【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するために請求項1に記載した発明は、二つの直線部とその両端の半円形部からなる環状通路を水平移動する多数のグリップユニットを複数の工程ごとに間欠移動し、そのグリップユニットのグリップにより袋口を上にして吊り下げ状に支持した包装袋に被包装物を充填すると共にガス充填を施してから袋口のヒートシールを行うようにしたトラック式ガス充填包装機を使用するガス充填包装方法であって、
前記包装袋として両側縁に折込み部分を有する大形のガゼット袋、底部に折込み部分を有する大形の自立袋若しくはそれら何れかの袋にチャックを備えた大形のチャック付袋又は平袋を対象とし、
操作パネルにより包装袋の大きさと種類、被包装物の種類を入力し、
給袋工程にて、マガジンに積み重ねて収められた多数の包装袋を袋補給ユニットの上下移動制御される吸盤により上から一枚ずつめくって持ち上げて袋チャックに受け渡し、その袋チャックによって掴まれた包装袋を隣接する袋位置決めユニットまで移送して当該ユニットのガイド内に落とし込んでから、前記入力データに基づいて該ガイドの袋幅に対応するサイドガイドの位置と、袋長さに対応する袋口側の前端ガイド及び後端ガイドの位置を自動調整して位置決めを施し、ついで前記ガイド内の包装袋を袋供給手段のチャックにより掴んで上方に待機する袋高さ補正機能を備えたクランプユニットのクランプに袋口を上にして挟持させ、そのクランプから給袋工程に待機する前記グリップに包装袋を送り込むようになし、
袋開口・膨らまし工程にて、吸盤の吸着作用により袋口を開放すると共に当該包装袋の底部を吸盤の吸着作用により膨らました状態とし、
被包装物の充填工程にて、包装袋の移送と同期して上下移動と水平移動制御される同調漏斗を下降させて包装袋に挿入すると共に底叩きユニットの受け部材を包装袋の底部にあてがってタッピングすることにより被包装物の落としこみを介助しつつ所定量の被包装物を充填し、
その充填作業終了間際から後続の複数工程までの間において、前記同調漏斗に備えたガス充填ノズルから当該袋内へ不活性ガスの吹き込み動作を継続し、
被包装物の充填工程から脱気・仮付けシール工程までの間において、前記底叩きユニットと、単数若しくは複数の包装袋を挟持して当該包装袋の移送速度に回転速度を同期するように制御される少なくとも一組のコンベアユニットを設けた整形手段との共同作業によって包装袋を所望の形態に整形し、
ついで、包装袋が脱気・仮付けシール工程まで移動する間において、前記漏斗及びガス充填ノズルを包装袋から脱出させると共に袋口の一部を吸盤の吸着作用により開放した状態とし、
脱気・仮付けシール工程にて、包装袋に脱気ノズルを挿入して当該袋内に残留する空気を除去してから当該ノズルを包装袋から脱出させ、ついで、仮付けヒータにより袋口を挟持して仮付けシールを施し、
さらに袋口の本シール工程にて仮付け箇所にヒートシールを施し、
冷却シール・系外排出工程にて、そのヒートシールを施された箇所を冷却してから包装袋を系外に排出するようにしたことを特徴とする。
【0009】
同様の目的を達成するために請求項2に記載した発明は、請求項1に記載のガス充填包装方法において、前記袋補給手段に包装袋の大きさに対応して収容スペースを自動調節可能な複数のマガジンを備えていて、包装袋をマガジンに充填する供給位置から前記袋チャックによりマガジンに収められた包装袋を取り出す補給位置へマガジンを循環移動させるようにされていることを特徴とするものである。
【0010】
マガジンは、包装を行う包装袋の大きさに対応して収容スペースを自動調節可能であるので、袋サイズ変更に伴う煩わしい作業が不要となり、包装機の自動化に寄与する。
【0011】
同様の目的を達成するために請求項3に記載した発明は、請求項1又は2に記載のガス充填包装方法において、前記包装袋を支持するグリップの左右一対の挟持部の間隔を包装袋の大きさに合わせて自動調節するようにされていることを特徴とするものである。
【0012】
グリップは、包装を行う包装袋の大きさに対応して左右一対の挟持部の間隔を自動調節するようにされるので、袋サイズ変更に伴い多数のグリップを一々調節する煩わしい作業が不要となり、袋サイズ変更に伴う包装機の対応を迅速に円滑に行うことができる。
【0013】
同様の目的を達成するために請求項4に記載した発明は、請求項1〜3の何れかに記載のガス充填包装方法において、包装袋が前記チャック付きガゼット袋の場合には、給袋後にチャックを開放すると共に袋の表面部若しくは背面部と、両側縁のV字形折り込み部分の一方との重なり部分にポイントシールを施して当該部分を固定するようにされていることを特徴とするものである。
【0014】
包装袋が開放された状態で同調漏斗の下口が挿入されるときに、上記折込み部分が内方中央に突出していた場合に下口が干渉する虞がある。そこで、袋の表面部若しくは背面部と、両側縁のV字形折り込み部分の一方との重なり部分に、ポイントシールを施して当該部分を固定する処理を施すことにより、同調漏斗の挿入動作を円滑に行なうことができる。
【0015】
同様の目的を達成するために請求項5に記載した発明は、請求項1〜4の何れかに記載のガス充填包装方法において、前記袋口の本シール工程において、第1シール工程にて袋口のヒートシールを施した後に、さらに第2シール工程にて袋口のヒートシールを施すようにされていることを特徴とするものである。
【0016】
仮付けシール後に施す本シールを第1シールと第2シールの2回とすることにより、確実で品質の優れたシール処理を施すことができる。
【0017】
同様の目的を達成するために請求項6に記載した発明は、請求項1〜5の何れかに記載のガス充填包装方法において、前記給袋工程から冷却シール・系外排出工程に至る全ての工程が、前記環状通路を構成する一方の直線部側に配置されていることを特徴とするものである。
【0018】
全ての工程を一方の直線部側に配置することにより、作業者や保守管理人が移動する時間を少なくすることが可能となり、作業者等の労力の負担軽減に寄与する。
【0019】
同様の目的を達成するために請求項7に記載した発明は、請求項1〜6の何れかに記載のガス充填包装方法において、前記包装袋が紙袋の場合には、袋の表面部と背面部の袋口の高さを所定寸法だけ異なる形状として内面に樹脂がコーティング処理されているものを使用し、前記脱気・仮付けシール工程にて袋口の仮付けシールを施してから系外に設置される縫製手段によって仮付けシールより上の部分を折り込んでミシン縫いを施すようにされていることを特徴とするものである。
【0020】
同様の目的を達成するために請求項8に記載した発明は、二つの直線部とその両端の半円形部からなる環状通路を水平移動する多数のグリップユニットを複数の工程ごとに間欠移動し、そのグリップユニットのグリップにより袋口を上にして吊り下げ状に支持した包装袋に被包装物を充填すると共にガス充填を施してから袋口のヒートシールを行うようにしたトラック式ガス充填包装機であって、
前記包装袋として両側縁に折込み部分を有する大形のガゼット袋、底部に折込み部分を有する大形の自立袋若しくはそれら何れかの袋にチャックを備えた大形のチャック付袋又は平袋を対象とし、
包装袋の大きさと種類、被包装物の種類を入力する操作パネルと、
マガジンに積み重ねて収められた多数の包装袋を、駆動機構により上下移動自在とされた吸盤により上から一枚ずつめくって持ち上げて水平移動自在の袋チャックに受け渡し、その袋チャックによって掴まれた包装袋を移送して隣接する袋位置決めユニットのガイド内に落とし込む袋補給ユニットと、前記操作パネルによる入力データに基づいて袋幅に対応するサイドガイドの位置と、袋長さに対応する袋口側の前端ガイド及び後端ガイドの位置を自動調整して位置決めを施す前記袋位置決めユニットと、そのガイド内の包装袋を袋供給ユニットのチャックにより掴んで上方に待機する袋高さ補正機能を備えたクランプユニットのクランプに袋口を上にして挟持させて給袋工程に待機する前記グリップに包装袋を送り込むように設けた給袋手段と、
袋口の両側に進退自在に設けた吸盤の吸着作用により袋口を開放する開口ユニットと、包装袋の両側下方に進退自在に設けた吸盤の吸着作用により当該袋の底部を膨らました状態とする先行整形ユニットと、
包装袋の移送と同期して上下移動と水平移動制御される同調漏斗により所定量の被包装物を包装袋に充填すると共に、当該漏斗に備えたガス充填ノズルにより被包装物の充填作業終了間際から後続の複数工程までの間において該袋内へ不活性ガスの吹き込み動作を行なうように設けた充填手段と、
被包装物の充填工程から脱気・仮付けシール工程までの間において、受け部材を包装袋の底部にあてがってタッピングして被包装物の落とし込みを介助する底叩きユニットと、単数若しくは複数の包装袋を挟持して当該包装袋の移送速度に回転速度を同期するように制御される少なくとも一組のコンベアユニットとの共同作業によって包装袋を所望の形態に整形するように設けた整形手段と、
袋口の両側に進退自在に設けた吸盤の吸着作用により袋口の一部を開放して脱気ノズルの挿入を可能とすると共に該開放部分以外の袋口部分を閉鎖可能な移動式袋口補助開口ユニットと、
仮付けヒータにより袋口を挟持して仮付けシールを施す袋口の仮付けシールユニットと、その仮付け箇所にさらにヒートシールを施す袋口の本シールユニットと、
そのヒートシールを施された箇所を冷却する冷却シールユニットとから構成されることを特徴とする。
【0021】
同様の目的を達成するために請求項9に記載した発明は、請求項8に記載のガス充填包装機において、前記袋補給ユニットに包装袋の大きさに対応して収容スペースを自動調節可能な複数のマガジンを備えていて、包装袋をマガジンに充填する供給位置から前記袋チャックによりマガジンに収められた包装袋を取り出す補給位置へマガジンを循環移動させるように設けたことを特徴とするものである。
【0022】
同様の目的を達成するために請求項10に記載した発明は、請求項8又は9に記載のガス充填包装機において、前記マガジンは、水平方向に平行に配置されたチェーン又はベルトが別々の駆動ユニットにより各々正転及び逆回転自在に設けられていて、一方のサイドガイドと他方のサイドガイドを別々のチェーン又はベルトに装着し、それらチェーン又はベルトの回転方向を互いに変えることにより両サイドガイドの間隔を所定の袋幅に合うように自動調整し、それらチェーン又はベルトが同じ回転方向の場合に所定の袋幅を維持した状態で循環移動するように設けられていることを特徴とするものである。
【0023】
マガジンは、包装を行う包装袋の大きさに対応して収容スペースを自動調節可能であるので、袋サイズ変更に伴う煩わしい作業が不要となり、包装機の自動化に寄与する。
【0024】
同様の目的を達成するために請求項11に記載した発明は、請求項8〜10の何れかに記載のガス充填包装機において、前記包装袋を支持するグリップの左右一対の挟持部の間隔を包装袋の大きさに合わせて自動調節するように設けたことを特徴とするものである。
【0025】
グリップは、包装を行う包装袋の大きさに対応して左右一対の挟持部の間隔を自動調節するように設けられているので、袋サイズ変更に伴い多数のグリップを一々調節する煩わしい作業が不要となり、袋サイズ変更に伴う包装機の対応を迅速に円滑に行うことができる。
【0026】
同様の目的を達成するために請求項12に記載した発明は、請求項8〜11の何れかに記載のガス充填包装機において、包装袋が前記チャック付きガゼット袋の場合には、給袋後のチャック開き工程にてチャックを開放すると共にポイントシール工程にて袋の表面部若しくは背面部と両側縁のV字形折り込み部分の一方との重なり部分にヒートシールを施して当該部分を固定するポイントシールユニットを設けることを特徴とするものである。
【0027】
包装袋が開放された状態で同調漏斗の下口が挿入されるときに、上記折込み部分が内方中央に突出していた場合に下口が干渉する虞がある。そこで、袋の表面部若しくは背面部と、両側縁のV字形折り込み部分の一方との重なり部分に、ポイントシールを施して当該部分を固定する処理を施すことにより、同調漏斗の挿入動作を円滑に行なうことができる。
【0028】
同様の目的を達成するために請求項13に記載した発明は、請求項8〜12の何れかに記載のガス充填包装機において、前記袋口の本シールユニットが、第1シールユニットと第2シールユニットからなることを特徴とするものである。
【0029】
仮付けシール直後に施される本シールを第1シールと第2シールの2回とすることにより、確実で品質の優れたシール処理を施すことができる。
【0030】
同様の目的を達成するために請求項14に記載した発明は、請求項8〜13の何れかに記載のガス充填包装機において、前記包装袋の供給から冷却シールを施すまでの全ての工程が、前記環状通路を構成する一方の直線部側に配置されていることを特徴とするものである。
【0031】
全ての工程を一方の直線部側に配置することにより、作業者や保守管理人が移動する時間を少なくすることが可能となり、作業者等の労力の負担軽減に寄与する。