(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6040439
(24)【登録日】2016年11月18日
(45)【発行日】2016年12月7日
(54)【発明の名称】アンチロックブレーキシステム
(51)【国際特許分類】
B60T 8/34 20060101AFI20161128BHJP
H02K 5/173 20060101ALI20161128BHJP
H02K 21/26 20060101ALI20161128BHJP
【FI】
B60T8/34
H02K5/173 Z
H02K21/26 M
【請求項の数】9
【外国語出願】
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2010-123486(P2010-123486)
(22)【出願日】2010年5月12日
(65)【公開番号】特開2010-264975(P2010-264975A)
(43)【公開日】2010年11月25日
【審査請求日】2013年5月10日
【審判番号】不服2015-5114(P2015-5114/J1)
【審判請求日】2015年3月17日
(31)【優先権主張番号】200910107312.1
(32)【優先日】2009年5月12日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】502458039
【氏名又は名称】ジョンソン エレクトリック ソシエテ アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100092093
【弁理士】
【氏名又は名称】辻居 幸一
(74)【代理人】
【識別番号】100082005
【弁理士】
【氏名又は名称】熊倉 禎男
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(72)【発明者】
【氏名】ルイ フェン キン
(72)【発明者】
【氏名】ティン チュアン シュー
(72)【発明者】
【氏名】フェイ リュー
【合議体】
【審判長】
森川 元嗣
【審判官】
中川 隆司
【審判官】
内田 博之
(56)【参考文献】
【文献】
特開2000−278908(JP,A)
【文献】
特開2009−60783(JP,A)
【文献】
特開2008−29076(JP,A)
【文献】
特開2005−184937(JP,A)
【文献】
特開2009−27829(JP,A)
【文献】
特開2001−310730(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60T8/34,H02K5/173,H02K21/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
モータ及びポンプを含むモータポンプアッセンブリと、車輪の回転を検出して回転信号を発生するための車輪センサと、回転信号に基づいてモータポンプアッセンブリを制御するための電気制御ユニットとを備え、
モータは、固定子、回転子、及び前記固定子の軸方向の端部に取り付けられたエンドキャップを備え、固定子は、閉じた軸方向の端部及び開いた軸方向の端部を有する筒状の形状のハウジングと、該ハウジングの内面に取り付けられた永久磁石により形成された6個の極とを含み、前記エンドキャップは、前記ハウジングの前記開いた軸方向の端部に挿入され、回転子は、前記ハウジングに収容され、回転子シャフトと、該回転子シャフトに固定され且つ9個の歯を有する回転子コアと、該回転子コアに隣接して回転子シャフトに固定された整流子と、歯の周りに巻かれ且つ整流子のセグメントに電気的に接続された巻線とを備え、前記ハウジングには、複数の突起部が前記内面の周囲に沿って形成され、前記突起部の各々は、隣接する前記永久磁石間に形成された間隙に対して軸方向に並んでおり、
前記巻線は、複数の集中巻コイル対で構成され、各コイルは、単一の対応する歯の周りに巻かれて、一対の隣接するセグメントに電気的に接続され、各コイル対は、同じ歯の周りに巻かれた2つのコイルより成り、各コイル対のリードは、2対の隣接するセグメントに電気的に接続され、
回転子シャフトの一端にベアリングが固定され、ポンプは、ベアリングに取り付けられた少なくとも1つのピストンを含み、そして回転子シャフトが回転するときベアリングによってピストンが駆動されるようにベアリングの機械的中心線が回転子シャフトの回転軸からオフセットされており、
各コイル対において、一方のコイルは隣接するセグメントの第1の対に電気的に接続され、他方のコイルは隣接するセグメントの第2の対に電気的に接続され、前記第1の隣接するセグメント及び第2の隣接するセグメントは、少なくもと1セグメントだけ離間されている、
ことを特徴とするアンチロックブレーキシステム。
【請求項2】
前記整流子は、18個のセグメントを備え、そして前記巻線は、9対の集中巻コイルで構成されている、
請求項1に記載のアンチロックブレーキシステム。
【請求項3】
前記整流子は、6個のイコライザを備え、各イコライザは、3つの等離間された整流子セグメントを電気的に一緒に接続する、請求項1又は2に記載のアンチロックブレーキシステム。
【請求項4】
アンチロックブレーキシステムのモータであって、このモータは、固定子と、該固定子に回転可能に装着された回転子と、前記固定子の軸方向の端部に取り付けられたエンドキャップとを備え、固定子は、閉じた軸方向の端部及び開いた軸方向の端部を有する円筒状の形状のハウジングと、該ハウジングの内面に固定された永久磁石とを備え、前記エンドキャップは、前記ハウジングの前記開いた軸方向の端部に収容され、前記ハウジングは、複数の突起部を、前記ハウジングの前記開いた軸方向の端部に隣接して前記内面に有し、前記突起部の各々は、隣接する前記永久磁石間に形成された間隙に対して軸方向に並んでおり、回転子は、回転子シャフトと、該回転子シャフトの一端に固定されたベアリングとを備え、該ベアリングが回転子シャフトと共に回転するときにベアリングに取り付けられたポンプピストンがベアリングによって駆動されるようにベアリングの機械的中心線が回転子シャフトの回転軸からオフセットされているモータにおいて、前記固定子は、磁石により形成された6個の極を備え、前記回転子は、回転子シャフトに固定されて9個の歯を有する回転子コアを備え、該回転子コアに隣接して回転子シャフトに整流子が固定され、そして巻線が歯の周りに巻かれて整流子のセグメントに電気的に接続され、
前記巻線は、複数の集中巻コイル対で構成され、各コイルは、単一の対応する歯の周りに巻かれて、一対の隣接するセグメントに電気的に接続され、各コイル対は、同じ歯の周りに巻かれた2つのコイルより成り、各コイル対のリードは、2対の隣接するセグメントに電気的に接続されており、
各コイル対において、一方のコイルは隣接するセグメントの第1の対に電気的に接続され、他方のコイルは隣接するセグメントの第2の対に電気的に接続され、前記第1の隣接するセグメント及び第2の隣接するセグメントは、少なくもと1セグメントだけ離間されている、
ことを特徴とするモータ。
【請求項5】
前記ベアリングは、偏心ベアリングであり、そして前記回転子シャフトは、同心シャフトである、請求項4に記載のモータ。
【請求項6】
前記ベアリングは、同心ベアリングであり、そして前記回転子シャフトは、同心ベアリングの座部を形成する偏心部分を含んでいる、請求項4に記載のモータ。
【請求項7】
前記整流子は、18個のセグメントを備え、前記巻線は、9対の集中巻コイルで構成されている、請求項4に記載のモータ。
【請求項8】
各コイル対において、一方のコイルは、時計方向に巻かれ、そして他方のコイルは、反時計方向に巻かれている、請求項7に記載のモータ。
【請求項9】
前記回転子は、6個のイコライザを備え、各イコライザは、3つの等離間された整流子セグメントを電気的に一緒に接続する、請求項4から8のいずれかに記載のモータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、乗物のアンチロックブレーキシステム及びアンチロックブレーキシステムに使用するための電気モータに係る。
【背景技術】
【0002】
アンチロックブレーキシステム(以下、ABSという)は、乗物の重要な部品の1つである。
図5は、液圧アンチロックブレーキシステムを示している。アンチロックブレーキシステムは、多数の車輪10と、複数の車輪センサ20と、電気制御ユニット(ECU)30と、モータポンプアッセンブリ40と、液圧システム50とを備えている。液圧システムは、車輪のブレーキを制御するのに使用される。車輪センサ20は、車輪の回転を検出する。ECU30は、車輪センサ20により与えられる検出結果に基づいて制御信号を発生する。制御信号は、スキッド状態が決定されたときに車輪をアンロックするようにモータポンプアッセンブリ40及び液圧システム50のバルブを制御するのに使用される。
【0003】
モータポンプアッセンブリ40は、モータ及びポンプを備えている。モータは、回転可能な出力シャフトを含む。出力シャフトの一端にはベアリングが固定される。出力シャフトの回転軸は、ベアリングの機械的な中心線からオフセットしている。例えば、出力シャフトは、同心シャフトであり、そしてベアリングは、偏心ベアリングである。ポンプは、2つのピストンを備えている。各ピストンは、実質的に半径方向においてベアリングに取り付けられる。2つのピストンは、ベアリングが出力シャフトと共に回転するときにベアリングによって駆動される。アンチロックブレーキシステムには、永久磁石直流(以下、PMDCという)モータが広く使用されている。慣習的なPMDCモータは、4つの固定子極(以下、極という)を有する固定子と、13個の回転子極又は歯(以下、スロットという)をもつ回転子コアを有する回転子とを備えている。回転子の巻線は、複数のコイルで構成される。各コイルは、4つの歯のうちの3つの周りに巻かれる(コイルピッチは、3又は4に等しい)。コイルは、回転子コアの軸方向両端において重畳し、軸方向長さの大きなモータとなる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
軸方向長さが短いが実質的に同等の性能をもつモータを開発することが要望される。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の1つの態様によれば、アンチロックブレーキシステムが提供される。このアンチロックブレーキシステムは、モータ及びポンプを含むモータポンプアッセンブリと、車輪の回転を検出して回転信号を発生するための車輪センサと、回転信号に基づいてモータポンプアッセンブリを制御するための電気制御ユニットとを備え、モータは、固定子及び回転子を備え、固定子は、永久磁石により形成された6個の極を含み、回転子は、回転子シャフトと、回転子シャフトに固定され且つ9個の歯を有する回転子コアと、回転子コアに隣接して回転子シャフトに固定された整流子と、歯の周りに巻かれ且つ整流子セグメントに電気的に接続された巻線とを備え、更に、回転子シャフトの一端にベアリングが固定され、ポンプは、ベアリングに取り付けられた少なくとも1つのピストンを含み、そして回転子シャフトが回転するときベアリングによってピストンが駆動されるようにベアリングの機械的中心線が回転子シャフトの回転軸からオフセットされている。
【0006】
好ましくは、巻線は、複数の集中巻コイルで構成され、各コイルは、単一の対応する歯の周りに巻かれて、一対の対応するセグメントに電気的に接続される。
【0007】
好ましくは、整流子は、18個のセグメントを備え、そして巻線は、9対の集中巻コイルで構成され、各コイル対は、同じ歯の周りに巻かれた2つのコイルより成り、各コイル対のリードは、4つの対応するセグメントに電気的に接続される。
【0008】
好ましくは、整流子は、6個のイコライザを備え、各イコライザは、3つの等離間された整流子セグメントを電気的に一緒に接続する。
【0009】
本発明の別の態様によれば、アンチロックブレーキシステムのポンプを駆動するのに使用されるモータが提供される。このモータは、固定子と、固定子に回転可能に装着された回転子とを備え、固定子は、ハウジングと、ハウジングの内面に固定された永久磁石とを備え、回転子は、回転子シャフトと、回転子シャフトの一端に固定されたベアリングとを備え、回転子シャフトが回転するときベアリングに取り付けられたポンプピストンがベアリングにより駆動されるようにベアリングの機械的中心線が回転子シャフトの回転軸からオフセットされ、更に、固定子は、磁石により形成された6個の固定子極を備え、回転子は、回転子シャフトに固定されて9個の歯を有する回転子コアを備え、回転子コアに隣接して回転子シャフトに整流子が固定され、そして巻線が歯の周りに巻かれて整流子のセグメントに電気的に接続される。
【0010】
好ましくは、ベアリングは、偏心ベアリングであり、そして回転子シャフトは、同心シャフトである。
【0011】
或いは又、ベアリングは、同心ベアリングであり、そして回転子シャフトは、同心ベアリングの座部を形成する偏心部分を含む。
【0012】
好ましくは、整流子は、複数のセグメントを備え、巻線は、複数の集中巻コイルで構成され、各コイルは、各歯の周りに巻かれて、一対のセグメントに電気的に接続される。
【0013】
好ましくは、整流子は、18個のセグメントを備え、巻線は、9対の集中巻コイルで構成され、各コイル対は、同じ歯の周りに巻かれた2つのコイルより成り、各コイル対のリードは、4つの対応するセグメントに電気的に接続される。
【0014】
好ましくは、各コイル対において、一方のコイルは、時計方向に巻かれ、そして他方のコイルは、反時計方向に巻かれる。
【0015】
好ましくは、回転子は、6個のイコライザを備え、各イコライザは、3つの等離間された整流子セグメントを電気的に一緒に接続する。
【発明の効果】
【0016】
4個の固定子極及び13個の回転子歯をもつ慣習的なモータと比較して、6個の固定子極及び9個の回転子歯を含む本発明の好ましい実施形態によるモータは、より高い電力密度及びよりコンパクトな構造を有する。
【0017】
以下、添付図面を参照し、本発明の好ましい実施形態を一例として説明する。2つ以上の図に現れる同じ構造物、要素又は部品は、一般的に、それらが現れる全ての図において同じ参照番号で示す。図示されたコンポーネント及び特徴部の寸法は、一般的に、表現の便宜上及び明瞭化のために選択されたものであって、必ずしも正しいスケールで示されていない。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の一実施形態によるアンチロックブレーキシステムのPMDCモータの分解図である。
【
図4】
図1のモータの巻線配置を示す巻線図である。
【
図5】液圧アンチロックブレーキシステムの要素を示す。
【
図6】モータの出力シャフトとポンプのピストンとの間の好ましい偏心接続を示す。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の1つの好ましい実施形態によるアンチロックブレーキシステムは、添付図面の
図5を参照して説明する。アンチロックブレーキシステムは、車輪センサ20と、ECU30と、モータポンプアッセンブリ40と、液圧システム50とを備えている。車輪センサ20は、乗物の車輪10の回転を検出し、回転信号(検出結果)をECU30へ送信する。ECU30は、回転信号に基づいて制御信号を発生する。モータポンプアッセンブリ40及び液圧システム50は、制御信号に基づいて制御される。より詳細には、モータポンプアッセンブリのモータ、及び液圧システムのバルブが、制御信号に基づいて制御される。特に、スキッド状態が生じたことを車輪センサが検出すると、モータが作動されてポンプを駆動し、液圧システムにパルス作用を生じさせて、車輪が路面をつかむ力を回復できるようにする。
【0020】
モータポンプアッセンブリ40は、モータ及びポンプを備えている。モータは、回転子シャフトのような回転可能な出力シャフトを備えている。出力シャフトの一端にベアリングが固定される。ベアリングの機械的な中心線は、出力シャフトの回転軸からオフセットしている。ポンプは、実質的に半径方向においてベアリングに取り付けられた2つのピストンを備えている。2つのピストンは、ベアリングが出力シャフトと共に回転するときにベアリングによって駆動される。ピストンは、ベアリングの偏心運動により駆動される。
【0021】
図1から3に示すように、本発明の好ましい実施形態によるモータは、固定子及び回転子を備えている。固定子は、ハウジング68と、ハウジングの内面に固定された永久磁石67と、ハウジングに固定されたエンドキャップ61とを備えている。6個の磁石があって、3つの北極(以下、N極という)及び3つの南極(以下、S極という)を含む6個の固定子極(P1−P6)を形成している。N極及びS極は、ハウジングの内面に周囲方向に交互に配列される。回転子は、回転子シャフト63と、この回転子シャフトに固定された回転子コア65と、回転子コアに隣接してシャフトに固定された整流子64と、回転子コア65の9個の歯(T1−T9)の周りに巻かれて整流子のセグメントに電気的に接続された巻線と、を備えている。回転子は、固定子の各端に配置された2つのベアリング62及び66により回転子シャフト63が回転可能に支持されるようにして、固定子に回転可能に装着される。隣接する歯の間に巻線スロットが形成される。巻線は、複数の集中巻コイルで構成され、各コイルは、単一の歯の周りに巻かれて、一対の整流子セグメントに電気的に接続される。集中巻の巻線を使用することで、コイルは、回転子コアの軸方向端において互いに重畳しない。それ故、回転子の軸方向長さが減少される。
【0022】
好ましい実施形態では、回転子シャフト63は、モータの出力シャフトであり、そして出力シャフトは、同心シャフトである。出力シャフト63には、
図6に示すように、偏心ベアリング71が固定される。偏心ベアリングの機械的な中心線72は、出力シャフト63の回転軸70からオフセットしている。ポンプは、偏心ベアリングに半径方向に各々取り付けられた2つのピストン74を備えている。回転子シャフト63が回転すると、回転運動が、偏心ベアリング71によりピストンの直線往復運動へと変換される。
図7に示す別の実施形態では、回転シャフト63が偏心部分83を有し、そこにベアリング81が固定される。このケースでは、ベアリング81は、同心ベアリングであり、そして偏心部分83によりシャフトの回転運動がピストン74に往復運動を誘起するようにさせる。
【0023】
図4は、回転子がどのように巻かれるかを示す巻線図である。
図4から、整流子64が18個のセグメントS1〜S18を含むことが明らかである。セグメントの数は、歯の数の2倍である。18個のセグメントは、整流子の周囲方向に沿って配列される。巻線は、9対のコイルで構成される。各コイル対は、同じ歯の周りに巻かれた2つの集中巻コイルより成る。各コイル対の端子又はリードは、4つの整流子セグメントに電気的に接続される。好ましくは、4つのセグメントは、1つづつ配列される。好ましくは、4つのセグメントは、コイル対のリードを短く保つために、対応する歯の付近に配置される。好ましい実施形態では、各コイル対において、一方のコイルは時計方向に巻かれ、他方のコイルは反時計方向に巻かれる。
【0024】
図4において、ブロックT1〜T9は、9個の歯を表し、ブロックS1〜S18は、18個のセグメントを表し、そして線E1〜E6は、6個のイコライザを表す。各イコライザは、3つの等離間された整流子セグメントを電気的に一緒に接続し、これにより、モータが、3対のブラシをもつ6極モータとして動作できるようにするが、実際には、一対のブラシしか有していない。各コイルは、単一の歯の周りに巻かれ、そして2つの整流子セグメントに電気的に接続された2本のリードを有する。18個の集中巻コイルは、9対のコイルとして配置される。各対のコイルは、1つの対応する歯の周りに巻かれる。各対のコイルは、それに対応する歯の付近に位置する4つのセグメントに接続される。
【0025】
上述したように、固定子は、3つのN極及び3つのS極を含む。それ故、いつでも、同じ極位置に3つのセグメントが配置される。例えば、セグメントS1、S7及びS13がN極のような同じ極位置に配置される。イコライザの使用により、同じ極位置に配置される各3つのセグメントは、電気的に一緒に接続される。巻線に電流を供給するのに一対のブラシしか必要とされない。6つの極及び6つのブラシを含む慣習的なモータに比して、好ましい実施形態によるモータは、よりコンパクトで、より安価である。
【0026】
本発明の説明及び特許請求の範囲において、動詞「備える(comprise)」、「含む(include)」、「収容する(contain)」及び「有する(have)」並びにその変化は、各々、ここに述べたアイテムの存在を特定するために包括的な意味で使用され、付加的なアイテムの存在を除外するものではない。
【0027】
本発明は、1つ以上の好ましい実施形態を参照して説明したが、当業者であれば、種々の変更がなされ得ることが明らかであろう。それ故、本発明の範囲は、特許請求の範囲によって決定されるものとする。
【符号の説明】
【0028】
10:車輪
20:車輪センサ
30:電気制御ユニット(ECU)
40:モータポンプアッセンブリ
50:液圧システム
61:エンドキャップ
62、66:ベアリング
63:回転子シャフト
64:整流子
65:回転子コア
67:永久磁石
68:ハウジング
70:回転軸
71:偏心ベアリング
72:中心線
74:ピストン
81:ベアリング
83:偏心部分
T1〜T9:歯
S1〜S18:整流子セグメント
E1〜E6:イコライザ