になり、ノーマルリーチでの当りが多くなる場合)、ことがあり、遊技の興趣が向上する。
【0497】
上記構成の発明概念は、下記のように表される。
スイッチ液晶の視差バリアの有効/無効の不具合を検出するバリア検出手段を設け、
演出制御装置は、
前記バリア検出手段によりスイッチ液晶の視差バリアの有効の不具合が検出されると、視差バリアを無効にして2D表示する状態に演出手段の表示状態を切り替えることを特徴とする遊技機。
【0498】
また、表示装置で3D表示時に、バリアセンサ711により視差バリア702Bの不具合を所定回数検出したら、2D表示で固定とする又は3D表示での演出を制限するような制御を行う構成にしてもい。
上記構成の発明概念は、下記のように表される。
スイッチ液晶の視差バリアの有効/無効の不具合を検出するバリア検出手段を設け、
演出制御装置は、
前記バリア検出手段によりスイッチ液晶の視差バリアの有効の不具合が所定回数検出されると、視差バリアを無効にして2D表示する状態に演出手段の表示状態を固定する制御、又は視差バリアを有効にしつつも3D表示での演出を制限する制御のうち、少なくとも1つを実行することを特徴とする遊技機。
【0499】
(2)次に、本発明の変形例2について説明する。
前述したように、実施例1では、図柄確定時は3D表示のパターンであっても、2D表示となる設定にするという構成を説明したが、この構成に加えて、特図の変動開始からリーチ発生までは2D表示で演出するという制御を加えた全体の構成を発明の変形例2として
図118を参照して説明する。
図118は特図の変動開始から停止までにおける演出の動作例を示す図である。
なお、
図118では表示装置41における表示部41aの画面を符号H1乃至H5で表している。
まず、画面H1に示すように、変動開始時の特図が「1、2、3」という図柄であって、表示モードが3Dのときは、画面H1の上部に「3Dモード」という表示がされている。これにより、いまの演出が2Dモードなのか、あるいは3Dモードなのかが遊技者に容易に分かるようになっている。また、画面H1の下部には(切替)という表示が楕円で囲むように表示されており、これは切替ボタン15の操作が有効状態にあることを示している。
【0500】
ただし、前述したように、3D表示モードであっても演出により2D表示したり3D表示したりする制御を行うことがあることを説明している。そして、その例として、特図の変動開始からリーチまでは2D表示、リーチ後は3D表示にする等を述べている。
そのため、切替ボタン15による切替後のモードが2D表示モードの場合は、直ぐにスイッチ液晶702をオフにして視差バリア702Bを無効にするが、3D表示モードの場合は、直ぐにスイッチ液晶702をオンにして視差バリア702Bを有効にする必要はないことも説明している。
図118に示す演出画面は、3D表示モードであっても演出により2D表示する制御を行う場合にあたり、特に、特図の変動開始からリーチまでは2D表示、リーチ後は3D表示にする制御を行う例である。
なお、画面H1において、白丸は特
図1保留表示を表し、黒丸は特
図2保留表示を表している(他の画面H2乃至画面H5でも同様)。
【0501】
いま、画面H1に示すように特図の変動開始時の図柄が「1、2、3」という状態であって、表示モードが3Dのときは、画面H1の上部に「3Dモード」という表示がされる。ただし、3D表示モードであっても、演出制御装置300の主制御用マイコン311では、特図の変動開始からリーチ発生までは2D表示で演出する制御を行う構成であるため、スイッチ液晶703の視差バリア702Bは無効の状態に制御され、画面H1では演出を2D表示で行うことになる。したがって、変動開始時の図柄「1、2、3」は2D表示されている。この2D表示の状態は特図の変動開始時からリーチ発生まで継続する。
なお、特図の変動開始時からリーチが発生せず、以後、はずれ図柄で変動が停止するような場合は2D表示のままで演出が行われる。
【0502】
次いで、画面H2に示すように、特図変動に「3、変動中、3」の図柄でリーチが成立すると、リーチ変動のときに遊技者が切替ボタン15を押して表示モードを2D表示モードに切り替えない限り、図柄停止の段階まで3D表示モードを維持する制御を行う。
したがって、リーチ変動になると、「3、変動中、3」の図柄が3D表示され、リーチ図柄が立体的に見えるような演出が行われる。
次いで、画面H3に示すように、リーチ変動を経て図柄停止の段階になると、演出制御装置300の主制御用マイコン311からの信号によりスイッチ液晶703の視差バリア702Bが無効に制御されて、図柄停止の演出が2D表示で行われ、図柄が「3、2、3」のはずれ態様で確定する(図柄確定時も演出は2D表示)。なお、この場合はリーチ変動のときに3D表示モードであったので、図柄停止の段階でも表示モードは3D表示のモードが維持される。つまり、リーチ変動のときに遊技者が切替ボタン15を押して表示モードを2D表示モードに切り替えない限り、図柄停止の段階でも3D表示モードを維持する制御を行う。
その後、次回の図柄変動開始に移るが、そのときも画面H1に示すような演出画面になり、表示モードについては3D表示モードを維持する制御を行う。
【0503】
一方、画面H2の段階で、リーチ変動のときに遊技者が切替ボタン15を押して表示モードを3D表示モードから2D表示モードに切り替える操作を行うと、画面H2から画面H4に移行する。このとき、演出制御装置300の主制御用マイコン311からの信号によりスイッチ液晶703の視差バリア702Bが有効から無効に制御され、リーチ変動の演出が3D表示から2D表示の演出に切り替えられる。
ただし、この場合には本来はリーチ発生で3D表示を基本としているにも関わらず、遊技者の都合で2D表示モードに切り替えたので、3D表示の代わりにリーチ変動図柄である「3、変動中、3」の中図柄にエフェクトEFをかける制御が行われて、3D表示の代わりであることを遊技者に知らせる。
次いで、画面H5に示すように、リーチ変動を経て図柄停止の段階になると、2D表示モードが維持されたままで、図柄停止の演出が2D表示で行われ、図柄が「3、2、3」のはずれ態様で確定する(図柄確定時も演出は2D表示)。なお、この場合はリーチ変動のときに既に2D表示モードであったので、図柄停止の段階でも表示モードは2D表示のモードが維持される。つまり、リーチ変動のときに遊技者が切替ボタン15を押して表示モードを2D表示モードに切り替えたので、図柄停止の段階でも2D表示モードを維持する制御を行う。
その後、次回の図柄変動開始に移るが、そのときは2D表示モードを維持したままの演出画面になり、2D表示モードにて特図の変動開始が行われる。
【0504】
変形例2によれば、以下のような効果がある。
リーチ変動時における変動表示ゲームで、3D表示の演出効果を出すとともに、図柄確定時には視差バリア702Bを無効にして2D表示とすることで、変動表示ゲームの結果を誰にでもわかりやすく認識させることができる。
また、遊技者は図柄確定時だけ表示装置41の画面を見ても、確定図柄を確実に認識することができ、当り/はずれを容易に確認できる。前述したように、3D表示には、下記のような一般的課題がある。
・3D表示は、長時間見ていると疲れる。
・3D表示は、人によって見え方や疲れ方が異なる。
そこで、変形例2の構成であると、図柄確定時には、それ以前の図柄変動が3D表示であっても、2D表示とするので、長時間遊技をしている場合は特に有効であり、上記のような一般的課題にも対処できる。
また、特図の変動開始からリーチ成立までは2D表示で演出を行うので、長時間遊技をしていても疲れが少ない。
さらに、遊技者が切替ボタン15を操作することで、リーチ変動であっても2D表示に切り替えることが可能なので、見え方や疲れ方を遊技者が選択できて、便利である。
【0505】
上記構成の発明概念は、下記のように表される。
2D表示及び3D表示を演出可能な演出手段を制御して演出を行う演出制御装置を備えた遊技機において、
前記演出手段は、視差バリアを備え、該視差バリアをスイッチ液晶で有効・無効に切替可能なように構成し、
前記演出制御装置は、
視差バリアを無効・有効に切り替えて2D表示又は3D表示に制御する表示状態変更手段を備え、
演出手段での変動表示ゲームの図柄変動開始からリーチ成立前は、2D表示での演出を行い、
演出手段での変動表示ゲームで図柄変動にリーチが成立すると、2D表示から3D表示に切り替えて演出を行い、変動表示ゲームの結果態様である図柄確定時には、3D表示であっても、2D表示での演出を行うように制御することを特徴とする遊技機。
【0506】
次に、上記変形例2の第1の別態様を説明する。
上記変形例2では、特図の変動開始からリーチ発生までは2D表示で演出し、図柄確定時は2D表示にするという構成であるが、これに限らず、変動表示ゲームが特定のリーチ変動、あるいは図柄のコマ送りのような低速変動になると、2D表示から3D表示に切り替えて演出するという構成であってもよい。
これは、変形例2の第1の別態様になるので、ここで詳細に説明する。
図柄変動の開始時には、スイッチ液晶702は演出制御装置300の主制御用マイコン311からの信号に基づいて視差バリア702Bを無効に制御し、これにより、液晶表示器701では特図変動図柄が2D表示にて演出される。その後は、リーチの無い通常変動時も同様である。次いで、リーチ変動になると、一般的な通常のリーチでは、2D表示の演出が継続する。その後、リーチがはずれて、図柄変動の結果がはずれになっても、同じく2D表示で図柄が確定する。
【0507】
一方、特定のリーチ変動、あるいは図柄のコマ送りのような低速変動が発生すると、何れも通常モードとは異なり、大当りへの期待感を高めるような特殊な演出モードになるので、演出制御装置300の主制御用マイコン311からスイッチ液晶702に対して視差バリア702Bを無効から有効へと切り替えるための切替指示を出す。これにより、スイッチ液晶702は演出制御装置300の主制御用マイコン311からの切替指示の信号に基づいて視差バリア702Bを無効から有効に切替制御する。したがって、液晶表示器701は次のフレームの開始タイミングから3D表示に切り替わり、3D表示による演出が行われる。その後は、次の視差バリア702Bへの切替指示が出るまで、3D表示が継続する。
次いで、図柄変動が停止して図柄が確定する段階になると、主制御用マイコン311からスイッチ液晶702に対して視差バリア702Bを有効から無効へと切り替えるための切替指示を出す。これにより、図柄確定時には2D表示で演出が行われる。仮に、それ以前の演出が3D表示で行われていても、図柄確定時には2D表示での演出に固定されることになる。
【0508】
上記構成の発明概念は、下記のように表される。
2D表示及び3D表示を演出可能な演出手段を制御して演出を行う演出制御装置を備えた遊技機において、
前記演出手段は、視差バリアを備え、該視差バリアをスイッチ液晶で有効・無効に切替可能なように構成し、
前記演出制御装置は、
視差バリアを無効・有効に切り替えて2D表示又は3D表示に制御する表示状態変更手段を備え、
前記表示状態変更手段は、
演出手段での変動表示ゲームが通常の遊技状態のときは、視差バリアを無効にして2D表示での演出を行い、
演出手段での変動表示ゲームが特定のリーチ変動、あるいは図柄のコマ送りのような低速変動になると、視差バリアを有効にして2D表示から3D表示に切り替えて演出を行い、変動表示ゲームの結果態様である図柄確定時には、3D表示であっても、視差バリアを無効にして2D表示での演出を行うように制御することを特徴とする遊技機。
【0509】
このようにすると、以下のような効果がある。
特定のリーチ変動時、あるいは図柄のコマ送りのような低速変動時における変動表示ゲームで、3D表示の演出効果を出すとともに、図柄確定時には視差バリア702Bを無効にして2D表示とすることで、変動表示ゲームの結果を誰にでもわかりやすく認識させることができる。
また、特定のリーチ変動、あるいは図柄のコマ送りのような低速変動の演出では、何れも通常モードとは異なり、大当りへの期待感を高めるような特殊な演出モードになるので、そのとき演出画面を3D表示にすることで、より一層、遊技の興趣を高めることができる。
【0510】
次に、上記変形例2の第2の別態様を説明する。
上記変形例2では、2D表示又は3D表示の演出を行うに際して、基本的にスイッチ液晶702の視差バリア702Bを有効/無効に制御する構成となっているが、「図柄確定時には2D表示にする」という変形例2の発明を実施するには、視差バリアを制御しない構成であってもよい。
具体的には、以下のように2D表示又は3D表示の演出を行う。
・特図の変動開始からリーチまでは2D表示
・リーチ後は3D表示
・図柄停止の演出は2D表示
・図柄確定時の演出は2D表示
・特定のリーチ変動又は図柄のコマ送りのような低速変動では3D表示
この演出に際して、第2の別態様では2D・3D表示の演出に際してスイッチ液晶702の視差バリア702Bを制御しない構成とする。つまり、視差バリア702Bを常時有効である構成とする。
そして、2D表示では視差バリア702Bが常時有効な状態で、例えば左目用画像だけを使用して画面に表示させ、平面的な演出とする。一方、3D表示では視差バリア702Bが常時有効な状態で、左目用画像と右目用画像が交互に表示される演出を行って立体的な演出とする。
このような第2の別態様の構成であると、2D・3D表示の演出に関わる制御が簡単で済むという利点がある。
【0511】
(3)次に、本発明の変形例3について説明する。
前述したように、実施例1の説明の中で、当り確定時には確変図柄は3D表示、通常図柄は2D表示としてもよいという旨を述べている。
そこで、この内容を発明の変形例3として
図119を参照して説明する。
図119は特図の変動開始から停止までにおける演出の動作例を示す図である。
なお、
図119では表示装置41における表示部41aの画面を符号I1乃至I3及び符号J1乃至J3で表している。
【0512】
<シリーズ機A:1/2図柄確変機>
まず、シリーズ機Aのタイプから説明する。
従来より、遊技機では確変図柄は赤色系、通常図柄は青色系などに分けることで、大当り後に確率変動するか、通常確率かを区別している。
ここで、確変図柄とは、大当り後に大当り確率が高確率に変動する場合の大当り図柄のことで、通常図柄とは、大当り後に大当り確率が高確率に変動しない場合の大当り図柄をのことである、
そして、遊技機が一連のシリーズ物として販売されている場合、確変図柄は赤色系、通常図柄は青色系に分けることが行わており、例えば、以下の通りである(数字は図柄番号を示す)。
・確変図柄(赤色系):1、3、5、7、9
・通常図柄(青色系):0、2、4,6、8
この場合、確変図柄と通常図柄の割合がほぼ1/2になることから、このような遊技機の一連のシリーズ物を便宜上、「シリーズ機A:1/2図柄確変機」と称している。
なお、後述の「シリーズ機B:全図柄確変機(回数切り)」との比較で言えば、確変図柄の場合、次の大当りが発生するまで確率変動が継続(高確率状態の維持)する。また、通常図柄は次の大当りが発生するまで低確率状態である(その後に確率変動するか否かは大当り図柄に依存ずる)。
【0513】
最初に、
図119に示す変形例3では遊技者が操作する切替ボタン15が無い構成になっている。したがって、演出画面のうち表示モード(2D又は3D)は基本的に3Dモードである。
いま、画面I1に示すように、変動開始時の特図が例えば「1、2、3」という3D表示の図柄であるとき、ここから遊技が開始され、特図変動からリーチ成立などで変動表示ゲームが行われ、最終的にゲーム結果がはずれ又は大当りとなる。
なお、画面I1において、白丸は特
図1保留表示を表し、黒丸は特
図2保留表示を表している(他の画面でも同様)。
【0514】
そして、画面I2に示すように特図変動が停止して例えば「3、3、3」という図柄で大当りが発生したとき、「3」の図柄は確変図柄に相当するので、表示モードは3Dを維持した状態で図柄が確定する。このとき、詳しくはリーチ変動を経て図柄停止の段階になると、演出制御装置300の主制御用マイコン311からの信号によりスイッチ液晶703の視差バリア702Bが有効に制御(それ以前から有効であれば有効を維持)されて、図柄停止の演出が3D表示で行われ、図柄が「3、3、3」の大当り態様で確定することになる(図柄確定時も演出は3D表示)。
一方、大当りの停止態様が通常図柄となる場合は、画面I3に示すように、リーチ変動を経て図柄停止の段階になると、演出制御装置300の主制御用マイコン311からの信号によりスイッチ液晶703の視差バリア702Bが無効に制御されて、図柄停止の演出が2D表示で行われ、図柄が「2、2、2」の通常図柄での大当り停止態様で確定する(図柄確定時も演出は2D表示)。
【0515】
変形例3によれば、以下のような効果がある。
通常図柄は大当り図柄確定時に2D表示とし、確変図柄は大当り図柄確定時に3D表示とすることで、通常図柄と確変図柄とを遊技者が容易に区別できるので、通常図柄と確変図柄の各図柄データを共通にすることができる。
また、3D用図柄データを2D用として使えるので、図柄を2Dと3D両方表示できるようにしても図柄データが増えることはない。
なお、3D用図柄データを2D用として使う場合には、3D用図柄データのうちの左目用画像データのみを用いて、2D表示のための左目用画像データとし、この左目用画像データを2D表示のための右目用画像データとしても使うことで、3D用図柄データさえあれば、2D表示のための画像データに転用ができ、図柄データの増加がない。
因みに、従来は確変図柄は赤色系、通常図柄は青色系などで区別しており、シリーズ機で「全図柄確変タイプ」と「1/2図柄確変タイプ」を用意する場合、同じ図柄で赤色系と青色系の2種類つくる必要があったため、図柄データが増加していた。
【0516】
上記構成の発明概念は、下記のように表される。
2D表示及び3D表示を演出可能な演出手段を制御して演出を行う演出制御装置を備えた遊技機において、
前記演出手段は、視差バリアを備え、該視差バリアをスイッチ液晶で有効・無効に切替可能なように構成し、
前記演出制御装置は、
視差バリアを無効・有効に切り替えて2D表示又は3D表示に制御する表示状態変更手段と、
演出手段の演出内容に対応して通常図柄及び確率変動図柄を含む図柄データを設定する図柄データ設定手段と、を備え、
前記演出制御装置は、
通常図柄は図柄確定時に2D表示とし、確率変動図柄は図柄確定時に3D表示で演出を行うように制御することを特徴とする遊技機
【0517】
<シリーズ機B:全図柄確変機(回数切り)>
次に、シリーズ機Bのタイプについて説明する。
「シリーズ機B:全図柄確変機(回数切り)」は、全ての図柄が確変図柄の場合であり、例えば、以下の通りである(数字は図柄番号を示す)。
・確変図柄(3D表示):0、1、2、3、4、5、6、7、8、9
この場合、確変図柄の割合が100%になることから、このような遊技機の一連のシリーズ物を便宜上、「シリーズ機B:全図柄確変機」と称している。
ただし、次の大当りが発生するまで確率変動が必ず継続(高確率状態の維持)するというものではなく、大当り終了後から所定回数(例えば、75回)までは確率変動が継続するが、所定回数を超えると、通常確率に戻る(回数切りに相当)タイプである。通常確率に戻れば、低確率状態となる。
したがって、このような仕様の遊技機を全図柄確変機(回数切り)と称している。なお、回数切りを行う遊技機は、例えばST機と称されることもある。
【0518】
次に、「シリーズ機B:全図柄確変機(回数切り)」の演出例を説明する。
いま、画面J1に示すように、変動開始時の特図が例えば「1、2、3」という3D表示の図柄であるとき、ここから遊技が開始され、特図変動からリーチ成立などで変動表示ゲームが行われ、最終的にゲーム結果がはずれ又は大当りとなる。
【0519】
そして、画面J2に示すように特図変動が停止して例えば「3、3、3」という図柄で大当りが発生したとき、「3」の図柄は確変図柄に相当するので、表示モードは3Dを維持した状態で図柄が確定する。このとき、詳しくはリーチ変動を経て図柄停止の段階になると、演出制御装置300の主制御用マイコン311からの信号によりスイッチ液晶703の視差バリア702Bが有効に制御(それ以前から有効であれば有効を維持)されて、図柄停止の演出が3D表示で行われ、図柄が「3、3、3」の大当り態様で確定することになる(図柄確定時も演出は3D表示)。
一方、大当りの停止態様が「2、2、2」という図柄になる場合も、画面J3に示すように、「2」の図柄も確変図柄に相当するので、表示モードは3Dを維持した状態で図柄が確定する。
したがって、図柄が「3、3、3」であっても、「2、2、2」であっても何れの図柄でも確変大当りとなるので、大当りの停止態様は3D表示で行われ、図柄確定時も演出は3D表示となる。
大当り終了後は、所定回数(例えば、75回)までは確率変動が継続し、所定回数を超えると、通常確率に戻る。つまり、確率変動の回数切りが行われる。
【0520】
変形例3によれば、以下のような効果がある。
大当りの停止態様が全ての図柄で3D表示になるので、遊技者に3D演出の醍醐味を与えることができる。
特に、いわゆる「シリーズ機B:全図柄確変機(回数切り)」のタイプの遊技機は、大当り終了後は、所定回数で確率変動の回数切りが行われるので、変形例3のように3D演出を多くして、演出を派手にするほど遊技の興趣を高めることができる。
【0521】
(4)次に、本発明の変形例4について説明する。
実施例1では、表示装置41の前面側を全体的に遮蔽するシャッター役物機構(例えば、シャッター役物機構801)を設けているが、このようなシャッター役物機構の代わりに、表示装置41の画面に砂嵐画面を表示する演出を行う構成にしてもよい。
砂嵐画面は、例えば2D表示から3D表示に切り替わる直前に、表示装置41の画面全体に砂嵐が吹き荒れるような特殊演出とする。
このような砂嵐画面を表示することで、表示装置41の画面を遊技者に注目させることができるとともに、視差バリア702Bの切替を目立たなくすることができるという効果がある。
また、このような構成であると、シャッタ役物機構のようなメカニズムが不要という利点がある。したがって、制御が容易であり、かつメカニズムが不要な点でコスト低下にもなる。
【0522】
(5)次に、本発明の変形例5について説明する。
実施例1では、表示装置41におけるスイッチ液晶702の制御により視差バリア702Bを有効/無効に切替える制御を行っているが、これに限らず、例えば視差バリア702Bを有効/無効に切替える制御を行わない構成にしてもよい。
視差バリア702Bを有効/無効に切替える制御を行わない構成とは、例えば視差バリア702Bが常時有効である構成(例えばスイッチ液晶を用いず物理的に視差バリアが常時存在する構成)のことである。
そして、2D表示のときは液晶表示器701に2D用の画像(例えば、左目用画像のみ)を表示することで、表示装置42の画面にて2D表示の演出を行う。一方、2D表示から3D表示に切替える際には、液晶表示器701に3D用の画像(左目用画像及び右目用画像)を表示することで、表示装置42の画面にて3D表示の演出を行う。
このような変形例5の構成においても、シャッタ役物機構は表示装置41の画面を遊技者に注目させることができるとともに、2D表示から3D表示に切替える際の違和感をなくすことができる効果がある。
【0523】
(6)本発明の上記実施例は、映像、音声、装飾、役物の動作を1枚の演出制御基板で制御する例であるが、これに限らず、例えば複数の演出制御基板で制御する構成にしてもよいし、あるいは同一基板上に複数のCPUを実装して分担制御する構成にしてもよい。
そのようにすると、各CPUの処理負担が軽減する分、処理速度が速くなる。また、各CPUのプログラムサイズを小さくできる。
【0524】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。