(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記疾患または障害が、脂肪異栄養症、脂質異常症、高脂血症、過体重、肥満症、視床下部性無月経、アルツハイマー病、レプチン欠乏症、脂肪肝疾患、糖尿病、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)、メタボリックシンドロームXまたはハンチントン舞踏病である、請求項5に記載の医薬組成物。
【発明を実施するための形態】
【0011】
1.定義
「肥満症」および「過体重」とは、普通に予測されるものよりも多い体重を有する哺乳類を指し、例えば、外見、当技術分野で公知の肥満度指数(BMI)、ウエストとヒップ周りの比率、皮下脂肪厚、ウエスト周りなどによって決定され得る。疾病管理予防センター(Centers for Disease Control and Prevention)(CDC)は、過体重を、25〜29.9のBMIを有する成人ヒトとして定義しており;肥満を、30以上のBMIを有する成人ヒトとして定義している。肥満症の決定のためにはさらなる測定基準が存在する。例えば、CDCは、1.0より大きいウエストとヒップの比率を有するヒトは過体重であると述べている。
【0012】
「除脂肪体重」とは、脂肪を含まない体重を指し、すなわち、総体重−体脂肪重量が、除脂肪体重である。除脂肪体重は、当技術分野で公知の、流体静力学的計量、コンピュータ化チャンバー、二重エネルギーX線吸収測定法、皮膚ノギス、磁気共鳴画像法(MRI)および生体電気インピーダンス法(BIA)などの方法によって測定できる。
【0013】
「哺乳類」とは、一般に、毛皮または毛を有し、生児出生をその後代に与え、その後代に乳を与える温血動物を指す。哺乳類は、ヒト、コンパニオンアニマル(例えば、イヌ、ネコ)、家畜(例えば、ウシ、ウマ、ヒツジ、ブタ、ヤギ)、野生動物などを含む。一実施形態では、哺乳類は、雌である。一実施形態では、哺乳類は、女性のヒトである。一実施形態では、哺乳類は、ネコまたはイヌである。一実施形態では、哺乳類は、糖尿病哺乳類、例えば、2型糖尿病を有するヒトである。一実施形態では、哺乳類は、肥満糖尿病哺乳類、例えば、2型糖尿病を有する肥満哺乳類である。用語「対象」とは、本明細書に記載された方法との関連で、哺乳類を指す。
【0014】
「断片」とは、ポリペプチドとの関連において、本明細書において、通常の化学的意味で、ポリペプチドの一部を指す。例えば、断片は、親ポリペプチドの1個または複数の残基のN末端欠失またはC末端欠失に起因し得、および/または断片は、親ポリペプチドの1個または複数の残基の内部欠失に起因し得る。「断片」とは、抗体との関連において、可溶性、対象内での分布などを調節するために生物学的に活性な分子と連結され得る抗体の一部を指す。例えば、本明細書に記載されたレプチンA200は、当技術分野で公知の、Fc抗体断片のレプチンとのコンジュゲートである。例えば、WO98/28427およびUS2007/002084を参照のこと。用語「親」とは、ポリペプチドとの関連において、通常の意味で、修飾、例えば、挿入、欠失および/または置換の前に参照構造として働くポリペプチドを指す。用語「コンジュゲート」とは、本明細書に記載された操作されたポリペプチドとの関連において、成分ポリペプチド、例えば、ABD、HD1などの間の共有結合を指す。用語「融合」とは、本明細書に記載された操作されたポリペプチドとの関連において、ペプチド主鎖の末端アミノまたはカルボキシ官能基のいずれか、または両方を介した、成分ポリペプチド、例えば、ABD、HD1などの間の共有結合を指す。操作されたポリペプチドは、合成によってか、または組換えによって製造され得る。典型的には、融合物は、組換えバイオテクノロジーを使用して製造されるが、当技術分野で公知の化学合成およびコンジュゲーション法によっても製造され得る。
【0015】
本明細書において「類似体」とは、ポリペプチドとの関連において、親化合物に対して、アミノ酸の挿入、欠失および/または置換を有する化合物を指す。類似体は、優れた安定性、溶解度、有効性、半減期などを有し得る。いくつかの実施形態では、類似体は、親化合物に対して、少なくとも50%、例えば、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%またはさらに高い配列同一性を有する化合物である。
【0016】
「同一性」、「配列同一性」などは、2種以上の核酸またはポリペプチド配列の比較の関連において、同一であるか、または当技術分野で公知の配列比較アルゴリズム、例えば、BLASTまたはBLAST2.0を使用して測定されるような、特定のパーセンテージの同一であるアミノ酸残基もしくはヌクレオチド(すなわち、比較ウィンドウまたは指定された領域にわたって、最大一致を求めて比較およびアラインされた場合の、特定の領域にわたる、約50%の同一性、好ましくは、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれ以上の同一性)を有する2種以上の配列または部分配列を指す。この定義は、欠失および/または付加を有する配列、ならびに置換を有するもの、ならびに天然に存在するもの、例えば、多型または対立遺伝子変異体および人為的変異体を含む。好ましいアルゴリズムでは、当技術分野で公知のように、ギャップなどについて考慮される。配列比較のためには、典型的には、1種の配列が参照配列として作用し、それに対して試験配列が比較される。配列比較アルゴリズムを使用する場合には、試験および参照配列をコンピュータに入力し、必要に応じて、部分配列座標を指定し、配列アルゴリズムプログラムパラメータを指定する。デフォルトプログラムパラメータを使用できるか、または代替パラメータを指定できることが好ましい。次いで、配列比較アルゴリズムによって、プログラムパラメータに基づいて、参照配列に対する、試験配列の配列同一性パーセントが算出される。比較のための配列の最適アラインメントは、例えば、Smith & Waterman, 1981, Adv. Appl. Math. 2:482の局所相同性アルゴリズムによって、Needleman & Wunsch, 1970, J. Mol. Biol. 48:443の相同性アラインメントアルゴリズムによって、Pearson & Lipman, 1988, Proc. Nat'l. Acad. Sci. USA 85:2444の類似法の検索によって、これらのアルゴリズム(Wisconsin Genetics Softwere Package,Genetics Computer Group,575 Science Dr.、Madison、Wis.中のGAP、BESTFIT、FASTAおよびTFASTA)のコンピュータによる実施によって、または手作業によるアラインメントおよび目視検査によって実施できる。例えば、Current Protocols in Molecular Biology (Ausubel et al., eds. 1995 supplement))を参照のこと。配列同一性および配列類似性パーセントを決定するのに適しているアルゴリズムの好ましい例として、BLASTおよびBLAST2.0アルゴリズムが挙げられ、これらは、Altschul et al., 1977, Nuci. Acids Res. 25:3389-3402およびAltschul et al., 1990, J. Mol. Biol. 215:403-410に記載されている。BLASTおよびBLAST2.0は、当技術分野で公知のように、本発明の核酸およびタンパク質の配列同一性パーセントを決定するために使用される。BLAST解析を実施するためのソフトウェアは、National Center for Biotechnology Informationのウェブサイトを介して市販されている。このアルゴリズムは、まず、クエリー配列において、データベース配列中の同一の長さのワードとアラインされた場合に幾分か正の値の閾値スコアTにマッチするか、またはそれを満たす短いワード長Wを同定することによって高スコアリング配列対(HSP)を同定することを含む。Tは、隣接ワードスコア閾値と呼ばれる(Altschul et al., Id.)。これらの最初の隣接ワードヒットは、それらを含有するより長いHSPを見出すための検索を開始するためのシードとして作用する。ワードヒットは、累積的アラインメントスコアが増大され得る限り、各配列に沿って両方向に延長される。例えば、ヌクレオチド配列についての累積的スコアは、パラメータM(1対のマッチング残基についてのリワードスコア;常に>0)およびN(ミスマッチ残基についてのペナルティースコア;常に<0)を使用して算出される。アミノ酸配列については、累積的スコアを算出するためにスコアリングマトリックスが使用される。各方向におけるワードヒットの伸長は、累積的アラインメントスコアが、最大達成値から量Xだけ減少する;1つまたは複数の負のスコアを示す残基のアラインメントの蓄積のために累積的スコアが0以下になる;またはいずれかの配列の末端に到達する時点で停止される。BLASTアルゴリズムパラメータW、TおよびXは、アラインメントの感度および速度を決定する。BLASTNプログラム(ヌクレオチド配列のための)は、デフォルトとして、11のワード長(W)、10の期待値(E)、M=5、N=−4および両鎖の比較を使用する。アミノ酸配列のためには、BLASTPプログラムは、デフォルトとして、3のワード長および10の期待値(E)および50のBLOSUM62スコアリングマトリックス(Henikoff & Henikoff, 1989, Proc. Nati. Acad. Sci. USA 89:10915を参照のこと)アラインメント(B)、10の期待値(E)、M=5、N=−4および両鎖の比較を使用する。
【0017】
別に明確に示されない限り、用語「約」とは、数値との関連において、数値の+/−10%を指す。
【0018】
用語「ペプチド」および「ポリペプチド」とは、本明細書に記載された操作されたポリペプチドの成分との関連において、同義である。
【0019】
II.化合物
第1の態様において、アルブミン結合ドメイン(ABD)ポリペプチドと、少なくとも1種のポリペプチドホルモンドメイン(HD1)とを含む操作されたポリペプチド化合物が提供される。用語「アルブミン結合ドメイン」、「ABD」などは、本明細書に記載されようなアルブミンと結合できるポリペプチドを指す。用語「ホルモンドメイン」、「ホルモンドメインポリペプチド」などは、対象において生物学的応答を誘発できるポリペプチドを指す。例示的ホルモンドメインとして、それだけには限らないが、レプチン、レプチンの類似体またはその活性断片が挙げられるが、PEG化誘導体などのレプチン誘導体であってもよい。
【0020】
驚くべきことに、レプチン、レプチン類似体、活性レプチン断片またはそのレプチン誘導体は、十分なレプチン生物活性を保持し、例えば、ヒト対象では少なくとも1週間以上の期間に変換される、げっ歯類において少なくとも3日、さらには5日の延長された作用持続期間を有しながら、本明細書に記載された細菌タンパク質のアルブミン結合ドメインに由来する極めて高親和性のアルブミン結合ドメイン(ABD)と融合され得ることがわかった。このようなABDペプチドが、治療的タンパク質担体として頑強なプラットフォームであることは広く実証されておらず、それらは、比較的疎水性であり、付いている治療用ペプチドと悪い相互作用をする可能性があり、少なくとも1ファミリーのペプチドホルモンの担体として作用できなかったので、これは幾分か驚くべきことであった。ラットアミリン化合物(例えば、配列番号108)は、例えば、本明細書に記載されたABDとコンジュゲートされるか、融合される場合には、本発明の種々のレプチン操作されたポリペプチドコンストラクトが活性であり、長い作用持続期間を有するとわかった同じげっ歯類モデルにおいて、大きな、または長時間作用性のインビボ(in vivo)活性を全く示さなかった。
【0021】
さらに、本明細書における治療用コンジュゲートまたは融合化合物は、驚くべきことに、低い免疫原性およびレプチン治療活性を有しながら、アルブミン結合親和性および特異性を保持していた。化合物は、驚くべきことに、レプチン、レプチン類似体、活性レプチン断片またはレプチン誘導体とABDの間に血漿−プロテアーゼ切断部位がないにもかかわらず、活性である。さらに驚くべきことに、治療用化合物は、アルブミンと結合している場合でさえも活性であると考えられる。本明細書に記載されたABD化合物は、これまでに記載されたABD化合物よりも低い免疫原性を有しながら、ストレプトコッカスのプロテインG株148(G148)の、およびJonsson et al.(Protein Eng. Design & Selection, 2008, 21:515-527)中のアルブミン結合領域に基づいた、アルブミン結合親和性および特異性を提供する。最近、ストレプトコッカスのプロテインG株148(G148)のアルブミン結合領域内で、2、3のTおよびB細胞エピトープが実験によって同定された(Goetsch et al, Clin. Diagn. Lab. Immunol. 10:125-32, 2003)。著者らは、ワクチンにおけるG148のT細胞エピトープの利用、すなわち、アルブミン結合領域の固有の免疫刺激特性を利用することに興味があった。Goetsch et al.は、さらに、G148の配列中のB細胞エピトープ、すなわち、免疫処置後に抗体によって結合される領域を見出した。ヒト投与のための医薬組成物では、免疫反応は望まれない。したがって、アルブミン結合ドメインG148は、その上記の免疫刺激特性のために、このような組成物における使用には、そのようなものとして好ましくない。
【0022】
生物学的に活性な成分。本明細書に記載された化合物および方法における使用が考慮される生物学的に活性な化合物成分として、レプチンが挙げられる。用語「生物学的に活性な化合物」などは、通常の意味で、生物学的応答を誘発し得る化合物、例えば、ポリペプチドなどを指す。
【0023】
レプチン。「レプチン(複数形)」および「レプチン(単数形)」とは、それぞれ、レプチン(複数形)、レプチン活性断片(複数形)、レプチン類似体(複数形)およびレプチン誘導体(複数形)ならびにレプチン(単数形)、レプチン活性断片(単数形)、レプチン類似体(単数形)およびレプチン誘導体(単数形)を意味する。したがって、特に別に記載のない限り、「レプチン(複数形)」への言及は、本明細書に開示されるような、レプチン(複数形)、レプチン活性断片(複数形)、レプチン類似体(複数形)およびレプチン誘導体(複数形)を包含することを意味する。同様に、特に別に記載のない限り、「レプチン(単数形)」への言及は、本明細書に開示されるような、レプチン(単数形)、レプチン活性断片(単数形)、レプチン類似体(単数形)およびレプチン誘導体(単数形)を包含することを意味する。本明細書に開示された操作されたポリペプチドの設計、調製および使用において使用され得る例示的なこのようなレプチンとして、食物摂取の減少、体重の減少、体重増加の減少、満腹の誘導、カロリー利用能の減少、カロリー効率の減少、代謝プラトーの低減、インスリン感受性の増大、高脂血症の減少、脂質異常症の是正、高トリグリセリド血症の減少、肥満症の回復、過体重の回復、真性糖尿病(I型糖尿病、II型糖尿病および妊娠性糖尿病を含む)の回復、インスリン抵抗性の回復、それと関連している脂肪異栄養症状態の回復ならびにレプチンの投与の際に誘発されるはずである当技術分野で公知のその他の生物学的応答(例えば、米国特許出願公開第US2007/0020284号および第US2008/0207512号、米国特許第6,309,853号および第US7,183,254号およびPCT公開出願第WO96/005309号、第WO98/28427号および第WO2009/064298号を参照のことなどの、レプチンが対象に投与されると誘発されるはずである、当技術分野で公知の1種または複数の生物学的応答を誘発するものが挙げられる(例えば、米国特許出願公開第US2007/0020284号および第US2008/0207512号、米国特許第6,309,853号および第US7,183,254号およびPCT公開出願第WO96/005309号、第WO98/28427号および第WO2009/064298号を参照のこと)。
【0024】
本明細書に記載された操作されたポリペプチドの設計、調製および使用に適した例示的レプチンとして、それだけには限らないが、各々、その全文が、すべての目的のために本明細書に組み込まれる、米国特許第US5,594,101号、第US5,851,995号、第US5,691,309号、第US5,580,954号、第US5,554,727号、第US5,552,523号、第US5,559,208号、第US5,756,461号、第US6,309,853号、米国特許出願公開第US2007/0020284号およびPCT公開出願第WO96/23517号、第WO96/005309号、第WO98/28427号、第WO2004/039832号、第WO98/55139号、第WO98/12224号および第WO97/02004号に記載された化合物が挙げられる。インビトロ(in vitro)およびインビボでの、レプチン活性ならびに満腹、食物摂取阻害活性および体重減少活性を含めた生物学的応答についてアッセイするための方法は、当技術分野では公知であり、本明細書に、および上記の参考文献および本明細書に引用されたその他の参考文献に記載されている。
【0025】
本明細書を通じて開示された操作されたポリペプチドを調製および使用するために、当技術分野で公知の任意のレプチン、レプチン類似体、レプチン活性断片またはレプチン誘導体を使用してもよい。操作されたポリペプチドおよび本明細書に記載された方法において使用するために考慮される代表的なレプチン、レプチン類似体、レプチン活性断片およびレプチン誘導体としてまた、以下が挙げられる:
【0026】
成熟マウスレプチン:
VPIQKVQDDTKTLIKTIVTRINDISHT-Xaa-SVSSKQKVTGLDFIPGLHPILTLSKMDQTLAVYQQILTSMPSRNVIQISNDLENLRDLLHVLAFSKSCHLPQASGLETLESLGGVLEASGYSTEVVALSRLQGSLQDMLQQLDLSPGC、(配列中、位置28のXaaは、Qであるか、または存在しない)(配列番号1)。
【0027】
成熟マウスレプチン1型:
VPIQKVQDDTKTLIKTIVTRINDISHTQSVSAKQRVTGLDFIPGLHPILSLSKMDQTLAVYQQVLTSLPSQNVLQIANDLENLRDLLHLLAFSKSCSLPQTSGLQKPESLDGVLEASLYSTEVVALSRLQGSLQDILQQLDVSPEC(配列番号143)。
【0028】
成熟マウスレプチン2型:
VPIQKVQDDTKTLIKTIVTRINDISHTSVSAKQRVTGLDFIPGLHPILSLSKMDQTLAVYQQVLTSLPSQNVLQIANDLENLRDLLHLLAFSKSCSLPQTSGLQKPESLDGVLEASLYSTEVVALSRLQGSLQDILQQLDVSPEC(配列番号144)。
【0029】
N末端メチオニンを有する成熟マウスレプチン:
MVPIQKVQDDTKTLIKTIVTRINDISHT-Xaa-SVSSKQKVTGLDFIPGLHPILTLSKMDQTLAVYQQILTSMPSRNVIQISNDLENLRDLLHVLAFSKSCHLPQASGLETLESLGGVLEASGYSTEVVALSRLQGSLQDMLQQLDLSPGC、(配列中、位置29のXaaは、Qであるか、または存在しない)(配列番号2)。
【0030】
N末端メチオニンを有する成熟マウスレプチン1型:
MVPIQKVQDDTKTLIKTIVTRINDISHTQSVSAKQRVTGLDFIPGLHPILSLSKMDQTLAVYQQVLTSLPSQNVLQIANDLENLRDLLHLLAFSKSCSLPQTSGLQKPESLDGVLEASLYSTEVVALSRLQGSLQDILQQLDVSPEC(配列番号145)。
【0031】
N末端メチオニンを有する成熟マウスレプチン2型:
MVPIQKVQDDTKTLIKTIVTRINDISHTSVSAKQRVTGLDFIPGLHPILSLSKMDQTLAVYQQVLTSLPSQNVLQIANDLENLRDLLHLLAFSKSCSLPQTSGLQKPESLDGVLEASLYSTEVVALSRLQGSLQDILQQLDVSPEC(配列番号146)。
【0032】
成熟ブタレプチン:
VPIWRVQDDTKTLIKTIVTRISDISHMQSVSSKQRVTGLDFIPGLHPVLSLSKMDQTLAIYQQILTSLPSRNVIQISNDLENLRDLLHLLASSKSCPLPQARALETLESLGGVLEASLYSTEVVALSRLQGALQDMLRQLDLSPGC(配列番号3)。
【0033】
N末端メチオニンを有する成熟ブタレプチン:
MVPIWRVQDDTKTLIKTIVTRISDISHMQSVSSKQRVTGLDFIPGLHPVLSLSKMDQTLAIYQQILTSLPSRNVIQISNDLENLRDLLHLLASSKSCPLPQARALETLESLGGVLEASLYSTEVVALSRLQGALQDMLRQLDLSPGC(配列番号4)。
【0034】
成熟ウシレプチン:
VPICKVQDDTKTLIKTIVTRINDISHT-Xaa-SVSSKQRVTGLDFIPGLHPLLSLSKMDQTLAIYQQILTSLPSRNVVQISNDLENLRDLLHLLAASKSCPLPQVRALESLESLGVVLEASLYSTEVVALSRLQGSLQDMLRQLDLSPGC、(配列中、位置28のXaaは、Qであるか、または存在しない)(配列番号5)。
【0035】
N末端メチオニンを有する成熟ウシレプチン:
MVPICKVQDDTKTLIKTIVTRINDISHT-Xaa-SVSSKQRVTGLDFIPGLHPLLSLSKMDQTLAIYQQILTSLPSRNVVQISNDLENLRDLLHLLAASKSCPLPQVRALESLESLGVVLEASLYSTEVVALSRLQGSLQDMLRQLDLSPGC、(配列中、位置29のXaaは、Qであるか、または存在しない)(配列番号6)。
【0036】
プロセシングされていない全長ヒトレプチン(すなわち、21残基N末端シグナル配列を含む):
MHWGTLCGFLWLWPYLFYVQAVPIQKVQDDTKTLIKTIVTRINDISHTQSVSSKQKVTGLDFIPGLHPILTLSKMDQTLAVYQQILTSMPSRNVIQISNDLENLRDLLHVLAFSKSCHLPWASGLETLDSLGGVLEASGYSTEVVALSRLQGSLQDMLWQLDLSPGC(配列番号7)
【0037】
成熟ヒトレプチン(N末端21アミノ酸シグナル配列が除去されている):
VPIQKVQDDTKTLIKTIVTRINDISH-Xaa-Xaa-SVSSKQKVTGLDFIPGLHPILTLSKMDQTLAVYQQILTSMPSRNVIQISNDLENLRDLLHVLAFSKSCHLPWASGLETLDSLGGVLEASGYSTEVVALSRLQGSLQDMLWQLDLSPGC、(配列中、位置27のXaaは、TまたはAであり;位置28のXaaは、Qであるか、または存在しない)(配列番号8)。
【0038】
N末端メチオニンを有する成熟ヒトレプチン:
MVPIQKVQDDTKTLIKTIVTRINDISH-Xaa-Xaa-SVSSKQKVTGLDFIPGLHPILTLSKMDQTLAVYQQILTSMPSRNVIQISNDLENLRDLLHVLAFSKSCHLPWASGLETLDSLGGVLEASGYSTEVVALSRLQGSLQDMLWQLDLSPGC、(配列中、位置28のXaaは、TまたはAであり;位置29のXaaは、Qであるか、または存在しない)(配列番号9)。
【0039】
成熟アカゲザルレプチン:
VPIQKVQSDTKTLIKTIVTRINDISHTQSVSSKQRVTGLDFIPGLHPVLTLSQMDQTLAIYQQILINLPSRNVIQISNDLENLRDLLHLLAFSKSCHLPLASGLETLESLGDVLEASLYSTEVVALSRLQGSLQDMLWQLDLSPGC(配列番号10)。
【0040】
N末端メチオニンを有する成熟アカゲザルレプチン:
MVPIQKVQSDTKTLIKTIVTRINDISHTQSVSSKQRVTGLDFIPGLHPVLTLSQMDQTLAIYQQILINLPSRNVIQISNDLENLRDLLHLLAFSKSCHLPLASGLETLESLGDVLEASLYSTEVVALSRLQGSLQDMLWQLDLSPGC(配列番号11)。
【0041】
成熟ラットレプチン:
VPIHKVQDDTKTLIKTIVTRINDISHTQSVSARQRVTGLDFIPGLHPILSLSKMDQTLAVYQQILTSLPSQNVLQIAHDLENLRDLLHLLAFSKSCSLPQTRGLQKPESLDGVLEASLYSTEVVALSRLQGSLQDILQQLDLSPEC(配列番号12)。
【0042】
N末端メチオニンを有する成熟ラットレプチン:
MVPIHKVQDDTKTLIKTIVTRINDISHTQSVSARQRVTGLDFIPGLHPILSLSKMDQTLAVYQQILTSLPSQNVLQIAHDLENLRDLLHLLAFSKSCSLPQTRGLQKPESLDGVLEASLYSTEVVALSRLQGSLQDILQQLDLSPEC(配列番号13)。
【0043】
成熟カモノハシレプチン:成熟カモノハシレプチン配列は、以下のとおりである:
ISIEKIQADTKTLTKTIITRIIQLSTQNGVSTDQRVSGLDFIPGNQQFQNLADMDQTLAVYQQILSSLPMPDRTQISNDLENLRSLFALLATLKNCPFTRSDGLDTMEIWGGIVEESLYSTEVVTLDRLRKSLKNIEKQLDHIQG(配列番号14)。
【0044】
プロセシングされていない全長カモノハシレプチン(すなわち、21残基のN末端シグナル配列を含む):21残基のN末端シグナル配列を含むカモノハシレプチンの全長配列は、以下のとおりである:
MRCILLYGFLCVWQHLYYSHPISIEKIQADTKTLTKTIITRIIQLSTQNGVSTDQRVSGLDFIPGNQQFQNLADMDQTLAVYQQILSSLPMPDRTQISNDLENLRSLFALLATLKNCPFTRSDGLDTMEIWGGIVEESLYSTEVVTLDRLRKSLKNIEKQLDHIQG(配列番号15)。
【0045】
成熟ヒトレプチン1型:
VPIQKVQDDTKTLIKTIVTRINDISHTQSVSSKQKVTGLDFIPGLHPILTLSKMDQTLAVYQQILTSMPSRNVIQISNDLENLRDLLHVLAFSKSCHLPWASGLETLDSLGGVLEASGYSTEVVALSRLQGSLQDMLWQLDLSPGC(配列番号16)。
【0046】
成熟ヒトレプチン2型:
VPIQKVQDDTKTLIKTIVTRINDISHAQSVSSKQKVTGLDFIPGLHPILTLSKMDQTLAVYQQILTSMPSRNVIQISNDLENLRDLLHVLAFSKSCHLPWASGLETLDSLGGVLEASGYSTEVVALSRLQGSLQDMLWQLDLSPGC(配列番号17)。
【0047】
成熟ヒトレプチン3型:
VPIQKVQDDTKTLIKTIVTRINDISHTSVSSKQKVTGLDFIPGLHPILTLSKMDQTLAVYQQILTSMPSRNVIQISNDLENLRDLLHVLAFSKSCHLPWASGLETLDSLGGVLEASGYSTEVVALSRLQGSLQDMLWQLDLSPGC(配列番号18)。
【0048】
成熟ヒトレプチン4型:
VPIQKVQDDTKTLIKTIVTRINDISHASVSSKQKVTGLDFIPGLHPILTLSKMDQTLAVYQQILTSMPSRNVIQISNDLENLRDLLHVLAFSKSCHLPWASGLETLDSLGGVLEASGYSTEVVALSRLQGSLQDMLWQLDLSPGC(配列番号19)。
【0049】
N末端メチオニンを有する成熟ヒトレプチン1型(メトレレプチンまたはA100としても知られる):
MVPIQKVQDDTKTLIKTIVTRINDISHTQSVSSKQKVTGLDFIPGLHPILTLSKMDQTLAVYQQILTSMPSRNVIQISNDLENLRDLLHVLAFSKSCHLPWASGLETLDSLGGVLEASGYSTEVVALSRLQGSLQDMLWQLDLSPGC(配列番号20)。
【0050】
N末端メチオニンを有する成熟ヒトレプチン2型:
MVPIQKVQDDTKTLIKTIVTRINDISHAQSVSSKQKVTGLDFIPGLHPILTLSKMDQTLAVYQQILTSMPSRNVIQISNDLENLRDLLHVLAFSKSCHLPWASGLETLDSLGGVLEASGYSTEVVALSRLQGSLQDMLWQLDLSPGC(配列番号21)。
【0051】
N末端メチオニンを有する成熟ヒトレプチン3型:
MVPIQKVQDDTKTLIKTIVTRINDISHTSVSSKQKVTGLDFIPGLHPILTLSKMDQTLAVYQQILTSMPSRNVIQISNDLENLRDLLHVLAFSKSCHLPWASGLETLDSLGGVLEASGYSTEVVALSRLQGSLQDMLWQLDLSPGC(配列番号22)。
【0052】
N末端メチオニンを有する成熟ヒトレプチン4型:
MVPIQKVQDDTKTLIKTIVTRINDISHASVSSKQKVTGLDFIPGLHPILTLSKMDQTLAVYQQILTSMPSRNVIQISNDLENLRDLLHVLAFSKSCHLPWASGLETLDSLGGVLEASGYSTEVVALSRLQGSLQDMLWQLDLSPGC(配列番号23)。
【0053】
アザラシ(Seal)レプチン:
PIQRVQDDTKTLIKTIITRINDISPPQGVCSRPRVAGLDFIPRVQSVRTLSGMDQILATYQQILTSLQSRSVVQIANDLANLRALLRLLASAKSCPVPRARGSDTIKGLGNVLRASVHSTEVVALSRLKAALQDMLRQLDRNPGC(配列番号24)。
【0054】
それぞれ、メトレレプチンのアミノ酸73〜94(ヘリックス3)で置換されたアミノ酸71〜92を有するアザラシレプチン:
PIQRVQDDTKTLIKTIITRINDISPPQGVCSRPRVAGLDFIPRVQSVRTLSGMDQILATYQQILTSLQSRNVIQISNDLENLRDLLHVLAFSKSCPVPRARGSDTIKGLGNVLRASVHSTEVVALSRLKAALQDMLRQLDRNPGC(配列番号25)。
【0055】
それぞれ、メトレレプチンのアミノ酸32および73〜94(ヘリックス3)で置換されたアミノ酸30および71〜92を有するアザラシレプチン:
PIQRVQDDTKTLIKTIITRINDISPPQGVSSRPRVAGLDFIPRVQSVRTLSGMDQILATYQQILTSLQSRNVIQISNDLENLRDLLHVLAFSKSCPVPRARGSDTIKGLGNVLRASVHSTEVVALSRLKAALQDMLRQLDRNPGC(配列番号26)。
【0056】
N末端メチオニンを有するアザラシレプチン:
MPIQRVQDDTKTLIKTIITRINDISPPQGVCSRPRVAGLDFIPRVQSVRTLSGMDQILATYQQILTSLQSRSVVQIANDLANLRALLRLLASAKSCPVPRARGSDTIKGLGNVLRASVHSTEVVALSRLKAALQDMLRQLDRNPGC(配列番号27)。
【0057】
N末端メチオニンを有し、それぞれ、メトレレプチンのアミノ酸73〜94(ヘリックス3)で置換されたアミノ酸71〜92を有するアザラシレプチン:
MPIQRVQDDTKTLIKTIITRINDISPPQGVCSRPRVAGLDFIPRVQSVRTLSGMDQILATYQQILTSLQSRNVIQISNDLENLRDLLHVLAFSKSCPVPRARGSDTIKGLGNVLRASVHSTEVVALSRLKAALQDMLRQLDRNPGC(配列番号28)。
【0058】
N末端メチオニンを有し、それぞれ、メトレレプチンのアミノ酸32および73〜94(ヘリックス3)で置換されたアミノ酸30および71〜92を有するアザラシレプチン:
MPIQRVQDDTKTLIKTIITRINDISPPQGVSSRPRVAGLDFIPRVQSVRTLSGMDQILATYQQILTSLQSRNVIQISNDLENLRDLLHVLAFSKSCPVPRARGSDTIKGLGNVLRASVHSTEVVALSRLKAALQDMLRQLDRNPGC(配列番号29)。
【0059】
それぞれ、メトレレプチンのアミノ酸73〜94(ヘリックス3)で置換されたアミノ酸71〜92を有し、メトレレプチンのアミノ酸25〜51(ABループ)で置換されたアミノ酸23〜49を有するアザラシレプチン:
PIQRVQDDTKTLIKTIITRINDISHTQSVSSKQKVTGLDFIPGLHPILTLSGMDQILATYQQILTSLQSRNVIQISNDLENLRDLLHVLAFSKSCPVPRARGSDTIKGLGNVLRASVHSTEVVALSRLKAALQDMLRQLDRNPGC(配列番号680)
【0060】
レプチンA200:レプチンA200は、当技術分野で公知の、レプチンとのFc抗体断片縮合生成物である。例えば、Lo et al., 2005, Protein Eng. Design & Selection, 18:1-10を参照のこと。A200のアミノ酸配列は、以下のとおりである:
MDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGKVPIQKVQDDTKTLIKTIVTRINDISHTQSVSSKQKVTGLDFIPGLHPILTLSKMDQTLAVYQQILTSMPSRNVIQISNDLENLRDLLHVLAFSKSCHLPWASGLETLDSLGGVLEASGYSTEVVALSRLQGSLQDMLWQLDLSPGC(配列番号30)
【0061】
レプチンA300:レプチンA300は、置換W101QおよびW139Q(残基1としてカウントされるN末端
1Met)を有するメトレレプチンである:
MVPIQKVQDDTKTLIKTIVTRINDISHTQSVSSKQKVTGLDFIPGLHPILTLSKMDQTLAVYQQILTSMPSRNVIQISNDLENLRDLLHVLAFSKSCHLPQASGLETLDSLGGVLEASGYSTEVVALSRLQGSLQDMLQQLDLSPGC(配列番号31)。
【0062】
レプチンA400:レプチンA400は、以下に示されるような、システイン残基で置換された位置78のセリン残基を有するメトレレプチンである:
MVPIQKVQDDTKTLIKTIVTRINDISHTQSVSSKQKVTGLDFIPGLHPILTLSKMDQTLAVYQQILTSMPSRNVIQICNDLENLRDLLHVLAFSKSCHLPWASGLETLDSLGGVLEASGYSTEVVALSRLQGSLQDMLWQLDLSPGC(配列番号32);これに、位置78のシステイン残基を介して20キロダルトン(kDa)PEG部分が付いている。
【0063】
レプチンA500:本発明者らを含めた何人かの研究者による研究は、レプチンにおける残基置換の集合に対する効果に重点をおいてきた。例えば、参照により、すべての目的のために本明細書に組み込まれる、Ricci et al., 2006.“Mutational approach to improve physical stability of protein therapeutics susceptible to aggregation: Role of altered conformation in irreversible precipitation”, Book Chapter. In: MISBEHAVING PROTEINS: PROTEIN (MIS)FOLDING, AGGREGATION, AND STABILITY, Murphy RM, Tsai AM, Eds., New York. Springer. pp. 331-350を参照のこと。したがって、本明細書に記載された特定の化合物および方法では、以下の配列を有するレプチンA500が使用されている:
MVPIQKVQDDTKTLIKTIVTRINDISHTQSVSSKQKVTGLEFIPGLHPILTLSKMDQTLAVYQQILTSMPSRNVIQISNDLENLRDLLHVLAFSKSCHLPQASGLETLESLGGVLEASGYSTEVVALSRLQGSLQDMLQQLDLSPGC(配列番号33)。
【0064】
レプチンA100変異体:以下の残基置換を有するレプチンA100の変異体は以下のとおりである:
D41E、H98S、W101Q、D109E、G113E、M137I、W139QおよびG146E: MVPIQKVQDDTKTLIKTIVTRINDISHTQSVSSKQKVTGLEFIPGLHPILTLSKMDQTLAVYQQILTSMPSRNVIQISNDLENLRDLLHVLAFSKSCSLPQASGLETLESLGEVLEASGYSTEVVALSRLQGSLQDILQQLDLSPEC(配列番号664)。
H98S、W101Q、A102T、G113E、M137I、W139Q、およびG146E:
MVPIQKVQDDTKTLIKTIVTRINDISHTQSVSSKQKVTGLDFIPGLHPILTLSKMDQTLAVYQQILTSMPSRNVIQISNDLENLRDLLHVLAFSKSCSLPQASGLETLDSLGGVLEASGYSTEVVALSRLQGSLQDILQQLDLSPEC(配列番号665)。
H98S、W101Q、G113E、M137I、W139Q、およびG146E:
MVPIQKVQDDTKTLIKTIVTRINDISHTQSVSSKQKVTGLDFIPGLHPILTLSKMDQTLAVYQQILTSMPSRNVIQISNDLENLRDLLHVLAFSKSCSLPQASGLETLDSLGEVLEASGYSTEVVALSRLQGSLQDILQQLDLSPEC(配列番号666)。
W101Q、G113E、M137I、W139Q、およびG146E:
MVPIQKVQDDTKTLIKTIVTRINDISHTQSVSSKQKVTGLDFIPGLHPILTLSKMDQTLAVYQQILTSMPSRNVIQISNDLENLRDLLHVLAFSKSCHLPQASGLETLDSLGEVLEASGYSTEVVALSRLQGSLQDILQQLDLSPEC(配列番号667)。
H98S、W101Q、M137I、W139Q、およびG146E:
MVPIQKVQDDTKTLIKTIVTRINDISHTQSVSSKQKVTGLDFIPGLHPILTLSKMDQTLAVYQQILTSMPSRNVIQISNDLENLRDLLHVLAFSKSCSLPQASGLETLDSLGGVLEASGYSTEVVALSRLQGSLQDILQQLDLSPEC(配列番号668)。
W101Q、G113E、M137I、W139Q、L143V、およびG146E:
MVPIQKVQDDTKTLIKTIVTRINDISHTQSVSSKQKVTGLDFIPGLHPILTLSKMDQTLAVYQQILTSMPSRNVIQISNDLENLRDLLHVLAFSKSCHLPQASGLETLDSLGEVLEASGYSTEVVALSRLQGSLQDILQQLDVSPEC(配列番号669)。
H98S、W101Q、A102T、M137I、W139Q、およびG146E:
MVPIQKVQDDTKTLIKTIVTRINDISHTQSVSSKQKVTGLDFIPGLHPILTLSKMDQTLAVYQQILTSMPSRNVIQISNDLENLRDLLHVLAFSKSCSLPQTSGLETLDSLGGVLEASGYSTEVVALSRLQGSLQDILQQLDLSPEC(配列番号670)。
H98S、W101Q、D109E、G113E、およびG146E:
MVPIQKVQDDTKTLIKTIVTRINDISHTQSVSSKQKVTGLDFIPGLHPILTLSKMDQTLAVYQQILTSMPSRNVIQISNDLENLRDLLHVLAFSKSCSLPQASGLETLESLGEVLEASGYSTEVVALSRLQGSLQDMLWQLDLSPEC(配列番号671)。
W101Q、M137I、W139Q、およびG146E:
MVPIQKVQDDTKTLIKTIVTRINDISHTQSVSSKQKVTGLDFIPGLHPILTLSKMDQTLAVYQQILTSMPSRNVIQISNDLENLRDLLHVLAFSKSCHLPQASGLETLDSLGGVLEASGYSTEVVALSRLQGSLQDILQQLDLSPEC(配列番号672)。
W101Q、M137I、W139Q、L143V、およびG146E:
MVPIQKVQDDTKTLIKTIVTRINDISHTQSVSSKQKVTGLDFIPGLHPILTLSKMDQTLAVYQQILTSMPSRNVIQISNDLENLRDLLHVLAFSKSCHLPQASGLETLDSLGGVLEASGYSTEVVALSRLQGSLQDILQQLDVSPEC(配列番号673)。
H98S、W101Q、A102T、M137I、W139Q、L143V、およびG146E:
MVPIQKVQDDTKTLIKTIVTRINDISHTQSVSSKQKVTGLDFIPGLHPILTLSKMDQTLAVYQQILTSMPSRNVIQISNDLENLRDLLHVLAFSKSCSLPQTSGLETLDSLGGVLEASGYSTEVVALSRLQGSLQDILQQLDVSPEC(配列番号674)。
H98S、W101Q、A102T、G113E、およびG146E:
MVPIQKVQDDTKTLIKTIVTRINDISHTQSVSSKQKVTGLDFIPGLHPILTLSKMDQTLAVYQQILTSMPSRNVIQISNDLENLRDLLHVLAFSKSCSLPQTSGLETLDSLGEVLEASGYSTEVVALSRLQGSLQDMLWQLDLSPEC(配列番号675)。
W101Q、G113E、およびW139Q:
MVPIQKVQDDTKTLIKTIVTRINDISHTQSVSSKQKVTGLDFIPGLHPILTLSKMDQTLAVYQQILTSMPSRNVIQISNDLENLRDLLHVLAFSKSCHLPQASGLETLDSLGEVLEASGYSTEVVALSRLQGSLQDMLQQLDLSPGC(配列番号676)。
W101Q、G113E、W139Q、およびG146E:
MVPIQKVQDDTKTLIKTIVTRINDISHTQSVSSKQKVTGLDFIPGLHPILTLSKMDQTLAVYQQILTSMPSRNVIQISNDLENLRDLLHVLAFSKSCHLPQASGLETLDSLGEVLEASGYSTEVVALSRLQGSLQDMLQQLDLSPEC(配列番号677)。
【0065】
上記のレプチン、レプチン類似体またはその活性断片ならびに以下に記載されるようなレプチンのいずれも、ABDとのリンカーを有するか、有さない、本操作されたポリペプチドにおける使用に適している。
【0066】
アルブミン結合ドメイン(ABD)ペプチド。ストレプトコッカスのプロテインG株148(G148)に由来するこれまでに開示されたアルブミン結合ドメインについて、またアルブミンに対して高親和性を有するいくつかの変異体、例えば、WO09/016043について、熱安定性の低下を犠牲にしてより高い親和性が達成された。さらに、T細胞およびB細胞エピトープが、G148のアルブミン結合領域内で実験的に同定されたことが報告された(Goetsch et al, Clin Diagn Lab Immunol 10:125-32, 2003)。この研究を行った著者らは、ワクチンにおけるG148のT細胞エピトープの使用、すなわち、アルブミン結合領域の固有の免疫刺激特性を利用することに関心をもった。Goetsch et alは、さらに、B細胞エピトープ、すなわち、G148の配列中の、免疫処理後に抗体によって結合される領域を見出した。したがって、アルブミン結合ドメインG148およびG148に由来するポリペプチドおよびひいては、それらを含有する融合物/コンジュゲート、上記の免疫刺激特性のリスク。ヒト投与用の医薬組成物では、免疫応答がないこと(または低減)が望まれる。
【0067】
このような融合物および/またはコンジュゲートの上記の欠点および欠乏は、本発明の操作されたポリペプチドにおいて使用するための本明細書に開示されたアルブミン結合ドメイン(ABD)ペプチドの使用によって克服または低減される。したがって、一実施形態では、本明細書に記載された長期間の操作されたポリペプチドコンジュゲートまたは融合物を含むアルブミン結合ドメインポリペプチドは、アルブミン結合モチーフと、3ヘリックス立体配置を含むさらなる配列とを含む3ヘリックスバンドルタンパク質ドメインである。このようなABDは、アルブミンに対して比較的高親和性を有するものであり、ストレプトコッカス株G148の細菌タンパク質Gのアルブミン結合ドメインに由来し、望ましい免疫学的特性、例えば、低減された免疫原性をさらに提供するよう本明細書に記載されるようにさらに修飾されている。このようなABDは、参照によりその全文が、すべての目的のために本明細書に組み込まれるPCT公開出願第WO2012/004384号に記載されている。そのようなものとして、本明細書に記載された操作されたポリペプチドについて考慮されるABDペプチドは、Jonsson et al.(Protein Eng. Design & Selection, 2008, 21:515-527)によって記載されたようなアルブミン結合配列を有するものおよびPCT公開出願第WO2009/016043号にさらに記載されるABDペプチドよりも優れている。本明細書に記載された操作されたポリペプチドを製造するには、本明細書に記載されたアルブミン結合ドメインポリペプチドに、レプチンまたは類似体またはその活性断片が融合される。レプチン化合物とのコンジュゲーションまたは融合に適したアルブミン結合ドメインポリペプチドは、以下から選択された配列を含むABDアミノ酸配列を含み得る:
式(i)
LA X3 AK X6 X7 AN X10 ELD X14 YGVSDF YKRLI X26 KAKT VEGVEALK X39 X40 IL X43 X44 LP(配列番号300)
(配列中、各々独立に、
X3は、E、S、QおよびCから選択され;
X6は、E、SおよびCから選択され;
X7は、AおよびSから選択され;
X10は、A、SおよびRから選択され;
X14は、A、S、CおよびKから選択され;
X26は、DおよびEから選択され;
X39は、DおよびEから選択され;
X40は、AおよびEから選択され;
X43は、AおよびKから選択され;
X44は、A、SおよびEから選択され;
位置45のロイシンは、存在するか、または存在せず;
位置46のプロリンは、存在するか、または存在しない)および
式(ii)(i)において定義される配列と少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列
(ただし、X
7は、L、EまたはDではないか;
または代わりに、
アミノ酸配列は、PCT公開出願番号WO2009/016043において定義されるような以下の配列:
LAEAK X
a X
b A X
c X
d EL X
e KY GVSD X
5 YK X
8 X
9 I X
11 X
12 A X
14 TVEGV X
20 AL X
23 X
24 X
25 ILAALP(配列番号679)
によって定義されず、配列中、
互いに独立して、
X
aは、VおよびEから選択され;
X
bは、L、EおよびDから選択され;
X
cは、N、LおよびIから選択され;
X
dは、RおよびKから選択され;
X
eは、DおよびKから選択され;
X
5は、YおよびFから選択され;
X
8は、N、RおよびSから選択され;
X
9は、V、I、L、M、FおよびYから選択され;
X
11は、N、S、EおよびDから選択され;
X
12は、R、KおよびNから選択され;
X
14は、KおよびRから選択され;
X
20は、D、N、Q、E、H、S、RおよびKから選択され;
X
23は、K、IおよびTから選択され;
X
24は、A、S、T、G、H、LおよびDから選択され;
X
25は、H、EおよびDから選択される)。
【0068】
第1の態様の上記の式(i)または(ii)のアルブミン結合ポリペプチドのさらなる実施形態では、X6はEである。この態様のアルブミン結合ポリペプチドの別の実施形態では、X3はSである。この態様のアルブミン結合ポリペプチドの別の実施形態では、X3はEである。この態様のアルブミン結合ポリペプチドの別の実施形態では、X7はAである。この態様のアルブミン結合ポリペプチドの別の実施形態では、X14はSである。この態様のアルブミン結合ポリペプチドの別の実施形態では、X14はCである。この態様のアルブミン結合ポリペプチドの別の実施形態では、X10はAである。この態様のアルブミン結合ポリペプチドの別の実施形態では、X10はSである。この態様のアルブミン結合ポリペプチドの別の実施形態では、X10はRである。この態様のアルブミン結合ポリペプチドの別の実施形態では、X26はDである。この態様のアルブミン結合ポリペプチドの別の実施形態では、X39はDである。この態様のアルブミン結合ポリペプチドの別の実施形態では、X39はEである。この態様のアルブミン結合ポリペプチドの別の実施形態では、X40はAである。この態様のアルブミン結合ポリペプチドの別の実施形態では、X43はAである。この態様のアルブミン結合ポリペプチドの別の実施形態では、X44はAである。この態様のアルブミン結合ポリペプチドの別の実施形態では、X44はSである。この態様のアルブミン結合ポリペプチドの別の実施形態では、位置45のロイシンは、存在するか、または存在しない。この態様のアルブミン結合ポリペプチドの別の実施形態では、位置46のプロリンが存在しない。
【0069】
さらなる好ましい実施形態では、レプチン化合物とのコンジュゲーションまたは融合に適したアルブミン結合ドメインポリペプチドは、
式(iii)
LA X3 AK X6 X7 AN X10 ELD X14 YGVSDF YKRLIDKAKT VEGVEALKDA ILAALP(配列番号678)
(配列中、互いに独立して、
X3は、E、S、QおよびCから選択され;
X6は、E、SおよびCから選択され;
X7は、AおよびSから選択され;
X10は、A、SおよびRから選択され;
X14は、A、S、CおよびKから選択され;
位置45のロイシンは、存在するか、または存在せず;
位置46のプロリンは、存在するか、または存在しない)および
式(iv)(iii)において定義される配列と少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列
(ただし、X
7は、L、EまたはDではないか;
または代わりに、
アミノ酸配列は、PCT公開出願番号WO2009/016043において定義されるような以下の配列:
LAEAK X
a X
b A X
c X
d EL X
e KY GVSD X
5 YK X
8 X
9 I X
11 X
12 A X
14 TVEGV X
20 AL X
23 X
24 X
25 ILAALP(配列番号679)
によって定義されず、配列中、
互いに独立して、
X
aは、VおよびEから選択され;
X
bは、L、EおよびDから選択され;
X
cは、N、LおよびIから選択され;
X
dは、RおよびKから選択され;
X
eは、DおよびKから選択され;
X
5は、YおよびFから選択され;
X
8は、N、RおよびSから選択され;
X
9は、V、I、L、M、FおよびYから選択され;
X
11は、N、S、EおよびDから選択され;
X
12は、R、KおよびNから選択され;
X
14は、KおよびRから選択され;
X
20は、D、N、Q、E、H、S、RおよびKから選択され;
X
23は、K、IおよびTから選択され;
X
24は、A、S、T、G、H、LおよびDから選択され;
X
25は、H、EおよびDから選択される)
から選択されたABDアミノ酸配列を含み得る。
【0070】
この態様の式(iii)または(iv)のアルブミン結合ポリペプチドのさらなる実施形態では、X6はEである。この態様のアルブミン結合ポリペプチドの別の実施形態では、X3はSである。この態様のアルブミン結合ポリペプチドの別の実施形態では、X3はEである。この態様のアルブミン結合ポリペプチドの別の実施形態では、X7はAである。この態様のアルブミン結合ポリペプチドの別の実施形態では、X14はSである。この態様のアルブミン結合ポリペプチドの別の実施形態では、X14はCである。この態様のアルブミン結合ポリペプチドの別の実施形態では、X10はAである。この態様のアルブミン結合ポリペプチドの別の実施形態では、X10はSである。この態様のアルブミン結合ポリペプチドの別の実施形態では、X10はRである。この態様のアルブミン結合ポリペプチドの別の実施形態では、位置45のロイシンは、存在するか、または存在しない。さらなる実施形態では、C末端プロリンが存在する。さらなる実施形態では、このプロリンが存在しない。
【0071】
式(i)〜(iv)のいずれか1種のさらなる実施形態では、ABDは、1個または複数のN末端ヘリックスキャッピングアミノ酸を含み、さらなる実施形態では、ヘリックスキャッピングアミノ酸は、セリンであり得るか、またはグリシン−セリンであり得る。したがって、図および配列表中のものを含めて、本明細書に開示された各アルブミン結合ドメイン配列について、その中に含有される式(i)〜(iv)のいずれか1種のABDに対応するアルブミン結合ドメイン、そのSer−ABD、Gly−Ser−ABD、Gly−ABD、Ala−ABDおよびそのデス−C末端−プロリン配列が、操作されたポリペプチドにおいて本明細書に開示されるように、すべての態様について具体的に考慮される。
【0072】
したがって、得られた配列が、(i)または(iii)によって定義されるクラスに属する配列と少なくとも95%同一であるようなものである(i)または(iii)の修飾された変異体も包含される。例えば、アミノ酸残基の特定の官能基分類(例えば、疎水性、親水性、極性など)に属するアミノ酸残基は、同一官能基群に由来する別のアミノ酸残基と交換され得る可能性がある。
【0073】
アルブミンに対する結合親和性を有するABDポリペプチドと関連する配列の上記で定義されたクラスは、3αヘリックスバンドルドメインにフォールディングされる共通の親ポリペプチド配列に由来する。より詳しくは、上記のポリペプチドは、血清アルブミンとアルブミン結合ドメインG148−GA3間の複合体の構造に基づくモデルビルディング(Lejon et al, J. Biol. Chem. 279:42924-8, 2004)ならびに共通の親ポリペプチド配列のいくつかの突然変異による変異体の結合および構造特性の分析から導かれる。式(i)〜(iv)のいずれか1種の上記で定義されたアミノ酸配列は、親ポリペプチド配列と比較して、ほとんど同一である3ヘリックスバンドルドメインにフォールディングされると予測されるポリペプチドのクラスをもたらすアミノ酸置換を含む。親ポリペプチド配列は、アルブミンとの相互作用のための結合表面をすでに含んでいるが、その結合表面は、上記の定義の置換の一部によって修飾される。上記の定義の置換は、親ポリペプチド配列と比較して、改善されたアルブミン結合能を提供する。重要で、驚くべきことに、上記の定義の置換は、アルブミンに対する強力な親和性の保持および/または改善に加えて、免疫学的特性の増強を提供する。
【0074】
したがって、開示内容の第1の態様のアルブミン結合ポリペプチドは、例えば、ヒト投与のための治療分子の融合またはコンジュゲートパートナーとして使用するのに適したものにする一連の特徴を示す。重要で、驚くべきことに、本開示内容のアルブミン結合ポリペプチドは、例えばアルブミン結合ドメインG148−GA3およびWO09/016043に開示されたアルブミン結合ポリペプチドなどの関連アルブミン結合ポリペプチドとの比較において、以下の6つの特徴のうち少なくとも5つを実証する。
【0075】
(1)ポリペプチドは、例えば、G148−GA3およびその他の細菌由来のアルブミン結合ドメインと比較して異なる表面を示す。相違は、このような細菌タンパク質に対して先に曝露されているヒトなどの対象における抗体反応の任意のリスクを低減または排除し得る
【0076】
(2)ポリペプチドは、例えば、G148−GA3および共通の親ポリペプチド配列のその他の関連するが異なる突然変異による変異体よりも、少ない可能性あるTエピトープしか含まず、したがって、ヒトなどの対象に投与された場合に低いおよび/またはより低い免疫原性を示す。
【0077】
(3)ポリペプチドは、ヒトなどの対象に投与された場合に、循環抗体と、より低い反応性を示す。したがって、循環抗体に曝露されたポリペプチドの表面における、すなわち、アルブミンとの結合相互作用に関与していないポリペプチド表面におけるアミノ酸置換によって、抗体交差反応性は、例えば、ヒト血清の試験セットにおいて測定されるような、G148−GA3によって引き起こされる抗体交差反応性と比較して低下する。
【0078】
(4)ポリペプチドは、K
D値によって定義されるような、より高い結合親和性の点で、およびkoff値によって定義されるような、より遅い解離速度(off−rate)の点の両方で、例えば、細菌タンパク質由来のアルブミン結合ドメインなどの既知の天然に存在するアルブミン結合ポリペプチドよりも高いアルブミン結合能を有する。
【0079】
(5)ポリペプチドは、例えば、細菌タンパク質由来のアルブミン結合ドメインなどの既知の天然に存在するアルブミン結合ポリペプチドよりも少ない、ポリペプチドの安定性の問題と関連しているアミノ酸残基を含む。したがって、ポリペプチドは、例えば、酸化傾向のあるメチオニンまたはトリプトファンを含まず、1個しかアスパラギンを含まない。
【0080】
(6)ポリペプチドは、55℃を超える融点によって定義されるような、WO09/016043に開示されるものなどのこれまでのアルブミン結合ポリペプチドよりも高い構造的安定性を有する。
【0081】
一実施形態では、第1の態様のコンジュゲート/融合物のアルブミン結合ポリペプチドは、上記で列挙された特徴のうち6つすべてを示す。別の実施形態では、第1の態様のアルブミン結合ポリペプチドは、アルブミンと結合している場合に、例えば、WO09/016043に開示されるものなどのこれまでのアルブミン結合ポリペプチドよりもより親水性のプロフィールを示す。ポリペプチドがアルブミンと相互作用する場合に周囲に曝露されるアルブミン結合ポリペプチドの表面は、表面疎水性を付与する、より少ないアミノ酸残基を含む。
【0082】
ABDペプチドは、最大で1×10
−6Mである相互作用のK
D値で、さらにより好ましくは、最大で1×10
−9M(さらにより密接な親和性)でアルブミンと結合する。より好ましくは、最大で1×10
−10Mである相互作用のK
D値で、いっそうより好ましくは、最大で1×10
−11Mであり、なおいっそうより好ましくは、最大で1×10
−12Mであり、いっそうさらには、最大で1×10
−13Mである。値は、最も好ましくは、ヒト血清アルブミン(「HSA」)に対する親和性のものである。
【0083】
モチーフが「3ヘリックスバンドルタンパク質ドメインの一部を形成する」本発明の実施形態では、アルブミン結合モチーフの配列が、天然に存在する(またはそうでなければ、本来の)3ヘリックスバンドルドメインの配列中に「挿入されている」か、またはそれに「グラフトされている」か、またはそれに「融合されており」、その結果、モチーフが、本来のドメイン中の類似構造のモチーフと置換していることを意味すると理解される。例えば、理論によって拘束されようとは思わないが、モチーフは、3ヘリックスバンドルの3つのヘリックスのうち2つを構成すると考えられ、任意の3ヘリックスバンドル内のこのような2ヘリックスモチーフを置換し得る。3ヘリックスバンドルドメインの2つのヘリックスの、本明細書に開示された2つのモチーフヘリックスによる置換は、ポリペプチドの基本構造に影響を及ぼさないように実施される。すなわち、本発明のこの実施形態のポリペプチドの主鎖のフォールディング全体は、同一要素の二次構造を同じ順序で有する部分などを形成するものの3ヘリックスバンドルタンパク質ドメインのものと実質的に同一である。したがって、この実施形態のポリペプチドが、元のドメインと同一のフォールディングを有する場合には、本明細書における操作されたポリペプチドに有用なモチーフは、3ヘリックスバンドルドメインの一部を形成し得、これは、基本構造特性、例えば、同様のCDスペクトルをもたらす特性が共有されることを暗示する。
【0084】
本明細書において使用される用語「アルブミン結合」および「アルブミンに対する結合親和性」とは、例えば、Biacore機器などにおける表面プラズモン共鳴技術の使用によって試験され得るポリペプチドの特性を指す。例えば、以下の実施例に記載されるように、アルブミン結合親和性は、アルブミンまたはその断片が、機器のセンサーチップ上に固定化されており、試験されるべきポリペプチドを含有するサンプルがチップ上を通過する実験において試験され得る。あるいは、試験されるべきポリペプチドが、機器のセンサーチップ上に固定化されており、アルブミンまたはその断片を含有するサンプルがチップ上を通過する。アルブミンは、この関連では、ヒト血清アルブミンなどの哺乳類に由来する血清アルブミンであり得る。当業者ならば、このような実験によって得られた結果を解釈して、アルブミンに対するポリペプチドの結合親和性の少なくとも定性的測定を確立し得る。定量的測定が望まれる場合には、例えば、相互作用のK
D値を調べるために、表面プラズモン共鳴法を使用してもよい。結合値は、例えば、Biacore2000機器(GE Healthcare)において定義され得る。アルブミンは、適宜、測定のセンサーチップ上に固定化されており、その親和性が調べられるポリペプチドのサンプルは、段階希釈によって調製され、注入される。次いで、例えば、機器製造業者(GE Healthcare)によって提供されたBIAevaluation 4.1ソフトウェアの1:1ラングミュア結合モデルを使用して、結果からK
D値が算出され得る。
【0085】
一実施形態では、この態様のアルブミン結合ポリペプチドは、相互作用のk
off値が、最大で5×10
−5s
−1、例えば、最大で5×10
−6s
−1であるようにアルブミンと結合する。
【0086】
別の実施形態では、アルブミン結合ポリペプチドのアミノ酸配列は、配列番号301〜452、配列番号455〜463および配列番号500〜593のいずれか1種から選択される。さらに詳しくは、アミノ酸配列は、配列番号304〜305、配列番号307〜308、配列番号310〜311、配列番号313〜314、配列番号316〜317、配列番号319〜320、配列番号322〜323、配列番号325〜326、配列番号328〜329、配列番号331〜332、配列番号334〜335、配列番号337〜338、配列番号341〜342および配列番号349〜350から選択される。
【0087】
一実施形態では、この態様のアルブミン結合ポリペプチドは、(i)または(iii)において定義される配列のN末端および/またはC末端に位置する1個または複数のさらなるアミノ酸残基をさらに含む。これらのさらなるアミノ酸残基は、ポリペプチドによるアルブミンの結合の増強およびフォールディングされたアルブミン結合ドメインのコンホメーション的安定性の改善において役割を果たし得るが、例えば、ポリペプチドの製造、精製、インビボまたはインビトロでの安定化、カップリング、標識または検出のうち1つまたは複数ならびにそれらの任意の組合せと関連するその他の目的に等しく十分に役立ち得る。このようなさらなるアミノ酸残基は、化学的カップリングの目的のために、例えば、HD1に付加された1個または複数のアミノ酸残基を含み得る。
【0088】
したがって、一実施形態では、アミノ酸配列(i)または(iii)のNまたはC末端のαヘリックスの直前または直後のアミノ酸は、コンホメーションの安定性に影響を及ぼし得る。コンホメーションの安定性の改善に寄与し得るアミノ酸残基の一例として、上記で定義されるアミノ酸配列(i)または(iii)のN末端に位置するセリン残基がある。N末端セリン残基は、いくつかの場合には、セリン側鎖のγ酸素とグルタミン酸残基のポリペプチド主鎖NHの間に水素結合を含むことによって基準のS−X−X−Eキャッピングボックスを形成し得る。このN末端キャッピングは、本開示内容の第1の態様のアルブミン結合ポリペプチドを構成する3ヘリックスドメインの第1のαヘリックスの安定化に寄与し得る。
【0089】
したがって、一実施形態では、さらなるアミノ酸は、ポリペプチドのN末端に少なくとも1個のセリン残基を含む。言い換えれば、1個または複数のセリン残基がアミノ酸配列に先行する。アルブミン結合ポリペプチドの別の実施形態では、さらなるアミノ酸は、ポリペプチドのN末端にグリシン残基を含む。1、2、3、4または任意の適した数のアミノ酸残基がアミノ酸配列(i)または(iii)に先行し得るということが理解される。したがって、単一のセリン残基、単一のグリシン残基またはグリシン−セリン(GS)組合せもしくはグリシン−セリン−セリン(GSS)組合せなどの2種の組合せがアミノ酸配列に先行し得る。N末端にさらなるアミノ残基を含むアルブミン結合ポリペプチドの例は、配列番号445〜463に、例えば、配列番号445〜448および配列番号462〜463に示されている。さらに別の実施形態では、さらなるアミノ酸残基は、配列式(i)または(iii)によって定義されるようなポリペプチドのN末端にグルタミン酸を含む。
【0090】
同様に、C末端キャッピングは、アルブミン結合ポリペプチドを構成する3ヘリックスドメインの第3のαヘリックスの安定性を改善するために利用され得る。(i)または(iii)において定義されるアミノ酸配列のC末端に存在するC末端プロリン残基は、少なくとも部分的に、キャッピング残基として機能し得る。C末端のプロリン残基の後ろのリシン残基は、リシン残基のεアミノ基とポリペプチド主鎖中のリシンの2および3残基前に位置するアミノ酸のカルボニル基、例えば、(i)または(iii)において定義されるアミノ酸配列のロイシンおよびアラニン残基のカルボニル基の間に水素結合を形成することによって、アルブミン結合ポリペプチドの第3のヘリックスのさらなる安定化に寄与し得る。したがって、一実施形態では、さらなるアミノ酸は、ポリペプチドのC末端にリシン残基を含む。
【0091】
上記で論じられたように、さらなるアミノ酸は、アルブミン結合ポリペプチドの製造と関連し得る。第1の態様のアルブミン結合ポリペプチドが化学的ペプチド合成によって製造される場合には、特に、C末端プロリンの後ろの1個または複数のオプショナルなアミノ酸残基が利点を提供し得る。このようなさらなるアミノ酸残基は、例えば、ジケトピペラジンなどの望ましくない物質の形成を、合成のジペプチド段階で防ぎ得る。このようなアミノ酸残基の一例として、グリシンがある。したがって、一実施形態では、さらなるアミノ酸は、上記で説明されるように、プロリン残基の直後またはさらなるリシンおよび/またはグリシン残基の後ろに、ポリペプチドのC末端にグリシン残基を含む。
【0092】
C末端にさらなるアミノ酸残基をさらに含むアルブミン結合ポリペプチドの例は、配列番号445〜452に、例えば、配列番号449〜450に示される。当業者ならば、異なる種類のペプチド合成のための予め作られたマトリックスによってC末端修飾を達成する方法を承知している。
【0093】
別の実施形態では、さらなるアミノ酸残基は、ポリペプチドのNおよび/またはC末端にシステイン残基を含む。このようなシステイン残基は、(i)または(iii)において定義されるようなアミノ酸配列の直前および/もしくは直後にあってもよく、または上記のような任意のその他のさらなるアミノ酸残基の前および/もしくは後ろであってもよい。ポリペプチド鎖のNおよび/またはC末端のシステイン残基を含むアルブミン結合ポリペプチドの例は、配列番号449〜450(C末端)および配列番号451〜452(N末端)に示されている。ポリペプチド鎖へのシステイン残基の付加によって、アルブミン結合ポリペプチドの部位指定コンジュゲーションのためのチオール基を得ることができる。あるいは、部位特異的コンジュゲーションを促進するために、セレノシステイン残基が、システイン残基の導入についてと同様の方法でポリペプチド鎖のC末端に導入されてもよい(Cheng et al, Nat Prot 1:2, 2006)。
【0094】
一実施形態では、アルブミン結合ポリペプチドは、2個以下のシステイン残基を含む。別の実施形態では、アルブミン結合ポリペプチドは、1個以下のシステイン残基を含む。
【0095】
別の実施形態では、アルブミン結合ポリペプチドのさらなるアミノ酸残基は、ヘキサヒスチジル(His
6)タグ、(配列番号34)などのポリペプチドの精製または検出のための「タグ」またはタグに対して特異的であり、および/もしくは精製において使用される抗体との相互作用のための「myc」(「c−Myc」)タグもしくは「FLAG」タグを含む。当業者ならばその他の代替物も承知している。
【0096】
アルブミン結合モチーフの存在のために、ABDペプチドは、最大で1×10
−6M、いっそうより好ましくは、最大で1×10
−9M(いっそうより密接な親和性)である相互作用のK値でアルブミンと結合する。より好ましくは、最大で1×10
−10Mである相互作用のK値、いっそうより好ましくは、最大で1×10
−11Mであり、なおいっそうより好ましくは、最大で1×10
−12Mであり、いっそうさらには、最大で1×10
−13Mである。
【0097】
本明細書に記載された活性ホルモンドメインペプチドとの融合に適した個々のアルブミン結合ドメインポリペプチドの配列は、Jonsson et al.(Id.)およびWO09/016043において示されたものよりも優れている。選択された化合物は、以下の表1に開示されている。PCT公開出願第WO2012/004384号も参照のこと。また、配列番号301〜452、配列番号454〜463および配列番号500〜593から選択された配列に対して95%以上の同一性を有するアミノ酸配列を有するアルブミン結合ポリペプチドも、本発明によって包含される。特定の実施形態では、アルブミン結合ポリペプチドの配列は、配列番号313、配列番号448、配列番号463、配列番号500、配列番号501、配列番号502およびそれらに対して95%以上の同一性を有する配列から選択される。本発明のその他の実施形態では、アルブミン結合ポリペプチドの配列は、配列番号454〜463およびそれらに対して95%以上の同一性を有する配列から選択される。なおさらなる実施形態では、アルブミン結合ポリペプチドの配列は、配列番号500〜593およびそれらに対して95%以上の同一性を有する配列から選択される。
【0098】
例示的ABD種として、それだけには限らないが、以下の表1および実施例において示される化合物が挙げられる。
【0099】
【表1-1】
【表1-2】
【表1-3】
【表1-4】
【0100】
好ましい操作されたポリペプチド実施形態では、ABDは、
LAEAKEAANAELDSYGVSDFYKRLIDKAKTVEGVEALKDAILAALP(配列番号313)、
および
SLAEAKEAANAELDSYGVSDFYKRLIDKAKTVEGVEALKDAILAALP(配列番号500)およびGSLAEAKEAANAELDSYGVSDFYKRLIDKAKTVEGVEALKDAILAALP(配列番号463;PEP07986)を含めたそのN末端が伸長されたABD配列形態を含む。位置2のセリンは、配列をキャップしており、この位置にグリシンまたはアラニンを有することと比較してTmをおよそ2℃上げている。
【0101】
Cys−コンジュゲーションが望ましい、好ましい操作されたポリペプチド実施形態では、好ましいABDは、
LAEAKEAANAELDCYGVSDFYKRLIDKAKTVEGVEALKDAILAALPG(配列番号501)および
SLAEAKEAANAELDCYGVSDFYKRLIDKAKTVEGVEALKDAILAALPG(配列番号502)およびGSLAEAKEAANAELDCYGVSDFYKRLIDKAKTVEGVEALKDAILAALPG(配列番号448;PEP08185)を含めたそのN末端が伸長されたABD配列形態を含む。
【0102】
本明細書に記載された操作されたポリペプチドの一実施形態、特に、そのC末端がプロリンまたはペプチド合成の間にラセミ化することが知られているその他のアミノ酸で終わるものでは、C末端アミノ酸残基のラセミ化に関する可能性ある問題に対抗するためにC末端にグリシンが付加され得る。あるいは、C末端アミノ酸は、その(αアミノ基)アミド化形態にあり得る、例えば、グリシンで終わるよりもむしろ、プロリンに対してプロリンアミド。しかし、アミド化ポリペプチドは、化学合成よりも組換えによって製造されることが望ましく、次いで、C末端アミノ酸のアミド化が、当技術分野で公知のいくつかの方法、例えば、アミド化PAM酵素の使用によって実施され得る。
【0103】
本明細書においてABDは、完全に可逆的にフォールディングする、すなわち、それらは、変性され得、所望の活性三次構造に自発的に再フォールディングする。これは、20℃でとられたスペクトル(フォールディングされた状態)および90℃に加熱した後にとられた第2のスペクトル(加熱変性)20℃に戻った後にとられた第3のスペクトル(再フォールディングされた状態)を比較する、例えば、ABD配列番号463の円偏光二色性スペクトル分析によって評価された。この手順の間に、Tmを求めることができる。
【0104】
操作されたポリペプチドの別の態様は、ABDが、難溶性または低溶解性レプチン変異体の水溶液における溶解性の増大を提供し得るということである。この特性は、ABD自体によってか、またはその会合が水溶液における操作されたポリペプチドの溶解度を高める、インビボもしくはインビトロで高度に可溶性のアルブミンと結合している操作されたポリペプチドの結果として生じる複合体のために付与され得る。したがって、このさらなる態様の実施形態では、本明細書に記載された融合タンパク質またはコンジュゲートとしてアルブミン結合ドメインと共有結合によってカップリングしている、それ自体、1mg/ml以下または2mg//ml以下または5g/ml以下の水における溶解度を有するレプチンまたはレプチン類似体化合物を含む組成物が提供され、これでは、化合物およびアルブミン結合ポリペプチド、融合タンパク質またはコンジュゲートは、共有結合によってカップリングしており、操作されたポリペプチドの溶解度は、融合していない(またはコンジュゲートしていない)天然レプチンまたはレプチン類似体化合物のものよりも高い。
【0105】
アルブミンとの結合。血清アルブミンは、哺乳類血清中に最も豊富にあるタンパク質であり(40g/L;ヒトでは、およそ0.7mM)、ここでは、それは、それだけには限らないが、脂質およびビリルビンを含めたさまざまな分子と結合する(Peters T, 1985, Advances in Protein Chemistry 37:161)。血清アルブミンの半減期は、動物の大きさに正比例し、これでは、例えば、ヒト血清アルブミン(HSA)は、19日の半減期を有し、ウサギ血清アルブミンは、約5日の半減期を有するということが観察されてきた(McCurdy TR et al., J. Lab. Clin. Med. 143:115,2004)。ヒト血清アルブミンは、体中に広く、特に、腸および血液の区画において分布しており、ここでは、主に、浸透圧の維持に関与している。構造的に、アルブミンは、3つの相同なドメインを含み、合計584または585個のアミノ酸になる一本鎖タンパク質である(Dugaiczyk L et al., 1982, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 79:71)。アルブミンは、17のジスルフィド橋および単一の反応性チオール、C34を含有するが、N結合型およびO結合型炭水化物部分を欠く(Peters, 1985, Id.;Nicholson JP et al., 2000, Br J Anaesth 85:599)。グリコシル化がないことは、アルブミンの組換え発現を単純化する。アルブミンのこの特性は、その三次構造が知られているという事実と一緒になって(He, XM and Carter, DC, Nature 358:209 1992)、それを組換え融合タンパク質において使用するための魅力的な候補にしている。このような融合タンパク質は、一般に、単一ポリペプチド鎖において、治療用タンパク質(タンパク質それ自体の投与の際に身体から迅速に排除される)と血漿タンパク質(天然の遅いクリアランスを示す)を組み合わせる。例えば、Sheffield WP, 2001, Curr. Drug Targets Cardiovacs. Haematol. Disord. 1:1を参照のこと)。このようなタンパク質は、あまり頻繁な注射を必要としないという点およびインビボにおけるより高いレベルの治療用タンパク質において臨床的有用性を提供し得る。しかし、本明細書における操作されたポリペプチドは、アルブミンとコンジュゲートしていないが、代わりに、アルブミンとの非共有結合を可能にするモチーフを含有する。
【0106】
アルブミン半減期。種々の種におけるアルブミンの半減期は、一般に、動物体重に基づいた相対成長率に忠実であると観察されている。例えば、マウス、ラット、ウサギおよびヒトにおけるアルブミン半減期は、それぞれ、1、1.9、5.6および19日と推定されている。実際、累乗フィッティング解析(Davies & Morris, 1993, Pharm. Res. (N.Y.) 10:1093-1095)は、以下の方程式を提供する:
アルブミン半減期(日)=3.75*体重(kg)
0.368。
【0107】
さらなる実施形態。本明細書に開示された各ポリペプチドはまた、(適宜)その天然に生じる第1のアミノ酸とインフレームでN末端にメチオニンを含むよう考慮されるということは理解される。例えば、メトレレプチン(レプチンA100)は、配列番号20に開示されるように、N末端メチオニンが付加された成熟ヒトレプチンからなる。同様に、メチオニン残基は、本明細書を通じて開示されるアミノ酸配列および式のいずれかのN末端に含まれ得る。本明細書に示された操作されたポリペプチド配列中にC末端Glyが現れる場合には、その残基は、その後のアミド化の間に失われ得るということがさらに理解される。
【0108】
いくつかの実施形態では、レプチン、レプチン類似体、レプチン活性断片またはレプチン誘導体は、親レプチンに対して少なくとも50%、例えば、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%またはさらにより高い配列同一性を有し得る。いくつかの実施形態では、親レプチンは、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号15、配列番号16、配列番号17、配列番号18、配列番号19、配列番号20、配列番号21、配列番号22、配列番号23、配列番号24、配列番号25、配列番号26、配列番号27、配列番号28、配列番号29、配列番号30、配列番号31、配列番号32、配列番号33、配列番号143、配列番号144、配列番号145、配列番号146、配列番号664、配列番号665、配列番号666、配列番号667、配列番号668、配列番号669、配列番号670、配列番号671、配列番号672、配列番号673、配列番号674、配列番号675、配列番号676、配列番号677または配列番号680に示されるレプチンである。したがって、いくつかの実施形態では、レプチン、レプチン類似体、レプチン活性断片またはレプチン誘導体は、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号16、配列番号17、配列番号18、配列番号19、配列番号20、配列番号21、配列番号22、および配列番号23からなる群から選択される任意のレプチンに対して少なくとも50%、例えば、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%またはさらにより高い配列同一性を有し得る。いくつかの実施形態では、レプチン、レプチン類似体、レプチン活性断片またはレプチン誘導体は、配列番号20に示されるレプチンに対して少なくとも50%、例えば、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%またはさらにより高い配列同一性を有し得る。いくつかの実施形態では、レプチン、レプチン類似体、レプチン活性断片またはレプチン誘導体は、配列番号24、配列番号25、配列番号26、配列番号27、配列番号28または配列番号29からなる群から選択される任意のレプチンに対して、少なくとも50%、例えば、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%またはさらにより高い配列同一性を有し得る。いくつかの実施形態では、レプチン類似体は、配列番号20に示されるレプチンに対して、少なくとも90%の配列同一性を有し得る。いくつかの実施形態では、レプチン類似体は、配列番号1、配列番号2、配列番号143、配列番号144、配列番号145、配列番号146、配列番号664、配列番号665、配列番号666、配列番号667、配列番号668、配列番号669、配列番号670、配列番号671、配列番号672、配列番号673、配列番号674、配列番号675、配列番号676、配列番号677または配列番号680に示されるレプチンに対して、少なくとも50%の配列同一性を有し得る。いくつかの実施形態では、レプチン類似体は、配列番号1、配列番号2、配列番号143、配列番号144、配列番号145、配列番号146、配列番号664、配列番号665、配列番号666、配列番号667、配列番号668、配列番号669、配列番号670、配列番号671、配列番号672、配列番号673、配列番号674、配列番号675、配列番号676、配列番号677または配列番号680に示されるレプチンに対して、少なくとも90%の配列同一性を有し得る。いくつかの実施形態では、レプチン類似体は、配列番号14または配列番号15に示されるレプチンに対して、少なくとも50%の配列同一性を有し得る。いくつかの実施形態では、レプチン類似体は、配列番号14または配列番号15に示されるレプチンに対して、少なくとも90%の配列同一性を有し得る。いくつかの実施形態では、レプチン類似体は、配列番号32に示されるレプチンに対して、少なくとも50%の配列同一性を有し得る。いくつかの実施形態では、レプチン類似体は、配列番号32に示されるレプチンに対して、少なくとも90%の配列同一性を有し得る。いくつかの実施形態では、レプチン類似体は、配列番号33に示されるレプチンに対して、少なくとも50%の配列同一性を有し得る。いくつかの実施形態では、レプチン類似体は、配列番号33に示されるレプチンに対して、少なくとも90%の配列同一性を有し得る。いくつかの実施形態では、レプチン類似体は、配列番号10または配列番号11に示されるレプチンに対して、少なくとも50%の配列同一性を有し得る。いくつかの実施形態では、レプチン類似体は、配列番号10または配列番号11に示されるレプチンに対して、少なくとも90%の配列同一性を有し得る。いくつかの実施形態では、レプチン類似体は、配列番号12または配列番号13に示されるレプチンに対して、少なくとも50%の配列同一性を有し得る。いくつかの実施形態では、レプチン類似体は、配列番号12または配列番号13に示されるレプチンに対して、少なくとも90%の配列同一性を有し得る。さらに、レプチンは、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号15、配列番号16、配列番号17、配列番号18、配列番号19、配列番号20、配列番号21、配列番号22、配列番号23、配列番号24、配列番号25、配列番号26、配列番号27、配列番号28、配列番号29、配列番号30、配列番号31、配列番号32、配列番号33、配列番号143、配列番号144、配列番号145、配列番号146、配列番号664、配列番号665、配列番号666、配列番号667、配列番号668、配列番号669、配列番号670、配列番号671、配列番号672、配列番号673、配列番号674、配列番号675、配列番号676、配列番号677、および配列番号680からなる群から選択されるレプチンの1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20またはさらに21個のアミノ酸が、保存的アミノ酸または非保存的アミノ酸などの別のアミノ酸で置換されているか、そうでなければ、変更されている本発明に従って設計、調製および使用され得る。当技術分野で通例のように、用語「保存的」とは、アミノ酸置換との関連において、荷電の種類(例えば、アニオン性、カチオン性、中性、極性など)、疎水性もしくは親水性、バルク(例えば、ファンデルワールス接触など)および/または官能性(例えば、ヒドロキシ、アミン、スルフヒドリル(sulhydryl)など)の特性を維持する置換を指す。
【0109】
さらに、当技術分野で理解されるように、例えば、本明細書に開示されたものなどのマウスレプチン、ラットレプチン、ウシレプチン、ブタレプチンおよびアカゲザルレプチンは、ヒトレプチンに対して各々実質的に相同であり、特に、これらのレプチンの成熟型は、成熟レプチン、さらに、特に、タンパク質のN末端部分付近に対して実質的に相同である。成熟ヒトレプチン1型(配列番号16)およびメトレレプチン(配列番号20)などのこのようなレプチンの類似体は、対応する成熟マウス、ラット、ウシ、ブタまたはアカゲザルサルレプチン中で不一致であることが観察される場合には、このような配列中の1つまたは複数の位置のアミノ酸残基を置換、そうでなければ、変更することなどによって調製できる。例えば、成熟ヒトレプチン(例えば、配列番号20)は、例えば、マウス、ラットおよびサルにおいて生物学的応答を誘発する)。例えば、WO98/28427、WO2009/064298、US2007/0020284、US2008/0207512およびMurakami et al., 1995, Biochem. Biophys. Res. Comm. 209: 944-952を参照のこと。ヒト成熟レプチンは、例えば、このような種において生物活性を有するので、1種または複数のこのような種から得たレプチンにおいて、対応する位置で不一致である位置の1個または複数のアミノ酸が、このような対応する不一致の位置のアミノ酸で置換されているレプチンが、設計および調製され得る。
【0110】
例えば、第1のアミノ酸がバリンであり、位置146のアミノ酸がシステインである配列番号16のヒト成熟レプチンタンパク質を使用して、配列番号143中の対応する位置で見られる対応するアミノ酸を有する位置32、35、50、64、68、71、74、77、89、97、100、101、105、106、107、108、111、112、118、136、138、142および145のアミノ酸のうちの1個または複数を、別のアミノ酸で置換して、本発明に従う操作されたポリペプチドを設計、調製および使用してもよい。さらに、保存的アミノ酸または非保存的アミノ酸などの別のアミノ酸を、例えば、配列番号16の位置32、35、50、64、68、71、74、77、89、97、100、101、105、106、107、108、111、112、118、136、138、142および145のうちの1つまたは複数に置換して、本発明に従う操作されたポリペプチドを設計、調製および使用してもよい。
【0111】
成熟ラットレプチンタンパク質配列(配列番号12)に基づいたさらなるレプチンをさらに調製してもよい。参照によりその全文が、すべての目的のために本明細書に組み込まれる、例えば、WO98/28427、US2007/0020284およびMurakami et al., 1995, Id.を参照のこと。成熟ラットレプチンは、以下の位置4、32、33、35、50、68、71、74、77、78、89、97、100、101、102、105、106、107、108、111、112、118、136、138および145で成熟ヒトレプチン1型(配列番号16)とは異なる。したがって、配列番号16中のこのような位置のうち1つまたは複数で、成熟ラットレプチン(配列番号12)中に見られる対応する位置に見られるアミノ酸を置換して、本発明に従う操作されたポリペプチドを設計、調製および使用してもよい。さらに、保存的アミノ酸または非保存的アミノ酸などの別のアミノ酸を、例えば、配列番号16の位置4、32、33、35、50、68、71、74、77、78、89、97、100、101、102、105、106、107、108、111、112、118、136、138および145のうち1つまたは複数に置換して、本発明に従う操作されたポリペプチドを設計、調製および使用してもよい。
【0112】
成熟ヒトレプチン1型(配列番号16)とは不一致である、成熟ラットレプチン(配列番号12)および成熟マウスレプチン1型(配列番号143)の両方に由来する位置は、4、32、33、35、50、64、68、71、74、77、78、89、97、100、102、105、106、107、108、111、112、118、136、138、142および145である。したがって、配列番号16中のこのような位置のうちの1つまたは複数で、成熟ラットレプチン配列(配列番号12)または成熟マウス1型配列(配列番号143)中に見られる対応する位置に見られるアミノ酸を置換して、本発明に従う操作されたポリペプチドを設計、調製および使用してもよい。さらに、保存的アミノ酸または非保存的アミノ酸などの別のアミノ酸を、位置4、32、33、35、50、64、68、71、74、77、78、89、97、100、102、105、106、107、108、111、112、118、136、138、142および145のうち1つまたは複数に置換して、本発明に従う操作されたポリペプチドを設計、調製および使用してもよい。
【0113】
さらに、成熟ヒトレプチン1型(配列番号16)とは不一致であるアカゲザル成熟レプチン(配列番号10)に見られるアミノ酸は(一文字アミノ酸略語でアミノ酸残基が括弧内に記載されている)、8(S)、35(R)、48(V)、53(Q)、60(I)、66(I)、67(N)、68((L)、89(L)、100(L)、108(E)、112(D)および118(L)である。ヒト成熟レプチンは、サルの生物学的応答を誘発するので、括弧内のアミノ酸などの別のアミノ酸で置換されたアカゲザルサル不一致アミノ酸のうちの1個または複数を有する成熟ヒトレプチン1型(配列番号16)などのレプチンを、本発明に従う操作されたポリペプチドの設計、調製および使用に用いてもよい。特定のアカゲザル不一致アミノ酸はまた、例えば、上記の成熟マウスレプチン1型(位置35、68、89、100および112)に見られるものであるということは留意されなければならない。したがって、例えば、成熟ヒトレプチン1型(配列番号16)の位置4、8、32、33、35、48、50、53、60、64、66、67、68、71、74、77、78、89、97、100、102、105、106、107、108、111、112、118、136、138、142および145の1個または複数のアミノ酸が、マウスまたはアカゲザルレプチン(例えば、配列番号143および/または配列番号10)中のこのような位置の対応するアミノ酸によって置換されているレプチンを調製してもよい。
【0114】
このようなレプチンアミノ酸配列が、生物学的応答を誘発し得るという条件で、レプチンアミノ酸配列の一部を欠失させることによって、その他のレプチンを調製してもよい。このようなレプチンアミノ酸配列は、レプチン活性断片である。例えば、成熟マウスレプチン、成熟アカゲザルレプチン、成熟ヒトレプチンおよび成熟ラットレプチンおよびその他のレプチンはすべて、プロセシングされていない、このようなレプチンの全長型中に存在するN末端の21個のアミノ酸シグナル配列を欠く。
【0115】
このような成熟レプチンの以下の活性レプチン断片を調製してもよい:
(a)アミノ酸98〜146
(b)アミノ酸1〜32
(c)アミノ酸40〜116
(d)アミノ酸1〜99および(接続された)112〜146
(e)アミノ酸99と112の間に位置するアミノ酸100〜111のうちの1個または複数を有するアミノ酸1〜99および(接続された)112〜146。
【0116】
さらに、例えば、成熟ヒトレプチン1型中の位置のアミノ酸の1個または複数が、例えば、上記で開示されたラット、マウス、サル、ブタおよび/またはウシ成熟レプチン中に見られる対応する位置に見られるアミノ酸で置換されている、このような活性レプチン断片を調製してもよい。さらに、任意の置換または変更が、ペプチドミメティックまたはD−アミノ酸などの変更されたアミノ酸の形態であり得る。
【0117】
さらに、本発明は、レプチン、レプチン類似体、レプチン活性断片またはレプチン誘導体が
(a)異なるアミノ酸が、以下の位置:4、32、33、35、50、64、68、71、74、77、78、89、97、100、102、105、106、107、108、111、112、118、136、138、142および145のうち1つまたは複数で置換されており、同じ番号付けを保持する(位置28にグルタミニル残基がない場合であっても)、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号15、配列番号16、配列番号17、配列番号18、配列番号19、配列番号20、配列番号21、配列番号22、配列番号23、配列番号24、配列番号25、配列番号26、配列番号27、配列番号28、配列番号29、配列番号30、配列番号31、配列番号32、配列番号33、配列番号143、配列番号144、配列番号145、配列番号146、配列番号664、配列番号665、配列番号666、配列番号667、配列番号668、配列番号669、配列番号670、配列番号671、配列番号672、配列番号673、配列番号674、配列番号675、配列番号676、および配列番号677からなる群から選択されるレプチンのアミノ酸配列1〜146;
(b)位置28のグルタミニル残基が存在しない下位区分(a)のアミノ酸配列;
(c)メチオニル残基が、N末端に付加されている下位区分(a)または(b)のアミノ酸配列;
(d)(i)アミノ酸98〜146;
(ii)アミノ酸1〜32;
(iii)アミノ酸40〜116;
(iv)アミノ酸1〜99および112〜146;
(v)アミノ酸100〜111のうち1個または複数が、アミノ酸99から112の間に入っている、アミノ酸1〜99および112〜146;ならびに
(vi)アミノ酸100、102、105、106、107、108、111、118、136、138、142および145のうち1個または複数が、別のアミノ酸で置換されている、下位区分(i)のアミノ酸配列;
(vii)アミノ酸4、8および32のうち1個または複数が、別のアミノ酸で置換されている、下位区分(ii)のアミノ酸配列;
(viii)アミノ酸50、53、60、64、66、67、68、71、74、77、78、89、97、100、102、105、106、107、108、111および112のうち1個または複数が、別のアミノ酸で置換されている、下位区分(iii)のアミノ酸配列;
(ix)アミノ酸4、8、32、33、35、48、50、53、60、64、66、67、68、71、74、77、78、89、97、112、118、136、138、142および145のうち1個または複数が、別のアミノ酸で置換されている、下位区分(iv)のアミノ酸配列;ならびに
(x)アミノ酸4、32、33、35、50、64、68、71、74、77、78、89、97、100、102、105、106、107、108、111、118、136、138、142および145のうち1個または複数が、別のアミノ酸で置換されている、下位区分(v)のアミノ酸配列;
(xi)N末端にメチオニンが付加されている、下位区分(i)〜(x)のいずれかのレプチン、
(e)化学部分が付いている、下位区分(a)から(e)のいずれかのレプチン、
(f)前記化学部分が水溶性ポリマー部分である、下位区分(g)のレプチン、
(g)前記水溶性ポリマー部分がポリエチレングリコールである、下位区分(f)のレプチン、
(h)前記水溶性ポリマー部分がポリアミノ酸部分である、下位区分(f)のレプチン、および
(i)前記部分が前記タンパク質部分のN末端のみに付いている、下位区分(e)から(h)のいずれか1種のレプチン
から選択される、上記のようなレプチン、レプチン類似体、レプチン活性断片またはレプチン誘導体を含む操作されたポリペプチドを包含する。
【0118】
上記に関しては、化学部分が付いているレプチンは、レプチン誘導体である。1種または複数の化学部分を付けることによるレプチンの誘導体化は、治療用タンパク質の安定性および循環時間の増大ならびに免疫原性および例えば、中和抗体が生じる傾向および/または注射部位反応の発生率の低減など、特定の状況下でいくつかの利点を提供することがわかっている。例えば、WO98/28427、US2007/0020284、1979年12月18日に発行された米国特許第4,179,337号、Davis et al.を参照のこと。概説については、Abuchowski et al., in ENZYME AS DRUGS.[J. S. Holcerberg and J. Roberts, eds. pp. 367-383 (1981)]; Francis et al. Id.を参照のこと。したがって、誘導体化レプチンおよびABMまたはABDを使用する場合には、両実体によって提供される利点を有する本発明の操作されたポリペプチドを作製することが有利であり得る。
【0119】
レプチン誘導体は、そのアミノ酸側鎖、α−炭素原子、末端アミノ基または末端カルボン酸基のうちの1つまたは複数の化学修飾がなされているレプチンを構成し得る。化学修飾として、それだけには限らないが、1つまたは複数の化学部分を付けること、新規結合を作製することおよび1つまたは複数の化学部分を除去することが挙げられる。アミノ酸側鎖の修飾として、制限するものではないが、アルキル化、アシル化、エステル形成、アミド形成、マレイミドカップリング、リシンε−アミノ基のアシル化、アルギニン、ヒスチジンまたはリシンのN−アルキル化、グルタミン酸またはアスパラギン酸カルボン酸基のアルキル化およびグルタミンまたはアスパラギンの脱アミド化が挙げられる。末端アミノの修飾として、制限するものではないが、デスアミノ、N−低級アルキル、N−ジ−低級アルキルおよびN−アシル修飾が挙げられる。末端アミノの修飾として、制限するものではないが、アルキルアシル、分岐アルキルアシル、アルキルアリール−アシルなどの、デスアミノ、N−低級アルキル、N−ジ−低級アルキルおよびN−アシル修飾が挙げられる。末端カルボキシ基の修飾として、制限するものではないが、アミド、低級アルキルアミド、ジアルキルアミド、アリールアミド、アルキルアリールアミドおよび低級アルキルエステル修飾が挙げられる。低級アルキルは、C
1−C
4アルキルである。さらに、1個もしくは複数の側鎖または末端基が、合成化学の当業者に公知の保護基によって保護されてもよい。アミノ酸のα−炭素は、一メチル化または二メチル化されてもよい。
【0120】
このような誘導体として、ポリ−his、ポリ−arg、ポリ−lysおよびポリ−alaなどのポリアミノ酸の付加によって、または短いアルキルおよび制限されたアルキル(例えば、分岐、環状、融合、アダマンチル)および芳香族基を含む小分子置換基の付加によって、1つまたは複数の、ポリエチレングリコール(「PEG」)などの水溶性ポリマー分子または種々の長さの脂肪酸鎖(例えば、ステアリル、パルミトイル、オクタノイル)とコンジュゲートしているレプチンが挙げられる。いくつかの実施形態では、水溶性ポリマー分子は、約500ダルトン〜約60,000ダルトンの範囲の分子量を有することとなる。
【0121】
このようなポリマー−コンジュゲーションは、N−もしくはC−末端で、または本明細書に開示されたレプチンの配列内のアミノ酸残基の側鎖で単独で起こり得る。あるいは、このようなレプチンのアミノ酸配列に沿って複数の部位の誘導体化があり得る。1種または複数のアミノ酸の、リシン、アスパラギン酸、グルタミン酸またはシステインでの置換は、誘導体化のためのさらなる部位を提供し得る。例えば、米国特許第5,824,784号および同5,824,778号を参照のこと。いくつかの実施形態では、レプチンは、1つ、2つまたは3つのポリマー分子とコンジュゲートされ得る。
【0122】
いくつかの実施形態では、水溶性ポリマー分子は、アミノ、カルボキシルまたはチオール基と連結され、NもしくはC末端によって、またはリシン、アスパラギン酸、グルタミン酸もしくはシステインの側鎖で連結され得る。あるいは、水溶性ポリマー分子は、ジアミンおよびジカルボキシル基と連結され得る。いくつかの実施形態では、レプチンは、リシンアミノ酸上のεアミノ基によって1個、2個または3個のPEG分子とコンジュゲートされる。
【0123】
レプチン誘導体としてまた、1個または複数のアミノ酸残基への化学変化を有するレプチンが挙げられる。このような化学変化として、アミド化、グリコシル化、アシル化、硫酸化、リン酸化、アセチル化および環化が挙げられる。化学変化は、N−もしくはC−末端で、またはレプチンの配列内のアミノ酸残基の側鎖で単独で起こり得る。一実施形態では、これらのペプチドのC−末端は、遊離−OHまたは−NH
2基を有し得る。別の実施形態では、N末端は、イソブチルオキシカルボニル基、イソプロピルオキシカルボニル基、n−ブチルオキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、イソカプロイル基(「isocap」)、オクタニル基、オクチルグリシン基(「G(Oct)」または「octylGly」と表される)、8−アミノオクタン酸基、ダンシルおよび/またはFmoc基を用いてキャップされ得る。いくつかの実施形態では、環化は、ジスルフィド橋の形成によるものであり得る。あるいは、レプチンアミノ酸配列に沿って複数の部位の化学変化があり得る。
【0124】
特定の実施形態では、レプチンは、ボルトン−ハンター基を含むよう化学的変化される。ボルトン−ハンター試薬は、当技術分野で公知であり(“Radioimmunoassay and related methods”, A. E. Bolton and W. M. Hunter, Chapter 26 of HANDBOOK OF EXPERIMENTAL IMMUNOLOGY, VOLUME I, IMMUNOCHEMISTRY, edited by D. M. Weir, Blackwell Scientific Publications, 1986)、リシンのアミノ末端αアミノ基またはεアミノ基を介した中性結合を用いてチロシン様部分を導入するために使用され得る。いくつかの実施形態では、レプチンのN末端が、ボルトン−ハンター基で修飾される。いくつかの実施形態では、内部リシン残基が、ボルトン−ハンター基で修飾される。いくつかの実施形態では、レプチンアミノ酸配列に沿って複数の部位のボルトン−ハンター修飾があり得る。ポリペプチド修飾のために使用されるボルトン−ハンター試薬は、市販されており、それだけには限らないが、水溶性ボルトン−ハンター試薬、スルホスクシンイミジル−3−[4−ヒドロフェニル]プロピオネート(Pierce Biotechnology,Inc.、Rockford、IL)およびボルトン−ハンター試薬−2、N−スクシンイミジル3−(4−ヒドロキシ−3−ヨードフェニル)プリオピオネート(Priopionate)(Wako Pure Chemical Industries,Ltd.、Japan、カタログ番号199−09341)を挙げることができる。アミド結合によってレプチンとコンジュゲートしている例示的ボルトン−ハンター基を以下に例示し、配列中、破線は、アミド結合を通っている:
【0126】
レプチンは、ボルトン−ハンター修飾の前後でヨウ化され得る(
125Iで放射標識されるなど)。
【0127】
本発明に従って、操作されたポリペプチドを調製するために、このようなものの調製において使用するためのレプチン誘導体は、「非必須」アミノ酸残基の1つまたは複数の修飾を含み得る。本発明との関連で、「非必須」アミノ酸残基とは、レプチンの活性(例えば、アゴニスト活性)を無効にするか、または実質的に低減することなく、変更、例えば、誘導体化され得る残基である。本発明の操作されたポリペプチドは、レプチン部分の1、2、3、4、5、6、7、8、9、10個またはそれ以上のアミノ酸残基の誘導体化を含み得、これらのうち、1個または複数のアミノ酸残基が、非必須アミノ酸残基であり得る。さらに、本発明のポリペプチドは、ポリペプチドの活性を無効にするか、または実質的に低減することなく、レプチン部分の少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10個またはそれ以上のアミノ酸の付加を含むよう誘導体化され得る。さらに、このような非必須アミノ酸残基は、本明細書を通じて記載されるような誘導体化を受け入れられるアミノ酸残基で置換され得る。
【0128】
「アミノ酸」、「アミノ酸残基」などは、本明細書を通じて使用されるように、天然アミノ酸、非天然アミノ酸および修飾されたアミノ酸を指す。反対に記載されない限り、アミノ酸への任意の言及は、一般的に、または名称によって具体的に、その構造がこのような立体異性形を可能にする場合には、DおよびL立体異性体の両方への言及を含む。天然アミノ酸として、アラニン(Ala)、アルギニン(Arg)、アスパラギン(Asn)、アスパラギン酸(Asp)、システイン(Cys)、グルタミン(Gln)、グルタミン酸(Glu)、グリシン(Gly)、ヒスチジン(His)、イソロイシン(Ile)、ロイシン(Leu)、リシン(Lys)、メチオニン(Met)、フェニルアラニン(Phe)、プロリン(Pro)、セリン(Ser)、トレオニン(Thr)、トリプトファン(Trp)、チロシン(Tyr)およびバリン(Val)が挙げられる。非天然アミノ酸として、それだけには限らないが、ホモリシン、ホモアルギニン、ホモセリン、アゼチジンカルボン酸、2−アミノアジピン酸、3−アミノアジピン酸、β−アラニン、アミノプロピオン酸、2−アミノ酪酸、4−アミノ酪酸、6−アミノカプロン酸、2−アミノヘプタン酸、2−アミノイソ酪酸、3−アミノイソ酪酸(aminoisbutyric)、2−アミノピメリン酸、t−ブチルグリシン、2,4−ジアミノイソ酪酸、デスモシン、2,2’−ジアミノピメリン酸、2,3−ジアミノプロピオン酸、N−エチルグリシン、N−エチルアスパラギン、ホモプロリン、ヒドロキシリシン、アロ−ヒドロキシリシン、3−ヒドロキシプロリン、4−ヒドロキシプロリン、イソデスモシン、アロ−イソロイシン、N−メチルアラニン、N−メチルグリシン、N−メチルイソロイシン、N−メチルペンチルグリシン、N−メチルバリン、ナフトアラニン(naphthalanine)、ノルバリン、ノルロイシン、オルニチン、ペンチルグリシン、ピペコリン酸およびチオプロリンが挙げられる。さらなる非天然アミノ酸として、可逆的にか、もしくは不可逆的に、化学的にブロックされているか、または例えば、側鎖官能基が別の官能基に化学的に修飾されているN−メチル化DおよびLアミノ酸または残基のような、N末端アミノ基またはその側鎖基で、化学的に修飾されている修飾されたアミノ酸残基が挙げられる。例えば、修飾されたアミノ酸として、メチオニンスルホキシド、メチオニンスルホン、アスパラギン酸−(β−メチルエステル)、アスパラギン酸の修飾されたアミノ酸、N−エチルグリシン、グリシンの修飾されたアミノ酸またはアラニンカルボキサミド、アラニンの修飾されたアミノ酸が挙げられる。組み込まれ得るさらなる残基は、Sandberg et al., J. Med. Chem. 41: 2481-91, 1998に記載されている。
【0129】
上記で記載したように、レプチンおよびその他のポリペプチドのこのような誘導体化に適した化学部分として、例えば、種々の水溶性ポリマーがある。好ましくは、最終産物製剤の治療的使用のためには、ポリマーは、医薬上許容されるものとなる。当業者ならば、ポリマー/タンパク質コンジュゲートが、治療的に使用されるかどうか、そのような場合には、所望の投与量、循環時間、タンパク質分解に対する抵抗性といった考慮およびその他の考慮に基づいて所望のポリマーを選択できるであろう。操作されたポリペプチドおよびレプチンについて、誘導体化の有効性は、所望の形態で(すなわち、浸透圧ポンプによって、またはより好ましくは、注射または注入によって、または例えば、経口、肺もしくは鼻腔デリバリー用にさら製剤されて)、誘導体化されたレプチンまたは誘導体化された操作されたポリペプチドを投与することならびに本明細書に記載された生物学的効果および生物学的応答を観察することによって確認され得る。
【0130】
このような水溶性ポリマーは、例えば、ポリエチレングリコール、エチレングリコール/プロピレングリコールのコポリマー、カルボキシメチルセルロース、デキストラン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリ−1,3−ジオキソラン、ポリ−1,3,6−トリオキサン、エチレン/無水マレイン酸コポリマー、ポリアミノ酸(ホモポリマーまたはランダムコポリマーのいずれか)およびデキストランまたはポリ(n−ビニルピロリドン)ポリエチレングリコール、プロピレングリコールホモポリマー、ポリプロピレンオキシド/エチレンオキシドコポリマー、ポリオキシエチル化ポリオールおよびポリビニルアルコールからなる群から選択され得る。ポリエチレングリコールプロピオンアルデヒドは、水中でのその安定性のために製造において利点を有し得る。また、コハク酸塩、スチレンおよびヒドロキシエチルデンプンも使用され得る。
【0131】
本発明に従う操作されたポリペプチドの設計および調製において使用されるレプチン誘導体は、レプチン部分にポリアミノ酸または分岐点アミノ酸を付けることによって調製され得る。例えば、ポリアミノ酸は、ABMまたはABDを付けることによって達成される利点に加えて、レプチンまたは操作されたポリペプチドの循環半減期を増大するようにも働き得るFc部分などのさらなる担体タンパク質であり得る。さらに、このようなポリアミノ酸は、血清アルブミン(ヒト血清アルブミンなど)、さらなる抗体またはその一部(例えば、Fc領域)またはその他のポリアミノ酸、例えば、ポリリシンからなる群から選択され得る。以下に示されるように、ポリアミノ酸を付ける位置は、レプチン部分のN末端またはC末端または間のその他の場所であり得、また、ペプチド性リンカーまたは非ペプチド性リンカーなどの化学的「リンカー」部分によってレプチンに接続され得る。
【0132】
ポリマーは、任意の分子量のものであり得、分岐していても、分岐していなくてもよい。ポリエチレングリコールについて、好ましい分子量は、取り扱いおよび製造の容易性のために、約2キロダルトン(kDa)から約100kDaの間である(用語「約」とは、ポリエチレングリコールの調製物において、いくつかの分子が、提示された分子量を上回る重量となるか、または幾分か少ない重量となることを示す)。特定の実施形態では、ポリエチレングリコールは、約2kDaから約60kDaの間である。特定の実施形態では、ポリエチレングリコールは、約2kDaから約40kDaの間である。特定の実施形態では、ポリエチレングリコールは、約5kDaから約40kDaの間である。特定の実施形態では、ポリエチレングリコールは、約10kDaから約40kDaの間である。特定の実施形態では、ポリエチレングリコールは、約5kDaから約30kDaの間である。特定の実施形態では、ポリエチレングリコールは、約5kDaから約20kDaの間である。特定の実施形態では、ポリエチレングリコールは、約10kDaから約20kDaの間である。所望の治療プロフィール(例えば、所望の持続放出期間、溶解度特徴、あるとすれば、生物活性に対する効果、取り扱いの容易性、レプチンおよび/または本発明の操作されたポリペプチドに付いているポリエチレングリコールの抗原性およびその他の公知の効果の程度または欠如)に応じて、その他の大きさも使用され得る。本発明に従ってレプチンに付けられてレプチン誘導体を生じ得る特定の分子量のPEGの選択に影響を及ぼし得るさらなる考慮は、このような分子量のPEGが、医薬上許容される組成物もしくは製剤中に存在する場合に、または対象への投与(注射などによる)の際に生理学的流体もしくは組織に曝露される場合に、凝集を軽減し得る、および/またはレプチンおよび/または操作されたポリペプチドの溶解度を高め得る;注射による対象への投与の際に、レプチンもしくは操作されたポリペプチドの投与によって引き起こされる注射部位反応の発生率を軽減し得る;対象へのこのようなレプチンもしくは操作されたポリペプチドの投与の結果として、レプチンもしくは操作されたポリペプチドに対して産生され得る中和抗体の生成を軽減し得る程度などを含む。
【0133】
そのように付けられるポリマー分子の数は、変わる場合があり、当業者ならば、機能に対する結果として得られる効果を確認できるであろう。モノ誘導体化し得るか、または同一もしくは異なる化学部分(例えば、ポリマー、種々の重量のポリエチレングリコールなど)を有する、ジ−、トリ−、テトラ−誘導体化またはいくつかの組合せの誘導体化を提供し得る。誘導体化されるレプチン分子または操作されたポリペプチド分子に対するポリマー分子の割合は、反応混合物中のその濃度と同様に変わる。一般に、最適比は、過剰の未反応のレプチン(または場合によっては操作されたポリペプチド)またはポリマーがない反応の効率の点で、所望の程度の誘導体化(例えば、モノ、ジ−、トリ−など)、選択されたポリマーの分子量、ポリマーが分岐しているか、分岐していないか、および反応条件などの因子によって決定される。
【0134】
化学部分は、レプチンおよび/または操作されたポリペプチドの機能ドメインまたは抗原ドメインに対する効果を考慮してレプチンおよび/または操作されたポリペプチドに付けるべきである。当業者に利用可能ないくつかの取付け方法がある。例えば、参照により本明細書に組み込まれるEP0401384(G−CSFとPEGをカップリングする)、Malik et al., 1992, Exp. Hematol. 20:1028-1035(塩化トレシルを使用するGM−CSFのペグ化を報告する)も参照のこと。例えば、ポリエチレングリコールは、遊離アミノまたはカルボキシル基などの反応性基を介してアミノ酸残基によって共有結合によって結合され得る。反応性基とは、活性化ポリエチレングリコール分子が結合され得るものである。遊離アミノ基を有するアミノ酸残基は、リシン残基およびN末端アミノ酸残基を含み得る。遊離カルボキシル基を有するものとして、アスパラギン酸残基、グルタミン酸残基およびC末端アミノ酸残基を挙げることができる。スルフヒドリル基もまた、ポリエチレングリコール分子を付けるための反応性基として使用され得る。治療目的にとって好ましいのは、N末端またはリシン基での取付けなど、アミノ基での取付けである。受容体結合にとって重要である残基での取付けは、受容体結合が望まれる場合には避けられなければならない。
【0135】
特定の実施形態では、1〜30個またはそれより少ないアミノ酸が、グリシン、アラニン、プロリン、アスパラギン、グルタミン、リシン、アスパラギン酸およびグルタミン酸から選択される。さらなる実施形態では、受容体結合が望まれる。
【0136】
具体的に、本発明の操作されたポリペプチドの調製において使用するためのN末端が化学修飾されたレプチンを設計および調製することを望むことができる。本組成物の例示としてポリエチレングリコールを使用して、さまざまなポリエチレングリコール分子(分子量、分岐などによって)から、レプチンまたは操作されたポリペプチド分子に対するポリエチレングリコール分子の割合、反応混合物中では、場合によっては、実施されるペグ化反応の種類および選択されたN末端がペグ化されたタンパク質を得る方法を選択することができる。N末端がペグ化された調製物を得る(すなわち、必要に応じて、この部分をその他のモノペグ化部分と分離する)方法は、ペグ化されたタンパク質分子の集団からのN末端がペグ化された物質の精製によってであり得る。選択的N末端化学修飾は、特定のタンパク質における誘導体化に利用可能な、異なる種類の第1級アミノ基の異なった反応性(リシン対N末端)を利用する還元的アルキル化によって達成され得る。適当な反応条件下で、カルボニル基含有ポリマーを用いるN末端でのタンパク質の実質的に選択的な誘導体化が達成される。例えば、リシン残基のεアミノ基とタンパク質のN末端残基のαアミノ基のものの間のpK
aの相違を利用することを可能にするpHで反応を実施することによって、タンパク質を選択的にN末端でペグ化できる。このような選択的誘導体化によって、タンパク質への水溶性ポリマーの取付けが制御され、ポリマーとのコンジュゲーションは、タンパク質のN末端でほとんどが起こり、リシン側鎖アミノ基などのその他の反応性基の大幅な修飾は起こらない。還元的アルキル化を使用することで、水溶性ポリマーは、上記の種類のものであり得、タンパク質とのカップリングのために単一の反応性アルデヒドを有さなくてはならない。単一の反応性アルデヒドを含有するポリエチレングリコールプロピオンアルデヒドが使用され得る。
【0137】
いくつかの実施形態では、ポリペプチドホルモンドメインを、ABDペプチドと共有結合によって連結するリンカー、例えば、本明細書に記載されたL1を有する化合物が提供される。いくつかの実施形態では、第1のリンカー(L1)は、操作されたポリペプチド内のHD1を共有結合によって連結する。いくつかの実施形態では、ポリペプチドホルモンドメイン(例えば、本明細書に記載されたHD1))は、ペプチドリンカーを介してABDペプチドと共有結合によって連結され得る。任意のリンカーがオプショナルである;すなわち、任意のリンカーが単に結合であり得る。存在する場合には、リンカーは主にスペーサー機能を果たすので、その化学構造は重要なものではない。一実施形態では、リンカーは、ペプチド結合によって連結している1〜30個またはそれより少ないアミノ酸を含む。アミノ酸は、20種の天然に存在するアミノ酸から選択され得る。あるいは、非天然アミノ酸は、化学合成、翻訳後化学修飾によってか、または宿主細胞における組換え発現によるインビボ組込みのいずれかによって組み込まれ得る。これらのアミノ酸のうちいくつかは、グリコシル化され得る。
【0138】
特定の実施形態では、1〜30個またはそれより少ないアミノ酸が、グリシン、アラニン、プロリン、アスパラギン、グルタミン、リシン、アスパラギン酸およびグルタミン酸から選択される。さらなる実施形態では、リンカーは、過半数の立体障害のないアミノ酸、例えば、グリシン、アラニンおよび/またはセリンで構成されている。ポリアラニン、ポリ(Gly−Ala)、ポリ(Glyn−Ser)、ポリ(Gly
n−Glu)、ポリ(Gly
n−Lys)、ポリ(Gly
n−Asp)およびポリ(Gly
n−Arg)モチーフと同様に、ポリグリシンは、特に有用である、例えば、(Gly)
3、(Gly)
4(配列番号116)、(Gly)
5(配列番号117)。リンカーのその他の特定の例として、(Gly)
3Lys(Gly)
4(配列番号118);(Gly)
3AsnGlySer(Gly)
2(配列番号119);(Gly)
3Cys(Gly)
4(配列番号120);およびGlyProAsnGlyGly(配列番号121)がある。GlyおよびSerの組合せと同様に、GlyおよびAlaの組合せは、特に有用である。したがって、さらなる実施形態では、ペプチドリンカーは、グリシンリッチペプチド、例えば、Gly−Gly−Gly;配列[Gly−Ser]
n(配列番号122)、[Gly−Gly−Ser]
n(配列番号123)、[Gly−Gly−Gly−Ser]
n(配列番号124)および[Gly−Gly−Gly−Gly−Ser]
n(配列番号125)(配列中、nは、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10である、例えば、[Gly−Gly−Gly Ser]
1(配列番号149)、[Gly−Gly−Gly−Gly Ser]
1(配列番号150)、[Gly−Gly−Gly Ser]
4(配列番号151)または[Gly−Gly−Gly−Gly Ser]
3(配列番号152))からなる群から選択される。
【0139】
特定の実施形態では、荷電を有するリンカーが使用され得る。このような荷電リンカーは、相当な数の酸性残基(例えば、Asp、Gluなど)を含有し得るか、または相当な数の塩基性残基(例えば、Lys、Argなど)を含有し得、その結果、リンカーは、それぞれ、7より低いか、または7より大きいpIを有する。技術者には理解されるように、すべてのその他の事柄が等しいとして、所与のリンカー中の酸性または塩基性残基の相対量が多いほど、リンカーのpIは、それぞれ、より低く、またはより高くなる。このようなリンカーは、本明細書に開示された操作されたポリペプチドに、生理学的pH(例えば、境界も含めたpH7.2からpH7.6の間)またはこのようなポリペプチドを含む医薬組成物のpHなどの特定のpHでの、このようなポリペプチドの溶解度および/または安定性特徴の改善などの利点を付与し得る。
【0140】
例えば、「酸性リンカー」とは、7未満;境界も含めた6から7の間;境界も含めた5から6の間;境界も含めた4から5の間;境界も含めた3から4の間;境界も含めた2から3の間;または境界も含めた1から2の間のpIを有するリンカーである。同様に、「塩基性リンカー」とは、7より大きい;境界も含めた7から8の間;境界も含めた8から9の間;境界も含めた9から10の間;境界も含めた10から11の間;境界も含めた11から12の間または境界も含めた12から13の間のpIを有するリンカーである。特定の実施形態では、酸性リンカーは、[Gly−Glu]
n(配列番号126);[Gly−Gly−Glu]
n(配列番号127);[Gly−Gly−Gly−Glu]
n(配列番号128);[Gly−Gly−Gly−Gly−Glu]
n(配列番号129)、[Gly−Asp]
n(配列番号130);[Gly−Gly−Asp]
n(配列番号131);[Gly−Gly−Gly−Asp]
n(配列番号132);[Gly−Gly−Gly−Gly−Asp]
n(配列番号133)[配列中、nは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10またはそれ以上である;例えば、[Gly−Gly−Glu]
6(配列番号153)]からなる群から選択される配列を含有する。特定の実施形態では、塩基性リンカーは、[Gly−Lys]
n(配列番号134);[Gly−Gly−Lys]
n(配列番号135);[Gly−Gly−Gly−Lys]
n(配列番号136);[Gly−Gly−Gly−Gly−Lys]
n(配列番号137)、[Gly−Arg]
n(配列番号138);[Gly−Gly−Arg]
n(配列番号139);[Gly−Gly−Gly−Arg]
n(配列番号140);[Gly−Gly−Gly−Gly−Arg]
n(配列番号141)[配列中、nは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10またはそれ以上である;例えば、[Gly−Gly−Lys]
6(配列番号154)]からなる群から選択される配列を含有する。
【0141】
さらに、特定の構造的モチーフまたは特徴、例えば、αヘリックスを有するリンカーが、調製され得る。例えば、このようなリンカーは、[Glu−Ala−Ala−Ala−Lys]
n(配列番号142)[配列中、nは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10またはそれ以上である;例えば、[Glu−Ala−Ala−Ala−Lys]
3(配列番号155)、[Glu−Ala−Ala−Ala−Lys]
4(配列番号156)または[Glu−Ala−Ala−Ala−Lys]
5(配列番号157)]からなる群から選択される配列を含有し得る。
【0142】
さらに、非ペプチド性リンカーは、本明細書に開示された操作されたポリペプチドのL1部分として働くよう使用され得る。例えば、当技術分野で理解されるように、PEGリンカーなどの例示的非ペプチドリンカーが、そのように使用され得る。例えば、WO2000024782を参照のこと。特定の実施形態では、このようなPEGリンカーは、100Da〜1000kDaの分子量を有する。特定の実施形態では、このようなPEGリンカーは、100Da〜500kDaの分子量を有する。特定の実施形態では、このようなPEGリンカーは、100Da〜100kDaの分子量を有する。特定の実施形態では、このようなPEGリンカーは、100Da〜50kDaの分子量を有する。特定の実施形態では、このようなPEGリンカーは、100Da〜10kDaの分子量を有する。特定の実施形態では、このようなPEGリンカーは、100Da〜5kDaの分子量を有する。特定の実施形態では、このようなPEGリンカーは、100Da〜1kDaの分子量を有する。特定の実施形態では、このようなPEGリンカーは、100Da〜500Daの分子量を有する。
【0143】
本発明に従う使用に適したリンカーは、上記の特徴およびモチーフのうちの1つまたは複数を有し得るということも理解される。例えば、リンカーは、酸性リンカーならびに構造的モチーフ、例えば、αヘリックスを含み得る。同様に、リンカーは、塩基性リンカーおよび構造的モチーフ、例えば、αヘリックスを含み得る。リンカーは、酸性リンカー、塩基性リンカーおよびαヘリックスなどの構造的モチーフを含み得る。さらに、本発明に従う操作されたポリペプチドは、2以上のリンカーを有することもあり、このような各リンカーは、上記の特徴のうち1以上を有し得るということも理解される。
【0144】
本明細書に記載されたリンカーは、例示的なものであり、本発明の範囲内のリンカーは、より長いものであり得、その他の残基を含み得る。一実施形態では、レプチン化合物が、リンカーを伴わずにABDと直接連結している操作されたポリペプチドは、明確に排除される。
【0145】
いくつかの実施形態では、操作されたポリペプチドは、N末端にABDを、C末端にHD1を含む。反対に、いくつかの実施形態では、操作されたポリペプチドは、C末端にABDを、N末端にHD1を含む。いくつかの実施形態では、N末端またはC末端のいずれかが、レプチン、レプチン断片またはレプチン類似体である。好ましくは、ABDは、レプチン化合物のN末端にある。ABDおよびHD1を含む実施形態に加えて、操作されたポリペプチドは、構造ABD−HD1またはHD1−ABD(両方ともN末端からC末端配向に読まれる)を有し得る。
【0146】
本明細書に示された操作されたポリペプチドのN末端および/またはC末端の明確な指示がない場合には、操作されたポリペプチドは、N末端からC末端配向で読まれるということは理解される。例えば、HD1が、レプチンまたはその類似体である場合には、用語HD1−ABD、HD1−L1−ABD、HD1−ABDなどは、N末端および/またはC末端の明確な指示がない場合には、レプチン化合物が操作されたポリペプチドのN末端にあり、ABDがC末端にあることを意味する。反対に、N末端および/またはC末端が明確に指示される場合には、操作されたポリペプチドは、末端の明確な指示に従って読まれる。例えば、用語HD1
C−term−ABD、HD1−L1−ABD
N−termなどは、ABDが操作されたポリペプチドのN末端にあり、HD1がC末端にあることを意味する。
【0147】
上記の操作されたポリペプチドのいくつかの実施形態では、HD1は、ヒトレプチンまたはメトレレプチンである。いくつかのさらなる実施形態では、HD1は、本明細書に記載されるようなレプチン類似体である。いくつかの実施形態では、レプチン類似体は、レプチンA100、A300またはA500である。
【0148】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載された操作されたポリペプチドは、ABDポリペプチド単独、すなわち、コンジュゲートされたホルモンドメインがない場合の親和性とは異なる、血清アルブミンに対する親和性を有する。効果的な会合を得るために、操作されたポリペプチドは、解離定数K
Dが、例えば、約10
−6M、10
−7M、10
−8M、10
−9M、10
−10M、10
−11M、10
−12M、10
−13M、10
−14Mまたはさらに10
−15M未満であるような、血清アルブミンに対する結合親和性を有し得る。いくつかの実施形態では、親和性は、操作されたポリペプチドが、アルブミンから解離し、生物学的応答、例えば、受容体、例えば、レプチン受容体との結合を誘発し得るような過度に堅固なものではない。好ましくは、ヒト血清アルブミンに対する親和性は、制限するものではないが、アッセイおよび合成法を含め、参照によりその全文が、すべての目的のために本明細書に組み込まれるPCT公開出願第WO2009/016043号に記載されるように測定され得る。
【0149】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載された操作されたポリペプチドは、ホルモンドメインとコンジュゲートしている、血漿半減期を延長し得る種々の部分(例えば、PEGまたはFcまたはアルブミン)を有する対応する化合物よりも優れている。これに関連して、用語「優れた」とは、疾患または障害の治療の評価において検討され得るさまざまな機能特性を指す。例えば、本明細書に記載された操作されたポリペプチドは、ホルモンドメインとコンジュゲートしている種々の部分を有する対応する化合物よりも少ない、例えば、1×、2×、3×、4×、5×、またはいっそう少ない生物学的に活性な(ホルモンドメイン)成分しか必要とない場合がある。さらなる例のために、本明細書に記載された操作されたポリペプチドは、より高い効力、例えば、1.5×、2×、3×、4×、5×、10×、20×、50×またはいっそう高い効力を有し得る。
【0150】
本明細書において考慮される操作されたポリペプチド化合物として、以下の表2に示される化合物が挙げられる。
【0151】
【表2-1】
【表2-2】
【表2-3】
【表2-4】
【表2-5】
【表2-6】
【表2-7】
【表2-8】
【表2-9】
【表2-10】
【表2-11】
【表2-12】
【0152】
具体的には、N末端メチオニンが存在しない上記の配列の化合物、例えば、例えば、レプチン化合物の、N末端が、VPIQKV(配列番号158)またはLAEAK(配列番号159)またはGSLAEAK(配列番号35)で始まる場合が考慮される。N末端メチオニンは、細菌発現にとって好都合なものとして主に存在する。しかし、本発明のコンジュゲートペプチドは、真核細胞の宿主細胞[例えば、酵母(例えば、ピチア(Pichia))、哺乳類、バキュロウイルス]または所望のホルモンまたはABD配列の天然に存在する成熟ペプチド対応物において見られるようなN末端アミノ酸をもたらす翻訳後N末端タンパク質分解プロセシングを有するその他の宿主細胞において発現され得る。あるいは、発現および/または分泌に使用されるN末端配列は、例えば、TEVなどのプロテアーゼの使用によってのように、翻訳後に除去され得るものであり得る。
【0153】
III.設計および製造方法
コンストラクトの設計。本明細書に記載された操作されたポリペプチドは、アミノ酸レベルで設計され得る。次いで、これらの配列は、当技術分野で公知のさまざまなソフトウェア製品を使用して、例えば、タンパク質発現、コドン最適化、制限部位含量に基づいて、ヌクレオチド配列が、所望の発現宿主にとって最適化されるように逆翻訳され得る。例えば、ヌクレオチド配列は、タンパク質発現に基づいて、および制限部位含量について、大腸菌(E.coli)にとって最適化され得る。対象とするヌクレオチド配列に基づいて、当技術分野で公知の多段階PCRのために重複するオリゴヌクレオチドが、提供され得る。これらのオリゴヌクレオチドは、対象とするタンパク質をコードするcDNAを構築するための当技術分野で周知の条件下で多重PCR反応において使用され得る。一例については、1×Amplitaqバッファー、1.3mM MgCl
2、200uM dNTP、4U Amplitaq Gold、0.2uMの各プライマー(AmpliTaq Gold、ABI)であり、サイクリングパラメータ:(94C:30秒、58C:1分、72C:1分)、35サイクルを用いる。
【0154】
制限部位が、当技術分野で公知のベクター連結において使用されるためのPCR産物の末端に付加されてもよい。特定の部位は、cDNAが、次いで、pET45b発現ベクター(Novagen)において適切なリーディングフレームにあり得るように、Nde1およびXho1を含み得る。これらの部位を使用することによって、このベクターにおいて、翻訳開始部位として除去され得る任意のN末端Hisタグが、タグの下流となる。発現コンストラクトが完了されると、例えば、当技術分野で公知のT7プロモータープライマー、T7ターミネータープライマーおよび標準ABI BigDye Term v3.1プロトコールを使用して配列決定することによって、検証が実施され得る。配列情報は、例えば、ABI 3730 DNA分析器から得ることができ、ベクターNTI v.10ソフトウェア(Invitrogen)を使用して分析され得る。発現コンストラクトは、当技術分野で公知の、リンカー配列が容易に切断除去され、変更され得るモジュラー法で設計され得る。
【0155】
当技術分野で公知の、または本明細書に記載されたプロテアーゼ認識部位は、本明細書に記載された組換え操作ポリペプチドの設計、構築、操作および製造にとって有用なコンストラクト中に組み込まれ得る。
【0156】
一般的な製造方法。本明細書に記載された操作されたポリペプチドは、当技術分野で公知の、生物学的、化学的および/または組換えDNA技術を使用して調製され得る。例示的方法は、本明細書ならびにその開示内容が参照によりその全文で、すべての目的のために本明細書に組み込まれる米国特許第6,872,700号;WO2007/139941;WO2007/140284;WO2008/082274;WO2009/011544;および米国公開第2007/0238669号に記載されている。化合物を調製するためのその他の方法は本明細書に示されている。
【0157】
本明細書に記載された操作されたポリペプチドは、自動化または半自動化ペプチドシンセサイザーなどの標準的な固相ペプチド合成技術を使用して調製され得る。手短には、一般に、ABDおよび治療用ホルモンペプチドは、別個に製造され、次いで、一緒にコンジュゲートされ得るか、または単一ポリペプチドとして製造され得る。したがって、アルブミン結合ポリペプチド、治療用ホルモンまたは操作されたポリペプチドは、別法として、保護された反応性側鎖を有するアミノ酸および/またはアミノ酸誘導体を使用する非生物学的ペプチド合成、保護された反応性側鎖を有する第1の態様のポリペプチドを形成するためのアミノ酸および/またはアミノ酸誘導体の段階的カップリングを含む非生物学的ペプチド合成、ポリペプチドの反応性側鎖から保護基を除去することおよび水溶液中でのポリペプチドのフォールディングによって製造され得る。したがって、正常なアミノ酸(例えば、グリシン、アラニン、フェニルアラニン、イソロイシン、ロイシンおよびバリン)および予め保護されたアミノ酸誘導体が、溶液中または有機溶媒中、固相支持体上でポリペプチド配列を逐次構築するために使用される。完全なポリペプチド配列が構築されると、保護基が除去され、ポリペプチドは、水溶液中でフォールディングすることが許される。本開示内容に従う各ポリペプチドは、可逆的にフォールディングし、ABDドメインは、因子が付加されることなく3ヘリックスバンドルドメインに可逆的にフォールディングし、ひいては、自発的にフォールディングする。操作されたコンジュゲートは、例えば、本明細書に記載されるような任意の方法に従って、例えば、非生物学的ペプチド合成によって、アルブミン結合ポリペプチドを製造することおよび製造されたABDポリペプチドを、本明細書において定義された治療用ホルモンとコンジュゲートすることを含む方法によって製造され得る。完全に可逆的にフォールディングする本明細書におけるABD。これを、円二色性スペクトル分析:20℃でとられた1つのスペクトルおよび90℃に加熱し、続いて、20℃に戻った後の第2のスペクトルによって評価した。この手順の間に、Tmを求め、変性ポリペプチドのフォールディング後に変化しないことがわかった。典型的には、このような技術を使用して、α−N−カルバモイル保護されたアミノ酸および樹脂上で伸長中のペプチド鎖に付いているアミノ酸が、塩基(例えば、ジイソプロピルエチルアミンなど)の存在下、カップリング剤(例えば、ジシクロヘキシルカルボジイミド、1−ヒドロキシベンゾ−トリアゾールなど)の存在下、不活性溶媒(例えば、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリジノン、塩化メチレンなど)中、室温でカップリングされる。α−N−カルバモイル保護基は、試薬(例えば、トリフルオロ酢酸、ピペリジンなど)を使用して、得られたペプチド樹脂から除去され、カップリング反応が、ペプチド鎖に付加されるべき次の所望のN保護アミノ酸を用いて反復される。t−ブチルオキシカルボニル(tBoc)フルオレニルメトキシカルボニル(Fmoc)などといった適したN保護基が、当技術分野で周知である。ペプチドシンセサイザーにおいて使用される溶媒、アミノ酸誘導体および4−メチルベンゾヒドリル−アミン樹脂は、Applied Biosystems Inc.(Foster City、Calif.)から購入することができる。
【0158】
一般に、固相合成は、商業的スケールへの優れた拡張性を有する直接的なアプローチであり、一般的に、比較的長い操作されたポリペプチドに適合するので、操作されたポリペプチドの化学合成には、固相ペプチド合成が使用され得る。固相ペプチド合成は、自動化ペプチドシンセサイザー(モデル430A、Applied Biosystems Inc.、Foster City、Calif.)を用い、NMP/HOBt(オプション1)システムおよびキャッピングを用いるtBocまたはFmoc化学(ABI 430A ペプチドシンセサイザー、バージョン1.3BのApplied Biosystems User's Manual Jul. 1, 1988, section 6, pp. 49-70、Applied Biosystems Inc.、Foster City、Calif.を参照のこと)を使用して実施され得る。Boc−ペプチド−樹脂は、HF(−5℃〜0℃、1時間)を用いて切断され得る。ペプチドは、水および酢酸を交互に用いて樹脂から抽出され得、濾液を凍結乾燥した。Fmoc−ペプチド樹脂は、標準法に従って切断され得(例えば、Introduction to Cleavage Techniques, Applied Biosystems, Inc., 1990, pp. 6-12)。ペプチドはまた、Advanced Chem Techシンセサイザー(モデル MPS 350、Louisville、Ky.)を使用してアセンブルされ得る。
【0159】
本明細書に記載された化合物はまた、Sambrook et al., 1989, MOLECULAR CLONING: A LABORATORY MANUAL, 2d Ed., Cold Spring Harborなど、当技術分野で公知の方法を使用する組換えDNA技術を使用して調製され得る。非ペプチド化合物は、当技術分野で公知の方法によって調製され得る。例えば、リン酸含有アミノ酸およびこのようなアミノ酸を含有するペプチドは、Bartlett et al, 1986, Biorg. Chem. 14:356-377に記載されるものなどの当技術分野で公知の方法を使用して調製され得る。
【0160】
操作されたポリペプチドは、別法として、当技術分野で周知の組換え技術によって製造され得る。例えば、Sambrook et al., 1989(Id.)を参照のこと。組換え技術によって製造されたこれらの操作されたポリペプチドは、ポリヌクレオチドから発現され得る。当業者ならば、このような操作されたポリペプチドをコードする、DNAおよびRNAを含めたポリヌクレオチドを、コドン使用の縮重を考慮して、野生型cDNA、例えば、ヒトレプチンから得ることができ、示された置換を組み込むよう望まれるように、さらに操作できることは理解するであろう。これらのポリヌクレオチド配列は、微生物宿主においてmRNAの転写および翻訳を促進するコドンを組み込み得る。このような製造配列は、当技術分野で周知の方法に従って容易に構築され得る。例えば、参照によりその全文が、すべての目的のために本明細書に組み込まれるWO83/04053を参照のこと。上記のポリヌクレオチドはまた、適宜、N末端メチオニル残基をコードし得る。本発明において有用な非ペプチド化合物は、当技術分野で公知の方法によって調製され得る。例えば、リン酸含有アミノ酸およびこのようなアミノ酸を含有するペプチドは、当技術分野で公知の方法を使用して調製され得る。例えば、Bartlett and Landen, 1986, Bioorg. Chem. 14: 356-77を参照のこと。
【0161】
操作されたポリペプチドコード配列を含有し、発現するために、さまざまな発現ベクター/宿主系が使用され得る。これらとして、それだけには限らないが、組換えバクテリオファージ、プラスミドまたはコスミドDNA発現ベクターを用いて形質転換された細菌などの微生物;酵母発現ベクターを用いて形質転換された酵母;ウイルス発現ベクター(例えば、バキュロウイルス)に感染した昆虫細胞系;ウイルス発現ベクター(例えば、カリフラワーモザイクウイルス、CaMV;タバコモザイクウイルス、TMV)を用いてトランスフェクトされたか、もしくは細菌発現ベクター(例えば、TiまたはpBR322プラスミド)を用いて形質転換された植物細胞系;または動物細胞系が挙げられる。組換えタンパク質製造において有用である哺乳類細胞として、それだけには限らないが、VERO細胞、HeLa細胞、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞株、COS細胞(COS−7など)、WI38、BHK、HepG2、3T3、RIN、MDCK、A549、PC12、K562および293細胞が挙げられる。タンパク質の組換え発現の例示的プロトコールは、本明細書に記載されており、および/または当技術分野で公知である。
【0162】
そのようなものとして、新規の、有用なウイルスおよびプラスミドDNAベクター、新規の有用な形質転換され、トランスフェクトされた原核生物および真核生物の宿主細胞(培養で増殖した細菌、酵母および哺乳類細胞を含む)の作製ならびに本操作されたポリペプチドを発現できるこのような宿主細胞の培養された増殖のための新規の、有用な方法において、ポリヌクレオチド配列は有用である。本明細書において、操作されたポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列は、操作されたポリペプチドの産生不足が軽減される場合またはこのようなものの増大したレベルを必要とすることが満たされる場合において、遺伝子療法にとって有用であり得る。
【0163】
本発明はまた、本操作されたポリペプチドの組換えDNA製造のプロセスを提供する。(a)DNA分子の発現を促進する条件下で、操作されたポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含有する宿主細胞を培養することと、(b)操作されたポリペプチドを得ることとを含む、操作されたポリペプチドをコードする核酸を含有する宿主細胞から、操作されたポリペプチドを製造するプロセスが提供される。
【0164】
宿主細胞は、原核生物または真核生物のものであり得、細菌、哺乳類細胞(チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、サル細胞、ベビーハムスター腎臓細胞、癌細胞またはその他の細胞)、酵母細胞および昆虫細胞などが挙げられる。
【0165】
組換えタンパク質の発現のための哺乳類宿主系もまた、当業者には周知である。宿主細胞株は、発現されたタンパク質をプロセシングし、タンパク質活性を提供するのに有用となる特定の翻訳後修飾をもたらす特定の能力について選択され得る。ポリペプチドのこのような修飾として、それだけには限らないが、アセチル化、カルボキシル化、グリコシル化、リン酸化、脂質化およびアシル化が挙げられる。タンパク質の「プレプロ」型を切断する翻訳後プロセシングはまた、正しい挿入、フォールディングおよび/または機能にとって重要であり得る。CHO、HeLa、MDCK、293、WI38などといった種々の宿主細胞が、このような翻訳後活性のための特定の細胞機構および特徴的な機構を有し、導入された外来タンパク質の正しい修飾およびプロセシングを確実にするよう選択され得る。
【0166】
あるいは、本発明の操作されたポリペプチドを作製するために、酵母系が使用され得る。操作されたポリペプチドDNAのコーディング領域は、PCRによって増幅される。酵母プレ−プロ−αリーダー配列をコードするDNAは、α接合因子遺伝子のヌクレオチド1〜20を含有する1種のプライマーおよびこの遺伝子のヌクレオチド255〜235と相補的である別のプライマーを使用するPCR反応において、酵母ゲノムDNAから増幅される(Kurjan and Herskowitz, 1982, Cell, 30:933-43)。プレ−プロ−αリーダーコード配列および操作されたポリペプチドコード配列断片は、プロモーターが、成熟した操作されたポリペプチドと融合しているプレ−プロ−α因子からなる融合タンパク質の発現を指示するよう、酵母アルコールデヒドロゲナーゼ(ADH2)プロモーターを含有するプラスミド中にライゲーションされる。Rose and Broach, Meth. Enz. 185: 234-79, Goeddel ed., Academic Press, Inc., San Diego, California (1990)によって教示されるように、ベクターは、クローニング部位の下流のADH2転写ターミネーター、酵母「2−ミクロン」複製起点、酵母leu−2d遺伝子、酵母REP1およびREP2遺伝子、大腸菌β−ラクタマーゼ遺伝子および大腸菌複製起点をさらに含む。β−ラクタマーゼおよびleu−2d遺伝子は、それぞれ、細菌および酵母における選択を提供する。leu−2d遺伝子はまた、高レベルの発現を誘導する酵母中のプラスミドのコピー数の増大を促進する。REP1およびREP2遺伝子は、プラスミドコピー数の調節に関与しているタンパク質をコードする。
【0167】
前述の段落において記載されたDNAコンストラクトは、公知の方法、例えば、酢酸リチウム処理(Steams et al., 1990,. Meth. Enz. 185: 280-297)を使用して酵母細胞に形質転換される。ADH2プロモーターは、増殖培地におけるグルコースの消耗の際に誘導される(Price et al., 1987, Gene 55:287)。プレ−プロ−α配列は、細胞からの融合タンパク質の分泌を達成する。同時に、酵母KEX2タンパク質が、成熟した操作されたポリペプチドからプレ−プロ配列を切断する(Bitter et al., 1984, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 81:5330-5334)。
【0168】
本発明の操作されたポリペプチドはまた、市販の発現系、例えば、ピチア(Pichia)発現系(Invitrogen、San Diego、California)を使用し、製造業者の使用説明書に従って、酵母、例えば、ピチア(Pichia)において組換えによって発現され得る。この系はまた、分泌を指示するプレ−プロ−α配列に頼るものであるが、挿入断片の転写は、メタノールによる誘導の際にアルコールオキシダーゼ(AOX1)プロモーターによって駆動される。分泌された操作されたポリペプチドは、例えば、細菌および哺乳類細胞上清から前記の操作されたポリペプチドを精製するために使用される方法によって酵母増殖培地から精製される。
【0169】
あるいは、操作されたポリペプチドをコードするDNAは、バキュロウイルス発現ベクター、例えば、pVL1393(PharMingen、San Diego、Calif.)中にクローニングされ得る。この操作されたポリペプチドをコードするベクターは、次いで、製造業者の指示書(PharMingen)または例えば、sF9タンパク質を含まない培地で増殖させたスポドプテラ・フルギペルダ(Spodoptera frugiperda)細胞に感染させる公知の技術に従って使用され、組換えタンパク質を製造する。タンパク質は、精製され、当技術分野で公知の方法、例えば、ヘパリン−セファロースカラム(Pharmacia、Piscataway、New Jersey)およびその後の分子サイジングカラム(Amicon、Beverly、Massachusetts)を使用して培地から濃縮され、適当な溶液、例えば、PBS中に再懸濁される。全アミノ酸アミノ酸配列分析、例えば、Proton 2090ペプチドシークエンサーでのエドマン分解またはそのN末端配列の確認ができるように、例えば、所望の操作されたポリペプチドの大きさが確認される単一バンドを示すことによってタンパク質を特性決定するために、SDS−PAGE分析が使用され得る。
【0170】
例えば、予測された成熟した操作されたポリペプチドをコードするDNA配列は、所望のプロモーターおよび、適宜、リーダー配列(例えば、Better et al., 1988, Science 240:1041-1043を参照のこと)を含有するプラスミド中にクローニングされ得る。このコンストラクトの配列は、自動化配列決定によって確認され得る。次いで、プラスミドは、細菌のCaCl2インキュベーションおよび熱ショック処理を使用する標準手順を使用して大腸菌、MC1061株に形質転換される(Sambrook et al., Id.)。形質転換された細菌は、カルベニシリンを補給したLB培地で増殖され、適した培地における増殖によって発現されたタンパク質の製造が誘導される。リーダー配列は、存在する場合には、成熟した操作されたポリペプチドの分泌に影響を及ぼし、分泌の際に切断される。分泌された組換え操作されたポリペプチドは、本明細書に記載された方法によって細菌培養培地から精製される。
【0171】
あるいは、操作されたポリペプチドは、昆虫系において発現され得る。タンパク質発現のための昆虫系は、当業者に周知である。1つのこのような系では、スポドプテラ・フルギペルダ細胞において、またはトリコプルシア幼虫(Trichoplusia larvae)において外来遺伝子を発現するためのベクターとして、オートグラファ・カリフォルニカ(Autographa californica)核多角体病ウイルス(AcNPV)が使用される。操作されたポリペプチドコード配列は、ポリヘドリン遺伝子などのウイルスの非必須領域中にクローニングされ、ポリヘドリンプロモーターの制御下に置かれる。操作されたポリペプチドの挿入の成功は、ポリヘドリン遺伝子を不活性にし、コートタンパク質コートを欠く組換えウイルスを製造する。次いで、組換えウイルスを使用して、S.フルギペルダ細胞またはトリコプルシア幼虫に感染させ、そこで、本発明の操作されたポリペプチドが発現される(Smith et al., 1983, J. Virol. 46:584; Engelhard et al., 1994, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 91:3224-3227)。
【0172】
別の例では、操作されたポリペプチドをコードするDNA配列は、PCRによって増幅され、適当なベクター、例えば、pGEX−3X(Pharmacia、Piscataway、New Jersey)中にクローニングされ得る。pGEXベクターは、ベクターによってコードされるグルタチオン−S−トランスフェラーゼ(GST)と、ベクターのクローニング部位中に挿入されたDNA断片によってコードされるタンパク質とを含む融合タンパク質を製造するよう設計される。PCRのプライマーは、例えば、適当な切断部位を含むよう作製され得る。次いで、組換え融合タンパク質は、融合タンパク質のGST部分から切断され得る。pGEX−3X/操作されたポリペプチドコンストラクトは、大腸菌XL−1 Blue細胞(Stratagene、La Jolla、California)中に形質転換され、個々の形質転換体が単離され、LB培地(カルベニシリンを補給した)中、0.4の波長600nmでの光学濃度に37℃で増殖され、続いて、0.5mM イソプロピルβ−D−チオガラクトピラノシド(Sigma Chemical Co.、St.Louis、Missouri)の存在下で4時間さらにインキュベートされる。個々の形質転換体からプラスミドDNAが精製され、自動シークエンサーを使用して部分配列決定され、適切な配向での所望の操作されたポリペプチドをコードする遺伝子挿入断片の存在が確認される。
【0173】
融合タンパク質は、細菌中で不溶性封入体として製造されると予測される場合には、上記のように、または以下のように精製され得る。細胞を、遠心分離によって収穫し、0.15M NaCl、10mM Tris、pH8、1mM EDTAで洗浄し、0.1mg/mL リゾチーム(Sigma Chemical Co.)を用いて室温で15分間処理する。溶解物を、超音波処理によって切断し、12,000xgで10分間の遠心分離によって細胞片をペレットにする。融合タンパク質を含有するペレットを50mM Tris、pH8および10mM EDTA中に再懸濁し、50% グリセロール上に層にし、6000xgで30分間遠心分離する。ペレットを、Mg++およびCa++を含まない標準リン酸緩衝生理食塩水溶液(PBS)に再懸濁する。変性SDSポリアクリルアミドゲル(Sambrook et al., Id.)において再懸濁されたペレットを分画することによって融合タンパク質をさらに精製する。ゲルを0.4M KCl中に浸漬して、タンパク質を可視化し、これを切り出し、SDSを欠くゲル−ランニングバッファー中で電気溶出(electroeluted)する。GST/操作されたポリペプチド融合タンパク質が、細菌中で可溶性タンパク質として製造される場合には、GST精製モジュール(Pharmacia Biotech)を使用して精製してもよい。
【0174】
融合タンパク質は、消化に付して、成熟した操作されたポリペプチドからGSTを切断しもよい。消化反応物(20〜40μg融合タンパク質、20〜30ユニットヒトトロンビン[0.5mL PBS中、4000U/mg(Sigma)]を室温で16〜48時間インキュベートし、変性SDS−PAGEゲルにロードして、反応生成物を分画する。ゲルを0.4M KCl中に浸漬し、タンパク質バンドを可視化する。操作されたポリペプチドの予測される分子量に対応するタンパク質バンドの同定は、自動シークエンサー(Applied Biosystems モデル473A、Foster City、California)を使用する部分アミノ酸配列分析によって確認され得る。
【0175】
本発明の操作されたポリペプチドの組換え発現の特に例示的な方法では、293細胞が、リン酸カルシウム法によって、pCMVベクター(5’CMVプロモーター、3’HGHポリA配列)中の操作されたポリペプチドcDNAおよびpSV2neo(neo耐性遺伝子を含有する)を含有するプラスミドを用いて同時トランスフェクトされ得る。一実施形態では、ベクターは、トランスフェクションに先立ってScaIを用いて直線化されなければならない。同様に、neo遺伝子が組み込まれた同様のpCMVベクターを使用する代替コンストラクトも使用され得る。0.5mg/mL G418(ネオマイシン様抗生物質)を含有する増殖培地での10〜14日間の制限希釈による単細胞クローンから、安定な細胞株が選択される。細胞株は、ELISAまたはウエスタンブロットによって、操作されたポリペプチドの発現についてスクリーニングされ、高発現細胞株が、大規模増殖のために増やされる。
【0176】
形質転換された細胞は、長期間の、高収率タンパク質製造のために使用されることが好ましく、そのようなものとして、安定な発現が望ましい。このような細胞が、所望の発現カセットとともに選択マーカーを含有するベクターで形質転換されると、細胞を、強化培地で1〜2日間増殖させ、その後、選択培地に交換する。選択マーカーは、選択に対する耐性を付与するよう設計され、その存在によって、導入された配列を成功裏に発現する細胞の増殖および回収が可能になる。安定に形質転換された細胞の耐性凝集塊は、細胞にとって適当な組織培養技術を使用して増殖され得る。
【0177】
組換えタンパク質製造のために形質転換された細胞を回収するためには、いくつかの選択システムが使用され得る。このような選択として、それだけには限らないが、それぞれ、tk−、hgprt−またはaprt−細胞における、HSVチミジンキナーゼ、ヒポキサンチン−グアニンホスホリボシルトランスフェラーゼおよびアデニンホスホリボシルトランスフェラーゼ遺伝子が挙げられる。また、抗代謝産物耐性も、メトトレキサートに対する耐性を付与するdhfr、ミコフェノール酸に対する耐性を付与するgpt、アミノグリコシド、G418に対する耐性を付与し、また、クロルスルフロンに対する耐性を付与するneoおよびハイグロマイシンに対する耐性を付与するhygroの選択の基準として使用され得る。有用であり得るさらなる選択可能な遺伝子として、細胞がトリプトファンの代わりにインドールを利用するのを可能にするtrpBまたはヒスチジンの代わりにヒスチノール(histinol)を利用するのを可能にするhisDが挙げられる。形質転換体の同定のための可視指示を与えるマーカーとして、アントシアニン、β−グルクロニダーゼおよびその基質、GUSならびにルシフェラーゼおよびその基質、ルシフェリンが挙げられる。
【0178】
本発明の操作されたポリペプチドは、自動化ペプチド合成および組換え技術の両方の組み合わせを使用して製造され得る。本明細書に開示されたような操作されたポリペプチドの調製において使用される、例えば、レプチン、レプチン類似体、活性レプチン断片またはレプチン誘導体およびABDのいずれかまたは両方ならびに、適宜、リンカーは、合成によって、または組換えによって製造され、次いで、「天然の化学的ライゲーション」などの当技術分野で公知の方法および親化合物を連結するアミド結合が形成される公知のその変法を使用して一緒にライゲーションされ得る。例えば、参照により、すべての目的のために本明細書に組み込まれる米国特許第6,326,468号を参照のこと。あるいは、例えば、本発明の操作されたポリペプチドは、欠失、置換、挿入およびペグ化による誘導体化(またはその他の部分、例えば、ポリマー、脂肪酸アシル鎖、C末端アミド化)を含めた修飾の組合せを含有し得る。このような操作されたポリペプチドは、段階的に製造され得る。最初の段階では、欠失、置換、挿入およびそれらの任意の組合せの修飾を含有する中間体の操作されたポリペプチドは、記載されるような組換え技術によって製造され得る。次いで、本明細書に記載されるようなオプショナルな精製工程の後、中間体の操作されたポリペプチドは、適当なPEG化試薬(例えば、NeKtar Transforming Therapeutics、SanCarlos、California製)を用いる化学修飾によってPEG化され(またはその他の化学的誘導体化、例えば、アシル化、C末端アミド化に付され)、所望の操作されたポリペプチド誘導体が得られる。当業者ならば、上記の手順は、欠失、置換、挿入から選択される修飾、誘導体化および当技術分野で周知の修飾のその他の手段の組合せを含有し、本発明によって考慮される操作されたポリペプチドに適用するよう一般化され得るということは理解されよう。
【0179】
ペプチドは、本明細書に記載されるものを含め、任意の数の当技術分野で公知の方法によって精製され得る。一方法では、ペプチドは、Waters Delta Prep 3000システムを使用してRP−HPLC(分取用および分析用)によって精製される。ペプチドを単離するために、C4、C8またはC18分取用カラム(10μ、2.2×25cm;Vydac、Hesperia、Calif.)が使用され得、純度は、C4、C8またはC18分析用カラム(5μ、0.46×25cm;Vydac)を使用して決定され得る。溶媒(A=0.1% TFA/水およびB=0.1% TFA/CH
3CN)が、分析用カラムに1.0ml/分の流速でおよび分取用カラムに15ml/分で送達され得る。アミノ酸分析は、Waters Pico Tagシステムで実施され、Maximaプログラムを使用して処理され得る。ペプチドは、気相酸加水分解(115℃、20〜24時間)によって加水分解され得る。加水分解物は、標準法によって誘導体化され、分析され得る[Cohen et al, THE PICO TAG METHOD: A MANUAL OF ADVANCED TECHNIQUES FOR AMINO ACID ANALYSIS, pp. 11-52, Millipore Corporation, Milford, Mass. (1989]。高速原子衝撃分析は、M−Scan,Incorporated(West Chester、Pa.)によって実施され得る。質量較正は、ヨウ化セシウムまたはヨウ化セシウム/グリセロールを使用して実施され得る。Applied Biosystems Bio−Ion 20質量分析計で、飛行時間検出を使用するプラズマ脱離法イオン化分析が実施され得る。
【0180】
操作されたポリペプチド発現アッセイ。宿主細胞によるタンパク質発現のレベルをアッセイするための方法が利用可能である。宿主細胞によるタンパク質発現のレベルをアッセイするために有用な手順を以下の典型的なプロトコールにおいて例示する。約25μlのBL21大腸菌細胞を、2ulのプラスミドDNA(操作されたポリヌクレオチドの発現ベクター)で形質転換する。細胞をプレーティングし、37℃で一晩または室温で48時間インキュベートしてもよい。単一コロニーを選択、使用して、4mlの適当な抗生物質を有するLB培地中で約6時間、種培養を増殖させてもよい。900ulのストックに100ulの80%滅菌グリセロールを添加することによってグリセロールストックを調製してもよく、次いで、これを穏やかに混合し、−80Cで保存してもよい。TCP非誘導サンプルのために250μlのサンプルを取り出してもよい。アリコート、例えば、2mlの適当な抗生物質を含有するMagic培地に、5μlの種培養を用いて播種してもよく、次いで、これを、37C、300rpmで一晩(最大24時間)インキュベートしてもよい。当技術分野で公知のように、Magic培地は、自動誘導性である。あるいは、250mlまたは125mlのThompsonフラスコ中で60mlの適当な抗生物質を含有するMagic培地に、60μlの種培養を用いて播種してもよく、次いで、これを、30C、300rpmで一晩(最大24時間)インキュベートしてもよい。インキュベーション後、各試験管から250μlの培養物を取り出し、細胞をペレットにしてもよい。細胞を1mlの50mM Tris pH8、150mM NaCl中に再懸濁し、それに0.1容積(100ul)のPOP培養試薬および1μlのr−リゾチームを添加してもよい(r−リゾチームバッファーでの1:750希釈)。混合物を十分に混合し、室温で少なくとも10分間インキュベートしてもよい。次いで、調製物を、14000×Gで10分間遠心分離してもよい。上清(可溶性画分)を取り出し、保持してもよく、ゲル分析のためのサンプルを調製してもよい(15μl+5μl LDS)。残りの封入体ペレットを、超音波処理を用いて1mlの1% SDSに再懸濁してもよい。ゲル分析のためのサンプルを調製してもよい(15ul+5μl LDS)。非誘導サンプルのために、1.0容積のPOP培養試薬および1μlのr−リゾチーム(r−リゾチームバッファーでの1:750希釈)を添加してもよい。混合物を十分に混合し、室温で少なくとも10分間インキュベートしてもよい。これらのサンプルは、遠心分離される必要がない場合もある。次いで、ゲル分析のためにサンプルを調製してもよい(15μl+5μl LDS)。1×MESバッファー中で非還元性NU−PAGEゲル(4〜12%)を実施し、SimplyBlueマイクロ波プロトコールを用いて染色してもよい。当技術分野で公知のように、脱染を一晩実施してもよい。ゲルイメージを保持し、分析して、タンパク質発現レベルを調べてもよい。
【0181】
封入体調製物。封入体画分中に見られる操作されたポリペプチドについては、以下の手順が有益であり得る。細胞ペレットを、各50mlの培養物に対して最少で100mlの溶解バッファー中に再懸濁してもよい。30mlを添加した時点で、10mlピペットを使用して再懸濁してもよく、次いで、試験管をさらなる70mlで洗浄してもよい。再懸濁された細胞溶液を、全プロセスを通じてチャンバーを氷水に維持するよう注意しながら、100PSI(分)のマイクロフルイダイザーを通して複数回実施してもよい、例えば、4回通過させてもよい。流動化されたスラリーを、14000×gで20分間遠心分離してもよい(例えば、250ml Nalgene(登録商標)ボトルを使用して、JLA 10.5、10,000rpm)。封入体ペレットを、ピペットチップを用いて破壊した後、撹拌子および撹拌プレートを用いて氷上で冷却した溶解バッファー中に、4Cで1時間再懸濁してもよい。ペレットを、ピペットチップを用いて破壊した後、撹拌子および撹拌プレートを用いて、蒸留H
2Oに、4Cで1時間、2回目の再懸濁をし、それに続いて、14000×gで15分間遠心分離してもよい。上清を取り出し、廃棄してもよい。得られたものは、−80Cで保存してもよい。
【0182】
タンパク質精製。本明細書に記載されるように、発現されたポリペプチドの単離のために多数の方法が知られている。以下は一例である。封入体ペレットは、適当な容量の可溶化バッファー(8M尿素または8Mグアニジン、50mM Tris、10mM DTT、pH7.75)中で、室温で1時間可溶化され得る。可溶化されたペレットを、27000gで20分間遠心分離してもよい。濾過された(例えば、0.4um)上清を、室温で、適当な容量の再フォールディングバッファー(50mM Tris−HCl、1M尿素、0.8Mアルギニン、4mMシステイン、1mMシスタミン;pH8)中に1滴ずつ移してもよい。次いで、得られたものを、穏やかに混合しながら、4℃に一晩またはそれ以上置いてもよい。GE Healthsciences AKTAFPLC(商標)を使用して、サンプルを濃縮し、4C環境中、1〜2ml/分でゲル濾過カラム(Superdex(商標)75 26/60)に流してもよい。適当なタンパク質を含有する画分を、SDS−PAGEによって同定し、プールし、第2のゲル濾過カラムを通して流してもよい。次いで、当技術分野で公知のように、プールされたタンパク質を、Amiconフィルターで適当な濃度に濃縮し、例えば、Endosafe(登録商標)PTSリーダー(Charles River)を使用してエンドトキシンレベルについてアッセイしてもよい。タンパク質サンプルがエンドトキシン判定基準を通ると、滅菌濾過し、アリコートに分配し、品質管理アッセイを通してもよい。品質管理アッセイは、およその質量を得るために分析用HPLC−SEC、非還元性SDS PAGEおよびRP HPLC−MSを含み得る。タンパク質は、1×PBS(137mM 塩化ナトリウム、2.7mM塩化カリウム、4.3mMリン酸ナトリウム、1.4mMリン酸一カリウム、pH7.2)中で得、アリコートに分配し、−70〜−80℃で急速冷凍することができる。
【0183】
IV.使用および疾患の治療方法
適応症。さまざまな疾患および障害が、本明細書に記載されたポリペプチド化合物および方法によって有益に治療されると考慮される。
【0184】
肥満症および過体重。肥満症および過体重を含めたその関連障害は、米国および世界中で、よく見られ、極めて重篤な公衆衛生問題である。上半身肥満症は、2型真性糖尿病について知られている最強のリスク因子であり、心血管疾患の強いリスク因子である。肥満症は、高血圧症、アテローム性動脈硬化症、鬱血性心不全、卒中、胆嚢疾患、変形性関節症、睡眠時無呼吸、多嚢胞性卵巣症候群などの生殖障害、乳房、前立腺および結腸の癌ならびに全身麻酔の合併症の頻度上昇の認識されているリスク因子である。例えば、Kopelman, 2000, Nature 404: 635-43を参照のこと。
【0185】
肥満症は、寿命を減少させ、上記で列挙された併存症、同様に、感染症、静脈瘤、黒色表皮腫、湿疹、運動不耐性、インスリン抵抗性、高血圧高コレステロール血症、胆石症、整形外科的傷害および血栓塞栓性疾患などの障害の深刻なリスクを伴う。例えば、Rissanen et al, 1990 Br. Med. J. 301: 835-7を参照のこと。肥満症はまた、インスリン抵抗性症候群または「シンドロームX」およびメタボリックシンドロームと呼ばれる状態の群のリスク因子である。肥満症および関連障害の世界的な医療費は、莫大である。
【0186】
肥満症の病理発生は、多因子性であると考えられている。問題は、肥満の対象では、過剰の脂肪組織が存在するまで栄養素利用性とエネルギー消費が釣り合うようにならないということである。中枢神経系(CNS)は、エネルギーバランスを制御し、動物の代謝状態に適当な、さまざまな行動、自律神経および内分泌活性を調和させる。これらの活性を制御する機序またはシステムは、前脳(例えば、視床下部)、後脳(例えば、脳幹)および脊髄中に広く分布している。最終的に、これらのシステムからの代謝(すなわち、栄養利用性)および認知(すなわち、学習された好み)情報が統合され、欲求(食物を探すこと)および完了(経口摂取)行動をとる決意がスイッチが入れられる(食事の調達および開始)か、またはスイッチが切られる(食事の終了)。視床下部は、主に、これらのシグナルを統合すること、次いで、脳幹に指令を発することに関与していると考えられている。完了運動制御システムの要素(例えば、咀嚼および嚥下に関与している筋肉)を制御する脳幹核。そのようなものとして、これらのCNS核は、文字通り、摂食行動の「最終共通路」を構成するといわれている。
【0187】
神経解剖学的および薬理学的証拠は、エネルギーおよび栄養的ホメオスタシスのシグナルが前脳核において統合することおよび完了運動制御システムが脳幹核に、おそらくは、三叉神経運動核の周囲の領域中にあることを支持する。視床下部および脳幹間には大規模な相互接続がある。さまざまなCNSに向けられた抗肥満症治療薬(例えば、小分子およびペプチド)は、主に、視床下部にある前脳基質に、および/または脳幹にある後脳基質に焦点をわせている。
【0188】
肥満症は、不十分にしか治療可能でなく、慢性的であり、本質的に難治性の代謝障害のままである。したがって、対象における体重減少および/または体重維持において有用な新規治療の必要性が存在する。このような治療は、対象の健康に対する著しい有益な効果につながる。本明細書に開示された操作されたペプチドを、単独でか、またはその他の抗肥満症剤(例えば、WO2009064298およびUS20080207512を参照のこと)と組み合わせて使用する方法および治療は、このような有益な効果を提供し得る。
【0189】
レプチン欠乏症。レプチン欠乏症は、肥満症をもたらすことがわかっている。レプチン欠乏症の1つの形態として、先天性レプチン欠乏症、稀な遺伝障害がある。Montaque et al., 1997, Nature 387: 903-908を参照のこと。いくつかのレプチン欠乏症は、インスリン分泌性β−細胞の破壊に起因する制御されないインスリン欠乏性真性糖尿病の結果であり得る。インスリンの欠如が、脂肪組織におけるトリグリセリドの合成および保存につながり、レプチンが脂肪組織において合成されるので、これが、体重増加を防ぎ、順に、血漿レプチンレベルを著しく低下させることが理論化される。これらのおよびその他のレプチン欠乏ならびにこのような欠乏に起因する疾患および障害は、毎日のレプチンまたはレプチンアゴニスト注射などのレプチン置換療法で治療され得る。本明細書に記載された操作されたポリペプチドは、このような疾患および障害のより好都合な、有利な治療的処置を提供し得る。
【0190】
糖尿病および心血管疾患。真性糖尿病は、糖尿病患者の間のすべての致死のうち60%〜70%が、心血管合併症の結果である複雑な慢性疾患と認識されている。糖尿病は、冠動脈心疾患リスク相当物と考えられるだけでなく、再発性心筋梗塞、鬱血性心不全および心血管インシデント後の死亡を含めた有害事象の独立した予測因子としても同定されている。より密接なグルコース管理および心血管リスク因子の積極的な治療を採ることで、冠動脈心疾患合併症のリスクが低減され、糖尿病患者の間の全体的な生存が改善されると予測される。しかし、糖尿病患者は、非糖尿病患者よりも、2〜3倍、急性心筋梗塞を経験する可能性が高く、糖尿病患者は、非糖尿病患者よりも8〜13年少なくしか生存しない。
【0191】
糖尿病性/急性心筋梗塞患者のハイリスク性を理解することで、不安定狭心症または非ST上昇型心筋梗塞(まとめて「ACS」と呼ばれる)を有する入院患者の管理のための米国心臓病学会/米国心臓協会(American College of Cardiology/American Heart Association)(「ACC/AHA」)臨床実践ガイドラインは、入院している糖尿病患者は、高血糖症の積極的な管理を必要とする特別な集団であるということを最近認識した。具体的には、ガイドラインは、入院している糖尿病/ACS患者のグルコース低下治療は、10mg/dL未満の摂食前グルコース、180mg/dL未満の最大1日標的および7%未満の退院後ヘモグロビンA1cを達成することを標的としなくてはならないと述べている。
【0192】
高齢のACS患者の全国的なサンプルでは、糖尿病患者における30日死亡率の増大は、病院に入院した時点で高グルコース値を有する患者と対応していることが実証された。“Diabetic Coronry Artery Disease & Intervention”, Coronary Therapeutics 2002, Oak Brook, IL, September 20, 2002を参照のこと。入院時に一時的に上昇したグルコースではなく持続した高血糖症は、重篤有害事象と関連しているという証拠はますます増えている。患者における高血糖症および血管リスクの理想的な測定基準は、容易にはわからないが、入院期間の間の平均グルコース値は、死亡率を最も予測するものであるようである。米国中の40を超える病院から得られたACS患者の別個の研究では、入院時のランダムなグルコース値とは対照的に、持続性高血糖症が、院内死亡率をより予測するものであるということがわかった。Acute Coronary Syndrome Summit: A State of the Art Approach, Kansas City, MO, September 21, 2002を参照のこと。入院時のグルコース値と比較して、全入院期間にわたるグルコース管理のロジスティック回帰モデルが、死亡率を最も予測するものであった。120mg/dLを超えるグルコースの10mg/dLの増大ごとに、入院期間の間の死亡率のリスクがほぼ2倍の増大した。継続糖尿病/ACS患者のより小さいコホートでは、入院時にグルコースレベルの増大を伴う場合には、1年で死亡率が段階的に増加した。病院環境では、ACC/AHAガイドラインは、入院期間の間により低い血糖を達成するための積極的なインスリン治療の開始を示唆する。
【0193】
レプチンが、糖尿病、特に、肥満症の存在を伴うか、または伴わないI型糖尿病およびII型糖尿病の治療に、より詳しくは、低血清レプチンの状態において直接的な利益を有し得ることが報告されている。レプチン補充が、付随する肥満症を伴うか、または伴わない1および2型糖尿病の種々の動物モデルにおいて高インスリン血症、インスリン抵抗性および高血糖症を低減するか、または防ぐことが報告されている。例えば、レプチンの薬理学的投与によってか、またはアデノウイルス遺伝子療法を用いてのいずれかによって生じた高レプチン血漿レベルは、持続的に低いインスリンレベルにもかかわらずSTZ誘導性糖尿病において高血糖症および関連する血漿グルカゴンレベルの増大を低減させた。
【0194】
脂質調節疾患。当技術分野で公知のように、脂肪異栄養症は、身体の脂肪組織の異常なまたは変性状態を特徴とする。脂質異常症は、血液中の正常な脂質成分の破壊である。インスリンレベルの長期の上昇は、脂質異常症につながり得ると考えられる。高脂血症は、血液中の脂質および/またはリポタンパク質の上昇したまたは異常なレベルの存在である。視床下部性無月経は、数カ月の月経停止が、視床下部が関与する問題に起因する状態である。視床下部性無月経の女性におけるレプチン置換療法は、有害作用を引き起こさずに、生殖、甲状腺および成長ホルモン軸および骨形成のマーカーを改善することがわかった。例えば、Oral et al., N Engl J Med. 2004, 351: 959-962, 987-997を参照のこと。脂肪肝疾患、例えば、非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)とは、単純な脂肪肝(脂肪症)から非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、さらに硬変(不可逆性、肝臓の進行した瘢痕)の範囲の広いスペクトルの肝臓疾患を指す。すべての段階のNAFLDが、共通して、肝臓細胞(肝細胞)における脂肪の蓄積(脂肪浸潤)を有する。レプチンは、NASHを含めた種々の慢性肝臓疾患における炎症および繊維症の進行の重要な調節因子の1種であると考えられている。例えば、Ikejima et al., Hepatology Res. 33:151-154を参照のこと。
【0195】
さらに、何らかの理論に拘束されようとは思わないが、2型糖尿病における相対的インスリン欠乏、グルコース毒性および門脈を通る腹部脂肪組織内からのデリバリーの上昇による肝臓遊離脂肪酸負荷の増大が、脂肪肝障害における可能性ある原因と関与していると考えられている。実際、摂食行動が、NASHを含めた多数の当然の結果を伴う肥満症のメタボリックシンドロームを駆動する重要な因子であると仮説が立てられている。したがって、2型糖尿病においてすでに実証されているように、食物摂取の減少および少ない食事の数の増大を目的とする治療は、NASHを有効に治療し、予防し得る。インスリン分泌および体重減少を促進し、胃内容排出を遅延する薬物はまた、糖耐性の改善に有効であり、したがって、その付随する高インスリン血症を伴う脂肪肝を改善し得る。したがって、レプチン、レプチン類似体、例えば、メトレレプチンまたはその活性断片の使用は、この状態の治療法として十分に適したものであり得る。したがって、レプチン、レプチン類似体またはその活性断片を含む本明細書に記載された操作されたポリペプチドは、脂肪肝障害の治療において有用であり得る。
【0196】
アルツハイマー病。アルツハイマー病(AD)は、当技術分野で公知のように、A−βタンパク質の調節不全を含む脳中のプラークおよびもつれを伴う。脳脂質は、A−β−関連発症経路に複雑に関与しており、脂質ホメオスタシスの重要なモジュレーターはレプチンであると考えられている。したがって、レプチンは、双方向性のA−β運動を調節し、そのレベルを細胞外で低下させ得る。実際、AD−トランスジェニック動物へのレプチンの慢性投与は、脳A−β含量を低下させること、根底にある治療可能性が実証された。Fewlass et al., 2004, FASEB J., 18:1870-1878を参照のこと。さらに、2型真性糖尿病およびADは、両方とも線維性コンホメーションを有する不溶性タンパク質凝集体−2型DM膵島中のアミリンおよびAD脳中のAβを特徴とするという点で疫学的および生化学的特徴を共有する。何らかの理論に拘束されようとは思わないが、同様の毒性機序は、2型DMおよびADを特徴とし得ると考えられる。Lim et al., FEBS Lett., 582:2188-2194を参照のこと。
【0197】
メタボリックシンドロームX。メタボリックシンドロームXは、インスリン抵抗性、脂質異常症、高血圧症および脂肪組織の内臓分布を特徴とし、2型糖尿病の病態生理学において中心的な役割を果たす。また、NASH、繊維症および肝臓の硬変と強力に相関しているとわかった。したがって、本明細書に記載された操作されたポリペプチドは、メタボリックシンドロームXの治療において有用であり得る。
【0198】
ハンチントン舞踏病。ハンチントン舞踏病は、常染色体優性、神経変性(neurogenerative)疾患である。この疾患の特徴として、運動障害、痴呆、精神医学的問題および意図的でない体重減少が挙げられる。本明細書に記載された操作されたポリペプチドは、ハンチントン舞踏病の治療において有用であり得る。
【0199】
したがって、一態様では、対象において疾患または障害を治療する方法が提供される。対象は、疾患または障害の治療を必要とするものである。疾患または障害は、脂肪異栄養症、脂質異常症、高脂血症、過体重、肥満症、視床下部性無月経、アルツハイマー病、レプチン欠乏症、脂肪肝疾患または糖尿病(I型およびII型を含む)であり得る。本明細書に記載された化合物および方法によって治療され得るさらなる疾患および障害として、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)、メタボリックシンドロームXおよびハンチントン舞踏病が挙げられる。治療法は、疾患または障害の治療に有効な量での対象への本明細書に記載されるような操作されたポリペプチドの投与を含む。操作されたポリペプチドは、HD1として、レプチン、レプチン断片またはレプチン類似体を含む。したがって、操作されたポリペプチドは、以下の構造のうち1種を有し得る:ABD−HD1、HD1−ABD、ABD−L1−HD1またはHD1−L1−ABD。
【0200】
本明細書に記載された治療実施形態のすべてにおいて、レプチンは、ヒトレプチンまたはメトレレプチンであり得る。いくつかの実施形態では、レプチン類似体は、ヒトレプチンと、少なくとも50%、例えば、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%またはさらに高い同一性を有する。いくつかの実施形態では、レプチン類似体は、マウスレプチンと、少なくとも50%、例えば、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%またはさらに高い同一性を有する。いくつかの実施形態では、レプチン類似体は、ラットレプチンと、少なくとも50%、例えば、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%またはさらに高い同一性を有する。いくつかの実施形態では、レプチン類似体は、カモノハシレプチンと、少なくとも50%、例えば、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%またはさらに高い同一性を有する。いくつかの実施形態では、レプチン類似体は、アザラシレプチンと、少なくとも50%、例えば、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%またはさらに高い同一性を有する。いくつかの実施形態では、レプチン類似体は、レプチンA100、A300またはA500である。
【0201】
V.アッセイ
本明細書に記載された操作されたポリペプチドを製造およびアッセイする方法は、一般に、当業者に利用可能である。さらに、特定の方法は、本明細書に、ならびに参照により、このさらなる目的のために本明細書に組み込まれる、本明細書に引用された特許公報およびその他の参考文献に記載されている。
【0202】
食物摂取。何らかの理論に拘束されようとは思わないが、食物摂取は、本明細書に記載されるような化合物の有用性の評価において有用であると考えられる。例えば、いくつかの代謝病態は、食物摂取と関連していると知られている(例えば、糖尿病、肥満症)。したがって、食物摂取が、本明細書に記載された化合物の投与によって調節される程度を調べるために、初期スクリーニングが実施され得、陽性初期スクリーニングは、その後の化合物の開発において有用であり得る。
【0203】
さまざまな食物摂取アッセイが、当業者に利用可能である。例えば、食物摂取のいわゆる「ホームケージモデル」では、対象(例えば、ラット)は、そのホームケージ中で維持され、試験化合物の注射後に対象の総重量とともに食物摂取が測定される。食物摂取アッセイのいわゆる「給餌パターンモデル」では、対象(例えば、ラット)は、試験の前に給餌チャンバーおよび注射に慣らされる。試験化合物の投与後、対象は、給餌チャンバーに直ちに入れられ、食物摂取が、時間の関数として自動的に測定される(例えば、1分間隔)。両試験について、食物は、当技術分野で公知の標準固形飼料またはさまざまな固形飼料(例えば、高脂肪)のいずれかである。いわゆる「マウス食物摂取」アッセイでは、試験化合物は、食事誘導性肥満症(DIO)マウスにおける食欲抑制について、または体重増加に対する効果について試験され得る。典型的なマウス食物摂取アッセイでは、雌のNIH/Swissマウス(8〜24週齢)が、0600に明かりをつける12:12時間明暗周期で飼育される群である。水および標準のペレット化マウス固形飼料食は、記載されない限りは自由に利用可能とする。動物を、実験の1日前に、およそ1500時に開始して絶食させる。実験の朝に、動物を実験群にわける。典型的な研究では、n=4ケージであり、3匹のマウス/ケージである。時間=0分で、すべての動物に、典型的には、約10nmol/kg〜75nmol/kgの範囲の量で、媒体または化合物の腹膜内注射を施し、直ちに、予め秤量した量(10〜15g)の標準固形飼料を与える。種々の時間、典型的には、30、60および120分で食物を除去し、秤量して、消費された食物の量を調べる。例えば、Morley et al., 1994, Am. J. Physiol. 267:R178-R184)参照のこと。時間=0で最初に提供された食物の重量から、例えば、30、60、120、180および/または240分の時点で残っている食物の重量を差し引くことによって食物摂取を算出する。ANOVAによって有意な治療効果が同定される(p<0.05)。有意差が存在する場合には、ダネット検定を使用して試験平均を対照平均と比較する(Prism v.2.01、GraphPad Software Inc.、San Diego、Calif.)。本明細書に記載された任意の試験について、試験化合物の投与は、注射(例えば、皮下、腹腔内など)、経口または当技術分野で公知のその他の投与方法を含めた任意の手段によってであり得る。
【0204】
インビトロアッセイ。何らかの理論または作用機序に拘束されようとは思わないが、インビトロ(例えば、受容体)アッセイの結果と、代謝疾患および障害の治療のための薬剤の有用性の間に、相関関係が存在すると考えられる。したがって、インビトロアッセイ(例えば、細胞ベースのアッセイ)は、本明細書に記載されたものなどの可能性ある代謝剤のスクリーニング戦略として有用である。以下のように記載されるものを含めたさまざまなインビトロアッセイが、当技術分野で公知である。
【0205】
レプチン結合アッセイ。レプチン結合は、32D OBECA細胞株によって提示されるキメラレプチン(Hu)−EPO(Mu)受容体を発現する表面膜から
125I−組換えレプチン(マウス)を置換することにおける試験化合物の効力によって測定され得る(J Biol Chem 1998; 273(29): 18365-18373)。精製された細胞膜は、回収された32D OBECA細胞のコンフルエントな細胞培養物からホモジナイゼーションによって調製され得る。膜は、96ウェルポリスチレンプレート中で、
125I−rec−マウスレプチンおよび漸増濃度の試験化合物とともに周囲温度で3時間インキュベートされ得る。結合および非結合リガンド画分は、0.5% PEI(ポリエチレンイミン)中で少なくとも60分間、予めブロッキングされた96ウェルGF/Bプレートでの急速濾過によって分けられ得る。次いで、ガラスファイバープレートが乾燥され、シンチラントが添加され、CPMが放射標識されたヨウ素を読み取ることができるマルチウェルシンチレーションカウンターで読み取ることによって決定され得る。
【0206】
レプチン機能アッセイ。試験化合物を用いる、キメラHu−レプチン/Mu−EPO受容体を異所的に発現する32D−ケプチン細胞の処理後に、リン酸化STAT5(シグナル伝達性転写因子5)のレベルの増大が測定され得る。32D−ケプチン細胞(32D−OBECAと同一であるが、レプチンとともに培養物で維持された)は、一晩レプチンをやめさせ、次いで、96ウェルプレート中37℃で30分間、試験化合物で処理され、続いて、細胞抽出され得る。細胞溶解物中のpSTAT5レベルは、384ウェル形式(Proxiplate(商標)384 Plus)中でPerkin Elmer AlphaScreen(登録商標)SureFire(登録商標)pSTAT5アッセイキットを使用して決定され得る。試験化合物の有効性は、ヒトレプチンを用いて処理された細胞から得られた細胞溶解物における最大シグナルに対して決定され得る。
【0207】
VI.医薬組成物
一態様では、本明細書に記載された化合物を、医薬上許容される賦形剤(例えば、担体)と組み合わせて含む医薬組成物が提供される。本明細書において、用語「医薬上許容される担体」とは、医薬賦形剤、例えば、活性剤と有害に反応しない、腸内または非経口適用に適した医薬上、生理学上許容される有機または無機担体物質を指す。適した医薬上許容される担体として、水、塩溶液(例えば、リンガー溶液など)、アルコール、オイル、ゼラチンおよびラクトース、アミロースまたはデンプンなどの炭水化物、脂肪酸エステル、ヒドロキシメチセルロース(methycellulose)およびポリビニルピロリジンが挙げられる。このような調製物は滅菌され得、必要に応じて、本発明の化合物と有害に反応しない滑沢剤、保存料、安定剤、湿潤剤、乳化剤、浸透圧に影響を及ぼす塩、バッファー、着色料および/または芳香族物質などといった補助剤と混合され得る。
【0208】
さらなる態様において、本明細書に記載されるような操作されたポリペプチドを、医薬上許容される賦形剤と組み合わせて含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、持続性医薬組成物である。医薬組成物の投与と関連して用語「持続性」とは、作用持続期間を指す。したがって、持続性医薬組成物は、例えば、1時間、2時間、4時間、8時間、12時間、1日、2日、3日、4日、5日、6日、1週、2週、3週、1カ月またはいっそう長い間隔で投与され得る。好ましい実施形態では、投与は、1日につき1回(すなわち、「1日1回」)である。より好ましい実施形態では、投与は、1週につき1回(すなわち、「週1回」)である。
【0209】
A.方法
本明細書に記載された操作されたポリペプチドは、対象に、単独で投与され得るか、または同時投与され得る。同時投与は、化合物の、個別のまたは組合せ(2種以上の化合物)での同時の投与または逐次投与を含むものとする。例えば、肥満症は、レプチン(例えば、メトレレプチン)および特定のその他の抗肥満症化合物を含む併用療法で有益に治療され得ることがわかっている。例えば、米国公開出願第2008/0207512号を参照のこと。したがって、ABDおよびレプチンを含む本明細書に記載された操作されたポリペプチドは、肥満症の治療にとって有用であり得る。あるいは、有する個々の操作されたポリペプチドは、エクセナチドまたはリラグルチドなどのその他の抗肥満症剤と同時投与され得る。
【0210】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載された製剤および方法は、レプチンまたはレプチン類似体操作されたポリペプチドが、抗高血糖症剤、例えば、インスリン、アミリン、プラムリンチド、メトホルミンなどの1種または複数の抗糖尿病剤と同時投与されることをさらに提供する。
【0211】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載された製剤および方法は、レプチンまたはレプチン類似体操作されたポリペプチドが、1種または複数のコレステロールおよび/またはトリグリセリド低下剤と同時投与されることをさらに提供する。例示的薬剤として、HMG CoAレダクターゼ阻害剤(例えば、アトルバスタチン、フルバスタチン、ロバスタチン、プラバスタチン、ロスバスタチン、シンバスタチン);胆汁酸封鎖剤(bile ace sequestrants)(例えば、コレセベラム、コレスチラミン、コレスチポール);フィブラート(例えば、フェノフィブラート、クロフィブラート、ゲムフィブロジル)、エゼチミブ、ニコチン酸、プロブコール、ロバスタチン/ナイアシン組合せ、アトルバスタチン/アムロジピン組合せ;およびシンバスタチン/エゼチミブ組合せが挙げられる。
【0212】
レプチン化合物は、治療上活性な化合物であり、驚くべきことに、ABDと融合されている場合に活性を保持するので、本開示内容は、医薬として使用するための、すなわち、治療において使用するための組成物を提供する。液体または乾燥形態いずれかの操作されたポリペプチドと、適宜、少なくとも1種の医薬上許容される担体および/または賦形剤とを含む組成物もまた、具体的に考慮され、本明細書に例示される。
【0213】
組成物は、インビボまたはインビトロで、アルブミンと結合する能力を有する。特定の場合には、生体外で組成物のアルブミンとの複合体を形成すること、すなわち、組成物に外因性アルブミンを添加することは有効であり得る。このような組成物は、凍結乾燥され得、周囲温度での保存に適している製剤を提供する。したがって、本開示内容はまた、ヒト血清アルブミンなどのアルブミンをさらに含み、適宜、乾燥形態であり得る上記で定義されるような組成物を提供する。
【0214】
同時投与は、レプチン、レプチン類似体またはレプチン類似体アゴニスト操作されたポリペプチドを、第2の薬剤と別個に投与することによってか、またはレプチン、レプチン類似体もしくはレプチン類似体アゴニスト操作されたポリペプチドおよび第2の薬剤を含む単一医薬製剤を投与することによって達成され得る。第2の薬剤の適当な投与レジメンは、一般に、当技術分野で公知である。
【0215】
調製物はまた、望ましい場合には、当技術分野で公知のその他の活性物質(例えば、代謝分解を低下させるよう)またはその他の治療上活性な薬剤と同時投与され得る。
【0216】
アミリン。アミリンは、栄養素の摂取に応じて、インスリンと同時分泌される、膵臓β−細胞によって合成されるペプチドホルモンである。アミリンの配列は、哺乳類種中で高度に保存されており、当技術分野で公知のカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)、カルシトニン、インターメジンおよびアドレノメデュリンに対して構造上の類似性を有する。アミリンの血糖調節作用は、栄養素によって刺激されるグルカゴン分泌の抑制によって循環におけるグルコース出現速度を調節することおよび胃内容排出を減速することによって、インスリンの血糖調節作用を補完する。インスリンによって治療されている糖尿病患者では、プラムリンチド、ヒトアミリンの合成および等効力類似体が、不適切に上昇した食後グルカゴン分泌を抑制することおよび胃内容排出を減速することによって食後血糖変動幅を低減する。ラットアミリン、ヒトアミリンおよびプラムリンチドの配列は、それぞれ以下のとおりである:
ラットアミリン:KCNTATCATQRLANFLVRSSNNLGPVLPPTNVGSNTY(配列番号108);
ヒトアミリン:KCNTATCATQRLANFLVHSSNNFGAILSSTNVGSNTY(配列番号109);
プラムリンチド:KCNTATCATQRLANFLVHSSNNFGPILPPTNVGSNTY(配列番号110)。
【0217】
ダバリンチド(Davalintide)。ダバリンチドは、「AC−2307」としても知られ、さまざまな疾患適応症の治療において有用である強力なアミリンアゴニストである。各々、その全文が、すべての目的のために参照により本明細書に組み込まれるWO2006/083254およびWO2007/114838を参照のこと。ダバリンチドは、アミリンまたはカルシトニンおよびその類似体のN末端ループ領域、カルシトニンもしくはその類似体のα−ヘリックス領域の少なくとも一部のα−へリックス領域またはアミリンα−ヘリックス領域およびカルシトニンα−へリックス領域もしくはその類似体の一部を有するα−ヘリックス領域およびアミリンまたはカルシトニンのC末端テール領域を有するキメラペプチドである。ヒトカルシトニン、サケカルシトニンおよびダバリンチドの配列は以下のとおりである:
ヒトカルシトニン:CGNLSTCMLGTYTQDFNKFHTFPQTAIGVGAP(配列番号111);
サケカルシトニン:CSNLSTCVLGKLSQELHKLQTYPRTNTGSGTP(配列番号112);
ダバリンチド:KCNTATCVLGRLSQELHRLQTYPRTNTGSNTY(配列番号113)。
【0218】
何らかの理論に拘束されようとは思わないが、アミリンおよびダバリンチドおよびその断片および類似体は、完全な生物学的応答を誘発するのにC末端アミド化を必要とし得ると考えられる。アミリンおよび/またはダバリンチドおよびその断片および類似体を含む本明細書に記載されたものなどのアミリン化合物は、C末端でアミド化され得るということは理解される。
【0219】
「アミリンアゴニスト化合物」は、天然アミリンペプチド、アミリン類似体ペプチドおよびアミリンアゴニスト活性を有するその他の化合物(例えば、小分子)を含む。「アミリンアゴニスト化合物」は、天然供給源から誘導され得、合成であり得、または組換えDNA技術から誘導され得る。アミリンアゴニスト化合物は、アミリンアゴニスト受容体結合活性を有し、アミノ酸(例えば、天然、非天然またはそれらの組合せ)、ペプチドミメティクス、化学部分などを含み得る。当業者ならば、アミリン受容体結合アッセイを使用して、またはヒラメ筋アッセイにおけるアミリンアゴニスト活性を測定することによってアミリンアゴニスト化合物を認識されよう。一実施形態では、アミリンアゴニスト化合物は、本明細書に、その開示内容が、その全文で、すべての目的のために参照により本明細書に組み込まれる米国特許第5,686,411号および米国公開第2008/0176804号に記載されるものなどのアミリン受容体結合アッセイにおいて、約200nM以下、約100nM以下または約50nM以下のIC
50を有する。一実施形態では、アミリンアゴニスト化合物は、本明細書に、また米国特許第5,686,411号に記載されるものなどのヒラメ筋アッセイにおいて、約20nM以下、約15nM以下、約10nM以下または約5nM以下のEC
50を有する。一実施形態では、アミリンアゴニスト化合物は、
25,28,29Pro−ヒト−アミリン(配列番号53)に対して少なくとも90%または100%の配列同一性を有する。一実施形態では、アミリンアゴニスト化合物は、アミリン(例えば、ヒトアミリン、ラットアミリンなど)およびカルシトニン(例えば、ヒトカルシトニン、サケカルシトニンなど)のペプチドキメラである。適した、例示的アミリンアゴニスト化合物はまた、その開示内容が、その全文で、すべての目的のために、参照により本明細書に組み込まれる米国公開第2008/0274952号に記載されている。
【0220】
本明細書において、「アミリン類似体」とは、ラットもしくはヒトのいずれか、または任意のその他の種に由来するアミリンの天然に生じる形態に対して少なくとも50%の配列同一性、好ましくは、少なくとも70%の配列同一性を有するアミリンアゴニストを意味し、参照アミノ酸配列の挿入、置換、伸長および/または欠失を含めた修飾によってそれらから誘導される。
【0221】
アミリン類似体配列は、参照アミリンと少なくとも50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、90%または95%のアミノ酸配列同一性を有し得る。一態様では、類似体は、対照化合物に対して、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15またはさらに16のアミノ酸置換、挿入、伸長および/または欠失を有する。一実施形態では、アミリン類似体は、保存的または非保存的アミノ酸置換(非天然アミノ酸ならびにLおよびD形態を含めた)を含み得る。これらの類似体は、好ましくは、ペプチド、ペプチド誘導体またはペプチドミミックである。典型的なアミリン類似体は、特に、32〜37個のアミノ酸の、例えば、27〜45個、特に、28〜38個さらには、31〜36個のペプチドとなる。
【0222】
ラットおよびヒトアミリンに対して同一性を有するアミリン類似体として、
25,28,29Pro−h−アミリン(プラムリンチド)(配列番号110);des−
1Lys−h−アミリン(配列番号161);
25Pro、
26Val、
28,29Pro−h−アミリン(配列番号162);
18Arg、
25,28Pro−h−アミリン(配列番号163);des−
1Lys、
18Arg、
25,28Pro−h アミリン(配列番号164);
18Arg、
25,28,29Pro−h−アミリン(配列番号165);des−
1Lys、
18Arg、
25,28,29Pro−h−アミリン(配列番号166);des−
1、Lys
25,28,29Pro−h−アミリン(配列番号167);
25Pro、
26Val、
28,29Pro−h−アミリン(配列番号168);
28Pro−h−アミリン、2,7−Cyclo−[
2Asp、
7Lys]−h−アミリン(配列番号169);
2−37h−アミリン(配列番号170);
1Ala−h−アミリン(配列番号171);
2Ala−h−アミリン(配列番号172);
2,7Ala−h−アミリン(配列番号173);
1Ser−h−アミリン(配列番号174);
29Pro−h−アミリン(配列番号175);
25,28Pro−h−アミリン(配列番号176);des−
1Lys、
25,28Pro−h−アミリン(配列番号177);
23Leu、
25Pro、
26Val、
28,29Pro−h−アミリン(配列番号178);
23Leu
25Pro
26Val
28Pro−h−アミリン(配列番号179);des−
1Lys、
23Leu、
25Pro、
26Val、
28Pro−h−アミリン(配列番号180);
18Arg、
23Leu、
25Pro、
26Val、
28Pro−h−アミリン(配列番号181);
18Arg、
23Leu、
25,28,29Pro−h−アミリン(配列番号182);
18Arg
23Leu、
25,28Pro−h−アミリン(配列番号183);
17Ile、
23Leu、
25,28,29Pro−h−アミリン(配列番号184);
17Ile、
25,28,29Pro−h−アミリン(配列番号185);des−
1Lys、
17Ile、
23Leu、
25,28,29Pro−h−アミリン(配列番号186);
17Ile、
18Arg、
23Leu−h−アミリン(配列番号187);
17Ile、
18Arg、
23Leu、
26Val、
29Pro−h−アミリン(配列番号188);
17Ile、
18Arg、
23Leu、
25Pro、
26Val、
28,29Pro−h−アミリン(配列番号189);
13Thr、
21His、
23Leu、
26Ala、
28Leu、
29Pro、
31Asp−h−アミリン(配列番号190);
13Thr、
21His、
23Leu、
26Ala、
29Pro、
31Asp−h−アミリン(配列番号191);des−
1Lys、
13Thr、
21His、
23Leu、
26Ala、
28Pro、
31Asp−h−アミリン(配列番号192);
13Thr、
18Arg、
21His、
23Leu、
26Ala、
29Pro、
31Asp−h−アミリン(配列番号193);
13Thr、
18Arg、
21His、
23Leu、
28,29Pro、
31Asp−h−アミリン(配列番号194);および
13Thr、
18Arg、
21His、
23Leu、
25Pro、
26Ala、
28,29Pro、
31Asp−h−アミリン(配列番号195)が挙げられる。
【0223】
適した例示的アミリンアゴニスト化合物はまた、PCT特許公報WO2010/085700に記載されている。
【0224】
アミリン類似体は、以下の式(I)の残基1〜37のアミノ酸配列を含み、配列中、式(I)に示されるアミノ酸の最大25%は、欠失されるか、または異なるアミノ酸で置換され得る:
X’-Xaa
1-Cys
2-Asn
3-Thr
4-Ala
5-Thr
6-Cys
7-Ala
8-Thr
9-Gln
10-Arg
11-Leu
12-Ala
13-Asn
14-Phe
15-Leu
16-Val
17-His
18-Ser
19-Ser
20- Xaa
21-Asn
22-Phe
23- Xaa
24- Xaa
25- Xaa
26- Xaa
27- Xaa
28- Xaa
29-Thr
30- Xaa
31-Val
32-Gly
33-Ser
34-Asn
35-Thr
36-Tyr
37-X(配列番号800) (I)。
式(I)中、X’は、水素、N末端キャッピング基または持続期間増強部分とのリンカーである。Xaa
1は、Lysまたは結合であり、Xaa
21は、Lys、CysまたはAsnであり、Xaa
24は、Lys、CysまたはGlyであり、Xaa
25は、Lys、CysまたはProであり、Xaa
26は、Lys、CysまたはIleであり、Xaa
27は、Lys、CysまたはLeuであり、Xaa
28は、Lys、CysまたはProであり、Xaa
29は、Lys、CysまたはProであり、Xaa
31は、Lys、CysまたはAsnである。さらに、式(I)に関して、変数Xは、C末端官能性(例えば、C末端キャップ)を表す。Xは、置換または非置換アミノ、置換または非置換アルキルアミノ、置換または非置換ジアルキルアミノ、置換または非置換シクロアルキルアミノ、置換または非置換アリールアミノ、置換または非置換アラルキルアミノ、置換または非置換アルキルオキシ、置換または非置換アリールオキシ、置換または非置換アラルキルオキシまたはヒドロキシルである。式(I)の残基1〜37の配列を有するポリペプチド成分のC末端が、官能性Xでキャップされている場合には、Xは、好ましくは、アミンであり、それによって、C末端アミドを形成する。いくつかの実施形態では、式(I)の残基1〜37のアミノ酸の最大5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%またはさらに50%が、式(I)のポリペプチド成分において欠失されるか、または置換される。いくつかの実施形態では、アミリン類似体成分は、式(I)に示されるアミノ酸配列に対して、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15またはさらに16のアミノ酸置換を有する。いくつかの実施形態では、アミリン類似体は、式(I)のアミノ酸配列の残基1〜37に関して定義された配列同一性を有する配列を有する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されたアミリン類似体(analgo)と式(I)の残基1〜37の間の配列同一性は、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%またはさらに高い。いくつかの実施形態では、式(I)の残基1〜37に示されるアミノ酸のうち最大50%、45%、40%、35%、30%、25%、20%、15%、10%、5%またはさらに少ないものが、欠失され得るか、または異なるアミノ酸で置換され得る。いくつかの実施形態では、配列同一性は、範囲75%〜100%内にある。いくつかの実施形態では、配列同一性は、範囲75%〜90%内にある。いくつかの実施形態では、配列同一性は、範囲80%〜90%内にある。いくつかの実施形態では、配列同一性は、少なくとも75%である。いくつかの実施形態では、アミリン類似体は、式(I)の残基1〜37の配列を有する。
【0225】
いくつかの実施形態では、式(I)のものを含めたアミリン類似体は、ポリペプチド成分の基礎を形成し、これに、適宜、リンカーを介して、1種または複数の持続期間増強部分が連結され、アミリンポリペプチドコンジュゲートを形成する。したがって、ポリペプチド成分は、好ましくは、共有結合によって、1種または複数の持続期間増強部分が付いている鋳型(「ポリペプチド鋳型」)として働く。持続期間増強部分のポリペプチド成分との連結は、本明細書に記載されるようなリンカーを介してであり得る。あるいは、持続期間増強部分の、ポリペプチド成分との連結は、直接共有結合によってであり得る。持続期間増強部分は、本明細書に記載されるような水溶性ポリマーであり得る。いくつかの実施形態では、複数の持続期間増強部分がポリペプチド成分に付いており、この場合には、各持続期間増強部分に対する各リンカーは、本明細書に記載されたリンカーから独立に選択される。
【0226】
本明細書に記載されたポリペプチド成分として有用であるアミリン類似体として、それだけには限らないが、以下の表3に提供される式(I)の残基1〜37に示される化合物が挙げられる。それとは反対に示されない限り、明確に提供された配列を有するペプチドを含めた本明細書に記載されたすべてのペプチドが、遊離カルボキシレートおよびアミド化形態の両方で考慮される。
【0228】
用語「リンカー」などは、本明細書に記載されたアミリンポリペプチドコンジュゲートにおけるポリペプチド成分への持続期間増強部分の取付けに関連して、順に、結合に利用可能な結合価を有するポリペプチド成分と、結合に利用可能な結合価を有する持続期間増強部分と共有結合によって結合している二価の種(−L−)を意味する。ポリペプチド成分上の利用可能な結合部位は、側鎖残基(例えば、リシン、システイン、アスパラギン酸およびその相同体)であることが好都合である。いくつかの実施形態では、ポリペプチド成分上の利用可能な結合部位は、リシンまたはシステイン残基の側鎖である。いくつかの実施形態では、ポリペプチド成分上の利用可能な結合部位は、N末端アミンである。いくつかの実施形態では、ポリペプチド成分上の利用可能な結合部位は、C末端カルボキシルである。いくつかの実施形態では、ポリペプチド成分上の利用可能な結合部位は、その主鎖原子である。本明細書において、用語「連結アミノ酸残基」とは、適宜、リンカーを介して持続期間増強部分が付いている式(I)の残基1〜37内のアミノ酸を意味する。
【0229】
いくつかの実施形態では、ポリペプチド成分を持続期間増強部分と共有結合によって連結するリンカーを有する化合物が提供される。リンカーはオプショナルである、すなわち、任意のリンカーは、簡単に、単結合であり得る。いくつかの実施形態では、リンカーは、ポリペプチド成分の側鎖に付いている。いくつかの実施形態では、リンカーは、ポリペプチド成分の主鎖原子に付いている。
【0230】
別の態様では、配列番号110またはその類似体を有するプラムリンチドの誘導体であり、位置1のアミノ酸残基が存在せず(すなわち、des−Lys
1)、位置2〜37のアミノ酸残基がリシン残基またはシステイン残基で置換されており、前記リシン残基またはシステイン残基が、適宜、リンカーを介してポリエチレングリコールポリマーと連結しており、アミノ酸番号付けが配列番号110におけるアミノ酸番号と一致するアミリンポリペプチドコンジュゲートが提供される。
【0231】
別の態様では、本発明は、配列番号110またはその類似体を有するプラムリンチドの誘導体であり、位置1のアミノ酸残基が存在せず(すなわち、des−Lys
1)、位置2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、31、32、33、34、35、36または37のうちいずれか1つにおけるアミノ酸残基が、リシン残基で置換されており、前記リシン残基が、適宜、リンカーを介してポリエチレングリコールポリマーと連結しているアミリンポリペプチドコンジュゲートに関する。
【0232】
別の態様では、本発明は、配列番号110またはその類似体を有するプラムリンチドの誘導体であり、位置1のアミノ酸残基が存在せず(すなわち、des−Lys
1)、位置21、24〜29、または31のうちいずれか1つにおけるアミノ酸残基が、リシン残基で置換されており、前記リシン残基が、適宜、リンカーを介してポリエチレングリコールポリマーと連結しているアミリンポリペプチドコンジュゲートに関する。
【0233】
別の態様では、本発明は、配列番号110またはその類似体を有するプラムリンチドの誘導体であり、位置1のアミノ酸残基が存在せず(すなわち、des−Lys
1)、位置21のアミノ酸残基が、リシン残基で置換されており、前記リシン残基が、適宜、リンカーを介してポリエチレングリコールポリマーと連結しているアミリンポリペプチドコンジュゲートに関する。
【0234】
別の態様では、本発明は、配列番号110またはその類似体を有するプラムリンチドの誘導体であり、位置1のアミノ酸残基が存在せず(すなわち、des−Lys
1)、位置24のアミノ酸残基が、リシン残基で置換されており、前記リシン残基が、適宜、リンカーを介してポリエチレングリコールポリマーと連結しているアミリンポリペプチドコンジュゲートに関する。
【0235】
別の態様では、本発明は、配列番号110またはその類似体を有するプラムリンチドの誘導体であり、位置1のアミノ酸残基が存在せず(すなわち、des−Lys
1)、位置25のアミノ酸残基が、リシン残基で置換されており、前記リシン残基が、適宜、リンカーを介してポリエチレングリコールポリマーと連結しているアミリンポリペプチドコンジュゲートに関する。
【0236】
別の態様では、本発明は、配列番号110またはその類似体を有するプラムリンチドの誘導体であり、位置1のアミノ酸残基が存在せず(すなわち、des−Lys
1)、位置26のアミノ酸残基が、リシン残基で置換されており、前記リシン残基が、適宜、リンカーを介してポリエチレングリコールポリマーと連結しているアミリンポリペプチドコンジュゲートに関する。
【0237】
別の態様では、本発明は、配列番号110またはその類似体を有するプラムリンチドの誘導体であり、位置1のアミノ酸残基が存在せず(すなわち、des−Lys
1)、位置27のアミノ酸残基が、リシン残基で置換されており、前記リシン残基が、適宜、リンカーを介してポリエチレングリコールポリマーと連結しているアミリンポリペプチドコンジュゲートに関する。
【0238】
別の態様では、本発明は、配列番号110またはその類似体を有するプラムリンチドの誘導体であり、位置1のアミノ酸残基が存在せず(すなわち、des−Lys
1)、位置28のアミノ酸残基が、リシン残基で置換されており、前記リシン残基が、適宜、リンカーを介してポリエチレングリコールポリマーと連結しているアミリンポリペプチドコンジュゲートに関する。
【0239】
別の態様では、本発明は、配列番号110またはその類似体を有するプラムリンチドの誘導体であり、位置1のアミノ酸残基が存在せず(すなわち、des−Lys
1)、位置29のアミノ酸残基が、リシン残基で置換されており、前記リシン残基が、適宜、リンカーを介してポリエチレングリコールポリマーと連結しているアミリンポリペプチドコンジュゲートに関する。
【0240】
別の態様では、本発明は、配列番号110またはその類似体を有するプラムリンチドの誘導体であり、位置1のアミノ酸残基が存在せず(すなわち、des−Lys
1)、位置31のアミノ酸残基が、リシン残基で置換されており、前記リシン残基が、適宜、リンカーを介してポリエチレングリコールポリマーと連結しているアミリンポリペプチドコンジュゲートに関する。
【0241】
いくつかの実施形態では、持続期間増強部分は、水溶性ポリマーである。「水溶性ポリマー」とは、本明細書に記載された方法にとって有用であるよう、当技術分野で公知のように、例えば、温度、イオン濃度などの生理学的条件下で水に十分に可溶性であるポリマーを意味する。水溶性ポリマーは、このような水溶性ポリマーが付いているペプチドまたはその他の生体分子の溶解度を増大し得る。実際、このような取付けは、インビボで、投与されるタンパク質の循環寿命、水溶解度および/または抗原性を改善するための手段として提案されている。例えば、米国特許第4,179,337号、米国公開出願第2008/0032408号を参照のこと。この目的に向けて、ポリエチレングリコール、エチレングリコール/プロピレングリコールのコポリマー、カルボキシメチルセルロース、デキストラン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリ−1,3−ジオキソラン、ポリ−1,3,6−トリオキサン、エチレン/無水マレイン酸コポリマー、ポリアミノ酸(ホモポリマーまたはランダムコポリマーのいずれか)などといった、多数の異なる水溶性ポリマーおよび取付け化学(attachment chemistries)が使用されている。
【0242】
いくつかの実施形態では、連結される持続期間増強部分は、ポリエチレングリコールを含む。治療上使用可能なポリペプチドを得ようとして、ポリエチレングリコール(「PEG」)が使用されてきた。例えば、Zalipsky, S., 1995、Bioconjugate Chemistry, 6:150-165; Mehvar, R., 2000, J. Pharm. Pharmaceut. Sci., 3:125-136を参照のこと。当業者には理解されるであろうが、PEG主鎖[(CH
2CH
2−O−)
n、n:反復モノマーの数]は、可動性であり両親媒性である。何らかの理論または作用機序に拘束されようとは思わない、長い鎖のようなPEG分子または部分は、極度に水和しており、水性媒体中にある場合には、迅速に動くと考えられている。この迅速な動きが、PEGに大容量を一掃させ、その他の分子のアプローチおよび干渉を妨げさせる考えられている。結果として、PEGポリマー鎖は、別の化学実体(ペプチドなど)に付いている場合には、免疫応答およびその他のクリアランス機序からこのような化学実体を保護し得る。結果として、ペグ化は、薬物動態を最適にすること、バイオアベイラビリティを増大することならびに免疫原性および投薬頻度を低減することによって、薬物有効性および安全性の改善につながり得る。「ペグ化」とは、通常の意味で、PEG部分の、別の化合物とのコンジュゲーションを指す。例えば、PEGを付けると、タンパク質がタンパク質分解から保護されることがわかっている。例えば、Blomhoff, H. K. et al., 1983, Biochim Biophys Acta, 757:202-208を参照のこと。それとは反対に明確に示されない限り、用語「PEG」、「ポリエチレングリコールポリマー」などは、ポリエチレングリコールポリマーおよびメトキシ−PEG(mPEG)を含めたその誘導体を指す。
【0243】
PEGおよび関連ポリマーなどのポリマー部分を、タンパク質上に見られる反応性基に付けるために、さまざまな手段が使用されてきた。例えば、米国特許第4,179,337号、同4,002,531号;Abuchowski et al., 1981、in “Enzymes as Drugs”,J. S. Holcerberg and J. Roberts, (Eds.), pp. 367-383; Zalipsky, S., 1995, Bioconjugate Chemistry, 6:150-165を参照のこと。タンパク質を修飾するためのPEGおよびその他のポリマーの使用は論じられている。例えば、Cheng, T.-L. et al., 1999m, Bioconjugate Chem., 10:520-528; Belcheva, N. et al.,1999, Bioconjugate Chem., 10:932-937; Bettinger, T. et al., 1998, Bioconjugate Chem., 9:842-846;Huang, S.-Y. et al., 1998, Bioconjugate Chem., 9:612-617; Xu, B. et al. 1998, Langmuir, 13:2447-2456; Schwarz, J. B. et al., 1999, J. Amer. Chem. Soc., 121:2662-2673; Reuter, J. D. et al., 1999, Bioconjugate Chem., 10:271-278; Chan, T.-H. et al., 1997, J. Org. Chem., 62:3500-3504を参照のこと。タンパク質中の典型的な取付け部位として、リシン残基上またはN末端のものなどの一次アミノ基、システイン側鎖上のものなどのチオール基およびグルタミン酸またはアスパラギン酸残基上またはC末端のものなどのカルボキシル基が挙げられる。取付けの一般的な部位として、糖タンパク質の糖残基に対するもの、システインまたは標的ポリペプチドのN末端およびリシンに対するものがある。用語「ペグ化」などは、本明細書に記載されるような、および/または当技術分野で公知のような、ポリエチレングリコールの、適宜、リンカーを介したポリペプチドまたはその他の生体分子への共有結合による取付けを指す。
【0244】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されたアミリンポリペプチドコンジュゲート中のPEG部分は、指定の範囲内の名目上の分子量を有する。当技術分野で通例であるように、PEG部分の大きさは、典型的にはキロダルトン(kD)で提供される名目上の分子量への言及によって示される。分子量は、数、重量、粘度および「Z」平均分子量を含めた当技術分野で公知のさまざまな方法で算出される。PEGなどといったポリマーは、名目上の平均値あたりの分子量の分布として存在するということは理解される。
【0245】
PEGの分子量についての技術用語の例示として、用語「mPEG40KD」とは、40キロダルトンの名目上の分子量を有するメトキシポリエチレングリコールポリマーを指す。その他の分子量のPEGへの言及は、この慣例に従う。いくつかの実施形態では、PEG部分は、10〜100KD、20〜80KD、20〜60KDまたは20〜40KDの範囲の名目上の分子量を有する。いくつかの実施形態では、PEG部分は、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95またはさらに100KDの名目上の分子量を有する。PEG部分は、20、25、30、40、60または80KDの分子量を有することが好ましい。
【0246】
ポリペプチドの誘導体化に有用なPEG分子は、典型的には、当技術分野で公知のように、直鎖、分岐およびWarwick(すなわち、PolyPEG(登録商標))クラスのPEGに分類される。それとは反対に明確に示されない限り、本明細書に記載されたPEG部分は、直鎖PEGである。さらに、用語「2アーム分岐」、「Y型」などは、当技術分野で公知のように、分岐PEG部分を指す。用語「Warwick」は、PEGとの関連において、「コーム」または「コーム型」PEGとしても知られ、当技術分野で公知のように、主鎖、典型的には、ポリ(メタクリレート)に付いているさまざまなマルチアームPEGを指す。本明細書において提供された表中に使用された慣例を含めた命名法に関して、反対に表示がない場合には、PEG部分は、ペプチドの主鎖に付いている。例えば、化合物119は、mPEG40KDの、化合物101のN末端窒素とのコンジュゲーションの結果である。同様に、化合物120は、mPEG40KDの、化合物102のN末端窒素とのコンジュゲーションの結果である。アミノ酸の標準的な一文字略語が使用され得、同様に三文字略語も使用され得る。例えば、化合物124は、化合物109の位置26の残基が、リシンと置換されており、リシン26(すなわち、K
26)のペンダントアミン官能基が、PEG40KD部分とコンジュゲートされている化合物110の類似体である。例示的化合物が以下の表4中に提供されている。
【0248】
化学部分が付いているアミリンおよびアミリン類似体は、アミリン誘導体である。アミリン誘導体は、そのアミノ酸側鎖、α−炭素原子、末端アミノ基または末端カルボン酸基のうちの1つまたは複数の化学修飾がなされているアミリンを構成し得る。化学的修飾として、制限するものではないが、1つまたは複数の化学部分を付けること、新規結合を作製することおよび1つまたは複数の化学部分を除去することが挙げられる。アミノ酸側鎖の修飾として、制限するものではないが、アルキル化、アシル化、エステル形成、アミド形成、マレイミドカップリング、リシンε−アミノ基のアシル化、アルギニン、ヒスチジンまたはリシンのN−アルキル化、グルタミン酸またはアスパラギン酸カルボン酸基のアルキル化およびグルタミンまたはアスパラギンの脱アミド化が挙げられる。末端アミノの修飾として、制限するものではないが、デスアミノ、N−低級アルキル、N−ジ−低級アルキルおよびN−アシル修飾が挙げられる。末端アミノの修飾として、制限するものではないが、デスアミノ、N−低級アルキル、N−ジ−低級アルキルおよびアルキルアシル、分岐アルキルアシル、アルキルアリール−アシルなどのN−アシル修飾が挙げられる。末端カルボキシ基の修飾として、制限するものではないが、アミド、低級アルキルアミド、ジアルキルアミド、アリールアミド、アルキルアリールアミドおよび低級アルキルエステル修飾が挙げられる。低級アルキルは、C
1−C
4アルキルである。さらに、1種または複数の側鎖または末端基は、合成化学の当業者に公知の保護基によって保護されてもよい。アミノ酸のα−炭素は、一メチル化または二メチル化されてもよい。
【0249】
アミリン誘導体は、ポリ−his、ポリ−arg、ポリ−lysおよびポリ−alaなどのポリアミノ酸の付加によってか、または短いアルキルおよび制限されたアルキル(例えば、分岐、環状、融合、アダマンチル)および芳香族基を含む小分子置換基の付加によって、1つまたは複数の、上記のようなポリエチレングリコール(「PEG」)などの水溶性ポリマー分子または種々の長さの脂肪酸鎖(例えば、ステアリル、パルミトイル、オクタノイル)とコンジュゲートしているアミリンおよびアミリン類似体を含む。いくつかの実施形態では、水溶性ポリマー分子は、約500ダルトン〜約60,000ダルトンの範囲の分子量を有することとなる。抗肥満症剤として、本発明の操作されたポリペプチドと組み合わせて使用するのに適したアミリン誘導体については、例えば、PCT特許公報WO2007/104789、WO2009/034119およびWO2010/046357を参照のこと。
【0250】
このようなポリマー−コンジュゲーションは、N−もしくはC−末端で、または本明細書に開示されたアミリンまたはアミリン類似体の配列内のアミノ酸残基の側鎖で単独で起こり得る。あるいは、このようなアミリンまたはアミリン類似体のアミノ酸配列に沿って複数の部位の誘導体化があり得る。1種または複数のアミノ酸の、リシン、アスパラギン酸、グルタミン酸またはシステインでの置換は、誘導体化のためのさらなる部位を提供し得る。いくつかの実施形態では、アミリンまたはアミリン類似体は、1つ、2つまたは3つのポリマー分子とコンジュゲートされ得る。
【0251】
いくつかの実施形態では、水溶性ポリマー分子は、アミノ、カルボキシルまたはチオール基と連結され、NもしくはC末端によって、またはリシン、アスパラギン酸、グルタミン酸もしくはシステインの側鎖で連結され得る。あるいは、水溶性ポリマー分子は、ジアミンおよびジカルボキシル基と連結され得る。いくつかの実施形態では、アミリンまたはアミリン類似体は、リシンアミノ酸上のεアミノ基によって1個、2個または3個のPEG分子とコンジュゲートされる。
【0252】
驚くべきことに、本発明の操作されたポリペプチドが、特定のその他の抗肥満症化合物と組み合わせて投与されると、中程度の肥満(30以上のBMI)および重度の肥満(35以上のBMI)の対象の両方に、有益な相乗的抗肥満症効果を提供することを発見した。例えば、米国公開出願第2008/0207512号に先に記載されたように、肥満の対象には、レプチン抵抗性の状態が存在することがわかっている。例えば、Tenenbaum, D., HHMI Bulletin, pp. 25-27 (March 2003); Chicurel, M., Nature, Vol. 404, pp. 538-540 (2000); Scarpace et al., Diabetalogia, Vol. 48, pp. 1075-1083 (2005);およびBays et al., Obesity Research, Vol. 12,(8), pp. 1197-1211 (2004)も参照のこと。このレプチン抵抗性は、少なくとも一部は、肥満の対象における異常に高い血清レプチンレベルの存在を特徴とし、内因的に投与されようと、外因的に投与されようと、これらの対象をレプチンに対して効率的に反応できなくさせる。このレプチン抵抗性は、中程度の肥満の対象では、レプチン(例えば、メトレレプチン)および特定のその他の抗肥満症化合物を含めた併用療法を用いて克服され得ることがこれまでにわかっている。例えば、米国公開出願第2008/0207512号を参照のこと。レプチン併用療法の相乗的抗肥満症効果は、おそらくは、重度のレプチン抵抗性のために重度の肥満の高BMI対象では存在しないことがさらにわかった。本発明者らは、驚くべきことに、本発明の操作された化合物は、特定のその他の抗肥満症化合物と組み合わせて投与されると、重度のレプチン抵抗性さえも克服できることを発見した。したがって、一方の抗肥満症剤が、本発明の操作されたポリペプチドであり、もう一方の抗肥満症剤が、アミリン、アミリン類似体、アミリンアゴニストまたはアミリン誘導体(すなわち、アミリン剤)である少なくとも2種の異なる抗肥満症剤を投与することによって、高BMI対象を含めた対象において、肥満症および肥満症関連状態、障害および疾患を治療する方法もまた本発明によって提供される。
【0253】
特定の実施形態では、本発明は、本発明の操作されたポリペプチドから選択される第1の抗肥満症剤の、アミリン、アミリン類似体、アミリンアゴニストまたはアミリン誘導体から選択される第2の抗肥満症剤と組み合わせた投与を含み、薬剤の投与が、いずれかの薬剤単独の投与と比較して相乗作用をもたらす、それを必要とする対象において肥満症を治療する方法を提供する。
【0254】
一態様では、本発明の方法は、投与された薬剤の間で相乗的抗肥満症効果を提供する。したがって、特定の実施形態では、抗肥満症剤の組合せの投与は、抗肥満症剤単独の投与(単剤療法)の結果の組合せよりも大きい効果、例えば、栄養素利用性の減少、体重の減少、食物摂取の減少、代謝の増大をもたらす。
【0255】
「低下した栄養素利用性」とは、身体が、脂肪として貯蔵するための身体にとって利用可能な栄養素を減少させる任意の手段を含むものとする。言い換えれば、栄養素利用性の減少は、それだけには限らないが、食欲を減少させること、満腹を増大すること、食物の選択/味覚嫌悪に影響を及ぼすこと、代謝の増大および/または食物吸収の低減もしくは阻害を含む手段によるものであり得る。影響を受け得る例示的機序として、胃内容排出の遅延または腸における食物の吸収の減少が挙げられる。
【0256】
本明細書において、「それを必要とする対象」とは、過体重、肥満であるか、または体重減少を望む対象を含む。肥満対象は、中程度の肥満、低BMI集団および重度の肥満、高BMI集団の両方を含む。さらに、インスリン抵抗性、グルコース不耐性であるか、または任意の形態の真性糖尿病(例えば、1型、2型または妊娠糖尿病)を有する対象が、本発明の方法から恩恵を受け得る。
【0257】
「代謝速度」とは、時間単位あたりの放散された/費やされたエネルギーの量を意味する。単位時間あたりの代謝は、食物消費、熱として放出されるエネルギーまたは代謝プロセスにおいて使用される酸素によって推定され得る。一般に、体重を減少させたい場合には、より高い代謝速度を有することが望ましい。例えば、高い代謝速度を有する人は、その活動について低い代謝速度を有する人よりも、多くのエネルギーを費やし(例えば、身体が、より多くのカロリーを燃やし)、活動を行うことができる可能性がある。
【0258】
本明細書において、「除脂肪質量」または「除脂肪体重」とは、筋肉および骨を指す。除脂肪体重は、必ずしも、脂肪を含まない質量を示すわけではない。除脂肪体重は、中枢神経系(脳および脊髄)、骨の骨髄および内臓内の小さいパーセンテージの脂肪(おおよそ3%)を含有する。除脂肪体重は、密度の点で測定される。脂肪質量および除脂肪質量を測定する方法として、それだけには限らないが、水中体重法、空気置換プレチスモグラフ、X線、DEXAスキャン、MRIおよびCTスキャンが挙げられる。特定の実施形態では、脂肪質量および除脂肪質量は、当技術分野で公知の水中体重法を使用して測定される。
【0259】
「脂肪分布」とは、身体における脂肪沈着の位置を意味する。このような脂肪沈着の位置として、例えば、皮下、内臓および異所性脂肪貯蔵所が挙げられる。
【0260】
「皮下脂肪」とは、皮膚表面の直下の脂質の蓄積を意味する。対象における皮下脂肪の量は、皮下脂肪の測定のために利用可能な任意の方法を使用して測定され得る。皮下脂肪を測定する方法は、当技術分野で公知であり、例えば、その全文が参照により本明細書に組み込まれる米国特許第6,530,886号に記載されるもの。
【0261】
「内臓脂肪」とは、内臓脂肪組織としての脂肪の蓄積を意味する。内臓脂肪は、重要な臓器を取り囲み、肝臓によって代謝されて、血液コレステロールを生成し得る。内臓脂肪は、多嚢胞性卵巣症候群、メタボリックシンドロームおよび心血管疾患などの状態のリスクの増大と関連している。
【0262】
「異所性脂肪貯蔵」とは、除脂肪体重(例えば、骨格筋、心臓、肝臓、膵臓、腎臓、血管)を構成する組織および臓器内の、およびそれらの周囲の脂質蓄積を意味する。一般に、異所性脂肪貯蔵とは、身体の古典的な脂肪組織貯蔵所の外側の脂質の蓄積である。
【0263】
本明細書において、当技術分野で十分に理解されるように、「治療」は、臨床結果を含めた、有益なまたは所望の結果を得るためのアプローチである。疾患、障害または状態を「治療すること」または「緩和すること」とは、障害を治療していないことと比較して、状態、障害もしくは病状の程度および/もしくは望ましくない臨床症状が減少することならびに/または進行の経時的推移が減速もしくは延長されることを意味する。例えば、肥満症の治療では、体重の減少、例えば、体重の少なくとも5%の減少が、望ましい治療結果の一例である。本発明の目的上、有益なまたは所望の臨床結果として、それだけには限らないが、1種または複数の症状の軽減または寛解、疾患の程度の減少、安定した(すなわち、悪化しない)病状、疾患進行の遅延または減速、病状の寛解または緩和および検出可能であろうと、検出不可能であろうと、緩解(部分的であろうと、全体的であろうと)が挙げられる。「治療」はまた、治療を受けていない場合に予測される生存と比較して生存を延長することを意味し得る。さらに、治療は、必ずしも1用量の投与によって起こるわけではなく、一連の用量の投与時に起こることが多い。したがって、1回または複数の投与において、治療上有効な量、緩和するのに十分な量または疾患、障害もしくは状態を治療するのに十分な量が投与され得る。
【0264】
本明細書において、用語「治療上有効な量」とは、治療されている障害の症状の軽減を含む、研究者、獣医、医師またはその他の臨床医によって捜し求められている組織、系、対象またはヒトにおける生物学的または医学的反応を誘発する組成物中の活性化合物の量を意味する。本発明の治療の新規方法は、当業者に公知の障害のためのものである。
【0265】
本明細書において、用語「予防的に有効な量」とは、肥満症または肥満症関連障害、状態または疾患のリスクとして、対象において肥満症または肥満症関連障害、状態または疾患の発症を防ぐための、研究者、獣医、医師またはその他の臨床医によって捜し求められている組織、系、対象またはヒトにおける生物学的または医学的反応を誘発する組成物中の活性化合物の量を意味する。
【0266】
本発明の別の態様では、代謝障害を発生するリスクを低減する方法が提供され、方法は、対象の体重を減少するのに有効な量の抗肥満症剤の組合せを対象へ投与することを含む。
【0267】
本発明のいくつかの実施形態では、対象において代謝速度を増大するために、対象において代謝速度の低減を減少させるために、または対象において代謝速度を保つために本発明の方法が使用される。特定の実施形態では、代謝速度は、除脂肪身体組織を上回る、エネルギー供給源としての身体の脂肪の優先的使用を含み得る。一態様では、除脂肪体重は、抗肥満症剤の組合せの投与後に減少しない。別の態様では、除脂肪体重の低減は、抗肥満症剤の組合せの投与後に減少されるか、防がれる。さらに別の態様では、除脂肪体重は、抗肥満症剤の組合せの投与後に増大する。エネルギー供給源としての脂肪のこのような優先傾向は、治療期間の開始および終了時に総体重および脂肪含量を測定することによって確認される、脂肪組織の量と除脂肪身体組織とを比較することによって決定され得る。代謝速度の増大は、一定期間にわたる対象によるカロリーまたは別のエネルギー供給源の、抗肥満症剤の組合せの投与を伴わない実質的に同様または同一である条件下での別の期間にわたる対象によるカロリーまたはその他のエネルギー供給源の使用のレベルと比較したより高レベルの使用である。特定の実施形態では、代謝速度は、抗肥満症剤の組合せの投与を伴わない実質的に同様または同一である条件下での別の期間にわたる対象によるカロリーまたはその他のエネルギー供給源の使用のレベルと比較して、対象において少なくとも約5%増大され、その他の実施形態では、代謝速度は、対象において少なくとも約10%、15%、20% 25%、30%または35%増大される。代謝速度の増大は、例えば、呼吸熱量計を使用して測定され得る。これらの実施形態において使用されるような抗肥満症剤の有効量とは、薬剤を投与されていない対象または薬剤のうち1種のみを投与されている対象と比較して、組合せで投与された場合に、対象において代謝速度を増大するのに有効な各薬剤の量である。
【0268】
別の実施形態では、対象において代謝速度の低減を減少させる方法が提供される。このような代謝速度の低減は、例えば、カロリーを低下させた食事、制限食または体重減少による代謝速度の低下につながる任意の状態または栄養レジメンおよび理学レジメンの結果であり得る。制限食は、食物の種類もしくは食物の量の両方に関して許容または禁止を含み、または必ずしもカロリーに基づいてではなく、両方とも食事において許可される。例えば、個々の食事におけるように、身体は、カロリー摂取の低下に基づく代謝速度の低下を代償する。本質的には、身体は、食物の必要量を下方制御し、それによって、少ない食物で存続する。食事療法を継続するにつれ、カロリー摂取の閾値は低下する。食事制限を終了すると、低下したカロリー摂取閾値および低い基礎代謝速度のために、個体は、典型的には、正常な食事を取りながら体重が増大する(NIH Technology Assessment Conference Panel (1992) Ann. Intern. Med. 116:942-949; Wadden (1993) Ann. Intern. Med. 119:688-693)。一態様では、代謝速度の喪失が、カロリーの低下した食事または体重減少の結果である場合に、対象において代謝速度の喪失を低下させる方法が提供される。このような方法を使用することによって、対象の代謝速度の低下が、対象において、少なくとも約10%、15%、20% 25%、30%、35%、40%、50%、60%、70%、80%、90%または95%減少する。このような方法については、代謝速度の喪失または低下につながる状態または栄養的および理学レジメンが開始される時点で、抗肥満症剤の組合せを投与することが望ましいことであり得る。しかし、状態または栄養レジメンおよび理学レジメンが開始される前に、薬剤の投与は開始されることも考慮される。一例では、代謝速度は、呼吸熱量計を使用して測定される。この実施形態において使用される抗肥満症剤の有効量とは、組み合わせて投与される場合に、対象における代謝速度の低下を減少させるのに有効な各薬剤の量である。
【0269】
別の態様では、組み合わせた抗肥満症剤の有効量を対象に投与することを含む、代謝プラトーを低下させる方法が提供される。特定の実施形態では、対象は、例えば、カロリーの低下した食事、運動の増大またはそれらの組合せのために、体重が減少しているか、体重が減少してしまっている。「代謝プラトー」とは、身体が、カロリーまたはエネルギー投入の変化に適応する定常代謝速度の時間間隔を意味する。カロリー投入または消費の変化は、例えば、カロリーを抑えた食事または身体活動の増大の結果であり得る。このようなプラトーは、例えば、体重減少が遅いか、または停止する場合に体重減少レジメンの間に観察され得る。特定の実施形態では、本発明の方法は、抗肥満症剤の組合せの投与を伴わない実質的に同様または同一である条件下での同一期間にわたる、そうでなければ同一である対象における代謝プラトーの期間と比較して、対象において代謝プラトーの期間を低減する。その他の実施形態では、本発明の方法は、抗肥満症剤の組合せの投与を伴わない実質的に同様または同一である条件下での同一期間にわたる、そうでなければ同一である対象における代謝プラトーの頻度と比較して、代謝プラトーの頻度を低減する。さらにその他の実施形態では、本発明の方法は、抗肥満症剤の組合せの投与を伴わない実質的に同様または同一である条件下での同一期間にわたる、そうでなければ同一である対象における代謝プラトーの発生と比較して、代謝プラトーの発生を遅延する。特定の実施形態では、代謝プラトーは、体重減少が減少したか、または体重減少がない期間を図で示すことによって同定される。特定の実施形態では、少なくとも1つの代謝プラトーが低減される。その他の実施形態では、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9または10の代謝プラトーが低減される。別の態様では、代謝プラトーは、同一または同様の条件下で抗肥満症剤の組合せを投与されていない対象と比較して、1日遅延される。その他の態様では、代謝プラトーは、対象において2日、3日、4日、5日、6日、1週間、10日、2週間または3週間遅延される。
【0270】
さらにその他の実施形態では、対象において代謝速度を保つ方法が提供される。特定の実施形態では、対象は、例えば、カロリーを抑えた食事、制限食または予測される体重減少の開始のために、代謝速度を喪失するリスクにあり得る。代謝速度を保つことは、抗肥満症剤の組合せの投与を伴わない実質的に同様または同一である条件下での同一期間にわたる、そうでなければ同一である対象によるカロリーまたはその他のエネルギー供給源の使用のレベルと比較して、一定期間にわたって対象によるカロリーまたは別のエネルギー供給源の使用のレベルを維持することである。一態様では、代謝速度は、代謝速度の低減をもたらす事象の開始前の対象の代謝速度の15%以内に維持される。その他の態様では、代謝速度は、対象の代謝速度の10%以内、7%以内、5%以内、3%以内またはそれより少なく維持される。一態様では、抗肥満症剤の組合せは、カロリーを抑えた食事、制限食または運動レジメンの開始時に投与される。
【0271】
代謝速度は、このような速度を調べるために利用可能な任意の方法を使用して、例えば、呼吸熱量計を使用して評価され得る。このような方法および代謝速度をアッセイするためのデバイスは、当技術分野で公知であり、例えば、米国特許第4,572,208号、第4,856,531号、第6,468,222号、第6,616,615号、第6,013,009号および第6,475,158号に記載されている。あるいは、動物の代謝速度は、食事療法期間後に動物によって異化された除脂肪組織対脂肪組織の量を測定することによって評価され得る。したがって、総体重および脂肪含量は、食事療法期間の最後に測定され得る。ラットでは、総体脂肪を調べるために頻繁に使用される方法は、後腹膜脂肪パッド、後腹膜中に位置する脂肪体、腹部壁の後ろ側と壁側腹膜の後ろ側の間の領域を外科的に採取し、秤量することである。パッド重量は、動物の体脂肪パーセントと直接的に関連すると考えられている。ラットにおける体重と体脂肪の関係は、直線的であるので、肥満の動物は、相応して高いパーセントの体脂肪および後腹膜脂肪パッド重量を有する。
【0272】
本発明の別の態様では、対象の代謝速度を増大させることによって脂肪質量を減少させるのに有効な量の抗肥満症剤の組合せを投与することを含む、対象における代謝速度を増大させることによって脂肪質量を低減する方法が提供される。脂肪質量は、総体重のパーセンテージとして表され得る。いくつかの態様では、脂肪質量は、治療の経過にわたって、少なくとも1%、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%または少なくとも25%低減される。一態様では、対象の除脂肪質量は、治療の経過にわたって低減されない。別の態様では、対象の除脂肪質量は、治療の経過にわたって維持されるか、または増大される。別の態様では、対象は、カロリーを抑えた食事または制限食にある。「カロリーを抑えた食事」とは、対象が、同一対象の正常な食事と比較して、1日あたりより少ないカロリーを摂取していることを意味する。一例では、対象は、1日あたり、少なくとも50少ないカロリーを消費している。その他の例では、対象は、1日あたり、少なくとも100、150、200、250、300、400、500、600、700、800、900または1000少ないカロリーを消費している。
【0273】
本発明の特定の実施形態では、対象において脂肪分布を変更するのに有効な量の抗肥満症剤の組合せを投与することを含む、対象において脂肪分布を変更する方法が提供される。一態様では、変更は、対象における内臓または異所性脂肪または両方の代謝の増大に起因する。いくつかの実施形態では、方法は、皮下脂肪に対してよりも、少なくとも約5%、10%、15%、20%、25%、30%、40%または50%大きい割合での内臓または異所性脂肪または両方の代謝を含む。一態様では、本方法は、好都合な脂肪分布をもたらす。特定の実施形態では、好都合な脂肪分布は、内臓脂肪、異所性脂肪または両方に対する皮下脂肪の割合の増大である。一態様では、本方法は、例えば、筋肉細胞質量の増大の結果としての除脂肪体重の増大を含む。
【0274】
その他の実施形態では、対象において皮下脂肪の量を低減するのに有効な量の抗肥満症剤の組合せを、それを必要とする対象に投与することを含む、対象における皮下脂肪の量を低減する方法が提供される。一例では、対象において皮下脂肪の量は、少なくとも約5%低減される。その他の例では、皮下脂肪の量は、抗肥満症剤の投与の前の対象と比較して、少なくとも約10%、15%、20%、25%、30% 40%または50%低減される。
【0275】
本明細書に記載された方法を使用して、対象において内臓脂肪の量を低減できる。一例では、内臓脂肪は、対象において少なくとも約5%低減される。その他の例では、内臓脂肪は、抗肥満症剤の組合せの投与前の対象と比較して、対象において少なくとも約10%、15%、20%、25%、30% 40%または50%低減される。内臓脂肪は、対象における内臓脂肪の量を調べるために利用可能な任意の手段によって測定され得る。このような方法として、例えば、CTスキャニングおよびMRIの手段による腹部断層撮影が挙げられる。内臓脂肪を調べるためのその他の方法は、例えば、米国特許第6,864,415号、同6,850,797号および同6,487,445号に記載されている。
【0276】
特定の実施形態では、対象において異所性脂肪の蓄積を防ぐ方法または異所性脂肪の量を低減する方法が提供され、この方法は、対象において異所性脂肪の蓄積を防ぐのに、または異所性脂肪の量を低減するのに有効な量の抗肥満症剤の組合せを、それを必要とする対象に投与することを含む。一例では、異所性脂肪の量は、抗肥満症剤の組合せの投与前の対象と比較して、対象において少なくとも約5%低減される。その他の例では、異所性脂肪の量は、対象において少なくとも約10%または少なくとも約15%、20%、25%、30% 40%または50%低減される。あるいは、異所性脂肪の量は、対象における皮下脂肪と比較して、比例的に5%、10%、15%、20%、25%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%または100%低減される。異所性脂肪は、異所性脂肪を測定するために利用可能な任意の方法を使用して対象において測定され得る。
【0277】
その他の実施形態では、対象においてより好都合な脂肪分布をもたらす方法が提供され、この方法は、対象に、好都合な脂肪分布をもたらすのに有効な量の抗肥満症剤の組合せを投与することを含む。特定の実施形態では、抗肥満症剤の組合せの投与は、対象において内臓脂肪または異所性脂肪または両方の量を低減する。例えば、抗肥満症剤の組合せ、食物摂取または体重調節または両方に関与している後脳構造に作用する少なくとも1種の抗肥満症剤の投与と組み合わせた、食物摂取または体重調節または両方に関与している前脳構造に作用する少なくとも1種の抗肥満症剤の投与。特定の実施形態では、本方法は、内臓または異所性脂肪または両方の組合せの量を、皮下脂肪の低減を上回って選択的に低減する。このような方法は、内臓脂肪または異所性脂肪に対して、より高い割合の皮下脂肪をもたらす。このような改善された割合は、心血管疾患、多嚢胞性卵巣症候群、メタボリックシンドロームまたはそれらの任意の組合せの発生のリスクの低下をもたらし得る。特定の実施形態では、異所性または内臓脂肪は、皮下脂肪よりも5%大きい割合で代謝される。その他の実施形態では、異所性または内臓脂肪は、皮下脂肪よりも少なくとも10% 15%、20%、25%、30% 50%、60%、70%、80%、90%または100%大きい割合で代謝される。
【0278】
なお別の態様では、本発明の方法は、グルココルチコステロイドと組み合わせて投与された抗肥満症剤の組合せの治療上有効な量の使用を含む。グルココルチコステロイドは、脂肪質量を増大し、除脂肪質量を低減するという有害作用を有する。したがって、グルココルチコステロイド使用が有益である条件下で、抗肥満症剤の組合せをグルココルチコステロイドと併せて使用できると考慮される。
【0279】
なお別の態様では、本発明の方法は、オルリスタット、フェンテルミン、トピラメート、CONTRAVEおよびQNEXAから選択される治療薬と組み合わせて投与された、1種の抗肥満症剤または抗肥満症剤の組合せの治療上有効な量の使用を含む。いくつかの実施形態では、本発明の方法は、オルリスタット、フェンテルミン、トピラメート、CONTRAVEおよびQNEXAから選択された治療薬と組み合わせた、本発明の操作されたポリペプチドの治療上有効な量の使用を含む。その他の実施形態では、本発明の方法は、オルリスタット、フェンテルミン、トピラメート、CONTRAVEおよびQNEXAから選択される治療薬と組み合わせた、アミリン、アミリン類似体、アミリンアゴニストまたはアミリン誘導体の治療上有効な量の使用を含む。その他の実施形態では、本発明の方法は、アミリン、アミリン類似体、アミリンアゴニストまたはアミリン誘導体ならびにオルリスタット、フェンテルミン、トピラメート、CONTRAVEおよびQNEXAから選択される治療薬と組み合わせた本発明の操作された化合物の治療上有効な量の使用を含む。
【0280】
また、まず、対象の体重を、病的に肥満であるより低いレベルに低減すること、次いで、対象に、対象の体重をさらに低減するのに有効な量の抗肥満症剤の組合せを投与することによって、病的に肥満の対象において体重を低減する方法も提供される。対象の体重を病的肥満症のものより低く低減する方法は、カロリー摂取を低減すること、身体活動を増大すること、薬物療法、胃バイパス術などの肥満外科手術または前記の方法のいずれかの組合せを含む。一態様では、抗肥満症剤の組合せを投与することは、対象の体重をさらに低減する。その他の実施形態では、対象の体重をさらに低減するのに有効な量の抗肥満症剤の組合せを投与することによって、40以下の肥満度指数を有する対象において肥満度指数を低下させる方法が提供される。
【0281】
体重を低減することとは、治療の経過が、数日、数週間、数カ月または数年であるかにかかわらず、治療の経過にわたって、対象が、その総体重の一部を喪失することを意味する。あるいは、体重を低減することは、除脂肪質量に対する脂肪質量の割合の低下として定義され得る(言い換えれば、対象は、脂肪質量を喪失したが、除脂肪質量を維持または増大し、必ずしも、総体重の対応する喪失は伴わない)。これらの実施形態において組み合わせて投与された抗肥満症剤の有効量とは、治療の経過にわたって対象の体重を低減するのに有効な量あるいは治療の経過にわたって対象の脂肪質量のパーセンテージを低下させるのに有効な量である。特定の実施形態では、対象の体重は、治療の経過にわたって少なくとも約1%、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%または少なくとも約20%低減される。あるいは、対象の脂肪質量のパーセンテージは、治療の経過にわたって、少なくとも1%、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%または少なくとも25%低下される。
【0282】
特定の実施形態では、体重を低減する方法は、体重維持への固守(adherence)の改善を含む。何らかの理論に拘束されようとは思わないが、本明細書に記載されるような抗肥満症剤の投与によって達成されるレプチン応答性の回復は、肥満対象の厳しい課題を克服する。先の体重減少法では、体重が低減してもレプチンレベルが、依然として、正常よりも高いままである場合があり、これが、対象が体重減少を維持することを困難にする。本明細書に記載された方法は、体重を低減する方法だけでなく、体重維持への固守の改善という構成要素も含む。
【0283】
特定の実施形態では、栄養素利用性を減少させる、例えば、対象において体重を低減する方法は、対象に、1日につき1回または複数回のボーラス用量の抗肥満症剤の有効量を投与することを含む。ボーラス用量とは、医薬の断続的投与量(連続注入とは対照的に)である。対象は、1日あたり1回または複数回のボーラス用量を投与され得る。ボーラス用量は、対象にいつ投与されても同一であり得るか、または1日のうちの特定の時点で、その他のものと比較して、より大きなボーラス用量を対象が投与されるよう調整され得る。特定の製剤、例えば、徐放性製剤中の薬剤の投与、ボーラス用量は、あまり頻繁に投与されなくてもよい、例えば、3日ごとに1回、週あたり1回、月に2回、月に1回。さらに、ボーラス用量間の時間は、これまでのボーラス用量で投与される薬物が、対象の血流をクリアにするのを可能にするよう十分に長いことが好ましい。
【0284】
その他の実施形態では、栄養素利用性を減少させる方法、例えば、対象において体重を低減する方法は、対象に抗肥満症剤の有効量を、連続用量で投与することを含む。連続用量とは、例えば、静脈内注射または経皮パッチによる薬物の連続注入を意味するものとする。あるいは、連続用量は、薬物を一定期間にわたって対象の系中に放出する制御放出カプセル剤または錠剤の形態で経口的に投与され得る。連続用量によって投与される場合には、薬物は、約1時間の期間にわたって放出され、いくつかの場合には、薬物は、約2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、18または24時間の期間にわたって放出される。
【0285】
「組み合わせて投与された」とは、抗肥満症剤が、単回投与として、別個の用量として同時に投与されるか、または逐次投与されることを意味する。逐次投与とは、抗肥満症剤の1種を、抗肥満症剤の前または後のいずれかに投与することを指す。特定の実施形態では、第1の抗肥満症剤は、少なくとも1種のその他の抗肥満症剤の約30分前または後に投与され、その他の実施形態では、少なくとも1種のその他の抗肥満症剤の約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11または12時間前または後に投与される。投与される抗肥満症剤のいずれも、ボーラス用量として投与されても、または連続用量として投与されてもよい。
【0286】
さらに、特定の実施形態では、組み合わせた体重誘導剤(weight−inducing agents)の投与は、本発明の態様のいずれにおいても相乗作用をもたらす。さらに、特定の実施形態では、組み合わせた体重誘導剤の投与は、同一効果を有する少なくとも1種の薬剤のより少ない必要用量をもたらす。
【0287】
したがって、一実施形態では、少なくとも2種の異なる抗肥満症剤の治療上有効な量を末梢性に投与することを含み、少なくとも1種の抗肥満症剤が、アミリン、アミリン類似体、アミリンアゴニストまたはアミリン誘導体であり、少なくとも1種の抗肥満症剤が、アルブミン結合ドメインポリペプチド(ABD)と、レプチン、レプチン類似体またはその活性断片から選択される第1のペプチドホルモンドメイン(HD1)とを含む操作されたポリペプチドであり、対象が、体重を少なくとも10%、12%、15%、20%、30%、40%またはさらに50%低減する、それを必要とする対象において、肥満症を治療する方法または体重を低減する方法である。
【0288】
さらなる実施形態として、以下が挙げられる:
【0289】
実施形態1.対象において肥満症を治療する方法であって、少なくとも2種の異なる抗肥満症剤の治療上有効な量を末梢性に投与することを含み、少なくとも1種の抗肥満症剤が、アミリン、アミリン類似体、アミリンアゴニストまたはアミリン誘導体(すなわち、アミリン剤)であり、少なくとも1種の抗肥満症剤が、アルブミン結合ドメインポリペプチド(ABD)と、レプチン、レプチン類似体またはその活性断片から選択される第1のペプチドホルモンドメイン(HD1)とを含む操作されたポリペプチドであり、ABDが、配列番号301〜452、455〜463および500〜593からなる群から選択されるペプチドのいずれか1種を含む、方法。
【0290】
実施形態2.対象において体重を低減する方法であって、少なくとも2種の異なる抗肥満症剤の治療上有効な量を末梢性に投与することを含み、少なくとも1種の抗肥満症剤が、アミリン、アミリン類似体、アミリンアゴニストまたはアミリン誘導体(すなわち、アミリン剤)であり、少なくとも1種の抗肥満症剤が、アルブミン結合ドメインポリペプチド(ABD)と、レプチン、レプチン類似体またはその活性断片から選択される第1のペプチドホルモンドメイン(HD1)とを含む操作されたポリペプチドであり、ABDが、配列番号301〜452、455〜463および500〜593からなる群から選択されるペプチドのいずれか1種を含む、方法。
【0291】
実施形態3.少なくとも1種の抗肥満症アミリン剤が、アミリンアゴニストである、実施形態1または2のいずれか1つに記載の方法。
【0292】
実施形態4.アミリンアゴニストが、アミリン類似体または誘導体を含む、実施形態1から3のいずれか1つに記載の方法。
【0293】
実施形態5.アミリン類似体または誘導体が、プラムリンチドを含む、実施形態1から4のいずれか1つに記載の方法。
【0294】
実施形態6.アミリン類似体または誘導体が、表4に開示される化合物を含む、実施形態1から5のいずれか1つに記載の方法。
【0295】
実施形態7.アミリン類似体または誘導体が、Des−Lys1−[Lys26(mPEG40K)]−プラムリンチド(配列番号214)を含む、実施形態1から6のいずれか1つに記載の方法。
【0296】
実施形態8.HD1が、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号15、配列番号16、配列番号17、配列番号18、配列番号19、配列番号20、配列番号21、配列番号22、配列番号23、配列番号24、配列番号25、配列番号26、配列番号27、配列番号28、配列番号29、配列番号30、配列番号31、配列番号32、配列番号33、配列番号143、配列番号144、配列番号145、配列番号146、配列番号664、配列番号665、配列番号666、配列番号667、配列番号668、配列番号669、配列番号670、配列番号671、配列番号672、配列番号673、配列番号674、配列番号675、配列番号676、配列番号677、および配列番号680からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、実施形態1から7のいずれか1つに記載の方法。
【0297】
実施形態9.HD1が、配列番号29である、実施形態1から8のいずれか1つに記載の方法。
【0298】
実施形態10.操作されたポリペプチドが、表2に開示される化合物を含む、実施形態1から9のいずれか1つに記載の方法。
【0299】
実施形態11.操作されたポリペプチドが、配列番号594〜663および681からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、実施形態1から10のいずれか1つに記載の方法。
【0300】
実施形態12.操作されたポリペプチドが、配列番号595のアミノ酸配列を含む、実施形態1から11のいずれか1つに記載の方法。
【0301】
実施形態13.操作されたポリペプチドが、配列番号657のアミノ酸配列を含む、実施形態1から11のいずれか1つに記載の方法。
【0302】
実施形態14.アミリン剤の有効量および操作されたポリペプチドの有効量が、アミリン剤が、操作されたポリペプチドと組み合わせて前記対象に投与される場合に、いずれかの薬剤が単独で投与される場合に達成される体重減少の量よりも多量の体重減少が達成されるような量を含む、実施形態1から13のいずれか1つに記載の方法。
【0303】
実施形態15.2種の薬剤が、同時に投与される、実施形態1から14のいずれか1つに記載の方法。
【0304】
実施形態16.2種の薬剤が、一緒に混合される、実施形態1から15のいずれか1つに記載の方法。
【0305】
実施形態17.対象のBMIが、25を超える、実施形態1から16のいずれか1つに記載の方法。
【0306】
実施形態18.対象のBMIが、25から35である、実施形態1から17のいずれか1つに記載の方法。
【0307】
実施形態19.対象のBMIが、25から40である、実施形態1から18のいずれか1つに記載の方法。
【0308】
実施形態20.対象のBMIが、25から45である、実施形態1から19のいずれか1つに記載の方法。
【0309】
実施形態21.対象のBMIが、35から45である、実施形態1から20のいずれか1つに記載の方法。
【0310】
実施形態22.対象のBMIが、30未満に低減される、実施形態1から21のいずれか1つに記載の方法。
【0311】
実施形態23.対象のBMIが、25未満まで低減される、実施形態1から22のいずれか1つに記載の方法。
【0312】
実施形態24.対象のBMIが正常まで低減される、実施形態1から23のいずれか1つに記載の方法。
【0313】
実施形態25.体重減少が、4週間の治療内に達成される、実施形態1から24のいずれか1つに記載の方法。
【0314】
実施形態26.体重減少が、8週間の治療内に達成される、実施形態1から25のいずれか1つに記載の方法。
【0315】
実施形態27.体重減少が、12週間の治療内に達成される、実施形態1から26のいずれか1つに記載の方法。
【0316】
実施形態28.体重減少が、20週間の治療内に達成される、実施形態1から27のいずれか1つに記載の方法。
【0317】
実施形態29.体重減少が、24週間の治療内に達成される、実施形態1から28のいずれか1つに記載の方法。
【0318】
実施形態30.対象が、ヒトである、実施形態1から29のいずれか1つに記載の方法。
【0319】
実施形態31.対象が、肥満のヒトである、実施形態1から30のいずれか1つに記載の方法。
【0320】
実施形態32.体重減少が、少なくとも10%低減される、実施形態1から31のいずれか1つに記載の方法。
【0321】
実施形態33.体重減少が、少なくとも12%低減される、実施形態1から32のいずれか1つに記載の方法。
【0322】
実施形態34.体重減少が、少なくとも15%低減される、実施形態1から33のいずれか1つに記載の方法。
【0323】
B.製剤
本発明の医薬化合物は、Remington's Pharmaceutical Sciences by E. W. Martinに開示されるものなどの従来の技術に従って、医薬上許容される担体または希釈剤ならびに任意のその他の公知のアジュバントおよび賦形剤を用いて製剤され得る。Wang et al. (1988) J. of Parenteral Sci. and Tech., Technical Report No. 10, Supp. 42:2 Sも参照のこと。
【0324】
一般に、操作されたポリペプチドは、患者へ投与するための、安定な、安全な医薬組成物に製剤され得る。本発明の方法において使用するために考慮される医薬製剤は、およそ0.01〜1.0%(w/v)、特定の場合には、0.05〜1.0%の操作されたポリペプチド、約3.0〜約7.0の最終組成物のpHを可能にするおよそ0.02〜0.5%(w/v)の酢酸、リン酸、クエン酸またはグルタミン酸バッファー、およそ1.0〜10%(w/v)の炭水化物または多価アルコール等張剤(tonicifier)、適宜、m−クレゾール、ベンジルアルコール、メチル、エチル、プロピルおよびブチルパラベンおよびフェノールからなる群から選択されるおよそ0.005〜1.0%(w/v)の保存料を含み得る。このような保存料は、一般に、製剤されたペプチドが、複数回使用製品で含まれる場合に含まれる。
【0325】
特定の実施形態では、本操作されたポリペプチドの医薬製剤は、一定の範囲の濃度の化合物、例えば、約0.01%〜約98%w/wの間または約1〜約98%w/wの間または好ましくは、80%と90%w/wの間、または好ましくは、約0.01%〜約50%w/wの間またはより好ましくは、これらの実施形態では、約10%〜約25%w/wの間を含有し得る。十分な量の注射水を使用して、所望の濃度の溶液を得てもよい。
【0326】
塩化ナトリウムなどのさらなる等張剤(tonicifying agents)ならびにその他の公知の賦形剤も、必要に応じて、存在し得る。いくつかの場合には、このような賦形剤は、化合物の全体的な張力の維持において有用である。賦形剤は、目下記載されている製剤中に種々の濃度で含まれ得る。例えば、賦形剤は、約0.02%〜約20%w/w、好ましくは、約0.02%と0.5%w/wの間、約0.02%〜約10%w/vまたは約1%〜約20%w/wの濃度範囲で含まれ得る。さらに、本製剤自体と同様に、賦形剤は、固体(粉末化されたものを含む)、液体、半固体またはゲルの形態で含まれ得る。
【0327】
医薬製剤は、種々の形態、例えば、固体、液体、半固体または液体からなり得る。用語「固体」とは、本明細書において、例えば、散剤および凍結乾燥製剤を含めた、この用語のすべての通常の使用を包含するものとする。目下記載されている製剤は、凍結乾燥され得る。
【0328】
用語バッファー、バッファー溶液および緩衝溶液は、水素イオン濃度またはpHに関して使用される場合には、酸またはアルカリの添加時の、または溶媒での希釈時のpHの変化に抵抗する、系、特に、水溶液の能力を指す。酸または塩基の添加時にpHの小さい変化を受ける緩衝溶液の特徴は、弱酸および弱酸の塩または弱塩基および弱塩基の塩のいずれかの存在である。前者の系の一例として、酢酸および酢酸ナトリウムがある。添加されるヒドロニウムまたはヒドロキシルイオンの量が、バッファー系のそれを中和する能力を超えない限り、pHの変化はわずかである。
【0329】
本明細書に記載されるように、さまざまな液体媒体、例えば、水または水性/有機溶媒混合物または懸濁液が、操作されたポリペプチドの製剤における使用に適している。
【0330】
本明細書に記載される使用のために、操作されたポリペプチド製剤の安定性は、製剤のpHを、当技術分野で公知の方法によって決定される範囲に維持することによって増強される。特定の実施形態では、製剤のpHは、約3.5〜5.0または約3.5〜6.5、いくつかの実施形態では、約3.7〜4.3または約3.8〜4.2の範囲で維持される。いくつかの実施形態では、pHは、約4.0、約5.0、約6.0、約7.0、約8.0、約9.0またはさらに高いものであり得る。いくつかの実施形態では、pHは、生理学的範囲、pH6〜8、好ましくは、pH7〜7.6にあり得る。
【0331】
特定の実施形態では、操作されたポリペプチドを有するバッファーは、酢酸バッファー(好ましくは、約1〜5から約60mMの最終製剤濃度の)、リン酸バッファー(好ましくは、約1〜5から約30mMの最終製剤濃度の)またはグルタミン酸バッファー(好ましくは、約1〜5から約60mMの最終製剤濃度の)である。いくつかの実施形態では、バッファーは、酢酸(好ましくは、約5〜約30mMの最終製剤濃度の)である。
【0332】
製剤中に安定剤が含まれ得るが、必ずしも必要ではない。しかし、含まれる場合には、本発明の実施において有用な安定剤は、炭水化物または多価アルコールである。本発明の実施において有用な適した安定剤は、およそ1.0〜10%(w/v)の炭水化物または多価アルコールである。多価アルコールおよび炭水化物は、その主鎖中に同一の特徴、すなわち、−CHOH−CHOH−を共有し、これは、タンパク質の安定化に関与している。多価アルコールとして、ソルビトール、マンニトール、グリセロールおよびポリエチレングリコール(PEG)などの化合物が挙げられる。これらの化合物は、直鎖分子である。他方、マンノース、リボース、スクロース、フルクトース、トレハロース、マルトース、イノシトールおよびラクトースなどの炭水化物は、ケトまたはアルデヒド基を含有し得る環状分子である。これら2つのクラスの化合物は、温度上昇によって、また凍結−解凍または凍結−乾燥プロセスによって引き起こされる変性に対してタンパク質を安定化させることにおいて有効であると実証されている。適した炭水化物として、糖尿病患者に有害作用(adverse affect)を有さない、すなわち、炭水化物が代謝されて、血液中でグルコースの許容されない高い濃度を形成することのない、ガラクトース、アラビノース、ラクトースまたは任意のその他の炭水化物が挙げられる。このような炭水化物は、糖尿病患者に適しているとして当技術分野で周知である。スクロースおよびフルクトースは、非糖尿病性適用(例えば、肥満症を治療すること)において化合物を用いる使用に適している。
【0333】
特定の実施形態では、安定剤が含まれる場合には、化合物は、ソルビトール、マンニトール、イノシトール、グリセロール、キシリトールおよびポリプロピレン/エチレングリコールコポリマーなどの多価アルコールならびに分子量200、400、1450、3350、4000、6000、8000およびさらに高い種々のポリエチレングリコール(PEG)を用いて安定化される。マンニトールは、いくつかの実施形態では、好ましい多価アルコールである。本発明の凍結乾燥製剤の別の有用な特徴は、その安定性を維持するのに役立つ同一製剤成分を用いる、本明細書に記載された凍結乾燥製剤の張力の維持である。いくつかの実施形態では、マンニトールは、本目的のために使用される好ましい多価アルコールである。
【0334】
米国薬局方(United States Pharmacopeia)(USP)には、静菌性または静真菌性濃度の抗菌剤が、複数回用量容器中に含有される調製物に添加されなければならないと述べられている。それらは、皮下針およびシリンジを用いて、またはペン型注射器などのデリバリーのためのその他の侵襲的手段を使用して内容物の一部を引き抜く間に、調製物中に不注意に導入された微生物の増殖を防ぐための使用の時点で適切な濃度で存在しなくてはならない。抗菌剤は、処方のすべてのその他の成分との適合性を確実にするよう評価されなくてはならず、その活性は、ある製剤において有効である特定の薬剤が別のものでは有効ではないことがないことを確実にするよう、処方全体において評価されなくてはならない。特定の抗菌剤が、ある製剤において有効であるが、別の製剤では有効でないことを見出すことは珍しいことではない。
【0335】
保存料は、一般的な製薬上の意味では、微生物増殖を防ぐか、または阻害し、この目的のために医薬製剤に添加され、微生物による製剤の結果として起こる腐敗を避けることができる物質である。保存料の量は多くはないが、それにもかかわらず、ペプチドの全体的な安定性に影響を及ぼすことがある。
【0336】
医薬組成物において使用するための保存料は、0.005〜1.0%(w/v)の範囲であり得るが、いくつかの実施形態では、単独またはその他のものと組み合わせた各保存料の範囲は、ベンジルアルコール(0.1〜1.0%)またはm−クレゾール(0.1〜0.6%)またはフェノール(0.1〜0.8%)またはメチル(0.05〜0.25%)およびエチルもしくはプロピルもしくはブチル(0.005%〜0.03%)パラベンの組合せである。パラベンは、パラ−ヒドロキシ安息香酸の低級アルキルエステルである。各保存料の詳細な説明は、Remington's Phrmaceutical Sciences(Id.)に示されている。
【0337】
操作されたポリペプチドは、液体形態の場合には、ガラス容器中のガラス上に吸着する傾向を有さないこともあり、したがって、医薬製剤をさらに安定化するために界面活性剤が必要でないこともある。しかし、液体形態の場合に、このような傾向を有する化合物に関しては、その製剤中に界面活性剤が使用されなければならない。次いで、これらの製剤は、凍結乾燥され得る。界面活性剤は、疎水性破壊および塩橋分離によっての両方のタンパク質の変性を頻繁に引き起こす。界面活性剤部分とタンパク質上の反応性部位の間の強力な相互作用のために、比較的低い濃度の界面活性剤が、強力な変性活性を発揮し得る。しかし、この相互作用の賢明な使用により、界面または表面変性に対してタンパク質を安定化できる。操作されたポリペプチドをさらに安定化できる界面活性剤は、適宜、総製剤の約0.001〜0.3%(w/v)の範囲で存在し得、これとして、ポリソルベート80(すなわち、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレエート)、CHAPS(登録商標)(すなわち、3−[(3−コラミドプロピル)ジメチルアンモニオ]1−プロパンスルホネート)、Brij(登録商標)(例えば、(ポリオキシエチレン(23)ラウリルエーテルであるBrij(登録商標)35)、ポロクサマーまたは別の非イオン性界面活性剤が挙げられる。
【0338】
選択された等張剤に応じて、医薬製剤の張力を調整するために塩化ナトリウムまたはその他の塩を添加することが望ましいこともある。しかし、これはオプショナルであり、選択された特定の製剤に応じて変わる。非経口製剤は、好ましくは、等張性または実質的に等張性であり得る。
【0339】
非経口製剤にとって好ましい媒体として、水がある。非経口投与に適した品質の水は、蒸留によってか、または逆浸透によってのいずれかによって調製され得る。注射水は医薬製剤における使用にとって好ましい水性媒体である。
【0340】
医薬製剤中にその他の構成成分が存在し得ることがあり得る。このようなさらなる構成成分として、例えば、湿潤剤、乳化剤、オイル、抗酸化物質、充填剤(bulking agents)、張力修飾因子、キレート化剤、金属イオン、油性媒体、タンパク質(例えば、ヒト血清アルブミン、ゼラチンまたはタンパク質)および両性イオン(例えば、ベタイン、タウリン、アルギニン、グリシン、リシンおよびヒスチジンなどのアミノ酸)を挙げることができる。さらに、ポリマー溶液またはポリマーとの混合物は、ペプチドの制御放出の機会を提供する。このようなさらなる構成成分は、もちろん、本発明の医薬製剤の全体的な安定性に有害に影響を与えてはならない。
【0341】
容器はまた、注射の製剤の不可欠な部分であり、完全に不活性であるか、特に、液体が水性である場合には、含有する液体にいくつかの点で影響を及ぼさない容器がないので、一成分と考えられ得る。したがって、特定の注射のための容器の選択は、容器の組成の、ならびに溶液の考慮およびそれが付される治療に基づいたものでなくてはならない。バイアルのガラス表面へのペプチドの吸着も、必要に応じて、ホウケイ酸ガラス、例えば、Wheaton I型ホウケイ酸ガラス番号33(Wheaton Type I−33)またはその等価物(Wheaton Glass Co.)の使用によって最小化され得る。製造に許容される、同様のホウケイ酸ガラスバイアルおよびカートリッジのその他の販売会社として、Kimbel Glass Co.、West Co.、Bunder Glas GMBHおよびForm a Vitrumが挙げられる。化合物の生物学的および化学的特徴は、Wheaton Type I−33 ホウケイ酸血清バイアル中での、5%マンニトールおよび0.02% Tween 80の存在下での0.1mg/mlおよび10mg/mlの化合物の終濃度への製剤および凍結乾燥によって安定化され得る。
【0342】
注射によって送達される製剤については、皮下シリンジからのニードルの、複数回用量バイアル中への導入を可能にし、ニードルが引き抜かれるや否や再密封を提供するために、各バイアルの解放端は、アルミニウムバンドによって適当な位置に止められたゴムストッパー封鎖で密封されることが好ましい。
【0343】
West 4416/50、4416/50(テフロン表面の)および4406/40、Abbott 5139または任意の同等ストッパーなどのガラスバイアルのためのストッパーを、注射用医薬の封鎖として使用してもよい。ペプチド性抗肥満症剤を含む製剤については、これらのストッパーは、ペプチドならびに製剤のその他の成分と適合する。本発明者らはまた、これらのストッパーは、患者使用パターンを使用して試験される場合にストッパー完全性試験を通る、例えば、ストッパーは少なくとも約100回の注射に持ちこたえることができることを発見した。あるいは、ペプチドは、その後の再構成のために、バイアル、シリンジまたはカートリッジ中に凍結乾燥され得る。本発明の液体製剤は、1もしくは2室カートリッジまたは1もしくは2室シリンジ中に充填され得る。
【0344】
上記の医薬製剤の各成分は、当技術分野で公知であり、参照によりその全文が、すべての目的のために本明細書に組み込まれるPHARMACEUTICAL DOSAGE FORMS: PARENTERAL MEDICATIONS, Vol.1, 2nd ed., Avis et al. Ed., Mercel Dekker, New York, N.Y. 1992に記載されている。
【0345】
上記の液体製剤の製造プロセスは、一般に、配合、滅菌濾過および充填工程を含む。配合手順は、指定の順序での構成成分の溶解(保存料、それに続く、安定剤/等張剤、バッファーおよびペプチド)または同時の溶解を含む。
【0346】
代替製剤、例えば、非−非経口は、滅菌を必要としない場合もある。しかし、滅菌が望ましいか、または必須である場合には、本発明のペプチド医薬製剤の開発において任意の適した滅菌プロセスを使用してもよい。典型的な滅菌プロセスは、濾過、蒸気(湿式加熱)、乾式加熱、ガス(例えば、エチレンオキシド、ホルムアルデヒド、二酸化塩素、酸化プロピレン、β−プロピオラクトン(propiolacctone)、オゾン、クロロピクリン、過酢酸メチルブロミドなど)、放射線源に対する曝露および無菌取り扱いを含む。濾過は、本発明の液体製剤の好ましい滅菌方法である。滅菌濾過は、順次、接続され得る0.45umおよび0.22um(1または2)を通した濾過を含む。濾過後、溶液は、適当なバイアルまたは容器中に充填される。
【0347】
特定の実施形態では、本明細書に記載された操作されたポリペプチドは、対象に末梢性に投与される。いくつかの実施形態では、本発明の液体医薬製剤は、非経口投与に意図される。適した投与経路として、筋肉内の、静脈内の、皮下、皮内、関節内、くも膜下腔内などが挙げられる。いくつかの実施形態では、皮下投与経路が好ましい。特定の実施形態では、粘膜デリバリーも好ましい。これらの経路として、それだけには限らないが、液体、半固体または固体形態のペプチドの投与を含み得る、経口、鼻腔、舌下、肺および頬側経路が挙げられる。操作されたポリペプチドを含む製剤については、これらの経路による投与は、非経口デリバリーと比較して、バイオアベイラビリティの低下のために、所望の生物学的効果を得るために実質的により多くの化合物を必要とし得る。さらに、非経口制御放出デリバリーは、高分子マイクロカプセル、マトリックス、溶液、インプラントおよびデバイスを形成することならびにそれらを非経口的にか、または外科的手段によって投与することによって達成され得る。制御放出製剤の例は、参照にいより本明細書に組み込まれる、米国特許第6,368,630号、第6,379,704号および第5,766,627号に記載されている。これらの剤形は、ポリマーマトリックスまたはデバイス中にペプチドの一部が捕捉されるために、より低いバイオアベイラビリティを有し得る。例えば、各々、参照によりその全文が、すべての目的のために本明細書に組み込まれる、米国特許第6,379,704号、第6,379,703号および第6,296,842号を参照のこと。
【0348】
化合物は、1用量または複数用量で有効となる操作されたポリペプチドの量を含有する投与単位形態形で提供され得る。
【0349】
当業者には認識されるであろうが、操作されたポリペプチドの有効量は、対象の年齢および体重、対象の身体状態、治療される状態および当技術分野で公知のその他の因子を含めた多数の因子につれて変わる。操作されたポリペプチドの有効量はまた、投与される特定の組合せにつれて変わる。本明細書に記載されるように、組み合わせた操作されたポリペプチドの投与は、投与される操作されたポリペプチドのいずれかの低減した量が、有効量であることを可能にし得る。
【0350】
操作されたポリペプチドの長い作用持続期間は、1日1回または1週間に1回の投与などの望まれる延長された作用持続期間を提供し得る。作用持続期間は、例えば、ABDおよびそのアルブミンに対する親和性の選択によって選択され得る。理論に拘束されようとは思わないが、アルブミンに対する親和性が高いほど、長い循環時間をもたらし、長い作用持続期間を提供すると考えられる。薬物血漿レベル、急性または慢性グルコースおよび/またはHbA1c低下、インスリン血漿レベル、食物摂取阻害または体重減少などの、薬力学的(治療効果)および薬物動態(薬物特性)のいずれかまたは両方が、デリバリー後に経時的に測定され得る。
【0351】
C.有効投与量
本明細書において提供される医薬組成物は、有効成分が、治療上有効な量で、すなわち、その意図される目的を達成するのに有効な量で含有される組成物を含む。特定の適用にとって有効な実際の量は、とりわけ、治療される状態に応じて変わる。例えば、糖尿病を治療する方法において投与される場合には、このような組成物は、所望の結果(例えば、対象において空腹時血糖を低下させること)を達成するのに有効な有効成分の量を含有する。肥満症を治療するための方法において投与される場合には、このような組成物は、所望の結果(例えば、体重の減少)を達成するのに有効な有効成分の量を含有する。
【0352】
投与される化合物の投与量および頻度(単回または複数回用量)は、投与経路;レシピエントの大きさ、年齢、性別、健康状態、体重、肥満度指数および食事;治療されている疾患の症状の性質および程度(例えば、本明細書に記載された化合物に応答性の疾患);その他の疾患またはその他の健康に関連する問題の存在;同時治療の種類;および任意の疾患または治療レジメンに由来する合併症を含めたさまざまな因子に応じて変わり得る。その他の治療レジメンまたは薬剤が、本発明の方法および化合物とともに使用され得る。
【0353】
ヒトにおいて使用するための治療上有効な量は、動物モデルから決定され得る。例えば、ヒトのための用量は、動物において有効であるとわかっている濃度を達成するよう処方され得る。ヒトにおける投与量は、上記のようにおよび当技術分野で公知のように、それだけには限らないが、血糖および体重を含めた1種または複数の生理学的パラメータをモニタリングすることおよび投与量を上方または下方に調整することによって調整され得る。
【0354】
投与量は、患者の要求および使用されている化合物に応じて変わり得る。本発明に関連して、患者に投与される用量は、患者における有益な治療反応に経時的に影響を及ぼすのに十分でなくてはならない。用量の大きさはまた、任意の有害な副作用の存在、性質および程度によって決定される。一般に、治療は、化合物の最適用量よりも少ないより少量の投与量で開始される。その後、投与量を、状況下で最適効果が到達されるまで小さい増分で増大させる。本発明の一実施形態では、投与量範囲は、0.001%〜10%w/vである。別の実施形態では、投与量範囲は、0.1%〜5%w/vである。
【0355】
しかし、典型的な用量は、1日あたりの医薬化合物の約0.1mgの下限から約200mgの上限までを含有し得る。また、用量あたり1mg〜100mgの化合物および用量あたり3mg〜70mgなどのその他の用量範囲も考慮される。典型的には、長い作用持続期間を有する操作されたポリペプチドの用量が、例えば、毎日およびさらには週に1回投与される。1日あたりの用量は、24時間の期間において連続して、またはその24時間の任意の一部において提供される個別の単位用量で送達され得る。
【0356】
投与量の量および間隔は、治療されている特定の臨床適応症に有効な投与される化合物のレベルを提供するよう個別に調整され得る。これによって、個々の病状の重症度にふさわしい治療レジメンが提供される。
【0357】
本明細書において提供された教示を利用することで、実質的な毒性を引き起こさないが、特定の患者によって実証される臨床症状を治療するのに完全に有効である、有効な予防的または治療的治療計画を立てることができる。この計画を立てることは、化合物の効力、相対バイオアベイラビリティ、患者の体重、有害な副作用の存在および重症度、好ましい投与様式および選択された薬剤の毒性プロフィールなどの因子を考慮することによって、活性化合物の注意深い選択を含まなければならない。
【0358】
本明細書に記載された操作されたポリペプチドの驚くべき用量節約特性は、その驚くべき長い血漿半減期および薬理学的作用の持続期間とともに、優れた医薬品を提供する。用量節約を含めた優れた特性は、より少ない投薬、したがって、より少ないか、または重度がより低い副作用および商品原価の改善および/または親化合物単独によって現在は達成されていない1日1回または週に1回の投与のためのより費用効率の高い、より簡単な製剤を可能にする。
【0359】
D.毒性
特定の化合物の毒性および治療的効果間の比は、その治療係数であり、LD
50(集団の50%において致死的な化合物の量)とED
50(集団の50%において有効な化合物の量)の間の比として表され得る。高い治療指数を示す化合物が好ましい。細胞培養アッセイおよび/または動物研究から得られた治療係数データは、ヒトにおいて使用するための投与量の範囲の処方において使用され得る。このような化合物の投与量は、毒性がほとんどないか、または全くないED
50を含む血漿濃度の範囲内にあることが好ましい。投与量は、使用される剤形および利用される投与経路に応じてこの範囲内で変わり得る。例えば Fingl et al., In: THE PHARMACOLOGICAL BASIS OF THERAPEUTICS, Ch.1, p.l, 1975を参照のこと。正確な処方、投与経路および投与量は、患者の状態および化合物が使用される特定の方法を考慮して個々の医師によって選択され得る。
【0360】
何らかの理論に拘束されようとは思わないが、ABDアルブミン結合ドメインの、本明細書に記載されるようなホルモンドメイとのコンジュゲーションは、ABDコンジュゲーションを伴わないホルモンドメインと比較して、免疫応答の低減によって判断されるような免疫原性の低減を提供し得ると考えられる。例えば、参照によりその全文が、すべての目的のために本明細書に組み込まれるWO2009/016043を参照のこと。
【実施例】
【0361】
実施例1〜5は、その他の事柄の中でも、本明細書に記載されたABDの優れた特性、例えば、これまでのABDと比較して低減された免疫原性特性を例示するために提供される。
【0362】
実施例1
アルブミン結合ポリペプチドのクローニング、発現、精製および特性決定。
この実施例では、そのアミノ酸配列が
図1に示されている8種の異なるアルブミン結合ポリペプチド、PEP07913(配列番号453)、PEP07912(配列番号456)、PEP07914(配列番号458)、PEP07968(すなわち、PEP07911、配列番号459とコンジュゲートしているDOTA)、PEP06923(配列番号454)、PEP07271(配列番号455)、PEP07554(配列番号456)およびPEP07844(配列番号461)をクローニングし、精製し、特性決定した。
【0363】
材料および方法
アルブミン結合ポリペプチド変異体のクローニング
コンストラクトを配列決定することによって検証した後、ベクターDNAを精製し、発現宿主、典型的には、BL21(DE3)に形質転換した。シングルコロニーを選択して、4mlのLB培地中で約6時間種培養を増殖させた。
【0364】
G148−GA3の突然変異体を、適当なオリゴヌクレオチドを用い、部位特異的突然変異誘発を使用して作製し、所望のアルブミン結合ポリペプチド変異体を得た。特異的エンドヌクレアーゼ部位ならびにアルブミン結合ポリペプチド変異体の前のN末端MGSS(配列番号36)配列を付加するプライマーを用い、PCRによって、遺伝子断片を増幅した。NdeIおよびNotIを用いて断片を切断し、精製し、同一酵素で制限された、クローニングベクター、プラスミドpAY02556(pBR322由来の複製起点、カナマイシン耐性遺伝子および対象とする遺伝子の発現のためのT7プロモーターを含有する)にライゲーションした。ライゲーションをエレクトロコンピテント大腸菌TOP10細胞に形質転換した。形質転換された細胞を、50μg/mlのカナマイシンを補給した、TBABプレート(30g/lトリプトース(tryptose)血液寒天基礎培地)上に広げ、続いて、37℃で一晩インキュベーションした。PCRを使用してコロニーをスクリーニングし、ビオチン化オリゴヌクレオチドおよび製造業者のプロトコールに従って使用されるBigDye(登録商標)Terminator v3.1 Cycle Sequencingキット(Applied Biosystems)を使用して増幅した断片の配列決定を実施した。Magnatrix 8000(NorDiag AB)を使用して、磁性ストレプトアビジンコーティングされたビーズと結合させることによって配列決定反応物を精製し、ABI PRISM(登録商標)3100 Genetic Analyzer(PE Applied Biosystems)で分析した。すべてのアルブミン結合ポリペプチド変異体を、モノマーとしてサブクローニングし、発現ベクターによってコードされるコンストラクトを、MGSS−[PP###]た(配列番号36として開示される「MGSS」)(ここで、PP###は、アルブミン結合ポリペプチドの配列を構成する46個のアミノ酸残基に対応する)。
【0365】
さらに、G148−GA3の遺伝子断片、PP007(配列番号307)、PP013(配列番号313)およびPP037(配列番号337)を、アルブミン結合ポリペプチドの配列を構成する46個のアミノ酸残基の前に、特異的エンドヌクレアーゼ部位ならびにヘキサヒスチジン(配列番号34)配列、TEVプロテアーゼ部位およびグリシン残基を付加するプライマーを用い、PCRによって増幅させた。ポリペプチドPEP07913(配列番号453)、PEP07912(配列番号457)、PEP07914(配列番号458)およびPEP07968(配列番号459)は、グリシン残基が付加された、アルブミン結合ポリペプチドG148−GA3、PP007(配列番号307)、PP013(配列番号313)およびPP037(配列番号337)に対応する。断片をXbaIおよびNotIで切断し、精製し、同一酵素で制限された、クローニングベクターであるプラスミドpAY02512(pBR322由来の複製起点、カナマイシン耐性遺伝子および対象とする遺伝子の発現のためのT7プロモーターを含有する。クローニング部位の前には、ヘキサヒスチジンタグ(配列番号34)を含有するペプチドをコードする配列とそれに続くTEVプロテアーゼの切断部位がある。)にライゲーションした。連結、形質転換および配列検証を、上記のように実施した。4種のアルブミン結合ポリペプチド変異体G148−GA3、PP007、PP013およびPP037を、モノマーとしてサブクローニングし、発現ベクターによってコードされるコンストラクトを、MGSSHHHHHHLQSSGVDLGTENLYFQG−[PP###](配列中、MGSSHHHHHHLQSSGVDLGTENLYFQGは、配列番号37である)とした。
【0366】
タンパク質発現
アルブミン結合ポリペプチド変異体を、N末端MGSS伸長(配列番号36として開示される「MGSS」)またはN末端His6−タグ(配列番号34)とそれに続くTEV−プロテアーゼ認識部位およびグリシン残基のいずれかを有する大腸菌BL21(DE3)において発現させた。各アルブミン結合ポリペプチド変異体のコロニーを使用して、カナマイシンを50μg/mlの濃度に補給した、4mlのTSB+YE培地に播種した。培養物を、37℃でおよそ5時間増殖させた。パラレルバイオリアクター(Greta system,Belach Bioteknik AB)において、各培養物から得られた3mlを使用して、カナマイシンを50μg/mlの濃度に補給した800mlのTSB+YEに播種した。培養を、800ml/分のエアレーションおよび撹拌プロフィールを用い、37℃で実施して、2のOD600まで30%を上回る溶存酸素レベルを維持し、続いて、IPTGを0.5mMの終濃度に添加した。培養を5時間継続し、その後、培養物を10℃に冷却し、エアレーションを停止し、撹拌を300rpmに低下させた。遠心分離(15600×g、4℃、20分)によって細胞ペレットを回収し、精製まで、−20℃で保存した。
【0367】
His6−タグ(配列番号34)およびTEV−プロテアーゼ部位を用いるアルブミン結合ポリペプチド変異体の精製
可溶性ヘキサヒスチジンタグのついた(配列番号34)ポリペプチドPEP07913(配列番号453)、PEP07912(配列番号456)、PEP07914(配列番号458)およびPEP07968(配列番号459)を有する凍結細胞ペレットを、35mlの結合バッファー(20mMリン酸ナトリウム、0.5M NaCl、20mMイミダゾール、pH7.4)に懸濁し、1000Uのベンゾナーゼ(登録商標)(1.01654.001、Merck)を添加し、超音波処理によって破壊した。各ポリペプチドについて、超音波処理した懸濁液を遠心分離(1時間、37000×g、4℃)によって清澄化し、上清をHis GraviTrapTMカラム(11−0033−99、GE Healthcare)にロードした。カラムを10mlの洗浄バッファー(20mMリン酸ナトリウム、0.5M NaCl、60mMイミダゾール、pH7.4)で洗浄し、その後、3mlの溶出バッファー(20mMリン酸ナトリウム、0.5M NaCl、0.5Mイミダゾール、pH7.4)を用いてポリペプチドを溶出した。バッファーを、PD−10脱塩カラム(17−0851−01、GE Healthcare)を使用して切断バッファー(50mM Tris−HCl、150mM NaCl、pH8)に交換した。280nmでの吸光度を測定することによって、ポリペプチド生成物の量を決定し、その後、DTTを5mMの終濃度に添加した。切断バッファーに、His6タグをつけた(配列番号34)TEVプロテアーゼをポリペプチド生成物に対して1:10の質量比で添加した。切断を、4℃、緩徐な混合下で一晩実施した。切断混合物にイミダゾールを20mMの濃度に添加し、その後、混合物をHis GraviTrapTMカラム(11−0033−99、GE Healthcare)にロードし、切断されたHis6タグ(配列番号34)、His6−タグのついた(配列番号34)TEVプロテアーゼおよびHis6タグのついた(配列番号34)未切断生成物を回収した。
【0368】
各変異体について、アルブミン結合ポリペプチド変異体を含有するフロースルーを、以下のように逆相クロマトグラフィー(RPC)によってさらに精製した。フロースルー画分を、RPC Aバッファー(水中、0.1% TFA)で先に平衡化させた1mlのResource 15 RPCカラム(GE Healthcare)にロードした。10カラム容積(CV)のRPC Aバッファーを用いるカラム洗浄後、結合しているポリペプチドを、10CVの間、0〜50% RPC Bバッファー(アセトニトリル中、0.1% TFA)の直線勾配を用いて溶出した。流速を2ml/分とし、280nmの吸光度をモニタリングした。アルブミン結合ポリペプチド変異体を含有する画分を、SDS−PAGE分析によって同定し、プールした。
【0369】
RPC精製したアルブミン結合ポリペプチド変異体を、XK16カラム(GE Healthcare)に充填した120mlのSuperdex 75(GE Healthcare)でのゲル濾過によってさらに精製した。ランニングバッファーは、1×PBSとし、流速は2ml/分とした。純粋なアルブミン結合ポリペプチド変異体を含有する画分をプールし、およそ1.3mg/mlに濃縮した。最後に、製造業者の推奨に従って、AffinityPak Detoxi−ゲルエンドトキシン除去ゲル(Pierce、prod番号20344)の1mlのカラムを使用することによって、微量の残存するエンドトキシンから濃縮物を精製した。
【0370】
以下のとおりに、RPC−精製工程の前に、アルブミン結合ポリペプチド変異体PEP07911を、Mal−DOTAとコンジュゲートした。ディスポーザブルPD−10脱塩カラム(GE Healthcare)を使用して、IMAC−FT精製工程からのフロースルー画分のバッファーを、0.2M NaAc、pH5.5に交換した。マレイミド−モノ−アミド−DOTA(Macrocyclics、カタログ番号B−272)を5倍モル過剰で加え、連続振盪下、30℃で60分間インキュベートした。得られたポリペプチドをPEP07968と表した。
【0371】
His6−タグ(配列番号34)を含まないアルブミン結合ポリペプチド変異体の精製
可溶性アルブミン結合ポリペプチド変異体PEP06923(配列番号454)、PEP07271(配列番号455)、PEP07554(配列番号456)およびPEP07844(配列番号461)を有する凍結細胞ペレットを20mM Tris−HCl、pH8に懸濁し、超音波処理によって破壊した。各ポリペプチド変異体について、超音波処理された懸濁液を遠心分離(30分、32000×g、4℃)によって清澄化し、上清をHSA−セファロースカラム(GE Healthcare)上にロードした。TST−バッファー(25mM Tris−HCl、1mM EDTA、200mM NaCl、0.05% Tween20、pH8.0)、続いて、5mM NH4Ac、pH5.5を用いて洗浄した後、0.5M HAc、pH3.2を用いて結合しているアルブミン結合ポリペプチド変異体を溶出した。
【0372】
アルブミン結合ポリペプチド変異体を、逆相クロマトグラフィー(RPC)によって以下のとおりにさらに精製した。各変異体について、HSA−アフィニティー精製工程から得た溶出液を、RPC Aバッファー(水中、0.1% TFA)で先に平衡化させた1mlのResource 15 RPCカラム(GE Healthcare)上にロードした。10CVのRPC Aバッファーを用いるカラム洗浄後、結合しているポリペプチドを、10CVの間、0〜50% RPC Bバッファー(アセトニトリル中、0.1% TFA)の直線勾配を用いて溶出した。流速を2ml/分とし、280nmの吸光度をモニタリングした。アルブミン結合ポリペプチド変異体を含有する画分を、SDS−PAGE分析によって同定し、プールした。最後に、ディスポーザブルPD−10脱塩カラム(GE Healthcare)を使用して、1×PBS(2.68mM KCl、137mM NaCl、1.47mM KH2PO4、8.1mM Na2HPO4、pH7.4)にバッファーを交換した。
【0373】
精製アルブミン結合ポリペプチド変異体の特性決定
濃度は、NanoDrop(登録商標)ND−1000分光光度計を使用して、280nmの吸光度を測定することによって評価した。SDS−PAGEおよびLC−MSを用いてタンパク質をさらに分析した。
【0374】
SDS−PAGE分析のために、各アルブミン結合ポリペプチド変異体のおよそ10μgを、NuPAGE LDSサンプルバッファー(Invitrogen)と混合し、70℃で15分間インキュベートし、NuPAGE 4〜12% Bis−Tris Gels(Invitrogen)上にロードした。ゲルを、分子量マーカーとしてSharp Prestained Standard(Invitrogen)を使用し、染色のためにPhastGel BlueR(GE Healthcare)を使用し、XCell II SureLock 電気泳動セル(Novex)中で、NuPAGE MES SDSランニングバッファー(Invitrogen)を用いて流した。
【0375】
アルブミン結合ポリペプチド変異体の同定を検証するために、API−ESIおよびシングル四重極質量分析器を備えたAgilent 1100 LC/MSDシステムを使用してLC/MS分析を実施した。およそ10μgの各精製アルブミン結合ポリペプチド変異体を、0.5ml/分の流速のZorbax 300SB−C8 Narrow−Boreカラム(2.1×150mm、3.5μm、Agilent Technologies)上にロードした。0.5ml/分で15分間の10〜70%溶液Bの直線勾配を使用してポリペプチドを溶出した。分離を、30℃で実施した。イオンシグナルおよび280および220nmでの吸光度をモニtリングした。精製アルブミン結合ポリペプチド変異体の分子量をMSによって確認した。
【0376】
結果
アルブミン結合ポリペプチド変異体の発現レベルは、10〜30mgの生成物/1gの細胞ペレットであると、SDS−PAGE分析から推定された。
【0377】
すべての変異体について、SDS−PAGE分析によって決定される純度は、95%を超え、LC/MS分析は、正しい分子量を検証した。精製後、8種のアルブミン結合ポリペプチド変異体各々の、1から8mgの間の純粋なポリペプチドが得られた。
【0378】
実施例2
アルブミン結合ポリペプチドの親和性決定。
この実施例では、実施例1において合成または発現および精製された、PEP06923(配列番号454)、PEP07271(配列番号455)、PEP07844(配列番号461)、PEP07912(配列番号457)、PEP07913(配列番号453)、PEP07914(配列番号458)およびPEP07968、(すなわち、PEP07911、配列番号459とコンジュゲートしているDOTA)を、Biacore機器を使用して、ヒト血清アルブミン(HSA)に対する親和性について特性決定した。PEP07913は、N末端グリシン残基が付加されたG148−GA3のアミノ酸配列と対応するのに対し、PEP07271、PEP07844、PEP07912、PEP07914およびPEP07968は、種々のN末端アミノ酸が付加された、PP001(配列番号301)、PP043(配列番号343)、PP007(配列番号307)、PP013(配列番号313)およびPP037(配列番号337)のアルブミン結合ポリペプチドに対応する。
【0379】
材料および方法
Biacore2000機器(GE Healthcare)でのバイオセンサー分析を、製造業者の推奨に従って、CM−5チップ(研究等級;Biacore)の表面のカルボキシル化デキストラン層上にアミンカップリングによって固定化されたHSA(Albucult(登録商標)、Novozyme)を用いて実施した。チップの表面1を活性化し、不活性化し、注入の間の参照セル(ブランク表面)として使用したのに対し、表面2は、731レゾナンスユニット(RU)に固定化されたHSAを含み、表面4は、955RUに固定化されたHSAを含んでいた。精製アルブミン結合ポリペプチド変異体を、ランニングバッファーHBS−EP(GE Healthcare)で2.5nM、10nMおよび40nMに希釈し、50μl/分の一定流速で5分間注入し、続いて、HBS−EPを60分間注入した。表面を25μl HCl、10mMの1回の注入で再生した。2セットで親和性測定を実施し、第1のセットでは、HBS−EP、PEP06923、PEP07271、PEP07912、PEP07913、PEP07914およびPEP07968を注入し(チップ表面2)、第2のセットでは、HBS−EP、PEP06923、PEP07844、PEP07912およびPEP07914を注入した(チップ表面4)。対照として、各実施においてPEP06923を2回注入した。BiaEvaluationソフトウェア(GE Healthcare)を用いて結果を解析した。ブランク表面の曲線を、リガンド表面の曲線から差し引いた。
【0380】
結果
Biacore 2000機器には、技術的な限界があり、極めて高親和性の測定を妨げる。したがって、Biacore研究の目的は、アルブミン結合ポリペプチド変異体のHSAに対する親和性の正確な動態学パラメータを調べることではない。しかし、結果は、これらのポリペプチドのアルブミンに対する相対的親和性の定量的推定を提供する。参照表面およびバッファー注入を差し引いた後、BIAevaluationソフトウェアを使用し、質量移動について補正し、局所パラメータとしてRUmaxセットを用いて曲線を1:1(ラングミュア)結合モデルにフィッティングした。曲線は、
図2に示されている。相対的K
D、k
a(k
on)およびk
d(k
off)値を推定し、以下の表に示されている。
【0381】
【表5】
【0382】
【表6】
【0383】
表X1およびX2に示されるように、PEP07271(配列番号455)、PEP07844(配列番号461)、PEP07912(配列番号457)、PEP07914(配列番号458)およびPEP07968(DOTAとコンジュゲートしているPEP07911、配列番号459)はすべて、HSAに対して、親G148−GA3(PEP07913;配列番号453)の親和性を大きく超えるおおよそ同一の親和性を有するようである。これらのポリペプチドのHSA親和性は、PEP06923(配列番号454)と比較して、同様の解離速度(off−rate)にもかかわらず、わずかに低い。
【0384】
実施例3
アルブミン結合ポリペプチドの融解温度(Tm)の決定
この実施例では、実施例1に記載のとおりに発現および精製された、アルブミン結合ポリペプチド変異体PEP07913(配列番号453)、PEP06923(配列番号454)、PEP07271(配列番号455)、PEP07554(配列番号456)、PEP07912(配列番号457)、PEP07914(配列番号458)、PEP07968(DOTAとコンジュゲートしているPEP07911、配列番号459)およびPEP07844(配列番号461)ならびにアルブミンポリペプチド変異体PEP07975(すなわち、マレイミド−モノ−アミド−DOTA(Macrocyclics、カタログ番号B−272)を用いCys14を介してDOTAがコンジュゲートしているPEP07834、配列番号460を、CD分析によって分析した。PEP07913は、N末端グリシン残基を有するG148−GA3の配列に対応し、PEP06923は、Jonsson et al、前掲によってこれまでに記載された操作された高親和性誘導体であるのに対し、PEP07271、PEP07554、PEP07912、PEP07914、PEP07968、PEP07844およびPEP07975は、本開示内容に従って種々のN末端アミノ酸付加を有する、PP001(配列番号301)、PP007(配列番号307)、PP013(配列番号313)、PP037(配列番号337)およびPP043(配列番号343)の46個のアミノ酸残基のアルブミン結合ポリペプチドの例である。
【0385】
材料および方法
精製アルブミン結合ポリペプチド変異体を1×PBSで、0.4から0.5mg/mlの間の終濃度に希釈した。円偏光二色性(CD)分析は、1mmの光路長を有するセル中で、Jasco J−810分光偏光計で実施した。可変温度測定では、20°〜90℃で5℃/分の温度勾配を用い、221nmの吸光度を測定した。
【0386】
結果
CD対温度プロットにおける遷移の中間点を求めることによって、種々のアルブミン結合ポリペプチド変異体の融解温度(Tm)を算出した。結果は、以下の表X3に要約されている。
【0387】
【表7】
1) ペプチドは、システインでマレイミド-DOTAとコンジュゲートしている
2) ペプチドは、C末端でアミド化されている
3) ロイシン(下線が引かれている)は、本開示内容の第1の態様において定義されるようなアルブミン結合ポリペプチドの46個のアミノ酸の配列の位置1の残基である
配列番号38として開示される表X3中の「GSSL」。
【0388】
ポリペプチドPEP07968は、PEP07912と、前者が、位置14にシステイン残基を有し、これがマレイミドDOTAとコンジュゲートしており、後者が、セリン残基である点を除き同一である。したがって、DOTA修飾は、融解温度に影響を及ぼしてはならない。また、PEP07975は、Cys14を使用してDOTAとマレイミドコンジュゲートしており、C末端アミド(ペプチド合成に起因する)およびグリシンの代わりにN末端アラニンを有する点を除いてPEP07968と同一である。さらに、PEP07912およびPEP07554を比較することで、N末端セリンが、同一位置のグリシンよりも高い融解温度をもたらす(Tmにおける5℃の相違)ことが示される。したがって、PEP07912およびDOTAがコンジュゲートしている変異体を除く、本開示内容に従うすべてのアルブミン結合ポリペプチド変異体は、55℃を上回るTmを示す。N末端部分の重要性を考慮して、すべての試験されたアルブミン結合ポリペプチドは、Jonsson et alの誘導体、例えば、PEP06923よりも優れている。
【0389】
実施例4
血清反応分析
本明細書に開示されるような一連のアルブミン結合ポリペプチドと結合できる、IgGを含有するヒト血清のパーセンテージを、ELISAによって分析した。127の個体に対応する合計149種の血清サンプルをスクリーニングした。
【0390】
材料および方法
ELISAプレート[96ウェル、ハーフエリアプレート(Costar、カタログ番号3690)]を、コーティングバッファー(Sigma、カタログ番号3041)で8μg/mlに希釈した50μl/ウェルのAlbucult(登録商標)(Novozyme)を用いてコーティングした。プレートを、4℃で3日間オーバーナイトでコーティングした。分析の当日に、プレートを水道水で2回洗浄し、0.05%のカゼイン(PBSC)を含有する100μlのリン酸緩衝生理食塩水(PBS)を用いて2時間ブロッキングした。プレートを空にし、PBSCで2μg/mlに希釈した、50μl/ウェルのアルブミン結合ポリペプチドPEP07913(配列番号453)、PEP06923(配列番号454)、PEP07271(配列番号455)、PEP07912(配列番号457)、PEP07554(配列番号456)、PEP07914(配列番号458)、PEP07968(DOTAがコンジュゲートしているPEP07911、配列番号459)およびPEP07844(配列番号461)を、事前に作製したプレート配置に従って添加した。室温(RT)で2時間のインキュベーション後、自動化ELISA洗浄機を使用してプレートをPBSCで4回洗浄した。129の個体から得た149種の血清サンプルを、1174μlのPBSCに、24μlの血清を添加することによって、PBSCで50倍希釈した。事前に作製したプレート配置に従って、ウェルあたり、希釈した血清のうち50μlを添加した。各血清サンプルを一連で試験した。各プレート上に、各アルブミン結合ポリペプチドの陽性および陰性対照が含まれる。アルブミン結合抗体(50μl、PEP06923を用いて免疫処理した霊長類から得た血清から社内で調製された0.5μl/ml免疫グロブリン溶液)を陽性対照として添加し、50μlのPBSCを陰性対照として使用した。プレートを室温で1時間インキュベートし、続いて、自動化ELISA洗浄機を使用してPBSCで4回洗浄した。結合しているIgGを、PBSCで10000倍希釈した50μl/ウェルの抗ヒトIgG(Southern Biotech、カタログ番号2040−05)を用いて検出した。自動化ELISA洗浄機を使用してPBSCで4回洗浄した後、50μl/ウェルの基質を添加した(Pierceカタログ番号34021)。10〜15分後、各ウェルに50μlのH2SO4を添加することによって反応を停止させ、その後、マルチウェルプレートリーダー(Victor3、Perkin Elmer)を使用して吸光度を測定した。
【0391】
結果。
アルブミン結合ポリペプチドに対するIgG結合についてスクリーニングされた149種の血清のうち、23種が、8種すべてのポリペプチドについて陰性であり(OD値<0.1)、すなわち、ポリペプチドと結合しているIgGを示さなかった。1種または複数のアルブミン結合ポリペプチドについて陽性であった126種の血清を用いて分析を実施した。平均吸光度を算出し(
図3A)、OD値を有する血清のパーセンテージは、<0.15(
図3B)または>1.0(
図3C)のいずれかを評価する。IgG結合を有する血清の最高平均OD値および最高パーセンテージが、PEP07913(配列番号453)、PEP06923(配列番号454)およびPEP07844(配列番号461)を用いて得られたのに対し、PEP07968(DOTAがコンジュゲートしているPEP07911、配列番号459)、PEP07914(配列番号458)およびPEP07954(配列番号456)に対して最小の反応性が見られた。
【0392】
したがって、最も反応性のアルブミン結合ポリペプチドは、親のG148−GA3(PEP07913、配列番号453)およびG148−GA3から保持されたヘリックス1を有するこれまでに親和性が改善された誘導体(PEP06923、配列番号454)であった。第3のより反応性のポリペプチド(PEP07844、配列番号461)は、ヘリックス1中の位置14に元のリシンを含有する。この残基はコンジュゲーションに意図され、したがって、そのようなものとして使用される場合に曝露されない。位置14にアラニンを有する点を除いて同一であるアルブミン結合ポリペプチド変異体(PEP07554、配列番号456)は、最も反応性が低いものの1種である。
【0393】
実施例5
アルブミン結合ポリペプチドの免疫原性試験
PEP07913(配列番号453)、PEP07912(配列番号457)、PEP07914(配列番号458)およびPEP07968(すなわち、DOTAがコンジュゲートしているPEP07911、配列番号459)を、52人のヒトコーカサス人種の個体から得た末梢血単核細胞(PBMC)(CRI−Labo Medische Analyse、Gent、Belgiumから入手)においてT細胞増殖を誘導するその能力についてスクリーニングした。PEP07913は、N末端グリシン残基を有するG148−GA3の配列に対応するのに対し、PEP07912、PEP07914およびPEP07968は、本開示内容に従って種々のN末端アミノ酸付加を有する、PP007(配列番号307)、PP013(配列番号313)およびPP037(配列番号337)の46個のアミノ酸残基のアルブミン結合ポリペプチドの例である。
【0394】
材料および方法
組織培養(TC)処理した96ウェル丸底プレート(Falcon)に、標準細胞生物学的方法に従って調製されたPBMCを300000個PBMC/ウェルの量で添加した。900μg/mlの(3倍モル過剰)の組換えヒトアルブミン(Albucult(登録商標)、Novozyme)をさらに含有するAIMV培地(Invitrogen)中の、アルブミン結合ポリペプチドPEP07913、PEP07912、PEP07914およびPEP07968、100μl/ウェルの添加によって細胞を刺激した。これは、30μg/mlのアルブミン結合ポリペプチドの終濃度に対応していた。刺激を8連で行い、すなわち、同一量の同一アルブミン結合ポリペプチドを、同一条件下で、8つのウェルに添加した。陽性対照ウェルでは、30μg/mlのキーホールリンペットヘモシアニン(KLH、Calbiochem)または30μg/ml破傷風トキソイド(TT、Statens Serum Institut)のいずれかを用いて細胞を刺激した。陰性対照ウェルでは、900μg/mlのアルブミンを含むか含まないAIMV培地のみを添加した。
【0395】
Alexa Fluor 488 Click−iT EdUフローサイトメトリーアッセイキット(Invitrogen)を使用して、7日の培養後に細胞増殖を評価した。6日目に1μM/ウェルのEdU組み込みマーカーを添加した。7日目に、細胞を洗浄し、プレートから解離させ、再度洗浄し、抗CD3−PerCP試薬(Becton Dickinson)および抗CD4−Alexa647試薬(Becton Dickinson)を用いて30分間染色した。染色後、細胞を洗浄し、固定し(BD cellfix、BD biosciences)、透過処理し(サポニンを使用して)、製造業者のプロトコールに従って(Invitrogen)Click−iT試薬を添加することによってEdUについて染色した。染色が完了した後、細胞を再度洗浄し、フローサイトメトリー(FACSCantoII、BD Biosciences)を使用して分析した。増殖細胞の数を評価するために、分析の前に各ウェルに固定された数のフルオスフェア(fluospheres)(Invitrogen)を添加した。すべての染色手順および洗浄は、96ウェルプレート中で直接的に実施した。
【0396】
生のFACSCantoIIデータを、CD3+CD4+T細胞に関して階層的にゲーティングし、ゲーティングされた細胞数ならびにEdU−Alexa Flour 488組み込みマーカーのその蛍光強度を記録した。増殖細胞数/8連のタンパク質処理ウェルの平均値を、陽性および陰性対照と比較し、刺激指数(SI)として記載される得られる比を算出した。SIおよび複製間の変動に基づいて、刺激および阻害について閾値SI値をそれぞれ、2.0および0.5に設定した。
【0397】
結果
アルブミン結合ポリペプチドPEP07913、PEP07912、PEP07914およびPEP07968を、インビトロPBMC増殖アッセイを使用して、標的ヒト集団における3倍過剰の組換えヒトアルブミンの存在下でのその免疫学的可能性について評価した。アルブミン対照と比較して、PEP07913は、52ドナーのうち6において、PEP07912は、52ドナーのうち5において、PEP07914およびPEP07968は、52ドナーのうち1においてCD3+CD4+T細胞増殖を誘導した(
図4A)。
【0398】
52ドナーすべての平均刺激指数(SI)は、組換えヒトアルブミンを含有する陰性対照と比較して、PEP07914およびPEP07968について大きく異ならなかった(それぞれ、p=0.79および0.48、
図4B)。PEP07913のSIは、大幅に高かった(p=0.002)のに対し、PEP07912のSIは高かったが有意ではなかった(p=0.03、
図4B)。
【0399】
バッファーのみと比較して、反応する個体の数は、PEP07912について10、PEP07912について7、PEP07914について2、PEP07968について1、組換えヒトアルブミンについて2であり、2つの陽性対照TTおよびKLHについてそれぞれ、49および51であった(
図4C)。アルブミン結合ポリペプチドを、その免疫原性に従って以下の順序にランク付けした:PEP07913>PEP07912>PEP07914>PEP07968。PEP07914およびPEP07968は両方とも、非免疫原性と定義された。したがって、上記の結果は、本開示内容のアルブミン結合ポリペプチドの免疫原性の可能性が、陽性対照と比較して低いことを実証する。
【0400】
実施例6
レプチンインビトロ機能活性
方法。このアッセイは、修飾されたレプチン受容体を発現する細胞の処理後の受容体シグナル伝達を測定する。試験サンプルは、100%純度と仮定され、刺激バッファーで10×アッセイ濃度に再溶媒和した。各10×化合物の合計90ulを深いウェルのppプレート移し、Perkin Elmer Multiprobe(登録商標)IIを使用して刺激バッファーを用いて段階希釈した(3倍シリーズ)。希釈された化合物の各200ulを移し、細胞と混合するMultiMek試験プログラムを使用して、段階希釈したプレートを、当技術分野で公知の18時間レプチンをやめさせたケプチン細胞の2.5×10
5個細胞ペレットを含有する96ウェル刺激プレート中に混ぜ合わせた。この時点で、プレートを接着性プレートカバーで密閉し、37Cに30分間置き、pSTAT5の刺激を可能にした。例えば、Crouse et al., 1998, J. Biol. Chem., 273:18365-18373を参照のこと。インキュベーション後、刺激プレートを遠心分離して、細胞を再度ペレットにし、上清を除去し、残りの細胞ペレットを−80Cで凍結した(>30分)。解凍した細胞ペレットに、100ulの1×溶解物を、周囲の室温で回転しながら20分間添加することによって細胞溶解物を作製した(Perkin Elmer pSTAT5アッセイキット)。溶解物を2500rpmで20分間清澄化し、製造業者の使用説明書に従って、384ウェルProxiplate(商標)中、4ul/ウェルとしてpSTAT5アッセイキットで調べた。αリードパラメーターに設定したPackard Fusion α−FP HTプレートリーダーを使用してpSTAT5シグナル(RFU)を調べた。アッセイは、384ウェルProxiplate(商標)プレート中、11μlの総容量で完了し、値は、用量点あたりn=4アッセイウェルの平均を表す。
【0401】
結果
以下の表X4に示されるように、本明細書に記載された操作されたポリペプチドは、Obeca STAT5アッセイにおいて機能活性を示す。
【0402】
【表8】
【0403】
実施例7
アルブミンの存在下でのレプチンインビトロ機能活性
このアッセイでは、アルブミンの存在下での化合物2のレプチン機能を調べるために刺激バッファーにアルブミンが添加された点を除いて、実施例6に記載された方法を使用した。試験されたアルブミンは、0.1%または1%ウシ血清アルブミン(BSA)、1%ラット血清アルブミン(RSA)または1%ヒト血清アルブミン(HSA)を含んでいた。対照サンプルは、0.1% BSAを有するA100レプチンとした。
【0404】
結果。
図5示されるように、レプチン機能アッセイにおいて化合物2によって生じたEC50活性に対する1%ウシ/ラット/ヒトアルブミンの効果はなかった。結果は驚くべきものであり、治療用化合物は、アルブミンと結合している場合でさえ活性であることを示す。
【0405】
実施例8
操作されたポリペプチドの単回投与後の体重および食物摂取の変化
方法。痩せたスプラーグドーリーラットを、研究の間、低脂肪食で維持した。平均体重は、研究の開始時に315〜330グラムであった。動物を6群に分けた(n=5/群)。各群を、以下のうち1種を投与されるよう割り当てた:媒体;13.33nmol/kgの化合物2;40nmol/kgの化合物2;120nmol/kgの化合物2。各試験動物は、時間=0で単回皮下注射を投与された。食物摂取および体重の変化(媒体補正された%)を7日間モニタリングし、結果を示されるように記録した(
図6Aおよび6B)。投与された化合物:媒体(丸);13.33nmol/kgの化合物2(三角先端下);40nmol/kgの化合物2(菱形);120nmol/kg(星)。
【0406】
結果。
図6Aから6Bに表されるように、種々の用量の操作されたポリペプチドの投与は、媒体単独を投与された群と比較して、食物摂取および体重の低減をもたらした。
【0407】
実施例9
操作されたポリペプチドの単回投与後の体重および食物摂取の変化
方法。痩せたスプラーグドーリーラットを、研究の間、低脂肪食で維持した。平均体重は、研究の開始時に315〜330グラムであった。各試験動物(n=5/群)は、時間=0で単回皮下注射を投与された。動物を5群に分けた。各群を、以下のうち1種を投与されるよう割り当てた:媒体または化合物66。化合物66は、120nmol/kgの用量で送達された。食物摂取および体重の変化(媒体補正された%)を7日間モニタリングし、結果を示されるように記録した(
図7Aおよび7B)。投与された化合物:媒体(丸);120nmol/kgの化合物66(三角先端下)。
【0408】
結果。
図7Aから7Bに表されるように、操作されたポリペプチドの投与は、媒体単独を投与された群と比較して、食物摂取および体重の低減をもたらした。
【0409】
実施例10
操作されたポリペプチドの単回投与後の体重の変化
方法。痩せたスプラーグドーリーラットを、研究の間、低脂肪食で維持した。平均体重は、研究の開始時に315〜330gであった。動物を6群に分けた。各試験動物(n=5/群)は、時間=0で単回皮下注射を投与された。各群を、以下のうち1種を投与されるよう割り当てた:媒体;化合物2;または化合物67。化合物2および化合物67は、120nmol/kgの用量で各々送達された。各群の体重の変化パーセントを7日間モニタリングし、結果を示されるように記録した(
図8)。投与された化合物:媒体(丸);化合物2(三角先端上);化合物67(菱形)。
【0410】
結果。
図8に表されるように、試験された操作されたポリペプチドの1種の単回注射を投与された動物の各群は、媒体単独を投与された群と比較して、体重の大幅な、持続した低減を示した。
【0411】
実施例11
操作されたポリペプチドの単回投与後の体重の変化
方法。痩せたスプラーグドーリーラットを、研究の間、低脂肪食で維持した。平均体重は、研究の開始時に315〜330gであった。動物を6群に分けた。各試験動物(n=5/群)は、時間=0で単回皮下注射を投与された。各群を、以下のうち1種を投与されるよう割り当てた:媒体;化合物2;化合物12;化合物1。化合物2、化合物12および化合物1は、各々120nmol/kgの用量で送達された。各群の体重の変化パーセントを7日間モニタリングし、結果を示されるように記録した(
図9)。投与された化合物:媒体(丸);化合物2(三角先端上);化合物12(丸);化合物1(三角先端下)。
【0412】
結果。
図9に表されるように、試験された操作されたポリペプチドの1種の単回注射を投与された動物の各群は、媒体単独を投与された群と比較して、体重の大幅な、持続した低減を示した。
【0413】
実施例11
アルブミン結合ポリペプチドの親和性測定
この実施例では、PEP07986(配列番号463)、PEP07986−中性リンカー−A500(化合物2、配列番号595)およびPEP07986−陰性リンカー−A500(化合物12、配列番号605)を、アルブミンの種々の変異体に対する親和性について特性決定した。
【0414】
材料および方法
すべての研究を、25℃でGLCセンサーチップを使用してBioRad ProteOn XPR36システムで実施した。アミンカップリングのために、以下に示されるように最初のストックから水で30倍希釈したスルホ−NHS/EDCの1:1混合物を使用してGLCチップを5分間活性化した。各アルブミンサンプルを10mM酢酸Na pH5.0で25ug/mlに希釈し、別個のセンサー表面上に5分間注入した。次いで、1MエタノールアミンpH8.5を用いて各表面をブロッキングした。各アルブミンをレゾナンスユニットにおいて2000〜5000の密度でカップリングした。
【0415】
3倍希釈シリーズにおいて最高濃度として5nMを使用して、操作されたポリペプチドの結合を調べた。ランニングバッファーは、10mM HEPES pH7.4、150mM NaCl、3mM EDTAおよび0.005% tween−20を含有していた。3倍希釈シリーズを使用してすべてのサンプルを調べた。各濃度シリーズを2連で試験した。最高濃度の解離相を、3時間モニタリングした。
【0416】
結果
操作されたポリペプチドの測定された相対K
Dが、以下の表X5に示されている。結果は、アルブミン結合ポリペプチドが、血清アルブミン(SA)と高親和性で会合していることを示す。
【0417】
【表9】
【0418】
実施例12
操作されたポリペプチドの溶解度
以下の表X6に示されるように、本明細書に記載された操作されたポリペプチドは、中性pHにおいて驚くべきことに高い溶解度を有する。
【0419】
溶解度は、以下のアッセイを用いて測定した:6〜10mgの精製タンパク質を、4℃で遠心分離フィルターユニット(Amicon Ultra−15またはUltra−4、3KDa MWカットオフを有する;Millipore)を用いて、0.5ml未満の容量に濃縮した。それらを14,000rpmで10分間4℃で遠心分離して、沈殿物を除去し、上清を新規試験管に移した。タンパク質を、室温、暗所で一晩平衡化し、次いで、0.22ミクロンシリンジフィルター(Milex GV;Millipore)を用いて濾過して、沈殿物を除去した。NanoDrop分光光度計を用いてOD280の吸光度を測定し、タンパク質の理論上のモル吸光係数を使用して濃度を算出した。
【0420】
【表10】
【0421】
実施例13
操作されたポリペプチドの安定性
本明細書に記載された操作されたポリペプチドは、物理的に安定である。表X7は、A100およびABD2−HuSealで実施されたサイズ排除クロマトグラフィー(SEC)の結果を示す。操作されたポリペプチドは、A100と比較して、二量体/オリゴマーへの自己会合をほとんど示さないか、または全く示さない。
【0422】
【表11】
Pk1=単量体
Pk2=二量体
Pk3=オリゴマー(三量体/四量体)
【0423】
SEC法:
カラム−Tosoh TSKゲルG3000 SW×l 7.8mm×30cm(番号08541)
移動相−10mMリン酸Na、pH7.4+238mM NaCl+2.7mM KCl
実施時間−22分
流速−0.8mL/分
カラム温度−25℃
サンプル温度−5℃
サンプルロード−40ug
検出−214nm
【0424】
実施例14
高BMI対象では、アミリンおよびレプチンの相乗作用はない
これまでの研究は、500〜550グラムの体重のラットにおいてアミリン/レプチン相乗作用を記載している。有効性およびBMIの反比例関係が述べられた後、本発明者らは、極めて肥満のラット(750グラム)における、および中程度の肥満(500〜550g)の範囲へ食事制限され、その後、薬物治療を開始した極めて肥満のラットにおいて、組合せの効果を評価した。
【0425】
この研究では、極めて肥満のラット(750g)の1群に自由摂取させ、アミリン、レプチンまたはアミリン+レプチンの組合せで治療した。アミリンは有効であったが、レプチンを添加した場合に相乗作用の証拠はなかった。極めて肥満のラット(750g)の第2群は、これまでに相乗作用が実証されている500〜550gの範囲にカロリー制限された。次いで、これらの動物は、アミリン/レプチン治療を開始し、自由摂取させた。
図10は、研究の結果を示す。媒体およびレプチン単剤療法で治療されたラットにおいて、迅速な体重の再増加が明白であった。アミリン単剤療法を用いていくらかの体重維持が達成された。組合せを用いた場合に、さらなる体重維持は達成されなかった。これらの知見は、「高BMI」げっ歯類における相乗作用の欠如は、食事主導によって簡単にレスキューされ得ないということを示唆する。
【0426】
実施例15
操作されたポリペプチドのアミリンアゴニストとの相乗作用
この研究は、ABD2−HuSeal(化合物64)の週に1回の投与は、PEG−ラットアミリン(Des−Lys1−[Lys26(mPEG40K)]−ラットアミリン(配列番号148)、化合物124)の週に2回の投与と同時投与される場合に相乗作用にとって十分であることを示す。
図11は、操作されたポリペプチドおよびPEG−ラットアミリンの組合せが、各薬剤単独について観察された結果よりも多い体重減少をもたらすことを示す。ABD2−HuSealは、500gの平均体重の雄のDIO HSDラットに、120nmol/kgで投与し、PEG−アミリンは、125nmol/kgで投与した。
【0427】
実施例16
非肥満、1型糖尿病マウスにおける操作されたポリペプチドの抗糖尿病効果
この研究の目的は、1型真性糖尿病(T1DM)の高用量STZマウスモデルにおいて、操作されたポリペプチドの、重要な糖尿病エンドポイントおよび代謝エンドポイントに対するインビボ効果を評価することであった。C57 BL/6雄マウスに、1型糖尿病を誘発するために200mg/kgのSTZの単回腹腔内注射を投与した。化合物は、週に2回皮下に4週間投与した。測定されるエンドポイントは、HbA1cレベル、グルコースレベル、体重および食物摂取を含んでいた。
【0428】
図12は、化合物2が、STZ誘発性糖尿病マウスにおける血糖の用量関連低減をもたらしたことを示す。
図13に示されるように、ヘモグロビンA1cレベルの用量関連低減も、また
図14に示されるように、体重および累積食物摂取の低減ももたらされた。
【0429】
治療のグルコース低下効果が、インスリン効果によるものではないことを確実にするために、レプチン治療を低用量のインスリンと組み合わせるための別の研究を実施した。化合物2を、T1DMの高用量STZマウスモデルにおいて、0.05U/インスリンの1日用量の添加を伴うか、伴わないで投与した。C57 BL/6雄マウスに、1型糖尿病を誘発するために、175mg/kgのSTZの単回腹腔内注射を投与した。化合物は、週に2回、皮下に60nmol/kgで2週間投与した。測定されるエンドポイントは、HbA1cレベル、グルコースレベル、体重および食物摂取を含んでいた。
【0430】
図15は、化合物2の付加様式で低用量のインスリンで強化されるグルコース低下効果を示す。
図16に示されるように、ヘモグロビンA1cレベルも低減され、
図17に示されるように、体重および累積食物摂取も低減された。
【0431】
VIII.実施形態
本明細書に記載される操作されたポリペプチド、その使用方法および医薬組成物のさらなる実施形態は、以下のとおりである:
【0432】
実施形態1.アルブミン結合ドメインポリペプチド(ABD)と、レプチン、レプチン類似体またはその活性断片から選択される第1のペプチドホルモンドメイン(HD1)とを含む操作されたポリペプチドであって、
前記ABDは、
(i)LA X3 AK X6 X7 AN X10 ELD X14 YGVSDF YKRLI X26 KAKT VEGVEALK X39 X40 IL X43 X44 LP(配列番号300)
(配列中、互いに独立して、
X3は、E、S、QおよびCから選択され;
X6は、E、SおよびCから選択され;
X7は、AおよびSから選択され;
X10は、A、SおよびRから選択され;
X14は、A、S、CおよびKから選択され;
X26は、DおよびEから選択され;
X39は、DおよびEから選択され;
X40は、AおよびEから選択され;
X43は、AおよびKから選択され;
X44は、A、SおよびEから選択され;
位置45のロイシンは、存在するか、または存在せず;
位置46のプロリンは、存在するか、または存在しない)と、
(ii)(i)において定義される配列と少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列
(ただし、X
7は、L、EまたはDではないか;
または代わりに、
アミノ酸配列は、PCT公開出願番号WO2009/016043において定義されるような以下の配列:LAEAK X
a X
b A X
c X
d EL X
e KY GVSD X
5 YK X
8 X
9 I X
11 X
12 A X
14 TVEGV X
20 AL X
23 X
24 X
25 ILAALP(配列番号679)
によって定義されず、配列中、
互いに独立して、
X
aは、VおよびEから選択され;
X
bは、L、EおよびDから選択され;
X
cは、N、LおよびIから選択され;
X
dは、RおよびKから選択され;
X
eは、DおよびKから選択され;
X
5は、YおよびFから選択され;
X
8は、N、RおよびSから選択され;
X
9は、V、I、L、M、FおよびYから選択され;
X
11は、N、S、EおよびDから選択され;
X
12は、R、KおよびNから選択され;
X
14は、KおよびRから選択され;
X
20は、D、N、Q、E、H、S、RおよびKから選択され;
X
23は、K、IおよびTから選択され;
X
24は、A、S、T、G、H、LおよびDから選択され;
X
25は、H、EおよびDから選択される)と
を含むアミノ酸配列から選択されるアミノ酸配列を含む、操作されたポリペプチド。
【0433】
実施形態2.前記HD1と共有結合によって連結している第1のリンカー(L1)をさらに含む、実施形態1に記載の操作されたポリペプチド。
【0434】
実施形態3.N末端部分として前記ABDを含み、C末端部分として前記HD1を含む、実施形態1または2に記載の操作されたポリペプチド。
【0435】
実施形態4.C末端部分として前記ABDを含み、N末端部分として前記HD1を含む、実施形態1または2に記載の操作されたポリペプチド。
【0436】
実施形態5.構造:ABD−HD1を含む、実施形態3に記載の操作されたポリペプチド。
【0437】
実施形態6.構造:ABD−L1−HD1を含む、実施形態3に記載の操作されたポリペプチド。
【0438】
実施形態7.構造:HD1−ABDを含む、実施形態4に記載の操作されたポリペプチド。
【0439】
実施形態8.構造:HD1−L1−ABDを含む、実施形態4に記載の操作されたポリペプチド。
【0440】
実施形態9.前記HD1が、レプチン、レプチン類似体、レプチン活性断片またはレプチン誘導体である、実施形態1から8のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0441】
実施形態10.前記HD1が、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11、および配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号15、配列番号16、配列番号17、配列番号18、配列番号19、配列番号20、配列番号21、配列番号22、配列番号23、配列番号24、配列番号25、配列番号26、配列番号27、配列番号28、配列番号29、配列番号30、配列番号31、配列番号32、配列番号33、配列番号143、配列番号144、配列番号145、配列番号146、配列番号664、配列番号665、配列番号666、配列番号667、配列番号668、配列番号669、配列番号670、配列番号671、配列番号672、配列番号673、配列番号674、配列番号675、配列番号676、配列番号677、および配列番号680からなる群から選択されるアミノ酸配列と少なくとも50%の同一性を有する、実施形態1から9のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0442】
実施形態11.前記HD1が、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11、および配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号15、配列番号16、配列番号17、配列番号18、配列番号19、配列番号20、配列番号21、配列番号22、配列番号23、配列番号24、配列番号25、配列番号26、配列番号27、配列番号28、配列番号29、配列番号30、配列番号31、配列番号32、配列番号33、配列番号143、配列番号144、配列番号145、配列番号146、配列番号664、配列番号665、配列番号666、配列番号667、配列番号668、配列番号669、配列番号670、配列番号671、配列番号672、配列番号673、配列番号674、配列番号675、配列番号676、配列番号677、および配列番号680からなる群から選択されるアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有する、実施形態1から10のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0443】
実施形態12.前記HD1が、ヒトレプチンと少なくとも50%の同一性を有する、実施形態1から11のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0444】
実施形態13.前記HD1が、ヒトレプチンと少なくとも90%の同一性を有する、実施形態1から12のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0445】
実施形態14.前記HD1が、配列番号20と少なくとも50%の同一性を有する、実施形態1から13のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0446】
実施形態15.前記HD1が、配列番号20と少なくとも90%の同一性を有する、実施形態1から14のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
実施形態16.前記HD1が、カモノハシレプチンと少なくとも50%の同一性を有する、実施形態1から15のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0447】
実施形態17.前記HD1が、アザラシレプチンと少なくとも50%の同一性を有する、実施形態1から16のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0448】
実施形態18.前記HD1が、挿入、欠失、付加および置換のうちいずれか1種またはそれらの組合せから独立に選択される1〜5個のアミノ酸修飾を有する、実施形態1から17のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0449】
実施形態19.前記HD1が、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号15、配列番号16、配列番号17、配列番号18、配列番号19、配列番号20、配列番号21、配列番号22、配列番号23、配列番号24、配列番号25、配列番号26、配列番号27、配列番号28、配列番号29、配列番号30、配列番号31、配列番号32、配列番号33、配列番号143、配列番号144、配列番号145、配列番号146、配列番号664、配列番号665、配列番号666、配列番号667、配列番号668、配列番号669、配列番号670、配列番号671、配列番号672、配列番号673、配列番号674、配列番号675、配列番号676、配列番号677、および配列番号680からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、実施形態1から18のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0450】
実施形態20.前記HD1が、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号15、配列番号16、配列番号17、配列番号18、配列番号19、配列番号20、配列番号21、配列番号22、配列番号23、配列番号24、配列番号25、配列番号26、配列番号27、配列番号28、配列番号29、配列番号30、配列番号31、配列番号32、配列番号33、配列番号143、配列番号144、配列番号145、配列番号146、配列番号664、配列番号665、配列番号666、配列番号667、配列番号668、配列番号669、配列番号670、配列番号671、配列番号672、配列番号673、配列番号674、配列番号675、配列番号676、配列番号677、および配列番号680からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、実施形態1から19のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0451】
実施形態21.前記HD1が、配列番号1である、実施形態1から20のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0452】
実施形態22.前記HD1が、配列番号2である、実施形態1から20のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0453】
実施形態23.前記HD1が、配列番号3である、実施形態1から20のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0454】
実施形態24.前記HD1が、配列番号4である、実施形態1から20のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0455】
実施形態25.前記HD1が、配列番号5である、実施形態1から20のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0456】
実施形態26.前記HD1が、配列番号6である、実施形態1から20のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0457】
実施形態27.前記HD1が、配列番号7である、実施形態1から20のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0458】
実施形態28.前記HD1が、配列番号8である、実施形態1から20のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0459】
実施形態29.前記HD1が、配列番号9である、実施形態1から20のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0460】
実施形態30.前記HD1が、配列番号10である、実施形態1から20のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0461】
実施形態31.前記HD1が、配列番号11である、実施形態1から20のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0462】
実施形態32.前記HD1が、配列番号12である、実施形態1から20のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0463】
実施形態33.前記HD1が、配列番号13である、実施形態1から20のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0464】
実施形態34.前記HD1が、配列番号14である、実施形態1から20のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0465】
実施形態35.前記HD1が、配列番号15である、実施形態1から20のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0466】
実施形態36.前記HD1が、配列番号16である、実施形態1から20のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0467】
実施形態37.前記HD1が、配列番号17である、実施形態1から20のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0468】
実施形態38.前記HD1が、配列番号18である、実施形態1から20のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0469】
実施形態39.前記HD1が、配列番号19である、実施形態1から20のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0470】
実施形態40.前記HD1が、配列番号20である、実施形態1から20のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0471】
実施形態41.前記HD1が、配列番号21である、実施形態1から20のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0472】
実施形態42.前記HD1が、配列番号22である、実施形態1から20のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0473】
実施形態43.前記HD1が、配列番号23である、実施形態1から20のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0474】
実施形態44.前記HD1が、配列番号24である、実施形態1から20のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0475】
実施形態45.前記HD1が、配列番号25である、実施形態1から20のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0476】
実施形態46.前記HD1が、配列番号26である、実施形態1から20のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0477】
実施形態47.前記HD1が、配列番号27である、実施形態1から20のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0478】
実施形態48.前記HD1が、配列番号28である、実施形態1から20のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0479】
実施形態49.前記HD1が、配列番号29である、実施形態1から20のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0480】
実施形態50.前記HD1が、配列番号30である、実施形態1から20のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0481】
実施形態51.前記HD1が、配列番号31である、実施形態1から20のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0482】
実施形態52.前記HD1が、配列番号32である、実施形態1から20のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0483】
実施形態53.前記HD1が、配列番号33である、実施形態1から20のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0484】
実施形態54.前記ABDが、
(i)LA X3 AK X6 X7 AN X10 ELD X14 YGVSDF YKRLI X26 KAKT VEGVEALK X39 X40 IL X43 X44 LP(配列番号300)
(配列中、互いに独立して、
X3は、E、S、QおよびCから選択され;
X6は、E、SおよびCから選択され;
X7は、AおよびSから選択され;
X10は、A、SおよびRから選択され;
X14は、A、S、CおよびKから選択され;
X26は、DおよびEから選択され;
X39は、DおよびEから選択され;
X40は、AおよびEから選択され;
X43は、AおよびKから選択され;
X44は、A、SおよびEから選択され;
位置45のロイシンは、存在するか、または存在せず;
位置46のプロリンは、存在するか、または存在しない)
を含むアミノ酸配列から選択されるアミノ酸配列を含む、実施形態1から53のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0485】
実施形態55.前記ABDが、(ii)(i)において定義される配列と少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を含むアミノ酸配列を含む、実施形態1から54のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0486】
実施形態56.前記ABDが、
(i)LA X3 AK X6 X7 AN X10 ELD X14 YGVSDFYKRLIDKAKTVEGVEALKDA ILAALP(配列番号678)
(配列中、互いに独立して、X3は、E、S、QおよびCから選択され;X6は、E、SおよびCから選択され;X7は、AおよびSから選択され;X10は、A、SおよびRから選択され;X14は、A、S、CおよびKから選択され;位置45のロイシンは、存在するか、または存在せず;位置46のプロリンは、存在するか、または存在しない)と
(ii)(i)において定義される配列と少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列
(ただし、X
7は、L、EまたはDではないか;
または代わりに、
アミノ酸配列は、PCT公開出願番号WO2009/016043において定義されるような以下の配列によって定義されない:LAEAK X
a X
b A X
c X
d EL X
e KY GVSD X
5 YK X
8 X
9 I X
11 X
12 A X
14 TVEGV X
20 AL X
23 X
24 X
25 ILAALP(配列番号679)
(配列中、
互いに独立して、
X
aは、VおよびEから選択され;
X
bは、L、EおよびDから選択され;
X
cは、N、LおよびIから選択され;
X
dは、RおよびKから選択され;
X
eは、DおよびKから選択され;
X
5は、YおよびFから選択され;
X
8は、N、RおよびSから選択され;
X
9は、V、I、L、M、FおよびYから選択され;
X
11は、N、S、EおよびDから選択され;
X
12は、R、KおよびNから選択され;
X
14は、KおよびRから選択され;
X
20は、D、N、Q、E、H、S、RおよびKから選択され;
X
23は、K、IおよびTから選択され;
X
24は、A、S、T、G、H、LおよびDから選択され;
X
25は、H、EおよびDから選択される)と
を含むアミノ酸配列から選択されるアミノ酸配列を含む、実施形態1から55のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0487】
実施形態57.前記ABDが、
(i)LA X3 AK X6 X7 AN X10 ELD X14 YGVSDFYKRLIDKAKTVEGVEALKDA ILAALP(配列番号678)
(配列中、互いに独立して、X3は、E、S、QおよびCから選択され;X6は、E、SおよびCから選択され;X7は、AおよびSから選択され;X10は、A、SおよびRから選択され;X14は、A、S、CおよびKから選択され;位置45のロイシンは、存在するか、または存在せず;位置46のプロリンは、存在するか、または存在しない)を含むアミノ酸配列から選択されるアミノ酸配列を含む、実施形態1から56のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0488】
実施形態58.前記ABDが、(ii)(i)において定義される配列と少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を含むアミノ酸配列を含む、実施形態1から57のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0489】
実施形態59.X6が、ABDにおいてEである、前記の実施形態のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0490】
実施形態60.X3が、ABDにおいてSである、前記の実施形態のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0491】
実施形態61.X3が、ABDにおいてEである、前記の実施形態のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0492】
実施形態62.X7が、ABDにおいてAである、前記の実施形態のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0493】
実施形態63.X14が、ABDにおいてSである、前記の実施形態のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0494】
実施形態64.X14が、ABDにおいてCである、前記の実施形態のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0495】
実施形態65.X10が、ABDにおいてAである、前記の実施形態のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0496】
実施形態66.X10が、ABDにおいてSである、前記の実施形態のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0497】
実施形態67.位置46のプロリンが存在しない、前記の実施形態のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0498】
実施形態68.X26が、ABDにおいてDである、実施形態56から58のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0499】
実施形態69.X39が、ABDにおいてDである、実施形態56から58のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0500】
実施形態70.X40が、ABDにおいてAである、実施形態56から58のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0501】
実施形態71.X43が、ABDにおいてAである、実施形態56から58のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0502】
実施形態72.X44が、ABDにおいてAである、実施形態56から58のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0503】
実施形態73.ABDが、相互作用のkoff値が最大で5×10
−5s
−1であるように、アルブミンと結合する、前記の実施形態のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0504】
実施形態74.ABDが、相互作用のkoff値が最大で5×10
−6s
−1であるように、アルブミンと結合する、前記の実施形態のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0505】
実施形態75.ABDが、配列番号301〜452、455〜463および500〜593のいずれか1つから選択される、前記の実施形態のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0506】
実施形態76.ABDが、配列番号313、配列番号448、配列番号463、配列番号500、配列番号501および配列番号502のいずれか1つから選択されるアミノ酸配列から選択される、前記の実施形態のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0507】
実施形態77.ABDが、(i)において定義される配列のNおよび/またはC末端に位置する1個または複数のさらなるアミノ酸残基をさらに含む、前記の実施形態のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0508】
実施形態78.1個または複数のさらなるアミノ酸残基が、ABDのN末端におけるセリン残基を含む、前記の実施形態のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0509】
実施形態79.1個または複数のさらなるアミノ酸残基が、ABDのN末端におけるグリシン残基を含む、前記の実施形態のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0510】
実施形態80.1個または複数のさらなるアミノ酸残基が、ABDのN末端におけるシステイン残基を含む、前記の実施形態のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0511】
実施形態81.1個または複数のさらなるアミノ酸残基が、ABDのC末端におけるグリシン残基を含む、前記の実施形態のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0512】
実施形態82.1個または複数のさらなるアミノ酸残基が、ABDのC末端におけるシステイン残基を含む、前記の実施形態のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0513】
実施形態83.ABDが、配列番号445〜450および配列番号462〜463のいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を含む、前記の実施形態のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0514】
実施形態84.ABDが、2個以下のシステイン残基を含む、前記の実施形態のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0515】
実施形態85.ABDが、1個以下のシステイン残基を含む、前記の実施形態のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0516】
実施形態86.HD1が、ポリペプチドの位置X
14のシステイン残基のチオール基を介して、ABDとコンジュゲートしている、前記の実施形態のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0517】
実施形態87.前記リンカーL1が、1〜30個のアミノ酸または30個未満のアミノ酸のペプチドである、前記の実施形態のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0518】
実施形態88.前記リンカーL1が、20種の天然に存在するアミノ酸から選択される、前記の実施形態のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0519】
実施形態89.前記リンカーL1が、化学合成、翻訳後化学修飾によってか、または宿主細胞における組換え発現によるインビボ組み込みによって組み込まれる非天然アミノ酸である、前記の実施形態のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0520】
実施形態90.前記リンカーL1アミノ酸が、セリン、グリシン、アラニン、プロリン、アスパラギン、グルタミン、グルタミン酸、アスパラギン酸およびリシンから選択される、前記の実施形態のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0521】
実施形態91.前記リンカーL1が、過半数の立体障害のないアミノ酸を含む、前記の実施形態のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0522】
実施形態92.前記リンカーL1が、以下:酸性リンカー、塩基性リンカーおよび構造的モチーフのうち1つまたは複数を含む、前記の実施形態のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0523】
実施形態93.前記リンカーL1が、ポリグリシン、ポリアラニン、ポリ(Gly−Ala)またはポリ(Gly−Ser)を含む、前記の実施形態のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0524】
実施形態94.前記リンカーL1が、(Gly)
3、(Gly)
4(配列番号116)または(Gly)
5(配列番号117)のポリグリシンを含む、前記の実施形態のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0525】
実施形態95.前記リンカーL1が、(Gly)
3Lys(Gly)
4(配列番号118);(Gly)
3AsnGlySer(Gly)
2(配列番号119);(Gly)
3Cys(Gly)
4(配列番号120);およびGlyProAsnGlyGly(配列番号121)を含む、
前記の実施形態のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0526】
実施形態96.前記リンカーL1が、GlyおよびAlaの組合せを含む、前記の実施形態のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0527】
実施形態97.前記リンカーL1が、GlyおよびSerの組合せを含む、前記の実施形態のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0528】
実施形態98.前記リンカーL1が、GlyおよびGluの組合せを含む、前記の実施形態のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0529】
実施形態99.前記リンカーL1が、GlyおよびLysの組合せを含む、前記の実施形態のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0530】
実施形態100.前記リンカーL1が、[Gly−Ser]
n(配列番号122)、[Gly−Gly−Ser]
n(配列番号123)、[Gly−Gly−Gly−Ser]
n(配列番号124)および[Gly−Gly−Gly−Gly−Ser]
n(配列番号125);(配列中、nは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10である)からなる群から選択される配列を含む、前記の実施形態のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0531】
実施形態101.前記リンカーL1が、[Gly−Glu]
n(配列番号126);[Gly−Gly−Glu]
n(配列番号127);[Gly−Gly−Gly−Glu]
n(配列番号128);[Gly−Gly−Gly−Gly−Glu]
n(配列番号129)、[Gly−Asp]
n(配列番号130);[Gly−Gly−Asp]
n(配列番号131);[Gly−Gly−Gly−Asp]
n(配列番号132);[Gly−Gly−Gly−Gly−Asp]
n(配列番号133)(配列中、nは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10である)からなる群から選択される配列を含む、前記の実施形態のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0532】
実施形態102.前記リンカーL1が、[Gly−Glu]
n(配列番号126);[Gly−Gly−Glu]
n(配列番号127);[Gly−Gly−Gly−Glu]
n(配列番号128);[Gly−Gly−Gly−Gly−Glu]
n(配列番号129)、[Gly−Asp]
n(配列番号130);[Gly−Gly−Asp]
n(配列番号131);[Gly−Gly−Gly−Asp]
n(配列番号132);[Gly−Gly−Gly−Gly−Asp]
n(配列番号133)(配列中、nは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10である)からなる群から選択される配列を含む、前記の実施形態のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0533】
実施形態103.前記リンカーL1が、[Gly−Lys]
n(配列番号134);[Gly−Gly−Lys]
n(配列番号135);[Gly−Gly−Gly−Lys]
n(配列番号136);[Gly−Gly−Gly−Gly−Lys]
n(配列番号137)、[Gly−Arg]
n(配列番号138);[Gly−Gly−Arg]
n(配列番号139);[Gly−Gly−Gly−Arg]
n(配列番号140);[Gly−Gly−Gly−Gly−Arg]
n(配列番号141)(配列中、nは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10である)からなる群から選択される配列を含む、前記の実施形態のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0534】
実施形態104.前記リンカーL1が、[Glu−Ala−Ala−Ala−Lys]
n(配列番号142)、(配列中、nは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10である)からなる群から選択される配列を含む、前記の実施形態のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0535】
実施形態105.前記リンカーL1が、[Gly−Gly−Glu]
6(配列番号153) [Gly−Gly−Lys]
6(配列番号154)、[Glu−Ala−Ala−Ala−Lys]
3(配列番号155)、[Glu−Ala−Ala−Ala−Lys]
4(配列番号156)、または[Glu−Ala−Ala−Ala−Lys]
5(配列番号157)からなる群から選択される配列を含む、前記の実施形態のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0536】
実施形態106.前記リンカーL1が、N末端TGジペプチドを含む、前記の実施形態のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0537】
実施形態107.前記リンカーL1が、C末端ASジペプチドを含む、前記の実施形態のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0538】
実施形態108.前記リンカーL1が、N末端TGジペプチドおよびC末端ASジペプチドを含む、前記の実施形態のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0539】
実施形態109.前記リンカーL1が、TG−(GGGS)
1(配列番号215)、TG−(GGGS)
2(配列番号216)、TG−(GGGS)
3(配列番号217)、TG−(GGGS)
4(配列番号218)、TG−(GGGS)
5(配列番号219)、(GGGS)
1−AS(配列番号220)、(GGGS)
2−AS(配列番号221)、(GGGS)
3−AS(配列番号222)、(GGGS)
4−AS(配列番号223)、(GGGS)
5−AS(配列番号224)、TG−(GGGS)
1−AS(配列番号225)、TG−(GGGS)
2−AS(配列番号226)、TG−(GGGS)
3−AS(配列番号227)、TG−(GGGS)
4−AS(配列番号228)、およびTG−(GGGS)
5−AS(配列番号229)からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、前記の実施形態のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0540】
実施形態110.前記TGジペプチドTGおよび/または前記ジペプチドASが、存在しないか、またはT、A、SおよびGから選択されるアミノ酸の対によって置換されている、前記の実施形態のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0541】
実施形態111.1種または複数のさらなるリンカーをさらに含む、前記の実施形態のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0542】
実施形態112.配列番号594から663および681からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、前記の実施形態のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0543】
実施形態113.配列番号594に示されるアミノ酸配列を含む、実施形態1から112のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0544】
実施形態114.配列番号595に示されるアミノ酸配列を含む、実施形態1から112のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0545】
実施形態115.配列番号596に示されるアミノ酸配列を含む、実施形態1から112のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0546】
実施形態116.配列番号597に示されるアミノ酸配列を含む、実施形態1から112のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0547】
実施形態117.配列番号598に示されるアミノ酸配列を含む、実施形態1から112のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0548】
実施形態118.配列番号599に示されるアミノ酸配列を含む、実施形態1から112のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0549】
実施形態119.配列番号600に示されるアミノ酸配列を含む、実施形態1から112のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0550】
実施形態120.配列番号601に示されるアミノ酸配列を含む、実施形態1から112のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0551】
実施形態121.配列番号602に示されるアミノ酸配列を含む、実施形態1から112のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0552】
実施形態122.配列番号603に示されるアミノ酸配列を含む、実施形態1から112のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0553】
実施形態123.配列番号604に示されるアミノ酸配列を含む、実施形態1から112のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0554】
実施形態124.配列番号605に示されるアミノ酸配列を含む、実施形態1から112のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0555】
実施形態125.配列番号606に示されるアミノ酸配列を含む、実施形態1から112のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0556】
実施形態126.配列番号607に示されるアミノ酸配列を含む、実施形態1から112のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0557】
実施形態127.配列番号608に示されるアミノ酸配列を含む、実施形態1から112のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0558】
実施形態128.配列番号609に示されるアミノ酸配列を含む、実施形態1から112のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0559】
実施形態129.配列番号610に示されるアミノ酸配列を含む、実施形態1から112のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0560】
実施形態130.配列番号611に示されるアミノ酸配列を含む、実施形態1から112のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド
【0561】
実施形態131.配列番号612に示されるアミノ酸配列を含む、実施形態1から112のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0562】
実施形態132.配列番号613に示されるアミノ酸配列を含む、実施形態1から112のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0563】
実施形態133.配列番号614に示されるアミノ酸配列を含む、実施形態1から112のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0564】
実施形態134.配列番号615に示されるアミノ酸配列を含む、実施形態1から112のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0565】
実施形態135.配列番号616に示されるアミノ酸配列を含む、実施形態1から112のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0566】
実施形態136.配列番号617に示されるアミノ酸配列を含む、実施形態1から112のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0567】
実施形態137.配列番号618に示されるアミノ酸配列を含む、実施形態1から112のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0568】
実施形態138.配列番号619に示されるアミノ酸配列を含む、実施形態1から112のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0569】
実施形態139.配列番号620に示されるアミノ酸配列を含む、実施形態1から112のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0570】
実施形態140.配列番号621に示されるアミノ酸配列を含む、実施形態1から112のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0571】
実施形態141.配列番号622に示されるアミノ酸配列を含む、実施形態1から112のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0572】
実施形態142.配列番号623に示されるアミノ酸配列を含む、実施形態1から112のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0573】
実施形態143.配列番号624に示されるアミノ酸配列を含む、実施形態1から112のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0574】
実施形態144.配列番号625に示されるアミノ酸配列を含む、実施形態1から112のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0575】
実施形態145.配列番号626に示されるアミノ酸配列を含む、実施形態1から112のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0576】
実施形態146.配列番号627に示されるアミノ酸配列を含む、実施形態1から112のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0577】
実施形態147.配列番号628に示されるアミノ酸配列を含む、実施形態1から112のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0578】
実施形態148.配列番号629に示されるアミノ酸配列を含む、実施形態1から112のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0579】
実施形態149.配列番号630に示されるアミノ酸配列を含む、実施形態1から112のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0580】
実施形態150.配列番号631に示されるアミノ酸配列を含む、実施形態1から112のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0581】
実施形態151.配列番号632に示されるアミノ酸配列を含む、実施形態1から112のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0582】
実施形態152.配列番号633に示されるアミノ酸配列を含む、実施形態1から112のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0583】
実施形態153.配列番号634に示されるアミノ酸配列を含む、実施形態1から112のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0584】
実施形態154.配列番号635に示されるアミノ酸配列を含む、実施形態1から112のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0585】
実施形態155.配列番号636に示されるアミノ酸配列を含む、実施形態1から112のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0586】
実施形態156.配列番号637に示されるアミノ酸配列を含む、実施形態1から112のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0587】
実施形態157.配列番号638に示されるアミノ酸配列を含む、実施形態1から112のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0588】
実施形態158.配列番号639に示されるアミノ酸配列を含む、実施形態1から112のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0589】
実施形態159.配列番号640に示されるアミノ酸配列を含む、実施形態1から112のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0590】
実施形態160.配列番号641に示されるアミノ酸配列を含む、実施形態1から112のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0591】
実施形態161.配列番号642に示されるアミノ酸配列を含む、実施形態1から112のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0592】
実施形態162.配列番号643に示されるアミノ酸配列を含む、実施形態1から112のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0593】
実施形態163.配列番号644に示されるアミノ酸配列を含む、実施形態1から112のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0594】
実施形態164.配列番号645に示されるアミノ酸配列を含む、実施形態1から112のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0595】
実施形態165.配列番号646に示されるアミノ酸配列を含む、実施形態1から112のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0596】
実施形態166.配列番号647に示されるアミノ酸配列を含む、実施形態1から112のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0597】
実施形態167.配列番号648に示されるアミノ酸配列を含む、実施形態1から112のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0598】
実施形態168.配列番号649に示されるアミノ酸配列を含む、実施形態1から112のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0599】
実施形態169.配列番号650に示されるアミノ酸配列を含む、実施形態1から112のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0600】
実施形態170.配列番号651に示されるアミノ酸配列を含む、実施形態1から112のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0601】
実施形態171.配列番号652に示されるアミノ酸配列を含む、実施形態1から112のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0602】
実施形態172.配列番号653に示されるアミノ酸配列を含む、実施形態1から112のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0603】
実施形態173.配列番号654に示されるアミノ酸配列を含む、実施形態1から112のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0604】
実施形態174.配列番号655に示されるアミノ酸配列を含む、実施形態1から112のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0605】
実施形態175.配列番号656に示されるアミノ酸配列を含む、実施形態1から112のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0606】
実施形態176.配列番号657に示されるアミノ酸配列を含む、実施形態1から112のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0607】
実施形態177.配列番号658に示されるアミノ酸配列を含む、実施形態1から112のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0608】
実施形態178.配列番号659に示されるアミノ酸配列を含む、実施形態1から112のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0609】
実施形態179.配列番号660に示されるアミノ酸配列を含む、実施形態1から112のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0610】
実施形態180.配列番号661に示されるアミノ酸配列を含む、実施形態1から112のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0611】
実施形態181.配列番号662に示されるアミノ酸配列を含む、実施形態1から112のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0612】
実施形態182.配列番号663に示されるアミノ酸配列を含む、実施形態1から112のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0613】
実施形態183.配列番号681に示されるアミノ酸配列を含む、実施形態1から112のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0614】
実施形態184.約10
−6mol/L未満の解離定数を有する、血清アルブミンに対する親和性を有する、実施形態から183のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0615】
実施形態185.約10
−9mol/L未満の解離定数を有する、血清アルブミンに対する親和性を有する、実施形態1から184のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0616】
実施形態186.約10
−12mol/L未満の解離定数を有する、血清アルブミンに対する親和性を有する、実施形態1から185のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0617】
実施形態187.少なくとも1日間の作用持続期間を有する、実施形態1から186のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0618】
実施形態188.少なくとも3日間の作用持続期間を有する、実施形態1から187のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0619】
実施形態189.少なくとも5日間の作用持続期間を有する、実施形態1から188のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0620】
実施形態190.ヒト対象において少なくとも5日間の作用持続期間を有する、実施形態例1から189のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0621】
実施形態191.対象において疾患または障害を治療する方法であって、実施形態1から190のいずれか一項に記載の操作されたポリペプチドを、それを必要とする対象に前記疾患または障害を治療するのに有効である量で投与することを含む、方法。
【0622】
実施形態192.前記疾患または障害が、脂肪異栄養症、脂質異常症、高脂血症、過体重、肥満症、視床下部性無月経、アルツハイマー病、レプチン欠乏症、脂肪肝疾患、糖尿病(I型およびII型を含む)、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)、メタボリックシンドロームXおよびハンチントン舞踏病であり得る疾患または障害である、実施形態191に記載の方法。
【0623】
実施形態193.前記疾患または障害が、脂肪異栄養症、脂質異常症、高脂血症、過体重、肥満症、視床下部性無月経、アルツハイマー病、レプチン欠乏症、脂肪肝疾患または糖尿病である、実施形態191または実施形態192に記載の方法。
【0624】
実施形態194.前記疾患または障害が、I型糖尿病またはII型糖尿病である、実施形態191から193のいずれか1つに記載の方法。
【0625】
実施形態195.前記疾患または障害が、肥満症である、実施形態191から193のいずれか1つに記載の方法。
【0626】
実施形態196.前記疾患または障害が、脂肪異栄養症またはレプチン欠乏症である、実施形態191から193のいずれか1つに記載の方法。
【0627】
実施形態197.実施形態1から190のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチドおよび医薬上許容される賦形剤を含む医薬組成物。
【0628】
実施形態198.注射用医薬組成物である、実施形態197に記載の医薬組成物。
【0629】
実施形態199.徐放性または持続性医薬組成物である、実施形態197から198のいずれか1つに記載の医薬組成物。
【0630】
実施形態200.1日1回の医薬組成物である、実施形態197から199のいずれか1つに記載の医薬組成物。
【0631】
実施形態201.週に1回の医薬組成物である、実施形態197から199のいずれか1つに記載の医薬組成物。
【0632】
実施形態202.対象において疾患または障害を治療するための、実施形態197から201のいずれか1つに記載の医薬組成物。
【0633】
実施形態203.前記疾患または障害が、脂肪異栄養症、脂質異常症、高脂血症、過体重、肥満症、視床下部性無月経、アルツハイマー病、レプチン欠乏症、脂肪肝疾患、糖尿病(I型およびII型を含む)、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)、メタボリックシンドロームXおよびハンチントン舞踏病である、実施形態197から202のいずれか1つに記載の医薬組成物。
【0634】
実施形態204.前記疾患または障害が、脂肪異栄養症、脂質異常症、高脂血症、過体重、肥満症、視床下部性無月経、アルツハイマー病、レプチン欠乏症、脂肪肝疾患または糖尿病である、実施形態202または実施形態203に記載の医薬組成物。
【0635】
実施形態205.前記疾患または障害が、I型糖尿病またはII型糖尿病である、実施形態202から204のいずれか1つに記載の方法。
【0636】
実施形態206.前記疾患または障害が、肥満症である、実施形態202から204のいずれか1つに記載の方法。
【0637】
実施形態207.前記疾患または障害が、脂肪異栄養症またはレプチン欠乏症である、実施形態202から204のいずれか1つに記載の方法。
【0638】
実施形態208.前記HD1が、
(a)異なるアミノ酸が、以下の位置:4、32、33、35、50、64、68、71、74、77、78、89、97、100、102、105、106、107、108、111、118、136、138、142および145のうち1つまたは複数で置換されており、同じ番号付けを保持する(位置28にグルタミニル残基がない場合であっても)、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号15、配列番号16、配列番号17、配列番号18、配列番号19、配列番号20、配列番号21、配列番号22、配列番号23、配列番号24、配列番号25、配列番号26、配列番号27、配列番号28、配列番号29、配列番号30、配列番号31、配列番号32、配列番号33、配列番号143、配列番号144、配列番号145、配列番号146、配列番号664、配列番号665、配列番号666、配列番号667、配列番号668、配列番号669、配列番号670、配列番号671、配列番号672、配列番号673、配列番号674、配列番号675、配列番号676、および配列番号677からなる群から選択されるレプチンのアミノ酸配列1〜146;
(b)位置28のグルタミニル残基が存在しない下位区分(a)のアミノ酸配列;
(c)メチオニル残基が、N末端に付加されている下位区分(a)または(b)のアミノ酸配列;
(d)(i)アミノ酸98〜146;
(ii)アミノ酸1〜32;
(iii)アミノ酸40〜116;
(iv)アミノ酸1〜99および112〜146;
(v)アミノ酸100〜111のうち1個または複数が、アミノ酸99から112の間に入っている、アミノ酸1〜99および112〜146;
(vi)アミノ酸100、102、105、106、107、108、111、118、136、138、142および145のうち1個または複数が、別のアミノ酸で置換されている、下位区分(i)のアミノ酸配列;
(vii)アミノ酸4、8および32のうち1個または複数が、別のアミノ酸で置換されている、下位区分(ii)のアミノ酸配列;
(viii)アミノ酸50、53、60、64、66、67、68、71、74、77、78、89、97、100、102、105、106、107、108、111および112のうち1個または複数が、別のアミノ酸で置換されている、下位区分(iii)のアミノ酸配列;
(ix)アミノ酸4、8、32、33、35、48、50、53、60、64、66、67、68、71、74、77、78、89、97、112、118、136、138、142および145のうち1個または複数が、別のアミノ酸で置換されている、下位区分(iv)のアミノ酸配列;ならびに
(x)アミノ酸4、32、33、35、50、64、68、71、74、77、78、89、97、100、102、105、106、107、108、111、118、136、138、142および145のうち1個または複数が、別のアミノ酸で置換されている、下位区分(v)のアミノ酸配列;
(xi)メチオニンがN末端に付加されている下位区分(i)〜(x)のいずれかのアミノ酸配列
からなる群から選択される(a)、(b)または(c)のアミノ酸配列の断片からなるレプチン;
(e)前記アミノ酸配列が化学部分に付いている、下位区分(a)から(d)のいずれかのアミノ酸配列;
(f)前記化学部分が、水溶性ポリマー部分である、下位区分(e)のアミノ酸配列;
(g)前記水溶性ポリマー部分が、ポリエチレングリコール、エチレングリコール/プロピレングリコールコポリマー、カルボキシメチルセルロース、デキストラン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリ−1,3−ジオキソラン、ポリ−1,3,6−トリオキサン、エチレン/無水マレイン酸コポリマー、ポリアミノ酸ホモポリマー、ポリアミノ酸ランダムコポリマー、アルブミン、Fcタンパク質、ポリ(n−ビニルピロリドン)ポリエチレングリコール、プロピレングリコールホモポリマー、ポリプロピレンオキシド/エチレンオキシドコポリマー、ポリオキシエチル化ポリオール、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコールプロピオンアルデヒド(propionadehyde)、スクシネート、スチレン、ヒドロキシエチルデンプンからなる群から選択される下位区分(f)のアミノ酸配列;
(h)前記水溶性ポリマー部分が、ポリエチレングリコールである下位区分(g)のアミノ酸配列;ならびに
(i)前記水溶性ポリマーが、アルブミン、抗体、Fcタンパク質およびポリリシン部分からなる群から選択されるポリアミノ酸である、下位区分(g)のアミノ酸配列
からなる群から選択される、実施形態1から18のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0639】
実施形態209.前記HD1が、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号15、配列番号16、配列番号17、配列番号18、配列番号19、配列番号20、配列番号21、配列番号22、配列番号23、配列番号24、配列番号25、配列番号26、配列番号27、配列番号28、配列番号29、配列番号30、配列番号31、配列番号32、配列番号33、配列番号143、配列番号144、配列番号145、配列番号146、配列番号664、配列番号665、配列番号666、配列番号667、配列番号668、配列番号669、配列番号670、配列番号671、配列番号672、配列番号673、配列番号674、配列番号675、配列番号676、配列番号677、および配列番号680からなる群から選択されるアミノ酸配列を含み、1つまたは複数のアミノ酸置換が行われている、実施形態1から18および208のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0640】
実施形態210.前記HD1が、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号15、配列番号16、配列番号17、配列番号18、配列番号19、配列番号20、配列番号21、配列番号22、配列番号23、配列番号24、配列番号25、配列番号26、配列番号27、配列番号28、配列番号29、配列番号30、配列番号31、配列番号32、配列番号33、配列番号143、配列番号144、配列番号145、配列番号146、配列番号664、配列番号665、配列番号666、配列番号667、配列番号668、配列番号669、配列番号670、配列番号671、配列番号672、配列番号673、配列番号674、配列番号675、配列番号676、配列番号677、および配列番号680からなる群から選択されるアミノ酸配列を含み、1つのアミノ酸置換が行われている、実施形態1から18および209のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0641】
実施形態211.前記HD1が、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号15、配列番号16、配列番号17、配列番号18、配列番号19、配列番号20、配列番号21、配列番号22、配列番号23、配列番号24、配列番号25、配列番号26、配列番号27、配列番号28、配列番号29、配列番号30、配列番号31、配列番号32、配列番号33、配列番号143、配列番号144、配列番号145、配列番号146、配列番号664、配列番号665、配列番号666、配列番号667、配列番号668、配列番号669、配列番号670、配列番号671、配列番号672、配列番号673、配列番号674、配列番号675、配列番号676、配列番号677、および配列番号680からなる群から選択されるアミノ酸配列を含み、2つのアミノ酸置換が行われている、実施形態1から18および209のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0642】
実施形態212.前記HD1が、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号15、配列番号16、配列番号17、配列番号18、配列番号19、配列番号20、配列番号21、配列番号22、配列番号23、配列番号24、配列番号25、配列番号26、配列番号27、配列番号28、配列番号29、配列番号30、配列番号31、配列番号32、配列番号33、配列番号143、配列番号144、配列番号145、配列番号146、配列番号664、配列番号665、配列番号666、配列番号667、配列番号668、配列番号669、配列番号670、配列番号671、配列番号672、配列番号673、配列番号674、配列番号675、配列番号676、配列番号677、および配列番号680からなる群から選択されるアミノ酸配列を含み、3つのアミノ酸置換が行われている、実施形態1から18および209のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0643】
実施形態213.前記HD1が、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号15、配列番号16、配列番号17、配列番号18、配列番号19、配列番号20、配列番号21、配列番号22、配列番号23、配列番号24、配列番号25、配列番号26、配列番号27、配列番号28、配列番号29、配列番号30、配列番号31、配列番号32、配列番号33、配列番号143、配列番号144、配列番号145、配列番号146、配列番号664、配列番号665、配列番号666、配列番号667、配列番号668、配列番号669、配列番号670、配列番号671、配列番号672、配列番号673、配列番号674、配列番号675、配列番号676、配列番号677、および配列番号680からなる群から選択されるアミノ酸配列を含み、4つのアミノ酸置換が行われている、実施形態1から18および209のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0644】
実施形態214.前記HD1が、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号15、配列番号16、配列番号17、配列番号18、配列番号19、配列番号20、配列番号21、配列番号22、配列番号23、配列番号24、配列番号25、配列番号26、配列番号27、配列番号28、配列番号29、配列番号30、配列番号31、配列番号32、配列番号33、配列番号143、配列番号144、配列番号145、配列番号146、配列番号664、配列番号665、配列番号666、配列番号667、配列番号668、配列番号669、配列番号670、配列番号671、配列番号672、配列番号673、配列番号674、配列番号675、配列番号676、配列番号677、および配列番号680からなる群から選択されるアミノ酸配列を含み、5つのアミノ酸置換が行われている、実施形態1から18および209のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0645】
実施形態215.前記HD1が、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号15、配列番号16、配列番号17、配列番号18、配列番号19、配列番号20、配列番号21、配列番号22、配列番号23、配列番号24、配列番号25、配列番号26、配列番号27、配列番号28、配列番号29、配列番号30、配列番号31、配列番号32、配列番号33、配列番号143、配列番号144、配列番号145、配列番号146、配列番号664、配列番号665、配列番号666、配列番号667、配列番号668、配列番号669、配列番号670、配列番号671、配列番号672、配列番号673、配列番号674、配列番号675、配列番号676、配列番号677、および配列番号680からなる群から選択されるアミノ酸配列を含み、6つのアミノ酸置換が行われている、実施形態1から18および209のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0646】
実施形態216.前記HD1が、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号15、配列番号16、配列番号17、配列番号18、配列番号19、配列番号20、配列番号21、配列番号22、配列番号23、配列番号24、配列番号25、配列番号26、配列番号27、配列番号28、配列番号29、配列番号30、配列番号31、配列番号32、配列番号33、配列番号143、配列番号144、配列番号145、配列番号146、配列番号664、配列番号665、配列番号666、配列番号667、配列番号668、配列番号669、配列番号670、配列番号671、配列番号672、配列番号673、配列番号674、配列番号675、配列番号676、配列番号677、および配列番号680からなる群から選択されるアミノ酸配列を含み、7つのアミノ酸置換が行われている、実施形態1から18および209のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0647】
実施形態217.前記HD1が、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号15、配列番号16、配列番号17、配列番号18、配列番号19、配列番号20、配列番号21、配列番号22、配列番号23、配列番号24、配列番号25、配列番号26、配列番号27、配列番号28、配列番号29、配列番号30、配列番号31、配列番号32、配列番号33、配列番号143、配列番号144、配列番号145、配列番号146、配列番号664、配列番号665、配列番号666、配列番号667、配列番号668、配列番号669、配列番号670、配列番号671、配列番号672、配列番号673、配列番号674、配列番号675、配列番号676、配列番号677、および配列番号680からなる群から選択されるアミノ酸配列を含み、8つのアミノ酸置換が行われている、実施形態1から18および209のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0648】
実施形態218.前記HD1が、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号15、配列番号16、配列番号17、配列番号18、配列番号19、配列番号20、配列番号21、配列番号22、配列番号23、配列番号24、配列番号25、配列番号26、配列番号27、配列番号28、配列番号29、配列番号30、配列番号31、配列番号32、配列番号33、配列番号143、配列番号144、配列番号145、配列番号146、配列番号664、配列番号665、配列番号666、配列番号667、配列番号668、配列番号669、配列番号670、配列番号671、配列番号672、配列番号673、配列番号674、配列番号675、配列番号676、配列番号677、および配列番号680からなる群から選択されるアミノ酸配列を含み、9つのアミノ酸置換が行われている、実施形態1から18および209のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0649】
実施形態219.前記HD1が、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号15、配列番号16、配列番号17、配列番号18、配列番号19、配列番号20、配列番号21、配列番号22、配列番号23、配列番号24、配列番号25、配列番号26、配列番号27、配列番号28、配列番号29、配列番号30、配列番号31、配列番号32、配列番号33、配列番号143、配列番号144、配列番号145、配列番号146、配列番号664、配列番号665、配列番号666、配列番号667、配列番号668、配列番号669、配列番号670、配列番号671、配列番号672、配列番号673、配列番号674、配列番号675、配列番号676、配列番号677、および配列番号680からなる群から選択されるアミノ酸配列を含み、10のアミノ酸置換が行われている、実施形態1から18および209のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0650】
実施形態220.前記HD1が、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号15、配列番号16、配列番号17、配列番号18、配列番号19、配列番号20、配列番号21、配列番号22、配列番号23、配列番号24、配列番号25、配列番号26、配列番号27、配列番号28、配列番号29、配列番号30、配列番号31、配列番号32、配列番号33、配列番号143、配列番号144、配列番号145、配列番号146、配列番号664、配列番号665、配列番号666、配列番号667、配列番号668、配列番号669、配列番号670、配列番号671、配列番号672、配列番号673、配列番号674、配列番号675、配列番号676、配列番号677、および配列番号680からなる群から選択されるアミノ酸配列を含み、11のアミノ酸置換が行われている、実施形態1から18および209のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0651】
実施形態221.前記HD1が、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号15、配列番号16、配列番号17、配列番号18、配列番号19、配列番号20、配列番号21、配列番号22、配列番号23、配列番号24、配列番号25、配列番号26、配列番号27、配列番号28、配列番号29、配列番号30、配列番号31、配列番号32、配列番号33、配列番号143、配列番号144、配列番号145、配列番号146、配列番号664、配列番号665、配列番号666、配列番号667、配列番号668、配列番号669、配列番号670、配列番号671、配列番号672、配列番号673、配列番号674、配列番号675、配列番号676、配列番号677、および配列番号680からなる群から選択されるアミノ酸配列を含み、12のアミノ酸置換が行われている、実施形態1から18および209のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0652】
実施形態222.前記HD1が、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号15、配列番号16、配列番号17、配列番号18、配列番号19、配列番号20、配列番号21、配列番号22、配列番号23、配列番号24、配列番号25、配列番号26、配列番号27、配列番号28、配列番号29、配列番号30、配列番号31、配列番号32、配列番号33、配列番号143、配列番号144、配列番号145、配列番号146、配列番号664、配列番号665、配列番号666、配列番号667、配列番号668、配列番号669、配列番号670、配列番号671、配列番号672、配列番号673、配列番号674、配列番号675、配列番号676、配列番号677、および配列番号680からなる群から選択されるアミノ酸配列を含み、13のアミノ酸置換が行われている、実施形態1から18および209のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0653】
実施形態223.前記HD1が、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号15、配列番号16、配列番号17、配列番号18、配列番号19、配列番号20、配列番号21、配列番号22、配列番号23、配列番号24、配列番号25、配列番号26、配列番号27、配列番号28、配列番号29、配列番号30、配列番号31、配列番号32、配列番号33、配列番号143、配列番号144、配列番号145、配列番号146、配列番号664、配列番号665、配列番号666、配列番号667、配列番号668、配列番号669、配列番号670、配列番号671、配列番号672、配列番号673、配列番号674、配列番号675、配列番号676、配列番号677、および配列番号680からなる群から選択されるアミノ酸配列を含み、14のアミノ酸置換が行われている、実施形態1から18および209のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0654】
実施形態224.前記HD1が、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号15、配列番号16、配列番号17、配列番号18、配列番号19、配列番号20、配列番号21、配列番号22、配列番号23、配列番号24、配列番号25、配列番号26、配列番号27、配列番号28、配列番号29、配列番号30、配列番号31、配列番号32、配列番号33、配列番号143、配列番号144、配列番号145、配列番号146、配列番号664、配列番号665、配列番号666、配列番号667、配列番号668、配列番号669、配列番号670、配列番号671、配列番号672、配列番号673、配列番号674、配列番号675、配列番号676、配列番号677、および配列番号680からなる群から選択されるアミノ酸配列を含み、15のアミノ酸置換が行われている、実施形態1から18および209のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0655】
実施形態225.前記HD1が、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号15、配列番号16、配列番号17、配列番号18、配列番号19、配列番号20、配列番号21、配列番号22、配列番号23、配列番号24、配列番号25、配列番号26、配列番号27、配列番号28、配列番号29、配列番号30、配列番号31、配列番号32、配列番号33、配列番号143、配列番号144、配列番号145、配列番号146、配列番号664、配列番号665、配列番号666、配列番号667、配列番号668、配列番号669、配列番号670、配列番号671、配列番号672、配列番号673、配列番号674、配列番号675、配列番号676、配列番号677、および配列番号680からなる群から選択されるアミノ酸配列を含み、16のアミノ酸置換が行われている、実施形態1から18および209のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0656】
実施形態226.前記HD1が、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号15、配列番号16、配列番号17、配列番号18、配列番号19、配列番号20、配列番号21、配列番号22、配列番号23、配列番号24、配列番号25、配列番号26、配列番号27、配列番号28、配列番号29、配列番号30、配列番号31、配列番号32、配列番号33、配列番号143、配列番号144、配列番号145、配列番号146、配列番号664、配列番号665、配列番号666、配列番号667、配列番号668、配列番号669、配列番号670、配列番号671、配列番号672、配列番号673、配列番号674、配列番号675、配列番号676、配列番号677、および配列番号680からなる群から選択されるアミノ酸配列を含み、17のアミノ酸置換が行われている、実施形態1から18および209のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0657】
実施形態227.前記HD1が、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号15、配列番号16、配列番号17、配列番号18、配列番号19、配列番号20、配列番号21、配列番号22、配列番号23、配列番号24、配列番号25、配列番号26、配列番号27、配列番号28、配列番号29、配列番号30、配列番号31、配列番号32、配列番号33、配列番号143、配列番号144、配列番号145、配列番号146、配列番号664、配列番号665、配列番号666、配列番号667、配列番号668、配列番号669、配列番号670、配列番号671、配列番号672、配列番号673、配列番号674、配列番号675、配列番号676、配列番号677、および配列番号680からなる群から選択されるアミノ酸配列を含み、18のアミノ酸置換が行われている、実施形態1から18および209のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0658】
実施形態228.前記HD1が、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号15、配列番号16、配列番号17、配列番号18、配列番号19、配列番号20、配列番号21、配列番号22、配列番号23、配列番号24、配列番号25、配列番号26、配列番号27、配列番号28、配列番号29、配列番号30、配列番号31、配列番号32、配列番号33、配列番号143、配列番号144、配列番号145、配列番号146、配列番号664、配列番号665、配列番号666、配列番号667、配列番号668、配列番号669、配列番号670、配列番号671、配列番号672、配列番号673、配列番号674、配列番号675、配列番号676、配列番号677、および配列番号680からなる群から選択されるアミノ酸配列を含み、19のアミノ酸置換が行われている、実施形態1から18および209のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0659】
実施形態229.前記HD1が、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号15、配列番号16、配列番号17、配列番号18、配列番号19、配列番号20、配列番号21、配列番号22、配列番号23、配列番号24、配列番号25、配列番号26、配列番号27、配列番号28、配列番号29、配列番号30、配列番号31、配列番号32、配列番号33、配列番号143、配列番号144、配列番号145、配列番号146、配列番号664、配列番号665、配列番号666、配列番号667、配列番号668、配列番号669、配列番号670、配列番号671、配列番号672、配列番号673、配列番号674、配列番号675、配列番号676、配列番号677、および配列番号680からなる群から選択されるアミノ酸配列を含み、20のアミノ酸置換が行われている、実施形態1から18および209のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0660】
実施形態230.前記HD1が、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号15、配列番号16、配列番号17、配列番号18、配列番号19、配列番号20、配列番号21、配列番号22、配列番号23、配列番号24、配列番号25、配列番号26、配列番号27、配列番号28、配列番号29、配列番号30、配列番号31、配列番号32、配列番号33、配列番号143、配列番号144、配列番号145、配列番号146、配列番号664、配列番号665、配列番号666、配列番号667、配列番号668、配列番号669、配列番号670、配列番号671、配列番号672、配列番号673、配列番号674、配列番号675、配列番号676、配列番号677、および配列番号680からなる群から選択されるアミノ酸配列を含み、21のアミノ酸置換が行われている、実施形態1から18および209のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0661】
実施形態231.前記HD1が、配列番号143である、実施形態1から20のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0662】
実施形態232.前記HD1が、配列番号144である、実施形態1から20のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0663】
実施形態233.前記HD1が、配列番号145である、実施形態1から20のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0664】
実施形態234.前記HD1が、配列番号146である、実施形態1から20のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0665】
実施形態235.前記HD1が、配列番号664である、実施形態1から20のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0666】
実施形態236.前記HD1が、配列番号665である、実施形態1から20のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0667】
実施形態237.前記HD1が、配列番号666である、実施形態1から20のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0668】
実施形態238.前記HD1が、配列番号667である、実施形態1から20のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0669】
実施形態239.前記HD1が、配列番号668である、実施形態1から20のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0670】
実施形態240.前記HD1が、配列番号669である、実施形態1から20のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0671】
実施形態241.前記HD1が、配列番号670である、実施形態1から20のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0672】
実施形態242.前記HD1が、配列番号671である、実施形態1から20のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0673】
実施形態243.前記HD1が、配列番号672である、実施形態1から20のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0674】
実施形態244.前記HD1が、配列番号673である、実施形態1から20のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0675】
実施形態245.前記HD1が、配列番号674である、実施形態1から20のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0676】
実施形態246.前記HD1が、配列番号675である、実施形態1から20のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0677】
実施形態247.前記HD1が、配列番号676である、実施形態1から20のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0678】
実施形態248.前記HD1が、配列番号677である、実施形態1から20のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0679】
実施形態249.前記HD1が、配列番号680である、実施形態1から20のいずれか1つに記載の操作されたポリペプチド。
【0680】
前述の記載は、例示目的で提供された実施例を用いて本発明を開示するが、本発明の実施は、特許請求される本発明の範囲内にあるような通常の変法、適応または修飾のすべてを包含するということは理解されよう。したがって、記載および実施例は、添付の特許請求の範囲によって詳しく説明される本発明の範囲を制限すると解釈されてはならない。