特許第6040450号(P6040450)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6040450
(24)【登録日】2016年11月18日
(45)【発行日】2016年12月7日
(54)【発明の名称】自己組織化ポリマー−V
(51)【国際特許分類】
   C08G 61/12 20060101AFI20161128BHJP
【FI】
   C08G61/12
【請求項の数】17
【外国語出願】
【全頁数】29
(21)【出願番号】特願2015-96635(P2015-96635)
(22)【出願日】2015年5月11日
(65)【公開番号】特開2016-804(P2016-804A)
(43)【公開日】2016年1月7日
【審査請求日】2015年5月11日
(31)【優先権主張番号】14/292,739
(32)【優先日】2014年5月30日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】596064112
【氏名又は名称】ポール・コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】Pall Corporation
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【弁理士】
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 雅一
(74)【代理人】
【識別番号】100148596
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 和弘
(72)【発明者】
【氏名】カーレド アブデル‐ハキム ヘルミー アメル
【審査官】 岸 智之
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−209324(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08G 61/12
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)
【化1】
(式中、Rは、式−(CHR−CH−O)−R’(式中、p=2〜6であり、RはH又はメチルであり、R’はH、C〜Cアルキル基又はC〜C11シクロアルキル基である)のポリ(アルキレンオキシド)基であり、
は、ハロ、アルコキシ、アルキルカルボニル、及びアルコキシカルボニルから選択される置換基により置換されていてもよい、〜C22アルキル基又はC〜C11シクロアルキル基であり、
及びRの一方は、ハロ、アミノ及びニトロから選択される置換基により置換されていてもよい、〜C14アリール基又はヘテロアリール基であり、R及びRの他方は、カルボキシ、アミノ、メルカプト、アルキニル、アルケニル、ハロ、及びアジドから選択される置換基により置換されていてもよい〜C22アルコキシ基であり、
n及びmは、独立して、2〜2000である)
のジブロックコポリマー。
【請求項2】
RがHである、請求項1に記載のジブロックコポリマー。
【請求項3】
pが3〜6である、請求項1又は2に記載のジブロックコポリマー。
【請求項4】
R’がC〜Cアルキル基である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のジブロックコポリマー。
【請求項5】
R’がメチルである、請求項1〜4のいずれか一項に記載のジブロックコポリマー。
【請求項6】
が、ハロで置換されていてもよい10〜C18アルキル基である、請求項1〜5のいずれか一項に記載のジブロックコポリマー。
【請求項7】
がC16アルキル基である、請求項1〜6のいずれか一項に記載のジブロックコポリマー。
【請求項8】
がフェニルである、請求項1〜7のいずれか一項に記載のジブロックコポリマー。
【請求項9】
がC〜Cアルコキシ基である、請求項1〜8のいずれか一項に記載のジブロックコポリマー。
【請求項10】
が3〜350であり、mが7〜900である、請求項1〜9のいずれか一項に記載のジブロックコポリマー。
【請求項11】
が7〜200である、請求項1〜10のいずれか一項に記載のジブロックコポリマー。
【請求項12】
が180〜500である、請求項1〜11のいずれか一項に記載のジブロックコポリマー。
【請求項13】
以下の構造を有する、請求項1〜12のいずれか一項に記載のジブロックコポリマー。
【化2】
【請求項14】
請求項1〜13のいずれか一項に記載のジブロックコポリマーを調製する方法であって、
(i)式
【化3】
の2種のモノマーのうちの一方を、開環メタセシス重合(ROMP)触媒を用いて重合して、リビング鎖末端を有する開環ポリマーを得るステップ、
(ii)(i)で得られた開環ポリマーのリビング末端に、2種のモノマーのうちの他方を重合して、リビング末端を有するジブロックコポリマーを得るステップ、及び
(iii)(ii)で得られたジブロックコポリマーのリビング末端を、ヒドロキシ、ハロ、アミノ及びニトロから選択される置換基により置換されていてもよいアルキルビニルエーテルによって停止するステップ
を含む、方法。
【請求項15】
ROMP触媒が、式
【化4】
のものである、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
請求項1〜13のいずれか一項に記載のジブロックコポリマーを含む自己組織化構造。
【請求項17】
請求項16に記載の自己組織化構造から調製された多孔性膜。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
[発明の背景]
[0001]ナノ構造に自己組織化するポリマー、特にブロックコポリマーが、濾過膜、浸透気化膜、リソグラフィー、固体状ポリマー電解質、イオン交換膜及び生体材料を含めたいくつかの用途における使用のために提案されてきた。例えば、ジブロックコポリマーは、選択的な溶剤に溶解すると、球又は円柱ミセル、ベシクル及び他の構造に自己組織化する。しかしながら、輪郭のはっきりしたナノ構造を得るには課題が残る。以上のことは、適当な加工条件下で自己組織化して輪郭のはっきりしたナノ構造を提供するブロックコポリマーに対する未だ満たされない要求があるということを示している。
【0002】
[発明の概要]
[0002]本発明は、式(I)
【化1】
(式中、Rは、式−(CHR−CH−O)−R’(式中、p=2〜6であり、RはH又はメチルであり、R’はH、C〜Cアルキル基又はC〜C11シクロアルキル基である)のポリ(アルキレンオキシド)基であり、
は、ハロ、アルコキシ、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アミド及びニトロから選択される置換基により置換されていてもよい、C〜C22アルキル基又はC〜C11シクロアルキル基であり、
及びRの一方は、ヒドロキシ、ハロ、アミノ及びニトロから選択される置換基により置換されていてもよい、〜C14アリール基又はヘテロアリール基であり、R及びRの他方は、カルボキシ、アミノ、メルカプト、アルキニル、アルケニル、ハロ、アジド及びヘテロシクリルから選択される置換基により置換されていてもよい〜C22アルコキシ基であり、
n及びmは、独立して、2〜約2000である)
のジブロックコポリマーを提供するものである。
【0003】
[0003]本発明は、式(I)のジブロックコポリマーを調製する方法及びジブロックコポリマーから調製される多孔性膜も提供する。
【図面の簡単な説明】
【0004】
図1】本発明の一実施形態によるホモポリマー1(ジブロックコポリマーの前駆体)及びジブロックコポリマー2の多角度レーザー光散乱(MALS)ゲルパーミエーションクロマトグラム(GPC)の重ね合わせトレースである。
図2】本発明の一実施形態によるジブロックコポリマーを含む多孔性膜を例証する図である。
図3】本発明の一実施形態によって調製された自己組織化構造の原子間力顕微鏡(AFM)相画像である。
図4図3から抽出したラインプロファイルである。
【0005】
[発明の詳細な説明]
[0008]一実施形態において、本発明は、式(I)
【化2】


(式中、Rは、式−(CHR−CH−O)−R’(式中、p=2〜6であり、RはH又はメチルであり、R’はH、C〜Cアルキル基又はC〜C11シクロアルキル基である)のポリ(アルキレンオキシド)基であり、
は、ハロ、アルコキシ、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アミド及びニトロから選択される置換基によりそれぞれ任意選択で置換されたC〜C22アルキル基又はC〜C11シクロアルキル基であり、
及びRの一方は、ヒドロキシ、ハロ、アミノ及びニトロから選択される置換基により任意選択で置換されたC〜C14アリール基又はヘテロアリール基であり、R及びRの他方は、カルボキシ、アミノ、メルカプト、アルキニル、アルケニル、ハロ、アジド及びヘテロシクリルから選択される置換基により任意選択で置換されたC〜C22アルコキシ基であり、
n及びmは、独立して、2〜約2000である)
のジブロックコポリマーを提供する。
【0006】
[0009]一実施形態によれば、本発明は、モノマーがエキソ異性体である式(Ia)のジブロックコポリマーを提供する。
【化3】

【0007】
[0010]上記の実施形態のいずれかにおいて、RはHである。
【0008】
[0011]一実施形態において、pは3〜6である。
【0009】
[0012]実施形態のいずれかにおいて、R’は、C〜Cアルキル基、例えばメチルである。
【0010】
[0013]実施形態のいずれかにおいて、Rは、ハロ、アルコキシ、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アミド及びニトロから選択される置換基により置換されていてもよい、C10〜C18アルキル基であり、RはC16アルキル基であることが好ましい。
【0011】
[0014]上記の実施形態のいずれかにおいて、Rはフェニルである。
【0012】
[0015]上記の実施形態のいずれかにおいて、RはC〜Cアルコキシ基である。
【0013】
[0016]一実施形態において、Rは、モノマーの重合のために採用されたROMP触媒によってもたらされる。
【0014】
[0017]一実施形態において、Rは、重合の停止のために採用されたビニルエーテル化合物によってもたらされた基である。
【0015】
[0018]本発明によれば、用語「アリール」は、1つ、2つ又は3つの芳香環を有する単環、二環又は三環の炭素環系、例えば、フェニル、ナフチル、アントラセニル又はビフェニルを指す。用語「アリール」は、当技術分野において通常理解されるように、置換されていない又は置換されている芳香族炭素環部分を指し、例えば、フェニル、ビフェニル、ナフチル、アントラセニル、ピレニル等の単環及び多環の芳香族化合物を含む。アリール部分は、一般に、例えば、6〜30個の炭素原子、好ましくは6〜18個の炭素原子、より好ましくは6〜14個の炭素原子、最も好ましくは6〜10個の炭素原子を含有する。用語アリールは、ヒュッケル則に従って、平面であり、4n+2個(n=1、2又は3)のπ電子を含む炭素環部分を含むことが理解される。
【0016】
[0019]本発明によれば、用語「ヘテロアリール」は、少なくとも1つの原子がO、S又はNであり、残りの原子が炭素である、5〜10個の環原子を有する環状芳香族基を指す。ヘテロアリール基の例には、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアジアゾリル、オキサジアゾリル、チオフェニル、フラニル、キノリニル及びイソキノリニルが含まれる。本明細書において用いる用語「ヘテロアリール」は、単環ヘテロアリール又は二環ヘテロアリールを意味する。単環ヘテロアリールは、5又は6員環である。5員環は、2つの二重結合と、1つの硫黄、窒素又は酸素原子とからなる。或いはまた、5員環は、2つの二重結合と、1つ、2つ、3つ又は4つの窒素原子と、酸素又は硫黄から選択される任意選択の追加の1つのヘテロ原子を有し、その他が炭素原子である。6員環は、3つの二重結合と、1つ、2つ、3つ又は4つの窒素原子とからなり、その他が炭素原子である。二環ヘテロアリールは、フェニルに縮合した単環ヘテロアリール、又は単環シクロアルキルに縮合した単環ヘテロアリール、又は単環シクロアルケニルに縮合した単環ヘテロアリール、又は単環ヘテロアリールに縮合した単環ヘテロアリールからなる。単環及び二環ヘテロアリールは、単環又は二環ヘテロアリール中に含有される任意の置換可能な原子を介して親分子部分に連結する。本発明の単環及び二環ヘテロアリール基は、置換されていても又は置換されていなくてもよい。加えて、窒素ヘテロ原子は、四級化されていても、されていなくてもよく、酸化されてN−オキシドになっていても、なっていなくてもよい。また、窒素含有環は、N保護されていても、されていなくてもよい。単環ヘテロアリールの代表例には、限定されるものではないが、フラニル、イミダゾリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、オキサゾリル、ピリジニル、ピリジン−N−オキシド、ピリダジニル、ピリムニジニル、ピラジニル、ピラゾリル、ピロリル、テトラゾリル、チアジアゾリル、チアゾリル、チエニル、トリアゾリル、及びトリアジニルが含まれる。二環ヘテロアリール基の代表例には、限定されるものではないが、ベンゾチエニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾオキサジアゾリル、6,7−ジヒドロ−1,3−ベンゾチアゾリル、イミダゾ[1,2−a]ピリジニル、インダゾリル、1H−インダゾール−3−イル、インドリル、イソインドリル、イソキノリニル、ナフチリジニル、ピリドイミダゾリル、キノリニル、キノリン−8−イル、及び5,6,7,8−テトラヒドロキノリン−5−イルが含まれる。
【0017】
[0020]「アルキル」基は、直鎖又は分岐であり得る。一実施形態によれば、アルキル基は、好ましくはC〜C18アルキルである。アルキル基の例には、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、n−ヘキシル、ヘキサデシル等が含まれる。この定義は、「アルキル」が、ヒドロキシアルキル、モノハロアルキル、ジハロアルキル及びトリハロアルキル等において出現する場合にも常に当てはまる。アルキル基は、シクロアルキル基、例えばC〜C11シクロアルキル基によりさらに置換され得る。
【0018】
[0021]上記の実施形態のいずれかにおいて、「シクロアルキル」基は、単環又は二環であり得る。単環シクロアルキル基の例には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル及びシクロオクチルが含まれる。二環シクロアルキル基の例には、スピロオクタン、スピロノナン、スピロデカン及びスピロウンデカン等の1つの共通の環炭素原子を有するもの、ビシクロオクタン、ビシクロノナン、ビシクロデカン及びビシクロウンデカン等の2つの共通の環炭素原子を有するものが含まれる。いずれのシクロアルキル基も、1つ又は複数のアルキル基、例えばC〜Cアルキル基によって置換されていてもよい
【0019】
[0022]一実施形態によれば、「アルコキシ」基は、好ましくはC〜C22アルコキシである。アルコキシ基の例には、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、sec−ブトキシ、イソブトキシ、tert−ブトキシ、n−ペントキシ、イソペントキシ、n−ヘキソキシ、ヘキサデシロキシ等が含まれる。
【0020】
[0023]用語「ハロ」は、フッ素、塩素、ホウ素及びヨウ素からなる群から選択されるハロゲン、好ましくは塩素又はホウ素を指す。
【0021】
[0024]本明細書で用いる用語「ヘテロ環(heterocycle)」又は「ヘテロ環(heterocyclic)」は、単環ヘテロ環又は二環ヘテロ環を意味する。単環ヘテロ環は、O、N、N(H)及びSからなる群から独立して選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含有する3員、4員、5員、6員又は7員環である。3員又は4員環は、0又は1つの二重結合と、O、N、N(H)及びSからなる群から選択される1つのヘテロ原子とを含有する。5員環は、0又は1つの二重結合と、O、N、N(H)及びSからなる群から選択される1つ、2つ又は3つのヘテロ原子とを含有する。6員環は、0、1つ又は2つの二重結合と、O、N、N(H)及びSからなる群から選択される1つ、2つ又は3つのヘテロ原子とを含有する。7員環は、0、1つ、2つ又は3つの二重結合と、O、N、N(H)及びSからなる群から選択される1つ、2つ又は3つのヘテロ原子とを含有する。単環ヘテロ環は、置換されていなくても又は置換されていてもよく、単環ヘテロ環中に含有される任意の置換可能な炭素原子又は任意の置換可能な窒素原子を介して親分子部分に連結する。単環ヘテロ環の代表例には、限定されるものではないが、アゼチジニル、アゼパニル、アジリジニル、ジアゼパニル、[1,4]ジアゼパン−1−イル、1,3−ジオキサニル、1,3−ジオキソラニル、1,3−ジチオラニル、1,3−ジチアニル、ホモモルホリニル、ホモピペラジニル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、イソチアゾリニル、イソチアゾリジニル、イソオキサゾリニル、イソオキサゾリジニル、モルホリニル、オキサジアゾリニル、オキサジアゾリジニル、オキサゾーニル、オキサゾリジニル、ピペラジニル、ピペリジニル、ピラニル、ピラゾリニル、ピラゾリジニル、ピロリニル、ピロリジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチエニル、チアジアゾリニル、チアジアゾリジニル、チアゾリニル、チアゾリジニル、チオモルホリニル、1,1−ジオキシドチオモルホリニル(チオモルホリンスルホン)、チオピラニル、及びトリチアニルが含まれる。二環ヘテロ環は、フェニル基に縮合した単環ヘテロ環、又は単環シクロアルキルに縮合した単環ヘテロ環、又は単環シクロアルケニルに縮合した単環ヘテロ環、単環ヘテロ環に縮合した単環ヘテロ環、又は単環ヘテロアリールに縮合した単環ヘテロ環である。二環ヘテロ環は、二環ヘテロ環中に含有される任意の置換可能な炭素原子又は任意の置換可能な窒素原子を介して親分子部分に連結し、置換されていなくても又は置換されていてもよい。二環ヘテロ環の代表例には、限定されるものではないが、ベンゾジオキシニル、ベンゾピラニル、チオクロマニル、2,3−ジヒドロインドリル、インドリジニル、ピラノピリジニル、1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリニル、1,2,3,4−テトラヒドロキノリニル、チオピラノピリジニル、2−オキソ−1,3−ベンゾオキサゾリル、3−オキソ−ベンゾオキサジニル、3−アザビシクロ[3.2.0]ヘプチル、3,6−ジアザビシクロ[3.2.0]ヘプチル、オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロリル、ヘキサヒドロ−1H−フロ[3,4−c]ピロリル、オクタヒドロピロロ[3,4−c]ピロリル、2,3−ジヒドロベンゾフラン−7−イル、2,3−ジヒドロベンゾフラン−3−イル、及び3,4−ジヒドロ−2H−クロメン−4−イルが含まれる。本明細書において定義される単環又は二環ヘテロ環は、N、N(H)、O若しくはSから選択されるヘテロ原子又は1〜3つのさらなる炭素原子のアルキレン架橋によって連結される、2つの非隣接炭素原子を有してもよい。このような2つの非隣接炭素原子間の連結を含有する単環又は二環ヘテロ環の代表例には、限定されるものではないが、2−アザビシクロ[2.2.2]オクチル、2−オキサ−5−アザビシクロ[2.2.2]オクチル、2,5−ジアザビシクロ[2.2.2]オクチル、2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプチル、2−オキサ−5−アザビシクロ[2.2.1]ヘプチル、2,5−ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプチル、2−アザビシクロ[2.1.1]ヘキシル、5−アザビシクロ[2.1.1]ヘキシル、3−アザビシクロ[3.1.1]ヘプチル、6−オキサ−3−アザビシクロ[3.1.1]ヘプチル、8−アザビシクロ[3.2.1]オクチル、3−オキサ−8−アザビシクロ[3.2.1]オクチル、1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノニル、1,4−ジアザトリシクロ[4.3.1.1 3,8]ウンデシル、3,10−ジアザビシクロ[4.3.1]デシル、又は8−オキサ−3−アザビシクロ[3.2.1]オクチル、オクタヒドロ−1H−4,7−メタノイソインドリル、及びオクタヒドロ−1H−4,7−エポキシイソインドリルが含まれる。窒素ヘテロ原子は、四級化されていても、されていなくてもよく、酸化されてN−オキシドになっていても、なっていなくてもよい。加えて、窒素含有ヘテロ環は、N保護されていても、いなくてもよい。
【0022】
[0025]ヘテロシクリル基の例には、ピリジル、ピペリジニル、ピペラジニル、ピラジニル、ピロリル、ピラニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、ピロリジニル、フラニル、テトラヒドロフラニル、チオフェニル、テトラヒドロチオフェニル、プリニル、ピリミジニル、チアゾリル、チアゾリジニル、チアゾリニル、オキサゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、テトラジニル、ベンゾオキサゾリル、モルホリニル、チオホルホリニル、キノリニル、及びイソキノリニルが含まれる。
【0023】
[0026]ベンゾを有する及び有しない5員不飽和ヘテロ環:フラニル、チオフェンイル、ピロリル、ピラゾリル、ピラゾリニル、イミダゾリル、イミダゾリニル、ジチアゾリル、フラザニル、1,2,3−トリアゾリル、テトラゾリル、1,2,4−トリアゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、イソオキサゾリル、イソオキサゾリニル、オキサゾリル、オキサゾリニル、ホスホリル、イソチアゾリル、チアゾリル、チアゾリニル、イソチアゾリル、イソチアゾリジニル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェンイル、インドリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾオキサゾリニル、及びベンゾチアゾリニル。
【0024】
[0027]構造中の原子の数の範囲が示されている場合(例えば、C1−22、C1−12、C1−8、C1−6又はC1−4アルキル、アルコキシ等)は常に、示されている範囲内の任意の部分範囲又は個別の炭素原子数も用い得ることが具体的に企図されている。従って、例えば、本明細書において言及される任意の化学基(例えば、アルキル、アルコキシ、アルキルアミノ等)に関して用いられる、1〜22個の炭素原子(例えばC〜C22)、1〜20個の炭素原子(例えばC〜C20)、1〜18個の炭素原子(例えばC〜C20)、1〜16個の炭素原子(例えばC〜C16)、1〜14個の炭素原子(例えばC〜C14)、1〜12個の炭素原子(例えばC〜C12)、1〜10個の炭素原子(例えばC〜C10)、1〜8個の炭素原子(例えばC〜C)、1〜6個の炭素原子(例えばC〜C)、1〜4個の炭素原子(例えばC〜C)、1〜3個の炭素原子(例えばC〜C)、又は2〜8個の炭素原子(例えばC〜C)という範囲の記載は、適切であれば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21又は22個の炭素原子を包含し且つ具体的に説明するものであり、さらには、適切であればその任意の部分範囲、例えば、1〜2個の炭素原子、1〜3個の炭素原子、1〜4個の炭素原子、1〜5個の炭素原子、1〜6個の炭素原子、1〜7個の炭素原子、1〜8個の炭素原子、1〜9個の炭素原子、1〜10個の炭素原子、1〜11個の炭素原子、1〜12個の炭素原子、1〜13個の炭素原子、1〜14個の炭素原子、1〜15個の炭素原子、1〜16個の炭素原子、1〜17個の炭素原子、1〜18個の炭素原子、1〜19個の炭素原子、1〜20個の炭素原子、1〜21個の炭素原子及び1〜22個の炭素原子、並びにその間の任意のもの、例えば、2〜3個の炭素原子、2〜4個の炭素原子、2〜5個の炭素原子、2〜6個の炭素原子、2〜7個の炭素原子、2〜8個の炭素原子、2〜9個の炭素原子、2〜10個の炭素原子、2〜11個の炭素原子、2〜12個の炭素原子、2〜12個の炭素原子、2〜13個の炭素原子、2〜14個の炭素原子、2〜15個の炭素原子、2〜16個の炭素原子、2〜17個の炭素原子、2〜18個の炭素原子、2〜19個の炭素原子、2〜20個の炭素原子、2〜21個の炭素原子及び2〜22個の炭素原子、3〜4個の炭素原子、3〜5個の炭素原子、3〜6個の炭素原子、3〜7個の炭素原子、3〜8個の炭素原子、3〜9個の炭素原子、3〜10個の炭素原子、3〜11個の炭素原子、3〜12個の炭素原子、3〜13個の炭素原子、3〜14個の炭素原子、3〜15個の炭素原子、3〜16個の炭素原子、3〜17個の炭素原子、3〜18個の炭素原子、3〜19個の炭素原子、3〜20個の炭素原子、3〜21個の炭素原子及び3〜22個の炭素原子並びに4〜5個の炭素原子、4〜6個の炭素原子、4〜7個の炭素原子、4〜8個の炭素原子、4〜9個の炭素原子、4〜10個の炭素原子、4〜11個の炭素原子、4〜12個の炭素原子、4〜13個の炭素原子、4〜14個の炭素原子、4〜15個の炭素原子、4〜16個の炭素原子、4〜17個の炭素原子、4〜18個の炭素原子、4〜19個の炭素原子、4〜20個の炭素原子、4〜21個の炭素原子、4〜22個の炭素原子を包含し且つ具体的に説明するものである。
【0025】
[0028]上記の実施形態において、「n」及び「m」は、それぞれのモノマーの平均重合度を表す。
【0026】
[0029]本発明の実施形態によれば、nは、約10〜約1000、約10〜約500、約10〜約250、約20〜約1000、約20〜約500、約20〜約250、約30〜約1000、約30〜約500、約30〜約250、約40〜約1000、約40〜約500、約40〜約250、約50〜約1000、約50〜約500、約50〜約250、約60〜約1000、約60〜約500、又は約60〜約250である。
【0027】
[0030]上記の実施形態のいずれかにおいて、mは、約50〜約2000、約50〜約1500、約50〜約1000、約100〜約2000、約100〜約1500、約100〜約1000、約150〜約2000、約150〜約1500、約150〜約1000、約200〜約2000、約200〜約1500、又は約200〜約1000である。
【0028】
[0031]ジブロックコポリマーの上記の実施形態のいずれかにおいて、nは、典型的には約30〜約350、好ましくは約70〜約200、及びより好ましくは約100〜約150である。
【0029】
[0032]上記の実施形態のいずれかにおいて、mは、典型的には約75〜約900、好ましくは約180〜約500、及びより好ましくは約250〜約400である。
【0030】
[0033]ジブロックコポリマーは、任意の適した総分子量、例えば、約35kDa〜約450kDaの数平均分子量(M)を有することができ、ある実施形態において、ジブロックコポリマーは、約75kDa〜約300kDaのMを有し、ある別の実施形態において、ジブロックコポリマーは、約250kDaのMを有する。一実施形態において、ジブロックコポリマーは、約129kDaのMを有する。
【0031】
[0034]ジブロックコポリマー中の二重結合は、任意の適したシス、トランスの配向を有することができ、それらは、ランダムな様式で分布し得る。
【0032】
[0035]ジブロックコポリマーは、任意の適した形態、例えば、限定されるものではないが、球又は体心立方形態、円柱形態、ラメラ形態又は二重ジャイロイド形態に、自己組織化してもよい。コポリマーが自己組織化するナノ構造のタイプは、とりわけ、ブロックコポリマー中の2つのブロックの体積分率、及び溶剤系の性質に依存する。
【0033】
[0036]例えば、2つのモノマーのポリマー体積分率比の範囲(f:f)が37〜50:63〜50であると、均等なドメインサイズの層の重なりを伴うラメラ形態の形成に有利であり、体積分率比の範囲が15〜70:85〜30であると、多い方のポリマーブロック構成成分のマトリックス中で少ない方のポリマー構成成分が円柱を形成する円柱形態の形成に有利であり、体積分率比の範囲が7〜15:83〜85であると、多い方のポリマーブロック構成成分のマトリックス中で少ない方のポリマー構成成分が球を形成する球形態又は体心立方(bcc)形態の形成に有利である。体積分率比の範囲が33〜37:67〜33であると、二重ジャイロイド形態の形成に有利である。
【0034】
[0037]円柱形態は、不連続の管又は円柱形を有する相ドメイン形態を含む。管又は円柱形は、六方格子に六方充填されていてもよい。実施形態において、円柱ドメインのサイズは、約5nm〜約100nmである。
【0035】
[0038]ラメラ形態は、概して互いに平行に配向した互い違いの構造の層を有する相ドメイン形態を含む。実施形態において、ラメラドメインのサイズは、約5nm〜約100nmである。
【0036】
[0039]二重ジャイロイド形態は、互いに貫通する2つの連続したネットワークを含む。実施形態において、二重ジャイロイドドメインのサイズは、約5nm〜約100nmである。
【0037】
[0040]球形態又はbcc形態は、第二のブロックのマトリックス中の体心立方格子に配列された1つのブロックの球ドメインを有する相ドメイン形態を指す。実施形態において、球形態ドメインのサイズは、約5nm〜約100nmである。
【0038】
[0041]一実施形態において、重合された第二のモノマー(Rを有する)及び重合された第一のモノマー(Rを有する)は、ジブロックコポリマー中に任意の適切な体積分率で存在する。例えば、第一のモノマーの%体積分率と第二のモノマーの%体積分率とは、約15:約85〜約30:約70の範囲、好ましくは約19:約81〜約25:約75の範囲、より好ましくは約20:約80の範囲であり得る。一実施形態において、第二のモノマーの体積分率はポリマー全体の約74%である。
【0039】
[0042]一実施形態において、第二のモノマーの体積分率と第一のモノマーの体積分率とは約2.8:1であり、これは、ブロックコポリマーが自己組織化する際、円柱形態の形成に有利である。第二のモノマーの質量分率と第一のモノマーの質量分率とは、約2.2:1である。
【0040】
[0043]具体的な一実施形態において、式(I)のジブロックコポリマーは以下の構造、特にnが100でmが180のものを有する。
【化4】

【0041】
[0044]一実施形態において、式(I)のジブロックコポリマーは、モノマーがエキソ立体配置である以下の構造、特にnが100でありmが180であるものを有する。
【化5】

【0042】
[0045]本発明は、
(i)式
【化6】
の2種のモノマーのうちの一方を、開環メタセシス重合(ROMP)触媒を用いて重合して、リビング鎖末端を有する開環ポリマーを得るステップ、
(ii)(i)で得られた開環ポリマーのリビング末端に、2種のモノマーのうちの他方を重合して、リビング末端を有するジブロックコポリマーを得るステップ、及び
(iii)(ii)で得られたジブロックコポリマーのリビング末端を、置換されていてもよいアルキルビニルエーテルによって停止するステップ
を含む、上に記載した式(I)のジブロックコポリマーを調製する方法をさらに提供する。
【0043】
[0046]アルキルビニルエーテルのアルキル基は、置換基、例えば、ヒドロキシ、ハロ、アミノ及びニトロから選択される置換基により置換されていてもよい
【0044】
[0047]上記の方法の一実施形態において、最初に重合されるモノマーは、式
【化7】


のものである。
【0045】
[0048]上記モノマーの重合の後、そこに重合される第二のモノマーは、式
【化8】


のモノマーである。
【0046】
[0049]第一のモノマー及び第二のモノマーは、エキソ又はエンド立体化学配置であり得る。一実施形態において、第一及び第二のモノマーは、エキソ配置のもの、例えばエキソ異性体が98%以上のモノマーである。第一及び第二のモノマーにおいて、R及びRは、式(I)のジブロックコポリマーについて上に説明したものと同じである。一実施形態において、第一及び第二のモノマーは、(オキサ)ノルボルネン(ジ)カルボン酸イミド由来モノマーである。
【0047】
[0050]モノマーは、任意の適した方法、例えば、マレイミド及びフランから出発しDiels−Alder反応を経由する以下に例証する方法によって調製することができる。
【化9】

【0048】
[0051]第一のモノマーは、以下に例証する光延カップリング反応を経由して合成することができる。
【化10】

【0049】
[0052]或いはまた、第一のモノマーは、N−トリエチレングリコールモノメチルエーテルマレイミドとフランとのDiels−Alder反応を経由した反応によって合成することができる。
【0050】
[0053]第二のモノマーは、以下に例証するように、光延カップリングを経由して合成することができる。
【化11】

【0051】
[0054]或いはまた、第二のモノマーは、exo−7−オキサノルボルネン−5,6−ジカルボン酸無水物とヘキサデシルアミンとの反応、又はN−ヘキサデシルマレイミドとフランとのDiels−Alder反応を経由した反応によって合成することができる。
【0052】
[0055]モノマーの重合は、環状オレフィンモノマーが環状オレフィンモノマーの開環によって重合又は共重合される、開環オレフィンメタセシス重合(ROMP)によって実施される。典型的には、カルベン配位子を含有する遷移金属触媒が、メタセシス反応を媒介する。
【0053】
[0056]任意の適したROMP触媒を用いることができ、例えば、Grubbs第一世代、第二世代及び第三世代触媒、Umicore、Hoveyda−Grubbs、Schrock及びSchrock−Hoveyda触媒を採用することができる。そのような触媒の例には、以下のものが含まれる。
【化12】


【化13】


【化14】

【0054】
[0057]一実施形態において、Grubbs第三世代触媒は、空気中での安定性、複数の官能基に対する耐性、並びに/又は速やかな重合開始及び連鎖成長速度等のそれらの利点のために特に適している。加えて、Grubbs第三世代触媒を用いると、末端基が任意の親和性のある基を含むように操作され、触媒が容易にリサイクルされ得る。そのような触媒の例は、以下のものである。
【化15】

【0055】
[0058]上記の第三世代Grubbs触媒は、市販品として得ても、又はGrubbs第二世代触媒(G2)から以下のようにして調製してもよい。
【化16】

【0056】
[0059]第一のモノマー及び第二のモノマーを順次重合して、ジブロックコポリマーを得る。本発明によれば、2種のモノマーのうちのいずれか一方を重合することができる。例えば、第一のモノマーを最初に重合し、続いて第二のモノマーを重合することができる。或いはまた、第二のモノマーを最初に重合し、続いて第一のモノマーを重合することができる。
【0057】
[0060]典型的には、モノマーは、少なくとも95%、好ましくは99%以上、より好ましくは99.9%以上の化学純度を有する。モノマーは、重合を妨げる不純物、例えば、ROMP触媒に影響を及ぼす不純物を含まないことが好ましい。そのような不純物の例には、アミン、チオール、酸、ホスフィン及びN−置換マレイミドが含まれる。
【0058】
[0061]モノマーの重合は、適した溶剤、例えばROMP重合を行うのに一般的に用いられている溶剤中で行われる。適した溶剤には、ベンゼン、トルエン及びキシレン等の芳香族炭化水素、n−ヘプタン、ヘキサン及びヘプタン等の脂肪族炭化水素、シクロヘキサン等の脂環式炭化水素、並びにジクロロメタン、ジクロロエタン、ジクロロエチレン、テトラクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン及びトリクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素、並びにそれらの混合物が含まれる。
【0059】
[0062]有機溶剤中で重合を実施する際、モノマー濃度は、1〜50重量%、好ましくは2〜45重量%、より好ましくは3〜40重量%の範囲であり得る。
【0060】
[0063]重合は、任意の適した温度、例えば、−20〜+100℃、好ましくは10〜80℃で実施することができる。
【0061】
[0064]重合は、ブロックのそれぞれについて適当な鎖長を得るのに適した任意の時間に実施することができ、この時間は約1分〜100時間であり得る。
【0062】
[0065]触媒の量は、任意の適した量から選択することができる。例えば、触媒とモノマーとのモル比は、約1:10〜約1:1000、好ましくは約1:50〜約1:500、より好ましくは約1:100〜約1:200であり得る。例えば、触媒とモノマーとのモル比は、1:n及び1:mであり得、このときn及びmは平均重合度である。
【0063】
[0066]2種のモノマーの重合の後、ジブロックコポリマーの鎖末端は、置換されていてもよいアルキルビニルエーテルを重合混合物に加えることによって、停止される。
【0064】
[0067]ジブロックコポリマーは、非溶剤を用いた沈殿などの適した技法によって単離することができる。
【0065】
[0068]ジブロックコポリマーの調製の間に形成されたホモポリマー及び本発明のジブロックコポリマーは、その分子量及び分子量分布について、任意の公知の技法によって特性解析することができる。例えば、MALS−GPC技法を採用することができる。この技法は、移動相を用いて、ポリマー溶液を、固定相が充填されたカラムのバンクを通して、高圧ポンプによって溶離する。固定相は、鎖サイズによってポリマーサンプルを分離し、その後、3つの異なる検出器によってポリマーを検出する。一連の検出器、例えば、紫外線検出器(UV検出器)と、その後の多角度レーザー光散乱検出器(MALS検出器)と、その次の示差屈折検出器(RI検出器)とが一列になったものを採用することができる。UV検出器は、波長254nmでのポリマーの光吸収を測定し、MALS検出器は、ポリマー鎖からの散乱光を移動相に対して相対的に測定する。
【0066】
[0069]本発明のジブロックコポリマーは、高度に単分散である。例えば、コポリマーは、1.01〜1.2、好ましくは1.05〜1.10のMw/Mnを有する。
【0067】
[0070]本発明は、上に記載したジブロックコポリマーを含む多孔性膜をさらに提供する。ジブロックコポリマーは、適した溶剤系に溶解され得る。例えば、溶剤系は、ジクロロメタン、1−クロロペンタン、クロロホルム、1,1−ジクロロエタン、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMA)、N−メチルピロリドン(NMP)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、テトラヒドロフラン(THF)、1,3−ジオキサン及び1,4−ジオキサンから選択される溶剤又は溶剤混合物を含む。
【0068】
[0071]ポリマー溶液は、適した基材上に、任意の適した方法、例えば、スピンコーティング、ハイブリッドキャスティング又はスプレーコーティングによって、薄層フィルムとしてキャストされる。例えば、ハイブリッドキャスティングにおいては、溶剤を薄層フィルムから蒸発させ、そうすることにより、ジブロックコポリマーが、秩序化されたナノ構造に自己組織化する。ナノ構造を含有するコーティングを、イソプロパノール、ペンタン若しくはヘキサン又はイソプロパノール、DMSO及び/若しくは水を含有する混合物等の非溶剤に浸漬することによって、コーティングに転相を起こさせる。本発明の一実施形態による膜の断面は、図2において例証しており、ポリマーが円柱形態を呈する上部における薄いナノ多孔性層を特徴とし、ナノ多孔性層は、ランダムな形態の多孔性ポリマー層によって支持されている。
【0069】
[0072]或いはまた、ポリマー溶液は、ガラス板又はシリコンウエハー等の基材上にスピンコーティングしてもよい。湿潤フィルムは、ポリマーが秩序化された構造に自己組織化するために、溶剤蒸気、例えばジクロロメタン蒸気中で、約1時間〜約3日間以上の期間にわたってアニーリングされる。図3は、本発明の一実施形態によって調製された自己組織化構造のAFM相画像である。図4は、図3から抽出したラインプロファイルであり、周期性を示している。
【0070】
[0073]多孔性膜は、孔の生成を導く限定的な膨潤を経由して、自己組織化構造から調製され得る。限定的な膨潤は、アニーリングステップによってもたらされ、アニーリングステップは、自己組織化構造を溶剤蒸気に曝露すること又は液体溶剤中に浸すことのいずれかによって実施され得る。
【0071】
[0074]多孔性構造は、自己組織化構造、特に円柱形態を有するものから、アニーリングによって実施される限定的な膨潤ステップを経由して生じ得る。アニーリングステップは、溶剤蒸気中で、又は液体溶剤中に浸すことのいずれかによって行われ得る。溶剤は、円柱コアを形成する、より少ない体積分率のブロックの良溶剤、及びマトリックスを形成する、より多い体積のブロックの非溶剤であるべきである。何らかの理論又はメカニズムに固執することを意図するものではないが、自己組織化構造がアニーリングされると、円柱コアが溶剤によって膨張し、円柱の体積の増加につながると考えられる。円柱コアがマトリックス表面の外に広がると、この広がりは、円柱が孔を作り出すことを余儀なくする。マトリックスの厚さもまた増加する。
【0072】
[0075]アニーリングに用いることができる溶剤の例には、テトラヒドロフラン(THF)、酢酸ブチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン及びアセトンが含まれる。溶剤又は溶剤混合物は、任意の適した温度、例えば、周囲温度、例えば20℃〜25℃から、40℃、50℃、60℃、70℃、80℃又は90℃まで等の高温であり得る。
【0073】
[0076]本発明の一実施形態によれば、多孔性膜は、ナノ多孔性膜、例えば、1nm〜100nmの間の直径の孔を有する膜である。
【0074】
[0077]本発明の実施形態による膜は、様々な用途において用いることができ、用途には、例えば、診断用途(例えば、サンプル調製及び/若しくは診断ラテラルフロー装置を含む)、インクジェット用途、製薬産業用流体の濾過、医療用途用流体の濾過(家庭及び/若しくは患者が使用するためのもの、例えば静脈内用途、並びに例えば血液等の生物流体の濾過(例えば白血球の除去のため)を含む)、エレクトロニクス産業用流体の濾過(例えば、マイクロエレクトロニクス産業におけるフォトレジスト流体の濾過)、食品及び飲料産業用流体の濾過、浄化、抗体及び/若しくはタンパク質含有流体の濾過、核酸含有流体の濾過、細胞検出(in situを含む)、細胞採取、並びに/又は細胞培養流体の濾過が含まれる。これらに代えて又はこれらに加えて、本発明の実施形態による膜は、空気及び/若しくはガスを濾過するために用いることができ、並びに/又は排出用途(例えば、液体ではなく、空気及び/若しくはガスを通り抜けさせること)に用いることができる。本発明の実施形態による膜は、様々な装置において用いることができ、装置には、手術用装置及び製品、例えば眼科手術用製品等が含まれる。
【0075】
[0078]本発明の実施形態によれば、膜は、平面状、フラットシート、ひだ状、管状、らせん状及び中空繊維を含めた様々な外形を有し得る。
【0076】
[0079]本発明の実施形態による膜は、少なくとも1つの入口及び少なくとも1つの出口を含み且つ入口と出口との間に少なくとも1つの流体流路を定めるハウジング中に、少なくとも1つの本発明の膜又は少なくとも1つの本発明の膜を含むフィルターが流体流路を横切って典型的に配置されて、フィルター装置又はフィルターモジュールを提供する。一実施形態において、入口及び第一の出口を含み且つ入口と第一の出口との間に第一の流体流路を定めるハウジングと、少なくとも1つの本発明の膜又は少なくとも1つの本発明の膜を含むフィルターとを含み、本発明の膜又は少なくとも1つの本発明の膜を含むフィルターが、第一の流体流路を横切るようにハウジング内に配置された、フィルター装置が提供される。
【0077】
[0080]クロスフロー用途には、少なくとも1つの本発明の膜又は少なくとも1つの本発明の膜を含むフィルターが、少なくとも1つの入口及び少なくとも2つの出口を含み且つ入口と第一の出口との間に第一の流体流路及び入口と第二の出口との間に第二の流体流路を少なくとも定めるハウジング中に、本発明の膜又は少なくとも1つの本発明の膜を含むフィルターが第一の流体流路を横切って配置されて、フィルター装置又はフィルターモジュールを提供することが好ましい。例証的実施形態において、フィルター装置は、クロスフローフィルターモジュールを含み、ハウジングは、入口と濃縮物出口を含む第一の出口と濾液出口を含む第二の出口とを含み且つ入口と第一の出口との間に第一の流体流路及び入口と第二の出口との間に第二の流体流路を定め、少なくとも1つの本発明の膜又は少なくとも1つの本発明の膜を含むフィルターは、第一の流体流路を横切って配置される。
【0078】
[0081]フィルター装置又はモジュールは、殺菌可能であってもよい。適した形であり、1つの入口と1つ又は複数の出口とを備えた、任意のハウジングを採用してもよい。
【0079】
[0082]ハウジングは、処理される流体と親和性のある、任意の不浸透性の熱可塑性材料を含めた、任意の適した硬質の不浸透性の材料から作られ得る。例えば、ハウジングは、ステンレス鋼等の金属、又はポリマー、例えば、アクリル系、ポリプロピレン、ポリスチレン又はポリカーボネート樹脂等の透明若しくは半透明ポリマーから作られ得る。
【0080】
[0083]以下の実施例は、本発明をさらに例証するものであるが、当然のことながら、本発明の範囲について何らかの限定をするものと解釈されるべきではない。
【0081】
実施例1
[0084]この実施例は、モノマー及びポリマーの調製において用いられる材料を提供するものである。
【0082】
[0085]マレイミド、フラン、ジイソプロピルアゾジカルボキシレート(DIAD)、トリフェニルホスフィン(PhP)、1−ヘキサデカノール、テトラヒドロフラン(THF)、酢酸エチル、N−フェニルマレイミド、アセトニトリル、メタノール、Grubbs第二世代触媒、3−ブロモピリジン及びペンタンは、Sigma−Aldrich Co.から入手して、さらなる処理なしで用いた。ジクロロペンタンもSigma−Aldrich Co.から入手したが、使用前に塩基性アルミナで処理した。
【0083】
実施例2
[0086]この実施例は、本発明の実施形態による第一及び第二のモノマーの調製における中間体であるexo−7−オキサノルボルネン−5,6−ジカルボキシイミド(C1)の調製を例証するものである。
【0084】
[0087]マグネチックスターラーバーを備えた清浄な500mL丸底フラスコ(RBF)内で、フラン(21.0g、309mmol)を、マレイミド(25g、258mmol)の酢酸エチル250mL中の溶液に加えた。混合物を90℃で30時間加熱した。エーテル(100mL、3X)で洗浄し濾過すると、溶液からC1が白色沈殿として得られた。白色固体を真空下で室温にて24時間乾燥した。C1が、29g、68%の収率で、純粋なエキソ異性体として得られた。H−NMR(300MHz,CDCl):δ(ppm)8.09(s,1H)、6.53(s,2H)、5.32(s,2H)、2.89(s,2H)。
【0085】
実施例3
[0088]この実施例は、ジクロロ[1,3−ビス(2,4,6−トリメチルフェニル)−2−イミダゾリジニリデン](ベンジリデン)ビス(3−ブロモピリジン)ルテニウム(II)(G3)触媒の調製を例証するものである。
【0086】
[0089]上に例証した第二世代Grubbs触媒(G2)(1.0g、1.18mmol)を、50mLフラスコ内で3−ブロモピリジン(1.14mL、11.8mmol)と混合した。室温で5分撹拌すると、赤色混合物が鮮やかな緑色に変わった。撹拌しながら、ペンタン(40mL)を15分かけて加え、緑色固体を得た。混合物を冷凍庫で24時間冷却し、真空濾過した。結果として得られた緑色固体であるG3触媒を冷ペンタンで洗浄し、真空下で室温にて乾燥して、収量0.9g、収率88%を得た。
【0087】
実施例4
[0090]この実施例は、本発明の一実施形態によるモノマーexo−7−オキサノルボルネン−N−トリエチレングリコール−モノメチルエーテル−5,6−ジカルボキシイミドの調製を例証するものである。
【0088】
[0091]1L丸底フラスコに、exo−7−オキサノルボルネン−5,6−ジカルボキシイミド(82.6g;0.5mol)、トリエチレングリコールモノメチルエーテル(70.4mL;0.45mol)及びトリフェニルホスフィン(144.3g;0.55mol)を仕込んだ。内容物を、無水テトラヒドロフラン(650mL)と共に、全ての固体が溶解するまで激しく撹拌した。混合物を氷浴中で冷却し、続いて、無水テトラヒドロフラン(50mL)で希釈したアゾジカルボン酸ジエチル(87mL;0.55mol)を、激しい撹拌及び氷冷を維持しながら、滴下して加えた。反応物を周囲温度までゆっくりと温め、撹拌を24〜48時間継続した。テトラヒドロフランを回転蒸留によって除去し、濃縮物をジエチルエーテル(1L)で希釈し、結果として得られたスラリーを周囲温度で4時間撹拌した。不溶性固体を濾別してジエチルエーテル(2x150mL)で洗浄し、濾液と洗浄液とを合わせ、回転蒸留によって濃縮した。結果として得られた残渣を、激しく撹拌しながら蒸留水(750mL)で希釈した。沈殿物を濾別して水(2x75mL)で洗浄し、濾液と洗浄液とを合わせ、ジエチルエーテル(4x200mL)で抽出した。固体NaClを加えることによって水層を飽和させ、続いてジクロロメタン(5x200mL)で抽出した。その後、エーテル及びジクロロメタンの抽出物をTLCによって分析し、十分に純粋と思われる画分をプールし、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、恒量になるまで濃縮した。得られた黄色粘性液体は、NMR分析によって特性分析したところ、重合を行うのに十分に純粋であった。生成物収量は、81.4g(60%)であった。H−NMR(300MHz,CDCl):6.51(s,2H),5.26(s,2H)、3.65〜3.72(m,2H)、3.55〜3.62(m,8H)、3.51〜3.54(m,2H)、3.37(s,3H)、2.87(s,2H)。
【0089】
実施例5
[0092]この実施例は、本発明の一実施形態によるモノマーexo−7−オキサノルボルネン−N−ヘキサデシル−5,6−ジカルボキシイミドの調製を例証するものである。
【0090】
[0093]マグネチックスターラーバーを備えた清浄な500mLのRBF内で、exo−7−オキサノルボルネン−5,6−ジカルボキシイミド(C1)(10g、61mmol)、PhP(23.84g、91mmol)及び1−ヘキサデカノール(17.6g、72.7mmol)の混合物を、無水THF(130mL)に乾燥窒素ガス流下で溶解した。溶液を氷浴中で冷却した。DIAD(22.1g、109.3mmol)を、冷却した溶液に滴下漏斗から滴下して加えた。反応混合物を室温まで温め、24時間撹拌した。乾燥するまで回転蒸留によってTHFを除去して、白色固体を得た。メタノール(2X)からの晶析、及び室温、真空下での24時間の乾燥で、粗製物から白色固体としてモノマーを得た(収率18.6g、80%)。H−NMR(300MHz,CDCl):δ(ppm)6.5(s,2H)、5.26(s,2H)、5.32(s,2H)、3.45(t,2H)、2.82(s,2H)、1.56〜1.38(m,2H)、1.28〜1.1(m,24H)、0.88(t,3H)。
【0091】
実施例6
[0094]この実施例は、本発明の実施形態によるジブロックコポリマーの調製を例証するものである。
【0092】
[0095]Grubbs第三世代(G3)触媒(57mg、0.064mmol)を、フッ化ポリマー樹脂−シリコン隔膜頂部開口型キャップを備えた40mLバイアルに秤量した。G3を、アルゴンで脱気したDCM(30mL)に溶解し、カニューレを介して、スターラーバーを備えた清浄な1LのRBFに移した。実施例4からのモノマー(2.0g、6.42mmol)のDCM(5mL)中の溶液を、アルゴンで脱気し、G3溶液中へ移し、80分間撹拌した。形成されたホモポリマーの1〜2mLのアリコートを、分子量特性解析のために、80分後に取得した。実施例5からのモノマー(6.25g、16.1mmol)のDCM(320mL)中の溶液を、アルゴンで脱気し、成長ホモポリマー溶液中へ移し、さらに65分間撹拌した。ジブロックコポリマーの黄色溶液にエチルビニルエーテル(2mL)を加えて、反応を停止させ、さらに20分間撹拌した。ポリマーをMeOH(2L、2x)中で沈殿させ、白色固体として純粋なポリマーを回収した。ポリマーを濾過し、真空下で室温にて乾燥した。H−NMR(300MHz,CDCl):δ(ppm)6.0(s広幅,2H,)、5.7(s広幅,2H)、5.2〜4.8(s広幅,2H)、4.6〜4.3(s広幅,2H)、3.9〜3.1(広幅m,17H)、1.8〜1.4(広幅m,2H)、1.36〜0.9(s広幅,28H)0.88(t,3H)。
【0093】
実施例7
[0096]この実施例は、多角度レーザー光散乱及びゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を伴う、本発明のジブロックコポリマーを特性解析する方法を例証するものである。
【0094】
[0097]実施例6において得られたホモポリマー及びジブロックコポリマーを、それらの分子量及び分子量分布特性について、以下の条件でのMALS−GPC法によって特性解析した。
【0095】
[0098]移動相:ジクロロメタン(DCM)
【0096】
[0099]移動相温度:30℃
【0097】
[0100]UV波長:245nm
【0098】
[0101]使用カラム:PSS SVD Lux分析カラム(スチレン−ジビニルベンゼンコポリマーネットワーク)3本。カラムは、1000A、100,000A及び1,000,000Aの孔径を有する、5マイクロメートルの固定相ビーズ、並びにガードカラムを有する。
【0099】
[0102]流速:1mL/分
【0100】
[0103]GPCシステム:UV及びRI検出器を有するwaters HPLC alliance e2695システム
【0101】
[0104]MALSシステム:664.5nmのレーザーで動作する8つの検出器を有するDAWN HELEOS 8システム
【0102】
[0105]クロマトグラムを図1に示す。ジブロックコポリマー2は、より高い分子量を有するため、ホモポリマー1よりも早く溶出した。
【0103】
実施例8
[0106]この実施例は、本発明の一実施形態によるジブロックコポリマーから自己組織化構造を調製する方法を例証するものである。
【0104】
[0107]実施例6からのジブロックコポリマーの、体積当たり1.0質量%溶液を、体積%組成で70/30のN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)とテトラヒドロフラン(THF)との混合物において調製した。溶液は、使用する前に室温で3日間撹拌した。
【0105】
[0108]上記のポリマー溶液それぞれの薄層フィルムを、ガラス基材上にスピン速度2000rpmで90秒間スピンコーティングした。薄層フィルムを、ジクロロメタン蒸気中で3日間アニーリングした。結果として得られた薄層フィルムを洗浄及び乾燥して、自己組織化構造を得た。
【0106】
[0109]図3は、自己組織化構造の表面のAFM相画像である。
【0107】
[0110]本明細書において引用した刊行物、特許出願及び特許を含めた全ての参考文献は、各参考文献が参照によって組み込まれることが個々に具体的に示され且つその全体が本明細書に記載されているのと同程度まで、参照によって本明細書に組み込まれる。
【0108】
[0111]本発明を説明する文脈における(とりわけ、以下の特許請求の範囲の文脈における)用語「a」及び「an」及び「the」及び「少なくとも1つ(at least one)」並びに同様の指示対象の使用は、明細書中に特段示されていない限り又は文脈と明らかに矛盾しない限り、単数及び複数の両方を包含すると解釈されるべきである。1つ又は複数の項目の列挙に続く用語「少なくとも1つ」の使用(例えば、「A及びBの少なくとも1つ」)は、明細書中に特段示されていない限り又は文脈と明らかに矛盾しない限り、列挙された項目から選択される1つの項目(A若しくはB)、又は列挙された項目の2つ以上の任意の組み合わせ(A及びB)を意味すると解釈されるべきである。用語「含む(comprising)」、「有する(having)」、「含む(including)」及び「含有する(containing)」は、特段記されていない限り、オープンエンド用語(即ち、「含むが、限定されない」を意味する)として解釈されるべきである。本明細書における値の範囲の記載は、本明細書に特段示されていない限り、その範囲内の別個の値それぞれを個々に言及する簡略表記法としての役目を果たすことを意図したものにすぎず、別個の値それぞれが、本明細書に個々に記載されているかのように、本明細書に組み込まれる。本明細書に記載の全ての方法は、本明細書に特段示されていない限り又は文脈と明らかに矛盾しない限り、任意の適した順序で行うことができる。本明細書において提示される任意の例及び全ての例又は例示的な語(例えば「等」)の使用は、本発明をより良く明らかにすることを意図したものにすぎず、特許請求されていない限り、本発明の範囲を限定しようとするものではない。本明細書におけるいかなる語も、特許請求されていない要素を、本発明の実践のために不可欠なものとして示していると解釈されるべきではない。
[0112]発明者らが知っているこの発明を実施するための最良の形態を含めて、本発明の好ましい実施形態を本明細書に記載する。以上の記載を読んだ当業者には、これらの好ましい実施形態の変形が明らかとなり得る。本発明者らは、当業者がそのような変形を適宜採用することを予想しており、本発明者らは、本発明が具体的に本明細書に記載されたのとは異なって実践されることを意図している。従って、本発明は、本明細書に添付した特許請求の範囲に記載された主題の、準拠法によって許される全ての改変及び均等物を含む。さらに、上記の要素の、それらの全ての可能な変形における任意の組み合わせは、本明細書に特段示されていない限り又は文脈と明らかに矛盾しない限り、本発明に包含される。
図1
図2
図3
図4