(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
複数個のリールと、各リールの駆動源であるリール毎のモータと、全てのモータを始動させるための始動レバースイッチと、各モータを個々に停止させるためのリール毎の停止釦スイッチと、モータ始動時における各停止釦スイッチによる停止操作が無効となる無効期間を設定するとともに無効期間が経過したとき各停止釦スイッチによる停止操作が有効となる有効期間へ移行させる制御装置とを備えるスロットマシンにおいて、
前記制御装置は、前記無効期間中に停止釦スイッチによる停止操作が行われたとき、その無効期間経過直後の有効期間中に行われる停止釦スイッチによる停止操作を強制的に無効とするための強制無効の状態に設定し、前記有効期間中の停止釦スイッチによる停止操作の回数が設定値に達したとき、前記強制無効の状態を解除することを特徴とするスロットマシン。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
特許文献2に記載のスロットマシンでは、タイマーの設定時間が1秒程度に設定されるが、複数個の停止釦スイッチを順次押操作するテンポは遊技者毎に異なっており、テンポの遅い遊技者の場合、前記タイマーの設定時間の経過後に2番目の停止釦スイッチの操作が行われるおそれがあり、却って停止釦スイッチの操作ミスを誘発する結果となる。しかし、それを防止するために、タイマーの設定時間を1秒を超える長い時間に設定すると、テンポよくゲームを進行させるのが困難となる。
【0012】
この発明は、上記した問題に着目してなされたもので、リール始動後の停止操作が無効期間中に行われたとき、その無効期間経過直後の有効期間中に行われる停止操作を強制的に無効とするための強制無効の状態に設定するとともに、遊技者の操作によって前記強制無効の状態を解除できる構成とすることにより、適正な押し順による停止操作にもかかわらず押し順ミスがあったと誤判断されるのを防止したスロットマシンを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
この発明によるスロットマシンは、複数個のリールと、各リールの駆動源であるリール毎のモータと、全てのモータを始動させるための始動レバースイッチと、各モータを個々に停止させるためのリール毎の停止釦スイッチと、モータ始動時における各停止釦スイッチによる停止操作が無効となる無効期間を設定するとともに無効期間が経過したとき各停止釦スイッチによる停止操作が有効となる有効期間へ移行させる制御装置とを備えたものである。前記制御装置は、前記無効期間中に停止釦スイッチによる停止操作が行われたとき、その無効期間経過直後の有効期間中に行われる停止釦スイッチによる停止操作を強制的に無効とするための強制無効の状態に設定し、前記
有効期間中の停止釦スイッチによる停止操作の回数が設定値に達したとき、前記強制無効の状態を解除することを特徴としている。
【0014】
この発明の上記した構成において、制御装置はプログラムされたコンピュータにより実現されるが、これに限らず、専用のハードウェア回路により実現することも可能である。
【0015】
上記した構成のスロットマシンにおいて、遊技者により始動レバースイッチが操作されると、全てのモータが駆動を開始して各リールがモータ軸と一体に回転する。リールが一定の回転速度に達するまでの無効期間中に停止釦スイッチによる停止操作があったとき、その停止操作は無効になり、対応するリールは回転を停止しない。
停止釦スイッチの押し順が定められている場合において、遊技者が正しい押し順で停止釦スイッチを押操作したものの、1番目の停止釦スイッチが無効期間中に押操作され、2番目の停止釦スイッチが有効期間へ移行した後に押操作されたと仮定すると、1番目の停止釦スイッチによる停止操作は無効期間中であるので無効であり、2番目の停止釦スイッチによる停止操作も無効期間中に
前記1番目の停止操作があったことで強制的に無効とされるので、2番目の停止釦スイッチによる停止操作が1番目の停止操作であると誤認識されることがない。
ここで、前記設定値が「1」であるとした場合、上記有効期間中の停止釦スイッチによる停止操作の回数は1回であり、設定値の「1」に達しているから、有効期間中に行われた2番目の停止操作によって前記強制無効の状態が解除されている。そこで、この段階で遊技者が次に正しい押し順で停止釦スイッチを順次押操作すれば、いずれの停止操作も有効となり、押し順どおりに対応するリールが順次停止することになる(後述する図4参照)。これにより、押し順ミスとしてペナルティが課されたり、小役をとりこぼしたりすることがない。
【0018】
上記のスロットマシンにおいて、前記有効期間中の停止釦スイッチによる停止操作回数の設定値を「2」に設定するとともに、有効期間中に3番目の停止釦スイッチも押操作されたと仮定すると、1番目の停止釦スイッチによる停止操作は無効期間中の操作のため無効であり、2番目、3番目の各停止釦スイッチによる停止操作も無効期間中に停止操作があったこと、および前記停止操作回数の設定値「2」の範囲内であることから、強制的に無効とされるので、2番目、3番目の各停止釦スイッチによる停止操作が、1番目、2番目の停止操作であると誤認識されることがない。
すなわち、前記設定値を「2」とした場合、上記有効期間中の停止釦スイッチによる停止操作の回数は2回であり、設定値の「2」に達しているから、有効期間中に行われた3番目の停止操作によって前記強制無効の状態が解除されている。そこで、遊技者が次に正しい押し順で停止釦スイッチを順次押操作すれば、いずれの停止操作も有効となり、押し順どおりに対応するリールが順次停止することになる(後述する
図6参照)。
【0019】
上記したスロットマシンの一実施態様においては、前記制御装置は、前記有効期間中の停止釦スイッチによる停止操作の回数が設定値に達する前に、前記無効期間中に停止操作された停止釦スイッチと同じ停止釦スイッチによる停止操作が有効期間中に行われたとき、前記強制無効の状態を解除するものである。
【0020】
この実施態様において、遊技者は正しい押し順で停止釦スイッチを押操作したものの、1番目の停止釦スイッチが無効期間中に押操作され、この段階でその停止操作が無効期間中であったことに気付き、有効期間へ移行した後に同じ停止釦スイッチを再度押操作したと仮定すると、1番目の停止釦スイッチによる停止操作は無効期間中であるので無効であり、この停止操作が1番目の停止操作であると認識されることがない。
ここで、前記設定値が「2」であるとした場合、上記有効期間中の停止釦スイッチによる停止操作の回数は1回であるので、設定値の「2」に達していないが、無効期間中に停止操作された停止釦スイッチと同じ停止釦スイッチによる再度の停止操作が有効期間中に行われたことで、前記強制無効の状態が解除されることになる。そこで、遊技者は続けて正しい押し順で停止釦スイッチを順次押操作すれば、いずれの停止操作も有効となり、押し順どおりに対応するリールが順次停止する。
【0021】
他の実施態様においては、前記制御装置は、前記有効期間中の停止釦スイッチによる停止操作の回数が設定値に達する前に、前記無効期間中の最初の停止釦スイッチによる停止操作以降にその停止釦スイッチと同じ停止釦スイッチによる停止操作が行われたとき、前記強制無効の状態を解除するものである。
【0022】
この実施態様において、遊技者は正しい押し順で停止釦スイッチを押操作したものの、1番目、2番目の各停止釦スイッチが無効期間中に順次押操作され、この段階でそれらの停止操作が無効期間中であったことに気付き、例えば有効期間へ移行した後に1番目の停止操作と同じ停止釦スイッチによる再度の停止操作を行なったと仮定すると、1番目、2番目の各停止釦スイッチによる停止操作は無効期間中であるので無効であり、1番目、2番目の各停止釦スイッチによる各停止操作が1番目、2番目の停止操作であると認識されることはない。
ここで、前記設定値が「2」であるとした場合、上記有効期間中の停止釦スイッチによる停止操作の回数は1回であるので、設定値の「2」に達していないが、無効期間中に最初に停止操作された停止釦スイッチと同じ停止釦スイッチによる再度の停止操作が行われたことで、前記強制無効の状態が解除されることになる。そこで、遊技者は続けて正しい押し順で停止釦スイッチを順次押操作すれば、いずれの停止操作も有効となり、押し順どおりに対応するリールが順次停止する。
【0023】
さらに他の実施態様においては、前記制御装置は、前記有効期間中の停止釦スイッチによる停止操作の回数が設定値に達する前に、停止釦スイッチ以外の特定のスイッチが操作されたとき、前記強制無効の状態を解除するものである。
【0024】
この実施態様において、遊技者は正しい押し順で停止釦スイッチを押操作したものの、1番目の停止釦スイッチが無効期間中に押操作され、2番目の停止釦スイッチが有効期間に移行した後に押操作され、この段階で1番目の停止操作が無効期間中であったことに気付き、特定のスイッチを押操作したと仮定すると、1番目の停止釦スイッチによる停止操作は無効期間中であるので無効であり、2番目の停止釦スイッチによる停止操作も無効期間中に無効操作があったことで強制的に無効とされるので、2番目の停止釦スイッチによる停止操作が1番目の停止操作であると誤認識されることがない。
ここで、前記設定値が「2」であるとした場合、上記有効期間中の停止釦スイッチによる停止操作の回数は1回であり、設定値の「2」に達していないが、特定のスイッチが操作されたことで、前記強制無効の状態が解除されることになる。そこで、遊技者は次に正しい押し順で停止釦スイッチを順次押操作すれば、いずれの停止操作も有効となり、押し順どおりに対応するリールが順次停止する。
【0036】
この発明による好ましいスロットマシンは、上記した構成に加えて、前記制御装置により警報動作が制御される報知装置をさらに備えている。前記制御装置は、前記無効期間中に停止釦スイッチにより停止操作が行われたときに前記報知装置を動作させるとともに、その停止釦スイッチによる停止操作が有効となったとき前記報知装置の動作を停止させることを特徴としている。
【0037】
上記の構成において、報知装置としてランプやLEDなどの視覚に訴える手段やブザーなどの聴覚に訴える手段などが用いられるが、例えば、停止釦スイッチとして背照式のものを用いた場合、無効期間中に停止釦スイッチにより停止操作が行われたときにスイッチ内部のランプやLEDが点滅などの警報動作を行い、その停止釦スイッチによる停止操作が有効となったとき前記の警報動作が停止する。
上記の警報動作により、遊技者は停止操作が無効期間中であったことを即座に知ることができ、また、警報動作の停止により、停止釦スイッチによる停止操作が有効になったことを知ることができる。
【発明の効果】
【0038】
この発明によると、リール始動後の停止操作が無効期間中に行われたとき、その無効期間経過直後の有効期間中に行われる停止操作を強制的に無効とするための強制無効の状態に設定するので、適正な押し順による停止操作にもかかわらず押し順ミスがあったものと誤認識されるのが防止できる。そのうえ、遊技者の意思で強制無効の状態を解除できるので、遊技の公正を害したり、遊技の緊張感や興趣が損なわれたりすることがなく、遊技者は自己のペースでテンポよくゲームを進行させることができる。
【発明を実施するための形態】
【0040】
図1は、この発明の一実施例であるスロットマシン1の外観を示している。図示のスロットマシンは、筐体2の開放された前面に前面扉3が開閉可能に取り付けられたものである。筐体2の内部には、図示していないが、リールユニット、電源ユニット、メダル払出機、制御基板などが組み込まれている。前面扉3の中央には正面パネル4が設けられ、正面パネル4の上方に液晶表示器5およびその両側に一対の上部スピーカー6A,6Bが設けられている。液晶表示器5には遊技の進行に応じて演出のための各種の画像(動画像や静止画像)などが表示され、その画像演出と同調して上部スピーカー6A,6Bより各種の効果音による音響演出が行われるようになっている。
【0041】
正面パネル4の高さ中央部には、矩形状の透明な窓部7が設けられている。筐体2の内部の窓部7の背後にはリールユニットが組み込まれ、窓部7を通してリールユニットを構成する3個のリール9a,9b,9cの外周面が視認可能になっている。各リール9a,9b,9cの外周面には、特別の役、小役、再遊技役などの各種の役を成立させる複数種の図柄が一定間隔で表されている。各リール9a,9b,9cは、リールユニットと一体に組み付けられたモータ8a,8b,8c(
図3に示す)によって個別に駆動され、各リール9a,9b,9cの停止時には、窓部7内にリール毎にそれぞれ3駒分の図柄が現れる。上記のリール駆動用のモータ8a,8b,8cとしてステッピングモータが用いられている。
【0042】
窓部7には、
図2に示すように、3本の水平な入賞ラインL1〜L3と右下がりおよび左下がりの2本の斜めの入賞ラインL4,L5とが表されている。リール9a〜9cの停止時、これらの入賞ラインL1〜L5に沿って各リール9a,9b,9cの外周面の3駒分の図柄(図中、点線で示す)が水平方向および斜め方向に整列する。
【0043】
図1に戻って、正面パネル4の下方には、遊技者によって操作される遊技操作部10が設けられ、遊技操作部10の下方に意匠パネル13が配備されている。意匠パネル13はその内側に配置された照明装置が点灯したとき明るく光るようになっている。意匠パネル13の下方にはメダル払出口14やメダル受け皿15が設けられている。遊技操作部10に設けられたメダル投入口19から投入されるメダルは、前面扉3の内側に設けられたメダル通路(図示せず)を通ってメダル払出機20のホッパー内に取り込まれ、メダル払出機20から放出されるメダルは、図示しないメダル払出通路を介してメダル払出口14に運ばれてメダル受け皿15へ放出される。
【0044】
前記遊技操作部10は斜め上方を向く操作面11と前方を向く操作面12とを有している。斜め上方を向く操作面11には1遊技に供するメダル枚数を設定するための2種類のベットスイッチ16,17、メダル枚数に関する表示を行う数字表示器18、メダルを投入するためのメダル投入口19が配備されている。一方のベットスイッチ16は1遊技に賭けるメダル枚数を1枚ずつ加算して設定するのに押操作される。他方のベットスイッチ17は1遊技に賭けるメダル枚数として最大数(例えば3枚)を設定するのに押操作される。数字表示器18には、払い出されるメダル枚数、機械に貯留されたメダル枚数(以下「クレジット枚数」という。)などが表示される。
【0045】
ここで、「クレジット枚数」とは、遊技の実行に先立ち、メダル投入口19より投入して機械に貯留されたメダル、すなわち、電気的に記憶されたメダルの枚数のことであり、この貯留されたメダルを使って遊技の実行が可能となっている。また、遊技の結果、役が成立したとき、役に応じた配当のメダルが払い出されるが、そのメダルは、クレジット枚数が上限値(例えば50枚)以下であれば、メダル受け皿15へ放出されずにクレジット枚数に加算される。なお、クレジット枚数が50枚に達すると、残りのメダルはメダル受け皿15へ放出される。
【0046】
前記の一方のベットスイッチ16が押されると、クレジット枚数から1枚づつ引き落とされる。他方のベットスイッチ17が押されると、クレジット枚数から3枚が一度に引き落とされる。この場合、クレジット枚数が「2」であれば2枚が、「1」しかなければ1枚が、それぞれ引き落とされる。1遊技に賭けられるメダル枚数が1枚であれば中央の1本の入賞ラインL1が、2枚であれば上中下の3本の入賞ラインL1〜L3が、3枚であれば5本全ての入賞ラインL1〜L5が、それぞれ有効化される。
【0047】
遊技操作部10の前向きの操作面12には、各リール9a,9b,9cを一斉に回転させるための始動レバースイッチ21、各リール9a,9b,9cを個別に停止させるための停止釦スイッチ22a,22b,22c、および精算スイッチ23が配備されている。精算スイッチ23はクレジット枚数の精算を指示するためのもので、遊技者により精算スイッチ23が操作されると、数字表示器18に表示されたクレジット枚数のメダルがメダル受け皿15へ放出される。
【0048】
各停止釦スイッチ22a〜22cによる停止操作は、各リール9a〜9cを駆動するモータ8a〜8cが所定の回転速度に達するまでは受け付けられない。この実施例では、全てのリール9a〜9cが所定の回転速度に達するのに十分な時間が経過するまでの期間を停止釦スイッチ22a〜22cによる停止操作が無効となる無効期間に設定しており、この無効期間中になされた停止操作は無効とされ、リール9a〜9cは停止しない。なお、この無効期間中の停止操作を以下「フライング操作」と表記する。無効期間が過ぎると、各停止釦スイッチ22a〜22cによる停止操作が有効となる有効期間へ移行し、停止操作によって対応するリールが停止する。
この実施例では、全てのモータ8a〜8cが回転を開始した後の経過時間をタイマーで計測し、タイマーが設定された時間を計測してタイムアップするまでの期間を無効期間としているが、このような方式に限らず、各リール9a〜9cの周辺に配置した回転検出器が各リール9a〜9cの回転角度の基準位置(イニシャル)を検出し、かつ各モータ8a〜8cの加速制御期間が過ぎるまでの期間を無効期間とすることもできる。
【0049】
各停止釦スイッチ22a〜22cとして背照式の押釦スイッチが用いられ、詳細は後述するが、遊技者が停止釦スイッチ22a〜22cのいずれかにより前記フライング操作を行ったとき、内部のランプまたはLEDが点滅動作を開始して警報し、そのフライング操作を行った停止釦スイッチが有効となったとき点滅動作が停止するように構成してある。なお、各停止釦スイッチ22a〜22cの背後にバイブレータを組み込むこともでき、フライング操作に対してバイブレータを作動させて遊技者に警告するようにしてもよい。
【0050】
ベットスイッチ16,17の操作によりメダルが賭けられた後、始動レバースイッチ21が操作されると、機械内部で複数種の役を対象とした抽選処理(内部抽選)が実行される。この内部抽選の結果、特別の役、小役、再遊技役などに当選すると、後述する主制御装置30内で該当する当選フラグが設定される。当選フラグが設定されると、停止釦スイッチ22a,22b,22cによる停止操作に対して、該当する図柄を有効化された入賞ライン上に引き込んでリールを停止させる制御、いわゆる引き込み制御が実行される。
【0051】
図示例のスロットマシンは、「押し順ナビ」の機能を搭載しており、遊技者に押し順を知らせる遊技モード、すなわち、ATモードが設けられている。内部抽選処理ではこのATモードへ移行するかどうかの抽選が実行され、その抽選に当選すると、一定期間(所定の遊技回数)、前記液晶表示器5にどの順番で停止釦スイッチ22a〜22cを押操作するかの押し順が表示され、その表示された押し順どおりに停止釦スイッチ22a〜22cが押操作されると、所定の小役が成立する。もし、遊技者が表示された押し順どおりに停止釦スイッチ22a〜22cを押操作しなければ、小役を取りこぼすことになる。
【0052】
例えば、液晶表示器5に左側のリール9aから右側のリール9cに向かう押し順、すなわち、「順押し」が示されたとき、リール9a〜9cの始動後、無効期間から有効期間へ移行した後に、まず、左側のリール9aを停止させるための停止釦スイッチ22aを押し、次に中央のリール9bを停止させるための停止釦スイッチ22bを押し、最後に右側のリール9cを停止させるための停止釦スイッチ22cを押すと、入賞ライン上に所定の小役が成立するような引き込み制御が実行される。一方、停止操作が上記の順押しでなければ、そのような引き込み制御が実行されず、小役は成立しない。
【0053】
液晶表示器5に「順押し」が表示された場合において、左側のリール9aを停止させるための停止釦スイッチ22aが無効期間中に押操作されると、すなわち、停止釦スイッチ22aによるフライング操作があると、その停止操作は無効となり、フライング操作に対してリール9aは回転を停止しない。遊技者がフライング操作があったことに気付かず、さらに続けて、中央のリール9bを停止させるための停止釦スイッチ22bを無効期間経過後の有効期間に押操作すると、この停止操作が1番目の停止操作として認識されるため、「順押し」以外の押し順が実行されたことになる。
【0054】
この実施例のスロットマシンでは、無効期間中に停止釦スイッチ(例えば9a)による停止操作があったとき、その無効期間経過直後の有効期間中に行われる停止釦スイッチ(例えば9b)による停止操作を強制的に無効とするための強制無効の状態に設定するとともに、有効期間中に実行された停止操作の回数が設定値N(ただしN=1または2)に達したとき、前記強制無効の状態を解除するように
図3に示す主制御装置30により制御している。
この主制御装置30はゲームの進行にかかる主要な制御を実行するもので、
図3に示すように、表示用の副制御装置40および音声・電飾用の副制御装置50とともに制御装置を構成するものである。
【0055】
図4および
図5は、前記の設定値Nを「1」にしたときの停止操作に対するリールの停止制御の具体例を示している。同図中、a〜cは3個のリール9a〜9cの回転数の変化を示しており、全てのリール9a〜9cが所定の回転速度Vに達するのに十分な時間が経過するまでの期間が停止釦スイッチ22a〜22cによる停止操作が無効となる無効期間Aに設定されている。
【0056】
図4は、遊技者が無効期間Aが経過した後に押し順ナビに従って「順押し」すべきところ、誤って無効期間A中に左側のリール9aの停止釦スイッチ22aを押操作し、無効期間Aの経過後の有効期間に中央のリール9bの停止釦スイッチ22bを押操作し、この段階で1番目の停止操作が無効期間中であったことに気付いた場合を想定している。この場合、1番目の停止釦スイッチ22aによる停止操作は無効期間A中であるので無効であり、2番目の停止釦スイッチ22bによる停止操作も無効期間A中に停止操作があったことで強制的に無効とされるもので、対応する各リール9a,9bは停止しない。この時点で、有効期間中の停止釦スイッチによる停止操作の回数は1回であって設定値N(N=1)に一致するから、有効期間中の停止釦スイッチ22bによる停止操作によって前記強制無効の状態が解除される。そこで、遊技者は次に正しい押し順で停止釦スイッチ22a〜22cを順次押操作すれば、いずれの停止操作も有効となり、押し順どおりに対応するリール9a〜9cが順次停止する。なお、図中、「NO.1」「NO.2」「NO.3」は、1番目、2番目、3番目にそれぞれ停止操作されるべき停止釦スイッチ、すなわち、「順押し」においては左側、中央、右側の各停止釦スイッチ22a,22b,22cをそれぞれ示している。
【0057】
図5に示す具体例は、遊技者が無効期間A中から押し順操作ミスを回避するために左側のリール9aの停止釦スイッチ22aを繰り返し押操作した場合を想定している。図示例の場合、1番目、2番目の停止釦スイッチ22aによる停止操作は無効期間中であるのでいずれも無効であり、有効期間へ移行して行われた3番目の停止釦スイッチ22aによる停止操作も無効期間A中に前記1番目および2番目の停止操作があったことで強制的に無効とされるもので、対応する左側のリール9aは停止しない。この時点で、有効期間中の停止釦スイッチによる停止操作の回数は1回であって設定値N(N=1)に一致するから、有効期間中の最初の停止釦スイッチ22aによる停止操作によって前記強制無効の状態が解除される。そこで、遊技者は正しい押し順で停止釦スイッチ22a〜22cを順次押操作すれば、いずれの停止操作も有効となり、押し順どおりに対応するリール9a〜9cが順次停止する。
【0058】
図6は、前記設定値Nを「2」としたときのリールに停止制御の具体例を示している。
図示例では、無効期間A中に左側のリール9aの停止釦スイッチ22aが押操作され、有効期間に入って中央のリール9bの停止釦スイッチ22bと右側のリール9cの停止釦スイッチ22cが順に押操作され、この段階で1番目の停止操作が無効期間中であったと気付いた場合を想定している。この場合、1番目の停止釦スイッチ22aによる停止操作は無効期間中であるので無効であり、有効期間へ移行して行われた2番目、3番目の各停止釦スイッチ22b,22cによる停止操作も無効期間A中に前記1番目の停止操作があったことで強制的に無効とされるもので、対応するリール9a〜9cは停止しない。この時点で、有効期間中の停止釦スイッチ22b,22cによる停止操作の回数は2回であって設定値N(N=2)と一致するから、有効期間中の右側の停止釦スイッチ22cによる停止操作によって前記強制無効の状態が解除される。そこで、遊技者は次に正しい押し順で停止釦スイッチ22a〜22bを順次押操作すれば、いずれの停止操作も有効となり、押し順どおりに対応するリールが順次停止する。
【0059】
上記した構成および機能を有するスロットマシン1は、
図3に示される主制御装置30と表示用および音声・電飾用の各副制御装置40,50とにより動作が一連に制御されるもので、各副制御装置40,50は、中継基板60を介して接続された主制御装置30よりコマンドを受けて表示や音声などの出力を制御する。
【0060】
ここで、
図3に示した回路構成を説明すると、主制御装置30は、制御、演算の主体であるCPU31、プログラムやデータが記憶されるROM32およびRAM33を含むほか、抽選処理のための乱数発生器34を含むものである。ROM32には、スロットマシンの全体の流れを制御する制御プログラムや制御プログラムを実行するための各種のデータが記憶される。制御プログラムには、
図7に示すメインルーチンおよび
図8に示すようなサブルーチンの各処理を実行するためのプログラムが含まれる(詳細は後述)。RAM33は、内部抽選で役に当選したときの当選フラグ、ボーナスゲームやATモードなどの各種の遊技モードを記憶するための遊技モードフラグ、メダルの賭け数など、ゲームの進行に必要なデータの読み書きに用いられる。乱数発生器34は、CPU31が抽選処理を行う際にサンプリングする乱数を発生する。この抽選処理は始動レバースイッチ21が操作されたときに実行される。
【0061】
主制御装置30には、入出力ポート35を介して、始動レバースイッチ21、リール毎の停止釦スイッチ22a〜22c、ベットスイッチ16,17、精算スイッチ23の他、メダル投入口19へ投入されたメダルを検出するためのメダル検知センサ26などが接続されている。また、主制御装置30には、ドライバ回路36を介してリール毎のモータ8a,8b,8cを駆動するリール駆動回路27a〜27c、メダル払出機20、数字表示器18などが接続されている。
【0062】
各副制御装置40,50は、主制御装置30からコマンドを受けて各種の演出を行うもので、コマンドに応じて予め設定されたプログラムに従って制御動作を行うCPU41,51と、プログラムを記憶するROM42,52と、データを一時記憶するRAM43,53とをそれぞれ含んでいる。表示用の副制御装置40は、ドライバ回路44を介して液晶表示器5が接続され、液晶表示器5の表示動作を制御する。音声・電飾用の副制御装置50は、ドライバ回路45を介して上部スピーカー6A,6B,電飾用の演出ランプ24、リール照明用のバックライト光源25などが接続され、これらの動作を制御する。
【0063】
主制御装置30のCPU31は、ROM32に格納されたプログラムに従ってRAM33に対するデータの読み書きを行いつつ、入出力各部の動作を一連に制御するともに、制御プログラムを実行することにより得られる各種コマンドを各副制御装置40,50へ送信する。
【0064】
また、CPU31は、乱数発生器34が生成した乱数値をサンプリングして内部抽選を実行する。ROM32に格納された抽選用テーブルには、各種の役に対し、それぞれ所定の数値範囲が割り当てられており、CPU31は、始動レバースイッチ21からの始動操作信号を受け付けると、乱数発生器34が発生した乱数値をサンプリングし、その乱数値をROM32内の抽選用テーブルと照合して所定の数値範囲内にあるかどうかにより、当選の当否や当選した役の種別などを決定する。
【0065】
次に、
図7は、主制御装置30のCPU31により実行される制御プログラムのメインルーチンを示している。このメインルーチンは、遊技者による遊技の開始操作から各リール9a〜9cの停止に至るまでを1回とする遊技の制御処理を示す。なお、図中、「ST」は「STEP」(ステップ)の略であり、制御処理の流れにおける各手順を意味する。
【0066】
同図のST1では、CPU31は電源投入後のセルフチェックを行っており、RAM33に記憶される各種フラグや制御データの初期値を設定する。次にCPU31は、ST2でベットスイッチ16または17によるベット操作があったかどうかを、ST3でメダルの投入によるベット操作があったかどうかを、それぞれ判定する。ST2の判定が「YES」のときは、CPU31はベットされた枚数のメダルがクレジットされているかどうかを判定し(ST4)、RAM33に記憶されているクレジット枚数がベット数以上であれば、CPU31はクレジット枚数を減算してベット数をセットする(ST5,6)。クレジット枚数がベット数より小さければ、ST4の判定は「NO」であり、ST2,3の待機状態に戻る。ST2の判定が「NO」、ST3の判定が「YES」のときは、ST3からST6へ進み、CPU31は投入されたメダルに応じてベット数をセットする。次のST7では、CPU31は始動レバースイッチ21がオンになったかどうかを判定しており、「YES」の判定で、CPU31は役抽選処理サブルーチン(ST8)、リール変動・停止サブルーチン(ST9)、入賞判定サブルーチン(ST10)を順次実行する。そして、役が成立すれば、所定の枚数のメダルが払い出される(ST11)。
【0067】
図8は、上記のST9のリール変動・停止サブルーチンを示している。
同図のST1では、主制御装置30のCPU31は、
図7のST7で始動レバースイッチ21がオンしたときに1遊技毎の割当時間が経過しているかどうかを判定する。ST1の判定が「YES」であれば、CPU31は無効期間Aを設定するために内部のタイマーによる計時を開始させ、3個のリール9a〜9cを一斉に始動させる(ST2,3)。なお、ST1の判定が「NO」であるときは、割当時間の経過を待ってST2,3へ進む。
【0068】
次のST4,5では、CPU31は、無効期間A中にいずれかの停止釦スイッチによる停止操作があったかどうかを判定しており、もし、無効期間A中に停止操作が行われることなく前記のタイマーがタイムアップすると、ST4の判定が「NO」、ST5の判定が「YES」となり、無効期間Aから有効期間へと移行する。続くST6は、無効期間A中に停止操作があったかどうかを判定しており、この場合、その判定は「NO」であるから、全ての停止釦スイッチ22a〜22cの押操作が有効となる状態に設定され(ST7)、有効期間中の通常の停止処理へ移行する(ST8〜ST10)。なお、ST6は、後述する内部カウンタnに設定値Nがセットされているか否かによって判定される。
【0069】
停止釦スイッチ22a〜22cのいずれかが押操作されると、ST8の判定は「YES」となり、CPU31は、押操作された停止釦スイッチに対応するリールを停止させる(ST9)。停止操作が実行される度に、ST8の判定は「YES」となって対応するリールが停止する(ST9)。全てのリール9a〜9cが停止したとき、ST10の判定が「YES」となり、リール変動・停止サブルーチンが終了して
図7のメインルーチンへリターンする。
【0070】
ST8〜ST10の通常の停止処理において、もし、ATモードが設定されていれば、液晶表示器5に押し順が表示される。いま、表示された押し順が「順押し」であるとした場合、遊技者が左から右へ停止釦スイッチ22a,22b,22cを順に押操作し、左側、中央、右側の順にリール9a,9b,9cを停止させれば、CPU31は入賞ライン上に小役が成立するように各リールの停止を制御する。
【0071】
上記した遊技の流れにおいて、もし、無効期間A中にいずれかの停止釦スイッチによる停止操作(フライング操作)があったとき、ST4の判定が「YES」となり、その停止操作は無効であるとともに、CPU31は有効期間中の停止操作の回数を計数するための内部カウンタnに前記した設定値N(例えばN=1)をセットする(ST11)。フライング操作があると、無効期間Aが経過して有効期間へ移行したとき、ST6の判定が「YES」となり、有効期間中に行われる停止釦スイッチによる停止操作を強制的に無効とするための強制無効の状態となり、次の停止操作に待機する(ST12)。
【0072】
次の停止操作があると、ST12の判定が「YES」となり、その有効期間中の停止操作は強制的に無効とされるとともに、CPU31は内部カウンタnの値を1減算する(ST13)。続くST14では、CPU31は内部カウンタnの値が「0」になったかどうかを判定しており、前記のST11で設定値Nとして「1」が設定されていれば、ST14の「n=0?」の判定は「YES」となり、全ての停止釦スイッチ22a〜22cの操作が有効となる状態に設定される(ST7)。もし、設定値Nとして「2」が設定されていれば、ST14の判定は「NO」であり、3番目の停止操作があったときにST14の判定が「YES」になる。
【0073】
上記したフライング操作があった場合、すでに実行された停止操作は無効となっているので、ST7からST8〜ST10の通常の停止処理へ進んだ後、液晶表示器5に表示された押し順どおりに遊技者が停止操作を行うことにより、入賞ライン上に小役が成立するように各リールの停止が制御される。
【0074】
上記した実施例は、無効期間A中の停止操作によって有効期間中に行われる停止操作を強制的に無効とする状態を、有効期間中の停止操作の回数が設定値Nに達したときに解除する、という方式のものであるが、強制無効の状態を解除するのに、この実施例の解除方式に限らず、種々の解除方式を採用することが可能である。
【0075】
図9および
図10は、他の解除方式が採用された実施例の停止操作に対するリールの停止制御の具体例を示している。この実施例の解除方式は、無効期間A中に停止操作された停止釦スイッチと同じ停止釦スイッチによる停止操作が有効期間中に行われたとき、強制無効の状態を解除するように主制御装置30により制御するものである。
【0076】
図9は、遊技者が無効期間Aを経過した後に押し順ナビに従って「順押し」すべきところ、誤って無効期間A中に左側のリール9aの停止釦スイッチ22aを押操作し、無効期間Aの経過後の有効期間中に中央のリール9bの停止釦スイッチ22bを押操作し、この段階で1番目の停止操作が無効期間A中であったことに気付いた場合を想定している。この場合、1番目の停止釦スイッチ22aによる停止操作は無効期間A中であるので無効であり、2番目の停止釦スイッチ22bによる停止操作も無効期間A中に前記1番目の停止操作があったこと、および前記2番目に停止操作した停止釦スイッチ22bが1番目のそれと異なっていることで強制的に無効とされるもので、対応するリール9a,9bは停止しない。次に、無効期間A中に押操作した左側の停止釦スイッチ22aと同じ停止釦スイッチ22aが再度押操作されると、前記強制無効の状態が解除されてその停止釦スイッチ22aの押操作が有効となり、対応するリール9aが停止する。これに続けて、遊技者が正しい押し順で停止釦スイッチ22b,22cを順次押操作すると、いずれの停止操作も有効となり、対応するリール9b,9cが順次停止する。
【0077】
図10に示す具体例は、遊技者が無効期間A中に左側のリール9aの停止釦スイッチ22aと中央のリール9bの停止釦スイッチ22bとを順次押操作し、無効期間Aの経過後の有効期間に右側のリール9cの停止釦スイッチ22cを押操作し、この段階で1〜2番目の停止操作が無効期間A中であったことに気付いて、再び左側のリール9aの停止釦スイッチ22aを押し直した場合を想定している。この場合、1番目の停止釦スイッチ22aによる停止操作および2番目の停止釦スイッチ22bによる停止操作は無効期間A中であるのでともに無効であり、3番目の停止釦スイッチ22cによる停止操作も無効期間A中に前記1番目および2番目の停止操作があったことで強制的に無効とされるもので、対応するリール9a〜9cは停止しない。次に、無効期間A中に押操作した左側の停止釦スイッチ22aまたは中央の停止釦スイッチ22bと同じ停止釦スイッチ(図示例では22a)が再度押操作されると、前記強制無効の状態が解除されてその停止釦スイッチ22aの押操作が有効となり、対応するリール9aが停止する。これに続けて、遊技者が正しい押し順で停止釦スイッチ22b,22cを押操作すると、いずれの停止操作も有効となり、対応するリール9b,9cが順次停止する。
【0078】
図11は、
図9および
図10の停止制御が実行される実施例のリール変動・停止サブルーチンを示している。
同図において、無効期間A中に停止操作が行われないときのST1からST10に至る制御の流れは前記した
図8の実施例と同様であり、ここではその説明を省略する。
【0079】
無効期間A中にいずれかの停止釦スイッチ(例えば22a)による停止操作(フライング操作)があったとき、ST4の判定が「YES」となり、その停止操作は無効であるとともに、CPU31は、3個の停止釦スイッチ22a〜22cのうちのどの停止釦スイッチが押操作されたかを示すデータをRAM33に記憶させる(ST11)。フライング操作があると、無効期間Aが経過して有効期間へ移行したとき(ST5が「YES」になったとき)、ST6の判定が「YES」となり、有効期間中に行われる停止釦スイッチによる停止操作を強制的に無効とするための強制無効の状態となり、次の停止操作に待機する(ST12)。なお、ST6は、無効期間A中にどの停止釦スイッチが押操作されたかを示すデータがRAM33に記憶されているかどうかによって判定する。
【0080】
次の停止操作があると、ST12の判定が「YES」となり、CPU31は、その停止操作にかかる停止釦スイッチとST11で記憶された停止釦スイッチとが一致するかどうかを判断する(ST13)。もし、一致していなければ、ST13の判定が「NO」であり、その停止操作は強制的に無効されてST12に戻り、次の停止操作に待機する。もし、一致していれば、ST13の判定は「YES」となり、その停止操作は有効となるうえに、残りの全ての停止釦スイッチ22a〜22cについても押操作が有効となる状態に設定される(ST14)。その有効な停止操作によって対応するリールが停止し(ST9)、残りのリールについて停止操作が実行される度に、ST8の判定が「YES」となって対応するリールが停止する(ST9)。全てのリール9a〜9cが停止したとき、ST10の判定が「YES」となり、リール変動・停止サブルーチンが終了して
図7のメインルーチンへリターンする。
【0081】
図12および
図13は、他の解除方式が採用された実施例の停止操作に対するリールの停止制御の具体例を示している。この実施例の解除方式は、無効期間A中の最初の停止釦スイッチによる停止操作以降にその停止釦スイッチと同じ停止釦スイッチによる停止操作が行われたとき、強制無効の状態を解除するように主制御装置30により制御するものである。
【0082】
図12は、遊技者が無効期間Aを経過した後に押し順ナビに従って「順押し」すべきところ、誤って無効期間A中に左側のリール9aの停止釦スイッチ22aと中央のリール9bの停止釦スイッチとを押操作し、この段階でそれらの停止操作が無効期間A中であったことに気付いて、再び1番目に操作すべき左側のリール9aの停止釦スイッチ22aを押し直した場合を想定している。この場合、各停止釦スイッチ22a,22bによる停止操作はいずれも無効期間A中の停止操作のため無効であり、対応するリール9a,9bは停止しない。次に、無効期間A中に最初に押操作した左側の停止釦スイッチ22aと同じ停止釦スイッチ22aが有効期間に再度押操作されると、前記強制無効の状態が解除されてその停止釦スイッチ22aの押操作が有効となり、対応するリール9aが停止する。これに続けて、遊技者が正しい押し順で停止釦スイッチ22b,22cを順次押操作すると、いずれの停止操作も有効であり、対応するリール9b,9cが順次停止する。
【0083】
図13に示す具体例は、遊技者が押し順操作ミスを回避するために、1番目の操作すべき左側のリール9aの停止釦スイッチ22aを無効期間A中から繰り返し操作する場合や、無効期間A中に左側のリール9aの停止釦スイッチ22aを押操作し、この段階で停止操作が無効期間A中であったことに気付き、無効期間Aより有効期間へ移行した後、同じ停止釦スイッチ22aを再度押操作した場合を想定している。この場合、1番目の停止釦スイッチ22aによる停止操作は前記無効期間A中の操作のため無効であり、対応するリール9aは停止しないが、無効期間Aの経過後において前記無効期間A中に押操作した左側の停止釦スイッチ22aと同じ停止釦スイッチ22aが再度押操作されているので、その停止操作によって前記強制無効の状態が解除されてその停止釦スイッチ22aの押操作が有効となり、対応するリール9aが停止する。これに続けて、遊技者が正しい押し順で停止釦スイッチ22b,22cを順次押操作すると、いずれの停止操作も有効となり、対応するリール9b,9cが順次停止する。
【0084】
図14は、
図12および
図13の停止制御が実行される実施例のリール変動・停止サブルーチンを示している。
同図において、無効期間A中に停止操作が行われないときのST1からST10に至る制御の流れは前記した
図8の実施例と同様であり、ここではその説明を省略する。
【0085】
無効期間A中にいずれかの停止釦スイッチ(例えば22a)による停止操作(フライング操作)があったとき、ST4の判定が「YES」となり、その停止操作は無効であるとともに、CPU31は、3個の停止釦スイッチ22a〜22cのうちのどの停止釦スイッチが押操作されたかを示すデータをRAM33に記憶させる(ST11)。続くST12では、CPU31は無効期間A中にさらに停止操作があるかどうかを判定しており、もし、無効期間A中に2番目の停止操作がなければ、ST12の判定が「NO」、ST13の判定が「YES」となり、ST13からST6へ進む。
【0086】
もし、無効期間中に2番目の停止操作があったときは、ST12の判定が「YES」となり、その停止操作にかかる停止釦スイッチがST11でRAM33に記憶された最初の停止操作にかかる停止釦スイッチと一致するかどうかを判定する(ST14)。もし、一致していれば、ST14の判定が「YES」であり、CPU31はST11でRAM33に記憶された最初の停止操作にかかる停止釦スイッチの情報をクリアし(ST15)、フライング操作がなかったものとみなされ、無効期間Aが経過するのに待機する(ST16)。もし、一致していなければ、ST14の判定は「NO」であり、最初の停止操作にかかる停止釦スイッチの情報はクリアされず、無効期間A中にさらなる停止操作があるかどうかを判定する(ST12,13)。
【0087】
フライング操作があった場合は、無効期間Aが経過して有効期間へ移行したとき(ST13が「YES」になったとき)、ST6の判定は「YES」となり、有効期間中に行われる停止釦スイッチによる停止操作を強制的に無効とするための強制無効の状態となり、次の停止操作に待機する(ST17)。なお、ST6は、無効期間A中の最初の停止操作にかかる停止釦スイッチの情報がRAM33に記憶されているかどうかにより判定する。
【0088】
次の停止操作があると、ST17の判定が「YES」となり、CPU31は、その停止操作にかかる停止釦スイッチとST11でRAM33記憶された停止釦スイッチとが一致するかどうかを判断する(ST18)。もし、一致していなければ、ST18の判定が「NO」であり、その停止操作は強制的に無効とされてST17に戻り、次の停止操作に待機する。もし、一致していれば、ST18の判定は「YES」となり、その停止操作は有効となるうえに、残り全ての停止釦スイッチ22b,22cについても押操作が有効となる状態に設定される(ST19)。その有効な停止操作によって対応するリール9aが停止し(ST9)、残りのリール9b,9cについて停止操作が実行される度に、ST8の判定が「YES」となって対応するリール9b,9cが停止する(ST9)。全てのリール9a〜9cが停止したとき、ST10の判定が「YES」となり、リール変動・停止サブルーチンが終了して
図7のメインルーチンへリターンする。
【0089】
図15および
図16は、他の解除方式が採用された実施例の停止操作に対するリールの停止制御の具体例を示している。この実施例の解除方式は、無効期間A中の最初の停止釦スイッチによる停止操作以降に停止釦スイッチ以外の特定のスイッチが操作されたとき、強制無効の状態を解除するように主制御装置30により制御するものである。
【0090】
図15は、遊技者が無効期間Aを経過した後に押し順ナビに従って「順押し」すべきところ、誤って無効期間A中に左側のリール9aの停止釦スイッチ22aを押操作し、無効期間Aの経過後の有効期間に中央のリール9bの停止釦スイッチ22bを押操作し、この段階で1番目の停止操作が無効期間A中であったことに気付いた場合を想定している。この場合、1番目の停止釦スイッチ22aによる停止操作は無効期間A中であるので無効であり、2番目の停止釦スイッチ22bによる停止操作も無効期間A中に前記1番目の停止操作があったことで強制的に無効とされるもので、対応するリール9a,9bは停止しない。次に、停止釦スイッチ以外の特定のスイッチ、例えば始動レバースイッチ21が操作されると、前記強制無効の状態が解除される。そこで、遊技者は次に正しい押し順で停止釦スイッチ22a〜22cを順次押操作すれば、いずれの停止操作も有効となり、押し順どおりに対応するリール9a〜9cが順次停止する。
【0091】
図16に示す具体例は、遊技者が無効期間A中に左側のリール9aの停止釦スイッチ22aを押操作し、この段階でその停止操作が無効期間A中であったことに気付き、無効期間A中に停止釦スイッチ以外の特定のスイッチ、例えば始動レバースイッチ21を操作した場合を想定している。この場合、最初の停止釦スイッチ22aによる停止操作は無効期間A中であるので無効であり、対応するリール9aは停止しない。この無効期間A中に停止操作があったことで有効期間中の停止操作を強制的に無効とする状態が設定されるところ、無効期間A中に始動レバースイッチ21の操作があったことで、無効期間Aから有効期間へ移行するとき、強制無効の状態が当初から解除され、無効期間A中の停止操作がなかったものとされる。そこで、遊技者は正しい押し順で停止釦スイッチ22a〜22cを順次押操作すれば、いずれの停止操作も有効となり、押し順どおりに対応するリール9a〜9cが順次停止する。
【0092】
図17は、
図15および
図16の停止制御が実行される実施例のリール変動・停止サブルーチンを示している。
同図のST1では、主制御装置30のCPU31は、
図7のST7で始動レバースイッチ21がオンしたときに1遊技毎の割当時間が経過しているかどうかを判定する。ST1の判定が「YES」であれば、CPU31は無効期間Aを設定するために内部のタイマによる計時を開始させ、3個のリール9a〜9cを一斉に始動させる(ST2,3)。なお、ST1の判定が「NO」であるときは、割当時間の経過を待ってST2,3へ進む。
【0093】
次のST4,5では、CPU31は、無効期間A中にいずれかの停止釦スイッチによる停止操作があったかどうかを判定しており、もし、無効期間A中に停止操作が行われることなく前記のタイマがタイムアップすると、ST4の判定が「NO」、ST5の判定が「YES」となり、無効期間Aから有効期間へ移行し、停止釦スイッチ22a〜22cの押操作が有効となる状態に設定された後(ST6)、有効期間中の通常の停止処理へと移行する(ST7〜ST9)。
【0094】
もし、無効期間A中にいずれかの停止釦スイッチによる停止操作(フライング操作)があったとき、ST4の判定が「YES」となり、その停止操作は無効であり、停止釦スイッチ以外の所定のスイッチ(この実施例では始動レバースイッチ21)が操作されるのに待機する。無効期間A中に始動レバースイッチ21が操作されたときは、ST10の判定が「YES」となって次のST11へ進み、無効期間Aが経過するのを待つ。そして、無効期間Aが経過し、ST11の判定が「YES」になると、無効期間A中に停止操作があったにもかかわらず、有効期間の当初から停止操作を強制的に無効とする状態が解除され、無効期間A中の停止操作はなかったものとされ、全ての停止釦スイッチ22a〜22cの押操作が有効となる状態に設定され(ST6)、前記した有効期間中の通常の停止処理へと移行する(ST7〜ST9)。
【0095】
無効期間A中に始動レバースイッチ21が操作されなければ、無効期間Aから有効期間への移行時、無効期間A中に停止操作があったことで有効期間中の停止操作を強制的に無効とする状態に設定される。無効期間Aから有効期間へ移行した後に始動レバースイッチ21が操作されると、ST10およびST11の判定がともに「YES」となり、前記強制無効の状態が解除され、全ての停止釦スイッチ22a〜22cの押操作が有効となる状態に設定される(ST6)。
【0096】
上記した各実施例において、無効期間A中にいずれかの停止釦スイッチ(例えば22a)による停止操作(フライング操作)があったとき、
図18に示すように、その停止釦スイッチ22aに組み込まれたランプまたはLEDを点滅動作させて無効であることを知らせ、その停止釦スイッチ22aが押操作されて有効になったとき、点滅動作を停止させるとともに、残りの停止釦スイッチ22b,22cを点灯動作させている。
【0097】
図19は、他の実施例のリール変動・停止サブルーチンを示すもので、有効期間中の停止釦スイッチによる停止操作が設定値Nに達する前に、無効期間A中に停止操作された停止釦スイッチと同じ停止釦スイッチによる停止操作が有効期間中に行われたとき、前記強制無効の状態を解除するようにしている。
なお、同図において、無効期間A中に停止操作が行われないときのST1からST10に至る制御の流れは前記した
図8の実施例と同様であり、ここではその説明を省略する。
【0098】
無効期間A中にいずれかの停止釦スイッチによる停止操作(フライング操作)があったとき、ST4の判定が「YES」となり、その停止操作は無効であるとともに、CPU31は、有効期間中の停止操作の回数を計数するための内部カウンタnに前記した設定値N(例えばN=1)をセットし、さらに、3個の停止釦スイッチ22a〜22cのうちのどの停止釦スイッチが押操作されたのかを示すデータをRAM33に記憶させる(ST11)。フライング操作があると、無効期間Aが経過して有効期間へ移行したとき(ST5が「YES」になったとき)、続くST6の判定も「YES」となり、有効期間中に行われる停止釦スイッチによる停止操作を強制的に無効とするための強制無効の状態となり、次の停止操作に待機する(ST12)。
【0099】
次の停止操作があると、ST12の判定が「YES」となり、CPU31は、その停止操作にかかる停止釦スイッチとST11でRAM33に記憶された停止釦スイッチとが一致するかどうかを判断する(ST13)。もし、一致していれば、ST13の判定は「YES」となり、その停止操作は有効となるうえに、残りの全ての停止釦スイッチ22b〜22cについても押操作が有効となる状態に設定される(ST16)。その有効な停止操作によって対応するリール9aが停止し(ST9)、残りのリール9b,9cについて停止操作が実行される度に、ST8の判定が「YES」となって対応するリール9b,9cが停止する(ST9)。全てのリール9a〜9cが停止したとき、ST10の判定が「YES」となり、リール変動・停止サブルーチンが終了して
図7のメインルーチンへリターンする。
【0100】
前記したST13において、一致していないと判定されたときは、ST13からST14へ進み、CPU31は内部カウンタnの値を1減算する。続くST15では、CPU31は内部カウンタnの値が「0」になったかどうかを判定しており、前記のST11で設定値Nとして「1」が設定されていれば、ST15の「n=0?」の判定は「YES」となり、全ての停止釦スイッチ22a〜22cの操作が有効となる状態に設定される(ST7)。そして、全てのリール9a〜9cについて停止操作が実行される度に、ST8の判定が「YES」となり、対応するリールが停止する(ST9)。なお、設定値Nとして「2」が設定されていれば、ST15の判定は「NO」であり、ST12に戻る。
【0101】
図20〜
図21は、さらに他の実施例のリール変動・停止サブルーチンを示すもので、有効期間中の停止釦スイッチによる停止操作が設定値Nに達する前に、前記無効期間中の最初の停止釦スイッチによる停止操作以降にその停止釦スイッチと同じ停止釦スイッチによる停止操作が行われたとき、前記強制無効の状態を解除するようにしている。
なお、同図において、無効期間A中に停止操作が行われないときのST1からST10に至る制御の流れは前記した
図8の実施例と同様であり、ここではその説明を省略する。
【0102】
無効期間A中にいずれかの停止釦スイッチによる停止操作(フライング操作)があったとき、ST4の判定が「YES」となり、その停止操作は無効であるとともに、CPU31は、有効期間中の停止操作の回数を計数するための内部カウンタnに前記した設定値N(例えばN=1)をセットし、さらに、3個の停止釦スイッチ22a〜22cのうちのどの停止釦スイッチが押操作されたのかを示すデータをRAM33に記憶させる(ST11)。次のST12では、CPU31は無効期間A中にさらに停止操作があるかどうかを判定しており、もし、無効期間A中に2番目の停止操作がなければ、ST12の判定が「NO」、ST13の判定が「YES」となり、ST13よりST6へ進む。
【0103】
もし、無効期間中に2番目の停止操作があったときは、ST12の判定が「YES」となり、その停止操作にかかる停止釦スイッチがST11でRAM33に記憶された最初の停止操作にかかる停止釦スイッチと一致するかどうかを判定する(ST14)。もし、一致していれば、ST14の判定が「YES」であり、CPU31はST11でRAM33で記憶された最初の停止操作にかかる停止釦スイッチの情報をクリアし(ST15)、フライング操作がなかったものとされ、無効期間Aが経過するのに待機する(ST16)。もし、一致していなければ、ST14の判定は「NO」であり、最初の停止操作にかかる停止釦スイッチの記憶情報はクリアされず、無効期間A中にさらなる停止操作があるかどうかを判定する(ST12,13)。
【0104】
フライング操作があった場合は、無効期間Aが経過して有効期間へ移行したとき(ST13が「YES」になったとき)、ST6の判定は「YES」であり、有効期間中に行われる停止釦スイッチによる停止操作を強制的に無効とするための強制無効の状態となり、次の停止操作に待機する(ST17)。
【0105】
次の停止操作があると、ST17の判定が「YES」となり、CPU31は、その停止操作にかかる停止釦スイッチとST11でRAM33で記憶された停止釦スイッチとが一致するかどうかを判断する(ST18)。もし、一致していれば、ST18の判定は「YES」となり、その停止操作は有効となるうえに、残り全ての停止釦スイッチ22b〜22cについても押操作が有効となる状態に設定される(ST21)。その有効な停止操作によって対応するリールが停止し(ST9)、残りのリールについて停止操作が実行される度に、ST8の判定が「YES」となって対応するリールが停止する(ST9)。全てのリール9a〜9cが停止したとき、ST10の判定が「YES」となり、リール変動・停止サブルーチンが終了して
図7のメインルーチンへリターンする。
【0106】
前記のST18において、一致していないと判定されたときは、ST18からST19へ進み、CPU31は内部カウンタnの値を1減算する。続くST20では、CPU31は内部カウンタnの値が「0」になったかどうかを判定しており、前記のST11で設定値Nとして「1」が設定されていれば、ST20の「n=0?」の判定は「YES」となり、全ての停止釦スイッチ22a〜22cの操作が有効となる状態に設定される(ST7)。そして、全てのリール9a〜9cについて停止操作が実行される度に、ST8の判定が「YES」となって対応するリールが停止する(ST9)。なお、設定値Nとして「2」が設定されていれば、ST20の判定は「NO」であり、ST17に戻る。
【0107】
図22〜
図23は、さらに他の実施例のリール変動・停止サブルーチンを示すもので、有効期間中の停止釦スイッチによる停止操作が設定回数に達する前に、停止釦スイッチ以外の特定のスイッチが操作されたとき、前記強制無効の状態を解除するようにしている。
【0108】
同図のST1では、主制御装置30のCPU31は、
図7のST7で始動レバースイッチ21がオンしたときに1遊技毎の割当時間が経過しているかどうかを判定する。ST1の判定が「YES」であれば、CPU31は無効期間Aを設定するために内部のタイマーによる計時を開始させ、3個のリール9a〜9cを一斉に始動させる(ST2,3)。
【0109】
次のST4〜ST6では、CPU31は、無効期間A中にいずれかの停止釦スイッチによる停止操作があったかどうか、停止釦スイッチ以外の所定のスイッチ(この実施例では始動レバースイッチ21)の操作があったかどうかを判定しており、もし、無効期間A中にいずれの操作も行われることなく前記のタイマーがタイムアップすると、ST4,5の判定がともに「NO」、ST6の判定が「YES」となり、無効期間Aから有効期間へと移行する。続くST7は、無効期間A中に停止操作があったかどうかを判定しており、この場合、その判定は「NO」であるから、停止釦スイッチ22a〜22cの押操が有効となる状態に設定され(ST8)、有効期間中の通常の停止処理へと移行する(ST9〜ST11)。
【0110】
もし、無効期間中にいずれかの停止釦スイッチによる停止操作(フライング操作)があったとき、ST4の判定が「YES」となり、その停止操作は無効であるとともに、CPU31は有効期間中の停止操作の回数を計数するための内部カウンタnに設定値N(例えばN=1)をセットする(ST12)。その後、無効期間中に始動レバースイッチ21が操作されなければ、ST5の判定が「NO」、ST6の判定が「YES」、ST7の判定が「YES」となってST15へ進む。なお、ST7は、内部カウンタnの値によって判断され、n=0であるとき、ST7の判定は「NO」となる。
【0111】
無効期間Aにおいて、停止操作の後に始動レバースイッチ21が操作されたときは、ST5の判定が「YES」となり、CPU31は、前記内部カウンタnの値をゼロにクリアし(ST13)、フライング操作がなかったものとされ、無効期間Aが経過するのに待機する(ST14)。
【0112】
無効期間A中のフライング操作があり、その後、無効期間A中に始動レバースイッチ21が操作されなった場合は、無効期間Aが経過して有効期間へ移行したとき、ST6の判定が「YES」、続くST7の判定も「YES」であり、有効期間中に行われる停止釦スイッチによる停止操作を強制的に無効とするための強制無効の状態となり、次の停止操作に待機する(ST15,16)。
【0113】
停止操作の前に始動レバースイッチ21が操作されると、ST15の判定が「YES」となり、CPU31は、前記内部カウンタnの値をゼロにクリアし(ST19)、全ての停止釦スイッチ22a〜22cの操作が有効となる状態に設定された後(ST8)、有効期間中の通常の停止処理へと移行する(ST9〜ST11)。
【0114】
始動レバースイッチ21が操作されずに、次の停止操作があると、ST15の判定が「NO」、ST16の判定が「YES」であり、CPU31は内部カウンタnの値を1減算する(ST17)。続くST18では、CPU31は内部カウンタnの値が「0」になったかどうかを判定しており、前記のST11で設定値Nとして「1」が設定されていれば、ST18の「n=0?」の判定は「YES」となり、全ての停止釦スイッチ22a〜22cの操作が有効となる状態に設定される(ST8)。そして、全てのリール9a〜9cについて停止操作が実行される度に、ST9の判定が「YES」となって対応するリールが停止する(ST10)。なお、設定値Nとして「2」が設定されていれば、ST18の判定は「NO」であり、ST15に戻る。
【0115】
図24〜
図25は、さらに他の実施例のリール変動・停止サブルーチンを示すもので、無効期間A中に停止操作された停止釦スイッチと同じ停止釦スイッチによる停止操作が有効期間中に行われる前に、停止釦スイッチ以外の特定のスイッチが操作されたとき、前記強制無効の状態を解除するようにしている。
なお、同図において、無効期間A中に停止操作が行われないときのST1からST11に至る制御の流れは前記した
図22〜
図23の実施例と同様であり、ここでは説明を省略する。
【0116】
無効期間A中にいずれかの停止釦スイッチによる停止操作(フライング操作)があったとき、ST4の判定が「YES」となり、その停止操作は無効であるとともに、CPU31は、3個の停止釦スイッチ22a〜22cのうちのどの停止釦スイッチが押操作されたのかを示すデータをRAM33に記憶させる(ST12)。その後、無効期間中に始動レバースイッチ21が操作されなければ、ST5の判定が「NO」、ST6の判定が「YES」、ST7の判定が「YES」となってST15へ進む。なお、ST7は、RAM33にどの停止釦スイッチが押操作されたかどうかを示すデータが記憶されているか否かにより判断され、その情報が記憶されていれば、ST7の判定は「YES」となる。
【0117】
無効期間Aにおいて、停止操作の後に始動レバースイッチ21が操作されたときは、ST5の判定が「YES」となり、CPU31は、ST12でRAM33に記憶された停止操作にかかる停止釦スイッチの情報をクリアし(ST13)、フライング操作がなかったものとみなされ、無効期間Aが終了するのに待機する(ST14)。
【0118】
無効期間A中のフライング操作があり、その後、無効期間A中に始動レバースイッチ21が操作されなった場合は、ST6の判定が「YES」、続くST7の判定も「YES」であり、有効期間中に行われる停止釦スイッチによる停止操作を強制的に無効とするための強制無効の状態となり、次の停止操作に待機する(ST15,16)。
【0119】
停止操作の前に始動レバースイッチ21が操作されると、ST15の判定が「YES」となり、CPU31は、ST12でRAM33に記憶された情報をクリアし(ST18)、全ての停止釦スイッチ22a〜22cの操作が有効となる状態に設定された後(ST8)、有効期間中の通常の停止処理へと移行する(ST9〜ST11)。
【0120】
始動レバースイッチ21が操作されずに、次の停止操作があると、ST15の判定が「NO」、ST16の判定が「YES」であり、CPU31は、その停止操作にかかる停止釦スイッチがST12でRAM33に記憶された停止操作にかかる停止釦スイッチと一致するかどうかを判定する(ST17)。もし、一致していれば、ST17の判定が「YES」であり、その停止操作は有効となるうえに、残り全ての停止釦スイッチ22b〜22cの操作についても有効となる状態に設定される(ST19)。その有効な停止操作によって対応するリールが停止し(ST10)、残りのリールについて停止操作が実行される度に、ST9の判定が「YES」となって対応するリールが停止する(ST10)。全てのリール9a〜9cが停止したとき、ST11の判定が「YES」となり、リール変動・停止サブルーチンが終了して
図7のメインルーチンへリターンする。
【0121】
図26〜
図27は、さらに他の実施例のリール変動・停止サブルーチンを示すもので、無効期間A中の最初の停止釦スイッチによる停止操作以降にその停止釦スイッチと同じ停止釦スイッチによる停止操作が行われる前に、停止釦スイッチ以外の特定のスイッチが操作されたとき、前記強制無効の状態を解除するようにしている。
なお、同図において、無効期間中Aに停止操作が行われないときのST1からST10に至る制御の流れは前記した
図8の実施例と同様であり、ここではその説明を省略する。
【0122】
無効期間A中にいずれかの停止釦スイッチ(例えば22a)による停止操作(フライング操作)があったとき、ST4の判定が「YES」となり、その停止操作は無効であるとともに、CPU31は、3個の停止釦スイッチ22a〜22cのうちのどの停止釦スイッチが押操作されたのかを示すデータをRAM33に記憶させる(ST11)。次のST12では、CPU31は、無効期間A中にさらに停止操作があるかどうかを判定しており(ST12)、もし、無効期間A中に2番目の停止操作がなければ、ST12の判定が「NO」となり、次のST13で、CPU31は停止釦スイッチ以外の所定のスイッチ(この実施例では始動レバースイッチ21)の操作があるかどうかを判定する。もし、無効期間A中に始動レバースイッチ21の操作がなければ、ST13の判定が「NO」であり、無効期間Aが経過していれば、ST14からST6へ進む。
【0123】
もし、無効期間A中に2番目の停止操作があったときは、ST12の判定が「YES」となり、その停止操作にかかる停止釦スイッチがST11でRAM33に記憶された最初の停止操作にかかる停止釦スイッチと一致するかどうかを判定する(ST15)。もし、一致していれば、ST15の判定が「YES」であり、CPU31はST11でRAM33に記憶された最初の停止操作にかかる停止釦スイッチの情報をクリアし(ST16)、フライング操作がなかったものとされ、無効期間Aが経過するのに待機する(ST17)。また、2番目の停止操作が行わる前に始動レバースイッチ21が操作されたときは、ST13の判定が「YES」となり、この場合もST16へ進んで同様の処理が行われる。
【0124】
フライング操作があった場合は、無効期間Aが経過して有効期間へ移行したとき(ST14が「YES」になったとき)、ST6の判定は「YES」であり、有効期間中に行われる停止釦スイッチによる停止操作を強制的に無効とするための強制無効の状態となり、次の停止操作に待機する(ST18,19)。
【0125】
次の停止操作の前に始動レバースイッチ21が操作されると、ST18の判定が「YES」となり、CPU31は、ST11でRAM33に記憶された情報をクリアし(ST22)、全ての停止釦スイッチ22a〜22cの操作が有効となる状態に設定された後(ST7)、有効期間中の通常の停止処理へと移行する(ST8〜ST10)。
【0126】
始動レバースイッチ21が操作されずに、次の停止操作があると、ST18の判定が「NO」、ST19の判定が「YES」となり、CPU31は、その停止操作にかかる停止釦スイッチがST11でRAM33に記憶された停止操作にかかる停止釦スイッチと一致するかどうかを判定する(ST20)。もし、一致していれば、ST20の判定が「YES」であり、その停止操作は有効となるうえに、残り全ての停止釦スイッチ22b〜22cについても押操作が有効となる状態に設定される(ST21)。その有効な停止操作によって対応するリールが停止し(ST9)、残りのリールについて停止操作が実行される度に、ST8の判定が「YES」となって対応するリールが停止する(ST9)。全てのリール9a〜9cが停止したとき、ST10の判定が「YES」となり、リール変動・停止サブルーチンが終了して
図7のメインルーチンへリターンする。
【0127】
なお、上記の各実施例においては、無効期間中Aにフライング操作があった場合に、無効期間Aの経過後に遊技者のリール停止操作を待って、強制無効の状態を解除する方式を採用しているため、例えば、遊技者が無効期間Aの経過後に意図的に停止釦スイッチの操作や始動レバースイッチ21の再操作を実行しなければ、そのまま停止釦スイッチによる停止操作の無効化が継続することになる。これを解消するためには、例えば、
図8,
図11,
図14,
図17,
図19,
図20,
図22、
図24,
図26の各フローチャートにおいて、無効期間Aを設定するためのタイマーの計時を開始する時点(ST2)で、前記無効期間Aよりはるかに長い時間を設定するための第2のタイマーの計時を開始させ、遊技者が第2のタイマーの設定時間までに停止釦スイッチの操作や始動レバースイッチの再操作を意図的に行わなかった場合には、全ての停止釦スイッチ22a〜22cによる停止操作を有効化する(無効化を強制解除する)プログラムを組み込めば、容易に解消できる。
なお、このタイマーの設定時間は従来公知の1秒タイマーを使用した押し順操作ミス防止方法のように、短い時間に設定することは、却って誤操作を生じるために好ましくなく、無効期間Aの経過後、遊技者が全てのリール停止操作を終えることが可能な時間、例えば、約5〜10秒程度に設定するのが好ましい。