(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記吐出部は、両端部に渡って設けられた多数の洗浄吐出口と、前記給水路から前記洗浄吐出口に水を導く送水路と、前記洗浄吐出口に略平行に設けられて前記送水路の一部を規定する第1のリブとを備え、
前記第1のリブには、多数の導水口が設けられた請求項1〜5のいずれか1項に記載の衣類乾燥機。
【背景技術】
【0002】
従来、ヒートポンプ装置を搭載したこの種の衣類乾燥機は、衣類等の繊維製品から発生するリントが乾燥用空気に混入し、循環風路内に設けた送風機および熱交換器等に付着堆積して、その機能を低下させる原因となるため、循環風路に乾燥用空気からリントを捕捉するリントフィルタが設けられている。しかしながら、循環風路を流れる乾燥用空気は、一定の送風量を確保する必要があることから、リントフィルタを通過する乾燥用空気からリントを完全に除去することは難しく、リントフィルタを通過したリントが熱交換器に付着する。そのため、熱交換器に付着したリントを水道水で洗浄することが考えられている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
図10は、特許文献1に記載された従来の洗濯機能を備えた衣類乾燥機の構成を示したものである。
図10において、衣類51を収容して回転駆動されるドラム52が外槽53内に回転可能に設けられ、この外槽53内への給水と、外槽53からの排水、およびドラム52の回転制御により洗濯、すすぎ、脱水、乾燥の各工程が実行される。
【0004】
また、圧縮機54と凝縮器55と絞り手段56と蒸発器57とを冷媒が循環するように管路58で連結したヒートポンプ装置59が設けられており、ヒートポンプ装置59の凝縮器55と蒸発器57は、乾燥用空気を循環させる循環風路60内に配設されている。循環風路60の入口側は、外槽53の上方前部に設けられた排気口61と連通接続し、循環風路60の出口側は、外槽53の後面上部に設けられた送風口62と連通接続している。凝縮器55と送風口62の間の循環風路60に送風機63が設けられている。
【0005】
乾燥運転を開始すると、圧縮機54と送風機63が作動する。送風機63によって循環風路60に送風される乾燥用空気は、送風口62からドラム52内に送風され、ドラム52内で衣類51と接触し水分を奪って乾燥させる。
【0006】
衣類51から水分を奪って高湿となった乾燥用空気は、排気口61から循環風路60に流入し、蒸発器57で冷却されて潜熱を奪われ結露して除湿される。除湿されて絶対湿度が低下した乾いた乾燥用空気は、再び凝縮器55で加熱されて乾いた温風となって、送風口62からドラム52内に送風され、送風機63によって送風される乾燥用空気を循環風路60を通してドラム52に循環させることにより、衣類51の乾燥を進行させる。
【0007】
乾燥工程において、循環風路60を循環する乾燥用空気に、ドラム52内の衣類51から分離したリントが混入する。リントは、蒸発器57に付着して目詰まりし、風量を低下させるとともに熱交換効率を低下させる。そのため、開閉可能な給水弁64を開いて熱交換器である蒸発器57と凝縮器55に熱交換器洗浄用水溶液を噴射する洗浄手段65が設けられており、この洗浄手段65によって付着したリントを除去することができるようにしたものである。
【0008】
そして、洗浄に水道水を使用することが記載されている。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の衣類乾燥機は、圧縮機、凝縮器、絞り手段、蒸発器を冷媒が循環するように管路で連結されたヒートポンプ装置と、
被乾燥物を収容する乾燥室と、
乾燥用空気を前記乾燥室へ導く風路と、
乾燥用空気を前記乾燥室へ送風する送風機と、
前記蒸発器の風上側に配置され、前記蒸発器に向けて水を吐出する吐出部と、
水道からの水を前記吐出部に供給する給水路と、
前記ヒートポンプ装置の電荷を地絡させるアース部とを備え、
前記アース部は、前記吐出部から吐出される水の少なくとも一部と接触するように設けられたものである。
【0017】
これにより、リント除去性能が低下することなくリントを除去することができ、蒸発器での熱交換効率を高めて乾燥性能を向上することができる。
【0018】
上記構成において、前記アース部は、前記吐出部および前記蒸発器の間に配設されてもよい。
【0019】
これにより、吐出部から吐出される水が蒸発器に到達する前に、アース部に水が吐出される。よって、給水路での漏電の可能性を低下させることができる。よって、リント除去性能が低下することなく安全にリントを除去することができ、蒸発器での熱交換効率を高めて乾燥性能を向上することができる。
【0020】
上記構成において、前記吐出部は、前記給水路からの水を前記吐出部内に供給する給水口と、前記アース部に対し水を吐出する導通吐出口を有し、
前記給水口および前記導通吐出口は、共に前記吐出部の一端側に設けられてもよい。
【0021】
これにより、アース部に水を吐出する導通吐出部は、給水口の近傍に設けられるので、先にアース部と水が導通する。よって、給水路での漏電の可能性を低下させることができる。よって、リント除去性能が低下することなく安全にリントを除去することができ、蒸発器での熱交換効率を高めて乾燥性能を向上することができる。
【0022】
上記構成において、前記アース部は、前記蒸発器の高さより低い位置に設けられ、
前記吐出部は、前記蒸発器の高さと略同一の高さから水を吐出する洗浄吐出口と、前記アース部の設置高さと略同一の高さから水を吐出する導通吐出口とを有してもよい。
【0023】
これにより、アース部が吐出部から遠い場所に設けられているために、洗浄吐出口から吐出される水が蒸発器に到達してからアース部に水が吐出されることを防ぐことができる。よって、給水路での漏電の可能性を低下させることができる。よって、リント除去性能が低下することなく安全にリントを除去することができ、蒸発器での熱交換効率を高めて乾燥性能を向上することができる。
【0024】
上記構成において、前記吐出部は、前記蒸発器に対し水を吐出する洗浄吐出口と、前記アース部に対し水を吐出する導通吐出口とを有し、
前記吐出部は、前記導通吐出口および前記アース部の距離が、前記洗浄吐出口および前記蒸発器の距離よりも近い位置となるよう構成されてもよい。
【0025】
これにより、アース部への導通のほうが、蒸発器との導通よりも早くになされる。よって、給水路での漏電の可能性を低下させることができる。よって、リント除去性能が低下することなく安全にリントを除去することができ、蒸発器での熱交換効率を高めて乾燥性能を向上することができる。
【0026】
上記構成において、前記吐出部は、両端部に渡って設けられた多数の洗浄吐出口と、前記給水路から前記洗浄吐出口に水を導く送水路と、前記洗浄吐出口に略平行に設けられて前記送水路の一部を規定する第1のリブとを備え、
前記第1のリブには、多数の導水口が設けられてもよい。
【0027】
これにより、送水路に送られた水は、第1のリブにより、吐出口への流入が抑止される。また、水は吐出口に対し均一な流量かつ均一な圧力で流れる。よって、ムラのない均一な流量で水を吐出させることができる。よって、リント除去性能が低下することなく安全にリントを除去することができ、蒸発器での熱交換効率を高めて乾燥性能を向上することができる。
【0028】
上記構成において、前記導通吐出口は、前記第1のリブより上流側の前記送水路に設けられてもよい。
【0029】
第1のリブによって洗浄水は堰き止められる。第1リブより上流側の送水路に設けられた導通吐出口に先に水が供給されやすくなる。よって、給水路での漏電の可能性を低下させることができる。よって、リント除去性能が低下することなく安全にリントを除去することができ、蒸発器での熱交換効率を高めて乾燥性能を向上することができる。
【0030】
上記構成において、前記アース部に対し水を吐出する導通吐出口を有し、
前記送水路には、前記導通吐出口の下流側近傍に前記第1のリブに対し略直角となる第2のリブが設けられてもよい。
【0031】
第2のリブにより、送水路に供給された水は第2のリブにより堰き止められる。よって、導通吐出口へ水が供給されやすくなる。このため、給水路での漏電の可能性を低下させることができる。よって、リント除去性能が低下することなく安全にリントを除去することができ、蒸発器での熱交換効率を高めて乾燥性能を向上することができる。
【0032】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0033】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における衣類乾燥機の系統図である。
【0034】
図1において、衣類乾燥機1は、乾燥用空気の除湿および加熱を行うヒートポンプ装置7を有する。ヒートポンプ装置7は、冷媒を圧縮する圧縮機2と、圧縮後の高温高圧の冷媒の熱を放熱する凝縮器3と、高圧の冷媒の圧力を減圧するためのキャピラリーチューブからなる絞り手段4と、減圧されて低圧となった冷媒が周囲から熱を奪う蒸発器5とを含む。ヒートポンプ装置7は、圧縮機2、凝縮器3、絞り手段4、蒸発器5を冷媒が循環するように管路6により連結されている。
【0035】
凝縮器3および蒸発器5は、金属からなるフィンチューブ熱交換器で構成される。冷媒が流れる管路6は、例えば銅管で形成され、乾燥用空気の流路を形成するために所定間隔で平行に並べられた多数のフィンに管路6を貫通させて構成している。フィンは、例えば打ち抜き加工された厚み0.08〜0.2mmのアルミニウム製の平板で形成され、フィンピッチは、例えば約1.2mmとなるように構成されている。
【0036】
また、乾燥室9から排気された乾燥用空気を再度乾燥室へ導く風路10が設けられている。ヒートポンプ装置7は、風路10の一部を成し、乾燥用空気を冷却し除湿する蒸発器5と、除湿された低温の乾燥用空気を加熱する凝縮器3を内部に配設する。ヒートポンプ装置7には、乾燥用空気を吸排気する送風機8が設けられている。風路10は、両端部を衣類イを入れるための乾燥室9と連通させて環状に接続されている。また、風路10のうち、乾燥室9と蒸発器5の間には、乾燥運転時に衣類イから発生するリントを捕集するた
めのフィルタ11が取り外し自在に設けられている。矢印Aは、乾燥用空気の流れ方向を示す。
【0037】
乾燥室9から排気された乾燥用空気は、風路10を通って、フィルタ11を通過する。このとき、衣類から発生するリントなどの異物はフィルタ11にて除去される。蒸発器5で発生した除湿水は、排水口12を通って機外へ排出される。その後、乾燥用空気は、蒸発器5にて冷却されることにより、水分が凝縮し除湿される。蒸発器5を通過した乾燥用空気は、凝縮器3にて加熱される。高温かつ低湿となった乾燥用空気は、凝縮器3の風下に位置する送風機8に吸引される。送風機8を通過した乾燥用空気は、風路10を通って再び乾燥室9に導入される。以上のように、衣類の乾燥は行われる。
【0038】
衣類から発生したリントなどの異物は、フィルタ11にておおよそ除去されるが、一部がフィルタ11を通過し、蒸発器5の上流側端面5aに付着する。そこで、上流側端面5aに水を吐出することにより、リントの除去が行われる。
【0039】
蒸発器5の乾燥用空気の流れに対して上流側の端面5aの上方には、水道水を吐出するための吐出部15が設けられている。吐出部15への水の供給は、水道水栓14と連通した給水路16からなされる。給水路16に設けられた給水弁17を開閉制御することによって水道水の吐出と停止をおこなうことができる。蒸発器5に付着したリントが除去可能となるように、蒸発器5の風上側に吐出部15が設けられる。すなわち、吐出部15から吐出される水は、風路10を流れる乾燥用空気が蒸発器5に流入する側の端面5aに向けて吐出される。また、吐出部15にはアース部13が設けられ、他方が接地されるよう構成されている。
【0040】
なお、蒸発器5に付着したリントを除去する水として、水道水を用いた例を示したが、濾過した風呂水、井戸水等であってもよく、リントを除去する水を、以下「洗浄水」とする。
【0041】
以上のように構成された衣類乾燥機について、以下その動作、作用を説明する。
図2は、本発明の実施の形態1における衣類乾燥機のリント除去時の模式図である。
【0042】
蒸発器5に付着したリントを除去するためには、給水弁17を開閉させて所定時間0〜T1の間、吐出部15から水道水等を間欠的に吐出させる。この際、圧縮機2が絶縁不良の場合に、圧縮機2から蒸発器5および水道水等を通じて水道水栓14に漏電する。しかし、アース部13を吐出部15に設けることによって水道水栓14への漏電を回避することが出来る。
【0043】
所定時間0〜T1は、吐出部15から水道水等を吐出させて蒸発器5に付着したリントを除去する時間であり、例えば60秒間に設定している。この時間を長くすると、乾燥時間が延びることになり、使用者にとって使い勝手が悪くなるので15〜90秒程度が望ましい。
【0044】
次に、ヒートポンプ装置7の圧縮機2と送風機8を作動させて乾燥運転を開始すると、送風機8によって送風される乾燥用空気は、凝縮器3を通過して凝縮器3からの放熱で加熱され、温風になって乾燥室9に送られる。乾燥室9で衣類イと接触した乾燥用空気は、衣類イから水分を奪って衣類イを乾燥させる。このとき、乾燥用空気は高湿の空気となる。高湿となった乾燥用空気は、蒸発器5を通過して冷却され結露して除湿される。
【0045】
蒸発器5の全体に結露して発生した除湿水は、自重によって蒸発器5のフィンを伝って下方へ移動して排水口12から機外へ排出される。
【0046】
ヒートポンプ装置7では、圧縮機2が作動すると、圧縮機2で圧縮された高温高圧の冷媒の熱が凝縮器3で放熱される。さらに、高圧の冷媒が絞り手段4で減圧されて低圧低温となり、蒸発器5で乾燥用空気から熱を奪い再び圧縮機2に戻る。冷媒によって蒸発器5で奪った熱量に圧縮機2の入力から得られる熱量を加えた熱量が、凝縮器3から放出される。ここで、凝縮器3から乾燥用空気へ放熱される熱エネルギーは、圧縮機2の消費電力相当分と、蒸発器5で乾燥用空気から吸熱される熱量の和にほぼ等しい。
【0047】
このため、凝縮器3は圧縮機2に入力した電力以上の出力を得ることができ、乾燥用空気を加熱し乾燥室9内の衣類イへ投入することができる。このように、除湿および加熱された乾燥用空気を乾燥室9内へ投入し、衣類イと接触させることにより衣類乾燥が実行される。
【0048】
衣類イの乾燥が進行すると衣類イからリントが発生し、発生したリントは、乾燥用空気によってフィルタ11まで運ばれ、フィルタ11で捕集される。しかしながら、リントの一部は、フィルタ11で捕集されることなくフィルタ11を通過してしまう場合がある。
【0049】
フィルタ11を通過したリントは、乾燥用空気が流れる向きに対して上流側の蒸発器5の端面5aに付着する。本実施の形態では、蒸発器5のフィンピッチを、例えば1.2mm程度となるように構成している。これにより、リントは乾燥用空気の流れに対して上流側の蒸発器5の端面5aのみに付着することとなる。
【0050】
衣類乾燥終了後には、フィルタ11および蒸発器5の端面5aにリントが付着した状態となっている。フィルタ11に付着しているリントは、フィルタ11を取り外し自在に構成しているので、使用者が取り外してリントを除去することが可能であるが、蒸発器5に付着したリントは、使用者がリントを除去することができない。
【0051】
蒸発器5に付着したリントは、乾燥運転の回数が少ない初期段階では少量であるが、乾燥運転の回数が衣類乾燥の使用に伴い増加してくると、多量のリントが蒸発器5に付着することになる。その結果、風路圧損が徐々に増加し、風量も徐々に低下していき、乾燥性能が低下していく。
【0052】
本実施の形態では、給水弁17を開閉し、所定時間(例えば60秒間で、開と閉の時間は略同じ)吐出部15から水道水等をリントが付着している蒸発器5の端面5aに向けて間欠的に吐出させている。
【0053】
連続的に水を吐出すると、吐出した水により剥がれたリントが集まって塊となり、その塊を避けるように水が流れる場合がある。このような状態になると、水を連続的に流し続けても、塊を避けて流れ続け、リントを除去することができない。
【0054】
これに対し、水を間欠的に吐出すると、吐出した水は、繰り返し塊に衝突する。これを繰り返すことでリントが徐々に剥がれていき、付着したリントを除去することができる。
【0055】
本実施の形態は、給水弁17を開閉させて吐出部15から水道水等を間欠的に吐出させる際に、圧縮機2が絶縁不良を起こしていても、圧縮機2から水道水等を通じて水道水栓に漏電することを回避することが出来る。
【0056】
以上のように、本実施の形態においては、蒸発器5に付着したリントを除去するために、給水弁17を開閉させて吐出部15から水道水等を間欠的に吐出させるが、その際に、圧縮機2が絶縁不良を起こしていても、圧縮機2から水道水等を通じて水道水栓14に漏
電することを回避することが出来る。
【0057】
(実施の形態2)
図3は、本発明の実施の形態2におけるリント除去時の模式図である。
図4は、本発明の実施の形態2における衣類乾燥機のリント除去時の模式図である。本実施の形態のアース部13は、前記吐出部および前記蒸発器の間に配設される。このようにして吐出部15から吐出される洗浄水の一部が吐出される。他の構成は実施の形態1と同じであり、同一の構成に同一の符号を付して、詳細な説明は実施の形態1のものを援用する。
【0058】
アース部13は、吐出部15および蒸発器5の間の空間に配設される。また、アース部13は、端面5aの上端および吐出部15とほぼ同じ高さに設けられる。
【0059】
吐出部15から吐出される洗浄水は自然とアース部13にも吐出される。蒸発器5に付着したリントを除去するために、吐出部15から吐出された水道水等の一部がアース部13に達し、水道水等を介して蒸発器5つまりは圧縮機2が接地される。
【0060】
吐出部15から吐出される水は、蒸発器5に到達するよりも先にアース部13に到達する。よって、確実にアース構造をとることができ、給水路での漏電の可能性を低下させることができる。よって、リント除去性能が低下することなく安全にリントを除去することができ、蒸発器での熱交換効率を高めて乾燥性能を向上することができる。
【0061】
この場合、アース部13を内部の水圧が高くなる給水路16に配設する必要がないので、リントを除去するために給水して、給水路16内部の圧力が上がった場合でも吐出部15からの水漏れを防止することができる。
【0062】
(実施の形態3)
図5は、本発明の実施の形態3におけるヒートポンプ装置の一部構成図である。
図6は、本発明の実施の形態3におけるヒートポンプ装置の一部を構成する下方斜視図である。
図7は、本発明の実施の形態3における衣類乾燥機の吐出部の拡大図である。
図8は、本発明の実施の形態3における衣類乾燥機の吐出部の拡大断面図であり、
図7のP−P矢視図である。
図9は、本発明の実施の形態3における衣類乾燥機の吐出部の拡大断面図であり、
図7のQ−Q矢視図である。本実施の形態において、吐出部は、蒸発器に対し水を吐出する洗浄吐出口と、アース部に対し水を吐出する導通吐出口とを含む。他の構成は実施の形態1と同じであり、同一の構成に同一の符号を付して、詳細な説明は実施の形態1のものを援用する。
【0063】
ヒートポンプ装置7は、風路10の一部を構成するケース18に収容されている。ケース18は、上ケース18aおよび下ケース18bを含む。
【0064】
吐出部15は、吐出部15の一端側に設けられた給水口19を含む。給水路16から供給される水道水は、給水口19を介して、吐出部15の内部に供給される。吐出部15は、蒸発器5に対し水を吐出する多数の洗浄吐出口20を含む。
図7に示すように、洗浄吐出口20は、蒸発器5に対向するように、吐出部15の両端部に渡って多数設けられている。
【0065】
また、吐出部15は、アース部13に対し水を吐出する導通吐出口21aを含む。導通吐出口21aは吐出部15の一端側に設けられるので、給水口19の近傍に設けられる。よって先にアース部13と水が導通する。この結果、給水路での漏電の可能性を低下させることができる。
【0066】
さらに、吐出部15は、給水路16から洗浄吐出口20に水を導く送水路22を含む。送水路22は、吐出部15の外郭と、吐出部15内部に設けられた第1のリブ23とによって規定される。第1のリブ23は、多数の洗浄吐出口20に対し略平行に設けられる。さらに、第1のリブ23は、吐出部15の両端部に渡って形成される。
図8に示すように、第1のリブ23は、ヒートポンプ装置を覆う上ケース18aまで突出する。よって、送水路22は、上ケース18aによっても規定される。第1のリブ23は、多数の導水口24を含む。給水口19から供給された水は、第1のリブに沿って送水路22内を通過する。第1のリブにより、多数の洗浄吐出口20に対し同程度の水量および圧力で水が供給される。よって、ムラのない均一な流量で水が吐出される。
【0067】
導通吐出部21は、第1のリブ23よりも上流側に設けられる。第1リブより上流側の送水路22に設けられた導通吐出口21aに、洗浄吐出口20よりも先に水が供給されやすくなる。よって、給水路での漏電の可能性を低下させることができる。
【0068】
本実施の形態において、アース部13は、蒸発器5の高さよりも低い位置に設けられる。このような構成において、洗浄吐出口20と導通吐出口21aが同程度の高さ位置に設けられた場合、蒸発器5の導通の方がアース部13の導通よりも早くなる可能性がある。よって、導通吐出部21は、アース部13の設置高さと同等の位置から水を吐出できるように、下方に突出する筒状に形成される。導通吐出口21aは、アース部13の設置高さと略同じ高さから水を吐出するので、洗浄吐出口20から吐出される水が蒸発器5に到達してからアース部13に水が吐出されることを防ぐことができる。
【0069】
さらに、
図9に示すように、導通吐出口21aは、アース部13の近傍に配される。導通吐出口21aおよびアース部13の距離は、洗浄吐出口20および蒸発器5の距離よりも近い。これにより、アース部13への導通のほうが、蒸発器5との導通よりも早くになされる。よって、給水路での漏電の可能性を低下させることができる。なお、このときの距離とは、水の噴射方向に対する距離である。すなわち、洗浄吐出口20は、傾斜配置された吐出部15の底部に配される。このため斜め下方に水は吐出される。一方、導通吐出口21aは、導通吐出部21の下方側面に配される。よって、噴射方向は重力の影響はあるが、水平方向に吐出される。よって、本実施例における距離とは、
図8、9の距離d1、d2となる。
【0070】
送水路22の底部には、導通吐出部21の下流側近傍には、第1のリブ23に直角となる第2のリブ25が設けられる。第2のリブにより、送水路22に供給された水は第2のリブ25により堰き止められる。よって、第2のリブ25に衝突した水は、第2のリブ上流側に位置する導通吐出口21aへ導かれる。すなわち、導通吐出口21aへの水圧が高まり水が供給されやすくなる。
【0071】
本実施の形態では衣類乾燥機としたが、洗濯機能を具備し、洗濯と乾燥がおこなえる洗濯乾燥機とすることによっても同様の効果を得ることができる。
【0072】
なお、各実施の形態は、その一部を他の実施の形態と組み合わせて実施することができる。