(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
一般的に、ワイパーブレードは、自動車の運行中に異物や雪または雨を除去してドライバーの前方視界が妨害されることを予防するためのものであって、ワイパーアームによって連結されたリンク装置をモータが駆動することにより、扇状に反復的な往復運動をする。
【0003】
ワイパーブレードは、ガラス面に接触する長いワイパーストリップと、ワイパーストリップをその長手方向に沿って保持して支持するガイドスプリングとを備える。このようなガイドスプリングを有するワイパーブレードは、当該分野にコンベンショナル(conventional)ワイパーブレードとして知られている。最近、ワイパーブレードのガイドスプリングとして、所定の曲率に曲がっていて、薄くて長いバー(bar)形態の一つのガイドスプリングを用いるワイパーブレードが使用されている。このようなワイパーブレードは、当該分野にフラットワイパーブレード(flat wiper blade)、又は、フラットバーワイパーブレード(flat-bar wiper blade)として知られている。
【0004】
フラットワイパーブレードは、コンベンショナルワイパーブレードに比べて高さが低く、受ける空気抵抗は少なく、均一な荷重でワイパーストリップをガラス面に接触させることができる。このようなフラットワイパーブレードを備えるフラットワイパーブレード組立体は、ガイドスプリングの中央部に設けられたアダプター部を含む。フラットワイパーブレード組立体は、アダプター部がワイパーアームの末端部に分離可能に連結されてワイパーアームに連結されている。
【0005】
このような従来のフラットワイパーブレードの中には、ヨーク部を用いてガイドスプリングとワイパーストリップを連結するフラットワイパーブレードがあり、安着部が左右二つの部材に分けられていて、左右からワイパーブレードを包み込むように二つの部材を結合させることによって安着部を固定するフラットワイパーブレードもあり、安着部をガイドスプリングの上端に置いた後、安着部の脚を左右からガイドスプリングを包み込むようにベンディング(bending)して安着部を固定するフラットワイパーブレードもあり、左右からガイドスプリングを包み込む安着部の脚を、超音波などを用いてガイドスプリングと溶接することによって安着部を固定するフラットワイパーブレードもあった。
【0006】
このようなヨーク部を用いるフラットワイパーブレードは部品数が多くなり、ガイドスプリングがスポイラーから離脱してフラットワイパーブレード全体の高さが高くなる問題点があり、先に言及した従来のフラットワイパーブレードもやはりワイパーブレード組立体を構成する部品数が多くなり、その組み立て方法が複雑であるという問題点があった。
【0007】
したがって、ヨーク部を用いずにガイドスプリングとワイパーストリップを結合して、ガイドスプリングとワイパーストリップの結合に必要な部品数を最小化し、スポイラーを射出成形ではなく押出成形で製造してその製造単価を低減し、ガイドスプリングがスポイラーから離脱せず、その組み立て方法が簡単であり、全体の高さを低くすることができるフラットワイパーブレードに対する研究が必要になった。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、添付された図面を参照して本発明に関して詳しく説明する。本発明の構成要素のうち、従来技術によって通常の技術者が明確に把握でき、容易に再現できることに関しては、本発明の要旨をぼかさないために、その具体的な説明を省略することにする。
【0027】
<実施形態>
以下では、まず、フラットワイパーブレード組立体1の全体的な構成を説明することにする。
【0028】
図1は、フラットワイパーブレード組立体の全体構成を示した斜視図であり、
図2は、
図1のフラットワイパーブレード組立体が分離した状態を示した分解斜視図である。
【0029】
図1に示されているように、本発明によるフラットワイパーブレード組立体1は、車両のガラス面に密着するフラットワイパーブレード2、及びフラットワイパーブレード2をワイパーアーム(図示せず)と連結させるためにフラットワイパーブレード2の中央部位に組み立てられるアダプター部3を含む。
【0030】
以下では、フラットワイパーブレード2について説明することにする。
【0031】
図1及び
図2に示されているように、フラットワイパーブレード2は、車両のガラス窓面に密着して車両のガラス窓面をワイピングするワイパーストリップ10、ワイパーストリップ10の上に配置されて、ワイパーストリップ10を支持するガイドスプリング30、ワイパーストリップ10、及びガイドスプリング30と結合してこれらを固定させるスポイラー40、及びフラットワイパーブレード2とアダプター部3を連結させる構成である安着部100を含み、ワイパーストリップ10及びガイドスプリング30は、スポイラー40に結合して、スポイラー40は安着部100に結合する。
【0032】
ここで、前記では、安着部100と区分される別途のアダプター部3を含むと説明したが、本発明は必ずしもこれに限定されず、安着部100とアダプター部3は一体型であってもよい。すなわち、安着部100はアダプター部3を含んでいてもよい。
【0033】
フラットワイパーブレード2は前記ワイパーアームの先端に連結され、車両ガラスのガラス面に対して前記ワイパーアームから加圧力を受ける。前記ワイパーアームは、ワイパーモータ(図示せず)によって所定角度に往復回転し、これに伴い、フラットワイパーブレード2は、車両ガラスのガラス面(ワイピング面)において所定角度の範囲でワイピングする。
【0034】
以下では、ワイパーストリップ10について説明することにする。
【0035】
図3は、
図2のワイパーストリップの端部を示した斜視図であり、
図6は、
図2のスポイラーの正面図であり、
図8bは、
図2のスポイラーと
図2のガイドスプリング及びワイパーストリップの結合過程を説明するための斜視図である。
【0036】
図2及び
図3に示されているように、ワイパーストリップ10は、ガイドスプリング30によって支持されるベース部11、及びベース部11の下部に配置されて直接ガラス面に接触してワイピングをするワイピングリップ(lip)部12を含む。ワイパーストリップ10は、全体的にフラットワイパーブレード2の長軸方向に細長い形状を有し、弾性材料、すなわちゴム材のような弾性材料、または弾性合成材料からなり、自動車のガラスにスライディング(sliding)接触するように配置され、そのガラス表面の異物を除去する。
【0037】
図2、
図3及び
図8bを参照すると、ベース部11は、ガイドスプリング30によって支持され、ガイドスプリング30とともに、後述することになるスポイラー40の結合スロット42に挿入されることによって、全体的にガイドスプリング30との接触が保持されるように支持され、ベース部11及びワイピンリップ12はワイパーストリップ10の長手方向へ連続するように延びる。
【0038】
ベース部11には、結合スロット42を形成するためにスポイラー40の下端両側から中央部に向かって水平に延びる左右一対の水平延長部42a(
図6参照)がスライディング方式で収容される保持部13がその長手方向へ延びる。
【0039】
そして、ワイパーストリップ10のベース部11の少なくとも長手方向一側端部には、後述することになるガイドスプリング30の対応端部に形成された第1挿入部34に挿入される第1突起部14が形成され得る。また、ワイパーストリップ10のベース部11の長手方向他側端部には、後述することになるガイドスプリング30の対応端部に形成された第2挿入部35に挿入される第2突起部15が形成され得る。ここで、第1及び第2突起部14,15は、第1及び第2挿入部34,35に対応する個数であってもよく、第1及び第2挿入部34,35に対応する形に形成されてもよい。
【0040】
以下では、ガイドスプリング30について説明することにする。
【0041】
図4は、
図2のガイドスプリングを示した斜視図であり、
図8aは、
図2のスポイラーと
図2のガイドスプリング及びワイパーストリップの結合過程を説明するための斜視図である。
【0042】
図2及び
図4を参照すると、ガイドスプリング30は、フラットワイパーブレード2の長軸方向に薄くて細長い形状を有している。
【0043】
ガイドスプリング30の少なくとも長手方向一側端部には、ワイパーストリップ10の対応端部に形成された第1突起部14が挿入される第1挿入部34が形成されてもよい。また、ガイドスプリング30の長手方向他側端部には、ワイパーストリップ10の対応端部に形成された第2突起部15が挿入される第2挿入部35が形成されてもよい。ここで、第1及び第2挿入部34,35は、第1及び第2突起部14,15に対応する個数であってもよく、第1及び第2突起部14,15に対応する形に形成されてもよい。この時、ガイドスプリング30の第1挿入部34は、第1挿入部34が形成された一側端部側に開放された形状であってもよい。
【0044】
そして、
図8a及び8bを参照すると、ワイパーストリップ10及びガイドスプリング30は、後述することになるスポイラー40の結合スロット42に長手方向へガイドされて挿入され得る。
【0045】
ワイパーアームから加圧力が加えられる場合、この加圧力は、安着部100、スポイラー40、及びガイドスプリング30を介してワイパーストリップ10に分配される。この時、加圧力は、ガイドスプリング30によってワイパーストリップ10の長手方向へ分散する。したがって、ガイドスプリング30は弾性を有さなければならず、ワイパーストリップ10の形状を保持するための剛性も有さなければならない。
【0046】
以下では、スポイラー40について説明することにする。
【0047】
図5は、
図2のスポイラーの中央部を示した斜視図であり、
図7aは、スポイラーの中央部の外部面に凸部が形成された実施例におけるスポイラーの正面図であり、
図7bは、スポイラーの中央部の外部面に凹部が形成された実施例におけるスポイラーの正面図であり、
図11a及び
図11bは、
図2の安着部の下面を示した斜視図であり、
図12は、
図2の安着部と
図2のスポイラー、ガイドスプリング、及びワイパーストリップが結合する過程を示す斜視図であり、
図15aは、スポイラーの中央部の外部面に凸部が形成され、安着部の内部面に凹部が形成された実施例における
図1に示されたA−A'の断面図であり、
図15bは、スポイラーの中央部の外部面に凹部が形成されて安着部の内部面に凸部が形成された実施例における
図1に示されたA−A'の断面図である。
【0048】
図2、
図5、
図6、
図11a及び
図11bを参照すると、スポイラー40は、フラットワイパーブレード2の長軸方向に細長い形状を有し、上面が傾斜した断面を有するもので、ワイパーストリップ10及びガイドスプリング30と結合してこれらを固定させる機能を有し、スポイラー40の長手方向の両側外側に形成された第1フィン部43及び第2フィン部45と、第1フィン部43及び第2フィン部45の間の略中央に位置する中央部41、そして、ワイパーストリップ10及びガイドスプリング30が長手方向へガイドされて挿入可能な結合スロット42が形成されてもよい。ここで、スポイラー40の中央部41は、後述することになる安着部100の安着スロット101に弾性変形されて圧入されてもよい。
【0049】
スポイラー40は、安着部100に比べて相対的に弾性変形が容易な素材で製造されてもよいので、例えば、ポリカーボネート(PC)、ポリプロピレン(PP)、ポリ塩化ビニル(PVC)、エチレン−プロピレンゴム(EPDM)のような熱可塑性エラストマー(TPE)、熱可塑性ウレタン樹脂(TPU)などが使用され得る。しかし、ポリカーボネート(PC)及び熱可塑性ウレタン樹脂(TPU)は単価が高く、ポリ塩化ビニル(PVC)は重金属問題で自動車関連部品には適用できないので、ポリプロピレン(PP)又はエチレン−プロピレンゴム(EPDM)のような熱可塑性エラストマー(TPE)で製造するのが好ましい。
【0050】
一方、結合スロット42は、ワイパーストリップ10及びガイドスプリング30を収容し、ワイパーストリップ10及びガイドスプリング30を包み込む形態で結合がなされる。したがって、ワイパーストリップ10及びガイドスプリング30がスポイラー40に固定されるので、ワイパーストリップ10及びガイドスプリング30がスポイラー40から離脱しなくなる。
【0051】
図2、
図6、
図8a及び
図8bを参照すると、スポイラー40は、中央部41を除いてはその断面の形状が一定の形態を有する。スポイラーの中央部41に、安着部に形成された係止溝部に嵌め込むことができる係止面などが形成され、スポイラーの断面の形状が一定でない場合には、スポイラーを射出成形して製造しなければならないが、本願発明のスポイラー40はその断面の形状が一定であるため、押出成形で製造することができるので、スポイラー40の製造単価を低減させることができる。ここで、中央部41は、スポイラー40が押出成形で製造された後、公知の方法を用いて一体に形成されたフィン部の長手方向中央部分を除去することによって形成することができる。このような中央部41の形成時には、加工の便宜のためにスポイラーの長手方向の中央に該当する位置のスポイラーの幅方向両側に所定の大きさを有する一対の溝を先に加工した後に、一体に形成されたフィン部を、加工された溝を基準として両側長手方向へ所定数値ほど除去するようにすることができる。
【0052】
このように第1フィン部43及び第2フィン部45が形成されれば、第1フィン部43のスポイラーの長手方向中央に向かう第1面44と、第2フィン部45のスポイラーの長手方向中央に向かう第2面46も同時に形成されることになる(
図5参照)。
【0053】
そして、
図7a及び
図7bを参照すると、スポイラー40の中央部41の外部面47には、凸部48又は凹部49が形成されてもよい。ここで、スポイラー40の凸部48又は凹部49は、スポイラー40の中央部41が、後述することになる安着部100の安着スロット101に弾性変形されて圧入される場合に、中央部41の外部面47が、後述することになる安着部100の内部面107と互いに接することになる領域にのみ形成されてもよい。ただし、スポイラー40の凸部48又は凹部49は、必ずしも中央部41の外部面47全体に形成される必要はなく、その一部領域にのみ形成されても構わず、凸部48と凹部49が一緒に形成されても構わず、それぞれの凸部48又は凹部49の間に所定の間隙が存在しても構わない。
【0054】
中央部41の外部面47の凸部48又は凹部49は、多様な形状で形成されてもよい。例えば、中央部41の外部面47の凸部48は、スポイラー40の中央部41が、後述することになる安着部100の安着スロット101に弾性変形されて圧入される場合に、後述することになる安着部100の安着スロット101の開口102から外部面47に沿って測定される距離が近い側に係止面48aが形成される楔形であってもよく、中央部41の外部面47の凹部49は、スポイラー40の中央部41が、後述することになる安着部100の安着スロット101に弾性変形されて圧入される場合に、後述することになる安着部100の安着スロット101の開口102から外部面47に沿って測定される距離が遠い側に係止面49aが形成される楔形であってもよい。
【0055】
この時、中央部41の外部面47に凸部48又は凹部49が形成される場合でも、スポイラー40の断面の形状は一定であるため、スポイラー40は押出成形で製造されてもよいので、スポイラー40の製造単価を低減させることができる。
【0056】
以下では、安着部100について説明することにする。
【0057】
図9は、
図2の安着部の正面図であり、
図10aは、安着部の内部面に凹部が形成された実施例における安着部の正面図であり、
図10bは、安着部の内部面に凸部が形成された実施例における安着部の正面図であり、
図11a及び
図11bは、
図2の安着部の下面を示した斜視図であり、
図13は、
図2の安着部と
図2のスポイラー、ガイドスプリング、及びワイパーストリップが結合した状態で、フラットワイパーブレードの幅方向中央部からフラットワイパーブレードの縦軸方向へ垂直に切断した断面を示した断面図であり、
図14は、
図1に示されたA−A'の断面図である。
【0058】
図2、
図9、
図11a及び
図11bを参照すると、安着部100は、フラットワイパーブレード2とアダプター部3を連結させる構成であって、スポイラー40の中央部41が弾性変形されて圧入される安着スロット101と、安着部100の長手方向一側端部に形成されてスポイラー40の中央部41が、後述することになる安着部100の安着スロット101に弾性変形されて圧入される場合に、スポイラー40の第1フィン部43の第1面44と互いに向かい合うことになる第1安着面104、そして安着部100の長手方向他側端部に形成されてスポイラー40の中央部41が、後述することになる安着部100の安着スロット101に弾性変形されて圧入される場合に、スポイラー40の第2フィン部45の第2面46と互いに向かい合うことになる第2安着面106を形成することができる。
【0059】
図9を参照すると、安着部100の安着スロット101の下部には開口102が形成され、安着部100は内部角部103を含む。ここで、開口102は、安着スロット101を形成するために、安着部100の下端両側から安着部100の幅方向中央部に向かって延びる左右一対の延長部101aによって形成され、開口102の幅L1は安着スロット101の内部幅L2より小さくなる。
【0060】
ここで、安着部100の延長部101aは、前記スポイラー40の前記中央部41が前記安着部100の前記安着スロット101に圧入されるために変形が始まる時に前記中央部41と接触することになる第1面と、前記スポイラー40の前記中央部41が前記安着部100の前記安着スロット101に圧入された状態で前記中央部41と接触することになる第2面と、を含み得る。この時、延長部101aの第1面は開口102方向に行くほど延長部101aの厚さが減少するように湾曲してもよく、開口102方向に行くほど延長部101aの厚さが減少する比率が次第に増加するように湾曲してもよく、開口102に隣接した延長部101aの第1面はほぼ垂直に形成されてもよい。
【0061】
安着部100の安着スロット101にスポイラー40の中央部41が弾性変形されて圧入され得る条件では、例えば、安着スロット101の開口102の一側上端と反対側上部の内部角部103との間隔L3は、スポイラー40の中央部41のスポイラーの長手方向へ垂直な方向の断面の外部輪郭の幅方向の長さL4よりは短く、ガイドスプリング30の幅方向の長さL5(
図4及び
図12参照)よりは長くなければならない。ここで、開口102の一側上端と反対側上部の内部角部103との間隔L3は、開口102の一側上端からの距離が最大に測定される内部角部103との間隔を意味する。
【0062】
ここで、
図9に示された安着部100の左右一対の延長部101aは、互いに対称になるように、すなわち、安着部の幅方向中央部に向かって延びる一対の延長部101aの長さが同じであるように示されているが、本発明は必ずしもこれに限定されず、左右一対の延長部101aは互いに非対称になるように、すなわち、一対の延長部101aの長さが互いに異なるように形成されてもよい。この時、左右一対の延長部101aのうち、長さが短い延長部101aがスポイラー40の第2フィン部45の第2面46と互いに接することになる第2安着面106が形成された側の安着部100に形成されてもよい。
【0063】
そして、
図10a及び
図10bを参照すると、安着部100の内部面107には、凹部108又は凸部109が形成されてもよい。ここで、内部面107の凹部108又は凸部109は、必ずしも安着部100の内部面107全体に形成される必要がなく、その一部の領域にのみ形成されても構わず、凹部108と凸部109が一緒に形成されても構わず、それぞれの凹部108又は凸部109の間に所定の間隙が存在しても構わない。
【0064】
安着部100の内部面107の凹部108又は凸部109は、多様な形状に形成されてもよい。例えば、安着部100の内部面107の凹部108は、安着スロット101の開口102から安着部100の内部面107に沿って測定される距離が近い側に係止面108aが形成される楔形であってもよく、安着部100の内部面107の凸部109は、安着スロット101の開口102から安着部100の内部面107に沿って測定される距離が遠い側に係止面109aが形成される楔形であってもよい。
【0065】
以下では、フラットワイパーブレード2の結合方法を順に説明することにする。
【0066】
図2、
図6及び
図8a及び
図8bに示されたように、ワイパーストリップ10とガイドスプリング30は、スポイラー40の結合スロット42に長手方向へガイドされて挿入される。
【0067】
一実施例によると、まず、ワイパーストリップ10をスポイラー40の結合スロット42に長手方向へ挿入し、ワイパーストリップ10の一部(略全体長さの3分の2程度)が挿入されるようにする。
【0068】
その次に、ワイパーストリップ10のベース部11とスポイラー40の内部面の上部との間の隙間にガイドスプリング30を長手方向へ挿入する。
【0069】
この時、ワイパーストリップ10の長手方向一側端部に第1突起部14が形成されて、ワイパーストリップ10の長手方向他側端部に第2突起部15が形成され、ガイドスプリング30の長手方向一側端部に第1挿入部34が形成されて、ガイドスプリング30の長手方向他側端部に第2挿入部35が形成される実施例の場合、ワイパーストリップ10の長手方向一側端部に形成された第1突起部14は、スポイラー40の結合スロット42の内部に位置していることになるので、長手方向一側端部に形成されてその一側端部側に開放された第1挿入部34が先にスポイラー40の結合スロット42の内部に挿入されるようにガイドスプリング30を結合スロット42に長手方向へ挿入すべきであり、ワイパーストリップ10の第1突起部14がガイドスプリング30の第1挿入部34に長手方向へ挿入される時まで(およそ結合スロット42に挿入されているワイパーストリップ10の長さと同じ長さほどガイドスプリング30が挿入される時まで)ガイドスプリング30を結合スロット42に長手方向へ挿入する。
【0070】
その後、ワイパーストリップ10の長手方向他側端部に形成された第2突起部15を、ガイドスプリング30の長手方向他側端部に形成された第2挿入部35に挿入させる。
【0071】
それから、ワイパーストリップ10の第1突起部14及び第2突起部15とガイドスプリング30の第1挿入部34及び第2挿入部35によって互いに結合したワイパーストリップ10とガイドスプリング30をスポイラー40の結合スロット42に完全に挿入する。このようにワイパーストリップ10をスポイラー40の結合スロット42にまず挿入した後、ガイドスプリング30をスポイラー40の結合スロット42に挿入しても、ワイパーストリップ10の第1突起部14及び第2突起部15とガイドスプリング30の第1挿入部34及び第2挿入部35によって、ワイパーストリップ10及びガイドスプリング30が容易に整列してスポイラー40の結合スロット42に挿入され得る。
【0072】
ここでは、ワイパーストリップ10の一部をスポイラー40の結合スロット42に挿入し、ガイドスプリング30の一部をスポイラー40の結合スロット42に挿入した後に、ワイパーストリップ10とガイドスプリング30をスポイラー40の結合スロット42に完全に挿入すると説明したが、他の実施例によれば、ワイパーストリップ10の第1突起部14及び第2突起部15とガイドスプリング30の第1挿入部34及び第2挿入部35がそれぞれ互いに結合するようにワイパーストリップ10とガイドスプリング30をまず結合した後に、結合したワイパーストリップ10とガイドスプリング30をスポイラー40の結合スロット42に長手方向へ挿入させることもできる。
【0073】
その次に、
図1、
図9、
図13及び
図14に示されているように、安着部100の安着スロット101にスポイラー40の中央部41が弾性変形されて圧入されるようにスポイラー40を安着部100と結合させる。
【0074】
図12に示されているように、まず、結合スロット42にワイパーストリップ10とガイドスプリング30が挿入されているスポイラー40の中央部41の幅方向一側部を安着部100の内部角部103に接触させた後に、スポイラー40の中央部41の幅方向他側部がその他側部と接する安着部100の延長部101aの第1面との干渉に勝って安着スロット101に弾性変形されて圧入されるように、外力を加えてスポイラー40を安着部100と結合させる。
【0075】
ここで、安着部100の左右一対の延長部101aが互いに非対称である場合、すなわち、一対の延長部101aの長さが異なるように形成された場合には、スポイラー40の中央部41の幅方向一側部を左右一対の延長部101aのうち長さが長い延長部101aが形成された側の内部角部103に接触させた後に、スポイラー40の中央部41の幅方向他側部が該他側部と接する左右一対の延長部101aのうち長さが短い延長部101aの第1面との干渉に勝って安着スロット101に弾性変形されて圧入されるように、外力を加えてスポイラー40を安着部100と結合させる。この場合、相対的にスポイラー40の中央部41と干渉を起こす延長部101aの第1面の長さが相対的に短いので、スポイラー40を安着部100の安着スロット101に容易に圧入することができる。
【0076】
この時、延長部101aの第1面は、開口102方向に行くほど延長部101aの厚さが減少するように湾曲しており、開口102方向に行くほど延長部101aの厚さが減少する比率が次第に増加するように湾曲しているので、開口102に隣接した延長部101aの第1面はほぼ垂直に形成されることになるので、スポイラー40の中央部41の幅方向他側部を開口102に隣接した延長部101aの第1面と接触させた後、スポイラー40を安着部100と結合させるためにスポイラー40に外力を加える時にスポイラー40がスポイラー40の幅方向に圧縮されて変形されながら安着部100の安着スロット101に容易に圧入できるようになる。
【0077】
ここで、安着スロット101の開口102の一側上端と反対側上部の内部角部103との間隔L3は、スポイラー40の中央部41のスポイラーの長手方向へ垂直な方向の断面の外部輪郭の幅方向の長さL4(
図6及び
図12参照)よりは短く、ガイドスプリング30の幅方向の長さL5(
図4及び
図12参照)よりは長いため、スポイラー40の中央部41の両側部は、安着スロット101の開口102又は安着部100の延長部101aの第1面と中央部41の外部面47との間の摩擦力によって安着スロット101の開口102の外側方向に押されることになり、このような押圧によってスポイラー40の中央部41の両側部でスポイラーの厚さが減少することになるので、スポイラー40の中央部41は、結合スロット42の内部に挿入されていながら弾性及び剛性を有するガイドスプリング30と安着部100の延長部101aの第1面又は安着部100の内部面107の間で圧縮されて弾性変形されることによって、スポイラー40の中央部41が安着部100の安着スロット101に弾性変形されて圧入するようになる。
【0078】
図14に示されているように、スポイラー40の中央部41が安着部100の安着スロット101に弾性変形されて圧入された状態で、安着部100の内部面107及び延長部101aの第2面はスポイラー40の中央部41の外部面47と接していてもよい。
【0079】
しかし、スポイラー40の中央部41が安着部100の安着スロット101に弾性変形されて圧入された後に再びスポイラー40を安着部100から分離しようとする場合には、安着部100の内部面107と中央部41の外部面47との間の摩擦力によって、スポイラー40の中央部41の両側部が安着スロット101の開口102の反対方向に押されることになり、このような押圧によってスポイラー40の中央部41の両側部の少なくとも一部でスポイラーの厚さが増加することになるので、スポイラー40の中央部41の両側部が安着部100の内部面107とガイドスプリング30との間でさらに強い圧力で密着することになるため、スポイラー40の中央部41の外部面47が安着部100の内部面107からスライディングして抜け出ることができなくなる。
【0080】
さらに、スポイラー40の中央部41が安着部100の安着スロット101に弾性変形されて圧入された後に再びスポイラー40を安着部100から分離しようとする場合には、延長部101aの第2面と接触しているスポイラー40の中央部41の領域が安着部100の延長部101aの第2面によってさらに圧縮されながら、このような圧縮によってスポイラー40の中央部41の両側部の少なくとも一部でスポイラーの厚さが増加することになるので、スポイラー40の中央部41の両側部が安着部100の内部面107とガイドスプリング30との間でさらに強い圧力で密着することになるため、スポイラー40の中央部41の外部面47が安着部100の内部面107からスライディングして抜け出ることができなくなる。
【0081】
図10a、
図10b、
図11a及び
図11bに示されているように、このような特性をさらに強化するために、スポイラー40の中央部41の外部面47には凸部48又は凹部49が形成されてもよく、安着部100の内部面107には凹部108又は凸部109が形成されてもよい。
【0082】
図15a及び
図15bに示されているように、スポイラー40の中央部41が安着部100の安着スロット101に弾性変形されて圧入されると、スポイラー40の中央部41の外部面47の凸部48又は凹部49は、安着部100の内部面107の凹部108又は凸部109とそれぞれ噛み合わさる。
【0083】
このようなスポイラー40の中央部41の外部面47の凸部48又は凹部49と安着部100の内部面107の凹部108又は凸部109は、スポイラー40の中央部41が安着部100の安着スロット101に弾性変形されて圧入された後に再びスポイラー40を安着部100から分離しようとする場合に、スポイラー40の中央部41の外部面47が安着部100の内部面107からスライディングして抜け出ることを防止することになるので、安着部100の物理的な破損なしには再び分離しない性質をさらに確実にする。
【0084】
したがって、安着部100の物理的な破損なしにスポイラー40を安着部100から分離するには、ワイパーストリップ10、ガイドスプリング30、スポイラー40及び安着部100が結合した状態でガイドスプリング30をスポイラー40の結合スロット42から長手方向へスライディングさせて分離した後にスポイラー40を安着部100から分離しなければならず、ワイパーアームによって連結されたリンク装置をモータが駆動することによってフラットワイパーブレード2が扇状に反復的な往復運動をする日常的な使用環境においては、スポイラー40が安着部100から分離しなくなる。
【0085】
また、
図2及び
図13に示されているように、スポイラー40の中央部41が安着部100の安着スロット101に弾性変形されて圧入される場合には、第1フィン部43の第1面44と安着部100の第1安着面104とが互いに向かい合うことになり、第2フィン部45の第2面46は安着部100の第2安着面106と互いに向かい合うことになるので、スポイラー40が安着部100に結合した後には、フラットワイパーブレード2の長軸方向へのスポイラー40と安着部100の相対的な動きが制限されることになる。
【0086】
結論的に、従来の方法では、ヨーク部を使用してガイドスプリングとワイパーストリップを連結したり、安着部が左右二つの部材に分けられていて、左右からワイパーブレードを包み込むように二つの部材を結合させることによって安着部を固定したり、安着部をガイドスプリングの上端に置いた後に安着部の脚を左右からガイドスプリングを包み込むようにベンディング(bending)して安着部を固定するか、又は、左右からガイドスプリングを包み込む安着部の脚を超音波などを用いてガイドスプリングと溶接することによって安着部を固定しなければならなかったが、本発明のフラットワイパーブレード2は、単にワイパーストリップ10及びガイドスプリング30と結合したスポイラー40の中央部41を安着部100の安着スロット101に圧入することで安着部を固定でき、ガイドスプリングとワイパーストリップの結合に必要な部品数を最小化でき、その組み立て方法が簡単になる利点がある。
【0087】
特に、本発明のフラットワイパーブレード2は、スポイラー40の中央部41が安着部100の安着スロット101に弾性変形されて圧入されてもよく、スポイラー40の中央部41が安着部100の安着スロット101に弾性変形されて圧入された後に再びスポイラー40を安着部100から分離しようとする場合には、スポイラー40の中央部41の外部面47が安着部100の内部面107からスライディングして抜け出ることができなくなるので、簡単な構成でもワイパーストリップ10、ガイドスプリング30、スポイラー40、及び安着部100が結合した状態で、安着部100の物理的な破損なしにはスポイラー40が安着部100から分離しないようにスポイラー40と安着部100を結合させることができる利点がある。
【0088】
また、ヨーク部を使用せずにガイドスプリング30とワイパーストリップ10を結合して、ガイドスプリング30とワイパーストリップ10の結合に必要な部品数を最小化でき、スポイラー40を射出成形ではなく圧出成形で製造できるため、その製造単価を低減させることができる利点がある。
【0089】
また、スポイラー40の結合スロット42が、ワイパーストリップ10及びガイドスプリング30を収容して、ワイパーストリップ10及びガイドスプリング30を包み込む形態で結合がなされるので、ワイパーストリップ10及びガイドスプリング30がスポイラー40から離脱しなくなる利点がある。
【0090】
また、ヨーク部を使用せずにワイパーストリップ10、ガイドスプリング30、及びスポイラー40を結合できるため、フラットワイパーブレード2全体の高さを低くすることができる利点がある。
【0091】
以上で実施形態に説明された特徴、構造、効果などは、本発明の少なくとも一つの実施形態に含まれ、必ずしも一つの実施形態にのみ限定される訳ではない。さらに、各実施形態において例示された特徴、構造、効果などは、実施形態が属する分野の通常の知識を有する者によって、他の実施形態に対しても組み合わせ又は変形されて実施可能である。したがって、このような組み合わせと変形に関する内容は、本発明の範囲に含まれるものと解釈されるべきである。
【0092】
また、以上で実施形態を中心として説明したが、これは単に例示にすぎず、本発明を限定する訳ではなく、本発明が属する分野の通常の知識を有する者であれば、本実施形態の本質的な特性を外れない範囲において、以上に例示されない様々な変形と応用が可能であることが分かるはずである。すなわち、実施形態に具体的に示されている各構成要素は、変形して実施することができるものである。そして、このような変形と応用に関する相違点は、添付の請求の範囲において規定する本発明の範囲に含まれると解釈されるべきである。